ブリュンヒルドのサガは変遷するか
皇・絶華
セラフィム・シックス防衛作戦
同行
テラ(f04499
カシム(f12217
テラもカシムも同背後なので各自の文章量は無理に合わせる必要はないので書きたいように描いていただければ幸いです
という訳でカシムに恩義を返す為に力を尽くすとしようかさっちゃん
「彼奴らに借り作るとかすげー屈辱なんだが!」
そういうなさっちゃん
彼らのお蔭で私達はジャパニアを歩けるんだぞ?やはりパワーが足りないか…我がチョコの出番かな?
「大丈夫です!全霊を尽くして戦わせて頂きます!」
亜空間戦術級制圧機構『巨神の王』発動
セラフィム・シックスにも次元障壁を展開して防衛
今回は防衛だぞさっちゃん
ディフェンダーという奴だな
【戦闘知識】
戦況と周辺状況を常に把握
その上でセラフィム・シックスの防衛
必要時はカシムやテラを見捨ててセラフィム・シックスごと転移して逃亡も視野に入れる
あの二人も気にしないだろうからな
迫ってきたときには重力弾や念動光弾を叩き込み
鎌剣で次元ごと切り刻む!
それでも常に敵の観察は怠らず変身や変化にも対応する!
この後はカシムの指示に従う
「彼奴に従うの本当に腹立つんだけどな!」
此処で倒せるなら倒すつもりだが目的は巨神の防衛
なので深追いはしない
「俺敵には別にどっちでもいいんだがな!」
そういうなさっちゃん
新しきチャンスを他の皆にも伝えねばな?
●其の名は
情報というものが点であるというのならば、多くの点を得た者が見るのは絵図であったことだろう。
クロムキャバリアの一地方。
小国家『グリプ5』を中心とするオブリビオンマシン事件。
オブリビオンマシンを認識できるのは猟兵だけである。
故に、オブリビオンマシンの齎す狂気を人々は理解できない。狂乱とも言うべき戦禍の引き金。それを何故、平和求めながら引くのか。
狂う善性は悪性にも勝る。
ねじれた悪性は善性と変わるか。
いずれにしても、オブリビオンマシンが齎す災禍を見過ごすことができないのだとカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)と皇・絶華(影月・f40792)を引き連れて小国家『フルーⅦ』から『ビバ・テルメ』へと急行していた。
何故か。
そう問われたのならばカシムは答えるあろう。
「『エルネイジェ王国』でおきた襲撃事件」
「それがなんで今回の事件とつながるんだ?」
テラの言葉にカシムは頷く。
今回戦ったオブリビオンマシン『セラフィム・エイル』。
周囲のキャバリアを取り込み続けて巨体化したオブリビオンマシンの頭部は猟兵の一撃によって切断されて、何処かへと飛んでいった。
オブリビオンマシンを打倒したのだから、今回の事件は終わりを見せたはずだとテラは思ったのだろう。
事実そうだ。
今回の事件はオブリビオンマシンを撃破したことで終わりを見せた。
だが、点と点とを結び絵図を見る猟兵にとっては違う。
「『エイル』のやろーが示したのは、次なる彼奴の目的だ。あの頭だけになったオブリビオンマシンが何をしでかすかなんて」
「つまり、また戦乱を引き起こすための種を発芽させようというわけだな」
絶華の言葉にカシムは頷く。
「僕自身は関与したわけじゃねーが……彼奴の目的は『ビバ・テルメ』の湾内……海底に沈んだっつー巨神『セラフィム・シックス』しかねーだろ。あの合体能力があって、オブリビオンマシン化させるっつーんなら」
「最悪のパターンというわけか」
「ふーん。でもまあ、面倒事だってことはよくわかったぞ!」
テラは深く考えていないようだった。
彼女はカシムから牢屋から開放された恩義がある。
己の機体『ヘカティア』は悶絶していたし、絶華の乗騎『サートゥルヌス』もまた唸っていた。
「彼奴らに借りを作るとかすげー屈辱なんだが!」
「そういうなさっちゃん。彼らのおかげで私達はジャパニアを歩けるんだぞ?」
「それはそうですが……でもでも!」
