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奏でるは災厄の狂騒

#ダークセイヴァー #疫病楽団

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#疫病楽団


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●疫病楽団
 慎ましくも幸せなヴェルディ村の暮らしは、ある夜を境に腐って朽ち、そして途絶えることとなった。
 南のキャベツ畑を越えてやって来た異形の怪物たちが抱えた楽器を無数の触手で打ち鳴らし、掻き鳴らし、その奇怪な音色が響くたび、それを耳にした人々は苦悶の表情を浮かべてのたうち回る。
 それは何も、音楽と呼ぶのも汚らわしい耳障りな音色を厭ってのことだけではない。
 でなければ彼らが地に倒れ、どす黒い体液を吐き零しながらその後数週間のうちに死んでいく筈がない。
 音に乗せて不治の病をばら撒くオブリビオンの集団は、或いはこうも呼ばれている。
『疫病楽団』――と。

●緑の村を救え
「そういうわけで、皆さんにはこの村に向かってもらって、疫病楽団のオブリビオンを倒してほしいんです」
 言って、グリモア猟兵、ニノン・トラゲットは爪の先で自らの顎を擦る。
「疫病楽団がやって来るのは、村の南側……畑の方からですね。長いこと平和に暮らしていた集落ってこともあってか、獣除けくらいはともかくそんなにガッチリした防備はされていないみたいです。そこを通ってわらわら出てくるのが、こう……ぬめっとした感じの触手が生えたオブリビオンで」
 ぬめっ、のあたりで両手の指を大きく開いてみせつつ、その触手による攻撃や暗示による行動妨害、更には毒液の噴射による範囲攻撃をも行う敵だと説明を続けて、更にニノンは言葉を繋ぐ。
「こいつらをある程度まで倒し切ると、残る敵が全然別の、それももっと強いオブリビオンに変身して襲い掛かって来るっていう予知も出ています。こっちもこっちで、皆さんの何らかの感情を強く揺さぶろうとしてくるみたいですので、気持ちを強く持って対処してくださいね」
 そこまで言って誰にともなく頷いた後、ニノンは考え込むように尻尾の先を揺らした。
「向こうはすっごく数が多いですし、音色を聞かせて病気を振り撒くような奴らですから……まずは奴らが乗り込んでくる夕暮れ時より前に、村の人々を守る手段を講じておきたいですね。それと、できればキャベツも」
 キャベツ、と猟兵の誰かが繰り返した単語に、至極真面目な表情で頷くニノン。
「はい、春キャベツです。昔からヴェルディ村の名産品で、今はちょうど収穫期の真っ只中! ……なんですけど、オブリビオンの群れがなだれ込んで来れば、当然それも踏み荒らされてダメになっちゃいます」
 そこで、まずは昼間のうちに村の人々と接触し、このキャベツの収穫を手伝ってほしい。真面目顔をまるで崩さないまま、グリモア猟兵はそう目の前の猟兵たちに告げる。
「収穫された作物は踏み荒らせないですからね! それに早くに収穫が終われば、村の人々が畑にいる理由もひとまずなくなりますから、その後に攻めてくるオブリビオンへの対処も楽になるかなって思います」
 オブリビオンの魔手が村人の元まで届かない状況での迎撃態勢を作り上げておけば、彼らのことは気にせず戦闘のみに注力できるだろう。その為、収穫作業の裏で何らかの準備や細工を行えそうだと感じたなら、こっそりとそれを仕込んでおくのも手かもしれない。
「収穫されたキャベツの一部は、村の広場で料理して食べるのが習わしなんだそうです。腹が減ってはなんとやらって言いますし、戦う前にそこで腹ごしらえしておくのもいいかもですね!」
 最後に肉球を打ち鳴らし、明るい声音でそう言って、ニノンはよろしくお願いしますと猟兵たちに頭を下げた。


猫目みなも
 こんにちは、猫目みなもです。
 キャベツはゴマ油と塩であえて食べるのが好きです。
 そんなキャベツを育てながら平和に慎ましく暮らしていたダークセイヴァーのとある村が、『疫病楽団』に狙われています。
 皆さんのプレイングを、心よりお待ちしております!
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第1章 日常 『ぷち収穫祭!』

POW   :    力任せに野菜を採って採って採りまくる!

SPD   :    収穫した野菜を素早く調理!

WIZ   :    野菜を収穫し、じっくりことこと煮込んでいく

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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リヴェンティア・モーヴェマーレ
▼アドリブ&他の方との絡み
大歓迎!
もり盛りのモリでも大ジョブです

▼本日のメインの子
カラくん(ナルシストな普通のハムスター)
他の子が居ても全然大ジョブです

▼【S P D】
私もキャベツはごま油とお塩で食べるのが大好きですー!(どこかに向かってシャウト)
っとと…取り乱してしまいました…
美味しいキャベツを食べるためにカラくんと一緒に収穫を頑張りマス
カラくんも頑張ってくれたら美味しいキャベツあげますね♪
食べ物の事ばかり考えてると思いましたカ?!ちゃんと、襲撃に備えて出来る限りの予防線は張っておきましょうカ

後は兎に角収穫デス!
頑張れば頑張るほど被害が減ると思えばなんて事はない気持ち!


リーヴァルディ・カーライル
…ん。闇に閉ざされたこの世界で食べ物は貴重。
時間があるなら可能な限り収穫しておきたい…かな。

村人への説明は他の猟兵に任せて、私は収穫の準備をしておく。
【常夜の鍵】を刻んだ布を複数用意しておき、
【影絵の兵団】で165体の影兵を召喚し畑の端から端まで並べる。

…人手はこれで足りる?
一応、人間と同じ動作はできるから…収穫の方法を教えて…。

影兵達にキャベツを収穫させていき、
村人には【常夜の鍵】の布を持ってもらってキャベツを収納していってもらう

…ん。戦闘動作じゃないから手間取ったけど、大体理解した。

時間がかかりそうなら【影絵の兵団】を二重発動(2回攻撃)して、
さらに倍数召喚して人手を増やそう


アグニカ・プロメテウス
【WIZ】
所変われば――とは言ったもんだけど。
随分と陰気に満ちてるなぁ、この世界は。
それでも頑張って生きてる連中が居るんだ。手助けしてやんないとな。

とは言うけどあんまり神様神様してると本当にやりにくそうだし
普通の人間の振りしてよーか。【コミュ力】活かしながら収穫の手伝いして
煮込み料理とか炒めものとかの手伝いしとくな。

キャベツだと寸動鍋にまるまる一玉キャベツ入れて
隙間に鮭缶みたいなの入れるとか単純に美味しい気がする。
あれどっちかって言うと鍋料理だけどさ。
(※この神様は庶民派です)

火加減?なんとかなるから任せなって
(※火の神性持ちの神様であることはひた隠す方向に走っている)

※アドリブ・連携可


ニコリネ・ユーリカ
帷さん(f00445)と参加。

鮮度が命のキャベツだもの、村の人達は朝早くから畑に出てる筈。
先ずは彼等の服を真似て、親しみやすい姿になっておこうっと。
今日は花屋をお休みして、農家として頑張ります!

収穫期は繁忙期。猫の手も借りたいくらい忙しいわよねぇ。
お手伝いさせて下さいってお願いしたら、
【特種用途車輌出動!】でキャベツ収穫機を召喚して、一気に掻込んじゃいましょ!
これなら昼までに終われるわよー!
収穫物は蔵に運んで、クローラの跡も消しておきましょう。
はー腰にくるわねぇ!(とんとん)

朝採れ春キャベツが確保できたら、村の人達も少しは落ち着ける筈。
お疲れ様でした!ってお茶に誘って、お家に戻って貰いましょ。


枢囹院・帷
ニコリネ(f02123)と参加。

村の名産が収穫期を迎えているなら、村人総出で働いているだろう。
先ずは彼等に馴染めるよう、暫し様子を観察して雰囲気を掴む。
それからニコリネと二人、村娘に扮して収穫の手伝いを願い出るとするか。

ニコリネが収穫機を召喚したら、私は後部のコンテナ台に乗って、
コンベアで運ばれるキャベツの選別をしようか。
村人に同乗して頂いて、見極め方を教えて貰うとしよう。
目が鋭いと言われる方だ。立派に仕分けて見せるさ。

他の猟兵が戦闘に備えて畑に何か仕込むというなら、
収穫は早く終えた方が良いし、村人も早々に退避すべきだろう。
私はお茶を用意して、一仕事終えた労いに家屋の方へ誘い出してみようか。


テオ・イェラキ
オリオ(f00428)と参加

疫病、か……随分と面倒な敵だな
ともあれ、村の今後の生活を守る為、特産キャベツの収穫を手伝おう

蛮族らしく、収穫は豪快にいくぞ
愛用のバーバリアンアクスを低くかまえ、大きく振り回してまとめてキャベツを駆ろう
おや、妻も同様の方法を取っているようだな…
どうやら、似た者夫婦のようだ

さて、キャベツの収穫を手伝ったのならば、多少おすそ分けも貰えるのだろうか?
妻に手料理のリクエストを受けてしまったな
せっかくだから周辺で狩った鹿肉を加え、ロールキャベツをつくろう
もちろん多めに作るからな、村人や他の猟兵にも振舞おうか

