弱肉強食なれど獅子身中の……いや食われた時点で駄目だよ
「皆様お集まりいただきありがとうございます」
人首・椿(傷と記憶は刻むモノ・f06124)は電子巻物をころりと広げると、やたらファンタジーなマップを示して。
「此度の事件はゴッドゲームオンライン……発見されたばかりの世界で起こります。事件と言うか、『ばぐ』というかは、ちょっと怪しい所ですが……」
まぁ、オブリビオンの正体がバグ……あ、逆だ。バグの正体がオブリビオンな世界だからね。で、そのバグに倒されてしまうと現実世界で人権を保障する個人データが削除され、人として生きられなくなる仕様(?)なんですって。
「そして今回は、『れいどいべんと』なる大多数のプレイヤーが参加する強敵討伐のイベントが発生するも、その内容がバグに侵されており、参加したが最期。一人残らず皆殺しにされてしまう事が予知されました」
ただし、これはあくまでもこの世界のキャラクターであれば、の話。
「そこで皆様にはこの『れいどいべんと』に参戦し、プレイヤー……現地の一般人の皆様を護衛しながらボスの撃破をお願いしたいのです」
まぁ、普通にやってたら並みのキャラクターじゃワンパン即死が当たり前な難易度である以上、協力と言うより、護衛と言う方が正確になってしまうのだろう。
「そしてここで問題になるのが、敵の持つ範囲攻撃です。ただ庇うだけでは、防ぎきれず一般人も巻き込まれてしまうでしょう。そこで『たげしゅうちゅう』なる技術を用いる必要があるとか」
いわゆるヘイトを稼いで、「かかってこいやオラァ!!」ってする、タンク役(パーティー内において高い防御力を誇り、味方へのダメージを肩代わりしてチームとしてのダメージを抑える人)が持ってる技術やスキルの事やね。
「そして今回の敵はそこはかとなく捕食者な雰囲気があるとのこと……つまり、美味しそうな見た目をすることで敵の狙いを引き付けることができるようです」
下手するとコスプレバトルになりかねないが、多少参加者の士気を下げてでも彼らを生かして返せる可能性が上がるなら、やるに越した事はない。
「それでは皆様、ご武運を。食らいつかれて皆さまが倒されては元も子もありませんから、お気をつけて……」
包丁めいた得物に手を伸ばす椿を見て、猟兵達はダッシュで転移していくのだった。
久澄零太
ヒャッハーネタ依頼だァ!!
どうも、久澄です
いや、新世界見てたら、最近十四番目の最期の幻想なゲームやってたこともあって、書きたくなって……
というわけで今回は『同じ戦場にいる一般プレイヤーに一切被弾させてはならない』という条件が付いた地味に難しい依頼です
まぁ、ネタ依頼なんで実際のとこはお察しください
更に言うと『猟兵の外見が美味しそうならターゲット集中が発生する』という効果もあります
上手く使って誰も死なせずに突破できるといいですね!
(廃人プレイヤーすら即死させるアホみたいな攻撃力については黙っておく久澄の図)
それでは皆様のむしゃむしゃされそうなプレイングをお待ちしております
執筆は明日(5日)の朝からやりたいなーと思ってますんで、今日中(4日)に間に合ったら嬉しいな!!
第1章 ボス戦
『ドラゴンゾンビ』
|
POW : グリムドラゴン
【霊鬼(グリム)のドラゴン】を召喚する。主に【霊属性ブレス】を駆使した戦闘や偵察を得意とするが、使役者への【忠誠心】が低いと暴走する。
SPD : ドラゴンゾンビテイル
【腐敗毒を帯びた尻尾】のスイングで近接範囲の敵全員にダメージを与え、100m吹き飛ばす。
WIZ : ドラゴンゾンビガス
【全身】から【毒ガス】を放ち、近接範囲内の全てを攻撃する。[毒ガス]は発動後もレベル分間残り、広がり続ける。
イラスト:猫背
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
そういうことでしたら、やってみますぅ。
『乳牛の着ぐるみ』を着用、相変らず「もぉ」しか話せなくなりますが、美味しそうに見えるかな、と?
そして『FLS』による『召喚』も併せ|各『祭器』《非装備品含む》を展開、『FPS』で相手の動きを探知しつつ【卛囙】を発動しますねぇ。
『攻撃自体を失敗させる』形で有れば、多くの方を纏めて保護出来ますし、『時空間干渉』で攻撃を並行空間に逸らしたり、『因果律干渉』で「攻撃失敗という結果」を押付ければ攻撃の種類を問わず対処可能、緊急時は『味方を転移で逃がす』方法も有りますぅ。
後は、同様の干渉で『回避行動』を封じ、各『祭器』の攻撃を集中させますねぇ。
森宮・陽太
【POW】
アドリブ連携大歓迎
カオス大惨事? 覚悟しねーと突っ込めねぇだろ
おーおー
どこかで見たことがあるようなないようなドラゴンゾンビ様ですか
他参加者を護るためにも狩りますかね
「高速詠唱、魔力溜め」から指定UC発動しナベリウス召喚
ナベリウス、ちょっと頼みがあるんだが
今回だけ、俺の外観を『あのドラゴンが喜んで食いつきそうな、ひ弱な冒険者』の姿に変えてくれねぇか?
変身後はひ弱なフリして「お、おまえのかあちゃん……」とか叫んで挑発してわざと喰われ
至近距離から「属性攻撃(聖)」の魔力を宿した二槍で「ランスチャージ、串刺し」で口内をひと突きってな
霊鬼(グリム)のドラゴンも同じように葬ってやらぁ
黒木・摩那
バイオイクラ丼食べてたら招集とか、椿さんも忙しいですね。
それだけオブリビオンの活動が活発ということなんでしょうか。
秋ですしね。冬に備えて栄養を付けねばいけませんしね。
しかし、美味しそうな見た目ですか……意外と難しい条件ですね。
ここは羊。羊にしましょう。羊肉おいしいですよ。ジンギスカン!
着ぐるみで温かいですよ。
敵は近距離が得意なようですね。
ならば、こちらは距離を取って戦うまでです。
ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
UC【蒼鷹烈風】でヨーヨーを強化。
尻尾が届かない距離から、【電撃】ヨーヨーで攻撃します。
葉月・静夏
ここが新しく見つかった世界ね。
ゲームの中らしいけれど、いつもの転移で直接来てしまったからゲーム内という実感がないね……バグもオブリビオンらしいし、何か実感できるようなことはあるのかな?
美味しそうな見た目だと敵の気を惹けるみたいね。美味しそうな鳥のコスプレをしてみよう。
敵を見つけたらすぐに駆け寄って【夏印・盛夏斧爆】で夏印を貼り付けるよ。コスプレだけでなく、ユーベルコードでも惹き付けるの。
ちゃんと狙われたら【鉄壁】の守りで攻撃をしっかり受けてからの反撃で堅実に戦っていくよ。
狙われていない場合はもっと夏印を付けて、なんとしてでも狙わせるの。
ディフェンダーをやってきた私の実力を存分に発揮したいね。
菫宮・理緒
【アイさんと】
美味しそうな見た目かぁ。美味しいものといったら辛いもの。
辛いものと言ったら……わかった!唐辛子の着ぐるみで来いってことだね!
ではさっそく着ぐるみに着替えてゆるキャラっぽくいきましょう!
アイさんはどんな辛いものになるー?
え?辛くならないの?
たしかにアイさんならスイートな方が似合う気もするね!
って、えー!?
なんでアイさんのほうにばっかりあつまるのー!?
……や、うん。あれはあつまるよね。溶けかけアイさんチョコとか。
ま、まぁ、わたしはアイさんのサポートしよう。
【リフレクションマリス】で結界張るね!
これならアイさんも一般のプレイヤーさんも、安全だよね!
あ、アイさんチョコ、撮っておこうっと。
アイ・リスパー
理緒さんと
「なるほど、タンク募集な依頼ですね。
理緒さん、他の依頼を探しま……って、なにコスプレして参加する気満々なんですか!?
私たち紙装甲がいても役に立ちませんってー!」
まあ、難しいゲームほど燃えるもの。
この難関クエスト、クリアしてみせましょう!
えーと、ヘイトを稼いで範囲攻撃を誘う以上、防御優先よりも回避優先で、かつヘイトを稼ぎやすい装備がいいですね。
「条件に合う装備を検索したところ、このハロウィン仕様のチョコビキニアーマーになりました……」
ですが、私はこのアーマーの仕様をしらなかったのです。
そう、時間が経つと人肌温度で溶けていくという仕様に!
「いやああー、みないでくださーい!」
涼風・穹
レイドイベントだと参加するだけでも特典が貰えたりする美味しいイベントだろうに、こっちが美味しく食べられる側なのか…
巨大な動くプリンのような謎の存在、うにうにの被り物をして参戦
梨や葡萄のトッピングがついた秋仕様ですな
アバターなんだしなんでもありだとは思うけど、こうも食べ物ばかりの集団だと周囲からはそういうクランかなにかだと誤解されそうだな…
ところでヘイトを稼ぐって、なにかそういう技能があるのか…?
ゲームキャラならタンクに相応しいビルドにできるだろうけど、ここで生身である弊害が…
取り合えず最前線に出て「う~にうにっ!う~にうにっ!」と不思議な踊りを発動
MPではなくヘイトとシリアス成分を吸い取ります
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
デスティニーサーガを完全攻略した銀誓館の戦い方を参考にしましょう。つまり、|大量に買い込んだ課金アイテムでゾンビアタック《リミッター解除、限界突破、継戦能力》よ❤そう、それはまるでチートのような、とんでもない才能……かもしれない。
おいしそうな格好には|見た目変更の課金アイテム《化術肉体改造早着替え》でその場でなれるわね。あとは黒聖者(ダークメサイア)の|ドレインヒール《大食い、エネルギー充填、魔力供給》で|ヘイト稼ぎつつ《おねだり、幸運、サバイバル、かばう》|くいしばりや課金アイテムで即時リポップや一定時間の無敵時間など《継戦能力結界術》で耐えましょう
「おーおー、どこかで見たことがあるようなないようなドラゴンゾンビ様ですか。他参加者を護るためにも狩りますかね」
猟兵達がログインした戦場は広大な荒れ地だった。木々もまばらな戦場は、川を挟んだ対岸に森林が見える。そしてその境界線よりこちら側に見える影を遠方に捉え、森宮・陽太(未来を見据える元暗殺者・f23693)は転がっていた岩に片足を乗せて、額に手を添えて敵軍を見遣ると数えようとしてやめた。
「こりゃまともにやり合ってたら、とてもじゃないが庇いきれないな……」
眉根を寄せる陽太の背後に巨大な魔法陣が描かれると、内より出でるは三つ首の番犬。
「ナベリウス、ちょっと頼みがあるんだが……」
呼び出した悪魔に今回の作戦を聞かせる陽太。その横でイクラ丼食べてた黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)がもぐもぐしながら。
「バイオイクラ丼食べてたら招集とか、椿さんも忙しいですね。それだけオブリビオンの活動が活発ということなんでしょうか。秋ですしね。冬に備えて栄養を付けねばいけませんしね」
オブリビオンって冬眠する生き物だっけ……?そもそも生物ですらなかったような……?