「うん? やはりパワーが上がらないか。我がチョコの出番かな?」
「大丈夫です! 全霊を尽くして戦わせていただきます!」
絶華の言葉に『サートゥルヌス』のアイセンサーがやけくそのように煌めいた。
「で、おれたちの目的は、その頭だけのオブリビオンマシンから『セラフィム・シックス』を護る、ということなんだな?」
テラの言葉にカシムは頷いたが、訝しむ。
何故、今そんなことを聞くのだと言いたげだった。テラは、センサーに引っかかった機影を示す。
それは『ビバ・テルメ』の方角からでもなく、背にある『フルーⅦ』からでもなく……海洋によって繋がる『エルネイジェ王国』の方角から凄まじい速度を持って飛来する機影があったのだ。
それはあまりにも速い。
「こっちより速い……!?」
「メルシーより速いなんて生意気なんだぞ☆」
カシムは『メルクリウス』の言葉を無視する。取り合っている暇はなかった。テラの言葉が真実である、というのならば、己達の行動を狙いしましたように狙い撃ちできる存在が在る、ということだ。
しかも、己たちより速い、という異常事態。
「早速かよ。おめーらもしっかり働けよ? 数は!」
「一騎だぞ!」
「はっ、舐められたもんだな。たかが一騎で僕たちを止めようなんていうのは!」
海上を割るようにして迫る機影。
それはまるで『閃光』のようだった。
「あれは……白いキャバリア?」
絶華は見ただろう。海上をスラスターとブースターでもって強引に掠めるようにして疾駆する恐竜の如きキャバリアの姿を。
オブリビオンマシンではない。
猟兵である彼らは即座に理解しただろう。
だが、なんとも言えない奇妙な感触を覚える。嘗て、『フルーⅦ』の士官学校を襲ったというオブリビオンマシン。
『インドラ・ナイトオブリージュ』
今まさに己達を襲撃線としたキャバリアは、正しくその機体だと認識できるのだ。
白い『インドラ・ナイトオブリージュ』。
それが『ビバ・テルメ』へと急行せんとしている己達に迫ってきているのだ。
「目的はブラさない。このまま海中の『セラフィム・シックス』に向かう!」
「――」
だが、そこに白い『インドラ・ナイトオブリージュ』が大型突撃槍でもって踏み込んでくる。
恐るべき踏み込み。
その一撃を『メルクリウス』は受け止めながら、装甲の激突によって火花を散らす。
交錯するアイセンサーの輝き。
そこに意志はない。
あるのは目的だけだ。機械的な感情乗らぬ踏み込み。
その一打を受け止めながらカシムは即座に判断する。
「『爾雷彌』! おめーは『セラフィム・シックス』の回収もとい保護を頼む! さっちゃんも防衛に回れ! 最悪転移で『セラフィム・シックス』ごと逃げろ」
ユーベルコードに輝く瞳。
何処からか駆け付けた巨神『爾雷彌』にカシムは命じ、また絶華駆る『サートゥルヌス』へと告げる。
だが、それは難しいことであっただろう。
白い『インドラ・ナイトオブリージュ』の突撃をなんとか受け止めた『メルクリウス』。その隙に海中に飛び込んだ『サートゥルヌス』は見たのだ。
「海底に……氷山毎凍りついている!」
「これを転移させるのは無理だな。パワーを上げても……」
絶華は海底というより氷山地味た塊となった氷の奥に胸部砲口を赤熱させた青い巨神『セラフィム・シックス』の姿を認める。
動く気配はない。
だが、同時にカシムが案じたオブリビオンマシンの頭部の姿もない。
あるのは堅牢なる氷山として、己を封じるようにして沈む巨神の姿だけだった。
「どういうことだ。彼らの言っていたオブリビオンマシンの頭部の狙いは、この巨神であることは間違いない。なのにどうして、この機会に巨神を奪おうとしていないんだ?」
「どういうことなんですかね。というか、これ転移も無理ってことは、そもそも合体も無理ってことじゃあないんですか?」
『サートゥルヌス』の言葉に絶華は頷く。
パワーを底上げした無理矢理の転移ならば、この氷山毎何処かに転移することはできるだろう。
だが、何処に?
