バトル・オブ・オリンピア⑧〜お弁当タイムは晴朗に
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「バトル・オブ・オリンピア! 新年に相応しきすぽーつの祭典が開催されて良かったな!」
「ああ、今まで鍛え上げて来た我らのスポーツ能力を披露するに相応しき時!」
ダークリーガーと、彼らと戦うアスリート達が競技を終えて互いの健闘を讃え合っている。
「そのためにはしっかりと栄養も補給しないと!」
「そろそろお弁当タイムの時間ね!」
競い合った敵もこの時間は『昨日の敵は今日の友』状態!
午前中いっぱい様々な競技に参加していた皆は、英気を養うため神聖なるお弁当タイムへと入っていく。
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「新年早々に開催された『バトル・オブ・オリンピア』ですが、祭典というに相応しく、アスリートアースでは大盛り上がりのようですね」
アース系世界の、年始のテレビ番組みたいな華やかさがありますね!
グラース・アムレット(ルーイヒ・ファルベ・f30082)はにこやかにそう言った。
「毎日、このお昼の時間帯は、アスリートアースの皆さんは運動会専用の学校でお弁当タイムを楽しんでいるみたいですよ。
折角ですから猟兵の皆さんも参加してみてはどうですか?」
神聖なるお弁当タイム中は、猟兵もアスリートもダークリーガーも関係なく、一切の争いなしで仲良く和気あいあいとお弁当を食べることでお互いに英気を養い、次の試合をよりよいものとするものだ。
「手作りのお弁当や、家族に作ってもらったお弁当――あとはお弁当の販売も行われていますね。アスリート達を支えたいという猟兵さんは、そちらのお手伝いに行ってみるのも良いのでは?」
と、グラースは言った。
家庭の味いっぱいのお弁当を作る野外調理場、アスリート達に声を掛けたり観客席を回ったりするお弁当販売員。
あとは運動会に参加する子供たちと一緒にお弁当を食べたり。
「和やかな時間ですので、そうですね、意外と屋台を出しても喜ばれるかもしれませんね」
かき氷やラムネ、運動してあたたまり過ぎた身体を落ち着かせたり、糖分補給など。
お弁当タイムにやれることは色々とあるだろう。
「どうぞ気楽に楽しんできてくださいね」
ねこあじ
少しお久しぶりな、ねこあじです。
よろしくお願いします~。
神聖なるお弁当タイムを楽しんでいきましょう!
お弁当を食べたり、他にも色々と出来そうなのでオープニングの方で掲示してみました。
プレイングボーナスは、
『敵味方の関係なくなかよくお弁当を食べる』
こととなります。
プレイング締め切り時間などはなく、さっくりと送信欄は締めていく予定です。
それではよろしくお願いします。
第1章 日常
『お弁当タイム』
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POW : おかずを交換しながらお弁当を食べる
SPD : 「次の競技でも負けないぞ」とお互いの闘志を確かめ合う
WIZ : これまで戦ってきた競技について語り合う
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
お弁当いかがでっしょうかー!
コラボ先の皆さまと腕によりをかけて料理した藍彩(あいさい)弁当なのでっすよー!
選手の皆さまを模したキャラ弁もあるのです!
もちろん、ダークリーガーの皆さまを模したのもあるのでっす!
伝説に残る皆さまのファンもいっぱいいらっしゃいますしねー!
快く許可をくださった皆々様、ありがとなのでっすよー!
藍ちゃんくん達のアートパワーで可愛らしくできたのでっす!
アスリートの皆さま、一緒に頑張ろうなのでっす!
ダークリーガーの皆さま、この先も試合よろしくなのでっす!
観客の皆さま、引き続きお楽しみくださいなのでっす!
それでは皆さまご一緒に!
いただきまっすでっすよー!
『以上、午前の競技をお送りしました
選手の皆さん、お疲れ様です! これからお弁当タイムとなります。午後に向けて英気を養っていきましょう』
校内放送が掛かると同時に熱気溢れる学校内は、長閑な明るい空気となっていく。
「やったお昼休み~」
「今日のお弁当、どんな感じなの?」
女学生の和気あいあいとしたお喋りや、恐らくはお弁当を用意しているだろう家族の元へ弾むように駆けていくちびっこたち。
神聖なるお弁当タイムはバトル・オブ・オリンピアに参加する子供、大人の選手陣、そして観戦する人と。すべての人にとっての憩い時間だ。
「さてさて、今日はどんなお弁当があるんだろうか」
体格の良い選手たち――厳つい表情だった選手も気が緩む、そんな時間帯に一際陽気で明るい声が響き渡った。
「選手の皆さまお疲れさまでっす! 藍ちゃんくんでっすよー! お弁当いかがでっしょうかー!」
紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)の声は歌うように響いて、なんだなんだ? という風に彼らの注目を集める。
「弁当売りか?」
「あっ! 藍ちゃんくん! 企画をありがとうだよー!」
マネージャーらしき女子が藍へと手を振って、駆け寄ってくる。
マネージャーは選手に「ほら! 企画書見せたでしょ?」と説明の声も投げていた。
「ええ、ええ! 今日ご用意致しましたのは! コラボ先の皆さまと腕によりをかけて料理した|藍彩《あいさい》弁当なのでっすよー!」
ご案内するのでっすよー!
