【サポート優先】晴雲秋月、その雄心は染まらない
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
●
「……驚いたな、例の宮本・武蔵様から連絡貰っちまったよ」
それは本当に凄いな!?
珍しく言葉通り驚いているといった様子で目をぱちくりさせる明・金時(アカシヤ・f36638)だが、しっかりと説明は続ける。
「武蔵の言うことにゃあ、バトル・オブ・オリンピア開催前から八百長試合を持ちかけてくる金持ちがいただろ? 今回もそんな手合らしくてよ、金は出すから負け試合やってくんねえかッてお声掛けがあったんだと」
よりにもよって武蔵にか。と言うか武蔵を知らないのか。モグリか?
そういうの嫌いそうなイメージあるけれど。実際、グリモア猟兵に連絡してきた辺りでもうお察しなのだが。
「で、お前らにはその八百長試合をブッ潰して欲しいんだとよ。これは『金の力で真剣勝負を汚そうとする奴さえ改心するほどの、最高の試合を見せつけてやろうぜ』ッて意味だからな」
成程。ではテニスで真剣勝負というわけか。
宮本・武蔵は新生フィールド・オブ・ナインの一角。刀をラケットに持ち替え、剣士時代であった頃と変わらぬ、いや更に進化すらした二天一流と五輪書により、大魔術詠唱儀式『テニス』を極めた難敵。油断せずに行こう(低音ボイス)
「いや、今回も晴雲秋月と組んでなぎなただよ」
は??????
「金持ちが指定してきたのがなぎなただったんだと。この世界のアスリートが、専門の競技以外もこなすオールラウンダアなのは知ってるだろ」
そうだけども!!
何でテニスの頂点に別競技やらせるんだよ!! 本当にモグリかその金持ち!? テニスやらせろよ!!
「ガチのテニn……テニスやらせると自分自身に解釈違い起こしそうだから、とかワケの解らんこと言われたらしいぜ。その時だけ目が虚ろだったとか」
悪役NPCに中の人の代弁さすなって? 本当にすまないと思っている(重低音ボイス)
「ッてなワケで奴さんは刀をラケットに、そして今回に限っては更にラケットを薙刀に持ち替えて、双槍ならぬ双薙刀で試合に臨んでくるぜ」
それは純粋に凄いな。
長物の二刀流となると、刀剣の二刀流とはわけが違う。重さもリーチもある武器を二本同時に操るという、形にするだけでも高等技術だ。
しかしこの宮本・武蔵は難なくこなして見せるどころか、そのままなぎなたの頂点取ってしまいかねない実力を見せつけてくるという。流石は最強の剣豪にして新生フィールド・オブ・ナインといったところか。
……元々なぎなたの競技人口が少ないことは言わないお約束。
「因みにこの世界のなぎなたのルールは要約すると『技の美しさを魅せつつ、対戦相手を降参もしくは試合続行不可能に追い込めば勝ち』なんだがよ」
相変わらず身も蓋もないな。
「先鋒戦、次鋒戦、中堅戦、副将戦までは同時進行、入れ替わりアリのほぼ乱戦だ。晴雲秋月の面々と入れ代わり立ち代わりしつつ、四試合こなして貰うぜ」
因みに武蔵率いるチームの先鋒から副将は本来ぐるぐるバッターなのだとか。
こちらも回る必要はないが、相手は回れば回るほど強くなる(後で🌈は隅の方で放出されるらしいが)。その力でぐるぐるバットの宣伝も行おうという強かさも兼ね備えている。そういった意味でモチベーションは高い。
「ま、色々言ったが大事なのは真剣勝負、何よりそれを楽しむことだ。武蔵もそれを望んでるようだしな――奴さんに本気でなぎなた転向を考えさせるくらいの試合をしてやろうぜ」
流石に考えないだろうが、それくらいの意気込みで掛からなければ確かに厳しい試合になりそうだ。
猟兵達は今一度、気を引き締める――。
……ところで武蔵はどうやって連絡入れてきたの?
「ンー? そりゃ企業秘密だ。何せ奴さん、あの色男だろ? 情報漏れてファンから凸られて、苦情入れられても俺にはどうしようもねェからな」
さいですか。
絵琥れあ
お世話になっております、絵琥れあと申します。
ひっそりとサポート優先シナリオを運営させていただきます。
勿論、通常参加も望外の喜びですので歓迎いたします。
(但し通常参加はタイミングによっては流れる可能性があります。同章受付中の再送は歓迎です)
流れと詳細は以下の通りになります。
第1章:集団戦『バッド・サイクロン』
第2章:ボス戦『宮本・武蔵』
第1章では、バットを薙刀に持ち替えたぐるぐるバッター『バッド・サイクロン』との先鋒〜副将戦までをこなしていただきます。
因みに彼女達は薙刀を支えに、その柄の途中に額をつけてぐるぐるするようです。回り辛そう。
なお晴雲秋月チームとしての出場で、メンバー五人もその場にいますが、空気と思ってくださって差し支えありません。
……ならば何故わざわざ金持ちに指名されたのでしょうね?
