「あれ、リンゴがなくなってる!」
「そっちもか、うちはクリームパンが……。向こうのドーナツ屋でもなくなったのがあるらしいぞ」
バレンタイン商戦で少しだけ何時もよりも賑やかな、とある中規模くらいの商店街。ここ最近、小さな問題が起きるようになっていた。
一番よくあるのは、ちょっとした食べ物が目を離した隙に消えてしまう、というもの。
その原因である小さな影が、路地裏を跳ねながら進んでいった。
「お疲れ様です、そろそろバレンタインですね」
はいこれどうぞ、と小さなチョコを差し出すのは杜崎・紅祢(翠光纏いし癒し手・f36019)。
「今回は、メガリス回収をお願いします。物の形状としては小さな柑橘のついた枝のオブジェという感じです。非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)という名で、食べれば不老長寿になるという……まあ、そこまでの力は無いと思いますが」
かつて垂仁天皇が田道間守に命じ、常世国へと取りに行かせたという伝説の果物。古代において橘は最高級の菓子であり、その果物を長い時をかけて取りに向かった事で、田道間守はお菓子の神様と呼ばれるようになったとの事。
「今、その非時香菓はとあるお菓子屋さんに飾られています。アンティークショップで購入したらしいんですがまさかの大当たり、という所ですよね」
さて。その非時香菓、人間からするとただのオブジェなのだが。
「一部のゴースト等からすると、とても良い香りがするらしくて。それで、集まっちゃってるんですよ。野良モーラットが」
商店街にちょっとした被害が出てしまっているため、まずモーラットの回収をお願いしたいとの事。
「物陰を探すか、お菓子などで釣るかしていただければ比較的スムーズに捕まるかと。捕まえた後は銀誓館の方で引き取りますので。で、その後はお菓子屋さんに向かって頂いて、オブジェを回収して頂きたいんです。どうしても気に入ったからと言って売って貰うとか、似たようなものとすり替えるとか……方法はお任せします」
ちなみに、今そのお菓子屋さんでは和洋中様々なチョコを取り揃えているらしい。イートインもあるそうで、一番人気はオランジェットの入ったビターなソフトクリームだそう。
「まだ大きな被害は出ていないので、焦らずに楽しんで来て下さい。そこの商店街はコロッケやパン、カップ入りのフルーツ等食べ歩きに向いたものも沢山売っているそうなので、おびき寄せついでにちょっと食べても良いかもですね――ああ、でもお菓子が入らなくならない程度に、で」
真空。
見て頂き有難う御座います、真空。(まそら)です。
バレンタインっぽい何かをしたいなあと思いこんな感じに。
第1章『野良モーラットを捕まえろ!』
商店街をうろうろしている野良モラさんを捕まえましょう。食べ物を買っておびき寄せるのがお勧め。
第2章『甘味は全てを解決する』
お菓子屋さんに行ってメガリス回収をお願いします。方法はお任せ、和洋中のチョコ菓子が売られています。詳細は断章にて。
同行者がいる場合は【相手の名前(呼称も)とID】のご記入お願い致します。
皆様の参加、心よりお待ちしております。
第1章 冒険
『野良モーラットを捕まえろ!』
|
POW : 全力で追いかける
SPD : 罠を張って待ち構える
WIZ : 隠れていそうな場所を探す
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
外に向けて開かれたカウンターの上。テイクアウト用に紙に包まれて並べられている、大きめのアメリカンクッキー。カバーがかかっていても甘い香りを放つそれに、物陰からじーっと視線を向ける小さなもふもふ。
じーっと、じーっと見ている。
小さな足が、一歩踏み出した。
これ以上お店に被害を出さないために、急いで止めなければ。
スイート・シュガーボックス
モーラット達はお菓子が好きなんだね。なら俺の出番だね。
ディオちゃん(ディオニュソス男の娘形態)と一緒にキッチンカーに乗って現場に急行だッ!
