●イカー
アックス&ウィザーズのとある一角に、ゴブリンたちが過ごす拠点がありました。
冒険者達と小競り合いをしながらもなんとか駆逐を逃れて細々と暮らしていた彼らは、誰も彼もが平均的な能力のゴブリンでしかなく、群れを率いる強力な存在が現れることをいつも願っておりました。
ある晴れた日のこと。ゴブリンたちは荒野の向こうから巨大な何かが迫ってくるのを見つけました。
それは、イカでした。
大きな大きな、イカでした。
「食べ物の匂いがするイカ! 寄越すイカー!」
ゴブリンたちは衝撃を受けました。この荒れ地に突如現れたこの存在は、己の住処とは相容れないはずのこんな場所でさえ、強力な力を持っていたのです。
ゴブリンたちは拠点で暴れだそうとする巨大なイカに食べ物を差し出しながら、こう言いました。
もっと美味しい食べ物を手に入れに行かないか、と――。
●だいおーいかたんうぃずごぶりん
「というわけで、だいおーいかたんをリーダーに据えて、これ幸いと攻め込んできたゴブリン達を返り討ちにしてやってほしい」
グリモア猟兵、エンティ・シェア(欠片・f00526)は語る。
見えた予知では、近々アックス&ウィザーズのとある武器商店に老人が数名駆け込んでくるだろうとのこと。
彼らはゴブリンたちの強襲に遭い、村から逃げ出してくる者だ。
己の村は己で取り戻さねばならぬと意気込む老人達は、商店の主人が武器は売れぬと突っぱねても、最終的には棒きれ一本で村に戻ってしまうだろう。
「老い先短い我等がいくら朽ちても枷にはならぬ、若い未来のために我らが立たねばならぬのだ……といった具合でね」
そこらにいる冒険者に助力を願えばいいだろうと説く者も当然居るが、それほどの蓄えはないのだと拒むだろう。
善意で協力しようとする冒険者も居るには居るだろうが、並のゴブリンはともかく、だいおーいかたんの相手は彼らでは荷が重い。
「そんなわけで、ご老人方に協力してあげてほしい。現地の冒険者の同行を拒む必要もないが……まぁ、君たちが手を挙げれば、引き下がるだろう。なにせ報酬が出るわけではないのだからね」
君達もその辺りは了承して頂きたい、と軽く肩をすくめるエンティ。そして、一先ずは老人達を思い直させてほしいと続ける。
「手段は問わないが……件の村までは荒野の魔獣を避けて移動しなければならないからね、道を知る彼らの協力は必須だ。気絶をさせてその隙に、というのはやめたほうがいい」
多少の条件はあるが、とにかく彼らが村に戻り、ゴブリン達の餌食になってしまうことだけは阻んでほしいと念を押した。
それから、あぁ、と短く声を上げて。
「報酬は出ないがね、だいおーいかたんは美味しいらしいよ」
程よく焼けている『お弁当』を持参しているらしいので、興味があったら味見してみると良いと笑った。
里音
アックス&ウィザーズでの冒険です。
第一章は、なんとかご老人方に近くまでの案内までで妥協してもらおうという内容になります。
一応狩りなどをまだ現役でしている村人もいますが、ゴブリンとの戦闘になれば明らかに弱そうな相手から狙っていきますので、危険度は高いです。
第二章、第三章開始時点での状況を冒頭文章で投稿予定です。
プレイングの参考にどうぞ。
皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『老人達の意地』
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POW : 自分たちの力を見せつけて説得する等
SPD : 老人から武器を取り上げる、トラップで妨害する等
WIZ : 誠意を込めて会話し説得する等
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🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
小宮・あき
連携、アドリブ歓迎です。
陸地のイカとは。しかも美味しいんです?
未知なる生物が沢山いるのですね…これも冒険の醍醐味かな。
●WIZ 誠意を込めて対応
人間の聖者×クレリック。
【存在感】のある聖職者服でお話を。
【礼儀作法】と持前の【コミュ力】でお話しましょう。
【言いくるめ】もありますが…できれば使いたくはないですね。
まずは、力量に差があること。
老人の皆様の力不足ではなく、猟兵の能力値が高いからとフォロー。
そして、皆さんに危険が及ぶことは控えて欲しい、と。
私達猟兵は戦闘後、この地域を離れます。皆さんの村や地域を守るわけではありません。
老人の皆さんには、後続の冒険者を育てていってほしい、と説得しましょう。
ハロ・シエラ
だいおーいかたん……これはまた気の抜ける名前ですね。
ですが気を抜いて勝てる相手では無いでしょう、十分注意しなければ。
お年寄り達ではいわずもがな、です。
と言う事でお年寄り達に退いて頂かないといけないのですが、私では説得しても効果は薄いでしょう。
何せ子供ですから、寧ろこちらが避難すべきだと言われるのがオチです。
なので猟兵の力を見せ付ける事にします。
大岩でも大木でも構いません、剣刃一閃で斬って見せます。
何でしたら【怪力】を用いて力比べをしてもいいでしょう。
子供の私もこのくらいの力があり、より経験や年齢を重ねた仲間たちはもっと強い、という事を分かってもらえれば退いてくれるのではないでしょうか。
フロース・ウェスペルティリオ
だいおーいかたん?というのは美味しんだね
うん、ウチが参加する理由は、それだけで十分かなぁ
やっぱり人間(タール)美味し物を食べたいよねぇ
もちろん、村もちゃんと助けたいです
悲しむ人は居ない方が良いかと
ふふ、自分たちの村を自分たちで守ろうという気概は、とても素晴らしいものだよねぇ
可能であれば、是非ともお力添えしたい所
という事で、戦闘面では武器たちに、地の利等の知識面では歴戦の戦士(ご老体)の方々にご助力願おうかな
目立たないようこっそり伸ばした髪部分で、素早く装備された武器を解除したり、盗み攻撃で手に持った武器を奪ったり
武器が使えなくなる状態が、他の説得してる人の援護射撃にでもなれば良いのだけどねぇ
アンジェリカ・ヘインズビー
…お仕事です、頑張りましょう。
[POW]
力を見せ付ける事で説得をします、おじいさん達の前で大きな岩を[ハンマークラッシャー]で破壊して見せる事で力強さを見せてから説得します。
「あなた方の中にも戦いを経験した事のある方がいるのかもしれません、
でも…もう年なんですから戦おうなんて思わないで下さい。無理して死んだら誰も喜びませんよ」(表情は変わらないが今は亡き育ての親を思い出して俯く)
できれば私はこの人たちに安全なこの場所にいて欲しい、でも道案内が必要な事も理解してます…だから。
「私が、私達が守ります、だから道案内だけ…村までの道案内だけお願いします」
【アドリブ歓迎】
クロト・ラトキエ
ははぁ。ゴブリンは言ったわけですね?
