5
隠しモンスターは女の子!?

#ゴッドゲームオンライン

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ゴッドゲームオンライン


0




●隠しモンスターの噂
 冒険者ギルドにて、ある噂が広まっていた。
「聞いたか? あのジャングルの巨大イカ乱獲クエストに隠しモンスターが出るんだってよ」
「あぁ、しかも見た目が可愛い女の子なんだろ? 俺も見てみたいぜ」
 人の口に戸は立てられぬ。噂は次々に広がり、一躍、「巨大イカ乱獲クエスト」こと「ラングスクイードの間引き」クエストは人気クエストへと躍り出たのだった。

●隠しモンスターの正体見たりバグプロトコル
「はじめまして。この度、グリモアの力を授かったアレイスターだ」
 可愛らしい見た目とは裏腹に男性的な口調で言葉を発するのは『ゴッドゲームオンライン』出身のグリモア猟兵、アレイスター・フラメル(ネット弁慶の女好きキャスターDPS・f41810)だ。
「今先ほど見せた通りの噂が各地の冒険者ギルトで広まっているらしい」
 先端に宝石のついた杖で映像を投影しながら、アレイスターが言う。
「クエスト名『ラングスクイードの間引き』。なんてことはない『指定された条件のモンスターを規定数倒す』タイプのクエストだ。そんなクエストのエリア内に隠しモンスターがいる、まぁ確かにない話ではない」
 だが、問題が一つ、とアレイスターは言う。
「その隠しモンスターこそが、バグプロトコルだ、と言うことだ」
 バグプロトコル。『ゴッドゲームオンライン』世界におけるオブリビオンの呼称だ。
「噂が広まっている辺り、当該のバグプロトコルはあえて姿を晒しつつ、プレイヤーを見逃すことで、より多くのプレイヤーを集めようにと企んでいるのだろう。既に犠牲者も出ている可能性が高い」
 バグプロトコルに倒されたプレイヤーキャラクターはリアルであらゆる行動に必要な|遺伝子番号《ジーンアカウント》と呼ばれる情報を剥奪され、人権を失ってしまう。死ぬわけではないが、『|統制機構《コントロール》』と呼ばれる世界において、それは死とほぼ変わらない。
「君達には、まず『ラングスクイードの間引き』を受注し、ジャングルに向かってもらいたい。そこには目標である『ラングスクイード』の他に、もう一種類モンスターを見かけるだろう」
 その名は『D・D-Psychedelia』。バグが滞積してできた正真正銘のバグプロトコルだ。
「目標に関係ないが故、多くのプレイヤーが無視するこいつらを辿れば、隠しモンスター、……バグプロトコルを生み出す元凶と出会えるはずだ。まずはこいつらを倒しながらジャングルを進んでくれ。基本的には狭い道を進むことになると思うから気をつけてくれ」
 『D・D-Psychedelia』は更なる怪物を召喚したり、周囲をバグで侵食したりしてくるようだ。
「そうすると、バグプロトコルの指揮官種、噂に隠しモンスターと対面だ。私も好みな可愛い女の子の味方をしているが、その攻撃は強力。決して油断せずに戦ってくれ」
 名を『セフィロト・エクス・マキナ』、と言うらしい。攻撃はシンプルなものが多いが、シンプル故に強力だ。回避手段か防御手段があると良いかもしれない。
「最後は、クエスト標的の『ラングスクイード』を撃破してクエストを達成してくれ。こいつらの中にもバグプロトコル化したものが紛れているようだから、クエスト破棄などはせず、しっかり殲滅してきて欲しい」
 原始的な生物にも見えるが、連携を取ってくるらしい。連携を断つ、連携を破る、何かしらの対策があった方が良いだろう。
 説明を終えると、アレイスターは徐に立ち上がる。
「説明は以上だ。ひたすら敵を倒すだけのシンプルな仕事だが、万一にもやられないように気をつけてな」
 そう言って締めくくると、アレイスターは杖を構える。
 すると杖の先端にグリモアの光が煌めき、転送ゲートが開かれた。


メリーさんのアモル
 オンラインゲームの世界でこんばんは、メリーさんのアモルでございます。

 戦場はいずれもジャングルです。

●第一章
 集団敵。『D・D-Psychedelia』との戦闘です。
 ジャングルの狭い獣道での戦闘になります。多くの木々が障害物になりますが、うまく使えば逆に利用出来るかもしれません。

●第二章
 ボス敵。『セフィロト・エクス・マキナ』との戦闘です。
 開けたエリアにいるので、存分に実力を出せるでしょう。開けた場所の外側が木々で覆われています。

●第三章
 集団敵。『ラングスクイード』との戦闘です。
 戦場に障害物はないですが、集団で連携をとって攻撃してくるため、連携を断つなり、連携を真正面から破るなり、何かしらの対策があると良いでしょう。

 それでは、新世界、楽しんでいきましょう!
26




第1章 集団戦 『D・D-Psychedelia』

POW   :    成れの果て、極彩色の怪物
攻撃力に優れた【爬虫類型】、状態異常能力を持つ【植物型】、レベル×2体出現する【昆虫型】、UCを模倣する【人型】、治癒力を持つ【刺胞動物型】。【小型の群れか強力な個体】のいずれかを召喚し、使役する。
SPD   :    成れの果て、極彩色の怪物
攻撃力に優れた【哺乳類】、分解能力を持つ【不定形型】、レベル×2体出現する【水生生物型】、飛行能力を持つ【鳥類型】、治癒力を持つ【菌類型】。【小型の群れか強力な個体】のいずれかを召喚し、使役する。
WIZ   :    異次元の極彩
戦場全体に【極彩色の侵食】を発生させる。レベル分後まで、敵は【極彩色の侵食】の攻撃を、味方は【極彩色の侵食】の回復を受け続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クリスタ・ドラグストーン
むぅ、また妙な話が出た物じゃな?
そこまでの知能があるバグというのは少々厄介だと思うのじゃが…
一応、運営側としてわしも様子を見に行くとするのじゃ

ぬわー!?なんか色々と気持ち悪いのじゃ!?
ええい、進めばいいのじゃろう進めば!
狭い所で次々と襲ってくるというのならば『フルカウンター』じゃ!
どの方向から来ても"盾受け"し、"カウンター"をたたきこんでやるのじゃ!
幾ら数が多かろうが強かろうが、わしの守りを抜けると思わんことじゃな!

※協力・アドリブ歓迎



「むぅ、また妙な話が出た物じゃな?」
 グリモア猟兵からの話を聞きつけてそう呟くのはこのゲームの運営AIたるドラゴンプロトコルのクリスタ・ドラグストーン(|守護の重盾《ヘヴィガード》・f41850)だ。
「そこまでの知能があるバグというのは少々厄介だと思うのじゃが……。一応、運営側としてわしも様子を見に行くとするのじゃ」
 運営を務めるドラゴンプロトコルとして、クエストを受注。早速ジャングルへと降り立った。
 ゲームの運営を務めるAIではあるが、自らのダンジョンへ人を招くための価値あるものはそれだけ調達にトリリオンが必要だ。故にこうしてクリスタがクエストに駆け回るのは珍しいことではなかった。
「ぬわー!?なんか色々と気持ち悪いのじゃ!?」
 とはいえ、グリモア猟兵の情報通り、クエストでメインの狩場となるエリアを少し離れた獣道に入ったクリスタを待ち受けるのは、想像を超えて"気持ち悪い"バグプロトコル『D・D-Psychedelia』であった。
「ええい、進めばいいのじゃろう進めば!」
 だが、財貨のため、そしてプレイヤーの安全のため、クリスタは止まらない。
「わしの守りに死角など無いのじゃ!」
 敵が無数の小型の群れを放ったのを見て、クリスタは背丈を超えるほど大きな、超重量のタワーシールド『|守護の重盾《ヘヴィガード》』を構えた。
 そう、クリスタは装備重量無視の特性を利用しようと|重戦士《ヘビーウェイト》を選んだロマン使いではなく、文字通り純粋なタンク役なのであった。
 小型の群れが全方位から攻撃を仕掛ける。
 しかし、正面からの全ての攻撃は『|守護の重盾《ヘヴィガード》』で、そしてそれ以外からの攻撃は岩のように硬く太い尻尾で防ぎ、そして次の瞬間、その全員に必中の一撃が繰り出される。
 これこそが、タンクたるクリスタのユーベルコード『フルカウンター』だ。
 結局、岩の如き堅牢なクリスタを倒すことは叶わず、召喚された小型の群れも、『D・D-Psychedelia』も、少しずつ数を減らし始めたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ギルフォード・アドレウス


