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レイジ・アゲンスト・バイオゴブリン

#サイバーザナドゥ #『秘境』 #アカダルマファーマシー #抵抗組織『メサイア』

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#サイバーザナドゥ
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#『秘境』
#アカダルマファーマシー
#抵抗組織『メサイア』


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 サイバーザナドゥ世界の大気は骸の海で汚染されている。
 その為、この世界で暮らす人々は人体のどこかしらを『機械化義体』にしなくては生きてゆけない。
 もし猟兵以外のモータルが生身で闊歩すれば、降りしきる重金属酸性雨か汚染大気で身体がオタッシャ案件だ。
 ナムアミダブツ!

 だが、ある日の夜、重金属酸性ゲリラ豪雨に打たれながら、なんと生身の少女が裏路地を疾駆していた。
 既に身体中に汚染が蔓延し、呼吸も虫の息だ。
 しかも、後ろから緑の皮膚の小柄な人柄バイオモンスターの群れに追われているではないか。

「はぁ――はぁ――! はやく、|抵抗組織《レジスタンス》に……助けを、求めなくっちゃ……!」

 意識が朦朧となる中で、生身の少女は駆け込み寺めいて|抵抗組織《レジスタンス》の扉を4回ノックした。

「お願い、助けてください……! あたしの故郷が……アカダルマファーマシーに壊されちゃう……!」

 ――グリモアベース。
「緊急任務だよっ! 手が空いてる人はすぐに手伝ってほしいなっ!」
 グリモア猟兵の蛇塚・レモン(白き蛇神憑きのシャーマンクイーン・f05152)は、招集に応じてくれた猟兵達を前に今回の任務内容を伝達した。
「サイバーザナドゥには、未だに全く汚染されていない手付かずの環境……『秘境』が存在している事が判明したよっ! 恐らく、その土地に根付く草花が汚染源の骸の海を浄化しているらしいってことを突き止めたメガコーポ『アカダルマファーマシー』は、強引な手段で『秘境』に押し入ってリゾート開発を始めちゃったんだよっ!」
 そんな事をすれば自然破壊によって、残された『秘境』が汚染されてしまう。それどころか、今まで生身で暮らせていた原住民達も、汚染が広がれば『機械化義体』を余儀なくされてしまうのだ。

「その危機を悟った原住民の村長の娘が、汚染の危険を覚悟で|抵抗組織《レジスタンス》『メサイア』に助けを求めてきた……というところまでが、さっきの予知の内容ってわけだよっ!」
 グリモアから投影された予知の映像では、|抵抗組織《レジスタンス》『メサイア』の拠点のひとつに少女が駆け込んだところまでしか映ってなかった。しかも彼女は緑色のバイオモンスターの群れに終われていたではないか。
「うん、そこが問題なんだよっ! まず、みんなは転送直後、緑色のバイオモンスターの群れに完全包囲された状態からスタートするよっ! 汚染で衰弱している村長の娘さんと|抵抗組織《レジスタンス》『メサイア』の構成員達と一緒に、この包囲網をまず突破してもらう必要があるよっ!」
 蟻一匹も通さぬ数の暴力を、いかに掻い潜るかが重要となってくる。同時に村長の娘のケアも怠ってはならない。『秘境』から汚染に蝕まれながら助けを求めた彼女は、もはや瀕死寸前だ。『秘境』への案内役に彼女は欠かせない存在。任務中、回復系ユーベルコードを使う猟兵が誰もいない場合、この任務の難易度は一気に跳ね上がるので注意してほしい。

「とにかく、今は一刻の猶予もないよっ! 早く現場に駆け付けて、村長の娘さんと『メサイア』のみんなを助けてあげてねっ!」
 レモンのグリモアの輝きによって、猟兵達はサイバーザナドゥへ転送されてゆく。
 果たして、穢れなき『秘境』を猟兵達は護り切ることが出来るだろうか……?


七転 十五起
 ぽつんと『秘境』の村 in サイバーザナドゥ!
 今回は集団戦メインです。皆様の大立ち回りに期待します。
 なぎてん はねおきです。

●概要
 第1章冒険。
『秘境』から救援を求めに、汚染の危険を顧みず単身でやってきた村長の娘と、救援を求められた抵抗組織『メサイア』の構成員15名と共に、アカダルマファーマシーの尖兵達(緑色のバイオモンスターの群れ)の完全包囲網を突破してください。
 敵集団は鬱陶しいほど数が多いですが、知能はそこまで高くありません。
 力押しや隠密行動もアリですが、敵を策略で翻弄する事も念頭に置くといいでしょう。

 なお、生身の村長の娘は骸の海によって身体が現在進行形で汚染され続けており、瀕死の状態です。
 第1章参加者の中に【回復系ユーベルコードを誰も使用していない場合、村長の娘はこの章で死亡します】。
 その場合、第2章の難易度が跳ね上がります(※大成功が発生しなくなります)。
 村長の娘の救助は必須ではありません。あくまでも完全包囲網を突破する事が最優先です。

 第2章集団戦。
 包囲網を突破した猟兵達は、村長の娘の案内で『秘境』に到着します。
(第1章で村長の娘が死亡した時は、彼女の言伝だけが頼りの為、道に迷って『秘境』への到着が遅れます)
 既に『秘境』の一部は、アカダルマファーマシーが派遣したバイオモンスター『ゴブリン』達によってリゾート開発が進められていました!
 速やかにゴブリンを全滅させて、今すぐリゾート開発を中止させましょう!
(村長の娘が死亡して『秘境』到着が遅れると、派遣されるゴブリンの数が増えるので難易度が上がります)

 第3章日常。
 ゴブリン達を全滅させて、リゾート開発を白紙に戻すことが出来れば、村長が猟兵達を村に歓迎します。
 実は『秘境』の村では、偶然拾った「半永久的に動くPC」等から流れる「ライブストリーマーの配信」等を通じ、猟兵の活躍は「遠い世界のこと」ながらも知っており、本物の猟兵の登場にはまるで伝説の英雄が現れたかのように大喜びしてくれます!
 ……というわけで、秘境の村にお邪魔して彼らの歓待を受けつつ、せっかくなのでこれまでの武勇伝なども話してあげるとより喜ばれるんじゃないでしょうか!
 ただし、村長の娘が死んでしまった場合は、第3章日常は彼女の葬儀を描写する事になります。

 それでは皆様、どうか最善の選択をお願い致します。
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第1章 冒険 『完全包囲網を突破し、要人と共に脱出せよ』

POW   :    真正面からぶん殴って、血路を切り拓いてやるよ!

SPD   :    相手に行動を悟られず、迅速に隠れながら進もう!

WIZ   :    奇策妙計お手の物、敵を惑わして必勝へ導こうか!

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ダーティ・ゲイズコレクター
リゾート開発なんて大事業
きっと今の段階でも沢山のお金が動いているはず
そんな計画をとん挫させたら
私の悪名がメガコーポの社歴に刻まれること間違いなし!
よーし!全力で邪魔しますよ!

UC【佞悪!煌珠汚濁瘴霧】発動!

UCの霧で村長の娘さんの回復とメサイアの方々をカモフラージュし
私が包囲中の敵さん達の注意を惹きつけることで
包囲網を突破しましょう!

({ダーティウイング}で『衝撃波』を起こしながら飛び上がり『空中浮遊』し大声で名乗り上げることで『存在感』を出す)

私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!
私よりワルな存在滅ぶべし!
よって皆さん滅んでください!



 ダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)はワルの匂いを嗅ぎ取り、颯爽と抵抗組織『メサイア』の前に転送されてきた。
「私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター! 凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです! リゾート開発なんて大事業、きっと今の段階でも沢山のお金が動いているはず。そんな計画をとん挫させたら、私の悪名がメガコーポの社歴に刻まれること間違いなし! よーし! 全力で邪魔しますよ!」
 まずは包囲網に亀裂を生むべく、緑色のバイオモンスターの大群に斬り込んでいゆくダーティ。
「私のユーベルコードの霧で、村長の娘さんの回復とメサイアの方々をカモフラージュです! その中を私が包囲中の敵さん達の注意を惹きつけることで、目立ってやります! そのまま包囲網を突破しましょう!」
 その言葉通り、ユーベルコード『佞悪!煌珠汚濁瘴霧』を放ったダーティの前に立ち塞がるバイオモンスターの大集団は、赤紫色の矢印オーラに次々と刺し貫かれてゆく。
「私よりワルな存在滅ぶべし! よって皆さん滅んでください!」
「「ギャアアァァァアーッ!」」
 断末魔が違法建築高層ビルの合間に轟く!
 背中に生えた自慢の翼でビルの合間を高速飛行すれば、赤紫色の飛行機雲が描かれていった。
 衝撃波を発生させながら大声を上げれば、知能の低いバイオモンスター達はダーティを追い掛けて返り討ちにされていった。
「さあ! 今のうちに逃げてください!」
 ダーティの一騎当千ぶりを目の当たりにした抵抗組織『メサイア』の構成員達は、村長の娘を背負ったままビルの裏路地を駆け抜けてゆくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

スイート・シュガーボックス
ディオちゃんに搭乗して上空から現地に到着だッ!
「敵めっちゃいるじゃんッ!?ウチの『豊穣葡萄』を拡散、生成したワインの高水圧ウォーターカッターをぶち込むべ!」
包囲網をワインカッターで全方位攻撃、酒気が充満するからディオちゃんの幻覚生成の権能を使い包囲網は更にガタガタだッ!

ディオちゃん、ここは頼んだよッ!
(コクピットから飛び降り村長の娘の元にいく)
箱の中からキッチンカーを取り出して【甘い幸せ彩る調理錬金】。
先ず食べやすいように美味しいヨーグルト。更に食べやすいお菓子を作っていくよ。
さあ食べて、汚染状態異常を癒やし体力を回復させられる…そう、お菓子ならねッ!
抵抗組織の人達もどうぞッ!


【アドリブ歓迎】



 スイート・シュガーボックス(おかしなミミック・f41114)は、黄金に輝く巨神こと幻惑神機『ディオニュソス』に乗り込んだまま、サイバーザナドゥの違法建築高層ビル街の上空へ転送されてきた。
「見て、ディオちゃん! あれが村長の娘さんと抵抗組織『メサイア』のみんなだよッ!」
 上空からでもよく分かる、緑のバイオモンスターの群れに追い回されている20名ほどの集団を見るやいなや、ディオニュソスは周囲に浮遊させている宝珠型神器を起動させた。
『てか敵めっちゃいるじゃんッ!? ウチの『豊穣葡萄』を拡散させて、生成したワインの高水圧ウォーターカッターをぶち込むべ!』
 大小さまざまな浮遊する宝珠から、圧出された赤ワインが次々とバイオモンスター達を縦横無尽に斬り刻んでみせえる。しかも噴射された赤ワインのアルコール分がディオニュソスの権能によってバイオモンスター達を酩酊させ、幻覚症状を引き起こすのだ。
 おかげで村長の娘達へ一直線に向かっていたバイオモンスター達は、隣同士の仲間を見境なく殴り合い始めたではないか。
「「ギャアアァァァアッ!」」
『ふふーん、ざまぁ☆ さあ今のうちに! こっちこっち!』
 ディオニュソスは上空から敵の少ない場所へ先導し、待ち受ける敵の群れを一網打尽にしていった。
「うんうん、この調子ならディオちゃんに任せても大丈夫かな? 俺は村長の娘さんを診てくるよッ!」
『りょ!』
 という事でディオニュソスには自律稼働してもらい、スイートはコクピットから外へ飛び出していった。
 そして村長の娘の元へ駆け寄ると、体内の汚染具合をすぐさま判別してみせた。
「酷い衰弱の有様だ……ここまで来るのに、すごく頑張ったんだね。多分、どこからか抵抗組織の事を聞きつけて頼ったんじゃないかな? そんな勇気のある女の子を助けるには何が必要か? それは汚染状態異常を癒やし、体力を回復させられる食べ物……そう、お菓子だねッ!」
 すぐさまユーベルコード『|甘い幸せ彩る調理錬金《スイートハッピークッキング》』で完全安心オーガニック・スイーツを10秒で錬成してみせる。スイートは村長の娘へ錬成したヨーグルトスムージーを少しずつ喉の奥へ流し込み始めた。
「流動食なら、食欲がなくても喉が通るはず。それにヨーグルトは元気になれる乳酸菌や栄養がたっぷり入ってるんだ! 抵抗組織のみんなもどうぞッ! まだまだ包囲網を切り抜けるには時間がかかりそうだからね、ここで体力をつけておいてよッ!」
 一見、猟兵達が戦況を覆しつつあるようにみえるが、まだまだ包囲網の層は分厚い。
 それでも甘酸っぱい喉ごしのおやつを食べて、士気を盛り返す抵抗組織。心なしか、村長の娘の顔色も血の巡りが良くなってきたように見えてきたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シモーヌ・イルネージュ
なかなか難しい状況のようだね。
瀕死の娘がいるし、逃がす人数も多い。敵はたくさん。
だけど、こういう状況こそが燃えるんだよ。
全員で脱出して、武勇伝にしてやろうぜ。

相手は数頼みで知恵もない、ということだから、
陽動で敵戦力を割かせて、薄くなったところを突破、というところか。
アタシは陽動に回ろう。
もし陽動が多ければ主攻するよ。

黒槍『新月極光』で戦おう。
UC【炸裂星雨】で敵正面を一掃。
【怪力】【吹き飛ばし】【なぎ払い】でぶん殴って包囲網を突破しよう。
派手に暴れてやるよ。


シルキー・アマミヤ
はいはーい★忍務了解だよー★
治療は多分もっと向いてる猟兵さんがいるし、するなら突破支援かな★
基本的に突破を図る味方に同行、『ロボットビースト軍団』も動員して陽動・遊撃に回すよ★場合によっては『Gライアー』を出してみんなを運搬しちゃうぞ★
シルキーちゃんも進行方向の、もしくは突出してきた敵に『Ku-9』を投擲・爆破して迎撃していくよ★

でね、一方向への突破なら別方向、特に逆方向に居た敵は後ろからこっちを追う形になると思うけど、
その相手にはUCで「依頼者の偽物」を後方に配置して囮にするよ★
敵は見た時点で本物と認識するし、自動反撃もするから時間稼ぎには十分だと思うな★

※アドリブ・連携等は歓迎だよ★


ベティ・チェン
秘境はただのホットスポットだと思うけど
|有害物質《骸の海》を浄化する植生があるなら
夢を見るのも悪くないかなと思う

「…困ってる人を助けないのは、腰抜け」
|煉獄《プルガトリウム》の存在を知る|楽園《エデン》の人間が煉獄に住む人間に助けを求める違和感を飲み込むために繰り返す
生まれる場所は選べない
困ってる人は助けるべきだと

今回の秘境の情報売却条件にミコ・クノイチ召喚し村長娘の完全回復依頼

「ベティ〜、上乗せしろよぅ」
「分かってる、スーロン」
回復したら村長娘を巨神操縦席に乗せスーロンには上空5km辺りを飛行して付いてきて貰う

皆は進ませ自分は進行方向外で物音立て敵集め斬り捨て廃ビル等高所移動し戻るを繰り返す



 シモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)とシルキー・アマミヤ(何でも屋のシルキーちゃんだゾ★・f36571)、そしてベティ・チェン(迷子の犬ッコロホームレスニンジャ・f36698)の3人は、それぞれの役割が合致したため、共闘する運びとなった。
「さて、なかなか難しい状況のようだね。瀕死の娘がいるし、逃がす人数も多い。敵はたくさん。だけど、こういう状況こそが燃えるんだよ。全員で脱出して、武勇伝にしてやろうぜ」
 シモーヌは猟兵達と抵抗組織の構成員達、そして肩で息を切って背負われている村長の娘へ、ニカッと口角をつり上げて白い歯を見せた。
 シルキーも笑みを返す……美少女ホログラムの方が。
「はいはーい★ 忍務、了解だよー★ 治療は多分もっと向いてる猟兵さんがいるし、するなら突破支援かな★」
 シルキーの本体は、ホログラムが乗っかっている頭脳戦車の方だ。
 早速、周囲の守りを固めるため、Nin-10型ロボットビースト軍団(お徳用)を周囲に放って哨戒させる。
「いわゆる型落ち機体だけど、偵察・遊撃・掃除・伝令、なんでもござれだよ★」
 流石にガマガエル型のロボ『Gライアー』を繰り出すには道が細すぎる。
 抵抗組織と村長の娘は、バイオモンスター達の裏をかく為に大通りを避けて移動中だからだ。必然的に道は狭まり、巨大ロボは機動力が劣ってしまう。
「仕方がないね★ よーし、このまま全速前進DA★ ぽぽぽぽ~ん★」
 ロボットビースト軍団は二手に分かれ、後方の陽動部隊と前方の遊撃部隊で行動を開始。
 陽動部隊は大通りでバイオモンスター達へ攻撃を仕掛けて注目を浴びている間に、遊撃部隊が前方の死角の戦力を駆逐していった。
 そんな中、ベティだけが無言で彼らの後を追尾していた。
(秘境はただのホットスポットだと思うけど。|有害物質《骸の海》を浄化する植生があるなら、夢を見るのも悪くないかなと思う)
 だが問題は、メガコーポのアカダルマファーマシーがそれを独占するべく強引なリゾート開発を進めている事だ。
 住む場所を追われて身体が汚染させる原住民達を捨て置く事を、ベティは良しとはしなかった。
「……困ってる人を助けないのは、サンシタのマヌケ……」
「ん? なんか言ったか?」
 首を傾げるシモーヌにベティは鋭い目つきでたどたどしく語り始める。
「|煉獄《プルガトリウム》の存在を知る|楽園《エデン》の人間が、煉獄に住む人間に助けを求めるのは、違和感。それを飲み干すために、言い聞かせている。なぜなら、生まれる場所はブッダでも選べない。ゆえに困ってる人は助けるべきだと」
「ええっと……村長の娘がここまで命を張った理由が分からないって事なら、理由はつく。それは抵抗組織の名が秘境の奥まで届いていたからじゃないか? 村長の娘は真っ直ぐ『メサイア』へ向かったようだね。つまり最初から当てがあっての行動だ。外の世界を知らなければ、きっと秘境で今ごろメガコーポと戦っているはずだ」
「そう、なのか」
 シモーヌの合理的な説明でも半信半疑のベティは、抵抗組織の構成員が背負う村長の娘の解毒・浄化を担当する。
 早速、ユーベルコードで病も怪我も何でも治すと噂のミコ・クノイチを召喚すると、村長の娘の治療を依頼する。
「今回の代金は、情報、だ。この娘が、骸の海を浄化する植生を知ってる。その在処が、支払代金だ」
 ベティの提案に、シルキーが口を挟んできた。
「あれれー? 娘ちゃんが守ろうとしてるものを猟兵が他人へ売り渡しちゃうのは、メガコーポと遣り口が変わらないんじゃないかな★」
「アタシも感心しないかな。確かに、そんな植物があればこの世界をひっくり返せるだろうけどね。でも、その情報を売り飛ばすのは、その子の尊厳を踏み潰すことになるぜ?」
 シモーヌもベティの条件に反対すれば、これ以上、情報でミコ・クノイチを従えることはできない。
「あ、あの、じゃあ今回も、任務の報酬から支払わせてください……足りなければ、身体で支払います……」
 こうして、ベティの任務報酬が召喚した相手へ吸い取られることになってしまった。
 これにより、巨神で文字通り高跳びをする計画は、依頼料が足りずにとん挫してしまう。
 だが、そのおかげでミコ・クノイチの祈祷が執り行われ、徐々にだが村長の娘の体力が戻っているようだ。
「そろそろアタシも仕事をするか。相手は数頼みで知恵もない、ということだから、シルキーの陽動で敵戦力を割かせて、薄くなったところをアタシが突破、というところか。このまま主攻するよ」
 シモーヌは黒槍『新月極光』の穂先から立ち昇るオーロラめいた光の帯を煌めかせながら、ロボットビースト軍団と連携しながら前線へ突っ込んでいった。
「不格好なバイオモンスター達は、こうだ!」
 真一文字に穂先を薙ぎ払い、体術も織り交ぜて数多のバイオモンスターを吹っ飛ばしてゆく。
「シルキーも援護するよ★ 囮作戦も、シルキーちゃんにお任せー★」
 頭脳戦車から攻撃反射能力を持つ『村長の娘』の偽物を召喚するシルキー。
 これを発見したバイオモンスター達は、現れたデコイが本物だと信じて四方八方から飛び掛かってしまう。
「引っかかったね★ それに攻撃したが最後★ 自動反撃能力で、自分が与えたダメージが自分に跳ね返っちゃうよ★」
 シルキーの忠告の直後、バイオモンスター達は、自身の打撃で己の頭部や四肢がぐちゃぐちゃにひしゃげて絶命してしまった。
「「ギャアアァァァアーッ!」」
「うわ、えっぐいな!」
 思わずシモーヌはデコイユーベルコードの威力に苦笑いしてしまった。
 だが、そんなシモーヌのユーベルコードもなかなか容赦のない威力を誇るのだ。
「|炸裂星雨《ブリュイ・ドゥ・メテオ》! 我に従え。我が尖兵となり、その姿を、力を大地に示せ!」
 146秒間内にシモーヌが触れた敵は、強制的に蹴り飛ばされたり投げ飛ばされてしまう。しかも投げ飛ばした敵は散弾銃の弾丸のように細切れになると、周囲へ炸裂して更に多くのバイオモンスター達を撃ち抜いて蹂躙していく。
 おかげでバイオモンスターが吹っ飛ぶたびに、緑色の血飛沫があちこちに飛び散っていった。
「一網打尽だぜ! さあ、こっちだみんな!」
「はいはーい★」
 シルキーの短い機械足が音を立ててがしょんがしょんとシモーヌの後を追い、抵抗組織の構成員と背負われる村長の娘がすぐに通過する。
 そして|殿《しんがり》のベティは、進行方向とは逆の箇所で物音立てて、敢えて敵を集めて味方を先へ行かせる。
「キリステ、ゴーメン……」
 フォトンセイバーで次々とバイオモンスター達を斬り捨てていく。
 後続の敵戦力を潰した後は、優れた跳躍力で廃ビルなどの高所へ飛び移って、先行した皆を追い掛けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アイ・ノルマレイス
これはまた設定のぶっ飛んだエリア…あれ?異世界なんでしたっけ?
まあいいです、どうせ暇をしてるなら必要な人の所に行く方がいいですー

いわゆる護衛クエストなわけですー、ボクは護衛対象の人たちと一緒に行動するですー
周りは敵だらけだし、回復が必要みたいだし、ここはUC【巡る癒し】ですー
背後から『聖冥の福音』が広がってそこから黒い光を放って敵を攻撃、獲得したDEP(ドレインエナジーポイント)を消費してその少女を治癒するですー
足りないなら周囲の緑の生き物に続けて攻撃してポイントを稼いで回復、ポイントが足りてるようなら近づかれたときに緑の生き物に触れて洗脳して足止めさせちゃうですー

※アドリブや連携等歓迎ですー


メイ・ナデアウアー
まったく、どういうつもりで、自然破壊の愚を犯すんかな??
これだから、この世界の連中はいけ好かないのね。
これがゴブリンとかいう奴??
変な生き物作ってるんじゃないのよー!!
こうなれば範囲攻撃、破壊音波作動するのね!!(UC)
アカダルマファーマシー、許さないのね!



