6
永遠って何? 脱衣スライムとピンクのガスの迷宮!

#アルダワ魔法学園

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アルダワ魔法学園


0




「むむむ……困ったのじゃ!」

 両腕を組んで神妙そうな表情で唸るのはグリモア猟兵であるプリマステラ・リコールド。
 彼女は蒸気と魔法によって形成されるアルダワ魔法学園地下迷宮で一つの噂が流れ始めた事に頭を悩ませているらしい。
 その噂とは『触れると永遠が手にする事が出来る宝』が存在するという冒険者にピッタリすぎる噂だった。
 噂に敏感な何人かの冒険者達はこぞってダンジョンに挑んだのだが……帰ってきたの者は存在しない。

「と、こんな具合で噂を流して地下迷宮に生徒達をおびき寄せておる存在がおるのじゃ! 勿論オブリビオンの仕業じゃな!」

 オブリビオンの仕業と断定したプリマステラは猟兵たちに向き直ると、ふんす! と捲し立てるように言葉を繋げる。

「永遠などと怪すぎるのじゃ! でも人としては永遠の存在にあこがれるのじゃろうか? 分からん気もするが……。」

 うんうんと神妙な面持ちで頷くプリマステラ。
 人の欲望を掻き立てる言葉、永遠を求め行方不明となった生徒たちはカップルや親友が多いと語る。
 おそらく、ずっと仲良くいたい気持ちがあったのであろう。

「お前さんらには何としてでも怪しいお宝の存在を確かめ、最悪廃棄して貰いたいのじゃ! そしてオブリビオンを倒し行方不明になった生徒達を見つけてほしいのじゃ!」

 キラキラと輝く瞳で懇願するプリマステラは事前に知った迷宮の内容を猟兵達に告げる。
 それは摩訶不思議でいろいろな意味で危険な迷宮であった。
 第一層は入り口が三か所存在し、それぞれ違う罠が仕掛けられているそうだ。
 【迫るスライム! 粘液壁が迫る道】【滑るスライム! 粘液坂】【突然スライム! 粘液鉄砲廊下】と名付けられた部屋であり、プリマステラもハテナマークを頭に浮かべつつ説明を続ける。

「どの部屋もスライムが居るらしいぞ! そのスライムは危険性は無いのじゃが……攻撃した相手の装備を溶かすらしいのじゃ!」

 防御力を減らすのじゃろうか? と不思議そうな表情のまま説明を続けるプリマステラの説明によると……。
 【迫るスライム! 粘液壁が迫る道】は上下左右不規則に壁が動き、スライムごと侵入者を挟みこもうとするようだ。 力が強ければ壁を止める事が出来るだろう。
 【滑るスライム! 粘液坂】は急角度の坂を上る部屋だが、どうもスライムが転がってきたり降ってくるようだ。 素早く動けるものは有利に進めるかもしれない。
 【突然スライム! 粘液鉄砲廊下】は大人二人並んで進める程度の細長い廊下となっており、壁や床、天井に細いスリットが存在しスライムが勢いよく急襲してくるようだ。 スリットの位置を見極める事が出来る勘の良さや知識があれば有利に進めるだろう。

「第二層は迷路になっておるようじゃ、勿論ただの迷路では無いぞ! お前さんらの事じゃから大丈夫じゃと思うが……気分が悪くなったら帰ってくるのじゃぞ! 十分に気を付けるのじゃ!」

 第二層は特殊なガスが充満する迷路だとプリマステラは告げる。
 命に別状はいが……【アルコールや興奮薬】に近い成分である事が分かった、ふら~っとしたり、気分が良くなったり等の効果が考えられるだろう。
 そのガス迷宮を抜ければ、第三層にオブリビオンの存在と迷宮としてはシンプルな物である。
 しかし酔っぱらいガスなのじゃろうか? と唸るも心機一転、猟兵達を転送するべく、術式を編み上げるプリマステラであった。

「では転送するぞい! 命大事に! 無事に帰ってくるのじゃぞ!」

 プリムステラの声を合図に猟兵たちの足元が光り、迷宮の入り口へと転送される。
 若干の浮遊感、視界を白く染める光……刹那にも満たない転送で世界を超えた先に猟兵たちを待っていたものは……。
 妙に甘い香りであった。

 《ようこそ永遠の迷宮へ、仲良きことは美しきかな、迷宮を乗り越え永遠を手に入れたまえ》。

 共通語で書かれた文章、薄暗さとは無縁、逆に明るすぎる程のピンクの照明とどこかズレた迷宮が猟兵達を待っていたのだ。
 しかも情報通り《入り口が三か所》存在する。
 3つの入り口にはそれぞれ【迫るスライム! 粘液壁が迫る道】【滑るスライム! 粘液坂】【突然スライム! 粘液鉄砲廊下】と刻まれており。
 どの部屋にしてもスライムが存在する事は確定らしい、プリマステラの情報通りだ。
 猟兵達よ、風変わりなダンジョンに挑み、奥に居座るオブリビオンを倒し行方不明者を救助するのだ!
 だが、油断は禁物である……ミイラ取りがミイラにならぬように細心の注意を払いたまえ!
 では、好きな入り口を選ぶのだ!


伊吹ノ樹
 なんだかピンクですよ猟兵さん!
 というわけで、マスターの伊吹ノ樹です!

 今回は永遠とかいって人を釣るけしからん迷宮です!
 あ、あと! 今回は少しムフフでえっちなコメディ系の内容ですので、シリアス路線の方とは相性が悪いかも!

 最初は服を溶かすスライムと戯れて貰います。
 【迫る】【滑る】【突然】等、略して頂いてOKなので、行ってみたい部屋を選択してくれると嬉しいです。

 また、永遠の仲を祈って、仲の良い人と二人で挑んでみても良いかもですね!
 もしかしたらラブコメっぽいことになったり?
 コンビ参加の場合【誰】と挑むのか忘れずに明記して下さい。

 また、余裕があれば判定に失敗した際に【どんなハプニングがあれば嬉しい】かを書いて下さると参考にさせて頂きます。
 勿論ダメすぎなのは採用できません故……。

 それでは、参加して頂けると嬉しいです!
 よろしくお願いします!
47




第1章 冒険 『繊維や金属を溶かす高性能高需要のアレ』

POW   :    邪魔なスライムをぶっ飛ばして無理やり突破する

SPD   :    接触されないように素早く走り抜ける

WIZ   :    知恵を絞って安全に通り抜ける

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アルテミス・カリスト
「永遠という言葉で人々を惑わす災魔は許せません!
この正義の騎士アルテミスが成敗しましょう!」

さて、3つの入口ですか……。
それでは、せっかくなので、私はこの【滑る坂】を選びますね!

「ふっふっふ、騎士として鍛えたこの脚力を甘く見ないでくださいね!」(フラグ)

ミニスカートの裾を気にしつつも、一気にダッシュで駆け上がりましょう!

「って、なんですか、このぬるぬると滑る坂はーっ?!」

坂のスライムに足を取られてしまいますが……

「くっ、この程度で正義の騎士を止められると思わないでくださ……きゃあーっ」

何度も下まで滑り落ちてはリトライし、
登りきれた時には、鎧は溶け落ち、服や下着もきわどく溶けているのでした。


ミラ・グリンネル
【迫る】を選択。
永遠はあるのデス。きっとあるのデス。
スライムなんてへっちゃらなのデス。

迫り粘液壁はミラのパワーで食い止めるのデス!
ひうっ!なんか服が溶けるのデス。凄くえっちいのデス。
なんか下着とか見えてまセン?絶対に見えてますヨネ?
それでも半裸状態になっても頑張りますヨ。
誰かに手助けして貰えたらその隙に道は通り抜けマス。

何かトラブルがあっても仕方ないデスヨネ?
転んで知らない人と身体が密着したり、触ったり触られたりしても事故ですから仕方ないのデス(フラグ


アイル・コーウィン
永遠を手に出来るお宝!
これはレア物ハンターとして絶対に見逃せないわ!
スライムだか何だか知らないけど、お宝を手にするのはこの私よ!

さて、私はスピードが自慢だけど、ここはあえて【迫る】の方へ行くわ。
壁を力で止めたとしても結局そこで動けなくなる訳で、スライムの餌食になるのは明白。
つまりこの部屋の真の正攻法は、素早く駆け抜けて切り抜ける事よ!

っと思ったら、意外と壁が速い!?
ちょっ、これまずっ……きゃああ!?

(壁に挟まれてスライムにもみくちゃに)

くうぅっ、私の服……しかもあのスライム、溶かすだけじゃなくあんな事やこんな事まで……。
ま、まだよ、あともう少しでゴール……ってまた!? やめっ、にゃあああっ!?


ソナタ・アーティライエ
好きな人とずっと一緒に居たい
そういった気持ちはわたしにも分かります
ですからなおの事、そのような甘言で人を惑わす存在を放ってはおけません
行方不明な皆様が無事だと良いのですけれど……

【突然】の入口から参ります
《聞き耳》を活かして、歌声の反響音や風が通り抜ける音を聞き分けてスリットの位置を把握できないか試みます
分かった範囲でスリットを避けながら、あとは自分の《第六感》を信じて出来る限り先を急ぎたいです

わたしは『モノ』ですから、羞恥はありません
けれど他の方にこの様な姿を見せてはお目汚しになると思いますので
替えの服はきちんと準備して行って、粗相のないよう気をつけますね


彩波・いちご
【恋華荘】で一緒に、先行したミラさん(f05737)を追って
【迫る】に

「周りの壁が…皆さん気を付けて」
粘液の壁に手をつきながら先行します
先行しないとスライムで服が溶けた皆さんの身体見えちゃいますし…
(いちごも多少は溶けますが、性別が確認できない程度には服は残ります(断言))

足滑らせ転びそうになり、壁に手をついたと思ったら胸だったり
転んだ人を支えようとしたらやはり胸とかお尻とか掴んだり
そんなとらぶるを繰り返しながら進みます

ミラさんと合流できるでしょうか…?
あと私はルネさんや美弥子さんや冬香さんに殺されないでしょうか…?
って、逆に私が触られてるー?!
※女性陣からのアドリブは全部受け止めてOKです


高原・美弥子
【恋華荘】の皆と一緒に【迫る】に突撃だね。

前回は触手で、今回はスライムかぁ(遠い目)
また事故とか起こさないよね、いちご?(ジト目)

迫る壁は棒で止めるのがお約束!鉄塊剣をつっかえ棒に……スライムだから意味がない!?
いやー!またスライムで服が溶けるー!?

って、前にいるいちごが滑って危な……~~~っっっ!!
い、いいいいいちごぉぉ!(溶けかけてた服が、転びかけたいちごが勢いよく手を付いた所為で胸の部分が完全崩壊、生乳揉まれる)

ま、まま、またこのパターンとか、ワンパターン過ぎるでしょうがー!
というか、さっさと手ぇ放せー!

もう血が燃えて炎になってスライム壁燃やしかねないぐらいに羞恥で真っ赤になるよ!


ルネ・アッシュフォード
【恋華荘】で参加
先行しているいちごちゃんを追っかけて【迫る】に向かいます
●プレイング
「壁に気を付けないと…ね?」
粘液壁に気を付けつつ、置いていかれない程度に慎重に進むね
結構躱し辛いね…ってあ、服がぁ…ほ、ほかに人いないよね?大丈夫よね?

露出度が高めの服を着ているため下着とか見えちゃいそうだし、もしかしたらいちごちゃんに揉まれたり気づかず身体を押し付けたりしちゃうかも?
でもそんなことそうそうおこらないよね?(フラグ)

もし揉まれたら赤くなって固まっちゃうね

「い、いちごちゃん?」

それでも周囲をしっかり見ながら進んでいくよ!お姉ちゃん頑張っちゃうっ


緋薙・冬香
【恋華荘】
先行するいちごを追いかけて皆と【迫る】へ

粘液壁まで来たら慎重に素早く
「ちっ…どうやっても溶けるわねこれ…」
あれ?でもいちごと恋華荘の皆に見られても私何も困らないというか
むしろ積極的にいちごに密着すべきでは?

「あーん、見えちゃうー♪いちご、隠してー♪」
肌を密着させることにより、大事な部分を隠す作戦と見せかけて押し付けるヤツ

うっかり転ぶかもしれないけど!
その際にいちごに揉まれたりいちごを挟んじゃったりするかもだけど!(判定失敗ハプニング

「あんっ、いちごったら。こんなところで大胆なんだから」
個人的にはかなり嬉しいけども依頼中だし落ち着け私(いちごのしっぽもふもふして気を落ち着ける


久遠・翔
【滑るスライム! 粘液坂】に挑戦するっす

目立たない7、地形の利用2、見切り1、聞き耳1、残像1、逃げ足1、クライミング2、ロープワーク2を使い、ロープ付きフックなんかを壁に突き刺し足場を確保しつつ壁伝いに走り抜けるっす
【シーブズ・ギャンビット】の加速も入れ込んで加速してスライムの脅威を抜き去ります…可能なら途中で苦戦している人をお姫様抱っこして助けます
お姫様抱っこしてない状態ならククリナイフで攻撃、抱っこしている時は味方に攻撃してもらいます(スライムを)

判定に失敗したら…まぁ、誰か女性にぶつかってエロトラブルに巻き込まれる感じでしょうか…
もしくは胸の晒解けて巨乳状態で抜け出してしまうかですね


テフラ・カルデラ
「触れると永遠が手にすることができる宝」ですか…
ボクが予想するにきっと呪われた財宝ですぅね!
しかも!触れれば黄金化…?はたまた宝石化…?
どれにしても物言わぬ彫像にされて財宝の一つにされてしまう!きっと帰ってこないのもそのせいですぅ!
何としてもボクも手に入れ…じゃなくて行方不明になった生徒たちを助けなくては!!

【突然】
で、最初は…廊下?でも何かあるかもしれません…
きっとあの細いスリットからスライムが出てくるんでしょうね…用心して進まなければ…
服ボロボロに…最悪素っ裸で次進まなきゃいけないのはご勘弁です…!

(判定に失敗した際には一時的に石化状態になってしまうというのはいかがでしょうか?)


ルナ・ステラ
行方不明の生徒さんたち心配ですね。助けないと!
ただ、またスライムですか...
しかも、なんか変な香りもします...

力や勘の良さはないから、【滑る】にチャレンジします!

スライムが坂を転がってくるのは、箒に跨って空を飛びながら行くことで対処します。
降ってくるスライムはコメットブースターで加速して避けたり、吹き飛ばしたりして対応します!
なんか、数が多すぎませんか?
この作戦で大丈夫ですよね...?
ネバネバとか酷い目に合うのはいやですよぅ...(フラグ)

【ハプニング】
スライムを処理しきれずに纏わりつかれ坂に落下してしまい、粘液まみれになったり服を溶かされてしまったり...

(アレンジやアドリブ等OKです)



●迫るスライムでのハプニング! ヌルヌルの二人。

「永遠はあるのデス。 きっとあるのデス。」

 迫るスライム! 粘液壁を悠々と歩くのは明るい金髪が眩しい妖狐、ミラ・グリンネル。
 大きな胸が歩くたびに誘うように踊る姿は男性の心を鷲掴みにするだろう。
 そんな彼女は露出度の高いノースリーブシャツにデニムのミニスカート姿である。
 繰り返そう、脱衣スライムが滴り落ちる廊下で露出度が高いのである!

「ひうっ! なんか服が溶けるのデス……凄くえっちいのデス!?」

 勿論こうなるのである、溶け始めたスカートから健康的な美脚が覗き、大きな双子の果実はまろび出そうになっている。
 それでもミラはスライムが蠢く廊下を歩くのだ、目的はお宝! そしてオブリビオンだ!

「ホントにえっちぃデスね……おや?」

 時折迫るスライム壁を殴り付け、委縮させながら歩いた先……そこから先が完全に壁が窄まり切っている。
 しかも、そこからかわいらしくも情熱的な声が漏れ聞こえてくるではないか、どうやら誰か完全に壁に挟まってしまったようだ。
 その窄まった壁に全身挟み込まれている人物こそ、アイル・コーウィンだった。

 思い返す事数分前、ダンジョンに乗り込んだアイルは迫るスライム壁の攻略法を思いついていたのだ。

「つまりこの部屋の真の正攻法は、素早く駆け抜けて切り抜ける事よ!」

 それは、壁が迫り切る前に出口まで走る抜ける事!
 猫の身体の特徴を持つヤドリガミであるアイルにとって簡単なことだった、左右の壁が迫る前に駆け抜け、もはや出口まであと少し! だったのに……。
 スライム壁たちは本気を出したのだ。

「ふにゃ!? ちょっ、これまずっ……きゃああ!?」

 なんと走るアイルの右足が着地する場所だけが凹み、逆に左足が着地する部分だけが膨らんだのだ。
 完全にバランスが崩れるアイルにスライム壁たちは疾風怒濤の勢いで圧迫、全身をスライムで包み込んでしまったのだ。

「くうぅっ……あ、こら!? やめっ!? 溶けて……ふにゃぁ!?」

 白髪を濡れ乱れさせ、健康的な肌を煽情的にヌメらせるアイル。
 スライムはホットパンツを溶かし切り、黒のニーソックスまで溶かそうと両足を舐める様に包み込んだのだ。
 更に上半身にもスライムは迫り……大きな果実を包み込みながら微細に振動を始めるでは無いか。
 まるで『走って脱出? そんな事考えた冒険者にはお仕置きが必要だな!』と言わんばかりにである。
 こうしてアイルの攻略は失敗に終わったのだが、そんなアイルを助ける存在が一人。

「大丈夫デスか?」

 ミラである、快活なアメリカ妖狐はスライムにサンドイッチされたアイルの足を掴むと、力いっぱいに引き抜く。
 ズヌルルルル!! と独特の粘液音をたてながら救われたネコ耳ヤドリガミの衣服はトロトロに溶かされ、ほぼ下着状態といった状態。
 更にスライムの圧迫攻めに脱力状態であった、それでもなんとか感謝の言葉を述べ立ち上がろうとするアイル。
 これからどうするか考えていると……。

「それじゃミラが出口への道をつくりマスネ!」

 ミラがぴったりと閉じたスライム壁を両手でこじ開けたのだ。
 なんとか一人分進める空間が出来た事で、スタイルの良い身体を抱く様に隠していたアイルも決心する。

「ありがとう助かるわ。 私はアイル、短い付き合いかもしえないけどよろしくね。」

 若干頬に赤みが残るアイルはミラが作り出した空間を器用に通り、出口に向かって進みだした。
 出口は目前、粘液の微妙な温かさが気持ち悪いがこれでこのスライム壁を突破できる……そう思った瞬間。

「あ!」

 スカートが溶け、下着が丸見えの状態で壁を支えていたミラが声を上げる。
 その原因はミラの足元……スライム床であった。
 突如スライム床は蠕動し、ミラの足を掬ったのだ。
 そうなるとどうなるか……賢明な読者なら分かるだろう。
 支えを失ったスライム壁は再び勢いよく締まりだしたのだ!

