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コーヒーブレイク・ムーブメント

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タマキ・カンナ




●茶褐色
「はぁ~……なるほど。これがコーヒー」
 タマキ・カンナ(清澄玉虫・f42299)はゴッドゲームオンラインのとあるエリア地方から足を伸ばしてゲームプレイヤーたちがこの世界に持ち込んだエッセンスの一つである飲料というものを体験していた。
 彼女にとっての関心事というものは、常に一つの事柄に集約されている。

 そう、プリズム洞窟と呼ばれる隠しダンジョンとも言うべき場所。
 そこに御わすのがタマキが心身共に捧げるべき存在『虹色スライム』様である。
 今まさに彼女がこうしてプリズム洞窟から足を伸ばしてゲームプレイヤーたちが構築した拠点と呼ばれるエリアへとやってきているのである。
「つい最近拠点が復活されたということは噂で聞いてたけれど、こんなにゲームプレイヤーもNPCもいて活気が出てきているね」
 興味深いものは多くある。
 けれど、彼女が特に興味を惹かれるのは飲料物である。

「おまちどうさま」
「どうも……やっぱり冬はあったかいものに限るね」
 受け取ったカップで己の手を温める。
 揺らめく茶褐色の液体。
 うん、香りがいい。鼻の奥から頭に訪れる香ばしい香り。熱で持って何かを炒ったような香りがする。
 一口すすると、苦味が走る。
 次に酸味。
 さらにはコクめいたものさえタマキの舌は鮮明に捉えていた。

「苦っ……い、けど、この複雑な味わい。香りと相まって、こう、なんていえばいいのかな!?」
 一言で言えば癖になる、であった。
 他にも面白い飲み物はあったが、今回タマキが気に入ったのはコーヒーだった。
 しかも聞けば炒った豆を挽いて粉にしたものをお湯で抽出しているのだというし、さらには豆の種類、焙煎の仕方、挽き方次第でも味わいも香りも変わるのだという。
 なんとも奥の深い飲料だろうか。

「これが多世界の文化。ここは一つ『虹色スライム』様にもお土産を」
「テイクアウトでいいのか?」
「そういうことね! MサイズとLサイズを一つずつ。他に新しい豆を手に入れた教えてね!」
「ああ、そこまで喜んでもらえるのなら嬉しいよ」

 そう言って店主と分かれて湯気立つカップを手にタマキは即座に『聖域』へと戻る。
 清浄なる『聖域』に芳しい香りが広がっていく。
「『虹色スライム』様、只今戻りました、すでにお気づきかと思いますが、これなるはコーヒーというものでして」
 タマキは己の報じる神へと、献上物たる茶褐色の液体を掲げるのだった――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年12月18日


挿絵イラスト