と、藍が選手団を招いた先には、藍ちゃんくんファンでもある人たちが運営するお弁当処があった。そのお弁当処ではスポーツ選手のファンたちが次々とお弁当を買っていく光景が。
「今日のお弁当は、選手の皆さまを模したキャラ弁でっす!」
「何と!?」
「そう言えば、そんな話がきていたような……!」
選手団に配られていくお弁当、それはいわゆるキャラ弁。
例えば野球なら、野球ボールを模したおにぎりの隣には海苔を駆使して選手の顔を描いたおにぎりや、チーズやうずらの卵を使って可愛らしく象ったものもある。
チームのマスコットキャラだったり、デフォルメされた選手の顔だったり。
型抜きされたサンドイッチ、飾り切した卵やフルーツ、チーム旗のピック、華やかで目を惹く工夫がされている|藍彩《あいさい》弁当には、選手たちも感嘆の声を上げた。
「へえ。俺たちのもあるのかなぁ?」
と何処か揶揄るように藍へ声掛けるのは、ダークリーガーだ。藍はもちろんと大きく頷いた。
「ダークリーガーの皆さまを模したのもあるのでっす! 伝説に残る皆さまのファンもいっぱいいらっしゃいますしねー!」
藍の言葉に「うんうん」と頷いているのは、ダークリーガー側のマネージャーだ。
スポーツに一生懸命な選手達は、その日のお弁当予定がスコンと抜けてしまうようだ。「すっかり忘れてたなぁ」と照れくさそうに笑っている。
「快く許可をくださった皆々さま、ありがとなのでっすよー!」
ファンの皆さまもあんなに喜んでまっすよー!
と藍が示した先には変わらずキラキラとした表情で、キャラ弁を買い求める選手ファンの姿。推しのキャラ弁というだけで神企画である。写真を撮ったり、この場で食べる用はもちろん、家へのお持ち帰り用も大事そうに包んで持っている。
「応援してます!」
「午後も頑張ってくださいー!」
アスリートとダークリーガーと、それぞれのファンの声援に応える選手たち。
熱気ある、けれど爽やかな雰囲気が一団となったスポーツの祭典。
新年にふさわしい、明るい空気だ。
「アスリートの皆さま、一緒に頑張ろうなのでっす!
ダークリーガーの皆さま、この先も試合よろしくなのでっす!
観客の皆さま、引き続きお楽しみくださいなのでっす!」
ひらり、特設ステージへと駆けあがった藍は「さあ!」と周囲の皆に声掛ける。
「お茶はありますかー? お箸も大丈夫でっすねー!」
――それでは皆さまご一緒に!
「いただきまっすでっすよー!」
晴れ渡った空の下、藍の声に打って響くは、心が一つになった晴朗な皆の声。
「「「いただきます!!」」」
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
栄養補給は大事だもん
僕もお手伝いしたいな
というわけで、販売の方のお手伝いしようかな
美味しいお弁当いかがですかー!
と笑顔で声掛けしながら、アスリート席や観客席を順番に周り
購入してくれた方にはお礼以外の一言も忘れない
アスリートの方は当然のこと
応援だって結構体力使うもんね
勿論正々堂々頑張ってもらうためにはダークリーガーさんにだって栄養付けてもらわないと
僕は病弱だし体力も無くて
だからこういう世界に憧れはあれど、飛び込むにはちょっと勇気がいるけど
だからこそ応援したい気持ちは人一倍持ってるつもりだから
午後も頑張ってくださいね
僕、応援してますから!
子供達には自前の飴のサービスしようかな
食べるなら食後にね♪
『さ~みんな大好き、お弁当タイムの始まりだよー♪ 選手の皆さんも、観客の皆さんも、英気を養ってまた午後も頑張っていきましょうー!』
運動会専用の学校――その校内放送とチャイムが響き渡ると、必死さも感じた会場の熱気が少し和らぎ弾んで、和気あいあいとした長閑な空気となっていく。
「お昼休みだー♪」
「今日のお弁当は何ー?」
「そういえば、今回選手モチーフのキャラ弁があるんだって!」
わいわいとした雰囲気のなか、邪魔にならないような声掛けがあちこちから上がってくる。
「美味しいお弁当いかがですかー!」
「今日の日替わりは三種類!」
「美味しいお弁当、いかがですか~?」
ほわっとした柔らかな声の一つは、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)のもの。
サンバイザーを装備し、スポーツ観戦に適した爽やかな色合いの制服を着て、お弁当販売のお手伝いだ。
お弁当を乗せたトレイ、肩掛けの保冷バックには冷たいお茶や水、ラムネ。潤いはそこだけではなく、澪の表情にも。
「お弁当、二つください!」
「はい! 二つですね! お茶は如何なさいますか?」
「水筒があるから大丈夫」
「わかりました」
注文がくればハキハキと応え、それでも澪の笑顔は変わらずに。
ありがとうございます! のお礼と、澪が添えるのは、応援の一言だ。
「喉、少し枯れちゃってませんか? 飴は如何ですか――あっ、もちろんこれはサービスです。午後の応援も頑張ってくださいね」
応援に熱が入って、声の掠れた観客には飴を。
「お疲れさまです! 先程のダークリーガーさんの試合、すごく盛り上がってましたね!」
「あ、見てくれてたんだ。ありがとう……お弁当も、ありがとう」
澪の添える言葉に、ダークリーガーは照れくさそうに笑う。
アスリートの方は当然だけれど、と、ダークリーガーの大きな手の丁寧な所作を眺めながら澪は思う。
(「応援だって結構体力使うもんね。もちろん、正々堂々頑張ってもらうためにはダークリーガーさんにだって栄養付けてもらわないと!」)
お弁当タイムは、アスリートも、ダークリーガーも、そして観戦客も、すべての人の憩い時間。
スポーツも応援も健闘を称え合う、神聖なる時間。
澪は思う。
(「――僕は病弱だし、体力も無くて」)
だからこういう世界に憧れはあれど……飛び込むにはちょっと勇気がいるけれど……。
だからこそ、なのだ。
(「応援したい気持ちは人一倍持ってるつもりだから――」)
この世界にも、澪と同じように病弱な人はいるだろう。
スポーツを始める前の子供や、スポーツを引退した老人や選手を支え続ける人もいるだろう。
そんな彼らの応援したい気持ちが、澪にはよく分かる。
「売り子さーん、ラムネありますか?」
「はい! ありますよ~」
澪へと駆けてくる猟兵にも試合の感想と午後に向けた応援を告げて。
「随分といっぱい買っていくんだね」
「ええ! アスリートさんやダークリーガーさん達と一緒にお弁当タイムを楽しんでいるんです」
「そうなんだね!」
ラムネはさっぱりしていいよね~なんて、ちょっとした会話に花を咲かせたり。
明るい音楽が聴こえてくれば、ついつい気になって見に行ってしまう。
そこにはスポーツを頑張っている子供たちを相手に竪琴を演奏する猟兵がいて、彼らには飴をサービスしたり。
「もう食後かな? 当分補給して、午後も頑張ってね!」
「ありがとう~!」
澪が笑顔で応援すれば、子供たちも笑顔で良いお返事をしてくれる。
試合も、応援も、皆がよりひとつになれるお弁当タイム。
あちこちから「いただきます」「ごちそうさま」、ひと時のお喋りや仮眠と皆が好きに過ごす憩いの時間。
(「こういう雰囲気って、現地じゃないと分からないよね」)
熱気満ちるバトル・オブ・オリンピアの合間に訪れる穏やかな時間。
少し得した気になって、午後も飲料の売り子を頑張ろう! と澪は気合を入れるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
リュール・ディールーク
いただきます!
