Solstício de inverno
ウィリアム・バークリー
オリビア・ドースティン(f28150)と出会った時のノベルをお願いします。
日々昼が短くなり冬至が近いと実感する。
冬至祭までには家の整理をしなくちゃ。
そう思ってメイドの募集をかけたのが数日前。なかなか来てくれる人はいない。
気分一新と街中の一軒家に引っ越してきたのはいいけれど、使ってない部屋も多くて。
広いだけで一人っきりの家は、精神的によくない。
と、ドアノッカーの音が聞こえた。
メイドの募集に応じてくれた人だといいなと思いつつ、玄関を開ける。
すると、金髪碧眼のメイド姿をした少女がスカートをつまんで挨拶を向けてきた。
「あ、募集に応じてくれた人だね。ぼくがウィリアム・バークリー。家事を一通りやってもらえたら助かるよ」
うん、テキパキと仕事をこなすのはよく分かったよ。ポトフも美味しい。
「いい養成機関で過ごしたみたいだね。それじゃあ、契約しよう、オリビア」
雇用契約書に二人の署名を入れたら、オリビアの身体に変化が起こり驚くも、彼女の言葉にそういうものかと納得する。
うん、改めてよろしく、オリビア。
それじゃあ、冬至祭に向けて、柊のリースを玄関の扉に飾っておいて。
当日には小豆を入れた冬至粥を頼むよ。
知っての通り、冬至祭は年の切り替わりだ。無敵の太陽が復活する一陽来復の瞬間。
新しい一年に向けて、しっかり準備をしていかなくちゃね。
オリビア・ドースティン
ウィリアム・バークリー(f01788)との合わせで過去についてのノベルです
クリスマス――この世界で言う冬至祭が近づく冬にこの世界にやってきた私はメイドの求人を見ていました
「今度のご主人様も良い人だといいのですが・・・おや?」
やけに引き寄せられる求人を見つけ、そこに行くと心に決めると早速目的地へ
目的の町中の一軒家に到着
「ここがバークリー様のお宅ですね」
そして中から優しそうな青年が出てきたのでカーテシーをしつつ
「初めましてバークリー様、メイドが必要と求人を出されていたのでやってきた者です」
挨拶をしたらまずは力量を見て貰うためにも早速家事をこなしていきます
「炊事に洗濯、お掃除とお任せください。ご期待に応えて見せます」
テキパキとこなしていき日が落ちる頃合いには整理も一段落、そのまま食事を作りテーブルに配膳する
「一先ず温まれるようにポトフをご用意させていただきました」
これで満足して貰えればメイド契約をしっかり結んで貰えるでしょうか?
「期待には応えられたようですね」
どうやら満足いただけたようなので本契約に参りましょう
「ではこれからもよろしくお願いします、ご主人様」
そして契約すると見た目に徐々に髪はショートになりメイド服も赤く替わっていき身体もしなやかに変化します
「私は変わった種族でして、今の変化はご主人様に合わせて見た目が変わりました」
ただ何時もの変化と違って何かしら不思議な力が沸いてきますね・・・
「今の私ならばこの世界の探索も出来ると思いますので存分に使ってください、精一杯仕えさせていただきます」
そして新しくなった見た目でカーテシーをします
その後は冬至祭の準備もしっかり行います
「はい、お任せください。満足のいく冬至粥をご用意します」
この方には長くお仕えできそうですし、この世界に来て良かったとしみじみ感じつつ過ごします
●家憑き妖精
西洋妖怪『キキーモラ』――それがオリビア・ドースティン(ウィリアム様専属メイド・f28150)だった。
彼女にとってメイドという職業は生計を立てる上で語る必要のある職業である。
寒風に翻るメイド服。
金色の髪が軽やかな音を立てるように揺れ、緑色の瞳が求人の掲示板を見上げていた。
見知らぬ街。
既に季節は、この世界で言うところのクリスマスというものが近づいている。
オリビアに馴染み深いのは冬至祭といった名前だろう。
「その前にどうにか新しい御主人様を見つけなければ……」
そう、今のオリビアはフリーである。
務めていた屋敷を辞して、新たな主を求めて求人の掲示板を見上げているのだ。
いくつかの使用人を求める張り紙がある。
だが、彼女はいやに引き付けられる求人から視線が外せなかった。
「……おや? これはどうしたことでしょうか」
一点を見つめれば、もう目が離せなくなっている。
どうしてかわからないがオリビアはこの求人に記されている屋敷へと赴くことを、もう心に決めている。
戸惑う心があれど、しかし体は正直なものである。
いつの間にか彼女の足が動いていた。
引き付けられるように。引き寄せられるように。
雪が降ってきているから急いでるのではない。
何故か逸る心を抑えられなくって、彼女は雪が舞い散る街中を駆け出していた――。。
●一人きりの屋敷
眼の前に広がる空間の冷たさにウィリアム・バークリー(“聖願”/氷聖・f01788)は押し潰されそうだった。
日々、昼の時間が短くなっていく。
冬至が近いと実感できることは、正しく己の体の神経が働いているということだ。
けれど、ウィリアムはどうしても前向きに物事を考えられなかった。
冬至祭までには家の整理をしなくてはならない。
だが荷ほどきを終えていない荷物が山積しているのだ。
自分一人では調度品一つとて満足に備え付けることができない。何処に何があるべきなのか。其処に何を置くべきなのか。
