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開戦(大陸歴939年9月2日)

#Reyernland über Alles!

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 大陸歴939年9月1日22:37。
 ライエルンジーゲン特別市/国防軍最高司令部・陸軍参謀本部。

「……結局、ゴール共和国への宣戦布告はなし、か」

 物憂げな口調で呟きながら、初老の将軍……陸軍参謀総長クレメンス・フォン・ジーベルト上級大将は、室内に居並んだ幾人かの参謀達に向かって、ぼんやりと視線を投げかけました。
 宿敵ゴール共和国との開戦まで、あと2時間弱……ライエルン陸軍に於けるエリート中のエリートたる参謀本部の高級幕僚達も、その表情は緊張で堅くなっています。

「はい、閣下。総統府及び外務省としては、共和国側に対しては、2日前に外交ルートを通じ、期限の定めのない最後通牒を交付している事から、戦時国際法上、宣戦布告を行う必要は無い、という考えのようです」

 参謀総長の問いに、青白い顔色をした参謀の一人が半ば機械的な口調で回答を口にすると、周囲の同僚たちも異口同音にその言葉を肯定します。その様子に、内心苦笑を禁じ得ないジーベルトでしたが、その感想は胸の奥にそっとしまい込み、表情に出す事はありません。

「ふむ。まぁ、法律論としては、それで正解ではあるのだろうが……何というかな、些か味気ない気もするね」
「小官も同感ではあります……が、単なる形式的な手続に、必要以上の時間や労力を費やすのは無意味というものでしょう。おそらく、共和国や連合王国からは”宣戦布告なき開戦”と非難の大合唱が湧き起こるでしょうが、好きなように批判させておけばよろしいのでは?」

(まぁ、確かにそれが正論ではある。……とはいえ、どうにも無味乾燥なやり方だと感じられてならないのは、私の感性が古臭くなっているせいだろうか……?)

 大陸歴939年9月1日23:18。
 ライエルンジーゲン特別市/区/フリンゲル邸内。

「貴方、まだお休みになりませんの?」

 良人の体調を気遣い、心配そうに話しかけて来る妻に向かって、ゴットリープ・フォン・フリンゲル陸軍少将は風邪による発熱で朦朧としながらも、弱々しく頷き返しました。

「お気持ちは分かりますが、無理をなさる必要はありませんわ。
 きっと、万事うまく行きますよ……たとえ、貴方が望んでいた形ではないとしても」

 反射的に反論しようとしたものの、上手く言葉に出来ず、押し黙るフリンゲル。
 "金の場合"の基本戦略を巡る一連の争論に於いて、提唱した”プランB”が惜しくも不採用に終わり、戦略家としての面目を失した形となった少将ですが、皮肉な事に、議論に積極的に関わった3人の主任参謀及び親衛隊連絡将校の中で、現在もなお、陸軍参謀本部に残っているのは彼一人だけとなっていました。

(はあ……不甲斐ない。”プランB”が採用されなかったのは、不本意な事とはいえ、甘受できますが、まさか、こんな体たらくでこの日を迎える事になろうとは。皆さん、今は、それぞれの立場で、開戦の瞬間を迎えようとしていらっしゃるというのに……)

 胸の中でぼやきつつ、時には口角泡を飛ばし、辛辣な批評を投げ付け合いながらも、真摯に議論を交わした朋友たちの姿を思い浮かべる、主任参謀。
 ”プランA”の発案者であるマルティン・クロースナー上級少将は、中将に昇進の上で、A軍集団の参謀長に任じられ、現在は西部戦線に赴いていますし、長らく中立を保った末に、最後の定例会議に於いて”プランA”への支持を表明し、同案を正式採用へと導いたハインツ・ヴェーゼラー少将は、同じく上級少将に進級の上で、国内総予備軍司令部の首席幕僚として国防軍の後方部門の実務責任者に抜擢されました。また、親衛隊連絡将校として、親衛隊作戦本部と陸軍参謀本部との利害調整を担っていたカイザー・フォン・グロースファウストSD上級少将は、親衛隊作戦本部の意向に反して、最後まで”プランB”に賛同する姿勢を改めようとしなかった事が親衛隊上層部の不興を買ったらしく、連絡将校の任を解かれて参謀本部を去った後、親衛隊装甲軍の第1SD装甲軍団に所属する第12SD装甲師団の副師団長に左遷されてしまいました(もっとも、首都での参謀業務よりも前線勤務の方を好んでいた彼にとっては、この人事はむしろ僥倖と感じられるものだったのですが)。

(”プランB”が不採用に終わり、国防軍内での参謀としての評価が低下してしまったのは否めませんが、おそらくはそのお陰でしょう、栄転の対象からも左遷の対象からも外されて、今もこうして参謀本部勤めを続ける事が出来ています。
 なればこそ、せめて、開戦の日は参謀本部で迎えたかったのですが、いやはや、私の人生には思うに任せぬ出来事が多すぎますね……)

 大陸歴939年9月1日23:56。
 ウーバーザクセン州ノイエス・ハノーフェル市/西方総軍司令部。

「……作戦開始まで、あと3分と少々、といった所じゃな?」

 堅い表情を浮かべつつ、傍らに侍立している副官に向かって、西方総軍司令官ミヒャエリス・フォン・ケラーマン陸軍元帥は、落ち着いた口調で問いかけました。緊張のためでしょうか?丁度ひと呼吸分、反応が遅れてしまった副官が、冷や汗の滲む指先で、胸元に下げた懐中時計の分針を確認します。

「し、失礼いたしました。仰る通り、あと3分程です」
「空軍の爆撃機隊は、既に国境を越えて共和国領上空に侵入しておるじゃろうな。もしかすると、既に爆撃を始めておるやもしれん……」
「はい、元帥閣下。公けにはなっておりませんが、国防軍特殊作戦旅団(通称”リンデン部隊”)をはじめとする各特務部隊も、既に共和国領土内での任務に着手しております」

 うむ、と短く頷いたケラーマン元帥は、心臓の奥に鈍い痛みを覚えつつ、静かに瞑目しました。
 この数年来心臓を病み、特に今年に入ってからは、公務の最中に体調を崩す事も多くなっているライエルン陸軍の宿将は、(周囲には黙して語ろうとはしないものの)ここ最近、死期の訪れを意識する事が多くなっていました。
 今この瞬間も、老元帥の脳裏には、二度にわたるゴール共和国軍との戦い(ヴェーヴェルスブルク戦役)に於いて、祖国を守るために勇敢に戦い、命を散らしていった同僚や部下達の姿が走馬灯のように去来しています。

(フフ、皆、儂が来るのを首を長くして待っておるじゃろうな。
 ……じゃが、すまんのう、戦友達よ。今少しだけ、この老体がこの世に留まる事を許してはくれまいかの。
 この戦いが我らが祖国ライエルンの勝利で終わるのを見届ける、その瞬間までは、どうか……)


安藤竜水
 PBWアライアンス【Reyernland über Alles! シナリオ#1”金の場合”】最終リプライ『開戦(大陸歴939年9月2日)』をお送りいたします。

