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巨大要塞デス・テラーを調査せよ!

#けものマキナ

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#けものマキナ


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●それはまるで宇宙から来たかのような、天空にそびえ立つような
「な……何だい『アレ』は!?」
 最初に気付いたのは、ウォール・アクアの巨人タイコだった。
「え~? 日陰じゃないの~?」
 深海人のドルフィが気ままに泳いで空を見る。すっかり日陰が……いや、何か違う。
「宙に浮いて移動する日陰があるかいドルフィ!! ありゃ何かの要塞だよ!!」
「え~? 要塞~?」

 それは、別の場所でも観測されていた。
「何だありゃ?!」
 キャバリオン自治集落で、ミレナリィドールの少女ヤマトが上空を見上げていた。
「明らかにおかしいな……」
 妖狐の少女、フソウも共に空を見上げる。

 殆どの地点で観測されたそれは、特に恐怖の魔王とは関係ない、『空中要塞』だった。

●グリモアベース
「という訳で、謎の空中要塞がけものマキナで観測されています!」
 グリモア猟兵の土谷・メイ(イヌの砲撃術【大】・f27738)が普段はフリフリしている尻尾を下げながら伝える。
「キャバリオン自治集落の方々が自己責任でキャバリアで偵察した結果、いくつかの砲台と球形のバリアがある事が分かったそうです。中身は良く見えないんだとか。って事は、ひとまずバリアを割って中身を確認しない事には危険性も分からないんです! まあ、通信して内部と連絡を取れる可能性もありますし、向こうからコンタクトを取って来る可能性もありますが……内部の方々がそもそもいるのか、自動操縦なのか、何も分からないので……とりあえず調査をお願いします!」

 暫定的に、どこかで見た事のある要塞という事で「|デス・テラー《死の語り部》」と名付けられた空中要塞。これが死を運ぶ危険なモノか、安全性が確認できるかは……君達次第だ。


椿油
 椿油です。ステラって星って意味なんですよね。
 当シナリオは他MSとは独立したシナリオです。もしかすると連作になる可能性があります。
 キャバリアで偵察するもよし、ハッキングして内部の通信を覗くもよし。対応はお任せします。

 皆様のアツいプレイング、お待ちしております!
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第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動

SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動

WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

紅月・美亜
これ、都合よく空いてる排気口にプロトン魚雷をシュートするアレでは。
「と、言うか世界ごと壊すつもりか|制圧《レコンキスタ》派は。これはもう、私自らが出る! 行け、メタルブラック隊!」
 Operation;BLACKで生成した大気圏離脱仕様のメタルブラック隊615機による強行偵察だ。ついに元ネタより数が増えたな。
「まあ、当然そっちは囮だが」
 本命はこっちの熱光学迷彩機だ。今の内に情報収集をしてたぶんあるであろう弱点を探しておかねばならん。
「……しかし、こんな物を人間が作ったのか? 消費する資材もバカにならんはずだが」
 違う勢力の可能性も考慮には入れておこう。



●実は星間戦争の某映画は未履修です
「これ、都合よく空いてる排気口にプロトン魚雷をシュートするアレでは」
 そう、そのまま核の部分まで届いてドカーン。という事が出来るかは分からないが、美亜は自らが出る案件だと察した。
「と、言うか世界ごと壊すつもりか|制圧《レコンキスタ》派は。これはもう、私自らが出る! 行け、メタルブラック隊!」
 《Operation;BLACK》による|メタルブラック隊《新型光学兵器搭載戦闘機》が615機飛んで強行偵察を仕掛ける。

「まあ、当然そっちは囮だが」
 本命は《Operation;UNCHAINED》で出てきた熱光学迷彩搭載早期警戒機。
「……しかし、こんな物を人間が作ったのか? 消費する資材もバカにならんはずだが」
 警戒機は丁度良い隙間を見つけたので、中に入っていく。まさに魚雷がシュート出来そうで出来なそうな小さな穴だった。

 暫く小さな穴を進むと、中に居る者達の声が聞こえてくる。穴の先は談話スペースのようだ、聞こえて来た声は――。
「素晴らしい! あれだけ経ったのに、文明はまだ生きている!」
「私たちが偵察に来たのは正解だった! さあ、早速母星に戻り始めよう!」
「待って! せめて全てを迎撃しないと。私たちがたいしておいしくないオートミールを食べている間に、彼らに全滅させられてしまうでしょう!」
 ――何か海外産ゲームを翻訳チームが訳したような微妙な言語である。