第2章では、今回限りでラケットを薙刀に持ち替えた新生フィールド・オブ・ナインの一角『宮本・武蔵』との大将戦です!
長物の二刀流ですが涼し気な顔で操り強力かつ美しい技を繰り出してきます。
その上、五輪書による魔術も健在。間違いなく強敵ですが、最高の試合で勝利を飾りましょう!
サポート優先シナリオのため、調子と相談しながら自分のペースで執筆していくことになるかと思います。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『バッド・サイクロン』
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POW : レッツ・ゴー・サイクロン!
レベルm半径内を【クソザコ三半規管空間】とする。敵味方全て、範囲内にいる間は【ぐるぐるバットの回転数・速度】が強化され、【状態異常抵抗率、無効化、反射、回復など】が弱体化される。
SPD : スピニング・イェーガー!
【体勢を崩す】【回復阻害攻撃】【時間稼ぎ】と【束縛】【ロープワーク】【気絶攻撃】を組み合わせた独自の技能「【猟兵ブレード】」を使用する。技能レベルは「自分のレベル×10」。
WIZ : 虹色の彼方
【🌈】のオーラを纏い、自身の【ぐるぐるバット】競技力と【猟兵ブレード】競技力を2〜8倍にする(競技が限定的である程強い)。
イラスト:mozuku.
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
網野・艶之進(サポート)
「正直、戦いたくはないでござるが……」
◆口調
・一人称は拙者、二人称はおぬし、語尾はござる
・古風なサムライ口調
◆性質・特技
・勤勉にして率直、純粋にして直情
・どこでも寝られる
◆行動傾向
・規律と道徳を重んじ、他人を思いやる行動をとります(秩序/善)
・學徒兵として帝都防衛の技術を磨くべく、異世界を渡り武芸修行をしています
・自らの生命力を刃に換えて邪心を斬りおとす|御刀魂《ミトコン》の遣い手で、艶之進としては敵の魂が浄化されることを強く望み、ためらうことなく技を用います
・慈悲深すぎるゆえ、敵を殺めることに葛藤を抱いています……が、「すでに死んでいるもの」や「元より生きていないもの」は容赦なく斬り捨てます
●
「考えてみれば、生命の奪い合いではなく、規則と競技精神に則り勝敗を決するこの世界は、存外拙者の性に合っているかも知れぬでござるな」
網野・艶之進(斬心・f35120)の故郷はサクラミラージュであり、ここに来たのもあくまで帝都防衛の為の武者修行の一環ではあるのだが。それでもここでは生命に気兼ねすることなく修行が出来る、悪くない環境であると思えた。
「試合の準備は万全なようですね……それでは参りましょう。レッツ・ゴー・サイクロン!」
前言撤回。ちょっと不安を覚えた。
艶之進に相対するのは可愛らしい少女ではあったが、試合開始を宣言すると同時に薙刀を地に立て、その柄に額をつけてぐるぐる回り始めた。
「ま、回れば回るほど強くなります……これがなぎなたとぐるぐるバットの複合技……!!」
「お、おう……!?」
何とそのまま独楽の要領で突撃してきた。色んな意味で艶之進は気圧された。
だが、このまま圧倒されるわけにはいかない。艶之進は薙刀を構えてバッド・サイクロンの回転を受け止める。
「ふっふっふ、その程度でこの回転は止められませんよ! ……うぷ」
「……この場でぶちまけられる前に決めるでござるよ!」
艶之進は薙刀を滑らせ後退。回転しつつもその場に留まっているバッド・サイクロンの動きに合わせ、撫で切るように胴を一閃!
