初心者クエスト:駆け出し冒険者への依頼
●バグプロトコルの餌食
「ダメだ、もう抑えきれな……うわぁっ!」
「た、助け……きゃぁぁぁっ!?」
モンスターの攻撃を喰らった冒険者が倒され、消滅する。
既にパーティーの二人が今戦っているモンスターの群れにやられてしまった。
ともすれば、彼らが戦っている相手は強敵なのだろうか?
……否、最弱の敵だ。
加えて言えば、この冒険者達はゲームを始めたばかりの初心者である。
「しょ、初心者クエストなのに話が違うぞ、一体なんで……あ、あぁぁーッ!?」
やがて、群れに追い詰められた最後の一人が一斉攻撃を受け、倒されてしまう。
彼が消滅する際に表示された赤いシステムメッセージには、こう書かれていた。
『|遺伝子番号、焼却完了《ジーンアカウント・エリミネート》』と。
●ログイン・トゥ・ゴッドゲームオンライン
「観測された新たな世界がオンラインゲームの世界、ね……わたしとしてはゲームの世界にはあまりいい思い出がないんだけど……」
遠い目でそう呟くアヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)。
その様子を見るに、昔オンラインゲームで色々あったようだが、それはともかく。
「説明を始めるわね。新しく観測された世界『|ゴッドゲームオンライン《GGO》』なんだけど、向こうでは『バグプロトコル』って言う未知の怪物がいるの」
GGO上にて、オブリビオンであるバグプロトコルに倒されてしまった者はネットワーク上の|遺伝子番号《ジーンアカウント》を焼却され、現実社会での人権を剥奪されてしまう。
それはまさに現実における死にも等しく、バグプロトコルの|遺伝子番号《ジーンアカウント》焼却を阻止するのがGGOにおける猟兵の役割なのだ。
「今回は初心者クエストにバグプロトコルが現れる予知を見たわ。みんなには現地へ向かってもらって、GGOを始めたばかりの初心者プレイヤーを助けるのが主な仕事よ」
初心者クエストとは、その名の通りGGOを始めたばかりの初心者向けに設定された『短時間・低難易度・爽快シナリオ』の三拍子揃った、遊びやすくお手軽なクエスト群だ。
初心者クエストは初心者向けではあるものの、キャラ作成時期やキャラの強さは関係なく誰でも参加が可能であり、中・上級者が初心者を上手く手助けする事で得られる報酬や実績などもある事から常に賑わっているのだとか。
「予知によれば、初心者パーティーは『パルニー』って言うGGOのマスコットキャラ兼最弱の雑魚にやられてしまうわ。パルニーはバグプロトコル化しているから、見かけに反して強くなっていて凶暴化もしているみたい」
彼らすれば、いきなり倒せない相手と戦うハメになる訳だが、猟兵の力ならバグプロトコル化したパルニーであっても雑魚同然だ。
現地に飛び次第、襲われている初心者達を直ちに助けるのが最初の任務である。
「あとはそのまま初心者パーティーに同行して、クエストクリアの手助けをしてあげて。何しろ彼らはレベル1と弱いし、操作にも慣れてないみたいだから……」
ただし、あくまで猟兵は『バグプロトコルの排除に専念』し、そうでない普通のモンスターには初心者達に戦わせて|花を持たせる事で彼らを強く《経験値を稼いでレベリング》したり、操作に慣れさせるなどしてゲームを楽しませてあげて欲しいとの事だ。
GGOに現実逃避する人々は、レールに敷かれた自分の人生の事を少しでも忘れたいはずだから……と、アヤカはそう付け足す。
「説明はこんなところかな。わたし達だけ向こうの世界に生身で行ける原理は分からないけど、バグプロトコルから人々を守れるなら好都合だわ。それじゃ、よろしくね!」
そう話を〆るとアヤカはゲートを開き、GGOの世界へと猟兵達を送り出す。
――WELCOME TO GODGAME//ONLINE!!
GGOへと飛び込んだ猟兵達は、そんなシステムメッセージを目にするのであった。
NS
はいどうも、|NS《えぬえす》でございます。
新世界はゲームの世界……あれ、|なんか見覚えありますね《シルバーレインのデスティニーサーガ》?
早速やっていきましょう、今回もよろしくお願いします。
●目的
初心者クエストに挑む初心者プレイヤー達をバグプロトコルから守りつつ、クエストをクリアする。
本シナリオは三章構成です。
第一章は集団戦。バグプロトコル化したパルニーから初心者達を守る。
第二章は冒険。道中で遭遇したモンスター達(非バグプロトコル)を倒す。
第三章は集団戦。初心者クエストの仕上げ、ボスモンスターの手下を倒す。
……以上の構成となっております。
章の導入部でクエスト状況などを簡単に説明しますので、プレイングを書く際にはそちらを参考にしていただくと、少しはやりやすいかと思われます。
●初心者パーティーについて
ゲームを始めた直後、最初の街でたまたま出会って意気投合した三人組。
聖剣士、重戦士、月穹士の構成のようです。
右も左も分からないので、強者である猟兵の言う事に従ってくれます。
●ご注意
プレイング受付は章の導入部分を書き次第開始ですので、少しお待ち下さい。
リプレイはプレイングが届き次第、早めにお返し出来ればと思います。
また、遅くとも失効までには必ずお返しする方針でやっていきます。
もしプレイングの数がキャパを超えそうな場合、早めに受付を締め切ります。
その他にもプレイングの受付を〆切る際にはタグに〆切の日程を入れますので、そちらもご確認下さい。
また、受付〆切後にプレイングが来た場合、申し訳ありませんが不採用とさせていただきます事を予めご了承下さい。
それでは初心者プレイヤーを守り、GGOの世界へと誘いましょう。
第1章 集団戦
『パルニー』
|
POW : とびつく
【とびつき】で近接攻撃する。低威力だが、対象が近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃できる。
SPD : はねる
【飛び跳ねて】からレベル個の【レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物】を召喚する。[レアアイテム「パルニーヘアバンド」の偽物]は誰かが触れると爆発し、【火傷】の状態異常を与える。
WIZ : いたずらパルニー
【バグテクスチャ】を纏ってレベル×5km/hで跳び回り、触れた物品や対象の装備を破壊、あるいは使用不能にする。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●初めてのクエスト・|バグプロトコル《イレギュラー》との遭遇
……時は少し遡り、猟兵達がGGOにやってくる数分前の事。
「ギルドへようこそ! 見たところ、皆さんは冒険者になったばかりですね? でしたら、こちらの依頼はいかがでしょうか?」
初心者プレイヤー達がギルドへやってきて、受付にいるノンプレイヤーキャラクターの組合員に話しかけると、お決まりのセリフと共に初心者クエストを提示される。
内容は『指定された場所に発生したモンスターの群れを退治する依頼』と言う、シンプルかつ分かりやすい物だ。
「モンスターの群れと言っても現れるのは力の弱い個体ばかりなので、皆さんには丁度いいかと。もし危ない事になっても、先輩冒険者の方々が駆け付けてくれる思いますよ」
なので気軽に挑んでみて下さいね、その言葉と共に説明を終える組合員。
彼らはゲームを始めたばかりと言う事もあり、今受けられるクエストはこれしかない。
まずは始めの一歩として、一行はこのクエストを受諾するのであった。
街を出た初心者パーティー一行がフィールドを進むと、兎のような生物であるパルニーの群れと遭遇する。
「……あ、アレがもしかしてパルニー? いっぱいいて可愛いわね」
「けど強くなるためだ。ここは心を鬼にして、あいつらを倒して進もうぜ」
相手は最弱モンスターと言うだけあってとにかく弱く、一発か二発殴っただけで倒せてしまう程だが、このパルニーがバグプロトコルである事を彼らは知らない。
前衛職である聖剣士の少女と重戦士の青年が前に出て、ゆっくりと近付く。
何も知らずやって来る獲物を前に、パルニーの群れが赤い目をギラリと光らせる……。
――それから猟兵達がGGOの世界に降り立ってすぐ、予知にあったパルニーの群れに襲われ、逃げ回っている初心者一行を発見する。
あの様子では、急いで助けに入らなければ大変な事になってしまうだろう。
さあ、早速バグプロトコル退治と行こう!
クエストスタート!
●クエストタスク
・モンスターの群れが発生した目的地へ向かおう。(進行中)
・移動中はパルニーと遭遇する事になるが、雑魚なので軽く蹴散らそう。(進行中)
岩永・勘十郎
「カッ。戦闘のイロハも無いか。まぁ最近の若いモンってのはそんなもんか」
と軽く呆れながらも背後から現れ、残像が残る程の早業で敵を斬りつける。
「おい女。頭下げろ」
と勘十郎の第六感が危険を伝え、味方の背後から襲いくる敵を不意打ち気味に散弾銃を駆使し、ノールックで撃ち殺そうと。
「数だけ多いはゾンビだけで十分だ」
そう言いながらUCを発動。敵に向けて火を吹きかけて燃やす。スリップダメージを受ける『炎上』と『混乱』の状態異常がつくはずだ。
「おい。そのレアアイテムとやらは拾う時は気をつけろ! そんな簡単にボロボロ落とすと思うか? ゲームの運営が損するだけだ」
ゲームのセオリーから何となく危険なのを察知しつつ。
●現れた救いの手
「カッ。戦闘のイロハも無いか。まぁ最近の若いモンってのはそんなもんか」
岩永・勘十郎(帝都の浪人剣士・f23816)は、やれやれと言った感じで初心者パーティーがパルニーの群れから逃げ惑う様を呆れた様子で見ていた。
彼らは今日、GGOに足を踏み入れたばかりの初心者……戦う術も知らないのは当然だ。
「さて、それなら戦い方の一つでも見せてやるとしようか」
軍用刀剣『小銃兼正 (零號試作・改)』を抜いた勘十郎は、疾風の如き勢いで駆け出す。
一歩、二歩と踏み込み、背後からパルニーの群れを……一閃!
「きゅっ!?」「きゅいぃぃー」「きゅーっ……」
可愛らしい鳴き声を上げるとパルニーが真っ二つにされ、消滅する。
奴らはバグプロトコル故、普通に倒されるのではなくデジタルデータがモザイクのように変化・分解しつつ消えていった。
「えっ!? な、何!? あ、あなたは……」
「おい女。頭下げろ」
「ひゃぃっ!?」
一体何事かと振り返った聖剣士の少女に対し、勘十郎が告げると反射的に身を屈める。
その次の瞬間、彼が手にしていた水平二連散弾銃『戦鎚』が火を噴き、少女の頭上をかすめると別方向から襲い掛かろうとしていたパルニー数体をまとめて蜂の巣にした。
驚くべきはこの射撃をノールックで瞬時に行い、尚且つ命中させた事だ。
「危ないところだったな」
「え、え……も、もしかして助けに……?」
「まあそんなところだ……と、どうやら向こうの狙いがわしの方に向いたか」
少女の問いに軽く応えると、勘十郎は周囲を見渡す。
仲間を一気にやられた事もあってか、パルニーの群れが勘十郎に狙いを変えたようだ。
敵の狙いがこちらに向けば、少女の身もひとまずは安全なはずである。
「数だけ多いはゾンビだけで十分だ」
そう口にした勘十郎は『|野武士の猛攻《ノブシノモウコウ》』を発動させ、パルニーの群れに向け……火を噴いた!
その直後、群れがまとめて焼かれ、パルニーは火を消さんと慌てて跳ね回る。
炎上と混乱の二重状態異常攻撃は効果抜群だ。
「きゅぅぅぅー……」
……やがて、身を焼かれ力尽きたパルニーが一体、また一体と消滅していくが、せめてもの悪あがきにと、最後の力を振り絞って飛び跳ねると同時に何かを召喚する。
あれは……レアアイテム『パルニーヘアバンド』だ! それも数が多い!!
「あ、何か落とし……か、可愛い……!」
後ろで勘十郎の戦いの様子を眺めていた際、パルニーのアイテムドロップを目にした少女が真っ先にヘアバンドに反応、引き寄せられるかのようにふらふらと歩を進める。
それに気付いた勘十郎が声を上げ、止めに入る。
「おい。そのレアアイテムとやらは拾う時は気をつけろ! そんな簡単にボロボロ落とすと思うか? ゲームの運営が損するだけだ」
「えっ、そ、そうなの!? ……そ、そうかも……?」
警告を受け、少女がピタリと足を止めて思い留まる。
勘十郎の言う通り、パルニーがドロップしたヘアバンドはユーベルコードで作り出した偽物であった。
何も知らずに引き寄せられ、手にした瞬間爆発と言う何とも悪辣な罠を『ゲームのセオリーから何となく危険なのを察知』した彼は見抜いていたのだ。
「きゅ、きゅーっ……」
せめて一人でも道連れにしようとした罠が見破られ、悔しそうな鳴き声と共に消滅するパルニー。
彼の助けがなければ、今頃はやられていた事だろう。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
成程、急いだ方が良さそうですぅ。
到着と同時に『FPS』で周囲の情報を把握し『FMS』を先行、初心者さん達の周囲にバリアを展開し、パルニーさん達の接敵を防ぎますねぇ。
この子達の【とびつく】効果は近接前提&低威力ですから、バリアがあれば突破は困難、且つ攻め手を封じられますぅ。
その間に初心者さん達に「手出しの了承」を得た上で、彼らをバリア内に残し接敵距離に近づきますねぇ。
パルニーさん達が『とびついて』来たら、『刀』を抜き【皍劊】を発動、後の先をとっての『先制攻撃』による[範囲攻撃]で近距離の相手を[切断]し一掃、更に[追撃]で間合いを詰め、後衛位置にいた相手も仕留めましょう。
●斬り捨て御免
「このジョブは仲間を守るタイプって聞いてたな……これ以上は行かせない! って、なんだこのダメージ!?」
重戦士の青年がタンク職らしく仲間を守らんと自ら壁となって群れに立ち向かい、そのまま攻撃を受け止めるも、受けるダメージ量に驚く。
バグプロトコルと化したパルニーはその力が十倍近くに跳ね上がっており、例え重戦士の高いHPであっても、そう長くは持たないだろう。
「きゅーっ!」
そこへ死角からパルニーのとびつき攻撃!
万事休すか!?
「き゛ゅ゛っ!?」
……しかし、とびつき攻撃は突然現れた謎の障壁に阻止された。
透明な壁にビターンと激突し、間抜けな顔を晒すパルニー。
「な、何だ!? た、助かった……? 俺、こんなスキル持ってたっけか……?」
「間に合いましたねぇ。大丈夫ですかぁ?」
間一髪で危機を逃れた青年が目を白黒させていると、謎の障壁を放った張本人――夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)がやってきた。
言うまでもなく、彼女も初心者パーティーを助けるべく駆け付けた猟兵である。
「た、助けてくれたのか……ありがとう……ってそうだ、仲間はどうなった!?」
「そちらもご心配なく。あの通り……」
るこるが指差した方向には聖剣士の少女と月穹士の男性がおり、二人にも周囲に謎の障壁が展開され、パルニーのとびつき攻撃をシャットアウトしていた。
彼女が現地入りした直後に祭器『FPS』で周囲の情報を把握、祭器『FMS』を先行させて真っ先に初心者達を守った形だ。
「説明すると長くなるので省きますけど、あのパルニーさん達は危険ですので私達に任せてもらっても?」
早速るこるは戦っている敵への手出しの了承を得んと尋ねる。
ここはオンラインゲームの世界故、最低限のマナーは大事だ。
「た、頼む! 実はヒールポーションがそろそろ無くなりそうだったんだ……」
「はい、任されましたぁ。この中にいれば安全なので、ここで見ていて下さいねぇ」
手出しの了承を得たるこるは前に出る。
一方のパルニーの群れは障壁を破らんと、必死にとびつき攻撃を繰り返しているが……その程度で破られるような物ではない。
「ここからは私がお相手しますよぉ」
「きゅっ!? きゅーっ!」
呼びかけるようにるこるが声をかけると、パルニーの視線が一斉に向けられると同時にターゲットが切り替わり、とびつき攻撃を仕掛けようとする。
「さて、ゲームのバグはきちんと除去しませんとねぇ」
そう呟き、るこるが霊刀『純夢天』を抜くと『|豊乳女神の加護・皍劊《チチガミサマノカゴ・シュンコクノホウトウ》』を発動し、横薙ぎに斬撃を放つ。
向こうが近接攻撃を仕掛けてきた事もあり、るこるの放った斬撃はパルニーの群れのとびつきよりも早く真っ二つに切断・消滅する。
「先手必勝ですぅ」
更に間合いを詰めるかのように踏み込むと、後方に控えていた増援要員と思しきパルニーの群れもまとめてバッサリ斬り捨てた。
時間にして一分もしない早業だ。
「あの人の動きを見たか!? 俺達が苦戦してた敵をあんなあっさりと……」
「ああ、ハンパねえな……たった一人であれだけの数を倒しちまうなんて」
「あれだけ早いとなると、私と同じ聖剣士かな? もしかしたら上級職……?」
パルニーの攻撃が届かない安全な状態から目にしていたるこるの戦いぶりに三人がパーティーチャットで語り合う。
初めて目にする武器や戦い方、そして圧倒的強さに彼らの視線は釘付けであった。
大成功
🔵🔵🔵
イヴ・イングス
初心者プレイヤーの方がバグプロトコルに倒されてしまうのは不味いですね。
運営の不手際と思われるのもなんですし、ここは組合員の私が責任を持って対処せねば。
まずは速さが肝心ですから…この手に限りますね!