「ウチらにマジお任せだし☆」
モーラット達がじーっと見ながらお店に一歩踏み出そうとしている。
「ひゃ〜、モーラット初めて見たけど激ヤバプリティーじゃんッ!」
それじゃキッチンカーオープンッ!
箱の中から『極上食材』を取り出し【甘い幸せ彩る調理錬金】ッ!
次々と『美味しいお菓子』を作っていくよ。
クッキー、ケーキ、ドーナツ、ババロア、大福、胡麻団子、ソフトクリーム、他いろいろッ!
さあおいでモーラット、食べ放題だよッ!
【アドリブ歓迎】
「モーラット達はお菓子が好きなんだね。なら俺の出番だね」
キッチンカーを華麗に操り、現場へと向かうスイート・シュガーボックス(おかしなミミック・f41114)。助手席には可愛らしい女の子……では無く男の娘の姿をした幻惑神機『ディオニュソス』――通称ディオちゃんが座っている。
『ウチらにマジお任せだし☆』
到着した商店街、あちこちに食べ物のお店が並ぶ中で、アメリカンクッキーのお店近くの物陰にモーラットの姿を発見。そっと足を踏み出したその姿にディオちゃんがぎゅっと拳を握る。
『ひゃ〜、モーラット初めて見たけど激ヤバプリティーじゃんッ!』
しかし、このままではまたお店に迷惑がかかってしまう。
「急がなきゃ……それじゃキッチンカーオープンッ!」
近くの路上に停めたキッチンカーの中で、スイートは次々に食材を取り出し始め。
「調理と錬金術を組み合わせた至高にして究極のクッキングッ!」
豊富な調理機器を駆使してクッキー、ケーキ、ドーナツ、ババロア、大福、胡麻団子、ソフトクリーム……その他様々なお菓子を作り上げていく。あっという間にキッチンカーの表側、ショーケースになった部分が埋まり。
「さあおいでモーラット、食べ放題だよッ!」
溢れる甘い香りがモーラットを刺激する。こうなってしまったらクッキーどころでは無い、スイートの方へとモーラットが転がるように突進して、ディオちゃんが差し出したケーキを美味しそうにがっついている。余りにも真剣に食べているため、そーっと抱き上げても気付かれない。
『えへへ、モーラット確保だよっ!』
もふもふを堪能しつつそのままキッチンカーの中へと連れ込み捕獲完了。そうしている間にも、次のモーラットが様子を窺っている。
「ほらほらおいで、まだまだあるよッ」
揚げたてドーナツを振ってモーラットを呼び込むスイート。ついでに近くを歩いていた普通の人達まで香りに呼び込まれてお菓子を購入したとかしなかったとか。
大成功
🔵🔵🔵
大丸・満月
アドリブ可
あー、動物探しか。
探偵でもないし面倒くさいがUDC食って痩せて次の為にまた太るの大変だし、太ったまま仕事出来るのは楽なのかもしれない。
太ったままでも使えるUC【影の追跡者の召喚】を使って【特製カロリーバー】を囮にモーラットを捕まえるか、五感を共有って事は掴めるだろ…多分。ダメなら追跡者で追い込む形にして使うけど。俺本体は罠や檻の傍のベンチとかでものんびり座ってくつろいでるか。
まあ最低でも一匹でも捕まえれば文句は言われないだろうから釣りする位に呑気に構えていればいいか。俺みたいな目立つ巨漢でもそのまま場所に長くいれば溶け込むだろ。
ふくふくと丸い男性が商店街の中を進んでいく。時折路地を覗き込みながら、店々の間にあるベンチへと腰かけて。大丸・満月(人間のグールドライバー・f42686)は辺りの景色へと目を向ける。歩く人々は特に変わった様子は無く、手にお気に入りのフードを持って歩く姿はとても楽しげだ。
「あー、動物探しか。……探偵でもないし面倒くさいがUDC食って痩せて次の為にまた太るの大変だし、太ったまま仕事出来るのは楽なのかもしれない」
銀誓館学園から提供された、特製のモーラット用檻――ぱっと見は、小型犬用のケージにしか見えないそれを横において満月は|影の追跡者《シャドウチェイサー》を呼び出し、常に携帯している特製カロリーバーを餌に持たせてモーラットを探しに行かせる。