妻の笑顔が見れて何よりだ


オリオ・イェラキ
テオ【f00426】と供に

まぁ、なんて美味しそうな春キャベツ
是非新しい季節の味覚を頂きましょう

村の方へ丁寧にご挨拶
春キャベツの魅力を語り是非お手伝いしたい旨を伝え収穫作業へ
あら夫は収穫も雄々しいのね
わたくしも見習わなくてはと大剣でサクッと刈り取る
勿論キャベツ自体に傷を付けずに。丁寧かつ豪快がモットーですわ
あぁ良い葉の香り

綺麗に刈り尽くしてお楽しみのお食事会ですわね
成る程これが塩キャベツ…確かに手が止まりませんわ
そう、テオ。わたくし牛舎からまた肉を持って来ましたの
ミンチにして是非、ロールキャベツを
わたくしお手伝いしますわ

できた料理は村の方に振舞いつつ沢山頂きますの
やっぱり夫の手料理が一番ですわね


小日向・いすゞ
おぶしだんセンセ/f00250と同じく日雇い労働者の振り

収穫したキャベツを前にエプロン装着
管狐にキャベツを載せて、自分で抱えるキャベツは一つだけ

さあ管狐
ちゃきちゃきキャベツを運ぶっスよ
前から思ってたっスけれど
センセ以外と非力っスよね

こんな小さな子に何させようとしてるンスか
動物虐待反対っスよ
誂うみたいに、狐のように笑って


さて、センセ
手を貸してくれるンスよね?
センセは斬るのって得意っスすよねェ
あっしはこう見えて煮込むのが得意なんスよ!

毒とか持ってそうな名前っスよねー
まあ洗えば平気っスよ、大概の事は洗えば平気っス

何言ってるっスか
この繊細なお玉捌きを見るっス
混ぜないと焦げるンスよ
まあ時々で良いっスけど


オブシダン・ソード
いすゞ(f09058)と同行

まずはキャベツを収穫して戦場を広げよう
路銀に乏しい旅人の振りでもして、収穫作業のお手伝いといこうか
こう、ナイフで根元をざくっといけば良いんでしょ? 簡単だね
それをまとめて袋とかに詰めれば…こう…
重い(非力)
管狐くんちょっとこっちも…え、ダメ? 仕方ないな…

ある程度採れたら僕も調理の方に回るよ
僕の器物なら野菜くらい余裕で一刀両断のざく切りだよ
…でもこの間これでドクターオロチとか斬ったからなぁ…

え、いける?いけるかなぁ?
まぁ君が火を通すんだし大丈夫だよね、多分

ところで煮込むのが得意って、見てるだけじゃないの?
ふぅん…とか疑惑の眼差しを送っておく
ああ、良い匂いがしてきた


ノワール・コルネイユ
春キャベツ…か
この時期は甘みもあって冬とはまた違う味わいがあって良いのだよな…

収穫したものでの料理に参加
未だ朝晩は冷えがちなこの時期だし、ラグーなんか良いんじゃないか
あれなら大鍋で大人数分を作るのにも悪くない

住人に協力しつつ調理に回る
肉なり他の野菜なりも入れて
子供もいるだろうから味付けは考慮しよう

それはそれとして…ガキ共、つまみ食いは厳禁だ
あと食事の前に間食もするな。昼飯が入らなくなるぞ
それと食べる前にはきちんと手を拭えよ

食うよりも作る方が好きだし
何より食材はここの物なのだから
作るのと配膳に注力して村人と疎通を図っておく

で…うっかり此方にばかり気を取られていたが
迎撃準備はどうなっただろうか


榎本・千景
【つどいば】
さて、彗樹(f02798)と伊織(f03066)が採ってきたこのキャベツをどう調理しようか?

WIZ
俺はキャベツを美味しく簡単に【料理】するかな。
キャベツ1玉を4等分に切って水を張った鍋に入れて、火にかけて暫く煮込む!
キャベツが軟らかくなってきたら、そこにコンソメスープと塩コショウで味を整えて…完成!

キャベツのまるごとスープの出来上がり。
…さあ、召し上がれ!

※アドリブ歓迎


榎本・彗樹
【つどいば】
…大地の恵みを荒らされるわけにはいかない。

POW
伊織(f03066)とキャベツ収穫してる。
キャベツはアブラナ科アブラナ属の…いや、なんでもない。…作業しよう。
外の葉を広げてキャベツ本体を傾けて…根元の部分を包丁で切ると採れる。
…ん、良い形のキャベツだ。

キャベツを収穫したら後は兄貴(f02689)に任せるか…。
…兄貴、調理頼んだ。

※アドリブ歓迎


篠崎・伊織
【つどいば】
…すいさん(f02798)、もしかして農家の血が騒いでる?

POW
すいさんと一緒にキャベツを収穫するよ!
キャベツがいっぱいですなー。
よし、いっぱい採っていきますか!
…ん?すいさん?何か言ったかい?

収穫したキャベツはちかさん(f02689)が料理してくれるんだって!
ちかさんの料理美味しいんだよねぇ…。

※アドリブ歓迎


エリス・シルフィード
…うん、そうね、疾病楽団なんかにこのキャベツの育つ村を支配させるわけにはいかないわよね
取り敢えず、オブリビオン対策として柵とかは作って生キャベツを守る様にして…守り切れないキャベツは煮込んで中央の広場に保管しておきましょう
その方が安全でしょうし、戦いの後に皆で美味しく頂くことも出来るものね
仲間との連携・声掛けOK
と言うわけでキャベツを中心に野菜を収穫して、じっくりことこと煮込むお手伝いをする様にするわ
で、そのお手伝いをしながらオブリビオンに警戒を払っておくわね
奇襲とかされないように
もし収穫中にオブリビオンが現われたら
先ず一緒に収穫をしている村人達に声を掛けて避難して貰う様にするわね



「今日は花屋をお休みして、農家として頑張ります!」
 いつものエプロン姿から村娘のような作業服に着替えたニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)が手伝いを申し出れば、自分たちとよく似た服装への親しみもあってか、村人たちは一も二もなく彼女と枢囹院・帷(麗し白薔薇・f00445)を歓迎した。
「成程、さほどの警戒心もなさそうな村だ」
「だからこそ、私たちの手で守り抜いてあげないとねぇ」
 恐らくはさしたる大きな脅威に晒されることも長くないまま、それなりに平和に暮らし続けてきた集落なのだろう。そんな印象を改めて抱きつつ、ニコリネは拳と掌を一度打ち合わせた。
「さあ、それじゃ一気に掻込んじゃいましょ! ……ちょっと、村の皆さんは離れていてくださいね。今日も一日、ご安全に!」
 その言葉に呼ばれるように、或いは蕾が花開くように、虚空にひとつの陣が描かれる。そしてその中から姿を現したのは、キャベツを相手取るに相応しい『はたらくのりもの』――即ち。
「成程、収穫機か」
 確かにこれは有効に違いない。そう呟いて、帷はさも当然のようにその後部にあるコンテナ台へと上がり込む。
 一方呼び出された収穫機と呼び出したニコリネを見張り通しの目で交互に見比べ、その度何度も瞬く村人の一人に向かって、彼女は何でもないように呼び掛けた。
「よければ同乗してくれないか? 君、そう、そこの君だ」
「お、俺かい?」
「ああ。収穫はこの絡繰がやってくれるが、選別はひとの目で行うほかないからな。キャベツの見極め方を、君に教えてほしい」
「へええ……この絡繰が、キャベツをねえ……」
 物珍しい存在への興味もあってか、どことなく頬を紅潮させつつ年若い農夫は帷の差し伸べた手を取った。
「それじゃ、始めるわね。これなら昼までに終われるわよー!」
 元気のいいニコリネの声と共に、収穫機が動き出す。リズムよく切り取られたキャベツの玉がコンベアの上を通って流れてくるのを、やはり目を輝かせて見ている青年の背中を、帷は笑って軽く叩いた。
「では、農家の目をご教授願うよ」
 答える青年の声が裏返る気配を感じて、運転席のニコリネもまた小さく笑う。
 そうして朗らかに歌うように、収穫機は三人を乗せて進んでいく。
「……ん。闇に閉ざされたこの世界で食べ物は貴重」
 一面のキャベツ畑をぐるりと見回して、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は呟いた。村人と作物の安全を確保するといった観点のみならず、そうした意味でもできる限り収穫を手伝いたいと、彼女は近くの村人たちに用意していた布を配っていく。
「お嬢ちゃん、これは?」
「百聞は一見に如かず……試しに、それを包んでみて」
 リーヴァルディに促されるまま、荷車の中のキャベツのひとつを布で包んだ村人が、声を上げて目を丸くする。さながら手品でも使ったかのように、キャベツは一瞬で布の中から消え失せていた。
「これを、こうして……こう」
 そしてリーヴァルディが布に刻まれた魔法陣を細い指先でなぞると、たちまち今消えたばかりのキャベツが転がり出てくる。目の前で繰り広げられる光景にしばし固まっていた村人の顔に、ややあって感動の色が広がった。
「お、おお……凄いな、これは!」
「……ん。いくらでも収納はきくから、収穫したものはこれで運んで……だいぶ、楽ができると思う」
 浅く頷き、リーヴァルディはふいと振り返る。その先には、彼女が呼び出した影絵の兵士たちがずらりと並んで腰を屈めていた。彼らが手にした武器を向ける先は、今は忌むべきヴァンパイアではなく、丸々と育ったキャベツ。慣れない農作業に始めはぎこちなかった動きも、徐々に滑らかなものになりつつある。そのことにも満足げに頷いて、リーヴァルディは影絵の兵士たちが切り取ったキャベツを運搬すべく、自らも魔法陣を刻んだ布を手に取った。
「……うん、そうね、疾病楽団なんかにこのキャベツの育つ村を支配させるわけにはいかないわよね」
 瑞々しく育つ作物、そしてそれに向き合う人々。どちらも大切で、愛おしくて、守るべき存在だ。そのことを確かめるように胸元で拳を握って、エリス・シルフィード(金色の巫女・f10648)は畑の最南端まで足を運ぶ。
「さすがにこの柵だと、オブリビオンの群れ相手にはちょっと頼りない気持ちですネー」
 同じく昼間のうちに可能な限り予防線を張っておこうとオブリビオンの襲来が予知された方角を重点的に歩いていたリヴェンティア・モーヴェマーレ(ポン子2 Ver.4・f00299)が、獣除けの柵を前に眉根を寄せる。
「ええ、私たちの手で補強しておきましょう。追い返すには至らなくても、長く多く足止めができればそれだけこちらが有利になるもの」
「合点ですヨ!」
 元気よく額に手をかざすリヴェンティアの肩で、任せたまえと言わんばかりに一匹のハムスターが鳴き声を上げる。愛らしい一人と一匹の姿に小さく笑って、エリスは荷車に積み込んだ杭を早速手に取った。
 オブリビオンの襲撃は夕暮れ時との予知だ、焦る必要はない。だが、急ぐ必要がないかと言われればそんなことはない。早めに作業を終わらせ、余裕を作ることができた方が安心なのは確かだし、それに何より。
「エリスさんエリスさん! 作業の後はキャベツ料理がいただけるそうですケド、エリスさんはどんなのがお好きデス? 私はごま油とお塩で食べるキャベツが大好きで……!」
 目を輝かせ、そんな風に猟兵仲間に話しかけつつも、リヴェンティアの手が止まることはない。決して食べ物のことばかりを考えてここに来たわけではないという確かな証左だ。
「サラダみたいで美味しそうね。私は……そうね、調理の方もお手伝いするつもり。他の野菜と一緒にお鍋に入れて、じっくりことこと煮込んで……」
「ああぁ、いいデスねぇ……! ポトフとかロールキャベツとか、煮込んでトロトロの葉っぱが甘くって……」
「ふふ、もうお腹が空いてきそう」
「美味しいキャベツのためにも、まだまだ頑張らないとデス! あっ、勿論カラくんの分も!」
 まるで見張り役のように伸び上がって南の方を見つめていたハムスターが、リヴェンティアの最後の一言にやはり返事をするように短く鳴いた。