「ひゃん!?」
「ま、またですか!?」

 今度はミラとアイルの二人を纏めてぱっくんと包み込んだスライム壁。
 二人に溶解粘液をまぶしながら絶妙な蠕動運動でマッサージするのだ、そのマッサージによって衣服はドロドロと溶けてしまい、二人ともあられもない姿となってしまう。

「ちょ、ちょっとえっちぃスギデス!?」
「そ、そこはダメっ!? ふにゃ!? にゃぁぁぁぁっ!?」

 二人の服を奪っても壁の動きは止まらない……どころか逆に強くなり始めるではないか。
 柔肌を押し合わせるように揉み、揺すりながら蠕動によって出口へと推し進めるスライム壁。
 そのたびに身体の芯から熱くなる二人であったが、必死に耐える、耐えるのだ。
 時間にして数十分もの間存分に揉みくちゃにされ、危なく甘い声を出してしまっても。
 衣服も身体もスライムでヌルヌルのドロドロにされても……出口についたら勝利は勝利なのである!

「わわ!? お、終わった……デス?」
「は、ひ……み、みたい…ですね……。」

 ミラとアイルの二人は見事にスライムの罠に耐えきり、勝利をモノにした。
 髪も身体も尻尾も下着も、全てをヌルヌルにされたむなしい勝利であったが到着は到着なのである。
 そんな二人が出口に到着して3分も立たない後に、新たな犠牲者たちが出口へと吐き出されるように現れたのであった。

 ●迫るスライムと恋華荘とハプニング。

「追いつけるでしょうか。」

 依頼に向かった旅団仲間を追って彩波・いちごは迫るスライム! 粘液壁が迫る道へと突入。
 そんな仲間想いの妖狐のいちご、その背後にはいちごが運営する女子寮「恋華荘」の面々も同行している。

「前回は触手で、今回はスライムかぁ……。」

 何処か遠い目でスライムで出来た道を見やるのが黒髪ポニーテールの妖狐、高原・美弥子である。
 足元からグニャグニャヌルヌルとスライム壁特有の気持ちの悪さを感じながら以前の依頼で起きた事を思い出し、何度目かわからないため息を吐くのだった。

「壁に気を付けないと……ね?」

 ルネ・アッシュフォードはアメジストのような美しい瞳でどこかエッチなスライムの壁を観察しながら、桃色の髪をかき上げる。
 観察すれば時折粘液が滲み出て、衣服にかかればジワジワと溶かしてくるのが分かってしまう。

「ちっ……どうやっても溶けるわねこれ……。」

 そんな粘液がポタリと衣服に落ち、柔肌が晒されてしまった美しいダンピールが緋薙・冬香。
 モデルをこなすセクシーなお姉さんが露出により更にセクシーに、自慢の身体がむやみに露出させられる事に心がかき乱される――瞬間、冬香に電撃が走った。

(あれ? でもいちごと恋華荘の皆に見られても私何も困らない……というかむしろ積極的にいちごに密着すべきでは?)

 垂れる脱衣スライムの雫が肌を伝い、新たに衣服を溶かす中で冬香は自身の思考に戦慄していると先頭を行くいちごが声を上げた。

「周りの壁が…皆さん気を付けて!」

 両手で壁を支えていた結果、スライム壁が蠕動を始めた事を察したいちごは青い髪を振り乱し、後方に控える三人に注意を呼び掛ける……が、その瞬間にかわいらしい顔をボッと真っ赤にしてしまったのだ。
 それも当然の事、脱衣スライムが雫となって三人――美弥子、ルネ、冬香の衣服にかかった結果、服はボロボロになり、それぞれ艶のある肌を晒していたのだから。

「鉄塊剣をつっかえ棒に……スライムだから意味がない!?」

 美弥子は衣服、特に胸元が大きく露出しており、更にブラ紐がちぎれかかって歩くたびに美しい果実が揺れているではないか。
 幸か不幸かその事に美弥子は気づいておらず……無防備に武器である鉄塊剣を蠢き始めた壁に向けて構えていた。

「床も動いて……跳ねて、なんだか危ないね。」

 ルネはおっとりとした雰囲気の中に漂う幼さ、その幼さと反比例する大人のボディを持っていたため、溶解スライムの雫によってセクシーな衣服がまるで水玉コラされたかのような露出度になっていたのだ。
 そうなれば、もちろん下着も見えてしまうわけで……男性が居れば10人が10人注視してしまう程の姿になっていた。

「やん!? いちごったら♪」

 冬香はスタイルの良さが際立つ格好だったのが災いし、粘液のヌメリとスライムの効果で乱れに乱れた姿となっていた。
 特に腰からヒップへと流れるラインが身体をつたう粘液の流動によって際立ち、淫靡な雰囲気を生み出しているでは無いか。

 三者三様、それぞれがそれぞれに素晴らしい色気を見せる姿にいちごは慌てて目をつむろうとする。
 そんないちごの姿もスライムによって溶かされ、色白の肌……特に鎖骨とお腹が露出していたのだ。
 いちごの艶姿に真っ先に反応したのは冬香であったのは、思考の違いからであったと言わざるを得ない。
 慌てる四人の事など関係ないと言わんばかりに粘液の壁は上下左右に蠢き、包み込もうとする。
 勿論足場も不安定になるわけで……。

「わわわっ!?」

 三人の姿を見ないように、目をつむっていた事と足場の不安定さが合わさり、いちごはツルリと足を滑らせてしまった。
 なんとか、こけないようにと手を伸ばし、壁をつかもうとするのだが……返ってきた感触は暖かくやわらかなモノ。
 まるでお餅のようで、プリンのようで、マシュマロのようで……と一瞬の間にいちごの脳内に様々な感想が廻ったソレは――。

「い、いいいいいちごぉぉーーー!!!」
「ごめんなさーい!?」

 いちごが手を伸ばし、しっかりと鷲掴みにしていたのは美弥子の胸だったのだ。
 掌から粘液の感触と皺一つ無い滑らかな肌の感触、更に美弥子の体温をしっかりと感じる程の鷲掴みだ。

「い、いちごちゃん? もう、支えてあげ――っ!?」
「ルネさんありが――っ!?」

 いちごは慌てて手を放そうと力を籠める、しかしそれは柔らかな美弥子の果実へと刺激を与えるばかりか、指が埋まってしまう程に揉みしだく行為そのものだったのだ。
 その刺激はビリビリと美弥子の細胞へ柔らかな電流を与え、小さく甘い声を漏らさせてしまうだろう、その声に気づいた美弥子といちごは二人して顔を更に赤くしてしまう。
 そんな二人に対し、助け船をだしたのが頼れるお姉ちゃんルネである、いちごを支える事で二人を離そうとしたのだが、スライム床がそれを許さない。
 丁度ルネが踏み出した床が凹み、直後に膨れ上がったのだ……それはまるでジャンプ台の如くルネを跳ねさせる――いちごの上に向かって。

「ひゃん!?」
「わわわ!? んぶっ!?」

 ルネの可愛らしい声と共に、三人は肌を重ねる形で絡み合ってしまう。
 もはや衣服はスライムの溶解ねん液によって体をなしておらず、素肌と素肌のふれあいと変わらない状態になっていた。
 そんな状態で絡み合ってしまうという事はつまり……いちごの眼前、顔の上に存在する柔らかな肉の感触、そして繊細なレースが濡れそぼった感触は……。

「こ、これって……っ!?」
「い、いちごちゃん……くすぐった、やん♪」
「ちょっと! いちご、何して――ひゃっ♪」

 いちごの鼻腔をくすぐる甘い香りの元、それはルネの身体と下着であった……それはわずかに身動ぎするだけで敏感な場所に刺激を送ってしまう程の接近。
 呼吸をするだけでルネの身体にビリビリと甘い痺れを走らせ、もじもじと身を悶えさせてしまう距離。
 当人のルネは緊張と羞恥で固まっていまい動けなくなり、さすがにまずいといちごは両手を使い脱出を試みる……が、ダメ! その行為によって生まれるのは美弥子の胸を強く揉んでしまうという結果である。
 羞恥と怒りによって美弥子がいちごを引き離そうにもスライム壁によって身動ぎできず、逆に胸を押し付けてしまう始末である。
 三人がヌルヌルのネトネトになりながら、様々な意味で危うくなっていたのを見た冬香は流石に助けようと動き出す。
 しかしそれは自らのアピールにも使えると考えていたわけで……。

「あーん、見えちゃうー♪ いちご、隠してー♪」
「わぁー!?」
「だ、だめいちごちゃん……しゃべら、な――っ!?」
「こらぁ!? なにして、っ♪」

 照れ隠しもかねていちごに抱き着き、三人を助けようとする冬香、だが三人に近づいた瞬間、スライム達がうねるように脈動したのだ。
 それは絶妙のタイミング、最高のタイミングでの出来事、足を取られた冬香は滑り込むように跳ね飛ばされたいちごを抱きしめていたのだ。
 自らの胸にすっぽりといちごの頭を抱える形で抱き着いた冬香、そして冬香とルネに挟まれ困惑するいちご、そんないちごの手に胸を収められた美弥子。
 丁度三人に守られる形だった故にいちごだけが衣服をやや残した状態、他の三人は下着同然という危なすぎる絡み方をした恋華荘の面々は脈動蠕動する床と天井に翻弄されるのだ。
 もはやスライム壁は意思を持っているのではないかと思う強さで四方八方から押し付け合い、中央にいるいちごに三人の身体の柔らかさと女体の甘美を味合わせる。
 しかし、その壁の動きによって徐々にではあるが四人は出口へと運ばれるのであった。
 もっとも……出口に到着する間四人は密着し続けるのだが。

「誰か尻尾をつよっ!? ふやぁぁ♪」
「い、いちご!? そ、そこはダメ、ひゃんっ♪」
「いちごちゃん、そこは、ダメ……んんっ♪」
「あんっ、いちごったら。 こんなところで大胆なんだから♪」

 三人の妖狐と一人のダンピールはスライムでヌルヌルになりながら、まさに一丸となって廊下を進む。
 押し付け合い、揉んだり挟んだり、モフったりと廊下を進むそのたびに、甘くて色々と危ない声が響く。
 そんな時間がどれほどたったか……四人の肌に玉の汗が浮かび、ほんのりと上気するほどには激しい運動を強いられた末、ついにスライム廊下の蠕動の動きだけで出口にまでたどり着く四人はペッと廊下に吐き出される形でゴールする。

「あいたた……皆さんごめん……って、あ……追いついた、のかな……?」

 三人に慌てて謝罪しようと這い出たいちごは、その視線の先に探していたもう一人の恋華荘のメンバーを見つけたのであった。

 ●滑るスライム坂! 三人よればヌルヌルに?

「ふっふっふ、騎士として鍛えたこの脚力を甘く見ないでくださいね!」

 急角度の粘液坂を前に自信満々な少女の名はアルテミス・カリスト。
 軽く足を延ばし、準備体操をする姿は健康美、そして騎士としての風格と姫としての可憐さを纏っていた。
 皮のブーツのつま先をトントンと床にたたきつけ、やる気満々の低姿勢で坂に向かって足を踏み出す。
 短いスカートが翻り、風のように坂を上るアルテミス……で、あったが。

「あ、あれ……予想以上に、ぬるぬるしてますよ!?」

 序盤はうまく走り抜けていたが次第に坂の角度と粘液のヌメり足が前に進まなくなってくる、それでも両足を交互に動かし坂の中腹まで登ったのだが……。
 ヌルリ――突如足元に落下したスライムを踏まされてしまうのだ。
 そのスライムの粘りと滑りはすさまじく、力の行き先を反らされたアルテミスは前傾姿勢で坂に倒れ込んでしまった。

「なんですか、このぬるぬると滑る坂はーっ?!」

 両足が坂から離れた事で当然重力に負けるアルテミス、スライムの粘液で鎧を溶かされながら坂を滑り落ちてしまう。
 このまま最初まで滑り落ちてしまうのか……そう思ったアルテミスであったが、救いの手を受けることになる。

「大丈夫っすか?」

 救いの手を刺し伸ばしたのは久遠・翔、長く美しい灰色の髪を持つ王子様のような存在であった。
 翔はフック付きロープを坂の中腹に撃ち込み、滑り落ちないよう対策していたのだ。
 アルテミスは両手で翔の手を掴み、落下を免れた事に感謝する。

「ありがとうございます、あなたのおかげで助かりました。」

 坂を全力で走った事でほんのりと上気した肌、そして潤んだ青い瞳、スライムによって濡れそぼった金色の髪。
 どこか艶気をかもしだすアルテミスの上目遣いの感謝は強力であった……それでも普段の翔であれば耐えれたであろう。
 相手も普段通りであれば……そう、アルテミスの鎧や衣服がスライムにより溶かされ、肌と下着を晒していたのだ。
 その清純な白の下着、そしてほどよく鍛えられた筋肉に柔らかな肉の乗った女性らしい身体……女性が苦手な翔にとっては強烈過ぎたのである。

「うあ!?」

 アルテミスの謝罪を見た瞬間、血が頭に上った翔はうかつにもロープを放してしまう。
 しかも二人の上に巨大なスライムが降って来たでは無いか。
 スライムまみれの二人は成す術もなく坂から転がり落ちてしまうのであった。

 一方時間を少し巻き戻す……。
 アルテミスが坂から落下を始めたころ、一人の少女がこの坂にチャレンジしていたのだ。
 その可愛らしい少女こそルナ・ステラ、ウィザードにしてビーストマスターの冒険者である。
 セミロングの白髪は美しく光を返し、大きな青い瞳は少女らしさを更に美しく昇華している。
 そんな彼女は優しい光を纏う魔女衣装を翻し、箒にまたがる事で坂の攻略を目指す。

「そ、空を飛べば大丈夫! ……な、はずです。」

 コメットブースターを起動、流星の如く空を翔けるルナ。
 序盤の坂なんてなんのその! もうすぐ中腹に到着! と喜ぶルナであったが何処か違和感を感じていた。
 ルナは動物たちに好かれやすい体質である、稀に災魔にも好かれるのだが……スライムにも効果があったようなのだ。

「な、なんだかわたしの所にスライムさん来てませんか?」

 前から転がるスライムが何故かルナ目掛けて急に方向転換する様を見て、さすがに気が付いたのだ。
 箒で空を飛んでいてよかった……ほっ、と一安心した瞬間、天井から巨大なスライムがルナ目掛けて落ちてくる!

「あ、あぶなかったです――ふぇ?」

 箒を急加速、スライムの下を上手く潜り抜けたルナ……であったのだが……。

「あ、あぶなっ!?」
「きゃあー!?」

 回避したルナの眼前にはスライムに包まれたアルテミスと翔が居たのだ。
 幸いスライムのおかげで衝突の衝撃は分散、怪我の無かった三人であったが。
 ごろごろとスライムに包まれたまま坂を滑り落ちてしまうのであった。

「あいたた……だ、大丈夫ですか!?」

 スタートまで戻された三人の中で最初に動いたのはアルテミス。
 金属製の軽鎧は見るも無残に溶かされ、騎士の服もほぼ残っていない状態であった。
 特にスカートなど水玉模様に穴が開き、清楚な白の下着がチラリチラリと晒され健康的な身体が露出しているではないか。

「だ、大丈夫です……ぶつかっちゃいましたね……。」

 アルテミスの言葉に反応したのはルナ、濡れ乱れた白髪を手櫛で直す姿は幼いながらも背徳的な艶気を纏っている。
 更に光を纏っていた魔女服は所々スライムによって穴を開けられ、幼い肌……とくに可愛らしいお臍を晒す事になっていた。
 ギリギリ下着まで露出していないものの、見る者が見れば犯罪者になってしまいそうな程のかわいらしさと色気である。

「……だ、だいじょうぶ……っす……。」

 そんな二人を必死に見ないようにしているのが翔だ。
 顔を赤くし、目を反らし、なんでもないように振舞っている。
 女性に免疫が無い翔であったが故に自分もスライムまみれになっていることに意識が往かなかったようだ。
 そのスレンダーな身体が粘液にまみれ、無自覚な艶気を纏う。
 特に美しい両足は完全に露出しており男が見ればたまらん! と言い出しそうな状態であった。

「と、とりあえず三人で坂に挑みましょう!」

 騎士としての矜持を護るため、アルテミスが坂に三人で再挑戦しないかと勧誘。
 二人もそれに乗り三人でスライム坂に挑むのだが……。

「くっ、この程度で正義の騎士を止められると思わないでくださ……きゃあーっ!?」

 ある時はアルテミスが両足をスライムに掴まれる形で坂を転がり落ち、二人にぶつかり更にスライムまみれになり露出度を上げ。

「よし、この調子っす! これ、でっ!?」

 ある時は翔がスライムまみれで露出度の高い恰好であった二人のセクシーなポーズを目撃してしまい落下。
 スライムを下敷きにウォータースライダーの如く落下しあられもない姿を三人とも見せてしまったり。

「な、なんで私の所にあつま、あつまって……お、おっきくなってます!?」

 ある時は小さなスライム達がルナの元に集まり、2M近い巨大なスライムに合体……そのまま坂を転がりながら三人を飲み込み。
 全身をネバネバでヌルヌルにされ再びスタートへと戻される。
 そんな挑戦の末に……。

「か、勝ちました!! 正義は勝つのです!」
「や、やりましたね……。」

 三人は無事に坂の上に存在する平な場所へと到達したのだ、その姿は露出度過多でヌルヌルヌメヌメであった。
 目の前には出口があり次のフロアに問題なく進めるようになっていた、坂を上り切った三人にはようやく一休み出来る場所であった。

「終わったっすね、ん~……! これで坂とお別れっす!」

 女性が苦手な翔はなるべく二人の恰好を見ないまま、身体に襲い掛かる疲労感を取ろうと背を伸ばす。
 その瞬間……プツン、と何かが切れる音がしたのだ。
 それは翔が大事に隠していた部分を護っていた物……最後の最後までスライムにあらがっていた物……サラシであった。
 瞬間、たゆんと締め付けられていた二つの大きな果実が現れ、翔の声にならない悲鳴が坂に響いたのでした。
 こうして三人は無事迷宮の第一フロアを突破、第二フロアに……進んだのでしょうか?

