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|解放の日《バース・デイ》

#ゴッドゲームオンライン #ノベル

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マリナ・フォーリーブズ
・ノベルのリクエストをお願いします

【内容】
統制機構での日常生活に疲れ絶望していた所、
突然送られてきた謎のメールでGGOに触れ、プレイヤーになるまでの過去エピソードです

【キャラ】
名前:四葉・満里奈(よつば・まりな)21歳、女性、黒髪、黒目、普通の肌

口調:私、あなた、~さん、です、ます、~でしょうか?

経歴:エリート遺伝子番号の持ち主として統制機構の行政官秘書室に配属された新人OL
初日に教わった範囲の業務内容の改善を提案したところ、秘書室長のお局様に睨まれ
酷いイジメにあっている。

構成
1,官給マンションの自室に帰りベッドに倒れ込むシーン
「あー、今日もこんな時間になっちゃった、雑用全部押し付けられてるもんね…」

2,回想、
配属後、新人教育を受けている最中に
「データを手入力するんじゃなくて、AIでマクロを組んで流し込んだらどうですか?」と提案、
教育係の先輩と室長に理不尽な説教をされる「これがうちのやり方、手入力じゃないと相手に失礼」
さらに会議資料の作成とプリントして上司のサインをもらって来るように命じられた際に
「メールで送って電子サインではいけないんですか?そうすれば資料は端末で見れますよね?」
「最近の若い子はすぐに楽することばかり考える、先輩の言う事を何故聞けないのか」と追加の説教
以後、秘書課内でモラハラ、パワハラを受け続け、行政区役員と結婚して寿退社コースや出世して
特別秘書室に栄転コースなどが閉ざされた永遠のブラック勤務が始まった。

3,将来に絶望しつつも明日の準備でメールチェックをしていた所
謎のファイルが勝手に開きGGOがインストールされる、
いけないことだと思いつつ現状がなにか変わることを期待してそのファイルを開く。

「私このまま室長の任期が終わるまでずっと耐えるしかないのかな…、
(ファイルを見つけ)あれ?これって…まさかGGO!?すぐ通報しなきゃ!」

「(ふと手を止め)……でも、通報してもいつのまにか消えてるって話も聞いたことあるし
証拠が出せなければ余計な騒ぎを起こしたって今より余計に立場が悪くなるかも」

「試しにちょっとやってみれば、何か情報が得られるかもしれないし…」
ヘッドセットを被ってネットにダイブ、ゲームへログインする

AI「GGOへようこそ! このゲームではあなたはどのような自分にもなることができます、
まずはあなたの分身となるキャラクターを作成しましょう!」

・ED
そのままアバターの作成に夢中になっているところで終わる

【お願い】
ノベルのリクエストは初めてなのでなにか足りなかったり
解りにくいところがあると思いますが、あとの細かい点はすべておまかせします
大体の流れだけ押さえて貰えばアレンジなどもご自由にどうぞ
それではよろしくお願いします



●不協和音
 |統制機構《コントロール》。
 それは定められた運命を知らしめる名である。
 四葉・満里奈は疑問に思うことはなかった。
 何に、と問われたのならば彼女は答えるだろう。

 ――この延々と続く変化のない日常に、と。

 けれど、彼女は知ってしまったのである。
 彼女がどんな自分にもなれることを――。

●不変という名の
 どさり、と満里奈は官給マンションの自室のベッドに倒れ込む。
 それは日々の労働の……いや、パワハラの蓄積が肩にのしかかり、彼女を潰すかのように堆積していくが故であった。
「あー……今日もこんな時間になっちゃった」
 デジタル時計の数字を眺める。
 食事をしなければならない。体だって洗いたい。ゆっくり湯船に浸かりたいし、洗濯物だって溜まっている。
 炊事の諸々のこと。
「ああ、だめだ。考えまとまらない。何から手を付けていいのか……」
 わからない。