さりげなくケージを周りの人から見えない位置へと移動し、まあ最低でも一匹でも捕まえれば文句は言われないだろうから、釣りする位に呑気に構えていればいいかのんびりと待っていると。
『もきゅうううぅっ!!!』
|影の追跡者《シャドウチェイサー》が一体のモーラットを追い込んでくる。転がるように向かってくる動きに合わせ、ケージの入り口を向けてやると丁度良い隠れ場が見つかったとばかりに自ら入り込んできて。
ぱたん。
捕獲終了。それで良いのかと言いたくなるくらいのチョロさだが中のモーラットはカロリーバーを貰ってご機嫌な様子。持ち上げて覗いてみたり、何なら手を入れてもふったりしても特に嫌がる様子もない。操られているというよりは、香りにつられてしまったという感じなのだろう。
「仕事、終わったな」
ケージを持ち上げ、引き渡しの場所へと向かう。その後に時間があるなら食べ歩きも楽しそうだ。仕事をしたらお腹が空く、次の用までに小腹を満たすにはこの辺りのお店は丁度良いだろう。
大成功
🔵🔵🔵
ディアナ・ランディール
【アドリブ可】
「動物探し、ですか。野生ならば警戒心は強いかもしれないですね」
モーラットという動物。その上野生なのだと聞き、小さく考え込む。
一緒に聞かされたのは、お菓子が好きという情報。多めにお菓子を作ればおびき寄せられ、捕まえられるかも。とお菓子を作りあげて。
モーラットたちがお店の中へと入ろうとしている。
じっと見つめる視線に、笑みが広がってしまう。
「かわいいですね。この子たち。さて、大ごとになる前に…」
そうつぶやきながら手に持っていた籠から、お菓子を取り出す。
ケーキに、マシュマロ、チョコ、クッキーなどなど。
床に並べていく。
「さぁ、召し上がってくださいね」
笑顔を向けながら、少し下がっていって
「動物探し、ですか。野生ならば警戒心は強いかもしれないですね」
モーラットという動物の確保。集まっているとはいえ野生なのだと聞き、小さく考え込むディアナ・ランディール(ミレナリィドールの人形遣い・f41918)。さて、どうするかと辺りを見回し思い出したのはお菓子が好きという情報。
「成程、これなら捕まえられるかもしれないですね」
多めにお菓子を持ち込めば、捕まえられるかもしれない。大量のお菓子を抱え、ディアナは商店街の中を進んでいく、そして見つけたのは。
モーラットがアメリカンクッキーに引き寄せられ、ふらふらと近付く姿。もふもふも体に細く小さい手足、きらりんとした目。可愛らしさに思わず顔に笑みが広がってしまう。
「かわいいですね。この子たち。さて、大ごとになる前に……」
モーラットの気を引くように、腕に下げた籠から大きなカップケーキを取り出す。たっぷり乗ったチョコチップが美味しそうなそれを軽く振って見せると、モーラットがディアナの方に視線を向けた。
更にマシュマロ、チョコ、クッキー等々、ここに来る前に作り上げてきたお菓子を邪魔にならないように端に寄りながら地面へと並べていく。
「さぁ、召し上がってくださいね」
手の届かないお菓子より、手の届くお菓子。モーラットはディアナのお菓子の方へとターゲットを移し、まずはマシュマロをぱくり。続いて大きなクッキーを両手で持って齧り始める。
「そうそう、まだまだ沢山ありますからね」
カップケーキにぱくりと飛びついた所で、そっと後ろからモーラットを抱え上げる。カップケーキごとお菓子を持ってきた籠の中にそのまま移動してもケーキに夢中なためか逃げる様子は無かった。念のため、と残ったお菓子も全部入れて、ぱたんと蓋を閉じる。
「確保、完了です」
これでこの商店街の悪戯事件は無くなるだろう、後はメガリスの回収だ。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 日常
『甘味は全てを解決する』
|
POW : 甘い「和」のお菓子を堪能する
SPD : 甘い「洋」のお菓子を堪能する
WIZ : 甘い「中」のお菓子を堪能する
