バトル・オブ・オリンピア⑭〜走りで魅せるその魂
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「レース・フォーミュラの登場。さて、いったいどんなレースが繰り広げられるんやろな~」
カメラ片手にウッキウキワックワクのヴィオット・シュトルツァー(|地獄の先駆者《Holle Vorreiter》・f35909)。レースと聞くとどうしてもテンションが上ってしまうらしい。
今回レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』の復活に伴い、彼との|戦い《レース》が猟兵達に与えられる任務となるそうだ。
なお、ウィリアム・ローグは速さを極めた生涯の果てに得た究極の能力『アルカディア・エフェクト』を駆使してレーサー達に挑み続けている。
何故彼がそんな力を持っているのかは不思議だが、アスリートアースという世界だ、レースで速さを求め続けただけでそうなるのだろう。キャンプがある世界だし。
「で、今から皆にはこのウィリアム・ローグとレースしてもらわなあかん。あちらさんはどうやらレースでしか戦わんようでな、ちょっと厄介な相手でもあるんや」
超速で走るレーサー相手にスピード勝負を挑んだとしても、勝てる確率は極わずか。
だが、ウィリアム・ローグはレースを通じて相手の魂を見透かす事ができるようで、相手次第では満足してくれるかもしれないとヴィオットは告げる。
レースに対して極限まで神経を研ぎ澄ませている結果、スピード以外での勝負も必要になっているようだ。
「ちな、お相手さんに確認取ったところ『レース』なら何でもええんやて。せやから好きな方法で|戦う《走る》とええんちゃうかな」
アスリートアースの世界でも最も一般的なアスリート・レース。
さて、レース・フォーミュラとの|戦い《走り》はどう魅せてやろうか……。
御影イズミ
閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
某黄色い鳥レーシング(ロードの方)ではバイクもトラックも飛空艇も魔法の絨毯も雲も自走もレースに出てたし、別にキャバリアや飛行やチャリや戦車でレースしてもええよなぁ。
ってことで、何でレースに来るかは皆さんの自由。
初めての方はMSページを読んで頂ければと思います。
●採用について
「シナリオの成功数に到達する🔵の確保が確定した時点」で締め切ります。
採用についてですが、現時点では全員採用を目標にしています。
ただし、人数や内容によっては採用の確約が出来ません。
また採用が難しいと判断したプレイングはお返し致しますのでご了承ください。
●アルカディア・エフェクトについて
今回のシナリオに参加し、成功した方は「アルカディア・エフェクトの後継者」となります。
今すぐ使用できるわけではありませんが、いずれ覚醒する事があるかもしれません。
●場所:ローグ・ファクトリー
ウィリアムがローグ・インターセプターを作る為に建造した広大なガレージで、あらゆるモータースポーツのテストが可能なサーキットも併設されています。
そのため障害物のないテストコースとなっており、3周することでレースを終了の形になります。
なおキャバリアで走っても問題ないレベルの大きさ。すごい。
そして飛行も許されるレース。すごい。
ウィリアムは皆さんから攻撃を受けない限り攻撃はしません。
が、UCに対応したフラグメント内容は発動します。
●プレイングボーナス:レースを通じてウィリアム・ローグに自身の「魂」を示す。
真正面に走っても無意味なほどに、ウィリアム・ローグの速度はめちゃくちゃな速さです。
しかしレースの速度に固執し、どう追い抜くかで思考を巡らせた結果、他者の魂まで見える形になっています。
どんな魂を持ってこのレースに参加しているか。それを示すことでウィリアム・ローグが速度低下し追い抜ける形となります。
皆様の素敵なプレイング、お待ち致しております。
第1章 ボス戦
『ウィリアム・ローグ』
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POW : アルカディア・エキゾースト
レベルm半径内を【アルカディア・エフェクト】で覆い、範囲内のあらゆる物質を【何者にも縛られぬ風】で加速、もしくは【置き去りにされた過去の光景】で減速できる。
SPD : ブラック・インフェルノ
【レーシングマシン】から、戦場全体に「敵味方を識別する【漆黒の炎】」を放ち、ダメージと【強制進化】の状態異常を与える。
WIZ : ヴォイド・リフレクション
【超加速能力】を宿した【車載兵器からの一斉砲撃】を射出する。[車載兵器からの一斉砲撃]は合計レベル回まで、加速・減速・軌道変更する。
イラスト:秋原 実
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
暁星・輝凛
アドリブ歓迎
愛車のデイブレイカーと一緒にレースに挑む。
マシンの性能と僕の腕、それに【勇気】と【覚悟】で真っ向勝負だ。
勿論、相手の土俵だけど……自分に嘘をつかずにやれば、応じてくれるんでしょ。
そういうの、大好きだよ。
僕はレーサーじゃないけど、同じくらい戦いの人生を走り続けてきた。
弱かった僕を支えてくれた人、導いてくれた人、目標でいてくれた人。
皆が僕を育ててくれた。愛してくれた。だから、今の僕がある。
見えてるんだろ、ウィリアム・ローグ。存分に見て、知るがいい。
人から受け継ぎ、人を愛し、守り続ける。それが僕だ。
お前の想いも、僕が受け継ぐ!
最後の直線でエンジンの【リミッター解除】。
――勝負をかけるよ!
●人々の支えを力に走り抜く。
「なるほどね……相手の土俵だけど、自分に嘘をつかずにやれば応じてくれるんだ」
愛車のAL030 デイブレイカーに乗り込み、ローグ・ファクトリーにやってきた暁星・輝凛(|獅輝剣星《レディアント・レオ》・f40817)。既にウィリアム・ローグは準備を済ませてスタートラインの位置についており、その隣を輝凛が並ぶ形で位置についた。
ウィリアムは速さを極めたレース・フォーミュラ。故に彼は正々堂々とレースで戦い、速さの果てに辿り着いたアルカディア・エフェクトを駆使して数々のレーサーを落としてきた。
「いいね、僕はそういうの大好きだよ。早速、始めようじゃないか!」
気持ちが高ぶってきた輝凛はウィリアムに向けて、スタートの合図を切るように宣言。ハンドルを握りしめ、スタートの合図を待ち……信号が青に変わると同時に、フルスロットルでコースを走った。
最初のスタートダッシュは同等のタイミング。真っ直ぐに走るだけの道だが、すでにその時点でウィリアムの機体は輝凛から離れていく。
コーナリングも完璧に決めて、次の直進を走って、次のコーナーを回ってと、輝凛の操作に無駄はない。むしろ一般的に見ても鮮やかすぎるテクニックだ。
(……だけど)
それでも、輝凛はウィリアムには追いつけない。アルカディア・エフェクトによって何者にも縛られぬ風を作り出したウィリアムはぐんぐん加速して、輝凛を置き去りにしていく。
かなり集中しているのかもはやウィリアムはレースのみに視線を移している状態だ。故に輝凛は聞いていた情報をもとに、あることを口にする。
「……そうだ。僕はレーサーじゃない。こんなに走ることも出来ないほど弱かった僕がこうしてここに辿り着いたのは皆のおかげだ」
ウィリアムは極限まで集中すると、相手の魂を見透かす。これまでの輝凛の道のりさえも見透かすのだろう、それならばと助けてくれた人々のことを思い浮かべる。
「弱かった僕を支えてくれた人。導いてくれた人。目標でいてくれた人。皆が僕を支えてくれて、愛してくれた」
輝凛の脳裏に過る、これまでであった人々とのやり取り。やがてウィリアムにも見える形になったのか、少しずつ輝凛とウィリアムの差が縮まっていく。
「――お前の想いも、僕が受け継いでみせる!!」
最後の直進。デイブレイカーのリミッターを解除した輝凛はウィリアムに向けて心から叫ぶ。
アルカディア・エフェクトの後継者。それは、ここにいるのだと。
大成功
🔵🔵🔵
エイプリル・スノードロップ
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
ふむ、賞レースで将棋の早指しとかはあかん感じかのう?
ならば、よし、吾はこの青い木の実を選ぶのじゃ。おどろかせ力をアップしたスリーエイプちゃんの|水猿《みざる》ちゃんならおどろきのスピードを発揮してくれるじゃろう。化術でよりレースに相応しい姿に変じた水猿ちゃんの背中に乗ってレースなのじゃ。
強者との勝負はわくわくするのじゃ。抜きつ抜かれつの競り合い、その攻防は生命の輝きをよりいっそう強めてくれるからのぉ。魂を燃やし切磋琢磨する、そんな勝負を吾は求めておるのじゃ。
●魂が焼き切れるまで
「ふーむ。賞レースで将棋の早指しとかは……あかん感じかのう??」
ローグ・ファクトリーに到達して首を傾げているエイプリル・スノードロップ(|豊穣の聖女《フリーファーマー》・f40158)。彼女を出迎えたレース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』は「ダメです」と言いたげに両手でバツ印を作っているため、早指し将棋では駄目なようだ。
「そうか。よし、ならば――ふむ、これはどうじゃ?」
ユーベルコード『スリーエイプちゃん』を使い、3つの色の木の実を取り出すエイプリル。今回選んだのは青色の木の実――|水猿《みざる》に変身する木の実を手に取り、変身させた。
驚かせ力が増加するタイプの水猿は身体をよりレースにふさわしい形に変え、その背にエイプリルを乗せていざ、ウィリアムの機体が並ぶスタートラインへ。
信号の色が赤、赤、青と変わり、スタートの合図が鳴り響く。
それと同時にウィリアムの機体は水猿を瞬時に置いていって、先にコースを直進する。負けじと水猿も一歩一歩の幅を広く取るように走り、ウィリアムに追いつこうとしていた。
しかしウィリアムは既にレーシングマシンから漆黒の炎を放っている。焼け付く風が水猿とエイプリルを襲い、強制進化を引き起こそうとしている様子が伺えた。
「水猿ちゃん頑張るのじゃー! こう言ったレースは抜きつ抜かれつの競い合い、水猿ちゃんが負けないと思えば負けないのじゃー!」
エイプリルが負けじと声を張り上げ、水猿を応援する。ウィリアムがここまで炎を巻き上げるのはアルカディア・エフェクトによって速度を極め、集中し始めたからだ。
そこをあえて突いていくエイプリルは水猿の応援とともに、自分の強い魂――生命の輝きがぶつかり合う勝負をもっと見たいという意志を魅せる。魂を燃やし、切磋琢磨する。そんな勝負が見たいからと、心から願った。
その魂は集中していたウィリアムにも届いたのだろう。超速度がわずかに減速を始めている様子が見え始め、やがて水猿が接近できるほどまで減速していた。
「ふむ。少し見せすぎたかもしれんの」
程々の速度になったウィリアムについつい見せすぎたと反省するエイプリル。もっと程よくひりつくような勝負が見たい彼女は水猿の応援をしつつ、ウィリアムの速度を下げすぎないようにレースを走り続けてもらった。
大成功
🔵🔵🔵
李・玉明
WIZ アドリブ連携歓迎
妾は生身、飛翔してレースに参加するのじゃ!
よろしくのぅ、ウィリアム!
普段はゆっくり(レベル×5km/h)だけど、今回はスピードも必要。
だから、妾も本気で飛ぶのじゃ! 負けないのじゃ!
月まで|翔《と》んでいける勢いで挑むのじゃー!
魂:かっこよくみせたい、強くなりたい、頼りがいのある大人なレディになりたい。そんな見栄がいっぱいな煩悩がたくさん有るけれど……何よりも、みんでいっしょに、楽しく在りたい! 勝って、笑顔で喜びを分かち合いたい!
だから、精一杯頑張るのじゃ!
めちゃくちゃ速いウィリアムの走りを見ても諦めはせぬ!
レースは、スポーツは! 最後までわからないものなのじゃー!
●今日は本気で走りきる!
