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バトル・オブ・オリンピア⑬〜最高(物理)の戦い?

#アスリートアース #バトル・オブ・オリンピア #超人プロレス #プロレス・フォーミュラ『デスリング総統』

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「ぷろれす……ですか……」
 フライパンでポップコーン作ってた人首・椿(傷と記憶は刻むモノ・f06124)は次の試合のパンフレットを開きながら醤油を用意しつつ、集まってくれた猟兵を前に、見た目は普通のリングの写真を取り出して。
「デスリング総統は絶対に先制攻撃をせず、こちらの攻撃を受けきった後に四次元殺法で反撃を行い、四本の腕による異次元の怪力で『攻撃を喰らった者を骸の海に放り出す』恐るべきフォーミュラ!……と、紹介されていますね。そんな敵が待っているこのリングですが、どうやら特殊な材質でできているらしく、ぴょん、と跳ぶと、ぽーん、と飛ぶようです」
 観戦テンションで賢さがダウンしている椿が両手を頭に添えて、兎ポーズで首を傾げ、伝わっていない事を察すると。
「ジャンプ力が非常に強化される素材でできているようでして、叩きつけられたりするとただのリングですが、自分からジャンプすると非常に高く跳び上がる事ができるようです」
 相手の四次元殺法とかいう、正直理解できない戦法相手に空中殺法(物理)を仕掛ける試合になるらしい。ちなみに……。
「一回でも敵から攻撃を受けてしまうと、骸の海に投げ込まれてしまうそうなのでご注意ください。一応、仮に投げ飛ばされた時に備えて、信用ならない方のグリモア猟兵が緊急転移に備えてはおりますが……危険な目に遭わないに越したことはありませんからね」
 例の胡散臭い眼鏡に借りを作りたくないなら、完全試合が必須って事ですね。
「それでは皆様、ご武運を……あ、ポップコーン焦げちゃう!」
 パタパタと火元を見に行った椿に見送られて、猟兵達は転移していくのだった。


久澄零太
ヒャッハー『戦争シナリオ』だァ!

今回はデスリング総統とのタイマン試合ですって!

仕様上(?)次々と猟兵が勝負を仕掛けていくイメージになります

じゃないとリング上に複数の猟兵が上がって、袋叩きにするだけの試合でも何でもない物になるから……

なお、敵はプロレスの美学に則り、初撃を受け止めてくれますが、その関係で『ユーベルコードの一部は使用不可』となります

採用できないUCは結構たくさんありますが、その中でも特に分かりやすい所だと、『このUCが全部当たったら相手は死ぬ』とか『命中部位を破壊するUCを首に当てる』など、事実上の即死攻撃が存在している為、それ採用しちゃうと『敵が死んだ!完!!』しか書けない上に描写上は終わってるのにシステム上は終わらない、何て食い違いを防ぐ為にご了承ください

ではでは、皆さまのハイジャンプなプレイングをお待ちしております
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第1章 ボス戦 『デスリング総統』

POW   :    デスリングスープレックス
掴んだ対象を【四次元】属性の【骸の海送りのデスリングスープレックス】で投げ飛ばす。敵の攻撃時等、いかなる状態でも掴めば発動可能。
SPD   :    デスリングスイング
自身の【四本腕で相手の体を掴んで】から極大威力の【骸の海送りのジャイアントスイング】を放つ。使用後は【マイクパフォーマンス】状態となり、一定時間行動できない。
WIZ   :    デスリングラリアット
【四本腕を伸ばしての高速回転】からレベルmまでの直線上に「神殺しの【骸の海送りの四次元竜巻】」を放つ。自身よりレベルが高い敵には2倍ダメージ。

イラスト:雲間陽子

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アッティラ・ドラゴンロード
不思議素材だな。
だが、良いギミックだ。私にとってな。征くぞ、総統!

