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蠢光

#ゴッドゲームオンライン

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#ゴッドゲームオンライン


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●狂った|王冠《ケテル》の蠢動
 ゴッドゲームオンライン――それは|統制機構《コントロール》の何処かで、何者かが造り出した『究極のオンラインゲーム』である。人々がこのゲームに熱中する所以は、成程、まったく理想的な管理社会から、現実から逃避する為に過ぎない。ゲーム内通過である『トトリオン』は現実でも通用するので、確かに、幾許か生活を楽する手段としても有用かもしれない。しかし、それよりも、一部のプレイヤー、俗に言う廃人どもが狙っているのはそのような、小さな『もの』ではない。|絶界詩編領域《ゴッドゲーム》の発見、クリア。即ち|統制機構《コントロール》打倒への術、隠された手掛かりである。
 レイドクエスト――それは複数人のプレイヤーで挑む、途轍もない難易度を誇るクエストであった。本来ならば、培ってきたスキルを駆使すればクリア可能な内容になっている。だが、実際は如何だ。降り注ぐ光、無限の魔力の地獄――おお、視よ、最早、|遺伝子番号《ジーンアカウント》が無事な者は一人として存在しない。

●グリモアベース
「何……? 私が遊戯に参加するような人物に見えないと? 確かに私は年寄りだが精神は常に二十歳なのだよ。故に、新たな世界の予知を行えても疑問は『無い』と謂う事だ。兎も角、究極のゲームにようこそ、猟兵――」
 グリモア猟兵、ロバート・ブレイズは『ポーズ』した。
「さて、貴様等にはゴッドゲームオンラインの『高難易度レイドクエスト』に挑んでもらう。因みにこの世界では『貴様等は貴様等の儘』ログインが出来る。プレイヤーに関しては説明不要だろう。では、此度のクエストの詳細だが……」
「地獄だ。貴様等の言葉を借りるならば『生存確率0%の超凶悪クエスト』。敵は勿論バグプロトコルで、ゲームオーバー即ちあの世界における|人権剥奪《死》と理解せよ。最終ボスなんぞは猟兵だけではまず勝てない調整だ。現地の廃人どもと協力して討伐を試みよ。嗚呼、現地人を殺さないよう上手に立ち回れよ? さあ、ゲームの時間だ」
 グリモアが輝いて。


にゃあら
 にゃあらです。
 究極のゲーム。

●第一章
 強大なバグプロトコルとの戦闘です。
 ボスを討伐しクエストへの『挑戦権』を獲得しましょう。
 それは存在し、存在していない。

●第二章
 クエスト最終戦の前座として無数のバグプロトコルが出現します。
 軽く蹴散らしてやりましょう。
 此処で立ち止まっていてはクエストクリアは夢のまた夢です。

●第三章
 レイドクエスト、最終ボスとの決戦です。
 猟兵だけでは太刀打ち出来ません、廃人プレイヤー達と一緒に戦いましょう。
 彼等はやられてしまうと|遺伝子番号《ジーンアカウント》を焼却されてしまいます。
 一人も死なせない立ち回りが要となります。
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第1章 ボス戦 『『0』と『1』の狭間『イマジネイラ』』

POW   :    イマジナリー・ルール
【物理法則を無視した】姿勢のまま、レベルkm/hで移動できる。移動中は、攻擊が命中した敵に【データ侵蝕】の状態異常を与える。
SPD   :    コピー・キャット
自身と武装を【シュレディンガーパーカー】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[シュレディンガーパーカー]に触れた敵からは【真の姿】を奪う。
WIZ   :    ダブルエッジ・コード
【敵のユーベルコード】に【反属性・反作用化させる虚数コード】を注ぎ込み変形させる。変形後の[敵のユーベルコード]による攻撃は、【使用者にその効果を及ぼす『自傷』】の状態異常を追加で与える。

イラスト:kae

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 クエスト名――『蠢光』
 一部のプレイヤーは蠢クソと称して、この高難易度『レイドクエスト』を忌避していた。そもそも、バグプロトコルが関わる前からこのクエストは理不尽な難易度を誇っていたのだ。最初に挙げるべきクソ要素は『エネミーの無茶苦茶な挙動』だろう。物理法則――いや。ゲームの判定すらも超越する、その攻撃は数多のプレイヤーを葬ってきた。
 他にも様々な要素が絡み合って究極の高難易度クエストとなった蠢光だが、此度、遂にバグプロトコルに目を点けられ、地獄は更なる地獄を咲かせる事となった。

 ――メッセージ。
 チクショウ――なんだってんだ!
 挑戦権を得る為のクエストだってのに頭可笑しいんじゃねぇか?
 さっきまで一緒に戦ってた奴の|名前《データ》が改竄されやがった。
 クソッ……このままじゃ俺もやられる。
 こうなりゃペナルティ覚悟でクエストを中断……?
 おい、どうなってんだ。中断出来ねぇ……!
 嫌だ。まだ俺は|消滅《キャラロスト》なんか……!

●キャット・ファイト
 蠢光へ挑む為には門番たる『イマジネイラ』、通称『猫』を倒さなければならない。特徴的なシュレディンガーパーカーを着ているそのボス・エネミーは無数のプレイヤーを絶望させたと噂されている。無気味な猫のない笑いがこぼれると同時、ゲームが始まった。さあ、猟兵よ。このキャット・ファイトを制するのだ……!
イリスフィーナ・シェフィールド
物理法則を軽く無視できる辺りはゲームだからでしょうか。
……まぁこっちは元々無視してますけれど。

法則無視には法則無視と必殺シュートをお見舞いですわ。
どう逃げようとも執拗につけ回して文字通り必殺いたします。
こっちに向かってくるなら挟み撃ちですが直前で起動変更して
自爆させられるのは要注意ですわね。
(何処かの宇宙の帝王よろしく)自分の技で真っ二つとか洒落じゃすみませんし。

敵がボール避けるのに夢中でこっちから意識そらしたら
飛んでいって一発叩き込みますわ。



 改竄された|人格《データ》がスライムの如くに扱われていた。
 ノイズ塗れのプレイヤー・ネームを拭うようにして、
 猫のない笑いが無気味に広がっていく。
 無碍にされた物理法則が――現実が――リアリティが悲鳴を上げている。絶望し、蹲った秩序サマには掛ける言の葉もないが、仕方のない事とも謂えよう。何せ世界そのものが神のお遊戯に支配されている。バグプロトコルが跳梁跋扈し、只、獲物を狙って睥睨を極めていく。まあ……現実にしてもゲームにしても、|猟兵《わたくし》たちにとっては同じようなものですわね。まったく埒外な科白ではないか。早送りしてもしなくても、次の展開は簡単に予測が出来る。ええ、正面突破ですわ、強行突破ですの、こんなところで燻ってたら女神様に顔向け出来ないですわね。力いっぱいに蹴り上げたら虚空、その躍動感にヌルヌルと期待が膨らむ――イマジナリー・フレンドと遊んでいる暇はありません。
 |法則無視《ルール・ブレイク》には|法則無視《ルール・ブレイク》で対抗するのが悦ばしい。目には目を歯には歯を、ユーベルコードにはユーベルコードだ。必殺シュートをお見舞いですわ。重要なのは威力ではなくオマエ自身の執拗さか。サッカー・ボールサイズの切断が、貫通が、猫の目、蛇の目とやらを|追《つ》けて|回《い》く。わたくしの予想通り『わたくし』を叩こうと向かって来ましたわね? キャット・ファイトは辟易とするようにスーパーヒロインの咽喉を、笛を定めていた――いえ、違いますわ。貴女の狙いは『わたくしの自爆』でございませんこと? バグプロトコルの攻撃とブレード・シュートを同時に、容易く躱して魅せた。カーテシーとしては拙いものだが、それは赦されるべきだ。自分の技で真っ二つなんて莫迦げている。
 わたくしから意識を逸らしましたわね。
 これでチェック・メイトですの。
 意思を、意志を――光を纏うのは英雄の特権だ。
 両手で剣を構えたならば、業、と、|贄の山羊《ゴート》を両断する。

成功 🔵​🔵​🔴​

露木・鬼燈
UCに干渉するUCを使うとは…
かわいい見た目のわりにえげつない猫ちゃんなのです
使い手にも作用する『自傷』はなかなか厄介
でも、まぁ、効果を厳選すればどーにでもなるっぽい!
とゆーことで神便鬼毒酒をぽいっと
酒は飲んでも飲まれるな
酩酊でのぐるぐるも慣れたもの
熟達の忍にして武芸者の僕は酔拳なんてものも知っているのです
ぐるぐる酩酊状態でも戦えるっぽい~
まぁ、ほんとは酒を飲んで戦う拳法ではないんだけどね!
なんかそれっぽくできてるからヨシッ!
ところでなんか猫ちゃんが毛玉でなくキラキラを吐き出してる気が…
いやいや気のせいだよね乙女の尊厳的にそれはないよね?
うん、ここはゲームだしエフェクト的なナニかだよねー



 興奮はいつしか頭痛となり、臓腑、この熱っぽさを訴える。
 勢いよく摂取したのは失態だった。
 BS:二日酔い BS:行動不能の派生……。
 現実世界と同じな為、プレイヤーに嫌われているBSの上位だ。
 怪物を屠る為に力を尽くして造り上げた|兵器《ウェポン》とやらも腐れて終えば欠片の役にも立たない。されど何れ活かせる機会と謂うものは、生かされる為の機会と謂うものは散策ついでに見つかると思うべきだ。たとえ楽観的な人間だと罵られようとも宝の箱の中にはレア・アイテムが眠っている。嗚呼、可愛い猫ちゃんだ。リリスちゃんに匹敵するほどあざとくて可愛いアニマル風味ではないか。だが――見た目のわりにえげつない事をする。埒外性に干渉する埒外性のおろそしさは、猟兵、オマエで在れば即座に理解出来るだろう。使い手にも作用する『自傷』はなかなかに厄介。でも――訓練し、実戦に赴き、数々の修羅場を潜り抜けてきた熟達にとってはアスレチックに等しい。効果を厳選すれば、ユーベルコードを最適解とすれば、どーにでもなるっぽい! 嗚々、揺れている。何が揺れている。地面か、天空か、宇宙か……。否々、歪んでいるのは、只のオマエの脳髄である。噴き出した霧はアルコール、アンコールを続ける八岐大蛇の気分か。
 酒は飲んでも飲まれるな。バットでのぐるぐるも酩酊でのぐるぐるも、無茶苦茶にされたとして慣れているならば日常が如く。そう、熟達の忍にして武芸者の僕は酔拳なんてのも知っているのです。ところで酔拳とは『フリ』なのではなかったか。ええい、そんな細かい事を気にしていると目を回してしまうぞ。なんかそれっぽく出来てるからヨシッ! 現場に辿り着いた猫は千鳥足でフラッフラ、そのまま流れるようにしてキラッキラ。……これ毛玉じゃないよね。いやいや、まさか、気の所為、気の所為。乙女の尊厳的にそれは絶対にない……。うん、ここはゲームだしエフェクト的なナニか……。
 どう足掻いても🌈ではないか、猟兵よ。
 バグったエネミーの|輪郭《モザイク》が今だけは有難い。

成功 🔵​🔵​🔴​

穂藤・野々
オンラインゲーム出身の電子精霊である私が実体化した身体のままオンラインゲームにログインするの
ふふっ、何だかややこしいね

コード改変?
そんなの、仕掛けてくるそばから返り討ちにして侵入阻止一択に決まってるの
データ攻撃なら私も得意なの
勿論攻めるだけじゃなくて守る側も
故郷をそういうのに壊されてから、ずーっと腕を磨いてきたんだもん
負けないよ

それに私は「イマジネイラ」に「ユーベルコードによる攻撃」を行わない
ただ、この戦場自体をちょっと弄っただけ
そして彼女をプレイヤーに指定しただけ
ね?