 ●突然飛び出るスライムと人形少女とスライムまみれの男の娘。

「ここですね。」

 突然スライム! 粘液鉄砲廊下を的確に罠を回避しながら進むミレナリィドールの少女、ソナタ・アーティライエ。
 ソナタは耳に聞こえる風の流れる音、そして自らの歌声から生まれるほんのわずかな反響の歪みを察知しているのだ。
 まるで水鉄砲のように勢いよく飛び出るスライム達を余裕をもって躱し、再び歩を進めるソナタ。
 これには飛び出たスライムさんも不満顔(?)なのだが、躱されてしまったものはどうしようもない。
 次に来るであろう冒険者の為に発射口に戻っていくのだ。

(ふぅ……一見ふざけていますが嫌なダンジョンですね。)

 ソナタの胸中では複雑な思いで満たされていた、自分の能力があるから完璧に回避しているが、これら全てを回避するなど不可能では無いか。
 そう思わせる構成の罠であったのだ。

(好きな人とずっと一緒に居たい……そういった気持ちはわたしにも分かります。)

 なおの事、そのような甘言で人を惑わす存在を放ってはおけない。
 行方不明な皆様が無事だと良いのですけれど……。 と失踪した生徒を案じながら美しい歌を廊下に反響させるソナタ。

「今度は両脇から。」

 ハーモニー・ローズと呼ばれる美しい首飾りが歌声に共鳴、スライムが発射される箇所を的確に割り出す。
 分かってしまえば寸前で立ち止まり回避、ソナタの身体どころか衣服に触れる事も無い。
 勿論ソナタと共に迷宮にやってきた銀竜、アマデウスもソナタの意を斟酌しスライムに被弾する事無いのである。

「ええ、大丈夫、アマデウスも平気かしら?」

 アマデウスに頬擦りされたソナタは儚くも美しい微笑みを見せ安心させる、そう、ソナタとアマデウスの二人ならこの迷宮は簡単に突破できる。
 失踪した生徒達を急いで助ける為に二人は急ぎつつも、完璧にスライムを回避し廊下を渡っていくのだ。
 そんな二人は目の前にうさ耳を生やした人型のスライムを発見する。
 すぐさま戦闘を覚悟し構えるのだが……。

「ま、まってくださ~いぃ……猟兵ですぅ!」

 人型のスライムだと思った存在はキマイラのテフラ・カルデラだったのだ。
 テフラは永遠の宝を求めて冒険にやってきた猟兵である。
 キマイラの勘によりギリギリで回避、もしくは衣服を少し濡らす程度だったのだが……。
 全方向からの一斉スライム発射により全身をスライムに包まれてしまったのだ。
 もはや飴細工の中にいれられたようにもみえる状態でなんとか服を護ろうとしていたテフラであったが、偶然そこにソナタが通りかかったというわけだ。

「あの、大丈夫ですか? 少し、待っててください。」

 ソナタは自身の服がスライムに濡れるのを厭わずにテフラを飴細工状態から救い出す。
 替えの衣服を用意していることもあるが、ソナタは自身の生い立ちから羞恥心を『感じない』少女なのだ。
 ソナタの手によってスライム漬けから抜け出したテフラ、きゃしゃな体を晒すがなんとかギリギリの所で救い出されたのである。

「ありがとうございます、助かりました。」

 ぺこりと頭を下げるテフラ、スライムによって濡れた乳白色の髪が光を美しく反射した。
 出口が目前で急いでいた所に全方位スライム固めであっただけに、スライムに包まれ飴細工のようになってしまい困っていたのだ。
 目標は永遠が手に入ると言われる宝、テフラの勘が正しければそれは厄介極まる素敵なモノなのだから。
 そんなお宝を誰よりも先に手に入れ自分のものに……もとい! 行方不明の生徒を助けるために急いでいたのである!
 決してお宝に触れてみたい訳では無いのだ!
 ソナタは露出度の高くなってしまったテフラに替えの衣服を渡そうかと告げようとした瞬間、出口がゴゴゴと大きな音を立て開くのを見てしまう。
 大きく開いた出口、その先で二人が見たモノはとは……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『古代遺跡への挑戦』

POW   :    息を止め、最短距離を一気に突っ切る

SPD   :    毒素の薄そうな所を探し、回避する

WIZ   :    毒素を中和しながら、用心深く移動する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


スライムにまみれたり、無事だったりとそれぞれ迷宮を踏破した猟兵達の前に次のフロアへの入り口が開く。
 そのフロアからは甘ったるい匂いのガスが漂ってくるでは無いか。
 ガスの効果は言われていた通り【アルコールや興奮剤】に近い効果を持つ。
 いくら猟兵であろうとも長く摂取すれば酔っぱらったように思考力を低下させてしまうだろう。
 これがオブリビオンの狙いであると思われる、
 スライムとガスで思考力を奪い、永遠の宝へと誘い込むようにしているのだ。

 猟兵たちよ、ガスに注意しながら迷路となったフロアを踏破するのだ!
 と、言いたいところだが、迷路入り口が【妙な事】になっていたのだ。
 そこには【裸で恥かしい冒険者へ】と書かれた看板と、衣服が並んだクローゼットがあったのだ。
 しかも丁寧に仕切り付きの試着室めいた場所まで併設されているではないか。

 【迷宮が用意した衣服は種類が偏り、数が少ない】、【自分に合った物が少しコスプレちっく(版権系は除)な衣服だとしてもしょうがない】。
 迷宮の用意した替えの衣服である、【着ないのも当然】と言えるだろう、自己判断で迷宮に用意された衣服を活用してくれると嬉しい。
 勿論スライムまみれのままでも大丈夫なのだ。

 それでは猟兵たちよ! 怪しいガスが充満する迷宮を突破し、オブリビオンを撃破するのだ!
ミラ・グリンネル
【恋華荘】で参加
ミラのことを追いかけてきてくれた皆と合流デス
服がボロボロでヌルヌルでえっちいデス?そんな事言う人嫌いデス

そんなミラに救世主が!着替えを用意してくれているなんて素敵デス!
早速着替えまショウ。ピンクのナース服はミラにぴったりデス。
……んっ?胸が苦しいデスネ。胸元は開けて注射器持てばミラも白衣の天使デス
(白衣ではありません)
イチゴどうしたデス?前屈みになって具合悪いデス?

甘い空気の中、迷宮を進みマス。でもなんかこの甘い匂いは身体がムズムズしマス(興奮して狐耳がピョコン)

ふわっ!イチゴとミヤコがキスしているデス。なんてステキなのでショウ
ミラもなんだか凄く欲しくなってきマシタ……(じーっ


高原・美弥子
【恋華荘】で引き続き。

ハァ、ハァ、酷い目にあった……うぅ、もう服が駄目だし罠でも着るしかないか。
どれでもいいから適当に取って、取ったらウェディングドレスだった!?まぁいいか、もうこれ着るよ。

ぶはぁ!無理!息そんなに止めてられない!
あっ、なんかふわふわしていい気分になってきた、んふふ~♪
ねぇねぇ、いちご、あたしのこの格好どう?狐の嫁入り~なんちゃって~♪(上機嫌に狐耳ぴこぴこ、ドレス捲れる勢いで尻尾ぶんぶん)
むぅ~、ちょっと~、他の人ばっか見てないでちゃんと花嫁さん見て相手しないよぉ~!ほら、病める時も~ってやつ!(いちごの顔に手を添えて、こっちを向かせてキスをする。尚、美弥子のファーストキス)


ルネ・アッシュフォード
【恋華荘】で参加
●プレイング
うう…ひどい目にあった…ミラちゃんとは合流できたけどこの格好は
着替え、凄く怪しいけどこの際仕方ないよ…ね?
と言うことでエプロンドレス(なぜか胸元が大きく開いた)を着用

「この空気なんか、変な感じがするね?」
甘いけど何か不思議な気持ちになっちゃう
アレ、前かがみになっていちごちゃんどうかしたの?具合悪い?
慎重に周りを見渡しながら、みんなと迷宮を進むよ

それにしてもなんか熱いような、ぼーっとするような変な気分
熱でもあるのか…な?いちごちゃんばっかり見ちゃってるし、ほんと…

「いちごちゃーん、えへへー」
と唐突に後ろから押し付けつつぎゅーっと抱きしめて、頬すり
後はよく覚えてない…


彩波・いちご
【恋華荘】
ミラさんと合流して…着替えですね
裸同然の皆さん程ではないですが私も服ボロボロですし…適当にとってきたら白無垢?
結婚前に着ると婚期遅れるといいますけど大丈夫でしょうか…

着替えたら進みます
ガス吸わないように息を止め
ミラさんルネさん冬香さんの無防備すぎる艶姿から目を逸らし
みんなもしかしてガス酔い?
美弥子さんも酔ってます?!
可愛らしいですけどそうじゃなくて…んむっ
美弥子さんに捕まりキスされ…
正気に戻さなきゃともがいてたら、ルネさんや冬香さんに抱き着かれ
尻尾もふっちゃダメですー弱いのでっ
ミラさんまで羨ましそうな眼で…こっち来るんですかっ?!
みんな正気に戻って…(もみっ
あ、また美弥子さんの胸を


緋薙・冬香
【恋華荘】
「あー、ひどい目にあったわ…」
さて、服をどうにかしないと
…ってこれは…
裸エプロンねーでも着こなして見せるわモデルとして!

というわけで、いちごどうかしら?感想求む!
(ホットパンツデニムに白いエプロン、ノー下着)

…なんか妙に恥ずかしいわね?!
やだ、ちょっと、いちごに見られると半端なくゾクゾクするし、動悸が異常すぎる…?
まさかこのガス、私に羞恥に染まれと言っているの?

いえ、落ち着いて私
いちご以外に意識を持っていくのよ
いちご以外、いちご以外…
あれ?同行者、私以外妖狐では?
つまり、今、私パラダイスなのでは?(妖狐のしっぽをもふる趣味有り
(タガが外れた音)
よし、もふる!
主にいちごとルネさんを!



●ガスとコスプレと恋華荘と滑り台?

「合流できて良かったです」

 衣服がスライムによって溶かされ、裸同然であった彩波・いちごは怪しいが迷宮が用意した衣装を着用する事にした。
 これは例え罠であろうとも全裸同然の恰好よりはマシだと恋華荘のメンバー全員一致の意見であった。
 今はそれぞれが幸い(?)にも自分の体形に合った衣装を発見、それを持って試着室に入っているのである。
 そんな恋華荘の管理人であるいちごに合った衣装とは……。

(白無垢? 結婚前に着ると婚期遅れるといいますけど大丈夫でしょうか……。)

 妖狐用の白無垢である、その仕立ての良さと絹の肌触りから高級品であることがう伺えるソレをいちごは違う意味で心配しながら着込んでいく。
 シュル、シュル……と着る度に迷宮に小さく響く衣擦れの音、それが妙に艶めかしい気分にさせるだろう。
 それは甘い香りを漂わせるガスのせいかもしれない。

「よし、出来ましたね」

 なんとも手際よく白無垢に着替えたいちごは試着室に用意されていた全身鏡で着こなしを確認。
 髪等の身だしなみを整えてからカーテンを開き、すでに着替え終わっているだろう恋華荘の皆の元に静々と進む。
 狐の嫁入りを想起させるいちごはガスを吸い過ぎないように注意して進み……合流予定地点で全員の姿を確認したのだ。

「わ、わわ……!?」

 小さく驚きの声をあげるいちご、その眼前に広がる桃源郷のような光景に、呆然となりそうになる意識に活を入れ自然体を装う。
 が、ガスの効果とメンバーの艶姿に自然と心拍数は増加するのであった。

「んっ? イチゴどうしたデス? 前屈みになって……具合悪いデス?」

 いちごを心配し声をかけるミラ・グリンネル、彼女は妙にエッチな雰囲気を纏う明るめなピンク色のナース服で前かがみ気味のいちごの顔を覗き込む。
 ピチピチとボディラインをはっきりと際立たせるピンクナース服は男の願望そのもの、タイトなミニスカートも相まって存在するだけでいちごを刺激してしまうのだ。
 更にミラのアメリカンなボディラインがナース服によって凶悪な程に強調されている。
 特に苦しいからと開かれた胸元からは艶気が溢れる肌が垣間見えているでは無いか。
 その谷間はミラが心配そうに伺うたびに自己主張を繰り返す。

「だ、大丈夫ですよミラさん」

 なんとか視線を外し、暴走しないように耐えるいちご。
 その返答にミラは心配を残しながらも後ろへ振り返るのだった。
 だが、それはいちごに不意打ちを与える……なんとガスの効果かミラの狐尻尾が出現、タイトスカートをまくり上げていたのだ。
 大きな声をだしかけるいちごであったが、なんとか耐えると精神統一。
 ミラのお尻を見ないように合流するのであった。

「あー、お互いひどい目にあったわね……」

 合流した白無垢のいちごに次に声をかけたのは緋薙・冬香だ。
 彼女も先ほどのスライムによって全裸同然の恰好になっていた、そんなモデルでもある冬香が手に取った衣装とは……。
 《裸エプロン》であった。

「というわけで、いちごどうかしら? 感想求む!」

 いちごをからかう様にポーズをとる冬香、華麗なウインクからモデルの撮影の際に使われる両手を頭の後ろで組むポーズで誘惑する。
 綺麗な肌、もはや性的と言ってよい腋を見せ、エプロン故に見える二つの果実によって生まれる谷間。
 そしてなによりも腰の括れからヒップへの流線美ときたらカメラマンが居ればすぐさまフラッシュがたかれている状況である。

「……は、ひ」

 あまりに可愛らしくもセクシーな出で立ちにいちごはまともな返答が出来なかった。
 それも当然と言えるだろう、正面から冬香をみたいちごは、本当の裸の上にエプロンだけという新妻スタイルに見えたのだから。

「な、何か言ってよ! 妙に恥ずかしいわね……」

 その微妙な空気は冬香にも羞恥を与える、考えていた反応よりも生々しいいちごの態度に、冬香の胸もトクンと早鐘を打つ。
 潤んだいちごの視線……それが自分の身体を遠慮しながらも刺すように見ている……その事実が母性本能と同時にキュンと冬香の女の部分を刺激するのだから。

(やだ、ちょっと、いちごに見られると半端なくゾクゾクするし、動悸が異常すぎる……?)

 じんわりと肌に汗をかいてしまう程に火照り始めた身体、ガスの効果で異常なほど刺激される羞恥心に冬香も困惑してしまい……。
 ちょっとした勘違いをしてしまうのだ、《いちごは本当に裸の上にエプロンだけだと思っているのではないか?》と。
 普段であればそんな事にならなかった、だがガスの効果で思考力が落ちていたことが災いして。

「あ、大丈夫よ下は履いてるからね!」

 エプロンを自ら大きくまくり上げ、デニムのホットパンツをいちごに向かって晒してしまったのだ。
 健康的で大人の魅力あふれる腰からヒップへの流線形は先ほど述べたであろう。
 そんなセクシーな冬香がピッチリのデニムホットパンツを着用している所は……無論、恐ろしい程にセクシーなのだ。
 しかもエプロンが捲られた事でお臍を含むお腹までいちごの眼前に晒されたのだ、くびれとホットパンツの密着、からのギリギリ隠れる鼠径部。
 フェチシズム溢れる光景に、ついにいちごは言葉を失い、蹲ってしまうのであった。

「いちご……あっ!? だ、大丈夫! だからね!」

 何が大丈夫なのだろうか……現在の状況に気づいた冬香にも一歩遅れて何とも言えない羞恥が襲ってくる。
 珍しく顔を赤くしパタパタとエプロンを靡かせながらいちごの前から去っていくのであった。

(この迷宮……と、皆さんが色んな意味で危ないかもしれません)

 呼吸を整え思考を整え、いちごは自分を取り戻すとようやく全員と合流、迷宮から脱出するべく行動を開始するのであった。

「この空気なんか、変な感じがするね?」

 行動を開始し、狭い迷路を進む恋華荘メンバー。
 先導するいちごに声をかけたのは、いちごと同じ妖狐のルネ・アッシュフォード。
 ほんわかおっとりお姉さん的なルネもスライムによって全身をヌルヌルのトロトロの下着同然の姿にされたのである、そんな彼女が罠と怪しみつつ手にした衣装は……。
 清楚さと妖艶さが同居した奇跡の産物、エプロンドレスであった。
 まだあどけなさが残る表情からは想像も出来ないスタイルの良さを見せつけるボディ。
 その身体を包み込んでいるのが上記のエプロンドレスであった。
 周囲を警戒し見回す仕草によってエプロンドレスの裾が翻り、チラリチラリと生足を見せつける。
 更にこのエプロンドレス……胸元が大胆に開いているのだ、ルネの幼めな顔に似合わないダイナマイトなメロンが艶かしく覗く。
 その二つの果実は歩くたびに誘惑のダンスを踊るのだ、たぷん、ぷるん……と。
 まさしく悩殺ものの可愛らしさ漂う、まさしく生きた凶器である。

「そ、そうですね……毒性は無いみたいです」

 しどろもどろにならないように平静を装い答えるいちご、しかしルネが隣に存在するだけで胸の鼓動はどんどん早くなる。
 ルネが魅力的な事が主要因であるが、ガスの存在も大きいだろう。
 このガス、命に関わるような攻撃性能を全く持っていないのだ。
 アルコールであれば肝臓を初め臓器に影響を与える、カフェインに代表される興奮作用がある物質も同じだ。
 何事も獲りすぎは体に毒、少なからずダメージが生まれるものである……が、このガス、身体に一切障害を与えずに、興奮や酩酊等の効果があるのである。