イカに「食べ物を手に入れに行かなイカ」と。
……。
なんと恐ろしい相手でしょう、一瞬にして歴戦の猛者たちをも凍りつかせる破壊力、出遭う前から彼らの侵略は始まっている!?
なりません先輩諸氏、あなた方はその経験と知識故に格好の餌食となってしまう!
この場はどうか我々後進にお預けを。そして若い未来を想うならば、彼らを傍で守ってあげてください。
と。勢いで押せ押せ、目上を立てつつ、義侠心にも訴えかけ。
他の皆さんの良案にもサッと乗ったり。
まぁ無理な時は、道中で避けきれなかった魔獣が居れば伸して力量証明してからの、若人を護ってくださいと素直に願い出ます…。
最初の台詞?はてさて?
●
「ははぁ。ゴブリンは言ったわけですね? イカに「食べ物を手に入れに行かなイカ」と」
なんだって?
なるほどなるほどと呟いたクロト・ラトキエ(TTX・f00472)の一言は、春の兆しを迎え始めた街の一角を、真冬に引き戻した。
いや、確かにそれグリモア猟兵が言ったことだけど!
店先でワイワイやらかしていたご老人方と猟兵達を辟易した顔で見ていた武器屋店主の顔が露骨に冷めたのを見て、見なかったふりをして、クロトは大げさに声を上げた。
「なんと恐ろしい相手でしょう、一瞬にして歴戦の猛者たちをも凍りつかせる破壊力、出遭う前から彼らの侵略は始まっている!?」
そこに突っ込み入れなければその侵略はなかったろうよ、という声が心の内側から聞こえてくるような気もするが、それも気のせいだ。
気のせいったら気のせいだ。
「なりません先輩諸氏、あなた方はその経験と知識故に格好の餌食となってしまう!」
「お、おう……」
クロトの勢いに、老人方、若干押され気味。
だが、勢いに乗せてさりげなく老人達を持ち上げる言葉を選ぶクロトに、小宮・あき(人間の聖者・f03848)が乗っかった。
「皆さんのお力が不足していると言うわけではありません、ただ、私達は実際に魔獣に匹敵する敵と戦った経験がありますから、きっと力になれます」
生まれながらにして光を内包し、その存在そのものが癒やしとなる聖者であり、アックス&ウィザーズ現地でも馴染みあるクレリックの素養を持った(むしろ盛った)あきのきらきらとした雰囲気は、ゴブリンらに村を蹂躙されて憤る老人達の心を落ち着ける。
「どうか、皆さんに危険の及ぶようなことは、控えていただけませんか」
言いくるめる言葉も選ぶことは出来たが、それでは意味がないとあきは誠心誠意の言葉を紡ぐ。
どうかこの申し出に頷いて欲しいと、真摯な眼差しに見つめられて。そんな風に願い出るあきに、老人達とて本心では縋ってしまいたいことだろう。
だが、自分達には大した蓄えもなく、それでいながら赤の他人に厄介事を押し付けるような真似は、意地や矜持以前に後ろめたさがあるのだろう。互いに顔を見合わせて、言葉を選びあぐねていた。
どうにか断る理由を探して、一人の老婦人が猟兵達に混ざってちょこんと佇む、ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)とアンジェリカ・ヘインズビー(寡黙でサイボーグなバーバリアン少女・f11144)を控えめに示した。
「あんた達がいくら強いって言ったって……あんな子供まで連れてじゃあ……」
巻き込みたくない、という思いは、長く生き、新たな家族を何度も迎え入れてきた老人達だからこそ強い。
あきも決して熟年の戦士と言った貫禄があるわけではないが、そんな彼女よりもさらに幼く、腰の曲がった老人達とも対して目線が変わらないハロとアンジェリカは、孫を持つ老人達にとっては、巻き込みたくない最たる存在と言えた。
だが、ハロは自身の容姿が説得には不向きであることを理解していたし、アンジェリカもまた、言葉よりもより説得力のある手段を、認識していた。
「わかりました」
「少し広い場所へ移動しましょう」
こくり、素直に頷いたアンジェリカに、老人達がホッとしたような顔をしたのもつかの間。ハロの促しに、アンジェリカもまた異を唱えることなくついていくのを見て、おずおずと後を追う。
武器商店から幾らか離れた街外れ、商店前でのやり取りからの移動で、ちょっとした野次馬が一緒に付いてきていたが、そんな周囲を一瞥して、ハロは少し大きめの木に目をつけた。
「これは、切ってしまっても大丈夫なものでしょうか」
「え? あ、あぁ、別に誰のものでもないし……」
街の住民と思しき野次馬に尋ねて、そうですかと頷いたハロは、スッ、と己の武器を構える。
そのさまに、過る気迫に、ざわついていた周囲がしんと静まって。
一瞬の後、素早く繰り出された剣閃が、ハロの前に聳え立った木を、一刀のもとに切り伏せた。
ずずん、と大きな音を響かせ、土埃を巻き上げるのを背景に振り返ったハロは、アンジェリカと視線を交わし合い、応じた少女はまたこくりと頷いた。
そこそこ経験を積んだ冒険者も見守る中、おいおいまさかあの子まで、という声が小さく上がる。
臆するでもなく淡々とした調子で倒れた木に歩み寄ったアンジェリカは、可愛らしいフリルのスカートにはあまりに不似合いな巨大な槌を振りかぶり。
「全力全開です」
ドガン――!