【竜王の逆鱗】を発動。纏う『竜王闘気』は限界突破でマシマシに。
その状態で総統の後ろに回り込み羽交い絞め、その状態で上空に跳躍!
リング効果でいつもより高く!
そこから錐揉み回転しながら真っ逆さまに落下、総統の脳天を打ち砕く!
インパクトの瞬間、爆砕も忘れずに!
ドラゴンローリングクラッシュ!!
それでも総統が反撃して来るなら受けて立ちます。
初撃のダメージはあるはず。
慎重に敵UCの発動を見極めて四本腕が掴んだ瞬間に四腕を闘気螺旋爆破!

私に触れると危ないぞ。さあ、喰らえ!

と跳躍! スパードラゴンキック(闘気爆破付)でフィニッシュです。


アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

これ、最高の全力を出すのとプロレス技で上回るのとどっちだろ?
……両方やればいいわね。
化術肉体改造で己の身をほぼエナジーに変換する。余力など残していてはとても最高の全力とは言えないだろう。耐えられれば骸の海送りは確定する。
だが、それでも、この一撃に全てを懸ける!
混沌魔術は既存の技術の総合実践術なので当然プロレスも含まれる。リングの仕掛けこみで総統を抱えて飛び、お股と太腿で顔を挟んで縦回転を加えながらのパイルドライバーを放ちましょう。着地と同時に全エネルギーを開放して爆破。その勢いでリングアウトすることで四次元殺法から逃れるわ。
はは、指一本動かん回収よろ。


テティス・ウルカヌス
「今回はステージ上でのライブですね、任せてください!」

ステージ(注:リングのことらしい)に上がったら、じっと私を見つめるファン(注:デスリング総統のことらしい)に向かってマイク(注:マイクパフォーマンスのために用意されていた)を握って微笑みかけますね。
こんなに私の歌を待ち望んでくれるファンがいるなんて、なんて感動的なのでしょうか。

「デスリング総統さん、あなたのために心を込めて歌いますね。
最後までそこでじっと聞いていてくださいね」

【天使の歌】を熱唱しましょう。
観客席のお客さんたちも大熱狂ですね!(注:阿鼻叫喚)