「はわ〜〜〜〜〜〜!?」
「安心なされ、峰打ちの更に峰打ちでござる」
競技用薙刀なので流血沙汰にはならないし、体力的にもオーバーキルにはならない、試合続行不可能に陥らせる程度の威力である。
こうしてバッド・サイクロンの一人は沈んだ。
「🌈」
……隅っこの方にしっかり置土産残していきましたけども。
成功
🔵🔵🔴
ウルスラ・ロザーノ(サポート)
いつもテンション高いとは言われるなー、確かに誰に対してもフレンドリーな対応しようと心掛けとる
といっても銀誓館の学生時代から能力者をしてきたんでな
救えるもんはできるだけ救う、でも倒すべき敵は必ず討伐すべしっちゅー方針や
戦法はヒット&アウェイ型、戦場全体を広く利用して戦うで
基本は中距離
レーザービット射撃やナイフの蹴り込みで牽制しつつ、
エアシューズで、地上は高速で駆け回り、空中も地形とか足掛かりに利用して軽業のように跳ね回るよ
敵からの攻撃は、すべて見切って受け流したりの回避で凌ぐよ
攻め込む機会を見つけたら奇襲を仕掛けるで
一気に接近して、蹴撃やその斬撃波を叩き込む!
サッカーボールのシュートは必殺技や!
●
「薙刀、使ってるところは見たことあるけど、自分で使うことになるとはなー」
基本的に脚技の多いウルスラ・ロザーノ(鈴振り燕・f35438)である。サッカー選手でもあるが、競技としてのなぎなたに参加するのは初めてだ。
「何にしても熱い試合魅せたるわ。相手もそれをお望みやからね」
さて。
薙刀を構えつつ相手に向き直れば、既にバッド・サイクロンは薙刀を支えにぐるぐるしていて。
ふらつきつつも薙刀を構え直した――かと思いきや。
「これぞなぎなたとぐるぐるバット……いえ猟兵ブレードの複合技!! なぎなたブレードです!!」
「いや意味解らんけど!?」
人間独楽、ならぬ猟兵ブレード。自らを独楽として回りつつ突き出した薙刀を回転させることで、宛ら刃(競技用なので切れないけど)のついた人間大独楽状態に。
「そっち猟兵ちゃうしダークリーガーやし!! 薙刀とブレードで重複表現みたいになっとるし!! そもそも絶妙に著作が危な……ってもうええわ!!」
ツッコミどころが満載すぎて全てを放棄したウルスラ。
体力よりも精神力がやられそうなので、速攻を決意しフィールドを蹴って跳ねるように接近。
間合いを図り、こちらも回転。しかしあくまで半周。それに合わせて薙刀の切っ先で三日月を描き、衝突直前でぶつける!
「武器が変わっても、経験は活きる! 基本にして王道の極致、とくと見いや!!」
「アッ」
三日月に弾き返され、逆回転してフィールド外に追い出されるバッド・サイクロン。
そのまま彼女は🌈と共に倒れ込み、再起不能となったのだった。
成功
🔵🔵🔴
咲泉・彩華
サムライエンパイア出身、お団子が好きなくノ一
お団子で釣れてしまうので報酬はお団子でよろしく
お団子は皆で食べた方が美味しいよ
普段の口調は(わたし、キミ、だね、だよ、だよね、なのかな? )
・戦闘
主な使用武器は苦無や手裏剣
身軽さを活かした動きをします
神足により空中も動けます
忍びなので隠密も得意です
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
「ねえねえ、報酬ってお団子にならない? お団子があればもっと頑張れるんだけどなー」
「んー、相手のバックについてるヤツが金持ちらしいから、奢らせればいいんじゃないですかね。武蔵サンに交渉して」
「なるほど! じゃあまず大将戦まで持ち込まなきゃね! 頑張る!」
晴雲秋月のメンバー、完土・那月にそう言われて、咲泉・彩華(お団子閃忍・f31537)のモチベーションがアップした。
お金持ちなら沢山のお団子を用意出来る筈だ。それに武蔵も雇い主のことはよく思っていないらしいし、自分が奢るわけではないし、交渉も上手く行きそうな気がする。
さて、改めて薙刀を構えて相手と向き合えば、御多分に漏れず薙刀を支えにぐるぐるしており。
「仲間の弔い合戦です! なぎなたブレードリベンジ!!」
「わっ」
とんでもない力技に、流石の彩華も少々面食らった。
だが、引き下がるわけには行かない。彩華を待っているお団子の為……いやいや、なぎなたの素晴らしさを伝える為に!
「中距離とは言え、遠距離攻撃の方が得意なんだけどねー。そうだ、近づかれる前に倒しちゃおう!」
薙刀に力を込めれば、刃部が風を纏って鳴く。そのまま、風の動きを意識しながら相手の胴を目掛けて薙ぐ!