 ゴッドゲームオンラインの自称美少女NPCことアイ・ノルマレイス(知らない記憶、胸に空いた奈落・f41788)は、グリモアで転移させられたサイバーザナドゥを物珍し気に周囲を眺めていた。
「これはまた設定のぶっ飛んだエリア……あれ? 異世界なんでしたっけ? まあいいです、どうせ暇をしてるなら必要な人の所に行く方がいいですー。たしか今回のクエストはいわゆる護衛クエストなわけですー、ボクは護衛対象の人たちと一緒に行動するですー」
 なんとも掴みどころのない口調とキャラクターだが、先行する抵抗組織の構成員達と彼らに背負わされている村長の娘に合流すると、すぐさまユーベルコードで周囲のバイオモンスターの大群へ攻撃を開始した。
「周りは敵だらけだし、回復が必要みたいだし、ここはユーベルコード『|巡る癒し《ピヤージュ》』の出番ですー。うーん……今のうちにポイントを溜めておくのでちょっと恵んで貰うですー」
 そう口走った後、アイの背部から黒い輝きを帯びた異形の部位と神聖な紋様を象った禍々しい紋章が出現した。
「崇めよーなのですー」
 次の瞬間、漆黒の輝きがバイオモンスターの大群を次々と飲み込んでゆくではないか。
 そして倒した敵の数だけアイは癒しの力を獲得し、村長の娘の体内の汚染を徐々に軽くしてゆくのだ。
 これに目を丸くして驚くのは、先んじて彼らを護衛していたボクスドラゴンのメイ・ナデアウアー(ボクスドラゴンのビーストマスター・f40998)である。
「なんかすごい事になってない!? 黒い光で敵をジュッ!って消滅させて、その子を癒しちゃうとかすごいのね!」
 そんなメイも、ここまで獅子奮迅の活躍でバイオモンスターの大群を寄せ付けぬまま血路を切り拓き続けてきた。
「はあ、まったく、どういうつもりで、自然破壊の愚を犯すんかな?? これだから、この世界の連中はいけ好かないのね。それにこの緑の生き物、気持ち悪いのよー! 変な生き物作ってるんじゃないのよー!!」
 最初はこれがゴブリンなのかとメイは勘違いしていた。抵抗組織の構成員達によれば、恐らく周囲のそれらはゴブリンのなり損ない……つまり名前もない廃棄モンスターらしい。バイオゴブリンは安価に大量生産できるだけではなく、他種族を凌辱して繁殖するので労働力に最適な反面、その過程で『なり損ない』も数多く出るのだとか。
「つまり寄せ集めの雑魚をありったけあたし達にぶつけてきているわけなのねー! アカダルマファーマシー、許さないのね! こうなったら、ガジェットショータイムなのよー!」
 メイはユーベルコードで奇妙な形の音響兵器ガジェットを召喚すると、前方を阻むバイオモンスターの大群へ向けて大絶叫!
「吹っ飛べなのよー!!」
 メイの叫びは音響兵器ガジェットを介して数百倍の音量となって発射され、空気の振動と大音量でバイオモンスターの大群はあっという間に木っ端微塵となって吹っ飛んでいったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フリッツ・バーナー
骸の海の汚染を抑制するもの
実用化できれば間違いなくイノベーションが起こるだろう
他企業に先んじるまたとない商機だ
既に他社が進出していると言うのなら鉄火をもって撃滅する
それが|第6課《我々》の業務だ

併用可能UC発動
空間を裂き顔を覗かせたバルバロッサの口腔より衝撃波が放たれ、前線を食い破る
先陣を切る部隊とクライアントを護衛する部隊に分かれた部下達が援護する
縦深突破攻撃だ
不可視の攻撃に惑う敵陣へと浸透し一点突破せよ

私が企業の人間だという事
それを隠蔽するメリットよりも露見した場合のデメリットに重きを置く
問われれば隠しはせんよ
我が社は〝信用〟というものにも(商品的)価値を見出す(自称)ホワイト企業なのでね


鳳凰院・ひりょ
アドリブ・連携◎

村長の娘さんはかなり危険な状態のようだ…

よし、UCによる回復を行いつつ、敵陣を突破しよう!
光と闇の疑似精霊達よ、力を貸してくれ!

レジスタンスメンバーも光の波動の範囲内に収めて、万全の体制で挑もう
万一に備え、味方を【かばう】事も念頭に

闇の波動は最大射程で敵を捉え攻撃
とはいえ、敵は無尽蔵とも言えるくらいに多いみたいだし
いちいち倒していたら、キリがない

闇の波動には麻痺【属性攻撃】を付与、波動で攻撃した対象の行動を阻害してしまおう
そうすれば同行者への被害も軽減できるし、味方も安全に攻撃してもらうことも可能だ

俺自身も刀で邪魔な敵を【なぎ払い】【吹き飛ばし】ながら進もう
邪魔だ、どけぇぇっ!



 フリッツ・バーナー(武器商人・f41014)という猟兵は、今回参加する猟兵達の中でも異質な存在と言えよう。
 何故なら彼はメガコーポ側の人間だからだ。某巨大企業群の営業企画6課――荒事担当部署所属のフリッツは、今日も闘争を求めて最前線に自ら駆り出てゆく。
(……もっとも、今回は私が企業の人間だという立場を隠蔽するメリットよりも、その事実が露見した場合のデメリットに重きを置くのだがね)
 事実を黙っている事に任務の支障をきたさないが、素性が割れた際の対応が難儀だという事らしい。
 そんな思惑を隠すフリッツに同行するのは、癒し手として参加する鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)だ。
「他のみんなの懸命な治療と浄化で命の危機の峠は越したようだけど、まだまだ村長の娘さんはかなり危険な状態のようだ……予断は許されないね。よし、俺はユーベルコードによる回復を行いつつ、敵陣を突破しよう! 光と闇の疑似精霊達よ、力を貸してくれ! フリッツさんも血路を開いて下さい!」
「承知した。焼き尽くしてくれよう。――『|Chrome Head《クロガネノウタ》』」
 ひりょが携帯型破魔刀で押し寄せるバイオモンスターの大群を斬り払う間、半径142m圏内で光の疑似精霊による光の波動による治癒効果を味方に与え続けてゆく。
 対してバイオモンスターの大群には、闇の疑似精霊が発する闇の波動で範囲攻撃を放ち続ける。この波動には生物の神経を麻痺察せる効果が上乗せされているため、漆黒の波動が射程内にほとばしる度に敵の動きが鈍っていった。
 そこへ繰り出されるのがフリッツのユーベルコードだ。彼のユーベルコードは戦況に応じて最適な第6課の武装課員を召喚出来る上に、更に別のユーベルコードを同時発動できる。
「来い、バルバロッサ」
 赤黒いオブリビオンマシンが空間を引き裂くように顔を覗かせると、その口腔から凄まじい衝撃波が咆哮と共に放たれた。バルバロッサの前にいたバイオモンスターの大群は、一瞬で粉々の骨肉の破片となって宙を舞ってしまった。
 更に召喚された課員達は、先陣を切る部隊とクライアントを護衛する部隊に分かれて援護を開始。
「縦深突破攻撃だ。各員、バルバロッサの不可視の攻撃に惑う敵陣へと浸透し、この包囲網を一点突破せよ」
 ひりょの闇の疑似精霊の攻撃のおかげもあって、バイオモンスターの大群は為す術なく蹂躙されてゆく。
 後に出来上がったのは血塗られた一本道。フリッツは文字通り血路を拓いたのだ。
「さあ、闘争を始めようじゃないか。おっと?」
「フリッツさん、危ない!」
 目の前の大殺戮にうっとりとしていたフリッツは背後から狙われるが、ひりょが間に割って刀で返り討ちんしてみせた。
「すまない。助かった」
「いえ、俺はこの場にいる全員を守るのが役目ですから! とはいえ、敵は無尽蔵とも言えるくらいに多いみたいだし、いちいち倒していたら、キリがない! とにかく、急いで移動しましょう! それ! 邪魔だ、どけぇぇっ!」
 ひりょも果敢に前へと出て、包囲網を必死に崩しにかかる。のだが……。
「そういえば、フリッツさんが呼び出したあの方達って、まさか……?」
 勘の良いひりょは、フリッツの素性をなんとなく察してしまう。
 それに気付いたフリッツもまた、不敵な笑みを浮かべてみせる。
「なに、問われれば隠しはせんよ。我が社は“信用”というものにも、商品的価値を見出すホワイト企業なのでね」
 まぁ、ホワイト企業というのは自称なのだが、とフリッツは心の中でほくそ笑んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フィア・フルミネ
カシム(f12217) と参加

私が救う。一人でも多くの虐まれた者を、救う。それが私の役目。キミの名前を教えて。
わかった。私がキミを認識した今から、その痛みは私がもらう。現在進行形で汚染され続けているその体から、私は目を逸らさない
《閃献身》で自分にそのダメージを移し替える。今更このぼろぼろの体に汚染が増えたところで、竦むことはない。カシム、この子の護衛をよろしく。疲れたから動けそうにない。大丈夫、目を開けて見てるから。キミの頑張る姿を
そうだ。うん。私も花が好き。愛られるだけの花じゃなくて、どんなところでも咲けるような力強い、逞しい花が


カシム・ディーン
同行
フィア(f37659

やれやれ…無茶しやがって
【情報収集・視力・戦闘知識・医術・浄化・属性攻撃】
娘の状態と汚染を把握
生命属性を娘に付与
浄化の力で汚染状態を可能な限り除去

構成員達の能力と包囲網の状況分析

力業も悪かねーがそれよりももう少し安全にいくぞ

フィア…うん…フィアは強いな
ま、それなら僕はどんな所だって咲いて見せるさ

UC発動
爾雷彌
疾駆する神同時発動

ダイウルゴス
10体合体
フィアと娘の護衛

残り
離れたところで
70体ずつ合体して巨大化
群れに襲いかかり陽動

爾雷彌も陽動!
「ドーモ、爾雷彌=デス。別に全部倒しても構わんのだろう?」

其処でできた隙を利用して突破を試みる

僕とメルシーも娘とフィアを庇うぞ!



 フィア・フルミネ(|麻痿悲鳴《まいひめ》・f37659)は現場に駆け付けるやいなや、抵抗組織の構成員達に背負われる村長の娘に話しかけた。
「私が救う。一人でも多くの虐まれた者を、救う。それが私の役目。キミの名前を教えて」
 村長の娘は猟兵達の懸命なユーベルコード治療によって意識をはっきり保てるまで回復した。お陰で、掠れた声で自身の名前を告げる事も出来るようになっていた。
「……イコロ、マ……」
「イコロマ、それがキミの名前。わかった。私がキミを認識した今から、その痛みは私がもらう。現在進行形で汚染され続けているその体から、私は目を逸らさない」
 フィアはすかさずユーベルコード『|閃献身《センケンシン》』を発動させ、村長の娘イコロマを見つめ続ける。
「いたい……とおさない」
 魂人はユーベルコード『永劫回帰』を用いれば、10秒以内の死に至るダメージをひとつ無効にして蘇生できる。
 その代償として、自身の幸福な記憶がトラウマへすり替えられてしまうのだが。
「今更このぼろぼろの体に汚染が増えたところで、竦むことはない。カシム、この子の護衛をよろしく」
「やれやれ……無茶しやがって」
 フィアの恋人であるカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は、相変わらず自分の身を省みないフィアの献身ぶりと、命懸けで故郷を救おうと奔走したイコロマの二人に頭が去る思いでいっぱいだ。
 カシムも少しでも負担が軽くなればと願い、フィアとイコロマに生命力付与魔法を施した。
「ふたりの想いを無駄には出来ねーからな……つかメルシー、解析はまだか?」
「今終わったよ、ご主人サマ☆ 突破ルートと敵戦力分布、完全掌握したよ☆」
 相棒のメルシーは魔力探知で戦場の地形・バイオモンスターの大群の位置情報を把握してみせた。
「ご主人サマ、フィアちゃん、それにみんな! こっちが手薄だぞ☆ 早く行こう?」
「待った。力業も悪かねーが、それよりももう少し安全にいくぞ」
 カシムは任務の成功率を少しでも上向かせるため、ユーベルコードの帝竜眼「ダイウルゴス」を行使する。
「万物の根源よ……帝竜眼よ……文明を構成せしめし竜の力を示せ……!」
 すると、カシムの周囲に突如として現れたのは、150体の戦闘用小型ダイウルゴス達だ。その目に数字が刻印されており、これが強さの指標になる。
「お前ら、まずは10体で合体しろ。強化された個体はフィアとイコロマ、あと『メサイア』の奴らの護衛に付け。残りの140体は二手に分かれて、70体ずつ合体して2体の巨大個体になってできるだけ派手に暴れろ。お前らを囮にして、僕達は包囲網の戦力の薄いところをこっそり進む」
 こうして戦力の集結・配分が行われ、カシムの指示通りに作戦は決行された。
 突如出現した2体の帝竜は狭い路地で周囲の違法建築高層ビルを薙ぎ倒しながら暴れはじめた。
 そんなことをしたら近隣住民に被害が及ぶのではないか、と心配な読者に朗報だ。
 この区画はアカダルマファーマシー傘下の建設会社が請け負っており、抵抗組織の構成員達は敢えてここにアジトの支部を置くことで敵情視察をしていたのだ。
 故に、ここで大暴れするのはアカダルマファーマシーの損害にも繋がるので都合がいい。
 更にカシムには、強力な増援が駆け付けてくれた。
 サイバーザナドゥに舞い散る桜吹雪! ミヤビを感じるカブキ・サウンドと共に現れたのは……。
「ドーモ、カシム=サン。爾雷彌です。いきなりだが、この有象無象、別に全部倒しても構わんのだろう?」
「いきなり死亡フラグを吐くんじゃねーよ、このでしゃばりニンジャロボ!」
 何故かカシムをストーキングしているニンジャ巨神こと爾雷彌が参戦!
 メルシーの湿度の高い視線が爾雷彌に突き刺さる!
「ご主人サマはメルシーのもの、ご主人サマはメルシーのもの……ぎぎぎ……!」
「やめろメルシー、今は爾雷彌の戦力も借りたいくらいだ」
「むー。ご主人サマがいうなら……」
 膨れっ面のメルシーは、憂さ晴らしがてらバイオモンスターの大群を魔砲カドゥケウスで爆散してみせた。
 一方、爾雷彌は死亡フラグ通り、バイオモンスターの大群に囲まれてボコボコにされていた。
「グワーッ! カシム殿、お助けをー!」
「よっわ!? まぁ、囮になるなら捨て置くか……」
「アイエエエッ!? ゴムタイナーッ!」
 こうして爾雷彌は即落ち2コマムーブによって、敵を盛大に引き付けてくれたのだった。
 そうこうしている間に、フィアの足元が止まってしまう。
 呼吸は荒くなり、かなり消耗している事が窺えた。
「カシム、ごめん。疲れたから動けそうにない。でも大丈夫、目を開けて見てるから。イコロマの頑張る姿を」
 フィアはユーベルコードの効力を途切れさせまいと、必死にイコロマを見詰め続ける。
「イコロマ、キミは故郷に咲く花が好き?」
 問い掛けられた村長の娘は、力なく笑顔を浮かべて静かに頷いた。
「うん。そう。私も花が好き。愛られるだけの花じゃなくて、どんなところでも咲けるような力強い、逞しい花が。キミみたいに」
 脂汗を額ににじませながら、フィアは懸命にイコロマの介抱を続ける。
 そんな恋人へ、カシムは思わず身をかがめておんぶするよう要求した。
「フィア……うん……そうだな、フィアは強いな。ま、それなら僕はどんな所だって咲いて見せるさ」
 カシムの気遣いに応え。フィアはその背中に背負わされて移動することに。
「みんな! あっちが手薄だから、急いで突破するよ☆」
 そしてメルシーの案内で、猟兵達と村長の娘イコロマ、そして抵抗組織の構成員達が着実に包囲網の外を目指していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
借金返済
UC常時
こ、この世界にもゴブリンいるんだ…女の子の敵の代表例…!

何より女の子を助けないといけないぞ!
「ええ!この世界にも残された天然自然の残る土地な上に…躯の海の浄化を司るなら…絶対に破壊させてはいけません!」

ってぜっちゃんがカカオ汁使おうとしてる!?
「ひぇ…!」
く…ぜっちゃん!まずはおれ達に飲ませてくれ!
「テラぁ!?」
こ、効果は凄いだろ…?だから…ヘカテ…おれの魔力を送るから神聖魔術で味覚耐性を…!全力で!!
「わ、分かりました!」

摂取
「「んぎゃぁぁぁ!!」」
「ひぐっ…えぐっ」(号泣しながら神聖魔術による浄化と回復と味覚耐性超強化)

後は死霊魔術とおれ自身が敵を誘導し攪乱していくぞ!


皇・絶華
借金返済
此処は物価が高いから報酬も高いだろう
借金の足しにもなるだろうな

【薬品調合・医術】
何より…命の危機にある者がいるのであれば…圧倒的なパワーの出番だ!

しかし…製薬会社でありながら人々に不健康を齎すとは最早ドラッグストアの資格はないのでは…?
「ドラッグストアでしたっけ…?」

娘の体の状態分析
可能な限りの医術的処置と必要な医薬品の使用
そして…
UC発動!
後は…圧倒的なパワーを以て骸の海に負けぬパワーを与える!(尚女の子はむきむきにはさせません

ちゃんとテラ達や構成員にも提供するとも!

【戦闘知識】
包囲網の突破口解析
【バーサーク】
後は構成員の皆と娘を守りながら溢れるパワーで突破させて貰おう!
パワぁぁぁ!



 テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)と皇・絶華(影月・f40792)は、借金返済のために任務をこなす。
 だが、テラの顔色が何やら悪いことに相棒兼保護者のヘカテイアが気付く。
「どうしましたか、テラ?」
「ヘ、ヘカテぇ……こ、この世界にもゴブリンいるんだな……ゴブリンといえば、女の子の敵の代表例……!」
 ゴブリンという概念を、あの武闘派のテラが恐れている事にヘカテイアは色々と察した。
「……大方、青年向けのハイファンタジーラノベでも読んだのでしょうけど、テラならゴブリンなんて敵ではありませんよ。だから怖がらなくてもいいのです」
「ほ、本当か? あいつらは馬鹿だけど狡猾で賢いって、今みたいに集団で襲って女の子を攫って、それから……うわぁぁぁ……!」
「テラ!? しっかりしてくださいっ!」
 ゴブリンを殺す冒険者の活劇小説でも呼んだのだろうか、テラは怯え切って年相応の反応で身体を震え上がらせていた。
 それを見詰める絶華は漢方薬チョコを片手に接近中!
「テラよ、あれはゴブリンではない。緑色のゴブリンのなり損ないだな。見た目はカクリヨファンタズムにいるとされる東方妖怪『餓鬼』に似ているぞ。それにゴブリンが怖いのなら、我がチョコを摂取して――」
「ぜっちゃんのチョコに頼るくらいなら、おれは戦う!」
「な……っ!」
 テラの中で、漢方薬チョコの恐怖度はゴブリンをぶっちぎりで突き放している事が分かった瞬間であった。
 これに下僕のサートゥルヌスが苦笑いを浮かべていた。
「ま、まぁ、これでテラが戦う気力が戻ったのなら意味があったってことですって、主様?」
「ぬぅ……実際に摂取したほうが効能があるのだが……はっ! そうか、これがプラシーボ効果か!」
「全然違います、主様……というか、いつまでグダグダとコントをやるつもりですか?」
「うむ、そうであった! 此処は物価が高いから報酬も高いだろう。これで借金の足しにもなるだろうな」
 そして絶華は漢方薬チョコと狂気の配合の超高濃度カカオ汁を自らに“投与”!
「何よりも! 命の危機にある者がいるのであれば……この圧倒的なパワーの出番だ!」
「あ、開幕セルフドーピング……もう俺しーらね……!」
 こうしてサートゥルヌスは抵抗組織の構成員達と村長の娘に張り付き、絶華の暴走に備えた。
 対する絶華は何やら腑に落ちない様子だ。
「しかしだ、さっちゃん……アカダルマファーマシーは製薬会社でありながら、人々に不健康を齎すとは。最早ドラッグストアとしての品格はないのでは……?」
「いえ、そもそもドラッグストアでしたっけ……? つかむしろ、その娘がいる秘境に自生する草花を狙ってるからこそ、アカダルマファーマシーが動いたんでしょうよ?」
「なに? どういうことだ? 説明を求めるぞ、さっちゃん!?」
「主様はグリモアベースでのブリーフィングで何を聞いてたんですか……?」
 呆れ返るサートゥルヌスの代わりに、テラが説明をしてくれた。
「ぜっちゃんのチョコのような、骸の海を浄化する草花がこの娘の住む秘境に自生してるから、アカダルマファーマシーはそれを独占しようとリゾート開発をゴリ押ししてるんだぞ! きっと、その草花ですごい薬を作って超高額で売り捌くつもりなんだ!」
「なにっ? だったらアカダルマファーマシーは立派な企業ではないか!」
「あなたは馬鹿なのですか? 馬鹿でなければ、今のテラの説明で理解できるはずですが? カカオ汁で知能はむしろ下がるのですか?」
 ヘカテイアもうんざりの様子。
 しかし、絶華はこう返した。
「だったら、我がチョコのレシピをアカダルマファーマシーに売りつければ万事解決だな! 死者蘇生も可能な我がチョコのレシピは、さぞかし高額で取引されるだろうな! ほら、知能も向上しているぞ!」
「「お、おう……!」」
 そうきたかぁ~、と3人は絶句してしまう。
 こうして、絶華は今回の事件の責任者(ゴブリン)に会いに行く為、目の前の怪物共を蹴散らし始めた。
「ふむ、未来のビジネスパートナーを殴ってくるとはな……つまり、私のチョコの効能を試しているのだな?」
「いや、違いますよ?」
 さっちゃんの食い気味ノータイムツッコミ!
「何を言っているんだ、さっちゃん? 私の特製チョコとカカオ汁のパワーアップ度合いをみたいから、実戦経験で商品価値を推し量ろうとしているんじゃないか! アカダルマファーマシーはなかなか考えているな!」
「駄目だ、俺はもうツッコミ切れない……」
 サートゥルヌス、完全に匙を投げてしまった。
「と、いう事で、この娘に超濃縮カカオ汁をINッ! 絶大なパワーを授けよう! PRタイムだ!」
「だからやめろって!」
 しかし、セルフドーピングを果たした絶華のパワーの前にサートゥルヌスは押し退けられ、村長の娘に飽き足らず、抵抗組織の構成員達をもカカオ汁を飲まされてしまった。
 次の瞬間、ドーピングの効果が彼らを襲う!