(UC発動、適当な段差でしゃがみジャンプを繰り返し速度を溜める)
(次の瞬間しゃがんだ状態ですごい勢いでパルニーめがけてぶっ飛んで行くイヴ)
(なんか発生した当たり判定でバグパルニーを数体蹴散らし)
ご無事ですか!?
すみません、何か不手際があったようで!
(謎の動きについて他の猟兵や初心者パーティから指摘された場合)
えっ、これはその、手癖と言いますかっ!
えーと…カタギのプレイヤーは真似しちゃだめですよ!
●組合員、とぶ
「初心者プレイヤーの方がバグプロトコルに倒されてしまうのは不味いですね。運営の不手際と思われるのもなんですし、ここは組合員の私が責任を持って対処せねば」
ドラゴンプロトコルの女性、イヴ・イングス(RTA走者の受付嬢・Any%・f41801)はバグプロトコル出現の一報を受け、直ちに現場へとやってきた。
バグプロトコル除去も大事な仕事の一つだ。
「初心者には存分にゲームを楽しんでもらって、そのままGGO沼に落とすのは全ギルド組合員最大の使命……こんなところで危険な目に遭わせる訳にもいきません」
仮に初心者がバグプロトコルにやられ、遺伝子番号焼却ともなれば一大事である。
ここはきっちり、|ゲームの管理者《ゲームマスター》として働かなければ。
ドラゴンプロトコルらしくイヴはそんな使命感に燃えていた。
「このままガッツリとGGOにハマり、じゃぶじゃぶ課金してもらえれば私達もハッピー! っと、いけないいけない……今は初心者プレイヤーの方々を助けませんと」
……運営らしい本音がポロッと漏れ出たのはともかくとして、初心者パーティーは今どうなっているのかと言えば、パルニーのとびつき攻撃から必死で逃げ回っている様子だ。
今はまだ何とかなっているからいいとしても、このままではスタミナが尽きてしまい、やがて追い付かれ、最後は群れにボコられてしまう事だろう。
「まずは速さが肝心ですから……この手に限りますね!」
ここは急いだ方がいいと感じたイヴが『|Backwards Long Jump《ヤッフゥヤッフゥヤッフゥヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤ》』を発動、適当な段差でしゃがみジャンプを繰り返し、速度を溜める。
一体彼女は何をしているのかと思われる事だろうが、こう見えてもユーベルコード使用中であり、決して奇行に走っている訳ではない……と予め断っておく。
そうして何度となくしゃがみジャンプを繰り返した直後、イヴが凄い勢いで(どこからともなく聞こえてきたであろう)バビョーンと言うSEと共に飛び、パルニーの群れに目掛けて……スーパージャンプ!
「きゅきゅーっ! ……きゅ?」
その一方、パルニーの群れが初心者パーティーを狩らんと追い回している最中、突然空から何かが降ってくる事に気付いて一瞬足を止めた、次の瞬間!
「「「「きゅーーーーーーっ!?」」」」
BOOOOOOOOOOOOOM!!
爆音と共に何かが地面に衝突、パルニーの群れがまとめて吹き飛ばされた。
言うまでもないが、空から降ってきたのはイヴであり、衝突の際に何故か発生した大きめの当たり判定で蹴散らした形だ。
「……うわっ!? なんだ!?」
「ご無事ですか!? すみません、何か不手際があったようで!」
土煙が晴れた後、イヴが埃を払って初心者パーティーの前に姿を現す。
「あれ……組合員、さん? 不手際って……いや、それよりもさっきのは一体?」
月穹士の男性が目の前で起きた、不可解な事について尋ねる。
ダンジョンの攻略RTA走者らしく、いつもの癖でグリッチめいたユーベルコードを使ったのがここで裏目に出てしまったようだ。
「えっ、これはその、手癖と言いますかっ! えーと……カタギのプレイヤーは真似しちゃだめですよ!」
さすがにここで色々と怪しまれては後が大変だと、イヴが慌てて弁解する。
……何と言うか、大分無理のある言い訳だが『組合員さんがそう言うならそうなんだろう』と初心者達は納得したとかなんとか。
なんでだ。
大成功
🔵🔵🔵
メルティア・サーゲイト
よし、折角だから新入りに猟兵の流儀を教えてやろう。
「では愉快な遠足の始まりだ! 突入しろ、役立たず共!」
両手ガトリングキャノン、両肩マイクロミサイル装備で弾幕を張ってアシストするぜ。
「貴様の性能も大差はない! 番号焼却の予定が無ければ気を引き締めろ!」
あくまでもアシストだ。危ない所に回り込んで弾幕支援するぜ。
「まだ舌が回るようだな。貴様の悪態がGGOでも続くか見物だ。腕の方も磨いておけ!」
え、これレットガンの流儀だろって? そうでもあるがぁ!
「準備運動は終わりだ。続けるぞ、役立たず共! 遠足はここからが本番だ! 気を引き締めてかかれ!」
●歓迎しよう、盛大に
「よし、折角だから新入りに猟兵の流儀を教えてやろう」
パワードスーツ型機械巨人・ゴーレムユニットに身を包んだウォーマシン、メルティア・サーゲイト(人形と鉄巨人のトリガーハッピー・f03470)が物々しい重火器を手に、フィールドへと降り立つ。
中世風ファンタジー世界にロボが降り立つと言う光景はかなり異質だ。
「さて、初心者の連中は……っと、あれか」
早速メルティアが初心者パーティーの姿を遠距離から確認すると、早々に両手のガトリングキャノンと両肩のマイクロミサイルが轟音と共に火を噴いた。
いくらバグプロトコル相手とは言え、半ば過剰とも言える火力を叩き込んでいる訳だが、それが彼女の流儀なのだろう。
「え、今のは……わあぁぁぁぁぁっ!?」
一方の初心者パーティーも遠くから聞こえてきた轟音に反応し、辺りを見渡そうとした次の瞬間、放たれた弾丸の嵐が前方数メートル先に着弾。
彼らに迫りつつあったパルニーを跡形もなく消し飛ばす。
「な、何……今は何なの!?」
「あんな攻撃見た事ないぞ! 一体どこから……」
「突発イベントか何かか!? それとも……」
もしかして新手か?
ただでさえ倒せない強さのパルニーを相手にしている最中だと言うのに、それよりも更に強い奴が襲い掛かってきたのなら、さすがに詰みも同然だ。
一行に緊張が走る中、その火力の主が姿を現す。
「では愉快な遠足の始まりだ! 突入しろ、役立たず共!」
やってきたのはロボ(見た目的に言えばパワードスーツめいた物だが)であった。
中世風ファンタジー世界にロボである。
「「「ロ、ロボだー!?」」」
まさかの遭遇に今日一番の驚きを見せる初心者三人。
予想外の存在に混乱を隠せない様子だ。
「何を呆けている! 戦場ではその油断が命取りだぞ!!」
「え、え……で、でも私達じゃあのパルニーには歯が立たなくて……」
メルティアの鬼軍曹めいた叱咤を受け、困惑しつつ言葉を返す聖剣士の少女。
歯が立たないのは事実であり、彼らの力では殆どダメージも通らないのが現実だ。
「貴様の性能も大差はない! 番号焼却の予定が無ければ気を引き締めろ!」
「しょ、焼却? 一体何の話……ひゃっ!?」
少女が混乱する中、攻撃を逃れていたと思しきパルニーがパルニーヘアバンドの偽物を召喚し、罠を仕掛けようとしたところへメルティアが放った『|CODE DIRECT SUPPORT《コードダイレクトサポート》』のガトリングキャノンを浴びて即時消滅する。
本人的にはアシストのつもりであったが、やはり過剰火力だったのか……オーバーキルめいたダメージを弾き出したようだ。
「まだ舌が回るようだな。貴様の悪態がGGOでも続くか見物だ。腕の方も磨いておけ!」
「う、腕って……せめてレベル上げに適した相手と戦えるならまだしも」
「口を動かす暇があるなら腕を動かして武器を振れ!」
反論は許さないとばかりに、厳しすぎる言葉を投げかけるメルティア。
……これで初心者達の心が折れてしまわないか、少しばかり心配ではあるが。
「準備運動は終わりだ。続けるぞ、役立たず共! 遠足はここからが本番だ! 気を引き締めてかかれ!」
「「「ひ、ひいぃぃぃーーーっ!!」」」
それからメルティアが更にパルニーの群れを消し飛ばした後、今度はお前達の番だとばかりに激励(?)すると、初心者達はそのスパルタっぷりに悲鳴を上げるしかなかった。
……ところでこれってレッドガンの流儀なのでは?
「そうでもあるがぁ!」
大成功
🔵🔵🔵
ビリー・ライジング
【ライジング兄妹】
逃げ回っている初心者パーティーの間に割り込んで、
【武器受け・盾受け】で【かばう】。
「大丈夫か。助けに来たぜ」
しかし、お前らも運が悪いな。
確かにあれはパルニーだけど、ただのパルニーじゃないぜ?
ここは俺達に任せておけ。
「目には目を、歯には歯を、数には……数だ」
指を鳴らすと共に、指定UCを発動。
とびつきに対しては【先制攻撃・2回攻撃】で叩き落としたり、
【なぎ払い・切断】で纏めて倒したり、【貫通攻撃・串刺し】で撃破する。
●守れ、駆け出しの冒険者
「ひゃあぁぁぁっ、こ、来ないでぇぇぇ!」
「走れ、走るんだ! 追い付かれたら終わりだぞ!」
パルニーから逃れんと、前衛職の二人が必死で走る。
とびつき攻撃は低威力ながら『範囲内にターゲットがいれば連続で攻撃出来る』物だが、如何せん相手はバグプロトコル……その攻撃力は相当なまでに高くなっており、重戦士はまだしも紙装甲である聖剣士は数発喰らうだけで命取りになりかねない。
ハッキリ言ってしまえば、かなりのピンチだ。
「きゅーっ!」
「……危ない! 大丈夫か。助けに来たぜ」
パルニーから逃げ回る二人へ割って入るかのように何者かが乱入すると、とびつき攻撃を素早くブロックする。
これによりターゲットが乱入者……ビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)に切り替わると、パルニーの群れの一斉とびつき攻撃を全力で受け止めながら、後ろにいる二人へと声をかける。
「あ、ありがとう……まさか本当に助けが来るなんて……」
「でも、アンタ一人で大丈夫なのか!? こいつら、強いぞ!」
助かった二人は安堵しつつも、自分達が死にそうになった敵の群れをたった一人で相手しているビリーを心配する。
「なに、これくらいの相手は大した事なんてないぜ。俺達は強いからな」
後ろを振り返り、ニヤリと笑ってみせるビリー。
これくらいの攻撃、なんて事ないぜと言う余裕のアピールだ。
「……しかし、お前らも運が悪いな。確かにあれはパルニーだけど、ただのパルニーじゃないぜ?」
「えっ、そ、そうなの!? でも、そう言われてみれば……」
「詳しくは後で話す、ここは俺達に任せておけ」
ビリーは一旦シールドバッシュで殺到してきたパルニーの群れを後ろへと弾き飛ばすと、改めて武器を構えて戦闘体勢に入る。
しかしいくら相手が雑魚でも、数は圧倒的に向こうの方が上だ。
さすがに一人で戦うには骨が折れる事だろう。
「目には目を、歯には歯を、数には……数だ」
だが数に対する策は既にビリーにはあったようだ。
パチン、と指を鳴らすと『|絆の剣風《ソードビリジアン》』を発動、瞳の色が違うビリーの分身体を五つ創造する。
ただでさえ強いビリーが更に五体も増えたとなれば、まさに千人力だ。
「きゅーっ!」
少しばかり数が増えたところで何が出来るとばかりに、パルニーが鳴き声と共にとびつき攻撃を仕掛けてくる。
ちょうどこちらの攻撃範囲内と言う事もあり、例え躱されるか防御されても反撃の隙を与えまいと連続攻撃をしてしまえば、そう簡単には動けないはずだ。
……そう、パルニーは思っていたのだが。
「遅い遅い!」
「きゅっ!?」
とびつきに反応したビリーの分身体の一つが、パルニーよりも素早く二連続斬りで迎撃、難なく叩き落とす。
「一網打尽にしてやるぜ!」
「きゅぃぃぃー……!」
別の分身体は、なぎ払いバッサリと斬り捨て、飛び掛かってきたパルニーを真っ二つに切断、あっさりと倒していく。
「そらよ、これがパルニー団子ってな!」
「きゅ、ぅぅぅ……」
更に別の分身体がルーンレイピアの鋭い貫通攻撃を素早く叩き込むと、刃にパルニーが深々と突き刺さり、串刺し状態になって団子めいた姿にされる。
「こいつら倒しても倒しても出てくるな。ま、準備運動にはちょうどいいか!」
敵の数など物ともしない、あまりにも圧倒的な力で続々とスポーンするパルニーの群れを、まるで苦戦することなく捌いていくビリー。
この調子で行けば、いずれ向こうが打ち止めとなるのも時間の問題であった。
大成功
🔵🔵🔵
クリスタ・ドラグストーン
うむ、バグが発生するクエストはこれかの?
運営としては何とかせねばならんのじゃが、これがなかなかのぅ
しかし大切な新規の者じゃ、やらせる訳にはいかんのじゃ!
ええい!やらせる訳にはいかぬ!
即座に駆け寄り『ガーディアンプライド』ッ!貴様らの相手はこのわしじゃッ!
攻撃を引き寄せ、相手のとびつきに合わせて盾を叩きつける事で防ぐと同時に攻撃じゃ
初心者たちのいない方に弾き飛ばす事で人方向に集めつつわしが盾になるのじゃよ
こ奴らは少々違う仕様じゃ、わしに任せ少しさがっておるのじゃ!
※協力・アドリブ歓迎
●金剛不壊
「うむ、バグが発生するクエストはこれかの? 運営としては何とかせねばならんのじゃが、これがなかなかのぅ……」
バグプロトコル発生と聞いてやってきたクリスタ・ドラグストーン(|守護の重盾《ヘヴィガード》・f41850)は、自身の背丈よりも大きなタワーシールド『|守護の重盾《ヘヴィガード》』を手に現地へと降り立つ。
彼女もまた|ドラゴンプロトコル《運営側の者》故、バグの除去も仕事の一つだが……何よりも初心者の危機とあっては、黙って見過ごせる訳もない。
「しかし大切な新規の者じゃ、やらせる訳にはいかんのじゃ!」
ふんす、と意気込むクリスタ。
因みに彼女は『岩竜をベースとしたエセ不遜系のじゃロリドラゴンプロトコル』と言う、割と属性の多いキャラクターだ。
「さて、新規の者達は……むむっ、あれかのぅ!」
フィールドを小走りで進むクリスタは、早速パルニーの群れに襲われている初心者パーティーを発見すると、|守護の重盾《ヘヴィガード》を構え……突撃!