「風よ、巻き起これ! 風遁・竜巻隠れ!」
「ほあ、あっ、わあ〜!?」
彩華によって振るわれた薙刀から竜巻が起こり、バッド・サイクロンを回転はそのままフィールド外に押し戻していった。
竜巻が止んだ時、漸くバッド・サイクロンは回転を止め、🌈と共にその場にべしゃと沈んだのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シホ・エーデルワイス(サポート)
助太刀します!
人柄
普段は物静かで儚げな雰囲気ですが
戦闘時は仲間が活躍しやすい様
積極的に支援します
心情
仲間と力を合わせる事で
どんな困難にも乗り越えられると信じています
基本行動
味方や救助対象が危険に晒されたら身の危険を顧みず庇い
疲労を気にせず治療します
一見自殺行為に見える事もあるかもしれませんが
誰も悲しませたくないと思っており
UCや技能を駆使して生き残ろうとします
またUC【贖罪】により楽には死ねません
ですが
心配させない様
苦しくても明るく振る舞います
戦闘
味方がいれば回復と支援に専念します
攻撃は主に聖銃二丁を使用
戦後
オブリビオンに憎悪等は感じず
悪逆非道な敵でも倒したら
命を頂いた事に弔いの祈りを捧げます
●
「スポーツ……ですか」
シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)は手渡された競技用薙刀を握り締める。
刃は真剣ではなく、人は切れない。当たれば痛いだろうが、死ぬことはない。その事実に少し安堵した。
自分が傷つき苦しむのは、まだ受け入れられる。それでも、世界征服は掲げていても、スポーツマンシップに則り試合を行う彼ら彼女らは、憎むべき対象ではないから。なるべく傷つけたくはない。
……たとえ相手が、やにわに薙刀を支えにぐるぐる回り始めたとしても、だ。
「行きますよ、|🌈《にじ》の彼方まで!!」
「……🌈は兎も角、そのスポーツマンシップには敬意を表します。ですから」
シホも、全力で。
なぎなたは所作の美しさも重視されるが、アスアス式なぎなたではそこにユーベルコードを用いてもいいと聞いたので。
「私のエーデルワイス、競技場に咲き誇って」
シホの薙刀が軌跡を描く度、そこに汚れなき白の花弁が舞った。
なぎなたブレード状態で突撃してくる相手にも、冷静に。シホは薙刀を振るって応じる。薙刀は受けるだけ。少しずつ、花弁がバッド・サイクロンの体力を削っていき――、
「あっちょっとタイムお願いします」
「?」
不意に、バッド・サイクロンが回転を止めた。戦う意志のない相手に追撃するつもりのないシホも、素直に攻撃の手を止める。
するとバッド・サイクロンはふらつきつつも小走りで場外へと掛けてゆき。
「🌈ウェロロロロロロ🌈」
……溜まりに溜まっていたらしい🌈を全解放した。
(「これは……係員の方が大変そうですね」)
主に清掃的な意味で。
成功
🔵🔵🔴
リィンティア・アシャンティ(サポート)
「数は多いですが……負けないのです。守るためにがんばるのです」
妖精ルノを連れた、礼儀正しくほわほわな雰囲気の妖精騎士
穏やかながらエンドブレイカーとして戦っていたので
助けるために武器を持ち、ルノと一緒に勇敢に戦います
栗鼠がいることも。団栗投げます
自分の世界と似ているところ違うところ様々な文明があるけれど
助けなくてはいけないものがあるから大切に思い
自分ができることを精一杯に
諦めることなく戦います
複数の敵に一度にダメージを与えるよう範囲攻撃を試みたり
周囲の人達を補助するよう行動したり
UCや武器はその時に一番有効そうなものをどれでも使用します
アドリブや連携は歓迎
迷惑行為、公序良俗に反する行動はNGです
●
「シールドスピアなら使ったことがあるのですけど……薙刀ですか」
手渡された競技用薙刀を、リィンティア・アシャンティ(眠る光の歌声・f39564)はしげしげと見つめる。
彼女の言う通り、シールドスピア――つまり、同じ長物武器としては槍ならば心得があるのだが、あれは貫き刺す武器である。薙いで斬る薙刀とはまた扱いが変わる。
なので、寧ろフレイムソードやソードハープなどの剣の動きを意識しようとリィンティアは心して。
その間にも、薙刀を支えにぐるぐるするバッド・サイクロンはその回転を早めている。
「さあ、限界超えていきますよー!!」
「あ、あの、ご無理はなさらずに……」
さっきから他のバッド・サイクロンが🌈と共に死屍累々状態でグロッキーになっているのを、控えからリィンティアは見ていたので。
少々心配にもなってくるが。今は試合中、気を取り直して。
「美しさも表現するなら、きっとこれですね」
リィンティアはフレイムソードでの戦い方を思い出し、薙刀へとその炎を宿して。
「薙刀でも、炎の華と舞いましょう」
鮮やかに華やかに、明るく暖かな炎で起動を描いていく。
その炎は熱を伴いバッド・サイクロンにも燃え移った――が。
「ふっふっふ、これしきの炎で私は止められませんよ! 寧ろ回転で巻き起こる風で吹き消してやります!」