強烈な破壊音と共に、倒木を粉々に粉砕した。
涼しい顔で大木を薪に等しいサイズにまで変えてしまった少女二人に、老人達は呆気にとられたような顔をしていた。
そんな彼らの前でぺこりと礼をして、ハロは見た目に大人なクロトや、見るからに只者ではない雰囲気を持つフロース・ウェスペルティリオ(蝙蝠花・f00244)らを振り返り示す。
「子供の私でもこの程度の力はあるんです。より経験を……年齢を重ねた仲間たちは、もっと強いんですよ」
目の前の老人達も、今より五十年も若い頃には子らを導く強い存在だったことだろう。成熟した肉体が持つ強みというものは、特別な能力を持たない一般人だからこそ、痛感しているはずだ。
そして、その強みは、更に歳を重ねることで、単純に、衰えていくことも。
「あなた方の中にも戦いを経験した事のある方がいるのかもしれません、でも……もう年なんですから戦おうなんて思わないで下さい」
アンジェリカの言葉は、老人達には、突き刺さるものだった。
何故なら、自分達が老いていること以上に、全く戦いの経験がないことを指摘されたも同然だったからだ。
見て見ぬふりをしてきた現実を、突きつけられたのだ。
「無理して死んだら誰も喜びませんよ」
朽ちても惜しくはないと、彼らは誰もが思っていた。もう、己が役に立てることなど無いと、勝手に思っていた。
孫のような少女の俯く姿に、己の家族を思い起こして、胸が痛んだ。
俯いたアンジェリカ自身も、かつては己にもいた育ての親の姿を思い出していた。
サイボーグであり、さらに寡黙で無表情な育ての親に憧れて倣ってきた彼女が、その表情に変化をきたすことは殆ど無いけれど。寂しさは、確かに滲んでいた。
少しの沈んだ空気を、ぽん、と手を打って払い、ずっと静観していたフロースは口元に笑みを浮かべて老人達を覗き込む。
「悲しむ人が居ない方がいいとは、皆、思ってるんだよ」
だから、こうやって言葉を尽くしている。嘘や誤魔化しではなく、力を認めてもらうことから始めて、関わりたい理由を添えて、説いている。
もう、老人達には彼らの心は届いていることだろう。
先程粉砕された木片をひょいひょいと髪で集めて幾つかの束にしていたフローレスは、老人達が握りしめた武器代わりの棒きれを、真正面から取り上げる。それに対して、彼らはもう、何も言わない。
代わりに、仕上げた木片の束を差し出して、にっこりとフローレスは微笑む。
「薪を割るのも大変だろうからね、持って帰るといいよ。ウチらも使うことになるかも知れないしねぇ」
薪を使うような事態。突飛な発言に、老人達はきょとんとした顔でフローレスを見上げた。
にこにこしているフローレスを始め、猟兵たちは皆、聞いていたのだ。
「だいおーいかたん? というのは、美味しいらしいねぇ」
ウチが参加する理由は、それだけで十分かなぁ、と呟くフローレスの言葉に、ゴブリンを引き連れてきたイカを食べる? と、ぽかんとしている老人達。
「陸地にイカ、しかも美味しいって、いかにも未知の生物って感じだけど……これも旅の醍醐味、かな」
さらに同調するあきの言葉は、ゴブリンらとの対峙を死地と捉えていた老人達の認識をほぐし、ふんわりと場の雰囲気を和ませる。
そんな空気に、ふ、と小さく笑みをこぼしてしまったハロは、慌てて気を引き締める。
(だいおーいかたん……改めて名前を聞いてしまったら、気が抜けてしまいそうですね……)
キリッと表情を引き締めて、気持ちも持ち直す。油断していては勝てる相手にも勝てない。折角強い一行の印象を持ってもらえたのだから、このまま完勝で以てその印象を裏付けたいものである。
……イカを食べる一行という認識に摩り替わっていなければよいが。
「という事で、戦闘面では武器たちに、地の利等の知識面では歴戦の戦士の方々にご助力願えないかな」
「……え?」
お土産用と自分用の薪をすっかり集め終えたフローレスに再び覗き込まれ、老人達は思わず声を上げた。
「ふふ、自分たちの村を自分たちで守ろうという気概は、とても素晴らしいものだよねぇ」
力添えをさせてもらえそうな方向に話が纏まって何よりだと頷くフローレスを見て、それから、老人達は改めて周囲の猟兵達を見やった。
「私達は、村までの道を知りません」
案内をして貰えるなら、とてもありがたいです、とハロは告げて。
頷いたあきは、それに、と続ける。
「私達は戦闘後、この地域を離れます。皆さんの村や地域を守るわけではありません。皆さんには、後続の冒険者を育てていってほしいんです」
「ええ、その通り。若い未来を想うならば、彼らを傍で守ってあげてください」
なんでしたら道中魔獣に遭っても退けてみせますよと笑うクロトの姿に、頼もしい事だと瞳を細める彼らの脳裏には、寒い小ネタでおどけてみせた彼はもう残っていない。
ただ、あきと同じように未来を見据えた言葉に、そんな風に考えたことはなかったと、苦笑した。
それから、伺うようにアンジェリカを見た。
「できれば、皆さんには安全な場所に居てほしいとは、思っています」
でも、道案内が必要なことも理解している。だから。
「私が、私達が守ります、だから道案内だけ……村までの道案内だけお願いします」
戦うな、と。武器を手にしようとする自分たちの前に現れた若者達は、口々に言った。
けれど、誰ひとり、来るなとは言わなかった。
村を守りたいと願う心を、汲んでくれた。
危険を冒してほしくない、安全な場所に居てほしい。本音を交えながら、それでも。
――それでも、『認めて』くれた。
あぁ、彼らは、この老耄たちにも、手伝わせてくれるのか。
「ありがとうねぇ……」
そう言って猟兵達に頭を下げた老人達は、武器商店に駆け込んだときのような鬼気迫る雰囲気も、申し出を断ろうとした時の後ろめたさもなく。
ただ、感謝に顔を綻ばせる、優しいおじいちゃんとおばあちゃんにの顔になっていた。