着地とかで自滅してくれたら良いけど、足りなければ空中戦
スカイカナルの機動力を活かしてカラフルチョークのスイングをお見舞いするの



 爆発した。電子レンジの中で大爆発したのだ。
 まだチンしてないのに、温めてないのに。
 未熟な雛が散乱している。
 混沌としている状況に舞い降りたのは一匹の|天使《データ》と謂うべきか。煌めいたホログラムは実体を得てNPCからPLへと引き摺り回される。つまり、オンラインゲーム出身の|電子精霊《バーチャルキャラクター》が血肉を受け、そのまま、別のオンラインゲームにログインする。ふふっ。声が漏れた。まるで|取り替え仔《チェンジリング》にやってきた|食屍鬼《ワンちゃん》のように。何だかややこしいね。微笑みかけた先々では別の|人間《プレイヤー》どもの阿鼻叫喚。改竄された名前、データの群れがチリチリと泣いている、鳴いている――コード改変? そんなの、仕掛けてくる傍から返り討ちにして侵入阻止一択に決まってるの。そう、かつての|故郷《ゲーム》みたいに、冒涜されてはならない。データ攻撃なら得意分野だ。するのも、されるのも、大得意なのだ……。ずっと腕を磨いてきた。積み重ねてきたオマエの努力が花咲く時だ。……負けないよ。
 それに――嗚呼、キャット驚く話だ。宇宙を眺めるキャットな気分だ。イマジネイラは自分のユーベルコードが効果を発揮していない事にようやく気付く。そう、私は君に「ユーベルコードによる攻撃」は行っていない。弄っていたのは脳味噌ではなく世界だったのだ。世の中に蔓延る薄っぺらさに辟易としてくるのはお互い様、君こそがプレイヤー、迂闊に進まない方がいいよ。……ね? 言わんこっちゃない。足元がお留守で脳天が生卵みたいに。
 拉げても尚、キャット、シュレディンガーの用意した箱の中めいて駆け出した。物足りないのね。コンティニュー機能は、セーブ機能は無かった筈なのに虚の挙動。0と1の狭間を反覆横跳びしているのか。空色でお出迎えだ。おっきくてカラフルなチョークを構えよ。
 フルスイング――!
 R18Gのゲームなら誰か先に言ってよね。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー
おまかせプレ、汝が為したいように為すがよい。

ほぉん?視聴嗅覚での認識は不可能ねぇ。まぁいいわ、ステータスオープン!で私の個人情報を開示するわ。
さて、私の個人情報を見たわね?つまり私を|知《識》ったということ。ならば私もあなたを|知《識》った。もはや『理解』の加速は止まらない止められない、ならばもはや|私《あなた》達は同一だ。
ま、こんなのが攻撃だなんて予測できないわよね。



 どうかしている。
 ――可笑しくなりそうだ。
 深淵を覗く者は深淵に覗かれるものだ、そう、嘆いていたのはおそらく、怪物やら木乃伊と称された無辜なデータに違いない。侵蝕を繰り返してきた獣は、凌辱を反芻してきたケダモノは、嗚呼、自らこそが小動物だと謂う事を理解出来ていなかった。井の中の蛙大海を知らず、或いは、飼い猫が野良猫の苦労を知らず――ならば、知れば良いのだ。知って識って解り尽くして己の脆弱さを、正気の沙汰を投げ棄てるところまで深掘りして終えば良いのだ。ほぉん? 視聴嗅覚での認識は不可能ねぇ。不可能ならば可能を相手に押し憑けてやれば楽じゃない。嗚々、宣言すべきは|情報開示《ステータスオープン》。羞恥心はドブ川にでも喰わせてやれ。さて。私の|個人情報《のうみそ》を見たわね? つまり、私を知った、識ったということ。ようこそ頭セカンドカラーへの入り口、引き返す事は最早ない。
 加速していく。増殖していく。予想だにしなかった攻撃が、ユーベルコードが、|禁呪《もの》が方程式の如くに、するすると|脳味噌《データ》を侵してくる。バグプロトコルすらも|発狂《バグ》らせる、視えざるピンクのバイコーンにキャットはグルグルと目玉を回した。もはや|私《あなた》達は同一だ。ま、普通こんなのが攻撃だなんて予測できないわよね。何処かの双子さんも困惑する始末だ。挟まれよアリスの名に従って――ありがとうございます。ご馳走様でした。いいえ、まだよ。まだ、物足りないと思うのよ。
 境界は曖昧となりアカシック・レコード――欲望――へ黒化していく。吸い取った|人格《データ》はもう要らない。廃人プレイヤーの死体と一緒にゴミ箱へポイだ。それじゃ、私らしく振舞いなさい、|私《あなた》……。
 真実は共有するべきだ。その後、同化すべきなのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベロニカ・サインボード
絶望に絶望を上塗りして、人々を殺すもの…
赦さない。直々にブチのめす

視聴嗅覚を封じるのなら、別の方法で探すだけ
私のフォースオーラ『ワーニン・フォレスト』の能力は、看板をつけること
そして看板は、敵の居場所を表示するわ

『ワーニン・フォレスト』は短射程だけど超スピード・超パワー
アンタを片手で掴むのも、そのまま逆の手でブチのめすのも、難しいことじゃあないわ

懸念はひとつ、私も知らない真の姿
なんだけど…抵抗をやめた?
まるで、死を受け入れたような…
まるで、どうにもならないと悟ったような…

『未来を見た』かのように…『絶望』したっていうのか…?

それが『真の私』…なの?



 オマエの|脳味噌《データ》を糞蟲のように扱ってやる。
 腐敗した箱の中身が漏れている。
 クワガタムシの幼虫が蠢いて、発光するかのようなイメージ。
 バグだ――|悪蟲《バグプロトコル》が嗤っている。猫の無い笑みを晒すように、世界に粘つかせるかの如くに、ヴェールを被っている。絶望に絶望を上塗りにして、更なる漆喰を遊戯にも齎す。そうして殺された人の名前は数知れず、否、名前すらも殺され、知られる事も無くなったのか。赦さない。そう、不自由を強いてくる理想郷など、管理者にとっての愉悦、優越でしかないのだ。敷かれたレールは途中で破壊されており、最早、直す術も在らず。ああ、アンタがどんなに暗んでも、眩ませようとしていても、私が直々にブチのめす。ドス黑いデータに、ワールドの設定に|案内役《NPC》を付けてやれ。まあ、私は|猟兵《プレイヤー》だけどね。視聴嗅覚封じられても別の方法で切り拓くだけ。自分で、誰の手も借りずに――ワーニン・フォレスト、看板をつける――ッ!
 右か。左か。前か。後ろか。何処からやってくるのか、概要を描いてしまえば文字通り、手に取るようにわかる。そう、近づいてくる|方向《●●》さえ把握出来れば、あとはぶん殴るだけだ。捉え、片手で掴み|自由《フリー・ハンド》、ラッシュを叩き込む事も難しいことじゃあない……。【キャットウォーク】【猫は上からやってくる】
 |理解した《アンダー・スタンド》。
 いや――懸念点がひとつ。あの|売女《ねこ》は確か触れた者の『真の姿』を掠奪すると、模倣すると聞く。一時的なコピーと考えたが少なからず反撃の手を赦す事に――おかしい。何も来ない。抵抗をやめた? まるで死を受け入れたような。まるで、どうにもならないと悟ったような……未来を視たかのように……『絶望』したっていうのか……? 私の|正体《●●》とはいったい……。
 恐怖とは未知だ。道を、未知を識り、抗えないと理解した時にやってくる。それが『真の私』――考えるのは後だ。いいや、このことは、今『考えてはいけない』……。
 |くらえ《●●●》……。
 ブチのめせ……ワーニン・フォレスト――ッ!

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】

え、なんだって?
真の姿が奪われる……
じゃあ上手くすればあの変身もしなくて済むように?
まぁ無理だよな、きっと残されたくない姿はしっかり残っちまう。
だったら迂闊に奴らと触れ合うわけにゃいかねぇ、アタシが挑むのは遠距離戦。
視覚と嗅覚だけ遮断なら、そりゃいいカモさ。
いや猫か?まあいいや。
距離を取りつつアタシへの攻撃の意思をテレパスで感じ取り、『カウンター』の『電撃』と『衝撃波』で応戦するよ。
普通のエネミープログラムならもしかしたら効かなかったかもしれないけれど、アンタらはバグってるんだろ?
それで|好奇心《意識》を持ったのが敗因さ、きっとな!



 ばちりと、精神を昂揚させる|予感《ひかり》の蠢きに刹那だけ心が揺れた。え、なんだって? シュレディンガー・パーカーの内側に貼りついた埒外性の奇跡。これが幸運極振りの面白さか。箱の中には生きている猫が詰まっていた。
 ――あとで体育館裏な、可愛がってやるからよ。
 天啓――|精神感応《テレパス》を|干渉《つな》ぐと同時にバグプロトコルの『力』を認識する。認めると同時に涌き上がったのは、脳裡に過ぎったのは、奇怪なまでのオマエの『真の姿』か。奪われる……? 嗚呼、掻っ攫ってくれるなら『こんなもの』幾等でもくれてやろうじゃないか。ホワホワとトラウマめいた浮いてくる|魔法少女《うわきつ》、遂にあのマスコットともお別れが出来るのではないか――まぁ無理だよな。きっと残されたくない姿は、痴態は、しっかり残っちまう。藁にも縋る思いで、本当に藁に縋ったら溺死する未来とごっつんこだ。それは絶対に回避しなければならない。だったら迂闊に奴と触れ合うわけにゃいかねぇ。挑むべきは遠距離戦だ、スナイパーの如くに翻弄してやるが好い。……視覚と嗅覚だけの遮断? 鴨が葱を背負って来たのか……いや猫か? まあいいや。
 意思だ。宇宙で見つけた生身のキャットが如くに、手足のようなシナプスを手繰ると好い。上下左右も解せない|超次元《どこか》よりは遥かに気楽なものだ。伸びてくる腕なんぞゆったりとした獣に等しい――カウンターだ。劇的なまでの電撃だ。痺れたのはデータか血肉か、何方にしても吹っ飛ばす。普通のエネミープログラムなら、もしかしたら、効かなかったかもしれないけど――猫が無いほどバグってるんだろ? それで|好奇心《意識》を持ったのが敗因さ、きっとな! 飛んで火にいる夏の虫、ああ、悪いね。
 ちょっと火力が強かったみたいだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
オブリビオンが居るなら
ゲームの中だろうとヤる事は同じ。
可愛がってあげるわ、子猫ちゃん♥

物理法則や命中判定がおかしくても
視聴嗅覚で感知できなくても
【第六感・見切り】で本質を見極めればどうという事は無い。
『八艘後光刃』【2回攻撃】による18回の【カウンター】と
【衝撃波】で彼女の服を【解体】

