3
バトル・オブ・オリンピア④〜超人トライアスロン・ラン

#アスリートアース #バトル・オブ・オリンピア #トライアスロン #マラソン

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アスリートアース
🔒
#バトル・オブ・オリンピア
🔒
#トライアスロン
#マラソン


0




 ――『バトル・オブ・オリンピア』!
 それは、古代バトリンピア時代の祭典!
 これを復興させんと企てるのは、7thKING WARで倒した筈の『魔王ガチデビル』!
 ガチデビルはそのデビルパワーで、ダークリーガー達の首魁を目覚めさせてしまったのだ!
「いずれ異世界より侵略者が来たときの為に、アスリート達のスポーツ能力を鍛え上げる」
 それが、ダークリーガーの目的らしいが……?

 ともあれ、ガチデビルがこの世界を破壊しようとしているのは確かな事だ。
 ならば今回の戦争は、正々堂々とスポーツで競い合おうではないか!

「というわけで、みんなにはトライアスロンに挑戦してもらうよっ!」
 グリモア猟兵の蛇塚・レモン(白き蛇神憑きのシャーマンクイーン・f05152)は、招集に応じてくれた猟兵達へ今回の依頼を説明し始めた。
「この任務ではいよいよレースの終盤、42.195kmのマラソンだよっ! アスリートアースでは、トライアスロン競技のラン区間は豪華絢爛な勝負服を身に纏い、沿道に詰めかけた観客達の大声援を浴びながら、強大なダークリーガーとのガチンコ真剣勝負に挑んでねっ! 他の区間同様、ダークリーガーからのユーベルコード妨害はあるけど、この区間で一番大事なのは……レースに対する『勝負魂』! そしてそれをより熱く強く燃やし尽くした『真の最強ランナー』! 純粋に速さで勝負だよっ!」
 アスリートアースの『最も名誉あるスポーツ』、それはトライアスロンだ。
 実質、ここでの勝敗が『バトル・オブ・オリンピア』の全ての結果を握っていると言いってもいいだろう。
 故に、最終競技のマラソン区間は超重要区間であり、ここでの勝敗が一番比重が高いのだ。
 猟兵達も『勝負服』に身を包み、懸命な走りを街頭で応援する観客達に見せ付けながら走ろう。

「それと、何度も言うけれど、ダークリーガー達はオブリビオンだけど、元はスポーツを愛する一般アスリート達だからねっ? 競技で勝てば元の姿に戻るから、絶対に殺さないようにねっ!?」
 レモンは猟兵達に念を押すと、グリモアを輝かせてアスリートアースへの転送を開始した。
 果たして、トライアスロン競技の勝負の行方や、如何に……?


七転 十五起
 2024年、新年早々の戦争シナリオはアスリートアース!
 このシナリオはトライアスロン競技三部作の後編、マラソンです!
 なぎてん はねおきです。

 同時にリリースしているなぎてんのトライアスロンシナリオと連動しています。
 全て参加する必要はありません(逆に全て参加して完走してもOKです!)。
 スイム・バイク・ランの3つの内、得意な競技に御参加くださいませ。

●プレイングボーナス
 勝負服を着て走る/「魂の激走」を見せる。

●その他
 コンビやチームなど複数名様でのご参加を検討される場合は、必ずプレイング冒頭部分に【お相手の呼称とID】若しくは【チーム名】を明記していただきますよう、お願い致します。
(大人数での場合は、チームの総勢が何名様かをプレイング内に添えていただければ、全員のプレイングが出揃うまで待つことも可能ですが、その際は参加者全員のオーバーロード投稿を強く推奨します)
 なお、本シナリオは戦争の進行状況に応じて、全てのプレイングを採用できない可能性があります。
 予めご了承くださいませ。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしてます!
211




第1章 ボス戦 『トワイスアッパー』

POW   :    ああ、栄冠は、俺たちに輝く!
自身の【参加している競技に関係する物品】から、自身の技能どれかひとつを「100レベル」で使用できる、9体の【ダークリーガー】を召喚する。
SPD   :    負けないぜ、もう少し!
技能名「【振り絞り】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    やり出せ、声出せ、目玉だぜ!
戦闘力のない、レベル×1体の【フーリガン】を召喚する。応援や助言、技能「【団体行動】」を使った支援をしてくれる。

イラスト:壱屋

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ジズルズィーク・ジグルリズリィです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スイート・シュガーボックス
この自慢の健脚で勝利を掴むよッ!
「スイート君やったれ~☆」
ディオちゃんも観客席で応援してくれてるし全力全開だッ!
【菓子錬金術】ッ!薄く平べったく大きいグミに宝石のような輝きの飴を多数デコレーションッ!これが俺の豪華絢爛な勝負服、ロイヤルグミマント(ダッシュLV100)ッ!