小さな背丈にも関わらずデカくて重いタワーシールドを軽々と扱えるのは、金策のためにクエストを駆け回って色々と鍛えられた成果なのだろう。
「く、防御してるのにダメージがデカい……これじゃ支えきれないぞ……!」
同じ頃、初心者パーティーはどうなっているか言うと、仲間二人を守ろうと重戦士の青年が前に出てパルニーのとびつき攻撃を全力で耐え忍んでいるが、相手がバグプロトコルであるため苦戦を強いられている真っ最中であった。
このままではジリ貧は避けられず、倒されてしまう事だろう。
……だが、そこに救いの手が現れた。
「ええい! やらせる訳にはいかぬ! とぉぉぉーーーッ!」
クリスタが群れの中へ飛び込むと同時に|守護の重盾《ヘヴィガード》を構え、勇ましく叫ぶ。
「こいッ! 貴様らの相手はこのわしじゃ!」
叫びと共に『ガーディアンプライド』を発動した事で、パルニーの視線が一気にクリスタへと集中。
とびつき攻撃の矛先が彼女へと向くと、一斉に攻撃を受ける事に。
「な、なんだ!? アンタは一体……!?」
「おぬしらを助けに来た者じゃ。……ここまでよく仲間を守った、褒めて遣わすぞ!」
同じ重戦士と言う事もあってなのか、初心者ながら仲間を守るために自ら盾となった青年を(エセ不遜系のじゃロリドラゴンプロトコルと言うキャラクターを生かしつつ)、褒め称えるクリスタ。
「こ奴らは少々違う仕様じゃ、わしに任せ少しさがっておるのじゃ!」
「わ、分かった! 頼む!」
すぐに青年が引き下がり、後方の仲間と合流したのを見届けるとクリスタは防御体勢から一転し、反撃の体勢に移る。
「……さあ、まとめてかかって来るのじゃ!」
「きゅっ!」「きゅきゅー!」「きゅー!!」
対するパルニーの群れは、彼女のガーディアンプライドの効果で怒りの(?)鳴き声を上げ、クリスタへ一斉にとびつき攻撃を行うが、猟兵がバグプロトコル如きに後れを取る訳もなく……
「この盾には……こう言う使い方もあるのじゃッ!」
クリスタが吠え、|守護の重盾《ヘヴィガード》でパルニーの群れをシールドバッシュで殴打、大きく弾き飛ばす。
このタワーシールドが彼女の防具であり、武器でもあるのだ。
「す、凄ぇ……あれが重戦士の戦い方なのか……!」
クリスタに殺到するパルニーの群れを次から次へと叩きのめしていく様子を、後退して遠巻きに見ていた重戦士の青年は、ただただ圧倒されるしかなかったと言う。
大成功
🔵🔵🔵
イクシア・レイブラント
【銀の光翼】
そうね。ラウラさん、私は前に出るね。
各部を翡翠色に発光させ[推力移動]で飛翔して接近、
シールドビットを展開して、パルニーの群れから冒険者たちを[盾防御、かばう]。
大型フォースブレイドの[武器巨大化、なぎ払い]で威嚇し、
[存在感、注目を集める、おびき寄せ]で敵意を自身へ向けさせ囮となる。
MMOではタンク役がヘイトを集めて囮になり、その隙にアタッカー役が敵を倒すのが基本よ。
大丈夫、ここには私たちがいる。
【ウイング・オブ・フリーダム】を発動。初心者冒険者たちに希望を与え、攻撃を促す。
…えっと、テレビゲームには詳しくないのだけど。ラウラさん、これであってる?
ラウラ・シュトラウス
【銀の光翼】
バグが群れて襲撃とは…
大きな被害が出る前に手早く片付るよ
イクシアがタンクをしてくれるから、あたしは後衛アタッカーとして初心者を襲う敵を倒そう
Ratelを装備しイクシアがヘイトを取る間に、パルニー達を[ヘッドショット]で排除していく
いくら雑魚でも群れは厄介だからね
連携して自分の立ち回りを見せつつ役割をこなそう
敵が時々撒くヘアバンドにも注意喚起しようか
「ヤツらが撒くアイテムは偽物だ。触れると爆発するから近づかないようにね」
そう伝えて[クイックドロウ]で爆破処理する
最後に《Paralyze Rain》で残りのパルニー達を麻痺させよう
トドメは初心者達に任せるよ
彼等には経験を積ませないとね
●連携こそ力
「バグが群れて襲撃とは……大きな被害が出る前に手早く片付るよ」
「そうね。ラウラさん、私は前に出るね」
GGOの世界にログインしたラウラ・シュトラウス(|狼《ルプス》・f32573)とイクシア・レイブラント(翡翠色の機械天使・f37891)は早速行動を開始する。
「救助対象は近くにいるはず……急ぎ見つけて援護しないと」
まずイクシアが各部を翡翠色に発光させ、推力移動で飛翔。
初心者パーティーを空中から発見するとシールドビットを展開、彼らの方へと飛ばす。
「わわっ!? な、何!?」
「なんだこれ……シールド、のような物か……?」
「よく分からんが、助かったのか……?」
突然割り込んできてパルニーの群れに立ち塞がるかのように、シールドビットが障壁を展開、危機的状況にあった三人を守る。
群れは障壁を破ろうと体当たりを試みるも、まるで歯が立たないと言った様子だ。
「きゅっ!?」
そこへ空中から巨大な何かがパルニーの近くをブゥンッと掠め、群れを驚かせる。
あと少しでも前にいたのなら、真っ二つにされていた事だろう。
「間に合ったようね。ここから先は私達が相手よ」
巨大な何か――巨大化させた大型フォースブレイドが持ち主であるイクシアの元へひとりでに戻ると、空中から自身の存在をアピールし、パルニーの注目を集める。
その姿はまさに、舞い降りた機械の天使と言うべきか。
「きゅーっ!」
先程危ない目に遭った事で怒り心頭気味のパルニーがイクシアに赤い目を向け、威嚇するように鳴き声を上げる。
そのまま狙いが彼女へ向いた瞬間、突然パルニーが何の前触れもなく次々と消滅していく。
一体何があったと言うのか?
「油断大敵、と言う奴ね」
ラウラが淡々と呟きつつ、トリガーを引く。
イクシアが注意を引いている間に、初心者パーティーの後方からサプレッサー一体型の自動小銃『“Ratel”』を構え、パルニーを音もなく狙撃すると言う連携プレイで群れを次々と葬り去っていたのだ。
しかもその一発一発が全てヘッドショットによる即死攻撃……長距離から小さいパルニーの急所を撃ち抜けるとは、相当な腕前だ。
「あなた達、大丈夫?」
「な、なんとか……危ないところだったけど助かったわ」
イクシアが空中から初心者達に呼びかけると、聖剣士の少女が応える。
「MMOではタンク役がヘイトを集めて囮になり、その隙にアタッカー役が敵を倒すのが基本よ」
そう初心者達にアドバイスするイクシア。
基本中の基本ではあるが、右も左も分からない彼らからすれば貴重な助言だ。
「て事は、俺が囮になって」
「私と……」
「俺が攻撃するって感じか」
改めて自分の役割を把握する三人。
今まで割と行き当たりばったりで戦っていたが、これで少しは立ち回りが理解出来たはずだろう。
「大丈夫、ここには私たちがいる」
「援護の方は任せてもらうよ。だから安心して戦うといい」
いつの間にかやってきていたラウラがイクシアの言葉に続く。
この二人の援護があれば、初心者達が負ける事はおそらくあるまい。
「きゅ、きゅーっ……!」
その一方で、カモになるはずであった初心者達が心強い味方を得た事を本能的に悟ったであろうパルニーが、せめて何も知らない連中を罠に嵌めてやろうと飛び跳ね、レアアイテムであるパルニーヘアバンドの偽物を複数召喚する。
パルニーヘアバンドとは兎耳のような可愛らしいヘアバンドで、カラーバリエーションが多く、中には貴重な特殊能力が付いた物もある事から、GGOでは高値で取引されているレアアイテムだ。
それ故、運が良ければ金策にもなる事から欲しがる者は後を絶たないのだとか。
「あっ、あいつがなんか落としたぞ!? アレってもしかして……」
「ちょっと待った。一つ、注意喚起と行こうか」
「えっ?」
パルニーがバラ撒いた偽物のレアアイテムを拾いに行こうとした重戦士の青年に、ラウラが呼び掛ける。
「ヤツらが撒くアイテムは偽物だ。触れると爆発するから近づかないようにね」
そう告げると同時にバラ撒かれたヘアバンドに向けてクイックドロウを放つ。
直後、銃弾を受けた偽物はボンッと爆発・消滅した。
いくら初心者の目を騙せても、彼女の目は誤魔化せなかったようだ。
「げッ、ホントだ!? 罠だったかよ!」
「……さ、ここから先は君達の番だよ。あの群れと戦ってみて」
「俺達が!? けど、ただでさえ歯が立たない相手だってのに……」
罠を見破ったラウラはパルニーの群れと戦うよう、初心者達に促す。
本来であれば彼らが太刀打ち出来るような相手ではないが……
「問題ない、手助けはやるから。こんな風に……」
ラウラはその言葉の後、『|Paralyze Rain《パラライズレイン》』をパルニーの群れに放ち、倒れる直前までダメージを与えた上で麻痺させて動けなくすると言う手でお膳立てを行う。
「みんななら出来るわ。さあ、勇気を持って」
更にイクシアが『ウイング・オブ・フリーダム』で空を駆け、その姿を見た初心者達に勇気を与える。
これならば、例え与えるダメージが低くとも何とかなるはずだ。
「わぁ、きれい……うん、なんだか行ける気がしてきたかも!」
「よぉし、あいつらに倍返しの時間だ……!」
「ああ、あの人達が与えてくれたチャンスを無駄にはしないぜ!」
立ち向かう勇気をもらった三人が、それぞれの武器を握り締めると勇ましくパルニーの群れへ攻撃を仕掛ける。
向こうは瀕死かつ麻痺状態とサンドバッグも同然……やられる事もあるまい。
「ひとまずは上手く行ったと見て良さそうだね」
「ええ、これで少しでもレベルは上がるはず……ところで」
手間取りつつも、初心者達が動けないパルニーを倒していく様を見守る中、ふとイクシアがラウラに尋ねる。
「……えっと、テレビゲームには詳しくないのだけど。ラウラさん、これであってる?」
おそらくはMMOの基本について話した辺りの事なのだろう。
それが正しいかどうかが気になったようだ。
「ん、それであってるから大丈夫」
イクシアに問いかけられた後、少しだけラウラが笑みを浮かべてそう言葉を返すのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 冒険
『連携するモンスター』
|
POW : 連携の一角を担う敵だけを集中攻撃で素早く倒す
SPD : 敵を誘導し、連携できない距離まで引き離す
WIZ : 敵の出現地点にトラップを仕掛けておく
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●初めてのクエスト・最初の試練
「まさか上級者の人達に助けてもらえるなんて……本当にありがとう!」
「アンタ達が来てくれなかったら、俺達一体どうなってたか……」
「そのバグなんとかってので、パルニーがあんなに強くなってたなんてなぁ」
猟兵達の活躍でバグプロトコル化したパルニーの群れを全て倒しきり、少し落ち着いた後で初心者達が礼を述べる。
ひとまずは|遺伝子番号《ジーンアカウント》焼却の危機は去ったが、クエストはまだ始まったばかり……おそらく、この後もバグプロトコルと遭遇する可能性は高いだろう。
一行はバグプロトコル対処のため、サポートとしてこのままクエストに同行してもいいかと尋ねると……
「え、付いてきてくれるの? じゃあ、お願いしてもいいかな……?」
「いつまたあんな強い敵と戦う事になるか分からないしな、その時はアテにしてるぜ!」
「ああ、引き続きよろしくお願いするよ」
まさに渡りに船と言った感じで快諾すると、猟兵達と初心者三人組は目的地へ向けて移動を再開する。
一行が向かう先は『最初の街から少し移動した場所にある森』で、そこに発生したモンスターの群れを統率する親玉を退治すると言うのが今回受けた初心者クエストの大まかな流れのようだ。
「もうすぐ森が見えて……え、ちょっと待って。なに、あのモンスターの数?」
「パルニーの他にも見た事の無い奴らがいるな。もしかして、あいつらも?」
「な、なぁ……あのモンスターもバグなんとかって奴なのか?」
一行が森へ向けて進む道中、街道沿いの廃墟にはモンスターがうようよしていた。
ここは所謂モンスターの巣のような場所であり、目的地の森へ行くには避けて通る事の出来ないエリアだ。
運営側は『ここで連携してくるモンスターの群れを相手に、ジョブの立ち回りを戦いながら覚えてもらう兼レベルアップのための場所』として用意したそうだが、先程のバグプロトコル化したパルニーの事もあってか、三人は弱気であった。
……もっとも、ここにいるモンスターの群れはバグプロトコルではなく、戦って倒されても|遺伝子番号《ジーンアカウント》が焼却されるような事のない、安全な通常モンスターだ。
その事を三人に告げると……
「ほ、本当にさっきみたく強いモンスターじゃないのね?」
「それなら俺達でもやれるんだよ、な……?」
「とりあえずやってみるか。……でも、もしヤバくなったら手助けしてくれよ?」
まだあまり自信のない様子で、三人武器を構える。
猟兵達はここで彼らをサポートしつつ、レベルを上げさせるのが次の仕事だ。
ゲームを始めたばかりの初心者達にGGOを楽しませると言う事を第一に考えつつ、程々に助けてあげよう。
●クエストタスク
【※クエストタスクが更新されました※】
・モンスターの群れが発生した目的地へ向かおう。(進行中)
・移動中はパルニーと遭遇する事になるが、雑魚なので軽く蹴散らそう。(完了!)