そうしたことを考える煩雑さをウィリアムは受け入れ難かった。
だから事前に使用人、メイドを募集する旨を求人掲示板に張り出したのだ。
それも数日前のことだ。
この数日間ウィリアムが出来たことと言えば、己の生活に必要最低限のものを取り出すことだけだった。
「来てくれないなぁ……なかなか人って」
それもそうだ。
なぜなら今は年末。
どこも人手がほしいのである。なら、新規の屋敷に務める奉公人というのは、滅多なことでは現れない。
がらんとした屋敷の中を見やる。
「ダメだ、精神的によろしくない。どうしよう。本格的に心が参ってきそうだよ」
鬱屈たる思いが体を駆け巡っていく。
そこにドアノッカーの音が響き渡る。
よく通る音。
甲高い、というにはあまりにも慎み深い音だった。ドアノッカーを鳴らした者の人となりがわかるような気がした。
少なくとも粗野な者ではないとウィリアムは知れる。
もしかして、もしかしなくっても! とウィリアムはドアを開く――。
●メイド
其処に居たのはメイドだった。
すでに使用人としての服装に身を包んだ金髪碧眼の少女。
家主であろうウィリアムに敬意を示すようにお辞儀をする姿は、見事なカーテシーであったと言えるだろう。
対するオリビアがウィリアムに感じたのは優しそうな、という印象であった。
「初めましてバークリー様」
その言葉にウィリアムは即座に彼女が募集に応じてくれた人なのだと理解できる。
よかった、とウィリアムは心から安堵した。
数日待った甲斐があったとも言える。
「ようこそ、僕がウィリアム・バークリー」
「オリビア・ドースティンと申します。あの、メイドの必要と求人を出されておられたのはお間違いないでしょうか」
「そうなんだ。この屋敷に越してきたのは良いのだけれど、荷ほどきは終わっていないし、家事も覚束なくってね」
よかったよ、と言葉を告げようとするウィリアムにオリビアは頷く。
まだ契約は成されていない。
かといって求人を見てきました。はい、採用。とはならないのが奉公人の世界の厳しいところである。
故に彼女は広げたスカートの裾を離し、もう一度礼をする。
「炊事に洗濯、お掃除……おまかせください。ご期待にお応えしてみせます」
「それは心強いね。ええと、まずは」
「荷ほどきでございますが、その前に一度お屋敷を掃除させて頂きたく思います」
まずは、己の技量というものを見ていただこう。
オリビアはそう言っているのだ。
なるほど、とウィリアムは納得する。確かにメイドが募集に応じてやってきてくれたという喜びが勝ってしまってうっかりしていた。
雇う側にも、それなりの態度というものがあるのだとウィリアムは理解したのだ。
「それじゃあ、任せたよ」
「はい。ありがとうございます」
そこからオリビアの働きは傍で見ていたウィリアムが自身自体が彼女の仕事の邪魔だということを理解するのにそう時間はかからなかった。
それほどにオリビアの仕事は早かった。
そして、隙がなかった。
窓脇の誇り一つ見逃さず、急げば急ぐほどに隅をおざなりにしがちな掃除をすぐさま肩をつけてみせたのだ。
モップを翻し、彼女は一つ頷く。
「バークリー様、あちらの荷を改めてよろしいでしょうか」
「え、あ、うん。お願いするよ」
もう何を言わずともオリビアは屋敷に荷を解き、備え付けていく。
恐るべき速さだった。
掃除の時も思ったが、彼女は超一流と言っていいのではないか。
ウィリアムは、備えられた調度品、そのソファにオリビアに促されて座るだけだった。
「本当にあっという間だった……」
呆然としていると何処からか良い香りが漂ってくる。
なんだろうと思っているとオリビアが湯気立つ食器をトレイに載せてやってくる。
「寒さも厳しくなってきております。一先ず温まれるようにポトフをご用意させていただきました」
「これを君が?」
「はい、掃除、洗濯だけでなく、お食事もご用意できます」
「……ありがとう。それじゃあ、頂こうかな」
ウィリアムは一口啜る。
滋味とでもいうのだろうか。それまで冷たい空気しか漂っていなかった屋敷が華やぐようだった。
色がつく、というのが正しいのかもしれない。
体が温まれば心もあたたまる。
「美味しい……君は良い養成機関にいたみたいだね」
「ありがとうございます。ご期待にお応えできましたか?」
「もちろん」
「それでは……」
「うん、契約しよう、オリビア」
ウィリアムが差し出した契約書。
雇用を示すサインをウィリアムが記し、そこにオリビアも又署名を記す。
「では、これからもよろしくお願いします、御主人様」
その言葉と同時にオリビアの姿に徐々に変化が起こる。
金色のなびく髪はショートカットに変わり、メイド服も赤く色づく。
体もまた変化していた。
しなやかに、柔らかさを示すような体型にである。
「え、どうして……!?」
ウィリアムが目をむく。それもそのはずだ。人の姿が眼の前でいきなり変わったのだから。
「私は変わった種族でして……今の変化は御主人様に合わせてのものかと」
オリビア自身も驚いているようである。
けれど、不思議と嫌悪はなかった。
むしろ、喜びが勝ってる。
良い主人を得た、という充足。
その喜びに震えるようにオリビアはもう一度カーテシーでもって主人に礼を尽くす――。
成功
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