 さて、もう少し北の畝では、【つどいば】の猟兵三人がそれぞれ袖をまくっていた。
「キャベツがいっぱいですなー」
 直球な感想を呟くのは、篠崎・伊織(鬼太鼓・f03066)。彼女の若草色の髪を揺らした風の音の中に、榎本・彗樹(野菜生活・f02798)の低い声が微かに溶けた。
「……大地の恵みを荒らされるわけにはいかない」
「……もしかして農家の血が騒いでる?」
 首を傾げる妹分と、やはり真顔のままキャベツの前に屈み込む弟の横顔を見比べるようにして、榎本・千景(幾千の景色・f02689)が小さく笑う。
「さて、どう調理しようか。運びながら考えとくから、二人はそっち宜しくな!」
 頷きが、元気な返事がそれぞれに返れば、そこからはもう作業の時間だ。収穫用の包丁を手に取りながら、伊織はこの後のお楽しみに想いを馳せる。
「ちかさんの料理美味しいんだよねぇ……」
 何を隠そう千景はお食事処の店主だ。豊かな自然の中から生み出されてきた数々の美味を思い出せば、今回への期待も高まり続けて留まるところを知らないというもの。
 だが、伊織のそんなうっとりとした声も、隣の彗樹には聞こえていないらしい。
「キャベツはアブラナ科アブラナ属の……」
「すいさん? 何か言ったかい?」
「……いや、なんでもない。…作業しよう」
 ゆるりと首を横に振り、彗樹はキャベツの外側を取り巻く葉を広げる。そのまま球状に巻いたキャベツを傾け、根元の芯に包丁を添えて切り取れば、ごろんと心地良い重みが彗樹の手の中に転がった。
「……これで、採れる。……ん、良い形のキャベツだ」
「おおー……よーし、うちも! うちもいっぱい採る!!」
 元気のいい宣言は、そう時間が経ち過ぎないうちにしっかりと果たされた。彗樹と伊織の収穫したキャベツの山を前に、千景は腕が鳴ると言わんばかりの笑みを浮かべる。
「……兄貴、調理頼んだ」
「勿論」
 弟の言葉に頷いて、千景はまず一玉のキャベツを手に取った。鮮やかな色といい、ふんわりと固すぎない巻きといい、味見するまでもなく良い春キャベツだということが彼にはわかる。恐らくは、彼の弟にも。
「そうだな……うん、やっぱりこうだ」
 鍋に水を張り、四等分したキャベツを入れて火の上へ。ぴんと張っていた葉が次第に柔らかくしなってきたら、コンソメスープと塩胡椒を足して味を調えて。
「……よし、完成!」
「えっ簡単」
「シンプルイズベストだよ」
 笑って深鉢にキャベツの丸ごとスープをよそいつけ、千景は料理人らしく胸を張る。
「……さあ、召し上がれ!」
「いただきますっ!」
「……いただきます」
 湯気立つスープはごくシンプルな味付けだからこそ、溶け出したキャベツの優しい甘みがより濃厚に感じられる。舌全体でそれを楽しむようにスープを口に含み、待ちきれないとばかりに飲み下して、伊織は歓喜に満ちた唸りを零した。
「おかわりっ!」
「……早いな」
 彗樹のごく短いツッコミもなんのその、早速のおかわりにやっぱり勢いよく口を付ける伊織に、千景は慈しむような笑みを向けた。
「まだまだあるからな、好きなだけどうぞ、だ」
 そんな微笑ましい光景を少し離れたかまどの前からちらと見て、アグニカ・プロメテウス(原初の聖焔・f16796)は炒め物を手伝う手は止めないままふと呟く。
「あー、ああいうのも美味しいんだよな。俺は寸胴鍋に丸々一玉入れて、隙間に鮭缶なんか入れるのも好き」
「……えらく庶民的だな」
 隣でラグーを煮込みながら彼に話しかけるでもなく呟いたノワール・コルネイユ(Le Chasseur・f11323)に、アグニカはただ悪戯っぽく笑って人差し指を立ててみせる。
「いいだろ、庶民派料理。お前のそれだって大人数向けだろ?」
「まあ、そうだな……おいガキ共、つまみ食いは厳禁だ」
 隙あらば近寄ってきて配膳前の皿に手を出そうとする子供たちに、ノワールはすかさずじろりと赤い目を向ける。泣くでも怯えるでもなくきゃあっと声を上げて退散していく小さな背中に、更に彼女はこうも言葉を投げかけた。
「あと食事の前に間食もするな。昼飯が入らなくなるぞ。それと食べる前にはきちんと手を拭えよ」
「最後の方、聞こえてたのかねあれ」
 苦笑するアグニカの声も、どこか優しい。彼の故郷に比べれば随分と陰鬱な世界だが――それでも、笑って駆けていく子らがいる。懸命に生きる人々がいる。ならばそれを助けてやりたいと願うのは、神の一柱である彼にとってもきっと自然なことなのだろう。
 もっともそんなことなど露知らぬ村人たちは、アグニカのことをも単なる旅の若者と見ているわけで。
「ほらほらお兄さん、手がお留守だよ! それじゃあ野菜が焦げ付きやしないかね」
「おおっと。火加減ならなんとかなるから任せなって」
 村のご婦人の指導にもあくまでにっと笑うに留めて、火の神は再びフライパンを握る手に力を込めた。
「此方は出来上がった。向こうのテーブルでいいのか?」
「あいよ。お嬢ちゃんも、ひと段落付いたらちゃんと食べていくんだよ」
「どうも」
 村人とできる限り積極的に言葉を交わしつつ、そう言えば、とノワールは静かに瞬く。すっかり料理にばかり意識を向けていたが、この後に控える戦闘の準備は――。
「……ああ、大丈夫そうか」
 早いうちに資材を荷車に積んでそちらの対処に向かった猟兵たちの姿をテーブルに認め、彼女は表情を微かに和らげた。彼らが戻っているということは、つまりそういうことだろう。

