猟書家決戦~南蛮猛獣多多益善
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『ぱおぱお!! ぱおーん!!』
丸太のように太い脚がドスドスと大地を踏み鳴らす。
かの巨獣の踏み足にはポリカーボネイトの筆箱も敵うまいか、鬱蒼たる緑の茂みにハッキリと刻まれた足跡からは、凄まじい颶風が紡がれ、激しく葉音を立てた植物魔獣が次々と生え出でる。まるで魔術。
『ぱおぱおぱお!! ぱおぱおー!!』
目下、聞くものを狂わせる呪術めいた咆哮を上げるは、南蛮魔獣『木鹿大王』。
嘗て南蛮の八納洞を支配し、三万の兵を従えて蜀軍に対抗したという南蛮の王は、オブリビオンとなっては恐ろしい巨象の姿を借りて、密林の中でドスドス、蹂躙の限りを尽くそうとしている。
『ぱおっぱおっ!! ぱおおぉん!!』
鼻先に掴んでいるのは、韓信大将軍から授けられた木剣か。
ユーベルコードを使う度、間隙なく振るわれる『ユグドラシルブレイド』が、立ちはだかる敵を八つ裂きにせんと、ぶんぶん、ぶるん、勇猛な音を立てていた。
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盛名令終少 盛名終わりを令くするは少なく。
功遂竟淪亡 功遂げて竟に淪亡す。
恠底胯間志 恠しむ底ぞ胯間の志。
封王忽自忘 王に封ぜられて忽ち自ら忘る。
「西郷南洲は『題韓信出胯下圖』にて韓信の轍を踏まぬよう自戒を詠み込んだが、此度は、そうだな……大将軍自身が同じ轍を踏まぬよう、我々が戒めてやるのが良いと思う」
才子、元来多く事を過る――と。
同じく韓信の姿を見る詩を花唇になぞる枢囹院・帷(夜帷の白薔薇・f00445)。
自らは扱えぬ究極神器『封人台』を、【Q】『南蛮来往道』を発動して南蛮門を開き、何処かの世界へ飛ばしてしまおうという彼の目論見を振り返った帷は、12月27日、満月昇る時までに之を止めるべきと説明した。
「今や韓信大将軍は、嘗て『殲神封神大戦』の際に出現した南蛮門を再び人界に固定し、その奥より『南蛮仙界』の恐るべき魔獣、南蛮王達を呼び出そうとしている」
――南蛮王。
其は三国時代の末期に南蛮に勢力を築いた王達の事で、孟獲、木鹿大王、兀突骨といった豪傑が揃っている。
彼等は諸葛孔明の策略によって討伐され、南蛮門ごと封印されたと言われており、このうち兀突骨は殲神封神大戦で三皇「神農」と共に討伐されたが……あの強大な魔獣が、今度は大群となって溢れようとしている。
「兀突骨レベルの大魔獣を南蛮仙界から引きずり出し、人界を一挙に攻め落とすなど……由々しき事態だ」
無論、そんな凶行は止めなくてはならない。
自身の歴史を辱めるような事をさせてはならぬと緋瞳に湛えた光を鋭くした帷は、先ずは南蛮門周辺の守備についている、韓信配下『木鹿大王』を撃破して欲しいと願い出た。
「木鹿大王を討滅できれば、南蛮門の奥から溢れる強大な魔獣も押し返す事ができる。そうすれば、韓信大将軍自ら出てくるので、これも勢いに乗じて撃破してしまおう」
南蛮王の群れを門の向こうに押し返す。
而して人界の蹂躙を防ぐ。
それは大将軍の野望を“見た”猟兵にしか出来ない事だと確言した帷は、ぱちんと弾指するやグリモアを結んで言った。
「今回は一貫して力と力、武と武のぶつかり合いになりそうだ。――なに、得意だろう」
躯の海を潜らずして永らえた“真の強者の姿”を見せつけれやれば良い、と。
云うや忽ち溢れる光が、小気味よい嫣然を搔き消した。
夕狩こあら
オープニングをご覧下さりありがとうございます。
はじめまして、または、こんにちは。
夕狩(ユーカリ)こあらと申します。
こちらは、韓信大将軍が発動した【Q】『南蛮来往道』の成功を阻む決戦シナリオです。このシナリオを12月27日(水)までに合計20回成功すれば、究極神器『封人台』がどこか他世界のオブリビオン・フォーミュラに渡るのを阻止できます。
●戦場の情報
封神武侠界、南蛮門周辺。
植物が鬱蒼と生い茂り、歩くと毒蛇が出てきそうな熱国の密林っぽい地形です。
植物の中には植物魔獣も交じっていますが、巨樹などは高所移動に活かせます。
●シナリオ情報(三章構成です)
第一章 🌗南蛮魔獣『木鹿大王』(ボス戦)
韓信配下として神器『ユグドラシルブレイド』を使用する巨大魔獣。
踏み締めた大地から眷属である植物魔獣を生み出しながら、己の縄張りを徘徊し続け、見つけた侵入者を破壊します。
第二章 『南蛮王』を撃退せよ(冒険)
「南蛮門」の奥から「南蛮王」達の軍勢が溢れ出ようとしています。超強大な魔獣達に、人界を蹂躙させる訳にはいきません。全てを倒す必要はないので、何とかして南蛮門の奥に押し返しましょう。
第三章 韓信大将軍(ボス戦)
己の仕えるべき英傑を見出し、究極神器『封人台』に全ての人仙を封印する為に活動していたオブリビオンです。本人の戦闘能力は優秀ですが、配下に神器を与え、強大な存在にする力は並ならぬものがあります。
●リプレイ描写について
フレンドと一緒に行動する場合、お相手のお名前(ID)や【グループ名】をお書き下さい。お互いの関係や呼び方があれば、より踏み込んだ描写をさせて頂きます。
また状況によりサポートさん方のご支援を頂きながら、早期完結に努めて参ります。
以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
第1章 ボス戦
『🌗南蛮魔獣『木鹿大王』』
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POW : 魔獣合一
【大地から生み出した植物魔獣】と合体し、攻撃力を増加する【呪術咆哮】と、レベルm以内の敵を自動追尾する【毒蛇弾】と、火への耐性が高い【蔓の鎧】が使用可能になる。
SPD : 魔獣生誕
【自身が踏み締めた大地】から、戦場全体に「敵味方を識別する【超巨大な毒蛇の大群】」を放ち、ダメージと【麻痺】、解毒不可能な【猛毒】の状態異常を与える。
WIZ : 魔獣大嵐
自身が【大地を踏み締めて】いる間、レベルm半径内の対象全てに【吹き荒れる狂風と大地から生まれる植物魔獣】によるダメージか【鐘の音と共に吹き荒ぶ魔風】による治癒を与え続ける。
イラスト:政斗
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「煙草・火花」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鞍馬・景正
木鹿大王――。
木『象』大王でなく……?
いずこかの宮廷で、鹿として献じられたのがそのまま名にでもなりましたか?
わりと本気で尋ねますが、答えは無いでしょうな。
結構――象であれ、鹿であれ、切り伏せて進むのみ。
◆
迫る毒蛇弾を太刀の斬撃波で薙ぎ払いつつ、大王の方角へと距離を詰めていきましょう。
捌き切れぬ数になってくれば結界術で甲冑を強化し、装甲にて受けつつ足を止める事なく進撃します。
演義において、蜀歴戦の名将たちも翻弄したそうですが、そうと知って挑めば恐れるに足りず。
大王、この上は御自ら打って出て雌雄を決すべし。
そう挑発して、ユグドラシルブレイドを振り翳し突進してくれば此方も勝負に出ましょう。
摩利支天の真言を唱えつつ、間合に入った瞬間に【日影】にて姿を晦ましながら疾走。
陽炎の内に捕らえ、振り抜かれる刃も透過しつつ、逆にこちらの怪力込めた一閃を蔓の鎧ごと叩き切りましょう。
かつて諸葛孔明は、貴殿の獣や蛇を木獣にて破り、実を虚で打つ兵法を示されたという。
此度は陽を陰で打つ。これも兵法と存ずる。
宛で叫喚ぶような狂風が、蓬々と繁茂する艸花立木を搖すぶる――南蛮門前の密林地帯。
せめてと巨樹を風除けに、鬱蒼たる叢林を進んだ鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)は、猛風を裂いて飛び來たる毒蛇を見るや白刃一閃ッ、上頤下頤を斷ち裂くように薙ぎ払い、その白皙に血斑を受け取って言った。
「……これより大王の領域に侵入ったと」
蓋し毒蛇を恐れて藪は進めぬ。
続く咬撃は防禦式が施された藍染仏胴を頼るべしと、颶風の吹き荒れる方向へ足を進めた景正は、緑葉亂舞の向こう――植物魔獸と合体して巨きくなる邪を視認するなり、長い睫をぱちぱちと瞬いた。
「あれが、木鹿大王――。木『象』大王でなく……?」
『ぱおぱおー!!』
見た感じ、とても象だ。がっつりパオパオ言うとる。
この間にも生え出でる植物を搔き分けるようにして距離を詰めた景正は、鼻先で器用に振り回されるユグドラシルブレイドを躱しつつ、至って眞剱に……たぶん生來の眞面目さから尋ねていた。
「いずこかの宮廷で、鹿として献じられたのがそのまま名にでもなりましたか?」
『ぱおっ、ぱおーん!!』
「……ふむ」
史記の秦始皇本紀には『指鹿為馬』の記述があるが、若しか己も試されている――?