………また悪趣味かつ気色の悪いモンスターだな。
でもまぁ、見た目と言い状況と言い……良く燃えそうだなぁ、おい。

(右手を突き出す所作)
出番だ、|日輪《UC使用》

ありったけの焔を巻け。
俺は、と。

(機鍵を手元に出現させた後、それをラグナロクに変形させる)

ありったけの火力で蹂躙する…
(木々に燃え移った炎等も利用して焔の渦を巨大化させていく)

跡形も…それこそ灰すら残さねぇ………終末を与える。

(焔の渦を炸裂させて外敵を焼却)



 ジャングルに降り立った新たな猟兵。やはり誰しも『D・D-Psychedelia』を見て思うことは同じか。
「………また悪趣味かつ気色の悪いモンスターだな」
 そんなことを呟くのは|別の領域《ケルベロスブレイド》からの闖入者ギルフォード・アドレウス(|終末機巧《エンド・オブ・マキナ》・f41395)だ。
 そして、流石は歴戦の戦士か。
「でもまぁ、見た目と言い状況と言い……良く燃えそうだなぁ、おい」
 すぐさま、この環境を利用する方法を思いつく。
 突き出すは右手。
「出番だ、日輪」
 その言葉に対応するはまさに右腕、機械で出来た『|攻勢機巧《オフェンス・ギア》【日輪】』である。
「んじゃまぁ、手ぇ貸してくんなぁ。そのままの意味で」
 『D・D-Psychedelia』はこちらのユーベルコードの発動を検知してか、自身も小型の群れを大量に召喚し、ギルフォードにけしかける。
「ありったけの焔を巻け」
 対するギルフォードは一言、『|攻勢機巧《オフェンス・ギア》【日輪】』に命じた。
 直後、それは無数の火球を出現させ、命令の通り、周囲一体にばら撒き始めた。
「俺は、と」
 次に手元に呼び出されるのは『機鍵 ライセンス』。それは素早く形を変える。その形は錫杖。『|終焉の戦火《ラグナロク》』と呼ばれる姿である。
「ありったけの火力で蹂躙する……」
 それは悉くを灰に還す暴力の権化。炎の渦が顕現する。
 『|攻勢機巧《オフェンス・ギア》【日輪】』が撒き散らし、ジャングルの木々にさえ着火した無数の炎を利用し、炎の渦が成長していく。
「跡形も…それこそ灰すら残さねぇ………終末を与える」
 直後、放たれた炎の渦は、無数の『D・D-Psychedelia』とその取り巻きを巻き込んで、焼却されていった。
 ここに、道はひとつ切り開かれた。
 まだ先は長いようだが、その道程を普通に倒すより圧倒的に効率よく、ギルフォードは進んで見せたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

開条・セサミ
・心情
ゲームの中の世界っていうのもなかなか珍しいものっすね
まぁ、元々機械で『AI』の自分にとってはどっちも『現実』みたいなもんっすけど
それじゃあ、ミッションスタートっす

・戦闘
自分の「身体」であるキャバリアもゲーム内の機体として持ち込めてるみたいなんすけど、この獣道だと迂闊に出せないっすからね、有操縦席対応の人型ボディで進むっす
モンスターに対してはユーベルコード『ウェポンズ・トランスポート』で対応するっすけど……なにぶんこのボディだとどんなのが出るかわかんないっすね、うまく状況に対応できそうな武器が出るのを祈るっすよ

・その他
アドリブ等は大歓迎っす!!!



(ゲームの中の世界っていうのもなかなか珍しいものっすね)
 そう物珍しげにジャングルを見回すのは開条・セサミ(カプセライザーGP・f30126)だ。
(まぁ、元々機械で『AI』の自分にとってはどっちも『現実』みたいなもんっすけど)
 セサミは開条エンタープライズという企業によって作成された試作型ロボットヘッド。分類としては『AI』にあたる。故に、ゲームの中と言っても、特別な感情は湧かなかった。
 ちなみに、今回の戦場は獣道なので、キャバリアは使わず、人型ボディでやってきている。なので、周りから見ても、セサミは普通のプレイヤーキャラクターとしか映らないだろう。(もっとも、自由度の高いこの『ゴッドゲームオンライン』ではロボットヘッドのような見た目のプレイヤーキャラクターがいないとも限らないが)
 さて、そうしていると、猟兵を敵と認識した『D・D-Psychedelia』が鳥類型の怪物を小型の群れとして出現させ、けしかける。
「それじゃあ、ミッションスタートっす」
 と言っても、普段はキャバリアを駆って戦っているセサミ。人型ボディの姿で扱える装備はあまり持っていない。
「データ解析完了! 武装の転送を頼む!」
 とりあえず、発動するユーベルコードは『ウェポンズ・トランスポート』。解析した敵情報を元に、対象に有効な武装を召喚するものだ。
 ただし、キャバリア用の。
(……なにぶんこのボディだとどんなのが出るかわかんないっすね、うまく状況に対応できそうな武器が出るのを祈るっすよ)
 果たして、祈りは届いたと言えるのか。
 出現したのは所謂『浮遊自走砲』と呼ばれるタイプの武装。敵が数の多い小型の群れなので、それに対し、こちらも小型の数で応戦しようということなのだろう。
「これなら、このボディでも使えるな」
 セサミは出現した浮遊自走砲がリンクし、その操作を始める。
 普段はAIに制御を任せているとはいえ、セサミも『Type-C:F-A・BSs『ナンバーズ』』という似たような装備を運用しており、その扱いは慣れたものだ。
 『D・D-Psychedelia』とセサミの中間地点で、二つの群がぶつかり合う。
 しかし、単純に攻撃だけを繰り返す鳥類型怪物に対し、浮遊自走砲はセサミが巧みに操っているため、戦局は時間が経てば経つほどセサミに有利に傾いていく。
 『D・D-Psychedelia』は戦力の逐次投入を試みるが、戦局を覆すには至らず、やがて、余った浮遊自走砲台が敵の主人たる『D・D-Psychedelia』に攻撃するようになれば、もはや戦局は決定的。
 また一つ、立ち塞がる『D・D-Psychedelia』達は殲滅されていったのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

四王天・燦
可愛い女の子を見にやってきました
…って何じゃあのゲテモノはー!?

浸食も手伝ってマジ気分悪くなってきた…
PとかSで召喚されてるものが視界に入ると余計にゲッソリ来るぜ
新世界の敵の強さを計るように神鳴で斬ったり、攻撃を見切って避けたりしてみるけど三秒で見た目のキモさもあって飽きました

よし消毒しよう
極彩色に浸蝕されたジャングルもろともフォックスファイアの乱れ撃ちで焼きます
D何某だけでなくジャングルに放火し極彩色を炎で彩り直してやるぜ、ひゃっはー!