「ガーガピィィィーッ!」
 村長の娘はまるで壊れた機械のような電子音めいた金切り声を発して暴れはじめる!
 ついさっきまで瀕死だった生身の人間が、バイオモンスターの頭部を回し蹴りで粉砕してみせたではないか!
「うんばぼっ! うんばぼっ!」
「ちぽぽい! ちぽぽい!」
「めっちょむ! めっちょむ!」
 抵抗組織の構成員達に至っては、全員が上裸になって半狂乱のまま踊り狂う!
「うむ! やはりみんな、すこぶる元気になったな! アカダルマファーマシーも自然破壊などせず、私のチョコのレシピを買い取れ! そうすれば誰も悲しまず傷付かず、私達も借金を一瞬で完済できるぞ! ははははは!」
 完全にマッドサイエンティストの笑い声を轟かせながら、人間を辞めた機動力とパワーでバイオモンスターの大群をプチプチ潰し回る絶華!
 抵抗組織の構成員達もゴリラみたいになった剛腕を振るい、立ちはだかるバイオモンスター達を一撃でぶち抜いてゆくのだ。
 この光景に、テラは覚悟を決めて絶華へ願い出た。
「おれは……ゴブリンが、怖い! こいつらはゴブリンじゃないけれど……でも、怖いんだ……だから……やっぱり、カカオ汁を、おれに飲ませてくれ!」
「テ、テラぁ!?」
 突然の申し出に、何も聞いてないヘカテイアが狼狽し始める。
「し、正気ですか!? こんなものを飲んだら、ああなるんですよ!?」
 ヘカテイアがカカオ汁を指差したのちに、抵抗組織の構成員達へ指を差し直した。なんて的確な例えか。
 それでも、テラの意思は変わらなかった。
「こ、効果は凄いだろ……? 瀕死の人間が、猟兵並のパワーを獲得できるくらいに……だから……ヘカテ……! おれの魔力を送るから、神聖魔術で味覚耐性を……! 全力で!!」
「……わ、分かりました!」
 こうして、神聖魔術で味覚を浄化しながら、二人はぜっちゃん印のカカオ汁を一気に飲み干した。
 むしろ味覚が呪われる飲料って何なのさ?
 すると……。

「ガガピー! ピーガガ、ピーッ!」
「ちゅんちゅん! ちゅんちゅん、ちゅん!!」

 テラも機械の故障音みたいな絶叫しなしなくなり、ヘカテイアは何故か喋る言語がスズメになった。
「ガピガピガピガピガピ、ガァーガピピィーッ!」
「ちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅーん!」
 なんか二人ともヤケクソ気味に武器を振り乱し、バイオモンスターの群れの中て突貫してゆく。
 たちまち火柱と爆発があちこちで発生し、敵が何体も上空へ舞い上がってゆくのであった。
「うむ! アカダルマファーマシーも納得したはずだ、これで借金返済プランはばっちりだな!」
「うわぁ、もう嫌な予感しかしない……!」
 絶華の勘違いをサートゥルヌスは如何にして正すべきなのか、下僕の胃がキリキリと痛み出した……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アーネスト・シートン
何でよりにもよってゴブリンを再現しているのですか、あの糞企業連中。
そういう技術は自然回復に使ってこそでしょうに。
とりあえず、アカダルマファーマシーと言いましたっけ?あの糞企業。
しかも、自然の残る秘境を開発するという愚も含めて二重によろしくない所ですね。
それはそうとして、このゴブリンをどうにかして止めてレジスタンスを助けないとですよ。
今回は村長の娘も助けないとですね。
…一石二鳥になるかわかりませんけど、下手な事にならないと思いますし、ここは獏さんを呼んで敵味方もろとも眠ってもらいましょう。
あ、レジスタンスの皆さん、眠らせておきますけど、このUCは回復も兼ねていますので、ご安心を。
ゴブリンは寝ている隙にひき逃げアタックしましょうか。
車はありますか?それで途中まで行きましょう。
出来なかったら、MSLで前方を片付けて秘境に向かいましょう。


箒星・仄々
我が身を顧みず
危険を承知の上で来られたなんて
感服です
村の皆を守りたいとの
そのお気持ちに応えて差し上げたいです

その原因が
アカダルマさんの悪巧みなら尚更です

少女さんと抵抗組織の皆さんを
守り抜きましょう

それにしても
骸の海を浄化する植物さん達って凄いです
ザナドゥの世界が変わる
きっかけになるかも知れません
村人さん達は勿論
植物さんも傷つけさせやしません

歩みながら歌と演奏を続けて
娘さんを癒します
敵さんに包囲されていることを踏まえて
出来るだけ小声で囁くように耳元で歌います

当初は
レジスタンスや猟兵が悪を成敗したり
悪辣な企業を懲らしめる歌です
吟遊詩人的に盛り上げますよ

娘さんがある程度回復されましたら
教えていただいた村のお歌なども歌います

呼び出したランさんにお願いして
敵包囲に突撃してもらったり
適当に逃げてもらったりして
敵の目を惹きつけて
その間に包囲網を脱します

故郷まで必ず私たちがお連れします
どうぞご安心ください


叢雲・凪
POW


「イヤッーーーー!!!」
(転送と同時に決断的な弾道ミサイル・トビゲリ!)

「ドーモ ジンライ…」 光速回転しつつ着地し(礼儀作法+威圧+覇気)を用いた終末的アイサツ!

「フォックスです」 (死刑宣告めいて赤黒の瞳がスパーク放電!)

「またアカダルマか…」(呆れた様子で指を鳴らしつつ)
(以前のライブの件といい… どこまで腐った根を広げているんだ…)

「悪いがボクは一切【治癒系の技】は使えない…」(近くの猟兵に腕組みで言いつつ)

「だが この『ゴミ共』なら掃除できる」
(回復技能を使う猟兵の防衛を優先して『迅雷』を使用。【戦う事しかできない】からこそ 割り切って戦闘をさせてもらう) ダッシュ+残像+リミッター解除+属性攻撃

「こういう仕事は得意だ」

(バイオモンスターに手加減は必要ない。精神を流水の如く研ぎ澄ませ【敵を殺す事】に集中する。狙うは… 顎! 高速で顎を打ち抜き失神を狙う!)

(活路を作れるなら十分だ。退路を作る様に一画だけを集中的に攻撃しよう)



 アーネスト・シートン(動物愛好家・f11928)は激怒した。
 このサイバーザナドゥにおいて希少な自然が残る『秘境』をリゾート開発で破壊しようとする|巨大企業群《メガコーポ》のアカダルマファーマシーに、息巻きながら言葉を吐く。
「何でよりにもよってゴブリンを再現しているのですか、あの糞企業連中。そういう技術は自然回復に使ってこそでしょうに。とりあえず、アカダルマファーマシーと言いましたっけ、あの糞企業? しかも、自然の残る秘境を開発するという愚も含めて、二重によろしくない所ですね」
 日頃から自然や動物との関わりが深いアーネストにとって、アカダルマファーマシーの所業はまさに鬼畜のそれであった。
 これに箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)も同意しつつ、村長の娘に敬意を表した。
「我が身を顧みず、汚染の危険を承知の上で来られたなんて、感服です。村の皆を守りたいという、そのお気持ちに是非とも応えて差し上げたいです。その原因がアカダルマさんの悪巧みなら尚更です。アーネストさん、少女さんと抵抗組織の皆さんを守り抜きましょう」
「勿論です。この周囲の有象無象を蹴散らして秘境へ急ぎましょう」
 二人は一致団結し、個の窮地を乗り切る共闘の約束を結んだ。
 とりあえず、優先事項は村長の娘の容態だ。
 何故か先程まで元気だったような気もするが、今はぐったりとしてこれまたムキムキの抵抗組織の構成員達に担がれていた。
「まずは私が歌と演奏を続けて娘さんを癒します。ただし、敵さんに包囲されていることを踏まえて、出来るだけ小声で囁くように耳元で歌いますね」
 箒星の竪琴が、小さくポロンポロンと弦を弾く。その音色に乗せて箒星が唄い上げれば、その歌声はユーベルコードとなって村長の娘の身体の不調を癒し始めた。
「♪レジスタンス~メサイア~ イェーガーと一緒に~ オブリさんをスレイ~!」
 ちゃんと世界観に合わせた歌詞を即興で歌い上げてゆく箒星。
 と、その歌に誘われてきたのか、違法建築高層ビルの切り取られた空から、決断的に壁を蹴って弾道ミサイル・トビゲリを放つ赤黒いニンジャの女!
「イヤッーーーー!!!」
 赤黒い雷がドビゲリの着弾点から放射状に拡散すれば、周囲に隠れていた緑色のバイオモンスターの大群が一瞬で感電死!
 これぞニンジャの……アンブッシュだ!
 赤黒いニンジャの女はこぞって飛び出てきたバイオモンスターの大群へ向けて威圧的眼差しを向けつつ、空中で背筋をピンと伸ばして胸元で合掌の後に直角オジギを敢行した。その一連の流れは洗練された奥ゆかしさがあった。
「ドーモ。ジンライ……」
 光速回転でトリプルアクセル……フィギュアスケーターめいて華麗に着地すると、死刑宣告めいて赤黒の瞳がスパーク放電!
「フォックスです!」
 なんたる終末的アイサツ! 叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)のエントリーだ!
 ニンジャへの耐性がないモータルが一連の所作を見てしまえば、ニンジャ・リアリティ・ショックによって精神崩壊に陥っていただろう!
 だが抵抗組織の構成員達は日頃から企業ニンジャとタチコミしているので発症せずに済んだようだ。
「またアカダルマか……やれやれだ」
 以前のアイドルライブを用いての洗脳工作など、アカダルマファーマシーの遣り口は回を重ねることに陰湿になってきているのがジンライ・フォックスは気に食わなかった。
 呆れた様子のまま、ジンライ・フォックスはニンジャのエントリーに目を丸くしているアーネストと箒星へ腕を組んだまま進言した。
「悪いがボクは一切、治癒系の技は使えない……だが……」
 ジンライ・フォックスは指をパチンと鳴らすと、たちまち漆黒の雷撃が全身を覆ってゆく。
「この『ゴミ共』なら掃除できる。ボクの後ろを付いてくるんだ」
 そう告げるやいなや、ジンライ・フォックスはユーベルコード『迅雷』を発動させた。
「インドラヤ・ソワカ!」
 途端、残像分身が出来る程の超光速軌道を実現させ、まるで戦場全体に同時に黒雷のカラテを繰り出したと錯覚するほどの超絶高速連撃をバイオモンスターの大群へ繰り出していった。
「イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!」
 麻痺や気絶なんて生温いバッドステータスなど期待せず、一撃必殺の勢いで黒雷カラテのムーンサルトキックや千手観音めいた手数のカラテパンチで敵を跡形もなく粉砕してみせる。
「……こういう仕事は得意だ」
 あっという間に血路を拓き、敵の包囲網を崩してゆくジンライフォックス。
 バイオモンスターに手加減は必要ない。精神を流水の如く研ぎ澄ませ敵を殺す事に集中する。
 狙うは……顎! 高速で顎を打ち抜き、頸椎ごと頭部を砕くのだ。
「退路を作るように、全員が生きて脱出できるように道を切り拓いてみせる。さあ、こっちだ。イヤーッ!」
 そして脇道から飛び出てきたバイオモンスターの大群を、自身の纏った黒雷で出来たクナイを投擲して爆8四散させた。
「すごい勢いです。私も負けてられませんね。ランさん、お願いします!」
 ジンライ・フォックスばかりにいい恰好をさせられぬと、箒星も指笛を吹いて、自身の足元の影から体長5mのメスのメカジキのランさんを召喚。その背に飛び乗って、空中で高速遊泳してバイオモンスターの大群をランさんの鋭い口吻と細長い魔法剣で次々と串刺しにしていった。
「それにしても、骸の海を浄化する植物さん達って凄いです。ザナドゥの世界が変わるきっかけになるかも知れません。村人さん達は勿論、植物さんも傷つけさせやしません。村長の娘さん、故郷まで必ず私たちがお連れしますので、どうぞご安心ください」
 歌声で村長の娘を癒しつつ、ジンライ・フォックスと共に獅子奮迅の活躍を魅せる箒星。
 一方、アーネストとはというと、マルチプル・スナイパーライフルで近付く敵を射殺しつつ、村長の娘と対話をしていた。
「なんと、そんなところに秘境があっただなんて知りませんでした。車はありますか? それで途中まで行きましょう」
「くるま、って、なぁに? 私は、走ってきた」
「おう……!」
 どうやら、ここから走って1ヵ月分の距離の場所に秘境があるらしい。彼女が車を知らないという事は、本当に走ってきたのだろう。
 だが、帰り道に同じ時間をかけていたら、アカダルマファーマシーは秘境の開発をどんどん進めてしまう。
 それゆえ、猟兵が高速で移動して彼女を運ぶ必要があった。
「そのためには、一石二鳥になるかわかりませんけど、下手な事にならないと思いますし、ここは獏さんを呼んで敵味方もろとも眠ってもらいましょう。あ、レジスタンスの皆さん、眠らせておきますけど、このユーベルコードは回復も兼ねていますので、ご安心を」
 そう言いつつ、アーネストはユーベルコード『|夢への案内人《ドリーム・ウィズ・ガイドマン》』を発動。
「猟兵のお二人は、私に近付かないでください。大体半径138m以内に、呼び出したこのバクの催眠波動を放ちますから。疲れてる人は寝てていいですけども、回復しますので」
「グワーッ眠気! これはまずい!」
「これは眠くなっちゃいますね。ランさん、私達は前方で敵を蹴散らしますよ~」
 攻撃担当が此処で寝るわけにはいかないので、二人は先んじて包囲網を崩しに先行していった。
 残されたのは、昏睡状態になった大量のバイオモンスターの大群(※ゴブリンではない)と抵抗組織の構成員達、そして寝息を静かに立てる村長の娘に、ユーベルコードの使用者のアーネストだ。
「それじゃ、フェンリル25。村長の娘さんの教えてくれた場所へ全速力出向かってください。村長の娘さんも前に乗せて、と……抵抗組織の構成員達は……ここで寝ててもらいましょう。身の安全を確保食らいはしますので」
 アーネストは巨大なオオカミ型生物兵器の背に跨ると、疾風の如きスピードで寝転がるバイオモンスターの大群を蹴散らしたのちに、目的地へ疾風のように駆け出していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『恐怖のバイオゴブリン軍団』

POW   :    数の暴力
敵を【圧倒的な物量】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
SPD   :    確率の暴力
行動成功率が0%でなければ、最低成功率が60%になる。
WIZ   :    継戦時間の暴力
【消耗戦で圧し潰そうとする仲間】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[消耗戦で圧し潰そうとする仲間]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達の迅速な対応と、村長の娘への適切な処置により、誰一人欠けることなく『秘境』へたった3日で辿り着くことが出来た。
 猟兵達を出迎えてくれたのは、この『秘境』の村長だった。
「おお! イコロマ! 不浄の土地からよくぞ帰還した! 身体は何ともないか?」
「大丈夫よ、お父様! 猟兵達のユーベルコードとやらで、私は元気! 汚染はひとつも残ってないわ!」
「そうか、そうか!」
 村長の娘イコロマの元気な姿に、村長は涙ながらに猟兵達へお礼を告げた。
 しかし、既に村の雰囲気が殺気立っている事に猟兵達は気付いた。
「お気付きの通り、メガコーポの奴らが我々の土地に押し入って、勝手に工事を始めてしまいました。緑色のコ小鬼共を労働力にして、村の者にも乱暴を働いており、大変困っております。村の腕っぷりに長けた者達が工事現場で今、戦争を仕掛けておりますが……敵の数の暴力の前には焼け石に水です……」
 村長の憔悴しきった様子からして、かなり村側の旗色が悪いようだ。
 こうしてはいられない!
 猟兵達よ、直ちにその工事現場へ急行し、労働力として駆り出されているバイオゴブリン共を殲滅するのだ!
 今ならまだ被害を最小限に留められる! 敵の増援が駆け付ける前に、一網打尽にせよ!
スイート・シュガーボックス
ディオちゃんに搭乗して工事現場に飛翔突入だッ!
「ここも敵めっちゃいっぱいじゃんッ!」
バイオな数の暴力にはどう対応するか?
そうだね、オーガニックな数の兵力だねッ!と、言う訳でいでよ【ビスケット騎士団】ッ!

ビスケット騎士団を攻め込ませながら俺達は上空からディオちゃんの『豊穣葡萄』で無数の圧縮ワインカッター攻撃だ。
さらにワインカッターで酒気を充満させディオちゃんの権能で酩酊の幻覚生成、ビスケット騎士団を倍以上に見せかけて怯ませるぞ。
「ウチらのワインカッター&幻覚の必勝コンボっしょ☆」

ゴブリン達を倒せたらビスケット騎士団にオーガニックビスケット城塞を建設させて、敵の増援にそなえるぞッ!


【アドリブ歓迎】



 真っ先にアカダルマファーマシーのリゾート開発区画へ飛んでいったのはスイート・シュガーボックス(おかしなミミック・f41114)と彼が乗騎する幻惑神機『ディオニュソス』であった。
「ディオちゃん! そのまま工事現場の上を飛翔するんだ!」
『うぇーい☆ って、ここも敵めっちゃいっぱいじゃんッ!? キモッ!』
 緑色の小鬼共がせっせと資材を運んだり、上空の金ぴか神機に気付いて騒ぎだしていたりと、かなりの数が労働力としてすでに派遣されていたようだ。
 もしも猟兵達の到着が遅れていたら、更にバイオゴブリン達の数は膨れ上がって対処できなくなっていただろう。
『どどどどどーすんのさスイート君っ?』
「慌てないでディオちゃん! バイオな数の暴力にはどう対応するか? 俺はその答えを知っている!」
『マジで? なになに? 早く教えろし!』
「ふふん、こういう時は……そうだねッ! オーガニックお菓子な数の兵力だねッ!」
『で、出たー! やっぱりお菓子だー!』
「と、言う訳で! いでよ、ビスケット|騎士団《ナイツ》ッ!」
 スイートがユーベルコードを発現させると、ディオニュソスの宝珠からラム酒入りチョコレートがくっ付いたビスケット鎧を纏ったお菓子の騎士達が空中からフーセンガムの落下傘で次々と降下すると、堅焼きビスケットとチョコの硬度の防御力を頼りに、バイオゴブリン軍団の圧倒的な物量をはね返していく!
「俺達は上空からディオちゃんの『豊穣葡萄』で無数の圧縮ワインカッター攻撃だ。そして戦場に立ち込めた酒気でゴブリン達を酩酊させて、同士討ちさせたりビスケット騎士団の数が倍以上に見えちゃう幻覚を見せちゃおう!」
『これこそ! ウチらのワインカッター&酩酊幻覚の必勝コンボっしょ☆』
 上空から降り注ぐ赤い水圧カッターに斬り刻まれながら、バイオゴブリン軍団はヘロヘロになってあちこち無関係な岩や樹木に棍棒で殴りつけたり、味方を撲殺したり、視界がブレて数が増えたように錯覚した騎士団の様子に怯え始めてゆく。
「いいぞッ! ゴブリン軍団が怯みだしたッ! みんな! まずはこの区画を奪還だ! ゴブリン軍団を追い払って、ここにビスケット砦を建築だッ!」
 141体の屈強なビスケット騎士団の防御力の前に、全く歯が立たないバイオゴブリン軍団、為す術なく上空のディオニュソスの攻撃に怯えながら戦線を交代してゆく。
 その空白地帯にスイートは騎士団に命じてビスケット城塞を築き上げ、ここを猟兵達の前線基地としたのだった。
「戦闘が終われば、みんなでビスケット砦を食べちゃおうッ! この秘境の草花は決して傷付けないから、村のみんなも安心してねっ!」
『やっぱスイート君ってマジパネェ~☆』
 心優しく漢気溢れるスイートに、ディオニュソスはますますリスペクトを掲げていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ダーティ・ゲイズコレクター
メガコーポさんの社歴に私の名を刻むにはまだまだ足りません!
バイオゴブリンさんを普通に蹴散らすだけでは
全然印象に残らずに
私がやったとメガコーポさんに気付いてもらえないかもしれません!
なのでここはインパクト重視で
数には数で対抗するとしましょう!
(UC【悪辣!滲染穢堕禁踏沼】を発動すると敵と同数の大量のダーティが沼から出現する)
私と同じ分身体の皆さん!{ブライトホーリーランス}は持ちましたね!?
では…突撃ー!



 ダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)はアカダルマファーマシーのリゾート開発を阻止して、自身の名をこの世界に轟かせるのが目標だ。
「ですが、メガコーポさんの社歴に私の名を刻むにはまだまだ足りません! バイオゴブリンさんを普通に蹴散らすだけでは、私の活躍が全然印象に残らずに、このダーティ・ゲイズコレクターがやったとメガコーポさんに気付いてもらえないかもしれません!」
 ダーティの懸念はもっともだ。
 この任務は多くの猟兵が携わっている。そのため、功績が『猟兵全体』として一括りにされてしまいかねない。
「なのでここはインパクト重視で、数には数で対抗するとしましょう!」
 そう、戦闘にもっとハ映えを、派手さを!
 その為にはダーティはバイオゴブリン軍団相手に、戦争を仕掛けることにしたのだ!
 単身で躍り出たダーティに、バイオゴブリン軍団が下品な笑い声をあげて次々と集まってきた。
 もはや師団というべき物量の前に、ダーティは魔王たる威厳を放ちながらユーベルコードを発動させた!
「水面に映る虚像を喰らい、出でよ! 穢せよ! 堕としめよ!」
 途端、ダーティの身体が液状化し、大きな沼に変身する……!
「これぞ悪辣! |滲染穢堕禁踏沼《シンゼンアイダキントウショウ》!」
 その沼から、ダーティの分身がわらわらと陸へ揚がってくるではないか!
「聞いて驚きなさい! この分身さんの数はここにいるバイオゴブリンさんと同じ数が這い上がってきますよ! これで数は五分! 更にインパクトを与えるためにもう一工夫です!」
 沼と化したダーティは、分身たちに常に神々しい光を放つ聖なるエネルギー体の槍を与えてゆく。その手元がキラキラ輝いて軍勢がとても映えまくる!
「私と同じ分身体の皆さん! ブライトホーリーランスは持ちましたね!? では……突撃ー!」
「「私達はダーティ! ゲイズコレクター! アカダルマファーマシーのリゾート開発を阻止して、その悪行を御社へ刻まんとする者です!」」
 数が同数ならば、ここの実力は猟兵であるダーティ軍団の方が有利だ。
 光の槍を繰り出しながら大攻勢は、まるで閃光の大洪水がバイオゴブリン軍団を飲み込む災害のようだ。
 ダーティはこの攻勢で、確かにアカダルマファーマシーの看板に大きな傷を付けてみせたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シモーヌ・イルネージュ
包囲網突破のときにも随分倒したけど、まだあんなに残っているのか、バイオゴブリン共は。
本当にしぶといな。
でも前の戦闘は守りながらだったけど、今度はこちらから仕掛けられるんだ。
暴れるぜ。

とは言っても、やっぱり数は暴力だからな。
正面から言ったら、こっちが潰れちまう。
これは策が必要だな。

頭が悪い連中だから、今度はこっそりいこう。
UC【影朧隠爪】を発動。
影でこちらの姿を消して、混乱している間に一気に畳み込んでしまおう。
黒槍『新月極光』で【なぎ払い】って【吹き飛ばし】だ。


鳳凰院・ひりょ
この世界でゴブリンと交戦というのは、不思議な気分だ

さて、ゴブリンと言えば集団戦を得意とする敵だったはず
終結されると戦場にいる村人達への被害が甚大になりかねない

皆、力を貸してくれ!
UCによって犬や猫など、背丈の低めの動物達を一斉召喚
敵の足元にまとわりつかせ、その場に押し留める
集結阻止と共に注意を分散させ、敵の意思統一も妨害

【破魔】を付与した護符を多数【乱れ撃ち】
動きが阻害されている敵の上半身狙い攻撃を集中
近くの敵は【破魔】付与した刀で叩き斬る

護符は回復【属性攻撃】の物も準備
味方の負傷者へ投擲し、適宜回復支援も行う

集結さえさせなければ、敵単体の戦闘能力はさほどでもない
手堅く戦力を削っていくぞ!


シルキー・アマミヤ
うーん…村長さん村長さん★既に何人かが交戦中みたいだけど、問題は敵の「数」で、1対1でも負けてるって訳じゃないよね~?

……よーし★じゃあシルキーちゃん、【暗殺機構・隠匿駆動】起動~★
敵の密集地帯へと美少女ホログラムを大量投影、加えて煙幕弾を発射して相手の足並みを崩して~、
そこにGライアーとビースト軍団と一緒に敵の多いとこに乗り込んで~、認識しづらいのをいい事に全兵装駆使して暴れちゃうぞ★

乱戦になるからビースト軍団は村人とか他の人のフォローに回して、強化済みシルキーちゃんは単独で孤立した敵なんかを優先して確実に一殺を狙う斬撃と、手足を狙って吹き飛ばす『Ku-9』で相手の戦力を減らしていくよ★



 シモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)、鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)、そしてシルキー・アマミヤ(何でも屋のシルキーちゃんだゾ★・f36571)は結託してバイオゴブリン軍団に立ち向かう。
「包囲網突破のときにも随分倒したけど、まだあんなに残っているのか、バイオゴブリン共は。本当にしぶといな」
「シモーヌさん、ゴブリンと言えば集団戦を得意とする敵だったはず。だから集結されると、ここで戦ってくれてる村人達への被害が甚大になりかねない」
 ひりょはシモーヌへ今回の戦場の懸念を進言する。
 そこへシルキーが遅れてやってきた。
「お待たせー★ 今、村長から情報をもらってきたよ★ 思ってた通り★」
「つまり、例の作戦が実行できるわけだな。確認作業、感謝だ」
 シモーヌは思わず口端が緩む。
 シルキーは秘境の村長に、気になる事を聞いていたのだ。

 少し時間は遡る。
 シルキーは村長へバイオゴブリン軍団の戦力について情報収集していた。
「うーん……村長さん、村長さん★ 既に何人かが交戦中みたいだけど、問題は敵の『数』で、1対1でも負けてるって訳じゃないよね~?」
「んん、そうですね……一騎打ちでも若いもんとあのゴブリンはほぼ互角ですね……」
「あ、そうなの?」
「ええ、なので皆様が速めに駆け付けてくれて助かりました……」
 村長の娘が死んでいたら、猟兵達は既に滅亡したこの村を目の当たりにしていたのかもしれない。
「ちなみに~猟兵と村の人ってどっちが強い?」
「それは勿論、猟兵の皆様ですよ!」
「だったら問題ないね★ ありがと~★」
 シルキーは必要な情報が聞けて満足し、四脚頭脳戦車の上のホログラム美少女は元気よく手を振って戦場へ戻っていった。

「……という事で、暗殺バリバリできちゃうぞ★」
「そうか。前の戦闘は守りながらだったけど、今度はこちらから仕掛けられるんだ。しかも頭が悪い連中だから、今度はこっそりいこう。暴れるぜ」
 シルキーとシモーヌは敵軍の攪乱からの暗殺作戦を構想していた。
 これにひりょは自身に敵の注意を向かせて二人の動きをサポートする役目を買って出る。
「だったら俺は動物達に協力してもらって、敵の矢面に立つ! その間にゴブリン達をやっつけてくれ!」
「任せろ、ひりょ!」
「シルキーちゃんにお任せ★」
 早速、二人はユーベルコードを発動させ、それぞれ別行動を開始した。
 
 残されたひりょもユーベルコード『ここは動物達の楽園』を発現させ、犬や猿などの背丈の小さい動物達を半径142m内に大量召喚してみせた。
「この世界でゴブリンと戦うのは奇妙な感覚だけど……やってやる! さぁ皆、おもてなしの時間だよ!」
 突如湧き出た動物達に、バイオゴブリン軍団は大慌て!
「ギャギャッ!」
「グゲェー!」
 猿に足を引っかかれたり、犬にお尻を嚙まれたり、たちまち大混乱に陥ってしまう。
 かといってゴブリン軍団が動物達を排除しようとすれば、ひりょの放った霊力護符が命中して爆死してしまう。
「このユーベルコードの射程圏内での動物虐待は、強いマイナス補正が掛かるぞ! 大人しく動物達と触れ合ってもらうぞ!」
 スシ詰め状態の密林の中で、ゴブリン軍団は思うように身動きが取れずに四苦八苦する。
 そこへ忍び寄るのがシモーヌとシルキーだ。
「地に這いし影よ。我に従い我を守れ」
 ユーベルコード『|影朧隠爪《シルエット》』……自身と武装を魔法で伸ばした影で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、魔法で伸ばした影を飛ばして遠距離攻撃することで、ゴブリン達には仲間が勝手に見えない力で地面や木の幹に叩きつけられていると思い込んで更に浮足立つ。
 更に、急に出現したホログラム美少女達にゴブリン軍団は必死に攻撃を仕掛けるが、当然ながら実体がないので無意味だ。
「いえ~い★ |暗殺機構・隠匿駆動《サプライズスイッチ》★ 木を隠すなら森の中、じゃあ死体と刺客を隠すならどこかな~?」
 ホログラムデコイの元へ、次々と投げ込まれる煙幕弾!
「ギャギャー!」
「ケハケハケハ!?」
 もうもうと森の中が真っ白に煙り、ひりょでさえ視界が不明瞭になってしまう。
「み、みんな! 落ち着いて! 大丈夫! ただの煙幕だよ!」
 ひりょが動物達を宥めるが、煙幕にびっくりした動物達がゴブリン軍団の行いだと勘違いして猛烈な攻撃を仕掛け始めた。
 おかげで真っ白で何も見えないゴブリン軍団はてんやわんや!
 その混乱に乗じてシルキーはスプレッドダガー“Ku-9”をゴブリンに突き刺して、一体、また一体と爆発させてゆく。
 シモーヌも大混乱の戦場を駆け抜け、黒槍『新月極光』を振るって的確に各個撃破に努めた。
(やっぱり数の暴力は脅威だからな。正面から行ったら、こっちが潰れちまう。この策でチクチク潰していった方が確実だな)
 影の遠距離攻撃も相まって、まるでタタリめいた存在へと昇華するシモーヌ。
 シルキーに至っては美少女ホログラムにフォトンセイバーを持たせて振り回して威嚇し、驚いた敵の背後をシルキー本体がブスリと刺殺してみせた。
「なんか、すごい事になっちゃったぞ……!」
 連携がハマりすぎたお陰で、秘境の森がカオスに染まる様を、ひりょはモフモフに癒されながら見守る事しかできなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

皇・絶華
借金返済
おお…此処にアカダルマの正社員と責任者がいるのだな!
ならば…我がチョコのPRタイムのチャンスだ!
「主様!?」

テラの問いに
(とても…とても悲しそうかつ可哀想な子を見るしょんぼり顔)
テラは何を言っているのだ…
うんこ等栄養もなく毒しかないようなものは使わらないぞ?そんなの壮絶な狂人しか使わないだろうに…私のチョコは安心安全健全チョコ故な(材料にされた悲しき犠牲者:十二剣神、ガチデビルetc

【戦闘知識】
ゴブリン達の状況と村の人達の捕捉

さて…PRタイムだ!
UC発動
村人にカカオ汁与え

【爆破】
後はゴブリン達に真・ぜっちゃんチョコを捻じ込み捻じ込み
溢れるパワーで大爆発!
「あわわわわ…!」
地獄があった


テラ・ウィンディア
借金返済

UC常時
……ご、ごほっ…やっぱり恐ろしいなぜっちゃんのチョコは…!
「げふぅ…相変わらずの味ですね…私の神聖魔法でも味覚の被害を防ぎきれないって…!?」

…ぜっちゃん…きになったんだが…チョコの材料に…うんことか使ってたりしてないか…!?

ぐぁぁぁぁ(視線にもがく主従
「こ、この腹立たしさはなんでしょうか…!」

【属性攻撃】
炎を見に纏い

【戦闘知識】
敵ゴブリンの動きや戦場の状況を把握

怖いけどやっつけるぞ!

「焼き尽くしましょう!」

ああ…村人さんがむきむきに…!

【弾幕・重量攻撃・貫通攻撃】
ガンドライド
ドリルビット展開
重力弾で動きを止めてドリル攻撃で貫き
精霊魔法で火炎の精霊を呼び敵を焼きはらう!



 皇・絶華(影月・f40792)は何故かスーツに眼鏡、アタッシュケースというカンパニーマンスタイルで、秘境のアカダルマファーマシーリゾート開発地に乗り込んできた。
「おお……此処にアカダルマの正社員と責任者がいるのだな! ならば、我がチョコのPRタイムのチャンスだ! ゆくぞ、さっちゃん! 飛び込み営業DA!」
「あ、主様ー!? どうみてもあいつら、ゴブリンじゃないですか! 奴らに会話が通じませんよ!」
「ならば、尚更だ! 私の特製チョコを味わってもらい……そのパワーでこの商談を必ずや成功させるぞ!」
「だめだテラ、ヘカテイア……俺にはもう、どうすることもできない……!」
 悔し気に下唇を噛むさっちゃんことサートゥルヌスに、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)と相棒のヘカテイアはげんなりしていた。というか、絶華のチョコの後遺症に悩様れていた、
「……ご、ごほっ……! やっぱり、恐ろしいな! ぜっちゃんのチョコは……!」
「げふぅ……相変わらずの味ですね……! 私の神聖魔法でも味覚の被害を防ぎきれないって……これ、一体どんな危険物が練り込まれているのですか!? うっぷ!」
 ヘカテイアが後ろを向いて吐いてしまうほどの不味さに、テラは恐る恐る絶華へ問い掛けた。
「……ぜっちゃん……気になったんだが……?」
「ん? なんだ?」
「そのチョコの材料に……まさか、ぜっちゃんのウンコとか使ってたりしてないか……!? というか、前、そんな事を言ってなかったか!?」
「っ!?」
 ヘカテイアがさらに激しくえずいてしまう。
 だが、これに絶華は目を細めて訝しんだ。
「テラは何を言っているのだ……? ウンコなんぞ、栄養もなく毒しかないようなものは使わらないぞ? そんなの壮絶な狂人しか使わないだろうに……」
 テラを妄想癖がある可哀想な奴だと見下すその視線に、テラは激怒と後悔と抗議の感情で頭の中がぐちゃぐちゃになってゆく。
「ぐぁぁぁぁ! じゃあなんでこんなマズいんだよー! チョコってどうやっても美味しくなるはずだろー? あとウンコに栄養がないなんて間違ってるぞ! 農園旅団の堆肥の一部は……そ、そういうのも使ってるんだからな! ぐぬぬぅぅ!」
 顔を真っ赤にするテラに、何故か絶華がなだめにかかる。
「まぁまぁ、落ち着け! パワーがありすぎるのも問題だ! いいか? 私のチョコは安心安全健全チョコ故、素材も安全第一! 栄養重視だ! だから今後も気兼ねなく食すといいぞ!」
「こ、この腹立たしさはなんでしょうか……! というか、そのチョコ、時々動くじゃないですか! 本当に何を遣えば動くチョコなんて生まれるんです!?」
 ヘカテイアの抗議の声に、絶華はしれっと言ってのけた。
「む? 最近ではケルディバのハロウィン南瓜と、アスアスのガチデビルだが?」
「デウスエクスとオブリビオンぶち込んでる時点で有害指定物質じゃないですか馬鹿ーっ!」
 ヘカテイアは、今後テラにあのチョコを食べさせてはいけないと固く誓うのだった。

 そうこうしているうちに、わらわらとバイオゴブリン軍団が猟兵達を奉仕してゆく。
 既にかなりの数を討伐したはずだが、それでもまだまだ森の中や泉のほとりから続々と姿を現すバイオゴブリン軍団。
 普通の猟兵ならばすぐに臨戦態勢に移行するのだが、絶華はなんと名刺を取り出して、身体が一回り大きなゴブリンへ一礼したではないか!
「お初にお目にかかります! 私は世界を股に掛けるパティシエこと皇・絶華だ! アカダルマファーマシーの関係者と思い受けする! この度は私の作ったチョコレートを売り込みに来たぞ! これがこの世界に広まれば、この秘境を開発せずとも骸の海の汚染に打ち勝つパワーを得られるのだ! 素晴らしいとは思わないグワアアァァァーッ!」
「主様ァァァー!?」
 ナムアミダブツ!
 絶華が直角オジギから頭を上げた途端、ゴブリンの持つ極太の棍棒で、その頭が熟れた柿のように潰されてしまったではないか!
「テラ! 見ちゃいけません!」
「ヘ、ヘカテっ? ぜっちゃんはどうなったんだー?」
「死にました!」
「は????」
 テラの思考能力を遥かに超越した緊急事態が、ヘカテイアの目の前で行われていた。
「し、死んじゃったら大変じゃないか! ヘカテ! 降霊術を……!」
「いえ、その必要がないので、見ちゃいけないんです……!」
 ヘカテイアはおぞましいものを見る目付きで、頭が潰れた絶華を見守っている。
 ゴブリンもその異変に気が付き、思わずその場で胃の中身を吐いてしまう。
 潰れた頭が、なんと、うぞうぞと肉が盛り上がり、骨が復元され、顔の輪郭や眼球が形成されてゆくのだ!
「ふははははは! どうだ! これが私の心が籠るバレンタインチョコドリンク! 我がユーベルコード! 飲めば24時間以内の死を回避できるパワーを得られるのだ! みよ、この超再生能力! これこそ、ガチデビルとデウスエクスのパワーに、メルクリウスの賢者の石も混ぜた、真・ぜっちゃんチョコ ver.1.02だ! ただし、この真・ぜっちゃんチョコにはひとつ大きな課題がってだな? 何故かオブリビオンが食すと、胃腸とキンタマで超反応が起きて、なんやかんやで自爆してしまうのだ! だが安心しろ! 自爆するとお前達はチョコになれるのだ! つまり、未来永劫、私のチョコの一部となって全世界の人々へパワーを与え続けられるぞ! なんて夢のような仕事だと思わないか!? つまり! お前もチョコにならないか!?」
「グゲゲゲーッ!?」
「あ、言語は通じなくても、今の話が完全に常軌を逸している事はゴブリンで理解できるんですね……」
 サートゥルヌスは主を完全に無視して、勝手にビーム鎌剣でずぱずぱとバイオゴブリン軍団を斬り刻みだしていた。
 まぁ一度殺した相手の頭が10秒で再生復元された上に、その元凶のチョコの材料にお前がなるんだよ!と加入されれば恐怖以外の何物でもない。
 そして絶華の暴走は止まらない。
「秘境を守りし勇敢な戦士達よ! 力が! 欲しいか!?」
「「お、おお……っ!」」
 遠巻きに猟兵達の戦闘を見守っていた、村の若い者たちが恐る恐る手を挙げた。
 すると、絶華は忍者らしく、漢方薬チョコをスリケンめいて若人たちの口へ目掛けてマシンガン投擲!
「いいぞ! ならば食して、圧倒的なパワーを獲得するがいい! イヤーッ! イヤーッ イヤーッ!」
「「アババババーッ!」」
 強引にねじ込まれた暗黒物質を飲み込んだ若人達の身体が、オーラを纏いながら一気にバンプアップしてゆく!
「「You are SHOCK!!!!!!!!!!」」
 全員が同時にムキムキの上裸になってゆく!
 この様子に絶華も大満足だ!
「うむ! 愛で空が落ちてくるようだ! 今ならバイオゴブリン軍団を指先ひとつでダウンできそうなパワーが溢れているじゃないか! どうですか、アカダルマファーマシーの皆さん! 言い値で売るぞ!」
 そう言いながらゴブリン軍団にチョコと特濃カカオ汁を飲み込ませては爆死させて回っていた。
「いや、むしろ愛を取り戻してもろて? つか爆死させたら契約どころじゃないですって!」
 サートゥルヌスのツッコミも空しく、村人達はゴリラめいてゴブリン軍団を片っ端から蹂躙を開始していった。
「うーん、カオスだな!」
 もはや見慣れた光景に、テラは宇宙の真理を目の当たりにした猫のような顔になってしまう。
「ハッピーハッピーハーッピー! ハピハピハッピーハーッピー!」
「ああ! あまりのカオスにテラの思考回路が猫ミーム汚染されて壊れた! テラ、正気に戻ってください!」
 ヘカテイアの浄化魔法で、テラの目の焦点がようやく合っていった。
「はっ! おれは正気に戻ったぞ! ヘカテ、ぜっちゃんに負けてられないな!」
「え、ええ! それでは、来なさい! ドリルビット! ガンドライド!」
 地を這う一対のドリルビットと浮遊型三連砲台が、群がるゴブリン軍団を薙ぎ払いだす。
 そこへユーベルコードで自己強化を施したテラとヘカテイアは、時速745kmで戦場を飛翔して縦横無尽に駆け巡る!
「ああ……村人さんがむきむきに……! 村人さんの為にも、手早く片付けるぞ、ヘカテ!」
「ええ! 有象無象など焼き尽くしましょう!」
 その言葉通り、ヘカテイアは火炎と闇属性の金剛魔法を放ち、周囲の木々を燃やさずにゴブリン軍団だけを灰燼に帰してみせる。
 そこへテラが重力魔法を唱えて多くのゴブリン軍団を足止めすると、燃え盛る真っ赤な槍を構えて全力疾走!
「超重力フィールド……最大展開! この速度に反応できるか!?」
 残像が出来るほどの高速移動から、無数の刺突の嵐がゴブリン軍団を粉々に削り取っていったのだった。
 ……そして、絶華は暗黒のチョコをかじって高らかに謳う。
「フフフ! ハッピーバレンタイン!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フリッツ・バーナー
工事現場の人員さえバイオモンスターとはな
人件費を削減するのは勝手だが、いずれにしろ損害は高く付く事になるだろう

指パッチンを合図に空間が引き裂かれ、現れるバルバロッサ
口腔部分が開き衝撃波が放たれる
村人にとってはそよ風程度のものだが敵は吹き飛んでいく
無力化されている内にトドメを刺そう
……一応村人を巻き込まぬよう配慮し、私の両腕部に仕込んだ高周波ブレードのみを使用するとしよう(優良企業アピール)

(電子マネー等でも同じ事
データ上の数字が金塊と同等の価値を持つと言う〝信用〟あって初めて成り立つ取引
信用無くして商売は成立しない
重要なのはそれを切り捨てるタイミング
今はその時で無いと言うだけ)



 フリッツ・バーナー(武器商人・f41014)はメガコーポの立場から、バイオゴブリン軍団の労働力活用を考える。
「工事現場の人員さえバイオモンスターとはな。人件費を削減するのは勝手だが、いずれにしろ損害は高く付く事になるだろう」
 猟兵の侵入を感じて、バイオゴブリン軍団がフリッツへ向けてわらわらと押し寄せる。敵が集まれば集まるほど脅威になってしまう。
 だがこれにフリッツは軽く指を弾いて鳴らすと、赤黒いオブリビオンマシンこと『バルバロッサ』が空間を斬り裂いて上半身を覗かせた。
「斉唱せよ! |作戦発令:金星《プランコール・オーバーロード》!」
 ユーベルコードを高らかとは宣言すれば、バルバロッサが秘境の密林でおぞましい大咆哮をあげた。
 それは文字通りウォークライだ。この咆哮を聞いたバイオゴブリン軍団は身を竦めて戦意を喪失、更に身体を震わせてその場に釘付けになってしまった。
「この咆哮は敵にのみ作用する。よって村人達は聞いても効果はない。更にこの森の中で方向が反響する事で威力が上昇する。さあ諸君、バイオゴブリン軍団が無力化されている内にトドメを刺そう」
 フリッツは秘境の若衆達に号令をかけ、恐怖で身動きが取れないバイオゴブリン達を仕留めさせてゆく。
 この後もフリッツはバルバロッサに何度か咆哮させてはバイオゴブリン軍団を吹っ飛ばし、相手が竦んだところへ若衆達に攻撃を任せていった。
「味方は巻き込まない、現地の労働者に経験を積ませて育成する。真の現場監督はフォローする程度でちょうどいい」
 そう呟きながらフリッツは、両腕部に仕込んだ高周波ブレードで若衆の討ち漏らしを徹底的に排除して回る。
「なに、電子マネー等でも同じ事だ。データ上の数字が金塊と同等の価値を持つと言う“信用”あって、取引は初めて成り立つ。信用無くして商売は成立しない。重要なのは、それを切り捨てるタイミング……今はただ、その時で無いと言うだけだ」
 若衆に聞こえない距離で独白するフリッツは、あくまでもビジネスライクにこの状況に対応し続けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイ・ノルマレイス
なんだか気色の悪いゴブリンですー
……あんまりおいしそうでもないですー(小声)

とにかくー、全部やっつけるなら人手がいるですー……だから大盤振る舞いするですよー、
懐からアイテム『モンスターミート』を取り出して―……
あむ。むぐむぐ……けぷ、【昏く暗い黒い穴】、いくですー!