あられも無い姿となった彼女の手足を
【封印術・全力魔法】の魔力を込めた包帯の【捕縛・早業】で拘束。
これならデータを侵食したりして逃げる事も出来ない

貴女を侵食してアゲル♥

媚毒の【呪詛】を含む唾液を塗り付けるように
彼女の全身に口づけ【慰め】私が彼女の御主人様だと
心身に教育【ハッキング】しながら【生命力吸収・大食い】よ♥



 人間は――今を生きる知的生命体は――ひどく汚れている。穢れたものを散らかして、そのクセ、その他を化け物として駆逐しようとする。差別からやってきた無差別攻撃だ。救わなければならない。彼女等も救われるべき存在なのだ。
 ――恋愛シミュレーション。
 二次元の女の子とお喋りがしたい、そんな欲望を抱いて、息絶えた野郎のなんと多い事か。カタカタと鍵を打つだけの人生に終止符を打てたのが、成程、ある意味での救いだったのかもしれない。兎も角――オブリビオンが居るなら、バグプロトコルが存在するなら、たとえゲームの中だろうと、現実でなくとも、まったく、やる事は同じではないか。そう、つまり「可愛がってあげるわ、子猫ちゃん❤」――シュレディンガーも吃驚な出会いだ。箱の中の猫が死んでいた時の方が悦ばしい、隅から隅まで情念がたっぷりなオマエ。物理法則が可笑しくても命中判定が狂っていても視聴嗅覚ズタボロでも、嗚呼、本質を定めてしまえば、極めてしまえば問題の『も』の字もない。第六感を発揮し相手の動きを見切れば、ほら、ケーキの欠片を食むよりも容易だ。切り刻んでやると好い。倍々ゲームに相応しい斬撃で厄介な|装甲《パーカー》を取り除くと好い。覗いた子猫にはお仕置きが必要だ。モザイクもノイズも一切ない、無修正な、今にも|規制《ころ》されそうな……。
 猫は素早い。されど、ほんの僅かに思考を|停止《と》めてしまったのが彼女の敗因だ。手足に施されたリボンは可愛らしく、優しく、故にこそ決して解けない|拘束《かせ》。これならデータを侵蝕して逃げる事も出来ない。そう、私が侵蝕する側よ、存分に愉しんでいきなさい。こびりつく|唾液《まじな》いは淡々と、舌と召し上がれ、と。そう、私が貴女のご主人様。気紛れに、お散歩するのは勝手だけれど、ご飯の前には帰ってきなさい。
 |教育《ハッキング》だ、|調教《ハッキング》だ。
 ――猫鍋、一滴も残さない。
 ご褒美をアゲル……。

成功 🔵​🔵​🔴​

カタリナ・エスペランサ
ゲームと言うには妙に現実への影響力が強いね
体制打倒の鍵が隠されてるなんてツールがこんなに流行ってるのもきな臭い話だけど……
何かあるのは間違いないらしい
まぁ異世界の事情とはいえ統制機構とやらが幅を利かせてるのも癪だ
首を突っ込むのも悪くない

装備[驕傲]展開、《念動力+索敵》力場で五感に依らず敵の位置を把握し動きを《見切り》対処するよ
観測してしまえば猫一匹。欺かれてやるほど甘くないのさ

【幻弄円舞】で攻撃を躱し《カウンター+吹き飛ばし》で打ち上げ
パーカーには触れないよう《空中戦+ダンス+マヒ攻撃+連続コンボ》
《ハッキング+略奪+情報収集+学習力》も併せてもう少しこの世界の事も勉強しておこうか
ご馳走様!



 空っぽだった鍋底に液体が溜まる、個体と認められなかった猫の訴えも、嗚々、虚しいものだ。バグりにバグったパーカーも当たり判定が無くなれば紙切れに等しい。ルーツを探る為には先ずツールを酷使しなければならない。
 ――確かに究極だ。極めて、流行をしている。
 兄弟が視ている――お互いを監視するのに違和感を覚えなくなってしまったらお終いだ。あれよあれよと流されて、催眠され、自我すらも溶け込むように果てて終う。そうなる前に人間は娯楽へと行き着くべきだ。その彼方に理想郷を破壊する鍵を添えておけば上出来と謂える。ゲームと謂うには妙に現実への影響力が強いね。まったくきな臭い話だ。人権を賭けてのお遊戯だなんて、それこそ、サイバーザナドゥの啓蒙レベルで狂っている。まあ……何かあるのは間違いないらしい。異世界の事情とはいえ統制機構とやらが幅を利かせているのも癪だ。たとえ紛いが、神騙りな連中が関わっていなくとも、首を突っ込むのも、悪くはない――しかし生命の樹が起源とは恐れ入った、いや、恐れ知らずなのか……。キャット・ウォークから降りてきた彼女にご挨拶だ、驕り高ぶるかの如くにWiFiを投げ棄てる。
 何処かの殺人鬼――グランギニョール――が齎した、灼熱の地獄を味わえば雲泥の差か。五感に依らず|念動力《ちから》で触れ、敵の位置、動きを確実に|把握《見切》っていく。観測してしまえば猫一匹、シュレディンガーのように欺かれてやるほど甘くないのさ。夢見心地に陥るのはキミだと、キャットなのだと舞踏するかの如くに誘ってやれ。もう躱した。回避して、流れるように不意を打ってやった。虚空――最早、触れる必要などないと障られた神が|宣告《うた》う。奪い取るのは此方なのだと教え込むと好い。それじゃ、折角だしこの世界の事をもう少し勉強しておこうか。
 ご馳走様――鍋の中の猫は、もう無い。

成功 🔵​🔵​🔴​

アズミィ・ビィフィーバー
よーし、今日はあそぶぞー!。
え、きえた?見えなくとも、ズルにはズルを!【バグスタイル】
|B《バグ》エフェクトを纏って……かかってこいやー!(待ち構え)
アタシに触れたなら、アタシもまた触れている……って
チョット!?顔バレー!?|こらー!リアル《真の姿》を持ち込むの禁止!!
カウンターハック!逆触れたシュレディンガーパーカーを使用不能あるいは破壊し、速攻で大剣と金翅蝶のアクセルコンボを決めるよ!



 所謂『ハメ技』と称されるものだ。相手の行動を封じ込め、確実に仕留める悪魔の如き所業だ。尤も……相手がエネミーで在れば、バグプロトコルで在れば、他のPLからも有難がられる達人芸に昇華する。
 天地を喰らうように、大海を|両断《わ》るように、繰り出された悪夢の数々は廃人にとっての玩具箱に等しい。管理社会に抑制され、抑圧され、労働を強いられた脳味噌は非現実に浸かる事でようやく人間らしさを取り戻したのだ。いや、取り戻すのは『ここから』だ。はじめから、を選択するのに躊躇は要らない。破壊しなければ再生は不可能なのだ。欲望が讃えられている、神が讃えられている、このような場所に秩序的な、光輝的な|神意《デウス》など存在しないのだ。兎角――よーし、今日もあそぶぞー! 目と鼻の先のキャットは驚くよりも先に消失した様子だ。まるでブージャムの如くに怪物具合を発揮する……。このバグめ。バグプロトコルめ。バグにはバグだ、ズルにはズルだ、スタイルは決まっている。
 エフェクトは赤く、文字こそが赤く、何方が本物の|小賢しい《バグ》なのかシュレディンガーに教えてやれ。アタシに触れたならアタシもまた触れている――当たり判定が可笑しくないか? あの姿は何処かアタシに似て……? チョット!? 顔バレー!? こらー! |リアル《真の姿》を持ち込むの禁止!!! モラルもマナーも糞もない。流石はモザイク取っ払ってくれたマスター様だ、度し難さを上限解放している。
 干渉されたならば干渉で返すが良い、それこそ完勝への近道と謂えた。もう、そのパーカーは使えない。いいや、絶対に使わせない。翅のように軽い|大剣《エモノ》を構えよ、綺麗な|鱗粉《バタフライ》と共にコンボを叩き込むのだ。
 ついでにお金を稼ぐとよろしい、明日のお昼ご飯はちょっと贅沢に。

成功 🔵​🔵​🔴​

サマエル・マーシャー
UCで手加減なしの波動を即座に叩き込みます。
伝える意思は『楽にしてください』とでも。
伝わっているかは怪しいですが。『脳を滅茶苦茶にシェイク』を『手加減抜き』なので。普通は頭蓋骨の中でペースト状になって、それで終わりです。

しかし、油断は禁物と言います。相手の能力もゲームに準拠しているならいくら終わっているように見えてもHPがまだ残っているかもしれません。
脳が駄目になって行動不能になっている敵の首を落とし、更にはバラバラに切り刻みましょう。細かく刻んだ方が食べやすいですし。

相手が強かったので問答無用かつ一方的に進めてしまいましたが、私の中に収めていますので救済自体はできています。なので「ヨシ!」。



 車に轢かれた小動物、はみでた漿液にスパイスひとつまみ。
 愛しています、愛していますので、どうか私を受け入れて。
 楽にしてください――天使の一言は神すらも騙す事が出来るのだとシュレディンガーは呆然とした。茫々たるデータの世界で、電子の海で、骸の海で、バグどもは音を散らかした。知っている。この、呆気ない、莫迦げているほどの最期をオマエは知っているのだ。甘美な毒に浸けられて、注がれて、文字通りの廃人と化すのと何方がマシなのか――み゜――断末魔。その所以を認めるには、識るにはスイカのように割るしかない。電子レンジの中に置き去りにされた生卵。ええ、伝わってるかは怪しいですが、もう、頭の中身はシェイクでしょうか。手加減なしのペースト状態と謂うワケだ。バグだからこその現実味、脳味噌こねこねなんてレベルじゃねえ。それで「終わり」です。箱の外の猫は死んでいた。
 しかし、油断は禁物と言います。もしかしたら「私」みたいに「サマエル・マーシャー」みたいに、ウォーキング・デッドのように起き上がるかもしれません。そう、相手もバーチャルなのだ。たとえ思考出来なくても、死んでいても、HPがミリでも残っていればクエストクリアには成らないのだ。スプラッタな|行動不能《スタン》キャットに近づいて確実に、安寧に、息の根を止めてやると好い。斬首――ころりと、猫の無い笑いの完成だ。先程までのは未完成だった。あとはじっくりと、バラバラと、切り刻むと宜しい、悦ばしい。ええ、大丈夫です。この状態でまだ生きていたとしても、ジュースはしっかりと与えたのです。……細かく刻んだ方が食べやすいと思いませんか? 経口摂取だ、データドレインの真似事。
 強かったので問答無用かつ一方的に進めてしまいましたが、私の中に収めていますので救済自体はできています。またしても同化している奴だ、どいつもこいつも気が触れている。……「ヨシ!」指差し確認は大事だが、さて、虚無を示して如何するのか。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『ラングスクイード』

POW   :    スクイッド・スロー
掴んだ対象を【烏賊】属性の【触腕】で投げ飛ばす。敵の攻撃時等、いかなる状態でも掴めば発動可能。
SPD   :    スクイード・スピン
自分の体を【墨を吐きながら高速回転】させる攻撃で、近接範囲内の全員にダメージと【盲目】の状態異常を与える。
WIZ   :    スパイニー・テンタクル
対象の【胴体】を【棘の生えた触腕】で締め上げる。解除されるまで互いに行動不能&対象に【貫通】属性の継続ダメージ。

イラスト:滄。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ぐちゃどろ猫の消失を――経口摂取を――確認したところで『挑戦権』が配られる。それと同時に『蠢光』クエストのフラグが満たされ、決して逃れる事の出来ない、リタイア不可能な|門《ゲート》に吸い込まれる。猟兵が視たのは荒野だった。彼方、果てしない陸・陸・陸――呼吸をしたのか、してないのか、刹那としてモンスターが出現した。
 形容せねばならない。それは烏賊だ。海に棲息すべき生物が陸を駆けているのだ。なんともシュールな光景だが、嗚呼、驚いている暇はない。クラーケンよりも巨大なモンスターは群れを成しているのだ。突撃してくる。スタンピードだ。悉くを蹂躙し、翻弄し、喰い散らかさんとラングスクイードは|蠢動《おど》る……!
 これを一匹残らず滅ぼすのだ。
 まったく、簡単に謂ってくれる……!
ベロニカ・サインボード
イカの群れか…キャッチボールにされるわけにはいかないわ

トゲまみれの触腕とマトモに打ちあって、蜂の巣にされるつもりもない

だから『骸殻工房のバトルガントレット』で『ワーニン・フォレスト』を武装する。あれしきのトゲなら、殴れば逆にへし折れる…
代償として、相手に直接触れなくなる。つまり看板をつける能力に制限がかかるわけだが…

