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星灯りのルミナリエ

#ゴッドゲームオンライン #星彩アステリア

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#ゴッドゲームオンライン
#星彩アステリア


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●星が墜ちる
 ――きらり、きらり。
 夜色に染まる空から無数の光が降ってくる。
 耀く其れは蒼い炎を纏う流れ星か、――否。

 キィキィキィ!と甲高い音で鳴く其れ等はモンスターの群れだった。
 ふわりと白い体を揺らめかせ、花の様な奇怪な頭から蒼い炎を噴かせている。
 この世界では『サルファーゴースト』と呼ばれるモンスター。
 モンスター達は仲間を呼び合うように、耳障りな声を空に向けて響かせる。
 流れ星のように次々と夜空から舞い降りるその地は、嘗て『街』だった場所。
 けれど其処にはもう、人々の賑わいも煌めく街灯りも失くなっていた。

 破壊された建物、灯火が消えた街、ゆらゆらと徘徊する亡霊モンスター。
 その光景は文字通り、ゴーストタウンと云える状況になっていた。

●バグシティ『星彩アステリア』
「ゴッドゲームオンライン――。オンラインゲームそのものに入り込めるなんて、また奇妙な世界が発見されたものだな」
 グリモアベースの一角で手元の資料に目を通している青年、ノヴァ・フォルモントは依頼の為に集った猟兵たちに気付くと、しゃらりとローブを揺らして振り返る。
「……ああ、待たせて悪い。どうにも興味深い世界だと思ってね」
 集まってくれてありがとう、と一礼をしながらノヴァは猟兵たちに改めて向き直る。

「今回はさっき話していた通り、新しく発見された『ゴッドゲームオンライン』での事件だ」
 この世界はその名の通り、オンラインゲームそのものが猟兵たちの赴く世界になっている。
 他世界から訪れた猟兵は何故か生身の状態でゲームに侵入――ログインする事が可能なのだ。
「詳しい情報は別の資料に目を通して貰うとして……、まずは依頼内容を説明しよう」

 ゴッドゲームオンライン(通称:GGO)には数多くの『街』がある。
 基本的に『街』は安全なエリアだ。
 ゲームのシステムによってモンスターは侵入出来ないようになっており、其処で生活しているNPCなども存在している。
 プレイヤー達も拠点としたり、アイテムの売買をしたり、季節によってイベント等も催されたり、ゲーム内で生活していくうえで重要な場所で在ることには間違いない。

 ――だが、その中にはバグプロトコルによって破壊され、プレイヤーは疎かNPCすらも居なくなってしまった場所が存在する。
 今回はそうした「バグシティ」のひとつを猟兵たちの手で奪還するのが目的だ。

 その街の名は『星彩アステリア』
 浮島が点在するエリアの上空に存在し、街中は常に夜の空気に包まれている。
 名に冠する通り『星』をモチーフとした街並みや、美しい星空を眺める事が出来る、プレイヤー達にとっても人気のある街だったという。

「その街に現れたバグプロトコルはサルファーゴーストと云うモンスターらしい。このモンスター自体はゲーム内にも存在していて、それほど苦労せず倒せる敵らしいのだが……」
 今回の敵はバグプロトコル化することにより強化され、仲間を呼び寄せて群れで襲い掛かってくるようになっている。
「ゲーム内の大半のプレイヤーでは歯が立たない、だが俺たち猟兵ならば話は別だ」
 相手はバグプロトコルという名の『オブリビオン』である事は既に判明している。
 オブリビオンであるならば、猟兵たちにとっても敵であり倒せる存在だという事になる。

「だからまずは、街にたむろすサルファーゴーストの群れを一掃してくれ」
 敵は次々と仲間を呼び寄せ数を増やしていく、一匹も逃さず殲滅する必要があるだろう。
「数は多いが、一匹一匹の強さは猟兵相手ならば大したことはない筈だ。皆ならば心配ない」
 ノヴァはそう告げると、手元の資料にもう一度視線を落とす。

「……バグプロトコルが一掃された後は、街を立て直す『復興クエスト』が自動で発行されるらしい」
 その内容は周辺の浮島を渡り歩き、必要な素材を調達してきてNPCに納品するというもの。
「集められた素材を元に、破壊された建物がシステムで自動修復されるみたいだ。……俺たちが直接何かをする必要はないらしい。なんとも不思議だな」
 ともあれ、街を再生させていくには多くの素材が必要となるだろう。
 皆にはその手伝いを頑張ってもらいたい、とノヴァは話を続ける。
「街の大部分が元通りになれば、本来居た住民NPCや施設の利用も出来るようになるみたいだ」
 そして街が元通りになると、クリスマスイベントのクエストも発生する。
 星の街は灯火と輝きを取り戻し、煌めくイルミネーションに美しく彩られるだろう。
 ライトアップされた光耀く街を巡ったり、イベントを楽しんでみるのも良いかもしれない。

「……光を失った街を、どうか皆の手で救ってきてくれ。――頼んだよ」
 ノヴァが緩やかに笑み猟兵たちを見送ると、淡いグリモアの光が輝いた。


朧月
 こんにちは、朧月です。
 GGOより「星彩アステリア」の奪還と復興。
 元通りになった街でクリスマスイベントを楽しむシナリオです。
 どうぞよろしくお願い致します。

●第1章『サルファーゴースト』(集団戦)
 舞台はGCOゲーム内。浮島エリア。
「星彩アステリア」と呼ばれる空に浮かぶ星の街です。
 まずはバグで破壊された街に屯すバグプロコトルの群れを一掃してください。

●第2章『浮島アスレチックの攻略』(冒険)
 破壊された街を復興するには大量の「素材」が必要です。
 周辺の浮島を渡り歩き、必要な素材を調達して街を建て直しましょう。
 ※詳しいご案内は章開始時に導入部を追記します。

●第3章『煌めく街灯り』(日常)
 街が元通りになるとクリスマスイベントのクエストが発生します。
 ライトアップされた光かがやく街を巡ったり、
 星のオーナメントを集めるクリスマスイベントを楽しみましょう。
 ※詳しいご案内は章開始時に導入部を追記します。

●グリモア猟兵
 3章のみ、お声掛けがあればノヴァも同行させていただきます。

●進行
 プレイング受付期間や進行状況はシナリオタグでご案内します。
 お手数ですが都度ご確認いただきますようお願いします。

●採用
 通常プレイング:失効期間内に執筆出来る分だけ。
 オーバーロード:内容に問題なければ全採用、お届けにはお時間をいただきます。

●共同プレイングについて
 同伴者はご自身含めて【3】名様まで、でお願いします。
 【相手のお名前(ID)】or【グループ名】をご明記ください。
 送信タイミングは可能な限り揃えていただけると助かります。

●シナリオご参加の前に
 マスターページの自己紹介をさらっとご一読いただけると、
 朧月の傾向や方針が判るので良いかも知れません(確認は任意です)

 以上です。
 皆様のご参加を心よりお待ちしております。
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第1章 集団戦 『サルファーゴースト』

POW   :    ゴーストスクワッド
対象の周りにレベル×1体の【小さなサルファーゴースト群 】を召喚する。[小さなサルファーゴースト群 ]は対象の思念に従い忠実に戦うが、一撃で消滅する。
SPD   :    アンラック・フラッシュ
【全身 】から、物質を透過し敵に【不幸】の状態異常を与える【冷たい輝き】を放つ。
WIZ   :    呪う亡霊
自身が触れた物体ひとつに【悪霊 】を憑依させ、物体の近接範囲に入った敵を【呪詛】で攻撃させる。

イラスト:リュイ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

影守・吾連
街が破壊されるなんて、気分のいい話じゃないね
たとえゲームの中の世界でも
そこで暮らしたり過ごしてた人がいるはずだから

デウスエクスとはまた違う敵の仕業みたいだけど
猟兵の力で何とかできるなら、俺も手を貸すよ

ということで来てみたけど
ここ、本当にゲーム世界なんだ?
現実と同じように身体が動くんだね
それなら…遠慮なく力を振るえる

敵に接近を試みつつUC発動
対象に指定するのは“猟兵の敵全て”だ
これなら俺を取り巻く小ゴースト群も
サルファーゴースト本体も等しく攻撃できる

本体がしぶとく生き残ってるようなら
打撃・蹴撃の『乱れ撃ち』を叩き込んで、撃破まで持ち込むよ

街を立て直す為にも
できるだけ速く敵を殲滅したいところだね



(「――街が破壊されるなんて、気分のいい話じゃないね」)
 たとえゲームの中の世界だとしてもそこで暮らし、過ごしていた人達が居るはずだ。
(「デウスエクスとはまた違う、この世界の敵の仕業らしいけれど……」)
 猟兵の、自分の力でも何かが出来るのならば、俺も手を貸したい。

 そんな想いを胸に、影守・吾連が降り立ったのは街の一角にある広場のような場所。
 辺りを軽く見渡せば西洋風の建物が立ち並び、背の高い街路樹が等間隔に植えられている。
 元々は多くの店が軒を連ねる大通り……と云った雰囲気だろうか。
 けれどそこに灯る光は無く、人々の気配もしない。
 ただ薄暗い、夜の静寂だけが広がっていた。

「……ということで来てみたけど。ここ、本当にゲーム世界なんだ?」
 異世界に転送される感覚も未だ慣れないけれど、更に此処がゲームの中の世界だなんて。
 吾連は徐ろに自分の手を振ってみるが、何の違和感もない。
 現実と同じように動かせる身体、肌に触れる夜の空気。そのどれもが現実と変わらない。
「うん、これなら……遠慮なく力を振るえる」

 ――暗い街中でゆらゆらと蠢く蒼い光、煌めく街灯りとは異なる怪しい影。
(「……あれが、サルファーゴーストってやつか」)
 吾連が建物の角から先の様子を伺えば、数匹のサルファーゴーストが通りに屯していた。
 ぎゅっと握った拳に雷の閃光が奔る。
 ――裁きの雷。対象に指定するのは“猟兵の敵全て”だ。
 これなら敵が召喚する小ゴースト群も、サルファーゴースト本体も等しく攻撃できる。

 よし、と小さく息巻くと吾連は敵に向かって駆け出した。
 ≪――キュイ?キィキィ!≫
 集団の内の一匹が気付いたのか、小さなサルファーゴースト群を召喚するも既に遅く――。
「裁きの時だ!」
 十分に接近した吾連が放つ裁きの雷が、天から降り注ぐ。
 激しい閃光に撃ち抜かれ、召喚されたサルファーゴースト郡は一瞬で掻き消えた。
 敵本体も身体に無数の亀裂が走り粉々に成りかけたが、未だしぶとく生き残っている。
 吾連は間髪入れず、超硬度の拳で本体に追撃の乱れ打ちを叩き込む。
 既に雷で砕かれたサルファーゴーストの身体は脆く、簡単に砕け散っていった。
 オォォォ……と低い唸り声のような断末魔と共に、サルファーゴーストの身体が宙に消えてゆく。

「――っよし。ここは片付けられたかな?」
 吾連はふぅ、と一息吐いた。
 けれど街中には未だ沢山の敵が徘徊している、のんびりと休んでいる暇は無さそうだ。
(「街を立て直す為にも、できるだけ速く敵を殲滅したいところだね」)
 石畳の地を蹴り、吾連は暗い街中へと駆け出していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

胡・玲花
※アドリブ歓迎
■心情
星彩アステリア…以前旅の際に立ち寄りましたが、とても幻想的で綺麗な街だったと記憶しております。それがまさかこんな事になるなんて…早く奪還せねばなりませんね。

■行動
止まりなさい、これ以上街を破壊するのは許しませんよ。
手頃な長い棒を拾い、そちらを活用しましょうか。
少しお借りします。

UC使用。まずは近くにいる小さなゴースト達から、蹴り技と長い棒で倒していきます。あちらの攻撃は【心眼】で察知して回避します。

手薄になる頃合いを見て小さなゴーストを踏み倒しながら本体へ近づき、闘気を込めた長い棒で突いてそのまま地面に刺します。
まだ結構な数がおりますね、一匹ずつ確実に仕留めていきましょう。



 グリモアによる転送の光に包まれ、胡・玲花はふわりと地に降り立った。
 ――星彩アステリア。
 星と夜の煌めきが美しい、幻想的な街。
 以前旅の際に立ち寄った時も、人の賑わいに溢れた綺麗な街だった記憶がある。
 けれど今、玲花の眼の前に広がる光景は彼の時とは程遠い。
 耀く灯りは消え、人の気配は無い、薄暗い夜の冷えた空気が街中を覆っている。
(「それがまさかこんな事になるなんて……早く奪還せねばなりませんね」)
 均一に敷かれた石畳にトントンと靴音鳴らし、玲花は夜の街へ颯爽と駆け出した。

 探すのは、この街をこんな有様に変えたバグプロコトルたちだ。
 けれど敵は案外簡単に見つかって、それ程までにこの街に奴等が蔓延っているのかと思うと玲花は小さく溜息を吐く。

「――止まりなさい、これ以上街を破壊するのは許しませんよ」

 バグプロコトル化したサルファーゴーストに歩みながら、玲花は静止の言葉を掛ける。
 ≪キィ?≫≪キュキュ!≫
 今当に破壊を試みようと大通りの建物に集まっていたサルファーゴーストたちが、一斉に玲花の声に気付き、狂ったように耳障りな奇声を発し始めた。

「話が通じる相手、ではありませんか……。仕方ないですね」
 玲花は道端に落ちていた手頃な長い棒を拾い上げ、くるりと掌で回し握り直す。
「丈夫そうですし、ちょうどいいですね。――少しお借りします」

 ふぅ、と玲花は短い息を吐き。同時に周囲へ闇夜の闘気を解き放った。
 陰る月明かりが夜の闇をより深く染める中、玲花の薄青の瞳が瞬く。
 襲い掛かる小さなサルファーゴーストの群れを、玲花は軽やかな蹴り技と長い棒で払い除けるように次々に吹き飛ばしていく。
 一時的に召喚された小さな群れはただの足止めに過ぎない、殴り飛ばすだけでその身体は簡単に宙に消えてゆく。
 狙うべきは群れを召喚し続ける本体だ。
 周囲の小さなサルファーゴースト郡を粗方一掃し、本体の守りが手薄になった頃合いを見て玲花は一気に距離を詰めた。
 小さなゴーストたちを踏み倒しながら駆け上がり、玲花はふわりと宙を舞う。
 その勢いでゴースト本体に飛び掛かり、そのまま地面へと勢いよく押し倒した。

 ――カシャァン、と空っぽのゴーストの身体から乾いた音が響き渡る。
 玲花が闘気を込めた長い棒は、サルファーゴースト本体の頭部を貫き、地面へと貫通する。
 カタカタと小さく震えたゴーストは次の瞬間には塵のように、その身体を夜の闇に溶かしていった。
 本体が消えれば、周囲の小さなサルファーゴーストの群れも共に消えてゆく。

「――まだ結構な数がおりますね、一匹ずつ確実に仕留めていきましょう」
 玲花は手に馴染む長い棒を今一度握り直し、敵の群れを見据えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レルヒェ・アルエット
ふぅん
バグプロトコルがゲームに与える
影響ってのも厄介なものだよね
空に浮かぶ星の街「星彩アステリア」…
聞いた事ない所だし、行ってみたくもあったし
だから、そう復興の為にも
邪魔な群れとやらを一掃するとしようか

召喚した黄金竜に騎乗して戦闘態勢へ
不幸とかいうBSが付くらしいけど
多少は大丈夫でしょう、だってファフニールだし
…気を付けるに越したことはないだろうね
自身は魔導書と如雨露を駆使して
とりあえずサルファーゴーストを壊して行こう
集団戦闘らしく沢山いるみたいで
星の街に点す灯りは、
こういう鬼火みたいのじゃなくて
キラキラ期待に満ちる光のが良いと
私は思うよ

連携・アドリブ歓迎



 淡く耀く転送の光に包まれて、レルヒェ・アルエットはふわりと街に降り立った。
「――ふぅん、ここが星彩アステリアか」
 自分の管轄外に在る場所だからだろうか、其の名に覚えはなかった。

 空に浮かぶ星の街。
 今はただ夜の静けさが広がるばかりだけれど、とても美しいな街だったと話に聞く。
 だから興味本位で行ってみたくもあったし、復興の手伝いにも成るならばと赴いみたのだが。
 ……街の様子を見るに、自体が深刻なことは間違い無さそうだった。
 
(「――バグプロトコルがゲームに与える影響ってのも、厄介なものだよね」)
 街中に徘徊する敵の数は、確かに異常ではある。
 サルファーゴースト。ゲーム序盤のエリアでも目にするモンスターの一種だ。
 本来は大したことのない強さの筈だが、用心するに越したことはない。

 レルヒェが片手を翳せば、宙に魔法陣が浮かび上がった。
 その魔法陣から現れたのは、黄金色の鱗を持つ巨大な竜。
 レルヒェはその竜を、ファフニールと呼んだ。
 呪われた黄金を守ると云われるドラゴンの名で。

「それじゃあ、邪魔な群れとやらを一掃するとしようか」
 ふわりとレルヒェが竜の背に跨れば、大きな翼をバサリと羽ばたかせ、黄金竜は低空飛行でサルファーゴースの群れに襲い掛かる。
 ≪キュキュ!?≫≪キェ!≫
 屯すサルファーゴーストたちが竜の存在に気付いた時は、もはや遅く。
 黄金竜の鋭い爪はゴーストたちに掴み掛かり、動きの止まった所をレルヒェが追撃してゆく。
 サルファーゴーストたちも全身から冷えた蒼い輝きを放ち反撃を試みるが、黄金竜――ファフニールに怯む様子はない。
(「不幸とかいうBSが付くらしいけど……多少は大丈夫でしょう、だってファフニールだし」)

 耀く黄金の竜と、冷たく蒼い輝きと、水飛沫の煌めきが街の一角に入り乱れて舞い踊る。
 そうして最後の一匹を捉えれば、黄金竜とレルヒェはその身体を無慈悲に破壊した。
 粉々に砕けて宙に消えるサルファーゴーストは、残り火の様な鬼火を灯して夜の闇に消えてゆく。

「……星の街に点す灯りはこんな鬼火みたいのじゃなくて、キラキラ期待に満ちる光のが良いな」
 その輝きを取り戻すため、レルヒェは竜の背に乗って夜の街へ舞っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

火牙・エリス
【ミア・アルタージュf41672】
街に降りてきたな…
とりあえずからくり人形を動かして敵の居場所を発見させて、発見しだいは街の広場に誘導してみるか。

よし!広場に大量が集まってきたな。これはUC「人狼方向」で片付けられるチャンスだ!反撃が来たらからくり人形に身代わりになってもらおう。

あっ、それでも残ってしまった?君たちは運がいい、僕の鉄塊剣を味わえられるモンスターはなかなかいないんだ。


ミア・アルタージュ
【火牙・エリスf40048】
なるほど、結構…数が多いですね。
各個撃破をしていては埒が明かないですし、広範囲の攻撃で一気に数を減らしましょうか。
空から街に下りてくる前に、数を減らした方が良さそうです。
建物の多くが壊されているとは言え、街に下りられると見つけるのも厄介ですし。

では、先に行ってきますね。
軽業で壊されずに残っている家の屋根に上り風の精霊を纏って空中に。
下りてくる前にUCソードオブフェアリーで一気に片付けていきます。
悪霊が憑依した物体も剣に変化した精霊で近寄る前に断ち切ってしまいましょうか。

この数だと全てを倒しきるのは難しいので、町に下りたゴーストはエリスさんにお任せしますね。



「なるほど、結構……数が多いですね」
 金の瞳に蒼い流星を映し、ミア・アルタージュは暗い夜空を仰いでいた。
 降り注ぐ在れ等は流れ星ではなく、その正体は次々と召喚されるモンスターだと判れば寒心に堪えない状況でもある。