以前の依頼で手に入れたモンスターの情報を基に、黒喰化(吸収捕食・ドレイン能力付与)と異形化(霊系モンスターの性質付与)したおっきいイカを呼び出し、ボクも『聖冥の福音』を具現化させて一緒に戦うですー
イカさんが敵を倒したら、取り込んだ「情報因子」をMミートとして具現化、同じように黒喰・異形化したモンスターを追加してどんどん増やすですー



 アイ・ノルマレイス(知らない記憶、胸に空いた奈落・f41788)にとって、ゴブリンというモンスターは見慣れた存在のはずである。しかし、バイオゴブリン軍団を見るなり、口を衝いて出た感想はと言えば……。
「なんだか気色の悪いゴブリンですー」
 どうやら人為的に生み出されたバイオゴブリンは、アイの目からすると異質に映るようだ。
「……あんまりおいしそうでもないですー」
 ん? 今、小声でなんて言った……?
 秘境の村の若衆が思わずアイを凝視してしまう。
「とにかくー、全部やっつけるなら人手がいるですー……だから大盤振る舞いするですよー」
 当のアイはマイペースにバイオゴブリン掃討の手はずを整え始めた。
「懐からアイテム『モンスターミート』を取り出してー……」
 どこからともなくアイの手元に『骨付き肉』が出現する。実際は「特殊処理された対象の情報の一部」らしいが、どこをどう見てもただの骨付き肉だ。
 これにアイは一心不乱にかぶりついてゆく。
「いただきますですー。あむ。むぐむぐ……けぷ。ごちそうさまですー。それでは、|昏く暗い黒い穴《アビム・アルシュ》、いくですー!」
 アイのユーベルコードはいわゆる召喚系だ。
 食べた『モンスターミート』の消費量に応じた強さのモンスターを、この場に呼び寄せる事が出来るのだ。
 今回、呼び出されたのは巨大なイカ型モンスターであった。
「以前の依頼で手に入れたモンスターの情報を基に、吸収捕食とドレイン能力を付与する黒喰化と霊系モンスターの性質付与する異形化されたおっきいイカさんを呼び出すですー。ボクも『聖冥の福音』を具現化させて一緒に戦うですー」
 |聖冥の福音《アンスタン》……背後に浮かび、異形部位解放と共に黒き輝きを増してゆく形状“だけは”神聖な紋章が、周囲のバイオゴブリン軍団の生命力を喰らい尽くしてゆく。
 そうして弱ったゴブリン軍団を、巨大イカが霊体化した触手で絡めとって喰らい尽くしていった。
 このユーベルコードで撃破された敵の因子情報は『モンスターミート』としてドロップされるため、アイがこれを片っ端から食い散らかす事でバイオゴブリン軍団をアイの支配下に置くことが出来てしまうのだ。
「しかも黒喰・異形化した状態でどんどん増えてゆくのですー。あむ、あむ……数本は残して、別の世界でも呼び出せるようにするですー」
 バイオゴブリン軍団は自己繁殖でどんどん増えてゆくし、他種族を襲って子種を植え付けて増えもする。
 数の暴力で敵を蹂躙するには、ある種、最強の『モンスターミート』をアイは獲得したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

桃枝・重吾
アドリブ連携歓迎

■心情
ようやく見つかった貴重な里山を
【おのれメガコーポ!モフ途絶えた地に見つかったモフの希望をよくも!】
なんか梵ちゃんキャラ変わってない?
アドレナリンケアきちんとしてるから僕のバーサクじゃない筈だけど、
ティグレさんお祓いとかしてるかな?
え?自爆のショック
■|農業《害獣駆除》
休耕期に土地を回復させるのは大事だからね今回は大地に優しく
【モフを養う大地を大事に了解】
UCで悠々荷台を利用した巨大受け皿とディスポーザーと肥料桶を用意。
血の塩分に何が入ってるかわからない害獣、隔離一択!
【アブホランスウィール!重力三味線糸で釣って〆て駆逐してやる】
さて、現状復帰してクリーニングとリユースだ!



 桃枝・重吾(|スペースデコトラ使い《XLスペース食べ歩き道中》・f14213)は農家でもある。
 そのため、汚染されたサイバーザナドゥ世界で残された秘境に興味を抱いている。
 だが、それがアカダルマファーマシーの手で破壊されかけているというので、痛く腹を立てていた。
「やれやれ、ようやく見つかった貴重な里山をなんで残そうとしないのかな?」
 呆れる重吾の傍らで、更に怒り心頭の青いクマ獣人めいた巨神の梵天丸がいた。
【おのれメガコーポ! モフ途絶えた地に見つかったモフの希望をよくも!】
 重吾は今までの梵天丸の言動からかけ離れた憤りっぷりに、思わず目を丸くして驚いた。
「なんか、梵ちゃんキャラ変わってない? アドレナリンケアはきちんとしてるから、僕由来のバーサクじゃない筈だけど……ティグレさん、お祓いとかしてるかな?」
【この間の自爆で、お義父さんの主様が与えた危険ドラッグがオレの中の何かを実績解除したらしい。だからこれが恐らくオレの側面なのだろうな……!?】
「え、あの自爆で性格変わるの? 怖……! あとここ、サイバーザナドゥだよ? 獣人戦線じゃないよ?」
 重吾は先日の狂気のキャンプが梵天丸のターニングポイントだったのかと、少し後ろめたさを感じていた。

 というわけで、重吾はあくまでも農業的見地からバイオゴブリン軍団を害獣駆除する事にした。
「休耕期に土地を回復させるのは大事だからね。今回は大地に優しくいこうか」
【モフを養う大地を大事に、了解】
「覚醒モードの梵ちゃん、ケモスキーを拗らせちゃってるねぇ……まぁいいんだけどね」
 重吾はユーベルコード『オプショナルサービス・ライガー印の現状復帰修繕術』を発動すると、自身の取得した多種多様な資格技能を駆使してバイオゴブリン軍団に対処しはじめた。
 スペースデコトラのコンテナユニットを利用した巨大受け皿とディスポーザーと肥料桶を用意。
 腕力で問答無用に黙らせた後、敢えて絞めずに気絶した状態でバイオゴブリン軍団を次々とコンテナに投げ入れ、そこで生きたまま堆肥化させてゆくのだ。
「血の塩分に何が入ってるかわからない害獣は、隔離の一択だね!」
【アブホランスウィール! 重力三味線糸で釣って〆て駆逐してやる】
 一方、梵天丸は元の巨神の姿に戻ると、糸の斬撃で辺り一面を血の海にしていた。
「こらこら梵ちゃん? 森を害獣の地で汚しちゃ駄目でしょ。糸で拘束する程度でいいからね?」
【モフ聖地を汚すゴブリン軍団は殺す。慈悲はない!】
「あらら、聞こえてないね。まいったなぁ」
 仕方がないので、重吾の清掃資格の技能を持ってして血が沁み込んだ土壌を瞬く間にじょきょしてゆく。
「さて、現状復帰してクリーニングとリユースだ!」
 生きたまま堆肥になってマシンの中で攪拌され続けるバイオゴブリン軍団の悲鳴が、しばし森の中で響き渡っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィア・フルミネ
カシム(f12217) と参加

イコロマを助けられて本当によかった
さて、カシム。いこう。ここはメルに任せて守りを固めて。いざとなったら私がなんとかする
カシムを抱えて戦場を俯瞰できるところに……うん。味方も敵も過剰ね
《被雷身》を使う。なんとなく搦手はなさそうと判断。流れ弾が飛んでくればこの身を盾にして庇うから
それにしても醜悪な見た目。中身を反映している? いずれにせよ容赦する必要はないよね


カシム・ディーン
同行
フィア(f37659

「ご主人サマー♥物量で押しつぶそうとする酷い酷いゴブリンが居るぞ♥これもうあれの出番だよね♥(涎だらだら」
うっがぁぁ!!(絶叫

フィア…僕を守って下さい…(くたんと凭れながらUC発動!現れた幼女軍団は上空に降臨

ありがとうフィア…
念動障壁でフィアを守る!

【属性攻撃・迷彩】
光水属性を幼女軍団と己とフィアに付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で匂いや音を隠蔽

10師団
僕とフィアの護衛

残り
「「ひゃっはー☆ゴブリンだー♥」」
【念動力・弾幕・スナイパー・集団戦術・空中戦】
念動光弾を叩き込み仲間を分断

【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
鎌剣で襲い掛かり身包み剥いで…とても…とても酷い事をする



「ドッキーング、ドッキーング♥ダンスットゥナイッ★Wow♥」
「だからやめろって言ったんだ……!」
「ああ、どうせみんな、メルになる……」
 見渡す限りのメルシーの海。
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)はゲッソリしながら目の前の状況に絶望する。
 フィア・フルミネ(|麻痿悲鳴《まいひめ》・f37659)は無表情のまま、増えるメルシーを眺める事しかできなかった。

 ――時間は少し遡る。
 フィアが使命感を帯びた目でカシムに語り掛けた。
「イコロマを助けられて本当によかった。さて、カシム。いこう。ここはメルに任せて守りを固めて。いざとなったら私がなんとかする」
「フィア、ありがとう……。僕もフィアを守りますね」
 念動障壁と光学迷彩魔術を纏い、カシムとフィアはその姿を森の中に溶け込ませた。
 一方、メルシーに攻撃を任せるにしても、単騎で万単位の軍団にどう対処すればいいのか。
 その解法をメルシーは知っていた。
「ご主人サマー♥ 物量で押しつぶそうとする酷い酷いゴブリンが居るぞ♥ これもう……アレの出番だよね♥ アレするしかないね❤」
「うっがぁぁ!! 嫌だあぁぁぁー!?」
 よだれをだらだら垂らして興奮するメルシーに対して、カシムは絶望で顔を歪ませてしまう。
 そしてフィアは色々と察して、カシムを木の枝の上へ抱えて登っていく。
「ここなら安全。メル、いいよ」
「フィアちゃんの配慮マジ助かるマダガスカル☆ それじゃ、メルシー春の幼女祭り、はっじまるよー♥」
「ふんぎゅうううう!?」
 カシムの体内から急激に魔力が吸い取られて衰弱してゆく!
「フィア……僕を守って下さい……」
 くてん、とフィアの胸の谷間に顔を埋めて虚脱してしまうカシム。
 次の瞬間、上空に2000万人以上の白金色の悪魔的幼女が、神秘の森の中に硬化してゆくのだった……。

 そして現在。真夏の夜の淫夢めいた惨劇が繰り広げられていた。
「バイオゴブリン君、オッスオッス!」
「自分、ぶち込んでいいッスか?(迫真)」
「おう、力抜けよ❤」
「スゥーッ!(深呼吸)」
「ん? 今、何でもするって言ったよね?(圧)」
「じゃけん、すぐイキましょうね~❤」
「お、出るじゃーん?(ニチャァ)」
 ゴブリンがメルシーに襲われ、その腹からメルシーが更に生まれてゆくのだ。
「うん、味方も敵も過剰ね」
 フィアはユーベルコードで身体を一時的に真の姿にして、周囲に電撃攻撃を放って牽制してみせる。
「それにしても醜悪な見た目。中身を反映している? いずれにせよ容赦する必要はないよね」
「「やりますねぇ♥」」
 こうして秘境で地獄が暫く繰り広げられたのだった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メイ・ナデアウアー
あ、ゴブリンがここでも暴れてるのね!
こいつら、自然破壊おこしてるのね!
そういうことなら止めないとなのね!

はい、だめー!
これ以上はストップなのねー!
そういうことなら、実力行使なのね!

ということで、ここで風ブレスで敵を吹き飛ばしながら引き付けておく。
気が切り倒されて一所に来たら一気にUC使用。
今回は木と土と風の属性の混合のブレスを吐く。
風で吹き飛ばされなかった敵には木が急成長してゴブリンを突き刺して行くことになる。
「自然活性するって事はね。ここ、木が再生して一気にあなた達を串刺しするのね」
残ったゴブリンには活性化した猛獣たち(野犬とか虎とか象とか)が襲撃していくことになる。
「やっぱり、みんな怒ってるのね。そりゃ、住処荒らされてるんだもんね」

風ブレスで追い打ちかける。



 秘境でのリゾート開発の労働力して派遣されたバイオゴブリン軍団。
 彼らは安価なバイオゲノム工学によって生み出されたバイオモンスターである。
 繫殖性に優れ、従順で暴力的な事から、数の暴力による捨て駒としてもメガコーポから重宝されているのだ。
 そんなバイオゴブリン軍団に怒り心頭なのがメイ・ナデアウアー(ボクスドラゴンのビーストマスター・f40998)だ。
「あ、ゴブリンがここでも暴れてるのね! こいつら、自然破壊してるのね! そういうことなら止めないとなのね!」
 メイは四つ脚で作業中のバイオゴブリン軍団の群れに突っ込むと、大声を張り上げた。
「こらー! 貴重な自然を壊しちゃいけないのね! はい、だめー! これ以上はストップなのねー!」
 だが、いくら言ってもバイオゴブリン軍団は作業の手を止める気配はなく、木が一本、また一本と斬り倒されてゆく。
 挙句の果てにはメイを邪魔だとばかりにシッシと手で祓う仕草をする始末。
 これにメイは完全に怒髪天を衝いた。
「もう怒ったのね! そういうことなら、実力行使なのね! みんなまとめて大自然の息吹を感じてみようよ!!」
 ユーベルコード『|大自然之息吹《ネイチャーアラウンド・ブレス》』の風属性ブレスを目いっぱい口から吐き出すメイ。
 突然の暴風に、作業中だったバイオゴブリン軍団は不意を突かれた形で一斉に上空へ巻き上げられてしまう。
 ここでようやくメイを敵だと認識したバイオゴブリン軍団は、武器を取って数えきれないほどの頭数で徒党をくんで押し寄せてきた。
「周囲を囲まれたのね! でもゴブリン達は群れるしか能がないのね! それにこんなに木を斬り倒して……今から自然活性化させて元に戻すのね!」
 メイは風属性に木と土と水の属性もミックス!
「自然活性するって事はね。この森の、斬り倒された木々が再生して、にょきにょき生えてくることなのね。それがどういう意味か、わかるのね?」
 ただ愚直に突っ込んできたバイオゴブリン軍団へ向けて、四属性ブレスを勢いよく吐き出すメイ。
 吐き出されたブレスは風が種を運び、土と水が育み、一瞬で樹齢10年ほどの木へと生長してゆく。
 その木々の枝や幹、根が針のように周囲へ衝き出せば、バイオゴブリン軍団はたちまち再生してゆく森に身体を貫かれていった。
「つまり、一気にあなた達を串刺しするのね」
 更にメイはビーストマスターの権能を用いて、森に住まう原生動物を呼び出した。
 やってきたのはタヌキやサルや鳥などの小柄な動物達だが、すばしっこい野生動物達の猛攻にバイオゴブリン軍団はたちまち大混乱に陥った。
「やっぱり、みんな怒ってるのね。そりゃ、住処を荒らされてるんだもんね」
 逃げ出すバイオゴブリン軍団へ追撃のブレスを放つメイは、周囲に敵がいなくなるまで徹底的にブレスを吐きまくっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アーネスト・シートン
たどり着いてから惨状見る。「醜悪なことをしていますね、このゴブリンとかいう連中」
さて、こいつらを片付けて行きますか。
さすがにゴブリンは1体1体は弱いですからね。群れますし。
森も残っているところが多いし、ここは象さん(アジアゾウ)12体呼んでこの緑色の連中を蹂躙しておきますか。
見たところ、このゴブリンみたいな連中は銃の類もっていないみたいなので、象さん相手には恐らく勝てないと思いますし、連中の武器も人間ならどうにかなるだろうけど象さんならかすり傷程度に抑えられるでしょうし。
わたくしも1体の上に乗せてもらってから銃撃【スナイパー】でゴブリンを減らしていきますね。
ゴブリン連中は象の鼻でなぎ倒されたり5tほどもある体重で踏みつけられたりしていく。
「そこのゴブリンとかいうの。象さんを決して怒らせないほうがいいですよ。象さん怒ったら百獣の王ですら殺しますからね」
ゴブリン掃除も終わったら、象さんと一緒に片付け致しますかな。
象さんはこういう時も頼りになりますからね。



 アーネスト・シートン(動物愛好家・f11928)がたどり着いてから惨状見る。
「醜悪なことをしていますね、このゴブリンとかいう連中……」
 命じられるままに希少な自然を切り拓いてゆくバイオモンスターの大群を、アーネストは唾棄する思いで睨み付ける。
「さて、こいつらを片付けて行きますか。さすがにゴブリンは1体1体は弱いですからね。群れますし。森も残っているところが多いし……ここはユーベルコードで象さんを12体呼んで、この緑色の連中を蹂躙しておきますか」
 すぐにアジアゾウの群れ12体を秘境の森に召喚するアーネスト。代償として翌日の睡眠時間が強制的に増えてしまうが、すぐに戦闘には影響がないのでひとまずは代償の件は棚上げした。
「見たところ、このゴブリンみたいな連中は銃の類もっていないみたいなので、象さん相手には恐らく勝てないと思いますし、連中の簡素な武器も人間ならどうにかなるだろうけど、巨体の象さんならかすり傷程度に抑えられるでしょうし」
 事実、暴れるゾウの群れへ飛び掛かるバイオゴブリン軍団の銛や斧は、ゾウの固い皮膚と筋肉のうわべだけを傷付ける程度のダメージしか与えられないようだ。
「しかし、少し誤算でした。個体の強さの差は歴然とはいえ、12体だけでは無尽蔵の数相手では押し負けてしまいそうです」
 確かにゾウの攻撃力と防御力は相当なものだが、少なく見積もって数百はいるであろう戦力へは明らかに焼け石に水であった。
 その証拠に、ゾウの背に乗られて首の付け根を銛で何度も突き刺されたゾウ数体は、早々に地に伏して死に絶えてしまう。
「弱りました、こうなったら、わたくしもゾウさんの上に乗せてもらって、マルチプル・スナイパーライフルの連射モードでゴブリンを減らしていきますね」
 ゾウ騎兵にクラスチェンジしたアーネストは、弾幕を張りながら眼下のバイオゴブリン軍団を必死に打ち抜き、ようやく形勢が有利になってゆくのを感じていた。
ゴブリン連中は象の鼻でなぎ倒されたり5tほどもある体重で踏みつけられたりしていく。
「そこのゴブリンとかいうの。象さんを決して怒らせないほうがいいですよ。象さん怒ったら百獣の王ですら殺しますからね」
ゴブリン掃除も終わったら、象さんと一緒に片付け致しますかな。
象さんはこういう時も頼りになりますからね。

成功 🔵​🔵​🔴​

箒星・仄々
イコロマさんをご無事に
送り届けることができてホッとしました

そしてこれからが本番ですね
村の皆さんと土地を守り抜きましょう

召喚したランさんで工事現場までひとっ飛びです
レジスタンスの皆さんも宜しければ
ランさんの背に乗って下さいね

到着してレジスタンスの皆さんを下ろしましたら
竪琴を起動し
イコロマさんから教えていただいた
村に伝わる歌や村祭りのお囃子を
歌ったり演奏します

皆さん頼みました
どうぞバックアップはお任せください

光の五線譜や音符で皆さんを癒しながら
巻き付く五線譜や
チカチカ眩しい光の音符、音の衝撃で
ゴブさん達を足止めします

動けなければ近づいてこれませんし
回避行動も取れませんから
いい的になるのではないでしょうか
皆さんに片っ端から倒していただきましょう

ゴブさんたちも
おそらく
アカダルマさん達の都合の良い道具として
作られた存在なのしょうね
せめて海へ還すことで
アカダルマさんからの解放と安らぎを送りましょう

戦闘後も演奏を突けて勝利を祝います
これはまたゴブさん達の旅立ちへ
贈る曲でもありますよ

皆さん
お疲れ様でした


叢雲・凪
POW

「イヤッーー!!!」

決断的なトビゲリ・アンブッシュ。

「ドーモ」 
(礼儀作法+威圧+覇気)を用いたアイサツを断続的にしつつも攻撃を続ける。
1体の頭が爆散!