 それほどまでに満里奈は追い込まれていた。
 考えてみれば、どうしてこんなことになったのかは説明できる。
 彼女はエリート|遺伝子番号《ジーンアカウント》を持つ人間である。
 この近未来の超管理社会に置いて、それは必要不可欠なるものである。これを持たぬものは人権すら存在しないのだ。
 そして遺伝子番号を元に『統制機構』より『人生設計図』が発行され、これに従って満里奈もまた進学し、今の行政官秘書室に配属されたのだ。
 言ってしまえばオフィスレディである。
 それは約束された明るい未来のように思えたのだ。

 だから、というわけではないけれど、満里奈は張り切っていたのだ。
 けれど、それは空回りという名の失敗であった。
 データ入力をしようとすれば、煩雑な手入力。
「あの、手入力じゃなくて、AIでマクロを組んでみたりしたら……」
 それは提案だった。
 もっと言えば、仕事に対する前のめりな姿勢であったとも取られることもありえたかもしれない。
 だが、それは『統制機構』においては美徳でもなんでもない。
 そう、『統制機構』が定めるのは管理と抑制である。

 故に彼女に返ってきたのは、手痛い仕打ちだった。
「これがうちのやり方なの。何年も変わらずに一つ一つ心を込めて入力しているの。ずっとこうなの」
「で、でも……」
 無駄が、と言いかけた所で満里奈は先輩職員から頬を叩かれる。
 走る痛みに呆然として見上げる先にあったのは侮蔑の表情だった。
 口答えすることは許されない。そう言っている目だった。
 けれど、満里奈はくじけなかった。
 くじけなかったことが不幸であったというべきだろうか。

 それからというもの、満里奈は秘書課内で孤立するようになった。
 パワハラを受け、何より落伍者の烙印を押されることになったのは、彼女の本来定められた明るい未来を否定することであった。
「はぁ……出世して特別秘書室に栄転……なんて『人生設計図』には書いてあったのにな……」
 なのに、今まさに満里奈は人生を小石のように転げ落ちている。転げ落ちる先にあるのは奈落の底の如きブラック勤務である。

「……メールのチェックだけでもしておかないと」
 確認を怠ってはまた何を詰られるかわかったものではない。
 重たい体を起こして満里奈はメールボックスを開く。
 いくつかの業務に関するメールが並び、その一つに彼女は吸い込まれるように視線を向けていた。
「なに、これ……件名……GGOへようこそ……? えっ!?」
 次の瞬間、端末に立ち上がるファイルの数々。
 何も触っていない。
 クリックもしていない。
 ただ件名に視線を走らせただけだ。
 だというのにファイルが展開され、次々とアプリケーションがインストールされていくのだ。
 混乱していると、一つのアイコンが浮かび上がる。

「これって……まさか!」
 そう、GGO。
 ゴッドゲームオンライン。
 それは究極のオンラインゲームであり、作者は不明とされている。発見次第通報するように通達が来ている。

 けれど、満里奈は思ってしまったのだ。
 変わらない日々。
 鬱屈とした日々。
 続く地獄のような日々。

 彼女は変わることを望んでいたのかもしれない。だから、研修の時にもあんなことを言ってしまったのかも知れない。
 震える指がGGOアプリへと伸びる。
 だめだ。
 いけないことだ。
 でも。いけないとわかっていなかがらも伸びる手が止まらない。

 ヘッドセットをかぶる。
 変わるかもしれないという想いが加速していく。
「……試しにちょっとやってみたら、何か解るかもしれないし」
 それは自分に対する言い訳だった。
 いや、違う。
 自分の心の中にある何かが叫んでいた証拠だった。

『GGOへようこそ! このゲームではあなたはどのような自分にもなることができます。まずは貴方の……』

 それが切っ掛け。
 マリナ・フォーリーブズ(ブラッディ・マリー・f41783)の些細な、けれど決定的な|欲望《ねがい》の解放の瞬間だった――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年11月06日


挿絵イラスト