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バトル・オブ・オリンピア⑫〜溶かせ!氷のストライカー

#アスリートアース #バトル・オブ・オリンピア #サッカー #ギャラクシィリーガー

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「こんにちは!アスリートアースで宇宙人が攻めてきたの!」
 いきなりのぶっ飛んだ話をしたのはグリモア猟兵のポーラリア・ベル(冬告精・f06947)。
 アスリートアースは今、運動会である「バトル・オブ・オリンピア」の真っ最中。
 その中でサッカー場に突如、宇宙から異星のダークリーガー、「ギャラクシィリーガー」の軍団が来襲してきたのだそう。
 なんと彼らが挑むサッカー勝負に負けると、超宇宙パワーによって「負けた星の知的種族全員が、勝者の配下になってしまう」という恐ろしい事になるらしいのだ。(試合放棄でも負け扱い)
「皆にはこれからサッカーで闘ってもらって、宇宙人さんに勝って欲しいのだけど、宇宙人さんはアスリートアースのオブリビオン「ダークリーガー」の強いのを洗脳してエースにしてるんだ!」
 今回洗脳されたのは『アイススイマー』。
 サッカー場を不思議な力で泳いで走り、冷気を使って凍らせたりする、身体が氷で出来た人魚の様なアスリートらしい。
 あとリフティング等の空中戦が得意なんだそうだ。

「このアイススイマーさんはダークリーガーだけど試合はちゃんとやるタイプの、正々堂々ダークリーガー魂を持ってるらしいの。試合を通して熱い心を見せつければ、氷の心も溶かして、洗脳が解ける筈。……そしたら後は味方になってくれるかもしれないわ!」

 つまり今回の戦いは、サッカーをしながらダークリーガーの洗脳を解くものになりそうであった。
 ポーラリアはベル型のグリモアを展開し、転送の光を放つ。
「この光に入ればあなたも立派なサッカー選手。入った時点で試合開始だよ!ゼッケンはちゃんと着た?動きやすい服装は?準備運動は?十分に準備してから挑んでねー!」
 そう言って、ポーラリアは猟兵を送り出していったのだった。


古塔
●概要
 宇宙人とサッカー勝負です。勝って。

●状況
 場所は普通のサッカー場です。
 とりあえず初期は(アスリート&猟兵チーム)11対11(宇宙人ギャラクシィリーガーチーム)のサッカー勝負です。
 が、猟兵による途中参加によって向こうも逐次戦力投入。人数はどんどん増加してきます。
 猟兵でない味方はサッカー選手のモブアスリート、相手選手は全員モブ宇宙人です。
 が、相手チームには1人、超銀河魔術によって洗脳されたダークリーガーがめっちゃ目立って活躍してきます。
 つまり、ボス戦章です。

 このボスダークリーガー『アイススイマー』は望んで洗脳されていないので、熱いバトルや交流を起こすと一時的に正気を取り戻し、猟兵達の味方になります。
 また、この試合に勝利すると「ギャラクシィリーガーは猟兵達の配下になります」。
 『アイススイマー』は戦場を泳ぎ、ひたすらに選手を凍らせて一方的なプレイを仕掛けてきます。
 くれぐれも凍って無防備な状態となりボールを取られませんよう。

 プレイングボーナス:ダークストライカーの魂を取り戻す。
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第1章 ボス戦 『氷結水泳『アイススイマー』』

POW   :    アイスマーメイド
【氷の人魚】に変身する。隠密力・速度・【冷気】の攻撃力が上昇し、自身を目撃した全員に【寒気】の感情を与える。
SPD   :    ドルフィンステップ
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    フリーズコールド
【全身】から【凍てつく冷気】を放ち、【凍結】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:さとをみどり

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠テフラ・カルデラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風

…サッカーの選手、いろいろおるのだな…。
で、色々な意味で向いとるからと、わしが来た。

UCは即座に使用。
凍てつく凍気をされてもな、UCにより即座に行動できるし…そうでなくとも、わしが司るは『炎』である!凍るわけがなかろうて!(属性攻撃+寒冷適応)

幾度となくここで戦ったが…競技を愛する心は失っておらんかったのよな。
さて、そこな相手よ。そのままでよいのか?
洗脳されたまま勝っていくことが、いいのであろうか?
そこにお主の心はあるのか!?