うおおおッ!これが俺の魂の激走だああッ!
周りのダークリーガー達も九体に増えてるけど負けないぞッ!ここまで来たら小細工不要だねッ!
あ、でも物理的妨害してくるなら『ケルベロスリボン』で掴んで怪力で投げ飛ばすけどね。

「ウチも周りの観客にお酒配りながらスイート君を応援するよう誘導するし。
やっぱ応援されりゃ力湧くしね☆」


【アドリブ歓迎】



 実況は引き続き、わたくし、ジノ・ブーンがお届けしております、トライアスロン会場。
 いよいよ、この競技の花形! 42.195kmのフルマラソンが始まります!
 ここまでスイム・ランともに先頭を駆け抜けてきたスイート・シュガーボックス(おかしなミミック・f41114)選手、最後のフルマラソンでも先頭をキープし続けることが出来るでしょうか?
「ここまでは順調だね! この自慢の健脚で、勝利を掴むよッ!」
「スイート君やったれ~☆ PON☆PO☆PO☆PO☆PON☆」
「ディオちゃんも応援車両から声援を送り続けてくれてる! 沿道の観客のみんなも熱い応援を俺にしてくれる! よし! 全力全開だッ! 俺の最ッ高の勝負服を見せてあげるよッ!」
 スイート選手、ここで勝負服を纏うようです!
 トライアスロンでフルマラソンを行う際、絢爛豪華な勝負服を纏って走るのが伝統の習わしになっています!
 勝負服は己の勝負魂を呼び起こす重要なアイテムです!
 沿道の観客も、そのデザインと融資を一目見ようと大勢駆け付けております!
「いくよッ! |菓子錬金術《スイーツアルケミー》! これがッ! 俺のッ! 勝負服だぁぁぁッ!!」
 ああっと! これは、薄く平べったく大きいグミでしょうか? まるで真っ赤な布地のようです!
 これに、宝石のような輝きの飴を多数デコレーションだッ!
「これが俺の豪華絢爛な勝負服、ロイヤルグミマントッ! ダッシュ技能LV100ッ! このまま爆逃げだッ!」
 スイート選手、まるで銀河のように輝くグミの真紅のマントを纏い、軽快にゴール目指して走り出しました!
「うおおおッ! これが俺の魂の激走だああッ!」
 速い! スイート選手、速すぎるッ!
 最初から全力疾走です! 宣言通り、フルマラソンの距離を逃げ切るつもりのようです!
 ですが、やはり! やはりダークリーガー軍団が、お菓子の錬金術師の背中に迫ってきました!
 ピンクのおさげが特徴の運動会プレイヤー! トワイスアッパー選手です!
「逃がさないよ! ユーベルコード……『ああ、栄冠は、俺たちに輝く』! ってことで、アタシの紅白玉9つを媒介に、9体のダークリーガー達を召喚するよ! 選択技能は……こちらもダッシュLv100だよ!」
 おっと、トワイスアッパー選手、ユーベルコードで仲間を呼びました!
 全員が俊足自慢の赤ジャージ姿の女性ダークリーガー達です!
 そして、なんだ? どうした? トワイスアッパー選手が、9人のダークリーガーに担がれて!
 これは! まさかの! 騎馬戦だぁぁぁ!
「悪いけど、アタシは少し休憩させてもらうよ! 楽ちんだねぇ!」
「な、なんだってーっ!? でもルールに『選手を担いではいけない』っていう内容はなかったッ! こいつ、ルールの穴を突いてきやがったッ!」
 スイート選手、流石に動揺しています!
 バイク区間の騎馬戦軍団も、おそらくトワイスアッパー選手と同じチームメイトだったのでしょう!
 さすが最終区間、ダークリーガー軍団も真打を出してきました!
 しかし、スイート選手、ここまで窮地に追い込まれては見事にお菓子の錬金術で大逆転を披露してきました!
 ここでもなにか、秘策があるのでしょうかっ?
「いいや、ないねッ! 周りのダークリーガー達も九体に増えてるけど負けないぞッ! ここまで来たら小細工不要だねッ!」
 なんと! ここからは実力で打ち負かすつもりのようです!
 スイート選手、ハイペースで流しているが大丈夫でしょうか?
「あの9人が俺に妨害してくるなら、リボンでちぎっては投げてと考えていたけど、まさか選手の脚を温存させるために使ってくるとは恐れ入ったよッ! 俺はそんな君に敬意を表するッ! だからここからは真っ向勝負だよッ!」
「当然だ! フルマラソンは全力で走り切ったものが勝つんだ! アタシはそのために温存させてもらうよ!」
「分かったよ、それも作戦のうちなら……ディオちゃん!」
「りょ! みんな~☆ スイート君に盛大な応援をよろよろ~☆ それ~!」
 ここで応援車両をハコ乗りにして、ギャルコーチが沿道の観客にお菓子を投げ配りはじめました!
 賄賂です! 応援の賄賂です!
 お菓子を受け取った観客は、揃ってスイート選手を応援しています!
「うぇ~いッ☆ スイート君が勝ったら、祝勝会でスイーツパーリィーすっから! そのためにもみんな! ぷちょへんざ☆ 声出して、カ・マ・セー☆」
「「Foooo~☆」」
 沿道の観客がパリピ化しています!
 これにはダークリーガー軍団が困惑だ!
 そして、スイート選手はパリピ声援を受けて気力が満ち満ちています!
 場の流れを自分の元へ引き寄せました!
「この声援を力に変えてッ! 俺はッ! ソシテミンナノッ! 猟兵になるんだあぁぁぁぁ~ッ!」
 抜け出したぁー! スイート選手、1m、2m、3m! ダークリーガー軍団をぐんぐん引き離してゆきます!
「ちょ! おいみんな! もっとスピード出しておくれよ!」
「すいません! 姐さんを担いでると、これ以上は……!」
「なんだい? アタシが重いっていうのかいっ!?」
 そしてダークリーガー軍団は一枚岩ではないようです! 内輪揉めでスピードダウンだ!
「いいぞ~スイート君! やっぱ応援されりゃ力湧くっしょ☆」
「ありがとう、ディオちゃん! このままゴールへ一番乗りだッ!」
 強い! 強すぎ! スイート選手、もう誰にも先頭を譲らない!
 このまま、ゴールまでの一人旅が今、始まります!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユニ・バンディッド
アドリブ歓迎
水走りは泳ぎに入る?やっぱり出るならランかな。走りなら任せて!
【フェイクアップ!】【エスケープ】大量の偽物砂金「詐銀」で模り金銀砂贋の造形装飾「絢爛装飾」で彩るのは、キラキラ勝負服!おまけに狗盗の微風も発生させるよ。
注目効果で無視できなくし妨害行為を引き寄せて、微風で強化された回避率で回避。兎に角、妨害を避けながら走り逃げ続けるね!。
そうして回避成功した分だけの微風によるスタミナ回復と、微風の|悪戯《盗み》を。靴紐等をこそりと盗って妨害し返すよ。
鬼さんコチラ、手の鳴る方へ。ワルいね、これがボクの走り。悪魔魂が囁くのは速さよりも、ね?だってボクはあくまで盗賊だもん。