 なお、本リプライは、断章形式での公開となります。
 そのため、参加者の皆様からのプレイングの募集は行いません。
 これまでのゲーム期間内に制作された全てのリプライを元に、最終的な判定結果を導き出した上で、執筆・公開を実施いたします。
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第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動

SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動

WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動

イラスト:みやの

👑11

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●西部戦線の概況・作戦第1週(大陸歴939年9月2日~9月8日)

大陸歴939年9月2日00:00。
ライエルン陸海空軍は、西部戦線の全域に於いて、ゴール・サクソニア連合軍に対する戦闘行動を開始。

空軍の夜間爆撃機編隊がゴール軍の軍用飛行場と高射砲陣地への猛爆撃を開始すると共に、護衛戦闘機隊と迎撃に飛び立った連合軍航空部隊との間で空中戦が生起。
数時間後、夜明けと同時に、より大規模な空爆と制空権確保を企図した航空作戦が開始される。
連合軍の抵抗は激しかったものの、機体数とパイロットの練度で優るライエルン空軍は各空域に於いて次第に航空優勢を確立し、3日夕刻までの間に、連合軍航空部隊の機影は、ライエルンとゴールの国境地帯から粗方姿を消すに至った。

空軍による制空権の確保と相前後して、陸軍の砲兵隊は、順次、”アンドレ・ライン”に対する砲撃を開始。
2日午後から3日未明にかけ、西部戦線全域で、大小合わせて数千門に上る野戦砲やロケット砲から発射された膨大な量の砲弾がゴール軍陣地に降り注ぐ。
9月3日朝、空爆と準備砲撃の結果、敵陣地に対して相当な打撃を与えた事が確認若しくは推認された戦場から順に、歩兵を中心とする部隊による”アンドレ・ライン”への肉薄攻撃開始。
生き残った要塞陣地からの反撃を受けて損害が続出するものの、ライエルン軍は物量作戦で押し切ろうとし、多くの地点で激戦が続く。
5日早朝、メディス(現実世界のブリュッセル)正面の”アンドレ・ライン”を防衛していた、共和国第9軍第41要塞軍団が戦闘能力を事実上喪失したのを皮切りに、各地から共和国軍の防衛ラインの突破に成功したとの報告が寄せられ始める。
前後して、戦線後方に待機していたライエルン軍装甲部隊が歩兵部隊が穿ち抜いた突破口から前進を開始、9月7日午後、空軍所属の第1降下猟兵軍団がアルケン(現実世界のケルン)~メディス(現実世界のブリュッセル)間の幹線道路上に存在する、レーヌス川の橋梁の確保を目指して空挺降下を実施し、制圧に成功。
当該橋梁を通過した、第1装甲軍の先頭部隊は、9月8日早朝、メディス(現実世界のブリュッセル)に到達し、連合軍守備隊の抵抗を排除しつつ同市を包囲下に置いた。

これに対し、ゴール共和国軍は、”アンドレ・ライン”上に配置された、要塞歩兵軍団に陣地の死守を命じる一方、前線後方に配置された予備兵力を以て、前線部隊の救援を行おうとしたものの、ライエルン空軍による鉄道や幹線道路への爆撃により、前線への移動は困難を極め、殆どの部隊は”アンドレ・ライン”に到達出来なかった。
一方、サクソニア大陸派遣軍(SEF)は、入念に準備された海上輸送プランに則り、サクソニア本国の港湾に待機していた2個軍団を共和国北部の海港に上陸させると共に、ノール(現実世界のダンケルク)に駐屯していた第1機甲軍団をヴァノアール(現実世界のアントワープ)へと移動させ、共和国第1軍集団主力(第1軍・第2軍合計13個師団)との合流を急がせる。

●各戦域の状況

・北部

9月3日~6日にかけて、B軍集団所属第6軍、第18軍を中核とする17個師団がピスタニア(現実世界のアムステルダム)正面の”アンドレ・ライン”を防衛する、共和国第7軍第16要塞軍団を攻撃、大打撃を与える事に成功。
第2装甲軍及びB軍集団直轄第56装甲軍団(装甲師団3個、自動車化歩兵師団5個)は7日以降、前線に進出し、潰滅を免れた第16要塞軍団の残存部隊を包囲下に置いた。

共和国第7軍司令部は、第16要塞軍団救援のため、ピスタニア防衛部隊の中から1個軍団(軽機甲師団と歩兵師団各1個)を出撃させたものの、第2装甲軍の敷いた包囲網を突破できず、救援は失敗に終わる。
なお、ヘルダーラント(現実世界のアルンヘム)方面では、ヴェストファーレ(現実世界のエッセン)を守る西方総軍直轄第101軍団が、ヘルダーラント(現実世界のアルンヘム現実世界のアルンヘム)正面の”アンドレ・ライン”を防衛する、共和国第7軍第27塞軍団との睨み合いに終始したため、大きな戦闘は起きなかった。

・中部

9月3日~5日にかけて、A軍集団所属第4軍、第12軍を中核とする15個師団がメディス(現実世界のブリュッセル)正面の”アンドレ・ライン”を防衛する、共和国第9軍第41要塞軍団を攻撃、潰滅状態に陥らせる。
9月7日午後、西方総軍直轄第1降下猟兵軍団(空軍所属)がアルケン(現実世界のケルン)~メディス(現実世界のブリュッセル)間の幹線道路上に存在する、レーヌス川の橋梁の確保を目標とする空挺降下作戦を実施。当該橋梁を通過した、第1装甲軍と親衛隊装甲軍(装甲師団10個、自動車化歩兵師団7個)は、共同でメディス(現実世界のブリュッセル)を包囲下に置いた。

共和国第9軍司令部は、第41要塞軍団が短期間のうちに潰滅し、”アンドレ・ライン”が突破されてしまった事に衝撃を受け、残存兵力全てをメディス(現実世界のブリュッセル)での籠城戦に投入する事を決定するものの、彼我の戦力差が大きいため、第1軍集団司令部に対し、至急増援を要請する。
第1軍集団司令部では、第9軍からの増援要請に対し、クリスベルン(現実世界のアラス)駐屯の第1軍を送るべきか?それとも、アイフェル(現実世界のリエージュ)駐屯の第6軍の一部を送るべきか?で意見が分かれ、対応が遅れたものの、アイフェル防衛部隊に所属する騎兵師団の師団長が独断でメディス救援に向かう事を決定したため、これを追認。
当該騎兵師団は、メディス(現実世界のブリュッセル)近郊で、親衛隊装甲軍第3SD装甲軍団と遭遇し、善戦したものの、包囲網を突破して第9軍と合流を果たすには至らず、出撃地点への撤退を余儀なくされた。なお、この戦いは、親衛隊装甲軍が初めて経験した、師団規模以上の部隊同士による大規模戦闘であり、当初、第3SD装甲軍団は将兵の経験不足が原因で大混乱に陥ったものの、近くにいた西方総軍直轄第47自動車化軍団(A軍集団第12軍から移管)が救援に駆け付けたため、何とか戦場に踏み止まり、初陣を勝利で飾る事に成功した。

