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バトル・オブ・オリンピア⑬〜最強からの挑戦状!!

#アスリートアース #バトル・オブ・オリンピア #超人プロレス #プロレス・フォーミュラ『デスリング総統』

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#プロレス・フォーミュラ『デスリング総統』


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「グロロロロ、遂に相見えたな、猟兵共よ! そう、ワガハイこそがダークレスラーの総統、その名も『デスリング総統』である!」

 四本の腕を持つ巨漢のマスクレスラーはマイクを握ったまま、天に向かって中指を立てた。そう、彼こそ、ダークリーガー(オブリビオン)の頂点の一つ、『プロレス・フォーミュラ』デスリング総統である。

「予知で見えているのだろう? 猟兵共よ。ならば、このバトリンピア遺跡へ来るがいい! ワガハイは逃げも隠れもせぬ!」
 グロロロ、と笑い、リングの上に立ったデスリング総統はマイクアピールを続ける。

「プロレスの真髄とは『受け』である。貴様らの児戯に等しきユーベルコードを全て受けきった後に、堂々と反撃させてもらおう。ワガハイを叩きのめせるというのなら、如何なる手段でも使うが良い。ワガハイも凶器や反則ぐらいは平気で使うからな! さあ、いつでもかかってくるがいい! 待っているぞ、貴様らの最高の全力を! グロロロロロロ……!」


「皆様、明けましておめでとうございますの。年明け早々ですが、アスリートアースは戦争ですわね。わたくしもオブリビオンの出現を予知いたしました。プロレス・フォーミュラである『デスリング総統』が我々猟兵に挑戦状をたたきつけてきたようです」
 |寝正月《ながきねむり》から覚めたお嬢様風のグリモア猟兵、ミネルバはグリモアベースに用意した特設リングの上でマイクを持ち、ブリーフィングを開始した。どうやら、強敵の出現を予知したらしい。別にリングはいらない気はするが、雰囲気を重視したのだろう。何しろ、今回の敵はプロレスラーだ。

「デスリング総統はプロレスの美学を持っており、こちらに対し先制攻撃はしてこないようです。本人が好きな手段を使って良いと言っている以上、こちらも遠慮なく使わせていただきましょう。たとえば、リング外から狙撃するとか、|ロンズデーライト《めっちゃ硬い鉱物》で殴るとか……。
 あるいはもっと、彼の予想を超えるような奇想天外な手段を使えば、きっとデスリング総統も対応に戸惑うかもしれません。ちなみにリングと観客席は、絶対に破壊できない物質で覆われているようなので、被害は気にしなくていいですの。猟兵の千差万別な戦闘スタイルを見せつけてやりましょう」
 ミネルバはくすりと笑った。向こうはレスリングのスタイルで戦うつもりのようだが、こちらは何をやってもいいらしい。ならば、相手が強大な戦闘力を持つプロレス・フォーミュラであっても恐れる必要はない。もちろん、腕に自信があるのならば真っ向勝負を挑むのもいいだろう。

「大口を叩くだけあり、デスリング総統の戦闘力、特にタフネスはダークリーガーの中でも突出したもののようです。正面から組み合うのは危険ですので、お気を付けくださいませ。では、準備ができた方から転送しますの」
 ミネルバは優雅に一礼し、アスリートアース世界への転移ゲートを開いた。


大熊猫
 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。最近活動規模がすっかり減少しておりますが、久々の戦争なのでシナリオを出してみました。今回の敵は有力敵のデスリング総統です。ルールはプロレスの縛りは無視してOKなので、あらゆる手段でデスリング総統を痛めつけてやりましょう!