「ふむふむ、なんでもありのレース。ということは、生身で飛翔しての参加も良いということじゃな!」
レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』に挨拶をしながらローグ・ファクトリーへ入ったのは李・玉明(豪華絢爛西欧天女・f32791)。走れればなんでもいいという今回のレース、生身で走ると聞いてウィリアムはびっくりしているが、さてその結果はどうなるか。
玉明は前準備としてユーベルコード『|月光天女精霊飛翔《フライミー・ムーンライト》』を発動させ、飛天の羽衣を使い軽く飛翔。問題なく走れることをウィリアムに見せつけると、スタートラインに並んだ。
(今回はスピードも必要。ふむ、出力を上げておこうかの)
普段ならば玉明は危ないからとゆっくりの速度で走るのだが、今回はレースということで飛天の羽衣の出力を最大値に変更。勝負に負けない、勝ちたいという意欲まで見せていた。
ウィリアムと共にスタートラインに並び、合図が鳴った瞬間にスタートダッシュを決めた玉明。間違いなく、彼女はウィリアムの前へ躍り出たのだが……流石はレース・フォーミュラといったところか。数秒もしないうちにウィリアムは玉明に並び、わずかに前へ出ているのがわかる。
レースを極めに極めた者が扱うアルカディア・エフェクト。それが可視化される瞬間、彼は超加速能力を宿した車載兵器の一斉砲撃で更にブーストをかけ、玉明を引き離そうとしていた。
「むむっ! 負けぬのじゃー!」
食いつくように玉明が走る。その魂はウィリアムにも見えているようで、とにかく彼女は『勝って、笑顔で喜びを分かち合いたい!』という意気込みを見せていた。……色々と煩悩はあるが、今はそれが一番のようだ。
ウィリアムはその魂を見て、一瞬だけ思い出す。
自分がレースに参加している時の感情。初めてレースで勝利したあの瞬間を。
「レースは、スポーツは! 皆が楽しみ、勝敗を分けるもの! 誰だって勝利は掴みたいものなのじゃ!」
少しずつ減速する様子のウィリアムを前に、玉明は速度を緩めず飛翔し続ける。超速度を超えていたウィリアムはやがて玉明と並ぶと、その表情まで目に入れてしまった。
「――なにより、勝負というのは最後までわからないものなのじゃ!」
どんなに超速度の相手が現れようと、決して諦めはしない表情。
ウィリアムはそんなもう1つの玉明の魂を垣間見た。
大成功
🔵🔵🔵
雪・兼光
●SPD
他のアンタもそうだったけど、本当にレースが好きなんだな
また勝負といこうぜ
伝説の走りをこの身体で実感したくてな
俺のマシンはコイツだ(ユーベルコード)
さぁ、伝説の走りをこの若輩者にみせてくれよな。レジェンド
おれは必死に食らいつくだけだ
やっぱり追い抜くためにはカーブも上手く曲がらねぇとな
カーブはシートに曲がりたい方向には荷重をかけて、セルフステアを運転で利用しそのままつっきる
悪いなレジェンドっ!
こっちはまだこんな所で殺られる暇ねーんだわ!
まだ知らねー世界とか行ってみたいしなっ!
俺の旅の邪魔をしないでもらおうかっ!
悪いがアンタは置いていくぜぇ!
●まだ見ぬ世界のために、走る。
「他のアンタもそうだったけど……本当に、レースが好きなんだな」
ローグ・ファクトリーに訪れた雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)は周囲を見渡して、レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』に視線を向ける。
予知した数だけ、ウィリアムの存在はある。兼光はそんな他のウィリアムと戦ってきたからこそわかるのだ。好きだからこそ、アルカディア・エフェクトを取得するほどの極みに到達してしまったのだと。
「それなら、やっぱり俺たちの戦いはコイツしかない。伝説の走りをこの若輩者に見せてくれよな、レジェンド」
そう呟いた兼光はユーベルコード『Get on the blaster』によってレース用機体に変形させた|熱線銃《ブラスター》に騎乗。ウィリアムに見せつけながらスタートラインに立つ。
これが自分達の戦い、語り合い。走り始めればもう、言葉はいらないのだと。
スタートの合図が鳴った瞬間、2つの機体が真っ直ぐな道を駆け抜ける。
わずかにウィリアムの機体が前に出たかと思えば、必死に食らいつこうと兼光が差を縮めていく。
(……熱いな)
ウィリアムのレーシングマシンから発せられる漆黒の炎が兼光の身体を、機体をじわじわと焼いていく。耐えきれないというほどではないが、長らく炎を浴び続ければ熱傷は避けられない。
それでも兼光はしがみついた。差が埋められなくなってきても、大きく引き剥がされても、決して諦めずにウィリアムの速度に食らいつく。
「俺は! ここで負けるわけにはいかねーんだ、レジェンドッ!!」
兼光は叫ぶ。この勝負で負けてしまえば、まだ見ぬ世界を見ることは出来ずに冒険は終わる。それだけは絶対に避けたいのだと。
猟兵となっていろんな世界を見てきた。猟兵となっていろんな世界を救ってきた。その物語をここで終わらせず、むしろ物語の1つとしてウィリアムに勝利するところまで思い描いていた。
そんな兼光の魂はウィリアムにとっては強く、眩しくて。
もっとその先を見てほしい。もっと物語を紡いでいてほしい。もっと旅を続けてほしい。
いろんな想いが交錯して、ウィリアムの機体の速度を下げていく。
「――ここだっ!!」
ウィリアムの速度が落ちた瞬間を狙い、フルスロットルで追い抜いていく兼光。
『アンタは置いていく』。その一言を残し、兼光が先にゴールフラッグを切ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
クィル・ルーダス
この戦争、我が星の国民には非常に合いそうではありますが…
私自身としてはそれほどなので様子見をしていました
しかし、アルカディア・エフェクトでしたか?それが非常に気になりまして
とはいえこれでも私はルーダス皇国の第三皇女、闘争を行うのに負ける気で挑む気はありません
乗物はバイクで行きましょう、経験があるから問題ない筈です
ただ、マシン自体は借りさせてもらいます、私の所持しているのはあくまで移動用なので
後は全力で勝負に挑むだけ
仕掛け所はカーブ、物理法則にしたがう以上どうしても速度は落ちるでしょう
ですが私には使い慣れた力があります
いざ、勝負!『貫き通すは杭撃皇女』…ッ!
●身体は闘争を求める。
「この戦争、我が星の国民には非常に合いそうではありますが……」
ローグ・ファクトリーに訪れたクィル・ルーダス(杭撃皇女・f39666)は本来、この戦争は様子見をする予定だった。しかしレース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』がアルカディア・エフェクトを使用すると聞いて、非常に気になってしまった彼女は参加する流れになった。
人の姿を持ちながらも、人より強靭であり、身体も心も闘争を求める性質を持つルーダス星人。戦いとは程遠い勝負ではあるが、闘争のために行うのであれば勝負内容がなんであれ負ける気で挑むことはない。
レース用マシンを借り、スタートラインに並んだクィル。普段使いのバイクは移動用のために使っているもののため、こういったレースには不向き。故に借りたレース用マシンでウィリアムと勝負することになった。
スタートの合図と共に両者のマシンが走り出す。最初は並んでいた機体は最初のコーナーを曲がった時に差が開き、ウィリアムが先手を取っていく。
速度のみを追い求め、レースに挑み続けているウィリアム。極限にまで集中することでアルカディア・エフェクトを周囲に発生させ、何者にも縛られぬ風で加速していく。
「くっ……」
相手が加速する度に、クィルもまた加速して追いつこうと食らいつく。決してクィルの速度が遅いわけでは無い。ウィリアムのほうが速すぎるのだ。
けれどどんなに差が開いたとしてもカーブの時には物理法則に従う以上は速度が落ちる。それはウィリアムとて例外ではなく、従わなければならないものだ。
しかし逆にその瞬間こそがクィルにとっての好機であり、最大出力を放出するタイミングともなっていた。
「――|貫き通すは杭撃皇女《イナーシャルキャンセラー》!!」
ユーベルコード『|貫き通すは杭撃皇女《イナーシャルキャンセラー》』は己の身体に強力なサイキックエナジーを纏うことで自身に掛かる衝撃や慣性を消去し、即座に行動が可能になる力。それを用いることでカーブに差し掛かっても速度を落とすこともなく、直進のときと変わらぬ速度でウィリアムに食いついていた。
その勝負は……互角。
己の魂を見せることなく戦った結果、ウィリアムを追い抜くことは出来なかったが、満足させるには至ったようだ。
成功
🔵🔵🔴
月夜・玲
相手はレースのプロ
速さの鬼、速さを極め人の魂まで見る
…土足で勝手に、人の中身を覗くのはちょーっと礼儀知らずじゃ無いかな!
じゃあ見せてあげよう、私の根幹私の魂
則ち、そういう理不尽をぶっ潰す為に私は猟兵やってるんだからさ!
EX:I.S.T [BK0001]へ騎乗
レースがしたいって言うんなら、こっちも全力で応えてあげよう
バイクへ跨り、コースを走る
まずは肩慣らし、全力でスロットルを開放
真っ当に走っても追いつけないのは承知の上!
それでも挑まないのは、ダメでしょ
ある程度走ったらこっちも本気で追いついてみせる
【剣技・嵐流剣】起動
蒼嵐を纏い加速
最大速度、極限まで加速する
負けず嫌いだからね勝ちにいくよ!
●本気には本気で返す
「相手はレースのプロ。速さの鬼で、速さを極めている……」
ローグ・ファクトリーに到着した月夜・玲(頂の探究者・f01605)はEX:I.S.T[BK0001]に騎乗し、レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』と共にスタートラインに立つ。
相手が最速を求め続けた結果、アルカディア・エフェクトを使い勝負を挑むようになったのは既に情報して持っている……が、玲が気にしているのはそこではない。
「……人の気持ちに土足で上がり込むのは、ちょーっと礼儀知らずじゃないかなぁ!」
極限に集中した結果、ウィリアムは人の魂を見透かす事ができるようにもなった。おかげで様々な猟兵達の魂を見ては満足そうにレースを楽しんでいる様子。
「いや、まあ、満足そうならいいんだけどね!?」
覗かれる気持ちにもなってほしいものだと叫ぶ前に、スタートの合図が鳴り響いた。
スタート直後から、熱い|戦い《走り》が見せつけられる。
玲もウィリアムも完璧なタイミングのスタートダッシュを切った。ほとんど同時とも言えるが……わずかにウィリアムが先に出て、速さの頂点に上り詰めようとしていた。
更にウィリアムのレーシングマシンからは漆黒の炎がコース全体に振り撒かれ、焼け付く風が玲に襲いかかる。
「っ、追いつけないのは承知の上! ここで挑まなきゃ、猟兵としての名が廃る!!」
それでも玲は食らいつく。EX:I.S.T[BK0001]の限界ギリギリまで速度を上げて、少しでもウィリアムの近くに張り付くように機体を操作して。負けそうな形になっても、玲は諦めない。
彼女の魂――すなわち、こういう理不尽な環境をぶっ潰す。そのために彼女は猟兵をやっているのだから、こういう場面はむしろ大歓迎なのだ!
「――嵐はただ、全てを乱すッ!!」
ユーベルコード『|剣技・嵐流剣《プログラム・ストームエッジ》』を使い、速度を更に上げた玲。蒼嵐をその身に纏うことでEX:I.S.T[BK0001]が限界ギリギリでも更に加速することが出来るのだ。
理不尽は理不尽のままにさせやしない。
そんな強い魂の叫びが集中しているウィリアムへと届いて、その速さが緩む。
「今だッ!!」
ウィリアムがわずかに減速したその瞬間、玲は極限まで加速させた機体で彼を追い抜いていく。
ゴール目前の僅差。わずか1ミリほどの差で玲はウィリアムに勝利した。
こんなにも気持ちのいいレースは、早々見ることはない。
ウィリアムの満足度も良いものとなったようだ。
大成功
🔵🔵🔵
ジード・フラミア
ジード「……あの速さ付いて行けるかな……」
メリア『ならば、かわいく!カッコよく!そして速い!そんなマシンを作るノミデスヨ!魂の改造を見せるのデス!』
UC【変化する人形】を使用
メリアのボディに組み合わせるように車とジェットエンジンを取り付けます。
この|マシン《人形》でレースに参加します。
アドリブ・連携は歓迎です。
●見せつけろ、魂の改造!