とか言いながら、普通にサッカーしよう。
そう、普通にな。それこそ、届くと信じて。




「…サッカーの選手、いろいろおるのだな…。」
 ひと房だけ赤き、整って結わえた黒髪をした和服姿の男、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)。
 彼はグリモアの前でユニフォームに着替え、映像で宇宙人の中にいる氷の人魚アスリートを見ていた。
 現在は名も無きアスリート達を迸る冷気で凍らせながらドリブルや空中リフティングパスをしてギャラクシィリーガー達にシュートを回すMF的な立ち回りを見せている。

「で、色々な意味で向いとるからと、わしが来た。」
 仕切り直してボールが中央に来た時に転送。
 ボールを踏み、キープしながら挑発するようにアイススイマーを見やったのだ。

 彼は多重人格者。風林火山の如き4つの人格を持つ。
 今は3つ目の人格『侵す者』となっている。
 閉じた瞳の奥から鋭い眼光が見えるようだ。

「アンタが増援?そんな老いぼれの身体でやろうってのかい?アタシの氷で動けなくしてやるよ!」
「ふん、言うが良い。わしはまだ50台だがな。」
 アイススイマーは全身から凍てつく冷気を放つ。
 義透からボールを奪い、フィールドを凍り付かせながら滑る様なドリブルで攻め立てる。
 だが義透はその体格から繰り出される炎の如く熱い足回りで素早くアイススイマーに追いつき、ボールを奪い返す。
 アイススイマーの十八番である凍てついた地面が、いつの間にか消えている。
 機動力を奪われたのだ。
「凍てつく凍気をされてもな、わしが司るは『炎』である!凍るわけがなかろうて!」
「なっ、こいつ!」
 全身を再構築し続けながら周囲の力を吸収する義透のユーベルコードは、その冷気を吸収しながら、炎に換えてフィールドを溶かし、焼き尽くしていく。

 だがその後はドリブルでアイススイマーを躱し、オフサイドにならぬ様他のアスリート達の追い上げをキープしながら駆け続ける。
「この……氷がダメなら足を引っかけてやる!いやそもそもの吸収力を上回って凍らせてやる!この」
「喝!」
「うっ!?」
 滑る様なスライディングを躱しながら義透は一括する。
 義透はあくまで攻撃は相手の技を封じるだけに使い、普通にサッカーをして情熱を伝えようとしていた。
「お主……ギャラクシィリーガーになる前、競技を愛する心は失っておらんかったのよな。」
 熱のこもったパス回しをしながらも追いついてくるアイススイマーに説教の如く畳みかける。
「そこな相手よ。そのままでよいのか?」
「このまま、だと!?」
「洗脳されたまま勝っていくことが、いいのであろうか?」
「なっ」
「そこにお主の心はあるのか!?」
「そんなもん……敵に回ったからには……」
「おぬしの心に決めたダークリーガーでなく、どこの馬の骨ともわからぬ相手にか!」
「っ!」
「今一度こちらに回れ。是なるは新たに湧いてきた、ダークリーガーとも違う更なる『敵』よ!」

「……言ってくれるじゃねぇか!」
 一瞬洗脳を取り戻したアイススイマーは、凍てつく冷気でギャラクシィリーガーの足元を凍らせる。
「一度だけだ、この野郎!」
「ふん、腐ってもアスリートよ!おぬしは!」
 義透はアイススイマーの援護を受け、ギャラクシィリーガーにリードされた点に追いつくかの如き炎のシュートを放ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

子豚・オーロラ(サポート)
人間の妖剣士×寵姫、22歳の女です。
普段の口調は「豚房流の女(私、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」、リラックス中は「子豚家の女(わたし、あなた、呼び捨て、ねぇ、ねぇん、でしょお、なのぉ?)」です。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません

五刀流と一刀流を使い分け、相手のや依頼のタイプに合わせお色気行動と剣士としての真剣な動きを使い分けます

武人タイプには敵でも敬意を払いますが、騙し討ち等の戦術を嫌っているわけではありません

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


鳥居・祐介(サポート)
戦闘スタイルは所謂「タンク」タイプです。
武装はほとんどが収納可能もしくは不可避なため一見丸腰に見え気弱でおどおどした外見で油断を誘って敵を引きつけ味方の突破や攻撃のための囮になります。
攻撃に対しては【激痛耐性】で多少の攻撃には怯まず耐え必要とあらば【怪力】で押さえつけます。
こちらの意図や強さを見抜く的にはグレートソードを抜いて大振りな攻撃を仕掛け否が応でも意識せざるを得ない状況にします。
ダメージが蓄積し瀕死になったら『風魔神顕現(アウェイキング・フレスヴェルク)』にて高い戦闘力を待つ風が人の形を成したような魔神を召喚して敵を薙ぎ払います。


瑠璃・やどり(サポート)
『いっくよー!』
人狼の白虎拳士 × 降魔拳伝承者
普段の口調は「快活(私、~君、なの、よ、なんだね、なの?)」

考えるより行動するタイプ。
元気に戦場を駆け回り、ハンマー「双喜」を振り回して攻撃。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。アドリブ・連携歓迎。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




「さ、サッカー?」
「です、かぁ?」
 グリモアベースで説明を受け、子豚・オーロラ(豚房流剣士・f02440)と、鳥居・祐介(「風魔神に憑かれし者・f05359)が呆気にとられる。
 オーロラは茶髪のぱっつん髪をした色々と大きめな女性であり、乳首・乳首・股・両手による豚房五刀流剣士である。サッカーにあまり縁は無い。
 祐介は風のような緑の短髪にたなびく緑のマフラーを着た軽装の青年。アルダワのうら若き魔法学園生徒である。

「その、持ってる物といえば風と槍と剣で……足を使った技が出来ないわけじゃないですけど。」
 祐介が異議を申し立てる
「あそこの世界のサッカーはちょっと特殊だから、ハンドでなかったら剣攻撃もアリじゃないかしら。それにきっと、足に意識を集中させたら足から剣が出るよ!」
 グリモア猟兵・ポーラリアが無茶苦茶な事を言う。
「いやそんなはず」
 祐介は試しに足に集中してみてその辺の壁にキックをしてみる。
 すると愛剣グレートソード・オブ・ウインドエレメントのオーラが足から出てきた。
「えっ、えええ!?どうなってるんですかこれ!?」
「そう言うのができるならきっと大丈夫大丈夫。いけるよ!」
「ちょ、ちょっとそんな無責任な……あっ!?」
「お先ーっ!」
 そんな二人の横を突っ切ってグリモアの光に飛び込む女の子がいた。
 瑠璃・やどり(チャイナウルフガール・f03550)。緑がかった青っぽい毛並みの人狼の女拳士である。
 彼女は考えるより行動するタイプだ。
 とりあえずやってみればいいよね!と、一目散に転送光に飛び込み、アスリートアースのフィールドに降り立っていった。

「ず、ズルいです!ボクも!」
「そうですねぇ……足が大丈夫なら股も大丈夫なはず。それに今の理屈でいえば足からも胸が出せる筈。なので、大丈夫でしょう。オーロラ、行きます!」
 つられる様にして祐介もオーロラも転送光へと飛び込んでいったのだった。


 3人が転送された先で、再洗脳が完了したギャラクシィリーガー達によって、ダークリーガーのアイススイマーはフィールドを凍らせながら無双していた。
「あははははっ!邪魔者は皆凍らせてやる!アタシを止められる奴なんかいねぇ!」
「調子に乗ってますね……!」
 私前に出るー!
 祐介の台詞も止む前に飛び出していくやどり。
「あっ、待ってください!あまり出過ぎるとオフサイドというファールを貰ってしまってですね!」
「じゃあ私は中衛に居るわ。どこからボールや敵が現れてもこの胸で全て受け止める!」
 そう言ってオーロラはミドルレンジをキープする立ち回りをし始めた。
「そ、それじゃあボクはタンク職。皆を護る役を……あっ、ゴールキーパーって手を使っても良いんですか!?ぜひやらせてください!……あっ、それとボクの事、良ければユウ・ウインドルーラー、ユウって呼んでくださいねー!」