また、アイフェル(現実世界のリエージュ)方面では、ダレンド(現実世界のボン)の第16軍第57軍団が共和国第6軍第14要塞軍団との間で、リンドル(現実世界のメッツ)方面では、リーベンツ(現実世界のトリエル)の第16軍第5軍団が共和国第6軍第26要塞軍団との間で、それぞれ睨み合いに終始し、大きな戦闘は起きなかった。

・南部

9月3日~8日にかけて、C軍集団所属第1軍、第7軍を中核とする15個師団がパイス(現実世界のストラスブール)正面の”アンドレ・ライン”を防衛する、共和国第4軍第9要塞軍団を攻撃。一定の損害を与える事には成功したものの、頑強な抵抗に阻まれ、進撃は停滞する。

●西部戦線の概況・作戦第2週(大陸歴939年9月9日~9月15日)

第1週に行われた”アンドレ・ライン”に対する攻撃に参加した部隊(主に歩兵師団)及び連合軍側の反撃によって損耗状態に陥った部隊は再編成入りし、未だ防衛部隊を駆逐し切れていない”アンドレ・ライン”上の陣地群に対しては、第1週の攻撃に参加しなかった部隊による包囲が実施された。
メディスを包囲下に置いていたA軍集団第1装甲軍と親衛隊装甲軍は、同市の包囲を後続の部隊に任せて、第1装甲軍は要塞都市ヴァノアール(現実世界のアントワープ)に直進、攻略準備のための第一次攻撃を実施した(攻撃終了後、メディス(現実世界のブリュッセル)に後退)。一方、親衛隊装甲軍はクリスベルン(現実世界のアラス)に進出、同市を防衛する連合軍部隊を包囲する事に成功する。
B軍集団は、”アンドレ・ライン”の包囲を後続部隊に任せて、第2装甲軍を中心とする装甲部隊をピスタニア(現実世界のアムステルダム)に進撃させ、同市を包囲、更に、第2装甲軍所属の2個装甲軍団にザウトホーラント(現実世界のロッテルダム)への前進を命じた。
これに対し、共和国側は、レーヌス川流域の治水ダムを爆破し、人為的な大洪水を発生させて第2装甲軍の進撃を遅滞させようと試みたものの、国防軍特殊作戦旅団(通称”リンデン部隊”)の妨害行動によりダムの爆破は阻止され、ザウトホーラント(現実世界のロッテルダム)は包囲されるに至る。
C軍集団は、所属部隊の殆どが第1週の”アンドレ・ライン”攻撃に参加していたため、積極的な作戦行動がとれず、第1週の攻撃に参加しなかった部隊によるパイス(現実世界のストラスブール)正面の”アンドレ・ライン”包囲に成功しただけに終わった。

対する連合軍側は、北部と中部で”アンドレ・ライン”が破られ、多数の装甲部隊が共和国領の奥深くに侵入してきた事に衝撃を受け、堅固な守りを誇るヴァノアール(現実世界のアントワープ)に共和国第1軍集団及びサクソニア大陸派遣軍の主力部隊を集結させて防衛体制を整える事を主張する意見が多数派となる。
その一方で、共和国軍の首脳部には、『現有兵力のみであっても、ヴァノアール防衛は可能である』という楽観的な考えを持つ者も多く(第1装甲軍によるヴァノアールへの最初の攻勢を凌ぎ切った事で、彼らの自信は更に深まった)、この段階に於いては、第2軍集団に対する大規模な増援要請や万一の場合に備えての、ヴァノアールからの撤退ルートにあたるノール(現実世界のダンケルク)の防衛強化等の提案は殆ど支持を得られなかった。ただし、連合王国大陸派遣軍司令部は、状況の推移に危機感を募らせ、ノール防衛のために派遣軍の半数にあたる6個師団を充てる事を独自に決定、ヴァノアール(現実世界のアントワープ)からの海上撤退のための輸送船舶を準備する等、万一の事態が生じた場合の備えを(共和国政府及び軍部には内密で)進めていた。

●各戦域の状況

・北部

第1週の”アンドレ・ライン”攻撃に参加した、B軍集団第6軍、第18軍は再編成入り。
ピスタニア正面の”アンドレ・ライン”を包囲下に置いていた第2装甲軍及びB軍集団直轄第56装甲軍団は、包囲を第1週の攻撃に参加しなかった部隊に任せてピスタニア(現実世界のアムステルダム)に向かって前進、9月11日から12日にかけて、共和国第7軍司令部直轄部隊(第1週の戦闘により、損耗状態となった1個歩兵師団)の守る同市を包囲下に置いた上で、第2装甲軍所属の第16装甲軍団と第39装甲軍団に対してザウトホーラント(現実世界のロッテルダム)への進撃を命じる。

これに対し、共和国側は、レーヌス川流域の治水ダムを爆破し、人為的な大洪水を発生させて第2装甲軍の進撃を遅滞させようと試みたものの、開戦以前から共和国領内に潜入し、密かに活動を続けてきた、国防軍特殊作戦旅団(通称”リンデン部隊”)の妨害行動により、ダムの爆破は阻止された。その結果、9月14日までの間にザウトホーラント(現実世界のロッテルダム)は、脱出に失敗した共和国第7軍司令部及び損耗状態の1個軽機甲師団と共に包囲されるに至る。
なお、同市の救援のために転進しようとした、ヘルダーラント(現実世界のアルンヘム)駐屯の第7軍第1歩兵軍団は、9月15日、ヴァノアール(現実世界のアントアープ)付近を移動中に、前進してきた第1装甲軍と遭遇、大損害を受けてヴァノアール(現実世界のアントアープ)への退却を余儀なくされた後、第1軍集団司令部直轄に移管される形で同市の防衛部隊に編入される事となった。

・中部

第1週の”アンドレ・ライン”攻撃に参加した、A軍集団第4軍、第12軍及び連合軍による攻撃で損耗した親衛隊装甲軍第3SD装甲軍団は再編成入り。
メディス(現実世界のブリュッセル)を包囲下に置いていたA軍集団第1装甲軍と西方総軍直轄親衛隊装甲軍は、同市の包囲を西方総軍直轄第1降下猟兵軍団と第49山岳軍団に任せて、第1装甲軍はヴァノアール(現実世界のアントアープ)方面に直進、9月13日から15日にかけて、攻略準備のための第一次攻撃を実施した(攻撃終了後、メディス(現実世界のブリュッセル)に後退)。
一方、親衛隊装甲軍(第24装甲軍団・第47自動車化軍団を含む)はクリスベルン(現実世界のアラス)方面に前進、同市を防衛する共和国第1軍第4歩兵軍団の抵抗を排除し、15日までの間に包囲網を完成させた。