「……あの速さについて行けるかな……」
レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』の走りを眺めていたジード・フラミア(人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー・f09933)。傍にいる人形メリアもちょっとだけ言葉を失っていたが、ここで意気消沈していてはいけないと声を上げた。
『ならば、かわいく! カッコよく! そしてとっても速い! そんなマシンを作るノミデスヨ!』
「えっ、そんなマシンって言われても!? ど、どんなの……??」
『ワタシをメインボディに可愛く! ジードが搭乗してカッコよく! それを考えれば最高のマシンが出来るデショウ!』
「ええと、こう……??」
ユーベルコード『|変化する人形《メリア・アタッチメント》』を使い、人形のメリアのボディに付けられるスクラップ――レース用の車とジェットエンジンを使いメリアを改造し、ウィリアムに勝負を申し込んだ。
魂を込めて作り出した改造車。それがウィリアムにどう通じるかは正直分からない。
けれどこれは2人で1人なジードとメリアの傑作品。速さもそうだが、2人の思い描く『最高のレース』を作り出すために作られたものだ。
そんな作品を壊すのは忍びないが……それでもウィリアムのレーシングマシンは漆黒の炎をレース全体に放つ。
焼け付く風が2人を襲うが、それさえも予測済みだというようにメリアは前もって用意していたスクラップシールドで炎から身を守る。
『熱くなるレースってのも悪くナイデスネ!』
「物理的に熱くなるのは聞いてないかなぁ!」
可愛らしいメリアの姿のままに、カッコよく変形して自分達の身を守り、それでも速度を衰えさせない機体にウィリアムは正直驚いていた。
集中している合間に彼は2人の魂を読み取ったが、既にそれらは表に出ている通り。この改造こそが全てだと告げているようなものだ。
勝負は僅差。ウィリアムとメリアの機体が並んでゴールフラッグをくぐり抜ける。
けれどもう、勝負の行方なんて関係ない。
満足そうな表情のウィリアムを見ていると、魂込めて改造した甲斐があるというものだ。
大成功
🔵🔵🔵
数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】
……ウィリアム・ローグ。伝説のレーサー。
馬鹿だよな、アタシも、アンタも。
色んなモンを擲ってでも速さを突き詰めて、その先にあるかもわからない何かを求めてさ。
でもよ……ダメだ、うまく言葉にできねぇや。
やっぱりレーサーなら、レースで語らないとな!
いつもの宇宙カブに『騎乗』し、馬鹿だと言われようが真正面からレースを挑むよ。
やる事は本当に基本の基本。コースの最速を取れるラインを見極め、アクセルとブレーキをドンピシャのタイミングで利かせ、彼に食らいつく。
それしかしない、いや、できないんだ。
アタシもレーサーを名乗った以上、レース以外で挑めるもんかよ。
全身全霊の走りがアタシの答えだ!
●語るのに言葉はいらない。
「……ウィリアム・ローグ。伝説のレーサー……」
ローグ・ファクトリーに足を運んだ数宮・多喜(撃走サイキックレーサー・f03004)は他の猟兵達が走っている間に、レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』の走りを見定めている。
速度を追い求めた結果アルカディア・エフェクトを手に入れ、それを扱う者となったウィリアム。今ではもう、限界を超えた先の速さでレースに挑んでいる。
それに対して多喜は色々と言いたいことがある。いろんな物を擲ってでも速さを突き詰めて、その先にあるかもわからない『何か』を求めて、馬鹿らしくなって笑いたくなってしまうというのに……ちゃんとした言葉としてまとまらない。
だから多喜は準備した。いつものように宇宙カブJD-1725に乗り込んで、自分のやるべきことをやるだけだと。
「やっぱりレーサーなら、レースで語るっきゃないよな!!」
合図とともにスタートダッシュを切った多喜とウィリアム。バカ正直だと言われようと、多喜はウィリアムに食らいつくように運転を続ける。
基本中の基本とも言える動作。コースの最速ラインを見極め、タイミングよくアクセルとブレーキを利かせ、最小限の動きでウィリアムに近づこうと走り続ける。
それでも、多喜がウィリアムに近づけることは決して無い。相手は速さを極めた者、レーシングマシンと一体化したかのように走り続ける鬼のような存在だ。
「……ははっ、熱くなってきた」
ウィリアムのレーシングマシンから発せられる漆黒の炎が多喜の身をじわじわと熱くする。けれどその炎がなんだというように多喜はニヤリと笑みを浮かべる。
「アタシがこの程度の炎で怯むと思ったら、大間違いさ!」
もう一度、同じ動作でウィリアムの後ろを走る多喜。彼女にとって魂とは、全身全霊で走ることしかなく、たとえどんな障害物があろうと決して立ち止まらない。
「アタシだってレーサーだ! アンタと同じ、全身全霊で走り続けるだけのね!」
例え身体が焼けて朽ちたところで、多喜はきっと止まらない。
それを察したウィリアムの速度は徐々に落ちて、彼女のバイクと並ぶ。
同時にゴールフラッグが切られ、判定の結果――多喜の勝利に終わる。
それでもウィリアムは満足そうな様子を見せていた。
大成功
🔵🔵🔵
黎明・天牙
夢幻戦線
さあ、勝負しようか…レーサー
フォーミュラカーに乗って参戦する
その炎は面倒くせぇな…
UC対しては水属性攻撃の衝撃波を放ち漆黒の炎を消しながら推力移動を発動して炎に当たらないようにする
俺がアンタに挑んだ理由か…?
そうだな…まあ俺は夢幻戦線のリーダーだからな、夢幻戦線の連中はオブリビオンのせいで行き場を失った連中の集まりだからな…リーダーの俺があいつ等を導いてやらねえとな
要は仲間守る為にアルカディア・エフェクトの後継者になりてぇの
これが天牙の魂です
…流石は伝説のレーサーだな
UCの効果で奇跡の力を発動して相手のマシンは少し滑って体勢を崩すが何とか立て直した
俺もアンタともっと勝負したくなったな…
レティシア・ハルモニアス
夢幻戦線
伝説のレーサーよ!妾とも戦って貰おう!
キャバリアに乗って相手に挑む
こいつをくらうのは不味いかのう!
相手のUCに対してはクイックドロウの要領で水属性のエネルギー弾を発動して漆黒の炎を消すように立ち回る
妾は負ける訳にはいかんのじゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!
念動力と推力移動を利用して加速しながら相手に迫る
妾は敵に国を奪われた…!妾が女王として未熟だったからじゃ…!天牙の奴のおかげで夢幻戦線の仲間に出会えて眷属とも合流できた…じゃが少しでも強くなって皆を守りたいのじゃ!
これはレティシアの魂です
妾もアルカディア・エフェクトを手に入れたいのじゃあ!
UCを発動して漆黒の炎を消滅させながら相手の方へ加速する
●理由はただ1つ。
「さあ、勝負しようか……」
「伝説のレーサーよ! 妾とも戦ってもらおう!」
広々としたローグ・ファクトリーにフォーミュラカー『ゴイスー』に乗ってやってきた黎明・天牙(夢幻戦線のリーダー『パラダイス・ブレイカー』・f40257)と、サイキックキャバリア『Pluto・Unlimited』に乗ってきたレティシア・ハルモニアス(奪われた全てを取り返す為に~吸血鬼戦線~・f40255)の2人。
相応な大きさの2つの機体だが、レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』は全く物怖じしていない。むしろ、この会場でそんな大きな機体を使ってくれるのが嬉しいようだ。
スタートラインに並び、合図と同時に走り出す3つの機体。そのどれもがスタートダッシュは完璧だった。
けれど流石は速さを求めたレース・フォーミュラ。ウィリアムは最初のコーナーですぐに2人を追い抜いて、そのまま走り続ける。
「チッ、流石はレース・フォーミュラ……」
「ぬぅ……そもそもここはヤツの城のようなものじゃからのぅ……!」
ローグ・ファクトリーはウィリアムが作り出した広大なガレージ。試運転用に何度も何度も乗り回したからこそ、コースの癖なども完璧に知っているし、天牙とレティシアより有利だ。
それでも天牙もレティシアも負ける気でいるつもりはない。2つの機体の出力を限界ギリギリまで上げては、ウィリアムに食らいつく。
その苛烈なレースはやがてウィリアムのレーシングマシンから漆黒の炎を生み出し、辺りを焼き尽くす。生身でいれば、じわじわと焼き尽くされてレースどころではないだろう。
「! こいつを食らうのは不味いかのう!?」
襲いかかる炎を飛び越え、直撃を免れたレティシア。サイキックキャバリアで動いているといえども、直撃すれば機体の損傷によって行動不可に追い込まれるのはまず間違いない。
このまま突き進むのも問題ないかもしれないが、ウィリアムは既に極地に達している。炎を消せと言ってもレースが終わるまでは漆黒の炎をばらまき続けるだろうし、終わった時には殆どが焼かれて大変なことになっているかもしれない。
「だったら、こうやって消せばいいだろう!!」
天牙はすぐさま、水属性の力を込めた衝撃波で漆黒の炎を消して道を作り出す。衝撃波の届かなかった箇所に関しては推力移動でうまく回避し、レティシアが追撃のエネルギー弾で消火活動を行っておいた。
走る。走る。走る。
このレースは3週走ればゴールとなるが、ウィリアムとの差は少しずつ、ほんの少しずつ開いていく。
けれど天牙もレティシアも負けるわけにはいかない。その理由は……。
「俺はな、アルカディア・エフェクトの後継者になりてぇの」
「妾もじゃ! アルカディア・エフェクトを手に入れたいのじゃ!」
ウィリアムが持つアルカディア・エフェクト。それを手に入れるが故に、今回レースに参加した。
命ある者が使う時のみ光り輝く力は、死者には無用の長物だとウィリアム本人も予兆として告げている。故にこうしてレースを開催し、満足行くまでレースをしているのだが。
「俺は夢幻戦線――オブリビオンのせいで行き場を失った連中の集まりのリーダーだからな。リーダーの俺は、あいつ等を導いてやらねえとな」
天牙は語る。覗かれていると言うことを承知の上で、己の魂を語る。
集まってくれた仲間達。過去にオブリビオンの手によって未来を閉ざされた者達。そんな彼らの前に立つ者として、そしてそんな彼らを守りたいが故に天牙はアルカディア・エフェクトの後継者になりたいと叫ぶ。
「妾は敵に国を奪われた……。妾が女王として未熟だったからじゃ……!」
対するレティシアは、己の過去を思い出しながら嘆く。あの時強い力があれば、国を守ることも出来たかもしれないのだと。
その後は天牙率いる夢幻戦線の人々と出会ったが、彼らにおんぶにだっこされるつもりはない。むしろここでアルカディア・エフェクトを手に入れて少しでも強くなり、皆を守りたいというのが彼女の魂からの叫びだ。
「……でも、流石は伝説のレーサーだな」
「うむ。妾達の魂の叫びを聞いても、なお速度を保とうとしておる」
徐々に減速しているウィリアムの機体。炎を撒き散らしながらも、それでも2人の魂を見てしまった彼はレースの楽しさを思い出したかのように走り続けている。
だけど、ウィリアムの勝利を阻まなければ彼らは後継者としてなり得ない。故にほんの僅かにユーベルコードを使った。
天牙は『|『楽園』の邪神皇《パラダイス・メーカー》』で奇跡の力を使い、ウィリアムの機体を少し滑らせて。
レティシアは『|紅い矢弾の雨《ブラッティ・レイン》』によって降った赤い矢弾の雨の中、ウィリアムへ一気に近づいて。
夢幻戦線の連携で、満足の行く結果を残すことに成功した。
大成功
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ゼーレ・ユスティーツ
アンタと勝負したいわ
借りてきたレーシングカーに乗って勝負します
『ウィリアム・ローグか…彼はそう簡単に勝てる相手じゃないよ、ゼーレ』
エーリュシオンは呟くがゼーレには聞こえてない
相手のUC対策は視力で一斉砲撃を見ながら推力移動で回避するのと同時に呪殺弾は素早く弾丸を放ち相殺して回避するように立ち回る
私、アンタのように真っ直ぐ生きていける人間じゃないけど私の大切な人達を今度こそ守りたいの!孤児院の皆を守れなかったから…少しでも強くなりたいの!だからアンタに勝ちたいのよ!これがゼーレ・ユスティーツの魂よ!