『え? 水走りは泳ぎに入る? そうなるとやっぱり自信があるのはランかな。走りなら任せて!』
 ユニ・バンディッド(贋作の悪魔・f31473)選手、レース開始前の宣言通り、遠泳区間はなんと海面を走り抜けるという芸当を見せてくれました!
 自転車走で堅実なレース運びを見せて、いよいよ自信があると語っていたフルマラソンに突入です!
「ユーベルコードは基本的に1つしか発動できないけど、このユーベルコードは同時に他のユーベルコードを1つ発動できるよ。――絢爛たれ、金銀砂贋の装飾。金にして銀? どっちでもないよ、だってニセモノだもの。偽物砂金の悪魔、サギンちゃんはサギりたい」
 あっと、ユニ選手の身体に、キラキラ光る砂粒が集まってゆきます!
 それらがひとつに繋がると、なんてことでしょう! 金銀に煌めく豪華な勝負服の完成です!
「これ、大量の偽物砂金、つまり『詐銀』なんだけどね。それと同時発動ユーベルコード『エスケープ』――鬼だらけの戦場に、微風が吹き抜ける。狗盗の風車。北も南も。東も西も。巡り盗って嗤う、逃げるが勝ちさ」
 今度は何処からともなく風が吹きはじめました!
 まるで、ユニ選手だけを後押しするかのような追い風です!
「これで今のボクは誰もが目を惹く存在だ、妨害行為はボクが全部引き受けるよ。ま、狗盗の微風で全部回避しちゃうんだけど。しかも回避した回数に比例してスタミナ回復するおまけ付き。さあ、背中を捉えたよ! ダークリーガーさん!」
 あっという間に先を征くダークリーガーことトワイスアッパー選手の背中に、ユニ選手がぴったりくっついた!
「少しの間、前からの風除けになってもらうよ!」
「スリップストリームっ!? そうはさせないさ! ここから『振り絞る』ッ!」
 おっと、トワイスアッパー選手、ここで気力を振り絞ってユニ選手を突き放しにかかる!
「 負けないぜ、もう少し!」
 自身の気力・胆力を振り絞って底力を引き出すトワイスアッパー選手!
 ここに来て一気に差が開いてゆくぞ!
 後ろのユニ選手は大丈夫かっ?
「それは想定済みだよ! それじゃ、そろそろ微風の|悪戯《ぬすみ》を、ね?」
 ユニ選手が徐々に進出! 背中にユーベルコードの微風を受けて、前のトワイスアッパー選手に喰らい付く!
 そしてその微風を浴びたトワイスアッパー選手、あっと転倒だ!
 これは不運か? 靴ひもがいつの間にか『ちぎれて』いるぞっ?
(違う違う、ちぎれてるんじゃなくてボクが『盗んだ』んだよ……なんて、口にしたら流石に反則だから言わないけど!)
 靴ひもの修繕に時間を取られるトワイスアッパー選手の横を、ユニ選手が悠々と抜き去っていきました!
 ユニ選手は天運も味方につけて、今、15km地点を通過してゆきました!
「鬼さんコチラ、手の鳴る方へ。ワルいね、これがボクの走り。悪魔魂が囁くのは速さよりも、ね? だってボクは……“あくまで”盗賊だもん」
 アクシデントさえも超人トライアスロンの魅力です!
 このあとも、どのような出来事が起きるのか? それは誰にも予測不可能なのです!