「えっ……!?」
どういう理屈なのか全く解らないが、事実バッド・サイクロンは意にも介していない様子で回転を速めており。
これは攻め方を変えなければならないか、とリィンティアが考えを巡らせた瞬間。
「……?」
炎を消した筈のバッド・サイクロンの回転が、徐々に弱まり。
ふらふらと回りながら、場外へと後退し。
「🌈🌈🌈🌈🌈🌈」
「あっ」
……|限界《にじ》の彼方に辿り着いたようである。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『宮本・武蔵』
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POW : 二天一流「燕返し殺し」
【ふたつのラケットの間に生じる超魔力球】が命中した敵をレベル×10m吹き飛ばす。
SPD : 二天一流「ホーミングファントム」
【二振りのテニスラケット】から発射した【無数のテニスボール】を、レベル回まで跳弾できる。跳弾回数に比例して命中率・致死率が向上。
WIZ : 二天一流「五輪の極み」
【刺青型ユーベルコード「五輪書」】に封じた【地水火空風の5属性の都市破壊級魔術】と合体し、あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になる。ただし解除時にダメージを全て受ける。
イラスト:紙乙
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リカルド・マスケラス
戦争シナリオで現地のNPCや居合わせた猟兵と協力して戦いたい
公式スポーツチームの選手とかで出して欲しい選手がいれば使っていただけるとありがたいです
「ちょっと力を貸して欲しいっすよ」
【コミュ力】で協力を取り付けた相手に憑依して、リカルドの能力値と技能を追加してもらって戦う
【怪力】でのゴリ押しや【属性攻撃】【破魔】で魔法的な戦いも可能。宇宙バイクの【操縦】、【念動力】で道具の遠隔操作もできる。【料理】も得意
【霧影分身術】を使用すれば、分身を何体も出せるし、依代がなくても自分の体を用意して動くことができます
高い能力でのバトルを体験する事で憑依した相手にとっていい経験になってくれるといいっすね
●
「お久しぶりっすよ〜!」
「あっリカルドさんじゃあん! おひさし!」
以前、晴雲秋月のピンチを救ったことですっかりリーダーの烽火・光華からは懐かれているリカルド・マスケラス(希望の|仮面《マスカレイド》・f12160)である。
「ところで今回なかなかの強敵っすねえ。ま、とは言えダメージ肩代わりするんで、また身体借りてもいいっすか?」
「オッケー無問題! よろしくお願いしまーす!」
以前にも彼女に憑依して薙刀を振るった経験のあるリカルド。すんなりと了承も取れ、互いに感覚が馴染むのにもそう時間は掛からない。
武蔵は、その様子を急かさずに見届けていた。そして頃合いを見て、声を掛けてくる。
「準備は良いか」
「はーい! 胸お借りします!」
明るくフランクな態度の光華だが、実力が上の相手へのリスペクトはしっかりと持ち合わせている。気持ちのいい気質だなとリカルドは思うし、武蔵の表情も気持ち微笑ましげだ。
だが、眼前の表情はすぐにまた引き締まる。
「ではいざ、参る」
「来た来たっ。リカルドさん、頑張ろーね!」
『勿論っす。全力ぶつけるっすよ!』
この試合は、確実に光華のレベルアップに繋がる筈だと確信しているリカルド。自分は少しばかり、猟兵としての力を貸すだけだ。
しかしやはり、武蔵は速い。先ずは手始めにと言わんばかりに、容赦なく先制攻撃を放ってくる。
「この手に持つのが刀であろうと、ラケットであろうと――薙刀であろうと、我が二天一流の極致に濁りなし!」
「うえっ、速……!!」
『構えと受け身の準備!』
面食らう光華であるが、リカルドの咄嗟の指示に反応した。恐らく今の光華では、小柄な体躯も相俟って受け切ることは不可能だ。ならば食らった後のことを考える。
案の定、光華は燕返し殺しによる超魔力の衝撃波に耐え切れず、吹き飛んだ。しかしギリギリ受け身を取り、すぐに復帰する。
『今度はこっちから仕掛けるっすよ!』
「よっし! やるぞやるぞやるぞ!!」
光華の薙刀から火花が散り、線香花火のように幾度も弾ける。これが光華のユーベルコードか。
ならばそれはそのまま活かし、彼女の技量を増幅させる。動きからして胴を薙ぐ気だろう。ならば、薙ぎ払いの威力を。
「どおおおおおおうっ!!」
「!」
火と熱を纏った刃が武蔵へ迫る。
武蔵は、それを片方の薙刀で受け止めてしまった、が。
「んああっ、惜しいっ!」
(「……けど、驚いた顔してるっすよ」)
武蔵は確かに、その重さを感じた筈だ。
リカルドは独り、密かに笑みを深めた。
大成功
🔵🔵🔵
バルタン・ノーヴェ(サポート)
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
ご用命あらば即参上! アドリブ連携歓迎デース!