『成る程なら僕も力を貸そう』
UCを勝手に発動してUC時と空間を発動して相手のスピードを少し落とした
●勝ちたいという意欲
「アンタと勝負がしたいわ、ウィリアム・ローグ」
ローグ・ファクトリーにはまだまだ挑戦者が現れる。ゼーレ・ユスティーツ(彷徨う『黒蝶の死神』・f41108)もその1人であり、レーシングカーを借りて参戦することにした。
レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』。彼との|戦い《レース》は普通に挑めば勝ち目のないものだと聞いて入るが、それでもゼーレは戦いに挑んだ。
『……彼はそう簡単に勝てる相手じゃないよ、ゼーレ』
何者かがゼーレの近くで囁いたが、その言葉は彼女には届かない……。
スタートしてすぐ、ゼーレの機体を後ろに、ウィリアムの機体が前を走る。最初はゼーレでも追いつけそうな速度に見えたが、ウィリアムはどんどん、どんどん、ゼーレを置いていく。
ウィリアムが先走る中、どうにか近づけないかとゼーレは考えたがそれも難しく、それどころかウィリアムの機体は超加速能力を宿した車載兵器を使い、一斉砲撃を後続車に叩き込んだ。
「くっ……!」
ハンドルを切り、目視で捉えた砲撃を推力移動で回避。更にまだ着弾していない砲撃には呪殺弾を放って相殺し、爆風による妨害を免れた。
けれどそうしている合間にもウィリアムはどんどん先へと進み、ゼーレとの距離を開いていく。
「……私は……アンタのようにまっすぐ生きていけるような人間じゃない。けど……」
ハンドルを力強く握りしめて、アクセルを思いっきり踏み抜いたゼーレ。魂の叫びを聞けと言わんばかりにレーシングカーを限界ギリギリまで加速させ、ウィリアムに追いつこうとしていた。
「私は、私の大切な人達を今度こそ守りたい! 少しでも強くなりたい! そのために、アンタに勝ちたいのよッ!!」
その叫びはウィリアムにも届いている。けれど、もう遅すぎた。彼はゴール直前まで近づいており、ゼーレの勝利は絶望的にも思えた。
……だが、その時だった。
『――なるほど。それなら、僕も力を貸そう』
突如としてウィリアムの速度が歪められる。まるで時間と空間が歪んだかのように遅く、ゴールに至るまでに時間がかかっていた。
「……え??」
ゼーレには何が起こったのかわかっていない。けれども今がチャンスだと、彼女はゴールフラッグを切った。
ユーベルコード『時空呪神・エーリュシオン』。それが発動したことは、ゼーレは知らないままに。
大成功
🔵🔵🔵
エリン・エーテリオン
アルカディア・エフェクトか…ブルーアルカディアの戦争を思い出すな!
キャバリアで勝負します
偉大なレーサーに勝負を挑んでやるぜ!
相手のUCに対しては機体を推力移動して加速しながら念の為オーラ防御を展開します。アルカディア・エフェクトには天候操作を操り風を雲海を上に逃がすようにする
ん?懐かしいな、あの頃はまだ何も知らなかったからな
置き去りになった過去は敗北した時の記憶だがそれは既に乗り越えてます
鳴り響け!魂の音!
UC発動してキャバリアに自由の力を付与する
私は外道が大嫌いだ!自分より弱い奴を虐げている連中を許せないんだ!でも弱いままじゃ何も変わらない!だから前に進み続けるんだ!
と私の魂を吐き出したのだ
●懐かしさを乗り越えて
「アルカディア・エフェクトか……ブルーアルカディアの戦争を思い出すな!」
からからと笑顔を浮かべてローグ・ファクトリーへ訪れたエリン・エーテリオン(邪神龍と虹炎の神と共に世界を駆ける元ヤンの新米猟兵・f38063)。レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』が使うというアルカディア・エフェクト、元を辿ればアスリートアースには無いもので、別の世界ブルーアルカディアのものだ。
しみじみと懐かしさを感じながらも、邪神機界龍ヴォルブラッドに乗り込んだエリン。偉大なレーサーならば、偉大な龍型のキャバリアで挑むのが一番だと考えついたようだ。
スタートの合図が鳴った後、一気に走り出した2つの機体。最初はエリンのキャバリアが先を走ったが、気づけばウィリアムの機体が前に出てしまう。流石は、速度だけを追い求めた者と言うだけはある。
更にウィリアムは速度を極めた証でもあるアルカディア・エフェクトを周囲にばらまいて、範囲内に入ったエリンに向けて置き去りにされた過去の光景を見せつける。
「お? おー……懐かしいな。何も知らなかったあの頃か」
推力移動をしながらオーラによる防御を展開させたが、ほんの僅かにアルカディア・エフェクトに触れてしまったせいで過去の光景を見ている。
だが、それはまさに過ぎ去った光景。敗北の記憶が流れているが、とうの昔の、未熟な時代のものだと切り捨てた。
「……ああそうだ、乗り越えた。あの時の私はもういない! ――鳴り響け、魂の音!!」
今一度キャバリアの操縦桿を握って、ユーベルコード『虹炎の神・estrella・arcoiris』を発動。究極の自由を与え、ウィリアムに追いつくために走り出した。
「私は、私は外道が嫌いだ」
ぽつりと呟くエリン。それは、魂の叫びの始まりとも言えた。
「自分より弱いやつを虐げている者。自分達が上だと騒いで、弱者を蹴落とす者。そんな連中が、大嫌いだ!!」
負の感情の乗ったエリンの魂の叫びは少しずつ、ウィリアムにも届き始めている。おかげで差が縮まり始めたが、まだ追い抜けるほどではない。
だから、もう一押しの魂の叫びを口にして、ウィリアムを追い抜いた。
「でも、弱いままじゃ何も変わらない! だから私は前に進み続けるんだ!!」
大成功
🔵🔵🔵
空桐・清導
SPD
アドリブや連携も大歓迎だ
「挑ませて貰うぜ、最速!
オレの相棒!ソルブレイザーとな!」
UCを発動して燃え盛る炎を纏ったソルブレイザーに
跨がりながらサーキットへと入る
ウィリアムと並ぶことでその力量をビシビシと感じる
それに武者震いを感じて[勇気]がとめどなく溢れる
スタートと同時にエンジン全開
意思を爆発させながらソルブレイザーを駆ける
かつて無いほどの加速だが、ウィリアムはそれを超えてくる
速い、速すぎる
だが、清導の心は微塵も揺るがない
なぜならば、己の魂が勝敗を分ける故に
この英雄を真に安心して眠らせるために
ヒーローとして必ず勝つと誓ったから
その魂にウィリアムが速度の低下を起こしたら、抜き去ってゴールだ
●燃え上がる炎の戦い
「挑ませてもらうぜ、最速! オレの相棒……ソルブレイザーとな!!」
ユーベルコード『フレイム・フルカウル』を発動させ、赤い炎を纏わせた専用バイク・ソルブレイザーと共にローグ・ファクトリーにやってきた空桐・清導(ブレイザイン・f28542)。
レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』は最速の頂点とも言える速度を手に入れており、それによってアルカディア・エフェクトを発動させるに至っている。
清導はそんな彼の強さを肌で感じ取っていた。身体が身震いするほどの威圧感は逆に清導の勇気を高め、溢れさせた。
スタートラインに並び、合図を待つ清導とウィリアム。2人の間に言葉はなく、エンジンの音だけが辺りに鳴り響くのみ。
両者が定位置についたことで信号が赤、赤、青と光り、開幕の合図となった。それと同時に2つの機体はスタートダッシュを切って真っ直ぐのコースを走り抜ける。
(……速いな、やっぱ)
どんなにエンジンを全開にしたって、どんなにコーナリングがうまくったって、ウィリアムが清導の先を走っていく。じわじわと速度を上げて引き離すようになりはじめたのも、スタートの合図が鳴って数秒もしないうちの話。
ウィリアムのレーシングマシンから漆黒の炎が溢れて、風が炎を運んで清導を焼き尽くしても。それでも彼は諦めたりはしない。
(オレがアンタと走ることで、それで安心して眠れるというのなら)
――ウィリアム・ローグはもう死んでいる。
その話は猟兵達も周知の事実。アルカディア・エフェクトの後継者を探すのも、死者よりも生者が持つべきだという考えあってのもの。
だから彼はレースで勝負に挑み、勝利を掴んだ者を後継者として認めることにしている。
「……オレは……」
走っている中で、少しだけ歯を食いしばった清導。
自分が今、何をやるべきか。それはもう決まっているからだ。
「オレは負けないッ!! ヒーローとして、このレースに必ず勝つと誓ったんだからな!!」
清導の意思に比例して大きく燃え上がる火焔がソルブレイザーを包みこむ。
それは彼の魂の叫びであると同義だと気づいたのか、あるいは、赤い炎が黒い炎に打ち勝つのを見たからか。
ウィリアムの機体が少しずつ速度を下がった瞬間、清導が隣を通り抜けて。
「――悪いな、オレの勝ちだ!」
一言だけ呟いて、赤い炎は勝利を収めた。
大成功
🔵🔵🔵
リュカシオン・カーネーション
勝負しようぜ〜!
『今回は強敵ですから気を付けてくださいね!シオンさん!』
『やってやるのだわ!シオン!』
アロナちゃんとシエルが応援してくれたので片腕を上げて相手と勝負する
レーシングカーは借りました
UC対策はオーラ防御を展開しながら視力でアルカディア・エフェクトを見ながら風属性の斬撃波を放ちアルカディア・エフェクトを吹き飛ばしながら推力移動をして加速します
…リュカ、もう大丈夫だ
過去の光景は昔の大切なサングラスの彼が思い浮かんだがもっと強くなる為に前に進む事にした
おらぁ!加速しろ!
UC発動して超次元能力でレーシングカーを加速させました
ウチだって、大切な仲間を守る為に戦っているんだ!
と魂の叫びを上げた
●もっと強くなるために。
「レース・フォーミュラ~! 勝負しようぜ~!」
愉快なノリでレース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』に声をかけるリュカシオン・カーネーション(転生したハジケる妖狐と精霊王とカオスな仲間たち・f38237)。借りたレーシングカーを使ってスタートラインに並ぶ。
なお、彼女を応援する幾人もの応援団がレース会場の応援席に出来上がっていた。
『今回は強敵ですから気をつけてくださいね、シオンさん!』
『やってやるのだわー!』
精霊王アロナフィナと、虹炎の神アルカンシエルの2人の応援がリュカシオンに届けられると、それに答えるように彼女は片手を上げて応援が届いたことを示した。
スタートの合図とともに走る2つの機体。
リュカシオンが少しだけ早く前に出ていたが、それもほんの数秒だけのこと。ウィリアムは一瞬のうちにリュカシオンを追い抜いて、前へ出た。
「すっごいな~!? いや、話に聞いてたよりも速い!」
あまりの速さに笑いが出てしまったリュカシオン。それでも負ける訳にはいかないからとハンドルを強く握りしめて、ウィリアムの後ろにしがみつく。
そうなると、極限まで集中しきったウィリアムからはアルカディア・エフェクトが溢れる。彼の周囲にいる物質に対し、置き去りにされた過去の光景を見せることで減速させようとしていた。
「まっずい!」
風の力を込めた斬撃波でアルカディア・エフェクトを吹き飛ばしながら、推力移動でうまく躱すリュカシオン。しかし雲海として生まれたエフェクトはリュカシオンにわずかに触れて……。
――リュカ、もう大丈夫だ。
「っ……!」
一瞬だけ見えた、大切な人。サングラスを掛けた彼の姿。声もはっきりと聞こえた。
けれどリュカシオンは止まらない。もっと強くなるために、彼女は前へ進むことを決意した。
「――ウチだって、大切な仲間を守るために戦っているんだ!!」
ユーベルコード『虹炎の神フォービドゥン・フェルレイニアス』を使い、超次元能力を使って機体を加速させていくリュカシオン。
心からの自分の思いを口にして、彼女の魂によって揺さぶられたウィリアムを追い抜いていく。
仲間を守るために、過去をも置いて進む。
それが彼女の魂の叫びだ。
大成功
🔵🔵🔵
宙夢・拓未
よし
俺と相棒の走りを見せてやるぜ!
【ゴッドスピードライド】
相棒こと、Crimson-Blastを流線型に変形させ、騎乗する
俺が持つユーベルコードの中で、最も速さを重視したこれを用いる
全力勝負だ
レーススタートのシグナルを見切り、スタートダッシュをかける
瞬間思考力と操縦テクをフルに発揮
戦場に放たれた漆黒の炎へも、減速せずに突っ込む
ダメージは激痛耐性でこらえる
強制進化で俺は限界突破すると思うが
増していく速度のままに、勇気を振り絞り走り抜ける
カーブでも減速せずコーナリング
直線で一層加速
俺は最後まで走る
走り終えた後も、生き抜く
ウィリアムのように、死を越えることはできないと思うが
これが、命ある者の全力だ!