(ふらつきは少し、まだ大丈夫ですけど……皆さん大丈夫でしょうか)

 呼吸に気を付け、ガスを極力吸い込まないようにしているいちごは恋華荘のメンバーの様子を伺う……その瞬間。
 いちごの腕に極上マシュマロを押し付けられたような柔らかくももちもちした感触が襲ったのだ。
 その柔らかさの正体はルネの胸で自己主張する大きな双子の果実であった。

「いちごちゃん大丈夫? ぼーっとしてない……? なんだか皆熱っぽいみたいだし……」

 耳元で囁かれる甘い言葉、熱い吐息、火照った女の身体……。
 顔を赤くしていたいちごを心配したルネがまさしく腕に抱き着いていたのだ。
 エプロンドレスという薄い生地越しに感じるルネの熱、柔らかさがいちごの精神を掻き立てる。
 視覚を通せばエプロンドレスの胸元が開いている故に見えてしまう天使の谷間に鼓動が早まってしまうのだ。
 普通の男性であれば、そのまま襲い掛かりそうな状況のなか、いちごは自らの思考のブレーカーを一度落としすぐさま再起動。
 ガスを吸い込む形になるが深呼吸を一度し、精神・肉体共に騒ぎ立てそうになる様々な要因にリセットをかけた。

「だ、大丈夫です!」

 力強く返す言葉にいちごの尻尾と狐耳もピクピク動く、そんな可愛らしい意地を張ったいちごは煩悩退散と一歩ルネの先を行くのであった。
 そうして迷宮をある程度歩いた結果……行き止まりの小部屋に到達してしまう恋華荘の面々。
 引き返すしかない状況になってしまったのだ。

「こ、ここまで来て行き止まりなんて!?」

 メンバー全員焦燥する中、一際声を荒げたのは高原・美弥子である。
 溜息と共に美しい黒髪が靡く美弥子はなんと花嫁衣裳……ウェディングドレスを身に纏っていたのだ。
 美しい曲線美を描きつつ可愛らしいデザインであるソフトマーメイドラインが美しい純白のドレスは、妖狐専用のデザインらしく尻尾を丁度格納できるスカートになっていた。
 妖狐特有のもふもふ尻尾混みで美しいスカートラインを演出し、うっすらと光を通すシースルーのベールを被った姿はまさに花嫁といった出で立ちである。
 また、ドレスは肩をだすデザインであり、滑らかで女性らしい曲線を強調し、ソフトマーメイドラインのドレスと相まって清楚であるのに魔性! と表現するに相応しい。
 そんな花嫁美弥子の身体もガスの効果により火照っており、うっすらと桃が映えた肌……特に胸元と鎖骨が艶気を溢れさせているのであった。

「み、皆さん、頑張りましょう!」

 そういちごが激励の言葉を送った瞬間……小部屋の壁に隠された小さなスリットから高濃度の桃色ガスが噴射されたのだ。
 これ以上吸引してしまえば色んな意味で危険であると魂で察し、慌てて口を押えるいちごであったが女性陣四人はガスの直撃を受けてしまい……。

「だ、大丈夫ですか……?」

 普段のガスを1とした場合、噴射された高濃度ガスは10にもなるであろう。
 そんなガスを数分間浴びてしまった仲間を心配するいちご、その言葉に一番に応えたのは……美弥子であった。

「なんかふわふわしていい気分になってきた、んふふ~♪」

 瞳にハートが浮かび上がりそうなほどキている美弥子はゆっくりと小部屋の角にいたいちごに近づく。
 体温が急上昇しているのが分かる程に火照らせた身体をで歩み寄った美弥子はいちごの身体を優しく、けれども強く抱きしめる。

「ねぇねぇ、いちご、あたしのこの格好どう?狐の嫁入り~なんちゃって~♪」

 頬を朱に染め、狐耳をぴこぴこと可愛らしく動かすさまはまさしく狐の若奥様。
 スカートに格納された尻尾も耳に同調して左右に踊り、純白のスカートをひらひらと翻しているではないか。
 完全に出来上がってしまった花嫁はうっとりとした表情でいちごに迫るのだ。

「あう~……フラフラするデス……あつ、ぃ♪」

 ミニスカピンクナースも火照り切った身体をパタパタと自らの手で扇ぎ、少しでも風で冷まそうとしている。
 そんなミラの谷間が強調されるナースであったが、現在タイトスカートもめくれあがっており、脚線美だけでなく麗しい下着まで見えているでは無いか。
 ガスのせいで代謝が良くなったのか珠の様な汗が更に淫靡な雰囲気をミラから溢れさせている。

「これ、スゴイ……かも♪」

 裸エプロン冬香もガスの直撃を受け、完全に出来上がっている状態だ。
 スタイル抜群のモデルボディを淫らにくねらせ、瞳をとろんと潤ませている。
 自らの身体を抱きしめ、衝動に耐えようとしている姿は背徳的で淫靡そのもの。
 両腕で寄せられた胸からはサキュバス谷が存分にいちごの視界に顕現していた。

「いちご、ちゃん……♪」

 おっとりおねえさんのルネもまた愛しさと情熱で潤んだアメジストの如き瞳でいちごを見つめていた。
 自然体でありながら火照った瞳で見つめられれば、秋波を送ると思われてもおかしくない程の艶気であり、その視線だけで男を導ける淫魔そのものである。
 そんな視線は自然といちごに向けられ、身体も何処か寂しそうに揺れ動いており、そのたびに大きな果実がたゆんと弾み誘惑してくる。
 妖狐の本能が全開となっているのは火を見るよりも明らかであった。

「み、皆さんしっかりしてください!」

 酔っ払いに絡まれたに等しい状況なのだがいちごは説得の言葉を投げかける。
 だが――だが、ガスによって出来上がってしまった乙女たちには届くことは無かったのだ。

「むぅ~、ちょっと~、他の人ばっか見てないでちゃんと花嫁さん見て相手しないよぉ~! ほら、病める時も~ってやつ!」

 もはや発情状態と言っても過言でない花嫁はいちごの態度がお気に召さなかったようで……。
 情熱の赴くままに細く美しい指でいちごの頬を撫で、熱がこもる両手で挟み込むように添えた。
 そのまま二人の視線はぶつかり、潤んだ瞳に魅入られる様にどちらからか顔を近づける。
 ゆっくりと、けれども確実、距離は縮まり甘い吐息がお互いに届く距離に。
 絆された二人の如く、妖狐の唇は自然と触れ合ったのだ。
 いつしか二人は何も言わずに瞳を閉じ、ゆっくりと唇同士を触れ合わせる……そしてどちらからだろうか。
 熱く溶けてしまいそうな舌を差し入れ、相手もそれに応える形で舌を差し出す。
 唾液と唾液を交換するかのように、ゆっくりと舌を絡ませ合ういちごと美弥子。
 甘くて、熱くて、美味しくて、綺麗で、蕩けそうなキス。

「ん……ぷぁ♪ にひひ~ふぁーすときす、しちゃった♪」

 二人の間に煌めく糸の橋が出来るほどの濃厚なキス、それは数十秒もの間続いた後にようやく離れる。
 幸せそうな花嫁と、呆然とする白無垢、初めての契りはガス部屋にて行われたのであった。

「ふわっ! イチゴとミヤコがキスしているデス。なんてステキなのでショウ♪」
「い、いちごちゃん……♪」
「いちご……るね……うっ♪」

 キスを見守っていた三人は三人とも熱い反応を見せていた。
 ミラは自分もして欲しいといちごを見つめながら近づいており、その距離はいちごの右頬に触れる程にまで迫っている。
 ルネは狐尻尾をゆらゆらと揺らしながらいちごの背後からゆっくりと抱き着き、豊満な果実が潰れる程強く押し付けながら頬擦りをしていた。
 冬香は目の前で揺れる妖狐たちのもふもふ尻尾のダンスを目の当たりにし……ついに限界が来たようでルネといちごの尻尾を両手で全力で抱きしめるながら頬擦りする。

「み、みなさん正気に! あっ、だ、だめぇ♪ し、尻尾は、ん~~~~っ♪」
「ひゃっ!? いちご暴れるなぁ♪」
「んー♪ 暴れちゃダメデスよ~♪」
「いちごちゃ、ぁん♪」
「もふもふ~♪」

 必至に四人に呼び掛けるいちごであったが、四人が四人とも出来上がった状態で抱き着いてくる状態ではどうしようもなく。
 最早運命とでもいうべきか、何故かいちごの手は美弥子の胸へと伸び、敏感な果実を揉みしだいてしまったり、敏感な尻尾をもふられたせいで甘い声を漏らしてしまうのだ。
 それでもいちごは脱出しようと動くのだが、動けば動くほどにその両手は恋華荘の美少女達の敏感な肉体へと導かる。
 更にいちごもガスの影響か身体が芯から熱くなってきてしまい、どうにもならなくなった……その瞬間。

 ――ガタン!

「うわわ!? や、やわらか……って、そこはダメです♪」
「んっ♪ つ、強いよぉ♪」
「ひゃん♪ そこは……だめデス♪」
「こ、擦れちゃう……いちご、ちゃぁ……んっ♪」
「もふもふ、もふもふぅ♪」

 大きな音と主に小部屋の床が斜めになり、絡み合った五人は滑り台へと投げ出されてしまったのだ。
 勢いよく流れる身体、だが痛みなどは無かった……それは滑り台がローションか何かで滑りやすくなっていたおかげだろう。
 おかげでいちご達は肉体を重ねる様にして滑り落ちていく、そんなスライダーは突如左に曲がりいちごに柔らかな身体を押し付け、右に曲がればいちごの顔が柔らかな身体に当たる……という極楽のようなスライダーとなったのだ。
 そんな滑り台で数分間、滑り切った先はクッションのような柔らかな素材で作られた10畳ほどの部屋であった。

「あたた……な、なんだか凄い事に……ってえええ!?!?」

 ピンクの明かりで照らされた部屋、そこには扉が一つ存在し扉の先はゴール……宝を護るオブリビオンの元へと続いていると記されている。
 ゴール目前までスライダーで滑ってこれたのだ、そして問題の扉を開ける方法とは……。

「…………しないと扉が開かない部屋?」

 ぽそりと小さく紡がれたいちごの言葉、ある事を部屋で行わなければ扉が開かないという陰湿な罠であった。
 スライダーへはすでに戻れない……そんな状態ではなんとしても扉を開けなくてはならないわけで……。
 どれ位の時間が経過しただろうか……恋華荘のメンバーは扉を開くことでガス迷宮から脱出することになる、思わぬ誤算もあったが五体満足での脱出だ。
 え? 何が扉を開く鍵だったのか?
 それはその場にいた恋華荘の人にしか分からない事なのです。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルテミス・カリスト
久遠翔さんと行動します。

「うう、もうこの服は使えません……
ここで着替えていきましょう」

試着室で丈の短いミニスカメイド服(スライム付き)に着替えます。

迷宮を進んでいくと甘い匂いのガスが。

「れすが、このわらしが、そのていろれ……」

あれ?なんかろれつが回りません。
それに、なんだか身体が熱いような……

翔さんの目の前ですが、胸元を開けたり、スカートをぱたぱたさせたりしてしまい……

なんだが翔さんの身体を無性に触りたくなってきたのでした。(魅了されている)

そして、あんなことやこんなことやそんなことまでしてしまい……

「わ、私は、なんてことをしてしまっていたのでしょう」

正気に戻った時、膝から崩れ落ちるのでした。


久遠・翔
アルテミスさんと参加

うぅぅ…服が…あっ!着替えれる場所と服がある!せ、せめて服着替えないと…

…え?これしかない?(見えそうで見えないミニスカ胸元開放型メイド服(ガーターベルト付き)で現れ)

あ、悪意を感じるっす…!(胸Fカップ)

と、ともかくこれで移動できる…相方と一緒に一気に最短距離の近道を突っ切るっす!
が、途中で服が「もぞり」と動いて思わず叫びガスを吸ってしまう
なんと服の内部に隠れていたスライム触手が!?

悶え『無自覚な魅了』が勝手に発動し、相方を魅了状態に
そのままガスの中で襲われてしまいます
ぬ、脱がさないで…

なんとかガスの外に転がり出て脱出しますが…服は乱れ顔は真っ赤な状態で喘いで倒れています



●ミニスカメイドと不思議なガス

 スライムの溶解粘液によって装備を溶かされ、裸同然のセクシーな姿となってしまったアルテミス・カリストと久遠・翔は甘い香りが漂う怪しい迷路を前に困窮していた。
 それは全身ヌルヌルな状態に加え、防御力皆無どころか、動くことの邪魔になる姿では探索所ではないからだ。

「うぅぅ……服が……あっ! 着替えれる場所と服がある! せ、せめて服着替えないと……!」

 スライムのヌメリが淫靡にテカりを返す身体となってしまった翔はコンプレックスでもある大きな胸がサラシで抑える事が出来ない状態に、怪しいとは思いつつも迷宮が用意した衣服を着る事を選択。
 Fカップはある巨乳を腕で抱きしめる様に隠しながら試着室に消えていくのだ。

「うう、もうこの服は使えません……ここで着替えていきましょう」

 清楚な白いショーツも濡れそぼり、サイド部分がほつれ始めている危機的状態なアルテミス。
 先ほどまで協力していた翔の言葉に意を決し、自らも自分に合った衣服を選んで仕切りで目隠しされている試着区画へと入って行った。
 その結果二人はどうなったかと言うと……。

「……え? これしかない? 悪意を感じるっす……!」

 最初に現れたのは翔だ、その身につけた衣装とは……股下数cm、少し動くだけでスカートが翻り、秘密の花園が見えそうになる際どい黒のマイクロミニのスカート!
 キュッとくびれをアピールするコルセット機能のある黒メイド服は大きく胸元をオープンし谷間をアピール!
 エプロンは純白で色彩にメリハリを与えるだけでなく、縁部のフリルで可愛さをアピール! 腰には大きなリボンとなり可愛らしさが×2!
 下半身に視線をやればセクシーな黒のガーターストッキングがお出迎え! 健康的なフトモモに若干食いつく蝶がレース刺繍された至高の一品。
 足元はご主人様お気に入り! ワンストラップの高級感漂うヒールパンプス!
 歩くたびにコツコツとメイドらしい足音を立てる事で存在感をアップさせている!
 頭部にはもちろんホワイトブリムで可愛らしく飾り立て、翔の美しい灰色の髪をメイドらしくアピールするのだ!
 完璧なミニスカメイドとなった翔は大きく肩を落とすのであった。

「お、お待たせしました」

 自分の胸の大きさを最大限にアピール魔性のメイド服に落ち込んでいる翔の前に現れた存在、それは着替えた終えたアルテミス。
 なんという運命の悪戯か、彼女もまたメイド服であったのだ。
 美しい明るい金髪を清楚に長く伸ばした頭部には翔とお揃いのホワイトブリムがちょこんと乗っかりかわいらしさアップ!
 同じく胸部を絞り上げる事で胸を強調するスタイルの黒メイド服に白いフリルエプロンを着用。
 しかし翔と違う部分は胸元を黒のレースで彩る事で肌色を更に際立たせているという点であろう。
 谷間でセクシーと、更にレースでセクシーを! 匠のデザインが際立つメイド服である。
 スカートは翔と同じく、極めて丈の短いマイクロミニのプリーツスカートだ。
 動くたびに軽やかに翻るそれは翔よりも短いのでは? と思わせるだろう。 もはや静止した状態でしか下着を隠せないのではないかと思える一品である。
 視線を下にさげれば、お出迎えするのはなんとリボンのワンポイントが可愛らしい純白のオーバーニーソックスである。
 しかも若干サイズが小さいらしく太腿にピッチリと食い込む姿はフェチズムを擽って仕方ないだろう。
 靴は黒のリボンが可愛らしいワンストラップパンプス、こちらもヒールが若干高く自然と姿勢が良くなりメイドらしさが身につくものである。

「「…………」」

 見つめ合う二人、それぞれが極上の美少女メイドであり、先ほどまでと全く違う出で立ちに言葉が出なかったのだ。
 羞恥に染まりながらチラチラとお互いに覗き見し合う事数分……。
 甘い香りが不意に二人の意識を刺激し、どちらからなく出発を告げるのであった。

「ここは右っすね」

 迷宮探索は意外と簡単に進んだ、時折おかしなギミックが存在する者の攻撃してくる敵が存在しなかったからである。
 そのギミックも滑り台で移動や、平均台を渡れ等の簡単なものであった。
 二人のメイドは自慢の身体能力で次々とギミックを突破していく。
 が、ギミック自体は簡単でも二人の精神は徐々に削られていくのだ。
 それは滑り台の時……。

(滑り台……丸見えだったっす……)

 マイクロミニスカートで滑り台を滑れば当然そうなる、自然の摂理である。
 それは平均台の時……。

(あ、歩くたびに揺れてました……)

 バランスをとるために左右に身体をゆすれば、当然揺れる、自然の摂理なのだ。
 二人はお互いの姿を見ないように注意しながらも、自然と視線を向けてしまう。
 それはガスの効果であることに気づくのはもう少し後になる。
 このガスにより気分高揚、興奮効果と自然とオープンな方向に暴走させるのだから。

「距離からしてもうすぐだと思うっす」

 シーフである翔が罠を調べ、無い事を確認してから二人で移動。
 いくつか存在するゴールまでの道のりを最短で、しかも恐ろしく速い速度で迷宮を踏破するメイド二人。
 が、出口も間近の最後の小部屋で事件が起きる。
 その小さな部屋は真ん中が大きなベッドが設置されているだけの、休憩部屋のような場所であった。
 二人は極力ガスを吸わないようにしてきたので、休憩も無しに最後の扉へと歩を進める。
 ……その時、甘い声が二つ、小部屋に響いたのだ。

「ひゃん♪ な、なんっすか!? う、うごい……てぇ♪」
「ふやぁ!? も、もぞもぞしてます…っ♪」

 翔が出口の扉を解錠し、脱出する寸前の出来音。
 その動くものの正体は……二人のメイド服の裏側に潜んでいたスライムであった。
 スライムは粘つく身体ではい回る様に二人の美肌を擽っていく。
 胸元、うなじ、脇腹、腋、お臍、太腿……ガスで興奮状態になった二人の身体は過敏なまでの反応を返してしまう。