・道中の廃墟に棲むモンスターの群れと戦い、立ち回りなどを覚えよう。(進行中)
・戦ってレベルを上げ、モンスターの群れの親玉と戦えるようにしよう。(進行中)
岩永・勘十郎
「アイツらは?」
『違うよ。アイツらオブリビオンじゃない』
腕の端末は元は影朧。同類の気配は分かるようで今回は違う事を確認する。ならば手を出す必要は無いと見学……したい気持ちはあるがやはり彼らにしては強い相手。ならアシストに徹するまで。
「ほら、稽古を付けてやるからかかってこい」
と相手を挑発。いくらかがこちらを狙うが全ての攻撃を見切りながら受け流し、得意の弓を使って曲射や連射で全弾命中。勘十郎の“魅せるプレイ”、魅せプが冴える。
その間も少しずつ離れれば敵同士カバーできない距離になる。個々なら彼らも戦えるはずだ。勘十郎の幸運も、きっと彼らに味方してくれる。
●駆け出し冒険者達の修行
「……まだ襲い掛かってこないね?」
「とりあえず、どの敵から狙うか考えないとな」
「けど、あいつら群れてるし少しでも殴ったら一気に来るかもしれないぞ……?」
初心者三人組はモンスターの群れへと近付くも、一定の距離で足を止める。
いつ仕掛けるかのタイミングを見計らっているのだろうか。
「未だ及び腰だな。まあ、先の事もあれば仕方ないのだろうが」
そんな彼らの様子を見守る勘十郎は『もしかしたら、あの中に一匹でもバグプロトコルが紛れ込んでいる可能性はないだろうか?』と考え、腕に付けている端末『陸上火力支援端末 通称・陸火(りっか)』に話しかける。
「アイツらは?」
「違うよ。アイツらオブリビオンじゃない」
端末からは陸火……可愛らしい女の子の姿がホログラムのように小さく浮かび上がると、素早く返答する。
この端末は元々サクラミラージュの影朧であり、|同類《オブリビオン》の気配が分かる事から念のためにと確認をしたようだ。
(であれば、ここは手出しせずに見守ろうか)
通常モンスターであれば、少なくとも自分達がどうこうする必要はない。
……が、三人組が未だ敵に向かって踏み込む勇気が出ないのを見ると、どうにももどかしさを感じてしまうようだ。
「このままではいつまで経っても踏み込めんな……なら、わしも動くとしよう」
あくまでも自分がやるのはアシスト。
その事を念頭に置いて、勘十郎がモンスターの群れの一角へ向けて歩き出した。
「ほら、稽古を付けてやるからかかってこい」
群れにかなり近付いたところで、勘十郎は手をクイクイと動かして挑発する。
それに反応し、モンスターが数匹まとめて彼に向けて襲い掛かってきた。
「お前さん方、わしの戦い方をよく見ておくんだ」
未だ一歩が踏み出せず、様子見状態の三人に呼びかける勘十郎。
その直後、獰猛な獣のようなモンスターが鋭い爪で攻撃を仕掛けるも、その全てを見切り、武器で華麗に受け流していく。
百戦錬磨の猟兵からすれば、これくらいは朝飯前だ。
「凄い、攻撃を全部受け流してる……」
「防御するだけじゃなくて、こうすれば反撃のチャンスも得られるのか」
前衛職の二人が勘十郎の戦い方を目に焼き付けるかのように注視する。
「続いて弓矢と行こうか。百発百中、一撃必殺を心掛けて……狙い撃つ!」
武器を戦弓『黒浪』に持ち替えると、一旦モンスターから距離を離すかのように後ろへ素早く下がり、素早く矢を放つ。
曲射と連射で放たれた矢は、後方にいた別のモンスターに鋭く突き刺さる。
「全部当てた! あんなに早く正確に撃てるとは……!」
月穹士の男性が勘十郎の射撃の腕に思わず息を呑む。
彼の『|手練れの技術《テダレノワザ》』による魅せるプレイで初心者達に手本を見せつつ、やってきた敵を誘導し、連携出来ない距離にまで引き離すのが狙いのようだ。
「……よし、これくらい引き離せば十分だろう。さあ、次はお前さん方の番だ」
そして上手く群れを分断した事で、いくらか安全に戦えるようになったのを確認した勘十郎が三人組に呼び掛けると、彼らも魅せプレイに刺激を受けやる気になったのか、慣れないながらも果敢に武器を手にモンスターへ挑む。
勘十郎の幸運も相まってか、三人はクリティカルヒットを次々と出し、モンスターを一匹、また一匹と沈めていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
「私達が何とかするだろう」と調子に乗らず、慎重なのは良いことですが。
このままでは「楽しむ」のが難しくなってしまう可能性も有りますし、対処した方が良いですねぇ。
見落としが出ない様『FPS』で動きを探知しつつ【撫療】を発動、『乳白色の波動』を放射しますねぇ。
これで、彼らが「負傷」を受けても自動的に治癒されるという、『或る程度ダメージを受けても問題無い状態』になりますぅ。
そのことを告げ、「自分達で色々試してみて欲しい」と伝えますねぇ。
後は、直接手出しをするのは「自動治癒」で追いつかない大ダメージや連鎖攻撃を受けそうになった場合のみとし、必要に応じて助言を送りつつ見守りますぅ。
●体当たりで覚えてみよう
(「私達が何とかするだろう」と調子に乗らず、慎重なのは良いことですが。このままでは「楽しむ」のが難しくなってしまう可能性も有りますし、対処した方が良いですねぇ)
及び腰になっている初心者達の様子を見て、るこるはどうするべきか考える。
仮に通常モンスターにやられたとしても、近辺にリスポーンポイントが分かりやすく用意されている事から、本クエストは『死んで覚えろ』的な要素もあると言えばある。
場合によっては助言メッセージも出るそうだが、今はまだその時ではないのかシステムメッセージは表示されていないようだ。
「一応、周辺の確認はやっておきましょうか」
まず、るこるは先のバグプロトコル化パルニー戦でも使用した『FPS』を使い、モンスターの群れの集まり具合や動きを探査し、周囲の状況を確かめる。
軽くチェックしたところ、一定箇所に一定の間隔を空けて通常モンスターが各種一、二匹くらいのグループを組んでプレイヤーの挑戦を待っていると言う感じだ。
しかし考え無しに殴りかかると、近くの群れがリンクして一斉に襲われてしまう事から、ここで上手く敵を釣り出して誘導するなりし、少しばかり頭を使う必要がある訳だ。
「……皆さーん、ちょっといいですかぁ?」
通常モンスターの群れについて幾らか把握したるこるは三人組を呼び出す。
彼女なりのサポートを思い付いたのだろうか。
「早速ですが、皆さんをサポートしますねぇ」
そう言うと、るこるは『|豊乳女神の加護・撫療《チチガミサマノカゴ・ナグサメノテノヒラ》』を発動し、乳白色の波動を三人に放射する。
乳白色の波動に当てられた彼らの体からは、うっすらと白いオーラのような物に包まれ、何かしらのバフがかかったと見ていいようだ。
「わ、なんか強そうな感じ……これは一体何なの?」
「一定時間毎に傷を治す……早い話が|自動回復《リジェネ》効果ですぅ」
聖剣士の少女の問いにるこるはバフの内容を説明する。
多少ダメージを受けても大丈夫と言うサポートを行い、初心者達には『自分達で色々試しながら戦い方を覚えて欲しい』と伝えた。
サポートでそう簡単に死ななくなるのなら、安心して殴りに行けるかもしれない。
三人は早速勇気を出し、近くのモンスターの群れに近付くと攻撃を行う。
「そら行くぞ! ……うわっ、一気に来た!」
「でもリジェネが付いてるから余裕はあるわ! てやぁーっ!」
「あっ、二人とも気を付けろ! 奥の群れが反応して向かってくるぞ!」
殴られても即時回復効果もあり、多くの群れを相手になんとか立ち回る三人。
……とは言え、別の群れがリンクして襲い掛かってきた事で、回復が少しばかり追い付かないようだ。
「ここは一旦距離を取って下さい。リンクした群れは逃げ回れば狙いが外れますよぉ」
モンスターの特性を把握しているるこるがアドバイスを投げると、彼らはその通りに動き、上手く別の群れのリンクを切って事無きを得る。
それからも三人は必死に戦い、時には回復が追い付かない攻撃力の高いリーダーモンスター相手にはるこるが手助けをするなどして、戦い方や操作に慣れさせていく。
「どうです、少しは慣れてきましたかぁ?」
「まだ全然操作はおぼつかないし、今は必死で戦うのに精一杯だけど……」
でもみんなで色々やりながら戦うのって、楽しいかも!
るこるの問いに、聖剣士の少女はそう答えるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ミリィ・ライジング
【ライジング兄妹】
お兄ちゃん、私を置いて先に行くなんて酷いよー!
あ、私、この人の妹だよ。
要するに彼らの|役職《ジョブ》の立ち回りやら、
レベルアップをサポートすればいいのかな?
分かった、私は本当に危なくなったら手助けする。
だけど、それまでは|指揮官《コマンダー》させてもらうね?
【世界知識・戦闘知識】を照らし合わせて、UCの化身と共に指揮。
聖剣士:出来るだけ前に出ず、中距離からヒットアンドアウェイを。
重戦士:防御だけでなく、防いだ後に特性を活かして、反撃を。
月穹士:二人に射撃が当たらない位置にずれて、追撃して。
本当に危ない時は、手裏剣や護符などを【投擲】して、【援護射撃】。
ビリー・ライジング
【ライジング兄妹】
先に突っ走ってしまって、悪いな。
俺達は元々、二人でパーティーだ。
ああ、大体合ってる……って|指揮官《コマンダー》? 大丈夫か?
じゃあ、俺はこいつらのサポートに回るか。
基本的には敵モンスターに牽制攻撃として、【属性攻撃】で支援するだけでなく、
【挑発・大声】でこちらにターゲットを向かせたり、
【フェイント・目潰し】で怯ませて、攻撃出来るタイミングを作る。
おっと……大物が残っていたか。
ここまでなら三人だけでも大丈夫だろうが、サポートするか!
UCを発動させて、モンスターを拘束。今だ、総攻撃を仕掛けろ!
●指揮を受けつつ戦い方を学んでみよう
「お兄ちゃん、私を置いて先に行くなんて酷いよー!」
通常モンスターと戦う直前の初心者達をどうサポートした物かとビリーが考えていると、見知った顔が息を切らしてやってきた。
ビリーの妹、ミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)である。
「先に突っ走ってしまって、悪いな」
「この人は? 知人か何かかい?」
少し遅れて駆け付けてきたミリィを見て、月穹士の男性が尋ねる。
「あ、私、この人の妹だよ」
「俺達は元々、二人でパーティーだ」
二人は兄妹である事を告げると、そう言う事かと納得する。
何にせよ、ここで心強い仲間が一人増えるのは大きなプラスとなるだろう。
「一通りの事は街で組合員さん? ……に聞いたけど、今はどんな具合なの?」
「ああ、それはな……」
ミリィに状況を聞かれ、ビリーが簡単にここまでの出来事を話す。
「要するに彼らの|役職《ジョブ》の立ち回りやら、レベルアップをサポートすればいいのかな?」
「ああ、大体合ってる」
「分かった、私は本当に危なくなったら手助けする。だけど、それまでは|指揮官《コマンダー》させてもらうね?」
大体の事を理解したミリィはここで自ら指揮官を買って出る。
何せ戦闘に関しては素人同然の初心者三人組、ここは戦い慣れしている猟兵から指示を受けて戦う方がいいはずだ。
「……って|指揮官《コマンダー》? 大丈夫か? じゃあ、俺はこいつらのサポートに回るか」
ミリィに若干の不安を覚えつつも、ビリーは初心者達のサポートに回る事を告げる。
これでライジング兄妹がどうするべきかが決まったようだ。
「それで、私達はどうすればいいの?」
「私がみんなを指揮するから、その通りに動いてみて」
聖剣士の少女の問いにミリィが応える。
三人組は戦い方や操作にまだ慣れていない事も考慮した上で、どう戦わせるかを既に考えている事だろう。
「色々と不安かもしれないが、ミリィを信じれば負けはないぜ。それに、いざとなったら俺もしっかりサポートするからな」
だから安心して戦ってこい! ビリーはそう三人に告げる。
心強い二重のサポートもあればきっと大丈夫に違いない。
「わ、分かったわ。それじゃ、よろしくね」
「ああ、任せとけ。じゃ、まずは俺が敵を誘き出すぞ……モンスター共、俺が相手だ!」
ビリーが先んじてモンスターの群れの一角に近寄ると、大声を出して挑発。
それに反応し、群れが数匹まとめてビリーへ向けてやってくると、そのまま誘導し初心者達の待つ方へと釣り出す。
「お兄ちゃんが上手く誘導してきてくれたようね。みんな、準備はいい?」
ミリィが三人に呼びかけると、一行は緊張した面持ちで武器を握り締める。
ビリーがモンスター数匹を釣り出し、いよいよこちらの射程範囲内に入った辺りでミリィが動き出した。
「まずは重戦士さん、前へ!」
ミリィは『|化身招来・閃きの天才《ケシンショウライ・ジーニアス・エジソン》』で召喚した化身と共に世界知識・戦闘知識(この場合は主にオンラインゲームのセオリーとなるだろうか?)を照らし合わせ指揮を出す。
「お、おう!」
重戦士の青年がタンク職らしく前に出ると、やってきたビリーと合流しモンスター数匹を分担して引き受ける。
「防御だけでなく、防いだ後に特性を活かして、反撃を!」
「防いだ後に反撃……これか! でやぁっ!」
シールドで受け止めた後に殴り付けると言った手段でカウンターを叩き込み、大きなダメージを与える事に成功する。
「聖剣士さんは出来るだけ前に出ず、中距離からヒットアンドアウェイを!」
「わ、分かったわ! こ……のぉっ!」
グラファイトブレイドを振りかざし、衝撃波を飛ばす聖剣士の少女。
この武器はタイミングよくコマンド入力する事でコンボ攻撃が可能だが、操作に慣れていないのか放たれる衝撃波の数は少ない。
「大丈夫、落ち着いて。 敵はお兄ちゃんと重戦士さんが引き受けてるから!」
「う、うん! これをこうやって……えぇいっ!」
先程よりも衝撃波の数が増えた事を確認すると、ミリィは月穹士の方を向く。
「続いて月穹士さん、二人に射撃が当たらない位置にずれて、追撃して!」
「了解した! 当たらない位置は……あっちか!」
月穹士の男性が走り、モンスターの群れの側面へ回ると慎重に月光弓を引き搾り、矢を放つ。
放たれた矢はビリーが目潰しで大きく怯んだモンスターに深々と突き刺さり、その場に崩れ落ちる。
「お、上手く当てたな。いい感じだぜ……そっちは大丈夫か?」
「妹さんの指示が的確だからな、まだまだ余裕さ!」
「それなら安心だ。さあ、畳みかけて行くぜ!」
ミリィの指示の元、ビリーと重戦士の二人が群れを抑え、中距離から聖剣士がヒットアンドアウェイ、遠距離から月穹士が追撃と言う戦術は実によく機能し、モンスターの群れを少しずつ倒していく。
「よし、この群れもあと少しで……おっと……大物が残っていたか」
ここまで部下が次々と倒された事で、リーダーモンスターと思しき獰猛な獣が現れたのを目にしたビリーがチラリと初心者達を見る。
ここまで指示を受け、戦い方はいくらか把握は出来ているはず。
なら、ここは彼らに任せるべきであろうか。
「こ、こいつは強そうだ……来るなら来い!」
「グオォーッ!!」
覚悟を決めて重戦士が盾を構えた次の瞬間、リーダーモンスターの体が突然三つの鎖に拘束され、その場で動きを止める。
鎖の出所は……ビリーだ!
彼の『|全てを拘束する鎖《チェーンゴールド》』が初心者達に最大のサポートを行い、お膳立てを行う。
「今だ、総攻撃を仕掛けろ!」
「これはおまけよ! さあ、やって!」
更にミリィが護符を投擲し、リーダーモンスターに防御デバフをかける。
やるなら今しかない。
「……ありがとう! このチャンス、きっちり生かすぜ! うおぉぉーっ!」
「やぁぁぁーっ!」
「狙い……撃つ!」
重戦士の重い攻撃、聖剣士の連続衝撃波、そして月穹士の狙撃による一斉攻撃を受け、リーダーモンスターは唸り声と共に地に伏した。
これもミリィの指揮とビリーのサポートのおかげなのは言うまでもあるまい。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ラウラ・シュトラウス
【銀の光翼】
バグプロトコルとの遭遇で怯えるのも仕方ない
でもゲームなんだから楽しくやりたいよね
基本的な立ち回りを覚えて経験を積ませよう
【一匹狼の咆哮】で攻撃回数重視に立ち回るよ
初心者達への敵の数を調整するんだ
最初は一、二匹程度”Storm”に装填した焼夷弾で火傷の[継続ダメージ]を与えた状態で通したり、スモークグレネードで視界を遮り連携阻害もして少しずつ数を増やして実戦に慣らそう
あたしだけじゃ大変だけど、イクシアがいれば何とかなると思う
敵への対応がキツそうなら助太刀に入るよ
一掃したら休憩、Altair Sの[戦闘演算]から幾つかアドバイスをする
初心者達がこれをきっかけに成長してくれたら嬉しいな
イクシア・レイブラント
【銀の光翼】
出番よ、ポリスタキア。
偵察ロボに空から[偵察、情報収集]を行わせて、敵の数と座標を全員で共有。
その後、デコイドローンに立体映像を被せて[おびき寄せ]、ラウラさんと一緒に敵の数を調整する。
3人とも、基本はさっきの戦いで教えた通り。
重戦士は先行してエネミーを少しずつおびき寄せ、地上で待ち構えて迎撃。
武器受け、盾受けなど防御優先で交戦状態を維持。
重戦士が敵を集めたら月穹士は射撃に専念。
同時に聖剣士は突撃。防御力が低いから一撃離脱を心がけて。
あとは戦場意識して、全ての敵を一度に相手しないこと。いいね?