大成功 🔵​🔵​🔵​

小林・夏輝
マラソンなぁ…長距離と短距離だとまた色々違うんだけど
まぁ…なんとかなるっしょ

勝負服を着用し
元陸上部で鍛えた体力と【ダッシュ】力で
ペースを保ちつつも基本的な速度をキープ

真剣勝負するにはUCの妨害が邪魔なんだよなぁ
ってわけで、そっちがその気ならこっちもUC発動
俺のハッキングにかかれば人間の脳だって操れちゃうんだぜ、っと

敵の思考回路を【ハッキング】し体を【操縦】
といっても卑怯なやり方は俺も好きじゃねぇからさ
俺からの命令はただ一つ
技能の強化はめっ、だぞ⭐︎

後は自分なりの全力で走り
どんなに疲れても笑顔は絶やさず
むしろ観客に笑顔で手を振るファンサくらいはしてみせる
俺なりのプロ意識、ってやつ

応援サンキュー!



 実況のジノ・ブーンです!
 まもなく20km地点が近付いてきました。
 現在、単独で長い坂道を駆け上がってゆくのは小林・夏輝(お調子者の珍獣男子・f12219)選手です!
 高低差20mのきつく長い傾斜を、元陸上部の脚力で淡々としたペースで登っております。
 まだまだ走りと表情に余裕が見えます、元々は短距離走者だったそうですが、スタミナ面はクリアしている模様です!
『マラソンなぁ……長距離と短距離だとまた色々違うんだけど。まぁ……なんとかなるっしょ』
 レース前はそう語っていた小林選手、その口ぶりとは裏腹に力強い走りで坂を一歩一歩進んでゆきます。
 ここまでの1km間のラップタイムはほぼ同じ、完璧なペース配分です。冷静にレースを進めています、小林選手。

《ジノさん、ジノさん! こちらバイク中継のカイ・セイツです!》
 はい、カイアナウンサー、どうぞ?
《ダークリーガーのトワイスアッパー選手、さきほど靴ひもが『ちぎれる』というアクシデントもありましたが、今は全力で振り絞って、もう前の小林選手の背中を視界にとらえています! ラップタイムも区間新を狙える好タイムを連発していますので、まもなく1号車の後ろにトワイスアッパー選手が張り付くのではないでしょうか?》
 ありがとうございます、カイアナウンサー。
 トワイスアッパー選手、猛烈な追い上げを見せていますね!
《そうですね! ちなみに小林選手の勝負服ですが、トータルコーディネートをファッションセンター【シママチ】で決めているそうです! 上下とシューズを揃えて1万円を超えない、とてもリーズナブルなコーディネートですね!》
 はい、補足の解説もありがとうございました。
 さて気が付けば、トワイスアッパー選手が小林選手の背中を狙い澄ませる距離まで詰めてきているぞ?
 まるで弾丸のような勢いだ!
 その差がぐんぐんと縮まり、今、小林選手に、トワイスアッパー選手が並びました!
「げ! やっぱ真剣勝負するにはユーベルコードの妨害が邪魔なんだよなぁ」
「何を言ってるんだい? 超人トライアスロンはユーベルコードあってこそなのさ!」
「そういう事なら、俺もユーベルコードを使っていいってことだよな? そっちがその気ならこっちも、だ。悪いけど、俺のハッキングにかかれば人間の脳だって操れちゃうんだぜ、っと」
「んあッ!?」
 おっと、トワイスアッパー選手が走りながら気絶しています!
 何が起きたのでしょうか!? 人は、気絶しながら走れてしまうものなのでしょうか!?
「俺のユーベルコードで敵の思考回路をハッキングし、肉体を操縦しているだぜ。といっても、卑怯なやり方は俺も好きじゃねぇからさ。俺からの命令はただひとつ――技能の強化はめっ、だぞ⭐︎」
「ひ、ひゃい……! ハッ! アタシは何をっ?」
 トワイスアッパー選手、意識を取り戻しました!
 ですがその走りは急に精彩を欠き出しました、小林選手の術中にハマっているのでしょうかっ?
「ここから先はお互い真剣勝負だ! 真っ向勝負で鍔迫り合いといこうぜ! ダークリーガー!」
「望むところさ! アタシのユーベルコードを封じたくらいで、いい気にならないでもらいたいね!」
 おおっと! ここで小林選手とトワイスアッパー選手、交互に抜かし抜かれの大接戦が始まった!
 これには沿道の観客も大興奮だ!
「応援サンキュー! まだまだ俺は頑張るからな!」
「くっ! なんでそんなに元気なのさ……!?」
 しかしトワイスアッパー選手、今までのトラブル続きで徐々に沈み始めているぞ!
 小林選手が競り勝ったー!
「抜き去る前に教えてやるよ。俺はどんなに疲れても笑顔は絶やさず、むしろ観客に笑顔で手を振るファンサくらいはしてみせる気概で走ってる! みんなの声援が俺の脚を動かす! これが俺なりのプロ意識、ってやつだ!」
「……ああ、アタシの完敗だ! あんたは黄金のアスリート魂を持っている! それを誇りに思いな!」
 トワイスアッパー選手、ペースダウン!
 逆に小林選手が沿道の声援を力に変えて、ぐんぐんと加速していきます!
 まさに、トライアスリート精神を今、この場で体現してみせた小林選手であります!

