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バトル・オブ・オリンピア⑪〜地雷爆破Deathマッチ

作者：真空。

　ダークレスラー達の本拠地「天空要塞デスリング」が、バトル・オブ・オリンピアのリングとなるべく変形展開し、轟音上げて地上へと着地した！
　今こそ、ダークレスラーと決着をつけるチャンスだ！　天空要塞のプロレスリングが瞬く間に「超絶凶悪なデスマッチリング」に変貌し、挑戦者を呼んでいる！　デンジャラスなギミックを備えたリング上で、武器や凶器の持ち込みも含めて全ての反則が認められた「超デスマッチ」のはじまりだ……！

「という事で、一応はプロレス……レスリングらしいんですが。リング自体にも危険なギミックが仕掛けられているそうで」
　お疲れ様です、と集まった猟兵達に向けて頭を下げた趙・藍樹（圈养的牡丹・f40094）が言うには、何をしてもＯＫな超デスマッチが開催されるのだと。
「武器、凶器……ユーベルコードは勿論、相棒でもキャバリア……はリングに乗るならいけるかもしれないですね。何を持ち込んでも問題無しとの事です」
　そこで待っているダークリーガーを倒し、１０カウントをとるかリタイアさせれば勝ち。内容としてはシンプルだ。
「で、リングのギミックですが……所謂爆破デスマッチ、というものだそうです」
　リングの各所、コーナーポストなどに爆発物が仕掛けられていて、踏むと爆発するらしい。相手に踏ませたり、もしくはわざとに踏んでそのエネルギーを利用する等使い方は色々。
「今回、待ち受けているのは元中堅レスラー『獅村・剣豪』。見た目は……少々アレですが決して弱くは無いのでご注意を」
　アレ、と濁された見た目が気にならないでもないが、倒さなければならない事に変わりは無い。
「では、お気をつけて。御武運をお祈りしております」