「……各個撃破をしていては埒が明かないですし、広範囲の攻撃で一気に数を減らすのはどうでしょう?」
 そうミアが語り掛けるのは、傍らに居る火牙・エリスだ。
「そうだな……じゃあ僕は降りてきた奴等を広場に誘導してみるか」
「――でしたら、私は空から街降りてくる前に出来るだけ数を減らしてみます」

 そうして二人は軽く相槌を打つと、散開して敵を迎え撃つ準備を始める。
 ミアはトントン、と軽い足取りで付近の家の屋根に上り、風の精霊の力を集めた。
 夜空から降り注ぐ流星――。
 サルファーゴーストの群れが近付いてきたタイミングを図り、風を纏ってミアは空宙へと舞い踊る。
「障害は……断ち切りましょうか」
 片手を翳し、意識を集中すればミアの周囲に無数の魔法剣が現れる。
 翠色をしたそれらは先程借りた風の精霊の力。
 次々と舞い降りてくるサルファーゴーストたちに向けて、複雑に飛翔する魔法剣が襲い掛かる。
 敵の多くは空宙で剣に貫かれ、その身体は粉々になって消えてゆくが、やはり撃ち漏らす敵も多少成りは居るようで。
「この数をすべて一体一体は、さすがに難しいですね。街に降りたゴーストはエリスさんにお任せしましょう」
 ミアが視線を向けた先は街の広場のような場所。エリスはそこで敵を迎え撃とうとしていた。

「どうやら街まで降りてきたようだな……」
 敵はエリスの予測どおり、バラバラと街の至る所へ降りているようだった。
 探し出して各個撃破ではミアの云うように埒が明かないだろう。
 一匹も逃さず倒さなければ街を救うことも難しい。
 ……それならば、無理にでも一箇所に集めてしまえばいい話だ。

 事前に各所へからくり人形を設置し、敵を発見させて街の広場まで誘導するように指示しておく。
「これなら僕は此処で待っているだけで敵が集まってくるはず……」
 ≪キィキィ!≫≪ギャァギャァ!≫
 周囲からサルファーゴーストの鳴き声が響いてくる。からくり人形が敵と遭遇したのだろう。
 程なくしてエリスの作戦通り、多くの敵がからくり人形に追い立てられ広場へと誘導されてきた。そこにさらなる相手が待っているとも識らずに。

(「――よし、これだけ集まってくれば丁度いい。まとめて片付けられるチャンスだ!」)
 エリスは大きく息を吸った。深く深く、そして――。
 集まったサルファーゴーストたちに激しい咆哮を解き放った。
 強大な音と振動が辺りに響き渡り、屋根の上で見守っていたミアも思わず猫耳をぴゃっと塞ぐほどに。
 その音の衝撃を真正面から受け止めたゴーストたちは身体に無数の亀裂が奔り、ボロボロと崩れ始める。

「――あれっ、それでも残ってしまった? 君たちは運がいい」
 咆哮の範囲から少し外れていたのか、強い個体なのかは分からないが、更にしぶとく生き残っているゴーストにエリスはゆらりと歩み寄る。
 その手には無骨な鉄塊剣を携えて、再び剣を構え直す。
「僕の鉄塊剣を味わえるモンスターはなかなかいないんだ、覚悟しな」
 そうしてエリスは敵の群れへと剣を構えて駆け出していった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メリーナ・バクラヴァ
【兎団】
…「ギルメン居れば怖くない」とか言われると「ばーっ!!」って脅かしてみたい悪戯心がムクムク湧いて来ますが、まあお仕事前なのでやめておきましょう♪(ニッコリ)

破壊された建物のどこかの高所をステージ代わりに、背筋を伸ばして一礼してからユーベルコードの歌を歌いあげますよ!

|きらきら星《ティンクルスター》は返して頂きます♪
(…ね。せっかく皆さん、このセカイで一時の癒やしを得てらっしゃるんですから――)

なお高所に居るのは目立ちたいからであり、響かせたいからであり、あと単純に近接される前に敵さん全体を畏怖で縛って動けなくさせちゃいたいからです!
さぁ、お二人とも今のうちにやっちゃってくださーいっ!


ベロニカ・サインボード
【兎団】

街を滅ぼしたオブリビオンの集団か。どこの世界でも事件は絶えないわね

あ、うん。私達が全力で戦えば勝てる相手よ
頼むわねメリーナ。行くわよ、ルナ

私のフォースオーラ『ワーニン・フォレスト』の能力で、地面から『漏電するネオン看板』を生やす。引っこ抜いて『ワーニン・フォレスト』の剛腕で振り回し、ゴーストを薙ぎ払うわ。ネオンが発する熱と光、そして電気で対抗する。オラッ痺れろ!

敵の憑依能力ってのは、やはりネオン看板に取り憑いて私を狙うって形で使うのかな?だけど生憎『ワーニン・フォレスト』は、射程こそ短いが、素のスピードとパワーは優秀でね。看板ごとブチのめすっ!そして新しい看板を生やすわ


ルナ・キャロット
【兎団】の3人で行きます
スクショが映える素敵な街だったのに…!バグ許せません!
キラキラな街をみんなで奪還します!

ひいいっぱい…ホラーワールドみたいになってます…。
で、でもギルメンがいれば怖くないですね!(ビビりつつもギルドマスターの威厳を見せようとする兎)
……なんだか仲間の笑顔が怖いです!

メリーナ様に援護してもらって、ベロニカ様と一緒に突撃します。
敵がいっぱい居るところにジャンプで飛び込んで360度に双剣乱舞です!
幽霊の冷たい輝きをSSR双剣のキラキラ斬撃で上書きしちゃいます!
かっこいい所見せますよ!



 ――星彩アステリア。
 夜と星に彩られたこの街は、いわゆる”映えスポット”としても人気があった。

「スクショが映える素敵な街だったのに……!バグ、許せません!」
 ふるふると小さく拳を震わせた ルナ・キャロットはもふもふの小柄な兎獣人だ。
 高レアの武具に身を包み、澄ましたその姿は仮初の――、オンラインゲーム内での彼女の好きを詰め込んだ理想の高貴な姫騎士兎だった。

「街を滅ぼしたオブリビオンの集団か……。どこの世界でも事件は絶えないわね」
 ゆらりと白い兎耳を揺らし、時計うさぎのベロニカ・サインボードは破壊された街の現状を見て軽く腕組をした。

「というわけで、キラキラな街をギルドのみんなで奪還しましょう!」
 そう意気込み良くルナは先陣切って駆け出すが、その足は直ぐにぴたりと止まって。
 薄暗い夜の街はまるで、ホラーゲームの舞台のように不気味な雰囲気を漂わせていたのだ。
「ひぃぃ暗い……。それにいっぱい居ますね……」
 街中に徘徊しているサルファーゴーストの数の多さを見ると、思わず身構えてしまうのも無理はない。
「ええ、うん。確かに数は多いみたいね。でも私達が全力で戦えば勝てる相手よ、ルナ」
「――そ、そうですよね!ギルメンの、お二人がも居れば怖くないですね!」
 ルナは内心ビビりつつも、ギルドマスターとしての威厳を見せなければと頑張って虚勢を張って見せる。

(「……ふふ。ギルメンが居れば怖くない、とか言われちゃうと――」)
 逆にばーっ!!と脅かしてみたくなる悪戯心を抑えつつ、メリーナ・バクラヴァはルナの提案にウインクしながら快く応える。
「そうですね、破壊された街をみんなでとり戻しましょ♪」
「――ええ、行きましょうか」
「うん。よし、二人とも行くよ!」
 不思議と仲間の笑顔が一部怖く見えたのはきっと、気の所為である。

 3人は街の噴水広場に屯すサルファーゴーストを一掃するべく、それぞれ配置についた。
 メリーナは二人を支援するために手近な建物で足場が安定しそうな場所を探し、高所から広場を見渡す。
 広場の隅にはルナとベロニカがいつでも飛び出せるように待機している。
 それを確認すれば、メリーナは背筋を伸ばして今宵の舞台へ一礼をした。
(「せっかく皆さん、このセカイで一時の癒やしを得てらっしゃるんですから――」)
 奪った場所は、返して貰わなければと。
 メリーナは夜空の舞台で高らかに歌い、舞を踊った。
 心を惑わすような不思議な舞と、幼さの残る甘い歌声。愛情を込めた歌と笑顔も添えて。
 それはまるで、上げた拳の行き場も失うような、光と優しさと愛情に溢れた歌だった。
 広場に無数に居るサルファーゴーストたちはメリーナの歌声が聞こえると、その場で立ち止まり空を、メリーナの方を一斉に見上げた。
「――さぁ、お二人とも今のうちにやっちゃってくださーいっ!」

「頼むわねメリーナ。――行くわよ、ルナ」
「……はい!」
 メリーナが敵の注意を逸している間、ルナとベロニカはモンスターの群れに横から突撃した。
 ベロニカは接近するさなか、地面から漏電するネオン看板を生やして引っこ抜き、それを武器として共に戦うワーニン・フォレストに振るわせる。
「オラッ痺れろ!」
 ネオンが発する光と熱、そして漏電した電撃で次々とゴーストをなぎ倒してゆく。
 敵に反撃する暇も与えず、ワーニン・フォレストは縦横無尽に立ち回った。
「――よし、私も!」
 ルナは双剣を構え敵の密集地に勢いよくジャンプして飛び込んでゆく。
 こんな大胆に動けるのも、普段からソロで鍛えた双剣プレイの腕があるからこそ。
 ジャンプから着地するや否や、周囲の敵に双剣乱舞をお見舞いする。
 ルナが剣を一振りするごとに、キラキラと斬撃のエフェクトが舞い散ってゆく。
 その輝きは敵の冷たい輝きをも上書きし、同時に敵の身体を粉砕していった。
「かっこいい所、見せますよ!」

 斯くして噴水広場に屯していた多くのサルファーゴーストたちは、兎団の面々により一掃されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リュカ・エンキアンサス
晴夜お兄さんf00145と

…うん…うん?
まあ、ゲームであっても、人がいないだけで一挙に廃墟感が出るね
歴史的な価値はともかく、片っ端から撃っていこうか

というわけでお兄さんを盾に灯り木で斉射
倒せそうなのや近いのを優先して、安全第一で倒していく
お兄さんが不幸な目に遭っている間に片っ端からなぎ倒して、終わらせていこう

…ところで不幸の状態異常ってどんなのだろうね
…転んだり裾を踏んだり瓦礫が降ってきたり銃弾が背後から当たったりするのかな
とりあえず面白そうなので、命の危険があるとき以外は放置して、何かあったら鼻で笑う
危険がありそうなら、さすがに手を出す

…ああうん。笑ってない笑ってない。お兄さん凄い(棒読み


夏目・晴夜
リュカさんf02586と

これはひどい、美しかったであろう街が見る影もないですねえ
しかし、このハレルヤが降り立った事で此処は瞬時に歴史的価値のある地となりましたよ、リュカさん

それでは、駆除していきますか
囮役も兼ねて前へ出て、呪詛を伴う衝撃波を妖刀の斬撃から放射したり
はたまた妖刀で直接切り裂いたり串刺しにして片付けて参ります

不幸の状態異常?へえ、面白そうですね
敵が放つ輝きは『喰う幸福』の高速移動も駆使して回避
もし回避できなくても気にせず突き進みます
如何なる不幸なトラブルにも対応できるのがハレルヤのストロングポイントの一つですし
正直リュカさんに身長を抜かれた現状を超える不幸なんて考えられませんのでね



 ふわりと転送の光に包まれて、二人はその街に降り立った。
 薄暗い夜の冷たさ。
 しん、と静まり返った街、破壊された建物は瓦礫に埋もれ、遠くには鬼火を纏うゴーストが徘徊している。
 ホラーゲームに出てきそうな廃墟感、当にそんな雰囲気が相当しいだろうか。

「――これはひどい、美しかったであろう街が見る影もないですねえ」
 ザッと石畳の道を踏みしめ、夏目・晴夜が開口一番そう零した。
 それには同意すると、傍らでリュカ・エンキアンサスも小さく頷いてみせる。
「……うん、まあ――」
「――しかし!」
 リュカの言葉を遮るように更に一歩踏み出した晴夜の声が夜の街に響き渡った。
「このハレルヤが降り立った事で、此処は瞬時に歴史的価値のある地となりましたよ。ねぇ、リュカさん!?」
「――えっ。あー、……うん……うん?」
 その発想は無かったなと、リュカは小さく口を開けて晴夜を見やるも、スッと何時もの表情に戻して。
「まあ、歴史的な価値はともかく、片っ端から撃っていこうか」
 街の灯りと、輝きを取り戻すために。
「ええ、それでは、駆除していきましょう!」

 そうして眼前に敵の屯す場所を見つければ、まず晴夜が妖刀を片手に敵陣へと突っ込んで行った。
 囮役として前に出る意味はもちろん、そもそも切り裂いて串刺しにしていく戦い方を好むからだ。
 呪詛を伴う衝撃波も放ちつつ、晴夜は襲いかかるゴーストの群れを薙ぎ払ってゆく。
 妖刀に斬られ、叩き潰されて、ゴーストの身体は次々と砕けて散る。
 ゴーストの空っぽの身体は軽く乾いた手応えしか無い。
「ハレルヤも妖刀も、何時でも何でも食べ尽くす程度には空腹ですが、この敵はあまり食べるところが無さそうですねぇ……」
「――まあ、幽霊みたいなものだし?」
 晴夜を盾にしつつ、リュカは後方から灯り木で一匹ずつ確実に仕留めてゆく。
 一撃で倒せそうな敵、晴夜が撃ち漏らした近い敵を優先して狙っていく。安全第一だ。

「……ところで、不幸の状態異常ってどんなのだろうね」
「不幸の状態異常?へえ、面白そうですね。今のところそれらしい事は起こってないみたいですが」
 晴夜は敵を薙ぎ倒しつつ、時折ゴーストたちが反撃として放つ冷たい輝きも高速移動を駆使して回避していった。
「……なんだ、てっきり。転んだり裾を踏んだり瓦礫が降ってきたり、銃弾が背後から当たったりするのかなあ。なんて思ってたのに」
 リュカは少し残念そうなため息を零しつつ、斉射を続けていく。
「――リュカさんの考えるぷち不幸のオンパレードもなかなかですね!」
「けれど、如何なる不幸なトラブルにも対応できるのがハレルヤのストロングポイントの一つですから!」
 そんなやり取りを交わしつつ、二人はサルファーゴーストの群れを次々となぎ倒していった。

「不幸、不幸ですか……。正直今は、リュカさんに身長を抜かれた現状を超える不幸なんて考えられませんのでね」
 ふと思い出したように晴夜の狼耳がへにょりと垂れる。
 そうだ、そうなのだ。
 気付いたら追い抜かれていた。未だ目線の高さは同じくらいだけども。
 心底残念そうな視線の先をリュカに向けて、はたして身長は自慢のこの耳の高さ込みなのかどうか、なんて考えながら。
「……あー、身長……?うん、そうか」
 そういえばいつの間にか急に伸びていたかな、なんてリュカは軽く思いつつ。
「ほら、俺はまだ成長期だから。そのうち晴夜お兄さんを見下ろすくらいになるかも?」
「――なん……てことを、言うんですか」
 その言葉の衝撃に耐えられず、放心仕掛けた晴夜。
 そんな様子を後ろから見つつ、リュカは「ほら、手空いてるよ」と攻撃を続けながら指摘する。
「――っ!ハレルヤも、まだまだ成長期ですからっっ!!」
 絞り出した言葉に虚しさを感じるのは気の所為か、きっと気の所為に違いない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夜鳥・藍
はじめてこの世界に参りましたが、ゲームに入りこむと言えば奇妙に感じるかもしれません。
ですがゲームの世界と考えれば今までの渡った世界とそう変わらないのかもしれませんね。
サクラミラージュで生まれ育った私にとって、宇宙そらを渡る世界などとさほど変わらない感じがします。

サルファーというと硫黄の鉱石が思い浮かびますがあの敵は青い色をしてるのね。
硫黄の炎色反応の色かしら?
なるべく視野が邪魔されない広場などの広い場所で神器鳴神を複製し雷光にて攻撃します。
いくら範囲攻撃が可能とはいえ視界外の所は不安がありますし、何よりこちらが物陰などから不意打ちを受けるのは困りますので。



 ふわりと銀糸の髪を靡かせて、夜鳥・藍はアステリアの街に降り立った。
 薄暗く灯りの消えた街並み、ひやりとした夜の空気、仰げば深い藍色の夜空が広がっている。

「……はじめてこの世界に参りましたが、ゲームに入りこむと言えば確かに奇妙に感じるかもしれません」
 けれどグリモアで転送される感覚も、肌で感じる空気感も今まで渡ってきた世界と同じだ。
 桜舞う帝都に棲まう藍にとって、このゲームの世界も、魔法や宇宙や不可思議な存在が織り成す他世界も、さして変わりは無いのかもしれない。
 一応ゲーム世界だという事は念願に起きつつ、この場所に訪れた目的を思い出す。

 ――まずは街の奪還。
 バクプロコトル化したサルファーゴーストというモンスターを一掃すること。
(「サルファー、というと硫黄の鉱石が思い浮かびますが……」)
 街に彷徨いているサルファーゴーストと呼ばれる敵は青い炎を纏っているようで。
(「硫黄の炎色反応の色?……いえ、ゲーム内で設定されたモンスターの名前だし、特に関係ないのかも」)
 なんて宝石好きとしてはちょっと気になってしまったけれど。
 藍はふるりと首を横に振り、改めて敵の動向を建物の角から観察した。

 サルファーゴーストは文字通り亡霊のようにゆらゆらと浮かびながら、不規則に周辺一帯を無数の数が移動している。その動きに統一性はなさそうだ。
(「一体ずつ倒していくのは流石にキリが無さそうね……」)
 それに敵は仲間も呼び寄せると聞いている。対峙している際に建物の陰や裏路地などから不意を付かれても叶わない。
 それならば逆に引き付けて、範囲攻撃で纏めて倒す方が得策だろうか。

 藍は敵の視界を潜り抜け、見通しの良い広場へと躍り出た。
 此処ならば、敵を引き付けて戦うのに十分な広さが確保出来そうだ。
(「さて、どうやって呼び寄せようかしら……」)
 相手は奇怪なモンスターの姿をしているが、音は光には反応するだろうか。
 神器鳴神を複製し範囲攻撃の準備を整えつつ、藍は徐ろに天を見上げた。
 宵闇の静まり返った空に雷鳴轟き閃光が奔ればさぞ目立つだろうと。

「――轟け!」
 藍は頭上の天高く、雷光を解き放った。
 眩い閃光と轟音が周囲の建物に反響して響き渡る。
 これは合図だ、敵を呼び寄せる為の。
 すると藍の想定通り、広場の周囲から複数のサルファーゴーストが出処を探るように姿を見せ始めた。
 ≪キィキィ!≫≪ギャァギャァ!≫
 藍の姿を見れば向こうも敵だと認識したようで、青い炎を揺らめかせながら一斉に襲い掛かってくる。
「――さあ、次は本気で放ちますよ」
 無数の複製された神器鳴神が藍の周囲を複雑に飛翔し、襲い来るサルファーゴーストたちを迎え撃つ。
 鳴神に撃ち抜かれたゴーストたちは次々と粉砕され、その身体を夜の闇に溶かしてゆく。
 だが一度倒し終えたのも束の間、先程の轟音を聞きつけて次々と広場に敵が集ってきた。
「――少し、派手にやり過ぎたかしら?」
 いや、却って都合がいいかもしれない。どのみち街から敵を一掃しなければならないのだから。
 一体ごとの強さは聞いていた通り大したことはない、これなら此処で迎え撃つだけで簡単に数を減らしていけるだろう。
 街の一角の広場にて、藍の放つ雷鳴と閃光が響き続けていった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

炬燵家・珠緒
キラキラの星の街かぁ
なんだかとってもステキな感じがする〜〜
わたしも見たいなぁ
苹果はどう〜〜?
あ、そのためにはこのモンスター?を倒さないといけないんだね
危ないから、苹果は隠れてて〜〜