大成功 🔵​🔵​🔵​

月詠・春子
◉アドリブ・絡み・連携歓迎


殴り合いだろうとスポーツだろうと、私は全力で頑張るし負けたくない!
絶対勝つ!えいえいおーっ!

勝負着は通気性の良い普段の赤色ストリートスタイル。
序盤は【功夫】で覚えた呼吸法でペース配分を行いながら走る。中盤になるにつれて走る速度を徐々に上げていき、少しでも上位に近付けていこう。大丈夫、私って結構【回復力】に自信あるからね!
終盤は残った体力を振り絞って全力【ダッシュ】!
それでも足らない、力及ばす負ける…違う!負けたくない!体力が空っぽでも【根性】で【限界突破】するんだ!
最後まで…諦めないっっ!!

結果がどうあれ、競い合った相手。手を差し伸べて「お疲れ様!」って相手を労るよ!



 実況のジノ・ブーンが引き続きトライアスロン会場から生中継しております、超人トライアスロン!
 まもなく30kmに差し掛かろうとしています。
 ここでの注目選手は月詠・春子(慈悲の拳・f39294)選手!
 勝負着は通気性の良い赤色でコーディネートしたストリートスタイル、走る姿は沿道の観客達に元気を分け与えているかのような走りを見せています!
「殴り合いだろうとスポーツだろうと、私は全力で頑張るし負けたくない! 絶対勝つ! えいえいおーっ!」
 気合を入れなおした月詠選手、目の前にダークリーガーのトワイスアッパー選手を視界に捉えたようです!
 月詠選手は無刀流拳伝承者という武術の使い手らしく、序盤はその経験から呼吸を整えながらペースを着実につかんで堅実な走りを見せてきました。
 まもなく終盤に差し掛かろうという中盤の現在、徐々に1km間のラップタイムを縮めてきております!
 このまま一気にロングスパートをかけるつもりでしょうか?
「実況の人が全部、私の作戦を見抜いちゃってる? でも、その通り! この辺りからさらに加速してゆくよ!」
 レース直前、月詠選手は回復力には人一倍自信があると豪語しておりました!
 いざとなったらユーベルコードで自身を治療して体力を回復させるとも語っていた月詠選手、さあ、果たしてスタミナは持つのか?
「よし、こっから! うおおおおっ!」
 月詠選手、ここで仕掛けました! そして、あっと、その全身が白い炎に包まれております!
 これがきっとその回復ユーベルコードでしょう! 体力を回復させながらロングスパートに踏み切りました!
「あ、あれ? なんだか、このユーベルコード、自分自身を治療した途端に疲労が蓄積されてるような? もしかして、あまり意味がなかった……?」
 しかし、速度が伸びません! どうやら回復した分だけ披露するユーベルコードらしく、結果は±ゼロ!
 月詠選手、これは痛恨のミスです!
「どうやら策士が策に溺れたようだね! おい、お前達! あとは任せるよ!」
「「ヘイッ! アネゴッ!」」
 あっと! ここでトワイスアッパー選手、ゆうに100人を超えるフーリガンをコース内に呼び寄せました!
 月詠選手の目の前を壁のように横一列になって走っております!
 これは迷惑行為ですが、ルール的にグレーゾーン寄りの許容範囲だ!
「うわ、君達すっごく邪魔! こうなったら、全力ダッシュで抜き去るしかない!」
 月詠選手、やむなくパワーで押し切り始めました!
 消耗が激しいが大丈夫かっ!?
(いや、全然大丈夫じゃないから! 肺が痛い、足が重い、喉が苦しい! でも、それでも足らない、力及ばす負けてしまいそう……ううん、違う! 負けたくない! 私の体力が空っぽでも、今こそ根性全開で限界を超えるんだ!)
 月詠選手、険しい表情だ! 苦しい! 呼吸も荒いぞ!
 だが、先程とは別人のような屈強な走りだ!
 そのまま、トワイスアッパー選手に並び、あっという間に抜き去っていったー!
「なんだって!」
「私は、最後まで……諦めないっっ!!」
 差が、広がってゆく! 1m! 2m! いや、あっという間に5mだ!
(結果がどうあれ、競い合った相手。手を差し伸べて「お疲れ様!」って相手を労るためにも! ここで、正々堂々と勝つよ!)
 月詠選手、素晴らしいスポーツマンシップです!
 彼女の激走に、沿道の観客も感動の拍手がわき起りました!

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
最後はマラソンか…インテリ系のカシムさんにはきっちーな?
「でもいい機会なんじゃない?」
ま…これも修練だな?だが…やるからには優勝だ!

勝負服
メルシーと一緒の最初の全身の服
「えへへー☆やっぱりこの格好だよね☆」

ま…本来なら暑いからもう少し快適に行きたいが…勝負服も力になるらしいからな?

【情報収集・視力・戦闘知識】
コースの質と天気…他の相手(猟兵含む)の状況も把握

僕らは基本最後にスパートをかけるタイプ…だからと言って引き離されたら負ける…気張るぞ!

【属性攻撃・念動力】
生命属性を己達に付与
念動力で身体能力増強

コース配分も考慮に入れつつ…最後のスパートでUC発動
之でも…限界越えは何度もやってるんだこら!