連合軍側は、ヴァノアール(現実世界のアントワープ)に共和国第1軍集団と連合王国大陸派遣軍の主力を集結させ、死守の構えを取る一方、クリスベルン(現実世界のアラス)~ノール(現実世界のダンケルク)方面に進出したライエルン軍部隊(親衛隊装甲軍)については、ヴァノアール防衛部隊を分散させるための陽動である、と判断し、必要最低限の防衛部隊のみ残置した上で、残りの兵力をヴァノアール(現実世界のアントワープ)に集結させる方針を決定。
ただし、連合王国大陸派遣軍司令部は、ヴァノアール防衛が計画通りに進まず、危殆に瀕した場合に備え、密かに海上撤退の準備を進めると共に、撤退ルートの要にあたるノール(現実世界のダンケルク)には、第1軍集団司令部からの要請を無視して6個師団もの守備隊を配置する等、共和国側とは一線を画した行動を採る。

・南部

9月9日以降、第1週の攻撃に参加した部隊がケルシェ(現実世界のカールスルーエ)に後退して再編成を行う一方で、西方総軍直轄第1降下装甲軍団(空軍所属)と第7軍第55軍団からなる5個師団が、パイス(現実世界のストラスブール)正面の”アンドレ・ライン”を防衛する、共和国第4軍第9要塞軍団を包囲下に置く事に成功する。
この方面のライエルン軍中、唯一の装甲師団である第1降下装甲軍団の空軍降下装甲猟兵師団は、9月14日の未明、ケルシェ~パイス間の幹線道路上に存在する、レーヌス川の橋梁の確保を目指して前進、確保に成功したものの、翌15日、パイス(現実世界のストラスブール)から出撃した共和国第4軍直轄騎兵師団による猛攻を受け、大損害を蒙った。

なお、共和国第2軍集団司令部は、この時点で、南部戦域に於けるライエルン軍の投入兵力が事前に想定されていたものよりも遥かに少ない事を察知していたものの、罠の存在を疑い、また、第1軍集団司令部が北部戦域の戦況に関する正確な情報を積極的に提供しようとしなかったために、北部の状況を楽観視していた事もあって、『現時点に於ける北部への大規模な増援は必要なし。当面の間、第2軍集団は南部の防衛に専念する』という判断を下していた。

●西部戦線の概況・作戦第3週(大陸歴939年9月16日~9月22日)

第1週に行われた”アンドレ・ライン”への攻撃に参加した部隊(主に歩兵師団)の再編成が完了し、未だ抵抗を続ける”アンドレ・ライン”上の陣地群やメディス(現実世界のブリュッセル)、ピスタニア(現実世界のアムステルダム)等、包囲中の軍事拠点に対する総攻撃を実施、いずれも陥落させる事に成功した。
その一方で、アイフェル(現実世界のリエージュ)やクリスベルン(現実世界のアラス)、ヘルダーラント(現実世界のアルンヘム)等、国境地帯から離れた拠点に対する力押しの攻撃は見送られ、包囲を継続して防衛部隊の疲弊と消耗を待つ方針が取られた(これらの都市の防衛部隊は、”金の場合”の作戦期間終了後、概ね1~2週間以内にライエルン軍に降伏する事になる)。
ヴァノアール(現実世界のアントワープ)での決戦に参加すべく、進撃を続けていたB軍集団の装甲部隊がレーヌス川の渡河に手間取り、到着が大幅に遅延するというアクシデントに見舞われたものの、A軍集団と親衛隊装甲軍は概ね”金の場合”の作戦行動方針に沿って前進を続け、ヴァノアール(現実世界のアントワープ)とノール(現実世界のダンケルク)を包囲下に置く事に成功する。
その際、ノール(現実世界のダンケルク)では、友軍部隊の撤退ルートを死守せんと試みる、連合王国大陸派遣軍6個師団と連合軍部隊の退路を遮断せんとする親衛隊装甲軍・西方総軍直轄部隊10個師団との間で、”金の場合”作戦期間中、最も激烈な戦いと謂われる死闘が展開され、親衛隊装甲軍は大損害を蒙りつつも連合王国軍の猛反撃から包囲網を守り抜いた。
一方、南部戦域でのC軍集団の戦いは精彩を欠き、パイス(現実世界のストラスブール)に対する攻撃は失敗に終わった。

・北部

再編成を終えて戦線に復帰した、第18軍がピスタニア(現実世界のアムステルダム)正面の”アンドレ・ライン”に対して、第6軍がピスタニア市街地に対して、各々攻撃を実施、陥落させる事に成功。
同市を包囲していた第2装甲軍第41装甲軍団とB軍集団直轄第56装甲軍団は、ザウトホーラント(現実世界のロッテルダム)に向かい、同市の包囲を第2装甲軍第16装甲軍団と第39装甲軍団から引き継いだ。
第16装甲軍団と第39装甲軍団は、A軍集団との合流を目指してヴァノアール(現実世界のアントワープ)への進撃を開始したものの、進軍ルートの途中に存在するレーヌス川に架かる橋梁の確保を命じられていた特務部隊が任務に失敗したため、レーヌス川の手前で停止を余儀なくされ、結局、同市への到着は、”金の場合”作戦最終日の9月22日にずれ込んでしまった。

対する共和国第7軍は、ピスタニア(現実世界のアムステルダム)正面の”アンドレ・ライン”を防衛していた第16要塞軍団残余が9月17日に、ピスタニア市内を守っていた司令部直轄歩兵師団が翌18日に、各々ライエルン軍に降伏、ザウトホーラント(現実世界のロッテルダム)に籠っていた第7軍司令部と司令部直轄軽機甲師団は、港内に残っていた船舶を掻き集めて、海路ヴァノアール(現実世界のアントワープ)への撤退を試みたものの、9月21日早朝、同市を包囲中のA軍集団によって発見され、集中的な砲爆撃を受けて、ヴァノアール港の沖合に沈んでいった。
第7軍の所属部隊中、最後まで健在だったのは、ヘルダーラント(現実世界のアルンヘム)正面の”アンドレ・ライン”に籠り、ヴェストファーレ(現実世界のエッセン)の西方総軍直轄第101軍団との睨み合いに終始していた第27要塞軍団だったが、結局、同軍団は、”金の場合”作戦終了後の9月30日、ライエルン軍の降伏勧告を受け、その軍門に降る事となる。

・中部

9月17日早朝、再編成を終えた、第4軍と第12軍の攻撃により、メディス(現実世界のブリュッセル)は陥落。
同市を包囲していた西方総軍直轄第1降下猟兵軍団は、再編成を完了した第1装甲軍と共にヴァノアール(現実世界のアントワープ)に向かい、9月19日から20日にかけて、同市を包囲下に置く事に成功する。
また、第1降下猟兵軍団と共同でメディス包囲にあたっていた西方総軍直轄第49山岳軍団は、クリスベルン(現実世界のアラス)に進出し、親衛隊装甲軍から同市の包囲を引き継ぐ。
親衛隊装甲軍は、9月19日、連合王国大陸派遣軍第5軍団及び第3軍団の一部が守りにつく、ノール(現実世界のダンケルク)に向かって進撃し、ヴァノアール(現実世界のアントワープ)からの撤退路を死守せんと試みる、計6個師団の連合王国軍との間で、”金の場合”作戦期間中、最も激烈な戦いと謂われる死闘を展開した末に、21日夕刻までの間に同市を包囲下に置く事に成功した。

