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|明日へ《トゥモロー》|の《・》|道標《ロード》

#アポカリプスヘル #ノベル

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ジフテリア・クレステッド




 土谷・メイとジフテリア・クレステッドは|交際中《カップル》である。
「ジーフーちゃーーん!! なでなでしてーー♪」
 このわんこ系彼氏……いや、実際賢い動物なのでわんこのメイはジフテリアに撫でられる事が何よりの喜びだった。
「んもう、しょうがないなぁわしゃわしゃわしゃーーー!! うりうりーー!!」
「あばばーーーーーっ★」
 尻尾フリフリが全開のメイ。

 ――こんなじゃれ合う生活が出来るのも、無事にアポカリプスヘルの平和を守れているからで。

「ジフちゃん最近何してたんですー?」
 今日は久々のおデートだった。
「んー? 奪還者を守ったり畑仕事したり、途中でオブリビオンいくつか退治したかな。あとサイバーザナドゥで遊んできたり」
「へぇ、色々してたんですね!」
 この敬語が抜けきらない腹を全開にしているメイが可愛いなと思いつつ、ジフテリアも逆に尋ねた。
「じゃあメイは何してたの?」
「俺ですかー? 最近はけものマキナっていう世界の予知してます!」
「それってアライアンス世界だっけ?」
「そうですね、サイバーアポカリプスヘルって感じで面白いですよ」

 近況を報告した所で、二人(一人と一匹)は自らの拠点に植えた植物の芽を見つめていた。
「大きくなったね」
「ですね!」
 これは二人で選んで二人で植えた種から発芽したものだ。犬とは仔が成せないプラトニックな関係でも、こうやって命の育みを見ていく事は出来る。そういうメイからの提案にジフテリアが乗って、他にも数種類育てている。
「これなんか、もう実をつけ始めてますね!」
「生長が早いからね。美味しいよ、今度料理してあげようか?」
「わーーい! ジフちゃんの手作り料理だーーー!!」
 再び尻尾フリフリが全開である。満面の笑みのメイ。

「にしても良い土壌だねー」
 わしゃわしゃとメイを撫でながらジフテリアは畑を眺める。
「メイドイン・メイの肥料がインしてますよ! メイ・土・イン! なんちゃって」
「……」
「あれ? ウケませんでした?」
「なにそれーーー!!!」
 ジフテリアは遅れて爆笑していた。ほっとするメイ。

「あっそうだジフちゃん! 新居いつ建てます? 飼い主が新居は要るだろうって言ってたから俺が用意しますよ!」
 メイは犬なのでちゃんと飼い主がいるのである。交際を共に認めたのも彼だった。
「えっ全部任せちゃうのは悪いよ。せめて手伝わせてよー」
「大丈夫ですよー、俺の建築力凄いですから! あっという間に大きな小屋が出来ますよ!」
「それってまさか犬小屋じゃないよね?」
「人の小屋です! 大の大人が3人ぐらいは住めます!」
 力強く尻尾をブンブン振るメイを見て、ジフテリアはメイを優しく撫でた。
「じゃあ、任せちゃおうかな? ……でも無理したらぐりぐりわしゃわしゃの刑だぞ~」
「わーーーい!! 無理せず程々に頑張るーーーー♪」
 力強くとても嬉しそうに尻尾をブンブン振るメイ。

「完成したら犬友も招いちゃいますか、|サツキくん《大型犬♂》とか|タツオくん《超大型犬♂》とか|カンタくん《大型犬♂》とか|ミッちゃん《中型犬♀》とか」
「そうしたら|がれきの町の皆《最低5人から》も招いちゃおうよ!」
「わあ、入りきらないですね! あはははは」

 世界の問題、オブリビオン・ストームは解決していないがやるべき事は出来る。次世代へと繋がる拠点を作る事だ。
「将来的に、俺……町作りたいんですよねぇ」
「そうなんだ! 町長になったメイ、きっと似合ってるよ」
「人も動物も沢山居て、レイダーに襲われない町づくりして……がれきの町と友好都市にしたいんです」
「じゃあ私はがれきの町の住民兼メイの町の町長夫人かな?」
「多分そうなると思います! 楽しみにしてて下さいよっ!」
 ドンと胸を叩くメイ。
「メイもう16歳だもんねー、やりたい事はやっておいた方がいいと思う! ……メイが先に死んだら凄く泣いちゃうよ?」
「んー、言うて犬ですからねぇ……でも猟兵なのできっと大丈夫です!」
「そうだね、猟兵パワー信じよう!」

 猟兵ならなんとかなる。そう信じて、明日への道標を育む二人だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年11月08日


挿絵イラスト