バトル・オブ・オリンピア②〜変幻自在のサーキット
● アスリートアース F1レースサーキットにて
鈴鹿サーキットのヘアピンを曲がり切れば、そこは富士スピードウェイのパナソニックコーナーだった。
● グリモアベースにて
「……なーんてことが当たり前に起きちゃってるんだよねえ」
困った困った、など言いながら腕を組んだリオン・リエーブルは、グリモア上で常に形を変えるサーキットコースを覗き込んだ。
アスリートアースの最新技術が惜しげもなくつぎ込まれた「F1レースサーキット」は、世界中あらゆるレースコースを再現できる最難関のサーキットだった。
モーターレーサーならば誰もが出走を夢見るこのサーキットは今、「レーシングフォーミュラ」配下のダークリーガー達により占拠されていた。
普通ならば一か所のコースを再現するはずが、今やあらゆるコースをバラして組みなおした歪なパズルのようになってしまっているのだ。
「このサーキットをダークリーガー達から取り返すには、ただひとーつ! レースして勝つ! それしかないんだよね。レースで負ければ、ダークリーガー達も大人しく引き下がるからさ」
ここを走っているのは、獄道レーサーと呼ばれるレーサー達だ。獄道レーサー同士でもトップを争いレースしているが、猟兵達には積極的にラフプレイを仕掛けて脱落させようとしてくる。
次々に変化するサーキットの形状に対応しながら、このダークリーガー達を蹴散らしてしまおう。
「次にどんなコースが待っているのか、それは走らないと分からない。そんなスリルを楽しみながら、獄道レーサー達を蹴散らしちゃってね!」
小さなゴールフラッグを振ったリオンは、猟兵達をアスリートアースへと導くのだった。
三ノ木咲紀
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
というわけで、新年最初のシナリオはバトル・オブ・オリンピアのサーキットです。
次々変わる難関コースを駆け抜けながら、獄道レーサー達を蹴散らしましょう!
コースはプレイングで指定してください。無ければそれっぽいコースになります。
マシンは自分の愛車でも構いませんし、L.T.R.T(モータースポーツチーム)からマシンを借りても大丈夫です。二輪四輪も問いません。
プレイングはすぐの受付。締め切りは追ってご連絡いたします。
それでは、良き走りを。
第1章 集団戦
『獄道レーサー』
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POW : ヘルアクセル
自身が操縦する【戦場に適した乗り物 】の【速度】と【馬力】を増強する。
SPD : インフェルノドライブ
【戦場に適した乗り物 】を操縦中、自身と[戦場に適した乗り物 ]は地形からの激突ダメージを受けず、攻撃時に敵のあらゆる防護を無視する。
WIZ : ハデスチャージ
【自身が操縦する戦場に適した乗り物が竜巻 】を纏いレベル×100km/hで疾走する。【合体させた同じ乗り物】に誰かを乗せると轢殺ダメージ2倍。
イラスト:key-chang
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シャルロッテ・ヴェイロン
まあね、新年早々ふざけた展開になってますが、要は普段通り「ダークリーガーを負かせて正気に戻せ」ってことでしょう?
(で、「ホワイトラビット」を【操縦】してエントリー(「いや、キャバリアはねえだろ!?」ってツッコミにも対応(ぇ)))
(で、コーナーを抜けた先には――某GTオリジナルコースの一つ、全長5kmものロングストレート!)