両手を合わせながらさっき買った弁当を食べる
皆さん!こちらで食べましょう!皆で食べればもっと美味しくなりますよ!
するとアスリートやダークリーガー達も来たのでこちらに呼ぶ事にした
凄いですね!さっきの試合は素晴らしかったです!…ご馳走様でした!
たまたま観戦していた試合の感想を話しながら食事を終えた
あっ、ラムネいりますか?…よし皆さんの分買ってきますね!
次はラムネを買いにいったここに集まった人達全員分買いにいった
よし!皆さんラムネを持ちましたね?
この後も頑張りましょう!乾杯!
皆でラムネを掲げながらラムネを飲みほした
ぶは〜!よし!次も頑張りましょう!
両腕を上げて次の試合への闘志が湧いてきた
『さ~みんな大好き、お弁当タイムの始まりだよー♪ 選手の皆さんも、観客の皆さんも、英気を養ってまた午後も頑張っていきましょうー!』
運動会専用の学校――その校内放送とチャイムが響き渡ると、必死さも感じた会場の熱気が少し和らぎ弾んで、和気あいあいとした長閑な空気となっていく。
「お昼休みだー♪」
「今日は手作り弁当にしてみたよ!」
「私は、お弁当処から買おうかなぁ」
そんなやり取りと共に、「美味しいお弁当はいかがですか~?」と弁当の売り子の声も聞こえてくる。
「売り子さーん! お弁当、ひとつお願いします!」
リュール・ディールーク(時を駆ける邪龍〜皆の止まった時間を動かす為に〜・f42338)は、ハイッと挙手しながら売り子をしていた猟兵へと駆け寄った。
「お弁当処『辰の美味しい給仕』は、今日は日替わりが二種類! どっちにする?」
笑顔の売り子の言葉に、「えっ」とリュールは呟く。
「ど、どれにしましょう……! 悩んでしまいますね!」
キャラ弁っぽい野球モチーフだというお弁当、アスリート魂の籠められているというお弁当をリュールは見比べて。
「じゃ、じゃあ、朝一で観戦していた野球のものをいただきます!」
「はい! お買い上げ、ありがとうございます♪」
冷たいお茶も一緒に購入して。
どこで食べようかな、とリュールが辺りを見回せば、先程試合を共にした一団と目が合った。
と、同時にお昼くつろぐに適した場所を見つけて、「皆さん!」とリュールはまたもやハイッと挙手。
「お弁当タイム、ご一緒しませんか?」
「リュールさん、是非是非!」
「さっきはお疲れさまー♪」
物理玉入れの女子チームだ。
リュールが助力した試合の後も続くように試合が行われており、助力を終えたリュールは観戦側に回っていた。
「さっきの試合は素晴らしかったです! 凄かったですね!」
物理玉入れ。名の如く、アスリートとダークリーガーがぶつかり合いながら、ビルのような高さにある籠へ玉入れする競技だ。籠に向かって垂直の柱を駆け登っていかねばならない競技。
鮮やかな駆けや敵陣との掛け合い、体勢を崩し危うく落ちそうになる『見せ場』もあり、観戦していた側はハラハラドキドキの連続だった。
凄かったところを話しながら、そして登るコツを教わりながらリュールはお弁当を食べる。
野球ボールを模したおにぎり、ミートボールの上には型抜きされたチーズとハムのボールが飾られて。
もちろん野菜もフルーツも入った、栄養としてバランスも良いお弁当だ。
美味しく頂いて、ご馳走様をすれば、ちょっぴり甘味も欲しくなってくるのが女子というもの。
「そういえば、先程のお弁当の売り子さん、ラムネも売っているみたいでしたよ。皆さん、飲みますか?」
「いいね、ラムネ」
「買いに行こう~♪」
「あっ、私、皆さんのぶんを買ってきますね」
そうリュールが申し出るが、まあまあと言いながらチームの一人が一緒に着いてきてくれる。
今日は天気も良く、ラムネの売れ行きが良いらしい。ダークリーガーも、選手のファンも飲んでいる人が多い。
人数ぶんのラムネを買って戻り、渡したリュールは周囲をひと眺め。
「よし! 皆さんラムネを持ちましたね? こほん、では、健闘を祈って――」
乾杯!!!
掲げられたラムネが陽射しを通してキラリ輝く。
バトル・オブ・オリンピアで輝く選手、輝く応援、そして熱気の合間も輝く穏やかなひと時。
飲み干すラムネは本当に美味しくって。
皆から出てくるのは、ぶは~! っという勢いのよい元気な呼気。
飲み干す最中に充填されゆく、次への気合いの証だ。
「よし! 次も頑張りましょう!」
リュールが笑顔でそう言って、両腕を上げれば続くハイタッチ。
次の試合への闘志が湧き、それを磨き上げてゆく。
大成功
🔵🔵🔵
キリカ・リクサール
アドリブ連携歓迎
アスリートもダークリーガーも、腹が減っては戦は出来ぬか
まぁ、真理ではあるな
せっかくだし、野外調理場を手伝ってみようか
UCを発動
手元に食材は山程ある、競技で減ったスポーツマン達の腹も満たせるだろう
唐揚げ・ミートボール・ハンバーグ・ソーセージと言った茶色い弁当から、アスパラ・マッシュポテト・サラダロールと言った目にも鮮やかな弁当まで
もちろん、主食はおにぎりだ
鮭に梅に昆布におかか…肉巻きおにぎりもアリだな
【料理】技能も駆使して大量に作るぞ
出来上がったら私も皆と食べよう
Bon appétit!(さぁ、召し上がれ!)
