オーディエンス・コーデ
●バトル・オブ・オリンピア
古代バトリンピアより紡がれた世界の秩序とも言うべきもの。
それが現在のアスリートアースである。
生死関わらぬ勝敗のみにおいて世界の平和を求めた結果。
故に超人アスリートたちは外界からの侵略に備えていたのだ。
「とは言えなんだろうな、これは」
正直な所を言うと、ヌグエン・トラングタン(欲望城主・f42331)は自身の妻たちと共にバトル・オブ・オリンピアにおける戦いの様子を見つめる。
ウィンタートライアスロン。
F1レース。
キャンプ。
デュエルバトル。
ベースボール……まあ、挙げればキリがない。
それほどまでに多種多様な競技種目がひしめいている。アスリートアースはこれだけではない。
公式競技以外にも無数の未公式競技が存在してるのだ。
それこそ星の数だけ。
「これだけあると壮観……いや愉快だな」
ダークリーガーを率いるオブリビオン・フォーミュラは『新生フィールド・オブ・ナイン』と呼ばれている。
彼らはダークリーガーの例に漏れず基本的にスポーツマンシップ、アスリート魂を持っている。だが、ヌグエンは彼らの欲望を否定しない。
『欲望竜』と呼ばれている所以である。
欲望を肯定する。
それが己の存在意義である。
だが、『5thKING勇者リリリリ』の体と自我を乗っ取っている『魔王ガチデビル』の欲望だけがヌグエンにとってはひてすべきものであった。
「あいつは『世界を壊す』と言っているらしい」
とてもじゃないが許容できない。
「アイツが出てきたのならば、俺様も出るとしよう。ま、それまでは観戦していおこうか。アイツさえいなければ、ただのスポーツ好きがスポーツしているだけなのだからな」
ふん、とヌグエンは息を吐き出す。
とは言えである。
「結構連中滅茶苦茶だよな」
そうね、と妻たちもうなずいている。
よかった、とヌグエンは思うだろう。
ゴッドゲームオンラインの世界もゲームプレイヤーたちが好き勝手に追加してくるエッセンスでもってなんでもありになっては来ている。
そういう意味では滅茶苦茶具合では負けていないはずだが。
アスリートアースのアスリート、ダークリーガーたちはこれを越えてくるのだ。
「いや、もしかしたら何か今後のクエストの内容に参考になるやもしれない」
ただスポーツ観戦にハマっただけなのではないかという問いかけにヌグエンはなんとも曖昧な表情を浮かべるのだった――。
成功
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