「ふはー……重労働だったっスね、センセ……」
「いやあ、しかし本番はこれからだよ」
「勿論っス。センセ、手を貸してくれるンスよね?」
 既にキャベツ運びでお疲れ気味の小日向・いすゞ(妖狐の陰陽師・f09058)とオブシダン・ソード(黒耀石の剣・f00250)は、そうして視線を交わすとどちらからともなく立ち上がる。向かった先は、言うまでもなく村の広場に設えられた調理場だ。調理台にキャベツをごろごろと転がしつつ、いすゞは何気ない調子でオブシダンへと話しかける。
「センセは斬るのって得意っスすよねェ。あっしはこう見えて煮込むのが得意なんスよ!」
「僕の器物なら野菜くらい余裕で一刀両断のざく切りだよ」
 黒曜石の剣を『本体』とするヤドリガミなればこそ、オブシダンの答えは明快だ。
「……でもこの間これでドクターオロチとか斬ったからなぁ……」
 その後ろにくっ付けられた呟きも、『己自身』を得物とするゆえの悩みと言うべきか。
「まあ洗えば平気っスよ、大概の事は洗えば平気っス」
「え、いける? いけるかなぁ?」
 毒とか持ってそうな敵と言った直後に放たれたなんとも楽観的な発言に、思わず二度聞きするオブシダン。しばし本体を握り締め、フードの下で考え込んだ後、ややあって彼は小ぶりなキャベツを一玉手に取った。
「まぁ君が火を通すんだし大丈夫だよね、多分」
 ざくり、鮮やかな音を立ててキャベツの玉が半分に割れる。ざくりと鳴ればもう半分。葉と芯とが断ち割られる音とまな板に刃が触れる音が、交互に軽快に鳴り響く。
 その様子をひとまず見守りながら、いすゞは悪戯っぽく感想を述べた。
「キャベツ運んでたときとは大違いの手際っスね」
「君も人のことは言えないでしょ。管狐くんのヘルプも断られたし」
「こんな小さな子にさせようとすることじゃないって言ったっスー」
 先刻、まさにオブシダンがその管狐にヘルプを要請したときと同じように笑って、いすゞはスープ鍋にキャベツを投入していく。
「ところで煮込むのが得意って、見てるだけじゃないの?」
「何言ってるっスか、この繊細なお玉捌きを見るっス。混ぜないと焦げるンスよ。まあ時々で良いっスけど」
「ふぅん……」
 向けられた疑惑の眼差しを鼻歌で流して、宣言通りにいすゞは鍋の中身をかき混ぜる。鍋から次のいい匂いが立ち始めるまで、もう少し。
「うむ、どうやらおすそ分けも貰えるようだな」
 先程まで豪快にキャベツを薙ぎ刈っていた愛斧を肩に担いだまま、テオ・イェラキ(雄々しき蛮族・f00426)はぐるりと周囲を見渡した。既に調理場やテーブルについている者がいることもあり、広場は食欲をそそる匂いに満ちている。
「切り取ったばかりのキャベツもいい葉の香りがしていたけれど、出来立てのお料理の匂いも素晴らしいですわね」
 夫同様にキャベツの収穫に使っていた大剣の鞘を労るように撫でて、オリオ・イェラキ(緋鷹の星夜・f00428)がそう微笑む。村人に勧められるまま塩キャベツをつまんで、まあ、と彼女は片手を頬に添えた。
「成る程これが塩キャベツ……確かに手が止まりませんわ」
「おや、そんなにか。俺も貰っても?」
「ええ、勿論」
 手ずからテオに塩キャベツを差し出し、彼がそれを噛み締めるのをしばらく愛おしげに見守ったあと、ややあってオリオは一つの包みを夫に見せた。
「そう、テオ。わたくしまた肉を持って来ましたの。ミンチにして是非、ロールキャベツを」
「リクエストを受けてしまったな。ならば鹿肉も加えて作ろうか」
「ええ、わたくしお手伝いしますわ」
 牛肉と鹿肉を合わせて細かく刻み、みじん切りの野菜を足して捏ね上げたら、それを柔らかなキャベツの葉でしっかり包んでスープの鍋へ。じっくり煮込む時間も、語らいを添えればきっとあっという間だ。そうして鍋の蓋を開ければ、素晴らしい匂いがまたひとつ。塩胡椒で軽く最後の仕上げを施して、テオは満足そうに頷き、お玉を手に取った。傍らに寄り添うオリオが、そこへすかさず皿を差し出して。
「さあ、どうぞ召し上がって。夫の手料理は絶品ですのよ」
 自慢気にロールキャベツを村人や他の猟兵に振る舞って回りつつ、きっとその中の誰よりも多くを食べてくれている妻の笑顔が何より愛しくて幸せで、テオは自らもロールキャベツに手を付けた。柔らかな葉の層を噛み破れば、熱々の濃い肉汁が溢れ出し、甘いキャベツのスープと混じり合いながら口中を満たす。
「……うん、美味い」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『スレイヴ・スクイーザー』

POW   :    テンタクル・スクイーズ
【美味なる極上 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【おぞましくのたうつ肉色の触手】から、高命中力の【感情を吸収する数十本の触腕】を飛ばす。
SPD   :    スラッジ・スキャッター
【全方位に汚濁した粘毒液 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    ブレインウォッシュ・ジャグリング
【幹触手の先端 】から【暗示誘導波】を放ち、【洗脳】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:小日向 マキナ

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 温かな湯気と笑顔に満ちた昼が過ぎ、春先の空気が少しずつ冷えていく。
 手を振り、それぞれの家に戻っていく村人たちを背に、猟兵たちは南の畑へと再び向かった。収穫の終わった畝の向こう側から、程なくして彼らはやって来るだろう。
 ――ふと、空が一層暗くなった気がした。何かを掻き鳴らし、打ち鳴らす奇怪な音が遠く微かに聞こえる。
 身構えた猟兵達の視界に、ひどく冒涜的な姿の『楽団』が現れた。
エリス・シルフィード
これは随分と悪趣味な姿をした奴ね。
悪いけど、あなたの様なオブリビオンに、ヴェルディ村の名産品を踏み荒らさせるわけにも、村人達を傷つかせる訳にはいかないわ。
仲間との連携・声掛けOK。
強化した柵を初めとした地形を使って暗示誘導波に皆が引っかからない様に後方から指示を出すわ。
この村を、村人達を守りたい気持ちは皆同じ。
だから私は、ライラを弾きながら(楽器演奏)、祈りと優しさを籠めた歌を歌うの。
もし誰かが洗脳されそうになっても、私の歌でオブリビオンを倒して村を守るという共通の想いを共有して洗脳を解いたり、皆の傷を癒したりするわ。
私自身への攻撃は、周囲の地形を利用して見切り、オーラ防御で抑え込むわね。


アグニカ・プロメテウス
いや、幾らなんでもアレは無いだろ。創造主のセンス疑うぞ。
それともアレか。趣味か。……俺が知る必要は全く無いけどさ!!

そういえば獣避けとかあるって言ってたな。
【高速詠唱】した【生まれ出る始源の焔】で使えそうな無機物を一時的に焔に変換。
炎の【属性攻撃】に【呪詛】【毒使い】【マヒ攻撃】も乗せた火傷狙いだ。
洗脳波が幹触手から出てるんなら先に【スナイパー】で部位狙いする感じで焼いちまえ。
味方も可能な限り【援護射撃】する感じで行くぜ。

「見てる普通の人間が居なきゃ構わず出来んな」
「……神様が洗脳されるとか不味いし」
※アドリブ連携可


リーヴァルディ・カーライル
…ん。精神を揺さぶる攻撃をしてくる…か。
防ぐ手段がある以上、手を打たないのは甘え…。
…気は進まないけど…ね。

事前に防具を改造して対毒性を付与し、自身に“誘惑の呪詛”を使用
『オブリビオンとの戦闘』…その一点に精神を集中する事で、
機械のような戦闘思考を行い、暗示や洗脳を無効化

両目に魔力を溜め強化した暗視で行動を見切り、
怪力を瞬発力に変え敵陣に突撃
他の猟兵と連携し【吸血鬼狩りの業・乱舞の型】を発動

生命力を吸収する大鎌を変化させた双剣を振るい、
傷口を抉る無数の魔刃の連撃で敵陣をなぎ払う
第六感が殺気を感じたら双剣のカウンターで迎撃

…対象名『スレイヴ・スクイーザー』
戦闘評価:D、脅威度:B、排除開始…。


ニコリネ・ユーリカ
帷さん(f00445)と。

きゃー、ぬるぬるして気持ち悪いわねぇ!
ここは【エレメンタル・ファンタジア】で「高熱のスコール」を降らせて、触手のヌメリを取っちゃいましょ。
うなぎや納豆のぬるぬる、水溶性のムチンは熱湯でスルッと……
あぁ集中してないと直ぐに暴走しちゃうのあっつーい!!

帳さんが車輪で守ってくれる間に私がヌメリを取って、
ヌメリが取れたら帳さんが拘束具を掛ける連携プレー。
手を繋ぐの得意だもの、ここぞという時こそキメてみせる。
毒液が封じられたら、二人一緒に攻勢に転じるわよー! ウラー!
シャッター棒を振り回してブン殴っちゃう。

ああああああ!! あああああ!!

洗脳? 多分されてない。
いつもの私です!


枢囹院・帷
ニコリネ(f02123)と。

不味いな。
あの全方位に放たれる毒液、畑を痛めてしまう。
直ぐにも【咎力封じ】で封じたい処だが、触手の粘液が邪魔だ。
ニコリネがあのヌルヌルを取ってくれる迄は、
車輪『Nightmare Wheel』を高速回転させ、盾の様に使って防禦に徹しよう。

粘度が弱まったら、触手ごと捕縛に掛かる。
穢らわしい触手に手枷を、忌わしい口に猿轡を。
元々鎖で縛られているんだ、縄も足してやろう。
罪の十字を背負って現れた貴様に似合いの姿だ。
棘の冠はないが、荊(痛撃)はたっぷりとくれてやる。

土が汚染される心配がなくなれば、車輪を投擲する。
毎年春の恵みを育む土地に汚らしく踏み入った罪、聢と償わせてやる。


テオ・イェラキ
オリオ(f00428)と参加

貴様らが『疫病楽団』か
気色の悪いもんを嫁に見せやがって
早々と処理しなければな

妻の援護を受けながら敵陣に飛び込み、『風纏う激情の舞(ブレイクダンス)』を使用する
散れぇええい!