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)選手とメルクリウス選手、ここまで大健闘を見せております!
 フルマラソンでも、その実力を発揮できるでしょうか?
「はぁ……はぁ……最後はマラソンか……インテリ系の、カシムさんには、きっちーな?」
「ご主人サマ、息上がってるぞ☆ でも、いい機会なんじゃない?」
「ああ……これも修練だな? だが……やるからには優勝だ!」
「そうだね☆ でもだいぶ先頭と差が開いちゃってるけど、大丈夫?」
「それを先に言えー!」
 カシム選手は黒の勝負服、メルクリウス選手は真っ白なワンピースタイプの勝負服でフルマラソンに挑んでおります!
 なんでも、二人が出会った時の服装を再現しているとのことです!
「えへへー☆ やっぱりこの格好だよね☆」
「ま……本来なら走るにはこの格好は暑いからな、もう少し快適にいきたいが……勝負服も力になるらしいからな? しゃーねーか!」
「で、ご主人サマ? すっごいスローペースで走ってるけど本当に大丈夫?」
「あ? 何言ってんだてめー? 僕らにはうってつけのユーベルコードがあるじゃねーか! あれを発動したら。42.195kmなんざ1分でゴールできるぞ?」
 なにやら恐ろしい会話が聞こえてきました、カシム選手とメルクリウス選手!
 フルマラソンを1分で駆け抜けるなんてことが、果たして猟兵といえども可能なのでしょうか?
「ハハッ! 無理に決まってるさ! こっちは最初から振り絞らせてもらうぜ! お先に失礼!」
 先を走るダークリーガーことトワイスアッパー選手、ここでスパート!
 ぐんぐんとカシム選手とメルクリウス選手を突き放してゆきます!
「僕らは基本最後にスパートをかけるタイプ……だからと言って、これ以上、引き離されたら負ける……気張るぞメルシー!」
「やっと本気を出すんだね! それじゃ、ロバーズランペイジ、発動だぞ☆」
「観客共は何かに掴まってろ! 吹っ飛ばされるぞ!」
 カシム選手とメルクリウス選手、何をするつもりでしょうか? っと、えええっ?
 な、なんて事でしょうか!
 カシム選手とメルクリウス選手の姿が、消えました!
 凄まじい衝撃波を周囲に撒き散らしながら、二人の姿が目の前から忽然と消えてます!
 え? ゴールから連絡が入った?
 ……信じられません。
 カシム選手とメルクリウス選手、今、1着と2着を独占してゴールしたそうです!
 最高時速は、マッハ44……!?
 ユーベルコードは、時に我々の常識の限界を軽々超えてゆくと、改めて証明されました!
「悪いな……限界越えは何度もやってるんだこら!」
「いえーい! ご主人サマが1番、メルシーが2番☆ 3時のおやつは……」
「それ以上は止めろ!」
「ぐえー☆」
 えー、カシム選手に鼻フックされてるメルクリウス選手をお届けしました……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

叢雲・凪
SPD

アドリブ歓迎


「なるほど…大体分かった」

腕組みし呟く凪の衣装は普段と違う。
仮面こそ普段通りだが、『1ねん3くみ なぎ』と書かれた旧体操服(勝負服)を着ており雷光マフラーがハチマキのように額に巻かれている。

本人は気づいていないが、小学校の体操服が未だに着れるという事は【平坦性】を露呈させている公開処刑ともいえる。無慈悲!

※先日まで獣人戦線でド真面目なムーブをしていたとは思えない姿である。しかも至ってド真面目に今回のマラソンに挑むつもりだ!。


スタートピストルが鳴ると同時に【夜天九尾】を発動して光速のスタートダッシュ。盛大なカラテシャウトと共に走り抜ける。(ダッシュ+残像+リミッター解除

「イィイイイヤァァアアアアア!!!!!」

※ 短距離走に出るべきだったんじゃないだろうか。実際 凪は【マラソン=走ればOK】という解釈で今回の大会に参加している。



 いよいよ35kmを過ぎてフルマラソンも終盤戦、叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)選手に何やら動きがあったようです。
 バイク中継のカイ・セイツアナウンサー、お願いします!

