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GGOイベントクエスト「お菓子な森の妖精を討て!」

#ゴッドゲームオンライン

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 ここは|GGO《ゴッドゲームオンライン》の中の、とあるクエストエリアにあるギルド施設。NPCの女性と思しき|組合員《ギルドスタッフ》がクエストボードを前に冒険者たちに期間限定討伐イベントを案内している傍ら、同じギルドエンブレムをオシャレなリボンにつけたラグドールの猫が呑気に欠伸をしていた。
「にゃぁ……あ」
 だが、その猫はただの猫に非ず。冒険者の中に混じっている猟兵を見つけると、しなやかな体さばきでその後について行き――グリモアベースへとやってきた。

 「にゃぁ……にゃん。にゃーん」
 オスのラグドールの名は、トラ・フーテン(にゃーにゃーにゃん☆・f41829)。そして彼は猟兵たちに、GGOの期間限定討伐イベントに|明らかな異変《バグプロトコル》が混入していて一大事であることを鳴いて知らせた。

 「うにゃぁ、にゃぁ……ん」
 トラが言うのは、正に先程NPCの女性組合員が案内していたイベントのこと。
 本来であれば、森に住むちょっと困ったさんなモンスターであるエルフの弓術士とお菓子の妖精が、クリスマスに備え始めた近隣の村を脅かすようになったから、それを一定数討伐し、隠しモンスターも見つけ出して討ち取るというもの。
 しかもイベント期間中に運良く隠しモンスターを撃ったパーティメンバーたちは、名誉ある称号「隠しモンスター撃破」がもらえ、クエスト達成報酬である「|待降節《アドベント》のお菓子」獲得量がぐっと増える……という、クリスマスイベントの前哨戦のような比較的平和なイベントクエストなのだそうだ。レアなお菓子狙いのガチ勢も、可愛くて楽しいお菓子目当てのエンジョイ勢も幅広くクリスマスへのカウントダウンを楽しめる構成になっているらしい。

 「ふにゃふにゃ……にゃぁん」
 だが、今回その討伐対象のエルフたちは、多くがバグプロトコルなのだという。バグプロトコルに倒されたプレイヤーは|遺伝子番号《ジーンアカウント》を剥奪されてしまう。
 だから、犠牲者が出る前に猟兵が冒険者として時間制限付きのイベントクエストを受け、混ざりこんでいる大量のバグプロトコルをそれとなく撃って欲しいのだ。
 しかもタチの悪いことに、今回は目玉討伐対象である「隠しモンスター」こそが、どうやらバグプロトコルの大量混入の主因のようだ。これをも討伐しなくては、事態は解決しないと見て間違いないだろう。

 さりげなく一般プレイヤーに混ざってクエストを受け、タイムリミットまでにバグプロトコルを、隠しモンスター含めて全滅させて欲しい。
 不幸中の幸いは、タイムリミットがそれほどタイトでは無いことか。それと、バグプロトコルではないモンスターは一般プレイヤーに任せれば自分たちで狩るから気にしなくて良いという点も。

 「……にゃん☆」
 トラは、そういうわけでよろしくね! とひと声鳴き、どうやってかログイン画面へのアクセスルートを開いた。


月影左京
 こんにちは、または初めまして。マスターの末席に連なる月影左京です。
 新世界「ゴッドゲームオンライン」、何だかとてもワクワクすっぞ! な世界で、早速シナリオ作成となりました。

 ※私のシナリオへ初参加なさる方やお久しぶりの方は、MSページをお目通しくださると思わぬ事故を防げるかと存じます。

 今回皆さんをご案内するグリモア猟兵は、新米な猟兵の猫ちゃん、トラです。仲良くしてくださいね♪

 プレイングは👑を🔵か🔴が満たすまで受け付けます。また、シナリオタグやMSページなどでもお知らせします。

 各章は次の通りです。

●第1章(集団戦)
 討伐対象のエルフたち……に混ざっているバグプロトコルを討伐してください。通常のモンスターを巻き込むのは構いませんが、故意に狙う必要はありません。

●第2章(ボス戦)
 バグプロトコルなエルフたちを殲滅したところで、それらを大量に送り込んでいた首魁たる「隠しモンスター」と対峙することとなります。これもバグプロトコルなので叩きのめしてください。

●第3章(集団戦)
 「隠しモンスター撃破」称号を得た皆さんは、タイムリミットまで通常の討伐対象その2を倒していただきます。討伐するほどたくさんのお菓子が報酬に追加されます。美味しいし、可愛かったり精巧だったり色々です。仲間と誘い合って食べるのも、お土産に持ち帰るのもいいかも知れません。(※アイテム発行はできません)

 ちょっと気の早いクリスマスカウントダウンイベント。楽しんでプレイしていただけたら幸いです。
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第1章 集団戦 『エルフの弓術士』

POW   :    奪命の一矢
【毒が塗られた矢 】が命中した敵を一定確率で即死させる。即死率は、負傷や射程等で自身が不利な状況にある程上昇する。
SPD   :    自然の脅威
【長い袖 】から【魔法を刻印したダガー】を放ち攻撃する。その後、着弾点からレベルm半径内が、レベル秒間【底なし沼】状態になる。
WIZ   :    里を守る霧
レベルm半径内を【麻痺効果付きの霧 】で覆い、[麻痺効果付きの霧 ]に触れた敵から【HPとスタミナ】を吸収する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴィ・リー
なんだってー!にゃあんとしか聞こえてないのに情報量が多い!!
初めての経験だ、するすると頭の中に入ってくる。
楽しいはずのイベントが悲劇のリアル人生の始まりに成るのは阻止しなきゃだな!

GGOでは、そんなことが起きてるなんて、猫に聞くまで理解できなかった。
早速ログインするぜ。ピポパ(この擬音もしかして古いか?)

クエ受注ついでに、オレのステータスを確認、ジョブ:没貴族。
貴族の上級職って、アタリジョブなのか?

高級感あるライドNPC:ヴィ・リー。マップ見ても道に迷うので、イベントエンジョイ冒険者さんに運転してもらうぜ。
土地勘の有る人を乗せると楽だな。

UC里を守る霧を鹵獲使用して突撃の勢いでHP削り斃すぜ!