 これにて、
 前で攻めるFWはやどりが。
 中衛で闘うMFはオーロラが。
 最奥で護るGKは祐介ことユウが担う事となったのであった。
「守る側が後衛って、そう考えるとスポーツって変わった戦闘だと思います!」

「何人いようと関係ねえ!全員すぐにぶち抜いてやる!」
 アイススイマーはよりシャープで凍てつく氷の人魚に変身する。
 その身体は全身氷で出来、透明度を増し、周囲を凍てつかせながらスピードをアップさせ、フィールドの地面を氷河の様な液状化にして半身浸かって泳ぐ、アイスマーメイド・ドリブル泳法を魅せる。
 そこに立ち塞がるのはオーロラだ。
 蹲踞(がに股で腰を落とす姿勢)をとっている。
 股には刀を装備している。
「姓は子豚、名はオーロラ。ここは通しません。参る!」
 地をほじくるようにして陰剣・中核を掬い上げるように降る。
 すると白く濁った斬撃波が迸り、アイススイマーに直撃した。
「なにぃ……っ!」
 斬撃波を受けて跳ね上がったアイススイマーに対し、オーロラの胸が艶やかな2つの口に変化する。
『豚房流は剣術のみにあらず。あなたに有効なのは……!』
 巨大な口に変化した乳房が、飛び上がったアイススイマーの尾ひれに噛みつき、砕く。
「や、やりやがったなてめ……え?」
 かじり食べた胸を通してオーロラの身体が変化する。
 その変化の末、突如フィールドに、胸、そして全身に氷包丁と刺身包丁を装備した人間屋形船に変身したオーロラが出現した!
「何いいぃぃっ!?」
「あなたは魚。ならば氷をも切り裂く刺身料理人になるのが一番の弱点と見ました!そして刺身といえば屋形船……泳法で勝負です!」
「な、なに言ってんだてめえ!?」
 何言ってるのかは分からないが恐ろしい力を得てしまったオーロラ。
 そのままフィールドの接地面をアイススイマー同様に液状化し、包丁でオールを漕ぐ様に高速疾走。
 アイススイマーを斬りさばかんと追ってくる。
「くそっ!」
 アイススイマーは他のギャラクシィリーガーとパスを繋げ、何とか逃げおおせ、ゴール前に辿り着く。

「うわっ、来たっ!」
 ユウはグレートソードと風魔法を構え、相手の攻撃に対応する。
「ここは通しません、タンク職の名誉にかけて絶対に!」
「ああそう!やれるもんなら!」
 氷のシュートが放たれる。
 グレートソードで叩き落すと、地面にサッカーボールごと潜らせ。
「えっ、見えなくなっ……!」
 脇腹にボールが刺さる。
 これぞマーメイド殺法。どこから来るか分からない極地液状化からの死角ステルスシュート攻撃である。
「まだまだいくぜぇ!」
 悪寒を感じるユウ。
 素早い氷を纏ったシュートが何度も何度も放たれては、時にはグレートソードで、時には自身の身を挺して、身体を凍らせながらはじき返していく。
「(身体に当てているのは、もしかしたら、わざと……!)」
 これで先のゴールキーパーアスリートも戦闘不能となった。
「もうボロボロだな?キーパーのいないゴールなんて入れ放題だぜ」
「くっ……!」
「終わりだ!」
 凍てつく氷の水流を纏ったシュートがドライブ回転して迫る。
 それはトライデントを手に敵を突き刺さんとするウンディーネの狩人の様だ!
「まだです!『|風魔神顕現《アウェイキング・フレスヴェルク》』!!」
 ダメージが限界になったユウは自身に宿る風魔神フレスヴェルクを召喚。
 豪風と共に風の魔神が顕現すると、それがかざした吹き荒れる風の手により、ウンディーネの氷水流シュートが激しい光と共に止められた。
「なん……だとぉ!」
「『僕に宿りし風魔神よ…契約に従い、今こそ力を貸してください!』パスです!やどりさん!」
 風魔神が物凄いスローイングで一気にフィールドの半分を吹き飛ばし、やどりにボールを渡らせた。
「くっ、バックだ!急げ!」
「ま、護り切りました……!」