こうして食事を楽しんでいると今が戦争だと忘れそうになるな…
うむ、美味い
青梅・仁
まさか戦争もこんな形になるとは……いや、今回はバトル・オブ・オリンピアだもんな。
普段とは違うと考えた方が良いんだろう。
敵味方関係なく、仲良くお弁当を食べる――いいじゃねぇか、そういうの好きだぜ。
お弁当販売など手伝った方がいいんだろうが……
頑張る子達を見てるとつい、差し入れを作りたくなっちまうな。
というわけで野外調理場でおにぎりを作ろう。
普段から作り慣れている塩むすびと、疲労回復のことも考えて梅干しのおにぎりを作るか。
あとは……物足りないと思う子もいるだろうから、肉巻きおにぎりも挑戦してみるか。
温かいほうじ茶もセットで提供すればいい感じか?
どんどん食って、次の競技も楽しく元気に頑張ってくれよな!
エリシャ・パルティエル
真剣勝負の後は
敵味方のないお弁当タイム!
スポーツはそうでなくちゃね
これはアスリート用の食事を学べる良い機会かも
あたしもお手伝いさせてもらうわ
やっぱりバランスの良い食事が大事なのね
エネルギー補給の炭水化物
疲労回復にはたんぱく質と糖質
ビタミンやミネラルも怪我予防に役立つのね
色々と教えてもらいながら
お弁当作りを手伝うわ
運動直後は筋肉の合成が促進されるゴールデンタイムなの?
だからお弁当は大事なのね
蜂蜜とレモンを使ったスポーツドリンクを作って来たの
良かったら飲んでねとアスリートのみんなにお勧めして
小さな子どもたちがいたら輪に入って
一緒にお弁当を食べるわ
好きな食べ物を聞いたりして
お店にも活かせたらいいわね
『それでは! 只今より、バトル・オブ・オリンピア第――日目の運動会を開催いたします!』
この日の運動会の開催宣言ののち、朝の青空にポンポンと花火が上がる。
続いて第一種目試合が告げられた。観戦席からわあっと鯨波のような歓声が発され、運動会会場は一気に熱が高まっていく。
響き渡る人々の応援の声を聞きながら、青梅・仁(鎮魂の龍・f31913)は「ほお」と感心の呟きを零した。
「まさかアスリートアースの戦争がこんな形になるとは……いや、今回はバトル・オブ・オリンピアだもんな」
古代バトリンピア時代の祭典『バトル・オブ・オリンピア』の復興――「いずれ異世界より侵略者が来たときの為に、アスリート達のスポーツ能力を鍛え上げる」――ダークリーガーたちの目的は納得のできるものだ。
「普段とは違うと考えた方が良いんだろうな」
「そうね。そして私たちは応援ね。鍛え上げ研鑚し続けている選手たちのためのお弁当を、今日は張り切って作っていくわよ!」
腕の見せどころ、そしてアスリート用の食事を学ぶ良い機会だとエリシャ・パルティエル(暁の星・f03249)は意気込んでいる。
エリシャの言葉にこくり頷くのはキリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)。
「アスリートもダークリーガーも、腹が減っては戦は出来ぬとみた。まぁ、真理ではあるな」
お弁当処の搬入も始まり、運動場の外では昼のお弁当タイムに向けた準備が着々と行われていく。
三人が向かうのは野外調理場だ。
「いらっしゃい、猟兵さん、今日はよろしくね!」
お弁当を作っている調理人たちが三人を迎える。
レシピの閲覧は自由に、調理場にある食材も自由に使っていいらしい。
「出来上がった料理のチェックは入るけれど、猟兵さんには事前に申請もいただいてるしいつも通りに作って頂戴」
調理人に案内され、場を任された三人。エリシャは「さて」と呟いて、仁とキリカの方を見た。
「ここは手分けしていった方が良いかしら? あたしは頂いたレシピと、調理人に色々教えてもらいながら選手向けの料理を作っていくつもりだけど」
「私はユーベルコードを使って調理していこうと思っている。中身は『ザ・皆大好き定番弁当料理』だ」
キリカの『ア・ラ・カルト』は料理毎に別々の状態異常・負傷・呪詛を治療するものだ。
ユーベルコードも色々あるな、と仁。
「激しい試合で負傷した選手が食べるに適した料理ともなりそうだな」
アスリートアースの競技は、一般競技とは一線を画したものだ。
平和そうな玉入れですら、籠はビル並の高さにあり、そして妨害OKの危険な登はん競技となっている。
……俺の知ってる玉入れじゃない。と思わず仁が呟いたほどである。
「俺はおにぎりを作っていくつもりだぜ」
「うむ……では主食であるおにぎりは青梅に任せることにしよう」
皆、健闘を祈る。
キリカの言葉に、仁とエリシャも真剣に頷きを返した。
野外調理場はある意味、プロの調理人が座する場所。
(「本当はお弁当販売などを手伝った方がいいんだろうが……」)
頑張る子達を見てるとついつい、差し入れを作りたくなってしまう仁である。
ほっかほかに、おにぎり用として水加減を減らして炊かれた白米を業務用しゃもじでしっかりと返し、一粒一粒を立たせていく。
握りは思っているよりも軽めに。
時間をおいて冷めてから食べる時は強めの塩加減だ。
普段から作り慣れている塩むすびと、疲労回復のことも考えて梅干しのおにぎりを仁は作っていく。
途中カルシウム摂取のための桜エビがエリシャから回ってきて、ごまも混ぜ足したおにぎりも。
さらにキリカから鮭、梅、昆布やおかかの具のおにぎりのリクエストも回ってきたので結構忙しい。
「あとは……物足りないと思う子もいるだろうから、肉巻きおにぎりも挑戦してみるか」