第1章 ボス戦 『元中堅レスラー『獅村・剣豪』』

POW   :    いまいちカッコ悪いイナズマレッグラリアット レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【稲妻を帯びた片足】から【相手の胸部あるいは首元を狙う脛蹴り】を放つ。 SPD   :    あんなチンケな技でケンカを売ろうとは10年早いぜ 自身の【獅子】が輝く間、【竹刀】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。 WIZ   :    ワールドレスリングエンターテイメント 【ギャグ】が命中した対象に対し、高威力高命中の【宿敵打倒のために鍛えたボクシングパンチ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。 イラスト：聖マサル 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　鍛え上げた筋肉。派手な羽織と股間に獅子を宿したパンツ。真っ直ぐに天を指す……ちょんまげ。リングの上で待つダークアスリートを見て、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン（幸福証明・f03706）は半目になりつつ首を振る。
「まあ近づかない方が良いわよね、あのバ×殿っぽい感じからして」
　絶対にに良い事が起こらなさそうな気配を感じ、リングの端にそっと上がると、その場で攻撃を開始する。
　連星カミヤドリで呼び出したのは、自身のレベル分――１４３個の青金剛石。試合開始のゴングが鳴ると同時に、全周にそれらを配置し、アウトレンジボクサーよろしく元中堅レスラー『獅村・剣豪』と地雷が埋まってそうな近くのマットをひたすら殴りつける。
『痛っ……痛いでおじゃる！？』
　ビシバシと金剛石で殴り続けられる剣豪。世界最高硬度を持つといわれている石で滅多打ちされているのだから、間違いなく痛い。そして。
　マットを殴っていた金剛石の下でカチッという音がして、数秒。
　どぉん！！！
　地雷が爆発し、当然近くにいた剣豪は巻き込まれて真っ黒焦げに。
『ぐ……せめて一矢報いねば！』
　一寸だけ泣きそうな声の剣豪が竹刀を構えると、股間の獅子が輝いた。９倍の速さで振り回した竹刀が金剛石の幾つかを弾き飛ばしていくが、残っている石の数からすれば圧倒的に攻撃される回数の方が多いわけで。竹刀を振り回す剣豪が、リングのあちこちをうろうろとしていると。
「あ、ちょっと近付いちゃった」
　距離を置こうとするヴィオレッタの視線の動きに合わせ、青金剛石が剣豪を足を集中的に叩く。足止めをしている隙に出来る限りリングの反対側へと。
　決して近寄らせないままに殴り続けるヴィオレッタ……痛みに耐えかねた剣豪が降参するまでその攻撃は続いたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「はぇー、今後は何処でも爆発するリングだべかぁ……流石にリング上がったら爆発とかねぇよな？」
　事前に聞いていたためか、リングに上がるのも躊躇われる。笹乃葉・きなこ（キマイラの戦巫女・f03265）は手で軽くマットを叩き、安全な場所を確認しながらリングの上へ。布地の少ない衣装を押し上げたもふもふの毛並みを靡かせる姿は、美しさと共に神秘的な強さを窺わせる。
『よく来たでおじゃる！』
　ふんぞり返る元中堅レスラー『獅村・剣豪』を前にして、下手に動く事が出来ずに相手の出方を見る。向こうはお構いなしに仕掛けてくるが、きなこは下手に動いて地雷を踏む事を恐れ、防戦一方。チャンスと見た剣豪が、片足に稲妻を纏わせきなこの首元を狙い必殺の飛び蹴りを放つ。
『喰らえ！　イナズマレッグラリアット！』
「逃がさねぇべ。お前さんを投げ技地獄へ招待してやるな？」
　きなこの目が輝く。笹乃葉式我流投げ技地獄――飛んできた剣豪の足を僅かな動きで避けると、体格の割には大きな手を伸ばしそのまま掴み上げた。
「地雷が怖いから、こうするべか」
　そのまま、片手に持った剣豪でリングのあちこちをびたんびたんと叩いてみる。かちっという音と共に爆発が起きるが、それも剣豪を盾にして防ぐ事で自分はダメージを受けずにやり過ごす。
　最後にぼろぼろになった剣豪をぽいっと投げ捨てると、そのまま倒れた剣豪へと向けてきなこが走り出した。当然地雷のある場所を踏み抜き、爆発がおきて。
「いくべっ！」
　それも計算のうち。きなこは爆発に合わせて大ジャンプ。爆風に背中を押され、勢いを増したドロップキックが剣豪へと見事に突き刺さった。
『ぐぁああああっ！？』
　倒れ伏した剣豪の側で、無情にもレフェリーの１０カウントが響き渡る。きなこの勝利だ。
「やったべ！」
　勝利のポーズを決めるきなこの横で、煙を燻ぶせながら涙する剣豪だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「なんやろ、このオッサンの凄まじい既視感……」
　首を捻る蓮条・凪紗（魂喰の翡翠・f12887）。似た人を幼い頃に見かけていたかもしれないが、あくまで似た人である。気にしてはいけない。
『お前が挑戦者か？　さあ、早くリングに上がるでおじゃる！』
　元中堅レスラー『獅村・剣豪』に急かされるままに、リングへと上がって……ふと、動きを止め懐から何かを取り出す。
「何でも有りならこんなのも有りやろか――我が名において来たれ、神秘の札に宿りし識よ！」
『ん？　何をしたでおじゃる？　何も起きていない……脅かすなでおじゃる！』
　凪紗の手の中に在るカード――彼が呼び出したのは死神。剣豪からは見えない位置に呼び出すと、そのまま背中に張り付かせる。
『獅村ーっ、後ろ後ろ！』