だけど、ガントレットに看板をつける事はできるわ。伸びろ看板!
ガントレットの内側に看板をつけ、伸縮させることで、文字通りの伸びる鉄拳ってわけよ。

このまま接近させずに始末するわ。
どうするイカども、私に石でも投げるか?それくらい撃ち落とせないと思わないでよね



 ベロニカ・サインボードは揺るがない。
 希望の芽を摘もうとするデータなんぞ、プログラムなんぞ、その根源からくらわせてやらないと気が済まない。キャットウォークに隠れ潜んでいた海産物が如何して人を発狂させる。赦し難い事だ。冗談キツイわ、蜂の巣にされるつもりはない。
 世界を――ゴッド・ゲームを――文字通り、神の遊戯にしているのは理不尽な難易度の所為と考えられた。精神を、肉体を、あらゆる人の限界を神がお試ししているのだ。お遊びは地獄へと変質していく。ドカドカと、二足歩行のテリトリーを侵さんとする烏賊の群れは、さて、何処かの|蛇《クリーチャー》と何方がマシか。……キャッチボールされるわけにはいかないわ。団子のように弄ばれて良い出汁とられてなるものか。塩水で傷口を濯ぐなんて御免だと荒野に叩き付けてやると宜しい。それに、あの棘まみれの触腕とマトモに打ち合うなんて莫迦げている。本当に、高難易度レイドクエストのバグプロトコルに相応しい凶悪さだ――だから、敢えて、殴ってやるわ。ただし、|武装《●●》してね。ワーニン・フォレストはシンプルに強い。故に、ガントレットを嵌めれば無敵のパワーを発揮する。
 あれしきの棘なら、ペンよりも容易にへし折れる。ただし、代償として『直接触れること』が出来なくなる。つまり、看板をつける|能力《こと》が無碍になるのだ。だが……。それは|好都合《●●●》。ガントレットの内側に|つける《生やす》事は可能――伸びろ看板! 伸縮自在な|狼女《けもの》の腕……そう、これが|伸びる鉄拳《ズームパンチ》でのラッシュってやつよ。私はアンタに近づかない――どうするイカども。
 投石――いや、投岩――大地を抉って|投擲《な》げようと、この程度の攻撃で撃ち落とされる|猟兵《ウサギ》ではない。このまま殴り貫ける――ッ! 伸しイカにしてあげるわ。化け物の内臓全部取り出す。あとは乾してしまえば好い。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー
おまかせプレ、汝が為したいように為すがよい。

ふぅん、捕まったらお互いに動けなくなると。でもまぁ関係ないわね。
|私自身がエレメタル・ファンタジアになってしまえばね。《多重詠唱拠点構築結逃走阻止界術化術肉体改造》それはつまり|私《アリス》属性の|ブラックホール《重量攻撃、大食い》だ。これなら動けなくとも問題はないし、私に触れた時点でそもそも終わる。
重力圏に囚えたらもう逃さないわよ。事象の地平線の彼方へと消えなさい。
あ、うっかり味方巻き込んでも|ゲップ《ホーキング放射》で吐き出すから平気平気、きちんと|データも再構築して適正化《回復》した上でね。大丈夫大丈夫、ゲーム内なら|自然現象《システム》の内



 抱いたコンプレックスを宝石のように扱う。
 概念を定める事に依って視えざるピンクのバイコーンは嘶く。
 バグプロトコルが世界の癌だと謂うならば、嗚呼、アリス・セカンドカラーは何だろうか。おそらく敵対し、駆逐された、或いは蹂躙された者どもは等しく『こう』応える筈だ。あの女は、あの猟兵は、あの存在は――世界そのもの、だと。いや、より正確に言の葉とする場合は『永遠の12歳』と見做すべきだろう。即ち彼女は不変で在り、その為に普遍を容易に書き換えるのだ。バグよりも性質の悪い|改竄《ハッキング》、のうみそチキチキレース・クイーンと称するが好い。兎角、そんな化け物が今、別の|犠牲者《クリーチャー》に捕縛されている。棘が刺さっても貫通しても、痛くも痒くもないご様子だ。それもその筈、真実、アリス・セカンドカラーは|自然現象《ナチュラル》に発生していた。
 私自身が属性になってしまえば、自然現象になってしまえば、それはつまりブラックホールなの。嗚呼、この埒外はいったい何をしてくれた。この超越性はいったい、何をしでかしたのだ。これなら動けなくとも問題はないし、私に触れている時点でそもそも終わっている。もう逃がさないわよ。いえ、逃げられないわよ。|重力圏《アリス・セカンドカラー》が起こっている。事象の地平線の彼方へと消えなさい……。ところで絶賛暴走中なオマエさんにひとつ訊きたいのだが、先程、巻き込まれた廃人プレイヤーが居なかったか?
 あ、うっかり。フレンドリー・ファイアも出来るのね、このゲーム。でも大丈夫。カートゥーンな世界観を塗りたくれば、たとえ、どんな状態で在ろうとも|ゲップ《ホーキング放射》で吐き出す。もちろん、データも再構築して適正化した上でね。まるでゲーム内での回復、|蘇生《スキル》の類ではないか。その通り、これも|自然現象《システム》の内。ドロドロでもグズグズでも数秒経てば元の儘。焼却されなきゃこんなモンよ。

成功 🔵​🔵​🔴​

露木・鬼燈
なぜ地上に烏賊がっ!
とーぜんの疑問なんですけど?
んー、確かにゲームなら仕方がない
理屈で考えるな感じるんだって感じ?
まぁ、考えても何の生産性もないのでさくっと処理していくですよ
デカかろうが所詮は烏賊…シャチにとっては餌にすぎぬっ!
秘伝忍法<忍鯱>
呼び出したシャチの上に仁王立ちして突撃指令!
さぁ、喰い散らすっぽい!



 突撃が成功する所以は『怖気』だ。
 クリーチャーの群れが我が物顔で蔓延っているのは廃人どもの精神の脆弱性の所為に過ぎない。己を頂点だと思い込んでいる愚かな者は『危機』を本来察知出来ないのだ。されど、出来ている。出来てしまっている。これには勝てないと『怖気』に憑かれている。
 怪物が、化け物が、何故に人々から恐れられているのか。その答えはシンプルだ。単純明快だからこそ人々は蹂躙される他にないのだ。即ち、大きい。兎にも角にもサイズが一目瞭然なのだ。捕食者と被捕食者の矢印はひっくり返る――ところでなぜ地上に烏賊が? まったく如何わしい限りだ、もしや、バグプロトコルがイカサマでも酷使したのか? 当然の疑問を投げ掛けたところで烏賊んともし難く。んー、確かにゲームなら仕方がない。理屈で考えるな、咀嚼しようと試みれば試みるほどに烏賊壺へと嵌まる。そう、心で、精神で、感じるんだってやつっぽい! 脳味噌をフル回転させてもシェイクなんぞ完成しない。生産性も糞もないのでさくっと処理していくですよ。捕食者だろうと被捕食者だろうと所詮は自然、自然の頂点には敵わないと証明しているようなもの。物々しく口寄せされた、騒々しく召喚されたギャングの名は――鯱。烏賊の胴体が震えた。本能的にピラミッドの中間地点に己が存在するのだと絶望した。最早、烏賊など餌にすぎぬっ! がばりと開いたのは顎だったか回転式多銃身電磁加速砲だったか、脳天の上の仁王立ち、毘沙門天が如く。
 さぁ、喰い散らすっぽい!
 先ずは下処理だ。薔薇の棘を抜くように烏賊の棘も除いてやれ。少々荒っぽいかもしれないが、十分、僅かな焦げも良いアクセントと謂える。プリプリとしたお刺身に舌鼓を打ったらご馳走様と告げてやれ。醤油や塩など無くたって彼等は素敵な舟盛なのだ。
 ――UDCアースの海産物よりいけるっぽい!

成功 🔵​🔵​🔴​

カタリナ・エスペランサ
大挙して押し寄せるイカの群れか
上等だ。今宵のサメは血に飢えている――いや、やっぱりやめておこう
一般プレイヤーも居るのに収拾がつかなくなるのはよろしくない

《空中戦》で敵を近接範囲に寄せ付けないように、
群れ全体の動きを俯瞰し《戦闘知識+第六感》で《見切り》先読み

攻め手は《データ攻撃+ハッキング+属性攻撃》の紅雷を宿した《羽を飛ばす+蹂躙+弾幕》、
イカ連中を味方から遠ざけるよう《爆撃+吹き飛ばし+先制攻撃》を仕掛けるよ

UCは【征服の聖印】
紅雷を媒介にプログラムで動いていたイカへ自我を付与する訳だね
《式神使い+情報伝達》の要領で知覚を補い暴れさせつつ
弾幕とUCの《追撃》で手勢を増やして敵を駆逐しようか



 メッセージ・ウィンドウに記されたロール・プレイのログ。矢印を押せば押すほどに過去のお遊びが脳裡を過ぎっていく。あの時は楽しかったと廃人プレイヤー、知らない誰かが非現実逃避していた。気をしっかり持つんだね、次の烏賊が来るよ。
 荒々しく刺々しく黒々く染めようと、大挙して押し寄せるのは回転する烏賊の群れだ。乾される事なく、瑞々しい儘に旋回し墨を散らかすサマは、成程、道連れにせんとする盲目か。上等だ。今宵のサメは血に飢えている――渇いている――いや、やっぱりやめておこう。既に鯱まみれだと謂うのに更なる混沌を招いてしまえば、それこそ、一般プレイヤーが目を回し、収拾がつかなくなる。憑いて異るのはバグプロトコルだけで残りは蛇足なのだ。まるで烏賊の触肢、うごうごと烏合の衆が何を喰い遭っていたのか。兎も角、戦場として選ぶべきはオマエの得意な空中か。ブランコからの俯瞰――そう。アタシは、キミ達みたいな傲慢な獣があんまり好きじゃないんだよ。読みが当たった、あとは神意を中てるのみ。
 データへと干渉する事に、ハッキングする事に躊躇は要らない。デビル・フィッシュの親戚だろうとお仲間だろうと紅雷に狙われれば|血肉《フレッシュ》でしかない。貫けよ羽、おまけに弾幕を展開してやると好い――地を抉るようにして|場外《サヨナラ》だ。もうアタシに近づく事すら出来ないね。反吐代わりの一滴でさえ白紙を侵す事は赦されない。
 痙攣する烏賊に残された|紅雷《いと》を伝って、媒介と見做し、プログラムを書き換える。正確にはプログラムへの|付与《エンチャント》だ。属性? 強化? 違うね。これは|自我《じんかく》さ。情報伝達技術を駆使して一個体を|式神《テイム》した。大暴れさせたなら追撃の一手――手勢を増やして|駆逐《ハンティング》を洒落込む。将棋だ。ただし、奪った駒を使えるのは此方だけ。
 我が恩寵をくれてやろう、なんて、悪役の科白みたいだよね。

成功 🔵​🔵​🔴​

アズミィ・ビィフィーバー
うわ、ウネウネすんな、コッチくんなし!
近づかない方が吉!欲望開放!【グリード・ブラスト】
ここは、あのルールに雁字搦められたリアルじゃないし近接戦にも付き合う義理はないよね!(大剣から放った、黒の光線による遠距離攻撃で敵を近づけないよ)
ズルくて結構!そっちも近づけば勝ち確でしょ!まだまだアタシの欲望に応えて、怪奇に異形度を増せ、|ブレイド・グリード《大剣》
いいね、楽しいね!無意識の抑圧も、ぜんぶもってけー!(威力・速度・発射数を増加させて一気に殲滅)