 美亜は警戒機から聞こえた言葉で何かを感じ取った。
「……母星に戻る、だと? まさかこいつら……」
 遥か昔にけものマキナの人類が最終戦争を始めた時の、生き残り。かつ、敗れかけたか怯えたか、何らかの理由で脱走した者達。
「……それなら、この大量の資材で作られたであろう要塞も納得が行くな」
 別の星に行っていたのなら、資材なんていくらでも手に入る。

「アルヴァ1号、発進!」
「今夜はパーティだ!」
 彼らの兵器であろうジェットエンジンの大型飛行機がバリアを張ったまま、にゅるりと通り抜けて出て来る。それは615機のメタルブラック隊を次々撃墜して、またにゅるりと戻って行ったのだった。
「最高だ! イジソン1号から10号も全て出そうか?」
「それはやり過ぎじゃないか?」

「ふむ、|帰還者《リターナー》と言った所か……アルヴァとイジソンが主力兵器だな」
 ともかく、このバリアを通りぬけなくては対話すらままならない。物理が効かないのではなかろうか? メタルブラック隊がある程度破壊された後、一旦戻って状況を整理する事にした、美亜だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紅月・美亜
「いきなり威力偵察はまずかったか?」
 いや、なんか名前が明らかにヤバそうでつい。
「しかし何だな……舐められっぱなしで引き下がるの癪ではある」
 残ったメタルブラック隊を再編し、その一機を直接操縦モードに変更。
「一機で十分なのだよ、本来ならな。残機も含めて三機でもいいか」
 ビーム機銃でバリアを剥がし、収束ビームで相手の武装を破壊する。機体その物は破壊しない。直接操縦以外の機体もリアルタイムで指示を出し続け、無力化を狙う。

『さて、お遊びはこの位にしておこう』
 落ち着いたらオープンチャンネルで呼びかける。
『私は……そうだな、ある一団を束ねる権限を持つ者だ。何用でここに来たのか聞かせてもらおうか』



●銀河鉄動9990
「いきなり威力偵察はまずかったか?」
 そりゃあ、あれだけ星が破壊できそうな仮称と見た目で来られたら誰だって警戒するだろう。
「しかし何だな……舐められっぱなしで引き下がるの癪ではある」
 《Operation;BLACK》を再編しつつ、1機を直接操縦モードへ変える美亜。残機用にあと2機残しておく。
 ビーム機銃がバリアへの集中攻撃を放つ。未だ潜伏中の警戒機からは焦りの声が聞こえてくる。
「まさかこんなに? 相当な威力だ!」
「ああ、まずい。破られるぞ!」

 残ったメタルブラック隊による攻撃と、計90機が3編成ずつ直接操縦機が撃墜されないよう支援に走ったのもあるが、直接操縦機からの収束ビームがアルヴァ1号の武装をギャリギャリと破壊していく。あくまで武装を破壊する程度だ。
「何てこと!」
 中にいる|帰還者《リターナー》達の慌てる声が大きくなった。

『さて、お遊びはこの位にしておこう』
 美亜がオープンチャンネルで呼びかけた。
「お遊び? 今のが遊びだって!?」
『私は……そうだな、ある一団を束ねる権限を持つ者だ。何用でここに来たのか聞かせてもらおうか』
「つまりリーダーだね?」
「艦長!」

 艦長と呼ばれた初老の男が、マイクのスイッチをオンにして全艦放送を始める。

『私はトマス。当艦の艦長であり、トマスの一族の末裔にして、帰還者の長だ。我々は初代トマスを筆頭に最終戦争から逃げ延びて数多の星々を巡って来た。何故だと思う? 戻る為の資材・人員・戦力が無いからだ! そうやって万単位で準備を整えてきた我々トマスの一族は、ようやく我が母星に戻る事が出来た。攻撃する意思は無い。嘘だと思うならまずそちらの攻撃から先に中止してくれ。我々が行っているのはあくまで"反撃"だ』

 ここで一息ついて、再び声を発するトマス。
『我々の要求は――計9990人の帰還者の安全な居住地の確保だ。必要とあれば先住民とも交渉をしよう』

 9990人。1万人には満たないが、それでも相当な数である。それにしてもデス・テラーが大きすぎて持て余している感じは拭えないのだが。

 集落が点在するけものマキナと言えど、デス・テラーが置けて9990人が滞在可能な広大な土地は余り無いと思われる。さて、どうするか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紅月・美亜
『すまない、誤解があったようだ』
 まさか、どこぞの映画に似たような見た目の惑星破壊兵器があったから攻撃したとは言えない。
『で、大体一万人か。その位なら別に構わんぞ。場所の希望はあるか? 暖かいとか、寒いとか、自然が多いとか、都市に近い……は、ちょっと厳しいか。今の世界に人間が居るのは色々と問題があってな』
 と、この辺でけものマキナにおける人間の扱いをかくかくしかじか。
『そういう訳なのでいきなり戦闘吹っ掛けられたりもするが、原住民の戦闘は言うなれば遊びの範疇だ。命は取られない』
 さりげなく自分の行為を正当化。
『で、どこに降りたい?』