 ヴィ・リー(吸収・再生・増殖…・f41624)は驚きも冷めやらぬままにゲームへログインしていた。ピポパ! とわざわざ擬音を発しながらだが……まさかダイヤルアップ接続ではなかろうな? あれは基本的には従量課金制接続のはずだから、こんな膨大なデータ通信量を長時間必要とするゲームに……いや、野暮なことはやめておこう。
 さて閑話休題。ヴィ・リーは何にそんなに驚いていたかといえば此度のグリモア猟兵の有様だ。どこからどう見たってただの猫。その猫がにゃあんと鳴くだけなのに、何とも大量の情報を伝えてきたなんてなれば、理解が追いつかないのは無理からぬことだろう。しかもそれがスルスルと頭の中へ入ってくるのだから意味がわからない。

 ともあれヴィ・リーは気を取り直してエリアマップを見る。
(「楽しいはずのイベントが悲劇のリアル人生の始まりに成るのは阻止しなきゃだな!」)
 辛く苦しい|統制機構《コントロール》での暮らしから少しでも開放されるためのゲームでいきなりの|遺伝子番号《ジーンアカウント》剥奪なんて目も当てられない。現実逃避の代償にするには人権喪失はあまりに釣り合わなさ過ぎる。
「クエ受注ついでに、オレのステータスを確認……」
 クエストボードからクエストを受注したついでにこの世界で割り当てられた|ジョブ《立場》を確かめてみる。

―― ジョブ:|没貴族《アークロイヤル》。

「…… 貴族の上級職って、アタリジョブなのか?」
 没落した貴族の家にのみ現れることのあるジョブである。確かに字ズラだけ追えば立派な上級職だ。他のAIにやたらと忌避されることを除けば。"風当たり"が強いジョブという意味ならば、やはり十分にアタリジョブだろう。
 そんなこんなで高級感あるライドNPCとなったヴィ・リーは、元からクエストお助けアイテムとして存在していたかのようにナチュラルにエンジョイ勢プレイヤーへ声を掛け、運転手として乗せることに成功した。エリアマップをしばらく眺めてみたが、いかんせん初めてだらけの場では迷子になる確信しか無かったためだ。
(「いやー、土地勘の有る人を乗せると楽だなー!」)

 そんな新世界珍道中ぶらり旅(?)もまもなく終わりを迎える。ブレーキがかかってエンジョイ勢プレイヤーが降りてすぐ、エルフの娘たちとの交戦が始まった。
 ヴィ・リーは猟兵としての直感から即座に|バグプロトコル《オブリビオン》の個体を看破、ユーベルコードでの対処に乗り出した。エンジンを唸らせ、ホイールを高速回転させると一般プレイヤーの周囲を囲むように疾駆する。
 その勢いにまかれて、エルフたちが放った「里を守る霧」はプレイヤーたちへほとんど届かない。そして……。
「そぉら、走るぜ!」
 ホイールの回転速度が上がるほどに、ヴィ・リーから放たれる霧は濃くなり、バグプロトコルのエルフたちを蝕んでゆく。さらにヴィ・リーが突撃を敢行してごっそりHPを削り取れば、効果はてきめんだった。【魔法鹵獲術】、ヴィ・リーのホイールこそが鹵獲した魔術を記録できる魔導書であり、必要な詠唱を満たせばホイールの回転ごとに幾度も高速・多重詠唱が可能になる仕組みなのだ。
 中世ファンタジーのような文化しかなかったはずのエルフたちに、そんな高度な技術が知られているはずもない。バグプロトコルのエルフたちはヴィ・リー相手に非常な苦戦を強いられ、徐々に、だが着実に、劣勢へ追い込まれてゆくのだった。
 そんなヴィ・リーの傍で、先程のプレイヤーを含めた一般プレイヤーたちは物珍しい突発ミニイベントを見られたと興奮しながら楽しんでいる。ヴィ・リーの初陣としての成果も、上々といえるだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

御園・桜花
「ハイテクが進み過ぎて、どうしたら良いか分かりません…」
新世界は1度は体験したい勢、恐る恐る参加

「ミラージュにはネットなんてありませんもの。ザナドゥのサイバースペースもおっかなびっくりでしたけれど…少し斧魔の世界に似た感じです?」
周囲キョロキョロ

「プログラムがオブリビオン化したものが転生したら、正常なプログラムに戻れるのでしょうか。与えられた役割に戻るのは、貴方達の幸せになるのでしょうか」
「私は此の地の方々の為に貴方達を阻みますけれど。何時か貴方達にも、貴方達の望む幸せが訪れますよう」
UC「精霊覚醒・虹」
高速飛行で敵の攻撃を躱しつつ精霊召喚
巌や雷、氷の属性攻撃で敵のみ吹き飛ばす

戦闘後鎮魂歌歌う



「ハイテクが進みすぎて……どうしたらいいのか、分かりません……」
 御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は、どうにかこうにかクエストを受け、人波に沿って進んだことでクエストエリアまで来たは良いものの、完全に途方に暮れていた。
 何しろサクラミラージュには存在しないものしか存在しないと言っていいほどに、何から何まで勝手が違いすぎるのだ。新世界は1度は体験しておきたいという好奇心や向上心はあれども、だからといってハイカラすぎるハイテクにすぐにすぐ馴染めるわけではない。
「サイバーザナドゥのサイバースペースもおっかなびっくりでしたけれど……少し斧魔の世界に似た感じです?」
 周囲をキョロキョロと見回しながら、何とか自身の経験や知識で理解しようと努めてみる。そうこうしているうちに、近くで剣戟や何かが飛来する音が……交戦の喧騒が聞こえてきた。一般プレイヤーたちが討伐対象のエルフを狩り始めた音だ。
「……! 行きましょう、やれるだけのことをやるしかありません!」


 桜花が駆けつけた先には、濃い霧は満ちてはいなかった。だが双方共に見晴らしがよく行動が阻害されないことで、バグプロトコルにとっても行動しやすい状況にあった。
 エルフたちがその長い袖からダガーを放つと、着地点から一定範囲が底なし沼へ変わる。単に足を取られるだけなら良いが、それがバグプロトコルによるものならば一般プレイヤーたちにはいつしか致命傷となってしまう。
 桜花は速やかに桜鋼扇を手に取った。
「我は精霊、桜花精。我が呼び声に応えよ七精霊。炎氷嵐磐雷光闇の呼び覚まされし力もて、我らが敵を討ち滅ぼさん! ――【|精霊覚醒《セイレイカクセイ》・|虹《コウ》】」
 桜花の体がふわりと宙に浮く。1万4600km/hという目にも止まらぬ高速で飛翔し、バグプロトコルが放つダガーを巧みに回避……というより、狙おうにも狙えぬ速さだ。空を切るダガーが着地点を底なし沼へ変えようとも、桜花が足をすくわれることは無い。それどころか、彼女に召喚された七精霊が駆使する巌や雷、氷の属性攻撃で、バグプロトコルのエルフたちだけが的確に吹き飛ばされていった。
「プログラムがオブリビオン化したものが転生したら、正常なプログラムに戻れるのでしょうか。与えられた役割に戻るのは、貴方達の幸せになるのでしょうか」
 全ての世界に転生を――それが単純ながら奥深い、桜花の唯一にして最大の願い。影朧のようにバグプロトコルも"あるべきプロトコル"へ転生できたなら。だが、バグプロトコルは応えない。影朧の転生を知らないのかどうかさえ、知らせない。
「……」
「私は此の地の方々の為に貴方達を阻みますけれど。何時か貴方達にも、貴方達の望む幸せが訪れますよう」
 ただただ駆逐されゆく敵へと、桜花はそう祈り願った。