乗り手がいない、ということはいつでもオブリビオンマシンに狙われる可能性がある、ということだ。
そして、それを防ぐ手立てもない。
ならば、いっそ海底にこのまま放置したほうが良いのではないかと思ったのだ。
「ったく、つくづく上手くいかねー、なっ!」
カシムは白い『インドラ・ナイトオブリージュ』の大型突撃槍を受け止めていた腕を払って、体勢を入れ替える。
「フーム、やはり緊急事態なのはわかるのだが、彼奴は手練れだぞ。それも相当な」
『爾雷彌』の言葉にカシムは頷く。
最悪の事態を想定してカシムは動いていたが、彼の想定していた最悪の予想とは斜め上に事態が動いている。
あのオブリビオンマシンの頭部は姿は此処にはない。
逆に考えれば当然であったかもしれない。
今すぐに巨神『セラフィム・シックス』をどうにかする手立てがないのならば、その手立てを得るためにあのオブリビオンマシンが望むのは一体何か。
「……時間か」
「これって時間稼ぎってこと?」
『メルシー』の言葉にカシムは頷く。
そうとしか考えられない。
確かに『セラフィム・シックス』を猟兵が確保するのはオブリビオンマシンにとっては痛手だろう。
だが、スーパー合体のような強制的に合体する手段を敵が有しているのならば、急ぐ必要はない。
ならば、オブリビオンマシンの体勢が整うまで猟兵たちの意識を巨神に向ける、というのは在り得た方策であっただろう。
そして、こうやってカシムたちが現れた所に白い『インドラ・ナイトオブリージュ』をぶつける。
「考えそうなことだ、オブリビオンマシンの! なら、こいつを潰してオブリビオンマシンの策動を潰すまでだ!」
テラの瞳がユーベルコードに輝く。
冥界の炎『ギガスブレイカー』(キョジンヲウチヤブルモノ)が吹き荒れる。
「リミッター解除……グラビティリアクターフルドライブ……! ブラックホールキャノン……起動……!」
テラの瞳と共に『ヘカティア』の機体が海上を疾駆するようにおt武。
超連続攻撃からのマイクロブラックホール砲の一撃。
それは海面を蒸発させ、抉るようにして白い『インドラ・ナイトオブリージュ』へと迫る。
打ち込まれた一撃をラウンドシールドで受け止め、自切して『インドラ・ナイトオブリージュ』は火線から飛び退く。
そこに『メルクリウス』と『爾雷彌』が踏み込む。
鎌剣と手裏剣の追撃。
確実に捉えた、と思った瞬間、獣脚が海面を蹴ってスラスターによる空中回転によって一撃を躱すのだ。
なんたる技量であろうか。
巨神三騎を単騎で相手取っている。
明らかにおかしい。
「コイツ……中身『エース』か……にしたって!」
カシムは戦慄する。
己たちの『セラフィム・シックス』をオブリビオンマシンに奪われないために戦うという目的は達成されている。
だが、それ以上に迫る『インドラ・ナイトオブリージュ』が厄介だった。
「ふむ、俺達を妨害する目的ではないな、これは」
『サートゥルヌス』は海中から海上へと飛び出す。
海底の『セラフィム・シックス』がそもそも移動させることができない、というのであれば、自分が防衛に回る必要はない。
そして、カシムたちの眼前に現れた白い『インドラ・ナイトオブリージュ』が明らかに己たちを打倒しようとしている。単騎で巨神たちを、神機を倒せるという自負が誇張でもなければ、驕りでもないというように大型突撃槍による超高速戦闘を仕掛けているのだ。
事実、速い。
ガンドライドとドリルビットから展開する火線やオールレンジ攻撃を白い『インドラ・ナイトオブリージュ』は躱し続けている。
地上でもなければ、空中でもない。
海上という常にスラスターで浮き続けなければならない状況にあって、それでも躱すのだ。
「こいつ、一体どんな手品を使ってやがる」