むむ、弱点とかあるのかなぁ〜〜?
とりあえず、頭に狙いを定めて、一発撃ち込む
手応えはあったような気がするけど…
え〜〜増えてる〜〜
むむむ、仕方がないから全部倒すよ〜〜
一体ずつ銃で撃つけど、なかなか終わらないなぁ〜〜
よーし、じゃぁ纏めてえいってやっつけようかな
『虹の雫』でぜーんぶ一掃しちゃうよ〜〜

ほら、これもきらきらしててキレイでしょ〜〜?
この街が元に戻ったら、もっとキレイなキラキラが見られるのかな?
楽しみだね〜〜、苹果



(「キラキラの星の街、かぁ……」)
 満天の星空に浮かぶ、煌めく星灯りの街アステリア。
 名前から想像してみるだけで、炬燵家・珠緒はそわそわと胸高鳴る気持ちになって。

「なんだかとってもステキな感じがする〜〜わたしも見たいなぁ。苹果はどう〜〜?」
 珠緒が”りんご”と呼ぶのは、腕の中に抱くもふもふな毛並みの白兎。
 ちょこんと額に小さな角と桃花が咲く、これでも立派な桃華獣の幼獣だ。
 苹果は珠緒の腕に抱かれながら、つぶらな瞳をキラキラと輝かせて珠緒の顔を見上げた。
「ふふ、苹果もやっぱり気になる~~? あれ、でも~~……」
 グリモアの転送の光に包まれて、ふわりと街に舞い降りた珠緒たちの視界に広がるのは静まり返った夜の街だった。
「なんだかまっくら、だねぇ~~。それに誰も居ないみたい……?」
 替わりに街を彷徨っているのは、亡霊のようなモンスターばかりで。
 ――これがこの街の現状。
 バクプロコトルを倒して、キラキラの星の街を取り戻さなければいけない。

「街を元通りにするためには~~あのモンスター?を倒さないといけないんだね」
 苹果は危ないから隠れてて~~と珠緒は苹果を茂みにそっと隠し、代わりにカラフルで可愛らしい鉄砲を片手にカチャリと構えてみせる。
「モンスターさん~~こっちだよ~~」
 ゆらゆらと彷徨うモンスター、サルファーゴーストに向けて珠緒が一声掛けてみれば、つられて周りの数匹が珠緒に襲い掛かってきた。
「むむ、弱点とかあるのかなぁ〜〜?とりあえず、頭に狙いを定めて……」
 ――タタタン、と軽い銃声を響かせて、珠緒は数匹の敵の頭部に一発ずつ撃ち込んでみる。
(「手応えはあったような気がするけど……」)
 まだ敵が倒れる様子はない、かわりに動きがピタリと止まって、次の瞬間には小さなサルファーゴーストの群れが次々と召喚されていった。
「え〜〜増えてる〜〜」
 増えたのならその分倒すしかないと、珠緒は軽い銃捌きで数を減らしていくが、その度にまた新たに召喚されてイタチごっこの状態に。
「なかなか終わらないなぁ〜〜。……よーし、じゃぁ纏めて、えいってやっつけようかな」

 珠緒は素早く弾丸を込め直すと、敵の集まる頭上に向けて虹色の魔弾を放った。
 虹色の魔弾は群れの中心に居たサルファーゴースト目掛けて着弾し、同時に煙幕のようにモクモクとした雲が広がり、敵の頭上へふわふわと集まってゆく。
「降らせてみせましょ、七色の雨、ってね~~」
 現れた雲から降り注ぐのは七色の、虹の雫。
 夜の空にキラキラと耀く虹の雨はサルファーゴースト本体も、召喚された群れも纏めて洗い流し、モンスターの身体は夜の闇に溶けていった。

「苹果~~もうだいじょうぶだよ~~」
 茂みからそっと苹果を抱え上げ、珠緒は降り注ぐ七色の雨を見上げた。
「ほら、これもきらきらしててキレイでしょ〜〜? でもこの街が元に戻ったら、もっとキレイなキラキラが見られるのかな?」
「楽しみだね〜〜、苹果」
 街中がキラキラに包まれて、きっと綺麗で賑やかな街が戻ってくるに違いない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

青和・イチ
ゴーストタウンか…
ホラーゲームも好きだから、存在自体は嫌いじゃないけど…
それが、公式外の、悪意で作られたものっていうのは、気に食わない

星がモチーフの美しい街っていうなら、尚更
星好きとしては、是非見てみたいし
くろ丸、頑張って手伝おう(相棒犬をそっと撫でて

…ああ、あれかな
モンスターの群れを見つけたら、UC発動
迷子の星を、纏めたり、個別にしたり
炎をうまく操って、逃がさず倒していこう

数が多いみたいだから、くろ丸も手伝って
一カ所に集めたり、何なら噛みついたり、殴って(?)も良いよ
危ない時は、すぐ戻って

悪霊が憑いた物体は、念動力で来ないように避けて、
炎で燃やしておこうか



 人の消えた、静まり返る夜の街。
 立ち並ぶ建物は瓦礫の山に埋もれ、既に見る影も失くなっていた。

(「ゴーストタウン、か……」)
 転送の光から舞い降り、街の様子を目の当たりにした 青和・イチは僅かに眉を顰める。
 ホラーゲームも好きな自分にとっては、こういった廃墟などの存在自体は別に嫌いじゃない。
 けれどそれが公式外の、悪意で作られたものだというのが、気に食わないのだ。

 ――星彩アステリア。星がモチーフの美しい街だと云う。
(「星好きとしては、是非見てみたいし……」)
 それにはまず、街に屯すバクプロコトルを一掃する必要があるらしい。
「――よし、くろ丸、頑張って手伝おう」
 イチは傍らに座るくろ丸の頭を撫でて、薄暗い夜の街へと踏み出した。

 街中には到る所にゆらゆらと彷徨う亡霊のようなモンスターが蔓延っている。
「……ああ、あれかな」
 広めの通りで早速モンスターの群れを見つけたイチは、少し距離を取って自身の周辺に無数の青い炎を生み出した。
 その炎は翳した手の動きに合わせ、モンスターの群れ目掛けて解き放たれる。
 先に居るモンスター達はまだ此方の存在に気付いていなかったからだろうか、あっさりと青い炎を食らい断末魔を上げて消えていく。
(「確かに一体一体は、全然大したことないみたい。――けど」)
 仲間の断末魔を聞きつけたのか、周囲の小道や路地裏から、ざわざわと無数のサルファーゴーストたちが姿を現した。

「……周りにも居たのか。さすがに数が多いみたいだから、くろ丸も手伝って」
 ぐるるる……と低い唸り声を上げ、くろ丸は勢いよく地を蹴ってモンスターに飛び掛かってゆく。
「何なら噛みついたり、殴ってもいいよ、――ってもうやってるか」
 くろ丸は次々と敵に飛び乗り、暴れ回っている。
 イチも解き放っていた炎を自分の周囲に一旦呼び寄せ、直接襲い掛かってくる敵を一体ずつ焼き尽くしていった。
 時折飛んでくる悪霊が憑いた物体、小石やら瓦礫の破片やらも念動力で避けつつ、一つ一つを炎で燃やし消していく。

「流石に一匹ずつ倒してたら埒が明かないな……。くろ丸、上手く追い詰めてくれる?」
 バウッ!と威勢よく応えたくろ丸は、暴れっぷりによりすっかり尻込みしているサルファーゴーストたちを追い込み漁の如く端から上手く追い立てていく。
 イチもくろ丸とは逆側から、散り散りになっている敵を倒したり追い立てたりして、通りの中央へと集めていった。
「よし。――くろ丸、離れて」
 十分な数を集めた所を見計らい、合図と共にイチは無数の青い炎を敵の群れに向けて一斉に解き放った。
 サルファーゴーストの群れが、青い炎に包まれて焼き尽くされていく。
 その光景はまるで、彷徨う亡霊たちを成仏させているようにも見えて。
 モンスターたちの身体は白い灰となり、闇夜の空気に溶けていった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『浮島アスレチックの攻略』

POW   :    勢いで浮島を跳び移っていく。

SPD   :    道具を使って確実に移動する。

WIZ   :    空を飛べる魔法でひとっ飛び!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●星の光
 サルファーゴーストの群れを一掃すると、街灯にぽつぽつと光が灯り始めた。
 それらはまだ弱々しく街を照らす灯火。
 けれどモンスターの脅威が去った事を知らせる合図でもあった。

 猟兵たちが街の中心にある広場に一旦集まっていたところ、一人のNPCが光に包まれ姿を現す。
『……皆さん、モンスターを退治してくださりありがとうございました』
 金色のゆるいウェーブヘアに、耀く青い瞳。ひらひらとした白い布を纏い、光輪のようなものを背負っている神々しい女性だ。
『申し遅れました、私の名前はルミナと言います。アステリアの街を創った女神のひとりです』
 ルミナの話では嘗て3人の女神が空に浮かぶ星の街を創り上げたのだという。
 けれど女神たちの力が弱まり、モンスターの侵入を許してしまった……という設定になっているようだ。
 そしてルミナの話は続く。

『皆さんのお陰で私だけは力を取り戻し、こうして姿を現す事が出来ました。けれど街を元の通りに戻すには、まだ星の光が足りないようです』
 ルミナが片手を差し出すと、一枚の映像が浮かび上がる。この周辺のイラストマップのようだ。

『この街を中心に、周囲には幾つもの浮島が点在しています。それらは星の架け橋で繋がっていて、こうして上から見ると星座のように連なっている。――これが星彩アステリアの名の由来です』
 ルミナは一旦映像を戻し、次に猟兵たちに向かってそっと手を組んで祈るポーズをしてみせる。

『この街の光はモンスターたちに奪われてしまいましたが、周辺の浮島にはまだ星の光が残っているはずです。よろしければ集めてきていただけないでしょうか?』

 その話が終わるやいなや、クエストのウィンドウが視界にポップアップした。


=<Quest>==================
【星の光を集めよう!】 依頼者:ルミナ(星彩アステリア)

【概要】星の光を宿すアイテムを計5個ずつ集めてルミナに渡す。
【詳細】
 下記アイテムを星彩アステリア周辺の採取・採掘ポイントで入手する。

 ・星灯りの枝
 ・星灯りの実
 ・星灯りの石
==========================


 * * *

●マスターより
 バクプロコトル退治お疲れ様でした。
 街を奪還することに成功はしましたが、破壊された施設などはまだそのままです。
 元々居たNPCもルミナ以外、戻ってきていません。
 ルミナのお願い(クエスト)を聞いて、街の復興の手助けをしましょう。

 クエスト進行中は該当オブジェクトに近づくと光が灯るので分かりやすくなっています。

 また、隠し要素として依頼された倍以上の数(10個ずつ)を纏めて持っていくと、
 レアアイテム【星の女神の息吹:毎秒HP1%自動回復】が貰えます。
 ルミナのコメントも少し変化します。
 GGO内で装備できる装飾アイテムとなります(実際のアイテム発行はありません)
 本シナリオだけのフレーバー要素なので、ゲットするか否かの選択はどうぞご自由に。

●星彩アステリア周辺について
 主要部分の街を中心に、小さな浮島が幾つも点在しています。
 それぞれが『星の架け橋』と呼ばれる光の帯で繋がれており、その上を渡り歩く事が出来ます。
 飛行能力・生物をお持ちの方は飛んで移動することも可能です。

●GGOのシステム的なあれこれ
・素材はお持ちのユーベルコードや採取っぽい技能を該当オブジェクトに使用すると入手出来ます。
・アイテムは触れると自動的にインベントリ(鞄など)に保存されます。
 出し入れも概念的な何かで簡単に出来ますので細かい事は気にせずどうぞ。
・その他諸々、ゲームっぽい行動やPCさんの反応は大抵OKです。自由に楽しんでください。

 詳細、説明は以上となります。
 本章からの途中参加も歓迎です。
 それでは、よろしくお願いいたします。
 
 
レルヒェ・アルエット
復興クエストも受け取ったことだし
それじゃあ出発するとしようか
引き続き黄金竜のファフニールを呼び出して
ライドドラゴンのLorayにも手伝って貰おうか
探す目は多い方が良いよ、きっとね

金竜の背に乗って飛行しながら
街周辺の浮島を散策して行き
星灯りの枝と実と石だっけねぇ
植物に近いものなら
香りとかでも探せないかな
折角なら沢山集めて
隠れた要素も見てみたくはあるし
わたしも竜形態の方が
効率よかったかもしれないけど
そこは其れ、冒険者気分を味わうのも
悪くはないっていうことで

街を中心に、空から眺める光景は
聞いた由来通りの星座のように
より多くの星の光を戻していったら
ヒトの営み、点る灯も返っていくんだろうね

アドリブ歓迎



「――それじゃあ、出発するとしようか」
 レルヒェは受け取ったクエストを承認すると、ファルニールの背に乗った。
 少年を乗せた黄金竜はふわりと街の上空へ舞い上がり、傍に翠緑竜が添うように飛ぶ。

 明けない夜色の空を高く昇ったところで、レルヒェは軽く後ろを振り返った。
 この高さなら街の全容も周辺の浮島もよく見える。
 あの女神から聞いた話の通り、街を中心に光の帯で繋がる光景は確かに星座のようで。
(「これでより多くの星の光が戻ってきたら……」)
 未だ薄明かりに包まれた星の街。
 ヒトの営み、点る灯が返ってくれば、夜空に浮かぶ星座はいっそう美しく輝いて見えるに違いない。
「……その為にも、今はお願いされたクエストを熟さなくちゃね」

 ――金竜は夜空を駆け、小さな浮島の様子を見るようにゆっくりと旋回する。
 浮島にもそれぞれ特色が在るようで、森のような島だったり、草原のような島だったり、岩山や川や滝のようなものが存在する島もある。
 そして小さな――、とは言葉で云うものの、徒歩で散策するにはそれなりの広さもあるだろう。

「星灯りの……枝と実と石、だっけねぇ」
 枝と実は植物が多い所だろうか、石は岩山か、小さなものなら別の場所でも採れる可能性はある。
 レルヒェは当たりを付けつつ、まず緑が生茂る森のような小島に降り立った。
「……植物に近いものなら、香りとかでも探せないかな」
 ふたりも手伝ってくれる?と、二匹の竜にお願いしつつ、レルヒェ自身も歩きながら周辺の散策を始めた。

 こっそりとクエストの内部情報を覗いてみたところ、どうやら納品数に応じて隠し要素もあるようだ。
 せっかくならば沢山集めてみようか、なんてことも考えつつ。
 草を分け、枝を避けつつ、穏やかな星明りに照らされた夜の森を進んでゆく。

(「こうして歩いて地道に何かを探すのって、なんだか冒険者みたいだ」)
 レルヒェ自身はこのゲームの管理者として存在している。
 竜形態で空を飛んだり、管理者の権限を駆使すれば素材集めも簡単に進められるだろう。
 ――けれど、
(「そこは其れ、冒険者気分を味わうのもたまには悪くはないっていうことで」)

 レルヒェと2匹の竜は星の光をいっぱいに集め、街へと戻っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

影守・吾連
突然のポップアップに、ここはゲーム世界と思い出す
けれど、女神様の様子はNPCと理解していても放ってはおけなくて
頷いて、クエストを受注
たくさんの光を集めてくるから、待っていて

概要には5個ずつと表示されてたけど
それ以上集めても問題はない…よね?
まあ、どれくらい採取できるかは
やってみないとわからないか

移動は自前の翼を出しての飛行にて
高度を上げて、だいたいの地形を把握してから
浮島を巡っていこう

オブジェクトを発見したら
【クリエイトアーティファクト】発動
選択技能は『素材採取』だ

枝や実は鉈、石はツルハシを錬成して
オブジェクトに対して使用・採取
一時的とはいえ技能Lvは100
ひと巡りでどれだけ集められるかな?



 クエストの受注ウィンドウが眼の前に突然現れ、吾連は思わず目を見開いた。
(「――そっか、ここはゲーム世界だったっけ」)
 現実味が有りすぎてつい忘れてそうになっていたが、こうしたシステムの挙動を目の当たりにする度に今後も思い出すことになりそうだ。
「……にしても。女神様からのお願い、かぁ」
 このルミナもゲームシステムの一部、NPCとしてプログラムされたキャラクターなのだろう。
 けれどそれを理解したうえで、気持ち的にはやはり放ってはおけなくて。

「クエストを受注っと……これでいいのかな。――たくさんの光を集めてくるから、待っていて」
『ありがとうございます、冒険者さん!お待ちしていますね』
 ルミナの嬉しそうな笑顔に見送られ、吾連は街の広場を一旦離れた。

「ええと……星の光を宿すアイテムを計5個ずつ、か」
 5個ずつ、と聞くと街を復興する力としてはなんだか少なく感じてしまって。
 飽くまでもゲームのクエスト、という枠組の中の話だからかもしれないが。
(「それ以上集めても問題はない……よね?受け取ってくれるかはわかんないけど」)
 もしかしたらその素材が集めにくいものなのかもしれない。
 どれだけ採取出来るかは、一先ずやってみるしかなさそうだ。

 慣れない手付きでクエストの概要や詳細を確認し、一通り頭に入れたところで吾連はひとり小さく頷いた。
「よし、場所は周辺の小さな浮島だね」
 浮島は星の架け橋というもので繋がれて、徒歩でも渡っていけるようだ。
 けれど吾連は地形の把握も兼ねて、自前の竜の翼を出し、夜の上空へと飛び立った。
「――とりあえず木とかが多い島だったらありそうかな」
 吾連は上空からある程度目星を付けつつ、浮島へと羽ばたいていった。

 ――数分後。

「オブジェクトって、これかな?」
 辿り着いた浮島を散策しつつ、見つけたのは周囲の木々とは見た目が違う一本の大木。
 吾連が近付くとその大木はふわりと光を放つ。
 これがクエストの目印、というやつなのだろう。
 オブジェクトに対して何らかのアクションをすれば素材が入手出来るらしいが……。

「せっかくなら沢山持って帰りたいし、これなら効率上がるかな?」
 吾連が取り出したのは一冊の魔導書。
 パラパラと雑にページを捲り、空いた片手を軽く掲げる。
 ――すると。光とともに、吾連の手に一振りの大きな鉈が生み出された。
 魔導書に蓄積された魔力から創造した、各種技能に超特化したマジックアイテムだ。
「石はあとでツルハシを錬成してみるとして……とりあえずこの鉈で木から採取してみるかな」
 数字的に喩えるなら一時的とはいえ、技能Lvは100になったようなもの。
 これで一振りすれば、どの程度の数が一気に集められるのだろうか。
「ものは試し、――よっと」
 鉈を手に、吾連は木の先端の細い小枝を切り落としてみる。
 すると、実際に木の枝は切れていないが替わりにアイテムとして星灯りの枝がパラリと足元に散らばった。
「……っと、思ったよりいっぱい取れたね」
 既に依頼された5個分は確保出来そうなくらいに、けれどまだまだ採取は始まったばかりで。
「この調子だと……ひと巡りでどれだけ集められるかな?」

 ポロポロと零れ落ち、際限なく取れそうな採取アイテムを集めていくのもちょっと楽しくなりつつ。
 吾連はその後も浮島を巡り、持てる数いっぱいの素材を抱え、女神の元へ渡しに行ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜鳥・藍
星の女神の…これはたとえこの世界だけで有効なアイテムだとしても少し、いえかなり欲しい気持ちがします。
早速参りましょう。
一つの世界として存在してても必要なアイテムが光るのはやっぱりゲームだからなのかしら?
あ、これ普通に触れただけじゃ取れないのね。
力技過ぎてあまり好きじゃないけれどユーベルコードを当てて採取しましょう。
青月で蝕(エクリプス)を放ち、集めていきますけど不思議と壊れないのね。これもゲームだから?
少しだけ腑に落ちない所もありますがゲームだからと自分に言い聞かせて頑張って10個ずつ集めます。
多めに集めてこれらを部屋に飾りたい気もするけど、きっと持ち帰れないでしょうね。それは少し残念だわ。