 確認できる範囲の粗方のバグプロトコルを撃退したところで、桜花は居住まいをただし、口を開いた。それはバグプロトコルたちへの鎮魂歌。
 どうかいつかどこかで、新たに安らかな生を授かることが叶うように……優しい、やさしい歌は、事情を知らず無邪気にクエストに興じていたプレイヤーたちの耳をも惹きつけた。彼らも子どものように素直に耳を傾け、聴き入っている。
「……なんか、いいね。こういうの。少し悲しくて、どこかあったかくて」
 ぽつり、そんな声が手を止めたプレイヤーたちの中から聞こえてきた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天喰・響
クリスマス?もうそんな時期か
去年はあいつも一緒に…
いや、余計なこと考えてる場合じゃないな
クエストクリアついでに何とかしてやるよ

エルフ系は確か
遠距離攻撃やバステを得意とする反面
そんなに固くなかったはずだな(※ゲーム知識)

バグプロトコルも同じ攻略法でいいのか?
まあ、やるだけやってみるか

接敵直後に『エンジン重撃』を叩き込む
高威力の技を使うことで
俺に敵視を集中させるぞ

敵が毒霧を放ってきたら
【ダーク・ヴェンジャンス】発動
あえて霧に取り巻かれ
しばらくはダメージを甘んじて受ける

何でって?被ダメが俺の力になるからだよ

HPが半減した辺りで反撃に移行
大剣で切り付け
敵を殲滅がてら『生命力吸収』
削られたHPも元通りだ



 クリスマスが近づくと思い出すことがある―― 天喰・響(Eclipse・f41919)は、クエスト名を眺めて僅かな時間ながら親友へと思いを馳せていた。
「もうそんな時期か……。去年はあいつも一緒に……いや」
 ふと、思考を強制終了させる。今はそんなことを考えている場合では無い、と。
「クエストクリアついでに何とかしてやるよ」
 それは誰へ向けた言葉だったろう。此度の事態を知らせた相手へか、今は隣に居ない親友へか。

 ともあれハンドルネーム「クライ」である響は、漆黒の装備に身を固めながらクエストエリアへ足を運んだ。
 彼はプレイヤーキャラクターとしての活動歴が短くは無い。だから今回もプレイ経験からの攻略知識が自然に出てきた。エルフ系は確か遠距離攻撃やバステを得意とする反面、そんなに固くなかったはずだ……と。問題はその知識が|バグプロトコル《過去から滲出してきた異物》にも通用するのかどうかだ。
(「まあ、やるだけやってみるか」)
 響は装備品や各種ステータス類、使用可能なスキル類を確かめる。
 ドレイン系スキルを中心に「死なない」ことへ特化したビルドの|重戦士《ヘビーウェイト》が彼のこのゲーム内での在り方だ。その相性もあってか――当然それだけが理由では無いだろうが――、パーティプレイには誘われれば混ざるが基本的にはソロプレイを好む。今回もやはり特に誰と組むことも無かった。

 やがて視界にエルフたち討伐対象を捉えると、響はエンジンブレイド【暴食】のエンジン出力を最大限解放。それにより補強された重撃をエルフたちへ容赦なく叩き込んでヘイトを稼ぎ、バグプロトコルであるエルフたちの狙いを引き付けた。
 表情に険しさや嫌悪を浮かべた敵たちがユーベルコード製の毒霧を放ってくるのを、響は漆黒の粘液で自身を覆いながらも敢えて甘んじて被る。ジリジリとHPゲージが削られていくが、抗わない。バグプロトコルのエルフたちはその"自滅行為なプレイ"をする響を見て勝利を確信したか、ふと黒い笑みを浮かべた。

 だが、もちろん響が無策であるはずがない。
「何でって? 被ダメが俺の力になるからだよ!」
 そのひと声から、反撃が始まった。HPゲージが示す残量はおよそ半分、しかしそれでこそ全身を覆うこの粘液は響へ戦闘力増強と生命力吸収という強バフを与えてくれるのだ。負傷に比例するようにその効果は高まる。それが彼の今回の攻略の要、【ダーク・ヴェンジャンス】。
 重戦士でなければ扱えないほどの重量を有する大剣をいとも容易く振り回し、意表を突かれて隙を見せた敵を休むことなく切り裂き、薙ぎ倒してゆく。ついでに剣先や刃が触れた刹那、そこからの生命力吸収をも実行。大剣の名が示す通り、それは敵の命を啜り、主を癒していく……。

 響がやっと一連の行動を終えて辺りを確かめると、バグプロトコルたちが経験値やささやかなトリリオンを示しながら消滅していっていた。そして彼のHPゲージは既に交戦開始前と同じ、100%へ戻っている。
「……へぇ」
 どんな思いを胸中に秘めているのか、響はそれだけ声に出すと次に備えて手持ちアイテムや装備品の状態の再確認を始めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

真宮・奏
これがゴットゲームオンライン・・・ゲームの世界に生身で入るのも不思議な感覚ですが、純粋にゲームを楽しんでいるプレイヤーさん達を守りませんとね。ええ、守るのは私の本領です!!がんばります!!

敵は積み重なると致命傷になる攻撃持ちですか・・・蝕む霧を【毒耐性】【環境耐性】【激痛耐性】などありったけの体制を総動員して耐えます。

スタミナと頑丈さなら自信あるんです!!直接攻撃はしてこないようですので、バフを撒くのに専念してある間に疾風の矢を発動。こちらが力尽きて倒れる前に勝負をつけます。

まだまだ謎が隠された世界ですが、まずは犠牲者を減らしませんとね。



 「これが、ゴッドゲームオンライン……」
 真宮・奏(絢爛の星・f03210)は広大なゲーム世界に圧倒されていた。そもそも生身で|出現《ログイン》できることも新鮮であるが、純粋にゲームを楽しんでいるプレイヤーを狙うバグプロトコルがこんなにも堂々と闊歩しているのもなかなか不思議な光景だ。今までどれほどのゲームプレイヤーたちが危機に晒され、犠牲となったのか……そう思えば、守ることこそ本分である奏の心身も引き締まる。
「ん? 君もクエストクリアに来たの?」
 何も知らない一般プレイヤーが奏に話しかける。既に気合十分となっていた奏は、威勢よく返事をするのだった。
「ええ、守るのは私の本領です!! がんばります!!」
「お、おぅ……。んじゃあ、盾役頼むわ……」