「ジンライ」
2体目の心臓が陥没!

「フォックスです」
決断的眼部スパークと共に大鎌めいた回し蹴りで3体目の上半身がサヨナラ!

「ゴブリンタイプは何度か別世界で相手しているが…この物量は初めてだな」
『スシを食ったことがあるか?』に匹敵するほど猟兵にとって王道な相手である

ボクのような足を使った高速移動に面攻撃は非常に分が悪い
なにより危険視するべきは…
囲まれる事!

「背中を預けて良いかな?」

近場の猟兵に背中を預けボクも相手を守る様に背中合わせになる。両腕を正面に突き出しカラテの構えを変える。叢雲流ジンライカラテ:陰陽の型である

「こいつらは【海】と同じだ。下手に踏み込めば飲まれる」

摺り足かつミニマルな可動範囲のカラテに切り替える。

「幸い 戦略やコンビネーションを使う知能は無い様だ」

「長丁場を覚悟してほしい。付き合ってくれるかな?」(背後の猟兵に対し



 猟兵達の活躍により、かなりの数のバイオゴブリン軍団を殲滅できている。
 あと一押しで全滅へ追い込めるという場面で、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は村の若衆と結託するべく、アカダルマファーマシー最後の秘境リゾート開発工事現場からすぐそばの洞窟で作戦会議を行っていた。
「イコロマさんをご無事に送り届けることができてホッとしました。そして、これからが本番ですね村の皆さん、私と一緒に土地を守り抜きましょう」
 戦闘の大部分は箒星が担当するので、若衆は箒星が撃ち漏らした敵にトドメを刺すだけだ。
 大まかな立ち回り方を頭に叩き込んだら、箒星は洞窟の外へ出て指笛を吹いた。
「それではランさん、工事現場までお願いします。村の皆さんもよろしければ、ランさんの背中に乗ってくださいね」
 箒星の影から体長5mのメスのメカジキが飛び出すと、空中をスイスイと泳ぎ出す。
 その背に箒越しがひょいとまたがると、まるでカウボーイが操る馬のようにピタッとその場で停止させた。
「走ってゆくよりも楽ちんで早いですよ~」
 若衆はおっかなびっくりで巨大な空飛ぶメカジキの背中に乗ると、猛加速する推進力に思わず声を上げてしまった。
「このまま工事現場へGo!です! 突撃です!」
 箒星はいつの間にか竪琴を小脇に抱えると、勇猛果敢なメロディを奏でて鼓舞してみせる。
 そしえこのメロディ自体がユーベルコードとなって、輝く五線譜のと音符に変わって敵を吹き飛ばす弾丸となるのだ。
 工事現場のフェンスを虹色に輝く五線譜で吹き飛ばすと、ランさんがフェンスに出来た穴へ目掛けて飛び込んでいく。
 そして背中に乗った若衆が飛び降りると、押し寄せるバイオゴブリン軍団を剣や斧で叩きってみせた。
「皆さん、その調子です。私もバックアップしますよ~」
 戦場を彩る高速アルペジオは、まるでロックギターのように激しい旋律を奏でてゆく。
 燃え上がるような熱いメロディが輝く五線譜と音符の弾幕となって、波のように押し寄せるバイオゴブリン軍団を何度も弾き飛ばしてみせた。
 と、そこへ響くカラテシャウト!
「イヤッーー!!!」
 黒雷を纏った決断的なトビゲリ・アンブッシュ!
 直撃したバイオゴブリンの頭が売れたトマトめいて容易く潰れる!
「ドーモ」 
 バイオゴブリン軍団の連続攻撃を前に、古式に倣った奥ゆかしいアイサツを断続的にしつつもスウェイ回避!
 そして回避行動中にローリングソバットを繰り出すワザマエを見せた!
 バイオゴブリン1体の頭がタマヤ・ハナビ・インシデントめいて爆散!
「ジンライ」
 直角オジギで下げた頭の上をバイオゴブリンの石斧が通過!
 カウンターの貫手で2体目の心臓が刺突で破壊!
「――フォックスです」
 一瞬の沈黙はゼンめいてワビサビを感じさせつつ、決断的眼部黒雷スパークと共に大鎌めいた回し蹴りで3体目の上半身がオタッシャする!
 叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)ことリアルニンジャ【ジンライ・フォックス】は、アイサツなど意に介さない蛮族共相手でもニンジャの脅威字を示しつつカラテを発揮してみせたのだ。
 ゴウランガ!
「本能の赴くままに暴れるケモノめ。ゴブリンタイプは何度か別世界で相手しているが……この物量は初めてだな」
 ジンライ・フォックスは脳裏にコトワザ……『スシを食ったことがあるか?』を思い浮かべる。
 チャメシ・インシデントに食するスシの数など、本人でさえも知る由もない……つまり、それほど匹敵する物量相手をけしかけるのは、対猟兵として王道な戦術である。アカダルマファーマシーも何度も辛酸をなめさせられてはいないという事だろう。
 そしてジンライ・フォックスにとっては、この物量こそが鬼門であった。
(ボクのような足を使った高速移動に面攻撃は非常に分が悪い。なにより危険視するべきは……囲まれる事!)
 まさに囲まれて棒で叩くバイオゴブリン軍団は、群れれば群れる程に脅威となる。
 故に、ちょうど空飛ぶ魚に跨る黒猫ケットシーを視界にいれるやいなや、ムーンサルトバク宙で敵の大群を乗り越えて合流を果たすジンライ・フォックス。
「背中を預けて良いかな?」
 見たところ、黒猫ケットシーこと箒星は何度か過去の任務ですれ違っている。
 その実力も間近で見たこともある。
 熟練の猟兵相手なら、ここは共闘するべきだとジンライ・フォックスのニンジャ・ニューロンが結論付けたのだ。
 これに箒星は勇壮な楽曲を奏でながら即答する。
「勿論です。サポートはお任せください」
 光の五線譜や音符で味方を癒しながら、巻き付く五線譜やチカチカ眩しい光の音符、音波の衝撃でバイオゴブリン軍団を押し退けてゆく箒星。
 ユーベルコード『シャンテ・フェスティヴァル』は、彼の新たな力としてこの場で十全な働きを見せてくれている。
 おかげでジンライ・フォックスも被弾覚悟で強行突破が可能になる。
「こいつらは【海】と同じだ。下手に踏み込めば飲まれる」
 ジンライ・フォックスは大振りな一撃ではなく、素早くコンパクトな連撃を繰り出すカラテの構えを取った。
 ユーベルコードでもあるカラテ……叢雲流ジンライカラテ:陰陽の型である!
「幸い、戦略やコンビネーションを使う知能は無い様だ」
 両腕を正面に突き出し、片方ずつに黒雷と白雷を放出させて陰陽を独りで体現してみせた。
「つまり、この戦いは長丁場を覚悟してほしい。付き合ってくれるかな?」
 背後で竪琴を掻き乱す箒星へジンライ・フォックスは問うた。
 これに箒星は再び即答した。
「勿論です。私のユーベルコードで動けなければ近づいてこれませんし、回避行動も取れませんから。ニンジャさんのいい的になるのではないでしょうか。村の皆さんにも片っ端から倒していただきましょう。それにゴブさんたちもおそらく、アカダルマさん達の都合の良い道具として作られた存在なのしょうね……せめて、骸の海へ還すことでアカダルマさんからの解放と安らぎを送りましょう」
「奇遇だな。ボクもあいつらを一体とて生きて帰すつもりはない」
 ジンライ・フォックスの眼光にオニが宿る!
「オブリビオンは……ゴブリンは殺す。慈悲はない」
「私は慈悲を持って、ゴブさん達を送り還しましょう~」
 その合意のコンマ1秒後、白黒の雷と輝く五線譜が秘境の森の中を縦横無尽に駆け巡っていった。
「イヤーッ! イヤーッ! イイヤアァァァァーッ!!!」
 あまりにも素早い残像が、バイオゴブリン軍団を仕留めてゆくコマ送り映像めいた光景を映し出す!
 まさに電撃の煌めきと化したジンライ・フォックスは、森の中にバイオゴブリン軍団の血液の雨を降らせてゆく。
 そして箒星は奏でる楽曲を鎮魂曲へ切り替えてみせる。
「これは勝利を祝う曲でもあり、またゴブさん達の旅立ちへ贈る曲でもありますよ」
 もはや形勢は決した。
 敗走するバイオゴブリン軍団の背中に無慈悲なポンパンチがショットガンめいた手数で撃ち込まれてゆく!
「この秘境から逃げて帰れると思うな……ハイクを詠むニューロンは果たしてあるか疑問だがな」
「こっちは片付きましたよ、お疲れ様でした~」
 箒星の勝利宣言で若衆が湧きたつ。
 その陰で、ジンライ・フォックスが最後のバイオゴブリンの顔面をカラテで粉砕して、本当に殲滅を完了させたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『秘境の村にお邪魔します!』

POW   :    貴重な自然素材の料理を味わう

SPD   :    秘境の人々が喜びそうな武勇伝を語る

WIZ   :    逆に秘境の人々に話を聞く

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 かくして、アカダルマファーマシーが派遣したバイオゴブリン軍団の脅威は完全に去った。
「ありがとうございます……! 外へ助けを求めて、正解でした……!」
 村長と娘のイコロマが頭を下げて泣いていた。
 と、ここで疑問が残る。
 何故、外界と交流を断っていたこの秘境で、外へ助けを求めたのだろうか?
 この疑問にイコロマが答えてくれた。
「こっちよ。来てください」
 イコロマが案内してくれた先には、小さな神殿が建てられていた。
 その中へ猟兵達が踏み込むと、そこにはなんと……ノートパソコンが祀られていた。
「これがこの村の御神体よ。これさえあれば、猟兵の皆さんの活躍がいつでも見られたのです」
 どうやら廃棄されたオーバースペックなノートパソコンが何の因果か秘境へ流れ着き、ご神体として崇められ、運よくライブストリーミングで猟兵の活躍を配信者が紹介しているのを視聴したのだろう。
 調べてみると、バッテリーは不要で太陽光さえあれば長時間電源が確保できるというやべー性能であった。
 挙動もサクサクで通信速度も6Gとかの次元ではない。10Gくらいありそうだ……!

 と、ここでイコロマが目を輝かせて尋ねてきた。
「ねぇ? 折角だし、本物の猟兵の活躍話を聞かせてくれる? 今日はこの神殿で宴会を行うから、その時に武勇伝を語ってよ!」
 イコロマだけではなく、いつの間にか集まってきた村人達にもせがまれる猟兵達。
 宴会が始まったら、何か話さないとこれは返してくれなさそうだ……!
 さて、どんな武勇伝を語ってあげようか?
スイート・シュガーボックス
ディオちゃん(男の娘形態)と一緒に宴会にお呼ばれしちゃったね。
「え〜?ウチとスイート君のぶゆ〜伝を聞きたいって〜?しょうがないにゃあ、んじゃウチらの出逢い編から…あれはウチの遺跡の壁をスイート君がぶち破ってきて……。」
ディオちゃんが『豊穣葡萄』で村中にお酒を配りながらお話を始めたから、俺はおつまみのお菓子を作るぞッ!

村の台所を借りて、せっかくだから秘境で採れた果物を使った…そう、パウンドケーキを作ろうッ!
ついでに村の人達だけでも作れるようにレシピも書いとこう。

「そうしてウチとスイート君は夜空の下、ピザとお酒を手にズッ友の誓いを…」
皆ー!おやつが出来たよーッ!


【技能・料理】
【アドリブ歓迎】



 スイート・シュガーボックス(おかしなミミック・f41114)とその|相棒《ズットモ》の幻惑神機『ディオニュソス』(男の娘ギャルのすがた)は、秘境の森の村で大歓待を受けていた。
 そこで彼らはこれまでの任務の中で印象深かった事を、武勇伝として村人達へ語り始めた。
「え〜? ウチとスイート君のぶゆ〜伝を聞きたいって〜? あ、ウチの権能で出てくる赤ワイン、美味いっしょ? テン上げ爆上げっしょ? フリーお代わりだから遠慮せずに言えし!」
 空中に浮かぶ神器『豊穣葡萄』の大小色とりどりの宝珠からじょろじょろ~と赤ワインが盃に注がれてゆく。
 イイ感じに村人達が酔っ払って上機嫌になった頃合いを見計らい、ディオニュソスは芝居がかった口調で語り始めた。
「しょうがないにゃあ、んじゃウチらの出逢い編から……チャプター1……『邂逅、迸る衝撃』編……あれは、気が遠くなるほどの年月を寝ていたウチの遺跡の壁を、いきなりスイート君がぶち破ってきて……」
 クロムキャバリアのジャパニアという小国家、その遺跡の中から復活した幻惑神機ディオニュソス。
 スイートの外にも様々な猟兵達がディオニュソスを修復し、外敵から守り、今、こうしてスイートと共に外の世界での冒険を毎日満喫している。
「……それで、ウチはスイート君の作った料理に惚れ込んでからはビビビーッってきてさ! もう~すきピ! ズッ友! って思えて! だからウチはスイート君を選んで、冒険をすると決めたってワケ! で、次がチャプター2……『新天地、駆け巡る彩り編』……!」
 少々誇張はあるものの、まるで吟遊詩人のように朗々と語り上げるディオニュソスに、村人達は目を輝かせて喜んだ。
 一方、肝心のスイートはというと、村長の家のキッチンを借りて、外の世界のおやつを焼き上げている真っ最中である。
「せっかくだから秘境で採れた果物を使った……そう、パウンドケーキを作ろうッ! きっと喜ぶねッ! ついでに村の人達だけでも作れるように、レシピも書いとこう。万が一、文字が読めない場合も考えて、図解も添えてあげよう! 一応、小麦粉とか必要な材料も分けておいた方がいいかもッ?」
 気配りができるミミック、それがスイート・シュガーボックス。
 この心配りがディオニュソスの感情を揺り動かし、共に行動させる大きな根拠となったのだろう。
 そんなディオニュソスはチャプター2がちょうど語り終えるところであった。
「そうしてウチとスイート君は夜空の下、ピザとお酒を手にズッ友の誓いを……」
「皆ー! おやつが出来たよーッ! 秘境で採れた材料をふんだんに使った、スペシャルなパウンドケーキだッ!」
 村人達は生涯で初めてのケーキなる食べ物に興味津々の様子。
 ディオニュソスの語るスイートの料理の腕前を聞いていたから、猶更のこと食いつきがよかっただろう。
 こうして、スイートお手製のパウンドケーキは、村人達はおろかディオニュソスも大満足の出来映えであった。
「うんまぁっ! やっぱスイート君しか勝たん!」
「ありがとうッ! これからもよろしくね、ディオちゃん!」
 互いの友情も、より一層深まったようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ダーティ・ゲイズコレクター
では私が魔王を名乗るきっかけをお話ししましょう!

私の故郷は魑魅魍魎が跳梁跋扈する残虐非道で冷酷無比な世界でして
その中で私は無力で無才な最底辺のへっぽこ悪魔でした!

しかしある日自分には特別な力が生まれたときから備わっていることに気付き
その力を以て数多の悪魔を恐ろしい罠に陥れ沈めることに成功したのです!

つまり誰しも特別な能力は持っていて、それに気づき有効に使えば
大きなことを成し遂げることもできるということです!

いかがでしたか!?もっとお話しが欲しいのでしたら私に視線お願いします!



「では、私が魔王を名乗るきっかけをお話ししましょう!」
 ダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)は声高らかに宣言すると、村人達の注目を集めさせた。
 彼女は人々の視線が集まる事でテンションが高まるのだ。
「私の故郷は魑魅魍魎が跳梁跋扈する残虐非道で冷酷無比な世界でして、その中で私は無力で無才な最底辺のへっぽこ悪魔でした!」
「そんな馬鹿な……」
「あれほどのご活躍された猟兵様が、へっぽこなどと。ご謙遜を……」
 村人達はなまじダーティの活躍ぶりを若衆から聞いているため、とても信じられないと言いたげに頭を振ってみせた。
 だが、ダーティはその反応は織り込み済みだと言わんばかりに、感情をこめて芝居がかった仕草と口調で語り始める。
「しかし! ある日、自分には特別な力が生まれたときから備わっていることに気付き、その力を以て数多の悪魔を恐ろしい罠に陥れ沈めることに成功したのです! その能力とは……!」
 わざと言葉を溜めて、自身に視線を集中させるダーティ。
 十分な溜めが出来たら、彼女は自身に向いた視線を変換し、自身に向いた赤紫色の矢印へと可視化したオーラを具現化してみせた。
「そうです! 他人の視線を一身に浴びることで、私のゲイズ・パワーは開花したのです! つまり! 誰しもが特別な能力は持っていて、それに気づき有効に使うことが出来るならば、大きなことを成し遂げることもできるということです! そう! 皆さんにだって、必ず秀でた能力を必ず思っているのです! 今は自覚がなくとも、修練を怠らずにいれば窮地を救ってくれるでしょう!」
 ゲイズ・パワーを自在に操ってみせるダーティの説得力は、村人達を熱狂させていった。
「いかがでしたか!? もっと私のお話が聞きたければ、是非とも私へ皆さんの視線をお願いします! それが私、ダーティ・ゲイズコレクターの力の根源なのですから!!」
 ゲイズの熱い武勇伝を聞いた村人達は、これからは毎日身体を鍛えようと心に固く誓うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シモーヌ・イルネージュ
武勇伝が聞きたいって?
いいよ。

ついこの間はザナドゥの賭場でイカサマして大儲け。
そのあとでニンジャを相手に大立ち回りしたばかりだよ。
ニンジャはここに来たバイオゴブリンとは違って、腕も立つし頭もいいから危険な存在だよ。

そんなニンジャたちとの戦いを身振り手振り、時には実演しながら、披露しよう。
嘘はいけないけど、宴会だから、場が盛り上がれば多少誇張してもいいかな。

せっかくの戦勝の宴だから楽しくやろう。



 シモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)は大きな木の器に盛りつけられたフルーツの山に手を伸ばしながら、村人達の要望に応えることにした。
「武勇伝が聞きたいって? いいよ。何から話そうか?」
 村人達はわくわくしながらシモーヌの前に横一列に並ぶと、どんな話が聞けるだろうかと目を輝かせた。
 シモーヌは考える。
 彼らは自分達の住むこの世界以外にも世界があることを知らないだろう。
 故にサイバーザナドゥ以外の世界の話をしても、とっつきにくいかもしれない。
 ならば、話すべき内容は必然と決まっていった。
「ついこの間はザナドゥの賭場でイカサマして大儲け。そのあとで、ニンジャを相手に大立ち回りしたばかりだよ。知ってるか? ニンジャっていうのはここに来たバイオゴブリンとは違って、腕も立つし頭もいいから危険な存在だよ」
「ニンポ! ニンポするぞ!」
 子供が無邪気に合掌したまま、恐らくノートパソコンでのストリーミング映像で見たであろうアニメーションニンジャキャラの真似をしてみせる。子供は飛んだり跳ねたりして、ニンジャキャラの台詞を真似していた。
「逆だったかもしれねぇ!」
「おや、よく知ってるな。けど、実際のニンジャはもっと怖いぞ。例えば……いきなりカタナで背後からズバーッって斬りかかってきたりな?」
「エッ! コワイ!」
「そうだ、ニンジャはコワイ。他にも……」
 シモーヌは当時の戦闘の様子を忠実に再現しはじめた。
 勿論、自身の武器を実際に抜いて、演舞のように勇壮かつ美しくその場で仮装ニンジャと戦ってみせる。
「その時、アタシはユーベルコードで敵をひと思いに斬り伏せてやった。これがトドメになったんだ」
「すごい、すごいすごい!」
 ニンジャの真似をしていた子供は大喜び。
 勿論、大人もシモーヌの演舞を観て拍手を送っていた。
「はは、喜んでくれたのならよかった。さあ、せっかくの戦勝の宴だから楽しくやろう。しかし、この青い果物、本当に美味しいな。見た目は……真っ青すぎて気色悪いけど」
 恐らく、これが骸の海を浄化する植物から採れた果実なのだろう。
 シモーヌは食べる度に身体の中から清浄なパワーが湧き上がるのを感じていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

桃枝・重吾
アドリブ絡み歓迎

■心情
聞き取りと簡易スキャンの結果。
梵ちゃんのブラックボックスには雑に記憶とかその時要らなくなった感情とかまで封印されてたのか…
取り敢えずであれこれイジられる方の身になってもらいたいよね。
【マスター!|アレ《UC》お願いします。
この世界のモフ復興の地になるここの皆さんにはシヴァラヤの目指す打倒叡智王を啓かなければ!】
叡智王が誰か気づいてないからまだ良いけど
やっぱり、お祓い必要かも?

