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バトル・オブ・オリンピア⑳〜競技者達の狂騒曲

#アスリートアース #バトル・オブ・オリンピア #ベースボール・フォーミュラ『Mr.ホームラン』

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「……ふむ。猟兵達が遂に来るか」

 ロッカールームで座していた男が徐に立ち上がった。

「新生フィールド・オブ・ナイン、全員集合だ!」

 男のその声に応じるように、人影が顕れる。

「グロロロロ、遂に汝の出陣か! これは総力戦でいかねばなるまい」
「アンタ|猟兵の皆様《御主人様》の配下になってるじゃねぇか。アタシもヒトの事は言えねぇけどさ」

 覆面の男が豪快に笑い、その傍らで褐色の女が肩を竦めた。

「だが、彼等は私の力を継承するに足る『本物』だ」

 レーススーツ姿の男が静かに、言う。

「一度は敗北を喫したが、再び刃を交える事が出来る機会。見逃す訳が無かろう」

 腰に刀……ではなく、ラケットを佩いた男が不敵に笑った。

「皆様、少々浮足立っているようですね。確かに彼らならばガチデビルの齎す『滅び』を超えて行く可能性も在りましょう」

 豪奢な勝負服を纏った女が一同を窘めるように言った。

「その通り! 皆、準備は良いな!」
「まってー足りないメンバーをつれてきたよー」

 話を黙って聞いていた男は、一同に活を入れるべく立ったそのとき、状況に似合わぬ声がして、緩い顔の付いたテントのようなモノが姿を現す。

「なんだよいきなり!」
「急にテントに押し込められたと思ったらココはどこなんだ?!」

 テントから二人姿を現し、戸惑うように周囲を見回す。

「そう言えば『新生フィールド・オブ・ナイン』には二人足りなかったな。悪いが手を貸してくれたまえ!」

 男は二人の返事は聞くまでも無いと言わんばかりに肩を叩きながらそう言って豪快に笑った。



「みんな、色々斜め上な運動会、おつかれさまー」

 ミーシャ・フェイ(光のマジックナイト(自称)・f36917)が猟兵達に手を振る。
 遂に姿を現したフィールド・オブ・ナインの第3席にして、この|競技者切磋する世界《アスリートアース》で『新生フィールド・オブ・ナイン』を結成し、バトル・オブ・オリンピアを開催した『Mr.ホームラン』との決戦である。

「『Mr.ホームラン』が望んでいるのは正々堂々とした勝負なんだけど……」

 正々堂々と言いつつも、『新生フィールド・オブ・ナイン』全員と猟兵達に挑んでくるらしい。

「ちなみに、フィールド・オブ・“ナイン”と言いつつも二人出て来てないのは皆も気が付いてると思うんだけど、それは適当にダークリーガーをスカウトして補填してくるんだって」

 どちらにしても人数だけ見れば|猟兵の方《こっちの》が不利な筈なのにね、等と言いながらミーシャは苦笑する。

「まあ、これで『Mr.ホームラン』に勝てば、|猟兵《こっち》の勝ちでバトル・オブ・オリンピアも決着の筈だから、頑張ってね!」

 そう言ってミーシャは一同を送り出した。



「良くぞ此処迄やってきた、一騎当千の猟兵達よ!」

 転送した途端、大音量が猟兵を迎えた。
 見回せはそこはスタジアム。逆光を背に立つのは9人の影。

「バトル・オブ・オリンピアの数々の戦いを駆け抜け、私が力を与えた『新生フィールド・オブ・ナイン』達をも一度は退けた君達はその力を存分に示してくれた!」

 猟兵達の反応も共に並ぶうち二人の何か言いたそうな雰囲気を無視して――いや、気付いていないのかもしれない――9人の中央に立つ男は続ける。

「故に此処では敢えて君達の得手であろう『戦い』で相手をしよう。さあ、見せてくれ。その勁さを!」

 そう言うと、男は手にしたバットを猟兵達へと向ける。

「往くぞ、新生フィールド・オブ・ナイン! これがバトル・オブ・オリンピア、その決勝戦だ!」


白神 みや
 初めましてのかたは初めまして。お久しぶりの方はご無沙汰しております。
 そして、そうでない方はお世話になっております。|白神《しらかみ》です。

 こちらは新生フィールド・オブ・ナインと戦闘で渡り合うシナリオになります。決勝戦ですし、諸々想いを籠めたプレイング、お待ちしております。

●プレイングボーナス
 ・スポーツマンシップに則り、正々堂々戦う
 ・Mr.ホームランを集中攻撃する
 ・新生フィールド・オブ・ナインの連携に対処する。

●お願い
 MSページはお手数ですが必ずご一読ください。
 今回は、OP公開からプレイング受付開始します。そして、🔵が👑を上回った事を確認した時点で〆切予定です。月内を目指したいですが、人数等では月内が厳しい可能性があります。
 タグやMSページに状況を記載しますので、御手数ですが宜しくお願いします。
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第1章 ボス戦 『Mrホームラン』