 星の街を復興させるクエスト。
 その隠し要素として特別な装飾品が入手出来るらしい情報を小耳に挟み、藍の瞳は密かに輝いていた。
(「星の女神の……これはたとえこの世界だけで有効なアイテムだとしても少し、いえかなり欲しい気持ちがします」)
 実際にどういった形状のアイテムなのかは手に取るまで判らないけれど。
 それでも星が好きな藍にとってはそれだけ心惹かれるアイテムだ。
「――早速、参りましょう」
 思わず声に嬉しさが溢れつつ、藍は嬉々と星の架け橋を渡って周辺の浮島へと向かった。

 藍が最初に辿り着いた浮島は、夜風にそよぐ静かな草原に処々大きな岩が点在していた。
 幾つもある浮島はそれぞれ様相が異なっているようで、この浮島は“こういう光景”に設定されているらしい。
「一見なにも無さそうな場所だけれど、怪しいのはやっぱり……」
 そっと藍が岩に近付いてみれば、ふわりと発光するように光が灯る。
 これがクエスト用オブジェクトの目印、というやつなのだろう。
 藍はそれを見つつ、軽く首を傾げた。
「一つの世界として存在してても、必要なアイテムが光るのはやっぱりゲームだからなのかしら?」
 見た目が似たものでも、光る岩と光らない岩があるように。
 クエストが進行中の時だけ光るように予め設定されている、ゲームのシステムによって。
 この世界のすべてがそうして組み上げられているのかと思うと、やはり不思議な感覚がしてしまう。

 ――と、そんな考えが頭を過りつつ。
 藍は岩にそっと手で触れてみるがどうやら反応が無くて。
「あ、これ普通に触れただけじゃ素材は取れないのね」
 そういえば、クエストの詳細にそんな事が書いてあったような無かったような。
 とりあえず何かしらこの岩にする必要がありそうだ。
(「けれど私、採取や採掘の道具なんて持っていませんし。それなら……力技過ぎてあまり好きじゃないけれど、仕方ないですね」)

 藍は腰の鞘から青月を抜き、意識を集中して星の力を刀に纏わせる。
「硬そうな岩ですけど、これなら――っ!」
 岩目掛けて星の力を纏わせた青月を真っ直ぐ振り下ろすと、キィンッと高い金属音が鳴り響く。
 するとポロポロと、岩の周囲に光る小石が幾つか散らばった。
「これが、星灯りの石……でしょうか」
 散らばった石を拾うとクエストアイテムのカウンターがひとつ増える。
 どうやらこれで間違いなさそうだ。
「これで採取は出来ると判りましたが……、不思議と本体の岩は傷ひとつ付いていないのね」
 ただの岩ならば、今の藍の一撃で粉々に砕けていただろう。
 けれど見ての通り、岩は光を灯しながらその一片も欠けてすらいなかった。
 未だにゲームとしての仕組みは腑に落ちないものの、何とか自分を納得させつつ藍は素材を集めていく。

 星灯りの石は、見た目はきらきらと耀く小石だ。
 藍は手のひらの上でそれを見つめつつ、多めに持って返って部屋に飾れたら――なんて考えてしまったけれど。
(「ここはゲームの世界、きっとこのアイテムも持ち帰る事は出来ないのでしょうね」)
 現実との隔たりをふいに感じながら。
 藍は少し残念そうに息を吐きつつ、残りの素材アイテムも回収していったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

胡・玲花
※アドリブ歓迎
■心情
(組合員が参加する訳にはいかないと思い)
いえ、私はNPCですので(遠慮しますと言いかけ、少し考え込む)
…分かりましたお受けします。私の勘が正しければ恐らくは…。

■行動
闘気を足に集中させ【空中浮遊】します。
では、始めましょうか。
「【索敵】モードを開始します」という自動音声と共に辺りを探索し、全素材の位置を把握。UCを使用し闘気を梅の花びらに変え、それに乗せて【素材を採取】していきます。
ふむ、素材は集まりましたが…多いほうが良いですよね。ひとまず20個ほど集めておきます。

やはり隠し要素がありましたか、勘が当たって良かったです。
(これが終わったらあの人に渡そう、とホッとしながら)



 星の女神の話を聞きながら、ふいにポップアップしたクエストウィンドウを見て玲花は我に返った。
(「ここでクエストですか……さすがに組合員の私が参加するわけには、」)
「――いえ、私はNPCですので……」
 断る言葉を続けようとするも、ルミナは玲花を真っ直ぐ見つめたまま微笑んでいた。

 このルミナというNPCはきっと、玲花のことを冒険者だと認識しているのだろう。
 だからそう対応するようにプログラムされているのだ。
 この世界がゲームだと識る自分と違って、彼女は自我を持ちつつもシステムには従うように行動している。
「――……」
 玲花は少し考え込んだ後、小さく頷いて。
「……分かりました、お受けします」
『ありがとうございます、冒険者さん!どうぞよろしくお願いしますね』
 ルミナの笑顔に見送られ、玲花は街の広場を後にした。
(「私の勘が正しければ恐らくは……」)
 この世界のこうしたクエストには、おなじみの“アレ”がきっとあるに違いない。

 玲花は街の外れまでやってくると、闘気を足に集中させふわりと自身の身体を浮かせた。
(「歩いて行くことも出来ますけど――。こっちの方が早いですし、索敵するにも効率が良いですから」)
 星の架け橋に沿って夜の空を舞いつつ、玲花は手始めに一番近い浮島へと向かっていった。

 辿り着いた浮島は、見た目では森と川が流れる自然溢れる小島だった。
 ――小島、とは云ってもそれなりに広さはある。
 此処を端から散策していくのはちょっとばかり骨が折れるだろう。

「――では、始めましょうか」
『……【索敵】モードを開始します』

 玲花は普段発する声とは別の、機械的な自動音声と共に辺りの状況をスキャンしていった。
 地形の把握、全素材の位置、モンスターの有無など。
 其処に在るゲーム内の情報を読み取って、自身の記憶領域に保存してゆく。
「……こんなものでしょうか。適当に渡ってきた浮島ですけど、クエスト素材が豊富な当たりの浮島だったみたいですね」
 指定された3種類、この島だけで十分集めれられそうなデータが返ってくる。
 玲花はストンと空宙から地に舞い降りて、サクサクと短い草を踏みしめた。

「まずはこちらの木で、星灯りの実と、向こうの木では星灯りの枝が採れるようですね」
 玲花が近付けば、それぞれの木がほわりと明るく灯る。
 クエストオブジェクトであるという目印だ。
 玲花は木々のちょうど中間に立ち、集中して闘志を高め闘気を生み出した。
 その破壊のエネルギーを手のひらに集めつつ、今度はそれを梅の花びらが舞う風の渦へと変化させる。
「クエストのためとはいえ、自然破壊は避けたいですので――」
 なるべく周囲の木々などにもダメージが少なそうなものをと。
 花びら舞う闘気を選び、それをオブジェクトに向かって放てばパラパラと光る素材が足元に飛び散ってくる。
「集める数は多いほうが良いですよね。ひとまず20個ほど集めておきましょうか」

 * * *

 ――そうして各素材を20個前後集め、玲花はルミナの元に戻ってきた。
「どうぞ、こちらが集めてきた素材です」
『まあ!ありがとうございます、こんなに沢山……!』
 ルミナは素材を嬉しそうに受け取りつつ、玲花にペコリと頭を下げて礼を述べた。

『――冒険者さん、沢山の星の光を見つけてくださって感謝します。これは特別なお礼です』

 ルミナの言葉と共に、玲花のインベントリにアイテムがひとつ追加される。
 星の女神の息吹。
 装飾品として装備するとキャラクターの周囲に小さな星の光が舞う、いわゆるエフェクト的な見た目の装飾品らしい。装備効果は毎秒HP1%自動回復という地味に便利なものでもある。
 これは、クエストの追加報酬というやつだった。
 情報には記載されていない、飽くまで隠し要素としての。
「……やはり隠し要素がありましたか、勘が当たって良かったです」
 玲花は試しに装備したアイテムを一旦外すと、インベントリの隅にそっとアイテムを移動した。

(「――これが終わったら、あの人に渡そう」)
 ホッと一息つくように、玲花はアステリアから見る星空を仰いだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

炬燵家・珠緒
これは、どうすればいいんだろ~~?(そぉっとポチり
よし、じゃぁ女神様のお願いを叶えるために
苹果、一緒に行こうか~~

すごーい、光の橋だよ~~
この上を歩けちゃうなんて、面白いね~~
で、女神様が欲しいものはどこにあるんだろう~~
こっち、かな…んん、ん、さっきもこの道を通った気がする~~
むむむ、どこから来たっけ……?
こっち…って、苹果~~?!勝手に行ったらダメだよ、迷子になるよ~~

苹果の後を追いかけて行ったら、なんかキラキラ光るのがいっぱいある~~
キレイ~~(迷いなく手伸ばし
こういうの集めるのは得意なんだ~~
え、10個でいいの?
よーし、いっぱい拾えた~~
じゃぁ女神様にあげようか
喜んでくれるといいね~~



 視界に突然現れたクエストウィンドウに、珠緒はわぁと小さく驚いた声をあげた。

「これは、どうすればいいんだろ~~?」
 クエストの詳細が書かれた一番下に『受注/拒否』というボタンが載っている。
 珠緒はそぉっと、その受注ボタンをポチりと押してみた。
 するとウィンドウは一旦引っ込み、ルミナが笑顔でこちらに笑い掛ける。

『ありがとうございます、冒険者さん!どうぞよろしくお願いしますね』
 どうやら上手く出来たみたい、と少しホッとしつつ。珠緒は改めてルミナに向き合った。
「よし、じゃぁ女神様のお願いを叶えるためにがんばってくるよ~~」
 苹果も一緒に行こうか~~と、後ろをとてとて着いてくる白もふ兎と離れないように、珠緒は街の中央広場から駆け出して行った。

「わ~~……すごーい、光の橋だよ~~」
 珠緒たちは街の外れにある星の架け橋を前に、橋が続く先の様子を眺めていた。
 キラキラと夜空に耀く星の架け橋は真っ直ぐに伸びていて、次の浮島へと道を繋いでいる。
 下を覗けばもちろん真っ暗な夜空が広がっているけれど、不思議とその怖さは無くて。
「この上を歩けちゃうなんて、面白いね~~」
 行ってみよう~、とワクワクする冒険心に擽られ、物怖じせず珠緒は歩を進めていった。

「……で、女神様が欲しいものはどこにあるんだろう~~」
 最初の星の架け橋を渡り、辿り着いたのは木々や花が溢れる小さな浮島だった。
 ――小さな、とは云うものの広さはそれなりにあるようで。
 隅から隅まで探してくのは中々大変そうな予感がする。
「ん~~、こっち、かな……んん」
 珠緒は勘を頼りに辺りの探索を始めてみた。
 似たような景色が続くからか、はたまたそれとは関係なくただ迷ってしまったのか。
 さほど広くはない島の筈なのに、さっきから同じところを何度も行ったり来たりしている気がして。
「ん、さっきもこの道を通った気がする~~むむむ、どこから来たっけ……?」
 珠緒が右往左往とするなか、腕に抱かれていた苹果がプィプィと鳴きながらするりと抜け出し。とてて、と何処かへ向かって走り出してしまう。
「苹果~~?!勝手に行ったらダメだよ、迷子になるよ~~」
 珠緒は慌てて苹果の後を追い掛け、見失わないように木々の奥へと着いていった。

 ――すると、先程まで歩いていた場所とは雰囲気違う空間へと辿り着く。
「わ~~なんかキラキラ光るのがいっぱいある~~」
 その空間に珠緒が近付けば、周囲の木々もほわりと明るく光りだす。
 クエストオブジェクトである目印というやつだ。
 よく見れば光る実も生っているようで。これが素材のひとつ、星灯りの実だろうか。
「この光る実もキレイ~~とれるかなぁ~」
 珠緒がそっと光る実を手で包み、軽くもぎ取ってみる。
 するとコロリと簡単に、星灯りの実は珠緒の手の中に収まった。
「こういうの集めるのは得意なんだ~~よーし、もっとあつめちゃお~~」
 珠緒は迷いなく光る実に手を伸ばし、次々に採取していった。

「よーし、いっぱい拾えた~~苹果も頑張った~?」
 プィプィと苹果は鳴きつつ、もちろんと云うように誇らしげな表情をしてみせる。
 星灯りの実の数はこれで十分だろう。
 後は星灯りの枝、星灯りの石、それぞれ別の浮島にあるのかもしれない。

「じゃあ別の浮島にも行ってみよ~~またいっぱい拾えるといいね~~」
 いっぱい拾って集めて、女神様にあげればきっといっぱい喜んでくれるはず。
 次なる素材と浮島を目指し、珠緒と苹果は星の架け橋を再び渡って行ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メリーナ・バクラヴァ
【兎団】
ベロニカさん!
ショートカット移動するなら、その勢い良さげな看板に相乗りさせて下さいな♪
…それと、最初に一度「私を全力で空高く打ちあげて頂いて」も構いませんか?

高い空では「きゃあ、ジェットコースターみたいでたっのしーですねぇ!」と騒ぎつつ、見える範囲で浮島の全体的な配置・距離感を冷静に【瞬間記憶】。
目を閉じ静かに微笑んで――見た島の全てを巡る為の最短経路を凄い勢いで暗算します!!(【瞬間思考力】&【影像と数理】←昨日8h練習済)
いわゆる巡回セールスマン問題♪

この手の計算、実は得意です。

採集はルナさんに教わりつつ、#22#78を用いた【双剣使い】技能で。
えいえい!手が2本なら効率2倍です♪


ベロニカ・サインボード
【兎団】

架け橋を渡るのもロマンチックでいいけど、採集は効率よく進めたいわ。能力使ってサックリ行くわよ

メリーナがルート作成するなら、私はその補助をするわ。

フォースオーラ『ワーニン・フォレスト』でメリーナを抱きかかえる(自分はワーニン・フォレストの背に掴まる)
そして【看板をつける能力】で、ワーニン・フォレストの足元から勢いよく看板を伸ばす!そして3人まとめて打ち上げるわ
着地の衝撃はワーニン・フォレストが引き受ける

採集ポイント自体の知識はルナにまかせる
期待してるわよ、トッププレイヤー!

のんびり浮島散歩は、後のお楽しみね。


ルナ・キャロット
【兎団】
街の復興も大事…ですが。こういうクエストは多めに持っていけばボーナスがあるものです!(やりこみ兎)
ご褒美もらうために皆で大量採取しましょう!張り切ります!

看板射出は…絶対怖いので自力で移動します。
キラキラ斬撃を足場にジャンプでぴょんぴょん、メリーナ様が作ってくれる効率ルートに沿っていきます

見渡せば素材の場所はわかるのでぱぱっと指示しますよ!(頼りにされて嬉しい兎)
キラキラ斬撃を目印にもして、効率よく素材を根こそぎです!
採掘は採集ポイントに攻撃すれば良いのです!多段攻撃で素材もりもりです!
ゲーム面の知識は先輩面して語り
普段は採取クエは作業感あって嫌いでしたが皆でやると楽しいですね。



 星の女神・ルミナからのクエストを引き受け、兎団の三人は広場の隅でなにやら相談を始めていた。
「街の復興も大事……ですが。こういうクエストは多めに持っていけばボーナスがあるものです!」
 ゲームやりこみ勢のルナの勘では、たぶんこのクエストにもあるに違いないとグッと拳を握ってみせる。
「……ボーナスって、何かおまけに貰えるってこと?」
 メリーナが小首を傾げつつ返せば、ルナはふふんと誇らしげに胸を張った。
「そうです!ゲームの隠し要素ってやつですね。クエスト情報には載っていなくても、例えば今回の場合は素材を多めに持っていけば何か追加で貰えるとか……きっとそんな気がします!」
 ルナが嬉々として語れば、メリーナもなるほど~と感心した様子で。
「それならいっぱい素材を集めたいですね♪」
「――うん、そうね。何より多くの素材を集めれば復興の手助けにもなるはずだし」
 二人のやり取りを聞いていたベロニカもこくりと頷きつつ。
「――では、ご褒美をもらうために……いえ、街の復興のために皆で大量採取しましょう!」
 ルナの掛け声とともに、おーっ!と三人は張り切りながら街の広場から駆け出して行った。


「……架け橋を渡るのもロマンチックでいいけど、採集は効率よく進めたいわね。ここは能力使ってサックリ行こうかしら?」
 三人は街の外れ、浮島に続く星の架け橋を前に少し足を留めていた。
 浮島間はそれなりに距離もあるようで、地道に渡っていくのは意外と骨が折れそうだという流れになり。
「あ、ベロニカさん!ショートカット移動するなら、その勢い良さげな看板に相乗りさせて下さいな♪」
「……えっ!?看板で飛ぶのですか?……うぅ、私は怖いので自力で移動したいです……」
 はわわと怯えるルナに、メリーナとベロニカは互いに目が合い、ふふと微笑んで。
「了解よ、じゃあ先に行って島の様子を調べておくわね」
「ですね♪――そうだ、それと最初に一度、私を空高く打上げてもらっても構いませんか?空の上から効率の良さそうなルートとかを調べますので!」
「メリーナを?……なるほど、そういうことね。わかったわ」
「わぁ、メリーナ様たのもしいです。じゃあお願いします!」
 任せてください♪と二人に見送られ、メリーナはベロニカの看板に掴まり、夜空高くに勢いよく打上げられる。
「――きゃあ~~!ジェットコースターみたいでたっのしーですねぇ!」
 テンション高く打上げられた先は一面に広がる夜空と、眼下に広がる星の街と淡く耀く浮島の数々。
 メリーナは飽くまで冷静に、見える範囲で浮島の全体的な配置・距離感を冷静に脳裡に記憶してゆく。
 そしてそっと目を閉じ、島を効率よく巡る為の最短経路を瞬間的に弾き出した。
「――よっし、これでおっけ~♪昨日練習しておいてよかった」
 意外とこの手の計算、結構得意なんですよね。と自負しつつ。
 地上に戻ったメリーナは計算した最短経路を二人に説明する。

「了解です!ありがとうございます、メリーナ様。じゃあ私は自力で移動しますね、お二人は先に!」
「――よし、じゃあ最初の浮島に向かって飛んでいくわよ。メリーナ、準備はいい?」
 ベロニカはワーニン・フォレストを呼び出し、メリーナを抱きかかえさせて自分はワーニン・フォレストの背に掴まる体勢を取った。
「ベロニカさん、いつでもおっけですよ~♪ルナさんはまた現地で落ち合いましょう!」
 抱えられながらふりふりと手を振りつつ、次の瞬間には地面から勢いよく伸びた看板にメリーナたちは空高く打上げられていった。
「――っわぁ。すごい、あんなに高く……あ、もう見えなくなった」
 ルナは夜空に消えていった二人を見送ると、辺りは急にしん、と静まり返る。
「……わたしも、二人の後を追わなくちゃ」
 ルナはキラキラと耀く三日月型の斬撃を発生させつつそれを足場に、ジャンプでぴょんぴょんと星の架け橋の上を高速移動していった。

 ――ルナが最初の浮島に到着した頃、先に着いていたメリーナとベロニカは手近なオブジェクトを調べ始めていて。
「あ!ルナさん、待ってました♪素材ってどの辺りでとれそうですかね?」
「そうね、ルナに任せるのが早そうだわ。期待してるわよ、トッププレイヤー!」
 二人の声にルナは表情を綻ばせつつ、頼りにされて嬉しそうに頷いてみせる。
「――そうですねぇ。たぶんあの辺とかあの辺じゃないですかね!」
 プレイヤー経験を頼りにそれっぽい場所を指示しつつ、三人はあっさり素材が採れるオブジェクトを発見した。
「わ、これがそうなんですね♪普通の大きな岩に見えますけど、どうやって採れば良いんでしょう?」
「採掘は採取ポイントに攻撃すれば良いのです!多段攻撃でさらに素材もりもりです!」
「なるほど!沢山攻撃してみればいいんですね、それじゃあ私は両手に剣で攻撃しちゃいますね♪」
 ルナのアドバイスを頼りに、メリーナは短剣を両手にえいえい!と採掘していく。
「じゃあ私もワーニン・フォレストと一緒に攻撃してみるわ」
「私もがんばりますよ!あ、ちょっと眩しかったらごめんなさい!」
 ベロニカは二人分の攻撃、ルナも斬撃を放ちつつ、採取ポイントに攻撃を当てていく。
 すると周囲にパラパラと沢山の光る小石が散らばった。これが星灯りの石だろう。
「ある程度集めたら、次に行ってみましょうか!」
 ルナが先導しつつ、三人は次々と素材を掘り出していった。

「わー、ざっくざく出てくる感が楽しいですね♪」
「そうね、こんなに簡単なんて。これを渡しに行ったらのんびり浮島散歩もしてみたいわ」
「あ、それ良いですね、映えスポット探しながら歩き回るのも!」

 愉しげな会話を弾ませつつ、三人は沢山の素材を集めていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夏目・晴夜
リュカさんf02586と
枝に石に実、小学生が帰り道で拾っていきそうなラインナップでいいですよね
童心に帰って楽しく採取していきましょう!