●プレイングボーナス
「最高の全力」を出し切り、デスリング総統に叩きつける。

●文字数省略用記号
 アドリブ歓迎→☆、連携歓迎→★、何でも歓迎→◎(☆★と同じ)、ソロ描写希望→▲。

 ※あえてタイマンを希望していない限り、複数の参加者で一斉にデスリング総統に襲い掛かるか、周りの猟兵と共に波状攻撃を仕掛けるかする感じのリプレイになります。

●合わせプレイングについて
 グループ参加の場合は、迷子防止の為プレイング冒頭にグループ名をご記載下さい。

●受付について
 OP公開時より受付開始いたします。
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第1章 ボス戦 『デスリング総統』

POW   :    デスリングスープレックス
掴んだ対象を【四次元】属性の【骸の海送りのデスリングスープレックス】で投げ飛ばす。敵の攻撃時等、いかなる状態でも掴めば発動可能。
SPD   :    デスリングスイング
自身の【四本腕で相手の体を掴んで】から極大威力の【骸の海送りのジャイアントスイング】を放つ。使用後は【マイクパフォーマンス】状態となり、一定時間行動できない。
WIZ   :    デスリングラリアット
【四本腕を伸ばしての高速回転】からレベルmまでの直線上に「神殺しの【骸の海送りの四次元竜巻】」を放つ。自身よりレベルが高い敵には2倍ダメージ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
敢えてタイマンで。

開幕天井付近まで飛び上がっての、スワンダイブ式ドロップキック。|圧縮《詰め込み》できるだけ圧縮した|時間質量《重量攻撃》を込めたこのキックは、着弾と同時時間質量を開放し爆破する。
「メテオインパクトォ!!」
まぁ、当然即捕まって骸の海送りになるわけですが、空間を|細かく切り刻んで再構築《ハッキング切断解体、切断部位の接続》で空間ジャンプしてカウント内に戻ってくるわ。
で、マイクパフォーマンス中の総統の上に現れて再度メテオインパクト。
あ、私はエナジーを|糧《大食い、エネルギー充填》にするから、エネルギーを伴う攻撃は全て私のリソースになるわよ?



●爆撃白鳥アリス
「グロロロ! まさか、貴様がリングに上がるというのか? 少女よ!」
「ええ、まさか女子供は殴れない、なんて言わないでしょう? プロレス・フォーミュラさん」
 デスリング総統との勝負の先鋒として名乗りを上げたのは、幼い少女の姿をした猟兵アリス・セカンドカラーだった。

「グロロロ! もちろんだとも! 自らの意志でリングに上がったのならば、そいつはレスラーだ! さあ、どこからでもかかってこい! 手足が折れても知らぬがな!」
「では、遠慮なく☆」

 パチンとウインクをしたアリスはゴングと同時にエプロンドレスをたなびかせ、天井付近まで飛び上がった。そして、両手を白鳥のように広げ、アリスはデスリング総統へと両足を揃えて急降下する。
「メテオインパクトォ!!」
 着弾と同時に、デスリング総統の胸で大爆発が巻き起こった。
「ごほぉ!」
 |白鳥《スワン》のように優雅なフォームとは裏腹に、アリスのキックには超圧縮された時間と質量が凝縮されており、その威力は隕石の衝突にも匹敵する。相手が並のオブリビオンならば、上半身が粉々に吹き飛んでいただろう。

「グロロロ! では今度はこちらの番だな!」
 しかし、デスリング総統はアリスのキックの威力に耐え、四本の腕でしっかりとアリスの両足を掴んだ。
 ギュルルルルルル!!
 アリスの両足を掴んだまま、凄まじい速度で水平方向に回転したデスリング総統が手を離すと、アリスは超音速でロケットのように空へと飛んでいき、天井を突き破ってそのまま消えてしまった。そして青空に浮かび上がる、半透明なアリスの笑顔。
 ワン! ツー!
 レフェリーがカウントを取り始めた。リングアウト扱いなので、10カウント以内に戻ってこられなければアリスの負けだ。もっとも、そのままお亡くなりになってしまったのなら、カウントもクソもないわけだが……。

「グロロロ! 口ほどにもない。さあ、次の相手は誰だ? なんなら、百人組手でも構わんぞ? このプロレス・フォーミュラを討ち取るのは――」
「あら、私との試合は放棄する気かしら?」
「!?」
 アリスを倒したと思い、マイクパフォーマンスを始めていたデスリング総統は驚愕の表情を浮かべた。たった今、骸の海へと消え去ったはずのアリスがリング上空に出現したのだ。

「貴様、ワガハイのユーベルコードからどうやって脱出した!?」
「空間を細かく切り刻んで、再構築して、ハッキング切断解体、切断部位の接続で空間ジャンプしたわ。分かりやすく言うと、ワープ☆」
 アリスは妖艶に微笑むと、再びデスリング総統に向かって急降下した。マイクパフォーマンス中で身動きが取れないデスリング総統は棒立ち状態のまま、アリスのドロップキックを再びまともに受けた。