大成功
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第2章 集団戦
『ゴブリン』
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POW : ゴブリンアタック
【粗雑な武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 粗雑な武器
【ダッシュ】による素早い一撃を放つ。また、【盾を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 足払い
【低い位置】から【不意打ちの蹴り】を放ち、【体勢を崩すこと】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:あなQ
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●モード宴
老人達の案内を得て、猟兵達は村の近くに位置する洞窟にたどり着いていた。
ここは一応採掘などにも訪れるものが居る生活圏内で、安全なはずだと彼らは告げる。
「避難できる場所なら他にも知っておるからの、皆さんはどうかわしらのことは心配してくださるな」
突っぱねるでもなく、さらなる同行を願うでもなく。任せてくれと胸を張る老父の言葉は力強かったことだろう。
頼もしい方々に助けてもらえる事になったと村人達に説明してくれる老人達によって、村人の安全を気にする必要はない。今はただ、彼らが再び逃げ出す必要が無いよう、しっかりと敵を排除するだけである。
春を待つ村は、ゴブリン達が見込んだほどの食べ物はなかったが、それでもだいおーいかたんにとっては新鮮な陸の食べ物は興味深く、美味しいものであったらしい。
『お弁当』として持参した何かの唐揚げやら何かの姿焼きやらと一緒に、もぐもぐとごはんを楽しんでいた。
そこへ現れた猟兵達に、ゴブリンらはキィと鳴く声を上げて立ちはだかる。
「ボスの食事中だ! 邪魔するな!」
「お前たちも肉にしてやろうか!」
言葉は物騒だが、背後に控えるもにゅもにゅフォルムのいかたんの影響で、割とコミカルな風景に見えることだろう。
だが、油断してはならない。大体似通ったサイズ感と武装とは言え、ゴブリンの数は、決して少なくはないのだから。
小宮・あき
(アドリブ・連携歓迎です)
あれが、だいおーいかたん。
ゴブリンとのミスマッチが凄いですね…ちょっと面白いかも。
サクッとといっても、注意は怠らず。
前衛さんが居るようでしたら、連携して動きましょう。
私は後衛から攻撃します。
【視力】【暗視】でしっかり見て【聞き耳】で音を拾う。
【第六感】【野生の勘】を信じ【ジャンプ】【ダッシュ】【逃げ足】で回避します。
低い位置の不意打ちの蹴りは、ジャンプで交わして【早業】で反撃しちゃおう!
UC【愛雨霰】を発動。レベル数と同等のマスケット銃が、あきの周囲に浮いています。
【念動力】で操作。銃口をゴブリンに向け攻撃と牽制。
自身は両手杖を握って【全力魔法】で攻撃を叩き込みます。
ラリー・マーレイ
ごめん、出遅れた!
まだ戦いは終わってないんだよな!参戦させて貰うよ!
という訳で、ゴブリンとの戦いに参加します。
ブロードソードを抜いて構え、ゴブリン達と対峙。弱い相手とは言え、俺だってまだ駆け出しの身だし、油断は出来ないな。
包囲されたり背後に回られたりしないように、立ち位置に気を付けて襲い掛かって来るゴブリンを切り付けていこう。
それでも乱戦になって周囲を囲まれたなら、ユーベルコード【惰眠の呪文】を使い、周りの敵を眠らせる。初級にして最強と名高い魔法だ。
眠らなかった敵から優先して倒す。起きてきたら再度呪文を使用。ベテランみたいに一撃で一掃とはいかないけど、新人は新人らしく堅実にいこう。
ハロ・シエラ
おじいちゃん達も納得してくれたようで良かったです。
これで我々の戦いに人々を巻き込む事も無いでしょう。
後はオブリビオンを……名前だけでなく外見まで気の抜ける相手ですね!
ですが油断はしません、まずはゴブリンを片付けます。
まずは【先制攻撃】を仕掛けます。
相手に防御を意識させて【フェイント】を。
盾で防ごうとした所に、防御しきれていない部分を狙った突きを仕掛けます。
倒せなくてもいい、傷付けて怒らせ【おびき寄せ】るのが目的です。
素早い一撃は【武器受け】や【見切り】、【第六感】にて防ぎましょう。
盾を捨てるならばより都合がいい。
仲間と一緒に恨みを晴らそうと近づいてきた所をユーベルコードにて一網打尽にします!
アンジェリカ・ヘインズビー
ここからがお仕事です、頑張ります。
[POW]
スカイステッパーで何度か跳躍しつつ敵の群れの中にハンマーを叩き付けるように落下、更にハンマーで周囲を殴るように回転して、最後に手を離しハンマーを放ちます。
その後は合金製ブーツによる蹴りで戦闘しつつ味方の方に移動します。
…投げたハンマーはあとで回収します。
【アドリブ・絡み歓迎】
クロト・ラトキエ
長いものには巻かれろと言いますし。
ゴブリン達が生きる為にこの道を選んだことも、仕方の無い事なのでしょう。
ですが、雉も鳴かずば撃たれまい。
他者の領域を侵す者は、排斥されても文句は言えません。
「さぁ、お仕置きの時間ですよ」
建物や田畑など村に被害を及ぼさないよう気を付けて。
防御はフックで引っ掛けた敵を盾にして。
攻撃はトリニティ・エンハンスの風の魔力で攻撃力強化した鋼糸で。
早業で腕や脚にくるり引っ掛け、断って、無力化を図ります。
一体ずつでも、皆さんと連携できるなら範囲攻撃でも。
一気に落とせるなら、脅し効果も上がりますかね?