「れすが、このわらしが、そのていろれ……ふぇ?」

 必至に耐えようとするアルテミスであったがスライムに嬲られている間にガスを吸い込み過ぎたようで、次第に意識がぼんやりとしてきてしまう。
 そうなれば加速度的に身体が熱を持ってしまい、芯からジクジクと火照り……ついに我慢が難しくなるのだ。
 アルテミスはどこか夢心地でスライムを追い回すように自らの手で身体をまさぐり、熱いと思えば胸元を大きく広げ、美しい汗ばみメロンを外気に晒す。
 お尻が火照ればスカートをパタパタと扇ぐように舞わせ、隠されるべき秘密の場所をチラリと翔に見せてしまうのだ。
 これには元々女性に弱かった翔の精神も限界へと到達、スライムの攻めによる快感も合わさってぺたりと尻餅をついてしまう。

「が、我慢……っす、耐えるっすよ……んっ♪」

 動かなくなった身体、スライムの蛮行が終わるまで耐えるしかないと悟った翔は必至に言い聞かせる。
 その言葉の対象はアルテミスであり自分自身でもあった。
 だが、その時翔はあるユーベルコードを自動発動してしまっていたのだ……その名も《無自覚の魅了》。
 強力な魅了効果のあるそれはガスの効果で良い感じに出来上がってしまっていたアルテミスに効果抜群であった。

(あぁ……翔さん、なんて素敵な……思わず触りたくなっちゃいます♪)

 自身の身体の火照りが最高潮に達したアルテミスはぼんやりとした瞳の中、どこか妖艶な笑みを浮かべ出口の前に座り込んだ翔へと近づく。
 そして手を取ると部屋の中央に置いてあったベッドへとお姫様抱っこで運ぶのであった。

「ア、アルテミスさん……? 目が怖いっすよ?」

 腰が抜けてしまい動けない翔はぽふんとベッドの中央に座り込んでしまい、目の前に迫るアルテミスに何もできないでいる。
 そんな翔を前に妖艶に微笑むアルテミスは耳元で優しく囁くのだ……大丈夫、少しだけだから……と。

「な、なにが大丈夫っすか!? ひゃん♪ そ、そこはダメっす! 脱がさない、れぇ♪」
「大丈夫♪ あぁ、柔らかくて美味しそうです♪」

 ベッドの上で二人のメイドが重なる、指が火照った肌を擽り、小さな口が可愛らしい芽をほお張る。
 熱くなった舌で軌跡を描き、押し潰され合う果実と火照り続ける身体。
 二人の白い肌には珠の様な汗が浮かび、重なり合うたびに甘い声が響かせた。

「~~~~~~っ♪ だ、だめっす! 限界っす!!」

 スライムの弄りが止み、アルテミスの魅了も解けるまでにかなりの時間をかけてしまった二人のメイドは両足をガクガクしながら、ようやくゴールへとたどり着いた。
 腰が抜けた翔はゴールの扉を開けた瞬間ぱたりとうつ伏せに倒れ込み、正気を取り戻したアルテミスは膝をつき頭が地につきかねない程に落ち込むのであった。

「わ、私は、なんてことをしてしまっていたのでしょう」

 こうして二人は色々と大事な物を失いつつも、怪我無くダンジョンを踏破、残るはオブリビオンが待ち構える最終フロアのみとするのでした。
 教訓! 魅了は色々な意味で危ないね!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テフラ・カルデラ
最後のトラップにうっかり捕まってしまいながらも助けもあって何とか突破…!
ですが、服がボロボロでスライムまみれ…
そんな中、先への道が開かれました!次は甘いガスが充満する迷宮…これもまた一筋縄ではいかないようですね!

んん?どうして試着室や衣服が…?明らかに怪しいですね…
ちょっと恥ずかしいですけど…このままいっても多分大丈夫かな…?

無暗に突っ走ってしまうと何かしら罠に陥ってしまうかもしれません…
トラップに気を付けながらもガスが薄そうなところを探して回避していきましょう!

ここを突破すれば…探し求めていた「触れると永遠が手にすることができる宝」を手に入れ…じゃなくて行方不明者たちがきっといることでしょう


アイル・コーウィン
くうっ……さっきのスライム、凄く良か……いえ、ヤバかったわね。
服も全部溶かされちゃったし、どうしたものかしら。
と思ったら変えの服まで用意されてるなんて、本当に変な迷宮だわ。
ともあれ着ない理由は特に無いし、早速着替えちゃおうかしらね。

……まさか、サイズの合うものが水着だけだなんて。しかもこれ、極端に布面積が少なくない?
なんだか着る前より恥ずかしいわ……。

それにさっきから嗅いでる変なガスのせいか、妙に心臓がドキドキして変な気分に……。
マ、マズイわね、これ。今もし誰かに触られたり何なりされたら、タガが外れてイケナイ事したりされちゃったりするかも。
そうなる前に、早く脱出しなくちゃ……。


ソナタ・アーティライエ
迷路へは一番最後に入るようにして、中で大変な事になっている人がいたら助けながら出口を目指すようにしたいと思います
それまでの時間は、少し考え事を……どうも先程から、胸のあたりが変な感じがするのです……なんでしょう、これ?

【生まれながらの光】でガスの浄化を試みますね
効果があるようでしたら、ごく弱く身に纏うようにして身を守りつつ
正気をなくした皆様を戻すのにも用いたいと思います
でも互いに楽しそうな雰囲気とかでしたら、見て見ぬ振りでスルーするのです(お幸せに~
(他の方との絡みや、アドリブOKです)

真の姿(その片鱗)
髪が淡く光り
髪から零れた光は歌声に合わせて舞い踊るかのように周囲を漂います


ルナ・ステラ
皆さんのお陰で次のフロアへ!

服?怪しいけど、ぬるぬるして気持ち悪いから着替えましょう
サイズが合うのはこれしかないですね
【喋り方が変わる猫耳フードのローブ】

「甘い匂いがするにゃ...」
(言葉が!?服のせい?)


ライオンの嗅覚を活かして、ガスが薄そうな所を探し攻略します!

―カチッ
「にゃにゃ!?濃い匂いが...」

「急に落とさないでにゃ!!」
(ライオンさん、何か変?)
「今じゃれついてきちゃだめにゃ...どうしたにゃ?」
(まさか、さっきので?)

「―にゃあん!!ペロペロしちゃだめにゃあ...」
(やめてよぅ...甘い匂いで私もこのままだと変になりそうです。
可愛そうですが、武器で叩いて正気に戻ってもらいます)



●ガスの迷路と人形少女

「わたしが一番最後、ですね」

 甘い香りを漂わせる怪しいガスの迷宮、猟兵達それぞれが出発した後……最も遅れて出発する事にしたのはソナタ・アーティライエである。
 儚げな印象を与えるミレナリィドールであるソナタは先ほどの迷宮で自らに起きた感情の揺らぎについて考えていた。
 どこか胸がの奥が熱くて、ビリビリともどかしい程に弱い電気が流れる未知の感情。
 人形である自分が知る事の無かった不思議な感情……その正体を。

「嫌なような……でも嫌じゃないような……不思議で変な感じです……」

 小さく可愛らしい手でそっと胸を抑えるソナタ。
 けれども不思議な感じの答えは分からずに、熱だけがじんわりと広がっていくのだ。

「ええ、大丈夫です。 アマデウス、心配かけてごめんね?」

 自分に付き従う銀竜の頭を撫でてやり、意を決してガスが充満する迷宮へと歩を進めるソナタ。
 何故か胸の熱が大きく、熱くなった気もするが……それはガスの効果であるお酒によった感覚かもしれない。
 白い肌を少し朱に染めて小さな歩幅で迷宮を歩むソナタは身体を侵すガスに対してある手段をもって解決を目指す。
 それは……癒しと浄化の光である。

「癒しの力よ……」

 小さく、美しい歌声が紡がれると同時にふわりと淡い光がソナタから生まれた。
 その光はソナタの髪の色のように穢れの無い美しい白、淡き白光となって少女人形の身体をうっすらと守る様に包むのだ。
 光の効果はあったようで、先ほどまで感じていた胸の熱と騒ぎ立てるような感覚は少なくなっていた。

「大丈夫、ですね……頑張ろうね、アマデウス」

 優しく微笑むソナタの言葉に小さく鳴くことで答える銀竜、一人と一匹の旅は順調に進んでいった。

「こっち、でしょうか……」

 迷路はすでに罠が解除されている道を進む事で危険を限りなく少なくしゴールへと近づく。
 途中どうしても平均台を渡ったりと変なギミックもあったが、なんとかソナタは攻略していったのだ。
 そんなソナタが通路の先で見つけた仕掛け……それは端的に言えば《登り棒》であった。

「これを登るのでしょうか」

 アマデウスと二人で登り棒を見上げると、登った先に奥へと進む道を見つける事が出来た。
 どうやら道順は正解のようだ、後はこの棒を登りきるだけである。
 棒の長さは5m程、猟兵であれば何の問題もなく登り切れるだろう。
 幸いソナタが最後に出発したおかげでスカートでも問題なさそうだ。

「よい、しょ……ん、しょ……」

 全身で登り棒に抱き着き、ゆっくりと確実に登り始めるソナタ。
 アマデウスは万が一に備えてソナタを支えれるように一緒の高さで昇ってくれている。
 華奢なソナタでもなんとか登りきることは出来る、つまり何の問題も発生しないはずであった。

(ん……なんだろう、また、胸のあたりが変な感じがするのです……)

 登り棒をよじ登る度にジンジンと痺れがソナタの身体の中心から発生、全身にじんわりと熱を広げていく。
 ガスは防いでいるはずなのに、妙な刺激で感情を揺さぶられてしまうのであった。
 それでも知らない感覚にかまけてばかりはいられない、ソナタはじんわりと火照り始めた身体で棒を登るのだ。
 後3m……2m……1m……。
 ゆっくりと甘い痺れを身体に感じながら、なんとか登り切ったソナタ。
 身体の火照りと登っている最中に感じた痺れ……妙な感覚に胸がドキドキしていると、心配そうにこちらを見やるアマデウスにソナタは気づいた。

「んっ! 大丈夫、だよアマデウス」

 親しい銀の竜の視線を受けて、何故か身体が瞬間的に熱くなってしまったソナタであったが、わざとらしい咳払いで自身の気持ちも視線もリセット。
 身体に残る熱の感情が分からないまま、ソナタとアマデウスのコンビは順調に迷宮を進むのであった。

●ウサ耳男の娘と甘い罠

「次はこっちです」

 甘いガスで満たされた迷宮を、スキップするかのように警戒に突破するのはキマイラのテフラ・カルデラ。
 長い乳白色の髪を靡かせながら踊る様に進さまは人形劇に見えるだろう。
 しかしテフラは考え無しで進んでいるわけでは無く、野生の感と罠を見抜く観察眼によって被害は少なく楽しく突破中なのだ。

「こっちに攻撃してくる敵も居ないし、楽ちんです♪」

 テフラの言葉通り、普段であれば迷宮を徘徊する怪物が居るのだがこの迷宮に限って言えば怪物の「か」の字も存在しない。
 途中にあるのは平均台や登り棒などのアトラクションや遊具に近い物ばかり。
 故にテフラはスライムに溶かされボロボロで下着同然の恰好のままでも気兼ねなく攻略できるのである。
 だって怪しすぎじゃないですか!
 さすがに迷宮が用意いた着てくれと言われているような服を着るつもりはなかったテフラであった。
 勿論羞恥心はあったのだが、怪しさが勝ったわけである。 

「あれ? なんだか変な部屋です……」

 ピクンとうさ耳を立てるように反応したテフラ、到着した小さな部屋にはなにか罠が在る気がしたのだ。
 そんなテフラが立ち止まった部屋……それは6畳ほどの小部屋、天井も低く壁には大量の蝋燭に火が灯された熱気のある部屋であった。
 不安と好奇心がガスの効果で増加してしまった兎耳のキマイラは、遠慮なしに部屋の中央を横断しようとした、だが勿論そこにはあったのだ……。
 この迷宮でも変わり種のトラップが。

「わわわわ!?」

 プシュ! と桃色のガスと混じって床下から噴出された白いガス。
 そのガスに触れた瞬間、皮膚の周りがパリパリと固まり始めたのだ。
 白いガスの正体は蝋燭等に使われるワックスを薄く噴霧するもの。
 テフラの身体を覆うように吹きかけられたソレは固まり、まるで蝋人形のようになってしまうのだった。
 しかしこのダンジョン、口は鼻は塞がないように絶妙な設置をされているらしく、テフラは恥ずかしすぎる恰好のまま蝋で固められ、呼吸する事しかできなくなったのである。

「こ、これは困りました……」

 この罠に掛った者は外側を覆う拘束具代わりのワックスが熱気で解けるまでの間、ひたすらに怪しい桃色ガスを吸わされるハメになる。
 熱気を帯びた甘い香りは脳髄を痺れさせ、身体も火照らせてしまう。
 完全に蝋で固まって動けないテフラはオブリビオンのたくらみ通りに身体を芯から熱くしてしまう。

「な、なんだかドキドキしてきました、ですよぉ」

 ガスの効果か、それとも蝋燭の融ける熱と感覚か……テフラは火照った身体と思考により自分がまるで蝋燭となって融けているように感じていた。
 ジワジワと自分が自分で無くなる感覚、妙に熱っぽいその感情はテフラを危うい世界に連れて行く……寸前。

「大丈夫ですか?」

 癒しの光によって身体を膜のように覆っていたワックスは綺麗にはがされ、久しぶりの生身に戻るテフラ。
 蝋の支えが無くなりペタンと尻餅をついたウサ耳キメラは何処かうっとりとした視線でソナタを見る。

「あ、ありがとうございますぅ……これで二回目、ですね……」

 ぺこりと感謝するテフラ、身体がまだ硬いのでゆっくり進むとソナタを見送ると部屋を後にする。

「無理は、なさらないで下さいね?」

 ソナタは心配そうな表情をみせ、出来る限りの手当てをするとゆっくりと先に向かって歩き始めた。
 白い髪が淡く光、幻想的な軌跡を迷宮に残す様子を後ろから眺めていたテフラは一つ大きく深呼吸すると軽く屈伸を行う。
 それなりの時間動けなかったせいで膝が痛いかと思われたが、ソナタの浄化と癒しの光ですっかりと元に戻っていた。

「うん、大丈夫そうです!」

 胸の前で小さく可愛らしいガッツポーズを取ると、再び迷宮を進む決意を固めるテフラ。
 この部屋で起こった罠、そして生まれた感情にどこかうっとりとした表情浮かべ……。

「色んな意味で頑張らないと、です」

 と後ろ髪引かれる思いがあるものの、先へと進むのであった。
 あくまで目的は永遠が手に入るお宝なのだから!

●魔法少女と怪しいガスと大きなライオンのお友達にゃ!

「うぅ……ひどい目にあいました……」

 スライム坂を攻略したルナ・ステラは現在の状況をどう克服しようかと思案している。
 その思考の間にも自分の現在の恰好に言いようもない羞恥が沸々と湧き上がってくるのだ。
 それもそうだろう、可愛らしい自慢の魔女っ娘の服がドロドロのヌルヌルにされ、色々な意味で危ない下着同然なのだから。
 先ほど一緒に居た仲間たち程ではないが、さすがに恥ずかしすぎて迷宮に挑戦どころではなく……。

「仕方ない、ですよね……今よりひどい事になんかなりません……よね?」

 迷宮が用意した怪しすぎる衣服であるが、背に腹は代えられない。
 ルナは自分が着れそうな衣装を手に、甘い香りの漂う部屋で着替え始めるのだ。
 その試着室を思わせる着替えスペースには、ありがたいことに全身を見れる姿見が設置されている。
 そんな鏡を前に唯一存在した衣装に袖を通した結果――大変な事になってしまうのだ。

(うん、寒く無いし丈も問題ない……よね♪)

 その大変な事とは……可愛過ぎるのである!
 ルナが選んだコスチュームは大きな猫耳が飾られたフードが特徴の、所謂ネコミミローブであった。
 純白の汚れの無い生地は柔らかくルナの身体を包み込み、膝丈まで長さがあるので全身をぐるっとガード!
 少しボディラインが出るがふわふわのコットンに近い生地の印象と首元で揺れる白い系とのボンボンの可愛らしさでまったく気にならないだろう。
 またローブには猫の肉球マークがワンポイトでデザインされ、お尻周辺からは白の猫尻尾を模した飾りが一本、自己主張するように垂れている。
 袖の部分がやや長く、ルナが横に手を伸ばしても少し余る萌え袖仕様!
 フードも少し大きくブカブカ気味だがそれが良い!
 白い髪と合わさり、完璧な白猫魔導士となったルナは箒を持つと迷宮の踏破に挑むのだ。

「この迷宮……本当に甘い匂いがするにゃ……にゃ!?」

 杖を手に試着室から出たルナは、鼻腔を擽るガスをすんと嗅いでしまいぽつりと感想を漏らしてしまう。
 だが自分の口から出た言葉は余計な言葉が付属していたのだ。
 実はローブに仕込まれた特殊効果であり、着用者は【猫っぽくなってしまう】ローブなのである。

(言葉が!? この服のせい!?)