■交流
【シヴァラヤの伝承によると、ある夜叡智王はうさ耳を雑に付けて現れ「こういうな好きなんでしょ」といいやが…】
外来種とかありえないから、
こちらの人のお料理とか植生の事とか、お話してサンプルも採取しよ



「……うん、なんとなくだけど分かったよ」
 桃枝・重吾(|スペースデコトラ使い《XLスペース食べ歩き道中》・f14213)は相棒兼従業員の巨神『梵天丸』を総点検し、ひとつの答えに辿り着いた。
「梵ちゃんのブラックボックスには、記憶とかその時要らなくなった感情とかまで雑に封印されてたのか……取り敢えず、あれこれイジられる方の身になってもらいたいよね」
【マスター! アレお願いします。この世界のモフ復興の地になるここの皆さんには、シヴァラヤの目指す『打倒、叡智王!』を啓かなければ!】
 そう息巻いてクマ獣人モードの姿で憤慨する梵天丸。
 しかし、彼の言うところの叡智王とは、某猟兵の相棒の事を指すのだが……。
(梵ちゃんは気が付いていないみたいだけど……やっぱり、お祓い必要かも?)
 やれやれと肩を竦める重吾はユーベルコード『|極秘作戦МFHO《モフりだしたおせえいちおう》』を発動してみせた。
「リミッター解除……梵ちゃんの出力を毛並みに集中させるよ」
【うう、眠い……Zzz】
「さあ、これこそが神を凌駕するためのモフモフ、モフって、いいんだよ……」
 突如、クマ獣人モードの梵天丸がモフモフふわふわな巨大毛玉に大変身!
 秘境の村人は、恐らく未知なるモフモフとの遭遇におっかなびっくりな様子だったが、いざその毛並みに飛び込めば、誰もがうっとりと目を細めてしまう。
「あっ、これ……すごい、ふわふわ……!」
「ふわふわっ! ふわふわ……!」
「とってもふわふわだ……!」
 こうして、次々とモフモフふわふわを村人達への啓蒙を成功させた重吾と梵天丸。
【シヴァラヤの伝承によると、ある夜、叡智王はうさ耳を雑に付けて現れ「こういうな好きなんでしょ」といいやが……】
「いや、外来種とかありえないから」
【アッハイ】
 重吾の圧に梵天丸は分からされてしまった。
「さてと、こちらの人のお料理とか植生の事とか、ちょっとお話してくるね。もしもらえたら、ここの草花をサンプルとして採取させてもらおうかな」
 重吾は持ち前の営業スキルをもって村人達の輪の中へ飛び込み、見事に骸の海を浄化するとされる花を1株譲ってもらえたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シルキー・アマミヤ
とりあえず、『ロボットビースト』数機と『撮影配信ドローン“ことりちゃん”』を周辺に出して警戒させておくよ★念の為の偵察と残敵掃討の為だね★

で、武勇伝かー★まあ猟兵としての活動はほぼこの世界でだし、何度か同じく猟兵の配信者さんとご一緒もしてるからいくつかはもう見てるんじゃないかな★
(あくまで自分からは詳細情報は漏らさない。別に他者がしゃべるとか、動画で流れてるのは止めないので、機密保持というよりは「口が堅いよ」っていうアピールに近い感じ)
そ・れ・よ・り~、ほらほら、シルキーちゃんが飲み物注いで上げるから、飲んで飲んで★
(UC。まあ24時間以内に致命傷負うような事態にはならないと思うけど)



 シルキー・アマミヤ(何でも屋のシルキーちゃんだゾ★・f36571)はただ一機だけ、この宴会に憂慮を抱えていた。
「みんなが飲んだくれてる間に、アカダルマファーマシーの援軍が遅れて到着しちゃったら大変だぞ★」
 過剰な警戒心ではあるが、それでもシルキーは秘境の村の周辺に自身の武装ユニットやロボット軍団を配備させて回っていた。
「とりあえず、『ロボットビースト』数機と『撮影配信ドローン“ことりちゃん”』を周辺に出して警戒させておくよ★ 念の為の偵察と残敵掃討の為だね★」
 気が済んだシルキーは、いそいそと宴会会場へ戻っていった。

 宴会では、猟兵達が自分の活躍した任務や思い出に残る戦いなどを語っていた。
 そんな中、やはり警戒心を露にしていたのがシルキーだった。
「武勇伝かー★ まあ猟兵としての活動はほぼこの世界でだし、何度か同じく猟兵の配信者さんとご一緒もしてるから、いくつかはもう“御神体”を通してみんなは見てるんじゃないかな★」
 シルキーは自ら個人情報を漏洩するような真似はしない。それはシルキーが頭脳戦車という自立思考型AI戦闘機というあり方からすれば正しい。しかし、それを踏まえた上でディスコミュニケーションに陥るのは致し方なかった。
(そもそもみ~んな、口が軽すぎだぞ★ 自慢話とか機密保持の観念からしたら信じられな~い★)
 やはり人間とは異なる思考基盤を持つ頭脳戦車、それがシルキーである。
「そ・れ・よ・り~、ほらほら、シルキーちゃんが飲み物注いで上げるから、飲んで飲んで★」
 ユーベルコードで生成したサイバー感あふれる謎の栄養ドリンクを村人達に進めてゆくシルキー。
 それを飲んだ村人達は、身体からオーラを放ち始めて活力に満ち溢れてゆく。
「どうかな★ 翼を授けることはできないけど、モンスターみたいな野生を感じられるはずだよ★」
「「うおおおおっ! 24時間戦えそうだ!」」
 謎の栄養ドリンクを摂取した村人達は、この日、一睡もせずに歌い踊り明かしたという……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイ・ノルマレイス
【POW】
うーん、ボクの猟兵活動って言っても、悪いラングスクイード(イカ)とか、悪いパルニーとか、悪いデータドレイナー(全部GGO世界のバグプロトコル)をやっつけたりとかしかないですー
それに、武勇伝って程すごくもないですよー?ボクはわたわたしてたり、味方を回復したり、ご飯を食べたりしてただけですよー

それより……ごはんを奢ってもらえるのならぜひ貰いたいですー
実はボクの(NPCとしての)本職は回復役兼戦闘支援役なんですけど、頼ってくれる人がいないのでお仕事が基本ないんですー。だからこういう機会は極力逃したくないのですー

え?さっき食べただろって?んー、それでもお腹はすくですー
※アドリブ等歓迎ですー



 アイ・ノルマレイス(知らない記憶、胸に空いた奈落・f41788)は少々困惑していた。
 秘境の村の人々から、アイのこれまでの活躍を教えてくれと問われた際に、彼女はふと思ったのだ。
「ボクは確かに猟兵ですが基本NPCなのですよー。それに役割も回復役兼戦闘支援役なので、みなさんが期待するような派手な冒険はあんまり持ち合わせてないのですー」
 とは言いつつも、アイは指折りながら最近の任務(クエスト)をぽつぽつと語り出した。
「うーん、ボクの猟兵活動って言っても、悪いラングスクイードとか、悪いパルニーとか、悪いデータドレイナーををやっつけたりとかしかないですー。あ、これら全部、ゴッドゲームオンラインっていうオンラインゲームのバグプロトコルばかりですー」
 ゲームの概念を知らない村の人々は、みな首を傾げてしまう。
 アイは気にせずに謙虚さをアピールし続けた。
「それに、武勇伝って程すごくもないですよー? 大抵ボクはわたわたしてたり、味方を回復したり、ご飯を食べたりしてただけですよー」
 ……いや、さっきも肉を食べただけで幾多のゴブリンを薙ぎ払っていたわけだけれど。
 アイはユーベルコードで召喚術のようなことが出来たりするので、本人の行動とは裏腹に戦闘力が実は高いのだけれども。
 当の本人は謙虚に首を横に振るばかりだった。
「それよりも、ごはんを奢ってもらえるのならぜひ貰いたいですー。先程も言いましたが、ボクはNPCで本職は回復役兼戦闘支援役なんですけど、何故かGGOでは誰も頼ってくれる人がいないのでお仕事が基本ないんですー。だからこういう宴会の機会は極力逃したくないのですー。ぼっち飯回避ですー」
 そう告げると、アイは熱々の巨大リスの丸焼きにかぶりついた。
「脂身のない濃厚な赤身肉の滋味が口の中に広がっていくですー。この森の美味しい木の実を食べているからでしょうか、獣独特の臭みが全くないですー。レビュー五つ星獲得ですー」
 リスの丸焼きを大層お気に召したアイは、串に刺して焼かれているリスをもう一本手を伸ばす。
 そこへ子供がやってきて、無邪気にアイへ問い掛けた。
「おねえちゃんって食べてばっかりだけど、どうしてお腹いっぱいにならないの?」
「あ、こら!」
 両親らしき男女が子供に駆け寄り、頭を下げながら遠ざかってゆく。
 多分、大人はアイへのツッコミを我慢していたんだろう……この子、さっきからめっちゃ食うじゃんって……。
「え? つまり、さっき食べただろって言いたいのです? んー、それでもお腹はすくですー」
 2つ目のリスの丸焼きを歯で食いちぎるアイは、村の人々に調理法を聞き出すほど気に入ったようであった。
「牛でもブタでもなく、締まった身の触感と旨味の強さが癖になるですー」

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィア・フルミネ
カシム(f12217) と参加

改めてありがとうイコロマ。キミの頑張りで守れた花があった。キミは守られるだけじゃない。立派な守る側の人
武勇伝? うちの人はそういうエピソードがたくさんあるから。うん。だからなんでも聞いて。え? 私?
そうね。『アカダルマファーマシー』とそこから脱出した少年、立役者の運び屋の話。私たちも共に戦ってその度に勝って生き残ってきた。荒事も、潜入調査もそれこそ何度も行って……この話楽しい? 私、口下手だから自信がない。楽しめてもらえるのならいいのだけど

困った時はいつでも私たちを頼って。
あれが御神体? 確かに見ようによっては神々しい、かも。
たまには一杯くらいいいかもしれない。乾杯


カシム・ディーン
同行
フィア(f37659

ひゃっはー!宴会だー!
「ひゃっはー☆天然物のすごいの出てくるぞ☆」
基本的にはどんなものも美味しくいただきます!
僕の武勇伝…めちゃくちゃ多いから数えきれないが…アカダルマ共との戦いと…そうだな…フィアと一緒に闇の種族との戦いがいいか

どちらもフィアのカッコいい活躍満載だ!心して聞けよ!

「フィアちゃんあーん☆それじゃメルシーはジャパニアの物語を語るんだぞ☆」
あの話し地獄めいてないか…?

そういやこの神殿って何かの神様を奉ってんのか?折角だからこの神殿のルーツを聞かせてくれよ

こうしてご飯とジュースを堪能

「メルシーはお酒貰おうかな☆フィアちゃんも飲もう☆」
フィアと一緒にお酒を楽しみ



 今回の任務は、村長の娘であるイコロマの勇敢な行動がなければ始まらなかった。
 そして猟兵の誰よりもイコロマに心を寄せたのはフィア・フルミネ(|麻痿悲鳴《まいひめ》・f37659)ただひとりであった。
「改めてありがとうイコロマ。キミの頑張りで守れた花があった。キミは守られるだけじゃない。立派な守る側の人」
 魂人の死蝋めいた白く、そして半透明な手がイコロマに差し出される。
 イコロマもその手と握手を交わし、笑みを浮かべた。
「フィアさんこそ、私の痛みを肩代わりしてくれてありがとう。勿論、猟兵の皆さんにも。でなければ、私は骸の海で汚染された外界の重金属スモッグを吸って死に絶えていたわ」
「ひゃっはー☆ イコロマちゃんが元気になってよかったぞ☆」
「よっしゃ! 宴会だ! おいメルシー! フィア! 飲んで食って騒ぐぞ!」
 一方、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)と相棒のメルシーは、既に宴会でどんちゃん騒ぎを開始している。
「ひゃっはー☆ 天然物のすごくすごいの出てくるぞ☆」
「うっま! 珍しい木の実だな? 見た目がケミカルブルーで食欲が減退するが、中のゼリー状の実がめちゃくちゃ美味いな!」
「ご主人サマ、大丈夫? それ、ヘルヘイムの果実だったりしない?」
「うおお……なんて美味そうなんだ……って、ここに来てあるわけねーだろっ?」
「てへぺろ☆ 宴会ジョークだぞ☆」
 既に盛り上がりすぎてカオスな状態である。
 と、ここで猟兵達の武勇伝について聞かれると、まずはフィアから語り出した。
「武勇伝? うちの人はそういうエピソードがたくさんあるから。うん。だからなんでも聞いて」
 恋人のカシムへ話を振るフィアだが、村の人々の反応はずっとフィアに向き続けている。
 なので、ようやく話題の矛先が自分に向けられている事にフィアは気付いた。
「え? 私? 私でいいの? そう。そうね。『アカダルマファーマシー』とそこから脱出した少年、立役者の運び屋の話。そしてアカダルマファーマシーを裏切り、愛する少年を守るために仲間を集ったサイボーグの紳士の話。私たちも共に戦ってその度に勝って生き残ってきた。荒事も、潜入調査もそれこそ何度も行って……」
 それは|抵抗組織《レジスタンス》『メサイア』を組織した中心人物たちの事を指す。
 量子コンピュータークラスの脳機能演算によって願望を現実に叶えて引き寄せる異能者の少年ブラド。
 巻き込まれた異質な不運属性だが、どんな状況下でも必ず生還できる幸運を持つ『運び屋』エンリケ。
 実験対象者に家族の愛を見出し、この世界と戦う覚悟を決めたリーダーことリアム・フォスター。
 彼らとの共闘は、フィアも深く関わってきた任務であった。
「……この話、楽しい? 私、口下手だから自信がない。楽しめてもらえるのならいいのだけど」
「大丈夫ですよ、フィア。みんな喜んでます。それじゃ、お次はこの天ッ才魔術盗賊のカシムさんと……」
「その相棒の完璧で究極で叡智なメルシーの冒険活劇譚だぞ☆」
 その話の半分は、なんとフィアとの馴れ初めだった。
 ダークセイヴァーでフィアとカシムが共にした激戦の数々、その中で育まれていった互いの愛情……!
「そして、ここからがフィアのカッコいい活躍満載だ! 心して聞けよ!」
「カシム、ちょっと恥ずかしい。それに大げさ。えと、うん。みんな、これからも困った時はいつでも私たちを頼って?」
 カシムの愛を嬉しく思いながらも、衆人環視の前で堂々と語られるフィアはこそばゆくて仕方がなかった。
「照れるかーいいぞ、フィアちゃんあーん☆ それじゃメルシーはジャパニアの物語を語るんだぞ☆」
「おうやめろぉ! ナイスぅ! つかその話、カオスすぎないか?」
「へーきへーき(慢心)」
 こうして、メルシーは古代神機皇国ジャパニアのすったもんだを披露し、村の人々を宇宙ネコ状態にしてしまう。
「ほら見ろ! 話についてこれねーじゃねーか!」
「めんごめんご! というか、パソコンがご神体なんだねー☆」
「あれが御神体? 確かに見ようによっては神々しい、かも」
 三者三葉の反応を示し、彼らは盃を掲げるのだった。
「「乾杯!」」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フリッツ・バーナー
私は|武器商人《ビジネスマン》でありますから
我が社の製品を然るべき方にお売りする事が、恒常的平和の実現への貢献に繋がるものと考えております
しかし我々が販売する製品は、残念ながらここの環境に適した装備であるとは言い難い
故に
自然の地形を活かすゲリラ戦術
秘境で取れる物を使った武器の作り方
この地を守る為の技術をお売りしましょう
対価は……この秘境を強襲した者達と、さしたる違いも無い一企業人にすぎぬ私を信用いただける事
それだけで十分です
(ほぼ全部建前)
(今は秘境とのコネクションの維持を優先)
(我々の都合で戦争を起こし、都合が悪ければ平和を守るのだ)



 フリッツ・バーナー(武器商人・f41014)はかく語りき。
「私は武器商人ビジネスマンでありますから、我が社の製品を然るべき方にお売りする事が、恒常的平和の実現への貢献に繋がるものと考えております。しかし我々が販売する製品は、残念ながらここの環境に適した装備であるとは言い難い」
 フリッツはこんなこともあろうかと、自社の武器カタログを持参していた。
 秘境の村人達にとって、それは見たこともない品々ばかりが掲載されており、フリッツへの質問が相次いだ。
「そちらは装甲車ですね。弊社の装甲車の硬度はロケットランチャーが直撃しても大破しません。最高時速は時速200kmまで出ますが、このような森の中ではそもそも装甲車が奥まで進むことが出来ません。行く先が木々で遮られ、車幅も引っかかるでしょうから」
 村人達は「だったら自分達で戦った方が早い」と笑いだす。
 フリッツはこの瞬間を待っていた。
「ええ。皆さんのおっしゃる通り。故に……弊社は『自然の地形を活かすゲリラ戦術』『秘境で取れる物を使った武器の作り方』など、この地を守る為の技術と知識をお売りしましょう。武器商人の取り扱う品は、何も兵器だけではございませんので」
 それを聞いた村人達は、例えばどんなものがあるんだとフリッツへ尋ねた。
 フリッツは地面に落ちている石を使って、戦術講義を開いてみせる。
「これが陽動作戦。これがいわゆる釣り野伏。そしてこれがトラップを使ったブラフ戦術……どうですか? 真正面から突っ込む事しか知らない皆様にとって、有意義な知識のはずです」
 外界と遮断されてきた村人達は、戦闘技術も未熟であった。
 様々な戦術を目の当たりにした彼らは、フリッツの情報を今日の宴会の供物で支払うと言い出した。
 だが、それにフリッツは首を横に振るではないか。
「いいえ、そちらは受け取れません。対価は……この秘境を強襲した者達と、さしたる違いも無い一企業人にすぎぬ私を信用いただける事。それだけで十分です」
 村人達は物々交換以外の商談がある事すら知らなかった。
 信用取引……村人達は猟兵であるフリッツを固く信用し、技術と知識の提供を受け入れたのだった。
 そんな気前のよい話の裏には、勿論、裏があるわけで。
(今のは全て、建前ですけどね。今、私が重要視すべきは『秘境とのコネクションの維持』。これを維持し続けている限り、同業他社と頭ひとつ抜け出ることが可能……そして秘境を守るたびに恩を売り、我が社への依存度を高めてゆく……いずれ我々の都合で戦争が勃発した際に、彼らは真っ先に力を貸してくれるでしょうから。例えば……オブリビオンフォーミュラの出現の際とかでしょうか)
 猟兵であり企業戦士であるフリッツは、どこまでも強かであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メイ・ナデアウアー
なんでパソコンが御神体になっているのかな?
別の所ではそうじゃなかったのに。

活躍ね…ここと似た所があって、同じように戦ったって所かしら。
あと、ケルベロスディバイドでデウスエクスとかいう連中と戦っている所かな。

宴会なら、なんか食べないと。



 メイ・ナデアウアー(ボクスドラゴンのビーストマスター・f40998)は以前、今回の任務と同じように秘境へ赴いたことがあった。
 そこにも拾われたノートパソコンで、秘境の人々は外界の様子をライブストリーミングで見ていたのだ。
 でもここでは拾われたノートパソコンが、神殿の中で御神体として祀られている。
 この事にメイは首を傾げていた。
「なんでパソコンが御神体になっているのかな? 別の所ではそうじゃなかったのに」
「なんと。我々のような暮らしをする方々が、他にもいるのですか?」
 村長はよもや秘境が他にも存在していたことを知らなかった。
 メイの話を聞くと、しばし思案に暮れる村長。
「恐らく、モノの捉え方でしょう。そちらの秘境の方々は、単に道具として扱い、我々は知恵の神様として崇め奉っている。その差かと」
「なんでパソコンが知恵の神様なの?」
「メイ様……我々にとって、外界の情報を授けて下さったこの道具は神同然に尊ぶべき存在。あなたがどう思うかはご勝手ですが、どうか我々の考えも汲み取ってくださいませ。御神体がなければ、外界に助けを求めることが出来ませんでしたのですから、御神体は村の窮地を救ったも同然です」
「ふーん」
 しかし、メイはさほど興味はなさそうだ……。
「宴会なら、なんか食べないと」
 そう呟くと、用意されたご馳走を手当たり次第に平らげ始める。
 あまりにも一心不乱に食べ続けるので、若者が宴会が気に入らないのかと不安そうに話を振ってみた。
「メ、メイ様? そういえば、猟兵として今までどんなご活躍をされてきたのですか?」
 これにメイは果物をかじりながら答えた。
「活躍ね……ここと似た所があって、同じように戦ったって所かしら。あと、ケルベロスディバイドでデウスエクスとかいう連中と戦っている所かな」
「ケルベ……? そこは、一体どのような場所なのですか? デウスエクスとは?」
 若者は好奇心をそそられて質問を命に投げ掛けるが、食べ物に夢中になったメイからは一切返答がなくなってしまった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳳凰院・ひりょ
数が多かったが、無事になんとかせん滅出来て何より

なるほど、間接的に俺達猟兵の活躍を知っていたのか…
ん~、武勇伝か…

俺は正直、単独での戦いは決して得意ではない
何か戦闘面で特化したタイプの猟兵じゃないし

ただ、誰かと力を合わせての戦いは得意かもしれない

今まで戦ってきた敵の中でも、超巨大で強大な力を持った敵とも戦った事があったが…
そういう時は、皆で力を合わせてその場を乗り切った

お互いがお互いを補い合うというか…、そういう橋渡しが得意ではあるんだろうな

そういった戦いの中で培われていった交友関係も確実にあるしね

一人で立ち向かえない事も、皆で力を合わせれば状況を打破する事が出来るっていう証かもしれない



「ふう。数が多かったが、無事になんとか全て討伐出来て何より。ありがとう、宴会まで用意してもらって嬉しいよ」
 鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は提供された料理や飲み物に舌鼓を打っていた。
 すると、村人達は御神体……どこからか流れ着いた高性能ノートパソコンから見た姿ではなく、生の猟兵の体験談を聞きたいとせがんできた。
「なるほど、御神体から間接的に俺達、猟兵の活躍を知っていたのか……ん~、武勇伝か……」
 ひりょはしばし黙って逡巡すると、ぽつりぽつりと言葉を紡ぎ始めた。
「俺は正直、単独での戦いは決して得意ではない。何か戦闘面で特化したタイプの猟兵じゃないし。ただ、誰かと力を合わせての戦いは得意かもしれない」
 ひりょは自分が支援型のユーベルコードや作戦行動が得意だと村人達へ伝えると、かつて強大なオブリビオン……例えばシルバーレイン世界での旅団メンバーとの共闘を例にして、こう告げた。
「今まで戦ってきた敵の中でも、超巨大で強大な力を持った敵とも戦った事があったが……それは山のように巨大な相手の場合だってある。果敢に攻め込むみんなを、俺は後方で守りながら支え続けたよ。そういう時こそ、皆で力を合わせてその場を乗り切った。お互いがお互いを補い合うというか……、そういう橋渡しが得意ではあるんだろうな」
 村人達も共闘はすれど、それはここの戦力に頼り切りの力押しだ。
 なので、ひりょのように役割分担で味方の戦闘を支えるという発想に、彼らは目から鱗が落ちた。
「それに、そういった戦いの中で培われていった交友関係も確実にあるしね。一人で立ち向かえない事も、皆で力を合わせれば状況を打破する事が出来るっていう証かもしれない」
 和を以て貴しとなす、そんなひりょだからこそ自ら支援に重きを置いた戦術を好むのだろう。
 そして、そんな彼を頼って人の輪が広がってゆく。
 閉鎖的だった秘境の村の人々にも、ひりょの人の輪が着実に広まりつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
借金返済
何とか勝てたな
ゴブリンは怖かったけどな!