「しかし、美味しそうな見た目ですか……意外と難しい条件ですね。ここは羊。羊にしましょう。羊肉おいしいですよ。ジンギスカン!」
お前……あの腐った竜に調理後の姿まで想像するだけの頭が残っていると思っているのか……?
「着ぐるみで温かいですよ?季節の変わり目ですから、もこもこぬくぬくは大切です」
いやそうだけどさぁ!?
「ここが新しく見つかった世界ね。ゲームの中らしいけれど、いつもの転移で直接来てしまったからゲーム内という実感がないね……バグもオブリビオンらしいし、何か実感できるようなことはあるのかな?」
あんだけカバーリングが重要だって言っておいたのに、やたら防御力低そうな恰好で参戦してきた葉月・静夏(せい夏・f40839)。なんかでっかい荷物持ってるから、アレが実は重装甲なのだと思いたいところだが……。
「美味しそうな見た目だと敵の気を惹けるみたいね。美味しそうな鳥のコスプレをしてみよう」
お前も着ぐるみかい!!しかもなんかどっかで見たことある黄色い鳥さん!?
「昔はあちこちで唐揚げにされる事に定評のあった美味しそうな鳥さんよ?」
おいバカやめて差し上げろ。アレは某異世界の一部の番犬めいたサムシングがある種の暴走をした結果でな……。
「わう?」
「ナベリウス、座ってろ。多分お前じゃない」
三つ首の悪魔がこっち見た気がしたが、陽太に制されてステイ。なんだろう、このアニマルパーティー感……。
「もうもうもももももも、もっももももぅ」
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)、貴様もか。
「ももももうもももももも、も?」
その乳牛着ぐるみ状態だと何言ってっか分かんねぇって言ってんだろ!?
「ももももも、もももももももうもももぅ」
うわー!なんか全身の牛柄模様が光り始めた!?自爆の前兆とかじゃないだろうな!?と、とりあえず次!
「デスティニーサーガを完全攻略した銀誓館の戦い方を参考にしましょう」
あっ(察し)。
「つまり、大量に買い込んだ課金アイテムでゾンビアタックよ❤」
で、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の混沌魔術師ケイオト艶魔少女・f05202)さんは今回おいくらほど突っ込んだんです?
「ふっ……今回の成功報酬がもらえないと明日のご飯に困るくらいよ!!」
アホか!?
「違う、違うの……ちゃんと貯金はあるの……ただ、だからこそお財布に入ってる分は使っちゃってもいいかなーなんて思って、課金アイテムの性能と予想される敵のスペックから、必要な分を買いこんでたら結構な額になってて、ここまで来たらとことんやったれー☆ってなって、最悪ご飯はドレインスキルで空腹のまま生命維持に必要なカロリーは確保できるから食費までいけるわね☆って突っ込んでから、今回の依頼がそもそも短時間じゃ終わらないって可能性に気づいてしまっただけで……!」
つまり貧乏ライフにはならないけど手持ちがスッカラカンって事か……。
「その分、物凄く美味しそうな見た目になれる着ぐるみは買ってきたわ!」
お前もか!!
「見よ!これこそが絶品と名高いあの生き物!!」
で、猫耳の生えたまん丸な蛇の着ぐるみに……?
「え?知らない?UDCアースでは物凄く美味しい事で有名なんだけど……」
どこで買ってきたそれェ!?ここ異世界やぞ!?
「なるほど、タンク募集な依頼ですね。理緒さん、他の依頼を探しま……」
「美味しそうな見た目かぁ」
猟兵動物園と化してしまった今回の部隊を見回す菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)。流れ的にこいつもアニマるのかと見せかけて。
「美味しいものといったら辛いもの。辛いものと言ったら……わかった!唐辛子の着ぐるみで来いってことだね!」
どうしてそうなった?どうしてそうなった!?驚愕のあまり二回言ってしまった……。
「ではさっそく着ぐるみに着替えてゆるキャラっぽくいきましょう!アイさんはどんな辛いものになるー?」
「って、なにコスプレして参加する気満々なんですか!?私たち紙装甲がいても役に立ちませんってー!」
唐辛子人形(?)と化した理緒にツッコミを飛ばすアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)だが、相方が既におめめキラキラで姉妹品と思しき山葵の着ぐるみを構えているため、半ば諦めて気を持ち直し。
「まあ、難しいゲームほど燃えるもの。この難関クエスト、クリアしてみせましょう!えーと、ヘイトを稼いで範囲攻撃を誘う以上、防御優先よりも回避優先で、かつヘイトを稼ぎやすい装備がいいですね」
レイドイベント開始まで、もう少しだけ時間がある。今のうちに準備を整えてしまおうと、アイが攻略のセオリーやそれに基づく装備を検索していくと。
「条件に合う装備を検索したところ、このハロウィン仕様のチョコビキニアーマーになりました……」
「え?辛くならないの?たしかにアイさんならスイートな方が似合う気もするね!」
いやなんでそんな防御力皆無の装備になったの!?
「ハロウィンパレードなどの人に『魅せる』現場での使用が想定されていて、ヘイト稼ぎに必要なスキルがついていたので……」
既に羞恥心で真っ赤になってるアイの傍ら、遠くを見つめる涼風・穹(人間の探索者・f02404)がぽつり。
「レイドイベントだと参加するだけでも特典が貰えたりする美味しいイベントだろうに、こっちが美味しく食べられる側なのか……」
って言うからあんまり乗り気じゃないのかと思ってたら、なんとでっかいプリンから手足が生えた形の着ぐるみで参戦。頭にはブドウっぽい被り物をして、両肩(カラメル)の辺りにはカットした梨も乗っけた秋仕様というこだわりっぷり。気になるのはアレか。お腹部分と言う名のプリン正面に全てを見透かしていそうな瞳が描かれている事か。
「本来は上に乗ってるサクランボに目があるが、それだと俺が前が見えないから特別仕様だぜ」
いやむしろなんでそこまでこだわっちゃったんだよ。プリンっていうか新手のうにうにじゃねぇか。
「しかし、アバターなんだしなんでもありだとは思うけど、こうも食べ物ばかりの集団だと周囲からはそういうクランかなにかだと誤解されそうだな……」
まぁ、そうね……ゆーて、猟兵って結構変わり者が多いクランみたいなもんだし……。
「ところでヘイトを稼ぐって、なにかそういう技能があるのか……?ゲームキャラならタンクに相応しいビルドにできるだろうけど、ここで生身である弊害が……」
そこはまぁ、気合で。
「対処法をぶん投げやがったな!?」
とかなんとか騒いでたらイベントが始まってしまった!!
「一切攻撃しないで突っ込んできますね……見た所、敵は近距離が得意なようですね。ならば、こちらは距離を取って戦うまでです」
摩那は戦闘開始と同時に一斉に走ってくるドラゴンゾンビを見ながら、電磁ヨーヨー、エクリプスを伸縮させて弄び始めた。投げて手元に戻る度に加速する手車は徐々に帯電し、青い稲光を纏う。
「カバーリングも何も、攻撃される前に倒してしまえばいいのです!」
「もうもうもももも、ももももももももももももぅ」
敵が遠くにいる時点でるこるが飛ばした浮遊砲台が弾幕を張り、数を削りながら迫って来たゾンビを摩那のヨーヨーが焼き砕く。ぶっちゃけ敵が攻撃行動に入る前にドッカンドッカンバシベシビリィしてるから、何のための着ぐるみだお前ら?って状態だが、戦法としては有効なので気にしないでおこう。
「さ、抜けて来た敵軍は私達で引き受けるわよ!いでよ、邪神ボックス!!」
ててーん!アリスな謎の箱を取り出した!!
「それはまるでチートのような、とんでもない才能……かもしれない。何が起こるか私にも分からない、運ゲーUC……」
ずんちゃっ♪ずんちゃっ♪ちゃっかちゃっか♪ちゃっかちゃっか♪ちゃっちゃんちゃちゃっちゃ♪ちゃっちゃんちゃちゃっちゃ♪ちゃっちゃちゃちゃーちゃ♪
「出たわ!今回のUCは……」
『創世混沌魔術B』
「いま戦っている対象に有効な【想像から創造したユーベルコード】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い」
↓
『遊戯と対価の天秤』
「???」
「やっば、よりによって理解できるまで何もできない、産廃UCが強制召喚されてしまったわ……しかもこれ、私の想像から創造されたモノじゃないから本当に分かんない……」
「ネタ依頼って言ってもさすがに酷すぎないか!?」
箱から取り出したカードに書かれたモノを見て、震えながら固まってしまったアリスを後方に引っ張って下がらせながら、代わりに穹が敵軍迫る最前線へ躍り出た!
「う~にうにっ!う~にうにっ!」
いや本当に踊ってどうすんだよ!?
「俺は誘因系の技能持ってないんだからしょうがないだろ!?」
ぷるぷるうにうにした不思議な踊りを続ける穹に、ドラゴンゾンビは同じドラゴン臭を感じたのか、あるいはおかしな見た目……もとい、お菓子の見た目に釣られたのか、穹に向かって突進してくる!
「かかったな!投影!!」
しかし、ドラゴンゾンビの射程圏内に収まるより先に、地面から湧き出した無数の槍が腐敗した竜鱗を貫通してその場に縫い留めてしまう。こうして完成したオブリビオンによるバリケードを足場に、後続はもたつく事になってしまうが。
「動きが鈍ってしまえば、後は身軽なこっちのものよ」
後続がバリケード化したオブリビオンをよじ登っている間に、串刺しになっているゾンビの頭を足場にして静夏が肉薄、利き腕で頭を並べた死にぞこないの竜共を片っ端からぶん殴る。拳の痕が『夏』模様にぼんやり光れば、後ろに控えた猟兵や一般プレイヤーを巻き込まないよう、自ら敵陣のど真ん中へ飛び込んだ静夏の方へ向き直る。
「ご存じ?守る事とは、防御と同義ではないのよ」
静夏の元居た世界には、『ディフェンダー』と呼ばれる概念があった。
「守りを固める、傷を癒す、障害を取り除く……そして」
腐敗した竜が吠える。呼び声に応えた霊鬼の竜が具現すれば、こちらも吠える。ただし、それは呼び声などではなく、触れた者の生命力を蝕む吐息として……。
「敵の武器を砕く、あるいは動きを封じる。守り方って、たくさんあるのよ」
放たれるより先に、静夏の左ラリアットが下顎を打ち上げて噛み殺させ、そのまま頭蓋を吹き飛ばすと腕が燃え上がり。
「自分の負傷を抑えながら味方の被弾を減らす。それが私の戦い方よ!」
燃え盛る腕を大斧と振るい、オブリビオン本体の首を焼き刎ねる!
