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桜咲く、秋の夜祭り

#サクラミラージュ #ノベル #猟兵達の秋祭り2023

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#猟兵達の秋祭り2023


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ミア・ミュラー



ウィユ・ウィク



リミティア・スカイクラッド




 いつだって幻朧桜が咲く帝都にも、巡り来る秋の季節。
 桜に紅葉、秋の名月……そんな景色が見られるのは、このサクラミラージュだけ。
 そんな帝都へと二人を誘ったのは、ミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)。
 秋祭りがあるって、そう聞いたから。
「すっかり秋の空気ですが、満開の桜があるとまた雰囲気が変わりますね」
 今日はお誘いいただきありがとうございます、と。
 そうミアへと告げるリミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)の装いは、浴衣姿。
 ラフめの浴衣にしたけれど、花紋様入った黄色の浴衣と赤の帯は、秋の様な彩りで。
「サクラミラージュは一年中桜が咲いているので、お祭りやイベントが幻想的になって素敵なのです!」
 そう尻尾をゆらゆら、ウィユ・ウィク(幸せの黒いキマイラ・f13034)もわくわくと。
 白のラインで花模様が描かれた青の浴衣に黄色の帯を締めた、祭りにぴったりの格好。
「ん、ふたりとも色鮮やかな浴衣がとっても、綺麗」
 ミアはそんな和の装い纏う二人の姿を眺めてから。
「わたしは久しぶりの浴衣だけど、ちゃんと着られてる、かな……?」
 そう少し自分の装いを気にする彼女も勿論、浴衣姿。
 ピンク地に紅花咲いた浴衣と薄水色の帯が、可愛さと華やかさを彩って。
「お二人とも鮮やかな浴衣姿がバッチリ似合っているのです!」
「ミアさんの浴衣は夜桜にも映えてかわいいですし、ウィユさんの浴衣は男の子らしいかっこ良さもありますね。お二人ともよくお似合いですよ」
 まさに三者三様、並んで三人歩く姿は、秋の夜にとても映えている。
 そしてウィユはお耳をぴこん。
「お祭りの喧騒が聴こえてきて我慢できないのです!早速お店を周りに行くのです!」
「たくさんお祭りを楽しみましょう」
「よし、みんなで屋台巡りに、行こう」
 祭囃子に誘われるように、沢山の屋台が並ぶ祭り会場へ。

 沢山並ぶ屋台の中、まず足を運んでみるのは。
「最近はカラフルで綺麗なわたあめがあるって聞いたし、楽しみ。ここなら桜色のわたあめとかも、ありそう?」
 ミアが行きたかった、わたあめの屋台。
「わたあめがカラフルなのです?」
 そう首をこてりと傾けるウィユだけれど。
 わたあめ屋にはミアの言う通り、カラフルでふわふわなわたあめがいっぱい。
「わたあめと言えば真っ白のイメージでしたが、本当に色とりどりですね」
 リミティアもそうじいと見つめて。
 色によって味も違うのか、折角なのでいくつか買って食べ比べを。
 各々、自分の浴衣と同じ色のわたあめにしてみて。
「舞ってくる桜の花びらも乗っていてとっても綺麗なのです!」
 桜纏う色鮮やかなふわふわを、はむり――まずは一口。
「リムのはレモンですね」
「わたしのは、イチゴ、かな?」
「ボクはラムネなのです!」
 そして皆で交換こして。
「どれもおいしいですね」
「かき氷みたいで面白いのです!」
「カラフルな、かき氷? 今度はそれも食べてみたい、な」
 ミアはそう言った後、改めてわたあめを口にして。
「甘くてふわふわで、いい感じ。いつもより美味しいのはお祭りだから、なのかな」
 口に広がる甘さにほわり、続ければ。
 リミティアは二人を見つめて、こう紡ぐ。
 ……みんなで食べるから、おいしいのもあると思います、って。