●生きる者の全力を
「へえ、レースか。よし、なら俺と相棒の走りを見せてやるぜ!」
ユーベルコード『ゴッドスピードライド』を使い、赤い車体の宇宙バイク・Crimson-Blastを変形させて搭乗してきたのは宙夢・拓未(未知の運び手・f03032)。ライダーとしての何かがふつふつと湧き上がったせいか、今回の拓未はかなりやる気だ。
最も速さに重視した力を使いこなし、最速の極地へ至ったレース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』と全力勝負をする。ただそれだけだが、心が湧き踊る。
スタート用の信号がリズムよく、赤、赤、青と変わる。その瞬間、2つの機体はスタートダッシュを切って最初の直線を全力で走った。
最初は拓未が速かった。けれど時間が経つにつれてウィリアムは拓未の横を少しずつ通り過ぎて、やがてはウィリアムが前を走りその後ろに拓未がついていく形となる。
「そうこなくっちゃ……なっ!!」
地面とタイヤの音、そしてブレーキの音が大きく鳴り響きながらコーナーを曲がる2つの機体。華麗にコーナリングを決めたあとはもう一度直進コースを走っていく。
やがてウィリアムは集中し始めたのか、レーシングマシンから漆黒の炎が放たれてコースを焼き尽くしていく。チリチリと焼けるような痛みが拓未を包むが、彼はものともせずに炎へと突っ込んでいった。
「っ、この程度じゃ俺は止まらないさ……」
勇気を振り絞り、ハンドルを握りしめて痛みを堪える様子の拓未。漆黒の炎は拓未の能力を更に限界突破させる力を持っており、瞬間思考力によってはじき出される演算が加速していく。
脳が焼けるほどの演算が続く。どこを走って、どう抜ければウィリアムに追いつくことが出来るか。それだけが拓未の頭を埋め尽くす。
それでも拓未は止まることはなかった。魂の奥底で眠る感情が、ウィリアムに刺さる時まで走るのをやめる気はない様子だ。
「俺は……俺は最後まで走り続ける。走り終えた後も、生き抜く」
握りしめたハンドルをうまく操作しながらも、拓未は小さく呟く。生きて、全力で走ることがせめてものウィリアムへの手向けなのだと。
緩やかに速度が落ちていくウィリアムの機体。その隣を思いっきり抜いた拓未は、ゴール直前になって笑った。
「それに、こんなに楽しいレースを……全力で走らないなんて、失礼に値するからな!」
付け加えて発せられた言葉は、ウィリアムに突き刺さったようだ。
大成功
🔵🔵🔵
黒影・兵庫
(「軍隊虫たちにレースさせましょ!軍隊虫の忠誠心はきっと魂に響くわよ」と頭の中の教導虫が話しかける)
確かに魂には響くと思います!が!それでは駄目なんです!
(「アルカディア・エフェクトが欲しいの?」)
欲しくないといえば嘘になりますが俺はウィリアムさんの人生を捧げてまで追い求めた速さへの情熱に応えたいのです!
(「はぁ~熱血ね…どーせ止められないし、好きになさいな」)
ありがとうございます!せんせー!では!
(UC【一寸鋒矢】を発動しウィリアムに向き合いながら)
ウィリアムさん!レースをしましょう!
ウィリアムさんがすべてをささげて完成させたマシンと
俺と虫さんたちの絆で生まれた力
どちらが早いか勝負です!
●情熱に応えたい
「ウィリアムさん! レースしましょう!」
キラキラおめめで虫達との絆を纏う黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)はレース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』に向き合い、勝負を申し込んでいた。
元々は教育虫スクイリアから軍隊虫を使うのはどうだろうか? と提案が上がっていたのだが、兵庫はそれを却下。ウィリアムの速さに対する情熱に応えるためには、軍隊虫の忠誠心では負けてしまうと判断したのだ。
『まあいいんだけどね。どーせ止められないんだし、好きになさいな』
はあ、と大きくため息をついたスクイリア。熱血な兵庫を止められる者は今はもういない。ただただ、彼がやりたいように動くだけだ。
「ウィリアムさんがすべてを捧げて完成させたマシンと、俺と虫さん達の絆で生まれた力……どちらが速いか勝負です!」
ユーベルコード『一寸鋒矢』によって既に兵庫の強化は済んでいる。これまで共に戦ってきた虫達の絆のオーラを身に纏う兵庫は、生身の姿であってもレーサーと遜色ない速度を出せる。
スタートの合図とともにウィリアムと兵庫はスタートダッシュを切り、一瞬のうちに次のコーナーへと差し掛かる。生身で飛翔している兵庫にはかなりの負荷がかかっているが、それはウィリアムとて同じ。
「ぐ、ぬぬ……!」
速さを追い求めたウィリアムは、やっぱり速い。普通に走ったところで追いつける気がしない。
しかも追い求めた先で手に入れたアルカディア・エフェクトで覆い尽くして更に加速していくのだから、もう誰にも負けることはないだろう。
「だけど、俺には虫さん達がいます! 俺の魂、虫さん達の魂……その絆が今! 俺をウィリアムさんの後ろに走らせているんです!」
虫達への信頼と絆の力が更に兵庫を強くする。苦楽を共にし続け、こうして今も|戦い《レース》のために力を貸してくれるのは、お互いの魂の共鳴があるからだろう。
その共鳴は極限に集中したウィリアムにも届いているのか、それとも、レースに満足したからなのか。
傍目に見てもじわりじわりと速度が落ちて行く様子が伺える。
『黒影、今よ!』
「はい、せんせー!」
スクイリアの言葉とともに、更に絆の力を高めて加速していく兵庫。
ゴールフラッグを切った瞬間、2人が並んでいたが……僅差で兵庫が勝利していた。
大成功
🔵🔵🔵
狛日・壱景
※アドリブ歓迎
熱くさせるじゃねぇか、こういうの嫌いじゃないぜ!ウィリアム・ローグ、俺とレースで勝負だ!!
大剣を2本に分身させてUCで走り抜ける!いくぜ相棒!
(脳裏に浮かぶは、家族に一目会うことも許されずひたすら勉学に明け暮れた無機質な日々。そんな過去を見せられた当の本人はというと…楽しそうに笑っていた。)
なあ!こんなもん見せるってことはさ、お前も過去に何かあったのか?…いや、返事はいらねぇ。俺はさ、行かなきゃならない頂点があるんだ。その頂点の為に暗ぇもんは全部捨ててきた!お前はどうだ!俺と同じなんじゃねぇのか?(ギラギラした目、最高に楽しんでいる笑顔でウィリアム・ローグを真っ直ぐ見据えて)
●もしかして:同類?
「熱くさせるじゃねぇか……こういうの嫌いじゃないぜ!」
双焔竜カルディミート片手に、レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』に勝負を挑むは狛日・壱景(双焔竜のコマさん・f41911)。双焔竜カルディミートを2本に分身させ、ユーベルコード『飛んでぶつかるやつ!』を使って勝負に挑むつもりだ。
走ることさえ出来ればそれでいい。ならば、2本の大剣から噴出される蒸気噴射で走ればいいのだ。
2つの機体が並び、準備が完了したところでスタートの合図が鳴り響く。
真っ直ぐに伸びるコース、最初に前に出たのはウィリアムの機体。流石は速度を求めて走り続けたレーサーというところだろう。
「へへっ、流石だなウィリアム・ローグ。俺も負けてられねぇぜ!!」
ウィリアムの背後に食らいつくように壱景も速度を上げていく。だがその速度に達した時には既にアルカディア・エフェクトは発動しており、壱景の脳裏にある光景が浮かんでいた。
家族に会うことも許されず、ひたすら勉学に明け暮れた無機質な日々の亡霊。置き去りにしたはずの、過ぎ去った出来事。思い出したくもない光景だが、むしろ壱景は楽しそうに笑っていた。
「なあ、こんなもん見せるってことは……お前も過去に何かあったのか?」
思わずウィリアムを心配するような声を上げた壱景。集中しているウィリアムにはその言葉は届いていないため返答はないが、それでも壱景は続けた。
「……いや、返事はいらねぇや。俺は行かなきゃならない頂点があるんだからさ」
カルディミートの出力を上げる。ウィリアムへ、魂の叫びを聞かせようともっともっと前へ進む。
「――その頂点に到達するために、俺は暗ぇもんは全て捨ててきた!! お前はどうだ、ウィリアム・ローグ!!」
ギラギラと輝く瞳。背後を走る者の姿を見ることはないが、魂にもその輝きは宿っている。あまりにも眩しくて、あまりにも強くて、思わずウィリアムも立ち止まりたくなるほどに。
けれどレーサーとしてそれは許されない。走り始めたら最後、ゴールするまで止まれない。……が、眩しすぎるが故に少々減速する様子は見えた。
「多分、きっと。俺と同じなんだろうなぁ!」
からから笑う壱景。ウィリアムが減速した隙に、その隣を追い抜いて。
燦然と輝く太陽のような魂を、ウィリアムの前に置いてきた。
大成功
🔵🔵🔵
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【POW】
※アドリブ歓迎
OKバルたん(f30809)、ノろうか♪
アタシが駆るは【ファルマコン】9両
更に3分割で追加車両化した【ヒュギエイア】増結
12両編成の超巨大ホバートレーラーさ
オペ38番【S・ウィル】全開放で列車仲間なバルたんに追随
図体の不利は《瞬間思考力》と生体電脳の思考《操縦》で補う
反動はキツいけど障害はないも同然
おー、バルたんも全然ブレないね♪(クス)
ん、この苦行?だってコレがアタシの『魂』だしね
アタシは闇医者、生を追う者…本来のレース相手は死神
過去は後回し、僅かな瞬間すら命賭けだよっ
だからゴール後に大破炎上した車へ接近
ヒュギエイアの防災装備で消火後
ファルマコンの設備で《医術》披露♪
バルタン・ノーヴェ
リリー先生(f30386)と連携
アドリブ歓迎
ヒャッハー!
参りマショー、リリー先生!
レッツ、トレイン!
選択したマシンは装甲列車!
純粋なスピードではなく踏破性能で挑みマース!
敵UCの見せる過去の光景も何のその!
何物にも縛られない風を受けてUC発動!
「六式武装展開、雷の番!」
HAHAHA!
装甲列車の全身を迸る電撃で覆いさらに加速しマース!
―――我輩の『魂』は戦いと闘いにこそあります!
互いの全てを出し切って勝敗を決するバトルこそが存在証明!
過去に囚われず、未来のために戦うのデース!
ゆえに勝負デース、ウィリアム殿!
アナタとワタシの魂をぶつけ合いマショー!
オー、ゴール後の救助活動デスカ?
お手伝いしマース!
●列車が通ります、ご注意ください。
「ヒャッハー!」
「ひゃっほーう!」
高らかに、そしてテンション高くやってきたリーゼロッテ・ローデンヴァルト(|KKS《かわいくかしこくセクシー》なリリー先生・f30386)とバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。
リーゼロッテは9両編成のACC/N3H:DrLiLY-14019u PHARMAKONに加え、追加車両化したAWC/WAD:DrLiLY-14019u ヒュギエイア3両を連結して12両編成の超大型ホバートレーラーで。バルタンはキャタピラ式の列車砲搭載・装甲蒸気機関車に乗り込んで両者ローグ・ファクトリーに参戦。
がたんごとん、がたんごとんと何処からともなく聞こえる列車音。本当にレースなのか? と問われたら、本当にレースなんです、としか答えられない。
なお、まさかの2つの列車参戦にレース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』は首を傾げたが、まあレースにはなるっちゃなるし、別にいいか……と快く許可を出してくれた。優しいね。
各車がスタートラインに並ぶ。なお通常通りのスタートラインにリーゼロッテとバルタンが並ぶと一種の妨害となってしまったため、今回は特別に1列に並んでのスタートとなった。
合図が鳴ると同時に発射する3つの機体。真っ直ぐに伸びるコースをそれぞれが走り、全力を尽くす。それでもウィリアムの速さは2つの列車の比ではなく、ぐんぐんと引き離すように前へと出ていく。
やがてウィリアムは集中の域に到達したのだろう。周囲にアルカディア・エフェクトを発生させると、何者にも縛られぬ風で己の機体を加速させ始め、2人に過去の光景を見せ始める。
「――ちょっと全開でいかせてもらおうかなっ!」
そんなウィリアムに応えてやろうと、リーゼロッテはユーベルコード『Op.TXVIII:SWIFT WILL』を起動。全身を特殊粒子によって作られた突撃用攻性防壁で覆い、大きく負荷をかけて列車を走らせる。
頭の中で色々と危険を鳴らす信号が聞こえてくるし、大きな反動が訪れるが……そんなものは全て些末なこと。今の状況を楽しめればそれで良い。
「――六式武装展開、雷の番!」
同じくバルタンもユーベルコード『|荷電粒子体《チャージパーティクルボディ》』を使い、全身を迸る電撃で覆ってから列車にまで電撃を奔らせ、その速度を上げる。
少しでもウィリアムとリーゼロッテに並べるように、踏破性能を重視したちょっと重めな装甲列車でもウィリアムとのレースを楽しませられるようにと工夫をこらした。
レースも架橋に陥る頃。ウィリアムは2人の魂の先を見る。
苦行を伴にするリーゼロッテと、全力を出し切るバルタン。2人の魂とは、いかなるものかと。
「……ん? これってもしかして覗かれてる?」
「覗かれてるかもしれマセンネー。ちょっと魂でも見せつけてやりマショウ!」
2つの列車はウィリアムに引き離されていく。勝利の道筋はもう、ウィリアムに魂を見せつけるのみとなった。
色々と考えに考えて、2人は自分の魂とは何かを導き出す。それがウィリアムに届くかどうかは不明だが、念のために運転を続けながら呟いてみた。
「って言っても、アタシは闇医者。本来のレース相手は死神で、こういう僅かな瞬間すら命がけだよっ」
「我輩の魂とは、戦いと闘いにこそあります! 互いの全てを出し切って、勝敗を決するバトルこそが|存在証明《たましい》!」
2つの魂が交差していく。どんなときでも命がけで、どんなときでも戦いを見出す2人はまさに塩梅よく成り立っており、――何故か列車という括りでレースしているが――ウィリアムもそれに感銘を受けて、減速していく。
……だが、レースとは常日頃危険と隣り合わせ。
ウィリアムが減速した瞬間に追い抜こうとした2つの機体だったが、彼は轢かれないようにとそれを回避しようとした。
しかしウィリアムは判断を誤ってしまい、ゴール直前となって壁に激突。大破してしまう。
「おっとっと」
ゴール直後、リーゼロッテは急ぎ激突したウィリアムの機体に近づいて防災装備で消火活動を開始。バルタンもウィリアムを引きずり出して救出活動を始める。
「ふふん。闇医者がいてよかったねぇ、ウィリアムさん♪」
「そうデスネ! リリー先生、頼みマシタ!」
このままの状態――まともに運転できない状態にならないよう、処置を施したリーゼロッテ。
こういう魂の見せ方もあるのか、とウィリアムは少々感銘を受けたという……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
マキナ・アルカディア
死してなおスピードを追い求めたからこそ得た速さのその先。
しかし、極めた所で真の力を自身で使えないのなればこそ。
伝承し、その先を眼で見たいと思うのもまた力を得た者の性なのでしょうか?