出来れば後方に居て欲しかったが、勇敢な妻は共に前へと出るらしい
しかしながら、こんな気色の悪いもので嫁を汚すわけにはいくまい
SPDやWIZの攻撃に対して、オリオを『かばう』
粘液まみれになるのも気持ち悪いが、妻を汚すよりかは数倍マシだろう
洗脳に対しては、気を強くもつしかあるまい
妻の声援で少しでも我に返ったなら、頭をはっきりさせるために自分で自分を殴ろう

すまない……心配をかけたな


オリオ・イェラキ
テオ【f00426】と供に

まぁ。何て汚らわしい
あれを楽団と名乗る事すら許しませんわ
テオ、護って下さるの?…嬉しい
でもわたくしとて、夫を穢れから護りたいの
夫婦は共に

メテオリオの花嵐で夫の援護を致しましょう
触手などと言う悍ましいものは切り刻んで差し上げますわ
さぁテオ、その隙に本体を刈り取って

夫に粘液やら精神を乱すものやら…なんて度し難い
テオ、貴方は誇り高き部族の戦士。わたくしの気高き鷹
負けてはなりませんわと鼓舞し気付を
其の儘暗がりを迷彩に敵の元へ突き進む
大剣を振りかざし誘導波を放つ幹触手の先端ごと瞬く星で斬り倒しますわ

確実に獲物を仕留め、夫の傍へ
いいえ。…わたくしは貴方の夜空
これ位当然の支えですわ


小日向・いすゞ
おぶしだんセンセ/f00250と
さてセンセ、残りのご飯は後っスね
アレで音楽だって言うのはちょっと音楽性が違いすぎるっスよー

あっしは前に出るのは得意じゃないっスから
後ろは任せるっスよォ!

普段からそういうの斬ってるヤツでキャベツ切ったンスか?
大体の事は洗えば何とか…
食べる側の心情としてはまあまあ最悪っスよね
しぇふ失格じゃないっスか?

身軽に跳ねて、尾で攻撃を捌いたり
杖笛で殴りかかって攻撃を止めたり
符を念動力で飛ばして防御したり
相剋符で向かい来る敵の攻撃を相殺っスよ
必要ならばセンセ以外の人も庇うっス

さあさ、センセ
派手に燃やしちゃって下さいっス!
音楽性の違いで胴体と触手を解散っスよ!

うーん
音楽性次第っス


オブシダン・ソード
いすゞ(f09058)と同行

うわー、なにあれ。気持ちわるい上にうるさいとか…
何とか言ってあげてよいすゞ
ええ、僕が前? しょうがないなぁ

器物の剣を手に前衛として戦闘
一応僕も剣士の端くれ、気色悪い触手はすぱすぱ斬って応戦しようね
はいはい、キャベツの方がまだ斬り甲斐があったよ
…大丈夫だよ、大体の事は洗えば何とかなる

シェフじゃないって。斬って焼くけど

敵からのある程度の攻撃はいすゞに任せる。いやあ、守ってもらうのは楽で良い。頼りにしているよ
適度に切り込めたら左手からのウィザードミサイルで攻撃を
触手と一緒に胴体部分もきっちり焼いてあげたい

まだまだ来そうだけど、前衛交代するかい?
音楽性って難しいね



 現れたオブリビオンの群れの冒涜的な姿を前に、猟兵たちの多くは不快感を隠さなかった。
「いや、幾らなんでもアレは無いだろ。創造主のセンス疑うぞ」
 それともアレか。趣味か。趣味なのか。知る必要は全くないけれど!!
 呆れ半分、怒り半分といった調子で吐き捨て、愛杖を閃かせるアグニカの後ろで、リーヴァルディが自身の瞼を指先で撫でた。
「……対象名『スレイヴ・スクイーザー』。戦闘評価:D、脅威度:B、排除開始……」
 呟きが漏れ、閉ざされた瞼が開かれる。そこから覗いた紫は、今ではどこか機械じみた冷たい光を宿していた。
 少女の足が土を蹴り割り、そのまま敵の只中へと風のように駆けていく。一歩、二歩、彼女が踏み出すたびに、振るわれた双剣から無数の魔刃が放たれ、乱れ躍る。
「合わせるよ」
 空を切ったアグニカの杖先が、微かな光の尾を引いた。ぱちり、それが弾けたのを合図に、獣除けの古い柵が『生命の焔』と化して燃え上がり、夕闇を赤々と照らし出す!
 火神の呪いを存分に含んだ炎に焼かれ、冒され、スレイヴ・スクイーザーたちは苦悶の唸りを上げながら粘液まみれの触手を振り回す。あちらこちらへ見境なく放たれる粘液の悪臭に、ニコリネはたまらず首を振った。
「きゃー、ぬるぬるして気持ち悪いわねぇ!」
 こんなものは人にも畑にも毒以外の何物でもない。むっと顔をしかめたニコリネは、それならと天に向かって手をかざし、精霊に呼びかける。
 だが、敵もその動きに気付いたのだろう。させないとばかりにニコリネに向けられた触手が、不気味に震える。そしてそこから放たれたのは――毒液ではない!
 精神を揺さぶる強烈な洗脳波に集中を乱されれば、制御の難しいエレメンタル・ファンタジアはたちまち術者の手を振りほどいてしまう。敵群に今にも降り注がせようとしていた魔法に自らの肌を逆に焼かれて、ニコリネは悲鳴を上げた。
「あっつーい!!」
「焦るな、集中だ。私が守る」
 言うと同時に帷の放った車輪が、さながら騎士の構えた盾のように敵味方の間に割って入る。高速で回転し続けるそれは、もはや帷の守るべき者のもとまでいかなる攻撃も通さないと言わんばかりで。
 ええ、と頷いたニコリネが、今度こそ高熱のスコールを生み出し、忌むべき敵の頭上で解き放つ。滝のように降り注ぐ熱湯に打たれた触手が、だらりと垂れて土を擦った。
「大丈夫だった? 治療は任せて!」
 二人の後ろに翼を広げてふわりと降り立ち、エリスがライラを爪弾き始める。弦の音に乗せ、祈りと優しさを込めて織り上げる声が歌うのは、この場の猟兵であればきっと誰もが抱えた想い。即ち眼前の敵を討ち、村を守り抜くという誓い。広がり響く歌声が猟兵たちの肉体を温かく癒し、その背を力強く押していく。
 エリスの歌声に聴き入るように表情を緩め、大きな耳を心地良さげに数度震わせて、いすゞはちらりとオブリビオンが触手で抱えた異形の楽器に視線をやった。なおも猟兵たちの声を、そしていずれは鼓動すらも掻き消そうとばかりに奇怪な音を立て、存在を主張してくるそれは、いかにもこちらの精神衛生によろしくない。
「アレで音楽だって言うのはちょっと音楽性が違いすぎるっスよー」
「気持ちわるい上にうるさいとか……もっと言ってあげてよいすゞ」
 やれやれと後ろを振り返り、オブシダンは軽く焚きつけるように口元で笑う。けれどそれも一瞬のこと、次の瞬間彼はひらりと姿勢を反転させて。
「ふっ――」
 横一文字に振り抜かれた黒曜石の刃が、うねる触手を斬り飛ばす。鮮やかな一閃に喝采を送ろうとしかけたいすゞの首が、ふと傾いだ。
「……普段からそういうの斬ってるヤツでキャベツ切ったンスか?」
「はいはい、キャベツの方がまだ斬り甲斐があったよ」
 大体の事は洗えば何とかなる。それは確かに、先刻いすゞの方から口にした言葉だ。だが、実際に『そういうの』を斬っているところを目の当たりにすると、やはりこみ上げる感情はあるわけで。
「しぇふ失格じゃないっスか?」
「シェフじゃないって。斬って焼くけど」
 丁々発止のやり取りは、闇深い戦場の空気から重苦しさを吹き払っていく春風のよう。そして戦場を駆ける風は、オブシダンたちのそれひとつでは決してない。
「散れぇええい!」
 彼らが軽やかな春風ならば、テオの怒号と無数の蹴りはさながら季節を染め変える春の暴風。彼の飛び込む道を開くべく、オリオもまた自身の得物に力を込めた。
「さぁ……お往きなさい、わたくしの星達」
 一振りの剣は、そうして無数の花弁へと変わり、もうひとつの嵐となってスレイヴ・スクイーザーの群れに襲い掛かる。ベルベットにも似た艶やかな黒薔薇は、けれど同時に鋭利な刃だ。触手を切り落とされ、丸裸になった敵の胴に、すかさずテオの蹴撃がめり込んだ。
 吹き飛ぶスレイヴ・スクイーザーが土に叩きつけられるよりも早くリーヴァルディが踏み込み、双剣を突き立ててその息の根を止める。ぐずりと崩れて闇と散る敵をそれ以上視界に収めることもなく、リーヴァルディは身を翻して次の敵へと刃を向けた。淡々と、容赦なく、魔刃は魔物を正確に裂いていく。
 アグニカの神炎が、ニコリネの熱雨が、敵の纏う粘液を或いは焼き飛ばし、或いは洗い流してその力を削ぐ。ニコリネの目がこちらを見たのに一度力強く頷いて、帷はその白い手を一閃させた。
「元々鎖で縛られているんだ、縄も足してやろう。罪の十字を背負って現れた貴様に似合いの姿だ」
 棘の冠はないが、痛みの荊はたっぷりと。裁きの連撃として放たれた手枷が、猿轡が、そして縄が、醜悪な敵の全身を絡め取って更に自由を奪う。がらりと空いた敵の急所にすかさず痛撃を見舞おうとして、つとテオは視線を横手に走らせた。未だ動ける敵の一体が愛する妻に触手を向けているのに気付き、迷わずテオは身体を反転させる。
「そちらは任せる!」
 応えた声が、そして閃いた武器の軌跡が誰のものなのかはもはや彼の感覚の外側だ。不気味に軟らかい触手を素手で引き掴み、オリオを庇って至近距離で洗脳波を引き受けたテオの頭蓋の内側で、その意識が痛みを伴ってぐにゃりと揺れた。
 いけない、と思ったときにはオリオの手と唇は動いていた。花弁の嵐から美しき刃へとその姿を戻した剣を振り上げながら、彼女は力一杯夫へ叫ぶ。
「テオ、貴方は誇り高き部族の戦士。わたくしの気高き鷹。負けてはなりませんわ!」
 なおも揺らめく触手を、斬り飛ばすと言うよりはむしろ剣身で殴り飛ばすように振り払い、オリオはふらつくテオの瞳をまっすぐに見据える。短い沈黙――そして、ひとつ瞬いたテオは無骨な拳を握り締めた。それが向かった先は、彼自身の頭。忌まわしい催眠を打ち砕くように自らの頭を強く殴りつけて、テオは僅かに瞳の色を和らげた。
「すまない……心配をかけたな」
「いいえ。……わたくしは貴方の夜空。これくらい当然の支えですわ」
 ここからは隣で、共に。夜空を思わせる剣を上段に構える妻の凛々しい横顔に、一瞬葛藤にも似た表情を見せて、けれどテオはすぐに妻と同じ方向へと視線を向け、構える。
「……ああ。往こう」
 二体、四体、八体。波のように押し寄せるオブリビオンの群れを、猟兵たちの怒涛の攻撃が次々に薙ぎ払い、打ち倒す。後方から触手の動きを見据え、攻撃の飛ぶ方向へ声を張り上げていたエリスもまた、そのことを実感していた。
「かなり減ってきたわね……」
 恐らくは、そろそろ。いつ敵の変貌が始まってもいいようより注意深く戦場を見つめながら、彼女は再び弦に指を添える。歌い上げる祈りが、希望が、しるべとなる。それはきっと単なる比喩ではなく――常に万全に近い態勢を目指せればこそ、戦いはより猟兵優位になる。
「だーいぶ皆サンでやっつけてきたと思うンスけど、どっスか……ね!」
 ひらりと触手を跳び越え、放たれた暗示誘導波を尻尾でばさりと打ち払いながら、いすゞは手の甲で鼻の頭を拭う。彼女の実力であればそう大量に汗をかくような相手でもないが、いかんせんここまでの数が多かった。ましていすゞは、戦場を身軽に跳ね回ってはあちらの触手を杖笛で止め、そちらの粘液を符で撃ち落とし、縦横無尽に味方を守り抜いてきたのだ。
「まだまだ来そうだけど、前衛交代するかい?」
「いーえ、まだまだ余裕っス! さあさ、センセ。派手に燃やしちゃって下さいっス! 音楽性の違いで胴体と触手を解散っスよ!」
 にっと笑ってそう返したいすゞの声に、それならとオブシダンは剣先を下げ、左手を正面に突き出した。彼女が守ってくれる今、オブシダンの成すべきことは決まっている。――焼いて、斬るのだ。
 唇が浅く、淡く、詠唱を紡ぐ。やがて編み上げられた百をも超える炎の矢が、刹那、一斉に煌いて。
 そして、黒曜の刀身がてらりと赤く光を返した。光と熱の驟雨に打たれ、貫かれ。じゅうじゅうと音を立てて、スレイヴ・スクイーザーたちの肉が焼け溶けていく。焼かれながら、溶かされながら、それでも今にも蒸発させられようとする触手と指とで、なおもオブリビオンは狂ったように楽器を鳴らす。
「音が……変わったわ!」
 最初に声を上げたのはエリスだった。他の猟兵たちもほぼ同時に、或いは一瞬遅れてその意味を理解し、それぞれに身構える。
 聴く者の脳髄を捻じ切るような歪んだ音色が鳴り響き、溶けかけたスレイヴ・スクイーザーの輪郭がぐずりと形を崩していく。
 やがて音楽とも呼べない異音が鳴り止んだとき、猟兵たちの前に立っていたのは、陰鬱な表情でこちらを見上げる少女型のオブリビオンの集団だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『残影』