魔獸も猶も叫び続けたが、景正にはちょっと何を言っているのか分からなかった。
『ぱおぱおー!! ぱおー!!』
「結構――象であれ、鹿であれ、切り伏せて進むのみ」
間際を掠める木剱の風圧に黑髪を靡かせ、左回りに弧を描きつつ巨邪の多眼に己を映した景正は、搖れる前髪の奧、竜胆の双瞳に兆した烱光を帯と引き――勝負に出た。
「趙魏二将を退けた呪術、知りて挑めば恐れるに足りず」
『ぱおぉぉおっ!!』
「大王、この上は御自ら打って出て雌雄を決すべし」
『ぱおおー!! ぱおおー!!』
凛乎と聲を張る景正に煽られ、神器を旋回させて駆け出す木鹿大王。
巨木の如き四ツ足が大地を震わせ突進するが、挑発の成功に僅かに艶笑を浮べた景正は、その花唇に摩利支天の真言を唱えた。
「オン・マリシエイ・ソワカ――誰も我見ること能わず。虚妄の見なり」
而して結ばれるは、【|日影《ヒカゲノタチ》】――陽炎なる隱形の身。
決して捉えられぬ陽炎を纏えば、象の巨躰はそのまま樹木にぶつかり、木剱がズブリと幹に突き刺さる。
『ぱおーっ!!』
引き抜くより巨樹を斷ち割ろうと歩を進めた魔獸は、然し、この瞬間に煌いた鞍切正宗には間に合うまい。
「かつて諸葛孔明は、貴殿の獸や蛇を木獸にて破り、実を虚で打つ兵法を示されたという」
『ぱ、っ――!!』
「此度は陽を陰で打つ。これも兵法と存ずる」
一条の光を閃く鋭刃。その刀光に照る者の美しきこと恐ろしきこと。
多眼の全てが瞠目した刹那、力いっぱい振り抜かれた冱刀は鞏固な蔓鎧を斷裁するや否や、硬膚を形成する緑を赫々と染め上げ――密林中に絶叫を震わせた。
大成功
🔵🔵🔵
キノ・コバルトリュフ
マーツータケ、キノコセラピーはいかがかな?
かぐわしいキノコは香りマツタケ、味シメジ!!
美味しそうなキノコ香りはみんなを元気にさせちゃうよ!
ナメコ!?なんだか、目が血走ってるね。
キノは食べても……おいしいけど食べちゃダメだからー。
木鹿大王は己が好む環境に變えて戰うのを得意とするが、この毒蛇の跋扈する鬱蒼を好む者は、猟兵の中にも居る。
「かぐわしいキノコは香りマツタケ、味シメジ!」
樂しげに歌を口遊みつつ、輕快なリズムで草叢を搔き分ける跫音ひとつ、ふたつ。
目下に伸び出る植物魔獸をピョンピョン躱して先行する星靈「バルくん」、その可愛らしい尻尾を追って大王の庭に踏み入るキノ・コバルトリュフ(|キノコつむり《🍄🍄🍄🍄🍄》の星霊術士・f39074)は、毒など何のその。
被っているのか生えているのか判然らない頭部の笠は超絶猛毒を持ち、また歩くほど襞から零れる胞子は、巨蛇の毒牙が届くより迅くその巨体を痺れさせた。
「マーツータケ、キノコセラピーはいかがかな?」
而して藪地で斃れた毒蛇など露知らず、狂風の吹き荒れる方向へ進んだキノは、叢林の奧に過る巨影を捉えるや、可憐な花々を添えた魔導杖を水平に構えた。
「バルくん、ぐるぐる回ろ!」
石突に飾られたキノコが搖れた途端、バトントワリングのように輕快に回転した杖が星靈を促す。
杖の動きに合わせて回り出したバルくんは、尻尾の炎を烈しく燃やして【神火大嵐舞】ッ! 創世記の炎の渦を放射状に放ち、木鹿大王を強化する植物魔獸を灼き尽した――!
『ぱおー!! ぱおー!!』
刹那、焼けた胞子の匂いが一帯に広がるが、これも超絶猛毒。
木鹿大王は巨躯に痺れが回りきる前に突進するが、これをヒラリと躱した佳人は|頭《かぶり》をふるふる、
「キノは食べても……おいしいけど食べちゃダメだからー」
麻痺と猛毒に斃れるのは大王の方だと、ニッコリ|微咲《えみ》を添えるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アレクサンドラ・ヒュンディン(サポート)
人狼の力持ち×ミュータントヒーローです
普段の口調は「私、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?」、気にいったら「私、あなた、~さん、ね、よ、なの、なの?」
性格は内気で人と目を合わせるのが苦手ですが、人嫌いなわけではなく事件解決には積極的です
戦闘スタイルは力任せで、ダメージはライフで受けるタイプです
日常や冒険の場合、食べ物があるとやる気が増します
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
木鹿大王引本洞兵帶猛獸而出。
(中略)蜀兵如何抵當、往後便退。
三國演義に拠れば、木鹿大王は狂風や毒蛇を操って蜀兵を退けたそうだが、若しか相手が常人に非ざれば――埒外の存在だったら如何だろう。
「ぐぅぅぅぅ……わおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!」
目には目を、齒には齒を。而して魔獸には魔獸を。
我が身に流れる魔犬の血を沸々と煮え滾らせたアレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)は、【狂解犬現】――狂暴性を解き放って灰瞳を烱々、猛々しく吼えて叢林を疾った。
「がぅぅうっ……があぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
『ぱおぱおー!! ぱおーっ!!』
矮躯の処々に艶やかな白毛と甲殻を生やし、一陣の風となって駆けるサンディ。
これに邪獸は長い鼻を一振り、狂風を巻き起こして接近を阻むが、魔犬化した彼女は力任せに片腕で一薙ぎ!
「がぅぅぅうっ!!」
斷ち裂いた風の隙間に身を滑らせると同時、大地から蓬々と生える緑邪を蹴飛ばし、踏み拉きざま|大跳躍《フライハイ》――!
巨邪の多眼いっぱいに己を映させながら頭部へ肉薄し、蔓鎧に覆われた頭蓋へ狼獄牢爪を突き立てたッ!
「があぁぁ唖唖ぁぁぁ――っ!」
『っ、ぱおー!!』
須臾に差し入るユグドラシルブレイドを見切ったのは本能か――否、知能。
狡狼は鋭爪を沈めて鋭く硬膚を剔抉し、狂える叫喚に悲鳴を染ませるのだった。
成功
🔵🔵🔴
クリスティナ・バイエンス(サポート)
火の神の名を持つキャバリアに選ばれたサイキックキャバリア乗り
水着みたいな格好なのは、コックピットが蒸し風呂みたいに熱いから仕方なくだからね
正直キャバリアを降りての戦闘はあまり得意じゃないのよ
でもキャバリアを使っての戦いは任せてね、みんな炎で薙ぎ払ってやるわ
とはいえ、必要ないところで炎を使うつもりはないの危ないもんね
使わなくても私の〔炎神機カグツチ〕は十分強いもの
よろしくね!