ここを全速力で疾走して(【限界突破・リミッター解除・ダッシュ】)――ああ、ここで妨害しようとしてる敵マシンの【メカニック】を【ハッキング】して走行不能にさせちゃいましょうか(ぇ)。
※アドリブ・連携歓迎
●
姿を変え続けるコースを俯瞰したシャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)は、呆れたような笑みを浮かべると腕を組んだ。
ここ数年、律儀に年始の初日から色々仕掛けてくるオブリビオン達。今年はどこかと思っていたが、舞台はここアスリートアースのようで。
「まあね、新年早々ふざけた展開になってますが、要は普段通り「ダークリーガーを負かせて正気に戻せ」ってことでしょう?」
『それはそうやけど、シャルロッテはん。何に乗ってはるん?』
関西弁が特徴的なL.T.R.Tのメカニック・メンテから、困惑気味に通信が入る。応答したシャルロッテは、きょとん顔で応えた。
「何って……「ホワイトラビット」よ」
『いや、ホワイトラビットは分かんねん! 登録もそうされてますやん。せやけどどう見たって、二足歩行のロボットなんやけど!?』
「ロボットじゃなくてキャバリアね」
思わず訂正したシャルロッテは、レース概要を改めて見る。何も違反はしていないはず。
「だって、ここに『マシンは自分の愛車でも構いませんし、L.T.R.T(モータースポーツチーム)からマシンを借りても大丈夫です。二輪四輪も問いません。』ってあるじゃない」
『せやろ? やから……』
「メンテさん。このホワイトラビットは……二輪よ」
大真面目な顔のシャルロッテは、キャバリアの脚部パーツに目を移した。人間でいうと踵に当たる部分にあるのは、確かに二つの車輪で。
『……って、ええんかーい!』
「空を飛ばなきゃいいのよ。さ、そろそろスタートだから切るわね」
まだ何かツッコミを入れるメンテをサラリと躱したシャルロッテは、スタンディングスタートの姿勢を取るとレース開始を待った。
赤シグナルが一斉に消え、レースがスタートする。まるでマラソンランナーのような美しいフォームを保ったホワイトラビットは、他のレーサー達に負けないスピードでコースを駆け抜ける。カーブもコーナーも華麗に抜けたホワイトラビットは、コーナーの先にある直線に笑みを浮かべた。ここは某GTオリジナルコースの一つ、全長5kmものロングストレート。小細工なしのスピード勝負コースを駆け抜けようとしたホワイトラビットは、突然の衝撃によろめいた。
足元を走る獄道レーサー達が、ホワイトラビットを転倒させようと体当たりを仕掛けてきたのだ。そんなことをすれば体当たりした方のマシンもただでは済まない筈だが、インフェルノドライブの効果であちらにダメージは無い。
『そんなカッコいいマシンなんで反則ね! 転倒させてやるわ!』
「そう。なら悪いですけど、あなたの頭脳を操らせていただきますよ!」
執拗な妨害を仕掛けてくる獄道レーサーのマシンが、突然制御を失う。獄道レーサーのマシンにハッキングツールを生やしたシャルロッテは、そのままマシンをスピンさせると後続の車両に突っ込ませた。
「激突ダメージは無効化されてるなら、怪我は無いはずよね。それじゃお先!」
団子になる獄道レーサーの車体に投げキッスを送ったシャルロッテは、超ロングストレートコースを駆け抜けると直角カーブを曲がり切るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
自身のバイク『八咫烏』でレースに参加しよう
こいつがレース場を走り回る機会なんてそうある事じゃないし……こんな機会だが、思う存分に走るとするか
レースの序盤はやや控えめに、獄道レーサー達の後方を走る
コースの全貌を把握できない以上、最初から全速力で走るのは消耗が激しいだろう
妨害への対処も含めて獄道達の動きを観察。コースを把握しながら走り抜ける
とはいえ、どこかで勝負を仕掛けて追い抜かなければレースには勝てない
パワーでは獄道達の四輪に敵わないかもしれないが、機動力は此方が上
その利点を活かせるであろう連続のカーブ地帯で一気に加速
更に大ジャンプで獄道レーサーの頭上を飛び越えて追い抜いていくぞ
ロジャー・カニンガム
私自身も高速走行は可能ですが、流石にレース向けのマシンには敵いません
ここは大人しくマシンを借りることにしましょう
私でも操縦出来る様、少し制御基板をハッキングさせてもらいますよ
不規則にコースが変化するのは厄介ですが、常に情報収集を行い変化の予兆を見落とさない事で対応していきましょう
おや、ライバルの皆さんは急なカーブが連続して思うようにスピードが出せないようですね
では私はスライディングやジャンプの技能を応用した挙動で、極力スピードを落とさずに走り抜けましょう
おっと、ラフプレーですか?