「いっくよー!」
 元気一発、まるで猛虎の様に豪快なドリブルでギャラクシィリーガー達を跳ねのけどんどん進むやどり。
「追いついたぜ!」
 それをすさまじい速さで追い上げて来たアイススイマー。
「ボールは渡さないよ!ギュってして遊ぶのも我慢して、これをゴールに入れるんだ!」
「させねえ!お前はここで凍ってもらうぜ!『フリーズコールド』!」
 アイススイマーの全身から凄まじい冷気が放たれる。
 一気にフィールド上の地面、スタジアム、アスリートやギャラクシィリーガー達がカチコチに凍っていく。
「うわっ、わわわ!ツルツル滑る!」
 ジャンプして、気合を入れて、持ちこたえるが、足が氷に引っ付いて離れなくなり、ボールが零れてしまう。
「頂きだぜ!」
「う、ううん。でもこのまま気合で砕いて進んでもオフサイド?とかいうので……そうだ!『リザレクト・オブリビオン』!」
 ボールを奪ったアイススイマーの横から突如スライディングをかまして奪う者が現れた。
「な、何ぃ!?」
 全身、靄で出来たかのようなゴースト死霊騎士。
 その隣には滑るように動く死霊蛇竜。
 やどりのユーベルコードで召喚されたゴースト者達だ。
「二人いるならオフサイドにならないよね。それに幽霊だから足を着けても凍らない!いっけー死霊君!」
 死霊騎士と死霊蛇竜が飛び出し、華麗なパスワークでつないでいく。
「なっ、冷気が効かねぇのか!?」
「追いつきましたよ!」
 自身の氷が削れる音がする。
 オーロラが包丁を高速回転してすぐ後ろに迫って来ていたのだ。
「くっそ、こうなったらイチかバチかだ!」
 アイススイマーはゴールまで飛び出した。

「いっけー死霊君!」
 ゴースト達がゴール前まで接近し、遂におぞましい骸のオーラを込めた強力ダブルシュートが放たれる!
 吹き飛ぶギャラクシィリーガーのキーパー!
「まだだっ!」
 そこにアイススイマーが飛び出し、飛沫で氷の壁を生成、シュートをはじいて防いだ!
 だが、はじき返した先に居たのは。
「そうだね。やっぱり私が決めるのが一番。」
 いつの間にか打出の小槌型ハンマーで氷を砕いてやってきていたやどり。
 その足に黄金に煌めく打出の小槌のオーラを込めて。
『|力!量!搭!載!《パワートウサイ》!いっけー!』
 すっごいパワーのハンマーキックシュートが放たれた!
「うわああああぁあ!!」
 黄金のシュートが氷壁をも打ち砕いてゴールネットを突き破ったのだった!


「くっそう。まだだ、まだアタシは……!」
 ボールが中央に戻り仕切り直される試合。
 ユウやオーロラ(……は忘れたいが)、やどりの活躍によるサッカー熱が、再びアイススイマーの神経をおかしくし、洗脳を解かせようとしていた。
「いっただきー!」
「しまった!」
 ボールを捕られ、必死に追うアイススイマー。
「そうだ。アタシもこんな風に熱いサッカーがしたかったんだ!」
「うおおおおぉおー!」
 今度は冷気も使わずにスライディングをかまし、ボールを捕り合う様になっていくアイススイマー。
 彼女らと彼の活躍は、ダークリーガーに本来のサッカー魂を取り戻さんとしていたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
サッカーで空を泳ぐのってありなんだ。
まあそれでいいならこっちもそうしようか。
【雷身飛翔】を使ってリフティングしてるボールを奪いに行くよ。
冷気は放つ電撃の電熱で対抗しようか。
そのまま空中でボールを奪い合いながら相手に向かって話しかけるよ。

まったく、おかしな話だと思わないかい。
今必死にボールを奪い合ってるのに、お互い望んでこの場に居るわけじゃないんだ。
あたしは棄権も負けになるから仕方なくだし、アンタだって誰かにやらされてるだけだし。
どんなスポーツだってさ、無理矢理やらされたら楽しいわけないだろう。
アンタは今楽しんでプレーしてるかい?
勝って嬉しいと思えるかい?