対する連合軍側は、第1装甲軍によるヴァノアール包囲網形成の阻止に失敗した事を受け、共和国第1軍集団司令部と連合王国大陸派遣軍司令部の間で、あくまで同市に留まるか?それとも、海路を用いて撤退し、第2軍集団や首都防衛部隊と合流して新たな防衛戦線を構築するか?で意見が対立。
共和国政府が『ヴァノアール失陥は”アンドレ・ライン”の完全崩壊を意味し、国民に与える心理的打撃は計り知れない』と考えて、共和国軍部隊に対し、同市の死守を命じる一方、連合王国政府は『連合王国陸軍の最精鋭部隊である第1機甲軍団をみすみす失う事は政府として容認し難い』と、共和国側に対して外交ルートを通じて圧力をかけ、撤退を認めさせるに至る。
その間、ノール(現実世界のダンケルク)では、友軍の退路を死守せんと試みる連合王国軍6個師団と、連合軍を袋のネズミとすべく、クリスベルン(現実世界のアラス)から同市に進軍した親衛隊装甲軍を中核とするライエルン軍10個師団との間で、”金の場合”作戦期間中、最も熾烈な戦いと形容される激戦が展開された末、21日夕刻までの間に守備隊は市内への退却を余儀なくされ、同市はライエルン軍の包囲下に置かれてしまった。
その結果、大陸派遣軍は、ヴァノアール撤退を試みた第1機甲軍団及び第3軍団の一部を乗せた輸送船団がノール港への入港を阻まれた挙句、沖合でライエルン空軍の爆撃機編隊と海軍の潜水艦部隊による波状攻撃を受けて壊滅的打撃を蒙り、大陸派遣軍司令官ハロルド・スタンディッシュ子爵(陸軍大将)以下の司令部要員も、海上を漂流した末に生き残った全員が捕虜となるという、連合王国の歴史上、最大の恥辱と呼ばれる大敗北を喫する事となる。

・南部

9月16日以降、再編成を完了した第1軍と(”アンドレ・ライン”への包囲を継続中の第55軍団を除く)第7軍は、レーヌス川を渡河し、共同で要塞都市パイス(現実世界のストラスブール)に対する攻撃を実施したものの、
共和国第4軍主力の籠る同市の守りは堅く、攻撃は失敗に終わった。

C軍集団主力の総力を挙げた攻撃を退ける事に成功した共和国第2軍集団司令部は、その直後、ヴィンスブルック(現実世界のディジョン)の防衛にあたっていた第3軍の10個師団を北部戦域に転進させる事を決定したものの、時既に遅く、第1軍集団主力はヴァノアール(現実世界のアントワープ)でライエルン軍の包囲下に置かれ、同市から海路撤退を図った連合王国大陸派遣軍が壊滅的な打撃を蒙った事により、北部戦域の防衛は事実上不可能な状況に陥っていた。

●総括

ライエルンによるゴール共和国侵攻作戦(作戦名:”金の場合”及び”銅の場合”)

期間:大陸歴939年9月2日 ~ 10月12日
場所:ゴール共和国北部及び中部
結果:ライエルン連邦軍及びラティニア王国軍の勝利。
ゴール共和国第1軍集団・サクソニア連合王国大陸派遣軍は潰滅し、共和国第2軍集団その他の部隊の多くは降伏・武装解除。
大陸歴939年10月17日、ライエルン・ゴール間で休戦協定成立(ラティニアとゴールとの休戦は10月20日)。
(ライエルンの直接軍政下に置かれた北部地域を除く)ゴール共和国は三勢力に分裂し、ライエルンに対抗する能力を喪失した。

領土の変化:
ゴール共和国領土(海外植民地を含む)の割譲は無し。
サクソニアとの戦争が終結するまでの間、ライエルンは共和国領北部に、ラティニアは南部に進駐。
首都アストリアスを中心とする地域にワルデック政権、西部に自由ゴール政権が樹立。
ライエルン進駐地域には直接軍政(占領統治体制)が布かれ、ゴール人による自治は認められなかった一方で、
ラティニア進駐地域では、ジャンヌ・ドーデを首班とする自治政府が成立、進駐軍の監督の下、一定の内政自治権が認められた。


参加兵力:

ライエルン軍

北部戦域:

74個師団
野戦砲4378門
戦車・装甲車1745両
航空機1638機
参加兵員187万名

南部戦域:

20個師団
野戦砲971門
戦車・装甲車445両
航空機453機
参加兵員43万名

ラティニア軍

南部戦域:

7個師団
野戦砲262門
戦車・装甲車157両
航空機166機
参加兵員13万名

ゴール軍

北部戦域:

55個師団(※9月2日~22日までの戦闘により、36個師団が潰滅又はライエルン軍の包囲下に置かれたため、9月23日以降、国内総予備から10個師団を緊急投入)
野戦砲6378門
戦車・装甲車883両
航空機735機
参加兵員117万名

南部戦域:

37個師団(※9月23日以降、北部戦域に15個師団を派遣)
野戦砲3974門
戦車・装甲車568両
航空機451機
参加兵員86万名

サクソニア軍

北部戦域:

12個師団
野戦砲1,397門
戦車338両
航空機293機(※共和国領の航空基地に派遣された機体数。本国の航空基地や空母機動部隊に配備された機体数は含まない)
兵員20万名


損失:

ライエルン軍

戦死・戦傷・行方不明:約13万人
撃破・鹵獲された戦車・装甲車:573両
喪失した航空機:486機

ラティニア軍

戦死・戦傷・行方不明:約1万人
撃破・鹵獲された戦車・装甲車:67両(※大半が事故や故障による喪失)
喪失した航空機:46機(※大半が事故や故障による喪失)

ゴール・サクソニア軍

戦死・戦傷・行方不明:約28万人
捕虜:約140万人
撃破・鹵獲された戦車・装甲車:約1300両
喪失した航空機:約1100機

ゴール共和国の民間人被害(※いずれも推計値。正確な被害者数は史料によって異なる):

死者・負傷者・行方不明者:約80万~145万人
難民となって国外(海外植民地を含む)に脱出した者:約35万人(※大陸歴939年末までの推計人数)
レジスタンス活動や占領統治への非協力等の嫌疑で、強制収容所に送られた者:約4万人(※大陸歴939年末までの推計人数。この他に、数百~数千人がライエルン及びラティニアの占領当局によって処刑されたと推定される)