ですがルール無用のサイバーザナドゥに比べれば可愛いものです
『戦術機動_VB』を実行し、返り討ちにしてやりましょう
●
オフロードバイク『八咫烏』に跨った夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は、愛車が伝える振動を感じながら真っすぐ前を見据えていた。
ここはあらゆるコースが組み合わさった、ローグライク・サーキット。だが、どれも整備されたレーシングコースであるということは共通している。
鏡介が依頼で行く世界は舗装された道路が皆無、ということもあるし、あったとしても公道を走ることも多い。どんな悪路でも走破できるのが相棒の良さだが、それでもこういうサーキットは特別なもので。
「こいつがレース場を走り回る機会なんてそうある事じゃないし……こんな機会だが、思う存分に走るとするか」
「素晴らしいマシンですね」
「ありがとう」
走行中、猟兵ホットラインで掛けられる声に振り返った鏡介は、八咫烏とは対照的な色のマシンに跨るロジャー・カニンガム(兎型歩行戦車RIT-17/S・f36800)の姿に頬を緩めた。
兎に似たフォルムの歩行戦車であるロジャーが乗っているのは、白い大きなマシンだ。ロジャーは自慢げにハンドルを軽く叩くと長い耳をくゆらせた。
「私自身も高速走行は可能ですが、流石にレース向けのマシンには敵いませんからね。ここは大人しくマシンを借りることにしました」
「借りたマシンとは思えないな」
思わず感心した鏡介は、ロジャーのために誂えたかのようなマシンを感心したように眺めた。白兎型のロジャーの体格は、人間のそれとは大きく違う。だが、ロジャーの車体はまるで誂えたかのようにピッタリのサイズ感だ。
「私でも操縦出来る様、少し制御基板をハッキングして車体も手直しさせてもらったんです。コースが不規則に変化する以上、常に情報収集を行い変化の予兆を見落とさない事で対応していくしかありませんからね」
「そうか。俺の考えと似ているな」
ロジャーの作戦に深く頷いた鏡介は、作戦を打ち合わせるとアクセルを握り込んだ。ユーベルコードを発動し、注意深く走りを観察する。追い抜かさず、しかし置いていかれもしない。
レースの序盤はやや控えめに、獄道レーサー達の後方を走るくらいが丁度いい。コースの全貌を把握できない以上、最初から全速力で走るのは消耗が激しいだろうし、最初からトップを走って、最後に息切れしてしまっては元も子もない。
コースを把握した鏡介は、仕掛けるべきタイミングに差し掛かるとロジャーと頷き合った。
●
鏡介と頷き合ったロジャーは、最難関ポイントに差し掛かると一気に仕掛けた。レースに勝つには、どこかで勝負を仕掛けて追い抜かなければならない。これは鏡介とも意思を統一させたことだ。
最終ラップ。油断した獄道レーサー達。うねるようなS字カーブ。
ここが狙い目だ。
大きな車体でS字カーブを曲がり切るには、速度を落とさざるを得ない。そのことを把握したロジャーは、車体を大きく傾けるとわずかな隙を狙い車体をねじ込んだ。
S字カーブのセオリーは、アウト・イン・アウトのコース取り。セオリー通りアウトコースに入った獄道レーサーの車体よりもインコースを狙い滑り込み、スピンぎりぎりのハンドル捌きで最初のコーナーを曲がり切る。二輪にしかできない限界を狙った操縦でカーブを曲がり獄道レーサーの前を走ったロジャーは、寄せられる車体に眉を顰めた。
体当たりでコースアウトさせようとするのだろう。アウトコースを狙うにしても狙いすぎな車体に、ロジャーはにんまりと笑った。
「おっと、ラフプレーですか? ですがルール無用のサイバーザナドゥに比べれば可愛いものです」
車体がロジャーに接触した瞬間、『戦術機動_VB』を実行。内蔵式フォトンセイバーが獄道レーサーの車体を切断すれば、制御を失った車がスピンしながら壁に激突する。大事故必至だが、激突ダメージは受けない筈だから大丈夫だろう。
後続の獄道レーサーの車体を巻き込みながら遥か後方に去っていく姿をセンサーで確認したロジャーは、続くカーブを最適なコース取りで抜けていった。
最後のカーブを曲がり切った時、ロジャーの頭上が陰った。獄道レーサーの車体をジャンプ台代わりに大きく飛翔した鏡介の愛車が、まるで八咫烏のように空を舞うと連続S字カーブという難所を一気にショートカットするのが見える。
兎のように身軽に獄道レーサーを切り抜けたロジャーと、八咫烏のように空を駆けコースをショートカットした鏡介と。
二台並んだ兎と烏は、視線で称え合うと続くコースにアクセルを入れた。
妨害する獄道レーサー達は排除した。後は猟兵レーサー同志のぶつかり合いだ。
ロジャーがこれまで積み上げた情報を元に最適なコースで走り抜ければ、鏡介が十分に把握したコース状況を元に追い抜いてくる。そうこうしている内に、他の猟兵レーサー達とも合流してデッドヒートに熱が入る。
抜きつ抜かれつ手に汗握るレースを展開した猟兵達の頭上に、チェッカーフラッグが大きく振られるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
