クリスタル・クリスマスマーケット
月藤・紫衣
縫さん(f10334)と
関係性/小さく可愛い歳の離れた友人
相手の印象/幼い少女のような優しく可愛らしい子
二人でクリスマスマーケットへ
ええ、そうですね……随分と久しぶりになってしまいましたが、変わらずお元気そうで安心しましたよ
ふふ、実は私もはじめてです
ですから、二人でゆっくり見て回りましょうか
もう年の瀬ですからね……特にこの時期は冷え込みますから
(縫さんの示した屋台と本人を何度か見比べて)
……縫さん、あれは美味しそうなジュースに見えますが、お酒なんです
縫さんはまだお酒を飲んではダメですからね、私は許しませ……え??
そう、かもしれません……あなたも成長しているというのに
でも…縫さんとお酒を楽しめるようになったのですね……なんというか、感慨深いものです
(縫さんと並んで染々と飲みながら)
おや、嬉しいことをおっしゃってくださいますね
…そうだ、今日の記念にお揃いでオーナメントを買いませんか?
ああ、いいですね…とても綺麗です
私も、縫さんとお揃いの物ができて嬉しいです
吐く息が白く空へとのぼるような、そんな冬の景色を彩るのは、キラキラ輝くイルミネーションの光たちと温かな沢山の灯り。
どこからともなく聞こえる音楽や賑やかな声を耳にしながら、可愛らしいヒュッテが並ぶ広場を行けば。
自然と足取りも軽やかに、わくわくと躍る心。
ふたりが今回足を運んだのはそう、本場ドイツにいるかのようなクリスマスマーケット。
そんな訪れたこの場所が楽しくなるような雰囲気なのは勿論のこと。
「しーさんとお出かけするの久しぶりだね」
「ええ、そうですね……随分と久しぶりになってしまいましたが、変わらずお元気そうで安心しましたよ」
何よりも楽しみで嬉しいのは、優しく可愛らしい少女のような、そして優しくて綺麗で大好きな――お互いがそう思う、歳の離れた大切な友達と一緒のお出掛けだから。
そして、真幌・縫(ぬいぐるみシンドローム・f10334)は興味深々、尻尾をゆうらり。
「クリスマスマーケットはぬい、はじめてだよ。どんな物があるんだろう?」
そわそわウキウキ、月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)の隣をゆったりと歩いて。
「ふふ、実は私もはじめてです」
……ですから、二人でゆっくり見て回りましょうか、と。
縫の歩調にさり気なく合わせながら、紫衣も初めて同士、彼女と共に冬のお出掛けを勿論楽しむつもり。
そして歩むマーケット内に満ちる灯りは温かく、飲食物が売っているヒュッテからはほかほか湯気がたっているけれど。
「でも、ちょっと寒いね……」
そう言葉紡げば、ふわりと一緒にあがる白い息。
時折吹き抜ける風はキンとした冷気を帯びていて、ふと仰ぐ空は高く澄んでいる。
そんな冬空の下を歩きながら、紫衣もこくりと頷いて返すけれど。
「もう年の瀬ですからね……特にこの時期は冷え込みますから」
「……あっ! あれ! グリューワインだって! あったかくなりそう……ねぇしーさんあれ飲もう?」
縫の声とその指先を追えば、藤色の瞳を思わずぱちり。
そして本人とその屋台を何度か見比べてから、首をふるり。
「……縫さん、あれは美味しそうなジュースに見えますが、お酒なんです」
果物がぷかりと浸かっているブドウ色のそれは、ほかほかあたたかい美味しそうなジュースにも見えるけれど……でも、ワインという名が付くように、れっきとしたお酒だから。
言って聞かせるように優しく、でもきぱっと紫衣は縫へと続ける……の、だけれど。
「縫さんはまだお酒を飲んではダメですからね、私は許しませ……」
「……しーさん、ぬい、もう二十歳だからお酒飲めるんだよ?」
「……え??」
眼前の少女の……いや、少女のように小さくて可愛らしい友人の声に、思わず瞳を瞬かせてしまう。
そう、もう縫は二十歳を迎えて、大人の仲間入りをしていたのだから。
今までは飲めなかったお酒だって、もう堂々と飲めるようになっているのです!