鼻の頭に?一体何故?
意味ないなら邪魔そうなのでお断りしたいですが、多めに採取はしたいです
多めに用意した結果、褒められたりとか
余った分をリアルに換金できたりとか
10時間くらい大いに褒められたりとか
何か嬉しい事がありそうなので!

という感じで
凄まじい褒められタイムを期待し、
UCを駆使しながらせっせと採取します
リュカさん、一人勝手に変な場所へ行って迷っても知りませんよ
瓦礫の裏側?明らかに危なそうなのでお断りしたいですが、鬼のように褒めてくださるならやぶさかではないです!


リュカ・エンキアンサス
晴夜お兄さんf00145と

浮き島探索だね
いつだって未知の場所に行くのは心が弾む
それにしても枝と実と石か…
わかる。なんだかこう、心躍るよね
お兄さん、実か石少し多めに採取して鼻の頭につけない?
いや、特に意味はない
でもせっかくだから、沢山(10個以上)持って行ってみるか
こういうのは過剰にしたくなる。ゲーマーの性

とかおしゃべりしながら採掘兼探索
出来るだけたくさん取りたいのもあるけど
珍しい地形や物品を見つけたらついつい好奇心で見に行く
危なそうならお兄さんを生贄にする
「ねえお兄さん、ちょっとあの瓦礫の裏側とか見に行かない?
うんうん、(雑に)誉める誉める

あと合間に暇を見て星灯りの枝で意味なくお兄さんをつつく



 街で女神からのクエストを引き受け、リュカと晴夜の二人は手始めに一番近い浮島へと来ていた。
「それにしても枝と実と石か……」
 子供でも集められそうな身近でちいさな物たち。
 実際それで街の建物が元通りになるのかは……ゲーム世界なので一旦置いておくことにした。
「小学生が帰り道で拾っていきそうなラインナップでいいですよね。童心に帰って楽しく採取していきましょう!」
「うん、それはわかる。なんだかこう、心躍るよね」
 いつだって未知の場所に行くのは心が弾むものだ。
 まだ名前だけしかしらない、それらの素材は一体どんなものなのだろうか。

「――これが光る枝ってやつかな?」
 リュカが何となく見つけた木の枝の先端は光っていて、近付くと木全体がほわりと光り始める。
 試しにその木の枝をナイフで切り落としてみれば、本体の枝は何故か傷ひとつ付かず、けれど切った手応えはあり、足元にぽろりとひとつ光る小枝が落ちてくる。
 へぇ、とリュカは小枝を拾い上げ、くるくると回しながらマジマジと観察をしてみた。
「これが星灯りの枝か、素材ってこういうものなんだ」
 木の枝そのものを採るわけではない、飽くまでも素材というアイテムが出てくる、といった感じだろうか。
 でなければ、こうしたクエストがある地域では森が焼け野原になっていても不思議ではない。
「……なるほどねぇ」
 リュカは妙に納得しつつ、引き続き星灯りの枝を集めてゆく。
「リュカさん!こっちでは実が取れそうですよ、手分けして集めましょうか」
「りょーかい、じゃあそっちはお兄さんにまかせるね」

 一頻り周辺の採取ポイントから素材を取り終え、二人で集めた素材を数えながらリュカはふと思いついて星灯りの実を手に取ってみる。
「――お兄さん、実か石少し多めに採取して鼻の頭につけない?」
 ずいずいと実を持った手を向けるのは晴夜の顔の前。
「鼻の頭に?一体何故?」
「いや、特に意味はない。なんか楽しそうだなって思って」
「――意味がない、なら邪魔そうなのでお断りしたいですが、多めに採取はしたいですね」
 リュカは出していた手を引っ込めると、ふむと思案しつつ。
「……確かに。せっかくだから沢山持って行ってみるのも。こういうのって過剰に集めたくなるものなんだよね」
「それに、多めに用意したら良いこともあるかもしれませんし!」
「――良いこと?」
「そう、例えば――。
 多めに用意した結果、褒められたりとか。
 余った分をリアルに換金できたりとか
 10時間くらい大いに褒められたりとか。
 何か嬉しい事がありそうなので!」
「……要するに、お兄さんは褒められたいのか。褒められるかどうかはともかく、感謝はしてくれそうだけどね」
「でしょう!というわけでもっと沢山集めましょう、リュカさん!」
 凄まじい褒められタイムを期待し、晴夜は意気揚々と次々に素材をかき集めていく。
 リュカはそんな晴夜を横目に、ふらりと周囲の散策をしてみることにした。
「あ、リュカさん、一人勝手に変な場所へ行って迷っても知りませんよ」
「大丈夫大丈夫、危なそうならお兄さんを呼ぶから」
 そう言いつつ、リュカは先程から気になっていた瓦礫の山の裏側を覗き見る。
 まだそちら側は未探索なのだろう、視界の先は薄っすらと霧がかっていて。
「ねえお兄さん、ちょっとあの瓦礫の裏側とか見に行かない?」
 リュカは手にした星灯りの枝でツンツンと晴夜の背中をつつきつつ、なにやら怪しそうな瓦礫の裏側を指し示した。
「瓦礫の裏側?明らかに危なそうなのでお断りしたいですが、鬼のように褒めてくださるならやぶさかではないです!」
「……褒める。そうか、うん、褒める。晴夜お兄さん、凄い、かっこいい」
 なので行こうと、ツンツンと晴夜の肩を枝でつつくリュカ。
「――なんだか心が篭っていない気もしますが。仕方ないですね、ちょっと覗きにいくだけですよ」
「よーし、じゃあお兄さんが先陣ね。俺は後ろから付いていくから」
「……って、なんだかハレルヤを盾にしようとしてません?」
 気のせい気のせい、とリュカは晴夜の背中をつつきながら先を促した。

 問題の瓦礫の裏を覗き見た二人は何もない事を確認すると安堵と残念そうな表情を浮かべ。
 けれどまだまだ森は広がっていて、先に進めば素材がまたあるかもしれない。
 二人は散策がてら冒険をしつつ、沢山の素材を集めていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

青和・イチ
あ、光が…
(街に灯った光に、拙いながらも嬉しげに目を細め)
光って、やっぱり、心が温かくなるっていうか…
うん、まさに、希望なんだね
元の街もきっと、綺麗なだけじゃなく、温かい感じだったんじゃ、ないかな
ますます見てみたい、頑張ろ

浮島へは、歩いたり、時々空中浮遊したり
わ…星の上を、歩けてるみたいだ
「星座みたい」って聞いたら…上から見ない訳に、いかないでしょ
(くろ丸抱えて上空へ。目が眩むような夢心地の幸せ空間)
…ん。元気とやる気、満タン

星灯り…枝や実って事は、森とか…畑?とかかな
くろ丸と手分けしつつ島を探索
付近に動物が居れば、動物使い・話す技能で、それらしい物がないか情報収集・協力を頼む
1つ見つかれば、後はくろ丸の嗅覚で探し…あっくろ丸、実食べちゃダメ

石の方は、その辺に落ちて…る事は無いか、さすがに
山や川、洞窟…かな
好きこそものの上手なれ、鉱石好きパワーでわくわく宝探し
クエストアイテムは、大抵存在感出してるはず
暗い場所は、この眼鏡の力(?)で暗視して
各島を渡り、10個以上の成果を目指します



「――あ、光が……」
 街灯にぽつぽつと、淡い光が灯る。
 眩しい輝きとは違うけれど、優しさと温かさを感じる灯火がアステリアの街を静かに照らした。
(「光って、やっぱり、心が温かくなるっていうか……」)
 薄暗かった街に小さな光が戻った、只それだけの筈なのに。
 その光に希望や未来を感じて、淡く照らされたイチも拙いながらそっと目を細める。
 きっと元の街の姿も綺麗なだけじゃなく、温かい光が沢山溢れていたんだろう。
「……ますます見てみたい、頑張ろ」
 イチは小さく決意を固め、女神からのクエストを受け取ったのだった。

 ――浮島へ続く星の架け橋は、暗い夜の空にキラキラと輝いて。
 それはまるで、星屑や天の川の上を歩くような感覚だった。
 イチの歩む足音も、自然と思わず弾んでしまう。
(「星座みたいに、見えるんだっけ……そう聞いたら、上から見ない訳に、いかないでしょ」)
 ゲーム世界でも浮遊能力は問題なく使えるだろうか。
 イチは数歩試してみて確認した後、くろ丸を抱え上空へと向かって軽くジャンプした。
 ふわりと身体が浮く。浮かびながら、ある程度の高さまで上ると改めて街の方を振り返ってみた。
「――わ、本当だ」
 淡い光が戻ったアステリアの街を中心に、周囲に点在する浮島も淡い光を灯し星の様に光っている。
 その星同士を繋ぐ、幽かに耀く線が星の架け橋だろう。
 空から見る光景は眩むように美しくて、夢心地に包まれた幸せな空間だった。
「街に本来の光が戻ったら、きっと、もっと綺麗なんだろうな……」
 イチは小さくこくりと頷きつつ、元気とやる気を満タンにして再び浮島へと足を向けた。

「星灯りの……枝や実って事は、森とか……畑?とかかな」
 点在する浮島にはそれぞれ大きさや特色に違いがあるようで。
 イチが最初に辿り着いた浮島は長閑な自然が広がる緑溢れる浮島だった。
「とりあえず探索してみるしかないかな、クエストアイテムは、大抵存在感出してるはず」
 くろ丸も手伝ってくれる?と相棒の頭を撫でつつ、ふたりは手分けして島の探索を始めた。
 ――島に人の気配はない。
 人工的な照明の類もないが、星明りで歩ける程度には視界は確保されている。
 イチはメガネをくいっと持ち上げつつ、念のため暗視能力を駆使しながら先へと進んだ。
 どうやら小動物や鳥などは棲み着いている様子で、通り掛かった小さなリスたちにイチは屈みつつ、そっと話し掛けてみる。それらしい物を見たことはないかな?、と。
 するとぴこりと耳を立てて、リスはとてて、とイチを誘うように森の奥へと走ってゆく。
「……そっちにあるの?」
 イチはリスを追い、草や木々を分けて森の奥へと進んでいった。
 そして漸く視界が開けた場所に辿り着くと、一本の大きな果樹が生えていた。
 周囲の木々とは明らかに違う見た目のその木に近付けば、ほわりと光が灯る。
 この光はクエストオブジェクトの目印、だろうか。
「案内、ありがとね。……これは、実かな?」
 気に生っていたのは光り輝く丸い果実だった。
 大きさは片手に収まる程度、重さは殆ど感じない。
「クエスト用の素材ってことだし、普通の果物とは違うみたい……。とりあえず、ひとつ目は見つかったし、後はくろ丸の嗅覚で探し……。あっくろ丸、この実は食べちゃダメ」
 食べるものと間違えないようにと制止しつつ、くろ丸に匂いを嗅がせて覚えさせると、一旦くろ丸には他の実を探しに行ってもらった。
「あとは枝と、石だっけ。枝はこのまま森を探索していれば何処かにあるかな……石の方は、その辺に落ちて……る事は無いか、さすがに」
 山や川、または洞窟か。
 石という名称から察するに、小石程度の小さなものなのかもしれない。
「それならまず川に行ってみようかな。さっき上から見た時、あっちの方に流れてたような気がする」

 さらに森を進むと、少しずつせせらぎの音が近付いてくる。
 どうやら此方の方向で間違いは無さそうだ。
「――川、あった」
 イチは木々の間からひょこりと姿を覗かせた。
 暫く森の中に居たからか、吹く夜風はなんだか心地好く感じて。
 流れる小川にそっと近付いてみれば、川の水面がぽわりと光出した。
「……あ、ここにもあるのかな?」
 川辺を良く見てみれば、小さな光がキラキラと輝いている。
 それは光り輝く小石だった。きっとこれが星灯りの石なのだろう。
「――わ、きれい」
 ひとつ手にとって見れば、イチの手のひらの上で星灯りの石は淡く光り輝いた。
 その光を暫く見つめた後イチは大事そうに小石を鞄に仕舞う。
(「……よし、好きこそものの上手なれ、鉱石好きパワーで宝探しだ」)
 俄然やる気が出てきたと、イチは軽く腕まくりして川辺で光る小石を探し始める。
 そんなさなか、タタタッと軽快な足音が近付いて。
「あ、くろ丸おかえり。星灯りの実、見つけてくれたんだ」
 くろ丸は小さな布の包を咥えながら、尻尾をふりふりと振っている。
「ありがと。この川をもうちょっと調べたあとは、また別の場所を探索してみようか」

 ――そうして星の光を求め、イチとくろ丸は夜空に浮かぶ島を渡り歩いて行ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セリオス・アリス
【双星】アドリブ◎
アイテムを渡せばじどう…
なんかすごくすごいってことだな!
とにかく集めればいいのはシンプルでいいや

アレスとふたりでまずはこの世界がどんなものか見つつオブジェを探そう
げーむの世界っていうけど…普通の街だなぁ
星の橋がキラキラきれいだ
これが一瞬でもっときれいになるなら張り切らないと!
ふんすと気合をいれて第六感でオブジェを探す
小さい頃の宝探しみたいでワクワクするな
あっちだって方向が決まったら
アレスの手を引いて走っていこう
ほら見ろアレス!あのオブジェあやしいぞ!
そっとお宝を探すようにオブジェから素材を入手
なるほどこうするのか…よぉし!ふたりでめざせ20個だ!だって多いほうが強い!
多く取るために器用に道具を作るアレスの手元をキラキラした目で覗き込む
ヴェガも呼んで準備万端じゃん
俺は同じようにはできないけど
アレスがいっぱい取れるように【赤星の盟約】─応援の歌を歌おう
ふふ、お互いに応援しあってるなぁ
くすぐったくて少し笑って
お宝探し再開だ!
見つけるのは任せろ!
いちばんのキラキラを探してやる!


アレクシス・ミラ
【双星】アドリブ◎
ここが新しい世界…色々と不思議な所だね
僕達も復興のお手伝いを頑張ろう

先ずは一緒に歩いて探索を
そうだね。…きっととても綺麗な街で、誰かの居場所でもあったと思う
やる気満々だね、彼を微笑ましく見てると
わ…!セリオス!
手を引かれながら走っていると
子供の頃に一緒にした探検のようで
自然に心が弾む
お手伝いの途中だけど
繋いだ手が冒険の始まりの合図だ

見つけられたら、狩猟の要領でオブジェクトへ採取を試みよう
…え、そんなに?
はは、君らしいな
なら…ちょっと待っていてくれるかい?
硬い石と木の枝を拾って組み合わせ、地属性の魔力で固定し
即席の石斧とピッケルを作ろう
これで採取と採掘をしよう
それからこの子と光の力も借りよう
愛馬のヴェガを呼び
【聖域の戦歌】で街の星灯りとセリオスを支えられるようにと
淡い光を降らせよう
…ああ、素敵だね
君の応援があれば僕はどこまでだって頑張れるよ
ふふ。本当だね
さあ、ふたりでヴェガに乗って浮島を巡って行こう
目指せ10個ずつ…大丈夫、僕らには互いの応援がついている
街に沢山届けよう!



「ここが新しい世界……色々と不思議な所だね」
 アレクシス・ミラはクエストの受諾ボタンをぽちりと押しながら、やっぱり不思議だと再度小首を傾げてみる。
 視界にポップアップしたゲームに関する各種ウィンドウや、アイテムが自動的に収納されるインベントリなど。
 魔法のようでいてそうではない、この世界の仕組みはちょっとだけ変わっている。
 けれど感覚的に理解出来るようにはなっていて、その点だけは少しホッとした。
「よーするに、この3種類のアイテムを集めればいいってことだな!」
 表示されているクエスト情報を読みながら、セリオス・アリスも内容を理解して、うんうんと頷いた。
「でも建物を直すために、俺たちはアイテムを渡すだけでいーのか……?」
 もっともな疑問にセリオスは腕組しつつ、傍らのアレクシスも似たポーズを取った。
「うん、どうやらそうみたいだよ。アイテムを渡せば自動で建物が修復されるとかで、」
「じどうで……?なんかよくわかんないが、すごく、すごいってことだな!」
「ふふ、そうかも」
 セリオスの言葉に、アレクシスはくすりと柔く微笑んだ。

「げーむの世界っていうけど……普通の街だよなぁ」
 二人にとってこの世界は初めてで、だからこそと街中を少し見て回っていたのだが、見た目は至って普通の街並みだ。
 壊された建物が多いのと、人の気配が全くしないことを除けば。
「そうだね。……きっと、とても綺麗な街で、誰かの居場所でもあったと思う」
 アレクシスがぽつりと零せば、セリオスも小さく頷いて振り向く。
「……うん、そーだな。これが一瞬でもっときれいになるなら張り切らないと!」
 そうして大通りを道なりに進めば、アステリアが浮かぶ島の先端へと辿り着く。
「あ、あれが星の架け橋ってやつか!」
 たたっとセリオスが先に駆け出し、夜空へと続く光の帯をまじまじと見つめた。
「アレス!キラキラできれいだ!」
「わ、本当だね。……夜空に浮かぶ星の架け橋、かあ」
 その設定はなんともロマンチックで、上空から見るとこの橋が繋がり全体が星座のようにも見えるらしい。
 星の橋はゆるいカーブを描き、夜空に浮かぶ小島へ二人を導いていった。