 ――はいこちら、バイク中継のカイです!
 ここまで目立った動きがなかった叢雲選手ですが、ここにきてブッダが悟りを得たかのような目つきで、淡々と走っています
「なるほど……大体分かった」
 あっと、叢雲選手、腕を組んだまま猛然と加速! 凄まじいスピードであっという間に我々を追い越しました!
 バイクで追いつくのがやっとです! そして全くブレない上半身! 残像めいた足さばき!
 これはあの、伝説の! “なると”走りです! 実在したぁー!
 雷光マフラーがハチマキめいて額に巻かれていおり、それが疾風になびいております!
 漆黒のメンポで顔から下半分は隠れていますが、左右の真紅に染まった両目はもはやヒガンを見ています!
 ふざけているのでしょうか? いや、本人は至って大真面目です!
 これにはダークリーガーのトワイスアッパー選手も驚愕です!
「何なのさ、あのフォーム! まるでエリマキトカゲ……!」
「誰がトカゲだイヤーッ!」
「グワーッ感電!」
 おおっと! ここでカラテです! 黒雷を纏ったカラテが、トワイスアッパー選手に直撃ィーッ!
「ハイクを詠め、トワイスアッパー=サン。貴様など運動会で仲良く100m徒競走でもやっていろ。知っているか? マラソンとは、一番ハヤイ者がエライのだ! イヤーッ!」
 ポエット!
 叢雲選手の言葉は宇宙の真理であって「ハヤイ」と「エライ」の|韻を踏む《ライム》行為も相まって実際ワザマエ!
 平坦な胸元の『1ねん3くみ なぎ』と書かれた旧型赤ブルマ体操服の勝負服は、風の抵抗を受けにくくてスゴイハヤイ重点な機能美フォルム!
 しかもユーベルコードで叢雲選手の腰元から漆黒の雷めいた尻尾が九つ出現!
 ワオワオー! まるで重篤的スピードジャンキーめいた、叢雲選手の飢えた走りだ!
「イイイイヤァァァァアアアア!!!!」
 カラテ! これがスゴイハヤイ・マグロ・ラン・カラテ!
 マグロは泳いでいないとオタッシャする! そう、これは叢雲選手の命を燃やす決断的走法だ!
 まさか、このまま|スプリンター《短距離走者》の速度で、残り10kmを走破しようと言うのか?
 ナンデ!? ニンジャナンデ!?

 ……えー。バイク中継のカイアナウンサーが重篤なニンジャ・リアリティー・ショックに陥ったため、マイクをこちら実況本部へ戻します。
 しかし叢雲選手の激走は素晴らしいものでした!
 ですが、どう見ても小学生サイズの体操服をそのまま着用しておりますが……それはつまり……え、アッハイ!
 コンプライアンス研修に送られたくないので、これ以上の発言は控えさせていただきます!

大成功 🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
引き続きランでも頑張ります
ガチデビルさんの企みを打ち砕きましょう

引き続きペロっとして
摩擦抵抗を減じて
文字通り滑るように駆け抜けます

折角ですので
スピードスケートのコスチュームを
勝負服として着用してランします
勿論ゴーグルも掛けてます

沿道の方々へ手を振って応えながら
ダークリーガーさんの妨害を
素早い滑りでかわしたり
カウンターペロペロで
ダークリーガーさんに思い切り転倒していただきます

勝負を制して
ダークリーガー化した方々を元へ戻す
との決意で
妨害をものともせず
一心にゴールを目指します
これが私の魂の激走です!



「引き続きランでも頑張ります。ガチデビルさんの企みを打ち砕きましょう」
 箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)選手、ここまで様々な奇想天外な作戦で強敵相手に活躍を魅せてくれました!
 このフルマラソン区間でも、早速、シューズの裏面を丁寧に舐めております!
 まさか? ここでもやってくれるのでしょうか?
「はい、実況さんの仰る通り、私はこのフルマラソンをスピードスケートのように滑走して参りますよ~」
 やはり箒星選手、十八番の滑走作戦です!
 だからでしょうか、勝負服も他の選手と違い、独りだけスピードスケート選手のようなぴっちりとした空気抵抗を受けにくいタイトスーツを着用しています!
「勿論、風圧から目を守るためにゴーグルも忘れません。では、42.195kmを滑り切ってみせます!」
 箒星選手、シャカシャカと脚をかき乱したのちに、腕を左右に大きく振って反動付けながらどんどんとスピードに乗ってゆきます!
 速い速い! 恐らく、ゆうに時速50kmはでているでしょうか?
 フルマラソンでの走行速度が15~20kmといわれていますので、今の箒星選手はその2.5倍速と言えます!
 そしてそのまま、ダークリーガーのトワイスアッパー選手を軽々と抜き去った!
「なんだってっ? そんなのアリなのかい!? でも、負けないぜ、もう少し!」
 トワイスアッパー選手、気力を振り絞って速度を上げてゆきますが、届かない! これは届かない!
 箒星選手のコーナリングテクニックが素晴らしすぎる!
 身体をコーナー内側ギリギリに倒して遠心力に耐えつつ、外へ膨らまないように必死に堪えています!
 そして曲がる最中に道路を僅かに舐め取っていきます!
 遅れてやってきたトワイスアッパー選手、何も知らずにツルツルになったカーブで大転倒だ!
「あだだだだっ! た、立てない~っ!」
 見事な作戦勝ちです! そのまま大きくリードを広げてゆきます、箒星選手!
「悪く思わないでくださいね。すべて、貴方を含めてダークリーガー化した人々を、元の健全なアスリートへ戻すためなのです。この決意を胸に、一心にゴールを目指します。これが、私の魂の激走です!」
 下り坂も重心移動を巧みに使って減速せずに駆け下りてゆきます、箒星選手!
 ダークリーガー化を解除したい、その優しき心意気が、この奇抜な作戦と熱い激走を生み出しました!