私は空から戦場を俯瞰しつつ【強襲支援】実行。厳しい場面だけ助けに入る。
うん、上出来よ。
●立ち回りを復習しつつ本格的な実践に挑んでみよう
先のバグプロトコル化したパルニーを初心者達は、ラウラとイクシアの強力もあって(少数ではあるが)討ち取る事が出来た。
これにより少しはレベルが上がった訳だが、彼らからすれば『冒険開始直後、いきなり倒せないレベルの敵に襲われた』と言う事が軽いトラウマになっているようだ。
「バグプロトコルとの遭遇で怯えるのも仕方ない。でもゲームなんだから楽しくやりたいよね」
「そうね、せっかくの第一歩を踏み出した訳だし。もう少し手を貸してみよう」
今度は仮に倒されても遺伝子番号焼却の心配はない相手だ。
ラウラとイクシアは様子見を続けている三人の元へ近付く。
「三人とも、レッスン2の時間だよ。まずは敵をよく知る事」
「例えばこんな風にね。出番よ、ポリスタキア」
イクシアが手乗りサイズのSD機械天使型ロボット『イクシア・ポリスタキア』を飛ばし、空から偵察する事でモンスターの群れの情報の収集を行う。
そこから収集したデータを強行索敵型デコイドローンの一つに立体映像として表示すると、敵の数と座標を全員で共有する。
「お、敵の数はこんな感じか。一定間隔に群れが集まってると……」
「パルニーの他にもモンスターがいるけど、強そうなのとそうでないのもいるのね」
「となると、どの敵から狙っていくかだが……多いな、こりゃあ」
早速共有された敵のデータを目にして、三人が真剣な表情で考える。
無闇に突っ込んでしまえば、あっと言う間に数の暴力で返り討ちは避けられまい。
「敵の数と種類、傾向、強さ。その辺りを観察して、どう戦うかを考える」
「情報は力、って言うからね」
もちろん実際に戦わなければ分からない事もあるだろうが……初見の相手には、まず慎重に観察するのが大事だと伝える。
「けど、これだけの数を相手にするにはちょっとキツそうだな……」
「うん、タンク職でも抑えきれない数よね、これ」
「倒されても大丈夫な敵とは言え、出来るだけやられたくはないな」
一体どう攻めた物か、と考える三人。
一見して調整ミスなのではと思える敵の数だが、これで合っているのだから仕方ない。
「そこで私達の出番」
「間引くのは任せて」
そう言うと、ラウラとイクシアが動き出す。
まずイクシアが強行索敵型デコイドローンに立体映像を表示し、囮として接近。
何も知らないプレイヤーが近付いてきたなと誤認したモンスターの群れが、ドローンに向けて一斉に襲い掛かる。
当然、立体映像が相手なので攻撃は当たらない。
そこへラウラが『|一匹狼の咆哮《ローンウルフズ・ロア》』を発動、『”Storm”』に装填した焼夷弾で先頭のモンスター二匹を狙い撃つ。
着弾してすぐ、炎に包まれるモンスター。
ドローンが囮だった事に気付いたモンスターの群れがターゲットを切り替え、こちらに向かってくる。
「スモーク投擲」
淡々と呟き、ラウラがこちらに迫ってくる群れの進行方向に向けスモークグレネードを投げ込んだ。
白い煙が広がり、モンスター達は方向感覚が分からなくなったのか四方八方へと散らばっていく。
「凄い、敵の群れをコントロールしてる……こんな事も出来るんだ」
「これくらいの数なら俺達でも対処出来そうだな」
「よし、やろう!」
降ってきたチャンスを前に浮足立つ三人。
その様子を見たイクシアが声をかける。
「戦い方はパルニーの時と同様よ。みんな、覚えてる?」
「えっと、まず俺が前に出るんだったよな?」
「そうよ。先行してエネミーを少しずつおびき寄せ、地上で待ち構えて迎撃」
イクシアが指示を受け、重戦士の青年が走り出す。
その数秒後に分断されたモンスター数匹と接触すると、攻撃が飛んでくる。
「武器や盾で攻撃を受けつつ、防御優先で交戦状態を維持して」
「分かった、やってみる!」
全力で防御体勢を取り、壁となる重戦士がモンスターを抑え込む。
その様子を見てすぐに次の指示が飛ぶ。
「重戦士が敵を集めたら月穹士は射撃に専念、同時に聖剣士は突撃。防御力が低いから一撃離脱を心がけて」
指示を受けて月穹士の男性が射撃体勢に入ると矢を放ち、聖剣士の少女は中距離から衝撃波による攻撃を飛ばした後、ヒットアンドアウェイの戦法で戦う。
ラウラがモンスター上手く分断・間引きし、イクシアの適切な指示もあって善戦する初心者達。
「あとは戦場意識して、全ての敵を一度に相手しないこと。いいね?」
彼らが優位に立って油断しないようイクシアが釘を刺す。
油断すると思わぬところで足を掬われる物だ。
もちろん、そうならないようにイクシアは空から戦場を俯瞰しつつ『|強襲支援《アサルトコマンド》』でいつでも支援出来るよう準備済みだ。
そうしてラウラが適度にモンスターの数を調整し、イクシアが適時指示を出しつつ、少しばかり強敵を相手にする時は二人がある程度のサポートを行う事で初心者達の戦いを最大限に手助けしていく……
「ん、お疲れ。さっきの戦闘データを記録したけど、見てみる?」
それから群れを一通り一掃し、一行は休憩を挟むとラウラが腕時計型作戦補助デバイス『Altair S』で戦闘演算の記録を初心者達に見せつつ、群れとの戦いを振り返る。
「矢は結構当たったと思ったんだけど、大分外してたのか……」
「まだ慣れていない内は仕方ない。その場合、敵の面積が広い方に回り込むとか」
「なるほど。的が大きい方が当てやすいし、死角からなら避けるのも難しくなるな」
「他にもカバーしきれない分のフォローについては……」
戦闘演算の記録を元に、初心者達へアドバイスを送るラウラ。
彼らはそれを熱心に聞き、時には質問する事も忘れない。
戦い慣れしている者からの助言ほどためになる物はないし、これで幾らかレベルアップしたのは間違いないだろう。
「……あの、イクシアさん」
ふと、聖剣士の少女がイクシアに尋ねる。
「ん、何?」
「私達、上手くやれてたかな……? あの時は必死になってて……」
指示通りにちゃんと動けていたのか? 戦い方はあれで大丈夫だったのか?
そんな彼女の問いにイクシアは笑ってこう答えた。
「うん、上出来よ」
大成功
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メルティア・サーゲイト
「貴様等は貧乏くじを引いた! 遺伝子番号焼却が嫌ならここで戦い方を掴んでおけ!」
両手リニアレールキャノンに変更して、遠距離狙撃支援に徹してやるか。
「いいか、自分に出来る事と出来ない事をしっかりと理解しろ。頭で考える前に体が反応するようにしておけ」
危ない場所に狙撃支援を叩き込んでフォローはするが、本当にやばくなるまで手は貸さねぇ。
「馬鹿者! 私が一発撃つ度に貴様らは一回死んだと思え!」
最低限のフォローはする。だが、やるのは自分だ。そこを間違えさせちゃいけねぇ。
「喜べ、一番撃たせた役立たずには泣いて喜ぶ特別な報酬を用意してやる」
「役立たずも役立たずなりに役に立つことが証明された」
●スパルタ教育を受けつつ戦ってみよう
「貴様等は貧乏くじを引いた! 遺伝子番号焼却が嫌ならここで戦い方を掴んでおけ!」
「「「ひぃぃぃぃーっ!?」」」
初手から鬼軍曹モード全開のメルティアを前に、初心者達は先のパルニー戦よりもビビっていた。
あれだけ圧倒的すぎる火力で、バグプロトコル化し強化されたパルニーを消し炭すら残さない戦いぶりを目にしていたのだ。
それはもうビビるのも仕方ない(あとロボも)。
「あ、あの、でもこの相手って、もしやられても大丈夫って聞いてたような……」
「戦う前から負ける事を考えるな! やるからには勝つ事だけを考えろ!!」
「あひぃっ!?」
メルティアは例え初心者相手でも情け無用であった。
最早こうなったからには、死ぬ気で戦う以外に道はあるまい。
「いいか、自分に出来る事と出来ない事をしっかりと理解しろ。頭で考える前に体が反応するようにしておけ」
初心者達にはそうアドバイスするメルティア。
彼女が言っている事は実際正しく、一言で言えば『自分のジョブについて把握しろ』と言う一点に尽きる。
重戦士は前衛に立って仲間を守るタンク。
聖剣士は機動力と攻撃力を生かしてヒットアンドアウェイ主体で戦う前衛職。
月穹士は遠距離から仲間を支援する後衛職。
この基本を今一度思い出して戦え、そう言っているのである。
……多分、きっと、おそらく。
「さあ、分かったら前に出て今すぐ戦え! 貴様等に選択肢は一つしかない!!」
メルティアは無茶振りに近い言葉で前に出る事を促す。
一体初心者達はどうなってしまうのか……?
「くぅっ、さすがに敵の数が多い……!」
「このっ、これでも喰らえっ! ……わぁっ、こっちに来た!!」
「遠くからなら当てるだけで何とか……あ、当たらん……!?」
早速だが、初心者三人組は大苦戦を強いられていた。
何せ敵の数が多く、対処に慣れていないともなればそうなるのも仕方ないが。
(やっぱりヒヨッコ揃いじゃこうもなるよなぁ……)
そんな彼らの様子をメルティアは後方から眺めていた。
あくまでも自分が手出しするのは本当に危なくなった時のみ。
それ以外はひたすら傍観に徹する……それが彼らのためになると信じてだ。
因みに両手はリニアレールキャノンに変更し、遠距離狙撃支援モードとなっているが、この武器が火を噴く時はそう遠くないだろう。
「ヤバい、抑えきれない……このままじゃ……!」
そんな事も露知らず、前線で戦う重戦士の青年はHPが半分を切り、戦闘不能も秒読みとなった次の瞬間。
遠距離から放たれた砲弾が地面を抉ると、そこにいたモンスターを吹き飛ばした。
言うまでもないがメルティアからの遠距離狙撃だ。
「援護!? すまない、助かっ……」
「馬鹿者! 私が一発撃つ度に貴様らは一回死んだと思え!」
「え、えぇぇーッ!?」
支援してもらったのに理不尽な一言に困惑する重戦士の青年!
だが言っている事はある意味間違ってはいない!!
「喜べ、一番撃たせた役立たずには泣いて喜ぶ特別な報酬を用意してやる」
ニヤリと笑いながら、何やらとても恐ろしい事を告げるメルティア。
これは絶対に後が怖い奴である。
「……なんて言ってるけど……?」
「じょ、冗談じゃ……!」
「し、死ぬ気でやるんだ、それしかない!」
報酬は嫌だとばかりに各々が気を引き締め、モンスターの群れに立ち向かう。
その後も時折支援狙撃が飛びつつ、どうにか群れを倒す事が出来……
「役立たずも役立たずなりに役に立つことが証明された」
なんとか一人も倒れず戦い抜いた三人に対し、誉め言葉をかけるメルティア。
彼らはヘトヘトになってその場にダウンしていたそうな。
大成功
🔵🔵🔵
イヴ・イングス
折角ですから戦闘の基本についてレクチャーしますね。
戦闘の基本は「レベルが互角~格上の相手」は人数で有利な状態を作ることです。
一旦私の権限でステータスを開示しながら進めていきますね。(UC使用)
さて、あちらに敵が5体集まってますね。このまま飛び込むと先程の二の舞です。
では重戦士さん、挑発スキルで1体釣り出しましょう。
これで3対1。聖剣士さん、重戦士さんと共に攻撃を!
月穹士さんは後方から援護です。月穹士さんは視界が広いですから、攻撃しつつ他の敵が来ないか警戒しましょう。
なお緊急時の回避に役立つ小技ですが、攻撃スキルの終わり際で横ステップを出すと敵の攻撃がすり抜けます。
(RTAの小技をしれっと伝授)
●組合員に手助けしてもらいながら戦ってみよう
「折角ですから戦闘の基本についてレクチャーしますね」
戦闘開始直前、唐突にイヴの初心者向け戦闘講座が始まった。
敵は目の前だと言うのに、そんな余裕はあるのかと思われる事だろうが、幸いこのクエストで戦うモンスターの群れは『大きく接近しない限り、基本的に反応してくる事はない』ため、こうして戦いの前のレクチャーも難なく出来ると言う訳だ。
「戦闘の基本は『レベルが互角~格上の相手』は人数で有利な状態を作ることです」
「……と言っても、俺達は三人しかいないんだよなぁ」
そうぼやく重戦士の青年。
メンバーがあと二人か三人でもいれば良かったが、いない物はどうにもならない。
「そこは立ち回り次第で結構どうにかなる物ですよ。それでは、一旦私の権限でステータスを開示しながら進めていきますね」
イヴは視線の先にいる熊のようなモンスターに向け、『ステータスオープン!』を使用。
その直後、モンスターの名前やレベル、HPに攻撃力などと言ったデータが開示される。
「おおっ、組合員さんはこんな事も出来るのか!」
「本来は滅多に使うような物でもありませんけど、今回は特別ですよ?」
あくまでも今回は初心者達に向けたレクチャー、即ちチュートリアル的な物である。
運営には『組合員たる者、全てのプレイヤーに対して公平であれ』と言うルールがある以上、あまりやりすぎる訳にもいかない。
「……それでは、ここから実戦に入ります。準備はいいですか?」
イヴがいかにも組合員らしいお決まりのセリフを口にすると、初心者達は緊張した面持ちで頷いた。
「さて、あちらに敵が5体集まってますね。このまま飛び込むと先程の二の舞です」
イヴがモンスターのいる群れを指差す。
先程情報を開示した、先頭にいる熊のようなモンスター――レッサーベアは初心者達よりもレベルが高く、攻撃力のあるモンスターだ。
「では重戦士さん、挑発スキルで1体釣り出しましょう」
「わ、分かった! ええと挑発スキル……お、これか。俺が相手だ、来い!」
前に出た重戦士の青年が叫ぶと、挑発スキルを使用。
すると上手い具合にレッサーベアだけが釣れ、三人の元へ向かってくる。
「これで3対1。聖剣士さん、重戦士さんと共に攻撃を!」
「は、はい! 行きますっ!」
後ろに控えていた聖剣士の少女にイヴが指示を出すと、彼女はグラファイトブレイドを握り締めて走り出し、二人がかりでレッサーベアに攻撃を仕掛ける。
重戦士が出来る限り攻撃を受けつつ、聖剣士にターゲットが移らないよう気を付ける事も織り込み済みだ。
「月穹士さんは後方から援護です。月穹士さんは視界が広いですから、攻撃しつつ他の敵が来ないか警戒しましょう」
前衛職二人がレッサーベアとの戦闘を初めてすぐ、今度は後衛で待機していた月穹士の男性に声をかける。
「二つ同時にやるのは初心者にはキツそうだが……やってみるか」
「最初は落ち着いて、射撃と警戒を交互にやって慣れていくといいですよ」
イヴに言われるがまま、射撃と警戒を交互に行いつつ援護射撃を続けていくと、やがてレッサーベアは唸り声を上げると同時にその場へと倒れた。
まずは一匹討伐だ。
「凄い! いい連携攻撃です! その調子で引き続きやっていきましょう」
そのまま三人の連携が上手く行ったのを見届けたイヴは、チュートリアルでよくあるプレイヤーを褒めて次に繋げるセリフを口にする。
「なお緊急時の回避に役立つ小技ですが、攻撃スキルの終わり際で横ステップを出すと敵の攻撃がすり抜けます」
「え、そんなテクがあるの!?」
戦闘を継続する最中、RTAの小技をしれっと伝授されて驚く聖剣士の少女。
そんな彼女の反応にイヴはこう返した。
「……ミンナニハナイショデスヨ?」
大成功
🔵🔵🔵
クリスタ・ドラグストーン
うむうむ、一先ずと言った所じゃのぅ
とはいえこの先の事を考えるとこの短い時間も重要じゃのう
ならばこのわしが教えてやろうなのじゃ!