俵型のおにぎりに豚バラ肉を巻いて、熱したフライパンにごま油、そして豚バラ肉の巻き終わりを下にして並べて焼いていく。
醤油ベースの甘辛タレを回し入れれば、たちまち上がってくる香ばしさ。
「初挑戦ながら、上手く出来たな」
これは同居人も喜びそうな仕上がり。
冷まして葉野菜を添えれば出来上がりだ。
「さて、エリシャちゃんとキリカちゃんの方の進みはどうなっているかな」
アスリートやダークリーガーの力の資本となる食。
栄養管理者が作ったレシピ見て、調理人の話を聞きながら下拵えをしていくエリシャは「やっぱりバランスの良い食事が大事なのね」としみじみ思う。
「エネルギー補給の炭水化物には、やっぱりご飯が強いわね。……疲労回復にはたんぱく質と糖質、と」
作ったのはたんぱく質が豊富な豚肉をにんにく風味で痛めていく。ともに炒めるのはピーマン。エネルギー量の多い西洋かぼちゃはクリームチーズに和えて丸めて。
ほかにもナッツとれんこんの和え物や、お浸しと、食事としての彩りを。
「身体作り……ビタミンやミネラルも怪我予防に役立つのね!」
肉みそ炒めや、鮭と野菜を生姜炒めにして、ご飯が進む絶品に仕上げたり。
品数を増やすように作っていくと、販売しているお弁当が何種類もあることに気付く。
型抜きしたサンドイッチ、選手をモチーフにしたファン向けのキャラ弁、アスリートもダークリーガーもそして観客たちも楽しむお弁当タイムがとても大事にされていることが分かる。
そしてその時間帯に食べることがいかに大事か――調理人の説明に、エリシャは目を瞬かせる。
「運動直後は筋肉の合成が促進されるゴールデンタイムなの? ……だからお弁当は大事なのね」
痛めた筋肉を回復させる。よく食べて、よく寝る。
運動量や練習などで研鑚していくことは大事だが、それは毎日が食と睡眠に支えられてこそだ。
ア・ラ・カルトを発動させたキリカは、手際よく調理を進めている。
老若男女、スポーツマンたちが喜びそうな、特に運動会参加の子供たちも喜びそうな唐揚げやミートボール、エビフライ。アスパラも添えるつもりで、茹で時間と冷ましには気を付けての調理。
肉汁を内包したハンバーグやソーセージにマッシュポテト。ソーセージは一部刃を入れて、たこさんやかにさんの形にして焼く。
サラダロールは一口サイズに、巻きチャベツ中にはいんげんとにんじん、ツナと彩りもよくして。
もちろん、甘い卵焼きやフワフワ出しまき卵を作ることも忘れない。
キリカ自身が持つ料理の腕も駆使すれば、食べ応えのある品々が勢ぞろいである。
(「これならば競技で減ったスポーツマン達の腹も満たせるだろう」)
それらを大きなお弁当箱に詰めていく作業もまた楽しい。
ユーベルコードにより一品にどの治癒作用が働くのかを把握しているキリカは、そのスピードも加えてお弁当の盛り付けも担当することにした。
ハンバーグ弁当、おにぎり弁当、香ばしい炒め物ののっけ弁、彩りを助けてくれるのはトマトや野菜を使った和え物だ。
「キリカ、組み合わせはこういうのはどうかしら?」
選手向けの料理を学んだエリシャと共に、アスリート・ダークリーガー向けのお弁当も盛り付けて。
そうして出来上がったお弁当は、お弁当タイムの時間に飛ぶように売れていく。
日替わりでもあるお弁当。今日はどれを食べようか悩む姿や、これ! と決めているのか迷いなく買っていく姿、選手が買ったものと同じものを購入するファン層と、お弁当処にやってくる様子は人それぞれ。
アスリートもダークリーガーも、観戦客や、運動会を支えるスタッフ。
お弁当タイムを楽しむ彼らの姿を、仁は穏やかに眺める。
「どんどん食って、次の競技も楽しく元気に頑張ってくれよな!」
ほうじ茶を振る舞う仁は応援の言葉も添えて。
「スポーツドリンクも作ってきたの! 良かったら飲んでね!」
エリシャも蜂蜜とレモンを使ったドリンクを振る舞っている。
そして、
「|Bon appétit!《さぁ、召し上がれ!》」
キリカの一声に「いただきます」の声があちこちから聞こえてくる。
「わあ! 美味しそうなお弁当!」
「今日のも美味しいねぇ」
「そっちの、ちょっと分けてー」
と、楽しそうな会話もあって。
小さな子供たちで結成されるチームには、キリカが作った子供向けのお弁当を持つエリシャも一緒に。
好きな食べ物を聞けば、ハンバーグや甘い卵焼き、ポテトサラダと答える子供たち。
「エビフライも、と。ありがとう、参考になったわ」
これからのこども食堂にも活かせたらいいわね、と子供たちの生の声をしっかり集めている。
「こうして食事を楽しんでいると今が戦争だと忘れそうになるな……」
選手たちと一緒にお弁当を食べるキリカの言葉に、「確かに」と仁も頷いた。
「敵味方、立場関係なく、仲良くお弁当を食べる。っていうのはいいもんだなぁ」
キリカと仁は選手向けのお弁当を食べている。
美味しい、という彼らの言葉が直接届くので何だか面映ゆい。
それをごまかすように、大きめの出汁まき卵をキリカは食べて――。
「うむ、美味い」
そう、一言呟いた。
神聖なるお弁当タイムは、熱気満ちるバトル・オブ・オリンピアの合間に訪れる穏やかな時間。
笑顔がいっぱいの、長閑なひと時だった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
皇・美虎
ほーん…飯時ぐらいは一時停戦って奴かい