●帰還者の帰還準備
『すまない、誤解があったようだ』
 何度でも言うが、いきなり惑星破壊兵器都市みたいな物が降りてきたのなら、それは攻撃してしまう。
『で、大体一万人か。その位なら別に構わんぞ。場所の希望はあるか?』
「地形も変わっているだろう。そちらの提案内容で特に構わない」
 トマス艦長はそう返した。
『暖かいとか、寒いとか、自然が多いとか、都市に近い……は、ちょっと厳しいか。今の世界に人間が居るのは色々と問題があってな』
「ふむ?」

 ――美亜は全てを話した。現在ケモノとマキナが居る事、人間が蘇ったような挙動でケモノやマキナを襲って来ようとした事、それによりケモノとマキナが人間を嫌う事、猟兵が関与する事になった事、それらの人間は|征服《レコンキスタ》派たる派閥の仕業であった事、征服派に反対して人間として脱出した|者《斎藤》が居た事。

『そういう訳なのでいきなり戦闘吹っ掛けられたりもするが、原住民の戦闘は言うなれば遊びの範疇だ。命は取られない』
「遊び……か。こちらの血の気の強い帰還者が良い相手になるだろうな……まあ、こちらも帰還者の決まりにより先住民を殺しはしないので安心して欲しい」
 どうやら、色んな帰還者がいるらしい。

『で、どこに降りたい?』
「そうだな……では、自然豊かな所を案内して貰いたい。我々は暫く自然を見ていないのだ」
 トマスのその言葉に、帰還者達が沸く。
「自然が見られるだって? 最高のサプライズだ!」
「キャンプだって|動物《(ケモノモドキ)》との触れ合いだって、何だって出来るね!」
「賛成! 今すぐそこに降りましょう!」

『ふむ、ではそのように整えよう』
 美亜とトマスの対話は概ね終わった。この後どう安全に着陸させるか。そしてあと何をするべきか――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紅月・美亜
 自然豊かな場所か……一口に自然と言っても海か山かで大分違うとは思うが。どっちでも大丈夫なポイントに案内はしておこう。
「最後の人間が滅びてから約一万年たっている訳だが、君達はデモンズコードは使えるのか?」
 気になる場所はそこだろう。デモンズコードは人間の遺産。だが、恐らくは滅亡する直前辺りの技術だ。彼らが使えるかどうかは分からない。
「少なくとも、ある程度の知能がある生物なら使える筈だ」
 ユーベルコードが使える猟兵は事実上使えないのではあるが。ユーベルコードの方が発動してしまうのでな。デモンズコードは周辺のナノマシンを消費しているが、ユーベルコードは消費しない。これが見分けられた理由だ。



●帰還者トマス
「(自然豊かな場所か……一口に自然と言っても海か山かで大分違うとは思うが)」
 なので、間を取って海が見える山に先導して案内していく美亜。

『最後の人間が滅びてから約一万年たっている訳だが、君達はデモンズコードは使えるのか?』
 美亜の|通信《コンタクト》に、トマスはこう返した。
「デモンズコードとは、何だね?」

 恐らく、使えない事は無いが、知らないのだろう。人間がデモンズコードを作り出した時に既に帰還者達はこの星を離れていたと推測される。
『あー……知らないか。成程、|その辺りの時代《滅亡直前よりも前》だな。少なくとも、ある程度の知能がある生物なら使える筈だ』

 ズ・ズゥン。

 海が見える広大な山……というより台地にデス・テラーが無事着地すると、トマスはデス・テラーのハッチを開け、帰還の第一歩をゆっくりと踏み出す。トマスの足が地面に付いたと同時に、船内から拍手喝采が沸き起こる。

「今より――我々9990人の帰還者は、この土地を居住地とする!!」

 そして、トマスは手から短い緑色の光線を出してみせた。
「ところで――デモンズコードというのは、こういう感じかね?」
「(驚いたな……もう使えるのか。学習が早いな)」
 美亜はその学習の早さに、トマスという者がただの艦長では無い事を感じ取った。学習するまでもなく、ナノマシンを肌に感じ取っただけでいとも容易く習得してしまったのだから。

「帰還者よ! デモンと共にあらん事を!」

 トマスの声で再び、帰還者の降り立った台地が拍手喝采に包まれたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年02月18日


挿絵イラスト