まぁわしが教えられるのは重戦士の事位なのじゃが
見ての通りわしはタンク型の重戦士なのじゃが(※そうは見えない)
重要なのはいかにしてヘイトを引き寄せるかじゃ
アタッカーと協力して調整するのじゃが、それであまり攻撃できなくなると本末転倒
故にスキルや攻撃でヘイトを稼ぐしかない…あ、わしは盾特化故に持ってないだけじゃからな、武器
攻撃力が足りない?重戦士のスキルがあるじゃろ、防御力の為に装備が重くなるので相性が良いのじゃよ
今は安全故、見本を見せつつ行くとするのじゃ
※協力・アドリブ歓迎
●重戦士について学びつつ、戦術を広げてみよう
「うむうむ、一先ずと言った所じゃのぅ。とはいえこの先の事を考えるとこの短い時間も重要じゃのう……ならばこのわしが教えてやろうなのじゃ!」
なのでありがたく思うのじゃ!
そんな感じで胸を張るクリスタ。
「まぁわしが教えられるのは重戦士の事位なのじゃが」
……その直後、ほんのちょっとだけ申し訳なさそうな様子で目を逸らす。
彼女は重戦士専門故に致し方なし、と言ったところではあるが……
「でも、ジョブの知識として学んでおくのは無駄にならないわよね?」
「俺はアンタのような先輩重戦士から学ぶ事がいっぱいあるからなぁ」
「それに立ち回りを理解すれば、他の職はどう動けばいいか分かるって事だろう?」
初心者達は全然問題ないと言った感じで教えを乞う。
彼らはプレイを始めたばかりと言う事もあってか、知識の吸収に熱心な様子だ。
「お、そうかそうか! ……うむうむ、駆け出しの冒険者はそうでなければのう!」
もし『重戦士だけで他の職は知らないのかよ』と文句を言われたらどうしようかと思っていたクリスタであったが、真面目に話を聞いてくれるプレイヤー達であった事に上機嫌なようだ。
「では、講義を始めるとしようかのう。見ての通りわしはタンク型の重戦士なのじゃが」
「え、そうなの? てっきりその見た目からして、他の職かとばかり……」
クリスタは(現時点で)身長144cmのちみっこと言う事もあって、聖剣士の少女は別の職だと勘違いしていたようだ。
実際、大きなタワーシールドだけしか持っていないのだから、そう思われるのも仕方ないのかもしれないが……
「こらー! わしが気にしている事を口にするでなーい!!」
そこは地味に気にしているところなのか、ぷりぷりと怒り出すクリスタ。
因みに彼女は現在19歳である。
「……おほん、重要なのはいかにしてヘイトを引き寄せるかじゃ。アタッカーと協力して調整するのじゃが、それであまり攻撃できなくなると本末転倒。故にスキルや攻撃でヘイトを稼ぐしかない……」
「攻撃って、その大きな盾しかないわよね……?」
「あ、わしは盾特化故に持ってないだけじゃからな、武器」
真に強い重戦士は盾ですら武器にするからのう、クリスタはそう自らをフォローする。
「盾を武器に……? それで攻撃力は足りるのか?」
「攻撃力が足りない? 重戦士のスキルがあるじゃろ、防御力の為に装備が重くなるので相性が良いのじゃよ」
重戦士の事を前衛タンク職としか認識していないであろう月穹士の男性が問うと、ジョブの特性について話す。
これで彼が少しでも重戦士についての理解を深めてくれればいいのだが。
「さて、そろそろ実践で重戦士がどういう物かを見せる時かのう。わしが手本を見せるので、おぬしらはそれを目に焼き付けた上で戦ってみるのじゃ」
そしていよいよモンスターの群れに対し、見本を見せる時が来た。
クリスタは『タンク・オブ・スティール』で装備重量のペナルティを無視し、大きな盾を軽々と持ち上げると……そのまま群れのリーダーの元に向かい、殴り飛ばした!
「グゴォォォッ!?」
殴り飛ばされたリーダーモンスターはそのまま大きく吹き飛ばされ、廃墟の壁に叩き付けられて倒される。
装備が重いほど武器の威力が増すタンク・オブ・スティールの効果は抜群だ。
「と、これが重戦士の戦い方じゃ。……おっと、どうやら群れのリーダーが倒された事で他のモンスターは混乱しているようじゃのう」
手本を見せるついでで、ちょっとしたお膳立てを行ったクリスタは『さあ、ここからはおぬしらが戦ってみせよ』と鼓舞する。
リーダーが倒れ、統制が取れずバラバラになったモンスターを初心者達は先程教わった事を思い返しながら、重戦士を主体とした立ち回りで着実に倒していくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 集団戦
『アマルガムビースト』
|
POW : バグプロトコル・クロー
自身の【爪】が触れた対象に【バグ】を注ぎ込み、身体部位をねじ切り爆破する。敵との距離が近い程威力増大。
SPD : アマルガム・ゲイル
【魔獣のオーラ】を纏いレベル×100km/hで疾走する。疾走中は攻撃力・回避力・受けるダメージが4倍になる。
WIZ : ミューテーション・プロトコル
【体表面に出現する「魔獣の顎」】で敵の肉片を捕食する。自身の身体部位ひとつが変異し、敵のユーベルコードひとつを使用可能になる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●初めてのクエスト・ボスとの遭遇(※バグプロトコル化モンスター付き)
初心者パーティー三人組は猟兵のサポートもあって、ある程度ジョブの立ち回りや戦い方などを学び、通常モンスターの群れをほぼ自力で討伐。
これにより、街道沿いの廃墟に潜んでいたモンスターの群れを一掃出来た事で行く手を阻む者はいなくなり、その結果、彼らのレベルをいくつか上げる事が出来た。
ここまで順調な流れと言ってもいいだろう。
「なんだか私達、このゲームについてちょっとだけ分かってきたかも!」
「ああ、それにやってて結構楽しいって思えるようになってきたぜ」
「……よし、このままボスの元に向かって仕上げだ! 今ならやれる!」
猟兵のサポート付きとは言え、モンスターの群れを倒した事で多少の自信も付いたらしく、三人組のモチベーションは上向きだ。
一通りの強さを得た今なら、この初心者クエストのボスを倒せるはずである。
こうして一行は目的地である森へと向かうのであった……
森へ辿り着いた一行は、入り組んだ道を奥へ、奥へと進んでいく。
それから探索を初めて少しした後、開けた場所に出ると、そこには……
「ねえ、あれってパルニーよね……?」
聖剣士の少女が指差した先には確かにパルニーがいたが、とにかくデカい。
……そう、こいつこそが初心者クエストのボスであるビッグパルニーだ。
通常のパルニーと違い、体の大きさは実に十倍以上。
大きいだけあって攻撃力やHPもそれなりに高く、初心者クエストの締めを務める定番のボス敵としても知られている。
もっとも、ここまでしっかりレベルを上げてさえいればそれほど苦労せずに倒す事が出来るし、今の初心者達はレベリング済みとこいつを倒すには十分な状態だ。
ただ、一つ問題があるとすれば……
「……なんであいつの周囲にヤバそうなモンスターがうようよしてるんだ?」
重戦士の青年が言うように、ビッグパルニーの周りには『初心者クエストに似つかわしくない凶悪な外見をしたモンスターの群れ』がガードを固めていた。
こいつらはバグプロトコル化した様々な動物・魔獣型モンスターが融合して生まれた、異形の四足獣『アマルガムビースト』だ。
本命のビッグパルニーはバグプロトコル化していないからいいが、このアマルガムビーストはその見た目から分かるようにバグプロトコルと、初心者達の手に負えるような相手ではない。
「このままではボスを倒すどころの話ではないな……すまん、力を貸してくれ!」
そう月穹士の男性に頼まれるが、ここまで来たら言われるまでもない。
ビッグパルニーの討伐は彼らに任せ、猟兵はバグプロトコルの排除と行こう!
●クエストタスク
【※クエストタスクが更新されました※】
・モンスターの群れが発生した目的地へ向かおう。(完了!)
・移動中はパルニーと遭遇する事になるが、雑魚なので軽く蹴散らそう。(完了!)
・道中の廃墟に棲むモンスターの群れと戦い、立ち回りなどを覚えよう。(完了!)
・戦ってレベルを上げ、モンスターの群れの親玉と戦えるようにしよう。(完了!)
・クエストボスのビッグパルニーを倒そう!(進行中)
・行く手を阻むアマルガムビーストを倒し、初心者達の道を切り開こう!(進行中)
岩永・勘十郎
味方が本来の敵をしっかり倒せるか見守る勘十郎。きっと幸運も味方してくれるはずだ。
と、その間も勘十郎に向けて敵の攻撃が来るが鍛え上げた瞬間思考力で見切り回避していく。
「最後の戦いだから、少しくらい戦ってやるか」
まるで今まで戦ってすら無いみたいなセリフを口にして挑発。そして左目から水墨色の炎が。これは心鎧と呼ばれ、触れれば敵の煩悩や負の感情に付着し死に至るまで燃焼するナパームや白リンのような炎で水に入れようと燃焼し続ける。
「安心して良い。気付いた頃にはケバブになってる」
丸焼きにすり宣言と共に残像すら残らない早業でUCを放つ。心鎧を纏った斬撃はバグだろうが何だろうが関係なく斬り裂くだろう。
●最後の一仕事
「ね、ねえ……どうするの? これじゃ私達、ボスと戦う事なんて……」
「大丈夫だ、あの人達がヤバそうな奴らをなんとかしてくれる!」
「ああ、その間に我々はあのボスに挑もう」
初心者達は猟兵が助けてくれる事を既に理解しているのか、アマルガムビーストに襲われないよう慎重に回り込みつつ、ボスであるビッグパルニーの元へ向かうと、早速戦闘を始める。
彼らは上手い具合にボスだけを釣り出し、三対一と言う状況を作り出したようだ。
(む、始まったか。ここまで来たら、わしらはただ見守るのみよ)
勘十郎は初心者達の戦いを何も言わずに見守る。
ここまでの戦いで立ち回り方はある程度理解したし、レベルも上がった。
その経験を生かせば必ず勝てるに違いない。
「グオォォォーッ!!」
もっとも、バグプロトコルであるアマルガムビーストはそんな事とはお構いなしに、近くにいた猟兵……勘十郎に襲い掛かってきた。
バグプロトコル・クローの猛烈な爪撃にほんの少しでも触れてしまえば、体にバグを流し込まれて重傷では済まない事になるが、彼の鍛え上げた瞬間思考力の前には子供の遊びも同然。
相手の攻撃を見切り、体を僅かに動かすだけで回避していく。
「最後の戦いだから、少しくらい戦ってやるか」
まるで今まで戦ってすらいないような事を口にし、勘十郎が相手を挑発する。
一応、最初のバグプロトコル化パルニーや通常モンスターの群れを相手に戦っていたと言えば戦っていた事にはなるが、彼からすればその程度の事は戦いにすら入らないのだろう。
「わしはあの者達の戦いぶりを見守りたいのでな、邪魔はしないでもらうぞ」
その言葉と共に、左目から水墨色の炎がゴォッと燃え上がる。
それは心鎧と呼ばれ、僅かでも触れれば敵の煩悩や負の感情に付着し死に至るまで燃焼する炎であり、触れてしまえばタダでは済まないバグプロトコル・クローとある意味では似ている物と言えるかもしれない。
……ただ、その事を欠片も知る由すらないアマルガムビーストは不運であった。
攻撃の折に心鎧に触れた事で、その身が水墨色の炎に包み込まれる。
「グアァァァッ!?」
一体何が起きたのか分からないと言った感じで、アマルガムビーストが炎を消さんと転げ回る。
この炎は命の灯が消えるまで、決して消える事のない炎……もしHPが表示されているならば、急激にゲージが減っていく様子が見えていた事だろう。
「安心して良い。気付いた頃にはケバブになってる」
相手を丸焼きにすると言う宣言と共に、勘十郎は小銃兼正に手をかける。
その次の瞬間、アマルガムビーストは炎に包まれたまま真っ二つに両断され、モザイクと共に消失していった。
――『|不俱戴天《フグタイテン》』。
心鎧の炎を纏った三世因果にも干渉する斬撃は例えバグプロトコルであろうが、一片の容赦もなく斬り捨てる技だ。
残像すら残らない早業で放たれた斬撃は例え相当な手練れであったとしても、その動きを捉える事は難しいだろう。
「ふむ、まだ来るようだな。軽い運動程度にはなるとは思いたいが、早めに終わらせてもらうとするぞ」
アマルガムビーストが新たにスポーンする様を目にし、勘十郎の心鎧が再び燃え上がる。
そして何も知らない哀れなバグプロトコルは水墨色の炎と共に真っ二つに両断され、再び消失するのであった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
自分達で戦力差の判断が可能になったなら、或る程度安心ですねぇ。
それでは、お引き受け致しますぅ。
『FPS』で獣達の行動を把握、私や初心者さん達と獣達の間を『FMS』のバリアと『FES』の結界で隔てますねぇ。
そして【接穣】を発動、全『祭器』の火力を強化すると共に『即時修復』を付与しますぅ。
獣達のサイズであれば、【爪】でバリアや結界を破壊しても、突破前に『即時修復』されますので、この状態から突破するのは極めて困難でしょう。
仮に遠距離攻撃等で突破出来ても、『FLS』の空間歪曲障壁で防ぎますので。
後は『FAS』の羽弾と『FBS』の斬撃により[範囲攻撃]、獣達を一気に叩きますねぇ。
●祭器は決して砕けない
「それでは、お引き受け致しますぅ」
クエストが始まってからの短時間、自分達で戦力差の判断が出来るようになった初心者達をむざむざとバグプロトコルの餌食にする訳にはいかない。
るこるはまず祭器『FPS』で相手の行動を把握しつつ、それと平行するかのようにるこるや初心者達とアマルガムビーストの間に『FMS』のバリアと『FES』の結界で隔て、安全圏を作る。
仮に敵の狙いがボスと戦っている初心者達に向いてしまっては、あっと言う間にやられてしまうのは必至だ。
そう言った事がないよう、バリアと結界の二重壁で攻撃を防ぐつもりである。
「……ふむふむ、視界に入った敵を真っ先に狙うようですねぇ。でしたら、真っ先にターゲットをこちらに向けた方が良さそうですぅ」
アマルガムビーストの行動パターンをいくらか把握したるこるは、迷う事なく前に出て意図的に向こうの視界に入るように動く。
その途端、不気味な八つの目がギロリとこちらを睨み付ける。
例えるなら獲物をロックオンしたと言ったところであろうか。
「さあ、私が相手になりますよぉ」
凶悪な外見の獣の群れに睨まれても全く物怖じする事なく、上手く相手の狙いをこちらに向ける事が出来たと確信したるこるは、すぐさま『|豊乳女神の加護・接穣《チチガミサマノカゴ・ヒキツガレシミノリ》』で祭器を強化。
戦闘の準備を完了する。
「グルルルルゥ……ガアァァーッ!」
そのまま唸り声を上げつつこちらを威嚇したかと思えば、アマルガムビーストが急に襲い掛かってきた。
戦闘開始である。
「グオォォォォッ!!」
飛び掛かってきたアマルガムビーストが右手を振るい、爪を振り下ろす。
爪はるこるが展開したバリア・結界に阻まれ、深く食い込んだかと思えばグラフィックバグめいたモザイクが広がっていき、そのまま爆破する。
このバグプロトコル・クローは例えバリアであっても、バグの力で難なく破る事が出来るようだ。
「グルルルルル……グ、グァッ!?」
さあ、次はお前だと言いたげなアマルガムビーストであったが、信じられない物を目にしてか、驚愕したかのような鳴き声を上げる。
先程破ったはずのバリアが即座に再形成され、再び行く手を阻んでいるではないか。
いや、何かの間違いだろうと再び爪を振るうも結果は同じであった。
あのバリアを破れない限りるこるに攻撃を仕掛ける事は出来ない以上、アマルガムビーストの攻撃は実質シャットアウトされたも同然である。
相手の攻撃を警戒し、『祭器破損時の『即時修復効果』を付与する効果』のある接穣を使用した、るこるの作戦勝ちだ。
「今度はこちらの番ですよぉ」
るこるがバックステップで後ろに下がると同時に『FAS』から羽弾を飛ばし、少しタイミングをズラしてから『FBS』を放った。
広範囲に射出された羽弾を避けようとしたところで、死角から飛んできたFBSが唸りを上げてアマルガムビーストをバッサリと両断する。
接穣で祭器は全て強化されている事から、その威力はバグプロトコル化モンスターを容易く消滅させる程だ。
「初心者さん達はGGOを楽しんでいる最中ですからねぇ、邪魔はさせませんよぉ」
新たに現れるアマルガムビーストを前に一歩も退く事なく、るこるは戦い続ける。
その奥では、初心者達がボスと必死で戦っている真っ最中であった。
大成功
🔵🔵🔵
メルティア・サーゲイト
「お楽しみの報酬だが」
月穹士を指差して、
「一番撃たせたのはお前だ! お前の支援が遅いから私が代わりに撃った! 貴様にはラッキーナンバー|G13《ガンズサーティーン》をくれてやる。復唱!」
しっかり復唱させてから
「では愉快な遠足を続けるぞ、役立たず共!」
最初と同じように両手ガトリング、両肩ミサイルで弾幕を張るぜ。今度は弾幕で圧倒出来たりしないだろう。弾幕ってのは攻撃じゃねぇ、牽制だ。行動を阻害して相手の対応を迫る。
それに、間近で撃たれる事に慣れさせた役立たず共も今度は腰が引けたりしねぇだろ。
「コイツを仕留めれば勲章物だ。あのメダルはいいぞ、投げると遠くまで飛ぶ」
●報酬の時間
「……あの凶悪なモンスターの群れを少数で抑え込んでいるだなんて、やっぱりあの人達は本当に強いんだな」
ボスであるビッグパルニーと戦闘中の月穹士の男性が、横目で猟兵達の戦いぶりを目にして一人呟く。
「お楽しみの報酬だが」
すると、唐突に後方からメルティアの声が拡声器越しに聞こえてきた。
そう言えば廃墟で通常モンスターの群れと戦っていた時に、そんな話をしていたが……まさか、今この時に?