「さぁ……こっちにいらっしゃい?」
夏印が刻まれたオブリビオンの群れを前に、静夏は薄く微笑んだ……。
「なんか激しい戦闘になってきたね!私達も行くよ!」
「とはいえ、どうやっておびき寄せればいいんでしょうか?」
唐辛子マスコットな理緒とチョコアーマーなアイが顔を見合わせると。
「う~にうにっ!う~にうにっ!」
「……踊る?」
「流石にあの動きは……!」
穹の謎ダンスを見て首を振った。
「とりあえず、かかってこーい!」
「か、かかってこーい!……あっ」
理緒とアイが分かりやすく挑発(?)すると、ズドドドドド……!
「来たッ!こっちに来たのが運の尽き、私のUCで一網打尽に……!」
が、しかし。オブリビオンは理緒唐辛子なんかには目もくれず。
「きゃー!?こっち来ないでくださーい!?」
「って、えー!?なんでアイさんのほうにばっかりあつまるのー!?」
同じ距離で、同じ条件で敵を誘ったなら半々に狙われるはずだが、その違いはすぐにわかった。
「……や、うん。あれはあつまるよね。溶けかけアイさんチョコとか」
アイが装備したチョコアーマーは、あくまでもゲーム内の装備品。つまり、生身で参戦している猟兵が装備した場合、体温で加熱される、と言う事を想定されていなかった。つまり。
「いやああー、みないでくださーい!」
装備が溶けてしまい、局部が茶色く甘く塗られた姿に……!
「実質全裸だもんね……これはあれだよ、ゲームにおける課金要素とか早期予約特典とかで初めて見られるボーナススチルだよ……あ、アイさんチョコ、撮っておこうっと」
「なんで撮影してるんですか!?」
パシャパシャしてた理緒がうずうずもじもじし始めるが……まぁ、大体アイが悪い。
「なんでですか!?」
わけがわからない人は、ツッコミ入れて来たアイのUCを見てみよう。
「はっ!?いけない、涎が……」
「理緒さん?それはチョコレートへの涎ですよね?変な目で見てませんよね!?」
不意に我に帰った理緒はスキル一覧を開き、防御用のUCをタップ。
「ま、まぁ、わたしはアイさんのサポートをしよう。これならアイさんも一般のプレイヤーさんも、安全だよね!」
などと戦場に迷宮の如く複雑に張られたそれは、オブリビオンの攻撃を反射するカウンターシールド。知能を持たない腐敗した竜達は尾で振り払おうとして、自らの力で尾を引きちぎられてしまう。
「そ、れ、じゃ……」じりじり
「……理緒さん?あの、何を……」
「いっただっきまーす!!」
「嫌ぁあああああ!?」
戦場に少女の悲鳴が響き渡り、物陰に隠れていた青年が頭を抱えて震えあがる。
「ななな何なんだよこのイベント……こんなの聞いてないぞ……!」
逃げ出そうとして失敗したのか、孤立してしまった彼が身を潜めた岩を挟んで、ドラゴンゾンビがゆっくりと距離を詰めてきており……。
「こ、こんなところにいられるか!ログアウトさえできれば……!」
ゲームを始めたばかりなのか、布の服に木の棒に穂先を括りつけただけの槍を持っていた彼が飛び出せば、その足音に反応したドラゴンゾンビもまた走り出す。
「う、うわ、来るな、来るなぁああああ!!」
文字通り、腐っても竜。人の脚などすぐに追いつき、顎を広げて……。
「……一応、来るなって言ってやったからな」
ピタと、足を止めた青年の頭にドラゴンゾンビが食らいついた瞬間、無残な肉塊と化すはずだった人の体は三つ首の番犬に姿を変えて牙を弾き返し、続けざまに悪魔の姿から本来の姿へ戻った陽太が、牙を弾かれ開いたままの大口に槍を叩き込み脳天を貫通させる。
反撃とばかりに、顎が閉じられなくなったドラゴンゾンビの後ろに霊鬼の竜が湧き出すが。
「遅ぇ!!」
突き立ててあった槍を蹴り飛ばして打ち抜き、召喚された竜が吐息を吐く前に眉間を刺し穿ち沈黙させて、二振り目の槍を叩き下ろすようにして首を落とし、ドラゴンゾンビ本体を仕留めた。
「ふーむ、真正面からの騙し討ちってのも、たまにはアリか……」
と、陽太が槍に残った肉片を振り払っていると。
「えっちなのうみそおいしいです❤」
「うぉ!?」
なんかアリスがいた。
「な、なんで急に……」
「えっちなのうみそおいしいです❤」
「……?」
様子がおかしい……いや、おかしいのはいつもの事だが、いつにもましておかしい……まるで心を失ってしまったかのように、延々同じ言葉を繰り返している。
「これ、人形か……?」
それがアリスの偽物であると気づくと。
「えっちなのうみそおいしいです❤」
「えっちなのうみそおいしいです❤」
「えっちなのうみそおいしいです❤」
「カオス大惨事?覚悟しねーと突っ込めねぇだろ……そう思って腹は括ってきたが」
いつの間にか、アリス人形に囲まれていた。
「何やってんだアイツはぁあああああ!?」
今日もツッコミお疲れ様です。さーて件のアリスはってーと。
「れれれ冷静になりなさい。たとえUCがゴミだったとしても私には大量に持ち込んだ秘密兵器【課金アイテム】があるもの……!」
持ってきた事前蘇生アイテム(HPがゼロになった際、それをなかったことにしてくれる)を一般人プレイヤーに片っ端から使って回ってきたり、ステータスバフがかかるアイテムをばら撒きまわってみたり、高性能装備を配ってみたり……とことんアイテム頼りになってた。
「あばばばばばどうしましょう、これしかやることがないなんて聞いてないわ……!」
「えっちなのうみそおいしいです❤」
「そうそうこんな時こそ平常心……よく言うセリフで心を落ち着かせるのよ」
「「えっちなのうみそおいしいです❤」」
「……ん?」
自分のセリフがハモって聞こえて振り向くと、もう一人のアリスがいた。
「え……どーゆーこと?課金アイテムに分身なんてあったかしら……?」
「えっちなのうみそおいしいです❤」
「えっちなのうみそおいしいです❤」
「えっちなのうみそおいしいです❤」
「えっちなのうみそおいしいです❤」
「えっちなのうみそおいしいです❤」
「えっちなのうみそおいしいです❤」
「って、なーによこれー!?」
何という事でしょう、アリスはたくさんのアリスに取り囲まれてしまっていました。
「おいアリス!お前なにやらかしたんだ!?」
「私は何……も……?」
うにうにぼでーの頭の上に、アリス人形がトッピングされた穹が凄まじい形相で走ってくるが、彼は何故か『上』を指さしている。釣られてアリスが見上げた先には、巨大な繭があった。
「うわー……これはあれですか?最大の敵は味方ってパターンですか?」
虚ろ目になった摩那の横で、戻って来た陽太が片手を素振り。
「メタルハリセン……借りてくるべきだったか?」
「あらあら、おっきな蟲さん?次の敵はあちらかしら?」
事情を全く知らない静夏が左腕を構えて、上空への足場をどうしたものかと考えていると、アリスがだんだん冷や汗を流し始める。
「この流れ……もしかして……」
ちらと視線を流すと、アリス人形に囲まれたドラゴンゾンビが毒ガスを噴き出した瞬間、自我を持たないはずのアリス人形達がドラゴンゾンビを袋叩きにした挙句自爆してオブリビオンを吹き飛ばし、霧散したアリス人形が頭上の繭に取り込まれていく……。
「あ、ほら!理緒さん!!事態が大きく動きそうですよ!!」
「私はそんなことよりアイさんが大きくなるように動きたいな……」
「どこ触ってるんですかー!?」
一部モザイクがかかってる辺り、改めてこの依頼が『ネタ依頼』であることを再確認したアリスは、全てを理解した。先ほどのカードを改めて見ると。
『遊戯と対価の天秤』
「【持ち込んだ課金アイテム】の消費量に応じた強さの【反撃するデコイと再獲得したアイテム】や【召喚したデコイを消費して強化される怪物】を召喚する。[反撃するデコイと再獲得したアイテム]や[召喚したデコイを消費して強化される怪物]が敵を倒すと[持ち込んだ課金アイテム]を獲得する」
「って事はあれよね。さっきから私が浪費したアイテムと、デコイが敵を倒して獲得するはずだったアイテムが全部あそこに吸収されてて……」
滝のような汗を流しながら頭上を見ると、パリッ。繭が割れて巨大なアリスが這い出てきて。
『お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。私もしたいようにする』
口から凄まじいビィイイイイイム!!敵もデコイもまとめて薙ぎ払い、再生産されたアイテムを霧散させて更に肥大化していく巨大なアリス……。
「ま、まぁ、あれよね。今回限定で二度と出てくることはないから、私は無実よね!」
開き直ったアリスの前で、戦場全てのデコイが消失。巨大アリスの肥大化は加速度的に進み……。
「もうももももももも、もももももうもうももももうもぅ」
るこるが天高く飛び上がり、無数の祭器で戦場を囲む。発生した重力によりドラゴンゾンビ残党は一点に集められ、そのオブリビオンの塊を巨大なアリスが丸呑みにすると。
『お任せってある意味自爆プレイよね☆』
――チュッドォオオオオオオン!!