邪獸が踏み締める毎に生え出でる植物魔獸は蓬々と、鬱然たる叢林を形成していく。
これほどの密林地帯ではキャバリアの機動力も落ちようか――否、炎神機カグツチには繁茂する緑邪と、その藪地に潜む毒蛇を跳ね除ける優れた火力があった。
「魔獸だろうと獸は獸、植物は植物! 炎とは相性が悪いよね」
コクピットに響く瑞々しい聲。
操縦士たるクリスティナ・バイエンス(炎のキャバリア乗り・f30044)は、我が手に握る神器と同じ形状をした実体兵器『焔ノ剣』を橫薙ぎに一閃ッ! 緑に覆われる戰場に赫灼の炎を疾らせ、植物魔獸の叫喚を溢れさす。
「毒蛇彈が來ても平気よ? 鋼鐵に毒が回るなら話は別だけど!」
『シャァァアアッ!! シギャァァアッ!!』
三國演義の記述では、諸葛亮は口や鼻から炎や煙を出す巨大な木獸兵器を作って猛獸を混亂させたと言うが、目下、赫炎と灼光を迸るカグツチが正にそれ。
哮るような狂風も火神を鎮める事は敵わず、寧ろ炎は渦を巻いて緑を侵略した。
而して炎熱は更なる獲物を求めよう。
「鼻で摑んでいるユグドラシルブレイドは、木剱だよね?」
『ぱおー!! ぱおーっ!!』
「いっけぇぇぇぇ!」
鋭い発声と共に肉薄して閃く――【秘剣炎熱夢幻斬り】ッ!
赫々と灼光を迸る切先を眞直ぐ、身ごと衝突ける勢いで吶喊した佳人は、木剱を斬り払いざま十分な耐性を持つ筈の蔓鎧を灼斷し、どぶりと溢れる鮮血を装甲に受け取るのだった。
成功
🔵🔵🔴
ロロ・ラリルレーラ
「わーおッ☆★☆★ もしゃもしゃのゾウさん、とってもカワイイ☆★ ロロのためにヘビのオトモダチまでツれてきてくれたの☆★☆」
「イッショにダンスをオドりましょ★☆ わんつーわんつー★☆★ ぱおーんぱおーん☆★☆」
追尾機能付きの毒蛇弾からは連れてきたオトモダチがデコイになってくれる。
けしかけたオトモダチが蛇に噛まれたり剣でばっさばっさとされてるうちに背後に回り込む。
あとは尻尾を掴んで楽しい楽しいびったんびったんタイム。
近くの植物魔獣も毒蛇たちも、たまにオトモダチも巻き込んであちこちに高重量の叩き付け祭り。
最後はジャイアントスイングから上空にぶん投げて、地面へ着弾の轟音を聞きながら拍手!
有一國、名烏戈國。國主兀突骨、身長丈二、不食五谷、以生蛇惡獸為飯。
三國演義には兀突骨の身丈は約280cmと記されているが、此度、蓬々と生い茂る植物群を搔き分けるようにしてやってきたロロ・ラリルレーラ(猛毒電波を送信します・f36117)の身長は516.8cm。スケールが違う。
嘗て蜀漢の兵を震撼させた南蛮巨獸も、彼女には頗る可愛く見えたろう。
「わーおッ☆★☆★ もしゃもしゃのゾウさん、とってもカワイイ☆★」
『ぱおー!! ぱおおーん!!』
「げんきイッパイ☆★☆ とってもイイネ★☆★」
逆に巨象は大いに喫驚したろう。この猟兵、デカすぎる――!
踏み拉くばかりだった木鹿大王は敵愾心を露わに、猛々しく叫ぶや毒蛇彈を撃ち出すが、毒牙を剥いて飛び掛かる蛇はロロに咬みつくより先、颯と射線に割り入った鈎爪に捕らわれる。クマタカだ。
「ロロのためにヘビのオトモダチまでツれてきてくれたの☆★☆」
『ッ、シャァァアアッ!?』
「ツバサのオトモダチとアソんでねっ★☆★」
クマタカだけでは無い。
ロロが放つ怪電波に連なる「オトモダチ」は、彼女と同じ巨躯と奇抜な色合いで毒蛇彈を引き付け、牙に喰われたり爪で引き裂いたりして密林を賑々しくする。植物魔獸を巻き込んでの大立回りだ。
『ぱおぱおー!!』
舞台が怪しげなパレードから不気味な猛獸サーカスへ變わる中、木鹿大王はロロ目掛けて突貫ッ!
ユグドラシルブレイドを振り回しながらの直進は重戰車さながらであったが、佳人はニッッッコリ嗤笑って初太刀を腹部に掠めると、切り裂かれた服より金|釦鈕《ボタン》を躍らせつつ、側面を|捺擦《なぞ》るように背後に回った!
「イッショにダンスをオドりましょ★☆」
『ぱおーっ!!』
ぎゅうっと握ったのは、蔓のように絡まった太い尻尾。
これを凄まじい怪力で持ち上げたロロは、リズムに合わせて樂しくびったんびったん!
「わんつーわんつー★☆★ ぱおーんぱおーん☆★☆」
『ぱおー!!』
「みんなもわんつー★☆★ きゃはァ☆★☆」
『ギシャァァアアアッ!!』
励起電波を受信したロロは無邪気に愉快に、毒蛇をびったん、植物魔獸をびったん。たまにオトモダチもびったん!
密林を蹂躙する勢いで巨象を振り回してブンブン、大王を覆う蔓がブチブチと千切れゆく音を愉しむと、最後に特大のグルグルびったんをブチかまし、地面を搖さぶる轟音と衝撃に拍手するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『『南蛮王』を撃退せよ』
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POW : 苛烈に攻め立て、南蛮王の軍勢を後退させる
SPD : 超強大な魔獣の僅かな隙や弱点を突く
WIZ : 計略で敵の動きを誘導する
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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『ぱおー!! ぱおぱおー!!』
狂風に運ばれた木鹿大王の斷末魔が叢林を一撫でし、植物の繁茂が止まる。
この隙に「南蛮門」――人界に固定された超次元の渦に接近した猟兵達は、南蛮仙界ごと封じられていた「南蛮王」の軍勢が、今にも溢れ出んとするのが見えたろう。
グニャグニャと色を混ぜて景色の定まらぬ渦。
そこからヌッと這い出た猛牙鋭牙は、おぞましい獸聲を哮って我先にと飛び出そうとしていた。
『がうー!! がうがうー!!』
第一洞元帥、金環三結は虎。
とっても狂暴。
『ぐあー!! ぐるぐるぁー!!』
第二洞元帥、董荼那は熊。
とっても強暴。
『ぶぉっ!! ぶるぉっ!!』
第三洞元帥、阿会喃はサイ。
とっても兇暴。
彼等は嘗て南征する諸葛亮と戰った三洞元帥で、冠に飾られた羽の数でなんとなく分かるのだが、重要なのは「全員が猛獸の姿をしている」事だろう。
若しか木鹿大王は逸早く南蛮門から出てきた狂獣だったか、封神武侠界に於いて蜀漢の南征に抗った者達は実は皆、強大な魔獸だったのかもしれない。
『ぶもー!! ぶもー!!』
『がるるるっ……がるる!!』
其を証明するように、三洞元帥を頭で押し出した王達――雄牛の朶思大王も、大獅子の鄂煥も、全て四脚の魔獸で、その強さは先に戰った木鹿大王に匹敵する。このあまりにも強力な者達が一挙に人界に解き放たれては、如何に猟兵と言えど対処のしようが無い。
嘗て南蛮の王達は猛獸を引き連れて蜀軍に対抗したが、王と猛獸が組み合わさった今、如何に戰うべきか――。
猛々しい獸聲が重なる「南蛮門」前、人界の蹂躙を防ぐべく精鋭が動き出した。
陽環・柳火(サポート)
東方妖怪のグールドライバー×戦巫女です。
普段の口調は「チンピラ(俺、てめぇ、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )」
悪い奴らはぶっ潰す。そんな感じにシンプルに考えています。
冒険等では割と力業を好みますが、護符衣装を分解して作った護符などを操作したりなどの小技も使えます。戦巫女なので、破魔・浄化系統も得意。
護符を足場にしたり、猫車を使ったり機動力もある
ユーベルコードは指定した物を使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動し他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。お触りなしのお色気までが許容範囲。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「てめぇ等が人界をぶっ潰す前にぶっ潰す。悪さはさせねぇ」
南蛮門から溢れる魔獸を止めんと、鬱蒼たる密林を搔き分けるようにして駆け付ける猫妖怪用バイク『猫車』。
烱々と光る金彩の瞳に四つ脚の邪獸を捉えた陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)は、前傾してアクセル全開! 轟ッと加速しざま、ぶわり、焔と燃え立つ妖氣を迸った。
「行くぜ、合体だ! 火力と機動力で抑え込んでやる!」
なめんじゃねえ、と花唇の端を持ち上げながら【火車合体】! 愛騎と合体して3m級のロボに変形する!