 クエストエリアに蔓延るバグプロトコルのエルフたちは、新たなクエスト挑戦者を見つけるとすぐ臨戦態勢をとった。奏は正規の討伐対象エルフを一般プレイヤーたちに任せ、自身は激痛耐性や毒耐性、呪詛耐性、環境耐性……とにかくありとあらゆる耐性を駆使して、彼女らが撒き散らす濃霧の危害を耐え忍んだ。

 彼女らの霧は、奏からスタミナやHPを奪おうと蝕む。だが、奏はむしろその点は自信があるからこそある種の力技に出た。
「スタミナと頑丈さなら、自信あるんです!!」
 バグプロトコルのエルフたちは、|霧《デバフ》は撒いても直接的な攻撃はしてこない。ならばこちらが力尽きるより先に仕掛けてしまえばいいのだ。
「風よ、奔れ!!」
 刹那、奏のもとから720本に及ぶ矢が出現。それらは疾風のように――というよりは最早嵐のように――その一団へ襲いかかった。風の属性を有する魔法の矢は、広範囲に降り注ぎ、時にある個体へ2回以上刺さり、着実に仕留めていった。

「へぇ……! すごいや、そういうタンク職のビルドもアリかぁ!」
 奏の鮮やかな戦いぶりに、まだ初級者と思しき一般プレイヤーたちは目を輝かせている。そんな彼ら彼女らを守れた奏はまたひとつ自信をつけた。
(「まだまだ謎が隠された世界ですが、まずは犠牲者を減らしませんとね!」)

 今のところ犠牲となった一般プレイヤーは出ていない。そしてバグプロトコルの残数も、かなり減ってきた――ひとまずの撃滅まで、あと一息だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

風花・雪月
月影左京マスターにおまかせします。かっこいい風花・雪月をお願いします!

管理者権限を持つ、人間にも変身できるドラゴン型AIです。高い戦闘力を有し、放置モンスターを抹消することでPOPを調整したり、バグ化モンスターを討伐することでシナリオの安全を確保したりします。
平時は、白い竜角を生やした十代後半の人間の姿をしており、赤い紋様が入った東洋学者風の白い服を纏っています。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 |ゲームの管理者《ゲームマスター》として創造されたAIであるドラゴンプロトコルもまた、今回の件を見逃してはいなかった。風花・雪月(調整者・f41951)は、またかといった調子でクエストエリアへと姿を現した。
 白い狩衣に黒い袴、10代後半と思しき若い人の姿……見る人が見れば、あるいはよく観察したなら、女性だと分かったろうし、何なら陰陽師の正装に近しい出で立ちだと理解できたろうが、美意識とともに権威をも感じさせる佇まいからは、性別など関係なく心を引きつける何かが溢れていた。さらに、雪月にとっては人の姿でいるのが平時の在り方だが、"未実装"の地域のはずの東方の服装はどこから手に入れたのだろう?と、そういう意味でも視線を集めていた。

 ドラゴンプロトコルの役割は、その高い戦闘力を活かして一般プレイヤーたちが楽しめるようダンジョンを生成したり、時にはそのラスボスとして君臨したりすること……だったのだが、|猟兵《あらたなちから》へ目覚めたドラゴンプロトコルは、|バグ化したモンスター《オブリビオン》を駆逐してクエストの安全性を確保し、一般プレイヤーを守ることもまた仕事のうちに含めるようになった。雪月もそんなドラゴンプロトコルの1人である。
「やれやれ、わしも老体に鞭打って働こうかの……」
実年齢は99の雪月、このゲームの管理には慣れていても、バグプロトコルの対処なんて新たな仕事が増えたのは、何とも面倒く……何とも世話のやける話である。

 これまでのダンジョン経営で蓄えたトリリオンを幾らか消費して、モンスターとトラップとを召喚する。ここまででバグプロトコルのエルフたちはかなり始末された。あとは雪月が仕上げるだけだ。抜かりなく完遂できるよう、トリリオンは過不足なく消費する。使い過ぎなければ、そのうちまたクエスト報酬やダンジョン経営で賄えるのだから。
「モンスターは、トロールたち。トラップは……うん、これで『野菜炒め』ができるね、行ってらっしゃい」
「オオォ……! ヤサイ、クウ!」

 雪月が淡々と送り出したのは、単純な知性しか持たない代わりに剛腕を誇るトロールたち。その片手にはごうと燃える松明。そしてエルフが群れを成す場へばらまいたのは足枷トラップ。
 昼行灯かと思われたその火はやがて毒霧を水蒸気へ変えて消し、そのまま武装ごと、トラップに足を囚われたエルフを焼き尽くしていく。断末魔を残す余地も与えずに、トロールの重たい一撃が次々とバグプロトコルたちを討伐していった。

「ふむ、これでここにいるエルフたちは一掃じゃな。お疲……うん? なんじゃ、おぬしたち。その先は隠し……!?」
 雪月がトロールや罠の召喚を解こうとした時、トロールたちはなおも特定の方向を向いて突き進み始めた。その先はこのクエストの目玉である隠しモンスターの在所だが……雪月と場にやってきていた猟兵たちは、その隠しモンスターもまたバグプロトコルなのだと、むしろそいつこそが元凶かもしれないと、直感的に悟ったのだった。
 場の混乱を最低限に抑えるため、雪月は改めてモンスターとトラップの召喚を解き、直感が告げたことの真偽を確かめに、バグプロトコルならば倒すために、急ぎ足で駆けてゆく……。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『十字皇の使い』

POW   :    全き光
装備武器から【十字光 】を発射する。自身の【防具】削減量に応じ、威力・速度・発射数が増加する。
SPD   :    我らは嘗て在りし者の残滓、故に
ランダムなユーベルコード(執筆マスターが選択)をひとつ使用する。種類は選べないが必ず有効利用できる。
WIZ   :    我らが望むは闇無き世界也
【十字光 】を放ちダメージを与える。命中すると【サイキックエナジー】を獲得し、自身が触れた対象の治癒or洗脳に使用できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠白石・明日香です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴィ・リー
こいつが、この事態の発起人か!
バグプロトコルに、使命感や倫理観が残ってるかは知らないが、楽しいイベントクエをエサに誘い込んで、プレイヤーから遺伝子番号を奪うのはフェアな殺り方じゃないぜ!

言い残したことは有るか?→てめぇの願望世界なんざ、知らねぇよ!|骸《バグ》の海に還れ!