粗方焼却したら延焼コントロールして鎮火させときます
残敵いたら一刀両断しとくぜ
てめーのツラは見飽きたってな

さ、可愛い女の子モンスターを見ておめめを癒しに行くぞー



「可愛い女の子を見にやってきました。……って何じゃあのゲテモノはー!?」
 噂話を聞きつけてやってきた多くのプレイヤーキャラクターと同じように、あるいはこの依頼を予知したグリモア猟兵と同じように、可愛い女の子の噂を聞きつけ、降り立つのは女性好きの快楽主義者、四王天・燦(|月夜の翼《ルナ・ウォーカー》・f04448)だ。
 多くのプレイヤーキャラクターと違ったには、他のプレイヤーキャラクターが意図的に避けているゲテモノこと『D・D-Psychedelia』の群れに向かっていったことだろう。何せその先にこそ隠しモンスターがいると知っているのだから、当然だ。
 そして、その猟兵の登場を前に、『D・D-Psychedelia』は極彩色の侵食を展開し、緑多きジャングルを極彩色の空間へと書き換え始める。
「浸食も手伝ってマジ気分悪くなってきた……」
 そりゃ、可愛い女の子を見にきたら、極彩色の空間とゲテモノがいるのである、無理からぬことだ。グリモア猟兵も同情することだろう。
「召喚されてるものが視界に入ると余計にゲッソリ来るぜ」
 他の猟兵の戦闘模様を見て、『D・D-Psychedelia』が召喚した敵についても燦は思わず溢す。二度目になるが、無理からぬことである。
 話は終わり、戦闘の時間だ。
 燦が構えるは迸る紅の電撃を帯電させる刀。雷様が鍛えたという『神鳴』である。
 『D・D-Psychedelia』が伸ばしてくる触手を回避できるものは最小限で回避し、回避できないものは、その刀で以って切り払う。
 やってきたのは新世界。そうして新世界の敵とやらの力を見極めたかったのだが。
「無理、飽きた」
 戦闘を開始してから燦の口からその言葉が飛び出すまで、その間、僅か三秒。見た目のキモさも相まって、それ以上続けようという気力は素早く失せた。
「よし消毒しよう」
 納刀して手のひらを上に向けるとそこに狐火が出現する。
 手のひらの先に出現した狐火から無数の狐火がオレンジの軌跡を残して『D・D-Psychedelia』とその周囲の極彩色に変化したジャングルへ向けて乱れ飛んでいく。
 ユーベルコード『フォックスファイア』。燦が使うことの出来る|フォックスファイア《狐火》シリーズの祖とでもいうべきユーベルコード。その用途は多彩だが、今は最もシンプルな使われ方をしている。
 すなわち、燃やし、攻撃する。
 一時のうちにジャングルは火の海と化し、極彩色に変化したジャングルもろとも『D・D-Psychedelia』を燃やしていく。
「こんなもんだな」
 狐火は延撚さえ含めて任意に消すことが出来る。ジャングル火災が不用意に広がらないよう、適当なところで燦は炎を鎮火させた。
 まだ仕留め損ねた奴がいるようで、触手を伸ばさんと体を持ち上げるが。
「てめーのツラは見飽きたってな」
 素早く抜刀された『神鳴』の一撃の元に、一刀両断される結果に終わった。
 かくして、道はまたひとつ切り開かれた。
「さ、可愛い女の子モンスターを見ておめめを癒しに行くぞー」
 もうゲテモノは十分。目当ての可愛い女の子に早く巡り会いたい、そう思いながら燦は獣道を進むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミリア・ケイト
ここがゲームの世界なのね…とはいえ、現実と変わらない感じね。
とはいえ、あの新しい世界の話、現実世界が別にあるみたいだし、そこにたどり着くためにもやらないといけないわね。

だったら、やらないと。
なんか、あそこの怪物、キモイわね。
そんじゃ、ぶっ飛ばしに行くわ。

なんか、空間自体がなんか妙になりつつあるし、ここは速攻で片付けるね。
ということで、サイキックブラストで喰らわす。
「強度上げてみる?」と、【属性攻撃】で電撃の強度も上げてみたりする。



「ここがゲームの世界なのね……とはいえ、現実と変わらない感じね」
 体を直立させ、キョロキョロと周囲を探るのはミーアキャットの姿をした賢い動物、ミリア・ケイト(賢い動物のサイキッカー・f41641)だ。その言葉の通り、ミリアの視界に映る世界は全く現実と遜色ないように見えた。
「とはいえ、あの新しい世界の話、現実世界が別にあるみたいだし」
 そう、この世界『ゴッドゲームオンライン』はゲームの中の世界であり、ゲームの中であるからには外の世界がある。それが『|統制機構《コントロール》』。理由は分からないが、猟兵達はこの世界への転移を行う事ができない。
 故に。
「そこにたどり着くためにもやらないといけないわね」
 というのが、良心ある猟兵の考えだろう。幸というべきか、ミリアもそんな猟兵の一人であるようだ。
「だったら、やらないと」
 その視界の先に見えるのは|オブリビオン《バグプロトコル》、『D・D-Psychedelia』。
「なんか、あそこの怪物、キモイわね。そんじゃ、ぶっ飛ばしに行くわ」
 オブリビオンを倒すのは猟兵の仕事。ミリアは敵に向けて駆け出す。
 対する『D・D-Psychedelia』は極彩色の侵食を展開。緑溢れるジャングルを極彩色へと書き換えていく。
「なんか、空間自体がなんか妙になりつつあるし、ここは速攻で片付けるね」
 二足歩行で両掌を敵に向けるミリア。その両掌から放たれるは高圧電流。ユーベルコード『サイキックブラスト』だ。
 それは『D・D-Psychedelia』を感電させ、動きを止める。
 敵が動きを止めたならチャンス。
「強度上げてみる?」
 さらに高圧電流の強度を高め、確実に『D・D-Psychedelia』を撃破していく。
 かくして、ここに、ついに隠しモンスターへの道は切り開かれたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『セフィロト・エクス・マキナ』

POW   :    アイン・ソフ・オウル
【セフィロト型魔力回路】から、レベル×5mの直線上に【魔力の奔流】を放出する。【コアの耐久力】を消費し続ければ、放出を持続可能。
SPD   :    マキナ・セフィラ
【セフィロト型魔力回路】から無限に供給される【美しく輝く魔力の矢】を、レベル分間射撃し続ける。足を止めて撃つと攻撃速度3倍。
WIZ   :    スターリー・トライアングル
【セフィロト型魔力回路】から【三角形型の光】を放ち攻撃する。その後、着弾点からレベルm半径内が、レベル秒間【移動不能】状態になる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 接近してくるプレイヤーキャラクターの気配を感じ取り、機会に繋がれたピンクの髪を持つ女性の姿をしたバグプロトコル『セフィロト・エクス・マキナ』は瞼を開く。
「これは……ただのプレイヤーキャラクターではありませんね。……猟兵、ですか」
 オブリビオンと猟兵はそのお互いを識別する事が出来る。相手は不倶戴天の敵だ、と。
 バグプロトコルと呼ばれている身ではあっても、『セフィロト・エクス・マキナ』もまたオブリビオン。その性質は変わらないらしい。
「噂を広げて多くのプレイヤーキャラクターを呼び込み、一気に|遺伝子番号《ジーンアカウント》を焼却するつもりでしたが……、まさかその前に猟兵を呼び寄せてしまうとは。少し派手にやりすぎたでしょうか……」
 誰もいないジャングルの開けた地で、『セフィロト・エクス・マキナ』が呟く。
「まぁ、ここで猟兵も倒してしまえば帳尻があいます」
 『セフィロト・エクス・マキナ』のセフィロト型魔力回路が稼働を始める。
 猟兵を迎撃する準備が始まったのだ。
 今ここに、隠しモンスター『セフィロト・エクス・マキナ』と猟兵の戦いが始まる。
開条・セサミ

・心情
さぁて、ようやくオブリビオンの元にたどり着いたみたいっすね
……あー、こっちだとバグプロトコルっすか?
まぁ、どちらにせよ……ぶっ倒すのは、かわんねぇな!!