POW   :    大回転暗黒竜巻打法
自身の【バット】に【オブリビオン・ストーム】を宿し、攻撃力と吹き飛ばし力を最大9倍まで強化する(敗北や死の危機に比例する)。
SPD   :    ブラックホール打法
【超重力塊化しながら飛ぶ打球】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ   :    誓いのスーパー打法
【最強無敗の野球選手であり続ける】という願いを【試合を見守る全世界の人々】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。

イラスト:カツハシ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

葛城・時人
相棒の陸井(f35296)と

最後の正念場
頑張って来たんだからこれで決めたい

この世界を護りたいって意思は
彼らも俺達も同じ
その思いを護る為絶対に倒す
「任せた相棒っ!」

さあ真っ向勝負を始めよう!

起動し錫杖を構え9人の敵を見据えて
「消えて!無くなれっ!」
白燐大拡散砲詠唱

即時白の暴威が彼らに突撃する
俺は真ん中で仁王立ち
攻撃を空中機動など技能を使い
飛び避け武器で打ち据えつつ挑発
「来い!」
錫杖も振るい肉弾戦に持ち込もう
傷は癒える!

乱舞は数の暴虐であり目隠し
中央に俺が居るなら俺に殺到するのが道理

さぁ…仕上げだ!
此処で姿が見えなかった陸井に気付いても
「もう遅い!」

白い闇の中で必ず全員を戦闘不能に追い込んでやる!


凶月・陸井
相棒の時人(f35294)と

これが最終戦
此処で終わらせる為にも
俺達の持てる全力で
勿論、正々堂々行かせてもらうよ

お互いが納得して
その結果を得る為の戦いだから
彼らがこの戦いを経て得る物と
俺達の覚悟を伝える為に
「二人で行くぞ、相棒」

相棒の大拡散砲と同時に
【水遁「弦哭き」】の準備を
水練忍者の力で墨を操作し
できるだけ広範囲に術式陣を描く

相棒の攻撃に隠れては正々堂々ではないかもしれないけど
俺が今持てる全力を以て相手する為に
それこそが正々堂々であり
彼らに失礼でない戦いだから
「俺の全力、受けてもらおう」

時人のおかげで準備もできて
敵も全員範囲内だ
この一撃で終わらせる
「終わりにしよう。フィールド・オブ・ナイン」


夜刀神・鏡介
戦いが得意分野かはさておき、全員纏めて相手にしろというのは無茶がすぎないか
ま、文句を言っても仕方ない。全力で戦おうか

神刀の封印を解除して、廻・漆の秘剣【蒼鷹閃】を発動。蒼色の神気で身体能力を強化

最終的な狙いはMr.ホームランとはいえ、他の敵も無視はできない

スカウトリーガー2人はよく分からんので、先手を取って叩きに行く
宮本武蔵とエル・ティグレのボールを斬撃波で叩き落し
ウィリアム・ローグは緩急をつけた動きでフェイントをかけて突破
デスリング総統の攻撃をジャンプで回避。奴の身体を踏んで高く跳躍して
時宮・朱鷺子は斬撃波の連打で僅かに隙を作り

最後にMr.ホームランに接近して、直接攻撃をあ炊き込む


リグノア・ノイン
【初組】

私と同様、天城様も参加を悩まれていた様子
此方の戦闘で在ればと思いお誘いさせて頂きました

多数のフォーミュラの全力を相手
その上正々堂々という戦い
皆様のその心持がとても興味深く
だからこそ挑み、そして
「|Ja《肯定》.勝利を掴みましょう」

【Zukunftsform "Lignoa"】を使用
私は銃での狙撃による遠距離攻撃で
天城様の行動を全力でサポート致します
「|Viel Glück《幸運を》.天城様」

勿論、ただの狙撃ではありません
敵の隙なき連携を断ち
一瞬の隙を暴き出す為の
予測と結果の計算です
天城様の全力を叩き込む瞬間を生み出してみせます
「|Verzeihung《失礼致します》.足元にご注意を」