良いねぇ粋じゃないか
飯を食ってる時ぐらいは邪魔されたくねぇし、それはそれでこれはこれの切り替えは嫌いじゃねぇぜ
しっかしなぁ
ここで運動会参加者でもない見ず知らずのあたいがずけずけと間に入るのもなぁ…おっ、ピーンと来た
邪魔しねぇようにしなければ良いだけってなら、和気あいあいと弁当を食い合ってる様子の似顔絵でも描こうじゃねぇか
ゴッドペインターのあたいならちょちょいのちょいと時間を取らせず描けるし、トーンと来る画題を見っけてもちゃんと許可を取ればWin-Winって寸法よ
お、いいねぇいいねぇ
思わずこっちも腹の虫が鳴いちまう食いっぷりじゃねぇか
完成したらプレゼントだぜ
『運動会午前の部は以上となります。ここからの時間は神聖なるお弁当タイムとなります。選手の皆さんも、観客の皆さんも、英気を養ってまた午後も頑張っていきましょうー!』
運動会専用の学校――その校内放送とチャイムが響き渡ると、必死さも感じた会場の熱気が少し和らぎ弾んで、和気あいあいとした長閑な空気となっていく。
「昼休みだー♪」
「お弁当、何作ってきた?」
「私は、お弁当処から買おうかなぁ」
アスリート、ダークリーガー、観戦客の声はあちこちから。「美味しいお弁当はいかがですか~?」と弁当の売り子の声も聞こえてくる。
「ほーん……飯時ぐらいは一時停戦って奴かい。良いねぇ、粋じゃないか」
熱き戦い(物理)ありのかけっこ、もはや高層ビル登はんの如き妨害OKの玉入れ。運動会を見学していた皇・美虎(壁絵描きのお虎・f18334)は、お弁当タイムとなった瞬間に敵味方関係なく和やかな空気となった会場を眺め呟いた。
「飯を食ってる時ぐらいは邪魔されたくねぇよなぁ」
お弁当処に向かいながらお互いの試合について称え合っている選手たち。
家族が来ているのか、閲覧席へと駆けていく子供たち。
アスリートアースの戦い――バトル・オブ・オリンピアにおいて、恐らくすべての会場のお弁当タイムはこんな風に和気あいあいとした雰囲気なのだろう。
同じ競技チームで輪になって、家族と一緒に、友人と一緒に。
選手はファンミーティングを兼ねている者もいるのか、ファンと一緒に昼食という一際華やかな輪もある。
「……ここで運動会参加者でもない、見ず知らずのあたいがずけずけと間に入るのもなぁ……」
気が引けているわけではない。本当に、彼らの『仲』に入っていいものかと悩むのは人情ゆえのもの。虎の尾を振りながらしばし美虎は考え……、
「おっ、ピーンと来た」
にしし、とどこかいたずらっ子のように笑む。
「ちょいといいかい?」
と、美虎が声掛けるのは楽しそうに弁当を食べるチームの輪。
交渉には笑顔で「応」が返ってくる。
そうして美虎がパックサドルから手に取ったのは、ペインターツール。
折り畳みイーゼル、キャンバス。ここで使うのは水彩絵の具だ。
大まかな全体の輪郭の色をのせ、細やかな筆を走らせればあっという間に人物が描きあがっていく。
その絵に描かれる皆の表情は、実際に美虎の目前に広がる楽しそうな表情そのままで。
「ほら、今日のクリケットダークリーガーさんのキャラ弁すごくない!」
「そういえばお弁当処は今、キャラ弁も売っているらしいね」
「午後の試合こそは勝たせてもらう!」
「腹が減っては戦ができぬとやらだ。今は英気を養っていこう」
おにぎりを頬張る子供、キャラ弁に顔を輝かせるファン、大きな弁当を豪快に食べる選手。
彼らの全体図そして似顔絵を描いては、描いたものをプレゼントをしていく。
「おねえちゃんおねえちゃん」
ゴッドペインターらしく速度ある、しかし確りとしたイラストを目にした子供が美虎に話しかけてきて、「ん?」と彼女は視線を子供の方へと向けた。
「どうしたい」
「おねえちゃん、このお弁当、描ける?」
そう言って子供が見せてきたのは、流行りのキャラ弁である。スポーツチームのマスコットキャラが可愛く装飾された弁当。
「いいぜぇー。ちょちょいっと! こう! おにぎりのふわふわ感も、ミートボールの照りも!」
丁寧に描くキャラ弁のイラストは、実物と同じく、香り立つかのような美味しそうなものに仕上がっていく。
お弁当の縁には喜ぶ子供の似顔絵も添えて。
「ありがとう! 色がね、写真よりもあったかいなぁって思ったの!」
イラストをプレゼントすれば子供が笑顔でそう礼を言った。
「おっ、こちらこそありがとな! にしてもいろんなキャラ弁があるんだなぁ」
「おねえちゃんも買いに行ってみる? ぜんぶすごいんだよ!」
このままお弁当を食べると言う子供が指差した方へと美虎は向かうことにした。
そこにアートがあるなら是非見てみたい。
それに、描いてたら思わず――。
「皆、こっちの腹の虫が鳴いちまう食いっぷりじゃねぇか」
すごいキャラ弁があったらそれを買い上げよう。
お弁当の芸術にわくわくとしながら、美虎もお弁当タイムに突入だ。
大成功
🔵🔵🔵
アルマ・アルカレイト
チーム錬金術士
視力…周りを見る
ヒサ!帰って来て初めての戦争ね!
『うん!今回の戦争勝とうね!』
オブリビオンに拐われていた緋智が初めて参加する戦争で張り切っていた
ごめん、今回は弁当販売のバイトなのよ
『折角久しぶりに活躍しようと思ったのに…でもこの時間を守るのも大切だよね!』
緋智は少し落ち込んでいたがバイトに同意してくれた
いらっしゃいませ~!はい、ありがとうございます!あ"あ"あ"あ"あ"忙しいすぎるわぁぁぁぁ!