元々火車の妖怪たる柳火は、車輪と合一して能力を最大限に、凄まじい火焔を漲らせながら敵群へ吶喊した!
「四つ脚より車輪の方が速ェだろ? 人界には行かせねぇ」
『がうがうー!!』
「テメェら全員、地獄へ運んでいってやるぜ!」
『ぶもー!! ぶもーっ!!』
嘗て諸葛亮は、南蛮の王たちが連れる猛獸の群れに「口吐火燄、鼻出黑煙」――煙や火を吐く絡繰木獸を差し向けて蹴散らしたと云うが、合体・巨大化した柳火の火力と機動力はそれ以上。
ロボ火車が魔獸の鼻先を挫くように赫灼の炎を浴びせれば、南蛮王らは炎熱を嫌って其々の方向に疾り、早くも「群れ」の強みを手放すのだった。
成功
🔵🔵🔴
ユーリカ・スペクター(サポート)
バグプロトコルの調査を行う巡回AI、ユーリカ・スペクターと申します
バグプロトコルは他世界においてはオブリビオンと呼ばれる、倒すべき存在の一種と伺っております
ゆえにGGOのゲーム内外問わず、討伐にお力添え致します
この経験が、今後のクエスト運営に役立つかもしれませんし
武装はステシから確認できる物(公開設定)ならどれでも使用可能です
UCも同様ですが
迷った際は【管理者権限】の使用をお勧めします
戦況やシチュエーションに応じて選択してください
なお、以下の行為は絶対にしません
・他の猟兵に迷惑がかかる
・全年齢対象に引っ掛かる
・その他公序良俗に反する
不明点や詳細はお任せします
アドリブ、共闘もご自由にどうぞ
バグプロトコルの調査を行っている巡回AI、ユーリカ・スペクター(ドラゴンパトロール・f41790)は多忙だ。
此度、巡回以外の諸事を熟すべく南蛮門を訪れた彼女は、密林を駆ける魔獸を補足するや玉瞳を鋭く細めた。
「これが南蛮仙界ごと封じ込められていた『南蛮王』……これも倒すべき存在の一種と」
討伐対象を“四つ脚の魔獸”と定義した|爾後《あと》の対応は|迅速《はや》い。
花唇を一旦引き結んだユーリカは、双の虹彩に煌々と言語めいたものを走らせるや、忽ち組み上げたアルゴリズムを一帯に広げた。
「類似したモンスターを召喚します。嘗て神農に『見事な傑物』と言わしめた南蛮の魔獸を」
刹那、佳人の麗姿を巨影が覆う。
其こそ殲神封神大戦にて神農の下半身となった兀突骨だ。
自身が有する【管理者権限】によって、この場を制圧するに相應しいモンスターを生成した彼女は、あらゆる攻撃を跳ね除ける藤甲の巨塊を壁の如く、或いは戰槌の如く使役して魔獸を迎え撃つ。
「今後のクエスト運營に役立つかもしれません。励みましょう」
獸の吼聲が飛び交う中、涼しげに言を紡ぐ美唇。
その端に僅かにも|微咲《えみ》が差していたとは、兀突骨に苦しむ南蛮王らは畢ぞ気付かぬ事であった。
成功
🔵🔵🔴
ティエル・ティエリエル(サポート)
◆キャラ特徴
ボクっ娘で天真爛漫、お転婆なフェアリーのお姫様です。
王家に伝わる細身のレイピアを使った空中からのヒット&アウェイで戦うのが得意な女の子です。
・冒険大好きお姫様
・珍しいものにも興味津々
・ノブレス・オブリージュの精神で弱者を放っておけないよ
・ドヤ顔がよく似合う
・困ったら動物さんに協力を!
◆戦闘方法
・背中の翅で羽ばたいて「空中戦」や「空中浮遊」で空から攻撃するよ
・レイピアに風を纏わせて「属性攻撃」でチクチクするよ
・対空攻撃が激しそうなら【ライオンライド】
・レイピアでの攻撃が効かない敵には【お姫様ビーム】でどかーんと攻撃
「封人台が何処かの世界に飛ばされたら、また小さな命から摘まれてしまうよね……そんなの放っておけないよ」
密林を駆け走る魔獸達に首魁の邪影を重ね見たティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は、靑く澄める瞳に光を湛えるや、きゅうと握った小さな拳を天に突き上げた。
「ようし、ここはジェットパンダラーと合体だー!」
虎や獅子などの猛獸を相手取るに、特に封神武侠界にお似合いの動物さんが居る。――然う、パンダだ!!
妖精姫は大熊猫型スーパーロボット「グレートパンダラーZ」を呼ぶや騎乗合体! デパートの屋上で動いてましたみたいなパンダカートながら、前脚を動かすや最高速度14,500km/h、可愛らしくもエグいスピードで空を翔けた!
「敵は大地を疾る獸だもの。空は有利な筈!」
少女の得意な戰術は上空からのヒット&アウェイ。
其はスーパーロボットを駆っても精彩を欠く事は無く、蒼穹をぐうるり帆翔して距離を測ったティエルは、ここぞという瞬間に繊手を振り上げた。
「空中からどっかーん☆ だぞー!」
云うや刹那、ロボは「Z」と記された腹巻部分を展開してパンダミサイル射出ッ! 魔獸の鼻先へどっかーん!!
絶え間なく爆熱と衝撃を叩きつけ、魔獸達を散り散りにさせるのだった。
成功
🔵🔵🔴
大宝寺・朱毘
連携歓迎。
公序良俗に反する行動、利敵行為、過剰に性的な描写はNG。
アイドルでありロッカー。
ロック(漢気があるとほぼ同義)な様を好み、「ロックだ」と感じれば味方はもちろん敵でも賞賛することがある。
民間人への被害を嫌い、救助活動などには全力を尽くす。
使用武器は黒いボディに炎の模様が入ったギター『スコーチャー』
演奏によって音の爆弾や衝撃波を生み出してぶつけるという戦法を好む。
必要なら演奏を続けつつ蹴りなども行う。
冒険では、魔力任せに障害を吹き飛ばすといった行動が得意。ただし地頭が悪いわけでもないので、搦め手が必要ならその都度考える。
台詞例
「いいね、ロックじゃん」
「こっちゃ世界の命運背負ってんだよ!」
鬱蒼たる密林を踏み拉き、魔獸らが走る、疾る、奔る!
その獸聲跫音は勿論、ザザッと搖れる葉音も敏い耳に聽き拾った大宝寺・朱毘(スウィートロッカー・f02172)は、眼鏡越しに音の方向へ烱瞳を結ぶと、|露骨《あからさま》に翠眉を顰めた。
「……|旋律《メロディ》も|拍節《リズム》もデタラメな不協和音。軍勢と云ってもてんでバラバラだ」
まるで連携が取れていないと呆れると同時、その隙を衝こうと機智が働く。
猛然と駆け回る魔獸に對し、両脚をグッと踏み込めて定点に据わった朱毘は、愛用のロックギター『スコーチャー』を構えるやギャァンッと一鳴き! 繊指を滑らすネックを五線譜に見立て、妖艶な音色を奏でた。
「こいつはあんまりご機嫌なサウンドじゃねえ。お前等の斷末魔よりマシな程度さ」
『っっ、がうがうー!!』
「――|否《いいや》、お前等を斷末魔に結ぶ呪いの音だ」
魔力を込めて奏でられる|旋律《ユーベルコード》は、【ソニック・ワーミー】――凄まじい衝撃波。
朱毘が視認し得る範囲、つまり最高200度の範囲で19,044mまでの獲物を捉えられる魔の旋律は、猛獸が朱毘に爪牙を突き立てるより先、音の波動で吹き飛ばす。
「聽けば、【Q】が完了するまで人界で暴れてろって……そんな口駄らない理由で解き放たれたんだって?」
『がるるるっ!! がるるーっ!!』
「その前にあたしが追い返してやるよ! 南蛮仙界に帰んな!」
アイドルでありロッカーな朱毘は、己が音曲と聲を聽いてくれる人々を何より大事にしている。
故に、彼等が巻き込まれるのを何より嫌う。
世界中の誰であろうと、どの世界であろうと、彼女は人々の爲に尽力する。
「あたしが背負ってるもの、見せてやる。覺悟が違うんだってな!」
『ぐるぐるぐる……ぎゃうっ!!』
美しき黑のボディに刻まれた炎の模様は赫々と、佳人の意志に呼應して燃えるよう。
而して広がる|咒詛《のろい》の旋律で獸の耳を切り裂いた朱毘は、同時に連中を大きく吹き飛ばし、超次元の渦へと押し返すのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ロロ・ラリルレーラ
「ハジめましてのオトモダチがこんなにイッパイ☆★ キョウはダレのおタンジョウビなの?☆★☆★」
「それならロロもおめかしないと☆★☆ あーしてこーして、へんしーんッ★☆★☆★」
|神話《ミソロジイ》チャンネルに接続したロロちゃん、動物さんの群れを前に受信した変身ポーズを披露。
燃え盛る|角《アンテナ》を宿したジャイアントなジャイアントに大変身!