普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
戦闘スタイル:白兵射撃の物理系
各種武装の中から敵に有効なものを選択して用いてくだサーイ!
刀も銃器も、内蔵兵器や換装式ウェポンも、何でもOKデス!
アタック重視でもディフェンス重視でも対応可能デース!
斬り込み、爆撃、弾幕を張ったり、パリィ盾したり、臨機応変に立ち回りマース!
指定ユーベルコードが使いづらいなら、公開している他のものを使用しても問題はありマセーン!
オブリビオンを倒して、ミッションクリアのために力をお貸ししマース!
●
「骸式兵装展開、岩の番! ――Oh! この場合は薙刀が変形するのデスネー!!」
頑強な岩で覆われ、硬度を増したと見られる薙刀を手に、面白いものを見たと言わんばかりにバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は楽しげな笑い声を上げていた。
この骸式兵装はとある大天使を模したもので、本来であればその象徴とも言うべき岩鎧を始めとした武装をバルタン自身が纏うものだが。アスアス式なぎなたに適用すると、このような形になるらしい。
「ともあれ、なぎなたは礼に始まり礼に終わる競技と聞きマシタ! 武蔵殿、よろしくお願いシマース!!」
「此方こそ、宜しく頼む。共に全力を尽くそう」
互いに一礼。
そう、これは真剣勝負である。故に、互いへの敬意もしっかりと。
手抜きはない。手心もない。ここに作為的な勝ち負けなど、一切ない!
「いざ、尋常に勝負」
「望むところでありマース!!」
先手は武蔵。バルタンはそれも計算に含め、受けの構えを取った。何も不思議なことではない。元よりなぎなたは『受け流し』の武道だ。
「二天一流、その奥義が一、とくと見よ」
剣の一閃に代わり、テニスの超魔球を。
そして今、更に形を変えてなぎなたでの衝撃波を。
「受け切ってみせマース!!」
二本の薙刀から繰り出される、その必殺の一撃を。
盾の如く薙刀から広がる岩の武装を構え、迎え撃つ!
「――!!」
重い。圧倒的に重い。
バルタンが踏ん張っても、押し返されてずるりと脚が滑り、全体が下がる。力で、押し負けている。
――だが、岩はその高威力の一撃を耐え切った!
「継戦可能であれば、こちらのものデース!!」
反撃開始だ。
岩を纏った重量級の一撃を、落とす!
「MEEEEEEN!!」
形式に則り、掛け声と共に振り下ろす。
「……ッ……!!」
武蔵も二本の薙刀で受ける。
やがて直撃は防がれたものの、その身体を弾き、大きく後退させた。あの、武蔵を相手にして、だ。
成功
🔵🔵🔴
冷泉院・卯月(サポート)
勿論お仕事は大事ですけどぉ、折角なら珍しい物や新しい物も見つけたいですよねぇ~。
あ、ご一緒される方がいらっしゃればぁ、一緒に頑張りましょうねぇ~。
あまり戦闘は得意ではないですけどぉ、ぶちくんとたれちゃんの力も借りてぇ、頑張っちゃいますよぉ~。
遠距離なら二人に短杖になってもらって魔法弾を撃ったりぃ、
接近戦なら二人で力を合わせて杵になってもらって頑張っちゃいますぅ~。
パラドクスは状況に応じて臨機応変に使いましょうかぁ~。
戦闘以外なら運転なんかも得意なのでぇ、何処へでもお届けしちゃいますよぉ~。
道中も楽しいことが見つかるといいですよねぇ~。
●
競技用の薙刀を試し振りしながら、冷泉院・卯月(壱七八あーる・f40880)は武蔵に向かって苦笑した。
「真剣勝負……ってことですけどぉ。どっちかと言うとわたしは楽しんでやれる方が助かりますねぇ〜」
戦闘は余り得意ではない、と自己分析する卯月である。これはあくまで試合ではあるが、対戦、という意味では戦いである。しかも相手はあの武蔵だ。
けれど彼は、卯月の言葉を否定しなかった。