両目を回しながらも会計して弁当を客に渡していたが
『はい、どうぞ…ありがとうございます!』
ヒサは私よりテキパキしていた
そういえばヒサって優秀だったわ
オブリビオンがヒサを奴隷にした理由が分かった
東・慶喜
チーム錬金術士
お帰りヒサ!今回からよろしくな!
今回から拐われていた仲間の緋智が帰って来たのでテンションが高い
そうやな…でも時給はええねんで?ヒサ
緋智を諭すように話すもすぐに緋智は切り替えてバイトをしてくれる事にした
そこのカッコいいアスリートさん!アイスはいかがですか?
俺は観客席でラムネやアイスや弁当を販売していた
はい、ありがとうございました〜!
はい、アイス2つですね!どうぞ…ありがとうございました!
あっラムネですね、どうぞありがとうございました〜!
観客だけでなくアスリートやダークアスリートなども買いに来てくれた
まあ、今回のバイトはアルマの奴が錬金術の錬成弾にお金使いすぎたのが原因なんやけどな…
「ヒサ! 帰って来て、初めての戦争ね!」
改めて、おかえりなさい!
アルマ・アルカレイト(異世界からの来訪者『無能の錬金術士』・f39594)はにこにことしながら、赤いリボンをした少女へと言う。
緋智――ヒサと呼ばれた少女は、赤い瞳を嬉しそうに細めた。
『うん! 今回の戦争勝とうね!』
でも戦争と言っても、何だかオリンピックのようだけど。と緋智はくすっと微笑んだ。
そんな彼女の様子に、うぐっとアルマは呻き声をあげる。不思議そうな緋智に、今度は東・慶喜(無能の錬金術士の相棒・f40772)が「お帰り!」と声を掛けた。
「今回からよろしくな! 初めの戦争なら、色々と教えんとな~」
慶喜の声はアルマと同じく弾んでいる。拐われていた仲間の緋智が帰って来たのだから、テンションも高いのだろう。
「戦争……せん……ヒサ、ごめん、今回は戦いじゃなくって、弁当販売のバイトなのよ」
『え』
高次元存在でもある緋智から戸惑いや落ち込みの周波が漂ってくる。ごめん……とアルマはもう一度謝った。
「そうやな……弁当販売のバイトや。……でも時給はええねんで? ヒサ」
そう! 時給が良いのだ!
親指と人差し指で輪を作った慶喜。おかね。
バトル・オブ・オリンピアの運動会に参加しているアスリートやダークリーガーに加え、観戦しにきた観客のぶんもある。それに運動会ならでは、大人の部とちびっこの部と年齢層も広いので、こういった会場ではお弁当の販売員が必須なのである。
諭すような慶喜の言葉に、うん、と緋智は頷いた。
『せっかく久しぶりに活躍しようと思ったのに……でもこの時間を守るのも大切だよね!』
思い直したのか、改めて頑張る! という明るい表情になった緋智に、アルマも慶喜も安堵の息を吐いた。
……のが、だいぶ前のことであるようにアルマは思った。
「お姉さん、お弁当ひとつ!」
「こっちは三つで、あとお茶もください!」
お弁当処には、お弁当タイムとなった途端殺到するお客さんたち。
お金を受け取ってお弁当を渡して、と「ありがとうございます!」「毎度あり!」という声を放っては次のお客さんへの対処と、アルマは目が回る忙しさにぶち込まれていた。
「いらっしゃいませ~! はい、ありがとうございます!」
(「あ"あ"あ"あ"あ"忙しいすぎるわぁぁぁぁ!」)
……すごく、忙しいよね……わかるよ……。
声を出して、水分をとる暇もない。受け取ったお金の勘定だけはしっかりと……! 何せバイトなので! お金の管理はより慎重になっているアルマ。
でも選手をモチーフにした愛らしいキャラ弁をうんうんと悩みながら買うお客様が目の端に映ったり、栄養成分表を睨むようにじっくりと読んで「これ」と決める選手の対応をしたり。
アスリートアース世界の人々の、ちょっとした様子が「がんばろう」っていう気持ちになる。
とはいえ忙殺されてアルマの目は回っているけれども。
『はい、のっけ弁、クリケットチーム弁、玉入れ丼ですね。どうぞ――ありがとうございます! 美味しく召し上がってくださいね!』
しかし緋智は難なく売り子をこなし、てきぱきと対処している。
(「……そういえばヒサって優秀だったわ……」)
緋智を奴隷として扱っていたオブリビオンのことを思い出し――その理由が、アルマには分かったような気がした。
「そこのカッコいいアスリートさん! 食後のアイスはいかがですか?」
栄養補給のあとは当分補給も! スポーツで熱し過ぎた身体を冷やすのにも最適な、アイス。
観客席を回っていた慶喜が声掛けたのは、くつろいでお茶を飲んでいたアスリートだ。
「アイスか。いいね、ひとつ――ストロベリーある? ストロベリー」
「もちろん! ――はい、ありがとうございました~!」
保冷バッグからストロベリーアイスを取り出して、手渡して。慶喜は受け取ったお金をポシェットへと入れた。
観客席を回る弁当や飲料嗜好品の販売員は華やかな制服を着用している。
「お弁当はいかがですか~?」
「冷たいラムネ、いかがですか~?」
「はい、アイス2つですね! どうぞ……ありがとうございました!」
販売員の穏やかなで、朗らかな声は長閑なお弁当タイムにぴったりだ。
「あっおにーさん! ラムネ、こっちにもー!」
と、運動場から駆けあがってきたダークリーガーが慶喜に声を掛け、慶喜は「はい! ただいま!」と気持ちの良く返事する。
よく売れる、よく売れる。
とくに飲料嗜好品は運動会最中にも飛ぶように売れている。
観客は応援するからすぐに喉が渇いてしまうのだろう。
「よし。売上は好調やな……! ――まあ、今回のバイトはアルマの奴が錬金術の錬成弾にお金使いすぎたのが原因なんやけどな……」
アルマがいたら「しーっ!」と言ってきそうな、緋智に知られるわけにはいかない理由だった。
「……へばってそーだし、あとで俺の奢りでアイスもってったるか」
今頃は彼女たちも頑張っているに違いない。
うん、とひとつ頷いて、「ラムネ、アイス、冷たい物はいかがですか~?」と再び販売員に徹する慶喜だった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
箒星・仄々
敵味方が仲良くお弁当を食べる…
いいですね!