あとぜっちゃんはおめでとうだぞ!
「サ、サートゥルヌスまで参加とか生意気極まりますねっ」(ぐぎぎ

「イコロマさんもご無事で何よりですね!」

…ぜっちゃんのチョコって本当にスゲーんだな…

「テ、テラ…毒されてはいけませんからね!?どう考えてもあれは危険極まりない代物ですから!」
そ、そうだな…と、兎に角おれの武勇伝が聞きたいなら話すぞ

そうだな…(七転十五起MSで参加した依頼の話を語る事にしよう!何故か伝わりやすい気がするぞ

恐ろしい敵は一杯いた…それでも…相手を知り…その戦いかたを理解して分析すればどうにかなるんだぞ

さっちゃんの質問に
うぐ…!ヘカテー…やっぱりあれやりすぎだったんだよ…!
「……ぐぎぎぎぎ…ま、まさか…ぜっちゃんがサートゥルヌスの所に流れるとは流石の私も予想外でしたよ…!」
うん…ちゃんとぜっちゃんに謝らないとな(しおしお

「うぐぐぅ…!恐らく幽霊だった時の記憶は覚えてないでしょうけど…!」
なので改めて土下座。

って熊に殺されたんじゃない…?


皇・絶華
借金返済

TOP出演おめでとうパーティ

という訳でTOPに出れたぞ!ケルベロスブレイド世界でもできなかった奇跡だ!これは嬉しいものだな!
「俺の美少女姿もアピールできたぜ!」(きゃっきゃしてる主従
そして…何故かアカダルマファーマシーの者達は私の話を聞いてくれなかったので倒すしかなかったが…レモンのアドバイスで彼らがもってる資源や資金をゲットできたぞ!(要するに強奪
「くっ…カシムっぽいが仕方ねぇ!」

後は怪我人の治療


宴会
私の武勇伝?
いいだろう…嘗て私は毘盧遮那に圧倒的なパワーを進呈していたのだ
特にチョコを信奉していた毘盧遮那は我がチョコを涙を流し喜び食して解脱していったぞ!
「ひぇぇぇぇ…!」

さっちゃん
こっそりヘカテに絡む
「おいヘカテイア…てめーに聞きたい事がある…てめー…主様に何をしやがった!?」
答えに
「お前…流石に酷すぎね?主様は覚えてないようだが」(どん引き

お前達は何を言ってるんだ…私は確かに殺されかけたが…それは…誰だったかな…ドワーフだったと思っているのだが…やはり記憶は曖昧だな…?



 テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は無事にバイオゴブリン軍団との戦闘に勝利して安堵していた。
「何とか勝てたな……ゴブリンは怖かったけどな!」
「テラなら出来るって信じてましたよ!」
 相棒兼保護者のヘカテイアがテラを優しく抱き寄せる。
 一方、皇・絶華(影月・f40792)はいたく上機嫌であった。
「猟兵代表として、世界情勢を知らせる通達役に抜擢されたぞ!」
「俺の美少女姿もアピールできたぜ!」
 サートゥルヌスも喜びはしゃぐが、もはや男性としても矜持は捨ててしまっていた。
「ケルベロスブレイド世界でもできなかった奇跡だ! これは嬉しいものだな!」
「ぜっちゃんにさっちゃん、おめでとうだ!」
 テラが素直に絶華とサートゥルヌスを祝う傍らで、ヘカテイアだけがイライラしていた。
「くっ……悪食の権化とサートゥルヌスが称賛される日が来るなんて……!」
「ヘカテ! もうさっちゃんとの因縁は水に流せって言われたはずだぞ! 仲良くしなきゃだめだ!」
 テラは去年のクリスマスの大惨事を繰り返したくない一心でヘカテイアへ訴えかける。
 ヘカテイアも契約者の強く詰められては態度を改めざるを得なかった。
「お……お、めでとうですわ、サートゥルヌス~!」
「あいつ……理性と我欲のせめぎ合いで口調が壊れてやがる……そんなに俺を祝うのが嫌なのかよ……」
「そうだぞ、さっちゃんは心を入れ替えたというのにな! まったく、冥界の女王は心が狭いな! パワーが足りないから人を妬むのだな! どれ、私のチョコでパワーを与えて心を豊かにしてやろう!」
「~~~~~~~~!」
 絶華は嬉々としていつもの殺人チョコを手にすると、問答無用でヘカテイアの鼻の穴と口の中にブツをぶち込んでみせたのだった。

「ヘカテ、大丈夫か?」
「おええぇぇぇ……! テラとの魔力回路を切断して正解でした……ああ、なるほど。サートゥルヌスは回診せざるを得なかったわけですか。反抗的な態度を見せれば、これを毎回体内に押し込まれると思うと……おおおうぇっぷ……!」
 こうしてヘカテイアはダウンしてしまい、村の人々に看病される羽目になったのだが……。
「うげぇぇぇ……良薬は口に苦しと言いますけど、この村の煎じ薬もなかなか……でもあのチョコに比べれば!」
 ヘカテイア、今日は災難の日らしい。
「悪人の心を改心させたり、未開の地の薬がマシに思えるなんて、ぜっちゃんチョコってすごいんだな……」
「テラ? 毒されては行けませんよ……? あれは劇薬です……! ああ! チョコが、チョコが!?」
「ヘカテー!?」
 ヘカテイアはSAN値チェックに失敗し、幻覚が見えるようになってしまった……。

 その頃、絶華は宴会の中心で英雄扱いされていた。
 手にしているのは、バイオゴブリン軍団の詰所から強奪してきた金品や貴重品の数々であった。
「何故かアカダルマファーマシーの者達は私の話を聞いてくれなかったので倒すしかなかったが……知り合いの盗賊を見習って使えそうなものを簒奪してきたぞ! さあ、秘境の人々よ、好きなだけ持っていけ! 私の分は確保済みなのでな!」
「くっ……なんだか主様があの野郎に似てきやがる……!」
 そう言いつつ、サートゥルヌスは高エネルギーを発するバイオインゴットに頬擦りしていた。
「ふへへ……! これを持ってると俺の力が増すような気がするぜ……! って主様、それは何ですか?」
 絶華の手には緑色の2つの宝玉が乗せられていた。
「む? これか? これはバイオゴブリンの金の宝珠だ! 彼奴等の身体の一部から採取できたぞ! 聞いて驚け、1個体にたった2個しか採取できない希少なアイテムだ! これを乾燥させて砕いたものをチョコの材料に認定する!」
「とんでもねぇもん採取してきちゃったよ、この主様!?」
 なお、実際に虎の棒とダブルボールを乾燥させた漢方薬が存在するので、繁殖能力が非常に強いゴブリンでも同様な効果が見込める、かもしれない……。
「ふむ、私の武勇伝が聞きたいのか? いいだろう……。嘗て私は、ケルベロスブレイドという世界でビルシャナという鳥の怪物達へ、圧倒的なパワーを進呈していたのだ。特にチョコを信奉していたビルシャナはな、我がチョコを涙を流し喜び食して解脱していったぞ! 何故かその後、肉体は消滅したがな? だが、それほど昇天していったという事だろう!」
「ひぇぇぇぇ……!」
 絶華が昔からやべー奴だったと知ったサートゥルヌスは、消滅したビルシャナ達に合掌せざるを得なかった。

 次に、テラへ質問が相次ぐ。
「おれの武勇伝か……やっぱ……グリードオーシャンで『四の王笏』カルロス・グリードと戦った話かな……?」
 双子の片割れと共に挑んだオブリビオン・フォーミュラ戦。
 未来を見据えて先回りして攻撃と回避を行うカルロスに対して、テラは双子の片割れと共に過去を操る黒騎士の力で対抗した。
 最後は戦場に刻まれた過去の剣閃を具現化してカルロスを切り刻み、どうにか勝利をもぎ取った。
「あれはおれひとりでは勝てない強敵だった……黒騎士は俺が大敗した最初の相手で……おれの目指す存在なんだ。恐ろしい敵は一杯いたが……それでも、相手を知り……その戦いかたを理解して分析すれば、必ず打開策が見えてくるし、どうにかなるんだぞ」
 テラはふと密林の隙間から見える星空を眺めて呟いた。
「なぁ……おれは、お前に近付けているかな……?」

 その頃、サートゥルヌスは寝込んでいるヘカテイアの元へ。
「私を、嘲笑いに来たのですか……?」
「うるせぇ。単刀直入に効くぜ? おいヘカテイア……てめーに聞きたい事がある……」
「な、なんですか……?」
「てめー! 主様に何をしやがった!?」
「あなたは何を言ってるんですか?」
「とぼけんな……! てめぇら……一時期、主様を霊体化して使役していたらしいじゃねぇか!」
 ヘカテイアは目を逸らしてしまう。
 初登場は2021年11月3日、テラとヘカテイアが呼んでもいないのに勝手に現れた謎のイケメン幽霊……それが絶華であった。
 登場した当初からクソマズ漢方薬チョコをオブリビオンへ叩き込んで地獄を展開。
 見かねたテラとヘカテイアが空の彼方へぶっ飛ばしたのだった。
 その後も呼ばれていないのに要所要所で登場し、火あぶりにかけたり除霊したりと、かなり散々な仕打ちをやってきたことを、今になって思いだした。
「いや、あれは半ば私達も被害者でして……! ……ぐぎぎぎぎ……ま、まさか……私が除霊したぜっちゃんが、サートゥルヌスのいる冥界最深部に流れるとは、流石の私も予想外でしたよ……!」
「いやお前さ……流石に酷すぎね? 主様は覚えてないようだが……こう、もっとさ……手心ってもんを知らんのか?」
「……すみませんでした」
「うん、俺に謝られても困るけどさ? まあ、主様は覚えてないし、そんな主様に謝っても意味ねぇし? 謝罪する気持ちがあるって知れただけで十分だわ……つかさ? 前からお前はパワーで解決しすぎなんだよ……お前さ、周りの神機から陰で『ヘカゴリラ』って言われてたの、しらねぇだろ? 冥界ゴリラ三姉妹……」
「1000年後にそんな事実を知りたくなかったです……!」
 冷静に諭すサートゥルヌス相手に、すっかり凹んでしまったヘカテイア。
 と、そこへ絶華とテラがいつの間にか傍に立っていた。
「話は聞かせてもらった! ふむ? 確かに私は記憶が曖昧だが? お前達は何を言ってるんだ……? 私は確かに殺されかけたが……それは……誰だったかな……? ドワーフだったと思っているのだが……やはり記憶は曖昧だな?」
「あれ? ぜっちゃんって山にチョコの材料を探しに行った最中に、野糞をしようとケツ丸出しの時に背後からクマに食われたんじゃなかったのか?」
「テラ……螺旋忍者の私が……そんな間抜けに見えるか……?」
 悲しみを込めた視線でテラを見詰める絶華に、テラは小さく首を横に振るしかできなかった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アーネスト・シートン
まぁ、色々と活躍してきたので、何を言おうかなと思ったけど、とりあえず、最近の中でも水族館周辺での邪神と戦った案件を話しておきますかな。
何にせよ、この秘境の秘密を解き明かしてサイバーザナドゥの浄化をしたいところですね…
あ、すいません。個人的な事ですが、宴会では肉類は遠慮させていただきますね。
何せ、動物好きなもので。

とは言え、糞企業連中がゴブリン寄越してきたって事は、失敗判明を認識次第どう動くかにもよりますね。アカダルマファーマシーが諦めたところで別の企業が来るかも知れないので。
ここを、どう防御を固めるか、どうすべきかも検討した方が良さそうですかね。
しかし、配信者はネットで猟兵紹介して大丈夫なんでしょうかね…
まぁ、それは彼らの問題でしかないでしょうけど。



 アーネスト・シートン(動物愛好家・f11928)は武勇伝を尋ねられて、しばし考えを巡らせていた。
「まぁ、色々と活躍してきたので、何を言おうかなと思ったけど、とりあえず、最近の中でも水族館周辺での邪神と戦った案件を話しておきますかな」
 邪神の復活は地球の自然環境の破壊と捉えたアーネストは、水族館に乗り込んで邪神を見事に撃退してみせた。
 その後は無事に平穏を取り戻した水族館でアシカショーを楽しんだり、トドの猟兵(!)へシャチについて解説したり。
 話し終わったアーネストは、運ばれてきた料理をつぶさにチェックしてゆく。
「何にせよ、この秘境の秘密を解き明かして、サイバーザナドゥの浄化をしたいところですね……あ、すいません。個人的な事ですが、宴会では肉類は遠慮させていただきますね。何せ、動物好きなもので」
 ヴィーガンを貫くアーネストは、野ウサギのローストに黙祷を捧げて皿を下げさせると、サラダとフルーツ盛り合わせばかりを口にしていた。
「とは言え、糞企業連中がゴブリン寄越してきたって事は、失敗判明を認識次第、どう動くかにもよりますね。アカダルマファーマシーが諦めたところで別の企業が来るかも知れないので。そうなるとここを、どう防御を固めるか、どうすべきかも検討した方が良さそうですかね」
 という事で、アーネストは、この村を城塞都市めいて柵と門で守りを固めることを提唱した。
 ここで話題は御神体である超オーバースペックなノートパソコンについて。
 村人達は知恵の神様と崇めて、外界の情報をライブストリーミングで逐次得ているらしい。
 アーネストはこれがどうも引っかかるようで、眉をひそめていた。
「しかし、配信者はネットで猟兵紹介して大丈夫なんでしょうかね……? 個人情報の流出、情報社会のサーバーザナドゥで軽視していいものでしょうか? まぁ、それは彼らの問題でしかないでしょうけど。私個人としては如何なものか、なんて思ってしまいますね」
 意外とネットリテラシーに厳しいアーネストであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
無事にゴブリンさん達から
お守りすることができて良かったです

武勇伝なら吟遊詩人の出番です
曲に乗せて楽しくお伝えしましょう♪

これまでのメサイアの皆さんの戦いを
お伝えして差し支えない範囲で
歌い語り宴会を盛り上げます

プラドさんの救出から始まり
仮想世界での死闘
刺客のコピー忍者さんの撃退
マネーラインを明かとするための戦い
最終死刑囚さんとの悲しき因縁
等々語ることは沢山ありますよ

もちろんリアムさんの知謀や
エンリケさんの運び屋としの大活躍も
お伝えしましょう
…プラドさんのお力のことは
ハッキリとしたことは言わない方がよいでしょうね

これからもアカダルマさんから
狙われるかもしれません

けれど必ず私たちは駆けつけます
この、汚染のない地域が
そして皆さんが
ザナドゥの世界を変革させる核になるはずですから
さあ勝利を祝して乾杯しましょう!



 シンフォニアの箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)にとって、宴会は大活躍できるうってつけの場である。
 早速、竪琴を奏でながら今回の戦いを吟遊詩人として唄にして村人達へ語り聞かせてみせた。
 一曲唄い終えた箒星へ、村人達から盛大な拍手が送られる。
 それに黒猫の詩人がぺこりとお辞儀をすると、少し芝居がかった言い回しで村人達へ告げた。
「無事にゴブリンさん達から、この秘境と皆さんをお守りすることができて良かったです。そして武勇伝なら吟遊詩人の出番です。曲に乗せて、楽しくお伝えしましょう♪ ではもう一曲、お付き合いください♪」
 次に箒星が唄い上げるは、|抵抗組織《レジスタンス》『メサイア』の活躍と猟兵達の助太刀の一部始終。
 最初はただのカーチェイスだった。
『運び屋』エンリケから奪還されたブラド少年は、量子コンピューター並の脳機能演算を持つDNAを改竄されて人工的に生み出された異能者だった。その目的はグリモア猟兵の予知に匹敵する未来予知と、引き寄せの法則による願望の実現。
 しかし、このプロジェクトの責任者であったアカダルマファーマシーの元幹部のリアム・フォスターは、ブラドとの間に芽生えた絆をもってアカダルマファーマシーから離反した。
 そしてアカダルマファーマシーからの刺客を猟兵達の活躍で退けた後、この世界に反旗を翻すべく、抵抗組織『メサイア』を立ち上げて、日夜アカダルマファーマシーをはじめとしたメガコーポと戦っているのだ。

(プラドさんの救出から始まり、仮想世界での死闘。刺客のコピー忍者さんの撃退、マネーラインを明かとするための戦いもありましたね。最終死刑囚さんとの悲しき因縁も忘れてはいけません……他にも語ることは沢山ありますよ。ただ、ブラドさんの異能力は、ハッキリと言わない方がいいでしょうね)

 箒星はその代わり、リアムの智謀とエンリケの胆力を強調して語ってみせた。
 外の世界の激しい攻防に、村人達はライブストリーミングで見たことあるぞと大興奮だ。
 そして曲が終わると、箒星は一礼をしてみせた。
 巻き起こる大歓声。箒星の吟遊詩人の株がうなぎのぼりである。

「これからもこの秘境は、アカダルマさんから狙われるかもしれません。けれど、その時は必ず私たちは駆けつけます。この、汚染のない地域が、そして皆さんが、サイバーザナドゥの世界を変革させる核になるはずですから。さあ! 今は勝利を祝して乾杯しましょう!」
 掲げた杯は一斉に高らかに鳴り響き、森の中に笑顔が満ち溢れていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

叢雲・凪
POW

「ドーモ 箒星=サン ジンライ・フォックス こと 叢雲・凪です」
仮面を外して奥ゆかしくアイサツ。戦いが終わったからこそ礼儀と作法は実際大事である。これを怠ってセプク案件になったニンジャ猟兵は多い。
「先ほどのお力添え 誠に有難うございました」
皿に盛られたオーガニックササミを渡しつつ。
結果的に【状況がそうした】とはいえ箒星=サンの力が無ければ突破は不可能だったろう。
「カラテとは源流を辿れば対人格闘術。即ち 1対1しか想定していないのです。ましてや ボクの流派【叢雲流ジンライカラテ】は高速移動が前提となる。」
手を握り 開き 見つめる
「【点】に対しては絶大な力を発揮できますが【面】に対しては不利なのです」
「群体ともいえるあの数のゴブリン。捌き切るのは不可能だったでしょう」

「また いずれ同じ戦いの場でご一緒する事もあるでしょう」
「その時は是非 協力させてください」(仮面をつけ その奥で微笑む
「では カラダニキヲツケテネ!!!」(盛大なニンジャシャウトと共に去る。一陣の雷光は次なる戦いの場へ!



「ドーモ、箒星=サン。ジンライ・フォックスこと叢雲・凪です」
 叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)は仮面を外すと、演奏を終えた黒猫ケットシーへ奥ゆかしくアイサツを行った。戦いが終わったからこそ礼儀と作法は実際大事である。これを怠ってセプク案件になったニンジャ猟兵は実際多い。
「先ほどのお力添え、誠に有難うございました」
 差し出した皿に盛られたオーガニックササミ。感謝の気持ちを箒星へ告げる凪は、先の戦いでの共闘を振り返る。
「結果的に【状況がそうした】とはいえ、箒星=サンの力が無ければ突破は不可能だったでしょう」
 相手はそんな事はないですよ、と謙遜し、凪も十分強いと称賛の言葉を送った。
 これに凪は力なく首を横に振ってみせた。
「いえ。カラテとは源流を辿れば対人格闘術。即ち、|1対1《タイマン》しか想定していないのです。ましてや、ボクの流派【叢雲流ジンライカラテ】は高速移動が前提となる」
 白黒の雷が迸る己の右手を開き、握り、じっと見つめる。
「敵単体への【点】の一撃ならば、どの猟兵にも負けるとも劣るとも考えません。僕のカラテにはそれだけの自負がある。しかし、集団戦の【面制圧】となると話が変わってくる。素早い動きで翻弄して各個撃破しようにも、それを成しえるためには誰かの支援が必要不可欠……箒星=サン。群体ともいえるあの数のゴブリン。ボク個人では捌き切るのは不可能だったでしょう。輝く五線譜のレーザービーム、実にお見事でした」
 自分の感謝の気持ちを伝えると、箒星はやはり謙遜していた。
 実際、この言葉が相手にどれだけ届いたかは分からない。
 恐らく彼は普段通りに当たり前のことをやってのけただけなのだろう。
 そこに感謝はされども、彼自身は当然の事をしたまでなので印象が残らないのかもしれない。それが彼にとっての日常だからだ。
 だがそれでも、【ジンライ・フォックス】として今回の任務での戦果は今後の課題をあぶり出す、よい契機となった。それを意識させてくれたことへの恩義は感じてもよいだろう。
「たとえ、あなたは私を意識しなくとも。ええ、また、いずれ同じ戦いの場でご一緒する事もあるでしょう。その時は是非、共闘させてください」
 仮面を装着し直し、黒猫ケットシーへ背中越しへ告げる。その仮面の下には、満足そうな笑顔を湛えていた。
「では……カラダニキヲツケテネ!! イヤーッ!」
 裂帛のカラテシャウトと共に、雷鳴が秘境の森の夜に轟く!
 一陣の雷光は次なるイクサバを求めて、月夜へその姿を高々と跳躍させて掻き消してゆく。
 村人達が見上げた夜空の中に、流星めいた一筋の光の奇跡を描くニンジャの姿が、確かにそこにあった……。

「Wasshoi !!!」

<了>

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年02月29日


挿絵イラスト