 そして、次は。
「射的や輪投げもありますね。ちょっと挑戦してみませんか?」
「次は射的と、輪投げ? おー、当たったらおみやげにできるのは、いいね」
 リミティアの提案にミアも賛成して。
「ん……この銃ってけっこう、重いのね」
「コルク銃は結構クセが強いですね。なかなか当たりません」
「浴衣も動きづらいから、なかなか難しい、かも」
 二人は射的に挑戦してみるけれど、結構難しい。
 でもミアは次こそと、頑張って小さなぬいぐるみを狙って。
 ウィユも……と、いきたかったけれど。
「むむっ……ボクの身長では台に届かないので射的は断念なのです」
 代わりに彼がやってみるのは、輪投げ。
「あのおさかなさんのキーホルダーを狙うのです!」
 一投目と二投目は惜しくも外れたけれど……三投目でおさかなさんゲット!
 ミアもよく狙って……お目当ての小さなうさぎさんを見事、ぽこんっ。
「皆さんお上手です。リムも負けてられませんね」
 そしてリミティアも重ねた試し打ちを踏まえ狙いにいくのは、和風な巨大招き猫ぬいぐるみ。
 それから二人が見守る中、数発かけて、ついに仕留めれば。
 ミアは共に喜び、戦利品を見せ合いつつも思う……みんなの挑戦も見守るのも、楽しい、と。

 それから、次の屋台は。
「お祭りの仮面は可愛いのが多いのでつい欲しくなっちゃうのです!」
「お面もいろんなものが、あるのね」
 色々なお面がずらりと並ぶ屋台。
「ボクはどのお面にしようか迷うのです……」
 沢山あるから、つい迷っちゃうけれど。
「あっ! このペンギンさんのお面が可愛いのです! これにするのです!」
「んー、わたしはこれ、かな」
 ペンギンさんを見つけたウィユの隣でミアが手にしたのは、ヒーロー的なお面。
「リムはこの狐のお面に惹かれますね」
 そしてリミティアは、手に取った狐面をすちゃり。
「どうでしょう、似合いますか?」
「ん、みんなよく、似合ってる」
「選ぶ面にも個性が出て、皆さんかわいいです」
 今日の浴衣姿にも、お面はぴったりだし。
「祭り後は飾っておくと、見るたびにお祭りを思い出せて楽しいのです!」
「そっか、このお面もお祭りの思い出に、なるんだね」
 ウィユの言う様に、帰ってからも楽しめるから。
 買ったお面を各々好きな場所につけてから、また皆で並んで歩き出す。

 そして屋台巡りをしていれば、皆揃ってふと空を見上げて。
「この音は……花火?」
「花火の音が聞こえてきたのです……?」
「ん、花火が始まりましたか」
 花火の時間になったようだから、背の低い自分達でも見やすい位置に移動して。
 小高くなっている場所にベンチを見つければ、並んで座って。
「りんご飴とお団子、あと桜餅も買ってきたので、よければ食べながら眺めませんか」
 リミティアは人数分調達していた品を、二人にもお裾分けして。
 甘味をお供に、月が綺麗な空を見上げて、花火鑑賞を。
「やっぱりお祭りの花火は、綺麗。弾けるときのすごい音も迫力があって、いい」
「やっぱり花火は綺麗なのです!すぐに消えちゃうのは少し寂しいですが、今この瞬間を楽しんでいるという実感があって趣があるのです!」
「夜桜と花火を一緒に見られる機会もそうありませんね」
 名月浮かぶ夜空に大輪の花火、夜桜と色づいた紅葉――それはやはり贅沢な光景で。
 そして何よりも。
「今日もまた楽しい思い出が、増えたよ。リミティアさんとウィユさんとお祭りに来られて、よかった」
 皆でそれを眺めるこのひとときが、嬉しくて楽しくて。
 ミアの言葉に、リミティアも頷いて返す。
「リムも皆さんとここに来られてよかったです」
 花火に照らされる二人の横顔を見て微笑んで。
「ボクもお二人とお祭りに来れて良かったのです!」
 ウィユも、大きくこくりと頷いて言えば。
「また一緒にどこか遊びに行けたら、嬉しいな」
「次はリムからもお誘いしたいですね」
「ボクは普段から色々な世界を旅しているので、もし良い場所を見つけたらお二人を遊びに連れて行くのです!」
 上がる花火を一緒に見上げながら交わすのは、そんな楽しい、お出掛けの約束。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年10月29日


挿絵イラスト