その速さを体得することが、より多くの人々を救う力となるのなら。
私は挑みます。人々との交流で得た心-魂は、護る盾となり剣となることこそが根源が故。
マシンはSFに出てくる様な近未来的なエアバイクに跨って。
ACP S.T.R.U.C.T.を使用。
自身の心と炉心の鼓動を合わせて、爆発的な力が噴出。
マシンに注ぎ込みつつ、自身の能力も引き上げて爆発的な速度のマシンをコントロール。
最後にフラッシュオーバーのブーストで速さの先へ!
●力を得た者の性
「死してなお、スピードを追い求めたからこそ得た速さのその先、ね……」
アルカディア・エフェクトの話を聞きつけ、ローグ・ファクトリーへとやってきたマキナ・アルカディア(蒼銀の祓剣・f40884)。レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』が求めた先にあったその力は、死者には無用の長物たるものとなる。
それを獲得するためには、ウィリアムの己の魂を見せなければならない。それならば、やるしか無いとマキナはエアバイクを借りてレースに挑んだ。
「しかし……極めたところで真の力を自身で使えないとは」
小さく呟いたマキナはスタートラインに並び、ウィリアムに視線を向ける。アルカディア・エフェクトの真の力を使えない死者は、ここでレースを続けて後継者を選び続けるのだろう。先を見据えるために。
両者の準備が整ったところで大音量の合図が鳴り響き、両者一斉にスタートダッシュを切る。0秒にも満たない同時のスタートダッシュ、直線のコースからその差は少しずつ開いていく。
ウィリアムが先頭を走り、マキナがその後ろに食いつく形でレースは進む。追い抜こうとしてもウィリアムの速さがマキナを上回り、じわじわと引き離されていくのがわかる。
やがてウィリアムのレーシングマシンから漆黒の炎が放たれる。アルカディア・エフェクトを使用するほど集中し始めた証拠のようで、チリチリと焼ける風がマキナに襲いかかった。
「力を伝承し、その先を見たいと思うのも……また、力を得た者の性なのでしょうか」
ポツリと呟くマキナ。この速度を維持して力を得てもなお、その先を見たいと考えるのは力を得た者だけにしかわからないのものなのだろうか、と。
ユーベルコード『ACP S.T.R.U.C.T.』によって自身の心と炉心の鼓動を合わせ、爆発的な速度を生み出しているマキナ。それでもなお、ウィリアムの背後に食らいつくまでが限界だ。
「――でも、私は負けない。その速さを体感することが、より多くの人々を救う力となるのなら……この|盾と剣《魂》をもって、あなたを超えてみせる!」
3週目前、ゴールフラッグを切るギリギリのところ。
突如としてマキナのバイクがウィリアムの隣を通り抜けて、フラッグを先に切った。
僅かに垣間見えた、人々を守るための盾となり、剣となる魂。
そのためならば、この力を渡してもいいだろうと――。
大成功
🔵🔵🔵
ロジャー・カニンガム
私の「D.A.T.T.ストライダー」の準備は良し
そちらはどうですか、チャンプ?
では、『お互いフェアに行きましょう』。
おっと、早々にUCを使おうとしているのがバレてしまいましたか
あちらの先制攻撃を[索敵]で捕捉、命中しそうなものに対しガトリング砲での迎撃と[ダッシュ]による回避を実行します
最初さえ乗り切ってしまえばスピードは互角、
この後は状況に応じて[瞬間思考力]で最適なコース取りを行い差を縮め、最終ラップには[リミッター解除]して追い込みをかけましょう
全てを置き去りにする程の速さの果てに見えるモノがあるのなら――
数多のレースを駆け抜ける内に、私もそれを見てみたくなったのです
●勝負は|公正《フェア》に
ローグ・ファクトリーに訪れたロジャー・カニンガム(兎型歩行戦車RIT-17/S・f36800)は自慢のスーパーカー・D.A.T.T.ストライダーの最終調整を行っていた。
レースを行う以上、不備が見つかっては公正な勝負にならない。故に丁寧に、チェック漏れがないように一つ一つ確認作業を行う。
レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』。彼は生半可な力では到底太刀打ち出来ないからだ。
「さて、お待たせしましたチャンプ」
準備を終えたロジャーはウィリアムと共にスタートラインに並び、合図を待つ。その際、ロジャーはちらりとウィリアムを見て一言。
「――お互いフェアに行きましょう」
その瞬間、スタートの合図が鳴り響き、更にウィリアムのレーシングマシンからは漆黒の炎が放たれる。集中しきった彼はロジャーの先手……すなわちユーベルコード『|『公正な競争』《フェア・コンペティション》』を見抜いていたのだ。
風に乗って火の粉が飛んできたが、索敵能力にかけてはロジャーは最高峰の能力を持つ。視認できた炎はうまく回避し、避けきれないものはRAC-10ガトリング砲+を展開して撃ち落とす。
それによって勝負はほぼ互角。僅かにウィリアムの機体の先が前へ出ている程度だ。状況に応じて2つの機体は交差を繰り返し、己が前にを繰り返す。
「全てを置き去りにしてしまう程の速さの果て。そこに見えるモノがあるというのなら……」
ロジャーは呟く。この勝負の先、アルカディア・エフェクトを使う者より早く、速く、疾くゴールにたどり着けたなら、何が見れるというのだろうか。
虚か、空か、夢か、幻か。はたまた、己もウィリアムも認知できない何かか。それが知りたくてたまらない。
「だから私は数多のレースを駆け抜けた。そのせいか、見てみたくなったのですよ」
状況に応じて瞬間的な判断を下しながらも、冷静に己の魂を語るロジャー。先に走ったウィリアムからすれば、その魂も理解できるものだ。
ならば、己の代わりに見てもらうために預けてみるのも悪くない。
ウィリアムの速度は少しずつ下がり、ロジャーの機体を前に進ませていった。
大成功
🔵🔵🔵
ヘルガ・リープフラウ
※アドリブ歓迎
「アルカディア・エフェクト」……生者であればこそ光輝くとされるそれを
此度の勝者に継承すると仰るなら
わたくしは全力で挑みましょう。ウィリアム。
鉄の機械を駆る術は持たずとも
わたくしにはこの翼がある
悪漢共の戯れに命を奪われる人がいる
生きることと引き換えに願いや思い出、尊厳を奪われる人がいる
故郷に、遍く世に蔓延る悲劇と悪辣を繰り返さぬために
全ての人が自分らしく生きられる世を作るために
救いを求める全ての魂にこの手を差し伸べる
風よりも速く翔け
背負った傷に寄り添い癒歌を紡ぐ
踏み躙られて良い命などないのだから
いかな強敵が相手でも、わたくしは決して挫けません
必ず追いつき、乗り越えて見せます……!
●癒しの歌は全てに響き渡る
「『アルカディア・エフェクト』……生者であればこそ光り輝くとされるそれを、此度の勝者に継承するとおっしゃるのならば、わたくしは全力で挑みましょう」
ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)はローグ・ファクトリーのレース会場にて、レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』に勝負を挑んだ。
本来であればレースとは車やバイクなどを使用するが、今回のレースは『レースとして成り立つ』ならば飛行でも許されている。そのため問題なく、ヘルガは参戦することが出来た。
スタートの合図とともに、ウィリアムもヘルガも最高速度を叩き出してコースを走る。最初の直線では互角の速度ではあったが、コーナーを曲がれば曲がるほどその差は少しずつ広がり、やがてヘルガはウィリアムの機体を追いかける形となった。
さらにウィリアムは超加速能力を宿した車載兵器からの一斉砲撃を射出することで機体の速度を上げ、ヘルガとの差を広げようと試みる。この速度を追い抜けるならば、勝者として認めようと。
「……わたくしはいかな強敵であろうと、決して挫けません」
小さく、自分の心を語り始めたヘルガ。ユーベルコード『|総ての人の魂の歌《ヒュムネ・アニマ・ムンディ》』によって変質した光輝く純白の翼で更に速度を上げ、己の魂の内を叫ぶ。
「悪漢共の戯れに命を奪われる人がいる。生きることと引き換えに願いや思い出、尊厳を奪われる人がいる……」
ヘルガはこれまでにたくさんの世界を、そしてその現実をその目に焼き付けてきた。人々の暮らしを虐げる者、世界を滅亡に導く者、ありとあらゆる悪意を振りまく者など様々な姿を見てきた。
「故郷に、遍く世に蔓延る悲劇と悪辣を繰り返さぬために。全ての人が自分らしく生きられる世のために。救いを求める全ての魂に、わたくしはこの手を差し伸べたい」
差し伸べられる数に限りはあれど、救える者がいるのならば救いたい。それがヘルガという人物の魂。
そして、今ここに。彼女の言う『救う者』は存在している。
「ウィリアム。わたくしはあなたも救いたい。そのために今、こうして翔けているのですから!」
その言葉に一瞬だけ、ウィリアムが反応を示し機体の速度が下がっていく。
満足行くレースをやるだけで良かったのに、そう言ってくれる人がいるとはなんとも嬉しいもので。
ゴール直前、ヘルガとウィリアムの順位が逆転する。
まるで、そうなるのが当然だったというように。
大成功
🔵🔵🔵
紫・藍
あやー。音さえも置き去りにする何者にも縛られない速さでっすかー。
それでもええ、藍ちゃんくんは歌をお届けするのでっす!
歌うのでっす!
音よりも速いおにいさんに届く歌を、もっと聞いていたいと思わせる歌を!
藍ちゃんくんそのものである魂の歌を!
魂を見透かすというのならどうぞなのでっす!
お魅せしちゃうのでっす!
藍ちゃんくんの成すこと全て、成してきたこと全てがこれ即ち藍ちゃんくん!
魂を見透かす力の有無なんて関係ないのでっす!
常に常に藍ちゃんくんは示してきたのでっす!
世界に、己自身に!
藍ちゃんくんでっすよー!
と!
モータースポーツという文化を愛したおにいさんの想いにお応えするためにも抜いてみせるのでっす!
●藍ちゃんくんはいつだって魂を見せている!