「いやぁ、肉にされるのは、ちょっと」
「……だってそれ、こちらの台詞ですよね?」
●
「ごめん、出遅れた!」
ゴブリン達と対峙する猟兵達へ、息を切らせながら駆け込んでくる青年が一人。
ラリー・マーレイ(見習い剣士・f15107)は、まだ戦闘が始まっていない様子を確認すると、ホッと安堵の息を漏らし、腰に帯びたブロードソードを引き抜き、構えた。
「まだ戦いは終わってないんだよな! 参戦させて貰うよ!」
力強く宣言したラリーだが、ふと、ゴブリン達の奥に控えている姿を目に留めて、ぱちり、何度も瞳を瞬かせた。
「あれが、だいおーいかたん」
「名前だけでなく外見まで気の抜ける相手ですね!」
あきがゴブリン達と何度も見比べたのは巨大な白い塊。つるんとした表皮がもにゅっと柔らかそうな弾力を帯びながら触腕を動かすさまは……どう見てもイカ。
ゴブリンとのミスマッチ加減がなんとも言えないと面白がっているあきに対し、ハロはせっかく引き締めた気がまた緩んでしまうではないかと思わず声を上げた。
(おじいちゃん達も納得してくれたようですし、我々の戦いに人々を巻き込む事も無いでしょう。期待もあるのですから、油断はしないようにしないと)
ラリーもまた、思ったより間の抜ける光景に拍子抜けしたような心地になるが、ハロ同様、油断はすまいと気を引き締める。
「俺だってまだ駆け出しの身だしな」
若者達の葛藤とも言えない若干の動揺にやや微笑ましげな目を向けて、クロトは手元の鋼糸に風の力を纏わせる。
「長いものには巻かれろと言いますし」
この辺りではすっかり弱者の立場となったゴブリン達が生き延びるためには、あの珍妙なイカのご機嫌を取り、庇護されることが手っ取り早かったのだろうが、そのために他社の領域を侵した判断は、浅はかとしか言いようがない。
雉も鳴かずば撃たれまいとは、よく言ったものである。
「さぁ、お仕置きの時間ですよ」
その一言を合図にしたかのように、アンジェリカはタンッと地を蹴って、跳んだ。
「跳びます」
華奢な体に巨大なハンマーを抱え、トン、トン、と軽やかな跳躍を空中で繰り返すと、ゴブリン達の群れの上空で、くるり、体を反転させる。
粗末な弓を持つ個体も見えるが、戦い慣れしていないその手元は覚束ない様子で、狙いも適当だ。
これを始末するのがお仕事だ。中空でハンマーを振りかぶったアンジェリカは、落下の勢いも加えて、ゴブリン達のど真ん中へハンマーを叩き込んだ。
その勢いに数匹吹っ飛び、そのまま動かなくなる者も居たが、あのままでは囲まれてしまうと掛けだしたラリー。
「カーフアレフ・ターイ・ヌーンザンメ……」
群れの手前で素早く詠唱すると、ゴブリン達に眠りへと誘う霧を放つ。
まだまだ初心者と言うラリーだが、敵を無力化する単純な魔法の効果は強く。自身の体ごと叩き落としたハンマーを豪快に振り回すアンジェリカによって、眠り始めた者が蹴散らされていく。
「うわ、さすが……」
眠らなかった者から優先的に攻撃を、と考えていたラリーだが、これが連携による相乗効果というやつかと感心しきりだった。
だが、自分は自分で、新人らしく堅実に戦うべきだと理解している彼は、誰に倣うこともなく、眠るに至らずに動き回る個体へ攻撃をしていく。
それが、自分の最善だと理解しているから。
アンジェリカの勢いに思わず逃げ出そうとしたゴブリンの前に、ハロが立つ。
素早く繰り出される剣戟を、ボロボロの盾で防御しようとしたゴブリンだが、その刃は盾の手前でピタリと静止し、ハロの手元でくるりと切っ先を変える。
盾に防がれていない肩口へと突き立てられる刃に、思わず悲鳴を上げたゴブリンだが、大暴れしているアンジェリカと比べれば、その攻撃は弱かった。
こいつなら勝てるかも知れない、と思ったのだろう。逃げ腰だったゴブリンは、勢い込んで武器を振り上げ、周囲で動揺に及び腰になっていた仲間たちを呼んだ。
「こいつからボスの献上品にするぞ!」
ボスが動けば百人力。対峙者が旨い肉だと思えばボスもきっと動き出す!
なんて思ったのも、束の間だった。
鋭い銃声が奔り、駆けつけたゴブリン一体が銃弾に貫かれた。
「周りが見えてないにも程がありますね」
前へと駆け出した猟兵達を支援すべく、後方で構えたあきは、ユーベルコードで複製された大量のマスケット銃を周囲に浮かせ、それぞれの銃口をゴブリン達へと向けている。
「私、愛されていますから」
誇らしげな笑みと共に放たれる銃弾は、ゴブリンを狙う。
精密な狙撃や連射には向かないマスケット銃とは言え、数を備えれば一編隊も同様。
牽制効果は抜群に発揮され、元より再装填の隙を狙うような頭もなく、さらにあきの両手杖より放たれる魔法攻撃にも晒され、ゴブリン達は慌てふためいた。
だが、そもそもハロを『弱い』と判断して近寄ったのが、間違いだったのだ。
「逃げ場はありません」
急速に熱を帯びたハロの刃が、真っ直ぐにゴブリンを見据える眼光に沿うように、振るわれる。
「そこは私の間合いです!」
一閃と共に放たれたのは、魂をも焼き尽くす炎。正に一網打尽、ゴブリン達は炭と化し、ふわり、風に流されて消えていった。
ふわり、その風が、猟兵達の髪や服も靡かせる。
動き回る仲間の間を縫うように、風を纏った鋼糸が奔り、武器を掲げる手を、盾を構える腕を、鈍い足音を響かせる足を、絡め取る。
それはゴブリンの行動を阻害するほど強力ではなく、あまりにさり気なく纏わりついて。
くん、と蠢かせたクロトの指先に合わせて、すらりと鋭利な刃に転じた。
踏み出した足が切りつけられてつんのめった個体に、ラリーが剣を突き立てる。
盾を構える腕を落とされ、無防備になった銅にアンジェリカのハンマーが叩き込まれる。
振り抜くはずだった武器を引き止められて仰け反った個体の足が、より鋭利な鋼によって刻まれる。
田畑に突っ込もうとしたゴブリンの足を物理的に止めたクロトは、倒れ伏したそれを見下ろして、小首をかしげた。
「肉にされるのは、ちょっと」
見上げたための陰りゆえか、纏う風によって靡くもので、より大きく見えるのか、それとも、単純に向けられた表情ゆえか。
ともかく、その姿にゴブリンは畏怖した。
そうして、唐突に理解した。
「……だってそれ、こちらの台詞ですよね?」
ただの肉塊になるのは、さぁ、どちらだろう?