 思考までは“まだ”猫っぽくなっていないらしく、普段通りに考える事は出来る。
 その事実に一安心したルナはため息を吐きながらも、早く、出来るだけガスを吸わないように迷宮を突破しようと決意するのだ。

「出てきてほしいにゃ! ライオンさん!」

 いつも通りであれば問題のないユーベルコードの行使、それも猫っぽくなってしまい妙な羞恥心が湧き上がってしまうだろう。
 それでも効果は発揮されたようで、ルナは自らの身長の倍近い黄金のライオンを召喚したのだ。

「よろしくお願いにゃ、ライオンさん」

 懐いた猫のように甘えるライオンの頭を優しく撫でてあげる猫耳ローブの少女、なんとも癒しを感じる風景であるが場所はダンジョン内である。
 一人と一匹は油断なく迷宮を踏破すべく、行動に移す。
 それはルナが黄金のライオンにまたがる猫と猫のドッキングであった。

「あんまり甘くにゃい道で行くにゃー」

 ライオンの嗅覚を頼りに、ガスの濃度の低い通路を選んで攻略するルナ。
 平均台や飛び石等風変わりなギミックが存在したが、なんなくクリアしていくのだ。
 順調順調、ライオンの進む速さに身を任せる猫耳フードの魔法少女。
 何事もなく簡単に攻略できるのではないか? と考えた瞬間……フラグが成立したようで……。

「にゃにゃ!? どうし、すっごく濃い甘い匂いにゃ!?」

 ――カチリ、と重量で作動する罠があったらしく、上下左右の壁から濃度が何十倍にもなった甘いガスが噴霧されたのだ。
 ライオンは見事に直撃、ルナもほんの少しガスを吸い込んでしまう。
 ガスの濃度と勢いはすさまじく、一さすがのライオンも驚き急停止してしまうのだった。
 そのせいでルナは投げ出される形で迷宮に尻餅をついてしまう、幸い柔らかいローブのおかげで痛みもそれ程無かったのだが……危機はまだ去っていない。

「あいたた……急に落とさにゃいで欲しいにゃ! ら、らいおんさん? 何か、こわいにゃ?」

 急停止したライオンは何処かうつろな瞳でルナを見つめると、のっそり、のっそりと静かに近づいてくる。
 いつもなら安全確認に急いでやってくるのだが様子がおかしくて……。

(ライオンさん、何か変?)

 首を傾げライオンを見つめるルナ、普段と違う雰囲気に胸がどきどきする中、ルナの目の前に到達したライオンは……。
 全力で頭をルナに擦り付け、大きな舌でぺろんと舐め始めたのである。

「にゃぁぁ!? 今はじゃれついちゃ、ダメなのにゃぁ!? どうしたのにゃ!?」

 じんわりと熱を持っていたルナの身体がライオンにじゃれつかれる事で、加速度的に火照りはじめる。
 次第にあせばみ、普段は擽ったいだけなのに、ビリビリと変な刺激が走るのだ。
 必至にライオンに止めるように伝えるも、ライオンはルナに夢中であった。

(まさか、さっきので!?)

 たらりと汗が落ちるルナに近づいたライオンの目は……完全に据わっていたのだ。
 間違いない、さっきの高濃度ガスを吸い込んだことで、出来上がってしまったのである。
 そんなライオンが次に取る行動とは……そう、賢明な諸氏ならばお分かりであろう。

「にゃあん!! そ、そんな所ペロペロしちゃだめにゃあ♪」

 じゃれつきは何を言っても終わらない、どころか次第に激しくなる始末。
 可愛い鳴き声をあげながら、ルナの身体をあちこち舐め回すライオンにルナも変な気分になり始めるのだ。

(やめてよぅ……甘い匂いで私もこのままだと変になりそう……)

 熱を持った動物の舌がルナの足を舐め、頬を舐め、掌を舐め、存分にじゃれついてくる。
 普段であれば少し我慢しても良いのだが、今回は状況が状況なのだ。
 舐められる事でルナの身体は甘い痺れに包まれ、どこかふわふわした気持ちになってくる。
 ガスのせいで身体の熱さは止まらず、声も自然と甘くなってしまってきたのだ。
 もう一刻の猶予も無いと思ったルナは――。

「可哀そうにゃけど、正気に戻るにゃー!!」

 手に持った名箒であるファイアボルトでライオンの眉間をゴツンと叩く!
 その痛みで驚きあがった黄金の獅子は慌ててひっくり返り、ドジな事に頭を打って気絶してしまうのだった。

「や、やりすぎたにゃ……?」

 恐る恐るライオンに近寄るルナ、そんな彼女に落ちついた声が聞こえてくる。

「どうかなさいましたか?」

 声の主は淡い光に包まれたミレナリィドールの少女、ソナタ。
 お供の銀竜と共に心配そうにルナに近づくのだ。

「や、ちょっとやりすぎたにゃ……大丈夫にゃと思うけど、介抱してあげにゃいと」

 自分が襲われかけ、そこを反撃で気絶させたとは流石に言いにくかったルナは、曖昧に話す。
 だがルナの話を聞いたソナタは優しく微笑むと癒しの力でライオンの意識を取り戻させる。
 痛みが無くなり、浄化の力で鎮静化したライオンは静かに起き上がると、申し訳なさそうにルナの頬に擦りかかる。
 その微笑ましい光景を見てソナタは優しい笑みを浮かべるのであった。

「ありがとうにゃ、ライオンさんも落ち着くまで待ってから出発するにゃ」

 二人の少女は握手を交わし、再開を誓うのだ。
 ライオンさんはまだ済まなそうに反省の構え、ルナの見立て通りもう少ししたら出発できるだろう。
 ソナタはルナの言葉にうなずくと相棒の銀竜を連れて先を歩く。
 そして、そこで、重大な事に、ルナは気づき、彼女にしては珍しい大きな声で叫んでしまう。

「にゃーーー!? この喋り方はローブのせいにゃのにゃー!?」

 その声は迷宮にむなしく響くのでした。

●猫耳シーフと水着と変なギミック

「はぁ……」

 猫耳のヤドリガミであるアイル・コーウィンは鼻につく甘い匂いに耐えながら何度目かわからないため息を吐いた。
 その理由は先ほど攻略したスライム廊下と自分の現在の恰好にある、
 自慢の服とブーツをドロドロに溶かされ、ほぼ下着という状態なのだ。
 更に下着も所々穴が開き肌が覗いている、これでは動くだけで千切れてしまうだろう。
 万が一戦闘となれば、ほぼ確実に生まれたままの姿になってしまう。

(くうっ……さっきのスライム、凄く良か……いえ、ヤバかったわね)

 思考の途中で我に返り首をぶんぶんと振るアイル、白い猫尻尾がピンと立ち身体がジンと熱を持ってしまう。
 それ程までにスライムにプレスされ、揉みくちゃにされた記憶が深く残ってしまっている。
 今も少し思い返せば、自分の身体を包み込んだ、あたたかくも柔らかい、粘液の壁が……。

(違う違う!! 大丈夫よ私! 切り替えて行くのよ!)

 もう一度大きくため息を吐くアイルは怪しいと思いながらも背に腹は代えられない、迷宮が用意した衣装を手に着替え部屋に入るのだ……が。

(あれ? なんだか変じゃない、これ……でも、これしか無いし……)

 妙に布地の少ない衣装に訝しく思いつつも、これ以上は酷くならないだろうとボロボロになった衣服を脱いだ。
 だが手に持った衣装を広げ、アイルは愕然とする事になる。

「水着じゃない!?」

 まごう事のないビキニであった。
 色はやや光沢を感じる黒、伝統的で王道を往くトライアングルビキニである。
 その布地の少なさたるや、アイルが着用すれば大事な部分を隠すのみ……大きな胸の殆どが露出している状態である。
 それはボトムも同じことで……しっかりとお尻を護らずに、やや食い込むボトムはセクシー系ショーツとあまり変わらないではないか。

(……まさか、サイズの合うものが水着だけだなんて。 しかもこれ、極端に布面積が少なくない?)

 食い込むビキニを指で直し、目の前に鎮座する全身鏡で再び確認。

 健康的な身体を最小限に隠す黒のビキニ、その光沢はどこかエッチな雰囲気だ。
 形の良いバストはその大きさを自己主張、少し動くたびにたわわに実った果実が揺れ、光沢のある三角の黒も視線を誘う様に踊る。
 紐ビキニ故に鼠径部も晒されており、グラビアモデル位しか着用しない水着であるのを再確認したアイルであった。
 しかし猫尻尾が出せる衣服が少なく、コレしかない状態なのが頭痛の種であり……。

「なんだか着る前より恥ずかしいわ……」

 沈む気分に同調したのかペタンと猫耳が倒れるアイル、しかしいつまでもこうしている場合ではない。
 一刻も早くこの怪しいダンジョンを踏破し、いつもの服に着替えなくては!

「と、勢いで出発したけど……あ、罠だ」

 桃色の甘い香りのガスを極力吸わないように迷路を進むアイル、シーフであるアイルは罠を見つけては回避、やや迂回しながらゴール目指して突き進む。
 踏破は簡単だ、迷宮としての難易度も低い、しかし……。

(さっきから嗅いでる変なガスのせいか、妙に心臓がドキドキして変な気分に……)

 アイルを焦燥させるのがガスである、最初は少し身体が熱くなる程度であった。
 だが徐々に意識も熱っぽくなり、風呂上りのように身体が火照り始める。
 更に胸の鼓動が早くなり、酒に酔っているような気分にまでなってくるでは無いか。
 明らかに危うい状況である、しかも恰好が恰好だけに羞恥心が刺激され、猫でいう発情に近くなってしまっているのではないか? と考えた。

(マ、マズイわね、これ。 今もし誰かに触られたり何なりされたら、タガが外れてイケナイ事したりされちゃったりするかも)

 ムラムラと身体と心が熱くなるアイルは歩幅を広げダンジョンを進む。
 だが急げば急ぐほど焦燥感に煽られ、歩幅を広げればビキニが食い込み胸は揺れる……そうして甘い刺激を与えてくるのだ。
 気付けばしっとりと汗をかき、立ち止まる度にモジモジしてしまう興奮状態。
 僅かな刺激が命取りになる状況なのである。

「そうなる前に、早く脱出しなくちゃ……」

 もう一度頭を振り、出来る限り冷静になるアイル。
 マッピングからすればもう少しで出口に繋がる部屋が現れるはずだ。
 と、噂をすれば……曲がり角を抜け、やや下り坂になっている通路を抜ければゴールへの扉!
 この扉を開けばガス迷宮から脱出できるのだ!!

「えっと……この扉を開けるには……この椅子に座る、必要が……ある……?」

 最後の部屋でみつけた大きなゴールの扉、その扉の前には豪華なリクライニングチェアが存在していた。
 念のため罠感知を終えたアイルはチェアに座る事でなんらかのギミックが起動、更に一定時間座っている事で扉が開く仕組みであると看破。
 なんらかのギミックと言っても爆破や毒では無い、また座った者を拘束する仕組みも無さそうであり、相変わらず命の危険性はなさそうだ。

「なんだか嫌な予感がするけど……えい!」

 黒いビキニが眩しい猫耳ヤドリガミは意を決して椅子に体重を預ける事にした、椅子の座り心地は素晴らしく、まるで空を浮いているかのようであった。
 そんな極楽チェアからは突如として複数の錬金術で作られたと思われるアームが出現。
 アームはアイルが回避行動を起こす前にある場所を揉み始めるではないか!
 その場所とは――!

「か、肩もみ……?」

 ウインウインと稼働音を響かせながらアームはアイルの肩の凝りを解していく、その刺激は緊張と大きな胸によって固くなった筋肉を優しく柔らかくするのだ。
 その刺激はアイルの緊張も解して、全身の血行を促進させる。
 火照った身体は心地よい刺激により全身脱力状態に、その心地よさにより眠気を覚えるまでにリラックス状態になってしまうアイル。
 だが――血行が促進されるという事はガスの効果により更に身体と精神が昂るという事で……。

「ふぁ♪ 気持ちいいけど……ん♪ これ、もしかして……マズ、い……っ!? アームが増えて、にゃぁぁ!?」

 いつしか身体の力が抜け、全身の体重を椅子に任せていたアイルは身体が今まで以上に熱く、敏感になっている事に気づく。
 朦朧としはじめる意識の中で危機感を持った猫耳シーフは一度椅子から離れようとするのだが……その行動を感知した椅子は『まぁまぁ、マッサージはこれからが本番ですよ?』と言わんばかりに按摩範囲を全身に広げたのだ。
 錬金術アームは人の手をもしており、その硬さも硬すぎず、柔らかすぎずと最高の反発を持つマッサージにはもってこいのアームなのだ。
 そんな極楽へ導くアームがアイルの全身のコリを解すために動き出す。
 肩、肩甲骨、腰、首、脇腹、おなか、ふともも、二の腕、脹脛、足の裏、掌……
 蜂蜜の如く甘すぎる刺激がアイルの全身で同時に発生するのだ。
 その心地よさは先ほどまでのうたた寝しそうな刺激ではない……身体を心が蕩けて堕ちてしまいそうな甘美すぎる刺激なのだ

「ぁぁ♪ んっ♪ ふにゃ♪ あぁっ♪ ひゃめ♪ んん~~~~~♪」

 全身をビクンビクンと痙攣させるアイル、身体は敏感すぎる程に反応を示してしまう。
 リンパを刺激、筋肉をほぐし、時折くすぐるように優しく、時折痛みを感じる程に強く、振動を加えて、軽くたたく様に……。
 緩急自在の按摩術にまさしく骨抜き状態、完全に脱力してしまったアイルは猫耳をへたらせながらマッサージが終わるのをただただ待つしか出来なかった。
 しかし無常にもアームは増えて……。

「ふにゃぁぁ!? そ、そこはだめぇ!?」

 猫尻尾を含む、まさしく全身を揉み解されてしまうシーフは全身汗だくになってされるがままに甘い声で歌い続ける。
 すでに扉は開いているのに、椅子に座り続ける限りはマッサージは続くようで、逃れられない甘美な刺激を永遠と受け続けるしかないのだろうか……。
 アイルが涙目になった瞬間、浄化の光と共に腕を引っ張られる形で椅子からお尻を浮かせ見事脱出するのであった。

「はひ……ふぁ……あ、ありが……と……ぁぅっ♪」

 汗だくのビキニ姿で息も絶え絶えのアイルを助けたのは、美しく淡い浄化の光を纏ったソナタであった。

「大丈夫でしょうか? 落ち着いて下さいね」
「うん、ありがとね……ちょっと、落ち着いてから……すぐに追いかけるわね」

 何処か少し頬を染めているソナタに助けられたアイルは、一休みしてから後を追うと告げる。
 現在は水着もマッサージによって脱げかけの危ない状況であり、更にマッサージによって全身が過敏になり、下腹部はジクジクと熱くなっているからだ。
 助けてくれた事を感謝しつつも、あのままマッサージを受けていたらどうなっていたか……。
 を、危うく想像してしまい首を振るアイルなのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ミミックロボット』

POW   :    トレジャーロボット
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【貨幣もしくは宝石】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    ゴーレムフォース
レベル×1体の、【額】に1と刻印された戦闘用【小型ゴーレム】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    フルスチームグラップル
【フルパワーでの掴みかかり】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 脱衣スライムと桃色のガス。
 二つの迷宮を突破した猟兵達がたどり着いた場所……それは地下に造られた巨大な庭園であった。
 そこで見たものは様々な格好で色々なポーズで固まる生徒達の姿。
 驚き、二人手を繋いで、寝そべって、天高く指をさす……様々な種族が存在する庭園。
 そして……。

「い、いや!? そんな事求めたんじゃな……い……」

 目の前で周囲の存在と同じようにピタリと動かなくなる女生徒の姿であった。

「エイエン テニハイッテ ヨカッタ ナ」

 彼女の動きを止めた存在、それは宝箱を模したゴーレム。
 その身体から禍々しい災魔のオーラを纏うモノ……オブリビオンだ。
 オブリビオンは猟兵達に気づくと【身体の中央に設置された宝玉】を見せつけるように向き直る。
 宝玉が怪しく光った瞬間、妙な気配が猟兵達の身体をざわざわと撫でまわすような感触を与えるだろう。
 その感触の正体は……【時間停止】の術式である。

「ヤハリダメカ リョウヘイ イシキナクサナイト エイエン ナレナイナ」

 片言で話すゴーレムは動きが止まった女生徒を庭園に飾るように設置しなおす。
 よく見れば全員が彫像のようになんらかのポーズをとらされているではないか。

「ニンゲン モロイ スグコワレル キレイデモ スグキタナクナル」

 設置に満足したゴーレムが語り掛けるように独白を始める。
 このオブリビオンの言い分は人間を美しいと思うが、すぐに壊れるので壊れないように保護しようという独善的な思いであった。
 時間を止められた人間の意識と感覚は存在し、故に生きていると言い張るオブリビオン。
 意識の違い所では無い問題に言葉は不要であろう。
 しかも長時間動けない事で発狂した人間は、そのまま黄金の彫像にして飾るという。

「リョウヘイ オマエタチモ エイエンヲ テニイレル ノダ」

 巨大な両腕を振り上げると、猟兵達を自分のコレクションにするために動き始めるオブリビオン。
 幸い時間停止は効果が無い!
 諦めない限り勝機は存在するのだ! 猟兵達よ! 悪しきオブリビオンを倒すのだ!
テフラ・カルデラ
トラブルや仲間の助けもあってたどり着いた最深部には時間停止された生徒たちや黄金像にされた人も…
なんて羨ま…じゃなくて酷いことを…!ここで倒して皆さんを助けましょう!