佐藤・和鏡子
一番使い慣れたマイカーの救急車で参加します。
ルール無用のデスレースはこちらも得意ですから。
後ろに付かれたら対戦車地雷をばら撒いたり、横に付かれたら火炎放射器で火炎放射、後ろに付けたらロケット弾発射など、ガジェットショータイムで作った各種車載兵器で積極的に潰します。
地形の激突ダメージは防げても各種車載兵器は防げないようですから。
自分以外の相手を全て始末すれば自動的に優勝ですから。
変化するコースには運転技術を駆使して対処します。
私は正式な免許を持つプロのドライバー、真っ当な運転技術にも自信がありますから。
アドリブ連携その他各種全てOKです。
どんどんやってください。
●
年代物の救急車に乗り込んだ佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)は、襲う衝撃に思わず身を屈めた。
バックミラー越しに見えるのは、レーシングカーを猛加速させると和鏡子の車体に追突してきたのだ。
追突すれば、あちらの車体にもダメージは深いはず。だが、獄道レーサーの車体は傷一つついていない。激突ダメージを無効化した獄道レーサーは、和鏡子の救急車をそのままコースアウトさせようと尚更速度を上げた。
目の前に迫る直角カーブ。このままでは壁に激突・炎上は避けられない。そんなぎりぎりの状況下、和鏡子は不敵に笑った。
「そう。そっちがその気なら、本気を出してもいいってことですね! いくわよ、ガジェットショータイム!」
詠唱と同時に対戦車地雷をばら撒いた和鏡子は、直後巻き起こる爆風を利用してコーナーを曲がり切るとそのままコースに復帰した。
まさかそう来るとは思っていなかったのだろう。仲間の獄道レーサー達がざわりざわめくと、和鏡子に向けて攻撃を仕掛けてきた。
早く走るよりも妨害に重きを置く行動に、和鏡子の血も湧き上がる。なにせ、和鏡子が活躍する場所は、お行儀の良いレースばかりではない。
「ルール無用のデスレースはこちらも得意ですから」
不敵に笑った和鏡子は、横にぴったりとついては幅寄せしてくる獄道レーサーに向けて火炎放射を放つ。その直後、後ろについたマシンに向けてロケット発射弾を放つ。なかなか無茶をするが、ユーベルコードの効果で衝撃は無効になっているだろうから大丈夫だ。
「自分以外の相手を全て始末すれば自動的に優勝ですから。でも……」
積極的に妨害工作をしようとする獄道レーサー達を次々に撃退した和鏡子は、前を走る獄道レーサーに向けて真っすぐ追いすがった。
先行する獄道レーサーに車載兵器をお見舞いすれば、和鏡子の勝利は確定するだろう。だが、それではレーサーとしては負けたことになってしまう。和鏡子もプロのドライバー。(一応)真っ当な運転技術を競う大会で、真っ当な技能を競って勝利してこそ胸を張れるというものだ。
次々変わるコースを読み、最適なコース取りで獄道レーサーの背中を捉える。勝利への執念を燃やす和鏡子に、獄道レーサーも執念で応える。
救急車のタイヤが唸り、レーシングカーと並ぶ。ハンドルを握り真っすぐを見据えた和鏡子は、曲がり切れないコーナーに目を見開いた。
次の瞬間、世界が白く変わる。
どうして、こんなに急いでいるのか。
ここを曲がり切った先に、何が待っているのだろう。
真っ白になった和鏡子は、視界の端に見えた獄道レーサーの姿に目を見開いた。クラッシュし、怪我をした獄道レーサーが医務室へ運ばれている。
救急車が先を急ぐ理由。負けられない理由。そんなの一つしかない。
「患者さんが待ってるんです! そこをどいてください!」
叫んだ和鏡子は、獄道レーサーを抜き去ると真っすぐ駆け抜ける。
トランス状態のまま駆け抜けた和鏡子は、猟兵レーサーともデッドヒートを繰り広げるとチェッカーフラッグが待つゴールへと飛び込むのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ステラ・フォーサイス
●POW【スチパン】
へぇ、二輪四輪も問わずのモータースポーツだなんて珍しいね
うんうん、レースして勝つ!
単純明快で誰もが納得の勝利を飾れば問題ナッシング!
あたしとシルバーブリットは誰にも負けないし、どんな難関コースも突破してみせるよ!!
レディ…ゴー!
どうだ見たか、これが生まれ変わったシルバーブリットの速さ!
だいぶ巻けたようだけど…やっぱり追いすがるのは居るよね
良いよ、その喧嘩買った!
【タイマンチェイス】で追跡者の刻印を付与
これで闘気の鎖でお互いは繋がり合って、どちらかがクラッシュしなければ外れないよ
そして変形武器は…シルバーブリットだよ
チェンジ、シルバーブリット!
人型バイクマシンの体当たりだ!
真・シルバーブリット
●POW【スチパン】
わぁ、いろんなマシンが居るね
ステラも興奮してるしてるけど、僕も武者震いで思わずエンジンが唸っちゃうよ
うん、そうだね
僕とステラにかかれば、どんな相手だろうともどんな難関コースも走破さ!