そのゴブリンが、最期に見た顔は、実に朗らかだった。
最初手でアンジェリカがゴブリン達を動揺させたことや、ラリーの眠りの効果が広く発揮されたこともあり、猟兵達は大きな傷を負うこともなく、ゴブリン達を仕留めていく。
遠くへ逃げ出す前にあきの銃に撃ち抜かれたり、そもそも逃げる足を落とされたりと、逃亡すらも叶わないままキィキィと喚くばかりとなったゴブリンの一体にハロが止めを刺せば、ほんの一瞬、静かになる。
その一瞬は、ほとんどのゴブリンが駆逐された瞬間だった。
大成功
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第3章 ボス戦
『だいおーいかたん』
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POW : 子分行くイカ!
レベル×5体の、小型の戦闘用【こぶんいかたん】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
SPD : お弁当食べるイカー
戦闘中に食べた【おにぎりや焼き…イカ…?】の量と質に応じて【よくも子分をイカ!と何故か猟兵に逆ギレし】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ : イカスミぶはー
【いかたん得意のイカスミすぷらーっしゅ】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を真っ黒に塗りつぶし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:Miyu
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ポク・ョゥョゥ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●にく食うイカ!
大暴れする猟兵を前に、早々に敵う相手ではないと判断した個体が、ボスに据えただいおーいかたんの元へ駆け付ける。
阿鼻叫喚の惨状を打開してくれることを期待して。
しかしその期待は一瞬で打ち砕かれた。もそもそと動いただいおーいかたんは、足元のゴブリンをひょいと触腕で絡め取ると、もごもごしていたお口の中へ放り込んだ。
「ん、ん、んー。まずいイカ!」
ぺっ! べちゃっ。
もごもごされた挙げ句吐き出された勢いで地面に叩きつけられたゴブリンは、ピクリとも動かなかった。
ぺっぺっと不愉快そうにしていただいおーいかたんは、再びもそもそと触腕を動かして、びたんびたんと地団駄を踏むようにそれを叩きつけながら、猟兵達へと向き合うと。
「旨い肉寄越すイカー!」
ふわふわ周囲を漂う子分イカと共に、どう見ても子分が焼かれたようにしか見えないおかずやおにぎりを構えて襲いかかってきた。
食欲だけで動いているようなだいおーいかたんだが、その執着ゆえに、捕まればひょいっとぱくっと行かれてしまう危険だけは、予感しておいたほうがいいかもしれない。
小宮・あき
後衛。【オーラ防御】【激痛耐性】
UC【愛雨霰】で牽制攻撃。
愛用のマスケット銃をレベル本を宙に浮かせ【一斉発射】の【援護射撃】。
【フェイント】【だまし打ち】したかと思えば【零距離射撃】をしたり。
刀身で【串刺し】、2本クロスし【武器受け】【盾受け】要領で敵を前進させない。
こぶんいかたんは相当数になると予測。
手間取っている時間はない。撃って刺して、仕留めていきます。
自身は両手杖を握り【全力魔法】のUC【神罰】。
聖職者の私の【祈り】は、光の範囲は半径レベルmの円柱。
【範囲攻撃】。
【視力】【聞き耳】で逃さない。
【第六感】【野生の勘】を重視し【ダッシュ】【ジャンプ】
【スライディング】【逃げ足】で回避!
ハロ・シエラ
共食いと言うやつでしょうか……可愛い顔をして中々どうして。
どうやらこのオブリビオンを食べようという仲間がいるようなので、毒は使わないでおきましょうか。
炎も焦がしてしまうので無しですね。
となると……
まずは【先制攻撃】をかけます。
触手を減らせれば少し戦いが楽でしょうから。
【早業】で切り落として見せましょう。
怒らせてしまうかも知れませんが、その時は体勢を崩したように見せるなどして【フェイント】をかけます。
それに反応して相手がイカスミを吐いてこようものなら、ユーベルコードにてその力を断ち切ります。
地面に落ちようとただのイカスミ、もはやパスタソースくらいにしかなりますまい。
後は倒すだけ、ですね。
●
可愛い顔をしていながら、共食いにしか見えない行為をしているだいおーいかたんの懐へ素早く潜り込みながら、ハロは思案する。
(食べようとしている仲間がいましたね……)
毒を使用するのはやめておこう。あまり焦がしてしまうと焼きイカどころか炭になりかねないだろうか。先程ゴブリンを打倒したような激しい炎も控えておこう。
(となると……)
純粋に、剣戟勝負となるわけだ。
ハロが接近していることには、幾らかの子分の目もあってか当然気づいていただいおーいかたんは、触腕を振るってハロを捉えようとする。
しかし、敵はハロだけではない。後衛に控えていたあきは、中空に控えさせていたマスケット銃を一斉に射撃し、だいおーいかたんの動きを牽制した。
「むむむっ、こんなものー」
なおも浴びせされる銃撃に、きかないイカー! とぺちぺちと銃弾を叩き落とすだいおーいかたん。
だが、ふと、振り上げたはずの腕の感触がないことに気がついて、きょとんとした様子で視線を落とした。
己の足元には、変わらず小柄な少女が居て。
さらにその下には、びたびたと跳ねる、切り落とされた触腕があった。
水の底で悠々自適に暮らしていたゆえに、未だかつてそのような目に遭ったことがないのだろう。ぴえっ、と泣き出しそうな顔を一瞬したかと思えば、子分をぶわっと召喚増殖させ、壁のように配置する。
「うわ、相当な数になるとは思いましたが、一気に出してきましたね」
一撃で消滅する程度とは言え、数で押されると厄介である。あきは再びマスケット銃を念動力で操りながら、自身の手にも両手杖を握り、できる限り多くを仕留めるべく攻撃を仕掛けていく。
銃で撃ち抜かれてば風船のように弾けて消える子分達に、だいおーいかたんはうーうー唸って、近くでおにぎりを掲げている子分を引っつかむ。
「あ」
っという間に子分ごとおにぎりをお口にイン。
「完全に共食いじゃないですか……!」
まさかそんなことをあっさりと、などと衝撃を受けたような顔で、ハロが僅かに後ずさる。
そのさまに動揺を見たのか、おにぎりでぱわーあっぷしてご機嫌なのか……いや、よくも子分を! と、自分で食っておいて逆ギレしているのだから、ご機嫌的には大分斜めなご様子だ。
ともかく激おこのだいおーいかたんは、切り落とされた触腕の恨みを晴らすべく、そして先程の二の舞とならぬよう、イカスミをハロへ向けて吐き出した。
だが、それもハロの狙いの内。
動揺に退いた振りをした足でしっかりと立ち、腰を落とした低い姿勢から、浴びせられるイカスミへ向けて素早く剣閃を放つ。
「その技、その力全て……断ち斬ります!」
それは現象をも斬り裂く一撃。相手が液体であれ、断ち斬られる。
まるで衝撃波を当てられたかのように、ぱんっ、と中心から爆ぜたイカスミは、ハロの服をほんの少し汚しただけで、ぱたぱたと地面に落ちていく。
技としての力すら断ち切られたその黒い液体が、だいおーいかたんを強化できていないのを見極めて、ハロは再び剣を構える。
「もはやパスタソースくらいにしかなりますまい」
「パスタ……パスタより肉がいいイカ!」
そういう問題じゃないよね!