相手は時間停止させようとしますが、こちらには効かないようなので、周りの生徒たちに気を付けつつもウィザード・ミサイルで迎撃します!
(ここから採用可能であればお願いします)
…しかし、黄金像にするということは、相手を金にすることも可能なのでは?
そんなこと言っていると、仲間が攻撃されそうなので身を挺して庇う…と下半身が黄金に!?こうやって黄金像に…って納得していると無理やりポーズ取らされ身体が金…に…
(この後なんやかんやで何とか戻りました)


シエナ・リーレイ
「苦労した甲斐があったの!とシエナは沢山の友達候補の前に高揚としています。」

目敏くお友達候補の気配を察したシエナは乱痴気騒ぎを起こす猟兵に混ざり迷宮の最奥まで辿り着きました
その衣類は目を覆わんばかりの大惨事でシエナ自身も顔を赤らめ足元に不自然な水溜りを作ってしまっていますが気にしてはいけません

「帰りましょう?とシエナは新しいお友達に帰宅を促します。」

自身の状態の危うさを自覚しているのかシエナは黄金像にされた生徒達や猟兵達と手早くにお友達になると撤退を試みます

ただ、ゴーレムに気づかれ捕まってしまった場合、シエナは握られる刺激による快感でイキ果て気絶してしまい、そのまま黄金像にされてしまうでしょう



●生徒救出と怒りのオブリビオン

「ようやくたどり着いたのです、とシエナは熱い身体で周囲を見渡します」

 オブリビオンが戦闘態勢に入った庭園、そこに一人のヤドリガミの少女シエナ・リーレイが見るも無残な姿で現れた。
 ここに来るまでの間、スライムに全身を揉みくちゃにされ、迷宮ではあやうく植物と同化しかけるなどピンチの連続であった事を感慨深く思い出す。
 だが、思い出すたびに身体は熱を持ち、キュンとお腹が疼いてしまうのだった。
 それでもダンジョンで行方不明になった生徒達を探さねば……そうシエナが周囲を見回すと人形のように時が止まってしまった生徒達が点在しているではないか。

「苦労した甲斐があったの! とシエナは沢山の友達候補の前に高揚としています」

 悦びを全身で表した少女はテコテコとオブリビオンに見つからないように移動する、目的は生徒達をまずは安全な戦闘に巻き込まれない場所へと移動である。
 その為にも自分の能力が役立つだろう……それは意識を失った人間を人形に変えて操るユーベルコード。

「あなたもわたしのお友達になって!とシエナは特性のおまじないをお友達候補にかけます」

 《友達作りのおまじない》が発動、すると黄金と化した生徒達……つまり正気を保っていない存在には効果があったようで、飾られていたオブリビオンのコレクションがシエナの指示の通り戦闘領域から離脱する。
 その様子に笑顔を浮かべ、残った時間停止状態の生徒達も助けようとする……が、それがオブリビオンの怒りに触れたのだ。

「これくしょんニ! ナニヲ! シテイル!!」

 怒り狂ったオブリビオンは巨大な右腕をシエナ目掛けて振り下ろす、シエナに出来る事は運ぼうとしていた生徒を投げ飛ばし、攻撃に巻き込まれないようにするだけだった。
 直撃……するはずであった。

「あ、あぶなかったですぅ!」

 シエナを助けたのは彼女と知り合いでもあったテフラ・カルデラである。
 テフラもまたシエナと同様、全身が裸同然の危険な恰好であったが、上手くシエナを突き飛ばし、自らもギリギリ回避するという見事な行動で助けに入ったのだ。

「ありがとうございます、とシエナはテフラに感謝を伝えます」
「えへへ、でも……まだちょっと危ないですね」

 二人は怒りのオブリビオンの前にして、戦闘の構えを……とらない。
 怒りのまま動くオブリビオンは二人に向かって突撃するではないか、その車線には先ほど時間を停止した女生徒が……。
 そう、意識と感覚が残っているという事は……【痛覚】があるという事なのだ。
 ふたりは決意を込めた瞳で見つめ合うと、同時に動き始める。

「お友達の皆さん! 出口に向かって走ってください! とシエナはお願いします!」
「こっちですよぉ! 鬼さんこちらですぅ!」

 二人は同じ方向に走り始める、その間にシエナは黄金と化してしまった生徒達を出口へと避難させ、テフラは大きく声を出し《ウィザード・ミサイル》で攻撃する事によりオブリビオンの矛先を確実に自分たちへと向けた。
 その効果は抜群で、直撃する炎の矢にオブリビオンは二人を追って向きを変える、つまり轢かれそうになった女生徒は助かったのだ。
 しかし、二人の逃げた方向は出口からもっとも遠い場所で、行き止まりに近い場所……こうなっては装備もボロボロの二人に出来る事は無く……。

「カワリニ オマエタチヲ これくしょんニ シテヤル!」

 オブリビオンの剛腕は二人に命中、そのまま握りつぶさんと強大な圧力を加えるのだ。
 二人はオブリビオンの掌の中で抱き合う様に必死に痛みに耐える、しかしスライムとガスによって火照り、鋭敏化した身体は痛みだけでなく別の感覚も送り込んでくるのだ。
 それは二人の意識を奪う為のオブリビオンの罠、痛みともう一つの感覚により、意識を手放させる事で時間停止の魔術が有効になるようにと、施された策略である。

「~~~~~~~~~~っ♪し、しらない、感覚に……シエナは変に、なりま、す♪」
「ふぁぁぁ~~~~~~~っ♪ こ、こんなの……だめですぅ♪」

 お互い抱き合う様に必至に耐えたものの……同時に意識を失うシエナとテフラ。
 その様子を確認したオブリビオンは宝玉の力を発動。
 二人は感覚を維持したまま停止してしまうのだ……その姿はほぼ裸のまま抱き合う何処か神聖なモノだ。
 この光景に歓喜を浮かべたのはオブリビオンである、黄金像は猟兵達が入ってきた場所にすでに存在していたため、すぐにはとり返せない。
 よって、二人に対し今一度刺激を与え、黄金で出来た台座に乗せたのだ。
 乗せられたテフラとシエナは抱き合ったまま次第に全身を黄金へと変えられていく……そして出来上がった黄金像は神聖で、どこか淫靡な物となったのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アイル・コーウィン
今となっては永遠のお宝より、私の身体の方が心配だわ。
少し落ち着いてきたとはいえ、全身マッサージのせいで凄い敏感で芯から熱くて……でも、それでもオブリビオンは倒さなきゃよね。

今の私では素早く動けないから、ここは「錬成カミヤドリ」を使うわ。
本体である硬貨を複数枚に複製して、相手へと飛ばして攻撃よ!

って、私の硬貨達と合体した!?
何で……まさか、硬貨も貨幣の内だから?
というか、何で物足りなさそうな雰囲気でこっちに来るの?

待って、確かに私は硬貨のヤドリガミだけど、別に肉体は硬貨じゃないわよ!?
というか今はマズ……いや、無理無理、絶対に無理だから、ちょ、駄目っ……にゃあああっ!?


アルテミス・カリスト
久遠翔さんと行動

「あ、あなたがこの迷宮の主ですねっ!
よ、よくもこの正義の騎士アルテミスに恥をかかせてくれましたねっ!」

この迷宮の主だったら、さっきまでの恥ずかしい映像とかを撮影して保存しているに違いありません!
皆さんの前で再生されたりする前に倒さなくては!(フラグ)

乱れまくったメイド服のまま【聖なる大剣】で攻撃しようとします。

が、攻撃した瞬間にゴーレムからガスが吹き出し、また身体が熱くなり。
フルスチームグラップルによって翔さんと二人で恥ずかしい格好に固められて……
意識が朦朧としたところに時間停止を受けて恥ずかしい格好のまま動けなくされてしまうのでした。

「だ、だめっ、見ないでくださいっ!」


久遠・翔
アルテミスさんと参加

…あれ?

確かここの罠仕掛けたのは奴っすよね…で、その大元なら…
いけない!アルテミスさん戻るっす!(間に合わない)

くっ…こうなったら動きでかく乱を…?(服の内部が蠢きだす)
こ、ここで活性化!?あっ、そうかボスが指示…を!?(服に引っ張られて吹っ飛びアルテミスさんと一緒に捕まる)
ん、んぶぅ!?(顔が純白の布に塞がれ、息苦しい状態に)

しかも、濃厚なガスにとろとろに溶かされながらも最後の意地でスティール発動して宝玉奪うっす!

…あれ?う、奪ったけど体が…動かない?(時間停止して)
しかも、宝玉以外に柔らかいもの掴んでいるんっすけど…?

ひぁっ!?あ、アルテミスさんそ、そんな事らめぇー!?



●くっころ! メイド剣士とメイドシーフと水着猫耳シーフと時間停止

「あ、あなたがこの迷宮の主ですねっ! よ、よくもこの正義の騎士アルテミスに恥をかかせてくれましたねっ!」

 正々堂々と剣を構え、しかし羞恥と怒りで顔を赤くする存在がここに。
 彼女の名前はアルテミス・カリスト、美しい金髪を風になびかせる騎士である……もっとも現在はどこか乱れたミニスカメイドを着こなしているが。

「今となっては永遠のお宝より、私の身体の方が心配だわ」

 どこかくたりと疲れた表情でダガーを構える猫耳と尻尾が特徴的なシーフはアイル・コーウィン。
 迷宮の策謀により黒ビキニというメイド服動揺に場所間違えていますよ? な装備で不安げにオブリビオンを見ている。

「な、なんとかするしかないっすね」

 こちらもダガーを構えるのは灰色の長髪を纏めたシーフ、久遠・翔である。
 アルテミスと同じようにミニスカメイド服を着せられ、羞恥と興奮で頬に朱をさしていた。

 そんな三人はオブリビオンへと戦いを挑む、相手はほぼ無傷。
 しかし戦場である庭園に飾られてた生徒達は少なくなり、かなり戦いやすくなっていた。

「今こそ、聖騎士としての力を解放する時!」

 三人の中でまず動いたのはアルテミス、彼女は両手で構えた剣に誓いを籠め、聖なる力を解放するのだ。
 解放された力はオブリビオンを攻撃する事に特化した巨大な剣となるのだ。

「行きます! 迷宮内の映像なんか録画されてたら大変だから! 流出前に速攻です!!」

 アイルと翔が止め一歩前、アルテミスはすでにオブリビオンに向けて大跳躍!
 聖剣を大きく振りかざし、一刀両断の構えに移っていた。

「いけない! アルテミスさん戻るっす!」
「ふぇ? 翔さん?」

 次いでアルテミスを追って駆けたのは翔、迷宮の力の源がオブリビオンであると考えたメイドシーフは姿勢を低く、全速力でアルテミスに届けと走る。
 その声は届いた、しかし、それは、まさしく、一歩遅かったのだ。

「きゃぁーー!? またあのガスですかー!?」

 翔の言葉が届き、アルテミスが剣を一度止めた瞬間にオブリビオンの宝玉から高濃度の桃色のガスが噴出されたのだ。
 そのガスは一瞬でアルテミスを包み込み、瞬時に芯から火照らせる魔性の熱病を煩わせる。

「あぁ!? え、援護するね!」

 その状況に対応したのはアイル、先ほどの迷宮で全身を揉みほぐされた結果、普段のように高速での戦闘に精彩を欠いていると判断。
 後衛での援護に回っていたのだ。
 アイルが放つのは古びた硬貨、《錬成カミヤドリ》で生み出した自らを模したコインを十数個、弾幕として発射する。
 放たれたコインは高速でオブリビオンの装甲を穿……たなかった。

「って、私の硬貨達と合体した!? 何で……まさか、硬貨も貨幣の内だから?」

 逆にオブリビオンが巨大化、更に強化された右腕でアルテミスをがっちりとホールドするのだ。
 さすがに危険と翔が肉薄、アルテミスを救出しようとするのだが……。

「これくしょんノ ジャマハ サセナイ」

 オブリビオンは翔の攻撃を受けながら背部格納庫を展開、小型のゴーレムを十体出撃させたのだ。
 小型ゴーレムは翔に殺到、シーフならではの素早さで回避に成功するもアルテミスからは離れてしまう。

「くっ……こうなったら動きでかく乱して救出を……っ!?」

 なんとか隙を見つけて拘束を解除させなければ……翔が思考を走らせたとき、モゾリ……と大きな翔の胸を擽る感覚が生まれた。
 その感覚の根源は……スライムだ。
 スライムは主人であるオブリビオンのサポートに翔の動きを鈍らせる為、再び蠢き始める。

「こ、ここで活性化!? あっ、そうかボスが指示…を!?」
「久遠さん!?」

 その隙は大きすぎた、そして動きが止まった翔を心配したアイルもまた隙を晒してしまう。
 アイルは先ほどのマッサージ地獄により、腰砕け状態になっており、素早く回避できなかったのだ。
 そんな二人を前に狡猾なオブリビオンが動かないわけがない、二人を捉えるべく強化された右腕が振るわれ、アイルと翔はアルテミスと共に握られた。

「だ、だめっ、見ないでくださいっ!」
「ん、んぶぅ!?」
「今はマズ……いや、無理無理、絶対に無理!?」

 三人は腕の中で肉体を絡ませ合い、お互いの柔らかにより感度を高められる。
 更に追い打ちとしてオブリビオンの掌に高濃度のガスが大量に吹き付けられるのだ。
 呼吸により多量に吸い込んでしまうアルテミスとアイル、幸い翔だけは顔に乗る形で現れた清楚な白い布切れによって二人よりはマシな状態に。
 アルテミスとアイルは完全に目が蕩け、行きも荒くなる……そんな状態で絡み合えば快感は何十倍にもなってしまい……。

「ふぁぁ♪ こ、んな……こと、れぇ♪」
「ふにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~っ♪」

 稲妻に撃たれたように全身を痺れさせるアルテミスとアイル、二人は甘い電撃により意識を手放してしまうのだった。
 そんな二人に続き、意識を手放しそうになる翔……しかし、盗賊として最後の意地を見せようとする。
 翔が両手を必死に突き出し、ユーベルコードを解き放つのと同時、三人に時間停止の宝玉の魔力が襲い掛かった。

「ヤハリ イタミヨリモ コチラノホウガ ベンリナノカ? これくしょんカンリョウダ」
「す、べて……うばい、んんっ♪ ひぁっ!? あ、アルテミスさんそ、そんな事らめぇー!?」

 時間停止の寸前、翔は両手で柔らかな果実を揉みしだいてしまう……そのお返しとばかりにアルテミスの顔が翔の敏感な場所に直撃し甘い絶叫と共に意識を手放してしまった。
 だが、翔は最後の最後に一泡吹かせる事に成功する。
 放たれたユーベルコードの名は《スティール》発動と同時に翔の陰から手が伸び、オブリビオンの宝玉を奪い去る。
 奪われた宝形は翔の手によって庭園内の何処かに転移、紛失してしまった。

「コシャクナ マネヲ…… これくしょんダカラコワセナイ ダガ コノクツジョクハ クツジョクデ カエスゾ」

 オブリビオンは戦闘終了後にゆっくり宝玉を探索すれば良いと判断、一時紛失したまま戦闘を続ける事を決意する。
 だが、宝玉紛失という極大の屈辱を受けたオブリビオンは小型ゴーレムに命じ三人に屈辱的なポーズをとらせる復讐に出たのだ。
 そのポーズとは……大きく足を開いたブリッジ、右足が天高く上がったY字バランス、媚びる犬のような蹲踞からのわんわんポーズだ。

「ヤハリ コノシュホウダト カオガトロケルナ コノママデモ クツジョクダロウガ」

 屈辱ポーズを取らされた三人、二人のミニスカメイドと一人の黒ミニビキニシーフ。
 更にオブリビオンは屈辱を与えるため、三人の腹部にある映像を投影するのだ。
 その映像は迷宮に挑戦したばかりの普段の表情……その表情のギャップで屈辱感を増加させる企みなのだ。

(こ、こんな格好……み、見ないでください……)
(なんでこんな格好をさせられるっすかぁ……)
(いやぁ!? こんな格好絶対ダメぇ!?)

 人質代わりの行方不明になった生徒達と宝玉を失ったオブリビオンは、三人を台座に収めると残りの猟兵達もコレクションに加えるべく動き出す。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ミラ・グリンネル
【恋華荘】で参加
迷宮は手強かったデスネ。思わずミラも本気を出すしか無かったデス。
イチゴを見ながら乱れたコスプレ服を直しマス。ミラが艶々しているのは気のせいデス。お陰でミラの身体にはパワーが漲ってますヨ!(意味深

永遠は無かったのですネ。
でも時間停止はそんな珍しくないですよネ?
ミラ、友達の家で見たことありますヨ。
慌てて隠されましたケド、女の子だけ時間止まるやつデス。違うですカ?

本気の戦闘バトルの始まりですネ?
ナース服で戦ったことないですガ、きっと大丈夫ですよネ。
皆と連携して【ファイアフォックス】で焼き尽くすデス。
ミラもやる時はきちんとやるのデス。お色気担当ではないのですヨ!


ルネ・アッシュフォード
【恋華荘】で参加
●プレイング
中々手強い迷宮だったね…うん。と思いつつ乱れた服を治すよ
え?なんで、乱れてるって?禁則事項です。やけに艶々してるのも気のせいです。

でもお姉ちゃん絶好調だから頑張っちゃうよ!

時を止める、それが永遠か…確かにそうかもしれないけど、私はそんなのは嫌だなって、ミラちゃん?!それは未成年の子もいるから言っちゃダメ!?

と、ともかく、皆と連携しながら【フォックスファイア】で牽制を入れつつ、隙を見て関節部位を刀で切りつけたり、技能の残像で攪乱したりしていくよ。

あ、いちごちゃん触手使ってる…よく暴走してるイメージだけど今回は大丈夫よね?(フラグ)って、あれなんかこっちにもきてるね…?


高原・美弥子
【恋華荘】
う、うぅ……いちごの顔を気まずくてマトモに見れないよ。
顔真っ赤にして乱れた服装を直しつつ、ちらちらといちごのこと気にしつつ、でも直視できない。

それを永遠と言うなら、せめて意識も止めるか狂わないよう保護しようよ。発狂するならそれは永遠じゃないよ!

このミミックロボット相手だと何時もの炎は微妙そうだし、たまには【妖剣解放】で戦うよ!
敵の周囲をぐるぐると高速移動しながら腕の間接部を妖刀と鉄塊剣の二刀流で斬りかかったり、斬撃による衝撃波をぶっ放したりするよ!

あ、いちごのこの呪文は……はい、やっぱり暴走する触手だねー。
あ、あはは、ウェディングドレスの花嫁狐の触手プレイって難易度高いなー(遠い目)


彩波・いちご
【恋華荘】で一緒に行動

今回は本当に酷い迷宮でした…
なんだかツヤツヤしてる冬香さんルネさんミラさんの後を、赤面して気まずい感じでついていきます
時々傍らの美弥子さんと視線あったりしてますます気まずく
乱れた服装については気にしないでください…

「そんな永遠は嫌です。大切な人たちと触れ合えない永遠なんて望みません!」
あとミラさんいったいなんの話を…未成年なんでわかりません

攻撃する皆さんの援護に【異界の抱擁】を召喚
今度は暴走させないように集中して敵を拘束…!
…余った一部が仲間に巻き付いてる気もしますが…
「すみませんー?!」
でも敵も封じてるので今のうちに
私も【フォックスファイア】で追撃します


緋薙・冬香
【恋華荘】
「ふぅ…」(ため息の割には妙にツヤツヤしてる冬香が現れた)
なかなか刺激的な経験だったわ
「何か寿命がたくさん延びた気がするわ!」
よーし、遠慮なく血統覚醒よー!