大爆発を起こして何一つ残さなかった。
「えーっと……」
訳が分からずぽかん顔の一般プレイヤーの皆様を前に、アリスは自分の頭をコツン。
「ごめーんちゃい☆」
テヘペロでごまかすんじゃねぇ!!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『D・D-Psychedelia』
|
POW : 成れの果て、極彩色の怪物
攻撃力に優れた【爬虫類型】、状態異常能力を持つ【植物型】、レベル×2体出現する【昆虫型】、UCを模倣する【人型】、治癒力を持つ【刺胞動物型】。【小型の群れか強力な個体】のいずれかを召喚し、使役する。
SPD : 成れの果て、極彩色の怪物
攻撃力に優れた【哺乳類】、分解能力を持つ【不定形型】、レベル×2体出現する【水生生物型】、飛行能力を持つ【鳥類型】、治癒力を持つ【菌類型】。【小型の群れか強力な個体】のいずれかを召喚し、使役する。
WIZ : 異次元の極彩
戦場全体に【極彩色の侵食】を発生させる。レベル分後まで、敵は【極彩色の侵食】の攻撃を、味方は【極彩色の侵食】の回復を受け続ける。
イラスト:V-7
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
さーて盛大な爆発オチになってしまったが、今のが第一ウェーブ。第二ウェーブとしてぞろぞろと極彩色の怪物が湧き出してくるではないか。その怪物が威嚇か、品定めか、大口を開けば同じく極彩色に染め上げられたドラゴンゾンビが見える……同胞すら食らい、斧が力と化す怪物の群れが、プレイヤーと言う名の餌を求めて迫ってきていた……。
※と言うわけで次回は6日執筆予定。5日中にプレくれると嬉しいな!!
森宮・陽太
【WIZ】
アドリブ連携大歓迎
カオス大惨事…?(諦観気味に遠い目)
こりゃマジで殺す気で来てるな
ネタなんてやってる余裕なんてねぇ…はずなんだが
取り敢えず俺は真面目にやる
数で押されるのはヤベェが
もっとヤベェのは異次元の極彩だな
極彩色に侵食された状態で参加者の回復を怠ったら不味いが…
…いっそのことフィールドごと書き換えちまうか?
「高速詠唱、魔力溜め、属性攻撃(聖)、破魔」+指定UCでレラージェ召喚
レラージェに命じ戦場全体を『極彩色を透明に塗り替え清浄な空気に満ちた空間』に書き換え
攻撃防御ダウンというデバフをおまけにつけて回復も妨害してやらぁ
後は片っ端から二槍伸長「ランスチャージ、串刺し」ってな!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
・|装備状態《召喚品》継続
■行動
第二陣登場、参りましょう。
「かもかも」しか言えない『鴨の着ぐるみ』に着替えまして。
動く前に潰すのが良さそうですかねぇ?
『FAS』を使用し飛行、『FMS』のバリアを味方との間に展開して壁を形成、【錺剿】を発動し『領域&波動』を展開しますねぇ。
『波動』の『拘束で』或る程度動きを止められる上、『超重力』『存在吸収』『自壊誘発』の何れか一つでも、怪物達の召喚した個体を含む一体以上にダメージを与えられれば、手番を渡さず再攻撃が可能ですぅ。
超強化と即時修復が付与された『攻撃用祭器』各種は、『FPS』で「味方を襲いそうな個体」を把握して優先的に狙いますねぇ。
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
まぁ、寄生生活してる私がちょっとおねだりすれば食事に困ることは無いんだけどね。黒聖者(ダークメサイア)の黒教コミュでこう欲望を対価におねだりすれば課金アイテムも集るわ☆そう、それはまるでチートのような、とんでもない才能。
まぁ、この手のゲームでよくある布地が少ない程防御性能が高いけしからん水着系とフレーバーがアレだけど効果が高いけしからんおくすり系が集るわよね、知ってた。おいしそうといえばおいしそう。
極彩色の侵蝕を|ドレインヒールで味方へのリソースに変換《大食い、エネルギー充填、魔力供給》し、丸呑みにされたら|内側から侵蝕《化術肉体改造》して乗っとるわ❤
黒木・摩那
ドラゴンゾンビは派手に吹っ飛びました。
そして、後から来たのも派手ですね。
ぬめぬめして気持ち悪そうだけど。
あれもドラゴンゾンビだったものですかね。
いろいろな種類のゾンビが混じってて、もう訳がわからないです。
数が多いだけに、範囲UCでまとめて攻撃ですね。
ヨーヨー『エクリプス』を使って、UC【乱舞雷花】を発動。
ゾンビをいわば電子レンジに突っ込んで、こんがり焼いてあげます。
曼陀・沙羅
レイドイベントはクエスト作成のトリリオンを稼ぐ絶好の機会です。と思ってた時期が私にもありました、バグなんて聞いてませんよ。ドラゴンプロトコルとしてデバッグしなきゃダメじゃないですかやだー!
それにしても|あのプレイヤーさん《猟兵》達はいったい……ん?オブリビオン?猟兵?く、こんな状況で毒電波が(ここで猟兵に覚醒)
まぁいいです。組合員(ギルドスタッフ)として|重要NPC《クエストキャラ》として許された|理不尽な硬さ《鉄壁》でプレイヤーさん達の盾とならねば。黒聖者(ダークメサイア)スキル欲望解放、さぁ、その欲望を全て私にむけなさい。……あっ(丸呑み)。
ふぅクエストキャラでなければ即死でした。
葉月・静夏
今度の敵は何だか派手ねー。さっきのドラゴンゾンビとの差がすごいね。
とはいえ食欲優先なのは変わらないみたいだから、食べられる前に倒さないとね。
今回もさっきまで着ていた鳥の着ぐるみのままで戦うよ。
誘導は着ぐるみだけで十分みたいだから、今回はもっと攻撃的にいくよ!
といっても攻撃力重視の【重力夏の祝福】を使い、敵中に飛び込んでひたすら攻撃を続けるだけね。間合いに入った敵から拳を打ち込み、敵の召喚する怪物も殴る。
【鉄壁】の打たれ強さを信じてあまり防御も考えずにとにかく攻撃していくよ!
元の世界でも時々攻撃役のクラッシャーをしていたように、たまにはこういうのもいいよね。
稲荷・こん子
アドリブお任せ
「ゴッドゲームオンラインって世界の事を色々調べて見てたら依頼の出発に遅れたのです!」
「…周囲が焦げ臭いような気もするけど、誰か花火でも使ったのです?羨ましいのです!」
「あとお腹空きましたです!」
っといつもの無邪気な様子のこん子であったが、目を閉じ真面目そうな雰囲気で
ふぅっと息を吐き、空中で指を動かす
それは無慈悲な一撃…敵に向かっての【秘技】の使用を意味する…
「食べていいのは食べられる覚悟のある奴だけなのです」
そう、敵をいなり寿司に変化させる恐ろしいUCの使用である。
そしてそれを食べる気のこん子なのである!
食べきれなかったら皆にもお裾分けするのです。これで平和的に解決なのです(?)
菫宮・理緒
わー……なんかさらにすごいのでてきたね。
これはあれかな?
昭和のシューティングとかによくあった、ボスキャラ第二形態ってやつかな?
そうなると、このまま第三、第四くらいまであったりとか……。
え?そんなにない?章が足りない?
ならこれを倒せばおっけーなんだね。
あ、そだ、お腹空いてるみたいだし、せっかくこんな格好してるんだし、
大きく開いた口に特製辛味を投げ込んでみよう。不思議生物にも効くかな?
あ、チョコアイさんはダメだよ。わたしのだからね。
で、あとはー。
とりあえずユーベルコードはお任せでいいかな!
なんかこう、強そうなやつをどーんとやっといてもらえると嬉しいかな。
NGとかないんで、なにしちゃってもいいよー!
エドゥアルト・ルーデル
拙者はディフェンダーもやれるタイプの猟兵でござるが…めんどくさいのでやりません!
拙者にはわかる…この世界にも物理演算の神がいるって事を…そしてバグまみれでお怒りなのが…ナ!
おもむろに一般プレイヤーの頭を壁やら地面の良い感じの所に打ち付けろ!
すると神がお戯れって壁の向こう側に押し込むことができますぞ!世界がバグってるでござるからな
これで攻撃を受けないでござろう!という訳で脆いPLはテクスチャの隙間にどんどんしまっちゃおうねぇ
敵?多分その辺で塊と化してるでござるよ!接触判定がバグってるのに追加で召喚するからでござるね
適当にバグ利用して不可侵エリア辺りに捨てて来ようぜ
なにPLの取り出し方…?しらねぇ
涼風・穹
ここがゲームの中というならなにかシステム的な機能が使えるかもしれん
「ステータス」や「プロパティ」のようなお約束の台詞を言ってみたり何かしらの技能が使えないかと試してみます
まあ無理そうならここは肉を取り出して「上手に焼けましたー」的ないい感じに焼きます
肉の焼けるいい匂いで敵を誘き寄せてから目の前で俺が肉を美味しく食べることによりヘイトを稼ぎ、更に攻撃されてダメージを受けた分を回復するという作戦です
適当な所で《起動》を発動して予め『イグニッションカード』に格納しておいた『ズィルバーンヤークトフント』を出して乗り込み攻撃します
中世風ファンタジー世界とはいえSF要素もあるなら世界観的にも問題無いだろう
「カオス大惨事……?」
ある程度、腹は括ってきていた陽太だったが、戦場がまっさらになったと思ったら極彩色に塗り上げられていく様を目の当たりにして、まーたこれ全部吹っ飛ぶのかー……なんて思うと、ツッコミは消耗品通り越して使い捨てなんじゃなかろうか、なんて諦観の境地に踏み込んでいた。
「こりゃマジで殺す気で来てるな。ネタなんてやってる余裕なんてねぇ………はずなんだが」
同胞すら食らう極彩色の怪物が、進軍して大地を染めていく様の一方で。
「かーもかもかもかも」
「とーりとりとりとり」
鴨ぐるみに換装したるこると静夏が共鳴してるー!?
「かもかも、かもかもかもかもかもかもかもかもかもも?」
「何言ってるのかよく分からないのは、鳥さんの共通項だったから何となく会話できるような気もしたのよ」
何となくで実際意思疎通図れてないないから鳴き声×弐、なんてことになってんじゃないですかね?
「かもかもも、かもかもかもかもかもかもかもかもかもかもかもぉ?」
なんか物騒なこと言ってる気がするんだけど、何言ってるかわからねぇ……!こんな時は邪神印のレンタルアイテム、カモリンガル。こっから先は鴨語をヒト語に翻訳してお送りします。
「今度の敵は何だか派手ねー。さっきのドラゴンゾンビとの差がすごいね。とはいえ食欲優先なのは変わらないみたいだから、食べられる前に倒さないとね」
とまぁ静夏が言った通り、敵はアホみたいな攻撃力を誇り、なおかつ食った物を同化する敵なわけだから、食われたらアウトなわけですよ……なぁアリス?
「なるほど、つまり丸呑みにされたら内側から侵食して乗っ取ってやれば痛い痛い痛い!?」
テメェの頭の中にはスポンジでも詰まってんのかアァン!?そもそも食われんなってゆーとるやろがい!!