●”金の場合”作戦終了後の対共和国戦争と国際情勢の変化

9月24日未明、ノールで絶望的な籠城戦を続けていた連合王国大陸派遣軍残余は、武器弾薬と車輛等の重装備を全て遺棄した上で、港内に残った僅かな船舶に分乗して本国に向け撤退、沖合で潜水艦隊による襲撃を受け、半数近くを失ったものの、残る半数は、悪天候のため、空軍機が出撃出来なかった等の幸運に恵まれ、かろうじて海峡を渡り、本国に帰還する事に成功した。最終的に、共和国に派遣された、12個師団約20万名の連合王国軍将兵のうち、戦死傷者は約4万5千名、捕虜となった者は約13万名に上り、からくも撤退に成功して本国の土を踏めた将兵は3万名に満たないという惨状だった。
連合王国政府は、本国に国家総動員を発令すると共に、世界各地の海外植民地に対しても、兵員の徴募と物資の供出を強く要求し、大陸歴940年の春までの間に、喪失した兵力を(数の上では)回復する事に成功する。もっとも、ライエルン軍の精強さに対する恐怖感は国民の脳裏に強く刻み込まれており、政府・軍部内でも『大陸への反攻作戦は時期尚早である』という意見が支配的となった上、国家総動員体制による生活の窮乏にあえぐ市民や各植民地政府では、ライエルンとの戦争継続そのものに疑問を唱える声が徐々に高まっていく。

連合王国大陸派遣軍の潰滅後も、ライエルン軍の重包囲下に置かれたヴァノアールをはじめ、北部戦域の幾つかの軍事拠点では、共和国軍の抵抗が続いていたものの、第1軍集団は事実上消滅し、南部戦域の防衛を放棄して、首都の守りに駆け付けるように命じられた第2軍集団の間からは、あまりにも強引な政府の態度に反発する声が多数上がり、多くの部隊が移動命令を拒否する有様で、もはや、共和国首都アストリアスの防衛が不可能である事は誰の目にも明らかな情勢となっていた。
10月1日、ライエルン軍は”金の場合”に続く第二段階作戦”銅の場合”を発動、ヴァノアールの包囲と北部戦域の残敵掃討をB軍集団に任せ、A軍集団と親衛隊装甲軍を中核とするライエルン軍は、怒涛の勢いで共和国首都への進撃を開始する。
10月4日深夜、共和国大統領アンドレ・パシーと閣僚たちは特別列車で首都を脱出、共和国領西部(現実世界のイベリア半島)を目指したが、翌5日早朝、パシー大統領は寝台車の中で遺体となって発見された(検死解剖の結果、死因は毒物による自殺又は他殺と判明)。同日、ヴァノアール市内で抵抗を続けていた最後の共和国軍部隊が降伏し、共和国第1軍集団は名実共に潰滅。大統領の死とヴァノアール陥落の報に接した共和国軍将兵と国民の多くは戦意を喪失し、休戦を求める世論が爆発的な高まりを見せる。
10月7日、共和国憲法の規定に従い、パシーの後任の共和国大統領に、下院議長の社会主義労農党党首モーリス・ワルデックが昇格(副大統領は重病のため病床に伏しており、大統領就任は不可能と判断されたための措置)。ファントーシュ人民共和国の仲介によるライエルンとの和平交渉を開始する旨発表するや否や、ライエルン軍の首都侵攻を目前にして恐慌寸前に陥っていた国民の多くはこれを支持する。
10月9日、A軍集団の先頭部隊がアストリアス郊外に到達。共和国軍の首都防衛部隊は抵抗を諦め、次々と首都を離脱、西部や南部への撤退を開始した。首都の市民達の恐怖と混乱も高まる一方で、共和国軍総司令部はアストリアスの防衛は最早不可能であると判断、市内の全部隊に対し、首都市域外への撤退を通達。
10月10日、アストリアス市長が無防備都市を宣言。同日夕刻、共和国軍総司令官モーリス・マキシム陸軍元帥の軍使が、首都近郊に到着したばかりのA軍集団司令部を訪れ、市内の混乱を避けるため、(降伏を前提とする)時限停戦の申し入れを行った。
翌11日午前零時、西方総軍司令官ケラーマン元帥の名で、アストリアス市域における24時間の時限停戦が発効。停戦期間の終了後、共和国軍総司令官マキシム元帥は、ケラーマン元帥の司令部を訪れ、降伏文書に正式に署名した。
10月12日正午を以て、首都アストリアスを含むグラン・アストリアス地域(ゴール共和国の中心部)全域に残っていた共和国軍部隊はライエルン軍に投降した(実際には、その後も散発的な戦闘が各地で発生していたが10月末までの間にほぼ鎮定された)。
10月17日、ファントーシュ人民共和国の仲介により、ライエルン連邦とゴール共和国の政府間に於ける休戦交渉が妥結。
サクソニア連合王国との戦争終結までの期間、レーヌス川以北のゴール共和国領にライエルン軍の進駐を認め、事実上の占領統治下に置く事、”アンドレ・ライン”及び共和国国内の要塞施設の破却、共和国陸海軍の軍備制限等を課す一方、ゴール共和国の独立と主権を認め、領土・植民地の割譲や戦争賠償金の支払などを要求しない、という比較的寛大な条件の下、ゴール共和国政府(ワルデック政権)は連合国から離脱する事となった。

この間、10月6日に、それまで中立を保っていたラティニア王国が、ライエルンとの軍事同盟を理由としてゴール・サクソニア両国に宣戦布告。ゴール共和国の配線が必至となったタイミングでの火事場泥棒的な参戦だったが、開戦と同時に共和国領南部の沿海地域に艦隊を派遣し、軍を上陸させて一帯を占拠する働きを見せる。対する共和国軍の抵抗は極めて微弱であり、守備隊の多くは殆ど戦闘を行う事無く、ラティニア軍への投降若しくは共和国領西部への撤退を選択。
ラティニア王国政府は、成立直後のワルデック政権に対し、共和国領南部への軍事進駐を要求。共和国政府(ワルデック政権内)内には、軍事的に大敗を喫したライエルン相手にならいざ知らず、殆ど戦闘らしい戦闘もしないまま、漁夫の利を占めるような形で南部を制圧したラティニアからの要求に対しては反発する意見も多かったものの、同時期、共和国領西部(現実世界のイベリア半島)に逃れたパシー前大統領派の残党が、北西大陸や南方大陸の植民地政府の協力とサクソニア連合王国の支援を得て、和平反対・対ライエルン戦争継続を主張する新政権(後に、”自由ゴール政府”と名乗る)を樹立する動きを見せた事で、受諾やむなし、という判断に傾いた。
ラティニア王国側は、円滑な占領統治のため、南部地域のゴール市民の間で人気の高い、旧ゴール王家出身の女性政治家ジャンヌ・ドーデを、占領軍の監督下で一定の自治を認めた自治政府のトップに据えた上で、ライエルン連邦にも治安維持活動への支援を要請する等、(ラティニア人としては極めて異例な事に)なかなかにしたたかな統治手腕を発揮し、南部地域にひとまずの安定をもたらす事に成功する。無論、これらは全て、ラインハルト総統の指令に基づいて、ベッカー親衛隊長官やゲッペラー宣伝相等の側近たちが行った、秘密工作の結果であったのだが……。