戦闘は高速で走って、敵の十字光を躱しながらUCで応戦。

反射速度なら負けないぜ。(敵の予備動作で、いつ撃って来るかわかる。ここらへんは元のキャラデータのままか)

隠しボスでも、よく見て動きの法則を解析出来りゃこっちのもんだ!

AIの作りはオレの方が上か?勝てる!

(…フラグってなんだっけ?)

使い古されたジンクスには負けねぇ!
超えるぜ!


御園・桜花
「あの…もしかして、其れ以上攻撃すると、防具が無くなってしまうのでは…」
困惑

「どうしましょう、願いを表明されない方には、久し振りにお会いした気がします…」
思わぬ弱点露呈

「貴女の望みは、さっさと戦闘を終わらせて恥ずかしい格好から解放されたい、で宜しいでしょうか…迅速に戦闘致しますね?」
頓痴気なりに慮った

「此れが…私の最高、極みの一撃ですっ」
UC「桜鋼扇殴打・極」
敵の攻撃を第六感や見切りで躱しどうしても避けられない攻撃のみ盾受けしながら吶喊
零距離で桜鋼扇の極みの一撃を振り抜く

「貴女は誰かに作られたプログラムの儘でしょうか。例え敵でも、何時か望み持つ貴女とお会いできる日をお待ちします」
鎮魂歌歌い送る


真宮・奏
おや、こんな所に寒そうな格好をした方が。この方がバクプロトコル、この世界の破壊者ですか。防御は大変そうですが、かなりの実力者であることは確かですね。防御の大変さを逆手に取るぐらいだから頭も回ると見えます。

こういうタイプは長く存在させるととても厄介ですね。即急に倒しましょう。トリニティ・エンハンスで防御力を上げ、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】【受け流し】【ジャストガード】でしっかり攻撃を受け止めますよ。うわ、思ったより凄い威力ですね・・・

攻撃を受け切ったら反撃です!!【属性攻撃】で風属性にした【衝撃波】で鎌鼬を作り出して容赦無く切り裂きますよ!!悪いんですが、容赦はしません!



 隠しモンスターがいるはずの場へ皆で駆けつけると、そこに居たのは何とも紙装甲のエルフ女性だった。幸い、まだ一般プレイヤーの多くは先程の里のエルフをせっせと討伐しているようだ。ガチ勢プレイヤーは気付きはしたものの、|ドラゴンプロトコル《ゲームマスター》の姿を見かけたことで何かバグ修正でも行われるんじゃないかと深読みし、敢えてこちらに来ないことを選んでいたようだ。

 紙装甲な隠しモンスターを見て、奏が思わず呟く。
「おや、こんな所に寒そうな格好をした方が。この方がバクプロトコル、この世界の破壊者ですか」
 だが、相手は自身の敵を察知すると、躊躇いなくその紙装甲を削り始めた。それを見てハラハラしているのは桜花だ。
「あの……もしかして、其れ以上攻撃すると、防具が無くなってしまうのでは……」
 打ち出される十字の光を第六感が告げるままに見切って回避しながらも、その可憐な表情は困惑に染まっている。
「楽しいイベントクエをエサに誘い込んで、プレイヤーから|遺伝子番号《ジーンアカウント》を奪うのは、フェアな殺り方じゃないぜ!」
 そしてヴィ・リーは何も告げず淡々と先手を打ってきた敵へ、真っ向から抗議した。このエルフが先程の大群のバグプロトコルを送り出していた元凶というのなら、情状酌量の余地はない。使命感や倫理観などバグプロトコルに存在するのかは定かでは無いが、アンフェアなやり口をしてくるのなら等しく|骸《バグ》の海へ還すのが当然で単純明快な対応だろう。

 「防御は大変そうですが、かなりの実力者であることは確かですね」
 奏は、仲間を守ることには人並み以上の自信を持っている。誰かの命を、希望を、かけがえのないものを守る戦いは、いずれ奏の大切な想い人を護る力と勇気とへ繋がっていく。だから今も、あらゆる力を尽くさない理由は無いのだった。
(「こういうタイプはさっさと撃たないと危険ですね」)
 防御の難しさを逆手にとったような攻撃を躊躇わず繰り出してくるのだから、このバグプロトコルは頭の回転も良いのだろう。
 ならば……と、奏は、十字光を巧みに回避しながら桜鋼扇を手にエルフの元へ吶撃しに向かう桜花の間へ割り込み、盾役を引き受けた。
 瞬時に発動させた【トリニティ・エンハンス】の効果で属性防御力を底上げし、纏うオーラによる防御だけでなく、エレメンタルシールドによる盾受けや"護るという強い意志の具現化"でもあるブレイズセイバーでの武器受けからの受け流しやジャストガードも駆使し、猟兵たちが戦う拠点となる場を確保するように立ち回る。

 「反射速度なら、オレだって負けないぜ!」
 キャバリアの"ワケあり"パーツから生まれたヴィ・リーは、桜花と奏の戦いの邪魔にならないよう、バグプロトコルの行動妨害を試みていた。どうやら頭が良いのはバグプロトコルというよりはそれを生み出したさらなる黒幕なのかもしれない……用いてくるユーベルコードこそやりにくいものだが、そのためには大抵元のプログラムどおりの手順を踏むから、予備動作さえ把握出来てしまえば、そこから次の手を読むのは簡単にも思えた。
「AIの造りはオレの方が上か? 勝てる!」
 ニヤリと感じたその刹那、ふと自分の心のどこかから声が上がった。それってフラグじゃないのかと。
 だがしかし、ヴィ・リーはそんなことで怖気づきはしない。むしろ目指すはフラグクラッシャーなのだ。使い古されたジンクスなんてものは、超えて打ち破るためにある!
 既に直視を躊躇う程に紙装甲を削っているエルフが、再び眩い十字光を放った。
「はっ! 『何でも、やってのけるぜ!』」

 奏やヴィ・リーと共に戦いながら、桜花の困惑は深まるばかりだった。いつか幻朧桜になるとしたら、その日には影朧の願いを聞き届けなくてはならないのだが、このエルフはただただ淡々と猟兵を駆逐しようと攻撃を繰り出してくるのみ。
「どうしましょう、願いを表明されない方には、久し振りにお会いした気がします……」
 願いがあるのかないのか、それさえ悟らせないとなるとどうしてあげるのが最善なのか、判断も想像もしようがない。思わず弱点を露呈してしまった桜花だが、混乱を極めても立ち止まりはしない。
 桜花は敵へ迫りながら悩みに悩み……ひとつの答えを出した。
「貴女の望みは、さっさと戦闘を終わらせて恥ずかしい格好から解放されたい、で宜しいでしょうか……迅速に戦闘致しますね?」
 何だか明後日の方向へ思考回路が傾いている気がしなくもないが、その一言と共にグンっと踏み込んだ桜花の姿が、奏にもヴィ・リーにも反撃の狼煙となった。