炎上はしてないよ。
南蛮門よりも大きなサイズを武器に、大勢と手を繋いでハグをして歌をうたおう。
オトモダチもロロほどのパワーはないけれど、相手が誰でも怯んだりはしない。
ロロ含め誰もダメージを厭うことなく、投げ返したり踏み潰したりの血染めの舞踏会を続ける。
虎豹豺狼、毒蛇猛獸、乘風而出、張牙舞爪、衝將過來。蜀兵如何抵當、往後便退。
嘗て蜀兵は南蛮の獸に色を失ったが、ロロ・ラリルレーラ(猛毒電波を送信します・f36117)は逆に色めいたろう。
「わァ★☆ ハジめましてのオトモダチがこんなにイッパイ☆★」
虎に熊に犀に、それに雄牛と大獅子! 超次元の渦より溢れる魔獸の群れに、深朱と瑠璃のオッドアイをピカピカに輝かせた佳人は、壞れたラジオみたいな甲高い聲を轉がした。
「きゃは☆★ まるでパーティーみたい★☆ キョウはダレのおタンジョウビなの?☆★☆★」
キミ? それともキミ?
もしかサッキのゾウさんだったかしら? ――なんて。
次々と飛び掛かる邪獸にことりと小首を傾げながら、猛爪鋭牙を躍るように躱したロロは、この時、道化師めいた|奇抜《カラフル》なスカートの色彩を広げて言った。
「それならロロもおめかしないと☆★☆ いち、にの、へんしーんッ★☆★☆★」
きゅうと咲むや、右の怪腕でパラボランスをブンッ。
一際強い電波を送出して|神話《ミソロジイ》チャンネルに接続した彼女は、空を切る轟音に身構えた魔獸らを前にグングン大きくなると、可愛らしいポーズのまま【|原初の巨人《ジャイアントなジャイアント》】と化した!
「じゃじゃーん☆★☆ タノしいパーティーのはじまりだよっ★☆★」
『……ぶぉっ……』
『……がる……るるる……』
尾を持つ獸は忽ち萎え、剥き出した牙は須臾に引っ込んだろう。
今やロロの身長は1550.4cm! 天下第一関たる山海関を超すサイズは、獸がどうこうできるレベルでは無い。
炎上した訳では無いが、燃え盛る|角《アンテナ》をグッと傾けて前屈したロロは、オトモダチと手を繋いでぎゅっ! そのオトモダチは魔獸の尾や角を摑んでぎゅっ! 輪と繋がるや歌い、回り始めた。
「ぐるりん、ぐるりん、メリー・ゴー・ラウンド☆★☆ みんなバターになぁれ★☆★」
『……が、っう……』
「パンケーキにヌッてタべましょ☆★☆ ロロは127マイ、オトモダチは255マイ★☆★」
『ぶもっ、ぶもっっ』
この狂気的な回転木馬に遅れれば、踏み潰されて挽肉に。
繋いだ部位が千切れるまで回転し、千切れた後は引繰り返って肉片に。
鮮血と血肉の飛び交う舞踏会に招かれたオトモダチは一縷と怯まず踊り続け、魔獸は四肢を寸斷させ、ぐるぐる、ぐるぐると死の|輪舞《ロンド》を踊らされるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ティエン・ファン(サポート)
シルバーレイン出身の除霊建築士です。
明るく善良な性格で、できることがあるならば、できる限りを全うしようとします。
除霊建築士というジョブに拘りがあるため、その知識や技術が活かせそうな場面では、積極的にそれらを使って問題解決に取り組みます。
戦闘時は主武器のT定規と副武器の浄銭貫を用いて、近距離戦も遠距離戦も行います。
キャバリアが有効な場面では、『蚩尤』を使用します。
『蚩尤』は普段イグニッションカードに収納しています。
ユーベルコードは『蚩尤』搭乗時は”蚩尤”とついたものを、そうでないときはその他のものを状況に応じて使用します。
以上を基本として、シナリオに合わせて思うままに動かして頂ければと思います。
嘗て封神武侠界では、孟獲、木鹿大王、兀突骨といった名だたる南蛮王達が諸葛亮の策略によって討伐され、南蛮門ごと封印されたと云う。慥かこの件に関しては、仙界の三皇神農も興味を抱いていた。
ならば今回も彼を――諸葛亮に倣うべきかと、密林中を駆け回る南蛮王らの獸聲跫音に耳を傾けたティエン・ファン(除霊建築学フィールドワーカー・f36098)は、刹那、ザッと震えた枝葉の陰から飛び込む爪牙に烱瞳を結んだ。
「溢れる魔獸を逐一討伐してたら、キリが無いし……っ!」
『ッ、ぐるぁああ!!』
「來た道を帰って貰ったらどうかなって――」
猛然と突進する熊の額に浄銭貫を打ち込み、側面に回り込みながらT定規を延髄に衝き當てる。
この間にも戰場の風水的な地形を読んでいた佳人は、痛撃に顚倒する巨躯と離れざま【除霊建築学・八卦迷宮】――見えざる迷宮を作り上げると、その出口を南蛮門に結んだ!