 真っ赤に染まった烏賊とは即ち調理済みを意味する。真っ赤に染まった文字の場合は如何に。はじまりだ。開始の合図に過ぎない、バグからの呼び声と宣うべきだ。ゲームに必要なのはデータではない、それを何処まで掌で転がす事が可能なのか。
 ――灰は灰に塵は塵に、強欲なオマエは芥すらも蒐集する。
 棄てられたデータもいつかは使える。把握しておけば復活も容易なのだ。
 烏賊だ――巨大で、ヌメヌメとした化け物が群れを成してやってくる。その行進速度はプレイヤー・キャラクターよりも速いらしく土煙を巻き起こして蠢く姿形は光の『ひ』の字もないご様子だ。うわ、ウネウネすんな、そしてコッチくんなし!!! シッシと嫌悪を示しても相手は野生のバグプロトコル。ねちねちと棘を発達させながら無差別に墨を嘔吐する。これは近づかない方が賢明ね。つーか近づきたくない。それに此処は、あの|規則《ルール》に雁字搦めにされたリアルじゃない。そんな蛇足に付き合ってる義理も暇もないよね! 解放せよ、開放せよ、己の欲望、|黒の光線《エネルギー》となって忘却とするのだ。ズルくて結構! 小賢しくても勝てば官軍ってやつ! ええ、そうよね、アナタ達は一発でもアタシに入れたら勝ち確ですもん。まだまだ油断は出来ないわ。出来ないからこそ、もっと、アタシの欲望に応えて――怪奇に異形度を増せ、|相棒《ブレイド・グリード》!
 蝶の羽を彷彿とさせる紋章が徐々に徐々に歪へと化け、挙句の果てには蛾の如くに成った。これが本当のアタシの『我』ってやつよ。いいね、楽しいね! 無意識の抑圧も、何もかも、今ここでもっていけ――今ここで出し尽くして! 全てだ。最早、我慢する必要などない。スッキリと殲滅した、烏賊の鏖焼きと謂うワケだ……。
 無を取得せよ、オマエならば何れ|絶界詩編領域《ゴッドゲーム》に到れる筈だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

穂藤・野々
コマンドはもう打ってあるの
スカイカナルで群れの頭上をぐるぐる逃げ回って、烏賊さん達を対象に指定
仲良くしましょ?

あれっ
この|予備動作《モーション》ってもしかして高速回転の……待って、群れてるのに無差別攻撃しちゃうの!?
ダッシュで上空へ回避しながらオーラ防御全開
一応、ホロドレスのデザインを変えてゴーグルも追加
万が一盲目が掛かったら、気配感知を使って立ち回るの
スカイカナルに乗った私は誰にも止められないよ

それに、ほら
敵対行動なんてするから
足下お留守の烏賊さん達は、這い寄るタクミに気付いたかな
気付いても逃げ切れないとは思うけど
勿論、味方は爆破ダメージから除外するようにプログラムしてあるから安心してね!



 デビル・フィッシュよりも悪魔らしい、足元がお留守だ。
 灯台下暗しならば、その灯台、崩してやると好い。
 如何物を調理する為には、捌く為には、何が不可欠なのかと問われれば、ただのひとつ。そのグロテスクさに、気味の悪さに躊躇いを抱かない事だ。嫌悪の類を晒してしまったら最後、彼等と仲良しこよしには成れない。コマンドはもう打ってあるの。伸縮自在な触肢だって空中、宙をぐるぐると遁走すれば脅威でも驚異でもない。溶け込むような空色に翻弄されてくれたら、肢を絡ませてくれたら、有難いのだが――兎にも角にも「仲良くしましょ?」烏賊さん達を対象にして友好的な|関係《モブ》とする。しかし、可笑しい。なんともプルプルとした新鮮な連中は|予備動作《モーション》を魅せたのだ。あれっ――もしかして|高速回転《ユーベルコード》――近くに敵対する『もの』が存在すればオートで発動する無差別攻撃か。群れてるのに!? まったく烏賊を設定したGMは性格が悪い……。
 先の科白の段階でほんの少し近寄っていたのはミスだ。慌てて上空へと|避難《ダッシュ》する。展開した|防御《オーラ》に万が一の為のデザイン変更、ゴーグルを装着するオマエもまた可愛らしい。びちゃりと、視界が黑に塗れてしまった。まずい。盲目状態だ。ゴーグルをバグらせるとは面倒臭い。でも「私はこんなことで混乱したりはしないよ」気配を感知すれば何処に烏賊が存在するのか掌握も容易だ。スカイカナルに乗った私は誰にも止められないよ。
 それに、ほら。烏賊さんのお友達は何も別の烏賊さんだけではない。敵対行動なんてするから、無差別攻撃なんてするから、這い寄る緑の豚さんに気が付けない。気付いても逃げ切れないとは思うけど――大爆発だ。召喚されたタクミ、それはもう綺麗に烏賊肉を散らかす。勿論、味方は爆破ダメージから除外するようプログラムしてあるから安心してね! 積み上げてきたブロックが台無しだ、一からの乾燥を強いていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

イリスフィーナ・シェフィールド
烏賊属性ってなんでしょう……とか言ってる場合ではありませんわね。
黒くて尖ったモノをお持ちの方が集団でお出迎えですわ。
抱きしめられるのは好きですけど痛すぎる抱擁は流石にお断りですわ。

指定コードで雪女風の真の姿に変身(イェガーカード参照)して氷の氷柱で迎え撃ちます。
……食べるのには向いてなさそうですわね(氷漬けになったのを眺めながら)



 アツアツなタコ焼きが恋しくなるこの頃、烏賊はお呼びではないと何度も告げた筈だ。先程までのシュレディンガー、パーカーの方が幾等か季節感を大事にしている。さてはGMは、この高難易度レイドクエストを創った者は、感覚が狂っているのかもしれない。
 青々とした瞳に粘つくような光景だ、蠢動している、モンスター。
 人は愛される事でようやく自身が生命なのだと、知的な存在なのだと、理解出来るのだ。割腹し、臓腑を引き摺り出し、舟盛として提供される始末など、欠片の愛もないではないか。ところで、烏賊属性ってなんでしょう……。純粋な疑問をこぼしている場合ではない、あの、黒くて尖っていて、何物よりもヌメヌメとしている、筆舌に尽くし難いモノが集団で迫ってきているのだ。ええ、お出迎えご苦労様ですわ。でも、痛すぎる抱擁や苦しい接吻なんて、流石にお断りですの。大好きな女神様の胸の中ならどんなに幸福か、想像するだけで正気を失いそうだ。……そんなイメージはいったん、脳髄と称される棚へと、奥へ奥へ。
 お代官様ごっこから、お代官様からのお戯れから、かなりの時を得ていた。全肯定ハロウィンを乗り越えて、果たして、その魔力を何処まで練り込む事が出来たのか。吹けよ氷雪、降り注げ氷柱――文句は完璧だ。真の姿、つまり、雪女風のオマエは世に落とされ、八寒めいた秩序を創らんと揮った――アイシクル・レイン。烏賊の群れを豪快に急速冷凍だ。掴もうとしていた触手もご覧の有り様……食べるのには向いてなさそうですわね。
 目をやれば一面は冷凍烏賊のカーペット、足の踏み場に困るレベルの、心配すべきは霜焼けか。そろそろ手袋やマフラーが必要かもしれないですわね。箪笥を肥やしていた冬物が貌を出している。きっと高値で売買されるだろう。
 ……この烏賊はオブジェとして堪能したら破砕すると宜しい。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】

今度はイカかい。
まぁ地上で動くイカなんてサメを見慣れた身からすりゃ……いや待て、これ絶対他の奴が先に何かやらかしてるだろ。
だったら虎の子のクーラーボックスは封印だ、第一鮮度が保証されねぇ。
『早着替え』して海賊スタイルでお相手しようじゃないか。
イカスミはパスタにして味わいたいもんさ、ぶっかけられるなんてぞっとしないよ。
それで目潰しされるなら猶の事、けれども相手が悪かったね。
「見えないだけ」に違いはないからね、【超感覚探知】にゃ視覚は要らねぇ。
その攻撃の意思の|中心《コア》を狙って『電撃』のめくら撃ちさ。
地上に居ても水棲生物なのは同じだろ、覿面に痺れとけ!



 醤油の香ばしさを望むならば別のところに行ってくれ。
 垂らしている余裕も塗っている暇もないのだ。
 痙攣するのが先か塵と化すのが先か。
 キャット・ウォークを頼りにしていたら唐突に海面へと出た。突拍子もない非現実で在れば、まだ、咀嚼する事も出来た筈だ。嗚呼、彼方、地平を埋め尽くす化け物の輪郭を認めよ。烏賊だ。烏賊が走っている。烏賊が泳いでいるのではない、烏賊が地面を駆けているのだ。なんの冗談だ、今度はイカかい……まぁ、よくよく考えてみれば烏賊が地上で蠢くなんぞ日常ではないか。全ての鮫の父の眷属どもを見慣れていれば、あんなの、穴が開くほどに眺めた超自然性だ。いや……待て。これ絶対他の奴が先に何かやらかしてるだろ。お隣の烏賊に喰らいついて異たのは海のギャングか。いいや、宙のギャングだ、鯱が顎を晒している……。だったら虎の子のクーラーボックスは封印だ、生臭くて、第一、鮮度が保証されねぇ。此処等で場面転換と洒落込もうか。変身バンクは不要だと早着替え、さあ、ラム酒の準備は出来たのか――飲み干せよ海賊、クラーケンが相手じゃなくても肩を落とすな。
 イカスミはパスタにして味わいたいもんさ、辛辣に、ぶっかけられるなんてぞっとしないよ。それで目を潰されるなら――BS状態にされるなら――尚の事、けれども、相手が悪かったね。盲目状態とは即ち「見えないだけ」だ、目隠ししてのスイカ割りも楽々な|超感覚探知《テレパシーリンク》、視覚は要らねぇ、要るのは猟兵としての憤懣だけか。
 地上に居ても空に居ても、何処に居ても、水棲生物は水棲生物だ。その弱点は明白で何よりも魔導が効く。狙いは意思の|中心《コア》だ、バグプロトコルで在るが故に『害意』こそ致命と成り得る――めくら撃ちさ。なぁに、アタシが外す事なんざ億が一にもないね、覿面に痺れとけ! いや、痺れるよりも前に焼きイカにしてやるよ。

成功 🔵​🔵​🔴​

サマエル・マーシャー
ここを乗り切れば最終ボス戦で現地の人々をお救いすることができるのですよね?