 「行きます!」
 奏は風属性の衝撃波をシルフィード・セイバーから引き起こし、カマイタチとして敵を切り刻みにかかる。破廉恥な格好にさらに追い打ちをかけることになろうとも容赦はしない。
「此れが……私の最高、極みの一撃ですっ!」
 間髪入れずに、桜花が零距離から敵へと桜鋼扇を振り抜いた。
 【|桜鋼扇殴打《オウコウセンオウダ》・|極《キワミ》】。召喚精霊の属性に破魔と浄化が複合した一撃は、エルフへ極大ダメージを与える。だが、敵の表情が苦悶に歪んだのと時を同じくして桜花の手元から扇を綴っていた鎖が耐えきれずちぎれ、落ち、可憐な意匠の桜鋼扇はバラバラに解けてしまった。
 それを大きな隙と見たか、敵はまた新たな十字光を放たんと構え出す。その時咄嗟に、ヴィ・リーは桜花へ声を掛けた。
「オレに乗りな! しっかり捕まってろよ!? 全速全開ーっ!」
 桜花が自身の操縦席へ騎乗したのを直感的に理解するや否や、ヴィ・リーは全身から黒炎を吹き出して1万800km/hでエルフへ突進した。
「轢! 殺!」
 ヴィ・リーの【それはまるでチートのような、とんでもない才能】は、この場に適切なユーベルコードを『デッドヒートキャリバー』だと判断した。操縦席に誰かを乗せていれば轢殺ダメージは倍増する。攻防の手立てを一時的に失った桜花を庇うことも叶う、一石二鳥な大技として機能するのだ。
 マッハ8を超える速さで疾駆するバイクに跳ねられれば、正常なプロトコルや常人であれば即死級のダメージを喰らうだろう。その余波で近くにいる者だって無事で済むとは言い難い。この場にバグプロトコルと猟兵しか居ないからこそ使えた、ド派手にしてハイリターンな選択だった。

 晴れ渡る空へ高く、遠く跳ねられたエルフは、もともとの紙装甲を削って十字光の威力を増強させていたこともあり、しばらく落下地点から動けないようだった。
 まだ辛うじて生きているらしいのは、消滅しないことや獲得トリリオンおよび経験値が出てこないこと、隠しモンスター討伐のタイトルも出てこないことなどから判断できるが、まともに立ち上がれるまでには間違いなくそれなりの時間が必要だろう。
「なかなかいい具合に吹っ飛んだな」
「あの、壊れちゃった鉄扇の部品、集めておきました」
「ありがとうございます。……いつか、あのエルフさんも何らかの望みや願いを持つ者として、またお会いできたら良いのですが」
 清々した声音で呟くヴィ・リー、極大ダメージの代償になった桜鋼扇の部品を丁寧に拾い集めた奏、それを受け取りつつも、このエルフにも討滅された後に鎮魂歌を捧げようと密かに祈るような気持ちを抱く桜花。
 3人はまだ油断していられない状況下で皆で体勢を立て直すため、またうっかり一般プレイヤーを巻き込まないため、それぞれ場を離れてやれることを探しつつ一旦退いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

風花・雪月
さきほどの三連撃を受けてなお動くのか。
おぬしのような輩が徘徊しているとあっては、安心してこの世界を遊ぶことができぬ。

|オブリビオン《染み出してきた過去》。
いずれの世界より染み出してきたのか知らぬが、ここにおぬし達の居場所は存在せぬ。
疾く、骸の海へと還してやろう。

逃げられぬように周囲にモンスターやトラップを配置。
システム的な攻撃ならばこの身に傷など付かぬが、あやつはシステム外の存在。
念のため光線は《結界》で干渉し、逸らすとしよう。

仙術で天候を操り、極大の雷撃を見舞う。
もっとも、この程度で消えはせぬじゃろう。
敵が回復するより前に、龍本来の姿に戻した右手の《爪》で地形をも破壊する一撃を与えよう。



 雪月は、先に動いた3名の連撃を喰らってなお消滅しない隠しモンスター相手にその美しい紅目を見開いた。何という頑丈さか……。隠しモンスターのバグプロトコル化は少々想定外なほど深刻な話かも知れない。
「|おぬしのような存在《染み出してきた過去》がいては、安心してこの|世界《ゲーム》を遊ぶことができぬのう。いずれの世界より来たりしかは知らぬが、ここはおぬしの居場所に非ず、じゃ。疾く、骸の海へ還そうかの」
 ようやく立ち上がった満身創痍のエルフが顔を上げると、その周囲には既に雪月が【ダンジョンマスター・プロトコル】にて召喚した数々の足枷トラップが展開されていた。しかも、やはりトロールも姿を現している。1点違いがあるとすれば、トロールが手にしているのは松明ではなく、眩く輝くバックラーと身幅の広い剣であること。

 エルフはなおも諦めが悪いようだ。動けないと分かればその場からトロールの群れがやってきた元――雪月目掛けて十字光を放つ。されど、雪月はそれを容易く凌いだ。
 本能的に防御行動を取ったトロールのバックラーが鏡面の役割を果たし、その光はあらぬ方向へ反射してしまう。そしてそれをずば抜けて高い仙術の技能を駆使した雪月が操り、他の猟兵や一般プレイヤーが被弾することのないように散らした。
「この程度で倒れるとは思わぬが……さてどうじゃろうな」
その上で、天候をも局地的に操作、凄まじい衝撃を伴いながらエルフへと落雷させる。
 それでも、光を操るエルフとあってか、雪月の予想通りに敵はなおも起き上がる。しかし次の反撃を許す気はない雪月。瞬時にドラゴン本来の有り様へ変化させた右腕の鋭利な爪を勢いよく振りかぶり、地をも裂くような一撃で追撃を行う。召喚したトロールたちも次々と不利なエルフへ群がり、剣を、盾を武器にして襲いかかる。
 3連撃を受けて痛恨のダメージを喰らっていた以上、このバグプロトコルであった隠しモンスターが撃破されるのも、雪月が行った数の暴力の前では時間の問題だった。

 こうして、雪月たち猟兵は期せずして「隠しモンスター討伐」の栄えある称号を手に入れ、クエストエリア内にもアナウンスがなされた。
 あとは2種類目の討伐モンスターをタイムリミットまで狩るばかり……といっても、どうやらこの中にもやはりバグプロトコルの個体は存在するようだ。
 新たなバグプロトコルの発生はしばらく心配要らないとしても、このモンスターが落とす美味しくて楽しいお菓子が目当てのプレイヤーも多い。彼ら彼女らが犠牲にならないように配慮しつつ、こちらもお菓子集めと行こう。