「石兵八陣ならぬ、密林八陣ってところかな?」
『ぐあー!! ぐるぐるぁー!!』
「生門は唯一つ。その巨体で南蛮門を塞いじゃえ!」
南蛮門より溢れる魔獸を、既に解き放たれた魔獸を以て押し戻し、蓋する。
戰場に流れる「気」を操り、獸を思うままに嚮導する術式を忽ち組み上げるは除霊建築士ならでは。佳人は猛獸と猛獸とが南蛮門でもみくちゃになる音を間もなく拾い、花唇に小気味よい弧を描くのだった。
成功
🔵🔵🔴
鞍馬・景正
三洞元帥ら南蛮の将帥――いずれも獣の姿でしたか
ある達人曰く、人は素手では猫一匹とも渡り合えないそうですが。
なら彼らほどの猛獣は、一匹で軍勢にも匹敵しましょう。
ですが、人には人の爪牙があります。
◆
囲い込まれぬ内に弓を構え、【紅葉賀】による火矢を周囲に放ちましょう。
そして燃え広がる焔の壁を結界代わりに獣たちを遠ざけ、彼らの連携を妨害。
そのまま火焔越しに連射して辺りを延焼させ、機動も拘束。
火炎式の石兵八陣。貴君らを破った諸葛軍師に肖らせて頂く。
まず優先して屠るのはサイの阿会喃。
その分厚い皮膚は、炎の熱も厭わず消し去ろうとするでしょう。
故にその小さな眼窩や鼻孔を直接射貫かせて頂く。
あとは炎の迷路に迷う獣たちを一匹ずつ仕留め、迫られれば炎を消して一時撤収し、打撃と離脱を繰り返していきます。
不意打って飛び掛かる獣には……あえて腕をその口腔へ捻じ込み、食い千切られぬ内に刀を抜いて刺突。
獣は恐ろしい。
しかしその習性を知れば対する策はある。
知識と知恵、そして怖れを乗り越える勇気。
それが人の最大の牙です。
慥か殲神封神大戦の時分であったか。三皇神農は己の依代となった兀突骨を「見事な傑物」と評していたが、成程、この世界の三國時代に於いて諸葛亮の南征に対抗した者達は、実は皆「強大な魔獸だった」ようだ。
更に神農は、南蛮を平定した諸葛亮にも興味を抱いていたが、若しか其は、南蛮王らが餘りに強力な怪物であったからかと――南蛮門を見据えた瞳に過去の予兆が重なる。
「而して三洞元帥ら南蛮の将帥も、みな獸の姿と……」
蜀兵は猛獸を前に爲す術なく退いたと言うが、「無理もない」と鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)が花唇を結ぶ。
目下、猟兵の攻撃によって軍勢としての纏まりを無くした魔獸らは、一帯に烟る血臭に愈々昂り、叢林藪地から次々と飛び掛かるが、景正は猛虎の牙を転身して躱し、逆方向から迫る巨熊の爪に刀を振り下ろしながら言った。
「ある達人曰く、人は素手では猫一匹とも渡り合えぬと。なら彼らほどの猛獸は、一匹で軍勢にも匹敵しましょう」
『がうーっ!!』
「ですが、人には人の爪牙があります」
『ぐあっ、ぐるぁー!!』
生温かく生臭い獸血を受け取りつつ、巨熊を蹴りざま剛弓を構える。
刹那、ひやうと放たれた矢が鬱然に葉音を掠めるや、勃ッと空気を膨らませたのは炎を逆立てたからだろう。
忽ち密林に燃え上がるは【|紅葉賀《モミジノガ》】――火矢を連射して戰場一帯に“焔の壁”を作り上げた景正は、獸に囲い込まれぬよう炎熱に劃すと同時、延焼させて機動を阻害し、連中の連携を斷った。
焔は竟ぞ形を定めず、無限に變化しては移動や脱出を妨げる。その姿は宛ら――。
「――火炎式の石兵八陣。貴君らを破った諸葛軍師に肖らせて頂く」
『ぶぉっ!! ぶるぉーっ!!』
「先ずは第三洞主。その猛勇を挫きましょう」
此度は生門に案内する老爺も無し、熾々と燃え広がる炎の間に獸聲が騷めく中、阿会喃なる巨犀が硬膚を鎧にして突進するが、彼こそ眞先に屠りたかった景正は虎落笛を一射ッ! 大地の振動を受け取りつつも的は精確に、小さな眼窩へ鏃を突き立てた。
『ぶぎゃっ!!』
「次は」
大きく傾いた鎧獸がズン……ッと戰場を搖すぶって間もなく、手負いの巨熊が狂った樣に突出する。
叫びながら咬み掛かる董荼那に向かって腕を突き出した景正は、捻じ込むように拳を口腔へ――鋭牙が沈むより迅く冱刀閃々! 怪力で押し合う中で喉輪を抉り、どぶりと噴き上げる血漿を浴びた。
『……ぐ……がぁ、っ――』
「今際にも頤は緩まず……毛の逆立ちが収まるまで侮れませぬな」
獸は恐ろしい。
然しその習性を知れば対する「策」はある。
精悍の躯を眞ッ赫に染めた景正は、濡れ髪の奧に祕めた玉瞳を烱々、灼熱の八陣圖に迷う魔獸を捉えるや矢を放ち、焦熱に炙り出された者には一太刀を呉れ、また複数体が一度に迫れば、咄嗟に炎を消して撤収する――斯くして攻撃と離脱を繰り返せば、獸の有利は殆ど殺されよう。
「知識と知恵、そして怖れを乗り越える勇気。――それが人の最大の牙です」
鬱蒼なる叢林が明々と照る中、白皙を赫々と染めた武者が立つ。
足元には南蛮王の首級がごうろりと、一つ、二つ……三つ四つ。
その異樣なる殺気に魔獸は「不敢前進,皆奔回蠻洞」――我先にと退却し、自らの躯を以て南蛮門に蓋するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『韓信大将軍』
|
POW : 楽浪郡勇士集結
レベル×1体の【神器で武装した楽浪郡の勇士(異世界人)】を召喚する。[神器で武装した楽浪郡の勇士(異世界人)]は【他世界】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : 南蛮魔獣集結
自身の【召喚した、南蛮界の魔獣の軍勢】に【背水の陣】を宿し、攻撃力と吹き飛ばし力を最大9倍まで強化する(敗北や死の危機に比例する)。
WIZ : 三国武将集結
【偉大なる三国時代の武将達】の霊を召喚する。これは【生前に得意とした武器】や【韓信大将軍に与えられた『神器』】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:瑞木いとせ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
先に「大地を騷乱せしめよ」と命じた南蛮の魔獸達が、押し合うように南蛮門へ退却していく――。
尻尾を巻いて逃げ出す獸達の姿を、鬱然たる葉陰から……否、今や丸焼けの更地で見る事になった『韓信大将軍』は、天運の愈々尽きんとするのを感じていた。
『……渾沌氏は、妲己の調略に失敗なされた』
オブリビオンを悉く封印せしめた彼女を得れば、道は違ったかもしれない。
また我が主君に成り得る英傑を見つければ、活路があったかもしれない。
『躯の海を潜った数多の「三國時代の英雄達」に、主たり得る覇王を見つけ出せていれば……否、云うまい』
時の猶予が無かった訳で無いと、自嘲めいた溜息を手の甲に拭った彼は、背の大剱を高々と掲げるや万兵大集結――楽浪郡の勇士、南蛮界の魔獣、三國時代の武将、そして僵尸の兵士を召喚して大平原に溢れさせた!
『すべての者よ、私の元に集え! 今こそ天の趨勢を決する! さぁ神器を取るがいい』
眞の英傑を見つけられなかったならば、この戰で己が英傑に成れば良いのだ。
韓信なる男を主君として「戰え」と命じたなら、四大軍勢は神器『ユグドラシルブレイド』を手に前進し、猟兵めがけて突撃するのだった。
※韓信大将軍との決戦です。
韓信自身は神器をひとつも装備していませんが、彼は卓越した軍略によって「必ず先制攻撃してくる」上、僵尸兵士軍団( https://tw6.jp/gallery/?id=134487 )を率いており、通常のユーベルコードと同時にこの大軍勢による包囲攻撃を仕掛けてきます。僵尸兵士の攻撃手段は以下の通りです。
POW「僵尸兵器」
【生前に愛用していた武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD「僵尸鏡体」
【硬質化した肉体】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、硬質化した肉体から何度でも発動できる。
WIZ「僵尸連携陣」
敵より【仲間の数が多い】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
大宝寺・風蘭
連携歓迎。
公序良俗に反する行動、利敵行為、過剰に性的な描写はNG。
へらへらしているが、やると決めたことはちゃんとやるタイプ。
民間人への被害を嫌い、救助活動などには全力を尽くす。
使用武器は、木刀のような見た目の革命剣『木刀れぼりゅーしょん』
正規の格闘技の心得はなく、斬撃とパンチ、キックを雑に組み合わせた喧嘩殺法で戦う。
オウガ(二足歩行の人間大の猫のような見た目で、名前はモチズキ)との連携を好む。
冒険では、力任せに障害を吹き飛ばすといった行動が得意。ただし地頭が悪いわけでもないので、搦め手が必要ならその都度考える。
台詞例
「アタシだってヤるときゃヤるんだぜぃ!」
「つまり、全員ぶっ飛ばしゃ解決っしょ」
上問曰『如我能將幾何?』信曰『陛下不過能將十萬』
上曰『於君何如?』曰『臣多多而益善耳』――。
嘗て韓信は劉邦に「己は軍兵が多ければ多いほど使い熟せる」と言ったが、今の景色が然うだろうか。
楽浪郡の勇士を僵尸隊の長と置いて纏められるオブリビオン軍勢を目前にした大宝寺・風蘭(狂拳猫・f19776)は、大地を踏み鳴らす軍靴の音、鏘々たる甲冑の響きに佳聲を挟んだ。
「――こりゃ猫の手も借りなきゃだよね? モチズキ」
瓢と語尾を持ち上げる佳人の隣には、人間大の猫のような見た目をしたオウガ。
風蘭と同じく二足で立つ巨猫に、手作りのずんだ餅を二つ渡してそう言ったなら、大きな肉球はクイッと手招き。「もう一つ」と示す手を見た風蘭は、要求通りおかわりを呉れてやる。大軍勢を相手取るなら、|相應《それなり》の兵糧が要るという事だ。
「そんじゃ頼んだかんね。食った分はちゃんと働いてよ? ――アタシも頑張るから!」
モチズキが滿足そうに口元を拭ったのが出撃の合圖。
拳を固めて駆け出す相棒に合わせ、軍勢に向かって突撃した風蘭は、先ずは革命剣『木刀れぼりゅーしょん』を大きく一薙ぎ! 敵将が振りかぶる木剱『ユグドラシルブレイド』を力任せに切り払ッた!