「資金面の不安については、まぁ、寄生生活してる私がちょっとおねだりすれば食事に困ることは無いんだけどね。黒聖者【ダークメサイア】の黒教コミュでこう欲望を対価におねだりすれば課金アイテムも集るわ☆」
こいつ、いつの間にかすり抜けて、ログアウトしてからインし直したのか!?消費した課金アイテムを追加装備してやが……むしろ剥ぎ取られてない?
「まぁ、この手のゲームでよくある布地が少ない程防御性能が高いけしからん水着系とフレーバーがアレだけど効果が高いけしからんおくすり系が集るわよね、知ってた」
何という事でしょう。アリスは布面積を犠牲にして追加のアイテムを持ち込んでおりました。
「おいしそうといえばおいしそう」
まぁ、実際はさておきビジュアルが低防御なのは狙われるから……。
「ゴッドゲームオンラインって世界の事を色々調べて見てたら、依頼の出発に遅れたのです!」
おっとここで新キャラ、稲荷・こん子(七変化妖狐・f06041)が参戦!
「……周囲が焦げ臭いような気もするけど、誰か花火でも使ったのです?羨ましいのです!」
「そうね、アレは汚い花火だったわね……」
オウコラ全ての元凶【アリス】、目ェ逸らしてんじゃねぇぞ?
「つまりアリスさんが花火で遊んでたのです?私も花火したいのです!!」
「ふふっ、だぁめ☆ネタ堕ちしてない女の子に火遊びは厳禁よ♪」
この発言だけならまともに聞こえるかもしれないが、マジで次やったらただじゃおかねぇからな?
「あとお腹空きましたです!」
こん子はこん子でフリーダムすぎない!?出撃前にちゃんとご飯食べなさいって言われなかった!?
「わー……なんかさらにすごいのでてきたね。これはあれかな?昭和のシューティングとかによくあった、ボスキャラ第二形態ってやつかな?」
理緒はあのゲーミングカラーを見て、そういう事が言えるくらいにはゲーマーなのかね?
「そうなると、このまま第三、第四くらいまであったりとか……」
このシナリオ三章構成なんですけど?ていうかお前らみたいな癖が強すぎる猟兵部隊の案件を抱えてる時点で、正直三章目も書ける気がしてないんですけど???
「え?そんなにない?章が足りない?ならこれを倒せばおっけーなんだね」
そうは言うとらんやろがい!このあともう一戦控えてるって言うてるやろ!!
「……それ、ネタバレじゃないの?」
断章見ろ!これ第二ウェーブ!!まだメインオブリビオン出てきてない!!
「つまりこのオブリビオンは前菜……私達を真似して、コース料理風に出てきてる……?あ、そだ、お腹空いてるみたいだし、せっかくこんな格好してるんだし、大きく開いた口に特製辛味を投げ込んでみよう。不思議生物にも効くかな?」
理緒が持ってる奴はあくまでも自分好みに調合した七味と山葵のセットだから微妙……ていうかそもそも、あの捕食の権化みたいなオブリビオンに意味あるか……?
「つまり、猟兵を口に放り込まなくてはいけない……?あ、チョコアイさんはダメだよ。わたしのだからね」
アリスみたいな事言ってんじゃねぇよ!!……あれ、そういえばアイは?
「チョコアイさんは、わたしのだからね」
理緒はにっこりと微笑んだ……え、まさか、こいつ……!?いやこれ以上の詮索はやめておこう。きっと病んでしまった時には稀が止めてくれるはず……気を取り直して状況確認を……。
「ドラゴンゾンビは派手に吹っ飛びました。そして、後から来たのも派手ですね。ぬめぬめして気持ち悪そうだけど」
「拙者はディフェンダーもやれるタイプの猟兵でござるが……めんどくさいのでやりません!」
摩那の横にエドゥアルト・ルーデル(黒髭・f10354)が生えてる!?
「あれもドラゴンゾンビだったものですかね。いろいろな種類のゾンビが混じってて、もう訳がわからないです」
「拙者にはわかる……この世界にも物理演算の神がいるって事が……そしてバグまみれでお怒りなのが……ナ!」
「まぁ、そのバグがオブリビオンなわけですから、あれを掃討すれば神様も落ち着いて……」
なんて、摩那が振り返ると。
「おもむろに一般プレイヤーの頭を壁やら地面の良い感じの所に打ち付けろ!すると神がお戯れって壁の向こう側に押し込むことができますぞ!世界がバグってるでござるからな!!」
「いやその人、首から上が埋まってるだけじゃありませんか!?」
何という事をしでかしてくれたのでしょう。一般プレイヤーの頭が地面に突き刺さり、両肩で直立する前衛オブジェとなってしまいました。
「これで攻撃を受けないでござろう!という訳で脆いPLはテクスチャの隙間にどんどんしまっちゃおうねぇ」
「あの、物凄く暴れてますけど……」
「うるせー!ポリゴンに酔うくらいがなんだ!人権デリートに比べればちょっとした致命傷みたいなもんでござろう!?」
「致命傷の時点で『ちょっと』じゃありませんよね!?」
「レイドイベントはクエスト作成のトリリオンを稼ぐ絶好の機会です。と思ってた時期が私にもありました」
ツッコミに回ってしまっていた摩那の後ろに、なんか竜人っぽいロリロリした女性が虚ろ目で立っており。
「バグなんて聞いてませんよ。ドラゴンプロトコルとしてデバッグしなきゃダメじゃないですかやだー!とりあえずバグの根源は排除し……」
「あ、そこテクスチャに隙間があるでござるよ」
「むぁっー!?」
突如現れたクエストの管理人みたいなロリ『っぽい』女性はポリゴンの隙間に消えていった……。
「ぽいって事は合法ロリでござるかな?」
そこを気にするんじゃねぇよ黒髭。つーか民間人の避難と称して埋め立ててるだけじゃねぇか。
「いやほら、拙者の仕事は実質出オチでござるし」
と、くいっと迫ってきていた敵軍を示すと……。
「なんかくっついてませんか!?」
摩那が見間違いかと思ってスマートグラスでスキャンするが、敵の軍勢はCGゲームによくある物理法則を無視して重なり合った残像系ビジュアル状態の群体風個体に合体しており。
「ほーら何体いるか数えるのも嫌になる敵も、一体仕留めるだけの簡単なお仕事に早変わりでござるよ!!」
その分耐久性も攻撃力も格段に上がってるけどな!!
「ここがゲームの中というなら、なにかシステム的な機能が使えるかもしれん」
敵がとことんバグバグしてきた事もあり、穹は生身だろうとゲーム機能は使えるはず、と言う事で片手を掲げて。
「ステータス!」
しかしなにも起こらなかった。
「プロパティ!」
しかしなにも起こらなかった!
「メニュー!」
しかしなにも起こらなかった!!
「何故だ!?」
お前がゲームキャラクターじゃないからじゃないか?
「こうなったらとっておきのコレだな」
ドンッ!でっかい骨付き肉を焚火にバイポットでセット。ぐるぐる回してじっくり焼きながら。
「肉の焼けるいい匂いで敵を誘き寄せてから、目の前で俺が肉を美味しく食べることによりヘイトを稼ぎ、更に攻撃されてダメージを受けた分を回復するという作戦……我ながら完璧だな!」
と、ここで敵軍を見遣ると。
「なんで合体して巨大化してるんだ!?」
「一々範囲攻撃するの大変でござろう?的は一つに絞っておいたでござ……アッツィ!?」
いい仕事したぜ!って顔でサムズアップするエドゥアルトを、熱々ミートハンマー(生焼け)でぶん殴って肉を片付けた穹は、自分のキャバリアの姿と名称が描かれたカードを取り出して。
「正直ギャグで持ち込んだつもりだったんだが……まさかほんとに使う事になるとはな」
カードを正面に掲げ、その呪文を叫ぶ。
「イグニッション!」
掲げられたカードは光の糸を紡ぎ、穹の体を包む真球の繭を編むと浮かび上がり、大きく膨れ上がっていく。やがて、内より伸ばされたそれは白い装甲の機械腕。
「巨大怪獣VSロボットなんてのも、ゲームならではだよな!」
先史遺産が白き機体。ズィルバーンヤークトフントが顕現した。いやなんで持ち込んだんだよ本当に。ここまで事態が悪化する事を読んでいたのか?
「キャバリアなら私も持ってたのに……」
摩那よ、この状況に対応できる備えをしていた穹の方がおかしいんだからな?普通は集団戦パートに巨獣討伐の装備なんて持ち込まないからな?
「だが、こうなっちまった以上は仕方ねぇ」
もはや敵なのか戦場なのか分からない極彩色の大地を前に、陽太は顎を揉む。
「あの巨体で押されるのはヤベェがもっとヤベェのは異次元の極彩だな。極彩色に侵食された状態で参加者の回復を怠ったら不味いが……」
「ヒャッハー一般プレイヤーはポリゴンの隙間に埋め込んでやるでござるぅ!!」
「ぎやぁああああ迷惑プレイヤーがいるぅうううう!?」
「いっそのことフィールドごと書き換えちまうか?」
陽太!?今エドゥアルトの横暴から目を逸らさなかったか!?
「あんなの相手にしてられるか!!」
こいつ、ツッコミを放棄しやがった……!
「来い、レラージェ!戦場を改変する!!」
呼び出されたそれは緑衣に身を包み、目深に被ったフードで顔を隠した狩人。携えた弓を天に引き、放たれた矢が落ちた地点から広がる無色の大地。しかしその効果は地下に対しては数メートル程度なのだろう。戦場全体に大穴が開いたように見えるが、実際には地面が存在しており、まるで敵が宙に浮いているように見える事態に。
「攻撃防御ダウンというデバフをおまけにつけて回復も妨害してやらぁ!一気に片付けるぞ!!」
と、走りだそうとした陽太だったが。
「食べていいのは食べられる覚悟のある奴だけなのです」
こん子が不意に、小さく息を吐くと目蓋を降ろして中空をなぞる。指先は上下に移動しては横に滑り、最後にツンと、突き出されると。
「これでお腹いっぱいなのです!!」
「……はぁ!?」
うわー、これからシリアスに吶喊しようとしてた陽太の目の前で、敵が巨大ないなり寿司になって固まってる……。
「後はみんなで仲良く分けるだけなのです!!」
などとこん子がぴょんこぴょんこするが、いなり寿司もびったんびったんずるずるずる。
「いなり寿司が動いてるのです!?」
そりゃー、外見が変わっただけで中身オブリビオンやし……。
「食べられる前に、あっちが食べ物になっちゃったかー……」
敵の脅威度は変わっていないはずなのだが、気の抜けてしまった静夏が苦笑しながらも。
「一体しかいないし護衛対象は埋まってる(?)し、今回はもっと攻撃的にいくよ!」
空気の抜ける音が届かない静かな呼吸と共に、左拳に纏うは太陽の輝き。
「あの輝きは……重力鎖……!?」
知っているのかエドゥアルト!?