・戦闘
キャバリア『ドン・キホーテC3』に真の姿『カプセライザーGPX』へと変形させた状態で乗り込み、戦闘を開始する
ユーベルコード『ウェポンズ・トランスポート・フルバースト』で【限界突破】の攻撃だ!!
火力の我慢比べなら付き合ってやるぜ!!



「さぁて、ようやくオブリビオンの元にたどり着いたみたいっすね。……あー、こっちだとバグプロトコルっすか?」
 そう言って『セフィロト・エクス・マキナ』の前に姿を晒すのは、先ほどは人型だった開条・セサミ(カプセライザーGP・f30126)だ。
 今度の戦場は獣道ではなく、それなりの空間のある広場。もはやキャバリアを使わない理由はないため、姿は人型からロボットヘッドのそれとなっている。故に。
「まぁ、どちらにせよ……ぶっ倒すのは、かわんねぇな!!」
 キャバリアと合体し姿が顕になるのは黒鋼のボディに黄色い光の差し色の入ったスーパーロボット『CAPSULISER-GENERIC-PROJECT-X』、通称『カプセライザーGPX』。カプセライザー計画では想定されていなかった、スーパーロボットとしての真の姿である。
「なんと、巨大な。ですが、大きいだけであれば、私の敵ではありません」
 自身を軽々超える大きさに思わず一瞬慄く『セフィロト・エクス・マキナ』であったが、すぐに思い直し、背部のセフィロト型魔力回路を起動する。
 それはすぐさま励起し、青白い光を放ち始める。
「へっ、火力の我慢比べなら付き合ってやるぜ!!」
 ウェポンズ・トランスポートの補佐を行う戦況分析オペレーティングシステムAI『ウェポンズ・トランスポーター『ジュークボックス』』が戦況を分析し、『セフィロト・エクス・マキナ』が背部のセフィロト型魔力回路から放とうとしているエネルギー量を算出。それに匹敵するレベルの出力を出せる武装をセサミの、『カプセライザーGPX』の周囲へ召喚する。
「こいつらを使えってことだな、オーケー『JUKE BOX』!! ぶち抜いてやる!!」
 直後、両者からお互いに向けて一斉に光の奔流が放たれる。片方は青白い魔力の奔流、もう片方は、『カプセライザーGPX』の周囲の武装から放たれる黄色いレーザーとビームの奔流。
 青と黄色の光は空中で交錯し、そしてお互いを焼き始める。
 どちらも強力無比な技のぶつかり合い。
 お互いがお互いを傷つけ、痛打を負う。
 しかし、ダメージは『セフィロト・エクス・マキナ』の方が大きかったことだろう。『セフィロト・エクス・マキナ』の魔力の奔流はコアの耐久力を消耗してしまうと言う欠陥があるのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

クリスタ・ドラグストーン
む、やはり知能がある
ええい貴様、プレイヤーの|遺伝子番号《ジーンアカウント》を焼却するなど一体何が目的なんじゃ!?
運営妨害じゃぞ!運営妨害!

|守護の重盾《ヘヴィガード》を構え、前進じゃ!
攻撃に対しては"盾受け"による"ジャストガード"、"衝撃吸収"に"吹き飛ばし態勢"で確実に前進してくれる!
ふーはっはっは!貴様の攻撃など恐るるに足らんのじゃ!(UCに対しても同防御)
……む!?移動できん!?ええい小癪な!ならばこの場から貴様を葬るまで!
|竜《運営》の怒りを受けるが良い!『ブラストドラゴニックブレス』ゥゥゥゥゥ!!

※協力・アドリブ歓迎



「む、やはり知能がある」
 『セフィロト・エクス・マキナ』が言葉を発したことについて、予想はしていたとはいえ、やや驚きを禁じ得ない猟兵はクリスタ・ドラグストーン(|守護の重盾《ヘヴィガード》・f41850)だ。
「ええい貴様、プレイヤーの|遺伝子番号《ジーンアカウント》を焼却するなど一体何が目的なんじゃ!? 運営妨害じゃぞ!運営妨害!」
 運営者たるドラゴンプロトコルとして、プレイヤーの|遺伝子番号《ジーンアカウント》を焼却するなどと言うことは許されて良いはずもない。故にクリスタは問いただすことにした。
「さぁ、なぜでしょう、何せ私もそう作られたから、としか。いくつか可能性は思い浮かんでいますけどね」
 その質問ににっこりとした笑顔を浮かべつつ、返答する『セフィロト・エクス・マキナ』。
「そもそも運営妨害という話になりますと、このゲーム自体が『|統制機構《コントロール》』から見れば運営妨害という話にもなりませんか? いえ、私は別に彼らに与しているという認識はないのですけどね」
 直後、背部のセフィロト型魔力回路から牽制の青い魔力の光線が数発放たれる。
「あくまで目的は話さぬつもりじゃな、ならば……」
 もはや言葉は不要。クリスタは『|守護の重盾《ヘヴィガード》』を構え、それを防ぎつつ前進を始める。
「ふーはっはっは!貴様の攻撃など恐るるに足らんのじゃ!」
 衝撃や吹き飛ばしの耐性を持つクリスタはそれらの攻撃など恐れることなく確実に前進していく。
「そうですか、ではユーベルコードを使わせて頂きます」
 セフィロト型魔力回路が煌めき、三角形型の光が放たれる。
 それはやはり『|守護の重盾《ヘヴィガード》』を構えたクリスタには通じないが、しかし。
 その周辺一帯が移動不能の状態へと変化してしまう。
「……む!?移動できん!?ええい小癪な!ならばこの場から貴様を葬るまで!」
 対するクリスタもユーベルコードを発動する。口の前に魔法陣が出現する。
「|竜《運営》の怒りを受けるが良い!『ブラストドラゴニックブレス』ゥゥゥゥゥ!!」
 そして、そこから、竜魔法のドラゴニックブレスが放たれる。
「こ、これは……くっ……」
 それは、『セフィロト・エクス・マキナ』とその周辺地形を派手に爆発炎上させ、『セフィロト・エクス・マキナ』に無視できないダメージを負わせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミリア・ケイト
さて、強大な敵が出てきたわね。
こういう敵にはうかつに近付かずに様子見しながらサイキックで炎を飛ばしながら横移動していくわ。
やはり、なんか打ち出したわね!
サイキックブラスト展開して電撃を食らわせていくわね!!