「でも、この動きどっかで見たような気がするんだぞ☆」
『メルシー』の言葉にカシムは眉根をひそめる。
どういうことだ、と。
「や、だって、この動きってどことなーくなんだけど、アスリートアースの『アイン』ちゃんみたいじゃない☆」
それこそ何を言っているんだ、とカシムは思っただろう。
確かにアスリートアースにいる『アイン』と呼ばれる少女はキャバリアに似たプラスチックホビーを手繰る『プラモーション・アクト』、通称『プラクト』のアスリートだ。
だが、それがどうして今関係しているのだと思ったのだ。
「だって、対多の戦い方なんてそっくり☆ ほら、あの動き」
『メルシー』の言葉にカシムは見やる。
『サートゥルヌス』と『ヘカティア』、そして『爾雷彌』。
多方からの攻撃を躱す位置取り、そして躱すだけではなく、攻勢にすら転じる動き。
その何れもが言われてみれば、たしかに、と思える動きだったのだ。
「だがよ、あいつが扱っていたホビーは全部人型だっただろうが、恐竜型なんて一度も……」
使っていなかった。
幾度かダークリーガーとの戦いを助けたことがあったが、いずれも人型ロボットのプラスチックホビーを使用していた。
だから、おかしいのだ。
あの動きに『アイン』の面影を感じること事態が。
なのに、何故かそう思ってしまう。
一度そう認識してしまえば、確かに『メルシー』の言葉通り、あの動きは『アイン』を彷彿させる。
『プラクト』は基本バトルロワイヤル形式だ。
敵チームを全滅させるまで戦いは終わらず、また同時に多数を相手取らねばならない。
それを踏まえた上で考えるのならば、確かに己達四騎の巨神を相手取って戦うことは無理筋ではないのかもしれない。
「それでもなんであいつを思い出させる。あの動き……!」
「巨神の防衛、という目的自体は達せられていると思うのだが……それでも彼奴を倒すのか! あれ、オブリビオンマシンか、本当に!?」
『サートゥルヌス』の言葉にカシムは思考を巡らせる。
確かにオブリビオンマシンらしからぬ挙動と気配である。
だが、オブリビオンマシンでないとも言い切れない。それに加えて己達に対して、あの白い『インドラ・ナイトオブリージュ』のパイロットは何も言葉を発しないのだ。
人の揺らぎがない。
まるで鋼鉄そのものに目的が、意志が宿っているような動き。
「俺的にはどっちでもいいだがな!」
「そういうなさっちゃん。見極めは大事だぞ」
「深追いはしたくないんだが、でも、本当に奇妙だぞ、コイツ!」
『サートゥルヌス』の鎌剣の斬撃が白い『インドラ・ナイトオブリージュ』のサブアームを切り裂き、『ヘカティア』のブラックホールキャノンの一撃がオーバーフレームを吹き飛ばす。
頭部がひしゃげ、上腕部が失われる。
「考えてる暇はねぇ!」
カシムは『メルクリウス』と共に踏み込む。
ふるった鎌剣の一撃が白い『インドラ・ナイトオブリージュ』の手にしていた大型突撃槍を空中へと弾き飛ばす。
大型突撃槍は高く空へと舞い上がる。
ぐる、ぐる、と回転するようにして遥か空へと打ち上げられたのだ。
そうでなくてもオーバーフレームはブラックホールキャノンによって完璧に破壊され、残っているのは獣脚のアンダーフレームとコクピットブロックだけだ。
ここまで戦闘能力を失わせたのだ。
「さあ、これでコクピットにいるやつの顔を拝めば、何かわかることも……」
カシムは破壊されたオーバーフレームの下にあるコクピットブロックへと近づく。
だが、『メルクリウス』が弾かれるようにして後退する。
「んなっ、何してやがる!」
「ご主人様☆ やばいよ、これ☆」
「何が!」
「カシム、あいつ!」
テラの声にカシムは目を見開く。