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
東西に延びた商店街の西の端、目的のお菓子屋は正面は全面がガラス張りになっていて白を基調とした店内を明るく透かす。洋菓子店でも、和菓子店でもなくお菓子屋。そう名乗る理由はその店は三兄弟で営まれていて、それぞれが違う分野の甘味を提供するという変わったシステムを採っているから。
和洋中の菓子が並ぶ店内は入り口正面にショーケースが置かれ、生菓子類は其処に。グラサージュが美しいケーキに切った場所で模様が変わる羊羹、花の香りをつけた湯圓等。カラフルな菓子が並ぶショーケースの右側には、大きなテーブルが置かれ焼き菓子が並ぶ。様々なクッキーに可愛らしいあられや落雁、月餅に麻花。見た目も楽しい菓子達は一つからでも購入出来て、日替わりで色々と買っていく常連も多いとの事。
今はチョコのフェアをやっているようで、ケーキや他の菓子類にもチョコが多く、今の時期限定のソフトクリームも販売しているらしい。生チョコ味にバニラのチョコソース掛け、刻んだオランジェットの入ったビターチョコソフトクリーム等。
店の左半分はイートインコーナーとなっている。コーヒーや紅茶、レモン水が置かれたセルフサービスのドリンクコーナーと小さな花の飾られたテーブルが三つ、その奥に。
濃青の大きな花瓶に無造作に入れられた、きらきらと輝く柑橘のなった枝。長さは人の腕くらいだろうか、緑の葉とピンポン玉くらいの実がついている。本物ではないようだが、妙に目を引くしどこか不思議な力を感じる。
その枝こそが、非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)。古代においては食べると不老長寿となると謳われたメガリス。実際には橘という柑橘の一種なのだが、伝説を纏う事でそれなりの力を蓄えている。埒外の力を扱う猟兵なら、その香りを僅かにでも感じられるかもしれない。
飾られたメガリス――オブジェを交渉して譲ってもらうか、似たようなものを持ち込んで入れ替えるか。
まずは、美味しいお菓子で一息ついてからでも良いだろう。
ディアナ・ランディール
人通りの多そうな商店街。
ここでもモーラットの被害が出ているらしい。別のお店でいくつか甘いお菓子、羊羹やクッキー、ケーキなどを購入して、まずはモーラットをおびき寄せることにした。
「これで、捕まるといいのですが…」
捕まえたモーラットを引き取って貰い、もう一つの目的地のお菓子屋へと入った。
お店の奥。目に入ったのは、濃青の花瓶に入れられている、きらきらとした柑橘が付いた枝。
不思議と目につき、力も微妙に感じる。だけど、本物ではないようだ。
これが回収するオブジェだろう。
「これは、本当に美しいですね…。気にしまったので、売ってもらうことはできないでしょうか?」
お店の人との交渉が始まって。
最初に捕まえたモーラットを、受け取りに来た銀誓館の関係者へと渡して次の目的地へ。向かう最中にもモーラットを見かけたので、近くの店でお菓子を購入し確保しておく。先程の者に連絡を取りその子も引き渡して、ガラス張りの店前から、店内を覗き込んだ。他に客の姿は無く、そのまま中に入ると自然と店の奥へと目が向かう。
濃青の花瓶にざっくりと飾られた、やけにきらきらと輝いて見える、柑橘の枝。非時香菓――伝説の通りならもっと力を感じるだろうけれど、そこまででは無いのは長い年月を経たからか、それともそのものではないからだろうか。それでも、ふんわりと柑橘の香りがディアナの鼻をくすぐる。
「これは、本当に美しいですね……」
若草色のワンピースを揺らし、ディアナ・ランディール(ミレナリィドールの人形遣い・f41918)が店の奥へと足を進めると。
『いらっしゃいませー』
店の奥からコック服を纏った青年が顔を出した。何番目かはわからないけれど彼がこの店のパティシエの一人なのだろう。ショーケースを見るのではなく、店の奥へと佇んでいるディアナの姿に不思議そうに首を傾げ。