「さて、強大な敵が出てきたわね」
 そう言って、『セフィロト・エクス・マキナ』を見上げるのはミリア・ケイト(賢い動物のサイキッカー・f41641)だ。
「また新たな猟兵ですが、矢継ぎ早に現れますね」
 『セフィロト・エクス・マキナ』もまた、新たに現れた猟兵、ミリアを警戒しつつ、背部のセフィロト型魔力回路を稼働させ始める。
(こういう敵にはうかつに近付かずに様子見しながらサイキックで……)
 ミリアは『セフィロト・エクス・マキナ』を警戒し、その出方を見極めるため、『セフィロト・エクス・マキナ』に対して回り込むように横移動しつつ、サイキックで炎を飛ばしていく。
「ちょこまかとちまちました攻撃をしてくる猟兵ですね、そのちょこまかした移動、やめさせて差し上げます」
 『セフィロト・エクス・マキナ』は飛んでくる火炎を左右に回避しつつ、セフィロト型魔力回路を最稼働状態にし、セフィロト型魔力回路から三角形型の光を放つ。
「やはり、なんか打ち出したわね!」
 その動きを見ると同時、ミリアもまたユーベルコードを発動。
 サイキックの力で両掌から高圧電流を放った。
 空中で高圧電流と三角形型の光が交錯し、同時に両者に着弾する。
 両者はダメージを受けると同時に、ミリアの周囲は移動不能状態となり、『セフィロト・エクス・マキナ』は感電により動きが封じられる。
 この瞬間、お互いはお互いの攻撃を回避不能になり、照射され続けるお互いの攻撃を浴び続ける結果となった。
 どちらの攻撃も共に有効。
「これは……電撃、くっ、電力サージが……」
 だが、機械である『セフィロト・エクス・マキナ』に高圧電流は特に有効であった。
 結果、両者は痛みわけではなく、攻撃側優勢の結果に終わり、『セフィロト・エクス・マキナ』は強烈な痛打を負ったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御手塚・秋子(サポート)
主人格が精神的ダメージを負って引きこもっているので出て来ている裏人格です

世界を救う事に興味ないけど秋子(主人格)や家族のためにケルベロスするよー
今まで秋子がしてたの見て来たから大丈夫大丈夫、戦える
戦いは生きている実感が湧くから好きだよ
でもお料理や食べる事も好き
えーっと、とりあえず殴れば良い?
単騎突撃してよろしいかしら
え、ポジション……もう一回説明して欲しいなー(にこり)

主人格が賢くなくて避けていたせいで作戦を練る経験があまりありません。
他の人の指示があれば素直に従いつつ学習します。でも多分殴る方が得意。
ケルブレ出身なので勝手が違って時々戸惑うかも?

あとはおまかせ
よろしくおねがいします!


チル・スケイル(サポート)
「皆さん、よろしくお願いします(お辞儀)」
「…(仕事の時間)」

「では、吉報をお待ちください」

竜派ドラゴニアンのクールな女性です。普段の口調は『私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?』誰にでも礼儀正しく接します
戦闘中は 『私、あなた、~さん、言い捨て』不要な発言はしません

戦闘スタイルは魔法による射撃が主体。氷の魔法を操ります。それ以外の属性は使いません

侮辱や暴言、報酬の踏み倒しなど、敬意に欠ける行為を嫌います

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
スシが大好きです

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 隠しボスとの戦場になる広場の手前で。
「皆さん、よろしくお願いします」
 と丁寧にお辞儀するのは竜派ドラゴニアンにしてアックス&ウィザーズの冒険者、チル・スケイル(氷鱗・f27327)だ。
「よろしくー。お仕事はきちんとやるよー」
 そう挨拶するのは多重人格者の御手塚・秋子(夏白菊・f03610)だ。人格としての名前は綾子になる。
 二人はお互いの邪魔にならないよう、お互いの戦い方を伝えあい、作戦を考えることにした。
「えーっと、とりあえず殴れば良い? 単騎突撃してよろしいかしら」
 が、綾子は主人格が賢くなくて避けていたせいで作戦を練る経験があまりなく、作戦を立てるのは苦手だった。
「それで構いません。私はこれで後方から援護します」
 そう言って構えるのは『狙撃杖『カシュパフィロ』』。スナイパーライフルに似た見た目の杖で、見た目の通り、遠距離からの狙撃を得意とする杖だ。
 二人は極めてシンプルなその作戦を決定とし、広場に踏み入る。
「猟兵、やはりまだ現れましたね」
「……」「……」
 2人の猟兵を接近してくることを認めた『セフィロト・エクス・マキナ』が声をかけるが、戦闘中は冷徹に徹するチルは黙ってなにも言わない。
 綾子もそれに倣って、黙って何も言わないことを選んだ。
「じゃ、行くね」
 先手を取ったのは綾子。
 呪われた剣『黒剣』を構えて、一気に『セフィロト・エクス・マキナ』へと肉薄する。
 ユーベルコード『ブラッド・ガイスト』発動。綾子は秋子の血液を代償とし、『黒剣』を殺戮捕食態へと変化させた。
 鋭い踏み込みから放たれるその殺傷力が増した一撃は、『セフィロト・エクス・マキナ』に鋭い一撃を刻み込む。
「なるほど、言葉は不要、というわけですか。それは私としても都合が良い。攻撃に全てのリソースを費やせますから」
 直後、『セフィロト・エクス・マキナ』のセフィロト型魔力回路が駆動し、コアから、魔力の奔流が放たれる。
 ……かに思われた。
「……」
 綾子が肉薄して攻撃するその僅かな時間、チルは『狙撃杖『カシュパフィロ』』を構え、狙撃姿勢を取っていた。
 発動するユーベルコード『|氷術・貫《アイスペネトレイト》』は、氷の魔力を凝縮させ、その狙撃杖の能力を向上させる。
「……っ」
 一瞬息を止めて、魔力の奔流が発射される直前のコアに向けて、鋭い凍結攻撃が放たれる。
 竜の鱗も貫く威力のそれ、ユーベルコードに比類する凍結攻撃の技能。
 その二つが合わさり合い、発射直前のコアが凍結されると、コアに集中していたセフィロト型魔力回路の魔力は逆転、『セフィロト・エクス・マキナ』自身を傷つける毒となる。
「ぐっ……!」
 『セフィロト・エクス・マキナ』は狙いを変え、セフィロト型魔力回路を再駆動、美しく輝く魔力の矢を放って、チルを攻撃する。
 チルは慌てて走って攻撃を回避するが、『セフィロト・エクス・マキナ』は立ち止まっているため、攻撃速度は三倍。回避は困難に思われた。
「あら、あなたの相手は私よ」
 だが、そこににこりと笑った綾子がインタラプトする。
 綾子の鋭い攻撃に晒され、『セフィロト・エクス・マキナ』はたまらず回避に移行。矢の発射速度は低下する。
 チルもその隙を逃さず、走りながら『狙撃杖『カシュパフィロ』』から攻撃を敢行。
 二人の即席の連携は思いがけず、ハマり、『セフィロト・エクス・マキナ』は次々に傷を負う結果となったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

四王天・燦
眼福眼福
素直にエロ可愛いと言うよ
穏便にバグ修正は…させてくれんよなぁ

魔力矢の美しさを褒めながらダッシュで逃げ回りましょ
こういう矢なら極彩色もアリだねと笑ってお喋りするぜ
綺麗でも当たったら痛いんで見切って避けておきます
今回こそ新世界の敵の強さを計れそうだ、長時間見ていても苦にならねーしなっ

稲荷符から火属性攻撃の狐火を叩き込んで三倍撃ちされないよう牽制する
狙うは魔力回路の方だ
美少女を狙うなんて性分じゃない
何か言われたらゲームって真面目に殺し合うものなのかと問うておくよ

狐火の炎や魔力矢で起きた土煙に紛れ、シャドウスラッシュで忍び寄り(必要ならジャンプや空中浮遊を併用)魔力回路との接続ケーブルを切るぜ
自爆必至で撃てない安地と見てコア娘と回路の合間に潜り込む
捕まえた、なんて恰好良く言ってみましょ