 「ふぅむ、消費したトリリオンはどうにか回収できたようじゃな。次なる対象のもとへゆくとしようかの。折角の称号、効果を享受せぬのももったいなき話じゃ……」
 称号の効果でお菓子獲得に有利を得ているのだから、活用しない手はない。果たしてどんなお菓子がドロップするだろうか。仲間と分けても、自分用に集めても楽しいだろうし、一般プレイヤーと交換しあっても喜ばれるかも知れない。
 戦い方だけでなく、称号とお菓子の使い道にも個性が光りそうだ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 集団戦 『お菓子の妖精』

POW   :    お菓子を配る
【お菓子】を給仕している間、戦場にいるお菓子を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
SPD   :    お菓子の魔法
【お菓子の甘い香り】を纏ってレベル×5km/hで跳び回り、触れた物品や対象の装備を破壊、あるいは使用不能にする。
WIZ   :    夢のお菓子
レベル個の【巨大お菓子】を召喚する。戦闘力は無いが極めて柔らかく、飛翔・クッション・ジャンプ台に使用できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

御園・桜花
「此の方々はバグプロトコルではなくて、本当のゲーム内のキャラクターと言う事で良いのですよね?ハロウィンのゲェムで倒したらお菓子をくれた存在のような?」
周囲見回し必死に今迄の自分の知識と現況摺合せ

「倒せばお菓子が貰えるゲェム、ゲェム…元々ゲェムでしたっ」
殺すのでも倒すのでもなくバーチャルなそう云う得点方法のゲェムだとやっと得心した

「お菓子…異世界のお菓子は、とても欲しいです!頑張ります!」
制圧射撃で敵足止め
出された夢のお菓子はUC「古木の宿」にどんどん収納
「お菓子ですもの!ミラージュに戻ってから、(UC使って)お菓子の材料にします!食べて遊べるお菓子、素晴らしいです!」
どんどん銃弾ばら撒く


真宮・奏
お菓子を人を苦しめるのに悪用するとは胃袋ブラックホールとしては断じて許しません!!この世界を破壊するバクプロトコルとしてもですが、全てのお菓子好きの敵です!!可愛い姿していても騙されませんよ!!

巨大お菓子で飛び跳ねるのは正直羨ましいですが!!この世界のプレイヤーさんの為に!!蒼の戦乙女で空へ!!全ての攻撃を【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【ジャストガード】【受け流し】で捌き、【神聖攻撃】を込めた【衝撃波】で飛び回ってる敵を攻撃!!真にお菓子を愛するものの聖なる攻撃を受けろ!!

まあ、お菓子は食べすぎると健康を害しますが、初めから他人を害する目的とは違うと思うんです。



 「此の方々はバグプロトコルではなくて、本当のゲーム内のキャラクターと言う事で良いのですよね? ハロウィンのゲェムで倒したらお菓子をくれた存在のような?」
 桜花はお菓子とモンスターが乱舞する少々珍しい光景に目を瞬かせた。
「いえ、先程まで戦ってきたエルフたちのように、バグプロトコル……オブリビオンも混ざってますよ。お菓子を人を苦しめるのに悪用するとは、胃袋ブラックホールとしては断じて許しません!! この世界を破壊するバクプロトコルとしてもですが、全てのお菓子好きの敵です!!」
 その隣で、奏は全身から炎が燃え上がる様な勢いで怒りを露わにしている。コーヒーや紅茶とお菓子の組み合わせは夢の時間、幸せの時間。そんなお菓子を悪事に使うなんてどんだけ失礼で許せないか、同意する人は少なくはなかろう。
 桜花はそんな奏の様子を見つつ辺りを見渡して、ぱんっと手を打つ。
「倒せばお菓子が貰えるゲェム、ゲェム……元々ゲェムでしたっ!」
そう、ゴッド|ゲーム《●●●》オンラインなのだから、ゲームなのだ。倒すことに躊躇う必要はなかったのだ……と、桜花は合点がいった様子だ。

 ならばと女の子ふたりは気合いが入る。
「お菓子……異世界のお菓子は、とても欲しいです! 頑張ります!」
 桜花は早速ユーベルコード【古木の宿】を発動。
「可愛い姿していても騙されませんよ!!」
 奏は敵へまっしぐらに切り込んだ。
 敵はというと巨大なお菓子を召喚してはそれを足場に飛ぶ、跳ぶ、盾がわりにする……奏には正直なところ羨ましくてならない。可憐なその顔にしっかりそう書いてあるかのように、奏は唇を噛んだ。
 だが、仲間入りをすることはできないし、何より相手はバグプロトコル。このゲームを楽しむ一般プレイヤーたちを守らなくてはならない。だから【蒼の|戦乙女《ヴァルキリー》】で一気に空へ駆け上がった。
「真にお菓子を愛するものの聖なる攻撃を受けろ!!」

 絢爛豪華な青いドレスの少女が翼で飛びながら戦う一方で、桜花もまた順調にお菓子を集めていた。奏が各種防御やパリィを駆使しながら神聖属性の衝撃波で敵を容赦なく倒すのとは対照的に、制圧射撃で敵を足止めしてはお菓子ごと銃、桜鋼扇、パーラーメイドならではの銀盆などを用いて着実に仕留めていく。そして獲得したお菓子はユーベルコードの効果でどんどん着物の袖から吸い込み、もれなく回収していく……。
「折角のお菓子ですもの! ミラージュに戻ってから、ユーベルコードをつかってさらなるお菓子の材料にします! 食べて遊べるお菓子、素晴らしいです!」
ラングドシャ、何故か崩壊しないパフェ、だいふく、フルーツゼリー、マフィン……お菓子は色も形も様々で、サクラミラージュにはないであろうものもずいぶんとある。
中には黒くてぐるぐる巻かれたグミのような何かもでてきた――リコリス菓子というらしい。

 快進撃を続ける2人へ、バグプロトコルの一体がぽろりと弱音をこぼした。何もそんなによってたかってお菓子を奪いに来なくたって……と。
 それが一般的なモンスターならまだ分かるが、バグプロトコルを放置する理由にはできはしないわけで……。
「まあ、お菓子は食べすぎると健康を害しますが……初めから他人を害する目的とは違うと思うんです」
 そこそこの数を狩って、こちらもそれなりにお菓子を集めた奏は、ちょっと困惑しつつもそう答え、また一体討伐したのだった。
 こちらもクッキーやチョコレート、バターサンドなどたくさんのお菓子を獲得しどうにかこうにか装備の中へ収納している。……お供の狛犬に食べられないように、大切な人と共に楽しめるように。

 まだ敵は全滅はしていない。2人はそれぞれの思いを胸に、タイムリミットまで討伐クエストをこなしていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

風花・雪月
テレレレッテッテッテー♪

雪月はレベルがあがった!
ジョブがかわった!
アイテムがかわった!
あたらしいユーベルコードをおぼえた!