「あ、まだ動かないでくださいね、デスリング総統さん。
アンコールの二曲目いきまーす!」



「不思議素材だな。だが、良いギミックだ。私にとってな」
 リングに上がったアッティラ・ドラゴンロード(邪竜山脈の主・f41821)は軽く跳ねてみるが何も起こらず、強く踏んだ分だけ反動が返ってくることを確かめて、この戦場は意図的に高く跳ぼうとした時だけ対戦者を跳ね上げる物だと確認したところで……ッカァーン!
「グロロロロ……まずは貴様が相手か。さぁ、かかってくるがいい!!」
「この私に先手を譲った事を後悔させてやろう……」
 ゴングが鳴り響くと同時にアッティラは姿勢を低く構え、跳躍力を高めるリングの力でボヨン……上ではなく、真横に跳んで総統を回避。背後に回り込むと下二本の腕の下から自分の両腕を差し込み、掬い上げながら肩とも脇ともつかぬ胴体側面を掴むようにしてロック。
「征くぞ、総統!」
 強くマットを踏みしめて、その反動と共に高く跳んだアッティラは上空で反転。抱えたデスリング総統を下にして身を捻り、回転しながらリングへ舞い戻る。
「食らえ……ドラゴンローリングクラッシュ!!」
「グルォオオオ!?」
 脳天からリングに叩き落された瞬間、デスリング総統の頭が大爆発!濛々と立ち込める爆煙の中からアッティラが飛び出して来ると、その後を追うように四本の腕が迫る!
「グロロロロ……中々に強烈な一撃……だが、吾輩を沈めるには足りぬ!」
 アッティラの肩と翼を掴み、彼女を吊るし上げる総統だが。
「私に触れると危ないぞ。さあ、喰らえ!」
 ッボォン!二度目の爆発がデスリング総統を襲う!!
「グロッ!?」
「覚えておくといい……竜の体には安易に触れるものではない!」
 爆風で解放されたアッティラはリング上で屈伸、反動で跳び上がると羽ばたき、急降下しながらデスリング総統の頭上で身を捻り。
「これでフィニッシュだ……スーパードラゴンキック!」
 片足を真っ直ぐに伸ばして回し蹴りが側頭部に直撃して再びの爆破!本日三度目の爆発に吹っ飛んだのは総統だけではなく、場外に弾きだされたアッティラは後続の猟兵とタッチを交わして入れ替わった。
「これ、最高の全力を出すのとプロレス技で上回るのとどっちだろ?……両方やればいいわね」
 若干の思考停止味を感じるアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の混沌魔術師艶魔少女・f05202)だが……おかしいな、俺の知ってるアリスと違う……具体的にはなんかこう、ピンクのプルプルになってた。
「余力など残していてはとても最高の全力とは言えないだろう。耐えられれば骸の海送りは確定する……ならば私はリスクを鑑みず、全力で挑むのみ!」
 それが何で体をピンクのプルプルに変える事になるんですかね……?
「この一撃に全てを懸ける!」
「グロロロロ……そんな軟弱な動きで何ができるのか、見せてもらおうではないか!」
 爆発の衝撃から立ち直り、頭を振ったデスリング総統に向かってぷるん……ぽよん……コイツの種族スライムだったっけ?って雰囲気で迫っていくアリスだが、最後の一歩でグッと踏み込み、パァン!強烈な頭突きでデスリング総統諸共、上空へ飛んだ!
「人間砲弾だと!?だが、この程度で倒れる吾輩ではない!」
「でしょうね……ここからが我が混沌魔術の見せ所よ!」
 サマーソルトキックでデスリング総統の顎を打ち上げ、お互いに回転しながら落下してくるアリスだが、着地を目前に相当の後頭部に両足を回して股間で顔を塞ぎ、太腿で側頭部を圧迫して頭部を固定。
「下半身で頭を完全固定することで、一切の衝撃を逃がさず叩きこむ……同時に、私自身が一つの『爆弾』となるこの一撃こそが、文字通りの全力よ!必殺、六九式パイルドライバー!!」
 着地と同時に自身の全体重を頭部と首に叩き込まれるデスリング総統だが、体をエナジーに変換することでピンクのプルプル……もとい、液体燃料めいたサムシングと化していたアリスが起爆。下半身で完封されていた頭部に、その衝撃がモロにぶち込まれる!!
「あーれー……」
「グロロロロ……やってくれるではないか小娘ェ……!」
 しかし、反撃が来るより先に、反動で吹き飛んだアリスは肉体のエネルギー変換が解けて人の体を取り戻しつつリングの外に、ぽてっ。後続とタッチしながら空を見上げて……。
「はは、指一本動かん回収よろ」
 と、どこか遠くで見ているのであろう、もう片方のグリモア猟兵か、実際に転移させた奴に救助を要請するのだが。
「今回はステージ上でのライブですね、任せてください!」
 自分が交代したテティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・聖なる歌姫・f12406)の声を聞いた瞬間、固まった。
「ちょ、転移!転移はまだ!?はりー!はりーあっぷ!?」
 疲れ切って、先ほどまでとは違う意味でプルプルしているアリスの声は虚しく響く……。
「こんなに私の歌を待ち望んでくれるファンがいるなんて、なんて感動的なのでしょうか」
 リングに上がったテティスは何言ってんだろうなって思う方も多いでしょうが、初手は受けと決めているデスリング総統はテティスはどんな技を繰り出すのかと身構えているだけだし、用意されていたマイクは歌唱用じゃなくてマイクパフォーマンス用のやつだし、漂う殺気を熱烈な歓迎ムードを勘違いするのがこの子のデフォなんです……。
「デスリング総統さん、あなたのために心を込めて歌いますね。最後までそこでじっと聞いていてくださいね」
「グロロロロ……パフォーマンスでもなく、格闘でもなく、歌だと?吾輩も舐められたものだな……!」
「ちょっと総統閣下!?あなた一応、戦った相手には敬意を示すタイプだったわよね!?もういっそあなたでもいいから助けてちょうだい!このままだとこの場の全員が皆殺しにされるわよ!?」
 アリスの必死の叫び声に、デスリング総統は不敵に笑い。
「リング外にまで影響する強烈な一撃と言う事か……面白い!」
「好意的な意味でとっちゃったー!?」
「それでは一曲目、いっきますよー!!」