何を言ってるんだ、ステラ
僕が速いだけじゃなくて、君のドライビングテクニックがあっての事さ
君と一緒に勝利の栄冠を勝ち取ろうよ!
レディ…ゴー!
出だしは上々、グングン抜いていくよ!
でも、どんなに走っても付いてくるのは居るんだよね
OK、ステラ
それでこそ僕の相棒だよ
【デッドヒートキャリバー】で相手のラフプレイを跳ね返しながらダメージを蓄積、止めは人型バイクマシンに変形して相手を吹き飛ばしてクラッシュさ!
●
レース前の試走に向けて、準備が進められている中。ずらり並んだ獄道レーサーのマシンに、真・シルバーブリット(|真《チェンジ!!》シルバーブリット・f41263)は楽しそうな声を上げた。
「わぁ、いろんなマシンが居るね」
スターティンググリッドで見渡すだけでも分かる。右を見れば二輪、左を見れば四輪。そのデザインやコンセプトも色々で、さすがはアスリートアースの何でもありレースといったところか。あのマシンはどんな走りを魅せてくれるんだろう。そこから何を得られるんだろう。ワクワクしながらエンジンを吹かした真に、搭乗したステラ・フォーサイス(帰ってきた嵐を呼ぶ風雲ガール・f40844)も興味深そうに頷いた。
「へぇ、二輪四輪も問わずのモータースポーツだなんて珍しいね」
「ステラも興奮してるけど、僕も武者震いで思わずエンジンが唸っちゃうよ」
「喋るマシンとは、珍しいな」
ステラに声を掛けてきた獄道レーサーが、興味深そうに歩み寄って来る。振り返ったステラは、覗き込む獄道レーサーに自慢げに胸を張った。
「でしょう? シルバーブリットは最高の……」
「最高を謳うなら、思考AIなどカットして容量を走りに振り分ければどうだ?」
「なっ……! あたしとシルバーブリットは誰にも負けないし、どんな難関コースも突破してみせるよ!!」
「レースは一瞬の判断が命取りだ。もし互いの判断が食い違ったらどうするつもりだ?」
獄道レーサーの冷徹な言い分に、ステラが思わず絶句する。ステラが言い返そうとした時、スタート位置につくようアナウンスが入る。立ち去った獄道レーサーの背中に、真は思わず黙り込んだ。
あの獄道レーサーの言い分は一理ある。普段の自我をどうこう言われる筋合いは無いが、ことレースでは二つの意思があっては邪魔かも知れない。
「ねえ、ステラ……」
「何も言わないで」
腹立たしげにヘルメットを被ったステラは、真に跨ると車体を軽く叩いた。
「あの獄道レーサーには言葉じゃ足りないわ。レースして勝つ! 単純明快で誰もが納得の勝利を飾れば問題ナッシング!」
拳を振り上げ勝利を誓うステラに、真は一瞬きょとんとするとエンジンを吹かした。そうだ。走りに|マシン《真》の意思が必要か否かを決めるのは、レースの結果。それのみだ。
「うん、そうだね。僕とステラにかかれば、どんな相手だろうともどんな難関コースも走破さ!」
「その意気よ! あの獄道レーサーをぎゃふんと言わせてやるんだから!」
ぷんすこ怒っていたステラが、大きく深呼吸すると感情を鎮め、真っすぐ前を見据える。
一斉に消えるレッドシグナルに、真は……シルバーブリットは勢いよく駆けだした。
●
シルバーブリットのアクセルを吹かしたステラは、集団を見事な走りで追い抜くと先頭集団に迫った。次のコーナーの先はどんなコースか分からない。まるでガチャを回すようなサーキットだが、ステラの経験と勘、シルバーブリットとのコンビネーションで前を行く獄道レーサー達を次々と抜き去っていく。
ついに暴言を吐いた獄道レーサーの背中を捉えたステラは、隣に並ぶと不敵な笑みを浮かべた。
「どうだ見たか、これが生まれ変わったシルバーブリットの速さ!」
「抜かせ! チェッカーフラッグが振られるまで、勝負は分からないさ!」
舌打ちした獄道レーサーが、ヘルアクセルを踏み込む。速度と馬力を増強した獄道レーサーは、ステラとシルバーブリットを追い抜きコーナーを曲がっていく。
「良いよ、その喧嘩買った!」
にんまり笑ったステラは、獄道レーサーの背中に追跡者の刻印を貼ると加速を続けた。闘気の鎖で繋がった獄道レーサーとステラは、どちらかがクラッシュするまで離れることはない。一気に距離を詰めたステラは、シルバーブリットの車体を内膝で叩くと大きく叫んだ。