斯くして、ゴール共和国は、首都アストリアスを中心に共和国本土の中央部を掌握した親ファントーシュのワルデック政権、共和国領西部と海外植民地の多くを実効支配する親サクソニアのパシー派政権(自由ゴール政府)、共和国領南部を押さえる親ライエルン/ラティニアのジャンヌ・ドーデ自治政府、の三勢力に分裂し、ライエルンに対抗する力を完全に喪失してしまった。
ライエルンは、ラティニア王国の進駐に協力するという名目で、ジャンヌ・ドーデを首班とする占領下自治政府への影響力を確保し、念願の石油資源の確保に成功(表面上は、ラティニアからの輸入という形をとっていたものの、共和国領南部の油田や製油所の経営権はライエルン資本の傘下に組み込まれる事になる)。なお、ライエルン政府は、南部地域の石油資源を獲得した事により、ファントーシュ産の原油を輸入する必要が無くなった後も、敢えて同国産の原油の輸入を継続する事によって、ファントーシュに警戒感を抱かれぬように心掛けた。

ゴール共和国との休戦協定成立後も、サクソニアは和平交渉に応じず、同国との戦争状態は継続する事になったものの、空軍の重爆撃機編隊による戦略爆撃と海軍の潜水艦隊による通商破壊作戦により、サクソニア本国の工業生産力は少なからぬ打撃を受け続け、(上述の通り、政府や軍部の中では、大陸への早期反攻に反対する意見が多数派となったため)『連合王国軍による大陸反攻作戦については当面実施の兆候なし』と推定される状況が続く事になった。また、サクソニア本国政府は、大陸派遣軍の壊滅によって生じた兵員・兵器の不足を補うため、海外植民地に対して、大量の兵士と資源を供出するよう厳命し、実際に容赦なく取り立てを行ったために、各地の植民地政府や植民地の市民達から激しい抗議と反発を受けるに至った。特に北西大陸の植民地各州の反感は大きく、連合王国に対する感情が大きく悪化するだけに留まらず、本国からの独立を求める主張が公然と叫ばれるまでになる。

●終章

大陸歴939年12月31日23:40。
ライエルンジーゲン特別市中央区/総統官邸内・総統執務室。

「……今年も、もうすぐ終わりだな。ハインリヒ」

新しい年を祝う祝賀行事と国民向けの年頭演説のため、普段は滅多に着用しない、仰々しく飾り立てた純白の礼装に身を包んだラインハルト総統は、傍らに、影のように侍立している、黒衣のSD軍装の男……ハインリヒ・ベッカー親衛隊長官に向かって言葉をかけました。

「そうでございますね、我が総統(マイン・フューラー)。今年は、特に色々な事がございました」

ラインハルト政権に於ける最重要閣僚であり、相次ぐ拡充によって今や総兵力40万とも云われ、陸海空三軍に匹敵する規模にまで急拡大した武装親衛隊のトップに君臨する男は、普段と同様、抑制的な口調と万事控え目な立ち居振る舞いに終始しつつ、忠誠を捧げる国家元首の下問に応じます。
喜怒哀楽に乏しく、滅多に表情を変える事の無いストイックな態度と情実的な人事を行う組織の長や上司・上官に対する追従によって栄達や保身を図ろうとする部下の存在を嫌悪し、容赦なく排除しようとする職務姿勢から、他の政府閣僚や軍の幹部(特に国防軍の将軍達)との間で軋轢を生じ、煙たがれる事も多いベッカーですが、主君であるラインハルト総統に対する盲目的なまでの忠勤ぶりは、彼の政敵でさえも認めざるを得ない所であり、良い意味でも悪い意味でも”総統の第一の忠臣”だと看做されています。

「アストリアスの様子はどうだ?先だっての報告では、ここ最近、ワルデックの人気が急落しているという話だったが」
「はい。我々との間で、比較的有利な休戦協定を結んだ事で、一時的には市民の間での彼の支持率は天井知らずの状況となりました。ですが、おそらく、それに気を良くしたせいでしょう、政府の要職からパシー前大統領派等の右派勢力を次々に排除し、その後任として、社会主義政党の関係者や労働組合幹部、左派系の知識人など、自分の支持者達を登用し続けたため、市民達の熱狂は急速に冷めつつあります」
「ふむ。政権の中枢から潜在的な敵対勢力となり得る者達を遠ざけようとする方針自体は、必ずしも間違いとは言えないのだがな。……しかし、本来、ゴール社会に於いて主流派を形成しているのは、農村部の自作農と都市部の商工業者なのだろう?近年は都市部の工場労働者も増えてきたとはいえ、全体で見れば、未だ少数派に過ぎない。国民から予想もしなかった程の圧倒的な支持を得て有頂天となったワルデックは、その基本的事実を失念してしまったという訳か……」
「はい。所詮はファントーシュの傀儡に過ぎぬ男、連中のお膳立てに従って首尾よく政権を手中に収めはしたものの、分裂した共和国を再統一し、建て直す事など、到底不可能でしょう。今頃、エレングラードでは、親愛なる同志書記長閣下が『お飾りの政権首班だとしても、もう少しマシな人間を選ぶべきだった』と切歯扼腕していらっしゃるのではないでしょうか?」

隣国の国家元首を平然とこき下ろすSD長官に、思わず、苦笑を浮かべるラインハルト総統。
無論、ワルデック政権の人気凋落の影には、彼の直属の配下である親衛隊保安部の諜報要員達の暗躍があるのだが、そのような事はおくびにも出さず、全てはワルデック個人の政治家としての資質の欠落とそのような愚物を政略のコマに選んだファントーシュ指導層の見識の無さに原因があるかの如く云ってのけるのが、ベッカーの如才無い点だった。

「外交筋では、今回のゴール侵攻で、一番得をしたのはファントーシュで、二番目がラティニア、我がライエルンは、”戦争には勝ったが外交では貧乏くじを引いた”と評されている、という話があるようだが?」
「そのような表面的な見方しか出来ない者は外交官として不適格でしょう。ファントーシュは不安定なワルデック政権を支えつつ、共和国領西部に逃れたパシー派残党……”自由ゴール政府”を抑え込むために、今後、多大な人的物的エネルギーを注ぎ込まねばならないでしょう。また、ラティニアは最小限の犠牲で大きな利得、分けても、共和国領南部に広がる油田地帯の獲得に成功したものの、新たに得た油田から産出される原油は、元々産油国である彼らにとっては宝の持ち腐れでしかなく、我がライエルンに売却する以外の選択肢は存在しません」
「……その辺りのカラクリ、ファントーシュには気取られてはいないだろうな?」
「はい。今の所、エレングラードに目立った動きはございません。我々がラティニア占領下の油田地帯から産出される原油を大量に買い取っている事に関しては、同盟国であるラティニアへの支援策の一環として受け取られている模様です。実際に、ラティニアによる占領統治が、これまでの間、さしたる抵抗や反発も無く続いてきたのは、我々が支払った原油の代金が南部の経済界を潤してきたからと云っても過言ではないでしょう」

ふむ、と小さく頷いた総統は、神経質そうな身振りで周囲を窺うと、声音を一段と低くしました。
……勿論、この場にいるのは、彼とベッカーの二人だけであり、会話に耳をそばだてている輩など何処にもいないのですが、これは、極めて重要な、なおかつ、他言を憚る内容の会話を交わすときの、ラインハルトの癖でした。