さすがスポーツ
ノーサイドですね〜
及ばずながら猫の手をお貸ししましょう
子供達と一緒にもぐもぐタイムです
アスリートやダークリーガーさん達へ
子供達と一緒に食べてくれるように
お願いします
試合を見るに止まらず
こうして実際の選手の皆さんからお話が聞けたり
質問出来たりするのは
きっと子供達にとってものすごく嬉しいことですし
色々と夢が膨らむ機会になると思うのです
おにぎりパクパクしたりしながら
私も傾聴しています
お茶やお菓子もありますよ♪
お弁当やお話がひと段落しましたら
竪琴でリクエスト曲を演奏します
皆さん、午後からも
お身体に気をつけて頑張ってくださいね♪
運動会の競技を観戦する席は応援の声でいっぱいだ。
「がんばれー!」
「ああっ、おしい!」
選手を懸命に応援するアスリートアース世界の人々のなかには黒い毛並みのケットシーの姿も。
「がんばれー!!」
小さな身体ながらも良く通る大きな声で応援する箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は、競技が終われば隣の人と試合の感想を告げあっている。
「すごいですねぇ!」
「わくわくするよね!」
「玉入れの登はんなんて、ビルみたいな高さを駆けあがっていくのでドキドキしました!」
妨害ありの競技にはドキドキハラハラ。
心躍る競技ばかりだが、午前中の部はこれで終わりらしい。校内放送が流れ、仄々は耳をぴんと立てた。
『さ~みんな大好き、お弁当タイムの始まりだよー♪ 選手の皆さんも、観客の皆さんも、英気を養ってまた午後も頑張っていきましょうー!』
運動会専用の学校――その校内放送とチャイムが響き渡ると、必死さも感じた会場の熱気が少し和らぎ弾んで、和気あいあいとした穏やかな空気となっていく。
「お弁当タイムだって。仄々さんも行っておいで!」
色んなお弁当を用意してくれているお弁当処もあるんだよ。と隣の人が教えてくれる。
「お弁当処……それは楽しみですね!」
席を離れて、教えてくれた売り場へと向かっていくと、家族の元に駆けていく子、友達同士でお弁当処へ行く子と様々な子供を見かける。
そして愛らしいケットシーの姿を見かけた子供も、また仄々に興味津々であるようだ。
「ねこのおにいさん! お弁当を買いに行くの?」
「あのね、オススメのお弁当いろいろあるんだよ!」
「それはそれは。是非ともオススメを教えてもらいたいです~」
仄々が笑顔で言えば、打てば響くように子供たちも笑顔に。
ワイワイとしながら彼が買ったお弁当はちびっこ弁当だ。サッカーボールや野球ボールのおにぎり、たこさんウインナーやミートボール、エビフライ。子供たちが好む定番の品が入っている。
お弁当処にはアスリートの姿やダークリーガーの姿もある。
観戦していた仄々は彼らが出ていた競技をぱっと思い出し、「あっ」と声をあげた。
「先程の試合、凄かったです!」
「おっ、見ていてくれたのか!」
声を掛ければ、朗らかに応じる選手。
「バトルありの綱引き、ここぞというコツはあるのでしょうか――」
「む。すべては体力勝負だが、ちびっこの部とは違うコツがあるな。立ち話もなんだ、皆、一緒に弁当タイムにするか?」
選手の誘いに、周囲の子供たちは表情を輝かせ、仄々は「ありがとうございます」とにっこり。
お弁当タイムはファンミーティングを設けているチームや選手もいるようで、その場は一層賑やかに華やかになっている。
アスリートとダークリーガーの生のやり取りを見聞きできたりもする、貴重な、そして楽しい時間だ。
子供たちはそんな彼らに質問をしたり、スポーツの悩みを打ち明けたり。
甘い卵焼きをぱくりを食みつつ、仄々は彼らの様子を見て和む。
(「試合を見るに止まらず、こうして実際の選手の皆さんからお話が聞けたり質問出来たりするのは、きっと子供達にとってものすごく嬉しいことですし、色々と夢が膨らむ機会になると思うのです」)
憧れの選手に実技のコツを教えてもらったり、試合前の緊張感にどう対処しているのか教えてもらったり、好きな食べ物や普段気にしていること、モチベーションの保ち方などなど。
尽きることなき、憧れの声。教えるあたたかな声。
素敵な音楽を耳にした時のように、仄々は傾聴している。
(「試合が終われば敵も味方もなく、お互いの健闘を称え合って感謝して、楽しんだ仲間として仲を深めあって……その精神は子供たちにも継がれていくのですね」)
将来、子供たちが成長したら、今の選手と同じチームになるかもしれないし、試合で戦うことになるかもしれない。師弟関係になるかもしれない。
「皆さんが夢を育まれてゆく場にご一緒できて、私も嬉しいです。食後のお茶とお菓子も用意しているので、お話しながらどうぞ楽しんでください♪」
お茶とお菓子もささっと出していく仄々。
宴もたけなわとなった辺りで、仄々は竪琴を構えながら「リラックスする曲はいかがですか?」と皆にそっと言う。
大好きなチームのイメージ曲、選手一人一人に作られた応援曲、リクエストを貰っては竪琴を爪弾いて。
逆にチームのイメージ曲を作って欲しいというリクエストも来たりして、試演してみた仄々はあとで譜面を書き起こすことを約束する。
楽しく交流して、ほんの少し、お昼寝もして。
「皆さん、午後からもお身体に気をつけて頑張ってくださいね♪ 私も応援を頑張ります!」
そう言って、仄々は選手やちびっこ選手たちを午後の部へと送り出すのだった。
大成功
🔵🔵🔵