「――この辺で素材が採れるんだったな。よし、行くぞ!」
 島に到着するやいなや、ふんすと気合を入れ、セリオスはアレクシスの片手をぱしっと握って駆け出した。
「わ……!セリオス!」
 急に手を引かれて少しバランスを崩しながらも、アレクシスはセリオスの歩みに合わせて彼について行く。
 二人は素材が採れるオブジェを探し求めて、星明りに照らされた夜の森へ足を踏み入れた。
 あっちかな?――いや、こっちかも?
 闇夜の中で光り輝く宝物を探して、自然と足並みも弾んでゆく。
「なんだか小さい頃の宝探しみたいでワクワクするなー」
「ふふ、僕も同じことを思ってたよ。子供の頃一緒にした探検みたいだなって」
 二人は思わず顔を見合わせて、嬉しそうに笑いあった。
「――あ、ほら見ろアレス!あのオブジェあやしいぞ!」
 セリオスが見つけたのは周囲の木々とは明らかに見た目が違う一本の大木。
 二人が近付いてみれば、木のオブジェはほわりと光を放ち始める。
 クエストオブジェクトの目印、というやつなのだろう。
「これは……星灯りの実かな?ほら、この光る実がそうなのかも」
 アレクシスがそっと手で取ってみれば、ころりと丸い実が手のひらの中で光り輝く。
「なるほどそうするのか……よぉし!」
 セリオスもアレクシスの真似をして、そっとオブジェの実に触れてみた。
「うんうん、そんな感じ」
「……っし、採れたぞ!」
 ほわりと二人の手の中で輝く星灯りの実。
 セリオスはその光を見つめながら、大事そうにそっと鞄に仕舞い込んで。
「――うん、よし!ふたりでめざせ20個だ!」
「……え、そんなに?」
「ああだって、多いほうが強い!だろ」
「はは、なるほど。君らしいな」
 アレクシスは楽しそうに笑みを零しつつ、ひとつ思い付いた表情を浮かべた。
「なら……ちょっと待っていてくれるかい?」
「ん?なんだなんだ」
 何やら道具や素材を取り出し始めた様子を、セリオスは興味深そうに見守る。
 アレクシスは辺りにある手頃な硬い石と木の枝を拾って組み合わせ、位置を決めると地属性の魔力で形を固定させた。これならば簡単に壊れることはないだろう。
「はい、即席の石斧のできあがり。あと、採掘用のピッケルも作っておこうか」
「おおー、アレス器用だなぁ。道具を作っちゃうなんてさ」
 さらりと採集道具を作り上げるアレクシスの手元をセリオスはキラキラとした瞳で覗き込む。
「はは、簡単なものだけどね。無いよりはきっと効率が良いだろうと思って。……それから、この子と光の力も借りようか」
 アレクシスは愛馬のヴェガを呼び、そして聖なる淡い光を周囲に降らせた。
 光の降り注ぐ地は清浄な空気に包まれて、まるで聖域のような、アレクシスにとっても懐かしい感覚を呼び起こす。
「この光で、街の星灯りとセリオスを支えられたらと思って」
 光に照らされたアレクシスが柔く微笑むと、セリオスも返すように笑顔を見せて。
「なら俺は、アレスがいっぱい取れるように応援の歌を歌おう!」
 ――星に願い、鳥は囀ずる。いと輝ける星よ、その煌めきを彼の人に――。
 セリオスの澄んだ歌声が夜の森に響く。
 その歌声はアレクシスを、二人を導き鼓舞するように聖なる光と合わさって。
「……ああ、素敵だね。君の応援があれば僕はどこまでだって頑張れるよ」
「ふふ、お互いに応援しあってるなぁ」
「ふふ、本当だね」
 互いが互いを支え合う。
 それがなんだかくすぐったくて、二人は顔を近付けて同じように笑みを零した。
「――さあ、ヴェガに乗って浮島を巡って行こうか」
 アレクシスは颯爽と白馬に乗り、セリオスにそっと手を差し出した。
「ああ、お宝探し再開だな!」
 セリオスはアレクシスの手を取り、ヴェガの背に飛び乗る。
「ふふ、目指せ10個ずつ……だね。大丈夫、僕らには互いの応援がついている」
「見つけるのは任せろ!いちばんのキラキラを探してやる!」
 アレクシスはヴェガの手綱を取り、二人は光に照らされた森の奥へと進んでいった。
 星の光を、沢山の輝きを取り戻すために――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『煌めく街灯り』

POW   :    イベントを楽しむ

SPD   :    のんびり街めぐり

WIZ   :    イルミネーションを眺める

イラスト:羽月ことり

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



『――まあ、こんなに沢山……!どうもありがとうございます』

 青い瞳を耀かせ、ルミナの手元には沢山の星の光が集う。
 星灯りの枝、星灯りの実、星灯りの石。
 猟兵たちが集めてきた淡い灯火が、ひとつの大きな輝きへと変わって。

『ええ、これだけの星の光があれば……街の灯りも取り戻すことが出来るでしょう』

 ルミナは輝く星の光を天へ掲げた。
 すると辺り一面、眩い光に包まれる。

(『――ありがとう、心優しい冒険者たち』)

 白い光の中で、ルミナの囁く声が聴こえた。

=<Quest>==================
【星の光を集めよう!】 依頼者:ルミナ(星彩アステリア)

 ――★Compleat!★――

【報酬】トリリオン、EXP
【追加ボーナス】
 名称:星の女神の息吹
 詳細:アステリアの街を救った冒険者に与えられる、星の女神からの祝福の光
 装備効果:毎秒HP1%自動回復
==========================

 視界を覆う光が消えると、そこにルミナの姿はなかった。
 替わりにインベントリウィンドウが点滅し、新規アイテムが追加されたことを知らせる。
 追加報酬として受け取った、星の女神の息吹。
 装飾品として装備するとキャラクターの周囲に小さな星の光が舞う、いわゆるエフェクト的な見た目のアイテムのようだ。

 ――そして後ろを振り返れば、街の様子は一変していた。

 薄暗かった街は、沢山の光にあふれていた。
 破壊された建物はまるで何事も無かったかのように全てが元通りになり、美しい街並みが広がっている。
 窓からは温かな光が零れ落ち、人々の営みが戻ってきたことを告げるよう。
 家々は煌めくイルミネーションに彩られ、通りに面した各所にはモミの木のクリスマスツリーが飾られている。
 空を見上げれば、星明りも先程よりいっそう美しく輝いて。
 ふわりふわりと揺れる白は、空から降る粉雪だった。
 夜空に輝く、星灯りの街。
 これが星彩アステリアの本来の姿なのだろう。

『冒険者のみなさーん、ちょうどいいところにっ!クリスマスイベント開催中ですよ♪』
 呼び掛けられた声に再度振り向けば、目の前にはいつの間にか巨大なクリスマスツリー、そして一人のNPC女性が現れていた。
 金色のゆるいウェーブヘアに、青い瞳。赤と白のふわもこ衣装を纏っているそのNPCに何処となく既視感を覚えもしたが、名もなきNPCは問答無用に話を続ける。
『あれれ、この街は初めてですか?それなら街を巡りつつ、星のオーナメントを集めるこのクエストとかどうでしょう?』
 NPCがひょいと片手を翳せば、クエストの詳細ウィンドウがポップアップする。
 内容は街の各種お店や施設を巡りつつ『星のオーナメント』というイベントアイテムを集めるものらしい。
 オーナメントはクエスト進行中、お店で買物をしたり、街のNPCに話し掛けたりすると貰えるようだ。

 アステリアの街には、沢山のお店がある。
 芳ばしい香りが誘うパン屋では、石窯で焼いたふわふわの焼き立てパンを購入できる。
 そして向かいの店で売られている温かなミネストローネスープと一緒に食べるのがどうやら定番らしく、店の外にはテラス席も用意されているようだ。
 他にも淡い光を灯すランプのお店や、星をモチーフにした雑貨店。
 冒険者向けの宿屋や道具屋はもちろんのこと。
 武器屋や魔法スキルのお店ではこの街限定の装備や魔法もあるのだとか。

『ね、どうです?街を一巡りするにはちょうどいいクエストですよ♪』
 少々押しが強いのは気になるものの、確かに街を巡るには良さそうなクエストかもしれない。
 もちろんクエストに関係なく、のんびりと気ままに街を散策するのもいいだろう。
『それとですね。オーナメントを集めたらツリーに飾ってもらうのですけど。そのとき一緒にお願いごとをすると、叶うってウワサもあるんです』
 NPCの女性はひそひそと小声で話しつつ、軽くウィンクしてみせる。
『………。あ、今嘘っぽいとか思いました?ウソじゃないですよ、ホントですよっ!』
 そのウワサを信じるかどうか、その判断もこちらに委ねられたようだ。

 斯くして、星彩アステリアは本来の姿と輝きを取り戻した。
 オススメ通りクリスマスイベントのクエストを受けてみるのも、気ままな街巡りでも良いだろう。
 街の外に足を向けて、別の角度からアステリアを見てみるのも選択肢のひとつ。

 変わらない夜空に浮かぶこの街は、この先も絶えず光り輝き続ける。
 けれど取り戻されたばかりのこの光は、今宵だけのものなのだから。


 * * *

●マスターより
 素材集めお疲れ様でした。
 皆さんの頑張りで街はすっかり元の活気を取り戻したようです。
 そして隠し要素がもはや隠しではなくなっている(心優しい皆様に感謝です。猟兵ぱわーすごい)
 2章リプレイでは構成の関係上、ルミナとのやり取りが殆ど入れられなかったので、
 断章として続きを追記させていただきました。

 というわけで、3章は光が戻ったアステリアの街で過ごす日常章です。
 上記のご案内以外にも、自由な発想でお楽しみください。
 ※プレイングの行動は何処か一箇所をメインに書いていただく事を推奨します。

●NPC・グリモア猟兵
・ルミナ(NPC):街の復興を見届け、姿を消しましたので登場しません。
 クリスマスイベントNPCは似ていますが別人扱いとされているようです。
・ノヴァ(グリモア猟兵):のんびり街をぶらついているか、星の架け橋を歩いています。
 直接お声掛けいただいた場合のみ登場します。

 詳細、説明は以上となります。
 それでは、佳き時間をお過ごしください。
 
 
レルヒェ・アルエット
星彩アステリアの本来の姿は
取り戻せたかな、其れは良かった
今宵はそのまま冒険者らしく
初めてな街の観察としようか

飲食の類いは誰かと一緒の方が良いと
此の前訪れた別世界で知った事だし
ランプを置くにはうちのダンジョン花畑だしなぁ…
武器や装備は兎も角、限定の魔法スキルというのは
少しばかり興味も湧いてきたあたりで

グリモア猟兵のノヴァにも
忙しくなさそうだったら声を掛けてみようかな
ゲーム創ったり管理する側だから
普通な街歩きの視点も聞いてみたいと思って
折角ここはアステリアという名の街、
星やら夜やら好きなものの話でも良いけれど
ありがとう色々聞かせて貰って参考になったよ
機会が巡れば、また何処かで

アドリブ歓迎



 星彩アステリアの街に、煌めく光が戻った。
 一つの街を救う、一連の流れを見届けた序にと。
 初めて訪れたこの街も観察も兼ねて、レルヒェは輝く街明かりへと歩を進めて行った。

 ――さて、どう街を巡ろうか。
 美味しそうな香りが誘うパンやスープのお店からは白い湯気が立ち昇っている。
 思わず立ち止まってみるものの、眺めるだけでその手は伸びず。
 飲食に全く興味がないという訳ではない、けれど。
(「誰かと一緒の方がより美味しく感じるって、この前知ったことだし」)
 今は取り敢えず良いかな、と再びレルヒェは歩みを進めた。
 通りに軒を連ねる店は様々で。
 この街らしい灯りを扱うランプ屋、小物や日用品を取り揃えている雑貨屋。
 武器や防具、魔法スキルのお店など、種類や軒数も多様に揃っている。
(「ランプ……を置くには、うちのダンジョンは花畑だしなぁ」)
 照明として置くとしてもどう設置するかは上手く思いつかず。
 小物や日用品も今は特別必要としていない。
 武器防具、魔法やスキルはこの街限定のモノがどうやら在るようで。
 それには少しばかり興味を惹かれつつ、ふと視線を先にやると人々の喧騒から離れていく人影が目に留まる。
(「――アレって、確か……」)
 レルヒェはその後姿が何となく気になって、気付けばその人影を追い掛けていた。

「――やあ、ノヴァ……だっけ?」
 追い掛けた先、彼の人物は此度の依頼を案内していたグリモア猟兵だ。
 こうして顔を合わすの数刻振りだろうか。
 レルヒェの呼び掛けにノヴァは振り返り、彼の衣装の装飾がしゃらりと澄んだ音色を響かせる。
「……ああ、レルヒェ、だよね。お疲れ様」
 うん。とコクリ、小さく頷きを返しつつ、レルヒェはノヴァの隣に並んだ。
 どうやら彼は街の外れから、広がる夜空を眺めていたようで。
 レルヒェも何気なく、空と街との境目に在る手摺にそっと手を掛ける。
「街の様子は見に行かなくていいの?」
 先程の後ろ姿は、街の喧騒からわざわざ離れていく様にも見えたから――と、そこまで言葉にはしなかったけれど。
「さっき見てきたよ。無事元通りになってよかった」
 君たちのおかげだね、とノヴァの言葉にレルヒェはどうも、小さく笑んで。
「――そういえばこの街、アステリアって云うんだっけ」
「ああ、どこかの言葉で星座という意味らしいな」
 そう返すとノヴァは再び星の輝く夜空へと視線を向けた。
 何と無しにレルヒェはその横顔を見上げて、浮かんだ言葉が衝いて出る。
「ノヴァは、星や夜が好きなの?」
 レルヒェの言葉にノヴァは少し目を丸くして。
「おや、なんで分かったんだい?」
「……何となく、表情を見ていれば分かるよ」
 そんなに判りやすかったかな、と眉を下げて笑うノヴァにレルヒェも思わず口元を軽く抑えて。
「確か、このアステリア周辺は常に夜として設定されているのだっけ」
 だから時間帯問わず、何時でもこうして星を眺めることが出来る。
 それは彼のような人からすれば、さぞ居心地のよい場所なのだろうか。
「けど、この星空はゲーム世界の造り物の景色なんだよね。……やっぱり本物のほうが良いって、思ったりはしない?」
 レルヒェの問に、ノヴァは暫し考えるような仕草を見せて。
「――どう、かな。確かに本物と比べたら、違いは在るかもしれないけれど」
「本物か造り物かはあんまり関係ないと、俺は思うかな。この景色を見た人が美しい星空だと感じたなら、それが答えなんじゃないかと」
 そう零しつつ、ノヴァは再び夜の空に視線を移す。
「ふーん。そういうもの、なのかな」
 たぶんね、と相槌を打つノヴァを横目に、レルヒェも空に目を向けた。
 未だこの世界以外の景色をよく知らないレルヒェにとって、ノヴァの言葉の真意は上手く汲み取れない気がしたけれど。
「……そうだね、わたしも暫く、この星空を眺めてみようかな」
 レルヒェの言葉に、ノヴァは小さく頷きつつ微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜鳥・藍
綺麗な街並みに戻った事ですしクエストをこなしながら散歩と行きましょうか。
光が戻っただけで見違えるよう。
……ああいい香り。焼き立てパンにスープはとても心惹かれるわね。けど何か食べるには少し早いし。

街中を歩き回って足を止めたのは雑貨屋さん。
やっぱり星モチーフがたくさん。何がいいかしら?
女神様から頂いたものは自宅の方(の世界)では使いにくいでしょうし、何かしらお土産になりそうなものは……と。
ランプとコンパクト鏡は持ってるからそれ以外がいいわね……あ、この三日月と星があしらわれた簪にしましょう。まとめ髪にしたときにちょうどいいかも。
買い物も済んだし先程のパン屋さんに行きましょうか。



 アステリアの街に、沢山の煌めきが戻る。
 壊れた建物は瞬く間に修復されて、人々の楽しげな笑い声が聴こえて来た。
 藍は一瞬のことにぱちりと瞳を瞬いて、けれど嬉しそうに頬を緩める。
(「光が戻っただけで、まるで見違えるよう」)
 自然と足が街の通りへと向かう。
 芳ばしいパンに香草のスープのいい香り、思わず立ち止まりたくなってしまったけれど。
 まだ、のんびりと腰を下ろして休憩するには早い気もして。
(「……もう少し、街を巡ってみましょうか」)

 星彩アステリアという名の通り、建ち並ぶ店先には星モチーフの物がよく目に留まる。
 食料品から日用品、魔法アイテムや装備品など、店によって取り揃えている商品は様々で。
 そんななか藍は、一軒の雑貨屋に足を運んだ。
 この店も星モチーフの雑貨が沢山並べられていて、藍はキラキラと瞳を耀かせた。
 せっかくなので何かお土産になりそうなものを、と店内をゆるりと廻る。
 先程、星の女神から貰ったゲーム内で装備出来るという光輝く装飾品は、元の世界に戻っても流石に使いづらいだろうと思いつつ。
 買うのならば日常的に使えるものが良いだろうか。
 星の降るランプ、星座が描かれたコンパクトミラー、どれも惹かれるものばかりで思わず手が伸びそうになる気持ちをグッと堪えつつ。
(「いえ、既にこういうのは持っているし……そう何個も必要はないでしょうし」)
 うぅん、と悩む藍の視界にキラキラと輝く光が映る。
「……あら、これは――」
 そこは髪飾りやヘアゴムなど、ヘアアクセサリーが揃えられているスペース。
 目に止まった輝きは、どうやらアクセサリーに使われているクリスタルの反射する光だったようだ。
 キラキラと輝く光の中、藍が手に取ったのは一本の簪。
 揺れる三日月と星があしらわれた、銀製のシンプルで美しい簪だ。
「――これにしようかしら。まとめ髪をしたときにちょうどいいかも」
 藍は簪を手に、ホクホクとした様子で会計を済ませに向かった。

「――はい、おねえさん。これもオマケにあげておくわね」
 会計係の女性が藍に商品と共に手渡したのは、小さな星型のオーナメント。
「……そういえば、イベントクエストで必要なものだったわね」
 藍は礼を述べつつ、簪が入った小さな紙袋と星のオーナメントを揺らして店を後にする。
 オーナメントは揺らすとキラキラと光り輝く素材で出来ており、藍はくるくると回しつつその様子を眺めてみる。
(「街巡りが終わったら、ツリーへ飾りにいこうかしらね」)
 よし、と今後の目的も決まりお土産も購入したところで――。
 藍は楽しみにとっておいた、焼き立てパンのお店へ足を運ぶのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

青和・イチ
これが、アステリア…なんだね
思った以上…いや、想像も出来なかったくらい、綺麗
それに…やっぱり温かい

街巡り?のクエストか…楽しそう
(パンの話を聞いて、くろ丸がぴょんぴょん跳ねる
そう言えば、わりと動いたし…お腹空いたね(腹の音が鳴る

紙袋にいっぱいのパンと、ミネストローネ、くろ丸にはホットミルクをテイクアウト
少し静かな…星の見える、高い所で食べよう

上も下も光が一杯…星に包まれてるみたいだ
…そうだ、さっきのボーナスアイテム使ってみよう
僕も少しだけ…星の一員みたいに、見えるかな

よし、食べたら街に戻って、オーナメント集めよう
ランプや装備品も見て…あ、宿も星モチーフかな
僕、ゲームの街は、隅々まで廻る派なんだ



「――わ、光が……」
 イチが瞬く間に、瓦礫の山は元の建物へと修復されていく。
 そして、街は沢山の灯りで輝きだした。
「これが、アステリア……なんだね」
 ――この街の本来の姿。
 かがやく星座という意味に相応しい、夜空に浮かぶ星の街だ。
「思った以上……いや、想像も出来なかったくらい、綺麗」
 先程まで廃墟同然だった様子を見ていた分、その差を感じる部分はあるのかもしれないが。
 整然とした街並みや、イルミネーションの灯り、戻ってきた人々の笑い声。
(「……やっぱり温かいな、光って」)

「――街巡り?のクエストか……楽しそう」
 イベントNPCから話を聞きつつ、どうやら街の観光も一緒に出来るようで。
 それならちょうど良さそうと、イチはクエストの開始ボタンを押してみた。
「星のオーナメントはお店で買い物をしたりすると貰えるんだ……。パン屋に雑貨屋に……」
 街のマップ画面を開きつつ場所を調べていると、傍らでくろ丸がぴょんぴょんと飛び跳ねる。
 嬉しそうに尻尾をブンブンと振りつつ、はふはふとイチに何かを訴えるように。
「あ、もしかしてくろ丸、パン屋が気になる?」
 そういえば歩き回ったり採取したりして、わりと動いたのでお腹も空いている。
「そだね、まずは何か食べに行こうか?」
 イチの言葉に、くろ丸はワン!と嬉しそうな声で応えた。

 紙袋にいっぱいの焼き立てパン、ミネストローネは持ち運べる容器に入れてもらって、くろ丸用にホットミルクも購入した。
「少し静かな……星の見える、高い所で食べようか」
 抱えた紙袋のパンの熱がじわりと腕を温める。
 そういえば一応、クリスマスという設定だし季節は冬の設定なのだろうか。
 そう思えば、何だか頬を撫でる風も冷たく感じて。
 足早に往くイチが辿り着いたのは町外れにある小さな公園。
 ベンチやテーブルも設置されていて、イチはそこに腰を下ろした。
「上も下も光が一杯……星に包まれてるみたいだ」
 公園のベンチからは街の灯りを少し離れて見ることが出来る。
 だからこそ、そう思ったのだろう。
 街の輝きと星空の輝きが一体となって、まるで星の海に漂っているような、そんな感覚にさせてくれる。
「……そうだ、さっきの」
 イチは徐ろにインベントリの鞄から、先程のクエストで貰ったアイテムを取り出した。
「えっと……こうやって装備するのかな。あ、できた」
 装飾品の欄に装備すると、イチの周りにぽわりと白い星の光が浮遊する。
 ふわふわと輝く星の灯を連れて、まるで自分自身も星の一員に成れたような気がして。
 ――ワン!と呼ぶくろ丸の声に、イチはぱちりと藍色の瞳を瞬かせた。
「……あ、そうだったね。買ってきたもの、食べようか」
 テーブルの上に包みを広げてランチョンマットの代わりにしつつ、パンとスープを並べる。
 ふかふかの焼き立てパンは手でちぎるとほわりと温かな湯気を浮かばせて。
 ミネストローネはとろりとしたチーズと具沢山で見た目以上に食べごたえがありそうだ。
 くろ丸には少し冷ましたホットミルクを浅いお皿に注いであげた。
「おいしそう……よし、じゃあいただきまーす」
 ホコホコと頬を膨らませつつ、食べながら何と無しに街のマップ画面を表示させる。
 腹ごしらえが済んだら、次は何処を回ろうか。
 ランプや装備品に雑貨屋、通りの目に留まるお店は勿論のこと、冒険者向けの宿屋も気になるところだ。
「……宿屋の内装も、星モチーフだったりするのかな?」
 一通り巡ったらひと休憩に立ち寄ってみようかなと考えつつ、イチはパンを一口頬張る。
「くろ丸、食べ終わったら街に戻ってオーナメントを集めようか。街の隅々まで回ってみたい」
 ホットミルクを飲んでいたくろ丸は顔を上げて嬉しそうにワン!と返事をした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベロニカ・サインボード
【兎団】

星の彩とは良く言ったもので、その名にふさわしいきらびやかな街ね。クリスマスにピッタリ!