「無論。我も生前……否、今尚只管に武の道を究めんと日々邁進しているが。ある時、勝ち負けに拘るばかりでスポーツを楽しむ心を損なっては、己の力にも陰りが生まれると気付いたのだ」
うわあどこかのテニス漫画の主人公みたいな状況に陥ってる。いや寧ろ無印のラスボスの側だろうか? ……これ以上は色々と危険なのでやめよう。
「……説教臭くなってしまったな。要は楽しむ心も肝要と言う事だ」
「あ、よかったですぅ。少し気が楽になりましたぁ」
エンジョイ系のスタンスだと不快な思いをさせるかも知れないと卯月は少し危惧していたのだが、心配なさそうだ。
勿論、だからと言って手を抜いたりはしない。卯月は卯月の全力で、立ち向かうだけだ。
「それでは、よろしくお願いしますねぇ〜」
「うむ、よろしく頼む」
互いに礼。そして構える。
「だが、手加減はせぬぞ」
「あっ、ですよねぇ〜」
容赦のない先制攻撃である。
二本の薙刀から繰り出される幾重もの斬撃、そこから放たれる衝撃波。受けるのでも一杯一杯だろう。
これは少し無茶をするしかないか、と卯月は己を奮い立たせた。
真昼の月が、卯月の背後に浮かぶ。模倣された狂気の源は、しかし十分過ぎるほどに卯月に力を齎した。
「いつもより多く――打ち合っておりますぅ〜!」
「む、」
薙刀を握る手が、月に狂う。
狂った魔力は卯月自身と、薙刀にも注がれ。本来ならば到底受け止め切れなかったであろう、武蔵の連撃を全て受け切り、その内の何合かを弾き返してすら見せた。
「……見事だ」
その手腕を武蔵も認めた。生憎と防がれてしまったが――その首筋を、確かに汗が伝っている。
成功
🔵🔵🔴
キノ・コバルトリュフ
キノキノ、火力が足りないんだって?
だったら、焼き舞茸はいかが?
キノ!バルくんどんどん焼いていくよ!!
トリュフ!バルくん、いい焼き加減だね。
キノも奉納の舞いを頑張っちゃうよ!
マツタケ!!おいしく焼けたかな?
●
「キノキノ、今日はなぎなたを頑張ればいいんだね? ……薙刀って、細長くてエノキに似てるよね!」
今夜のお味噌汁にはエノキを入れるのもいいかな、なんて。
キノ・コバルトリュフ(|キノコつむり《🍄🍄🍄🍄🍄》の星霊術士・f39074)は一瞬、夕食の献立に思いを馳せたが。
何せ今回は生命の奪い合いではないとは言え、相手が相手である。(当社比)キリッとした表情で武蔵へと向き直る。
「よろしくお願いします、だよ」
「うむ、よろしく頼む」
流石の武蔵もここまでの連戦で多少なりとも疲弊している筈なのだが、それを一切感じさせない涼しげな表情と佇まいだ。
試合に臨む全員が、全力のユーベルコードで当たらなければ、勝てる相手ではないだろう。
「トリュフ、バルくんいくよー!」
星霊バルカンが、キノの頭へ上り、薙刀へと飛び降りる。前足で細い柄の上に着地した瞬間、その姿が掻き消えた。
同時に薙刀が創世記の炎を纏い――当然ながら薙刀が燃えて灰になることはなく――紅蓮の刃を赫々と光らせた。
「成程、自然現象をも味方につけるか。ならば、我が五輪の極みを以て相手になろう」
武蔵の腕に刻まれた刺青が浮かび上がり、都市破壊級の五属性魔力を纏って無敵の構えを取る。
「マツタケ、なぎなたって演舞もあるって聞いたからー。キノの本気の奉納の舞、見せてあげるよ!」
「望む所」
強敵との試合こそ、本望。そう言いたげに。
応えるようにキノは宣言通りに、演舞が如く炎の薙刀を振るう。
武蔵も己が力に溺れることなく、二本の薙刀を操り受け流し、その合間を縫って仕掛けてくる。薙刀への引火はユーベルコードの五輪書の力で防いでいるようだ。
(「キノキノ、でも攻撃が無効化されてるわけじゃないからね」)
今の武蔵は無敵だが、あくまでも結果を先送りにしているだけだ。ダメージは蓄積している筈。
あと少し。キノは確かにそんな手応えを感じていた。
大成功
🔵🔵🔵
泉水・愛夏
武蔵様!こんなところで会えるなんて!