「ふっ、何を隠そう拙者も元は番け……」
あ、今は静夏のターンなんで長話はカットで。
「そんな!?」
「打たれ強さには自信があるの……此処はひたすら、攻める!」
拳の間合いまで駆け抜ける静夏へ、無数のドラゴンゾンビがひしめく極彩色の大顎が降りかかってくるが。
「いっぱいいるように見えても実際は一体……だったらどこを殴っても当たるよね!」
天を覆う群体を片っ端からぶん殴って、押し返す!
「これで、どう!?」
フィニッシュブローを振り抜き、巨大化した融合オブリビオンが頭を弾き返されれば、理緒唐辛子が短い両手を挙げて。
「これは皆でいなり寿司をアレンジする流れだね!私も続くよ!……というわけで」
クルっと、なんで『こっち』見るの?
「なんかこう、強そうなやつをどーんとやっといてもらえると嬉しいかな。NGとかないんで、なにしちゃってもいいよー!」
おめー、さては書き手の負担って物の一切を無視してやがるな?
「うん!」
キラキラした笑顔頂きましたー☆チックショウ!!とりあえずUCリスト見るか……。
「あ、こっちもソレでよろしく♪」
アリス……オ マ エ モ カ !
「なんか状況的に見えてはいけない何かが思考停止していそうなので、先にレンチンして温めておきますね」
帯電させたヨーヨーを遥か上空に向けて飛ばした摩那。敵の頭上まで伸ばされたヨーヨーからは戦場全体へ七色の花弁が舞い散って……。
「励起。昇圧、帯電を確認……」
クンッ、ヨーヨーを手元に戻し、握った瞬間。
「全身丸っとコンガリです!!」
バヂィッ!!空間そのものが発雷したような凄まじい電圧が戦場を襲い、巨大化したオブリビオンの全身から白煙が上がる。
「どうして私がこんな目に……」
あ、さっき落とし穴(?)に消えたロリ風の女性がテクスチャから這い出して来た。
「まぁいいです。組合員として、クエストキャラとしてプレイヤーさん達の盾とならねば」
AIとしてバグ処理に来てたのかこの人。まぁ、種族がドラゴンプロトコルだからそらそうか……。
「黒聖者スキル『欲望解放』。さぁ、その欲望を全て私にむけなさい」
黒いレーザーが放たれれば、既に半分焼き上がったいなり寿司に避ける術などあるわけもなく。
「そして私の攻撃は威力は最低限。その本質はターゲッティングの獲得にある……プレイヤーサポーターの本懐、遂げさせていただきます」
ちょっとメタいお話をしよう。要はNPC枠として参戦したこの謎の女性。撃ってる攻撃もダメージを与えるためのものではなく、微小なダメージの発生に伴い、ヘイト値を一気に高めるもの。で、あとはどんどんHPが削れ続けて、ゼロになる前にプレイヤーがボスを倒す。っていうのが本来設定されていたイベントプログラム。ここで問題になるのは、敵がいなり寿司になっているってこと。あの体格というか、造形で急に向きを変えるとね?
「……あっ」
\ぷちっ/
うん、倒れてくるよね。さらば下敷きになった謎の女性。君の活躍はきっと忘れられない……。
「あ、お醤油がかかったのです!」
こん子黙ってなさい!今NPCが犠牲になったシリアスシーンですよ!!あとあれは黒いだけで調味料じゃないから!!
「お?じゃあ七味もかけて焼きおにぎりだね!!」
「そういう事なら地上側は任せなさい。両面こんがり香ばしく焼き上げてあげるわ☆」
理緒が天を示せば転がったオブリビオンの上空が歪み、アリスが何故か眼帯をつけると右手に雫を包み込む羽の様な紋章が浮かぶ。歪んだ大気は降り注ぐ光を収束し、アリスが腕を振るえば周辺に転がる岩石は燃え上がるも、光を放たぬ炎と化してオブリビオンを取り囲み。
「これぞ環境に配慮した……」
「そして猟兵流の合体調理法よ♪」
「「ソーラーフレアクッカー!!」」
イェーガークッキーング☆大地を迸る闇色の炎が下からじっくり加熱していく一方で、上空より降り注ぐ光が収束して高温を発生させます。上からはいなり寿司全体を焼き上げる強烈な熱線が当てられ、その影になる部分は闇色の炎が隙間なく焼き上げる事で、全体が焼きむらなくこんがりと仕上がります。一分ほどしっかり焼き上げればあら不思議。
「「醤油煎餅のできあがり!!」」
「どうしてそうなっちゃったですかー!?」
いなり寿司がお煎餅になってしまった為にショックで崩れ落ちるこん子だが、多分加熱系のUCを三発連続で叩き込まれて、水分が飛んじゃったからじゃないかなぁ……。
「何はともあれ、動かなくなればこっちのもんだ!」
「援護する。これで終わらせないと俺たちのメンタルも持たない!」
ズィルバーンヤークトフントが飛来して武器を振りかざせば、それより先に陽太が飛びつき、両手に構えた双槍を伸ばして交互に貫通させる。焼成されて硬化した醬油煎餅に連続した穴を開け、切り取り線を用意すればズィルバーンヤークトフントが剣を叩き下ろし、巨大な敵だった塊のカチ割り、一部を瓦解させた。二人の連携で積み上がっていくカチ割りおかきの山の前で、るこるが両手を重ねて、かもかもかもかもかもかもかもかも……。
「よし、こんなもんだろう!」
「巻き込まれる前に離脱する。乗れ!」
ズィルバーンヤークトフントの肩に陽太が飛び乗って、機体が離脱すればるこるが両手を広げて。
「安全確認よし、残処理に入りますぅ」
戦場全体に広がる超重力。その中心に向かって砕かれたオブリビオンだったモノが吸い寄せられ、潰れ、圧縮されていき……。
「ここでデジタルのお約束。ゴミ箱フォルダの登場でござる!こいつをコリジョンの向こう側にシューッ!すれば完璧でござるよ!!」
てってれー!エドゥアルトがなんか持ってきたから。
「では、あとはお願いしますぅ」
ぺいっと、るこるがそこに放り込むと。
「あっ、らめっ、重ッ、このままだと拙者諸共不可侵領域にイッちゃ……!!」
そのまま黒髭と敵だったバグデータはどこか深くへと消えていった……。まぁ、バグるレベルの敵の軍勢を圧縮したデータ量やし……。
「ふぅクエストキャラでなければ即死でした」
あっ、いなり寿司の下敷きになってた奴。お前生きてたのか。
「それにしてもあのプレイヤーさん達は一体……」
と、自分の救援を一切必要としない猟兵達を眺めていると、サクッ☆
「ん?オブリビオン?猟兵?く、こんな状況で毒電波が……」
頭に毒電波が(物理的に)刺さってしまった彼女、曼陀・沙羅(ギルド受付のおねぇさん・f41815)の物語は、ここから始まる!
「え、待って、もしかして私……とんでもない事に巻き込まれました!?」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『データドレイナー』
|
POW : レベルドレイン
【先端を尖らせたデータドレイン触手】で近接攻撃し、与えたダメージに比例して対象の防御力と状態異常耐性も削減する。
SPD : ドレイナーファング
【触手で貫いた敵への食らいつき攻撃】で敵の肉片を捕食する。自身の身体部位ひとつが変異し、敵のユーベルコードひとつを使用可能になる。
WIZ : テンタクルスバインド
【データドレイン触手】を最大でレベルmまで伸ばして対象1体を捕縛し、【データドレイン】による汚染を与え続ける。
イラスト:朝梟
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
戦場も大分綺麗になってしまったところで、地面……ではなく、空間に亀裂を走らせて、芋虫状のオブリビオンが現れた。その蠢く触手が触れたものは崩壊を始め、吸収されていく……恐らくはこの個体がレイドボス。同時に触れるだけで対象を崩壊させる危険な存在……なんだけど、何故だろう。虐殺される未来しか見えない……。
あ、誰かさんが一般プレイヤーをその辺に埋め込んでしまった為、そもそも敵が攻撃するには、その表面のフィールドデータを破壊する必要があります。つまり、ここからは『一般プレイヤーの護衛』ではなく、『防衛ラインの維持』を目標にして、そもそもプレイヤー埋立地に敵を近づけない事が大切になるかもね!!
※というわけで7日に完結予定。今日(6日)の深夜までにプレくれると嬉しいな!!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
・|装備状態《召喚品》継続
■行動
おや、ご登場ですねぇ。
一先ず「くまくま」しか話せない「熊の着ぐるみ」に着替えまして。
この相手なら|手加減無用《中性子星他、危険能力色々》、は止められてしまいましたので、少な目で良いですかねぇ?
『FAS』により飛行、『FMS』のバリアを逃走を防ぐ為の防壁に回しまして。
【夅皨】を発動、『星海召喚玉』を纏い『空中高く舞い上がる』ことで触手の近接範囲から離脱しますねぇ。
その後急降下、『玉』と同数の『高速で降る直径Lvmの隕石雨』を降らせますぅ。
こういうゲームでしたら、最上級の魔法で『隕石雨』を扱うのは良くあることですから、この程度は問題無いですよねぇ?
葉月・静夏
いよいよボスがでてきたね。
……本当にそうなのかな?今までもボス戦と聞いていたのに集団戦で、次は集団戦が対単体戦になって、何よりそんな予想外の戦闘をしているのにダメージも受けない程敵が弱い!
今度のはちゃんとボスらしく強いといいね……
自分の防御力で受けて耐える私にとってこの敵の技は相性が悪いね。本当にこの攻撃が来るならね……【ジャストガード】での防御を狙ってみるよ。これなら防御力削減とかも防げないかな?
攻撃はゆっくり静かな【緩夏静拳】でいくよ。攻撃中はかなり無防備になるけれど、【鉄壁】の打たれ強さで耐えるよ!と言うけれど今までその機会もなかったんだけどね……一撃くらいは攻撃を受けて耐えてみたいね。
グラディス・プロトワン
※ネタ・アドリブなど歓迎
ヒーローは遅れてやってくるという(ただの出遅れ)
タンク役ならウォーマシンの俺に任せてもらおう
並大抵の攻撃では俺の防御力は貫けないだろう
問題はどうやって敵を引き付けるかだが、そこは考えなくて良さそうだな
どうやら敵からするとウォーマシンの俺はデータの結晶で美味そうらしい
そこのイモムシ野郎、データドレインで来い!(某ピンクワニ的な挑発)
…おい、こういった攻撃だとは聞いていないが?