「アタシだってヤるときゃヤるんだぜぃ! なぁモチズキ!」
佳人が大きく聲を張れば、眼路の際で風が唸り、僵尸兵達が弩ッと吹き飛ぶ。
連中が掲げる槍衾ごと水平蹴りの衝撃波で押し返す――【望月】が呼應したのだ。
阿吽の呼吸で追撃に掛かる相棒に流眄を注いだ風蘭は、花唇の端を小気味よく持ち上げながら更に一閃!
「目に見える奴からぶっ飛ばしゃ解決っしょ!」
『……ッグォォヲヲ嗚嗚!!』
「大将軍までの道を――抉じ開ける!」
敵が態勢を崩した隙に木刀を亂打し、戰鬪慣れした兵士には予測できぬ喧嘩殺法で隊列を切り崩していく。
モチズキも彼女に合わせて拳閃蹴撃を繰り出せば、数に勝る筈の韓信軍も進撃の勢いを酷く削がれるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
キノ・コバルトリュフ
キノキノ、火力が足りないんだって?
だったら、焼き舞茸はいかが?
キノ!バルくんどんどん焼いていくよ!!
トリュフ!バルくん、いい焼き加減だね。
キノも奉納の舞いを頑張っちゃうよ!
マツタケ!!おいしく焼けたかな?
この時、南蛮魔獸の巨象の背より戰況を見ていた韓信大将軍が叫ぶ。
『むっ、進撃の勢いが削がれている……ならば! 偉大なる三國時代の武将達よ、前に出よ!!』
前進の號令を受けて駆け出すは、夏侯惇と姜維。
彼等は魏および蜀にて韓信と同じ「大将軍」の地位を得た武将だ。
『この優れた二将さえ、我が主君には……否、否、今は猟兵を撃滅するのみ!!』
幾許の悔いを飲み込み、一騎當千の英傑を送り出す韓信。
彼自身も垓下の戰いでは30万の兵を率いたものだが、キノ・コバルトリュフ(|キノコつむり《🍄🍄🍄🍄🍄》の星霊術士・f39074)なる埒外の生命体の前では、或いは兵の数など些細なものだったか知れない。
「キノキノ? 陣形の亂れている処から入ればいいかな?」
ことり小首を傾げつつ、ずんずんと敵陣に進入するキノコつむり。
無論、そこには僵尸兵士を率いた夏侯惇と姜維が颯の如く駆け付けるが、二人の大将軍が鋭刃の切先を向けた瞬間、強烈な痺れを受け取って身を傾け、呻きながら地に蹲う。猛毒が回ったのだ。
『ぐっ……躰が痺れて動けない……!!』
「ブナシメジ! 胞子を吸い込んじゃったみたい」
刃より迅く届いたのはキノの胞子。
佳人の頭にある大きなキノコ笠は、本人の自覺無しに超絶猛毒胞子を放出する凶器で、その量は十億個~一兆。
存在するだけで周囲の者を毒殺するキノは、謂わば“一騎當億兆の将”で、大将軍が引き連れた僵尸兵らもバタバタと倒して土嚢にしていく。
而して胞子が広がった頃合が彼女の本領か。
キノは朦々たる戰塵に胞子が交じるのを見るや、【神火大嵐舞】――奉納の舞いを捧げて炎の渦を巻き起こし、乾いた胞子を火種に、時に爆発を伴いながら韓信軍を囲繞した!
「キノキノ、焼き舞茸はいかが? どんどん焼いていくよ!!」
『ぐわああ唖唖ぁあッ!!』
「マツタケ!! おいしく焼けたかな?」
極めて強大な焼却攻撃に逃げ場は無し。
キノの無垢な笑顏を前に、一部隊は成す術なく壞滅するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ロロ・ラリルレーラ
「とってもボルテージアがってるゥ☆★☆ ロロもタノしくなってきたァぁ……★☆」
「あれあれ☆★ みんなもうツカれちゃった?☆ おカタヅけまでがパーティだよッ★☆」
先制で取り囲まれちゃったロロちゃん一同。
やる気満々のオトモダチが守ってくれるが、神器にばっさばっさと切り倒される。
気付けばひとりきりになっちゃったけれど、それでもロロは歯を剥いて笑う。
パラボランスをくるくる回して素敵な電波を振り撒いちゃおう。
これまでの戦いで倒れた仲間たち、やっつけた象さん他南蛮魔獣も、
それに「死体」である僵尸の皆様も、まとめて愉快なオトモダチに。
倒した敵も勿論オトモダチだぞ、軍勢丸ごといただきます。ごちそうさまでした!
『成程、猟兵は近年の戰亂に生まれた英傑に匹敵する強さを持つ。だからこそ、負けられぬ』
彼等の手に『封人台』が渡ってはならぬ――。
かの究極神器を必ずや何処かのオブリビオン・フォーミュラに繼がせると決意した韓信大将軍は、大剱を天に掲げて再召喚! 此度は曹操と袁紹なる二人の大将軍に僵尸軍団を率いさせ、その優れた用兵術を以て猟兵を囲繞させた。
特に「歩く電波塔」――ロロ・ラリルレーラ(猛毒電波を送信します・f36117)は目立つが故に猛攻を浴びたろう。
「あッ☆★☆ オトモダチがっ★☆★」
怪電波で繋がれたオトモダチ達が懸命に抗うものの、数で負ける彼等が次々と斃れる凄惨を見たロロは、然し、敵軍が愈々迫るという時にも皓齒を剥いて嗤笑った。
「ふふ★☆ ミンナとってもボルテージアがってるゥ☆★☆ ロロもタノしくなってきたァぁ……★☆」
肌膚を掠める狂氣が快いか、彩を違えた双眸をグルグルと回して歡ぶ狂人、いや巨人。
而して腕もグルグル、天に|切先《アンテナ》を結んだパラボランスからビビビッと【染色電波を送信】したロロは、死に結ばれた者達を電波なる絡繰糸に繋いで動かした!
「ヤっつけられたオトモダチ☆★ イッショにウタってオドったマジューさんタチも、ナカヨくしよ★☆」
『がうー!! がうがうー!!』
「サッキのゾウさんも、おいでおいで☆★」
『ぱおぱおー!!』
ロロがひとりぼっちになったのは一瞬の事。この戰場に骸を晒していた獸達は、折れた首を擡げ、千切れた脚で立ち上がり、まるで“Día de Muertos”――死者の日のパレードのように行進しだす。
また純粋なるロロは、死に在る者を|平等に《・・・》招き入れよう。
「キョンシーさんもタノしくなろ★☆★」
『オ……ト・モ……ダチ……』
「きゃはァ★☆★ かわいーいッ☆★☆」
軍団が壞滅するでなく、懷柔させられて他陣営に進軍すれば、韓信軍の被害は倍以上。
僵尸兵士をオトモダチとして引き入れたロロは、彼等を統率していた曹操と袁紹を蹂躙し、次なるオトモダチを獲得すべく行進を続ける。その異樣な光景には、周囲に居る軍勢も進撃を躊躇おう。
この間にもロロは怪電波を発信し続け、
「あれあれ☆★ みんなもうツカれちゃった?☆ おカタヅけまでがパーティだよッ★☆」
おカタヅけ☆★ おカタヅけ☆★
さぁさぁミンナでおカタヅけ★☆
ミンナでキレイにおカタヅけ★☆
「ロロとミンナでキレイにするよ★☆★」
而して戰場の全てが「キレイ」になるまで。
死者はロロの歌に繋がれて行進し続けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
冷泉院・卯月(サポート)
勿論お仕事は大事ですけどぉ、折角なら珍しい物や新しい物も見つけたいですよねぇ~。
あ、ご一緒される方がいらっしゃればぁ、一緒に頑張りましょうねぇ~。
あまり戦闘は得意ではないですけどぉ、ぶちくんとたれちゃんの力も借りてぇ、頑張っちゃいますよぉ~。
遠距離なら二人に短杖になってもらって魔法弾を撃ったりぃ、
接近戦なら二人で力を合わせて杵になってもらって頑張っちゃいますぅ~。
パラドクスは状況に応じて臨機応変に使いましょうかぁ~。
戦闘以外なら運転なんかも得意なのでぇ、何処へでもお届けしちゃいますよぉ~。
道中も楽しいことが見つかるといいですよねぇ~。
韓信が召喚した軍勢には、先刻追い遣った南蛮王達とは別に、南蛮界の魔獸が加わっている。
虎豹豺狼、毒蛇惡蠍――嘗て蜀兵を翻弄した獸達が大挙して迫る中、黃金色の光条一筋が敵陣めがけて走った。
「あまり戰鬪は得意ではないですけどぉ、頑張っちゃいますよぉ~」
稲妻の閃くが如く、金翼を羽搏かせて翔ける幻獸『挿翅虎』。
騎手は冷泉院・卯月(壱七八あーる・f40880)。
ふわふわの長いロップイヤーを搖らしつつ、兎虎一体となって戰場を駈けた彼女は、眞直ぐに結んだ進路の先に敵軍を見るや、柔かく告げた。
「ぶちくん、たれちゃん、そろそろ頑張りましょうねぇ~」
名前を呼ばれたのは二匹の愛兎。
卯月と共に挿翅虎の背に乗っていた二匹は、金翼の間で仲良くじゃれ合っていたのだが、ひとたび聲を掛ければ魔法の短杖に、魔獸軍団に向けて代わる代わる魔彈を撃ち込む!