POW   :    怨恨の炎
レベル×1個の【復讐に燃える炎の魂】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
SPD   :    同化への意思
【憐憫】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【異形の肉塊】から、高命中力の【絡みつく傷だらけの手】を飛ばす。
WIZ   :    潰えた希望の果て
【悲観に満ちた絶叫】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。

イラスト:透人

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

枢囹院・帷
ニコリネ(f02123)と。

姿を変えるだけでなく、戦闘力を増すとは厄介な。
連中が奏でる異音を音楽と認める訳にはいかないが、その魔術、興味深い。
とまれここは巨大観覧車『Alem Ex Machina』から死霊騎士と死霊蛇竜を召喚し、手数を増やして対抗しよう。
私がやられては彼等は消えるから、ニコリネが生成した水のドームに匿わせて貰う。
死の淵より這い出でし者達よ、奴等にたっぷりと荊をくれてやれ。
春の歓びに溢れる村を冒瀆した咎は、苛烈な拷問によってしか償われぬ。

扨て疫病には感染源があるものだが、オブリビオンを楽団に束ねる導因は在るや否や。
この世界を更に絶望に踏み躙る者が居るなら、私は決して許さない。


ニコリネ・ユーリカ
帷さん(f00445)と。

音楽に癒されたり勇気を得たりはするけれど、
全く別種のオブリビオンに形を変えるって奇妙だわ。
この楽団、まさか「過去」ごと操作できるのかしら?

少女型オブリビオンの悲鳴ときたら、耳がおかしくなっちゃう。
負の感情に支配されないよう、【エレメンタル・ファンタジア】で防禦しましょ。
水を垂直噴射してウォーターベル現象を起こして、ドームを作るの。
水の膜が声や音を緩衝してくれるし、炎の勢いも弱めてくれる筈。
敵数が多いうちは此方が不利だから、自陣の損耗を極力減らして、
守りを固めた後は、帳さんの拷問タイム! 思いっきりやっちゃえ!

ねぇ帳さん。
この疫病楽団には楽団長(黒幕)が居るのかしらね。


エリス・シルフィード
仲間との連携・声かけOK
…嫌な音ね
そんな音だから皆疾病になってしまうのよ
私はそんな歌に屈しはしないわ
地形の利用・戦闘知識で敵に関する情報を仲間と共有。
その後は、春風のライラを弾きながら優しさと祈りを込めて歌を歌うわ
貴女の悲観に満ちた絶叫が皆を傷付けるなら
私の歌は皆に勝てると言う希望を与えて癒し続けるわ。
(この歌、少し疲れるけれども、でも皆を守るためなら歌わない理由は無いわね)
私への攻撃はオーラ防御・見切り・地形の利用で被害を最小限に
「何度でも言わせてもらうわ。貴女のその音でヴェルディ村と村人、皆が育てた大切なキャベツを初めとした緑を貴女達に汚させはしない」
可能なら歌で敵の絶叫の相殺も試みるわね


リーヴァルディ・カーライル
…対象の変異を確認。対象名『残影』
戦闘評価:C、脅威度:C、排除続行…。

自身にかけた“誘惑の呪詛”を継続し戦闘に集中
【黒炎覚醒】で自己強化した後、怪力を瞬発力に変え敵陣に突撃
その後、存在感を消した忍び足で敵を狩っていき敵陣をなぎ払う

第六感が感知した殺気を両目に魔力を溜め残像として暗視
敵の行動を見切り、生命力を吸収する大鎌の2回攻撃で傷口を抉る
敵の攻撃は武器で受け流してカウンターで迎撃し、
避けきれない攻撃は呪詛耐性でダメージを軽減する

排除確認。戦闘終了………ん。
…はぁ。だから、この術は好きになれない…。

ドロドロのベトベトになっても、お構い無しで動くんだから…。
…この汚れ、洗ったらとれる…かな?