「あやー。音さえも置き去りにする何者にも縛られない速さでっすかー」
話を聞いてぽかーんとした様子の紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)。聞いた当初はまさかそんな、なんて思っていたが、他の猟兵達のレースを見ていたら本当にそうだったので、逆に驚きもした。
そんな彼はユーベルコード『!Aqui hay Ai!』を使い、全身を幸福を運ぶ青い鳥の守護で覆い、飛翔能力を得る。勝負するならレースもだが、魂を覗くというのなら魂を込めた歌も見てほしいのだと。
レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』。走っている彼に届くように頑張るから、と。
スタートの合図と共に両者はタイミングよくスタートダッシュを切る。互角の速度で飛び出た藍とウィリアムだったが、その差はすぐに目に見えて差が出てくる。
ウィリアムの速度がぐんぐん増していく。速度が増せば増すほどウィリアムは集中し、その最中にレース相手の魂を見透かすと言うが……藍はそんなこと、全く気にしていない。
もっと言えばウィリアムの周囲には既にアルカディア・エフェクトが発生し、置き去りにされた過去の光景を見せ始めている。それでも藍は負けじと叫んだ。自分がここにいる理由、やりたいことを!
「藍ちゃんくんの魂を見透かすというのならどうぞなのでっす! 音よりも速いおにいさんに届く歌を、藍ちゃんくんそのものである魂の歌を! 今ここで聞かせてあげまっす!」
藍は成すこと全て、成してきたこと全てが自分だと言い切った。正解の道に辿り着いても、間違った道に辿り着いても、それは全て藍ちゃんくんだからと。
振り返ることはあれど、戻ることはない。見えている道、選んだ道が全て藍という存在を示す。常日頃から藍という人物は、魂丸出しで生きている。
「世界に! 己自身に! 藍ちゃんくんは示してきたのでっす! 藍ちゃんくんでっすよー! と!」
揺るぎない、魂そのものからの歌はウィリアムにも響いているのだろう。徐々にその速度は緩やかに、けれど全力を出しているのがわかる。集中した結果、魂そのものだと言い切った藍の歌がクリティカルヒットしたようで。
「おにいさんの想い、しっかり受け取ったのでっす!」
びゅん、とウィリアムの隣を抜き去っていった藍。
ゴールフラッグを切った瞬間でも、藍は変わらず藍のまま。
大成功
🔵🔵🔵
ウィユ・ウィク
とってもシンプルなコースなのです!
速さ自慢のウィリアムさん相手にこのコースは厳しいのです
運命を操る力で妨害して戦った方が勝てる可能性が高いかもしれないのです
でもボクは敢えて速さの力で挑むのです
ボクだってスピードで負けるつもりはないのです!
ボク達の速さでは3周というコースは短すぎるのです
だから【つばめさんもーど】で最初から全力全開でいくのです!
ウィリアムさんの速さについていくには極力速さを落としたくないのです
マシンから放たれた炎の揺らぎを見極めて・・・
最低限の動きで極力熱の薄そうな所を焼かれる前に突き抜けていくのです!
リスクを背負ってでもギリギリを攻めないと勝てないのです!
アドリブもOKなのです
●つばめさんはいつも最速
「とってもシンプルなコースなのです! ……でも、速さ自慢のウィリアムさん相手にこのコースは厳しいのです……」
しょんぼりした様子でローグ・ファクトリーのコースを眺めていたウィユ・ウィク(幸せの黒いキマイラ・f13034)。ギミックのない、シンプルなコースを3周するだけのレースなのだから、レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』の得意分野で勝負を挑むようなものだ。
「でも! ボクは敢えて速さの力で挑むのです! ボクだってスピードで負けるつもりはないのです!」
だから、逆に燃えたウィユ。運命を操る力を使えば勝てる可能性が高いが、それでも速さで挑みたいからとユーベルコード『つばめさんもーど』を使いツバメの翼を広げ、いつでも最高速になれるよう準備を整えた。
スタートの合図と同時、ウィリアムもウィユも同時にスタートダッシュを切る。
ウィユは極力速さを落としたくないからと先手を切って最高速度を出して走るが、ウィリアムも同様に速度を上げに上げて同速においつく。
途中、ウィリアムのレーシングマシンから漆黒の炎がレース内にばらまかれ、辺り一面黒い炎に包まれる。チリチリと焼けた風がウィユに襲いかかるが、ギリギリを攻める形で最低限の動きで炎を読みながらコースを回って、やがてファイナルラップへと突入した。
「むむぅ、やっぱりウィリアムさんはとても疾くて、すごいのです!」
ほとんど同時に並んでいるウィリアムとウィユ。マシンのほうが少し長いので数センチほどウィリアムが先に出ているが、速度としてはほぼ互角。ゴールフラッグを切った瞬間のカメラ判定に委ねられるほどの差だ。
「でも、ボクは負ける気で挑んでません! 最後の最後まで、勝負はわからないのです!」
翼をひろげている間は毎秒寿命を削り続けているウィク。まさにこのレースは命がけの勝負!
命がけの勝負の行方はほぼ互角。
ウィリアムを追い抜くことは出来なかったが、戦いに満足させるには至ったようだ。
成功
🔵🔵🔴
七那原・望
レース……飛行を許されるレース……そういえば昔は何度もどれだけ早く遠くへ飛べるか競ってましたね。
あぁ、懐かしいですね、この気持ち。大好きな友達と過ごしたいつかのあの空で、毎日のようにわたしはこう言っていたのです。
わたしは風になります!千の風に!
果実変性・ウィッシーズスカイを発動したら即座にスケルツァンドに限界を超えて魔力を溜めて強化属性全力魔法と念動力でスピードと飛行能力も限界突破させます。
最悪魔力が暴走して爆散しようと構わない。命を削ってもいい。今だけは愛の為でも希望の為でもなくただ風になるために。誰より早く、誰より遠くへ!ゴールなんかで止まれない!わたしは最果ての向こう側まで駆け抜けたい!
●最速を超え、果てへ
「レース……飛行が許されるレース……」
ぽわぽわと昔のことを思い出しながらローグ・ファクトリーへ訪れた七那原・望(比翼の果実・f04836)。その昔、友達と共に何度も何度も「どこまで早く遠くへ飛べるか競争」をやっていたな、というのを思い出す。
友と競争というだけでも十分楽しかったが、望はある言葉を毎日のように言っていた。
そう、その言葉は――。
「わたしは風になります! ――千の風に!」
レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』は機体の準備を整え、スタートラインへ並ぶ。
同じく望もユーベルコード『|果実変性《トランス》・ウィッシーズスカイ』を使い、宇宙バイクである奏空・スケルツァンドに乗り込んで翼を収縮させ、準備万端。
スタートランプが赤、赤、青と変わった瞬間、2つの機体がスタートダッシュを切る。ものすごい速さで走る2種の機体は同等の速度で最初のコーナーを回り、差をつける。
「むむ……!」
全部の魔力をスケルツァンドにつぎ込んで、限界を超えて、全ての強化属性を詰め込んで、全力の魔法を込めてスピードと飛行性能を限界突破させている。これでも望のスピードは人が出せる速度を余裕で超えてる。
だけど、それでもウィリアムの速度には追いつけない。否、追いつけてはいるが、彼の背を追いかけるのが精一杯で追い抜くことは出来ない状態だ。
ウィリアムのレーシングマシンから放たれる漆黒の炎で機体が、身体が焼かれようとも、彼女は一切止まることはしない。風で炎を消せばいいのだから!
「わたしは走ります! ゴールなんかで止まれない! その先を、最果てを目指すためならどこまでも駆け抜けます!」
誰よりも早く、誰よりも遠く。その魂がある限り、3週ちっぽけで終わるわけがないと叫ぶ望。
集中しきっているウィリアムにも彼女の魂の叫びが聞こえているのか、やがて、己と同じ志を持つ者に出会えたことに歓喜する。
最速の奥、果ての向こう側まで走り抜けたいと叫んだ彼女の言葉に、ウィリアムはふと一つ考えた。
――彼女にならば、この夢を託しても良いだろうか?
そう、ウィリアムが考えた時には。
もう既に望はゴールフラッグを切っていた。
大成功
🔵🔵🔵
エリュファシオン・アルティウス
オーさんの出番だね!
『オォォー!』
バイクとして搭乗しているオーさんも元気に返事してくれた
推力移動をしています
とりあえず炎を消さないと!
相手のUCに対しては視力で炎をしっかり見ながら吸収属性攻撃の弾幕で放ち攻撃する
一応、オーラ防御も展開しておこう…
念の為水属性のオーラ防御を展開しておきます
ねえオーさん!私は挑戦したいんだ!最高の速さを持つレーサーに挑んで勝ちたいんだ!
『オォォー!』
私は挑戦し続けるという魂を示しながらUCを発動
IT'S SHOWTIME!加速しろ!HEAVEN!
UC発動して私の時を加速する
ちなみに体勢を崩さないように気をつけながら加速します
まだまだ勝負はこれからだ!
『オォォー!』
●挑戦したいから、ここにいる。
「オーさんの出番だね!」
『オォォー!』
オオサンショウウオ型バイクの『オーさん』に乗り、ローグ・ファクトリーへ訪れたエリュファシオン・アルティウス(“やんきー”を目指す『時間逆行』を使う不思議な旅人・f39208)。ぺちぺちてちてち、オーさんは会場のコースの塩梅を確かめてからスタートラインに並ぶ。
レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』はそれに倣い、同じくスタートラインに並んで合図を待つ。相手の機体が珍妙不可思議なるものでも、もう驚かない。
ポーン、と軽い音で始まったレースの開始音。それが鳴ると同時に2つの機体がスタートダッシュを切ってコースへ飛び出していく。
コーナーを回ってようやくわかる差。真正面から挑んだとしても勝ち目のない勝負だが、エリュファシオンはそれでも諦めずにオーさんを応援して食らいついていた。
そうして訪れるのはウィリアムの集中時間。レーシングマシンから溢れる漆黒の炎がレース全体にばらまかれると、あっという間に辺りは黒の炎によって地獄のような光景に変貌した。
焼け付く風はチリチリとエリュファシオンとオーさんの体に痛みを与える。けれど、これがウィリアムが本気になった証拠なのだとわかると、いい笑顔でレースを続行していた。
「ねえオーさん! 私は挑戦したいんだ! 最高の速さをもつレーサーに挑んで、勝ちたいんだ!」
『オォォー!』
「だから、こんな炎の中でも頑張ろう!」
『オォォー!!』
エリュファシオンの魂の掛け声に応えるオーさんもまた、魂を爆発させるように速度を上昇させていく。炎に当たらないように機敏に動きつつ、当たりそうな炎はエリュファシオンが放つ弾幕で吹き飛ばし、道を切り開く。
そんな2人の連携にウィリアムも僅かに反応していた。すぐに、というわけではないが徐々に速度が緩やかになっているのがわかる。
『挑戦したい』という魂、そんな物を見せつけられてはレーサーとしての心が反応しないわけがない。
「――加速しろ!HEAVEN!」
その魂を見せつけるように、エリュファシオンはユーベルコード『天国逆行王・HEAVEN』を発動。時を加速し、ウィリアムの手の届かない速度の先へ加速して……ウィリアムと並ぶ。
「――まだまだ勝負はこれからだ!」
『オォォー!!』
大成功
🔵🔵🔵
兎乃・零時
アドリブ歓迎
『アルカディア・エフェクト』、そいつは気になる、そりゃもう凄く
だがレースが必要ってんならいいぜ
全身全霊で立ち向かう事こそが!俺様の夢を叶えるために必要な工程だって事は理解してる!!
―――此処は、俺様の魔導機械箒『クリスタル』を使いつつ、最初っから全身全霊の真の姿を!
藍玉の杖の力も交えて!!!思いっきり行くぞー!!!!
ふふん!空中戦だって俺様は得意なのさ!
砲撃が来るんなら光魔術の光線を高速詠唱しつつなぎ払い!時には火球の弾幕を張りながら一斉発射!
俺様の夢は!全世界最強最高の魔術師になる事!!!其の夢の為ならば!たとえ火の中水の中!やれること全部やって勝利をもぎ取る男だぜ!!
●夢のためならばなんのその!
「へえ、アルカディア・エフェクト……そいつは気になるな」
話を聞きつけローグ・ファクトリーへやってきた兎乃・零時(|其は断崖を《遥か高みを》駆けあがるもの・f00283)。別の戦争で使われたアルカディア・エフェクトがアスリートアースにあると聞いて色々と考えを巡らせた……が、アルカディア・エフェクトを獲得するにはレース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』を満足させなければならない。
ならばと零時は準備する。魔術師といえど、レースに参加できないわけではない。レースが可能であればどんな機体でも飛翔方法でも許されるのがこのレースなのだから!