フィニッシュとして封印術で娘の姿・人格だけでもAIとしてスマホに取り込めないか試みるぜ
オブリビオンでない新しいものになれると良いんだけどね
魔力回路の方は|時限爆弾《カウントダウン》できっちり爆破しとくよ



「眼福眼福、素直にエロ可愛いと言うよ」
 そう呟きながら、四王天・燦(|月夜の翼《ルナ・ウォーカー》・f04448)は『セフィロト・エクス・マキナ』を見つめる。
「当機体を誉めて頂いているのですね、ありがとうございます」
 戦闘中に現れた新手、その思わぬ言葉に、しかし、『セフィロト・エクス・マキナ』はしかし冷静に礼を述べた。
「うんうん。穏便にバグ修正は……させてくれんよなぁ」
「はい、あなたが黙ってやられる以外に穏便に終わる道はありません、猟兵」
「だよなー」
 『セフィロト・エクス・マキナ』のセフィロト型魔力回路が稼働し、美しく輝く魔力の矢が放たれる。
 それも一発や二発ではない、無数に。
「おぉ、矢も綺麗ジャン。こういう矢なら極彩色もアリだね」
 と笑いながら、駆け出して攻撃を回避に努める。
 それでも、足を止めていると敵の射撃速度は大幅に上がるようなので。
 『四王稲荷符・桃華絢爛』から取り出した火属性の狐火で牽制射撃を行う。
 狙うのは本体らしき人型……ではなく背後の魔力回路、なぜなら。
「美少女を狙うなんて性分じゃない」
 攻撃されれば、『セフィロト・エクス・マキナ』はこれを回避する動きに入る。そうすることで足を止めさせず、三倍の射撃速度を発揮されずに済む。王道だが有効な手だ。
(今回こそ新世界の敵の強さを計れそうだ、長時間見ていても苦にならねーしなっ)
 結果、両者射撃の撃ち合いに発展し、燦にとっては望む展開へと推移していく。
「先ほどから、私に命中させるつもりで射撃していませんね、手加減のつもりですが、猟兵」
「ゲームって真面目に殺し合うものなのか?」
「遊びのつもりですか……。確かにこれはゲームですが……、私とあなたの間にあるのは生存競争ですよ!」
 その言葉に怒った『セフィロト・エクス・マキナ』は牽制射撃をあえて魔力回路で受け止め、動きを止めて、連射速度を三倍に増やす。
 鋭い勢いの矢が夥しい数、燦に迫り、大きな土煙を巻き起こす。
「やりましたか、あっけなかったでしね……」
 土煙から応射がないのを以て、『セフィロト・エクス・マキナ』は一人猟兵を下した、と判断する。
 しかし……。
(音を消せ、気配を消せ、殺気を消せ。ただ静かに、速やかに――)
「捕まえた」
「!?」
 次の瞬間、燦はいつの間にか、『セフィロト・エクス・マキナ』の人型と魔力回路の間にいた。
 次の刹那、闇の闘気を込めた回避困難な無音攻撃が四度放たれ、『セフィロト・エクス・マキナ』の人型と魔力回路の間を繋ぐケーブルが切断される。
「しまっ、回路との接続が……」
 魔力回路の方には箱型時限爆弾『カウントダウン』を設置し、そして、『セフィロト・エクス・マキナ』の人型にスマートフォンが向けられる。
(封印術で娘の姿・人格だけでもAIとしてスマホに取り込めないか試みるぜ)
 燦の封印術が起動する。
 消えゆく『セフィロト・エクス・マキナ』の人型に封印術の効果が伸び、そして消える。
 直後、『カウントダウン』が起爆し、『セフィロト・エクス・マキナ』の魔力回路は爆破された。
 最後に残ったのは燦一人。果たして封印が成功したのかを知るのも、燦一人だ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 集団戦 『ラングスクイード』

POW   :    スクイッド・スロー
掴んだ対象を【烏賊】属性の【触腕】で投げ飛ばす。敵の攻撃時等、いかなる状態でも掴めば発動可能。
SPD   :    スクイード・スピン
自分の体を【墨を吐きながら高速回転】させる攻撃で、近接範囲内の全員にダメージと【盲目】の状態異常を与える。
WIZ   :    スパイニー・テンタクル
対象の【胴体】を【棘の生えた触腕】で締め上げる。解除されるまで互いに行動不能&対象に【貫通】属性の継続ダメージ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 かくして、猟兵諸兄は「隠しモンスターキラー」の称号を得た。
 後は当初のクエストの予定通り、『ラングスクイード』を倒して回るだけだ。
 彼らの中にも『セフィロト・エクス・マキナ』が生み出したバグプロトコルが紛れており、決して放置は出来ない。
 ただ、このジャングルに住まう『ラングスクイード』は個々の戦闘能力はそこまでだが、高い連携能力を誇る。
 そこをどう対処するか、猟兵の腕の見せ所だろう。
開条・セサミ
・心情
さて、隠しモンスターという名のオブリビオンは倒せたが……本来のクエストで戦う奴にもバグプロトコルが居るってのは厄介だな
まぁ、このまま全力全開で突き進むだけだ!!

・戦闘
引き続き真の姿『カプセライザーGPX』へと変形させた状態で戦闘を行い、ユーベルコード『コアブラスター・オーバーバースト』で攻撃するぜ
連携してくるってんなら、まとめて薙ぎ払うまでだっ!!

・その他
アドリブ等は大歓迎だぜ!!



「さて、隠しモンスターという名のオブリビオンは倒せたが……本来のクエストで戦う奴にもバグプロトコルが居るってのは厄介だな」
 隠しモンスターの戦いでも先陣を切った開条・セサミ(カプセライザーGP・f30126)は、引き続き『カプセライザーGPX』の状態でそう呟く。
「まぁ、このまま全力全開で突き進むだけだ!!」
 相手がバグプロトコルであれ、普通のモンスターであれ、この仕事を終わらせるため、倒すべき敵には違いない。
 セサミに戦いを止める理由はなかった。
 さて、セサミの前に姿を現すのは『ラングスクイード』。黒いイカのようなモンスターである。
 基本的には雑魚モンスターなのだが、彼らには連携という強い武器があり、パーティプレイが下手なパーティでは容易に倒されてしまう。
 対するセサミは一人。『ラングスクイード』はセサミを包囲するように横に広がりながら、触腕を伸ばす。
 だが、セサミは動じない。
「胸部ハッチ展開! 光子エネルギー充填120%! ぶっちぎるぜ!」
 言葉の通り、胸部のハッチが開かれる。動力炉と直結したそれは、大口径のビームの発射を可能とし、セサミの周囲を包囲しようとしていた『ラングスクイード』はもちろん、その周囲100mを超える範囲の敵をまとめて攻撃し始めた。
「連携してくるってんなら、まとめて薙ぎ払うまでだっ!!」
 強烈な範囲攻撃、それは連携こそ強力だが一体一体は所詮雑魚敵に過ぎない『ラングスクイード』に対する最適解だと言えた。
 『ラングスクイード』も負けじと、あえて一人が触腕を前面に展開して盾になることで、仲間をセサミの元に送り込み、セサミを投げ飛ばして見せるが、それが何になるというのか。
 推力で空中姿勢を制御したセサミはそのまま引き続き周囲一帯に大口径ビームを発射し、敵を薙ぎ払う。
 もはやセサミを止められるものはいなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クリスタ・ドラグストーン
むぅ、煙に巻かれた気もするが、一先ずは解決かのぅ
後は残りをしっかりと片付けて終いとするのじゃ

……周辺には猟兵以外のプレイヤーは居らぬ
相手はバグ交じりと言え多数のモンスター
…………ちょ、ちょっとくらいやってもバレんかのぅ……?
『ダンジョンマスター・プロトコル』起動!
ふーはっはっはっ!行くのじゃわしのストーンゴーレム軍団!敵をなぎ払え!
もし触腕に捕まった者は近くの物が助けてやれい
バグの元にはわしが突撃、"シールドバッシュ"で撃退じゃ!
攻撃には当然"盾受け"で"ジャストガード"じゃな
さぁ、わしにトリリオンを稼がせるのじゃ!