天城・潤
【初組】

スポーツという概念を結局僕は理解できませんでした
なので参加出来ていなかったのですが…
純粋な戦闘なら話は別です

御自分も出あぐねていたというリグノアさんが
尋ねて下さったのを機会に
「ではせめてこの最後の一戦だけでも」

彼女は素晴らしい力の持ち主ですから
「逆に、僕が貴女の足を引っ張らないよう気を付けねば」

概念の理解は薄くても彼らが堂々と戦う事は分かります
真正面から相対しましょう

リグノアさんが援護なら僕は攻撃です
護剣・断罪捕食を詠唱し、普段は抑え気味にしている
範囲超攻撃を念じましょう
「九人が十八人でも…逃れ得る者はいない!」

僕の寿命が幾ら縮もうが
この戦いでは命を啜れますから終りまで倒れる事はありません
「領域の九人…纏めてここで終わりです!」



●|競技者達の狂騒曲《アスレテス・ラプソディア》
 逆光を受けて立つ『新生フィールド・オブ・ナイン』に、五人の猟兵が対峙する。

「戦いが得意分野かはさておき、全員纏めて相手にしろというのは無茶がすぎないか」

 夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)が微かに苦笑をしながら歩みを進める。

「ここまでの競技を、そして、フォーミュラたちを一対一で下してきた諸君であれば、些細な事ではないかね?」
「そうでなければ、ガチデビルの狙いを打ち砕く事など叶いはしないでしょう」

 そんな鏡介の言葉をものともせずに男――『Mr.ホームラン』が返せば、その隣に立っていた勝負服の女――『時宮・朱鷺子』が頷いた。

「確かにスポーツという概念が理解出来なかった僕のような人間には、有難いですね」

 天城・潤(未だ御しきれぬ力持て征く・f08073)が、共に立つ猟兵に知った顔を認めつつ静かに言う。|闇深き世界《ダークセイヴァー》出身である潤には、生命を脅かされる事もなくただ身体能力で競い合う状況は、その知識や経験の範疇の遥か彼方にある状況だった。しかし、自分の理解が追い付く戦闘という領域へ相手が来るのであれば、話は別だ。

「僕が貴女の足を引っ張らないよう気を付けねば」
「|Nein《否定》.私は天城様の行動を全力でサポート致します」

 そして、潤に同道を誘ったリグノア・ノイン(感情の渇望者・f09348)もまた、競技を以って“戦う”という今回の状況が理解しきれなかった一人だった。

「私には、皆様のその在り様がとても興味深いのです」

 しかし、スポーツマンシップという姿勢に則った、正々堂々とした戦いという状況と彼等のその心の持ちようが、リグノアの裡を微かに揺さぶる。相対する事で、リグノアが未だ朧にしかその手に収めていないものが、垣間見えるかもしれないとすら思える程に。

「スポーツとは人の魂のぶつかり合いだ。生命のやり取りこそ行われないが、時に魔術にすら到達する。特にこの世界では」
「然様。己の得てきた常識だけが全てではない」

 Mr.ホームランの言葉に居並ぶラケットを佩いた男――『宮本・武蔵』が賛同する。

「ガチデビルが起こそうとしている|世界の崩壊《カタストロフ》からこの世界を護りたいって意思は、彼らも俺達も同じだからね」
「ああ。ここで終わらせる為にも、俺達の持てる全力で行かせてもらうよ」

 葛城・時人(光望護花・f35294)と凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)が、互いにイグニッションカードを手に、九人へと宣誓する。すると、それまで困惑の表情しか浮かべていなかった一人が興味ありげな目を向けた。

「なんだ、ソレ、何かのレアカードか?!」

 彼は『新生フィールド・オブ・ナイン』が“|ナイン《九人》”である為に『キャンピーくん』に強引にスカウトされたダークリーガーである。そのデュエリストたる精神が、|見知らぬカード《イグニッションカード》に惹き付けられたのだった。その様子にMr.ホームランは笑う。

「はっはっは。助っ人諸君もやる気になってくれるのなら、こちらとしても有難い!
 さあ、猟兵諸君! スポーツマンシップに則り、互いに全ての力を出し切る事でバトル・オブ・オリンピアのクライマックスを飾る決勝戦! 開戦と往こうじゃあないか!」

 こうして、バトル・オブ・オリンピア最後の戦いの火蓋は切って落とされた。



 最初に動いたのは、陸井と時人のコンビだった。イグニッションカードから武装を起動させた二人は、其々に駆け出す。

「消えて! 無くなれっ!」

 時人が銀鎖の錫杖を振るい、|白羽の白燐蟲《ククルカン》の群れを喚び出す。|白羽の白燐蟲《ククルカン》達は、主へ敵対する者たちへ怒涛のように向かい、牙をむく。

「くっ……! だが、私にはこのブラックホール打法がある!」

 戦場を覆いつくす白光に視界を焼かれながら、Mr.ホームランがノックを打つように手にしていたボールを投げ打つ。野球のボールといえば白球が定番であるはずだが、それはその打法の名の通り|光すら捕らえる超重力《ブラックホール》の如き黒点だった。