　かかった声に剣豪が振り返るが、死神は姿を消してしまっているため誰も居ない。ちなみに、声をかけたのは一部の観客で、実は予めこのタイミングで声をかけるよう仕込んでたりする。
『何でおじゃる？』
「隙ありやな」
　ばちこーんと剣豪の後頭部に炸裂するハリセンの一撃。
『痛いでおじゃる！？　お前、何したでおじゃる！？』
　もう一発ばちこーん。今度は背後に姿を現した死神からの一撃だ。
『ふざけるなでおじゃる！　こうなったら……喰らえイナズマレッグラリアットー！』
「今や！」
　剣豪が空高く舞い上がり、稲妻を纏った足が凪紗を狙って放たれる！　が、もう片方の足に死神がしがみついてバランスが崩れ、届くまでに失速してしまう。その隙を狙って凪紗が懐へと入り込んで。
　落ちてきた剣豪を掴み、頭上に持ち上げると足腕首を極め、垂直落下！
「オレの必殺技、陰陽師バスターを受けてみぃ！！」
　そのままマットへと叩きつける！　そして。
　かちっ。どおおおぉん！！！
　陰陽師バスターの衝撃で地雷が爆発。
「っと、頭から抜けとった」
　ぎりぎりで飛びのいた凪紗はぎりぎりでどうにか爆風を回避。黒焦げになり、１０カウントを待たずして戦闘不能となった剣豪を残し、歓声を浴びながらリングを後にしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　転移の扉を抜けた如月・円（全力全壊オトコノコ・f41669）は、大きく伸びをしながらリングの方へと目を向ける。
「よーし、今日も試合を盛り上げちゃうぞ！」
　可愛らしい女の子にしか見えない円だが、その実は男の娘系アイドルレスラー。そう、男の娘。脱いだらバッキバキである。
「相手は元中堅レスラーの獅村さんか。中堅レスラーって実力はしっかりしてるから、油断ならないや。ちなみに僕は若手だから……はっ、これはいわゆる「壁越え」かな？　気合い入れてくぞ！」
　気合を入れ直す円を、元中堅レスラー『獅村・剣豪』がリング状より見下ろしてくる。
『お前もレスラーでおじゃるか？　かかってくるでおじゃる！』
　よし、とリングへと飛び乗る。ゴングが鳴った瞬間、一気に駆け出して距離を詰めて。
「いくよー！」
　勢いを利用したジャンピング・ハイキック、そのままくるりと回って逆水平チョップにエルボー・スマッシュ。チョークスラムを仕掛けるがそれは竹刀で叩き落されそうになり、一度手を引っ込める。
僕のスタイルはパワー＆ハイスパート！
「良いね、竹刀攻撃もばっちこい！」
　ど派手で勢いのある技の応酬に観客も大盛り上がりだ。そのまま繰り出される竹刀の攻撃を鮮やかなフットワークで躱し、一旦距離を開く。
『中々やるでおじゃるな！　よし、喰らえ必殺イナズマレッグラリアットー！』
　剣豪がジャンプ、そのまま高く舞い上がり片足に稲妻を纏わせる。急降下してくる剣豪を見上げ、円が不敵な笑みを浮かべた。
「きたね必殺技！　それならこっちも！　獅村さん、覚悟！」
　ぎりぎりまで近くに来るのを待って、一歩引くと稲妻を纏った足にフルスイングのラリアットをぶち当てる！
「ドカーン！」
　命中した個所を破壊する、必殺の一撃。
『うぎゃあああああっ！？』
　悲鳴を上げて落下した剣豪を落ちきる前に捕まえ、懐に潜り込んでウォリアーズ・リフト。マットへと叩きつけた剣豪をボディ・プレス・ホールド。レフェリーの３カウントが響いた、円の勝利だ。
「やったよー！」
　盛り上がる観客たちへと向けて、勝利の決めポーズ。リング周辺は本日一番の盛り上がりを見せたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「プッ……アハハハ！　ちょ、ちょい待ち、なんだべあの顔……！」
　転移してきたフェリチェ・リーリエ（嫉妬戦士さんじゅうはっさい・f39205）は相手の顔を見た途端爆笑する。白塗りの顔にちょんまげ、股間に獅子。その全てがもうツボに入ってしまったらしく笑いが止まらない。
「ヒーヒー……って笑ってる場合じゃなかった、外見で油断させるとはなんたる策士！」
『何者か知らぬが、失礼な奴でおじゃる！』
　憤慨する元中堅レスラー『獅村・剣豪』。もっともではあるのだが、その見た目で言われても説得力が無い。
「こうなったらとことん笑わせてもらうべ、リアクション期待してるっぺよ芸人！」
『芸人ではないでおじゃる！　おとなしくリングに上がるでおじゃる！』
　言葉の応酬に、試合が始まったと見做されゴングが鳴る。背の翼を羽搏かせ、ひらりと舞い上がるフェリチェが先に動いた。
「スッ転べ！」
　どすん、とリングにバナナの木が突き立つ。そしてあっという間にリング上全てがバナナの皮で覆われてしまい。
『な、何でおじゃる！　滑るでおじゃる！』
　焦る剣豪を眺めながら、コーナーポストへと降り立つフェリチェ。
『こんなもの、こうしてくれるでおじゃる！』
　股間の獅子を輝かせ、動きが早くなった剣豪がリング状のバナナの皮を払い落としていく。
　リング状あちこちを動き回る剣豪、しかしあまりに動いてしまったため。
　かちっ。ドカーン！
　吹っ飛んだ剣豪の飛ぶ先へと回り込み、狙いを定めて頭突き。鈍い音が響き、剣豪の身体がそのままリングへと落ちる。
「元スカイランナーだでな、喧嘩もいけるだよ！」
　落ちたところに真上からドロップキック。倒れこんだ剣豪をチキンウィングフェイスロックで極めてカウントを狙う。どうにか逃れようとする剣豪だったが、身体の下に残ったバナナの皮で滑ってしまい抜け出すことが出来ない。
　暫しの攻防が続き、１０カウントが響き渡ると剣豪の身体から力が抜けた。立ち上がるフェリチェ。
『よくやったでおじゃ……る』
　ばたり、と倒れ伏した剣豪を横目に見つつ、勝者として歓声に応える。超デスマッチは猟兵の勝利だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2024年01月13日