 ※ただいま画面が非常に乱れております。しばらくお待ちください。

「おそら……きれい……」
「人とは、時に恐ろしい事をするものなのだな」
 どぅるんどぅるんになって、虚無状態になったアリスをアッティラがモップで回収してくれている傍ら、リング上ではデスリング総統がコーナーポストを掴んで肩で息をするというかつてない大ダメージ(?)を受けており。
「グロロロロ……不快、実に不快!肉体的、精神的苦痛であれば吾輩の前には何の意味もなさぬ……だが、なんだこの歌声は!?」
 テティスの場合、歌が下手過ぎて苦痛的な意味ではなく、感性が理解を拒絶する事による自己防衛機能が自分で自分を狂わせる事になるため、まともな奴ほど悶え苦しみ、おかしな奴は……さっきお掃除された猟兵を見てくれれば分かるんじゃないかな。
「深い歌声ですか……そんなに褒めてももう一曲しか出ませんよ!」
「求めていないのだが!?」
 勘違いしたテティスはテレ顔でぶんぶん体を揺らし、マイクを構えて。
「それではご要望にお応えしまして!アンコールの二曲目いきまーす!!」
「グロロロロ……歌わせるかァアアアア!!」
 デスリング総統の四次元殺法が先か、テティスのアンコールが先か……次回!【デスリング総統、散る】。そんなわけで、試合はもうちょっとだけ続くぞ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アッティラ・ドラゴンロード
うーん、何か危険を感じて下がっていたが正解だったみたいだな。
(モップを片付けつつ)
そして、総統は……
まだ元気か。流石はプロレス・フォーミュラだ。そうでなくてはな。
(GGO発見後のにわか超人プロレスファン並みの感想)
時に総統、負けを認めたら配下になってくれるという話を聞いたが、GGOにきてイベントボスとかする気はないか?
まあ、全ては決着をつけてからだな。

竜王闘気を限界突破で高めまくり高めた闘気を超々圧縮。
そしてリングを強く蹴ってロケット跳躍。
総統とゼロ距離で掌を差しだし極大闘気砲【竜王の咆哮】を発動!

どうだ、総統、私達の力は!
(とどめがさせないようなら反動でリング外に吹っ飛びます)



「うーん、何か危険を感じて下がっていたが正解だったみたいだな」
 交代した時に、自分が爆破系UCを使っていた事もあり、他の猟兵もやべーモン持ち込むんだろうなーって離れていたアッティラは、救助に使ったモップを片付けると、改めてリングに上がり。
「そして、総統は……まだ元気か」
「グロロロロ……も、もちろんだとも……」
「流石はプロレス・フォーミュラだ。そうでなくてはな」
 などと、アッティラは腕を組み、うんうん。いかにも分かってますよ感を出して頷いているが、デスリング総統は度重なる爆破攻撃により皮膚を引き剥がされるような傷跡が残っており、生命維持と言う意味ではかすり傷にもならないが、試合続行と言う意味では結構な致命傷。その上でまぁ、はい、例の音響兵器で三半規管辺りがメッタメタにやられており、割とふらついているのをプライドで隠している状態。それを見抜けぬとは……さてはアッティラ、にわかだな?
「時に総統、負けを認めたら配下になってくれるという話を聞いたが、GGOに来てイベントボスとかする気はないか?」
 おっとここで突然の勧誘だ!?
「イベントボス……ふっ、それも悪くない。だが、吾輩も倒せぬ雑魚に付き従う道理はないのである!」
「確かに……まぁ、全ては決着をつけてからだな」
 さもありなん、と小さく笑うアッティラだが……実は、ここに二人の間で食い違いが発生していた事にお気づき頂けただろうか?