※協力・アドリブ歓迎



「むぅ、煙に巻かれた気もするが、一先ずは解決かのぅ」
 結局求める答えは得られず、クリスタ・ドラグストーン(|守護の重盾《ヘヴィガード》・f41850)は嘆息するが、ひとまずこのクエストをおかしくしていたバグプロトコルの首魁たるバグプロトコルは倒された。最低限、解決した、と言って差し支えないだろう。
「後は残りをしっかりと片付けて終いとするのじゃ」
 バグプロトコルの首魁は倒したが、彼女の生み出したバグプロトコルは消えていない。運営たるドラゴンプロトコルであるクリスタとしては見過ごすことは出来ない。
 ……と、クリスタは『ラングスクイード』を前に、挙動不審にもキョロキョロと周囲を確認し始めた。
「……この周辺には猟兵以外のプレイヤーは居らぬな」
 一躍人気クエストになった『ラングスクイードの間引き』クエストだが、エリアは結構広大で、探せば人の少ない狩場もなくはない。
 クリスタはそんな場所の一つをたまたま発見し、周囲に猟兵ではないプレイヤーがいない状態になっていた。
「相手はバグ交じりと言え多数のモンスター。…………ちょ、ちょっとくらいやってもバレんかのぅ……?」
 たっぷり溜めてそんなことを呟いた彼女が発動するのは『ダンジョンマスター・プロトコル』。
 トリリオンを消費して、モンスターを召喚するドラゴンプロトコルのユーベルコードだ。
 姿を現すのは岩石や鉱石、宝石で出来たゴーレム達。
「ふーはっはっはっ! 行くのじゃわしのストーンゴーレム軍団! 敵をなぎ払え!」
 一斉に周囲の『ラングスクイード』に襲いかかるゴーレム達。
 『ラングスクイード』は棘の生えた触腕による攻撃でゴーレム達を縛り上げるが、クリスタがトリリオンの大枚を叩いた甲斐あり、数だけは圧倒しているストーンゴーレム達。
 ストーンゴーレムを拘束した『ラングスクイード』の触腕を他のストーンゴーレムが殴って破壊し、拘束を解除する。
 そして、そんな『ラングスクイード』の群れの背後に少しだけ大きく、そしてノイズの走った『ラングスクイード』が見つかる。
「バグの元にはわしが突撃じゃ!」
 運営者としてバグプロトコルは許さない。ストーンゴーレムが切り開いた道を突き進み、迫り来る触腕を姿勢を低くして回避しつつ、身の丈以上の大きさを誇るタワーシールド『|守護の重盾《ヘヴィガード》』で強烈なシールドバッシュをかまして攻撃する。
 ところまでは良かったのだが。
 大ぶりな攻撃を終えた直後の隙を突いて、周囲の『ラングスクイード』が棘の生えた触腕でクリスタを拘束する。『ラングスクイード』お得意の連携攻撃である。
 クリスタはお得意の盾受けでこれを受け止めたのだが……。
「こいつら、貫通属性を持ってるのじゃ!」
 それは貫通属性を持っており、クリスタに継続ダメージを与える。
 とはいえ、連携が得意なのはクリスタのストーンゴーレム達も同じ、主人のピンチを悟ってか、ストーンゴーレム達はすぐさま、『ラングスクイード』の触腕を攻撃で破壊し、クリスタを救った。
「危なかったのじゃ……。攻撃再開! さぁ、わしにトリリオンを稼がせるのじゃ!」
 気を取り直して、ストーンゴーレムと足並みを揃えて、クリスタは攻撃を再開する。
 この戦闘でかなりのトリリオンを消費している。クエスト報酬と撃破報酬、そしてユーベルコードの効果を合わせて、トリリオンを稼いで、元を取らなくては……!

成功 🔵​🔵​🔴​

四王天・燦
スマホを懐に仕舞って、最後の仕事だね

なあにあの烏賊…ゲッソリしちゃうぜ、ゲソだけに
キモイものは焼却に限る
フォックスファイア・参式を群れとの間にぶち込むぜ
一面火の海にして、連携の取りにくい視界の悪い状況にするよ

(アドリブで焼けた烏賊の香りの感想を希望です)
見た目がアレだしイマイチ食欲湧かないけどなー

陽炎の中を動き、時に姿を見せたと思わせて残像を囮にして触腕伸ばさせるぜ
さっくり腕を切り払って踏み込んで烏賊の急所を貫きましょ
四王天・燦のイカを釣って締める実戦講座でした

面倒なんで二匹目からは炎の中から問答無用の薙ぎ払いで胴体輪切だぜ
お持ち帰り予定のない奴はこんなものさ

おっとトリリオンは回収しなきゃ♪



「最後の仕事だね」
 スマホをしまいながら、そう呟くのは先ほど、バグプロトコルの首魁『セフィロト・エクス・マキナ』にトドメを刺した四王天・燦(|月夜の翼《ルナ・ウォーカー》・f04448)だ。
 そんな彼女が此度の敵、『ラングスクイード』を見て呟くのは。
「なあにあの烏賊……ゲッソリしちゃうぜ、ゲソだけに」
 まぁ『D・D-Psychedelia』とはマシとはいえ、見た目麗しいとは言い難い真っ黒な陸棲烏賊である。彼女のセンスから言って、そのようなコメントになるのは無理からぬことと言えるだろう。
 ということは、彼女の選択は……。
「キモイものは焼却に限る」
 発動するはユーベルコード。
「御狐・燦の狐火をもって敵を灼け!」
 総勢100個を超える狐火が出現し、合体、巨大な火球へと変化していく。
「炎よ、灼熱と陽炎の領域を展開せよ!」
 そして、放たれる。
 それは地形を炎上させ、ジャングル一帯を火の海に変えた。
 ユーベルコード『フォックスファイア・|参式《サード》』。『D・D-Psychedelia』に使った『フォックスファイア』をさらに発展させた技の一つだ。
 合体した大火球で攻撃するというだけなら、『ファイアフォックス』だけでも可能だが、その最大の特徴は今見えているこれ。
 地形を派手に炎上させ、燦に有利な状況を作り出すこと。元祖でも可能な技ではあるが、より戦場を構築する能力に特化していると言えるだろう。
「んー、陸棲な分、匂いの塩っ気が少ないか? 他は案外普通の烏賊の匂いだな。まぁ、見た目がアレだしイマイチ食欲湧かないけどなー」
 周囲一帯に烏賊が炙られたような匂いで満ちる。その感想を述べつつ、燦は棒立ちしている。
 その隙を逃す『ラングスクイード』ではない。
 『ラングスクイード』は炎で炙られ連携を乱されつつも、バラバラに棘の生えた触腕を伸ばし、燦を締め上げる。
 ……と思った次の瞬間、『ラングスクイード』の棘の生えた触腕が空を切った。
 直後、全く別の方向から現れた燦が『神鳴』を振い、空を切って隙だらけの『ラングスクイード』の腕と、そして胴体を切り裂いた。
 これこそが、この火炎が生み出す燦に有利な状況。陽炎である。
 ゆらり揺れる炎で敵を煙に撒き、ゆらり揺れる炎から剣戟を打ち込む、燦の盗賊の妙技と合わせてこその真骨頂である。
「ほい、四王天・燦のイカを釣って締める実戦講座でした」
 などと言って、再び炎の中に姿を隠す燦。
 『ラングスクイード』の周囲に無数の燦の姿が浮かび上がるが、どれが本物なのか、『ラングスクイード』には区別がつかない。
 だが、『ラングスクイード』は考える。先ほどは攻撃した隙を突かれた。ならば、こちらから攻撃をしなければ、敵が焦れて隙を晒すのではないか、と。
「あ、面倒なんで二匹目からは炎の中から問答無用の薙ぎ払いで胴体輪切だぜ」
 ところがそれは検討外れ。炎から現れた黒い影が、『ラングスクイード』を解体していく。
 もしこれが炎で分断されていなければ、『ラングスクイード』は他の『ラングスクイード』を囮にして、燦を見事締め上げたことだろう。
 だが、炎は燦を有利に働かせ、『ラングスクイード』に攻撃の隙を与えない。
「お持ち帰り予定のない奴はこんなものさ」
 気がつけば、炎の中には、一体も『ラングスクイード』は残っていなかった。
「おっとトリリオンは回収しなきゃ♪」
 それはそれとして、戦利品は貰っておかなければ、ね。燦は最後まで抜け目ないのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミリア・ケイト
なんかデカいわね。
こういう敵にはグランドクロスを呼び出すのね。
てなわけで、乗り込んでからχブレードでイカを横薙ぎで切った後は遠距離に遠のいてからサイキックブラストを使用。
キャバリアを経由するから、威力も強化されて出る。
盛大に一掃してやろうか!
今夜はイカ焼きだぜ!!