「チェンジ、シルバーブリット!」
「OK、ステラ! それでこそ僕の相棒だよ」
ステラのユーベルコードに応えたシルバーブリットが、黒炎を纏い超加速する。背後の気配を察した獄道レーサーが、馬力と速度を更に上げて引き離そうとするが、二人の複合ユーベルコードの前にそれでは足りない。
距離を詰めたシルバーブリットとの間にある闘気の鎖が緩み、轢殺する勢いで迫る。ここでインフェルノドライブを使っていれば衝撃ダメージを無効化できたかも知れないが、このまま衝突すればいかに獄道レーサーとはいえ命の危険もあるだろう。
迫るカーブでアウトコースを譲った獄道レーサーに、ステラとシルバーブリットは一気に割り込む。獄道レーサーを抜き去ったステラとシルバーブリットは、猟兵同士のデッドヒートを繰り広げるとチェッカーフラッグが待つゴールへと駆けこんでいった。
レースが終わり、大きく息を吐いたステラは、歩み寄る獄道レーサーの姿に振り返った。
「見事だった。さっきの言葉、撤回させてもらおう」
「ううん。私じゃなくて、シルバーブリットが早かったのよ」
「何を言ってるんだ、ステラ」
ステラの言葉に、心外だと言わんばかりに真が叫ぶ。二人の視線を集めた真は、ハザードランプを点滅させるとステラの言葉に抗議した。
「僕が速いだけじゃなくて、君のドライビングテクニックがあっての事さ。この勝利は、君と一緒に栄冠を勝ち取ったんだ!」
「……そうだね。ありがと」
「いい相棒だな。再戦を期待する」
「私とシルバーブリットは負けないわよ」
目を細める獄道レーサーが差し出す手を握ったステラは、更に早くなることを誓うのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
葛城・時人
親の青春時代に流行ってたみたいだね
昔の語りつきでめっちゃ見せられたり
逸話一杯聞かされたから
俺のレースシーンはその時代
今の俺は能力者で猟兵だから
セレブ市街も風呂っぽいトコのコーナーも
ファンがウエーブで推し追いかけたトコも
何処の改修前コースでも走れそう…
それ絶対最高に楽しいじゃん!やる!
L.T.R.Tの借りるよ
考えたのが反映されるなら
走りやすいのは92年のアクサス付
アクセル全開パイロットが王座取ったやつ
「あるよね?」
俺はこれであの時代を走りたいから
「往くよ!」
起動の上技能もフル励起で難コースと襲撃に挑もう
考えたレイアウトだと
今時を走る獄道レーサーにはキツいかも
例えば今のマシンでミッレミリアは逆に無理じゃん
って思ってたら…OKやっぱり脱落してく
けど一筋縄ではいかないか
テールトゥノーズにホイールトゥホイール
やってくれるじゃん
挙句UC飛ばしてくるなら
「ククルカン!」
レース前に白燐武空翔と蟲笛で上空待機させてた蟲たちが
体当たりと視界を奪いコースアウトさせる!
あとは
「チェッカーフラッグまで一人旅だ!」
数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】
さぁてモータースポーツの会場、予想通りあったねぇ。
それなら相手にとって不足無し、宇宙カブで堂々とエントリーしようじゃないのさ!
妨害?小細工?無粋だねぇ。
ここがサーキットでレースが戦場だってんならやる事は一つ。
ただひたすら誰よりも速く駆け抜け、チェッカーフラッグを受けるだけだよ!
基本的にこっちからは仕掛けやしない、走りながらコースコンディションを逐一『情報収集』して最適なライン取りを徹底する。その為の『騎乗』と『操縦』、『運転』テクは磨いてるつもりさ。
二輪だからこそ攻められるインギリギリのコーナリングで、130Rからの連続ヘアピンで華麗なオーバーテイクを狙おうじゃないか!
国栖ヶ谷・鈴鹿
三ノ木咲紀マスターにおまかせします。かっこいい国栖ヶ谷・鈴鹿をお願いします!
◎
ハイカラさんの天才発明家&パテシエイルの多才なパーラーメイド。
お手製の二挺銃の扱いと、小回りの利くフロヲトバイの紅路夢、空鯨型航空巡航艇ヨナ、ワンオフのスーパーキャバリア阿穹羅と、守護稲荷きこやんの護法術、ハイカラさんの後光のパワーを駆使した、発明と天性の才能を武器に明るくも自信に溢れた心持ちで挑みます。
フロヲトバイ紅路夢に乗って参戦するよ!