「……例の研究はどうなっている?進捗に遅れは生じていないか?」
「勿論でございます、我が総統。目下、親衛隊は、総大主教猊下の仰る所の”黒き太陽”……すなわち、原子核分裂の基本原理を解き明かし、反応制御技術を確立すべく、総力を結集して取り組んでおります。ヴェルテルSD技術中将(親衛隊技術本部長)の報告によれば、このまま順調に推移すれば、2年後には反応装置の設計を完了し、起動実験に漕ぎ着ける事が可能であろう、と……」
「2年後……か」

ラインハルトの表情が、ほんの一瞬ではありますが、苦々しく翳ります。
その事に気付いた親衛隊長官は、半ば反射的に腰を折り、深々と頭を垂れました。

「どうか、どうか……ご寛恕を、わが総統。お苛立ちはご尤もなれど、親衛隊技術本部は、日夜、難問を克服すべく全力を尽くしております。ですが、ライエルン最高の頭脳を結集した研究者集団といえども、全能ではございません」

恐懼に堪えない様子で、釈明の言葉を並べ立てる、親衛隊長官。公の場では決して見せる事の無い、その周章狼狽ぶりに、留飲を下げたのでしょうか?ラインハルトは冷静さを取り戻し、忠実な部下に向かって、面を上げるように促しました。

「いや、お前の部下達を責めている訳では無いよ、ハインリヒ。むしろ、彼らの働きには満足していると云って良い。……それに、元より、この一件が容易に結果を望めるものではない事も熟知している。これから先、なお2年もの間、ファントーシュの共産主義者共の顔色を窺い続ける小芝居を打ち続けねばならないのは、正直に云って、憂鬱な限りだが、我らが悲願を成就せしむるためには致し方なかろう」
「ハハッ、温かき御言葉、不肖の部下達に成り代わりまして、心よりの御礼を申し上げますッ!」

感激しつつ身体を起こした忠臣に労りの眼差しを向けながら、ラインハルトは静かに表情を改め、呼吸を整えました。意のままにならぬ現状に苛立ち、不平を鳴らす一介の青年の顔は急速に影を潜め、入れ代わりに、威厳と自信に満ち溢れたライエルン連邦の国家元首かつライエルン全軍の最高司令官としての相貌が浮かび上がっていきます。

「……そろそろ行こうか。皆が待っている」
「はい、我らが総統。何処までもお供いたしますッ!!」

【Reyernland über Alles!】シナリオ#1”金の場合”・完。

●運営者よりご挨拶
PBWアライアンス【Reyernland über Alles!】運営者兼ゲームマスターの安藤竜水です。

参加者の皆様、約1年間、【Reyernland über Alles! シナリオ#1”金の場合”】にお付き合い頂き、誠に有難うございました!
お陰さまを持ちまして、【Reyernland über Alles!】シリーズの最初のシナリオを無事終了する事が叶いました。この場を借りまして、厚く御礼申し上げます。

ゲームの最終的な結果につきましては、本日公開いたしました最終リプライ『開戦(大陸歴939年9月2日)』の本文をお読み頂くとして、ここではゲームの裏話等を二、三点、公開させて頂きたく存じます。
まず、”金の場合”の基本戦略に関してですが、実の所を言えば、”プランA”と”プランB”のどちらが採用されたとしても、ライエルン軍が勝利を収める事はゲーム開始の時点でほぼ確定していました。ただし、事前に確定していたのは『ライエルン側が勝利を収める』という一点だけであり、その『勝利』の内容が如何なるものとなるのか?については、(参加者の皆様のPCである)参謀達が立案する作戦行動方針次第とする、と決めていました。
次に、非常に意味深かつ隠喩的なやり取りが特徴的だった、第5回シナリオ『第5ターン(大陸歴939年2月第4週)』のオープニングについてですが、エーファ・ヴァイスハウプト総大主教の科白の中にある”黒い太陽”とは、端的に云えば、原子核分裂反応とそれを応用した新兵器(現実世界の原子爆弾に相当します)を指す言葉であり、その兵器を使用して”永劫の罰を与えん”としている相手とは、『第5ターン(大陸歴939年2月第4週)』に於いて明らかとなった通り、ファントーシュ人民共和国です。そして、総大主教(とラインハルト総統)がファントーシュを心底から憎悪し、絶滅を図らねばならないと固く思い定めているのは、前総統トリスタンの死に彼らが関わっている、と信じているためであるという事が強く示唆されています(注:その確信が本当に正しいものなのかどうか?については現時点では不明ですが)。
最後に、参謀達の作戦立案や定例全体会議での議論に対して、少なからぬ影響を与えたであろう、ラインハルト総統の思惑に関してですが、ゲーム運営者の立場としては、『リプライを読んだだけでは推測不可能にする』という方針で、毎回、リプライ上での描写(=ヒントの提示)を行ってきました。つまり、総統の思惑を推し量るためには、リプライを読み、『何かおかしいのではないか?』『これは一体どんな意図の下に行われた行為なのだろうか?』という不自然さや疑問を感じたポイントがあれば、当該リプライ上の描写内容とゲームサイトに掲載されている各種情報を突き合わせつつ推理を展開していくという作業が必要不可欠だった、という訳です(ちなみに、ゲームサイトに掲載していた情報の中で、ラインハルト総統の思惑を推理する上での最も重要なヒントとなっていたのは、【ライエルンの石油事情】という設定の文章と中央大陸に於ける主要な油田の位置を示した地図でした)。
おそらく、総統の思惑の解明に挑まれた参加者の皆様に於かれましては、現在行われている一般的な商業PBWのシナリオでは殆ど経験した事の無い作業に戸惑い、大いに難渋しながら推理を重ねられたものと想像していますが、『PBWアライアンスでしか味わえないような貴重な体験をした』と思って頂けたのであれば、ゲーム運営者としてこの上ない幸甚に存じます。

最後にお知らせがございます。
【Reyernland über Alles!】シリーズの今後の展開ですが、『シナリオ#1 ”金の場合”』の続編である『シナリオ#2 ”荒鷲軍団”』(※サブタイトルは現時点に於ける仮称です)が、2026年の運営開始を目指し、現在制作中です。
なお、運営開始予定の2026年時点に於いて、トミーウォーカー様によるPBWアライアンスのサービス提供が継続されているかどうか?現状では不明であるため、『シナリオ#2』がPBWアライアンスを利用したゲームとなるかどうか?は、今の所、未定です(場合によっては、PBWアライアンス以外の運用システムを利用して、ゲームを運営する事も選択肢の一つとして検討中です)。
無論、どのような運用システムを選定するにせよ、『シナリオ#2』では、『シナリオ#1 ”金の場合”』で得られた経験と反省点を活かしつつ、参加者の皆様にとって、より面白く楽しいゲームを目指して参りたいと存じますので、引き続き、【Reyernland über Alles!】シリーズを宜しくお願い申し上げます。

それでは皆様、新たなシナリオでお会い出来る日を楽しみにしつつ、ひとまずのお別れを申し上げます。
一年間、拙作にお付き合い頂き、誠に有難うございました。

【Reyernland über Alles!】運営者兼ゲームマスター 安藤竜水 拝