みんなでショッピング、あんまりやらないから新鮮かも。楽しみね
日持ちするお土産…そういう観点もあるのね

あー、このぬいぐるみ…かわいい〜。お土産にしたら喜ばれそう
ちょっとお高いけど…せっかくだから奮発しちゃおうかな。トリリオンは結構貯まってるし、メリーナの言う通り、私にとっては貯め込んでも仕方ないし

キラキラでかわいい…ルナらしいチョイスね。あ、ホントに似合うわ
プレゼント?いいの?ありがとう、ルナ!

願い事か…なら私は『GGOがもっと幸せなゲームになりますように』かな


メリーナ・バクラヴァ
【兎団】
お買物ですね♪
見慣れない小物を楽しく手にしては眺めて戻して

ああ、日持ちしそうな可愛いクッキーでも買いたいですね♪
年末年始の帰省のお土産です!
(なお「帰省」で想うのはブレイドの日本。西洋人なのにね?)
…っと、日持ちとかの概念は無いですか?
そういやここはゲームの世界でしたね、綺麗すぎて忘れそうになります!

(ね。忘れそう)(…私がこのGGOに何の為に訪れたのかも)

(うさ耳を試着すると冗談めかし)ぴょん、ぴょん♪
これは楽しいです、ルナさんとお揃い!
(ついでに特技の影絵―今回は手影絵―で兎も作り、迷うベロニカさんに)
買うぴょん買うぴょーん!宵越しのトリリオンは持たないぴょーん?

願い事は
秘密です♪


ルナ・キャロット
【兎団】
ふふ…綺麗ですね。街も皆もキラキラでスクショ映がいい感じです!(ご満悦兎)
オーナメント集めがてらお買い物、限定装備は逃せません!
欲しい物があればきっと案内できますよ!(先輩面)
ひ、日持ちとかは……気にしたことが無いのでわからないかもです…。

私はキラキラ綺麗で可愛いリボンや王冠みたいなのがほしいですね。
わ、この赤いリボンとかベロニカ様に似合いそうです!この青キラキラうさ耳はメリーナ様に似合いそうですよー!(色々見つけて嫌がってなければ購入してプレゼント)
買っちゃうぴょん!です!

オーナメントが集まったら最後にお願いもしていきます!
私はもちろんレアドロ祈願です!!



 アステリアの街に、眩い光が舞い戻る。
 まるで煌めく星明りのような、まさに星の彩とは良く言ったもので。
「星彩アステリア……その名にふさわしいきらびやかな街ね。クリスマスにピッタリ!」
 あのゴーストタウンのような薄暗い雰囲気は何処へやら。
 すっかり元通りになった街の様子にベロニカは満足げな笑みを零す。
「ふふ、ですね~♪ あ、イベントクエストも受注してみましたよ。街を巡りつつオーナメント集めも楽しめそうです」
 メリーナはもはや慣れた様子でゲーム内ウィンドウでアレコレ情報を整理しつつ、街のマップ画面を確認してみたりしている。
「――あぁ~♪やっぱりスクショ映えが凄いですこの街! あ、お二人も記念に巨大ツリーの前で一緒にポーズを取りましょう!」
 ルナはキラキラ映えるスクショに夢中になりつつ、三人揃ってツリーの前で記念撮影よろしくスクショタイムを楽しんだ。

「――さてさて、じゃあオーナメント集めがてらお買い物にレッツゴーですね!」
 ルナを先陣に、三人は街の大通りへと繰り出した。
「みんなでショッピング、あんまりやらないから新鮮かも。楽しみね」
「ふふ、お買い物ですね♪ 何か変わったものとか売っているでしょうか」
 通りにはイルミネーションの灯りと、戻ってきた街の人々で活気が溢れていた。
 いい香りに誘われそうなパン屋にスープのお店。
 甘い香りは焼き菓子やケーキを売っているお店からだろうか。
 他にも煌めくランプ、雑貨や日用品、冒険者向けの装備品、魔法スキルショップなど。
 軒を連ねる店構えは種類も様相も様々だった。

「何かお土産に良さそうなものとか、ありますかね~♪」
「――欲しい物があれば、きっと案内できますよ!」
 心のなかでこっそり「たぶん、」と付け加えながら。ルナは自信ありげに胸を張る。
「そですねぇ、日持ちしそうな可愛いクッキーでも買いたいですね♪」
「ひ、日持ち?とかは……気にしたことが無いのでわからないかもですが……」
「……っと、日持ちとかの概念は無いですか?そういやここはゲームの世界でしたね、綺麗すぎて忘れそうになります!」
 口元に手を当てつつ、メリーナは少し驚いた様子でそう返す。
 あまりにも現実と同じ過ぎて、つい忘れてしまいそうになっていた。
 自分がこの世界に何のために訪れたのかも。
「日持ちするお土産……。そういう観点もあるのね」
「年末年始の帰省のお土産に!と思いまして」
「なるほど、おみやげ用かはわかりませんが、クッキーなら向こうのお店に売ってた気がしますね。あとで寄ってみます?」
「そうですね♪ 詰合せっぽいものがあれば買ってみたいな~って。あとで立ち寄りましょう♪」

 三人は賑やかな通りを歩きつつ、ふと一軒の雑貨屋へと吸い込まれるように足が向かった。
 そのお店はファンシーなグッズや可愛らしいアクセ、小物やぬいぐるみなどが売られていて。
 なんとも乙女心を擽るアイテムが揃っていた。
「わぁ~かわいいお店。キラキラ綺麗で可愛いリボンや王冠みたいなの、売ってませんかね」
 ルナはぴょこぴょこと店内を物色しつつ、あ!と小さく声をあげて。
「お二人とも、見てください!この赤いリボンとかベロニカ様に似合いそうです!この青キラキラうさ耳はメリーナ様に似合いそうですよー!」
 赤いリボンは金のラメがキラキラと輝いて、アクセントに星型のクリスタルガラスがあしらわれている。
「キラキラでかわいい……ルナらしいチョイスね。あ、ホントに似合うわ」
 店内の鏡を見ながら自分の髪に合わせてみれば、茶色の髪に赤が良く映える。
「わぁ~、ベロニカさんお似合いですよ♪ 私へのチョイスはうさ耳ですか?」
 カチューシャの様に装着するお手軽なうさ耳装備のようで、メリーナが試着してみればうさ耳部分が青くキラキラと輝いてぴょこりと動いた。
「……ふふ、ぴょん、ぴょん♪これは楽しいですね、しかもルナさんとお揃い!」
「はっ、確かに。ぴょんぴょん仲間ですね!」

 楽しげにはしゃぐ二人を微笑ましく見つつ、ベロニカの視線がひとつのアイテムに留まる。
「……っあー、このぬいぐるみ……かわいい〜。お土産にしたら喜ばれそう」
 ひと目見て気に入ってしまったぬいぐるみを手に、そっと値札のタグを見てベロニカは眼を丸くした。
「――意外とお高いのね~……まあ、この大きさならそれなりにはするか」
 どうしようかと悩むベロニカに、メリーナはぴょんぴょんと手で兎を作りつつ。
「買うぴょん買うぴょーん!宵越しのトリリオンは持たないぴょーん?」
「そうですよ~、買っちゃうぴょん!です!」
 ウサギ耳をキラキラゆらゆらさせながら、ルナとメリーナは引き続きぴょんぴょんとしている。
「んー……そうね、ちょっとお高いけど…せっかくだから奮発しちゃおうかな!」
「実際、トリリオンは結構貯まってるし。メリーナの言う通り、私にとっては貯め込んでも仕方ないし」
「ふふふ♪ぬいぐるみさんお持ち帰り決定ですね~、ぴょん♪」
「ぴょんぴょん!――あ、お二人のリボンとうさ耳は私からプレゼントしましょうか!トリリオンの心配は無用ですので!」
「わ、ほんとですか?実はちょっと気に入ってたんですよね、ありがとうございますぴょん♪」
「気前がいいわね、じゃあ私もお言葉に甘えて。ありがとう、ルナ!」

 雑貨屋でアイテムを購入し、イベントアイテムの星のオーナメントも手に入れて。
 三人はホクホクと満喫した表情で雑貨屋をあとにする。
「まだ他にも色々とお店はあるので、街巡りがてら立ち寄ってみましょうか」
「――そういえば、オーナメントが集まったらツリーに飾ってお願いごとが出来るみたいですけど、お二人は何をお願いするか決まってます?」
 ルナ本人はもちろん、レアドロ祈願です!と前のめり気味に宣言しつつ。
「願い事か……なら私は『GGOがもっと幸せなゲームになりますように』、とかかな」
「ベロニカ様、めちゃくちゃお優しい……!でもそうですね、ゲームは楽しくあってほしいものです!」
「ふふ♪ですね~。楽しく幸せが一番です♪……あ、私の願い事は秘密です♪」
「あら、何だかそう言われると気になっちゃうわね?」
「ですです!」
 メリーナの秘密の願い事にベロニカとルナは興味津々と云った様子で。
 そんな二人を前メリーナはにこにこと笑顔を見せたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

影守・吾連
クエスト攻略がてら
街で一番大きなツリーに向かうよ

好きな映画があるんだ
トラブルで家族とはぐれて
一人で遠くの大都市に行っちゃった男の子が
クリスマスの夜に大きなツリーの前で
お母さんと再会する

…昔、少しだけ夢見たんだ
クリスマスに大きなツリーのところへ行けば
俺も本当の家族とまた会えるんじゃないかって

まあ、叶わない願いだって心の底でわかってたし
育ててくれた親戚家族には
不満どころか感謝しかないんだけどね

それでも、今もたまに考える
クリスマスの奇跡って本当にあるのかなって

オーナメントをツリーに飾り、密かに願うよ
――皆が幸せなクリスマスを過ごせますように

ツリーに背を向け、歩き出す
光に満ちたクリスマスの街を楽しみに



『どうもありがとうねぇ、おにいさん。はい、これも受け取っておいて』
 パン屋のおばちゃんが焼き立てパンと一緒に吾連へ手渡したのは、キラキラと輝く星のオーナメントだった。
「こちらこそありがとう、パンもいい匂い。おいしそうだね」
 笑顔と共に礼を返しつつ、焼き立てパンを包んだ紙袋を腕に抱えて吾連は少し足早に歩き出す。
 向かった場所は、街でいちばん大きなツリーのある広場。
 片手には星型の黄色いオーナメントが光り輝いている。
(「これを飾る時、一緒に願い事をすると叶うんだったっけ……」)

 ――好きな映画があるんだ。
 平穏で幸せに暮らしていた、一人の男の子のおはなし。
 男の子はある日トラブルに巻き込まれて、家族と離れ離れになってしまう。
 そして一人で故郷から遠い大都市に行くことになって、寂しい冬を迎える事になるけれど。
 クリスマスの夜、街に輝く大きなツリーの前で、お母さんと再会出来るんだ。
 ……そんな悲しくも、ハッピーエンドなおはなし。
 良くある展開の映画だったけれど、不思議と惹かれる部分があって。
 少しだけ、自分の境遇に似ていたから。

 ……昔、夢を見た。
 自分もあの映画の男の子のように、クリスマスに大きなツリーのところへ行けば、本当の家族とまた会えるんじゃないかって。
 ――それは、もちろん夢物語のおはなしで。
 現実には叶わない願いだって、心の底ではわかっている。

(「……こういう大きなツリーを見ると、つい思い出しちゃうんだよね」)

 自分を引き取って育ててくれた今の親戚家族に不満があるわけじゃない。
 寧ろここまで育ててくれたことに感謝しているくらいで。
 それでも、今もたまに考えてしまう。
 クリスマスの奇跡って、本当にあるのかなって。

 吾連は手のひらに輝く星のオーナメントをツリーにそっと飾った。
「願い事、か……」
 ――皆が幸せなクリスマスを過ごせますように。
 ありきたりだけど、本当にそうあって欲しいと思ったから。

 よし、と吾連は小さく頷くと、くるりとツリーに背を向けた。
 そうして再び歩き出す、今宵の奇跡が叶った、光に満ちたクリスマスの街を楽しみに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

炬燵家・珠緒
アドリブ歓迎

星のオーナメントを集めるお願いだって~~
ね、苹果
一緒にやってみよ~~

キラキラの街を苹果と一緒にお散歩
美味しそうなパンの匂い~~
でも、苹果はご飯食べないからな~~
違うお店に行こうっと

このランプ可愛いね~~
星の光で照らされてるみたい
お土産に買いたいなぁ
どれもステキ
苹果が気に入ったのを買おう~~

これが星のオーナメントか~~
キラキラしてて可愛い~~
で、どこに飾るのかな~~?あっち……ってあれれ?
また迷子になったかも~~
え!?苹果わかるの~~?(追いかけ

オーナメントをツリーに飾る役目は苹果にあげる~~
ここまで来れたのも苹果のおかげだしね
苹果はイイコだから、きっと願いが叶うと思うよ~~



「わぁ、星のオーナメントを集めるお願いだって~~」
 珠緒は苹果を抱えつつ、クエストウィンドウの内容をふんふんと一緒に確認する。
「楽しそう~~。ね、苹果、一緒にやってみよ~~」
 苹果のつぶらな瞳がキラキラと見上げれば、珠緒は嬉しそうに受注ボタンをぽちりと押して。
 珠緒と苹果は星灯りが戻ったアステリアの街へと弾むように駆け出して行った。

 街の大通りには沢山の店が軒を連ね、住民NPCたちの賑やかな笑い声が響き渡る。
 活気を取り戻した輝く街の様子を眺めながら、珠緒の足がぴたりと止まってしまったのは。
「……美味しそうなパンの匂い~~」
 焼き立てパンの芳ばしい香り漂うパン屋の前でふわふわと足が誘われて。
 そういえば動き回ってちょっぴり小腹が空いたかも……なんて思ったけれど。
(「――でも、苹果はご飯食べないからな~~」)
 きっと初めて見るのかもしれないパンには興味津々な様子の苹果。
 でもせっかくなら、一緒に楽しめるものが良いかなと。
 パン屋さんは様子を覗くだけで珠緒は別のお店へと足を向ける。

「このランプ可愛いね~~。あ、アレもステキ~~」
 次に訪れたのは沢山のランプが売られているお店。
 淡い光を放つものや、光の色もデザインも様々で。
 まるで星の光で照らされているような店内を珠緒と苹果はキラキラと瞳を耀かせながら見て回る。
「どれかお土産に買おうか~~苹果はどれが好き~~?」
 ぴょこりと苹果の耳が反応したランプは、まあるいステンドグラスのランプ。
 赤と白で彩られた色硝子、上には緑色の硝子で作られた葉っぱがぴょこりと付いていて。
「わぁ、これリンゴのランプかな?かわいい~~」
 苹果も気に入ってくれたのだからと、珠緒は早速そのランプをお店のお会計へと持っていく。
「えぇと、トリリオン?これで足りるかな~~」
 先程のクエストで貰った報酬のトリリオンで十分買える値段にちょっぴりホッとしつつ。
 丁寧に包まれたランプを入れた紙袋を珠緒は嬉しそうに受け取った。
『――おねーさん。はい、これもおまけだよ』
 店員が商品と一緒に手渡したのは、キラキラと輝く星のオーナメント。
 これがイベントクエスト用のアイテムなのだろう。
「ありがとう~~。キラキラしてて可愛い~~これが星のオーナメントか~~」
 くるりくるりと揺らしてみれば、店内の光を反射していっそう綺麗に輝いて。
「確かこのオーナメントを持っていくんだよね。……って、どこに飾るんだったけ~~?」
 お店を一歩出るや否や、そもそもどっちから来たっけ?ときょろきょろ見渡す珠緒。

「あっち……ってあれれ?ううん、こっち? あわわ、また迷子になったかも~~」
 人波にもまれながら、右往左往とする珠緒の腕から苹果がぴょんと抜け出して。
 こっちこっち、と誘導するように通りの石畳を駆け出してゆく。
「え!?苹果わかるの~~?」
 珠緒は慌てるように小さな苹果の姿を追い掛けていった。

「――わぁ、本当に戻ってこれた~~!」
 苹果の誘導で、珠緒は再び広場の巨大なツリー前へと辿り着く。
 すごいすごい~~と苹果の頭を優しく撫でつつ、もう一度 腕の中へと抱きかかえて。
 キラキラと輝く星のオーナメントをじっと見つめると、苹果の小さな手にぴとりと当てながら。
「オーナメントをツリーに飾る役目は苹果にあげる~~ここまで来れたのも苹果のおかげだしね」
 どこに飾る~~?と苹果の示す場所へ行き、落ちないように紐を結ぶのは珠緒が代わりにやって。
「何をお願いしよっか~~。苹果はイイコだから、きっと願いが叶うと思うよ~~」

 キラキラと瞳を耀かせながら星のオーナメントを見つめる苹果は何を願ったんだろう、と思いつつ。
「もうちょっと街をお散歩してみようか~~」
 煌めくツリーを背に、珠緒と苹果は再び街灯りの中へと舞い戻っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リュカ・エンキアンサス
晴夜お兄さんf00145と

なるほど?
願いが叶うアイテムなんて碌でもないモノしかない気がするんだけど
…まあ、お兄さんの願いならなんか、大丈夫な気がしてきた
集めてみようか
それで…
パン?
ええ。パンを買えば願いが叶うのかぁ。いいけど
お兄さん、このパンちょっと柔らかすぎない?もっと炭になるくらい焼かないと

俺はねー。俺は雑貨店に行きたい。魔法も見たい。リアルじゃ魔法使えないし、ゲームの中だと使えるかなあ
なんか面白いアイテムをあさろう……何そのペン。いいね
(「晴夜お兄さん」「もうちょっと戦闘中は静かに」と大きく書き)

武器はね、うん。面白い銃とかあったら激しく見たい
他にはしょうもない魔法使いたいな。お兄さんの毛先という毛先がダマダマになる魔法とか
イメチェン?良いね。お兄さんの髪とか光り輝いて、目からビームが出るように改造したい

そんな感じで、集めに集めてツリーに飾る
はい、願い事ね
お兄さんの身長がこれ以上伸びませんように。俺の身長が伸びますように
…冗談だよ
これからも長生きできますように
……冗談だって


夏目・晴夜
リュカさんf02586

星のオーナメントを集めれば願いが叶うのですか
ハレルヤの願いが!叶うというのですか!
集めましょう、全力で

そうですねえ、まずはパン屋でパン買いたいです
焼き立てパンのふかふかな香りは最強のアロマなので
いいや、柔らかすぎなくないです!全然!