『ん? その飾りがどうかしましたか?』
小細工をしてもどうにもならないだろう、それならばいっそ直球で。ディアナは青年へ向かって口を開く。
「気にいってしまったので、売ってもらうことはできないでしょうか?」
問いかけるディアナに対し、うーんと悩む様子を見せるパティシエの青年。
『別に思い入れとかは無いんだけど、なんでそんなに?』
これからが交渉力の見せ所か。ディアナはにこやかな笑みを浮かべ、口を開いた。
「見た瞬間にこれ、と思ってしまったんです。そういう出会いってあるじゃないですか」
自らの感覚を生かす職業の人間なら伝わるだろうと選んだ言葉は、間違いなく納得させるものだったらしい。
『うーん、そこまで言うんならうちのお菓子買ってくれたら持って行っても良いけど』
「有難う御座います、ぜひ購入させていただきます」
交渉成立。ディアナは微笑みながらショーケースの方へと向かっていった。
大成功
🔵🔵🔵
大丸・満月
アドリブ可
交渉事は太ったままでもやれなくもないが収容案件だと持ち主が魅了されてたり、欲しがったら価値があると思ってゴネる場合もある。しかもオーナーが三兄弟なら最低二人は納得させないといけない。
しゃーねぇかと店の近くで【混合血液】を飲んで超活性化で痩せて【フェロモンモード】発動。服装も整えて交渉に行くか、【コミュ力】発揮して話しかけ、適当に「それの対になった枝の持ち主が欲しがってる」とか言って店主を【誘惑】。
店のポスターのモデルになるなら考えてもいい?その代わり食べ放題。まあ、タダで体型戻せる食事は嬉しいし、甘いのは好きだから良いけどよ…とケーキやらお菓子を美味しそうに食べる姿を撮影される。
商店街を歩きながら、大丸・満月(人間のグールドライバー・f42686)は頭を悩ませる。
(交渉事は太ったままでもやれなくもないが収容案件だと持ち主が魅了されてたり、欲しがったら価値があると思ってゴネる場合もある。しかもオーナーが三兄弟なら最低二人は納得させないといけない)
割と厳しい条件のように思える、さてどうするかと店の手前で足を止めて。人目につかない細い路地へと入り、混合血液を取り出す。自らの身体を超活性化させるそれを一気に飲み干すと、丸かった身体が見る間に細く、見事に引き締まっていき。
「……便利だけど腹減るんだよなぁ」
気が付けば、そこに立っていたのは人目を引く色気に満ちた一人の男性。ゆるんでしまった服装を調え直して、店の扉を開く。
『いらっしゃいませー』
座っと店の中を見回し、聞いていた通りの柑橘を実らせた枝がイートインスペースの方にあるのを確認、真っ直ぐに声をかけてきたコックコートの青年の方へ向かう。
「いきなりですまないが、あのインテリアの枝を譲って貰えないだろうか……実はあれには対になる枝があり、その片割れを探していたんだ」
誘惑の力を意図的に向けつつ話し始めると、明らかに青年の視線が満月へと固定される。それでも暫し迷うような様子を見せると、一旦お待ちくださいと下がっていった。どうやら裏で他の兄弟と相談しているのだろう。
『一応それなりに気に入っているのでタダというのも……もし良かったらなんですが』
「――店のポスターのモデルになるなら考えてもいい?」
成程、と頷いて了承を告げる。その代わりにと言っては何だが店のお菓子を好きなだけ食べて良いとの事なので、イートインスペースへと移動し、まずはつやりとした表面のチョコのケーキを頂く。フォークで大きく切り取ると中には苺とホワイトチョコのムース、台のココアスポンジと表を覆うのは甘みを抑えたダークチョコレート。
食べる様子を撮影されながら、出てくるお菓子を食べ続ける。抹茶と桜の羊羹、ベリーの餡が入った月餅。出されたお菓子を美味しそうに食べる姿は、ポスターにされ店頭に飾られると売り上げが上がったらしいとの事。
大成功
🔵🔵🔵
スイート・シュガーボックス
「モーラット達は、無事捕獲成功っしょ☆」
そうだね、ディオちゃん。後はメガリスを確保するだけさッ!