『ギシャァァアアッ!!』
『ッ、ブルルルッッ!!』
前方の魔獸が絶叫し、隊列が崩れた時が好機。
卯月は短杖を合わせて杵へと變形させ、敵陣を駆け抜けざま左右に杵撃を振り下ろし、獸達を大混亂に陥らせた。
「このまま突き進みますよぉ~」
其が運び手である挿翅虎に告げたものでないと判然るのは、間もなくのこと。
成功
🔵🔵🔴
納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから9年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!
あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ
商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません
あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします
「ほないっちょ、預かりましたわ」
而して目下。
卯月の挿翅虎の後を追っていた納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)が、出る。
濛濛と舞う戰塵にヒラ、ヒラリ、可愛らしいお花の刺繍を施した白布を飜して敵陣を進んだピンチンは、軍勢の中心に韓信を見るや一気に加速ッ! 大将軍を護衛する武将・何進の鉾と火花を散らしながら突撃した――!
「一撃で結構ですわ。今日のところはこんくらいで勘弁したるわな?」
『なんっ、だ……斬られたのか……ッ!?』
「さぁさ、いい声で鳴いてな~!」
何進の脇腹を擦り抜けざま、巨象に騎乗する韓信に向けて跳躍! 輕々と舞いながら勇者の剣を閃かせる。
ぐるんっと大将軍の首を巡ったのは、【|Torso Killer《めっさ・こちょばい》】――首級を獲るでなく、付け根を囲むよう点線を附せば、韓信が召喚した三國時代の武将達や僵尸軍団がどっと押し寄せて擽りに來た――ッ!
「全軍旋回! 大将軍にこちょこちょしたってな」
『あっやめ……あひゃひゃひゃっ……くひぃ~!!』
これは殺伐とした戰い方を好まぬ彼女のユニークなお仕置き。
半径145m圏内に存在した軍勢は方向転換して韓信を擽り、盛大な笑い声が戰場で転げ回るのだった。
成功
🔵🔵🔴
鞍馬・景正
多多益善――ですか。
少しでも衆を率いた経験があれば、とても断言できぬこと。
しかし国士無双にとって、この大軍勢とて自らの手足を操る如しなのでしょう。
流石、と感嘆する他なく。
しかし、それが天下を乱すのならば。
◆
どれほど分厚い包囲とて、真一文字に切り抜ければただの道。
愛馬に跨り、【騎龍之勢】にて韓信将軍の元へ突き抜けましょう。
包囲が狭まる前に駆け出し、正面の敵を弓矢で射貫き突破口とします。
あとはその方向に進み、塞がる敵は斬撃波で薙ぎ払いながら全力疾走し続けるまで。
妨害してくる敵は脇差で斬り捨て、少しの遅滞も許さず。
急遽障壁や罠を築くなら鉄壁と化した馬体で砕いて進むか、跳躍して回避。
そうして韓信将軍を視界に入れれば、あとは勇士たちが先手切って神器を翳そうが、既に掌中。
あえて夙夜に急停止させ、我が身を投げ捨てさせます。
弧を描き、蜻蛉を切るまま韓信将軍へ一閃。
身ごと衝突させる勢いで断ち切りましょう。
㟐蕩山に白蛇を断ちし赤龍の徳には遠く及ばねど、これが鞍馬の剣。
将軍の采配を見れた事、終生の誉とします。
嘗て韓信は高祖劉邦に「臣多多而益善耳」、兵は多いほど使い熟せると答えたが、其は決して壮言では無い。
楽浪郡の勇士を隊伍の長として僵尸の大軍を動かす――宛で一人を使うかの如き用兵術を見た鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)は、忽ち己を囲繞する軍靴甲冑の響きに感嘆を零した。
「多多益善――少しでも衆を率いた経験があれば、とても断言できぬことですが、文終侯に『国士無双』と言わしめた才気なれば、これ程の大軍勢も自らの手足の如くと」
何曰「至如信者,國士無雙」――流石は大将軍の器。
蓋し景正も畏敬するばかりで無し、鞍切正宗を抜いて暴いた鋩の煌きに愛馬『夙夜』を導いた彼は、鞍に跨るや颯然と駆け出した。
「しかし、それが天下を亂すのならば――」
美し竜胆色の双瞳を烱々、俄かに勃起する鬪気を光の帯と引いて馳走る。
間もなく包囲を狭めんとする軍勢めがけて一直線に疾った騎馬武者は、【|騎龍之勢《キリュウノイキオイ》】――流星の如き迅速さで前衛に飛び込むや、軍勢を指揮する楽浪郡勇士へ騎射一矢ッ! 的を違えず腦天を射抜き、戰塵立ち込める蒼穹に血潮を躍らせた。
『ぐっ……う……!!』
「どれほど分厚い包囲とて、眞一文字に切り抜ければ只の道。開いて征くのみ」
指揮官を斃した|爾後《のち》、奴ッと押し寄せる僵尸兵士を大太刀に切り伏せる。
槍衾と迫る神器を斬撃波で薙ぎ、猶も群がる僵尸の首を刎ね、血煙に烟る戰場を全力疾走する――その姿は「血染征袍透甲紅」、趙雲の單騎行の如く。
而して韓信の居る方向へ只管に駆けた景正は、道を塞がれては刃撃閃々、或は愛馬に跳躍させて軍勢を遣り過すと、馬上から僅かにも見えた巨影に烱瞳を眇めた。
「――目に入ったならば、掌中に在るのと同じこと」
『ッッ、楽浪郡の勇士よ!! かの者を止めるに穴を――』
否。間に合うまい。
罠を仕掛けるにも壁を築くにも、景正を阻む時の猶予は無い。
『――迎え撃つ!!』
これ程の剛の者なら進撃の勢いのまま馬体で砕くか、一躍飛び越えて肉薄するだろうと、大将軍は號令の手を下げて大剱を構えるが、あれほど一直線に驀進した景正は、刹那、ピタリと馬脚を止めさせた。
『おぉっ!? まさか操馬を……いや違う!! これだけの手練が誤ることは万に一つも無い!!』
だが何故? ――と。
一瞬の逡巡が勝敗を劃ったか。
正面からの攻撃を彈くべく鋩を前方に向けていた韓信は、遥か頭上――鞍から投げ出された景正が蒼穹に弧を描き、冱刀を連れて蜻蛉を切る樣に、寸毫の間ながら瞠目する。
景正の捨て身の急襲を見切ったのは、そうして時を止めてからだった。
「摑んだ掌では取れぬのと同樣、貴殿ほどの命となれば、身ごと|抛擲《なげう》たねば取れませぬ」
(『っ、これが狙いであったか――!!』)
我が身さえ叩きつける勢いで|眞上から《・・・・》刃を振り下ろした景正が、しとど鮮血を浴びながら終焉の一撃を払い抜く。
「㟐蕩山に白蛇を断ちし赤龍の徳には遠く及ばねど、これが鞍馬の剣」
『ッ、ッ……見事……ッッ!!』
感嘆の聲は噴き上げる血潮に搔き消されながらも、慥かに爲手に届こう。
悲鳴の代わりに賞賛を耳にした景正は、地に膝折りざまそと睫を伏せ、
「将軍の采配を見れた事、終生の誉とします」
赫々と全身を染めた血が熱を手放すまで、国士無双と讃えられた男に靜默を捧げるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