説明しよう。
ダスティシンデレラ・Oとは、人形・依代(ダスティシンデレラ・f29960)が掻き集めたジャンクパーツを元に毎日こつこつ組み上げて幾星霜、遂に完成の日を迎えたキャバリアである。
ただこの機体には少々問題があった。
どういう訳かオブリビオンマシンになってしまったのだ。
ある日のダスティシンデレラ・Oと依代は少々危機的な状況に陥っていた。
「さっきから敵の数が減らないんだけど」
敵陣の只中で熱烈な歓迎を受ける依代だが、何処吹く風といった表情を崩さない。
『いかんな、このままでは……!』
コクピットに反響する声の主は機体そのものである。
「何か手は?」
『ある! 合体だ! チェェェンジダスティシンデレラ! カッティングモード!』
裂帛に呼応して周囲に赤く輝く空間が広がる。
そしてどこからともなく二振りの剣が飛来し、ダスティシンデレラ・Oのマニピュレーターがそれを掴んだ。
『共に叫ぶのだ! ダスティスラァァッシュ!』
勝手に盛り上がるダスティシンデレラ・Oが剣を振るう。周囲に剣戟の衝撃波が走り、敵機を撫で切りにする。
『ダスティシンデレラ・リジュネモード!』
双剣が何処かに飛び去り、代わりに羽状の装置が背中に接続された。
微細振動する羽から生じる粒子が機体を包み込むと、傷付いた装甲がみるみる塞がってゆく。
『ダスティシンデレラ・パワーモード!』
抜け落ちるようにして羽が排除されると、入れ替わりに飛んできた篭手が両腕部に覆い被さり、脚部にはブーツ状の装備が装着された。
四肢を肥大化させたダスティシンデレラ・Oが敵集団に飛び込み、殴る蹴るの打撃で次々に標的を屠る。
『まだだ! ダスティシンデレラ・リミテッドモード!』
篭手とブーツを排除したダスティシンデレラ・Oの全身から眩い光が迸る。
『来い! タロース!』
呼び声に応えて地面を割って現れたそれは、キャバリアの背丈を超える青銅の巨人であった。
タロスが胸部装甲を展開すると、そこへダスティシンデレラ・Oが取り込まれる――否。合体したのである。
『ダスティ……フラァァァッシュ!』
胸部の砲門より放たれる紅の閃光。
奔流となった光が敵を飲み込み、盛大な爆轟を上げた。
『我が名は! ダスティシンデレラ!』
誰に向かって名乗っているのかは定かではない。
背景のエンブレムが目に眩しい。
澄ました顔の依代は、果たして何を思っていたのだろうか。
成功
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