と現状を再確認して救世主としての意欲を高めながらUC発動。インフレが極まった格ゲーキャラの性能を獲得し、アイテム『神の如き者は誰か』による剣聖レベルの剣術自動アシスト機能を合わせて無双ゲーの如き戦闘を繰り広げてみせます。

仮に触腕に捕まり棘に胴体を貫通されたとしてもそれにより私の体液『盲目的で破滅的な愛』に敵は触れてしまうので不運にも私を捕まえた敵はその時点で無力化できます。
それに格ゲーキャラになった今の私は体力ゲージが0にならない限り動きに支障は出ません。つまり死ななきゃセーフです。

ヨシ、ちゃんとゲームできてますね。私。



 脱力した烏賊は、骨抜きにされた烏賊は、俎板の鯉よりも従順だった。
 バグプロトコルは悦楽なんぞに屈しない、大嘘ではないか。無数の目玉が害意の類を失い、只管に、とろけるようなモザイクに塗れている。
 ――とてもいい表情をしています。
 現状の再確認だ。ここを乗り切れば最終ボス戦で現地の人々を『お救い』することができるのですよね? 第四の壁にでも触れたのか、天使、魔王の如き佇まいも掌で掬う為なのか。巣食っている蛇の色を訊ねてきた烏賊に対して、嗚呼、答えはきっと赫々としているものだ。そう、祝福は私にあります。そして、私こそが救済の体現者なのです。インフレを極めた格闘ゲームからの参戦だ、おぞましい最強キャラクター。さて、神を試してはならないと何者かは宣ったがオマエは如何に――嗚々、神の如き誰かよ、その光を以て、剣戟を以て――あの増殖するバグどもを、モブどもを、|無双《ころ》してやってください。そうです、私がプレイヤー・キャラクターで在る限りは、自陣が敗北するなんてことはありません。スクリーン内で、フルダイブで、繰り広げられる蹂躙戦、最早、無事な海産物など存在しない。
 仮に――万が一に――晒されてしまった。触腕に掴まり、絡まれ、そのまま臓腑をぶち撒けるとなった頃、エンジェルハイロゥが嘲笑った。胴体を貫通されようと脳天を潰されようと「私」にはまったく問題がないのです。しかも、それにより私の体液が|烏賊《あなた》を侵していくでしょう。ドロドロと溢れた、悉くを擁する、盲目的で破滅的な愛――不運だったのだ。彼等は何処までも何処までも、骸の海の底に溶けようと、サマエル・マーシャーとの同一化を避けられない。ええ、勿論ですが、私の体力ゲージは健在です。ゼロにならない限りは動きに支障など出ません。死ななきゃセーフです、これで安心して現地の人々を『お救い』できますね。ヨシ、ちゃんとゲームできてますね、私。
 普段通りの妄想だ、踵を鷲掴みにして弄すると好い。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『セフィロト・エクス・マキナ』

POW   :    アイン・ソフ・オウル
【セフィロト型魔力回路】から、レベル×5mの直線上に【魔力の奔流】を放出する。【コアの耐久力】を消費し続ければ、放出を持続可能。
SPD   :    マキナ・セフィラ
【セフィロト型魔力回路】から無限に供給される【美しく輝く魔力の矢】を、レベル分間射撃し続ける。足を止めて撃つと攻撃速度3倍。
WIZ   :    スターリー・トライアングル
【セフィロト型魔力回路】から【三角形型の光】を放ち攻撃する。その後、着弾点からレベルm半径内が、レベル秒間【移動不能】状態になる。

イラスト:傘魚

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ゴッドゲームオンライン――高難易度レイドクエスト『蠢光』
 最後に出現する『ボス』の名は――生命の樹をモチーフとしていた。
 セフィロト・エクス・マキナ――それは神にも等しい、バグプロトコルの指揮官で在り、無数のバグプロトコルを従えていると謂う。これは設定上の話だ。最終ボスとして登場した|彼女《それ》は既に配下を|撃破《●●》されている。
 ――おい、またあのスキルが来るぞ!
 ――クソッタレ、戦場まるっと攻撃範囲とかチートじゃねぇか!
 ――何が指揮官種だよ! これじゃあ殲滅兵器だ!!!
 |無限光《アイン・ソフ・オウル》――歴戦の廃人プレイヤーですら脅える、絶対的な魔力の奔流。戦場全体を『攻撃』する、回避も防御も極めて困難な|技《ユーベルコード》だ。他の技も似たようなものだと廃人どもは嘆く。
 それでも彼等は此処まで『到達している』猛者だ。猟兵よ、君達が手伝えばおそらく、生存率100%で鬼畜クエストをクリア出来るだろう。全員で生きて帰るのが目標だ。さあ、神の創造した玩具を破壊すると好い……!

 ※※※
 プレイングボーナス。
 廃人プレイヤー達と協力しバグプロトコルを討伐する。
イリスフィーナ・シェフィールド
配下を撃破っていうか自分で消し飛ばしただけですわよねっ。

と突っ込んでる場合ではありませんわね。
範囲攻撃が来たらプレイヤーの皆様にわたくしの後ろに集まっていただいてプロテクション手伝ってもウォールですわ。
攻撃がやむまでこれで被弾を押さえつつ増加した治癒力(リジェネ)で
ダメージを抑えれるとよろしいのですけど。

攻撃が止まったらプレイヤーの皆様と一斉攻撃しますわ。
長引けば相手が自滅するかもですけどこっちがやられる可能性も高まりますし。



 レイドボス――それはプレイヤー複数人で相手をしても、尚、強大な敵の事を示す言の葉。されど、嗚呼、廃人どもの目玉には、オマエの目玉には、それよりも異常な存在として|生命の樹《セフィロト》が映った。設定上は指揮官種とされているが、最早、暴君ではないか。力こそパワーだと謳う化け物の、盲目白痴な所業ではないか。配下を撃破っていうか自分で消し飛ばしただけですわよねっ。嗚呼、障害物を障害物とも思っていない有り様だ、この|個体《バグプロトコル》こそがラスボスだと、魔王だと告げられても疑う事は無いだろう。……突っ込んでる場合ではありませんね。|予備動作《モーション》を確認した。|無限光《アイン・ソフ・オウル》に備えよ――戦場はパニックに陥っている、まずい、この儘では本当に|人権剥奪《しにん》が出る。皆様、わたくしの後ろに集まるのですわ! 隕石を防ぐのに必要なのは地形ギミックだ。猟兵よ、オマエこそが壁と成れ。
 廃人プレイヤーどもが背水の如く、河の如くに、オマエの背後で団子となった。それでは、良いですわね。わたくしがアレを防いで魅せますので、その後の為に準備をしておくのですわ。歪曲したのはデータか|空間《フィールド》か、巡る結界の中で|治癒《リジェネ》が発揮される――極光! 強烈な眩しさに刹那、世界が塗り潰される。認知出来ていた。認識出来ていた。つまり、わたくし達はまだ『ゲーム』をしている。
 コアの消耗、それ即ち|生命《ヒット・ポイント》を指す一文だ。故に、セフィロトは、バグプロトコルは|無限光《ユーベルコード》を中断せざるを得なかった。数少ない機会だ。絶好のチャンスだ。一部の廃人プレイヤーは『耐久戦』を狙っていたがそんな事はGMが赦さないだろう。自滅よりも先に此方が全滅する可能性が高い。
 一斉攻撃だ――ありとあらゆる|手段《BSなど》を行使し、あの|怪物《クリーチャー》を討伐するのだ。叩き斬れ管理社会の化身を――人間の意志こそが神を殺す剣で在れ。

成功 🔵​🔵​🔴​

サマエル・マーシャー
廃人と呼ばれる方々は私の世界のサイバースペースにも存在します。
なので彼らが自分の領域では怪物であることもよく知っています。

なら、後は彼らが戦闘可能な土壌を作り上げればいいだけです。
UCを発動し戦場を交換。皆さん、私はバッファー兼ヒーラーです。私のことを信じていただければあなたたちは敵の攻撃を防御・回避可能になります。元々あなたたちはどんな理不尽な攻撃だってスキルの仕様による一瞬の無敵やフレームの隙間を縫った回避などで対処してきたのではないのですか?
私のバフがあればあなたたちの技術が通用するようになります。移動不能の状態異常も私がいる限り通用しません。

臆せず、いつも通りの『作業』をお願いします。



 魔女は甘い物を作るのが得意だ。
 甘味の話ではない、ゴミ箱の中の綺麗な石の数だ。
 積み重ねてきた超越性が、逸脱性が、限定的なもので在れば『ある』ほどに埒外さは増していく。それはゲーム内、プレイヤー・キャラクターとして存在している彼等、廃人にとっても同じ事だろう。ええ、彼等は私の世界のサイバースペースにも存在します。なので、彼等が自分の領域内では怪物であることもよく知っているのです。サマエル・マーシャーは世界を救う為に自分ですら、躊躇いなく、改める事が出来た。ならば、世界を、ゴッドゲームを『救う為の土壌』と定める事も容易な筈だ。私が、私こそが|救世主《ゲームマスター》です。あなたたちを全ての苦しみから、バグプロトコルの管理下から、解放します。真っ黒に染めなくとも、嗚呼、オマエは既に欲望の遣いだ。交換された|戦場《せかい》は、プログラムは通常の如くに蠢動している――皆さん、私はバッファー兼ヒーラーです。私のことを信じていただければ、何もかも、上手くいくと保証しましょう。元々、どんな理不尽な攻撃でも防いできた、或いは躱してきた連中だ。極悪難易度か高難易度に戻った、それだけで生存率は爆々と上がっていく――そう、この場、この時、あなたたちの技術が通用するようになったのです。|移動不能《スタン》の状態異常も私がいる限りは無意味となります。
 臆せず、騒がず、丁寧に――いつも通りの『作業』をお願いします。
 セフィロトは自らの光を、秩序を見失った。歓喜にまみれる廃人どもが、活き活きと|敵《エネミー》を削っていく。光在れ、と指差しても、そう、廃人どもには傾ぐべき耳もない。なあ、セフィロトさんよ、俺達の銀行になる気分は如何だ……?
 これで『救え』たようです、私の『世界観』も面白いと思ってくれますでしょうか。まったく丸裸ではないか、その|装甲《バグ》を糺してやれ。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー
おまかせプレ、汝が為したいように為すがよい。

廃人プレイヤーと協力せよ、と。OK、そういうのなら得意よ。欲望開放させる褒美を用意すればイチコロってものよ。
まぁ、説得力持たせるために、まずは一発多重詠唱鉄壁結界術で魔力の奔流を|呑み干してくれよう《大食い、魔力吸収、エネルギー充填》。
さ、防げることは証明したわ、今こそ|GRT A GRORY《勝利を》!
与える技能は|もはやユーベルコードと見分けがつかない《私のレベル×10》。この超絶強化があれば廃人プレイヤー達もバグプロトコルに遅れをとることはないでしょう。
|自動蘇生《継戦能力》のおまけつきだしね☆


ではでは、えっちなのうみそおいしいです❤



 混沌魔術――その深淵――覗いた者は発狂する。
 では、オマエは何故にオマエなのか。
 ――アリス・セカンドカラーだからだ、頷く他にない。
 飴と鞭を上手に使い分ける事こそが社会を、歯車を、心地良く回転させる術なのだとお偉い連中は囀っていた。たくさんの雛鳥に与えるべき餌は、パンくずは、屑らしく丁寧に、細かく、平たくせよと包まれる。嗚呼、可笑しいではないか、如何して、力の強い連中は大量の餌を独り占めしているのか。廃人と罵られた彼等は、今、天に唾を吐き捨てようと試みている。そんな彼等と協力せよ、と。OK――ケーキの欠片を舐るよりも容易なのだと、得意なのだとアリス・セカンドカラーは微笑んで魅せた。任せなさい、ご褒美は、|欲望開放《ごほうび》はたっぷりと用意してあげる。十分な口説き文句だ、良質なフェロモンだ。ええ、勿論、これだけじゃ説得力に欠けるでしょうし、此処からが|証明《●●》よ。
 |無限光《アイン・ソフ・オウル》が場を擁し、蹂躙し、全滅させようと広がったところに『結界』が展開された。多重に被さった|鉄壁《かべ》が怪物の如き顎を象り、真のクリーチャーは誰なのか世界に問い掛ける。呑んでいる、呑み尽くして異るのだ。魔力の奔流が、光が、オマエの|体内《なか》に吸い込まれていく。さ、防げることは理解したわよね? じゃあ、私の事も理解してくれる? 今こそ|GET A GLORY《勝利》を! 天より注がれた|技能《ギフト》は数多、それに加えて倍々ゲームだ。もはや――。
 廃人どもの在り方はユーベルコードに匹敵する。
 超絶強化を受けた彼等はバグプロトコルの|挙動《蠢》きにすら喰らい付ける。いや、喰らい付いて、咀嚼する領域か。たとえ殺されても、HPがゼロになっても即座に|自動蘇生《リバイブ》されて征く。おまけの効果も抜群だ。では、では……。
 えっちなのうみそおいしいです❤
 けしからんバグプロトコルだ、出てくるゲームを間違えていないか。

成功 🔵​🔵​🔴​

アズミィ・ビィフィーバー
わー!まってまって!わるいバグじゃないよ!よいプレイヤーだよ!
ほら、アレ!課金で買えるやつ!エフェクトパス!そうそうなんか中二病タグがついてた……って言わせんなし!ほぐれたところで。
そっちが無限の射撃ならこっちは無限の攻勢!みんな被弾構わず攻撃して!
対外的にはバグ技風のコマンド入力の【増殖バグ】で増えた無数の金翅蝶達によるDエネルギーで回復するよ!おまけにトリリオン獲得量ボーナスも!敵には「足を止めない」などの洗脳攻撃もつけて。
アタシは黒聖者、ヒール職にして黒教信者。
あなた達は、馬車馬の様に働くゾンビアタッカー?いいえ欲望の限り進み得る者達。ほら欲望開放するだけでもモチベーションが違うでしょ!