「全身全霊で立ち向かうことこそ! 俺様の夢を叶えるために必要な工程!!」
ユーベルコード『|神輝宝煌・超克《クリスタル・オーバーロード》』を使って真の姿でもある宝神の姿に変身し、藍玉の杖後からも交えて力の出し惜しみもしない。
魔導機械箒『クリスタル』にまたがり、スタートラインに立つ零時。ターボジェットエンジンが搭載されたその機体にウィリアム自身も零時が本気であることを感じ取ったのだろう、同じようにスタートラインに並ぶ。
赤、赤、青とリズムよく信号が切り替わり、ポーン、と軽い音共に2つの機体は同時にスタートダッシュを切る。人の考える速度を超えた速度を一瞬のうちに2つの機体が出して、コースを回っていく。
「くぁ~! 空中戦は得意な俺様だけど、速いな~!」
得意分野で挑めばもしかしたらと思っていたが、そうは問屋が卸さない。ウィリアムは極限まで集中することで人が手に入れるには速すぎる速度を出し、零時を置き去りにしていく。
更に超加速能力を宿した車載兵器からの一斉砲撃を使い、加速と同時に零時への砲撃を行う。本人は攻撃しているつもりはなく、加速能力を使った弊害というだけだ。
「あぶなっ!?」
素早く光魔術の光線で砲撃を薙ぎ払い、障害を取り払う零時。一瞬ヒヤッとする出来事ではあったが、むしろそれも良い経験として吸収していた。
「俺様の夢は全世界最強最高の魔術師になること! その夢のためなら、たとえ火の中水の中砲撃の中だ!」
どんな障害が立ちはだかろうと、夢のためならば絶対に立ち向かうと宣言した魂の輝き。
集中していたウィリアムにとっては、夢のために走るという彼の魂の叫びでさえも輝きが強く。
まるでまばゆい光によって阻まれたかのように、ウィリアムの速度が落ちて……零時が彼の隣を抜いて、ゴールした。
大成功
🔵🔵🔵
リリスフィア・スターライト
遠慮なく量産型キャバリアの
ワイルド・サンダーでレースに挑戦するよ。
しっかりと自分の手で整備してから挑むね。
一度、キャバリアで思う存分に
全速力で飛ばしたかったんだよね。
とはいえ、相手は最速のウィリアム・ローグ、
あらゆる手段で早さを上回らないとだね。
追いつくではなく、追い抜いてみせるよ。
とにかく移動力・機動力重視で最短コースを突き進むよ。
必要なら飛行能力も惜しみなく使っていくね。
武装転移のUCも移動力を上昇させ、代わりに攻撃力を
犠牲させるように調整だね。
ウィリアムからの攻撃を受けても反撃はせずに
キャバリアの装甲と機動力を頼りに回避と先に進むことだけを考えるよ。
多少の破壊されても、その分重量が軽くなったと思って進むね。
速さを極めた果てに見えるもの、
それを私も見てみたいけれどそれで死ぬつもりはないよ。
皆にも見えたものは伝えていきたいからね。
「命がけで本気で走らないといけないけれど、それでも楽しくレースさせてもらうね!」
●レースとは命がけ!!
「一度でいいから、思う存分全速力でやってみたかったんだよね」
量産型キャバリアであるワイルド・サンダーに乗り込み、ローグ・ファクトリーへと訪れたリリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)。キャバリアで全力を出して走っていいなんて言われたら、やらずにはいられないのがキャバリア乗りの|宿命《さだめ》。
とはいえ、相手はレース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』。最速を求め続けた結果、アルカディア・エフェクトを手に入れたまであるレーサーだ。そんな彼に勝つためには、ありとあらゆる手段で速さを上回る必要がある。
「……追いつくではなく、追い抜いてみせる……!」
ギラギラと闘志を燃やし、機体の調子を整えてそのままリリスフィアはスタートラインへ。
スタートダッシュを切って、惜しみなくワイルド・サンダーの機能をすべて引き出すリリスフィア。それと同時にウィリアムも最高速からはじまり、2つの機体が並んで走っていく。
「――こういう時は、こっちのほうが有効かな!!」
ウィリアムの機体の速度に合わせ、ユーベルコード『|武装転移《ウエポンマスタリー》』を使いワイルド・サンダーの形態を切り替え、最適な形で加速していく。移動力を5倍に、代わりに戦闘行為を行わないため攻撃力を半減――武装を捨ててでも身軽になって、ウィリアムに追いついた。
けれど、これではダメだ。|追いつける《・・・・・》だけなら簡単。リリスフィアが向かう先はその先、ウィリアムを追い抜くことが最終目標となる。
そんなウィリアムはアルカディア・エフェクトで周囲を覆い、辺り一面を何者にも縛られぬ風を吹かせて機体の速度を上げている。もっともっと、高みを目指すために。もっともっと、その先へ至るために。
「……うん。私もその気持ちはよくわかるよ」
集中しているウィリアムに向けて語るように、リリスフィアは同調する。速さを極めた先の果て、それを見るのは同じだと。
だけど、ウィリアムと違うのはリリスフィアは死ぬつもりはないことだ。生きて、見たものは全て伝えたいと思うのが彼女の性だから。
「命がけで、本気で走らなきゃいけない。けれど……それでも楽しくレースさせてもらうね!」
彼女の魂の叫びは、ウィリアムにも届く。
ゴールの数十メートル手前、気づけばその魂に揺さぶられたウィリアムの機体を、ワイルド・サンダーは追い抜いた。
大成功
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ラップトップ・アイヴァー
…私は。
この世界で競技を楽しむ人々が…スポーツそのものを通じて楽しんで、幸せになれる、それを望んでいるの。
美希がスポーツの楽しみを仲良く共有し合えることを望んでいるように。
その為なら幾らでも私は引き金を引く……。
真の姿:交通事故直後の|死体《わたし》に変身した上で、レースをしましょうね。
あなたと同じ土俵…車でのレースを。
使用する車はR-WAY4。テストコースですもの、ギアチェンジ動作や加速・コーナリングは運転技能で以て行い、どれらの最適なタイミングを瞬間思考力と勝負勘で図る!
こちらからの攻撃は無し、但し一斉砲撃は絶妙なハンドリングで回避を試みていきますわ!
…ふふ、あなたの超加速はとてもえげつないものでしょうが、私たちにも魂がある!
このUCもその一部――あなたに負けたくない、スポーツを護る為に勝ちに行く、その心の表れですわ!
一度壊れた時計の針は進まない。
けれど遺した願いが走って何が悪い!!
それが叶えられると信じるから私たちは一秒一瞬の隅々まで楽しむの!
行きますわよ――常にギリギリで躍れ!!
●守るための|引き金《アクセル》を|引いて《踏んで》いく。
「……私は……この世界で競技を楽しむ人々がスポーツそのものを通じて、楽しんで、幸せになれる。それを臨んでいるの」
レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』に勝負を挑んだラップトップ・アイヴァー(動く姫君・f37972)――その意識は双子の姉妹の姉・シエル。
彼女はこの戦争に色々な思いを乗せて戦ってきた。それこそ、妹の美希と共にバトロワシューターとして引き金も引き続けた。
そしてやってきたレース勝負は……これまた、最速の相手と来たものだからシエルも本気だ。死んだ|本人《シエル》の姿となって、彼女は愛車のR-WAY4に乗り込んでウィリアムと共にスタートラインへ並ぶ。
「……この世界の均衡を崩す。それだけは絶対にあってはならないから」
スタートの合図とともに、両者一斉にアクセルを踏み抜く。エンジンが悲鳴をあげようが、タイヤが一瞬で摩耗しようが、このスタートダッシュがかなり肝心だから容赦はしない。
弾丸のように飛び出した2つの車両の速度は接戦、僅かにウィリアムが優勢を取っており技術力ではほぼ差は変わらない。違うとするなら、ウィリアムが集中した結果、超加速能力を宿した車載兵器からの一斉砲撃の射出を使って邪魔をしに来ている、ぐらいか。
「……ふふ……」
思わず、シエルから笑みがこぼれた。最速を担う以上、生半可な速度では無いだろうと予測していたが、人体が吹っ飛びそうな程の速度なものだからウィリアムの本気は恐ろしい、とも。
けれどシエルは負ける気でここに来たわけではない。全力を出し切って、それでもダメなら魂込めて走るだけなのだと!
「そう、そうよ。私達は|負けたくない《・・・・・・》の。スポーツを護る為に勝ちに来ているのよ!」
ユーベルコード『Shout』がローグ・ファクトリーに響き渡る。このレースを見ている人たちに向けて、この願いを呼びかけていく。
――一度壊した|針《いのち》は進まない。けれど、残した願いが走って何が悪いのか!
「私達はこの願いを叶えられると信じているからこそ、こうして、一秒一瞬を隅々まで楽しむの!」
魂の叫びは集中しているウィリアムにガッツリ響いているのか、少しだけ機体が揺らぐ。
負けたくない。その考えは、レーサーなら、否、スポーツマンならば誰でも同じこと。
シエルの魂の叫びに揺さぶられ、ウィリアムの機体が僅かに減速していく。
その隙を見出したシエルは、|引き金《アクセル》を|引いて《踏んで》ウィリアムの機体をぶっちぎりで抜いていく!!
大成功
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宇宙空間対応型・普通乗用車
どんなレースでもいいと来たか。
それなら、このオレ様のもっとも得意とする競技に付き合ってもらうぜ?
題して…
卵を割らずにどこまで速く走れるかゲーム!!!!
まず、そこらで買った卵をパックから一つ取り出します。
座席にそっと置きます。
合図と同時に走ります。
地下地上水中水上空中宇宙あらゆるコースを走ります。
障害物とかあっても頑張って走ります。
割らずに先にゴールした方が勝ちです。
ね?簡単でしょ?
オレ様は宇宙空間対応型・普通乗用車!
慣性制御でどんな体型の乗客にも安定した乗り心地を提供し!
宇宙デブリだって跳ね返す万有斥力バリアでどんな障害も確実に排除!
あらゆる環境に適用した走りを見せて!
安心安全で快適な素晴らしい旅路を提供する最高の乗用車だ!
フォーミュラだか何だか知らねぇが…
テメェの速さはあくまで自分が走って満足するためだけの速さだ!
つまり、『誰か運ぶ』という一点においてはズブの素人!
人種を問わず、あらゆるものを運ぶことを宿命づけられたこのオレに!
そう易々と勝てると思うなよ!!!!!
●得手不得手は誰にだってある。
「へぇ……|どんなレース《・・・・・・》でも?」
唐突に何かを呟き乱入してきた車――もとい宇宙空間対応型・普通乗用車(スペースセダン・f27614)。彼はルーフに買い物袋に入れた何かを乗せて、ローグ・ファクトリーへやってきた。
レース・フォーミュラ『ウィリアム・ローグ』に向けて、開けてみな、と促した普通乗用車。ウィリアムが袋から中の物を取り出してみれば……卵パック(10個入り税込み321円)。
なにこれ? という表情のウィリアムに対し、普通乗用車は宣言する。
――これより、卵パック運びレースの開催である、と!!
スタートラインに立った普通乗用車。まあ仕方ないか……とウィリアムも同じように卵パックを座席に置いて勝負を受け入れる。
3周でゴールするが、それまでに割っていなければ勝ち。割ってしまえばもう3周のデスルール。こんな条件で本当にやるのか? とウィリアムが問うても、普通乗用車は当たり前だと言葉を返す。
「簡単だろ?」
あっけらかんと言い放った普通乗用車。もう逃げ場はないと踏んだウィリアムはそのまま、スタートの合図と同時に普通乗用車と共にダッシュを切る。
そこからの勝負はまさに緊張感溢れるものとなった。
ウィリアムはレーシングマシンから溢れる漆黒の炎から卵を守りつつ最速を出し、普通乗用車は普段通りに慣性制御とユーベルコード『万有引力バリア』で卵も車体をしっかり守りながらコースを走る。
卵を1つでも割ってしまえば負けという、ウィリアムも真っ青な追加ルールは彼の速度を一定に保たせてはいたが、やはり慣れない事柄で少しずつ速度を落としてしまっていた。
「テメェの速さはあくまで『自分が走って満足するため』! そう、つまり人や物を運ぶという点においてはズブの素人だ!!」
普通乗用車の声が高らかに響く。ウィリアムと普通乗用車の求める『速さ』の心得の違いはここにあるのだと。
彼は人種を問わず、動物問わず、物品問わず様々なものを内部に詰め込んで傷つけずに運ぶことを宿命付けられた者。こと、運びながらの走りともなればそんじょそこらのレーサーに負ける気はしない。
安心安全、快適で素晴らしい旅路を提供する最高の乗用車の走りの証明は、卵パック(10個入り税込み321円)がしてくれる!
「この勝負、オレ様が貰ったァ!!」
――ぐしゃりと潰れた卵の音が、普通乗用車の勝利の鐘の音となった。
大成功
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