一体報酬とは……
「一番撃たせたのはお前だ!」
「えぇッ!?」
メルティアが指差したのは……月穹士の男性であった。
当然、彼は困惑するしかない。
「お前の支援が遅いから私が代わりに撃った! 貴様にはラッキーナンバー|G13《ガンズサーティーン》をくれてやる。復唱!」
「お、俺が一番多かったって言うのか!? 何かの間違いじゃ……」
「私が言った言葉が全てだ! 質問は受け付けん! 復唱ッ!!」
有無を言わさず復唱を促すメルティア。
ここで彼女に従わなければ、本当に何をされるか分かった物ではない。
……もしかしたら、あの凄まじい火器で消し炭にされてしまうのでないだろうか?
そう思うと、ここは従うしかあるまい。
「ガ、|G13《ガンズサーティーン》……」
「声が小さい! それでもお前は男か! もう一度!!」
「……ガ、|G13《ガンズサーティーン》ッ!!」
半ば破れかぶれで月穹士の男性改め|G13《ガンズサーティーン》が声を張り上げると、それに満足したかメルティアが宣言する。
「では愉快な遠足を続けるぞ、役立たず共!」
「グオォォーッ!」
その一方で拡声器による声が耳障りに感じたのか、アマルガムビーストがメルティアを黙らせてやらんとばかりに魔獣のオーラを纏って疾走する。
それはまさに疾風のごとき速さだ。
「チョロチョロ動けばどうにかなるとでも思ったか? 素人め!」
だが、それくらいで怯むようなメルティアではない。
向こうの動きに合わせて両手のガトリングと両肩のミサイルが火を噴き『|CODE DIRECT SUPPORT《コードダイレクトサポート》』による弾幕が展開されると、対するアマルガムビーストは攻撃体勢から一転、降り注ぐ弾丸とミサイルの爆炎を避けようと必死の様子だ。
「な、なんだ!? 爆発!?」
「あの人達が戦ってるみたいだけど……攻撃、こっちに飛んでこないわよね!?」
もちろん、その戦いの余波はビッグパルニーと戦っている初心者達にもギリギリ届くかどうかと言うところにまで飛んできており、一行をビビらせていた。
「大丈夫だ、あの人は絶対にこちらには当ててこない! 我々はこのままやるぞ!」
だが、|G13《ガンズサーティーン》だけは先程の件で肝が据わったのか、恐怖する事なく弓を引き搾り、矢を放つ。
状況は人を成長させる、とはよく言った物か。
(はは、ようやくヨチヨチ歩きから卒業ってとこか。ま、ギリ及第点だな)
間近で撃たれても臆する事もなくなった彼らの様子にメルティアはニヤリと笑う。
この様子なら、彼らも大丈夫だろう。
「コイツを仕留めれば勲章物だ。あのメダルはいいぞ、投げると遠くまで飛ぶ」
そう口にしつつ、メルティアは引き続き弾幕を張って牽制、行動を阻害して相手の対応を迫ると、向こうは攻撃の間を縫うようにして反撃を狙おうと試みるも……
「グガァァァッ!?」
アマルガムビーストは皮肉にもその早すぎる速度を制御しきれず、自ら弾丸と爆炎の中へ突っ込み自滅していくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
クリスタ・ドラグストーン
うむ、よいよい
ここまで来たら最後まで完遂させてやりたいものじゃな
わしの出番もどうやら残っているようじゃしのぅ
あれだけ語ったのじゃ、わしが体現できんでどうする!
少々離れた所でバグプロトコルに対してだけ『ガーディアンプライド』!
後は|守護の重盾《ヘヴィガード》を使って相手の攻撃に合わせ、爪が届く前に腕に対して"吹き飛ばし""シールドバッシュ"じゃ!
盾に"霊的防護"を張り、"盾受け"で"ジャストガード"してもバグの問題は無いとは思うのじゃが…念の為じゃな
受けられたのならば"カウンター"で同上じゃ
こうすれば猟兵じゃったか?彼らも戦いやすいじゃろ
こちらは任せよ!ボス戦、楽しむとよい!
※協力・アドリブ歓迎
●無敵の盾
「うむ、よいよい。ここまで来たら最後まで完遂させてやりたいものじゃな」
初心者達がいい感じに成長した様子を見て、クリスタはどこか嬉しそうだ。
最初は右も左も分からなかったが、今では多少の戦闘知識と経験を得た事でボスと互角に戦えている。
何より彼らは今、楽しそうな顔をしているのが彼女にとって一番の収穫だ。
「……それに、わしの出番もどうやら残っているようじゃしのぅ」
そう言い、クリスタはバグプロトコル――アマルガムビーストの群れに視線を向ける。
運営としてバグからプレイヤーを護るのは最大の義務だ。
ボスと全力で戦っている初心者達を邪魔しないよう、ここでバグプロトコルを除去しなければならないのだ。
「さあ、わしが相手じゃ! 百匹でも千匹でも、まとめてかかってくるがいいぞ!」
|守護の重盾《ヘヴィガード》を構え、クリスタが勇ましく吠える。
自らダンジョンを運営し、時にはドラゴンプロトコルらしくボスとして君臨するだけの事もあり、例え小さな体であってもその身から放たれるオーラは強者のそれだ。
そこに只ならぬプレッシャーを感じたか、アマルガムビーストは彼女を睨み付ける。
(さて、あの者達を出来るだけ巻き込まぬように立ち回らねばならんのぅ)
じりじりと近付いてくるアマルガムビーストに注意を払いつつ、クリスタはここからどう戦うかを考える。
単に戦って倒すだけならそれほど苦労する事もないが、場合によっては戦闘中に突然ターゲットが切り替わると言う事も決して珍しくない。
バグプロトコルとはそう言う存在なのだ。
「周囲の様子を見るに、わしが取るべき戦法は……これじゃな!」
クリスタは少し離れた場所で接近しつつあるアマルガムビーストに向け、ガーディアンプライドを使用する。
構えた|守護の重盾《ヘヴィガード》と共に、バグプロトコルをも引き寄せる黄色のオーラにその身が包み込まれると、アマルガムビーストが一気に襲い掛かってきた。
「グガァァァッ!!」
素早く飛び掛かり、バグプロトコル・クローがクリスタを引き裂かんとする。
距離が近い分、威力も増大している事だろう。
(あれだけ語ったのじゃ、わしが体現できんでどうする! 重戦士の戦い、とくと見せてやろうぞ!)
そこへ自らを奮い立たせるかのように、クリスタが防御の構えから一転。
アマルガムビーストの攻撃に合わせ、爪が届く前に腕に対して|守護の重盾《ヘヴィガード》を叩き付け……吹き飛ばした!
爪が触れさえしなければ、バグを流し込まれる心配も無いと言う訳か。
「このわしの護り、破れる物なら破ってみせよ!」
叫びと共に|守護の重盾《ヘヴィガード》へ霊的防護を張ったクリスタが、相手を挑発するかのように盾を構えた。
直後、挑発されたアマルガムビーストが飛び、爪を振るうが……ジャストガードが成功した事もあって、盾にバグが流されるような事はなく、無敵の盾である事を証明する。
「……クリスタさん!? そんなに多くの敵を受け持って大丈夫なの!?」
ふと、中距離から衝撃波を飛ばして戦っている聖剣士の少女が横目でクリスタの様子を目にしたか、不安そうな声を上げる。
一人で凶悪なモンスター数匹をまとめて相手取れば当然の反応だろう。
「こちらは任せよ! ボス戦、楽しむとよい!」
しかし当のクリスタは全く問題ないと言った様子で返しつつ、相手の攻撃をカウンターのシールドバッシュで一匹仕留める。
彼女の実力なら、この程度は余裕だ。
(今回のクエストを足掛かりに、どんどん強くなるといい。そしていずれ、わしのダンジョンでの再会を楽しみにしておるぞ!)
いつかそんな日が来る事を願いつつ、クリスタは無敵の盾を振るい、アマルガムビーストを蹴散らしていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
イクシア・レイブラント
銀の光翼】
そうね。冒険者のみんなはクエストボスをお願い。
[滑空]で低空飛行しながら[存在感、注目を集める]で、アマルガムビーストを[おびき寄せ]。
ラウラさんが交戦を開始したら振り返り、C.R.A.を邪魔しないように三次元に[空中起動]。
数の暴力で押されないように[気配察知、戦闘演算、瞬間思考力]で戦場を把握。
爪が触れないように、ラウラさんをシールドビットで[盾防御、かばう]。
反撃は大型フォースブレイドで[武器巨大化、なぎ払い]。
敵が冒険者たちの方に向かうようなら【最大稼働】[推力移動]で追いついて倒す。
そっちも片付いたようね。クエストクリアおめでとう。
ラウラ・シュトラウス
【銀の光翼】
初心者狩りは確かにプレイヤーを減らす効率が良いから、意図して配置しててもおかしくないんだけど……やり口が狡いんだよね
まぁ、ここまで来たら立派に初心者卒業していって貰おう
あたし達はあのバグプロトコルを片付けよう
イクシアが引き離した敵を倒そう
[地形の利用]で上手く遮蔽を利用して近づき【C.R.A.】で空を見上げ追い掛ける敵を[ヘッドショット]で撃ち抜きながら群れの中に入り込む
次の獲物へと狙いを定めつつ密集する中をすり抜け、時には隙間を縫って蹴りや銃撃で[不意打ち]や[零距離射撃]をして数を減らそうか
リロードの際は投げナイフを投擲して時間を稼ぐよ
彼らには一匹たりとも近づけさせない
●デュアル・コンビネーション
「初心者狩りは確かにプレイヤーを減らす効率が良いから、意図して配置しててもおかしくないんだけど……やり口が狡いんだよね」
そう呟くラウラ。
本来であれば、ボスであるビッグパルニーの周辺には少しだけレベルの高い通常モンスターが配置されているとの事だが、バグプロトコル発生によりその部分が上書きされてしまったのが今の状態と、バグプロトコルのやり方は実際悪質である。
「まぁ、ここまで来たら立派に初心者卒業していって貰おう。あたし達はあのバグプロトコルを片付けよう」
「そうね、ラウラさん。最後の仕上げと行こう」
ラウラの言葉に同意するイクシア。
いずれにせよ、ここで自分達のやるべきはバグプロトコルの除去と初心者達を最後までサポートする事の二つだ。
多少の波乱はあれど、最後は笑って終わらせる事が出来るようにしなければ。
「それじゃ、私が先行するね」
まずはイクシアが滑空で低空飛行しつつ、自らの存在感をアピールし注目を集めると、アマルガムビーストの目が彼女へ一斉に向くと、彼女を逃がさないとばかりにその後を追いかけていく。
その間、ラウラは木々や岩などの地形を利用する事で向こうに悟られないよう接近を試み自動小銃“Ratel”を構えると、空を見上げてイクシアを追い掛けるアマムガルビーストに向け、呟きと共に銃弾を放った。
「“狩り”を始めよう」
ラウラの『|C.R.A.《クロース・レンジ・アサルト》』による素早く精確な近接射撃がアマルガムビーストの一匹の頭部を音もなく的確に撃ち抜くと同時に走り出し、群れの中へと飛び込んだ。
一見して自殺行為にも思える行動だが、そこへイクシアがカバーに入る。
「始まった……!」
イクシアが振り返ると同時に三次元に空中起動を行い、ラウラの邪魔をしないよう相手を攪乱。
数の暴力で押されないよう、気配察知や戦闘演算、瞬間思考力で戦場を把握しつつ、群れの中を突き進むラウラへシールドビットを飛ばし、バグプロトコル・クローを防ぐ。
「いいタイミング。このまま群れを掻き回す」
ラウラはイシクアのフォローを受け、アマルガムビーストが密集する中を風のごとくすり抜けると、足の下をスライディングで潜り抜けると同時に腹部へ零距離射撃を叩き込んだり、時には相手の爪を避けると同時に、不意打ちとして頭部へ痛烈な回し蹴りを叩き込むなどして、確実に数を減らしていく。
「リロード……」
交戦の最中、ラウラが銃火器のリロードを行うタイミングでナイフを投擲。
相手の目に当てる事で上手く時間を稼ぐなどするが、ダメージを押してでも仕留めんとアマルガムビーストが予想外とも言うべき捨て身の特攻を仕掛ける。
だが、その特攻も突然飛んできた斬撃の前にあえなく両断され、失敗に終わった。
「ラウラさん、油断大敵よ」
斬撃の元である、巨大化したフォースブレイドで相棒の危機を救ったイクシアが飛び回り、ラウラがリロードをしている間、アマルガムビーストを引き付ける。
ここぞと言う時に絶好のフォローが入る、抜群のコンビネーションだ。
「ごめん、ちょっと油断した」
「大丈夫よ。このまま群れを……っ!?」
ふと、アマルガムビーストの一部が群れから離れ、今まさにボスと戦っている初心者達に向けて走り出した事にイクシアが気付く。
もし、あのまま彼らが襲われでもしてしまえば、一発で倒されてしまう事だろう。
「させない……ブースト!」
即座にイクシアが『|最大稼働《フルドライブ》』の推力移動で一気に距離を詰めると、アマルガムビーストに肉薄。
ちょうど死角から襲い掛かろうとしていたところをフォースブレイドでなぎ払い、寸前で奇襲を阻止する。
「うわっ、な、なんだ!? な、あのヤバいのがこっちに来てたってのか……!?」
なぎ払ったフォースブレイドの風圧を受けて振り返ると、間近で消滅していくアマルガムビーストに気付く重戦士の青年。
僅かでもイクシアが助けに入るのが遅れていたら、今頃はやられていたに違いない。
「こっちは私達に任せて、あなた達はボスに集中して」
「わ、分かった! 頼む!」
一瞬肝は冷えたが、こうして助けてくれる強い味方がいればきっと大丈夫だ。
初心者達はそう確信し、再びボスとの戦闘に戻ったのを確認すると、イクシアはアマルガムビーストの群れのいるところへと戻り、向こうで戦っているラウラのフォローに再び入る。
「ギリギリ、間に合ったよ」
「それは良かった。彼らには一匹たりとも近づけさせない」
今度は群れの動きをより注視しつつ、コンビネーションを生かした戦いでアマルガムビーストを更に葬り去っていく。
相手はたった二人にも関わらず、まるで傷を負わせる事すら出来ない強さを前に、向こうは手も足も出ないと言ったところだ。
「敵は際限なく湧いている。けど、あたし達はただ倒し続けるだけ」
倒しても虚空から再びスポーンするアマルガムビーストを見て、ラウラが呟くと再び武器を構え、群れの中へと走り出した。
まだまだ余裕で戦えると言った様子だ。
「クエストクリアおめでとう……と言うにはまだかかりそう? なら、もう少し頑張るとしようかな」
戦い続ければ、いずれ向こうも打ち止めになるはず。
そう信じて、イクシアもアマルガムビーストの群れの上を再び飛び回り、巨大化したフォースブレイドを振るうのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
羅刹剣豪・ブシドー
コンセプト
攻撃特化型紙防御近接アタッカー
あれが、この世界の魔獣……戦ってみたいっ!!(目がキラキラ、全身うずうずぞくぞく)
ああ、あれの素材で作った刀は、どの様な逸品になりましょうか……!
