聖夜のアウトサイダーズ
外道・歩
下記の内容でクリスマスノベルを作成お願いします!
●シチュエーション
今までのクリスマスは独りぼっちだった外道・歩だが
今年からは姉と妹の3人姉妹出迎えることができて心が弾んでいた。
クリスマス当日、UDCアースの秘密のアジトで姉妹3人で
クリスマスパーティを開催。
3人で協力して作った料理に舌鼓を打ちながら
プレゼント交換をしたりと和気あいあいと過ごした。
しばらくして、外道・歩が、姉と妹に対して
国際指名手配となって表の世界を気軽に出歩けなくなったことについて
もとをただせば自分の浅はかな行動から始まったことだったと改めて謝罪すると
姉と妹に抱きしめられて頬を寄せ合い
外道・歩の行動がきっかけでようやく理解しあえたこと
故に外道・歩の行動は何一つ間違ってはいないし謝罪することは何一つないことを
告げられて、外道・歩は嬉し涙を流しながらクリスマスの夜を過ごした。
●外道・歩の姉と妹の設定
姉の名が「外道・華怜」で勉強と芸術が得意
妹の名が「外道・萌」でスポーツと音楽が得意
華怜と萌は、昔は仲が悪く、
両者ともに、歩のことは見下しつつも好きで、
かつ自分は歩に好かれている(歩が反抗しないから)、と思い込んでいた。
しかし、歩が両者に対して想いをぶつけた結果、両者は大いに反省し改心したことで
今は3人仲良く協力し合いながらUDCアースの秘密のアジトで生活をしている。
生活に必要なものや姉の研究に必要な資材などは外道・歩が買いそろえている。
●姉妹のお互いの呼び方
外道・華怜は「歩」「萌」
外道・歩は「華怜姉ちゃん」「萌ちゃん」
外道・萌は「おねぇ」「歩っち」
●姉と妹の口調
外道・華怜は「ね、よ、なの、かしら?」
外道・萌は「よ、だもん、だよう、~かな?」
●これまでと、これからと
クリスマスはいつだってそうだったけれど、ひとりぼっちだった。
外道・歩(法の外を歩む女・f41660)にとって、そういうものだったのだ。
「クリスマスなんてアタシには縁のないイベント事だとばかり思っていたんすけど、人生わからないもんすね」
彼女はこれまでを思う。
一人ぼっちだった。
確かに自分には姉と妹がいた。
姉の華怜は勉学とアートに秀でていた。
妹の萌は運動と音楽が得意だった。
どれもが幼少期の歩にとってはまばゆいものだった。同時に、それは自分という存在に影を落とすものであることもまた理解できていた。
幼いながらも、それだけは、ハッキリと理解できた。
理解できなかったのならば、幸せだっただろう。
けれど、歩は幸いか不幸か、気がついてしまったのだ。
自分と姉、妹は違うのだと。
こんなにも同じ家族という枠組みの中にあって、自分だけが異物のように思えた。
「でも」
違うんだ、と歩は思う。
たしかに自分は『人類を進化させる薬』によって生存した実験体だ。
それは類稀なる事例であったことだろう。
それだけの価値が自分に在る、ということは、これまで姉妹たちのまばゆい才能に照らされてきた己の人生の影を一変させるものであったのだ。
「あの時二人が来てくれるなんておもわなかったすよ」
「そう? 歩のためだもの。当然駆けつけるに決まってるじゃあない」
「そうだよ! 歩っちが、あーんな実験されているなんてゆるせないじゃあない!」
二人が今、自分の前にいる。
此処はUDCアースの秘密のアジトだ。二人が自分を組織から救出し、保護する際に起こした破壊活動に寄って、彼女たちは表の世界で働けなくなってしまったのだ。
有り体に言えば、指名手配である。
普通の生活は送れないだろう。
それどころか、本来なら、それさえも危ういはずだ。
けれど、彼女たちがこうして捕まりもせずに暮らしていられるのは歩の力に寄るところが大きい。
彼女は実験体として無事だった事例であると同時に猟兵にも覚醒しているのだ。
これによって、歩は姉妹の暮らしをサポートできるようになったのだ。
「まあ、そんな辛気臭い話はやめにしましょうよ。今日はなんて言ったって」
「クリスマスだよ! メリークリスマスだよ!」
ほら、と二人は歩をアジトのリビングに手を引いていく。
飾り付けられた一室。
簡素だったテーブルやソファが輝いて見える。それにごちそうだって並んでいる。
二人の状況を考えれば、そう簡単にはできないことだ。けれど、二人は歩が外から持ち込んだ資材や食材でもってクリスマスパーティを催してくれたのだ。
他ならぬ自分のために。
元々、二人はそんなに仲良くなかった。
反目しあっていた、と言っても良い。共通していたのは、己のことを見下していたことだけだ。
けれど、それは別に嫌悪に由来するものではなかったのだ。
彼女たちは歩のことが好きだった。もちろん、自分は歩に好かれていると思っていたのだ。思い込んでいたと言っても良い。
もしも、と思う。
もしも、その思いを正すきっかけがなかったのならば、今のようにはなっていなかっただろう。
「大丈夫だってば、歩っち。おねぇと一緒にやったんだよ」
「仲良くね」
笑っている。
その表情を見て、歩は殊更胸が痛む。
だって、そうだ。
自分のせいで彼女たちは表の世界を気軽に歩くことができなくなっているのだ。もとをただせば、自分が二人に対するコンプレックスをこじらせていたからだ。
無価値な自分が。
彼女たちより劣る自分が。
どうやってか、彼女たちに並びたいと思った心が。
今の自分を形作っている。なかったことにはできないのだ。こんな事態を招いているのは自分の浅はかさだ。
特別になりたがった。
「……ごめんなさいっすよ」
歩は二人に頭を下げる。
本心だった。
一時は憎んですらいた。
でも、本当はそうじゃなかったんだ。ねじれて、ねじれきった心はいつだって悪意に染まる。
けれど。
ねじれたのなら、ほぐせば良いんだと知る。
「歩、あなたのしたことは何一つ間違ってないし」
「謝ることなんて何一つ無いんだよ!」
だって、と二人は笑う。
歩のことを家族として大切に思っている気持ちは真なのだと。
「だから、そんな顔をしてはだめよ」
「クリスマスだからってだけじゃないよ」
君が君であるために必要なことは、目の前の二人が証明してくれる。
それが何よりの贈り物だと歩は涙を流す。
悲しみにくれる涙でもなければ、憎しみに滲む涙でもない。
それは嬉し涙だ。
「本当の本当に、姉妹なんすね、アタシたち」
引っ張られた手を引き込むようにして歩は二人を抱きしめる。
理解には遠い感情があった。
でも、それは理解に必要な遠回りだったのだと知らしめるように、クリスマスの夜は姉妹の絆を強く結びつける――。
成功
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