雑貨店は危険です…どれも魅力的すぎる
この羽ペンとか美しいです
星空インクで宙に文字も書けます!
(ファンサうちわみたく「リュカさん」「毎秒褒めて」と書き)

武器屋と、魔法のお店も発見です
私は振ると音が鳴って光る剣が欲しいです
魔法も種類豊富ですねえ…とても興味深い
ううむ、クソしょうもない魔法を欲しがりますね!却下で!
あ、髪や目の色を変えられる魔法はないでしょうか
二人でイメチェンしてみましょう
いや改造じゃなくて。イメチェン

集めに集めてツリーへ飾って
それでは願い事ですね
ここは真面目に、同じ願い事でビシッとキメましょう
来年も一緒に沢山遊べますように!

はい、ワンモア
…や、まあ、それも大事な願いですけども!
これ以上やったら、また久々に散らしますよ
喚きを!



「……願いが叶うアイテムなんて、碌でもないモノしかない気がするんだけど」
 リュカはイベントクエストの内容を聞きながら、少しばかり眉を顰めた。
 でもゲームの中のアイテムだし、と自問自答で納得をしつつ――、
「集めましょう、全力で!」
「お兄さんならそう言うかなと思ってたよ」
 飛び出したその言葉にリュカは表情変えず晴夜を見遣る。
 当の晴夜はイベントの内容に嬉々とした様子で。
「星のオーナメントを集めれば願いが……!ハレルヤの願いが!叶うというのですか!」
「……まあ、お兄さんの願いならなんか、大丈夫な気がしてきた、たぶん」

 実際に何をお願いするのか、それはオーナメントを飾る時に考えるとして。
 二人はいざ街の大通りへと足を踏み出した。
 活気を取り戻したアステリアの街はイルミネーションに輝き、壊れていたはずの建物もすっかり元通りになっている様子で。
 街に住んでいたであろう住民NPC達の笑顔や楽しげな笑い声が響き渡る。

「それで……、お兄さんはどの店が気になるの?」
「ん、そうですねぇ……」
 様々なお店が軒を連ねる中、晴夜のレーダーにピンと引っ掛かった芳しい香り。
「パン屋!まずはパン屋でパン買いたいです!」
「パン?……ええ。パンを買えば願いが叶うのかぁ。いいけど」
 ちょっぴり気乗りしないリュカを引き摺りつつ、二人はパン屋へと立ち寄った。
 石窯で焼いた、ふかふか焼きたての丸いパンを晴夜は幾つか購入し、紙袋に詰めてもらう。
 ホカホカ温かい紙袋から漂う、焼き立てパンの香りをほわりと堪能しつつ。
「ふふ、やっぱり焼き立てパンのふかふかな香りは最強のアロマですね!リュカさんもおひとつ!」
 早速ホカホカの紙袋からひとつパンを取り出しリュカに手渡すと、晴夜自身もひとつ手に取りぱくりと頬張ってみせる。
 焼き立てパンを受け取ったリュカはアチチ、と一瞬手の中で踊らせつつ、嬉しそうにパンを頬張っている晴夜を見て自分も一口齧り付いてみる。
「んむー、焼き立てパン美味しいですね!程よい塩味もいい感じで。何よりこのふわふわ感が最高……!」
 焼き立てパンに舌鼓を打つ晴夜を横目に、リュカはもきゅもきゅとパンを噛み締めつつ。
「……お兄さん、このパンちょっと柔らかすぎない?もっと炭になるくらい焼かないと」
「いいや、柔らかすぎなくないです!全然!というか炭って!」
 トーストもカリカリ通り越して焦げるまで焼く派ですか!などと晴夜のツッコミが飛び交いつつ。
 二人はなんやかんやと焼き立てパンをぺろりと平らげてお腹を満たし、次なる店に足を向ける。

「あー……、あのお店。雑貨屋?見てみたいな」
 なんか面白いアイテムとかありそう、とリュカは軒先に並ぶアイテムを早速物色する。
「雑貨店は危険です……どれも魅力的すぎますから」
 ゲームの世界だからか、ゲーム内で使うようなアイテムや魔法グッズなど、現実とはまた違った雰囲気の道具が取り揃えられている中、晴夜は文具コーナーに綺麗に飾られていた羽ペンを手にとってみる。
 普通の羽ペンと思いきや、そこは魔法のアイテム。
 手にすると白い羽根が夜空の色に染まり、キラキラと星のような光が輝き出した。
「リュカさん、この羽ペンとか美しいです!星空インクで宙に文字も書けます!」
 晴夜は煌めく羽ペンでピカピカと輝く文字を眼の前に書いてみる。
『リュカさん』『毎秒褒めて』と宙に書きつつ、ニコニコとリュカに笑顔を向けて文字を指差し。
「……何そのペン。いいね」
 リュカも一本羽ペンを手に取り、輝くラインでスラスラと宙に書いてみた。
『晴夜お兄さん』『もうちょっと戦闘中は静かに』という大きな文字が晴夜の文字の上に浮かぶ。
 えぇ~と小さな唸り声のような声を漏らしつつ、晴夜が見兼ねてリュカの文字の隣にサササッと更に返事を追記。それを見てリュカも更に隣に文字を書いていく。
 そうして延々不毛な文字のやり取りを交わしつつ、気付けば辺り一面はキラキラと輝く二人の文字だらけに。
 ――程なくして、店主にぺいっと二人まとめて放り出されたのは言うまでもなく。

「……さっきは油断しました」
「お兄さんが譲らないから」
 結局羽ペンは疎か、雑貨屋を追い出された二人は足取り虚しく通りを進んでゆく。
 ふと、俯いていた視線を上げた晴夜に目に映ったのは武器と魔法をお店の看板。
「あ、次はここ!入りましょう。武器屋と、魔法のお店!」
「武器か……うん。面白い銃とかあったら激しく見たい」
「私は振ると音が鳴って光る剣が欲しいです」
「え……なにそれ」
 二人の希望に似たようなそうでないような。
 星型の弾丸が発射出来る銃に、キラキラ光るビームサーベルのようなものを見つけたり。
「魔法も種類豊富ですねえ…とても興味深い」
 武器が並ぶ隣に併設された魔法スキルショップ。
 効果が目で見て分かる、一見絵のようなものが並べられており、調べると詳細が見れるようになっているらしい。ゲームならではの見方というやつだろう。
「魔法、かー……」
 リアルじゃ魔法使えないし、せめてゲームの中で使えるものとかあれば、とリュカは試しに覗いてみた。
 初歩的な火を灯す魔法から、花火のような爆発魔法、星の架け橋を作れる魔法など、効果や用途も様々だが、どれも何となくキラキラ輝くものが中心になっている。
 中でも星の架け橋を作れる魔法はこの街限定なのだろう。
 でも何処で使うのか?とリュカは首を傾げつつ想像してみるが、使う場面がどうにも想像出来なくて。
「……お兄さんの毛先という毛先がダマダマになる魔法とか、ないのかな」
「ううむ、クソしょうもない魔法を欲しがりますね!却下で!」
 えー、しょうもなくて面白そうなのに。とリュカは残念そうにしつつ。
「あ、髪や目の色を変えられる魔法はないでしょうか?」
 魔法の効果で二人でイメチェンとか、楽しそう!と嬉しそうに語る晴夜に。
「……イメチェン?良いね。お兄さんの髪とか光り輝いて、目からビームが出るように改造したい」
「いや、なんですかその魔改造!じゃなくて、イメチェンですって」

 そんなこんなで、街中の店を巡った二人は何か買ったり買わなかったり。
 幾つかの星のオーナメントも手に入れた。
 広場に再び戻ってきた二人は巨大なツリーを目の前に見上げる。
「――それでは、願い事ですね!」
「願い事、ねぇ」
(「ここは真面目に、二人同じ願い事でビシッとキメたいところですね!」)
 何にしようかと考えているリュカを横目に、晴夜はふぅむと顎に手を添えて。
「じゃあ、リュカさん。せーので同時にお願いしてみましょう!……せーの、」

「来年も一緒に沢山遊べますように!」
「お兄さんの身長がこれ以上伸びませんように」(そして俺の身長が伸びますように)

 …………。
 無言で目を合わせる二人。
「……冗談だよ」
「ですよね!――はい、ワンモア」

「来年も一緒に沢山遊べますように!!」
「これからも長生きできますように」

 …………。
 再び無言で目を合わせる二人。
「や、まあ、それも大事な願いですけども!これ以上やったら、また久々に散らしますよ。喚きを!」
「……冗談だって。それに喚かれるのは困る」

 再々ツリーへ向き合った二人の言葉は、一呼吸置いて重なった。
 満足気に笑みを零す晴夜に、やれやれと云った風にその様子を眺めるリュカ。
 二人が飾った星のオーナメントは街の光を反射して、キラキラと輝いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アレクシス・ミラ
【双星】アドリブ◎

凄い…これが星の街…!
祝福の光と傍のセリオスに微笑む
そうだね、街も無事元通りになった事だし…って、うわ!?
先程と同じ状況…全く君って奴は
…目的地がパン屋さんなのも君らしいな
はは…全部かあ
…よければいくつかはんぶんこしないかい?
僕も色々食べたくて、ね

次は…セリオスは武器と魔法に興味津々だな
ここに入ろうか
僕も盾やこの街だけの武器や魔法というのが気になって…
…ん?これは…
見つけたのは二つのペンダント
それぞれ青い星と赤い星が付いている
成程、重ねると綺麗な丸い星だ
魔法具の一種かな?
―僕と、君で
ふたりでつける気満々な彼に目を瞬かせるも
その笑顔に揺るぎない想いが見えた気がして
胸が熱くなる
…ああ。僕達が揃えば
どこまでも強くなれるさ
…これ、買ってみようか

買ってからふと気づいた
(お揃いという事はつまり…
いや、これはひと揃いの魔法でもあって…
…何に言い訳してるんだ)
一度軽く振り払い
オーナメントを飾ろうか
願いは隠さないよ
セリオスとずっと一緒にいられますように

(お揃いの願いは、心から嬉しいんだ)


セリオス・アリス
【双星】アドリブ◎
本当に一瞬だ!
元通りになった街に目をキラキラ
ここで買い物とかすればいいのか…?
すごくいい匂いがいっぱいだし魔法とかも気になるし
そんな美味しい仕事なら受けないわけないよな、アレス!
さっきの冒険の延長みたいでちょっとはしゃいで
パッとアレスの手を引っ張って
焼きたてのパンのところへ
コレもアレも全部うまそうだ
いっぱいオーナメントが集まっちゃうな!

いっぱい食ったら次に気になるのはやっぱり魔法と武器
男心が擽られる…
うきうきそわそわ武器屋に入り
剣を中心に色々眺める
アレスは何見てんの…?
盾かなと覗きこんだ先にあったのはふたつで揃いの…ペンダント?
コレも…武器、なのか?
へぇ…ふたりでつけて揃うと発動する魔法ねぇ
つまり、俺とお前で最強ってことだな!
にぱっと笑ってアレスに言う
買ってお揃いのペンダントが揺れるのを見て
じわじわこれはペアルックとか言うのになるのか?と照れだした
けど、いや…ふたりで強くは…ふつーのことだし

何となく自分に言い訳しつつ
でも願い事はもちろん
アレスとずっと一緒にいれますように



 薄闇に覆われていたアステリアの街が、再び光を灯し始める。
 瓦礫の山は整然と並ぶ美しい街並みへと修復されて。
 街中に煌めくイルミネーションがキラキラと光り輝き出した。
 元々住んでいたであろう住民NPCたちも戻ってきて、街は笑顔と活気を取り戻す。
「本当に一瞬だ!」
 セリオスは元通りになった街の輝きに、その瞳をキラキラと瞬かせた。
「本当だね、凄い……これが星の街……!」
 アレクシスも傍らで、街の輝きとセリオスの様子を見て柔く微笑む。

「ここで買い物とかすればいいのか……?」
「うん、どうやらそうみたいだ」
 イベントNPCの話によれば、街で買い物をすれば星のオーナメントを貰えるらしい。
 住民たちの楽しそうな笑い声が響き渡る、活気あふれる大通り。
 綺羅びやかな光と軒を連ねる数多くの店に、思わずアレコレと目移りしてしまいそうになる。
「すごくいい匂いがいっぱいだし、魔法とかも気になるし……」
「そうだね、まずは何処からまわる?」
 きょろきょろと街の様子を見渡すセリオスの目に留まったのは――、
「焼き立てパン、食べたい!まずはそこへ行こう!」
 何はともあれまずは腹拵えと、セリオスはアレクシスの手をぱっと取り、賑わいの中へと駆け出す。
「……って、うわ!?……全く、君って奴は」
 先程の冒険の延長のような。
 はしゃぐセリオスの様子に、アレクシスも頬を緩めて素直に手を引かれてゆく。
「……目的地がパン屋さんなのも、君らしいな」
「ん~?なんか言ったか?」
「ふふ、なんでもないよ」

 人の波と喧騒を縫い進み、二人は焼き立てパンの店へと辿り着いた。
 もくもくと屋根の煙突から上る煙はどうやらパンを焼く石窯のものだったらしい。
 こんがりときつね色に焼かれた丸いパンは、ふんわり芳ばしい匂いを纏って。
 基本の丸パンの他にもブロックチーズやチョコチップを練り込んだもの。
 半分に割った間にベーコンやウインナー、野菜を挟んだ惣菜パンに似たものなど、バリエーションも幾つかあるようだ。
「コレもアレも全部うまそうだ! どれを選ぶか迷っちゃうな、全部二人分買うか?」
「はは……全部かあ」
 流石に全部食べきるには中々に大変そうだとアレクシスは思いつつ。
「……よければいくつか選んで、はんぶんこしないかい?」
 お互い少しずつ、色々と。
 分け合えば美味しさも楽しさも同じくらいはんぶんこできる。
「ふむ、なるほど。わかった! じゃあとりあえず、一種類ずつ全部買う!」
 買った商品の数だけ星のオーナメントもおまけで貰えるようで。
 結果的に沢山のオーナメントも集まった。
「見ろアレス!きらきらだ!」
 セリオスが持つ星のオーナメントがしゃらりと揺れると、街明かりを反射してキラキラと輝いた。
「ふふ、飾るのが楽しみだね」
 そんな二人の間には大きめの籠に盛られた焼き立てパンの数々。
 食べ歩きも考えてみたが、一先ずテラス席のテーブルで戴いていくことにしたのだ。
 焼き立てパンの生地はどれもサックリもちふわで、千切ればまだ湯気が出るほどにあつあつだ。
「……はふっ、ふふっ。コレなかなかいけるぞ!」
「うん……これも美味しい。あ、セリオスにも半分あげるね」
 二人はホクホクとした様子で焼き立てパンを楽しみつつ、心もおなかもいっぱいに満たしていった。

「いっぱい食ったら、次に気になるのはやっぱり魔法と武器だな!男心が擽られるぞ……」
 二人が訪れたのは武器と魔法のお店。
 色鮮やかな扉を開ければ、多種多様な武器や装備が目に飛び込んでくる。
 振るうと星屑が煌めく剣や杖、星型の紋章が浮かび上がる盾、星空のような色を纏うローブ。
 星の街という名の通り、見た目や名前もそれに関連するものが取り揃えられているようだ。
 セリオスはうきうきそわそわとしながら、さっそく星煌めく剣を手に取ってみる。
「おー、どれもカッコいいな!……と、アレスは何見てんの?」
 アレクシスは盾や装飾品が並ぶ棚の一点を何やら見ているようで、セリオスはどれどれと横から覗いてみた。
「……ん? ああ、ちょっとこれが気になってね」
「――これ、ペンダントか?」
 アレクシスが見つめる先に飾られていたのは二つのペンダント。
 青い星と赤い星がそれぞれに付いていて、重ねると綺麗な丸い星になるようだ。
「ただのペンダントに見えるけど。コレも……武器、なのか?」
「……うん、どうやら魔法具の一種のようだね?」
 商品の説明を読むと、対で合わせて使用することで魔法が発動する仕組みなっているらしい。
「へぇ……ふたりでつけて揃うと発動する魔法ねぇ……」
「――つまり、俺とお前で最強ってことだな!」
 にぱっと屈託ない笑顔を咲かせるセリオスに、アレクシスはぱちりと瞳を瞬いた。
(「――僕と、君とで、」)
 二つで一組のペンダントを見て、迷いなくそう言ってくれる君。
 その笑顔に真っ直ぐで揺るぎないセリオスの想いが見えた気がして、アレクシスは急に胸が熱くなるのを感じた。
「……ああ。僕達が揃えば、どこまでも強くなれるさ」
「――ふふ、だろう?じゃあさっそく買って付けてみよう!」

 ――青い星と、赤い星。二つの揃い星が二人の胸元で揺れる。
「へへ、似合うかー? アレスも似合ってるぞ!」
「ふふ、ありがとう。セリオスもよく似合ってるよ」
 キラキラと輝く互いの同じ星を見て、ふとアレクシスは気付く。
(「何気なく買ってみたけど、お揃いという事はつまり……」)
(「いや、これはひと揃いの魔法でもあって……って、僕は何に言い訳してるんだ!」)
 アレクシスは一旦自分を落ち着かせるように軽く首を振り払い、紛らわせるように行く先を見つめた。
 そんな様子を傍らで首傾げつつ見ていたセリオスも、揃いのペンダントが揺れる様子に、はたと気付いたように瞳を瞬かせて。同時にじわじわと頬が染まる。
(「ん……? これはもしかしてペアルックとか言うのになるのか?」)
(「けど、いや……ふたりで強くは……ふつーのことだし?」)
 お互いに湧き出す想いと葛藤しつつ、気付けば巨大なツリーの元まで戻ってきていた。
 思わず訪れた沈黙に、先に言葉を掛けたのはアレクシスで。
「……オーナメントを飾ろうか」
「――ああ、願い事、出来るんだったな!」
 にぱっと何時ものように笑顔を向けてくれたセリオスに、アレクシスもホッと柔い笑みを返す。

 沢山集めた星のオーナメントを二人で半分ずつ、ツリーへと飾っていった。
(「――願い事は、もちろん」)

「アレスとずっと一緒にいれますように」「セリオスとずっと一緒にいられますように」

 二人の声と願い事が重なって、思わず顔を合わせるとお互いに笑い合った。
「へへ、アレスも一緒のこと考えてくれてたんだな!」
「……うん、セリオスとお揃いの願い。嬉しいな」
 隠さない願いは互いが心から想うこと。
 互いの願いが重なれば、きっと叶うはずだと信じて。

 ――すると、ふわふわと空から舞い降りる白い光。
「……ん、これは、」
「もしかして雪か!」
 思わず宙に手を伸ばせば、宵闇の空から白い粉雪が降り注いでくる。
 アステリアの街に雪が振り始めた、これもゲームの演出なのだろうかとも思いながら。
 手のひらに受け止めた雪、凍える空気は本物のように冷たくて。
 けれど不思議と温かく感じるのは、隣に輝く星が居てくれるからなのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年01月22日


挿絵イラスト