大成功 🔵​🔵​🔵​

風峰・水羽
トライアスロン。
それは心技体全てが問われる最大の競技…!
これが愈々、最後の戦い…
即ち、マラソン!
絶対に負けられないんだから!
UC発動
黄金色の覇気を帯びた勝負服(マラソン着)で一気に走り込むわ!
少し息が上がっているかも知れないけれど、私の限界にはほど遠い!
悪路があればそれを走破する技術で走り込み
ついでに軽業で軽く曲芸して、観客の皆にアピール!
勿論、走り続けるのは忘れない!
アピールプレイばかりじゃ勝てないからね!
迸る闘争心と情熱は絶対に忘れず最後まで走り抜き、勝負に勝つ
それが私の限界の彼方!
でも…流石に限界かな…
…これが本当に限界ならば
その限界を幾らでも突破してやるわ!
…私、上手くやれたかな…?



 トライアスロン競技もいよいよ、残り10kmを残すだけとなりました!
 風峰・水羽(人間のトライアスリート・f37852)選手もラストスパート!
 ただ今、ダークリーガーのトワイスアッパー選手と必死に競り合っています!
「トライアスロン。それは心技体全てが問われる最大の競技……! これが愈々、最後の戦い……即ち、マラソン! 絶対に負けられないんだから!」
「それはアタシも同じさ! ここまで猟兵に辛酸をなめさせられまくってきたんだ、せめて御高名なトライアスリートのアンタだけはぶっちぎってやる!」
 トワイスアッパー選手、持参してきた運動会器具を媒介に、ダークリーガー9人衆を召喚だ!
「ああ、栄冠は、俺たちに輝く! 使用技能は……逃げ足Lv.100だ!」
「「アイアイサー!」」
 あっと! トワイスアッパー選手とダークリーガー9人衆、凄まじい『逃げ』です!
 風峰選手から『逃げる』という一点に特化した技能で、体力の限界を超えて一気に突き放しにかかります!
 一方、風峰選手、沿道の歓声に側転パフォーマンスをしながら笑顔で応えております!
 余裕の表情ですが、大丈夫でしょうか?
「少し息が上がっているかも知れないけれど、私の限界にはほど遠い! それにみんなの歓声が私の力になる! でもそろそろギアを上げていかないと! アピールプレイばかりじゃ勝てないからね!」
 声援を一身に受けた風峰選手、まるで別人のような力のこもった激走を開始しました!
 そして、おっと! 風峰選手の勝負服が! 再びユーベルコードで黄金に輝き始めたーっ!
「迸る闘争心と情熱は……絶対に忘れず最後まで走り抜き、勝負に勝つ!」
 風峰選手! 風峰選手が追いすがる!
 残り1kmを切りました!
 トワイスアッパー選手はまだ10m先だ! 間に合うのでしょうか?
(あれ? 視界が、霞んで……? 流石に限界かな……? でも……これが本当に限界ならば、その限界を幾らでも突破してやるわ!)
 顎が上がってきました! 顔も険しい表情だ! しかし走ることは止めない!
 風峰選手を動かしているのは、『勝ちたい!』という執念だ!
 さあここからだ! トライアスロン・フルマラソン!
 今! すべての想い、勝利への鼓動を感じて! 逃げる逃げる、トワイスアッパー選手!
 しかし、来た! 後ろから! 風峰選手! 黄金の輝きがひと際煌めき! 迫る背中に黄金の雄姿!
 残り、500m! 両者、全力疾走! どちらも譲らない! 限界はとうに超えている! 超えた先に勝利がある! 
「これがあぁぁ、私の! 限界の彼方だあぁぁぁぁ!」
 風峰選手だ! 風峰選手! 半身、前に出た!
 トワイスアッパー選手は届かない!
 そして! 風峰選手がゴールテープを今、切りました!
 勝ったのは、風峰・水羽選手だあぁぁぁ!
 トライアスロン会場が、全ての観客が! 風峰選手の激走を拍手で讃えています!
 強いッッッ!!
 駆け抜けていった42.195km! 最後の大接戦! 制したのは、限界の限界を超えた、風峰選手でした!
「はぁ……はぁ……はぁ……! うぅ……!」
 あっと! 風峰選手が倒れました! 救護班が担架を持ち出して急行します!
「……私、上手く、やれたかな……?」
 風峰選手が運ばれてゆきます! ユーベルコードで限界を突破した反動でしょうか?
 おっと、トワイスアッパー選手が風峰選手へ駆け寄ってゆきます!
 その手には? 経口補水液を持っていますね?
「……すごい走りだったよ。アタシの完敗さ。ほら、これを飲みなよ。アタシに勝った金色の勇者様がダウンしてたら、カッコ付かないだろう?」
「あはは……ありがとう……! 君も、ナイスランだった……!」
 見てください! 猟兵とダークリーガーの友情の握手です!
 互いの健闘を讃え合って、気遣う姿は、まさにスポーツマンシップの鑑です!
「んじゃ、こいつの身体からはオサラバだ。また走れるといいな、風峰・水羽!」
 ここでダークリーガー軍団のダーク化が全員解除され、元の一般アスリートに戻ってゆきます。
 正真正銘、猟兵達がトライアスロンを制した証です! おめでとうございます!
「……また一緒に走ろう! それまで、私はもっと鍛えるから!」

<了>

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年01月05日


挿絵イラスト