これは防御力とか関係ないのでh……ぐわーっ!
いやしかし敵の注意を引き付けるという意味では大成功なのでhぐわーっ?!
は?!こんなイモムシなんぞに負けないが!!
(いや食われた時点で駄目だよ=タイトル回収)
エドゥアルト・ルーデル
GGEでも鳴らした拙者は圧縮させられゴミ箱に潜った
しかしゴミ箱でただ燻ぶってるような拙者じゃあない
筋が通らずともなんでもやってのける命知らず
不可能を可能にし全てを粉砕する
特攻野郎|J《イェーガー》チーム!
圧縮でペラペラになっちまったァ!まあ【ドット化】しただけでござるが…
よしゲームの世界だしサーバーをハックして権限奪いに行こうぜ!
電子化した今なら適当な通信に乗っかってデータベースに至る事も…そこから脆弱性を突いて同化もできるな
この区画は拙者と化す
そういえば敵がいたでござるな…丁度いいのあるじゃん!
2章のゴミデータをコピペして流星みてぇに降り注げばよかろうもん!
ゴミはいくらドレインしてもゴミや
黒木・摩那
ボス戦だと思ってたドラゴンゾンビが実は集団で、たくさんいたはずの極彩色は合体して、ボスになるだと。
これはもうどんな敵にも対応できるように、持てる最大火力を用意しておくべきですね!
となると、ここは衛星レーザーの出番か!?
と思って半分ぐらい考えたところで、気が付きました。
地面ごと焼いちゃうから、これダメなやつでした。
と、いうわけでやっぱり普通に防衛しましょう。
UC【万散鏡花】を発動。光の刃で触手をばんばん切り落とします。
データ生物ならば、ドローンからの【ジャミング】も効きそうですね。試してみましょう。
埋立地には近づけませんよ。
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
.○ackじゃねぇか、公式敵でなにやってんのうえさまぁぁあ!?
それはそれとしてレベルドレインとはやっかいね、禁呪をもちてその能力を|禁じます《封印術》、さてどうしたものかしら?
ま、ドレイン能力にはドレイン能力をサイキックスティーラーで何もかも吸い尽くしてあげるわ。つまり脳くちゅ、|えっちなのうみそおいしいです❤《大食い、料理、サバイバル 》
ドレイナーファングは|空間を細かく刻んで再構築《ハッキング切断解体、切断部位の接続》しての空間ジャンプとか|位相ずらし《戦術》で回避しましょうか。
|ご都合主義でゴリ押しよ《多重詠唱拠点構築幸運結界術》☆
曼陀・沙羅
いったい何が起きているというのでしょうか?
ともあれ、まずはバグを排除しなければ……そもそもとしてなんでデバッグ作業がゲーム内で直接バグと対峙することになってるんですかねぇ?
まぁいいです。どちらにせよ今の私にできるのは|理不尽な硬さ《鉄壁》を活かしたゴリ押しです。スキルクロス・リユニオンシステムで作ったこのドレイントレジャーは、黒聖者(ダークメサイア)のドレインスキルと組合員(ギルドスタッフ)の硬さを組み合わせて殴りながら自身を回復し、殴った相手を|トリリオンへと変換するお金稼ぎ周回のお供です。
うわ、触手きも。うう、でもこれ殴らなきゃデバッグできないし。ええい根性でやるわよ!おらぁ!!
菫宮・理緒
いやぁぁぁぁ!?むしぃぃぃ!?でっかいぃぃぃ!?
こっちみんな!こっちくんな!去ね!往ね!!逝ね!!!
と、衝動のまま【M.P.M.S】乱射!
『おねーちゃん落ち着いて。効いてないし』
『希』ちゃんのサイバーハリセンととりがーはっぴーで、ちょっと落ち着いたー。
けど、嫌なものは嫌だし、こっちくんなし!
『希』ちゃん、|なにしても《裏からデータいじくって》いいから、あれなんとかならない!?
『さすがに怒られるよ? ファイアウォールとかならどう?』
おっけーおっけー。
なら迷路の壁をファイアウォールで強化して中に閉じ込めらちゃおう。
え? みんなも閉じ込められないかって?
わたしのところに虫がこないほうが優先だよ!
森宮・陽太
【WIZ】
アドリブ連携大歓迎
カオス大惨事? どうにでもなりやがれ!!
わかっちゃいたが…ツッコミが追い付かねぇよ!!
…まあ、いまさらか(諦観)
一般プレイヤーが埋められた場所に
データドレイン触手が届かねぇとは言い切れねぇな
だったら触手のターゲットをずらしてみっか
「高速詠唱、魔力溜め」+指定UCで限度いっぱいまでインプ召喚
この悪魔召喚術、俺自身はあまり好きじゃねぇが…手段は選んでられねぇ
召喚したインプには芋虫の周囲を好き勝手飛翔するよう命令
さぁて、こいつらを捕らえられるかな?
触手のターゲットが逸れたら
即座に二槍伸長「ランスチャージ、串刺し」ででっかい胴体を貫いてやらぁ
これでバグ処理、いっちょ上がり!
涼風・穹
……う~ん…
クエストキャラが猟兵に覚醒したのならNPCとしての特性は失われていそうだな…
盾や囮にして何かあってもなんだしお助けキャラなしでやるしかないか…
それはそれとして『ズィルバーンヤークトフント』を何で持ち込んだのかって言われても、ねぇ…
レイドバトルなら巨大敵との戦いはお約束だろう
もう少しメタなことを言えばTWのゲームって相手のサイズが明記されていないし、ましてネタ依頼なら大惨事に備えておくに越したことはないからな
明らかに触るな危険な相手には幾らでも武器を作れて使い捨てられる《贋作者》は便利だな
まず地雷を多数埋設して防衛ラインを構築します
その後はバズーカや銃火器で遠距離から攻撃していきます
「いよいよボスがでてきたね……本当にそうなのかな?今までもボス戦と聞いていたのに集団戦で、次は集団戦が対単体戦になって、何よりそんな予想外の戦闘をしているのにダメージも受けない程敵が弱い!今度のはちゃんとボスらしく強いといいね……」
静夏が物足りなさそうに不満を漏らす。その一方で。
「ボス戦だと思ってたドラゴンゾンビが実は集団で、たくさんいたはずの極彩色は合体して、ボスになるだと。これはもうどんな敵にも対応できるように、持てる最大火力を用意しておくべきですね!となると、ここは衛星レーザーの出番か!?」
摩那は混乱して何かとんでもない事を言いだす始末。今回の依頼はあれだな、誰も幸せになれない案件だったってことだな……ちょっとしばらく旅に出ます。
「あ、でも地面ごと焼いちゃうから、これダメなやつでした」
って摩那は冷静になったのに。
「いやぁぁぁぁ!?むしぃぃぃ!?でっかいぃぃぃ!?こっちみんな!こっちくんな!去ね!往ね!!逝ね!!!」
理緒はぐるぐるおめめから涙噴水状態でミサイルランチャーを乱射。オッサンの冗談みたいな文章になっているが、シャレになんない火力がそこら一体に散乱する!!
「って、アレ埋まってる人たちも巻き込みませんか!?」
『おねーちゃん落ち着いて。効いてないし』スパァン!!
摩那のツッコミに合わせて、ゲーム内というデータ空間故にか理緒のサポートAI『希』が顕現。サイバーハリセンの一撃で理緒を地面に叩きつけると、ぶん殴られた衝撃でようやく落ち着い……。
「けど、嫌なものは嫌だし、こっちくんなし!」
てるのか?結構ガチ目の涙目だけど大丈夫か!?
「『希』ちゃん、なにしてもいいから、あれなんとかならない!?」
『さすがに怒られるよ? ファイアウォールとかならどう?』
「おっけーおっけー。なら迷路の壁をファイアウォールで強化して、中に閉じ込めちゃおう」
『あ、おねーちゃんちょっと待っ……』
希の制止虚しく戦場が巨大な迷宮に変化。敵も味方も分断されてしまったぞ!!
「え?みんなも閉じ込められないかって?わたしのところに虫がこないほうが優先だよ!」
理緒、てめーさては希が止めてる声、聞こえてたけどスルーしてやがったな!?とりあえずやらかした以上は仕方ないため、カメラを迷路の内部に合わせると。
「ヒーローは遅れてやってくるという……タンク役ならウォーマシンの俺に任せてもらおう」
ここで……新顔……だと?
「並大抵の攻撃では俺の防御力は貫けないだろう」
盛大に死亡フラグを建てていくグラディス・プロトワン(黒の機甲騎士・f16655)……幸か不幸か、彼はよりによって例の芋虫の目の前に取り残されていた。
「問題はどうやって敵を引き付けるかだが、そこは考えなくて良さそうだな……どうやら敵からするとウォーマシンの俺はデータの結晶で美味そうらしい」
ウネウネしていた触手の先端が硬化し、その切先をグラディスに向ける。獲物と認識されたらしい事を察して、大剣を下げ片手を揺らし。
「そこのイモムシ野郎、データドレインで来い!」
某耐久性がありすぎたがゆえに、やられ役が板についてしまったワニさんみたいな事を言いだすグラディスだが……ガガゴン!
「なっ……俺の装甲を貫通した!?」
耐久性には自信のあったグラディス。意表を突かれて一瞬たじろぐが。
「……おい、こういった攻撃だとは聞いていないが?」
ぢうぢうぢうぢう……めっちゃ吸われてますね。しかも、ゲームだから演出上貫通したんであって、耐久値そのものは有効だからじわじわ食われてるっていう……。
「これは防御力とか関係ないので……ぐわーっ!」
おぉっとここで問題が発生。この触手はダメージを与えた場合、相手の防御力を下げる効果もあった。じっくり食い殺されながら防御ダウンも効き始めて加速度的にダメージが増えていく……!
「いやしかし敵の注意を引き付けるという意味では大成功なので……ぐわーっ!?」
これ生身だったら物凄い速さで干からびていくんだろうなーってくらいドレインされてるグラディス……彼は犠牲になったのだ。
「は!?こんなイモムシなんぞに負けないが!!」
うるせー既にガッツリやられてんじゃねぇか!ていうか相手が捕食系のバグなんだから食われた時点で手遅れじゃろがい!!
「ん?なんか騒がしいわね……ここで魔法の呪文、カット&ペースト☆」
迷路の壁を切り貼りしてすり抜けて来たアリスが現場に到着すると、体の一部が分解されて出血の代わりにポリゴンが流出している状態でちゅーちゅーされてるグラディスが見えた。
「公式敵でなにやってんのうえさまぁぁあ!?」
メタい絶叫をするんじゃねぇえええ!!