其処に在ったのは赤い熾火。膨れ上がるようにしてオーバーフレームを破壊された白い『インドラ・ナイトオブリージュ』が『起き上がる』ようにして変形していく。
熾火が形作るは人の形。
人間の上半身めいた形であった。
「再生している? いや、違うな、さちゃん。これは再構成している、というのが正しいな?」
「ああ、『ヘカティア』のブラックホールキャノン』でぶっ飛ばしたはずのオーバーフレーム……あれはぶっ飛ばしたんじゃあなく、自切して!」
海中に没していたスマッシャーテイル、その尾が海中から自切されたオーバーフレームを引き上げ熾火と共に結合する。
そこに在ったのは『インドラ・ナイトオブリージュ』としての姿ではなかった。
獣足のアンダーフレームは変わらず。
されど、スマッシャーテイルは失われ、いや、オーバーフレームと融合し新たなる形へと変貌していく。
煌めくはツインアイ。
肩部アーマーが形成され、その装甲が展開する。内部にはスラスターとブースターが併設され、掲げた腕部が空中に弾かれて落ちてきた大型突撃槍を掴んだ。
「……『セラフィム』だと?」
カシムは見た。
それは下半身とカラーリングこそ違えどアスリートアースで見たプラスチックホビー『セラフィム』の上半身。
そして、このクロムキャバリアにて存在している四騎のサイキックキャバリア……『ビバ・テルメ』の『神機の申し子』たちが駆る赤と青の色を持つ『セラフィム』に酷似していたのだ。
「なんで、『インドラ・ナイトオブリージュ』が、それに成るんだよ!」
「わかんない☆ でも、あれって、なんていうか」
白い騎士を思わせる機体。
同時に理解する。
あれは間違いなくオブリビオンマシンだ。
これまでの『インドラ・ナイトオブリージュ』は偽装だったのだ。手にした大型突撃槍を構える『白騎士』は、四騎の巨神たちを前にして凄まじ加速で持って囲いを突破する。
追いつけない。
逃げに徹せられたのだとカシムたちは理解するだろう。
砲火も攻勢も届かない距離まで、あの『白騎士』は駆け抜け海中へと没する。
「……逃がしたか」
「でも、『セラフィム・シックス』は奪われなかったな」
「そもそもあの氷山漬けの巨神は移動することができないようだった。一体どういう理屈なのかわからないが、次元を切断する干渉を無効化しているようでもあったが」
絶華の言葉にカシムは、『セラフィム・シックス』の確保を諦めるしかなかった。
だが、それでもオブリビオンマシンに『セラフィム・シックス』を奪われる、という最悪の予想は当たらなかったのだ。
「なら、それでよしとしますかね」
「メルシーたちもがんばったので、ご褒美がほしいんだぞ☆」
「ばかやろー! なんかあの白い奴を逃がしちまったのは減点だろーが!」
「えー☆」
確かにオブリビオンマシンの動きは未だ判然としない。
何が目的で、何をなそうとしているのか。
他国、他大陸にまで行動範囲を広げている彼ら。
一体如何なる勢力がそれを為しているのかをカシムたちはまだ知らない。
けれど、その目的の一端である巨神が奪われるという憂き目だけは防ぐことができたのだ。
ならば、それで良しとするしかないのだろう。
「慌てずとも、彼奴らの思惑が白日のもとにさらされる日も来るだろう。それまで私達はオブリビオンマシンの事件を解決していけばいいのさ」
絶華の言葉にカシムはそれはそうだけどさ、と頭を抱える。
メルシーのご褒美ご褒美の連呼に耳がどうにかなりそうだった。
「目的達成したんだ、ならご褒美は大切なことだよな!」
「他人事だと思って!」
これで借りはまた一つ返したな、とテラたちは笑い、カシムはより一層頭を悩ませる結果となるのだった――。
成功
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