声には出なかった。心の中でツッコミを入れて、あきは粗方の子分を排除したその手で、祈りを捧げる。
「神罰を与えましょう」
時に人を癒やし、心の安寧を招くその祈りも、敵へ向けて放たれるならば鋭利な刃と同等に敵を穿つ。
眩いほどの光を受けて、イカー! と苦悶の声を上げただいおーいかたんは、その光の衝撃が収まるや、残された九本の触腕を振り上げる。
まだまだ元気で、そしてどうやら機嫌は急降下したようだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アンジェリカ・ヘインズビー
伸しいかにしてあげます。
スカイステッパーで跳びまわりながらこぶんいかたんに対してハンマーで攻撃、叩き潰します。
一撃で潰れるこぶんいかたん達にちょっと楽しさを覚えつつ、だいおーいかたんの口に対して軟化薬(いちご味)を投げつけます。
【アドリブ・絡み歓迎】
フロース・ウェスペルティリオ
あれは子分のイカを食べてるのか、普通のイカを食べてるのか……
まぁ、ウチらにとってはどちらでも良いんだけど
少なくとも村で食べた分くらいは、返してもらわなきゃねぇ
んー、食べる量と質に応じて強くなるなら、食べさせなければ良いのかな?
という事で、そのお弁当(おにぎりや焼きイカ)はウチが頂くよ
結構香ばしそうだし、少しくらい味見しても良いよね?(忍び足・目立たない・早業・暗殺・串刺し)
怒って奪いに来たなら尚結構
ある程度、攻撃の来る方向が分かり易くなるってものだよねぇ
スピード勝負なら負けるわけにはいかないし、
ついでに、だいおーいかたんの足の一本くらいも(盗み攻撃で)切っていこうか
●
お怒りモードのだいおーいかたんは、再び大量の子分を召喚する。
すかさず地を蹴ったアンジェリカが、こぶんいかたんへと空中からハンマーを叩き込む。
「伸しいかにしてあげます」
その衝撃に、たまらず弾けるこぶんいかたん。
振り回せば振り回した分だけぷちぷちと潰れていくのは、緩衝材をぷちぷち潰す背徳感にちょっと似ている。
つまりは、なんだか楽しいのだ。
アンジェリカの表情に大きな変化はないものの、雰囲気は伝わるらしい。フロースは口元だけで小さく笑んでから、改めてだいおーいかたんとその周りでふよふよしているこぶんいかたんを眺めた。
子分が手にしている『お弁当』は、どう見ても彼らと同じ形状で、香ばしく焼けたイカでしかない。
(あれは子分のイカを食べてるのか、普通のイカを食べてるのか……)
さっき普通に子分ごと食べていたが、ぷちぷち消滅しているところを見るに、焼いてしまうと食べられない気もする。
もしかしなくても深く考えても無駄な話な気もする。
「まぁ、どちらでも良いんだけど。少なくとも村で食べた分くらいは、返してもらわなきゃねぇ」
美味しいという話なのだ。だいおーいかたんの方は、食べられるのだろう。
切り替えて、フロースは忍び足で近寄った。
どうやらお弁当を食べると強化されるようなのだから、食べる物を奪い取ってしまえばよかろう。
子分の間を縫いながら、たまにダガーで刺し貫き、弾ける衝撃に紛れるようにしてだいおーいかたんへと歩み寄り、まだ余っている『お弁当』を拝借した。
「あっ! お弁当泥棒イカ!」
だいおーいかたん、ぷちぷちされる子分にぐぬぐぬしていたと思えば、食べ物の気配には敏感だった。
「返すイカ!」
「おっと」
子分のように食料事食べられてしまってはたまらないとばかりに距離を取りながら、フロースは香ばしい焼き具合のイカをちょっぴり齧ってみる。
「あーーーー!!」
何ということを! と絶叫しただいおーいかたんは、びたびたと地面を叩きながらフロースへと迫り、触腕を振り上げる。
食べ物の恨みは恐ろしいのである!
だが、その怒りに任せた攻撃は、愚直で単純。躱しやすくもあって、反撃もしやすい攻撃だ。
「後でちゃんと美味しく食べるから、勘弁してよ」
すぱん、と。素早い一撃が振り下ろされた触腕を切り落とす。
大事な触腕をまたしても切り落とされて、ぴえっ、と後ずさるだいおーいかたん。
「そんなに食べたいのなら、いいものをあげます」
そこへ掛けられたアンジェリカの声は、天の声だったに違いない。
子分をぷちぷちと仕留めまくった彼女は、空中を軽やかに跳び回りながら、振り向いただいおーいかたんの正面へ躍り出ると。
「硬すぎです」
その口へ、ヒョイ、と薬を放り込んだ。
それはいちご味の美味しい薬。もごもごと口を蠢かしていただいおーいかたんは、不意にぱぁっと嬉しそうな顔をした。
「もっとくれイカ!!」
食べたことのない味に大変喜んでいるだいおーいかたんは、気づいていない。未知の味に興味津々になるあまり、自分を強化する食材の存在を忘れていることに。
「……要らないならウチが食べてもいいじゃないか」
もぐ、と。焼きイカをもう一口齧るフロース。その味は、やっぱり普通のイカで。
後でだいおーいかたんを焼いて味比べをしてみてもいいかもしれない、なんて思うのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
クロト・ラトキエ
あんな恐ろしい破壊力(当社比)のだいおーいかたん、如何なものかと思っておりましたが。
あの丸っこいフォルム、円らな瞳…
(これは所謂、cawaiiというやつなのでは?)