「メテオインパクトォ!!」
 ドウッ!!
「ごはぁ!」
 先ほどよりも遥かに威力が上昇したアリスのスワンダイブ式ドロップキックをまともに喰らい、デスリング総統はリングの中央に深々とめり込んだ。その威力は単に上空から降ってきたから威力が上がったという生易しいものではない。まるでデスリング総統の力まで上乗せされたような、とてつもなく重い一撃だった。アリスはリングに刻まれた人型の穴を覗き込み、観客に向けて優雅にお辞儀をした。
「あなたの攻撃のエネルギーも利用させてもらったわ。エネルギーを伴う攻撃は全て私のリソースになるの☆」
 ワン! ツー!
 再びレフェリーがカウントを始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

スピカ・ネビュラスター


【デビルキングワールド出身のラスボス】

へーえ、ボクたちのユーベルコードを受けきってくれるんだ~
じゃあ、この手でいこうかな(ニヤニヤ)

『ミルキーウェイ・ブラスター』の詠唱を開始するよ
詠唱が終わるまで、30分くらいかな
ちゃんと待っててねー
(詠唱は続けつつ、漫画を読んだりとその場でくつろぎ始める)

まっさかダークレスラーの総統に、二言は無いよね?
ちゃーんと、受けきってもらえるよね?

詠唱が完了したら
杖を相手に向けて、超威力の極大ビームをぶっ放すよ!
(ビームは天の川イメージで多数☆の集合)

もしも敵が耐えるようなら
ビームを受けて怯んでいる隙にさっさと撤退するよ
こっちは受ける約束なんてしてないからね!



●極悪ヒールレスラー・スピカ
「グロロロ! くっ。ワガハイともあろう者が油断したわ」
 リングの下にめり込んでしまったデスリング総統だったが、なんとか10カウントが終わる前にリングに復帰した。すると、いつの間にか新たな猟兵がリング・インしていた。

「へーえ、ボクたちのユーベルコードを受けきってくれるんだ~。じゃあ、この手でいこうかな」
 ニヤニヤ笑いを浮かべている可憐な少女の名はスピカ・ネビュラスター。見た目がかわいらしいほど性格が(自主規制)という、デビルキングワールド『ラスボス』種族の魔女であった。

「次の相手は貴様か! 女子供だからと言って容赦はせんぞ! さあ、ユーベルコードを撃ってこい!」
 デスリング総統はオープンスタンスで構え、くいっくいっと手招きした。

「オッケー。じゃあ行くよ。天を貫く星々の河、我が力にてこの場に生み出そう。星屑よ、銀河よ……」
 スピカは呪文の詠唱を始めながら、なんとリングの上にビーズクッションを敷き、その上にごろんと寝転んだ。そしてあろうことか、漫画を取り出し、寝転んだまま読み始めたではないか!

「貴様、一体なんのつもりだ!?」
「え? 何って、ユーベルコードの準備だよ。詠唱が終わるまで、30分くらいかな。ちゃんと待っててねー」
「なんだとぉ!?」
「こっちの攻撃を受けてから、反撃してくるんだよね~? まっさかダークレスラーの総統に、二言は無いよね? ちゃーんと、受けきってもらえるよね?」
 スピカはごろ寝の姿勢のまま、ニヤニヤしている。
「ぐぬぬ……! もちろんだ!」
「あ、今途中で中断しちゃったから最初からやり直すね。天を貫く星々の河、我が力にてこの場に生み出そう。星屑よ、銀河よ……」
「グロロロ~!!」

 こうなっては、デスリング総統ができることはただ待つのみだった。途中で妨害することは容易いが、それは自分で決めたルールに反することになるし、途中で中断してまた最初から詠唱し直しになったら、それはそれで面倒だ。

「おーい! どうなってんだ! 試合しろよ!」
「金返せー!」
 観客席からはブーイングの嵐だった。
「すまない、ファンの皆! ここはワガハイの心温まるエピソードでも話そう!」
(な、なぜこんなことに……!)
 こうして、興行精神溢れるデスリング総統は30分間、観客相手にアドリブトークショーを繰り広げ、間を持たせることになった。そして30分後……。

「……お待たせ! 全てを撃ち貫け! 『ミルキーウェイ・ブラスター!』」
 目いっぱい魔力をチャージしたスピカは寝転んだまま杖を構え、30分溜めに溜めた魔力を解放した!