閑話休題

あの妖精達の中にバグが混ざっておるのか
先程のエルフ達もそうじゃったが、見た目が変わらぬというのはやっかいじゃな
ゾンビドラゴンような奴らばかりなら分かりやすいのじゃがのう

などと言っていても始まらぬな
取りこぼしなく、骸の海へと還すとしよう

UCを発動
この領域内で動きが鈍った者達がバグじゃろう
まずは《五行》の金行をもって鋼針の雨を降らせ、足を止める
続けて、火行をもって炎嵐を起こし、灰としてゆこう

動くバグがいなくなったなら、《抹消》と《修復》で破損データを直そうぞ


ヴィ・リー
元凶は消えたから、後はお土産のお菓子もらって帰るだけだな。
お菓子をおくれ!って、オブリビオンまだ残ってんじゃねぇかよ!お菓子の前に敵の残党狩りしとくぜ!

敵がオレの視界の端っこにチラチラ居たんじゃ、おちおちプレイヤー視点でのイベにも浸れねぇぜ!

UCで、夢のお菓子を鹵獲して使うぜ!地上から飛び上がって空中で、轢殺だ!

汚え花火にしてやるぜ!(案外イベントキャラだから綺麗な花火かも?)

お菓子は、食えねぇけどイベント期間中だしな。持ってるだけでも楽しさは有るんだろ?

お菓子を欲しがるやつが居たら交換に応じるぜ。NPCらしく、どうぞどうぞだぜ。

余ったら、遅れてイベ会場に、やって来たやつにでも、押し付けるか。



「テレレレッテッテッテー♪」
 雪月はレベルがあがった!
 ジョブがかわった!
 アイテムがかわった!
 あたらしいユーベルコードをおぼえた!

 ……と、ゴッドゲームオンラインの中でもそう珍しくは無いレベルアップ効果音が、雪月の口から出た。一瞬プレイヤーたちの視線を集めたが、ちいさく咳払いして閑話休題。
「元凶は消えたから、後はお土産のお菓子もらって帰るだけだな」
「じゃが、バグプロトコルは未だ残りておるようじゃ。お菓子回収がてら、往くとしよう」
「やれやれだが……敵の残党狩り、しとくぜ!」
 雪月に応えたヴィ・リーは、クエストエリアへとホイールを高速回転させながら突っ込んでいく。雪月もドラゴンプロトコルらしい威厳をその美しい白き龍角に宿し、その後に遅れずに続く。ゲームマスター直々のイベントかと浮わつく一般プレイヤーには、ちょっとしたバグの修正をするからこちらには不用意に近寄らないようにと釘を刺して。
(「あの妖精達の中にバグが混ざっておるのか」)
 里のエルフといい隠しモンスターといい、元のモンスターと外見が変わらないのは見分けにくく、やっかいじゃな……なんて雪月はため息をついもらした。
 とはいえ、そんなことを言っていても始まらない。雪月は彼らを骸の海へ戻すべくユーベルコードを発動させた。
「申請——承認。【|管理者権限《ルート》】発動」
 この領域内で動きが鈍った者達がバグじゃろう……そう判断した雪月は【魔法鹵獲術】でホイールに敵ユーベルコードを記録していたヴィ・リーへ声を掛ける。
「おう! じゃあそいつらから狙えばいいんだな!? いっくぜー!」

 ヴィ・リーが敵からコピーした方法で巨大なお菓子を作り出し、それを足場に高く疾駆し飛び上がる。そこへ落下による重量が乗った一撃をお菓子の妖精へ喰らわす。
 何体か巻き込んでもなお生き残ったバグプロトコルには、雪月が用いる「陰陽五行」の理を作用させるアイテムを用いて《金行》の鋼針を振らせ、さらなる牽制やトドメを刺していく。
「おぬし、ヴィ・リーと言ったか。その調子でどんどん数を減らして欲しいのじゃ。どうやらあとひと息じゃぞ」
「了解! ……轢! 殺!」

 巨大なお菓子が宙を乱舞する様子は、まるで夢のようなどこかファンシーな雰囲気だ。だが、戦う猟兵たちは一般プレイヤーを守るためにその雰囲気に浸っては居られない。
 とはいえ、この2人が片付けたところで今回予知されたバグプロトコルは全滅させることができたらしい。2人の元にも大量の経験値やトリリオンだけでなく、ずいぶん色々なお菓子が集まっていた。

 トリュフチョコレート、薄荷キャンディー、マジパン製のサンタクロースとトナカイ、クリスマスツリー型のアイシングクッキー……などなど。もちろんマカロンやビスケット、パフェやサンデーといった定番のお菓子もある。
「わぁぁ……! すごいです、良いなぁ」
 まだ幼い子どもと思しきプレイヤーが遠巻きにこちらを見ながら呟いた。
「おっ、じゃあ交換と行こうぜ!? どうぞどうぞだ!」
 ヴィ・リーはそれを聞いてここぞとばかりお菓子をてんこもりに差し出した。そもそも今のこのスタイルで何かを食べるのは難しいし、他に欲しがる人やクエストに間に合わなかった人がいたら惜しみなくプレゼントしようと考えていたのだ。それに、そうすることによってこのゲームのプレイヤーたちの為人も分かる。
「ありがとう、バイクさん! やさしいバイクさんだね!」

 一方雪月は、今回のバグプロトコルとの戦いで不自然に荒れてしまった箇所がないか、確かめて回っていた。バグプロトコルの痕跡をデータとして集められれば次のバグプロトコルとの戦いに備えられそうではあったが……残念ながら、それらしいものは見つけられなかった。
 踏み荒らされ、ユーベルコードで損壊した景観を管理者権限のプログラムアイテム《修復》と《抹消》で少しずつ修理していく。
 後は他のドラゴンプロトコルも気がついて直してくれるだろう。

 「さぁて、こんなもんかなっと☆」
「なかなかに手のかかるバグプロトコルじゃったが……そうか、クリスマスまであと30日も無い、とのう? ふむ……わしも何か、企画を考えてみるかの」
 新しくお菓子を得てきゃっきゃと喜ぶ一般プレイヤーたちからは、1人の被害者も犠牲者もでなかった。
 その微笑ましい光景を確かめて、猟兵たちはそれぞれ帰るべき場所や次の冒険へ向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年11月29日


挿絵イラスト