肉寄越せとか言ってますけど。子分食べてるように見えますけど。
何であれ脅威であれば排すので、関係無いんですけどね?
油断無く躊躇い無く、視力をフルに見切りを試み。
トリニティ・エンハンスは防御力強化。
子分を差し向けられるなら、わざと鋼糸を振るい触れさせ不発にさせたく。
10本足ですかー。多少骨が折れましょうが…
ワイヤーを絡めさせて何本かでも封じられれば、他の方が大技放つまでの隙作りにはなりますかね。
焼けても、味見は丁重にお断りいたしますが♪
ラリー・マーレイ
ふざけた見た目だけど、油断出来る相手じゃなさそうだな。どうしようか……。
剣を構えてちょっと悩みます。あの触手を潜り抜けて、柔らかくて肉厚な体を切り裂く……。今の俺の腕で出来るかな。
腕試しをしてみたい気もするけど、下手に捕まったら皆に迷惑をかける事になるかも。無理する必要はないんだ、今の俺に出来る事をやろう。
遠距離からUC【発火の呪文】使用。
真正面から撃ち込んでも、触手で防御されるかもしれない。複数の小さな火球を【誘導弾】で操ってイカの周囲を飛び回らせる。
攪乱しておいて、隙を突いて一気に火球を集束させて全身を炎で包むよ。
美味しそうな香りがするかもしれないけど、本当にこれ食べても大丈夫なのかなぁ。
●
丸っこいフォルムに円な瞳。
そして随分コミカルな振る舞いを目の当たりにして、クロトは思う。
(これは所謂、cawaiiというやつなのでは?)
その辺の判断は個人の主観にお任せしたい。ラリーなどは、ふざけた見た目だという感想が浮かんだりしているのだから。
しかし、いくら可愛げがあってもコミカルでもふざけていても、強力なオブリビオンであることには変わりはない。
肉寄越せとか可愛くないことを言ったり、子分をひょいぱくしていたりする、きょーあくなオブリビオンなのだ。
「どうしようか……」
剣を構えながら、ラリーは悩む。びたびたとせわしなく蠢く触腕に、ふよふよしている子分。後者は一撃で仕留められるし、仲間が既に幾つも潰しているわけだが、肉厚……もとい重厚な攻撃力を持つ触腕の群れをくぐり抜けて本体に切り込む、なんて。
(できる、のか……?)
剣を握る手に力が入る。腕試しをしてみたい。そんな思いは確かにあるものの、それが力及ばず捕まるようなことになれば、仲間に迷惑がかかるのではないか。
後ろ向きな思考に、ほんの少し眉を下げ、けれどラリーはふるりと頭を振って顔を上げる。
無理をする必要はない。いまは、まだ。己に出来ることをすればいい。
「ヘーア・ラーイ・ターザンメ……」
唱える詠唱は、炎を織り上げる。小さな火の球となってラリーの周囲を漂った炎を、そのままだいおーいかたんへと放つ。
ただし、真正面からぶつけるわけではなく。焦がすように炙るように、意識を撹乱させるように、だいおーいかたんの周りで漂わせた。
「あちちっ」
焼きイカを食べるだいおーいかたんだが、自分が焼かれる趣味はない。
ふるりと体を震わせて、いちご味を堪能していた口からイカスミをぶわわっと吐き出し、炎を掻き消そうとする。
「イカスミの焦げる匂いも、また香ばしいものですね」
食欲をそそられますねー、なんて台詞は大層な棒読みで。こんがり焼けても、味見はしたくないの派のクロトは、三種の属性魔力で自身の防御力を高めながら、だいおーいかたんへと肉薄した。
おやぶんはこうげきさせないぞ! と言わんばかりに立ちはだかるこぶんいかたんは、鋼糸を振るって弾けさせる。
油断なんて微塵もない。これは、排斥すべき存在だから。
「どいつもこいつもちょこまかしてばっかりイカ!」
遠くから銃に撃たれたり火で焼かれたり、大事な足は切り落とされるし子分はぷちぷちされるし!
地上とはたまったものではないが、新鮮な食材や初めてのいちご味は癖になる。
「もっと満喫するイカ!」
「そういうわけにはいかないんだよ!」
足元のクロトを叩き潰そうと振り上げられる触腕へ、足のみならず、全身へ。ラリーは周囲にばら撒いていた炎を一気に集束させて、燃え上がらせた。
途端に香ばしい匂いがふわりと広がる。これは、本当に食べても良いものなのだろうかという疑問を覚えたりもするが、美味しそうな匂いであるのは確かだ。
これまでの攻撃にぐったりしているだいおーいかたんの、勢いの緩んだ残り八本の足へ、クロトのワイヤーが絡む。
切り落とすまでもない。ただ、これの動きを封じれは動くことの出来る仲間が居る。
ぱちりと視線を合わせたのは、後方に立つラリー。
その手に握られた剣を見て、微笑んだ。
一度、目を見開いて。しかしラリーは頷いて駆け出した。
そうして、一太刀。浴びせた剣戟は決して一撃必殺の大技ではなかったけれど。
とどめを刺すには、十分だった。
力の抜けただいおーいかたんの自重でか、巻き付いたワイヤーがぼとぼととその足を切り落とす。
綺麗にカットされたゲソに囲まれる形で、こんがり焼けた巨大なイカが崩れ落ちた。
「や……った……」
「もう完全に食材ですねこれ」
村の人々はこれを見てどう思うだろう。猟兵が食べると言い出した時は呆気にとられていたが、これはもしかするとちょっとした宴になるかもしれない、なんて。
冗談めかした思案を抱きつつも、猟兵達は無事の討伐を報告すべく、村人達の元へと向かうのであった。
大成功
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