「それはそれとしてレベルドレインとはやっかいね、禁呪と言う名の生贄をもちてその能力を禁じます、さてどうしたものかしら?」
「ちょっと待て!その生贄って俺の事じゃないだろ……ぐわーっ!?」
「実際、食べてる間は動きが鈍そうなのよね……」
アリスのことを認識しているらしいバグだが、攻撃態勢はとったものの、狙いすましているのか動きが遅い。
「ま、ドレイン能力にはドレイン能力を。何もかも吸い尽くしてあげるわ。つまり脳くちゅ、えっちなのうみそおいしいです❤」
迫りくる触手に対してアリスは虚空を撫ぜ。
「はいはいカット&ペースト、カット&ペースト」
で、空間を切り取って繋ごうとして。
「あ、入ってるでござる」
「あら失礼」
空間を切り取ったらドット絵になったエドゥアルトがいた。あんだけ荒いモザイクみたいな顔してんのに、黒髭だって分かるの凄いよね。とりあえずそっ閉じと言う名のバックキーをするアリスだが。
「って、つい閉じちゃったけどこれ回避失敗なんじゃぐわー!?」
アリスもヤられたー!?
「ぐぬぬ……しかし私もドレインには一家言あるの……むしろ吸いつくしてあげるわー!!」
若干自棄を起こしたアリスと同時、グラディスの方も全身に搭載されたアブソーバーが起動。
「舐めるなよムシケラがぁ……むしろ寄生虫よろしく食い尽くしてやるぜぇ……!」
空腹(エネルギー残量低下)のあまり、キャラ変わってません……?何はともあれ、アリス&グラディスVSバグプロトコルのドレイン合戦が始まってしまった……!
「カオス大惨事?どうにでもなりやがれ!!わかっちゃいたが……ツッコミが追い付かねぇよ!!」
陽太はアレか、よりによってお互いのエネルギーを奪い合うウロボロス状態の芋虫とロボットと変態の構図が完成したタイミングで到着しちゃったか。
「私は変態ではない、例え変態だとしても変態と言う名の淑女よ☆」
アリスは黙ってそこで吸ったり吸われたりしてなさい、これ以上は状況の整理が本当に追いつかないから……。
「……まあ、いまさらか」
陽太が諦めて考える事をやめた!?
「一般プレイヤーが埋められた場所にデータドレイン触手が届かねぇとは言い切れねぇな。だったら触手のターゲットをずらしてみっか」
うごうごうねうねしながら伸び縮みする触手を眺め、それが迷宮の高さを越えていく可能性を視野に入れた陽太は無数の小さな悪魔を呼び出して。
「俺自身はあまり好きじゃねぇが……人命っつうか、人権がかかってる以上、手段は選んでられねぇ。お前ら、好き勝手飛び回ってあの触手を外に伸ばさせるな!」
「ドローンで上から見ちゃえば、迷路も割と簡単でしたね」
そんなタイミングでにゅっと出てきたのが、ある意味せこい真似をしてここまで来た摩那。
「仲間と合流するためだからズルくありません、賢いと言ってください。それはさておき、折角防壁ができているんです。このまま普通に討伐してしまいましょう……分散!」
手にした魔法剣を頭上に投げればその刀身が光を放ち、弾け飛んで拡散すると、芋虫を中心にして渦を描くように並び、その全てが新たな光の刀身となる。
伸びた触手が悪魔を狙って伸びれば、その根元目掛けて刃が飛来。一本ずつ切り落としてそのまま芋虫の巨躯に突き刺さった。少しずつ針山と化していく敵を眺めて、ふと陽太が。
「なんで猟兵を捕えてる触手を切らないんだ?」
「あの二人を解放したらカオスが悪化すると思いません?」
「……」
陽太はそれ以上、何も言わなかった。
「いったい何が起きているというのでしょうか?」
突如謎電波が刺さったかと思ったら、謎迷宮に取り込まれて、歩いた先でドレイン合戦する猟兵とオブリビオンという光景を目の当たりにした沙羅は、呆気に取られて立ち尽くしていた。
「ともあれ、まずはバグを排除しなければ……そもそもとしてなんでデバッグ作業がゲーム内で直接バグと対峙することになってるんですかねぇ?」
いい事を教えてやろう。長生きの秘訣は細かい事を気にしない事だ。
「あ、はい。まぁいいです。どちらにせよ今の私にできるのは理不尽な硬さを活かしたゴリ押しです」
おめー、あれ見ても同じ事いえるのか?
「あれ?」
「食われてなるものかぁあああああ食いつぶしてやるぅうううう!!」
「ドレインにはドレイン……お互いを循環させて境界線すらも少しずつ……うふふふふ……」
ゴリ押ししようとしてドレイン対決する事になったお二人です。
「あの、猟兵ってあそこまでやらないといけないんですか……?」
むしろあれで大人しい部類。って話をしてたら切り落とされた触手がボトッ、ビチビチビチ……。
「うわ、触手きも。うう、でもこれ殴らなきゃデバッグできないし。ええい根性でやるわよ!おらぁ!!」
真っ直ぐ突っ込んでった!?触手の方はその手の専門家二名が押さえてくれているが、巨大な体躯を捻じり、純粋な質量の暴力が横薙ぎに振るわれて。
「あ、これ結構洒落になってな……」
「……一撃くらいは攻撃を受けて耐えてみたかったけど」
迫る白い壁と沙羅の間に、静夏が割り込んだ。
「あの触手と私じゃ相性が悪かったんだよね。それさえなければ……」
両脚を開いて腰を落とし、右腕を地面と垂直に立てて拳を握る。直撃の瞬間に合わせて全身に力を込めて一瞬の硬化。
「ただの物理攻撃で傷つくほど、私は柔じゃないよ」
モロに食らったはずの静夏は微動だにせず、己の質量と怪力を以て身を振るった芋虫が彼女を基点に直角に折れ、返ってくる反動の激痛に悲鳴を上げた。のたうつ巨大な『的』と化した敵めがけて、ゆっくりと送り出される左の拳が、音もなく振れた途端、その全身を小さく弾ける炎が包み込む。
「えぇーい便乗だー!!」
フライパンで熱されるようにパチパチと全身を焼かれながら跳ねる芋虫へ、沙羅が両手でポカポカする度にチャリチャリと硬貨が湧き出し、反撃が来る前にせっせと集めて逃げ出すと。
「……う~ん……クエストキャラが猟兵に覚醒したのならNPCとしての特性は失われていそうだな……盾や囮にして何かあってもなんだしお助けキャラなしでやるしかないか……」
「ぴぇっ!?」
機体を降りて、物陰から様子をうかがっていた穹と目が合って、びくぅ!?
「それはそれとして『ズィルバーンヤークトフント』を何で持ち込んだのかって言われても、ねぇ……レイドバトルなら巨大敵との戦いはお約束だろう」
いや、だからってキャバリアを持ち込むかね?
「もう少しメタなことを言えば、TWのゲームって相手のサイズが明記されていないし、ましてネタ依頼なら大惨事に備えておくに越したことはないからな」
おいバカやめろ違う意味で大惨事になる!!
「まぁ、何はともあれ……迷宮って環境は俺達が動きにくいのと同様に、あのデカブツにも逃げ場がない……投影開始」
両手で地面に触れた瞬間、巨大な芋虫が爆発して吹き飛んでいく……。
「あの巨体じゃ、地雷を設置すれば必中なのも必然ってな。続けていくぞ!」
宙に浮いた巨体目掛けてバズーカ砲を撃ち込み、更なる爆発を産んで上空へ。その後を追うように、小さな悪魔の組体操を足場に跳んだ陽太が、更に摩那の剣を蹴って上を取ると。
「これでバグ処理、いっちょ上がり!」
主の意思に応じて長さを変える双槍が急激に伸び、長大な芋虫の体を貫通。文字通り串刺しにして天に掲げてしまう……が、皆さま、お忘れでしょうか?
「拙者は圧縮させられゴミ箱に潜った……しかしゴミ箱でただ燻ぶってるような拙者じゃあない。筋が通らずともなんでもやってのける命知らず、不可能を可能にし全てを粉砕する……特攻野郎J【イェーガー】チーム!」
はい、例の黒髭ことエドゥアルトがまだ生存していた事を。
「ドット化した今の拙者は電子化に伴い、まさにこの世と一心同体……この区画は拙者と化す」
ずもももももも……フィールドを構築するポリゴンを取り込んで、文字通り地面から生えて来た巨大なエドゥアルト(上半身のみ)が両手を広げて悪の支配者なポーズで迷宮を上から見下ろす。
「そういえば敵がいたでござるな……丁度いいのあるじゃん!二章のゴミデータをコピペして流星みてぇに降り注げばよかろうもん!ゴミはいくらドレインしてもゴミや」
中にまだ猟兵の皆さんもいるんですが?
「ヒャッハー!ネタ依頼において何が起こってもいいように備えていない方が悪いんでござるよ!まぁどうせなんやかんやで生き残る気もするし?とりあえずこの大群相当の圧倒的データ質量をくらいやがれーッ!!」
と、血走った眼を剥いて自棄を起こしたラスボスみたいなノリでマスドライバーアタックしようとしたエドゥアルト……だがしかし、この界隈【ネタ依頼】にはもっと頭のおかしい奴がいたりする。
「くま?くま、くまくまくまくままぁ!?」
熊グルミに着替えて浮遊してるるこるである。
「おんや?はちみつ大好き系黄色くない熊さんごっこですかな?しかし上空にあっては拙者、勢い余って叩き落してしまうかもしれませんぞ???」
「くまくまくまくまくまくまぁ」
「ん?上?」
クルっと振り向くと、まぁなんて綺麗な星空でしょう。今にも手が届きそうなくらい大きな星々が瞬いて……。
「まってあの流れ星、落ちてきてない?こっち来てるでござるよねぇ!?」
『みんなー、おねーちゃんが危ないからこっちのバックドアから脱出して、だってー』
あわあわし始める黒髭の下、迷宮内では希が緊急脱出ルートを構築して猟兵達が撤収。残されたのはオブリビオンとエドゥアルトのみ……。
「待って待って!拙者も連れて……くっ、ワープポイントが小さすぎて入れねぇ……!!」
そんな黒髭を見て、るこるがにっこり。
「くーまくまくっまくまくまくまくま、くまくまくまくまくまくまくま、くまくまくまくまくままぁ?」
【特別意訳】
「フィールドと一体化しているなら、隕石が降り注ぐくらいはなんともありませんよねぇ?」
うわぁ、悪魔の微笑みだぁ……。
「ちょっとあーた勘違いしてござらん!?拙者ギャグ補正で死なないとしても痛いものは痛いのでござ……あっ」
降り注ぐ流星群が、全てをかき消していった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