「なんかデカいわね」
 敵の『ラングスクイード』を見て、そう呟くのはこのクエストを通しで受けている猟兵の一人、ミリア・ケイト(賢い動物のサイキッカー・f41641)だ。
 人間サイズの敵ではあるのだが、それでも身長二桁前半の彼女には見上げる必要があるのもあって、大きく映る。
「こういう敵にはグランドクロスを呼び出すのね」
 ミリアのサイキックが呼び出すのは『サイキックキャバリア「グランドクロス」』。これで大きさ関係は完全に逆転したと言って良い。
 『ラングスクイード』は棘の生えた触腕を伸ばし、『グランドクロス』を攻撃せんと迫るが、ミリアはそれに対し『グランドクロス』の剣、『|χ《サイ》ブレード』を構える。
 サイキックエナジーを流し込み、切れ味が強化されたその剣は容易に触腕を切断し、そのまま後方に離脱。
 そして、ここまでお馴染みのユーベルコード『サイキックブラスト』が発動する。
 『グランドクロス』の両掌から高圧電流が放たれ、周囲の敵を一掃していく。
「盛大に一掃してやろうか!」
 一方、『ラングスクイード』の連携も侮れない。
 電流の性質を理解しているのか、本能による分析か、『ラングスクイード』は他の『ラングスクイード』を盾にして、一列縦隊を組んで、前進し始めた。
 ミリアは『グランドクロス』を後方に下げつつ、『サイキックブラスト』を放つ退き撃ちを試みることでこれに対処。
 結局、『ラングスクイード』がミリアに触れることは叶わなかった。
「今夜はイカ焼きだぜ!!」

成功 🔵​🔵​🔴​

風花・雪月
バグの親玉は既に処理済みのようじゃな
ここ最近、バグの出現率が高まっておる
猟兵達が報酬を求めることもなく、わしらの仕事を肩代わりしてくれるのはありがたいことじゃ

とは言え、あの者達の力や技は明らかにシステム外のもの
この世界にどのような影響を及ぼすか分からぬ
評価を定めるのはまだ先かのう

閑話休題

まずは、残りの烏賊達を片付けることにしようか

集団に向けて雷矢を斉射
矢でダメージを受けたバグを結界で把握
仙術で雷雲を招来し、バグを雷撃で打ち倒してゆこう
逃げ出すようなものがいたら、UCのモンスターに対処させようぞ

しかし、見た目でバグかどうかを判断できぬとは困ったものじゃ
これではプレイヤーも安心してプレイができまい



「バグの親玉は既に処理済みのようじゃな」
 そう呟きながらクエストのエリアを訪れたのは美形のドラゴンプロトコル、風花・雪月(調整者・f41951)だ。
「ここ最近、バグの出現率が高まっておる。猟兵達が報酬を求めることもなく、わしらの仕事を肩代わりしてくれるのはありがたいことじゃ」
 彼女は現時点では未実装の東方を管轄する予定のドラゴンプロトコルであり、それ故、今は他のドラゴンプロトコルが、その手を必要以上に煩わせることがなく、適切な運営を行えるよう、バグプロトコルの排除やエラーの対処にあたっている。
「とは言え、あの者達の力や技は明らかにシステム外のもの。この世界にどのような影響を及ぼすか分からぬ。評価を定めるのはまだ先かのう」
 というのが猟兵とそのユーベルコードに対する雪月の認識であった。
「閑話休題。まずは、残りの烏賊達を片付けることにしようか」
 直後、斉射されるは『天雷矢』。ドラゴンプロトコル専用の雷矢である。対バグに特化した性能を持っており、命中した『ラングスクイード』のうち、『セフィロト・エクス・マキナ』によって作り出されたバグプロトコルのみがそれに反応し、ダメージを受ける。
 広域を覆う管理者権限への干渉力を持つドラゴンプロトコル専用の結界『天結界』がそのダメージを受けた『ラングスクイード』のみを把握し、仙術カテゴリに分類される天候操作スキルを発動。バグプロトコルである『ラングスクイード』に雷が飛来していく。
 システム上はバグプロトコルである『ラングスクイード』と本来の『ラングスクイード』は区別されないため、バグプロトコルのみを撃破しても猟兵が受けているクエストの撃破達成数の換算には問題がない。
 問題は、『ラングスクイード』達自身も仲間が本来の『ラングスクイード』なのかバグプロトコルなのかを区別せずに連携するという点で。
 彼らはなぜか自分達が攻撃の対象に晒されないと分かると即座に、攻撃の元凶である雪月を狙い始めた。
 棘の生えた触腕が雪月に迫る。
 が、それが命中するより早く、骸武者の見た目をしたモンスターがその触腕を切断し、攻撃を防ぐ。
 雪風のユーベルコード『ダンジョンマスター・プロトコル』により召喚されたモンスターだ。
 先のドラゴンプロトコル、クリスタが使ったのと同様のユーベルコードだが召喚されたモンスターは全く違う、東方を管轄地域とする雪風らしい、先行実装されている東方のモンスターの見た目を取る。
 やがて、『天雷矢』に反応する『ラングスクイード』はいなくなり、このエリアの安全が確保されたことが、確定した。
「しかし、見た目でバグかどうかを判断できぬとは困ったものじゃ。これではプレイヤーも安心してプレイができまい」
 全くもってその通り、最後に駆けつけたのが雪風でなければ、猟兵は本当にこれでバグプロトコルを全滅出来たかも確定出来ないまま、クエストを終わらせるか、永遠に終わらない『ラングスクイード』狩りに勤しむことになっていただろう。
 ともかく、バグプロトコルは去り、クエストは達成された。
 今ここに、とあるジャングルは安全なエリアとなったのだ。
 やがてデマとなった隠しモンスターの噂も消え、『ラングスクイードの間引き』クエストは元通りの地味ながら一部のプレイヤーに人気がある程度のものへと戻っていくことだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年11月26日


挿絵イラスト