そんな紫衣の反応に、今度は縫が小さくこてりと首を傾けて。
「しーさんの中のぬいって出会った頃のままなのかな?」
出会ってから今までの年月を思えば、彼女の成長も全く不自然なことではないことなのだけれど。
でも、幼い少女の頃からの仲だからこそ、感覚的にはちょっぴり驚愕してしまって。
「そう、かもしれません……あなたも成長しているというのに」
改めて今の縫の姿を見つめつつ、言葉を落とした紫衣だけれど。
「でも……縫さんとお酒を楽しめるようになったのですね……なんというか、感慨深いものです」
一緒に同じものを楽しめるようになったということは、とても感慨深く嬉しいし。
「確かにあんまり雰囲気は変わってないかもしれないけど……ぬいだっていつかはしーさんみたいな綺麗な人になるつもりなんだからね」
「おや、嬉しいことをおっしゃってくださいますね」
昔から知っているその可愛らしさは今もそのままな縫に、そう微笑み返しながらも。
今度は安心して、少女から大人の女性になった友人と一緒に、グリューワインを購入してから。
ほかほかあたたかな、大人ならではな一杯を共に楽しむ。
そんな口にしたグリューワインはフルーティーで飲みやすく、でもちょっぴりスパイシーで、美味しくて。
何より、身体の芯からほかほかとあったかく、それをこうやって一緒に飲んで楽しめる今にほっこりとふたり並んで和んで……心も身体も、ぽかぽかに。
そしてふたりで、美味しくほこほこ十分にあたたまれば。
クリスマスツリーやクリスマスモチーフなどの装飾が施されたマーケット内をぐるりと巡ってみることに。
先程飲んだグリューワインやホットチョコレートなどのあたたかい飲み物の他にも。
「シュトレンにレープクーヘン、プレッツヒェンやチョコリンゴ……しーさん、クリスマススイーツもいっぱいあるね」
「ええ、どれも甘そうで、とても美味しそうですね……」
縫の声に、実はとんでもない甘党である紫衣も思わず目が向いてしまうような、クリスマスならではなスイーツをはじめとして。他にも、焼きブルストやビーフシチューなどなどのクリスマス定番の食べ物を売っている、良い香り漂う屋台も沢山。
それに、美味しい食べ物や飲み物だけでなくて。
「オーナメントにキャンドルに……スノーグローブいろんなものがあるね」
クリスマスならではな雑貨屋や装飾店のワゴンもいっぱい。
そんな出店を楽し気にひとつひとつ見て回りながらも。
「この薄紫色の星の刺繍が入ったスノーグローブ、しーさんに似合いそう! こっちのスノーマンのスカーフはサジ太にどうかな?」
「ふふ、とても素敵ですね。このピンク色のテディーベアサンタさんは、縫さんが好きそうです」
「わぁ、サンタさんかわいい! このスノードームも綺麗……」
色々とどれも素敵で、つい目移りしちゃうけれど。
そんな彼女へと向けた藤色の瞳を細めて、紫衣はこんな提案を。
「……そうだ、今日の記念にお揃いでオーナメントを買いませんか?」
「お揃いのオーナメント……!」
それから、並ぶクリスマスオーナメントをわくわく眺めてみれば。
「どんなのがいいかなぁ……あ、この雪の結晶のはどうかな?」
「ああ、いいですね……とても綺麗です」
見つけたのは、キラキラ輝くスノークリスタルのオーナメント。
それを一緒にそっと手に取って。
「ふふ、しーさんとお揃い嬉しいな♪」
「私も、縫さんとお揃いの物ができて嬉しいです」
ふたり顔を見合わせ、ほわりと笑み合って購入してから。
聖夜の空へとそっと並べて翳せば……ふわり、空から舞い降ってくる粉雪。
そして、賑やかであたたかなホワイトクリスマスのひとときを、まだまだふたりでゆったり楽しむつもり。
お揃いの雪の結晶をゆうらり揺らして、連れながら。
成功
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