 黒々とした蝶々の、文字通りの無数。
 外見演出だけとは思うなよ、GM、増殖するからアバドンなのだ。
 バグプロトコルに苛まれた、痛めつけられた|者《プレイヤー》は地獄を生き残る為に手段を選ばない。それが廃人にも成れば尚の事、殺意にも似た感情は挙動にも表れる。指揮官種『セフィロト・エクス・マキナ』が自身の配下を魔力の奔流によって罰滅したとしても、僅かに、何かが残っていても可笑しくはないか。赤い。途轍もなく赤いバグだ。さてはバグプロトコルだなオマエ、そのオツムを置いていけ――わー! まってまって! アタシわるいバグじゃないよ! バグに良し悪しなど存在するものか、己、忌まわしいエネミーめ。ちがうよ! アタシはよいプレイヤーだよ!!! いや、よくよく見たらプレイヤー・ネームが頭上に記されている。俺は騙されんぞ、それもバグか何かだろ……? ほら、アレ! 課金で買えるやつ! エフェクトパスだよエフェクトパス! そうそう、なんか中二病タグがついてた……って言わせんなし! 嗚呼、なんだ、可哀想な娘なんだな。若干生温い目で見られた事は置いといて、緊張はほぐれた筈だ。よろしい、そっちが無限の射撃ならこっちは無限の攻勢だ。みんな! 被弾構わず攻撃して! 今からボーナス・タイムを|構築《つく》り出す。コマンド入力→バグ技は如何……?
 アイテムが足りなければ、エネルギーが足りなければ、トトリオンが足りなければ、ズルして得して、勝手気儘に増やすと好い。たとえ穿たれても、貫かれても、即座に|回復《ヒール》を行えば痛くも痒くも怖くもない。ついでに|干渉《ふ》れたお相手さんには洗脳効果だ。そう、あなたは足を止めてはいけない。足を止めない――士気の向上こそ黒聖者、ヒール職にして黒教信者の真骨頂。あなた達は、馬車馬のように働くゾンビアタッカー? いいえ、欲望の限り進み、果ての自由を得る|主人公《プレイヤー》達。ほら、欲望を開放するだけでもモチベーションが違うでしょ!
 さあ、勝ち取れ――人が人で在る証明を!

成功 🔵​🔵​🔴​

露木・鬼燈
廃人プレイヤーを上手く使えってことかー
廃人は極まってるからなー
即席の連携とか足枷にしかならん気がするよね
こーゆー時は下手に手を出さない方がいいのかも?
得意ではないけど支援に徹することにするのです
その支援も下手にバフをかけたり、ヘイトに影響を与えると事故る気がする
んー<再起回生陣>で回復と再行動くらいなら影響は少ないか?
でも回復ってシステムによってはヘイト溜まりやすかったりするんだよね
まぁ、そこは再行動でいー感じにやってるくれるはず



 光だ、別の光の球が肉体に、キャラクターに這入り混む。
 這入り混まれた、取り込んだものは活き活きとし、
 その精神に再度、熱が生じるのを意識した。
 今なら倒せる、あの神を、クリーチャーを、削り切れる。
 神を屠る為に必要なのは、おそらく、神にも匹敵する|技量《けいけん》だ。敬虔な信徒が他の神を嘲笑うかの如くに、水掛け論、強さに強さを上乗せするような、根本からの|反則《チート》か。いいや、チートなんぞ、不明のユニットなんぞ、使わなくたって廃人プレイヤーは極まっているのではないか。彼等を上手に導けば、扱ってやれば凶悪難易度を誇る|理不尽《バグプロトコル》にだって勝利出来る筈。寧ろ、即席の連携とか足枷にしかならん気がするよね。ほら、さっきオマエの横を駆け抜けていった廃人なんか下着しか纏っていない。こーゆー時は下手に手を出さない方がいいのかも? おい、またアレが来るぞ。|予備動作《モーション》は憶えたが避け切れるかは運次第だ。気張れよてめぇ等――得意ではないけど支援に徹することにするのです。その支援も下手にバフかけたり、デバフを撒いたりしたらヘイトに影響を及ぼすんじゃないか。不安の種は『事故』である。どんな熟達の忍でも意識を逸らされ、情にやられれば、容易に、簡単に、堕とされる。
 だったら|回復《ヒール》と再行動を付与するが好い。まだまだイケると、まだまだ動けると、彼等にバトンを渡すのだ。でも回復ってシステムによってはヘイト溜まり易かったりするんだよね。危惧していた通り生命の樹の貌が、娘っ子の面が、オマエに向けられた。まぁ、そこは再行動でいー感じにやってくれるはず。ありがとうなアンタ、おかげで、あの化け物に隙が生まれた。セフィロト・エクス・マキナの横っ面、誰かのグリムが殴り貫ける。
 ――こっからがゲームだ、愉しませてくれと彼等が吼える。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
なんだい割と押してるじゃねぇか野郎ども!
そうだ、やってやれない事ぁ無い。
見た感じバグっててもエネミーはエネミー、まだ手心はありそうだよ。
さあ散開しな、我に秘策アリって奴さ!
『コミュ力』でそう『鼓舞』しながらプレイヤーたちとセフィロトを包囲するように布陣するよ。
そう、無限光の範囲が広くて全体攻撃に思うけれども、それはちょっとした思い違い。
「直線上への放出」だってんなら死角、いわゆる安全地帯が存在するのさ!
そこを指摘できたらしめたもの、【理塞ぐ鍵】が足止めするよ。
弱点はもう一つ、他のヒトも指摘したがコアを攻め立てりゃ無限光は撃てねぇ。
180秒の間に総攻撃を仕掛けちまえ!
アタシも【援護攻撃】するよ!



 無限なのは何も光だけではない、鉛玉、その数を態々唱えるとでも。
 想像していた以上に、異常なほどに、廃人プレイヤーどもは『やる』ご様子だった。敵の攻撃を、理不尽なまでの暴力を掻い潜り、その柔肌へと牙を突き立てようと試みているのだ。それに何よりも未だ脱落者はゼロ――なんだい割と押してるじゃねぇか野郎ども! そうだ、やってやれない事ぁ無い。やろうとしなけりゃ何も出来ない――この一言は、科白は、オマエの、今まで積み重ねてきた生き様そのものとも謂えよう。相棒に腰下ろして、握り締め、駆け出さない事には世界は広がらないのだ。見た感じバグっててもエネミーはエネミー、まだ手心は、GMの|在り方《ロマン》というものはありそうだよ。何処かの世界の邪神の類とは違ってゲームとは本来『愉しむ』為のツールだ。さあ散開しな、我に秘策アリってやつさ! ゴッドゲームオンラインには様々なプレイスタイルの猛者が存在しているが、その中でも一定の地位に在るのが、そう、姫騎士だ。尤も、オマエが跨るのは馬ではないのだが――廃人どもを鼓舞し、導くが好い。コミュニケーションこそが最大の力と成る。
 セフィロト――生命の樹――を包囲するように布陣した。嗚呼、廃人どもの雄叫びが聞こえる。この、超絶なまでの凶悪難易度を誇る、バグったレイドクエストをクリアした時、俺達はまた自由への階段を上る事が出来るのだ。なあ、お前ら、アタシも思い違いをしていたんだけどな、あの理不尽な|攻撃《ユーベルコード》、|安全地帯《あんち》が存在するのさ! 改めて、考えてみたら、リジェネの範囲内で観察したら、確かに『あの光は直線状にしか放出されていない』――! 死角に入れば此方のものだ、勝鬨を!
 アンタの鍵穴、見つけたよ! まるで神を封じるかの如くに、不完全へと落とすかの如くに。檻が実体化しセフィロトを、ただの女の子を、閉じ込める。ああ、弱点はもうひとつ有ったね、他のヒトも指摘してたがコアを攻め立てりゃ無限光は撃てねぇ……! 180秒だ、180秒でこのクエストを終わらせる。仕掛けちまえ、お前ら……!
 コアを破壊しろ、一点集中だ――アタシも援護するよ!

成功 🔵​🔵​🔴​

ベロニカ・サインボード
猛攻に晒され、プレイヤー達も、私も、『ワーニン・フォレスト』も傷ついていく
私の中で絶望が膨らむ…
それでも、戦う。希望する

呼応するように、『ワーニン・フォレスト』が|かわって《・・・・》いく
更にしなやかに、更に力強く、更に輝く

形はまだ…不明瞭ではあるが、わかる。これが|もう一人の私《ワーニン・フォレスト》の真の姿

さっきの敵が、なぜ抵抗をやめたのか…今わかった
アレには無かったんだ…選べる未来が
私の真の姿を借用したことで、勝ち目などないと『知ったんだ』

豆粒ほどの看板を指先に生やし、指で弾く。看板の弾丸が奇跡的な角度で光を弾く。プレイヤーを貫くはずだった光条が、逸れる
もう一発。看板弾はクリティカルヒットし、コアを砕く

どうすれば、どうなるか、わかる。数多の絶望の中にある希望が、『ワーニン・フォレスト』の目を通して、私にも見える

全ては予見どおり…それが私と…彼女の能力
『完全な未来予知』!そして『未来を選ぶ能力』!それが!

『ソウダ、ベロニカ。ソレガ!』

ワーニン・フォレスト『|最後の扉《ラストドア》』!



 槍は――その在り方は――力を有するものだ。
 かつてロンギヌスは槍を扱い、四文字の肉体に傷を付けたと謂う。
 そう、ロンギヌスは選択したのだ。
 ロンギヌスは未来を、復活と謂う未来を、無意識に選択したのだ。
 光在れ――生命の樹――セフィロト・エクス・マキナの猛攻が止む事は、秒すらも無かった。晒された廃人プレイヤーどものHPは赤色で、それは、私も、『ワーニン・フォレスト』も同じ状況であった。そう、かつてないほどの危機だ。今までの危機は殴り貫けるほどの脆さではあったが、嗚呼、もしや、あのバグプロトコルの|能力《チート》は無敵なのではないか、と、絶望が膨らむレベルの域にまで達している。それでも、だ、それでも、尚、だ。猟兵の精神は黄金色に、ハッキリと、輝かなければならない。希望だ。希望こそが私の、ベロニカ・サインボードの|真実《ルーツ》なのだ。呼応する――捲れていく。剥がれていく。まるで、死体から、新たな生命が生じるような、精神が変化していくような、何もかもから解放されるような――しなやかに、力強く、更に輝く。形はまだ不明瞭ではあるが、オマエには、時計ウサギには理解が出来る。これが|もう一人の私《ワーニン・フォレスト》の真の姿――その拳はおそらく、槍のように鋭く、手にする為のカタチをしていた。
 さっきの敵が、シュレディンガーが、なぜ抵抗をやめたのか……ようやくわかった。アレには無かったのだ。アレには赦されていなかったのだ。選べる『未来』が。借用したところで、被ったところで、勝ち目がないのだと『知った』んだ……。
 豆粒程度の看板を指先に生やし、槍の如く、指で弾く。偶然か? いいや、運命だ。看板の弾丸が、矛先が――奇跡的な角度で『光』を逸らす。そう、プレイヤーは生存していた。当たり前のように、光にやられなかったのだ。もう一発――それは、意識的に、意志を宿してバグプロトコルのコアに|粉砕《クリティカルヒット》した。
 どうすれば、どうなるか、わかる。数多の絶望の中にある希望が、『ワーニン・フォレスト』の目を通して、意思を通して、私にも、手に取るように見える。全ては予見通り……それが私と……彼女の能力。つまり『完全な未来予知』と『未来を選ぶ能力』!
 ロンギヌスは笑った、嗤っていた筈だ。
 このような爪痕を、残せたのだから。
『ソウダ、ベロニカ。ソレガ!』

 ワーニン・フォレスト『|最後の扉《ラストドア》』!
 ――『経路』が存在する限り、どんな道も示す。
 どこにでも行ける。
 私は――|選択している《●●●●●●》わ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

カタリナ・エスペランサ
良い子には些か目の毒なボスだね
統制なんて宣うならこういうところこそしっかりしてほしいものだけど

それはそうと新世界のオーディエンスに|猟兵《アタシたち》からの挨拶代わり、鮮烈に決めるとしようか!