ひゅ〜、凄いよこのお菓子屋さん。お菓子が並ぶ様は正に宝石箱の中身のようにキラキラだ!
おっとっと、目移りするけど今はメガリスだね。
これが『非時香菓』だね。仄かに香る柑橘系のいい匂いだね。早速交渉だッ!
店長さん、俺この置物が気に入っちゃたっからどうかこれを譲って欲しいんだッ!
勿論、ただとは言わないよ。俺も取って置きの『ティーセットコレクション』を取り出して、このお店に似合いそうなカップ(某鑑定団に出せばかなりのお値打ち)と交換して欲しいんだッ!
それはそれとしてお菓子も沢山買っていくよッ!
【アドリブ歓迎】
『モーラット達は、無事捕獲成功っしょ☆』
「そうだね、ディオちゃん。後はメガリスを確保するだけさッ!」
スイート・シュガーボックス(おかしなミミック・f41114)と相棒のディオちゃんは真っ直ぐに目的のお店へと向かう。
開いた扉の正面には。
「ひゅ~、凄いよこのお菓子屋さん。お菓子が並ぶ様は正に宝石箱の中身のようにキラキラだ!」
ショーケースの中に並んでいるのも、横のテーブルの上にも、とても美味しそうなお菓子達が並んでいる。しかし、今は。
「おっとっと、目移りするけど今はメガリスだね」
『アレっしょ、超キラキラしてるんですけど☆』
ショーケースに見とれているうちにディオちゃんが奥のイートインスペースへ移動していた。後を追って其方へと向かうと、ふんわりと柑橘の爽やかな香りが鼻先を擽る。
「これが『非時香菓』だね」
きらきらと輝く、小さな柑橘をいっぱいにつけた枝。美しい見た目、そして目を引く何らかの力。さて、どうやって手に入れようか。
「よし、早速交渉だッ!」
『お待たせしました、いらっしゃいませー』
コックコートを身に着けた青年が店の奥からイートインスペースへと入ってくる。彼が近寄って来る前に、テーブルの上にスイートが取り出したのは大きな木の箱。
「店長さん、俺この置物が気に入っちゃたっからどうかこれを譲って欲しいんだッ!」
『え、この枝ですか?』
何でだろう、と訝しむ彼に畳み込むように箱を開く。布張りの中に包まれていたのは、一見してすぐに値打ちものと分かる取って置きのティーセットコレクション。その中から美しい花の描かれたカップを取り出して。
「勿論、ただとは言わないよ。このお店に似合いそうなこのカップと交換して欲しいんだッ!」
某鑑定団に出したらそれなりの値が付くだろうカップを前に、パティシエの青年はそこまで言うなら、と頷いた。
『わー、すっごい綺麗!』
非時香菓を受け取り、カップを渡す。これでお仕事は完了なのだけれど。
「あ、お菓子も買わせてッ!」
見惚れてしまうくらいに美味しそうなお菓子、買わないわけにはいかない。ケーキに生菓子、サブレに麻花。腕一杯にお菓子を買い込み、最後にディオちゃんと二人分、ソフトクリームもゲットして店を出る。
ディオちゃんの腕の中の非時香菓は、暮れ始めた陽の光を集め一際強く輝いているようだった。
大成功
🔵🔵🔵