「……嫌な音ね」
 未だ耳に残る異音の残響に眉を顰め、エリスは少女型オブリビオンの群れを睨んだ。怯えたように一歩足を引くその仕草すら、猟兵の目には白々しく映る。やはりまっすぐに敵を見つめたまま、ニコリネはふとひとつの疑問を抱いていた。
(「この楽団、まさか……」)
 音楽に癒しを、或いは勇気を得ることは、誰にでもままある経験だろう。だが、あるオブリビオンを全く別種の存在に変えてしまうなど、あまりにも奇妙な話ではないだろうか?
「自分たちの『過去』ごと操作しているというの?」
 ぽつり、零れた呟きに、傍らに立つ帷が静かに首を振った。それを肯定できる材料は、今のところどこにもない。だが、どんな術を使ってそうしているのかは、帷にとっても気になるところだ。
「……ともあれ、その異音。音楽と認めるわけにはいかないな」
 敵はなおも数に任せ、歌とも呼べぬ絶叫を重ね合わせて、猟兵たちの精神を底から揺さぶり覆そうとしている。ならば、と帷は己の操る『観覧車』をごとりと回した。その窓から溢れた冷たい霊気が、靄を固めるように形を成していく。やがて浮かび出た死霊の騎士と蛇竜との背に向けて、帷は低く言い放つ。
「死の淵より這い出でし者達よ、奴等にたっぷりと荊をくれてやれ」
 冒涜には、痛みによる贖いを。彼女の意を受けた死霊が宙を舞い、哀れっぽい目つきで叫び続ける少女の喉へと瞬時に肉薄する。召喚した死霊の制御に集中する帷を守るべく、ニコリネもまた精霊へと呼びかけた。
「こんなのいつまでも聞かされてたら、耳がおかしくなっちゃう」
 とん、と爪先が土を叩けば、それを合図に水の精霊が渦を巻く。ニコリネと帷、二人の足元から噴射された水が、たちまちドームを作ってオブリビオンの声を阻み始めた。
「……対象の変異を確認。対象名『残影』。戦闘評価:C、脅威度:C、排除続行……」
 声音を荒げるでもなく口にして、リーヴァルディは左の瞼を下ろした。そこへ指先で触れ、聖痕に力を注いで、彼女は『それ』に呼びかける。
「……今こそ我が身を喰らい顕現せよ」
 瞬間、闇の嵐が吹き荒れた。否、それは闇ではない。時をも焼く黒き炎がリーヴァルディの身体に纏いつき、彼女の生命を薪として燃え盛っているのだ。華奢な体躯からは想像もつかない力で地面を蹴れば、それはそのまま速さに変わる。黒炎のもたらす俊敏さも相まって、今の彼女はさながら一陣の黒き風のよう。眼前に迫る滅びを回避しようと、少女型オブリビオンは傷だらけの白い手を乞うように伸ばしてみせるが、それが通じるリーヴァルディではない。
 ――そして、閃いた大鎌がオブリビオンの未来を黒く閉ざした。
 仲間を失ったがためか、それとも只々猟兵たちの動揺を誘うためか、残る少女型のオブリビオンたちが喉を裂かんばかりにまた叫ぶ。だがその悲嘆に満ちた音色は、鳴り始めを残して掻き消された。彼女たちの声全てに己の歌を叩きつけ、相殺を試み続けながら、エリスは力強い目で他の猟兵たちにエールを送る。
(「貴女の悲観に満ちた絶叫が皆を傷付けるなら、私の歌は皆に勝てると言う希望を与えて癒し続けるわ」)
 歌えば歌うだけ、更には多くに向ければ向けるだけ、エリスの肉体は疲弊していく。そんなことは百も承知の上だ。全てを理解し、受け入れた上で歌い続けるからこそ、彼女の歌は真実勇気と優しさの種火として猟兵たちの心に灯る。
「そこか」
 リーヴァルディが音もなく、影のように敵群の死角へ滑り込もうとしているのを見て取って、帷は細い指先をくいと動かした。その所作ひとつに見事に応えた死霊騎士が、オブリビオンを一箇所へ追い込むように剣を振り立て、盾を掲げる。
(「まだもう少し、辛抱の時かしらね」)
 魔法で守りを固めることに注力したまま、ニコリネは頭の片隅で冷静にそう考える。全力を振り絞り尽くすには、まだもう少し敵が多い。確かめるようにちらりと隣へ目をやると、恐らくは同じ分析を導いていたのだろう、帷がごく浅く頷くのが見えた。
 死霊の剣が、牙が。或いは死の疾風と化した大鎌が。静かに密やかに、そして確かに、オブリビオンの命脈を断っていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ノワール・コルネイユ
いい加減、その耳障りな音色にもうんざりして来たところだ
そろそろ終いにしようじゃないか

数で押して来るのであれば
その悉くを斬り捨ててやるだけだ
背後は他の猟兵に任せて先陣を突っ走りユーベルコードを発動
【範囲攻撃】で纏めて薙ぎ倒す
加減が効かない大振りの技だ
巻き込まれてくれるなよ。別に心配はしちゃいないがな

風が吹けば人の命が飛ぶ。今はそんな御時世だ
だからこそ、当たり前の日常というヤツは護らねばならない
既に過ぎ去った過去であるお前達には、邪魔はさせないさ

春の芽吹きに収穫の喜びに…
本来ならなんてことのない、当たり前な人の営みだ。
その当たり前のことを当たり前に享受する…と云うのは未だ夢のまた夢、かね


オブシダン・ソード
いすゞ(f09058)と

わーお上から目線
しょうがないなあ、それならお言葉に甘えて、格好付けさせてもらうよ

ちょっとあのやかましい絶叫を止めてあげたいとか思わない?
少しでも願ってくれたなら、僕がそれに手を貸すよ
僕が君の、剣になる

器物を彼女の手へ
良いかい、相棒。君の好みのリズムで良いから、ちゃあんとかっこよく斬り付けるんだよ
そしたら僕が合わせてカッコ良く両断してあげるから
ほら頑張って、テンポ良く行こうか!

鼓舞するのは得意だからね
上手く行ったらご喝采
格好付けば管狐も良い感じに力を貸してくれるわけでしょ?
調子を上げながら敵を斬り裂いていこう

なるほどね、覚えておくよ
僕もこれくらいのリズムが丁度良い


小日向・いすゞ
おぶしだんセンセ/f00250と
あーっ
やっぱり音楽の趣味って合わないとしんどいっスよー

って事で、最後はカッコつけさせてあげるっスよ
センセ

そうっすねェ
耳障りな音を止めに行くっスよ、『相棒』

既に握り慣れつつある、彼の柄を握り締め
――守給へ幸給へ管狐
あっしと相棒をいい感じにしておくっスよ

先ほど迄とは違い攻勢に打って出るっス

へぇへぇ、解ったっすよォ
カッコつけさせてあげるって言ったっスからね

と言っても剣は普段から使い慣れているとは言えないので、相棒頼みっス
あっしは目を瞑らないように避けて、剣を振り下ろすだけっス!

上手に斬れたらにいーっと笑みを深めて
あっしはこういうりずむが好きっス、覚えておくとお得っスよ


テオ・イェラキ
オリオ(f00428)と参加

不愉快な音だ

音楽とは楽しむもの!それは踊りも同じ!
妻に以前録音してもらったBGMを流してもらい、
『大地に捧ぐ情熱の舞(リンボーダンス)』を使用する

この技は相手の攻撃をのけ反って回避し、その立ち上がる勢いを利用して攻撃するのだ
一見無意味に見える逆反りも、より深く反るほど大地のエネルギーを吸収することで攻撃の威力が上がるのだ
うぉぉおおおおおおお!リンボゥッ!

妻の声援に胸が熱くなるぜ

戦闘が終わったのならば、妻に駆け寄ろう
怪我はしていないか?
そっと確認をしながら抱き寄せる
共に村に平和が戻ったことを喜ぼう


オリオ・イェラキ
テオ【f00426】と供に

最早無差別に害を撒き散らす怨恨等憐憫に値せず
狩り尽くしましょう、今を生きる者達の為にも

流石は我が夫、音ならば音へ正々堂々と挑むのね
UDCアースで手に入れたラジカセに部族の音楽、確り録音とやらがされておりますわ
太鼓のサウンドを鳴らし夫の戦闘意欲を高めましょう
テオ、今宵の踊りも素敵ですわ

さぁわたくしも剣を取りましょう
炎や叫び…衝撃波かしら。は大剣で受け止めなぎ払い
メテオリオの花嵐を纏いながら迫り獲物達を切り刻む
花弁だけに気を取られているならもう一本の剣で仕留めますわ
おやすみなさい

テオ。…わたくしは大丈夫
貴方も無事で嬉しいの
また、美味しいキャベツが育つのを楽しみにしましょう


アグニカ・プロメテウス
形を変えるとはまぁ……
『概念』が独り歩きしていると考えれば順当かもしれねぇが、
狂気の次は悲哀をバラ撒くか。悪趣味にも程があるな。

【高速詠唱】から【天より落ちし始原の焔】。
攻撃をどうせ受けてしまうのなら受けた分だけ補えば良い。
攻撃自体は炎の【属性攻撃】に
【破魔】【マヒ攻撃】【毒使い】辺り。
焚き清めるとは言い得て妙だけどさ。せめて【祈る】か。
――お前らという苦しみの断片が繰り返されぬように、と。