【絶演】の《封印を解く》事でオーバーロードし《空中戦》
《戦闘知識+第六感》の《見切り》による先読みは回避だけじゃなく
此方から攻め立てる効率的な箇所の見極めにも活かすよ

放つ蒼雷の狼は《追跡+誘導弾》の性質を備えた《神罰+属性攻撃+蹂躙+爆撃+弾幕》さ
縦横無尽の機動力と併せ敵の矢を《カウンター》相殺、
3倍以上の効率で誘爆させ活路を開き押し返す

《覇気+勝者のカリスマ》をアピールする攻防の傍ら響かせる《歌唱》で
プレイヤー諸君を《|誘惑《魅了》+鼓舞+ドーピング》強化して支援、
共演者のお手並み拝見といこう

士気と形勢を立て直せば蒼雷狼は一度味方を《庇う+護衛》にシフト
敵の注意が分散し隙が出来たところで足を止め攻撃速度3倍、一気呵成に焼き尽くす

ゲームと言えど|命《人権》懸け、だものね
一人だって犠牲にはさせないよ!



 おっきなお友達の方が多いのが現実だ、社会の歯車は疲弊しても尚、逃避や身投げを躊躇しない。故にこその、この、素敵な素敵な|見た目《ビジュアル》なのだ。良い子の皆には見せられない、とっても柔肌な偶像をしている。統制なんて宣うならこういうところをしっかりしてほしいものだけど。嗚呼、そもそも、欲望を開放する|職《ジョブ》からして不可解ではないか。運営様の貌を視てみたいものだとオマエは嘆息した。……それはそうと新世界のオーディエンスに|猟兵《アタシたち》からの挨拶代わり、鮮烈に決めるとしようか! しかしオマエ、カタリナ・エスペランサよ、性格がちょっと騎士様とやらに寄っていないか。最高のショーの幕開けだとでも言いたげに真実は容易に解かれる、最早、封印なんぞは糞喰らえか――お得意の空中戦の時間だ、全てを掌握せんと傲慢がおどる。
 プライドの問題だ。プライドを抱かずして何が魔の神か、何が猟兵か、今までの戦闘経験を十二分に活かし、あの化け物の|予備動作《モーション》を隅々まで暴いていく。回避だけではない、此方から攻め立てる為の布石として、効率的に見極めるのだ。さあ、悉くはお見通しとなった――放たれたのは蒼雷の狼、神鳴が如くに咆哮する獣の群れ――それは神罰の沙汰と化して、化身と成りて、|三角形《ひかり》とやらを相殺していく。あとは量で押し返すだけだ。三倍以上の効率で以て誘爆を招き、道を拓く……!
 歌え、歌え、天使の喇叭をバグに向けよ。
 人心を掌握し、戦場を涌かせ、尋常ではないバフを撒け。
 共演者のお手並み拝見といこう。
 ――まさか、|偶像《アイドル》を前にして痴態は晒せまい!
 形勢逆転の投石だ――プレイヤーの挙動も、最早、バグっているのかと疑うほどだ。立て直せたなら獣を援護に移すと好い。三角形を撃ち落とし、受け止め、いよいよ隙を作り出せ――視えた。ガラ空きだ、足を根として獣よ、疾風が如くに、音が如くに、光が如くに。一気呵成に焼き尽くせ……! ゲームと言えど|命《人権》懸け、だものね!
 一人だって犠牲にはさせないよ!
 おお……神だ……降臨なされた。
 目に毒なのはもしや、オマエも同じではないのか?

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
下がってて。
私が彼女の攻撃を防ぐわ

オーバーロードで背中に黒炎の翼。
守護霊の憑依【ドーピング】で更に強化

『鳥籠の支配者』で半径143mの【多重詠唱・結界術】を展開。
その効力は技能レベル 14300 相当。
無限光の放出を持続しても彼女のコアが先に悲鳴を上げる

攻撃が止んだ隙を【第六感・見切り】で見逃さず
【念動力】で引き寄せる。
先程の無限光と違って彼女の体は抵抗なく結界内へ
ただし、結界に触れた彼女のエナジーと経験は私のものに

人間と共闘しないのかって?
逃げ遅れて私の結界に押された連中からも
微量のエナジーと廃人級の経験を奪ったお陰で
【念動力・ハッキング】による彼女の無力化が簡単だったわ。
守ってやったんだし、死な安。また鍛え直しなさい

【魔力吸収】で魔力供給も封じれば
見たまんまの丸裸の少女。
私も【脱衣・早業】で裸になり【怪力・捕縛】の抱擁。
濃厚なキス。擦れる乳頭。
【化術】で肉の接続端子を生やし【串刺し・慰め・乱れ撃ち】

幾度、イク度、重なる嬌声。
神様の玩具を|女神《わたし》のモノに♥
【生命力吸収・大食い】



 ひとつの事を極めていけば、何れ、その経験は地獄の花を咲かせる事も、楽園で罪を犯す事も、実に容易となるでしょう。下がってて。私が彼女の攻撃を防ぐわ。そう、オマエは、猟兵は、いや、吸血姫は嘘を吐いてなどいない。オマエは何処まで行ってもオマエの在り方を変える事などなく、それ故に、己の強さを十全に発揮する事が出来たのだ。剥くように、無垢に非ずと、真の姿を曝け出す――この黒炎の翼は過去に対しての、バグと罵られてきたものに対しての、愛情の証か。嗚呼、今まで、愛し合ってきた彼等彼女等の埒外性が|憑依《やど》っていく。そう、オマエこそが支配者だ。ゲームを支配するのに相応しい者だ。鳥籠の中の獣は羽を失くし、ただの、地を這う赤子として転がるのみ。|無限光《アイン・ソフ・オウル》は本来、無限ではなかったのだ。放出し、それを続けたところで、結界よりも先に彼女のコアが悲鳴を上げる――レベル差の問題だ、ええ、引き寄せてあげる。
 攻撃が止んだ。この隙を、猫として倒れる瞬間を、嗚呼、オマエが見逃すなんて在り得ない。|念動力《だ》くように、ゆっくりと近寄らせて、触れさせる。結界内部へと、するり入ったセフィロトは何かが抜けている事に危機感を覚えた。いや、まさか、これはエナジー・ドレインの類だろうか。それに複合してレベル・ドレイン……? 私のものよ。勿論、アナタ自身がメインターゲットだけどね。クラクラする、莫迦な、セフィロトに|生命《いし》が芽生えている……?
 なによ、GM。人間と共闘しないのかって? 逃げ遅れて私の結界に押された連中からも、しっかり|経験《もら》っておいたわ。だから、彼女の|無力化《ハッキング》も楽々だったってわけよ。守ってやったんだし、そうね、死な安。また鍛え直しなさい。ま、廃人プレイヤー名乗ってるなら難しい話じゃない筈よ。
 そう、徹底的に、ガス欠になるまで|生命の樹《セフィロト》の供給を|吸収《ふう》じてしまえ。これで見たまんま丸裸の少女だ。それこそ何処かのフリーダムめいて、オマエも何故か脱衣して――目にも止まらぬ早業の所業だ。抱擁! 抜け出す事は出来ない。かわいい女の子にはそんな力、残されていない……! 絡まるタンの具合は如何か。おお、こすれている。焦らされるように、プラグインと謂うワケか……。
 神様の玩具は程なくして、女神の食い物になった。
 バチバチと、チキチキと、いやらしいノイズ音。

成功 🔵​🔵​🔴​

穂藤・野々
光学迷彩デザインのホロドレスで目立たないよう変装
先制で素早く上空へ
スカイカナルで戦場の空いっぱいに青い軌跡を描くの

元々は私のジョブアビだけど、だからこそプログラムを書き換えるくらいワールドハックより簡単
お茶の子さいさいなの
回復量?
HP100%+全状態異常回復とかしちゃう?
何をどれだけ治療するかなんて明記されてないもの
発動持続時間は戦闘終了まで
攻撃力UPは何倍にしようかな
勿論、対象はPLだけね!
……なんて、ノリノリで弄ったから、ちょっとえげつない回復力と攻撃力になっちゃってるかも

プレイヤーの皆も、今回だけチートを許してね
先にゲームバランスを壊したのはあっち
私はそれをクリア可能レベルに調節しただけ
あとは皆の腕と経験に掛かってるの
クリア目指して、一緒にボスを倒しましょう!



 髪を揺らして、ふわふわと、恵みを齎そうとしていた。
 尻尾を振り回して、筆を動かして、塗り替えていくは神絵師か。
 煌めいたホログラムは秒と知られず、宙に、世界そのものに溶け込んだ。まるで、池の真ん中に投げ込まれた、小さな小さな、氷のブロックが如くに、蛙のような声と共に失せていった。素早く、先制を宣誓せず、雲の上の存在として己を定義する。戦場いっぱいに、クエストエリアの端から端まで、スカイカナルと一緒に青々とした軌跡を描いていく。元々は私のジョブアビだけど、だからこそ、プログラムを書き換えるくらいワールドハックよりも簡単。文字通りに絵空事だ、お茶の子さいさいと、臍で茶を沸かすようにと、廃人どもへと、たくさんの|大粒《ポーション》を贈る。……回復量? そんなのは決まっている。そんなのは当たり前のように100%だ。いっそ全状態異常回復も確定でしちゃおうか。何をどれだけ治療するかなんてスキルの欄には、ユーベルコードの欄には記されていない。発動持続時間だって、ええ、戦闘が終了するまで。攻撃力UPは何倍にしようかな。そう、無差別なんて事はしないよ。対象はPLだけね! ノリノリだ、活き活きとしている。弄りに弄った結果がバグすらも慄く所業となった。ちょっとえげつないわね……えっと。プレイヤーの皆も、今回だけは、生きる為なんだから、チートを許してね。
 大きな大きなキャンバスに自由を叩き付けろ。
 先にゲームバランスを壊したのはあっち。
 私は――猟兵達は――それをクリア可能レベルにまで調整しただけ。
 さあ、相手は只の|指揮官種《レイドボス》だ。その理不尽さは、不条理さは、未だに健在しているが、だからこそ『燃える』と謂うものだ。クリアを目指して、一緒に生命の樹を、神の名を冠するエネミーを倒しましょう!
 無数のデバフが飛び交っている。高火力の魔法が叩き込まれ、ボスの装甲が削れていく。好機だと、虎視眈々としていた近接職が一斉に――|核《コア》のHPをゼロにした。高難易度レイドクエスト『蠢光』――指揮官種『セフィロト・エクス・マキナ』。
 ――撃破!
 クエストクリアだ。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年11月17日


挿絵イラスト