【アッティライメージ】
 見た目もそうだがこのタフネス……大量のHPと一撃でプレイヤーを葬りかねない攻撃力は、多人数参加のレイドボスに相応しい。基本が接近戦だから遠隔DPSが主力になりつつ、タゲ取り役のタンクが使い捨てになりかねないから近接DPSが連携して被害分散、ヒーラーが過労死しないように防御バフとタゲコントロールでタンクも大忙し。立ち回りがパターン化しかねないが、だからこそ攻略法の確立が熱くなるだろう……うむ、やはりデスリング総統はイベントボスに相応しい。


【デスリング総統イメージ】
 此奴、イベントマネジメントもしておったのか……鍛え抜いた肉体をぶつけ合う素晴らしき格闘技イベント……その大取として吾輩を起用するとは、いい度胸である。吾輩は勝つ為に反則も凶器攻撃も厭わぬというのに、それをボスというポジションに置く……さては、隠れ悪徳レスラーファンだな?ヒール【悪役】が持つクールな渋さを分かっているとは、中々に『通』と見た。なればこそ、吾輩の圧倒的強者感を実感させてやらねばなるまい……。

 と、ゲームイベントとプロレスイベントですれ違ってしまったのだが、お互い気づかないまま試合再開!睨み合う二人だが、その意図は異なる。デスリング総統は初撃を受け止める為に。アッティラは、己が闘気を圧縮する為に。
「これほど追い詰められて、なお自分のポリシーを貫くか……その心意気に敬意を表し、この一撃で終わらせてくれよう」
「グロロロロ……よかろう。ならば吾輩はその強気な面を骸の海に叩き伏せ、KO勝利を勝ち取るのみ!」
 腰だめに両手を合わせるように、低く構えたアッティラ。二つの掌から闘気を放ち、自分で自分の闘気を押し返すことでぶつかり合い、膨れ上がる球状のエネルギー。コレを解き放つことで戦場そのものを焼き払い、回避不能にして必殺の一撃と成す。上顎と下顎で同じことをして、広域殲滅のブレス攻撃として放つのがボスエネミー『邪竜アッティラ』であるが。
(「足りぬ……」)
 アッティラは、竜人の姿のまま。膨れ上がるエネルギーを捩じ伏せながら徐々に押し潰し、重ねた両手の中に生み出すは竜王闘気の極点。本来であれば砲撃として放つはずが、アッティラは抑え込んだままマットを蹴り、全身を弾頭に重ねた拳をデスリング総統の胴体に叩き込む。
「これが私の全身全霊だ……余すことなく持っていけ……!」
 直撃の寸前に拳を開き、両掌を重ねた掌底。その中心には超圧縮された闘気の砲弾。解放された圧縮闘気は逆再生に暴走に、埋め込まれたデスリング総統の巨躯に螺旋を描きながら埋め込まれて……。
「……コフッ」
 全身の筋肉で押さえ込もうとしたデスリング総統が小さく息を噴き出した瞬間、ダークリーガーの巨躯を高速回転させながら吹き飛ばし、リングロープが受け止めたものの容易く引きちぎる。地上の竜巻と化したデスリング総統がバトリンピア遺跡の壁に叩きつけられ、広がる亀裂の中心からゆっくりと落下。動かぬダークリーガーへカウントアップが始まり……カンカンカンカァーン!!試合終了のゴングが響き渡る!!
「どうだ、総統……私達の、力は……!」
 精魂尽き果て、メモリ不足により角、翼と尾も維持できなくなったアッティラは完全に人間の姿に変わってしまうが、拳を突き上げて勝利を宣言するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年01月17日


挿絵イラスト