さて、貴殿は拙者を見事殺してくれますかな……?
全身に羅刹紋を浮かび上がらせ気迫で恫喝、出身|世界《ゲーム》では最強の刀、天羽々斬を抜いて上段に構えます。
ユーベルコード「剣刃一閃」を捨て身の一撃で放つ事で、次々と敵の群れを|爪とバグ《ユーベルコード》ごと一刀両断して行きます。特に、レアドロップ狙いで角や尾の切断も積極的に狙っていきます。
互いに全力を出して殺し合った末、殺されるかレアドロップが入手出来れば僥倖です!
●剣豪少女、GGOに降り立つ
「あれが、この世界の魔獣……戦ってみたいっ!!」
アマルガムビーストを見た羅刹剣豪・ブシドー(武士道・f42034)は目を輝かせ、今すぐにでも戦ってみたいと言った感じで全身をゾクゾクと震わせる。
彼女はこのGGOの世界に降り立ってすぐ、どこかに戦える相手がいないかと森の中へ入ってみたところ、ちょうどいいタイミングと言うべきか否か、バグプロトコルの魔獣と遭遇。
すぐさま得物である|天羽々斬《アメノハバキリ》に手をかける。
「ふふ……凶悪な魔獣が一匹のみならず、多く群れているとはなんたる僥倖。ああ、あれの素材で作った刀は、どの様な逸品になりましょうか……!」
半ば狂喜にも近い笑みを浮かべるブシドー。
その華奢な姿とは打って変わって、彼女は常に『命を張った戦いを何よりも好む』戦闘狂であり、その戦闘欲を満たしたいがためにアマルガムビーストと戦うのである。
「グルルルル……!」
一方のアマルガムビーストも獲物の到来に気付くが、ブシドーを一目見て只ならぬ相手である事を悟ったか、唸り声を上げて仲間に警戒を呼び掛ける。
曰く、『アレはそう易々と狩れるような者ではなさそうだぞ』と。
「さて、貴殿は拙者を見事殺してくれますかな……?」
全身に羅刹紋を浮かび上がらせ気迫で恫喝しつつ、じりじりとアマルガムビーストへ近付くブシドー。
仮にこの戦いに敗れて命を落とす事になっても大いに結構。
それは単に自分を上回るほどの強敵であった、と満足しながら逝く事だろう。
彼女は死を美徳とする精神性を持ち、動きの妨げとなる装備を極力廃している事から、動きやすさを重視した防御力皆無の薄布の衣装に身を包んでいる。
もし相手からの攻撃を少しでも受けてしまえば、それだけでも致命傷になりかねない極めてリスキーなスタイルだ。
ブシドーはいつもそれだけの覚悟と共に、様々な敵へと果敢に挑むのだ。
「……グオォォーッ!」
それから少しの間、睨み合いが続いていたがアマルガムビーストが吠えると、それが合図となったか一斉に襲い掛かる。
動き出した魔獣に対し、即座に反応したブシドーが|天羽々斬《アメノハバキリ》を素早く抜くと上段に構えを取った。
振り下ろされるバグプロトコル・クロー。
「……はっ!!」
相手の爪撃が掠めるかどうかと言うタイミングでブシドーが捨て身の一撃で剣刃一閃を放つと、アマルガムビーストの一匹が|爪とバグ《ユーベルコード》ごと両断された。
鍛えに鍛えた彼女の剣筋は半端な物ではなく、敵の骨肉のみならず、甲冑や玉鋼、霊魂や概念すらも一刀両断してしまうほどに強烈である。
「この魔獣の素材が取れるか、狙ってみるとしましょう」
更に襲い掛かってくるアマルガムビーストに、ブシドーはレアドロップ狙いで角や尾の切断も積極的に狙っていく。
最初の数匹は狙い所が悪かったのか倒しても消滅してしまっていたが、戦っていく内に相手の特性を理解・学習したらしく、角や尾、爪などを落とす量が確実に増えていった。
どうやら彼女はただの戦闘狂ではないようだ。
「ふふ、この命を賭けたやり取りこそ、生きている事を実感できます……!」
襲い掛かるアマルガムビーストを次々と斬り捨て、充実した笑みを浮かべるブシドー。
彼女はこの戦いの後に回収する戦利品なども相まって、更に嬉しそうに笑う事だろう。
ブシドーの果てしなき戦いは、まだまだ始まったばかりだ。
大成功
🔵🔵🔵
ビリー・ライジング
【ライジング兄妹】
挨拶代りの【切り込み・先制攻撃】で【存在感】を示して、
お得意の【大声・挑発】で、こちらへ【おびき寄せ】る。
基本は火の【属性攻撃】を宿した二刀流で、
【武器受け・盾受け・ジャストガード】などで敵の攻撃を防ぐ。
複数体来たら【敵を盾にする】ことで同士討ちさせてやろう。
「二対一の時は相手同士の身体を利用する。覚えといて損はないぜ?」
「そんなに食べたければ……|火球《こいつ》でも食べてろ!」
【視力・スナイパー・誘導弾】で「魔獣の顎」目掛けて、
【属性攻撃・高速詠唱・全力魔法】の【爆撃】UCだ!
ミリィ・ライジング
【ライジング兄妹】
お兄ちゃんが敵を挑発している間にアイコンタクトを取り、
【目立たない】ように【闇に紛れる】。
私は護符や手裏剣を準備して、【援護射撃】に回る。
護符や手裏剣を【投擲】して、敵がこちらを向く前に【逃げ足】で敵の視界から消えて、
別の方向から再び攻撃。これを繰り返していく。
それでスピードあげたつもり?
指定UCを発動させて、相手に追いつく。
代償は【毒耐性・激痛耐性・呪詛耐性】で耐え凌ぐ。
相手が弱ってきたら、【ジャンプ】。
急所の頭部狙いの【部位破壊・貫通攻撃】を受けなさい!
●決着の時
「どりゃぁぁぁッ!!」
勇ましい叫びと共にビリーがアマルガムビーストに切り込むと、先制攻撃を仕掛ける。
挨拶代わりとしては実に痛烈な一発だ。
「ここは俺達が相手だ! そら、まとめてかかってこい!!」
そこから大声を出して自らの存在をアピールする事でアマルガムビーストの群れの注目を集めると、早速ビリーは包囲され殺気の込められた視線を四方八方から浴びる事になる。
一見すれば大ピンチとも言える光景だ。
(……ミリィ、こっちはOKだ)
(分かったわ、援護は任せて)
敵の群れに囲まれたビリーは周囲を見渡すフリをしつつ、後ろに控えているミリィに向けてアイコンタクトを送ると彼女はその意図を理解し、目立たないよう闇に紛れる。
これで準備は完了だ。
「グルルルル……グオォォォッ!!」
わざわざ死にに来るとは愚か者め、骨も残らず喰らい尽くしてくれるわ!
そう言わんとばかりに、アマルガムビーストの体表に魔獣の顎が出現する。
いかにも異形の魔獣らしい攻撃手段、とでも言うべきだろうか。
「さぁて、少しは楽しませてくれよ?」
群れに包囲された状態であってもビリーは一切焦る事なく、むしろこの状況を楽しむかのようにニヤリと笑うとルーンレイピアとマインゴーシュを抜いた。
どうやら彼は二刀流モードで戦うつもりのようだ。
「グガァァァッ!」
そしてアマルガムビーストの一匹が痺れを切らしたか、ビリーに向けて襲い掛かる。
それが呼び水となって、群れも後に続く。
果たしてこの大軍を前に、彼はいかにして戦うのであろうか?
「……行くぜ!」
相手が仕掛けてくるタイミングでビリーが手にしている武器に火の属性を宿すと、アマルガムビーストの体表に現れた魔獣の顎による噛み付き攻撃を上手く受け止め、カウンターでマインゴーシュの刺突を目に叩き込む。
「ガァァァァッ!?」
凄まじい痛みに悶絶し、転げ回るアマルガムビースト。
そこへ別の個体が同時に攻撃を仕掛けてくる。
仲間を犠牲にしつつ、ビリーが一瞬でも隙を見せたところを狙ってきたようだ。
「あらよっと!」
だがビリーはマインゴーシュで左からやってきた噛み付き攻撃を受け止めると、その直後に右から挟み撃ちを狙おうとした別個体へ向けてくるりと素早く向きを変え、受け止めたアマルガムビーストを盾のように差し出し、共食いさせる事で同士討ちに持っていく。
相手の攻撃を逆に利用する頭脳プレイだ。
「グ、グルルルル……」
よもや仲間をうっかり喰らう事になってしまうなど思わず、共食いしてしまった方のアマルガムビーストが大いに困惑する。
いくらバグプロトコルとは言え、その辺りの事を考えるだけの知能はあるようだ。
「二対一の時は相手同士の身体を利用する。覚えといて損はないぜ?」
ま、言ったとこでお前達に理解出来るか知らんがな!
ビリーは余裕の表情でそう付け足す。
「グオォォォッ!」
ならばと死角から不意打ちを仕掛けようとするアマルガムビーストであったが、その攻撃は別の方向から飛んできた何かに阻まれる。
戦闘直前、闇に紛れたミリィからの援護射撃だ。
「私もいるって事を忘れてもらっては困るわね」
木々や茂みの間を駆け抜けるようにミリィが手裏剣や護符を投擲し、常に動き回りつつ兄を援護する。
こちらの攻撃が命中し、相手の視線が向けられる前に逃げ足を駆使して視界から消え、別方向に回り込んでから再び援護射撃。
この行動を繰り返す事でアマルガムビーストに着実なダメージを与えていく。
しかし向こうもいい加減狙われている事を学んだのか、アマルガム・ゲイルで魔獣のオーラを纏い速度を一気に上げる事でミリィからの攻撃を避けつつ、群れの中で獅子奮迅の戦いぶりを見せているビリーを狙おうとするつもりのようだ。
「それでスピードあげたつもり?」
ミリィが一旦その場に足を止め、構えを取ると『|化身招集・感謝する死者《ケシンショウシュウ・グレイトフルデット》』で化身の英霊を全て召喚。
自身の身体を依代に化身達を全て憑依させ、戦闘能力などを大幅に強化する。
アマルガムビーストと同じく速度を上げた事で、能力を実質イーブンに持ち込んだミリィは疾風のごとき勢いで援護射撃を引き続き継続。
その強すぎる力を得た事で代償を受けるも、自らが持つ耐性で耐え忍び、兄を援護しつつ自身も群れの数を減らしていく。
戦いは既にこちらが圧倒的優勢だ。
「向こうはパワーダウンしてきているようね。……なら、一気に押し込む!」
アマルガムビーストの群れが弱ってきたのを見て、ここが決め時だと確信したミリィが速度を生かし、大きく飛んだ。
彼女の狙いは相手の急所……即ち、頭部だ。
「この攻撃を……受けなさい!」
ミリィの両手にあった複数の護符と手裏剣が降り注ぎ、アマルガムビーストの頭部を確実に、そして無慈悲に貫き破壊すると、そのまま消滅する。
一網打尽とはまさにこの事だ。
「お、ミリィもやってくれるな。なら、俺も負けてられないぜ!」
同じ頃、妹がアマルガムビーストを数匹まとめて倒したのを目にしたビリーは改めて魔獣の群れに向き直る。
どうやら向こうはまだ諦めていないらしく、唸り声を上げると同時に最後の攻撃を仕掛けんと飛び掛かってきた。
「そんなに食べたければ……|火球《こいつ》でも食べてろ!」
ビリーは複数の魔獣の顎目掛け、『|全てなる臨界点《バーニングゴールド》』の黄金の炎を高速詠唱と全力魔法で放った。
そのまま顎に向けて爆撃めいて放たれた黄金の炎をまとめて喰わされ、アマルガムビーストの身が黄金に燃え上がると、一匹、また一匹と燃え尽きて消滅していく。
ちょうどそのタイミングで初心者達が戦っていたビッグパルニーが倒され、地へと沈んでいくと、まるで見計らっていたかのようにアマルガムビーストのスポーンが止まった。
完全に打ち止めとなったのか、或いはボスが倒れた事で出現しなくなったのか、その理由は分からないが……いずれにせよ、初心者達はクエストをクリア出来たのである。
●初めてのクエスト・そして駆け出し卒業へ
「何やら色々あったようですが、初心者クエストはこれにてクリアです! 皆さん、おめでとうございます!!」
それからボス討伐後、クエスト完了報告のためにギルドへ戻った一行は組合員の元に向かうと、どこからともなく鳴ったファンファーレと共に労いの言葉をかけられる。
本当に色々あったが、これで一件落着だ。
「……それと、駆け出しの初心者さんを助けていただいた先輩冒険者の皆さん。サポートの方、本当にありがとうございました。こちらは少ないですがサポート報酬と実績トロフィーです。どうぞお受け取り下さい」
続いて組合員は猟兵達に『これからも初心者さんを見かけたら是非助けてあげて下さいね』のセリフと共に、幾分かのトリリオンに実績トロフィー『頼れる先輩冒険者』を授与する。
これが『初心者を上手く手助けする事で得られる報酬や実績』なのだろう。
「みんなが助けてくれたおかげでなんとかクリア出来たわ。本当にありがとう!」
「アンタ達の事は忘れないぜ。今度会う時は、もっともっと強くなるからな!」
「またどこかで君達に会える日を楽しみにしているよ。それじゃあな」
そしてギルドから出る際、初心者三人組はそれぞれが猟兵達に礼を述べるといずこかへと去っていった。
きっと彼らは始めたばかりのGGOに楽しさを見出したのは間違いないだろう。
新米冒険者三人のGGOにおける物語はまだ、始まったばかりだ――
【※クエスト・コンプリート!※】
大成功
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