今回のユーベルコヲドは妨害対策特化の超機械!アキレウス&タートル!近づけばその分だけ距離を取る、あぁ、壁はぼくには関係ないよ。フロヲトバイは縦横無尽だからね!
●
レース前。
愛車のフロヲトバイ「百弐拾伍式・紅路夢」を搬入した国栖ヶ谷・鈴鹿(命短し恋せよ|乙女《ハイカラさん》・f23254)は、慌てて駆け寄るメカニックのメンテから話を聞くと残念な気持ちを切り替えるようにコース図を眺めた。目の前で変わるコースに、鈴鹿はワクワクが止められない。
今まで様々なものを発明してきた天才発明家である鈴鹿の英知をもってしても、このサーキットの仕組みを解き明かすには時間が足りない。だがやっぱり気になるのは、発明家の性で。
「んー、このコースどうやって変わってるんだろう? 実際に走って仕組みを解き明かして発明してみたいっ!」
「確かに、面白いねぇこのサーキット」
思わず握り拳であさっての方を見る鈴鹿の隣でホログラフコースを覗き込んだ数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)が、鈴鹿のようにワクワクと目を輝かせている。だが、視点は鈴鹿のそれとは違うようで。
「ここがサーキットでレースが戦場だってんならやる事は一つ。ただひたすら誰よりも速く駆け抜け、チェッカーフラッグを受ける。それだけだよ!」
「今回のコースが決まった? ……って、このコース!」
奇しくも鈴鹿と同じ角度と表情で握り拳で意気込みを現わした多喜の隣からコース図を覗き込んだ葛城・時人(光望護花・f35294)が、決定したコースに目を輝かせた。鈴鹿や多喜のように目を輝かせているが、どうやら視点はまた違うようで。
「セレブ市街からの風呂っぽいトコのコーナーに入って、ファンがウエーブで推し追いかけたトコにも続くって!? しかもその後はあの改修前コースも走れるってそんな……」
ふるふると肩を震わせた時人は、ふいに顔を上げると鈴鹿と多喜と同じ方向・同じポーズに同じ表情で握り拳を構えてワクワクな声で叫んだ。
「それ絶対最高に楽しいじゃん! やる!」
「へえ。時人も随分詳しいじゃないか。同じ猟兵でも負けないよ!」
「無論! 手加減はしないさ!」
握り拳のまま前腕を重ねた多喜と時人がレーサーとしての選手宣誓をする姿を、鈴鹿はにこやかに見守る。早速ピットで愛車の最終点検を始める二人を見送った鈴鹿は、猟兵達に向けて突き刺さる多くの敵意に顔を上げるとにんまりと笑った。
「メンテ、ぼくも走るよ」
「せ、せやけど鈴鹿はん……」
「全部承知の上。でも、だからこそ走りたいんだ。エントリーお願いするね?」
鈴鹿の決意に、メンテは真剣な眼差しで頷く。エントリー終了の連絡を受けた鈴鹿は、愛車を軽く叩くとスターティングピットへと向かうのだった。
●
L.T.R.T.から借りたマシンに乗った時人は、練習走行を終えると満足げにピットに入った。
借りたマシンは92年のアクサス付で、アクセル全開パイロットが王座取ったやつ。なかなかにマニアックな注文だが、「あるよね?」という時人の期待に見事に応えてくれたのはさすがとしか言いようがない。
古いマシンの振動が、時人の心と体を揺さぶる。親の青春時代に流行ってたというレースを、昔の語りつきでめっちゃ見せられた。逸話も一杯聞かされたから、時人のレースシーンはその時代。時人の期待に応えるように、コースもまたその時代を反映したものが多く含まれていて。
時人はこれであの時代を走りたいから。
「往くよ!」
叫びと同時に、シグナルが消える。スタート直後にアクセルを踏み込んだ時人は、突然の幅寄せに慌ててハンドルを切った。
見れば、ダークリーガー達が時人と多喜の妨害に躍起になっている。獄道レーサーがレースを捨てて、一斉に妨害を始めたのだ。一台一台の性能やテクニックは猟兵の方が上だが、多勢に無勢。
テールトゥノーズにホイールトゥホイール。無理な幅寄せや体当たりは普通触れそうなほど接近するに留めるが、インフェルノドライブにモノを言わせた獄道レーサーは実際に接触までしてくる。繰り返し妨害してくる獄道レーサー達の姿に、時人はすうっと表情を消した。
「やってくれるね。輝けるその……」
「待って!」