「……こうして、ワガハイは謎の覆面レスラー、ロイヤルマスクを破り……って、なにぃ!? ぐわああーー!!」
 スピカのユーベルコードの直撃を受けたデスリング総統は大量の星型ビームの濁流に飲まれ、遥か上空まで打ち上げられていった。

「グロロロロ~! アイル・ビー・バァーック!!」
「うわ……まだ生きてる。じゃあ、さっさとボクは退散しよ。こっちは受ける約束なんてしてないからね!」
 スピカは呆れたように呟くと、デスリング総統がリングに戻ってくる前にさっさとバトリンピア遺跡から立ち去ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

七那原・望
そうですか。それなら遠慮なく。これから放つ一撃がどんなものであっても受け切ってもらいますよ。

目隠しをした状態で参戦。強化属性全力魔法で身体能力、移動速度を限界突破させます。

第六感と心眼と気配感知で敵の動きを見切り、オラトリオで相手の手首を拘束しつつスタッカートの早業で絶・蘇威禍割を放ちます。

一撃必倒。いえ、二撃必倒ですね。この二刀は対象を概念ごと砕く必殺の魔剣です。

こちらの先制攻撃を受けてから反撃してくるなら、先制攻撃の一撃で終わらせてしまうのが一番ですよね。

とはいえ相手はフォーミュラ。万が一もあります。攻撃後は油断せず掴まれないように距離を取りましょう。拘束もそのためですしね。


エリー・マイヤー

ふむ…敵ながら天晴な心意気です。
そう仰るのであれば、私も全力で挑ませてもらいましょうか。
たまには本気で、細かいことを気にせず戦うのも、悪くはなさそうです。

まず【念動オーバーロード】してサイキックエナジーを全力で放出します。
放出されるエナジーを一点に凝集してぐるぐると回転させます。
そのまま量と圧縮率と回転速度を高めていきます。
制御できる限界まで来たら、【念動ヴォーテックス】の準備完了です。
いやー、これぶっ放したらどれくらいの威力になるんでしょうね。
最大出力って初めてで、どうなるのか自分でもわからないんですよね。

ということで撃ちます。
粉微塵になっても、恨まないでくださると助かります。


アッティラ・ドラゴンロード

「デスリング総統、面白い奴だな。先制攻撃を譲ってくれると言うのであれば、良いだろう。その一撃で決めてやる」

全力全開だ。『竜王の肉体』に『竜王闘気』を活性化。
通常の限界を遥かに超えて燃え上がらせる。(集中力×限界突破)
その全てを超圧縮【竜王の咆哮】で解き放って総統にぶつけよう。

決着がつけばそれでよし、総統が動けるようならアッティラは動けないのでどこからともなく出現した『メガロス・ギガース』が乱入(といってもリングに入れないけど)する感じで。



●最強、墜つ
「グロロロ……、どうした、貴様らのユーベルコードはそんなものか……! ワガハイはプロレス・フォーミュラ。貴様らのユーベルコードなど、全て受けきってやろう!」
 派手に流血し、肩で息をしながら見栄を切るデスリング総統。あれだけの攻撃を受けてまだ生きているだけでも十分凄いのだが、その体には明らかにダメージが蓄積していた。

「そうですか。それなら遠慮なく。これから放つ一撃がどんなものであっても受け切ってもらいますよ」
「ふむ……敵ながら|天晴《あっぱれ》な心意気です。そう仰るのであれば、私も全力で挑ませてもらいましょうか。たまには本気で、細かいことを気にせず戦うのも、悪くはなさそうです」
「デスリング総統、面白い奴だな。先制攻撃を譲ってくれると言うのであれば、良いだろう。その一撃で決めてやる」
 デスリング総統にトドメを刺しに来たのは三人の女(一人は少女)だった。|七那原《ななはら》・|望《のぞむ》、エリー・マイヤー、アッティラ・ドラゴンロードはリングの王を追い落とすべく、一斉に襲い掛かる。