もし味方のサポートが必要なら【スナイパー】を絡めた
炎の【援護射撃】で支援も一考で。

「人の苦しみを繰り返さないようにするのも神様の仕事だ」
「……まぁ、本職にしたくないし、疲れるんだけどさ」
※アドリブ・連携可


エリス・シルフィード
仲間との連携・声かけOK。
…そろそろ、終わらせるわよ(言葉と共に両目が金の瞳に)
真の姿:両目が金
此処まできたら、後は貴女達に眠ってもらうだけ。
だから、最後はせめて安らかに…(静かに祈りと優しさを籠めた歌を歌い出すと同時に、周囲に浄化の炎が現れる)。
お願い、皆、力を貸して。
あの子達の歌を浄化してヴェルディ村と村人とあの緑達を守るために。
地形の利用・戦闘知識で仲間と情報共有しつつ、UCで来てくれた聖霊達に指示を出して敵を浄化の炎で焼き払い、時には仲間達を支援するわ。
自分への攻撃はオーラ防御、見切り、地形の利用で被害を最小限にするわね。
…燃え尽きなさい、人に害毒をもたらす歌を奏でるオブリビオンは。



「いい加減、その耳障りな音色にもうんざりして来たところだ。そろそろ終いにしようじゃないか」
 言うなり地を蹴り、ノワールが駆ける。相手が数で押してくるなら、こちらはその全てをまとめて斬り捨てるのみ。――まとめて斬り捨てられるだけの実力の優位が、こちらにはある!
「巻き込まれてくれるなよ」
 猟兵仲間に向けた言葉とは裏腹に、ノワールは彼ら彼女らのことなどまるで心配していない。その淡々とした声音は決して傲慢でも無関心でもなく、信頼からくるものだ。そして恐らくは、それを耳にした猟兵たちも、そのことに気付いている。
「さて……狩人の本領発揮と行こうか」
 荒く、鋭く、悪夢のように。駆け抜けながらの無数の剣閃に、 またひとつオブリビオンの屍が霧消する。それを憐れむ風でもなく一瞥して、オリオは短い息をついた。――あのような無差別に誰もに害を成す手合いなど、情を抱いてやるにも値しない。
「狩り尽くしましょう、今を生きる者達の為にも」
 殆ど衝撃波と言っていい重さの叫び声を大剣の腹で受け止め、そのまま振り払うように刃を一閃させて、オリオはテオの方へ視線を向ける。既に彼が体勢を整え切っていることを確かめて、オリオはこことは異なる世界から持ち込んだラジカセのスイッチを入れた。途端にスピーカーから大音量で流れ出すのは、勇壮にして豪快な部族のリズム。よし、と口元で大きく笑ったテオが、その律動に合わせて上半身を反らした。天を向いた鼻より随分上を、オブリビオンの一撃が瞬間通過していく。
「あんなにのけ反って大丈夫なのかしら?」
「……いや、違う。大地の気を受けているんだ!」
 一見隙だらけに見えるテオの回避は、その実攻撃に転じる為の予備動作と一体だ。ほぼ一目でそれを見抜いたアグニカの言葉に一度は驚きの表情を見せたエリスも、すぐにテオを取り巻くエネルギーの流れを感じ取ってなるほどと頷く。
「うぉぉおおおおおおお! リンボゥッ!」
 しなやかな鋼を思わせる筋肉が跳ね上がる。大地の力を存分に吸収し、蓄えての一撃は、オブリビオンの顎を完全に砕いて沈黙させるに十分すぎた。宙を舞う敵の残骸には目もくれず、次の敵へと立ち向かうテオに、オリオはうっとりと微笑んで。
「テオ、今宵の踊りも素敵ですわ」
 無論、彼女とて夫の奮戦ぶりにただ見惚れているばかりではない。構えれば盾、振るえば刃、そして魔力を込めれば花の嵐。自在にそのありようと役目を変える愛剣を操り、オリオもまたテオに負けぬ勢いでオブリビオンの群れを薙ぎ払っていく。
「こちらがお留守ですわよ? ……さあ、おやすみなさい」
 黒く煌く花の嵐に目を奪われ、それを振り払おうと髪を振り乱す少女の下半身をひと薙ぎに斬り払い、彼女は夫と背を合わせるように再び構えを取った。
「狂気の次は悲哀をバラ撒くか。悪趣味にも程があるな」
 助けを、或いは自分たちとの同化を求めるような声に頭痛を覚えたように、アグニカが指先でこめかみを押さえる。その手の落とした影の中、唇が二、三度震えるように開かれ、閉じて、密やかな詠唱が零れ出る。そしてその僅か数秒にも満たない詠唱から、無限とも思える炎が溢れて咲いた。天界の火を身に纏い、大地を踏みしめるアグニカの姿は、まさに神の威容と言って差し支えないだろう。
 自らの炎を映して一層輝く目で、アグニカはまっすぐに敵群を見つめる。悲しむような、それでいてどこか誘うような目をした少女に、そのまま彼は杖先を向けた。
「――お前らという苦しみの断片が繰り返されぬように、せめて祈ってやるよ」
 炎は邪悪を焼き、不浄を浄めるという。その炎が視界の端でも分かるほど赤々と燃え上がるのを頼もしく思いつつ、いすゞはひらりと掌を開いた。
「最後はカッコつけさせてあげるっスよ、センセ」
「わーお上から目線。しょうがないなあ、それならお言葉に甘えて、格好付けさせてもらうよ」
 心地良さげに苦笑したオブシダンが、そのままいすゞの見据える先に視線を向ける。その先には青白い炎を従え、今もなお泣き叫び続ける少女の影。
「ちょっとあのやかましい絶叫を止めてあげたいとか思わない?」
「そうっすねェ」
 無数の剣戟、天付く怒号、少女の悲鳴、精霊の唸り。あらゆる音が交差する戦場の中、不思議と互いの短い言葉がくっきりと浮かんで聞こえる。相棒、と呼ぶ声に、確かな『願い』を感じて――そうして、オブシダンは一言こう言った。
「僕が君の、剣になる」
 黒曜の刃が、白狐の手に渡る。そして、いすゞは踊り始めるかのように大きく跳んだ。
「――守給へ幸給へ管狐。あっしと相棒をいい感じにしておくっスよ」
 どこからかまろび出た管狐が、応えるようにひとつ鳴く。その声もまた、二人の聴覚にしかと届いた。
 血の匂いを含んだ風が、戦場を一瞬僅かに冷ます。冷たい風に溶かすように息を吐き出して、ノワールは熱に乾いた眼球を撫でるように一度ゆっくりと瞬いた。
 風が吹けば人の命が飛ぶ。特にこの世界の今はそんな時世だ。――だからこそ、『当たり前』の日常を守らねばと彼女は思う。
「既に過ぎ去った過去であるお前達には、邪魔はさせないさ」
 振り返り、振るい抜く。流麗に繋がれたその一連の動きに、声を上げる間もなくオブリビオンが崩れ落ちた。
「最後はせめて安らかに……」
 指を組み、静かに祈って、エリスが閉ざしていた瞳を開く。朝の訪れを思わせる金色の煌きをその双眸に宿して、彼女は聖なる精霊に歌を介して呼びかける。
(「お願い、皆、力を貸して」)
 できるならばこの歌で、あの少女たちの歌をも清めたいと。最後は安らぎのもとに眠らせてやりたいと。そう、心優しい歌い手は願う。舞い降りた光り輝く精霊が、その願いに応えるように柔らかな光を増し、白い炎でオブリビオンの輪郭を包み込んだ。
「人の苦しみを繰り返さないようにするのも神様の仕事だ」
 祈りの火に重ねるように、アグニカの清めの火もまたどこまでも明るく燃え盛る。白と赤、ふたつの炎に抱かれて次々永遠の眠りに付いていく少女たちを見ながら、焚き清めるとは言い得て妙だ、と。アグニカはふとそんなことを考えていた。
「その調子その調子。言ったろ? 僕が合わせてカッコ良く両断してあげる」
「へぇへぇ、りずむが掴めてきたっスよ。そんじゃここからも、もーっとカッコつけさせてあげるっス」
 オブシダンの言葉に頷き、とんとんとリズムを取るように爪先で土を打ちながら、いすゞは目を逸らさぬよう、瞑らぬよう、まっすぐに青白い少女を見る。ふらり、その上半身が揺らぐのが見えた。それが攻撃の前兆だと、既に彼女は心得ている。頭上で管狐の尾が揺れるのが分かった。――今だ!
 上段から振り下ろした『オブシダン』が、オブリビオンの肩口を捉える。全く抵抗を感じさせることなくすっぱりと入った刃はそのまま敵の肉体を両断し、闇に溶かした。くるりと手の中の剣を一度回して、いすゞはにんまりと笑みを浮かべる。
「これで、こっちは……!」
 振り返り、戦場のもう一端に目をやれば、テオが愛する妻を抱き寄せ、その無事を確かめているのが見えた。ならばあちらも完全に片付いたということなのだろう。誰からともなく漏れた安堵の息の音が、方々から聞こえてくる。
 守り抜いた村の人々が住まう方角を、どこか誇らしげに振り返る者。戦闘の痕跡を彼らの目には触れさせたくないと、すぐさま後片付けを始める者。互いの戦いを讃え合い、労い合う者。戦いが終わって間もないと言うのにそれぞれにまた動き出す猟兵たちの中、ふとノワールは足元に目を止める。
 畑のひと隅、誰にも踏まれずにいた土の上。そこにひとつ、小さな緑が芽吹いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月10日


挿絵イラスト