猟兵ホットラインに鈴鹿の声が割り込んだ直後、|ホイールトゥホイール《横からの体当たり》を仕掛けた獄道レーサーの車体が消える。振り返った時人は、ガジェットを構える鈴鹿の声に慌てた声を上げた。
「こんな序盤で切り札を切ることはないよ! 有象無象の獄道レーサーは私に任せて、二人は先に行って!」
「お、おい! 鈴鹿はどうするんだ!?」
「いいんだ。ぼくはここでリタイアするから」
「なんで!」
多喜の慌てた声に愁いを帯びた声が応えた時、フロートバイクが時人の頭上を飛び越し前に出た。
「このレースの序盤、うっかり『空を飛ばなきゃいいのよ』なんてレギュレーションが追加されたばっかりに、フロヲトバイクはルール違反と判定せざるを得なくなったんだ」
「あぁ……」
「なるほど」
メタな話題に、思わず深く頷いてしまう。そのことに気付いた|誰か《MS》の叫び声が聞こえてきそうだが、軽やかに無視するに限る。
「なら、ぼくはぼくにできることを精一杯やって、猟兵の勝利に貢献する! それが、ぼくのレースだ!」
「……任せた」
「頼んだよ、鈴鹿!」
時人と多喜の声に、鈴鹿がサムズアップで応える。多人数の妨害を抜け先を急いだ時人は、後ろから聞こえる声に真っすぐ前を見据えた。
「今回のユーベルコヲドは妨害対策特化の超機械! アキレウス&タートル! あぁ、壁はぼくには関係ないよ。フロヲトバイは縦横無尽だからね!」
その場に残った鈴鹿が、テクノロジヰの粋を結集した超機械で敵を足止めする。先を急いだ時人は、鈴鹿のユーベルコードを抜けて現れた獄道レーサーの姿を睨みつけた。竜巻を纏い猛スピードで追随してくる獄道レーサーは、時人を轢殺しようと|テールトゥノーズ《後ろからの体当たり》を仕掛けてくる。むしろ冷静さを取り戻した時人は、腕を上げると我が身の内から荒ぶる巨大な|白燐蟲《ククルカン》を召喚した。
「ククルカン!」
時人の召喚に応えた|白燐蟲《ククルカン》が、獄道レーサーに体当たりを仕掛ける。鱗粉で視界を奪われた獄道レーサーがコースアウトする姿を見送った時人は、前を見据えると先を行く多喜の姿に追い縋った。
●
獄道レーサー達の妨害をかい潜った多喜は、サーキットを突き進んでいた。
妨害も小細工も無粋なこと。こちらからは仕掛けずに、ただ愚直に速度を追い求めた多喜は、奇しくも一番妨害を受けずに集団の先頭をひた走る。
走りながらコースコンディションを逐一情報収集し、最適なライン取りを徹底する。多喜が繰り返すのはそれだけ。正確に、誤差なくそれを繰り返すことこそ、最速への最短ルートであると経験で知っている。
そのために常に磨いてきた。マシンを操縦するための運転テクニックを。乗りこなすための騎乗スキルを。モータースポーツが会場のこの戦争で、それを発揮しなくていつ発揮するというのか。
古いコースを駆け抜けた多喜は、後ろから聞こえるエキゾースト音にニヤリと口の端を上げた。妨害を完全に排除した時人が、多喜に追いついたのだ。
「さすがだね!」
「このコースは俺の時代そのものだからね。憧れのコースで負けるわけにいかないさ!」
「上等!」
視線を交わし合った多喜は、アクセルを吹かすと美しいセレブの街並みを駆け抜けた。有名なカーブを曲がり切った直後には、温泉っぽい名前のコースが続く。なかなかえげつない坂道を登り切った先のコーナーを曲がれば、古びた公道をひた走る。
抜きつ抜かれつ、差しつ差されつのデッドヒートを繰り広げれば、興奮で全身に武者震いが走る。
コースをただひた走る、最高の時間はあっという間に過ぎ去っていく。時人と競い合った多喜は、次のコーナーで仕掛けた。
二輪だからこそ攻められるインギリギリのコーナリングで、130Rからの連続ヘアピンを駆け抜ける。華麗なオーバーテイクを狙った多喜は、見事時人を抜き集団トップに返り咲く。ガッツポーズもつかの間、お返しとばかりに抜き返す時人に次のコーナーで仕掛け返す。
やがて別コースを走っていた猟兵トップ集団と合流した多喜と時人は、負けじと走る他猟兵と共に全力を出し切り駆け抜ける。
チェッカーフラッグが振られる中、コースを制した猟兵達の姿に会場が崩壊せんばかりの拍手が送られるのだった。
大成功
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