さて、これで届けばいいのだけれど。




「サッカーで空を泳ぐのってありなんだ。」
 フィールドに転送され早々、アイススイマーの飛翔を見てそう言った。
 彼女は空を思わせる様な透き通る青い短髪のキマイラの女性、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)(通称ペト)。
 金と青のオッドアイはキマイラゆえの特性か。
 様々な異業に変貌できる彼女だが、今回は鹿の角を生やし電気ウナギの様な尻尾に獣竜の脚、昆虫の様な右腕というスタイル。恐らくは脚力特化だと思われる。
「まあそれでいいならこっちもそうしようか。」
 ぺトは空を跳ぶ様に泳ぐアイススイマーの様子を見て、自身も対抗する事を決めた。
 彼女の身体に雷光が纏わりつく。

『飛ばして行くよ!|雷身飛翔《エレクトロ・ドライブ》!!』
 全身が雷光に覆われた、電身体となったぺトが、電気の塊が光の如く飛んでいくように、空中ドリブルをかましてシュートを決めようとするアイススイマーに横槍の如きキックが入り、ボールを奪った。
「なんだ!?新手か!」
 そのままぺトとアイススイマーは空中で激しい戦いを開始する。
 冷気を纏う氷の蹴りと、熱き電熱をもたらす電撃の蹴りが幾度もフィールドの遥か上で交差。
 氷の蒼と電気の蒼が発光を繰り返す。

「まったく、おかしな話だと思わないかい。」
 ぺトはアイススイマーに語りかけた。
「今必死にボールを奪い合ってるのに、お互い望んでこの場に居るわけじゃないんだ。」
「あたしは棄権も負けになるから仕方なくだし、アンタだって誰かにやらされてるだけだし。」
「どんなスポーツだってさ、無理矢理やらされたら楽しいわけないだろう。」
「アンタは今楽しんでプレーしてるかい?」
「勝って嬉しいと思えるかい?」

「う、ぐぐ……!」
 アイススイマーは畳みかける様な説得に思う所があったのか。
 そうだ、ダークリーガーは自分でなった。絶対強者である自身の氷の力を示す為に。
 こんな宇宙人のアスリートアース征服の為にやっているわけでは……!
「うおおおおぁぁぁー!」

「っ!」
 ぺトの電気の足が突如カチンコチンの氷に包まれ、落下し、ボールを奪ったアイススイマー。
「でかしたぞ!今だ!攻めろアイススイマー!」
 ギャラクシィリーガーからの野次が飛ぶ。
 だがアイススイマーは踵を返した。

「今回はアタシも力を貸してやる!ここからは共同戦線だぜ猟兵!」
「な、何ぃー!」
 洗脳が解けたアイススイマーは泳ぐ様に高速ドリブルで突進。
「いっけぇー!」
 そのシュートは『フリーズコールド』のユーベルコードが乗ったもので、周りで止めようとするギャラクシィリーガー達をフィールドごと全て凍らせながらゴールネットを突き破り凍らせた。

「ば、馬鹿な!」
「我々の超銀河洗脳魔術がー!」
 ギャラクシィリーガーは大混乱。
 その試合は12対10でのサッカー対決となった。


 ロスタイムも切れ、ゲームセットのホイッスルが鳴った。
 8-5 アスリートアース、猟兵側の勝利である。
「次はこうはいかないからな!首を洗って、アタシに凍らされる未来を見てるんだな猟兵!」
 試合が終わって凍った汗を拭き落したアイススイマーは、一目散に去って行った。

「……!」
 ギャラクシィリーガー達は。
「猟兵とアスリート達に、敬礼ーっ!」
 全員で土下座した。
「我らギャラクシィリーガーは負けた相手に従うのが掟。我々を打ち負かしたのであれば、今後一生ついていきます!!!」
 こうして猟兵達は、試合に勝利し、ひとまずの平和をアスリートアースに取り戻した。
 そして何故かギャラクシィリーガー達が味方に付く事になったのだった。
 この結果がどこに響くかは…… 恐らく、察する猟兵は察するかと思われる。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年01月18日


挿絵イラスト