今日はテニスじゃないのね。薙刀を操る武蔵様も素敵だわ。
…でも武蔵様に迷惑はかけられない。
節度を持って真剣勝負!お相手するのよ。
武蔵さm…さん!よろしくお願いします!
武蔵様の技…猟兵としてもスポーツ選手としても初心者の私に回避できるはずがないわ。
だからもう当たるのは覚悟でがむしゃらに攻めるのよ!
ユーベルコードはエンドレス☆サマー、これで多少の無茶はできるわ。
反動が怖いけど!頑張りましょう。
●補足
武蔵ガチ恋勢ですが、本人の前では節度ある一ファンを装おうとします。
ですが気を抜くと様呼びしそうになったり、たまにハート目になったりと隠しきれていない時もあります。
●
(「武蔵様! こんなところで会えるなんて!」)
泉水・愛夏(恋するオーディナリー・f42658)は太陽にも似た瞳をきらっきらと輝かせていた。
寧ろ瞳がハートになっていた。何を隠そう武蔵様ガチ恋勢である。いや武蔵本人には隠しているつもりだけれど。
(「今日はテニスじゃないのね。薙刀を操る武蔵様も素敵だわ。……でも武蔵様に迷惑はかけられない」)
そう、悲しいかなガチ恋勢とは度を過ぎれば厄介ファンともなりかねないのだ。その辺りはちゃんと弁えている。
だから愛夏は節度ある一ファンを装い、彼の望みである真剣勝負に臨む。
「武蔵さm……さん! よろしくお願いします!」
今ちょっと様呼びしかけましたね??
幸か不幸か、当の武蔵本人はそういったことに興味がないのか、本気で解っていないのか、或いは両方かも知れないが、特に引っかかった様子もなく。
「ああ、よろしく頼む。これが最後の勝負となろう、全力で来るが良い」
「はいっ!」
やはりハート目になりながらも、お相手します!
(「とは言え武蔵様の技……猟兵としてもスポーツ選手としても初心者の私に回避できるはずがないわ」)
ただでさえ相手は新生フィールド・オブ・ナインの一角たる武蔵だ。その上、自分はあらゆる面でまだまだ駆け出し。
力量差は火を見るよりも明らかだ。ならばパーフェクトゲームなど考えず、無茶を通してでもがむしゃらに攻め込むしかない。
「反動が怖いけど! 頑張りましょう」
「……成程。青いな」
若者特有の無謀さ。
だがそれは、時に強力な武器となることを、やはり目の前の圧倒的強者は知っている。
なればこそ降り注ぐ、無数かつ多角的な斬撃。まるで真剣で斬られるような痛覚に愛夏は襲われるが。
「本当の学校じゃこんな無茶できないから、ちょっとくらい、ね!」
愛する人の勇姿を、試合を通して誰より間近で見られる。こんな幸せが他にあるだろうか?
愛夏にとってはこれが、青春なのだ!
「――!」
連撃からのトドメ、面への渾身の一撃。
武蔵はそれを二本の薙刀で受け止めた――が、がくりとその場に膝を吐いた。
「……見事だ」
「えっ、えっ!」
「荒削りだが真っ直ぐだ。鍛え磨けば光るだろう」
「はわ」
そんなことを言ってこちらを見上げる最愛の人は爽やかに微笑んでいて、愛夏は思わず卒倒してしまった。
●
……さて、その一方。
何やら晴雲秋月のメンバー、那月と玲人が、跪いている黒幕の金持ちの首元へと、薙刀を交差させて添えている。まるで処刑人である。
その理由は当然、八百長試合でなぎなたを貶めようとしたから――ではなかった。
「ぼ、ボクが間違ってたよ光華ちゃん。ボクがこんなことしなくても、キミは……そしてキミが率いるチームはこんなにも輝いていた! この割れんばかりの拍手……感動したよ! そして惚れ直した! どうか僕の花嫁に」
「ぴえん……」
重たすぎる愛を向けられた光華は、同じくチームメンバーの姫子の背後に隠れてすっかり怯え切ってしまっていた。
どうやらこの金持ち、先のバトル・オブ・オリンピアでアイドル枠で出場した光華にすっかり惚れ込んでしまい、彼女が強敵相手に華々しく勝利を飾る様が見たかったようだ。愛夏とはまるで対照的である。
このように節度守らないとこういう扱いになるからね!
皆も気をつけようね!
大成功
🔵🔵🔵