「ブラックホール打法だからって、ホントにブラックホールなのはどうなのかな!?」
「諸君らの扱うユーベルコードにしても、世の概念を超えていくではないか。故に諸君らは猟兵なのだしな!」

 白光を喰らう黒球に、思わず抗議めいた時人の声をMr.ホームランは受け流して笑う。

「――|Verzeihung《失礼致します》」

 リグノアの冷静な声と共に、黒球の超重力をすり抜けた銃弾が『新生フィールド・オブ・ナイン』を襲う。

「世の概念というものを私は理解出来てはいないとは思いますが、これは計算に基いた予測と結果で御座います」
「ははは! 頼もしい事だ! だが、連携ならば我々もまた!」
「|猟兵の皆様《ご主人様》たちに逆らう訳じゃねぇですが! これも仕事なんだぜ、です!」
「吾輩も、こちらが先約なのでな!」

 Mr.ホームランのその声と共に六人が動き出す。猟兵達のもとに降ったはずの二人は猟兵たちに言い訳めいた事を言いながら、そして、助っ人ダークリーガー達はキャンピーくんに急かされながらではあるが。
 そんな彼等の合間を縫うように蒼色の神気が戦場を駆ける。交わされるやり取りの間に神刀の封印を解除した鏡介だった。Mr.ホームラン以外のフォーミュラ達とはここに至るまでに既に一度は対峙してきたのだ。連携により多少対応が変わる可能性はあるとしても、研鑽を積み上げた鏡介には些末な事だ。

「――先ずは、二人」

 神気の斬撃が助っ人ダークリーガー達を斬り伏せる。神気を纏った鏡介は、斬り伏せた二人を顧みる事なく他のフォーミュラ達を倒すべく地を蹴る。

「あれー? なんかまわりがへんなかんじに」

 残されたキャンピーくんが訝し気に周囲を見渡す。

「九人が十八人でも……逃れ得る者はいない!
 ……纏めてここで終わりです!」

 既に其処は潤のユーベルコードの攻撃範囲に内包されていたのだ。己の|寿命《魂》を削られるような感覚を、フォーミュラ達の生命力を吸収する事で上書いて軽減する。そうして拡大した攻撃範囲は、キャンピーくんのみでなく、未だ立つ他のフォーミュラ達を収めていた。

「我々の連携が発揮されるより前に我々の動きを封じにかかっていたか……」
「そうでなければ、滅びに立ち向かう事など出来ないでしょう」
「|猟兵の皆様《ご主人様》、流石だぜ……です」
「全力の戦いは良いものだな!」
「やられちゃったよー」

 潤に生命力を喰われ、鏡介の稲妻のような神気を受けたフォーミュラたちが次々に地に倒れる。

「連携はこれで封じられたな!」
「まだ私自身は倒れん! 最強無敗の野球選手は、フィールド・オブ・ナインは、簡単に膝をつかん!」

 Mr.ホームランも、生命力を喰われているにも関わらず、その覇気は未だ曇らない。

「……ん?」

 そのMr.ホームランが、一同を順番に見据えて、違和感に気付く。

「皆の攻撃に隠れて態勢を整えるのは正々堂々とは言い難いかもしれない。だが、全力を以て相手する為の準備であれば」

 Mr.ホームランを中心にフィールドに形成された墨色の術式陣。皆の攻撃の間を縫って陸井が必殺の攻撃を撃つ為に準備をしたもの。

「お前だけに放つには少し大がかりになったかもしれないが……俺の全力、受けてもらおう」

 陸井はそう言うと手にした水の和弓の弦を引く。

「終わりにしよう。『全てを引き裂け、弦哭き』」

 水の弓にも関わらず、乾いた音が響き、雷雨とともに鏑矢が空より振り降る。鳴弦の音を合図とするかのように、|白羽の白燐蟲《ククルカン》達が、蒼い神気が、銃弾と斬撃が一斉にMr.ホームランへと襲い掛かった。

「……己の全力の為に力を尽くすか。見事だ」

 こうして、この場で繰り広げられた決戦は猟兵達の勝利で終わりを告げる事となった。バトル・オブ・オリンピアは、猟兵達の華々しい活躍だけを残し、|競技者切磋する世界《アスリートアース》に迫らんとする|世界の崩壊《カタストロフ》を遠ざける為という本来の目的も十分に果たしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年01月31日


挿絵イラスト