「本気で行きます」
 エリーは悍ましいほどに莫大なサイキックエナジーを放出した。デスリング総統はエナジーでの攻撃を警戒し、身構えた。
「ムゥッ!?」
 しかし、そのエナジーはデスリング総統へと向かうことはなく、エリーの掌でぐるぐると回転していく。そして、回転速度が高まると共に、エナジーの球体はどんどん圧縮されて小さくなっていった。

「あなたの敵は三人いるのですー」
 望は目隠しで顔を隠したまま、デスリング総統へと襲い掛かった。心眼で相手の気配を完璧に捉えた望はデスリング総統の四本の腕へと、鎖に変化させた『影園・オラトリオ』を放つ。
「ぬぉおお!?」
 ジャラジャラと腕に巻き付いた鎖はデスリング総統の腕を拘束し、背中側へと反らせた。

「|絶・蘇威禍割《アブソリュートリィ・ディバイド》」
 望の手に握られているのは相反する属性を持つ一対の黒き妖刀と白き聖なる剣『夢奏・スタッカート』。望は神速の剣閃を放ち、デスリング総統を袈裟切りにした。さらに、概念ごと打ち砕く必殺の魔剣による超高速の斬撃が幾度もデスリング総統の全身を切り刻み、デスリング総統の全身が血に染まっていく。
「グロロロ~!」
 一つの世界でフォーミュラとなったほどの存在強度ゆえか、全身の肉と骨を粉砕されながらも、デスリング総統はオラトリオの鎖の拘束を振りほどき、望へと腕を伸ばしてきた。しかし、望はこれを予想していたのか驚くことなく、サッと後ろに下がり、デスリング総統の四本の腕は空しく宙を泳いだ。

「待たせたな。全力全開だ!」
 その時、アッティラが動き出した。闘気を練る時間は十分過ぎるほどあった。通常の限界を遥かに超えて燃え上がった竜王闘気を手のひらに集め、アッティラはデスリング総統へと、極大の闘気砲を放つ!
 ギャオオオオン!!
 超圧縮されたアッティラの闘気の波動がデスリング総統を飲み込み、竜王の咆哮の如き凄まじい鳴動がリングに響き渡った――否、リングも一緒に消し飛んでいた。デスリング総統は白目をむいてリングの外まで吹き飛んでいき、観客席の壁に激突して仰向けにダウンした。
 ワン! ツー! スリー! フォー!
 剥き出しになった遺跡の床の上でレフェリーがカウントを始めた。猟兵達はぴくりとも動かないデスリング総統の様子を注意深く伺っている。

「グロロロ~!! 耐えた! 耐えたぞ!」
 なんと、カウント9でデスリング総統は起き上がった。デスリング総統は猟兵達へと反撃せんと、リングへと跳躍した。だが……。
「あ、私もとっくに準備完了してます。いやーこれぶっ放したらどれくらいの威力になるんでしょうね」
 エリーはビー玉サイズにまで圧縮していたサイキックエナジーをデスリング総統に向けて解き放った。最大出力で放つのはエリー自身も初めてなので、どれほどの威力になるのかは、彼女自身にも想像がつかなかった。
「ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる……ズドーン」
「……! メガロス・ギガース、来い」
 アッティラが命じた瞬間、天井をぶちやぶって巨大な腕がリングに乱入し、猟兵達に覆い被さった。その直後、炸裂したサイキックエナジーの奔流がデスリング総統を飲み込み、大爆発を引き起こした。
 ……。
 爆風と土煙が晴れた後に残ったのは、超硬いバリアで守られていた観客と、渦巻き状の痕が刻まれた巨大クレーターにたたずむ、猟兵達とレフェリー、そして巨大ゴーレムの腕だけだった。
「粉微塵になったようですが、恨まないでくださると助かります」
 エリーは爆心地を眺めながら、ぽつりと呟いた。

「ナイン! テン! 猟兵達の勝利です!」
 ついに試合終了のゴングが鳴り、観客達は盛大な拍手を猟兵達へと送ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年01月08日


挿絵イラスト