スカイステッパーで空中ジャンプを繰り返し
相手の注意を引きつつ、隙を伺うわ
いちごの触手でミミックが動きを止めたら
「触手くん、ナイスよ!」
上空からミミックの懐に入り込み
同時にフェアトラークの赤い刃を解放
「切り刻んであげる!」
斬属性攻撃を乗せての、2回攻撃を一気に叩き込むわ

小型ゴーレムにも注意して
いちごや身内を攻撃されたり包囲されたりで
戦況をひっくり返されないように
「たまには淑やかにいかないとね?」
しっかりいちごの周りを守るわよ



●恋華荘といちもの触手

 宝玉を失ったオブリビオンを前にどこか怪しい雰囲気の五人組、迷宮を脱した恋華荘のメンバー五人……。
 その五人の反応は二種類に分かれていた、それは艶々としている者、羞恥に顔を赤くする者。

「迷宮は手強かったデスネ。 思わずミラも本気を出すしか無かったデス」

 艶々系の一人、ミラ・グリンネルは乱れた衣服(ピンクのミニスカナース服)を直している。
 最も、大きな胸を完全に収めよる事は不可能――つまり、どう衣服を直してもセクシーに谷間を晒しているセクシーナースなのだ。
 そんなミラは着替える際にしっとりとした肌……特に健康的なフトモモを軽く撫で、可愛らしく恥ずかしそうにしている白無垢の妖狐にウインクを送っていた。

「中々手強い迷宮だったね……うん」

 もう一人の艶々系、ルネ・アッシュフォードは少し汗ばんだ髪を手櫛で整えながら衣服を整える。
 清楚なエプロンドレスであるが、ルネの見事なボディラインと合わさりエッチなお姉さん的な雰囲気を漂わせている。
 その原因は大きく開いた胸元であろう、その大きな空間には大きく柔らかなお餅が二つ収納され天使の谷間を晒しているのだから。

「ふぅ……何か寿命がたくさん延びた気がするわ!」

 最後の艶々系、モデルでもあるダンピールの緋薙・冬香は何処かうっとりとした仕草で瑞々しいリップを人差し指で撫でている。
 その仕草とエプロン+デニムホットパンツという若妻スタイルは周囲にピンク色な空気を創り出してしまう程である。
 迷宮での出来事を思い出し、腰を左右に淫靡に踊らせる姿はサキュバスと呼ばれても問題ない程の艶気であった。

「う、うぅ……いちごの顔見れないよ」

 こちらは顔を赤くする羞恥組、高原・美弥子は頬を染めちらちらと白無垢の妖狐の様子を伺っているのだ。
 その原因は迷宮での出来事……純白のウェディングドレスを乱した出来事があったのだろう。
 思い出すたびに羞恥が走ってしまう程の美弥子は必至にドレスを直しつつ、おもむろに首筋を撫で……チラリと白無垢の妖狐の表情を伺う。
 そんな可愛らしい仕草を何度もさせた相手は……。

「今回は本当に酷い迷宮でした……」

 一番後ろを歩きながら乱れた白無垢から美しい白磁のような肌をのぞかせる妖狐、彩波・いちごである。
 ダンジョン突入前に比べ、若干疲れた様に見えるのは気のせいだろう、もしくは精神的な問題でもあったのだろうか?
 そんないちごは赤面しながら気まずい空気を纏い、四人とは少し距離を空けて歩いていた。
 時折美弥子が覗く際にいちごも偶然視線を向けてしまい、ばっちりと見つめ合ってしまい、更に気まずい気持ちになるのであった。
 恋華荘の面々にどんな事件が起こったのか……それは本人たちにしか分からぬ事である。

「オマエタチモ ワガコレクションニ」

 もやもやツヤツヤ五人組に向かってオブリビオンが巨大な腕を振りかざし迫る。
 それを察知した恋華荘の五人は合図も不要、まさしく阿吽の呼吸で散開。
 オブリビオンの攻撃を避けると連携した戦いを見せつける。

「永遠は無かったのですネ。 でも時間停止はそんな珍しくないですよネ?」
「時を止める、それが永遠か……確かにそうかもしれないけど、私はそんなのは嫌だなって」

 まず遠距離から牽制に動いたのはミラとルネだ。
 二人は《フォックスファイア》を発動、一人16個、合わせて32個の狐火を創造する。
 生み出された狐火は五月雨のようにオブリビオンに降りかかり、視界と動きを制限するのだ。

「ミラ、友達の家で見たことありますヨ。 慌てて隠されましたケド、女の子だけ時間止まるやつデス。違うですカ?」
「ミラちゃん?! それは未成年の子もいるから言っちゃダメ!?」

 爆弾発言を口出したミラ、その言葉に反応したのは顔を真っ赤に染めたルネであった。
 二人は会話しながらも連携にてオブリビオンを攻め立てる、ルネの生み出した狐火は数を維持したまま豪雨のようにオブリビオンの全身を焼き。
 ミラの狐火はルネの狐火の陰に隠れ、まるで生き物のように動きながらある個所だけを集中的に焼くのだ。

「ナニかマズかったデスか?」
「え、えっと……それは……す、隙ありです!」

 自身の発言を止められたミラは不思議そうな顔でルネに何がまずかったか問うたのだ。
 困ったのはルネであり、その答えは非常にデリケートな問題で、簡単には言えない事実。
 どう答えたモノか……一寸だけ逡巡するも、タイミング良く“時”が来た。
 ルネの炎雨に隠れて集中的にミラが攻め立てたオブリビオンの車輪と胴体を繋げる部分、重要な箇所が脆く、柔らかくなったのである。
 刹那、ルネは灰色の刃を持つ太刀にて一閃。
 ねじれた血管染みた刃紋を持つ刀身は、殆ど抵抗も感じない程の滑らかさで車輪を斬り飛ばしたのだ。
 ルネは残心を残しつつすぐさま離脱、直後ミラの狐火全てが合体、巨大な槍となって車輪を爆破するのであった。

「やりましたねミラさん」
「ハイ! ところで何がダメだったデス?」

 攻撃を続けつつも、普段と変わらぬ二人。
 そんな二人に続く者あり。

「それを永遠と言うなら、せめて意識も止めるか狂わないよう保護しようよ!」
「まったくよね、時間止まっちゃったら声聞けないじゃない」
「そんな永遠は嫌です。大切な人たちと触れ合えない永遠なんて望みません!」

 美弥子と冬香、いちごの三人はオブリビオンの独善的で傲慢な思考に対し答えるように、力を解放する。
 冬香は空中を蹴りながら高速で移動、動きの止まったオブリビオンの視線を独り占めする。
 時折空を、時折地を、時折オブリビオンを――冬香の美脚が蹴り上げ風の如く周囲を舞う。
 その冬香の瞳は《血統覚醒》により血よりも紅い真紅となっており、残像となって紅い軌跡が宙で美しい絵画を描くのだ。
 美しい芸術を描きながらも冬香は戦場を把握し、仲間が小型ゴーレムに襲われそうになれば援護を行う。
 まさにアーティストの如く戦場を華麗に支配した。

「発狂するならそれは永遠じゃないよ!」

 《妖剣解放》により速度を大幅に強化した美弥子はオブリビオンの呼び出した小型ゴーレムを避けながら地を駆ける。
 その速度は迅雷に迫り、空気の破裂音と共に音速の世界へ。
 どんな炎にも負けぬ剣と、妖気を纏った刃、その二刀を手に腕を振り上げたオブリビオンの関節部を攻撃、そのまま地を駆け再び斬撃。
 順手、逆手と刃を器用に操りながら、見事な一撃離脱戦術を魅せる。

「ふんぐるいふんぐるい…、星海の館にて微睡む我が眷属よ!」

 仲間たちとの連携、その中心にいるのは魔性を呼び出す呪文を詠唱する妖狐、いちごである。
 正気を奪うような禍々しい力が収束、詠唱の終わりと共に爆発的に増幅される。
 これが彩波いちごの力、《異界の抱擁》。
 生まれ出るは異界の触手、それはいちごの影より這い出るとオブリビオンと小型ゴーレムを纏めて締め上げるのだ。

「触手くん、ナイスよ!」
「なんだか嫌な予感もするけど、まずは!」

 触手にって攻撃を封じられたオブリビオンに対し冬香と美弥子が同時に動く。
 素早く懐に潜り込んだ冬香、指輪に込められた力を解放し真紅の刃を生成する。

「切り刻んであげる!」

 指輪の銘はフェアトラーク、『契約』の名を冠する光の刃にして、闇に埋もれた罪を摘み取る赤き意志。
 生み出された赤刃は無数の残像伴ってオブリビオンを切り刻む。
 赫い刃の残像、それはまるで血の雨が如く。
 無数の赤き剣でオブリビオンの重要なパイプを切り捨てた。

「てやぁぁ!!」

 その雨を吹き飛ばさんと刃の豪風が吹き荒れる。
 生み出すのは妖狐、美弥子。
 放たれた斬撃は一重が二重、二重が四重、八重、十六重と重ねられ。
 ――キン! と甲高い音共に巨大なオブリビオンの身体が吹き飛ぶ。
 ついにオブリビオンの下半身を打ち砕いたのだ。

「集え、我が眷属!」

 二人の攻撃により完全に動きを止めたオブリビオンを屈服させるように締め上げるのはいちごの召喚した触手だ。
 庭園が砕ける程の圧迫により、金属の身体はひしゃげ、砕け、破壊される。
 まず機能を奪ったのは小型のゴーレム、無数に存在したソレはいちごの触手とオブリビオンの剛体に挟まれ、ぺしゃんことう言葉がふさわしい程に潰されたのだ。
 ついでオブリビオンの外殻を破壊まで行うのである。

「イチゴ! ないすデス!」
「いちごちゃん、今回は暴走しなかったわね」
「たまには淑やかにいかないとね?」
「あたしはまだ嫌な予感がするけどね?」

 いちごの元に集まる恋華荘の面々、ミラはいちごの肩をぽんぽんと叩き、ルネは頭を撫でてくれ、冬香はウインクで祝福してくれる。
 そんな中、普段から暴走癖のある触手に懐疑的な美弥子はまだ完全に安心はしていなかった。
 そして嫌な予感とは得てして的中してしまうものであり。

「あ……」

 いちごを褒めていた面々の胸元に意識を持っていかれたいちごは、僅かな精神の緩みから不幸にも触手を数匹暴走させてしまうのだ。
 暴走する触手の制御を取り戻そうとするも、利かん坊となった触手達はオブリビオンを放っていつもの如く恋華荘の女性陣に迫る。

「イチゴのしょくしゅデス!?」
「いちごちゃん!?」
「最後までお淑やかでいたかったわね」
「はい、やっぱり暴走する触手だねー!?」
「す、すみませんー?!」

 戦闘によって火照った女の身体に絡みつく触手達。
 ぬめる触腕で瑞々しい女体を弄り、敏感な箇所を擽る、そのたびに甘い痺れが全身に走るのだ。
 散々迷宮によって高ぶらされた身体は普段よりも鋭敏に反応を返してしまい、ある者は弓なりに背を反らし、ある者は大きく両足を開いた羞恥のポーズを取らされる。
 それでも触手は蠢きを止めない、二匹、三匹、四匹……絡みつく触手が増えるたびに女の悦びを強制的に刻まれ続ける。

「そ、そこ……ダメ、デス~~~~っ♪」
「ふぁぁ♪ や、やぁ……こんな姿、みない……でぇ♪」
「す、すご……♪ キちゃう、かも♪」
「こ、こっちみるなーーー! ひゃぁん♪ だ、だめぇ♪」
「な、なんとかしない……なんでーー!?」

 繰り返される淫虐の宴、細い触手はテクニカルに果実を弄び、時折硬くなった場所を縛り上げ締め付ける。
 大きな触手はヌメリを敏感な場所に塗り付けるように動き、その摩擦で淫熱の虜とするのだ。
 暴走した触手は止まらない……何度も、何度も、意識を手放そうと繰り返し悦楽の極みを与えてくる。
 身体に教え込むように、刻み付けるように……こうして庭園には甘い声が幾重にも重なる甘美な合唱が響き渡ることになったのだ。
 その合掌が終わる頃には、疲れ切った顔でありながら、どこかトロけた顔をしたヌルヌルのコスプレイヤーが横たわっていたのでした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ソナタ・アーティライエ
(静かな怒り)
おおよそ理解しがたい、そして許しがたい所業ですね
止められた皆様を助けるためにも、ここであなたを倒させて頂きます


皆様、ここまでの迷宮でかなり消耗されているご様子
ですので、ここは皆様の態勢が整うまでの時間を稼ぐように動いたいと思います
打ち倒す術は得意では無いわたしですけれど、守る術なら……
どのような攻撃でも【ミレナリオ・リフレクション】で完璧に防いでみせます!

皆様が攻勢になりましたら、わたしは後ろに下がって【シンフォニック・キュア】や【生まれながらの光】で支援に入りますね

アマデウスには始めはヴァイオリンに、下がってからはフルートに、とお願いします


それにしても不思議な迷宮でした……


ルナ・ステラ
(ローブ着用継続)
ガスのせいでまだ変な感じがしますが、
ライオンさんも少し良くなってきたので次に進みます


この状況は!?
ひどいです!助けないと!


なぜか、さっきから宝玉を見るとざわざわするにゃ...
(首をぶんぶん振って)
集中して詠唱するにゃ!
「お星にゃんたちわたしに―」
(もう、我慢できないにゃあ!危険だけどあの宝玉追いかけたいにゃ!)

にゃう!掴まれちゃいましたにゃ
「苦しい...放してにゃー」
(にゃっ!?妙な痺れが!!)
「にゃぁああん!強く掴んじゃいやにゃあ...」(涙目)

―するり
にゃ?もうだめかと思ったら猫のように体が柔らかくなって、抜け出せたにゃ!

覚悟するにゃ!今度こそ集中して全力でいくにゃ!



●猫魔導士と歌姫、オブリビオンの最後

 下半身を失ってなおオブリビオンは戦う事を止めない、欲望のままに、独善的に、ただひたすらに突き進む。
 そんな終われな存在の前に立ちはだかったのが二人の猟兵、ソナタ・アーティライエとルナ・ステラ。

「おおよそ理解しがたい、そして許しがたい所業ですね」
「皆を助けるにゃ!」

 ソナタは静かな怒りを胸に、強い瞳をオブリビオンに向ける。
 猫耳ローブを着こなすルナはローブの呪いで猫のような喋り方になっている、がオブリビオンと戦う意思は砕けていない。
 そんな二人を視界に捉えたゴーレムはボロボロながらも巨大な腕で殴りつけるように攻撃を開始した。

「止められた皆様を助けるためにも、ここであなたを倒させて頂きます」

 その攻撃に対しソナタがとった行動、それは疑似的にオブリビオンと同じ存在を創り出し、攻撃を相殺させる魔技であった。
 《ミレナリオ・リフレクション》、戦闘をつぶさに観察していたソナタはオブリビオンの攻撃行動を予測、鏡像の如く魔力で構成された疑似オブリビオンに同じ行動をとらせたのだ。
 ぶつかり合う巨大な腕と腕、大質量同士のぶつかり合いに相応しい轟音と衝撃が庭園を揺さぶり続ける。
 その間にルナは意識を集中、トドメの巨大魔術を唱えるのだ。

「お星にゃんたちわたしに―」

 それは煌々と煌めく星々を呼び出す究極の魔術、発動すればオブリビオンもただでは済まない必殺の魔術。
 止めようにもソナタが完璧にオブリビオンの行動を封じている――戦闘はここまで……そう思った瞬間。
 ころころころ……大質量同士の衝撃によって紛失されていた宝玉がコロコロと転がり出てきたのだ。
 宝玉はルナの前を横切って移動する、ハプニングがあっても普段のルナであれば呪文を詠唱出来ていただろう。
 しかし、現在のルナにとって別であった……。

(ま、前から宝玉を見るとざわざわしてたにゃ……がまんにゃ、がまんにゃ……)

 猫としての本能を植え付けられた呪い、フードによる枷が発動してしまう。
 それでも呪文を紡ぐルナであった、が……いつしか視線はオブリビオンではなく宝玉へと注がれるようになるのだ。
 ルナの視線を浴びた宝玉はコロコロ、コロコロと衝撃で床が揺れるたびに方向を転換、誘う様に転がり……。

(もう、我慢できないにゃあ! 危険だけどあの宝玉追いかけたいにゃ!)

 ルナはついに猫の本能に敗北、詠唱を中断し、まさしく猫の如く宝玉を追いかけ、ぺちぺちと可愛らしい猫パンチをお見舞いするのだった。

「ステラ様! 危ないです!」

 ソナタも急に四足で尻尾を揺らしながら駆けたルナに戸惑い、必死に声をかける。
 が、その言葉がルナを正気に戻らせるには遅かった、オブリビオンはハッと正気に戻ったルナを巨大な腕で掴んだ後だったのだから。

「ツカマエタゾ!」
「ふにゃぁぁ!? く、苦しい……はなして、にゃぁ……」

 ギリギリと巨大な腕でルナを潰さんとするオブリビオン、鋼鉄の掌が痛々しく少女の身体を圧迫する。
 脱出しようと足掻くルナ、だがオブリビオンの力は強大で、幼い魔術師の力では対抗できない。

「にゃぁああん! 強く掴んじゃいやにゃあ……」

 ジンジンと身体が痺れ頭が真っ白になる、苦しさに涙が溢れ、声もどんどん力が無くなっていく。
 このまま潰されてしまうのだろうか、自分も生徒たちのように時間を停止されてしまうのだろうか……。
 ルナが不安と痛みに負けかけたその時、心の奥でにゃぁと猫の声が聞こえたような気がした。

(ねこ……そう、ねこ、ならこんな時でも……だっしゅつ、できるかもしれにゃい……)

 僅かな思考の変化、その瞬間――ルナの着ていた猫耳ローブが光り輝いたのだ。
 光は暖かな魔力となってルナを包み込み、身体に変化を起こす。
 その変化をルナは本能で感じ取ったのだ!

「にゃ、にゃぁーーー!!」

 ――するり、細い穴を抜ける猫の如く、握りつぶそうとする掌の僅かな隙間……ルナ一人分もない僅かな隙間を抜け出すのは猫の力を得たルナである。
 尻尾はピンと立ち、猫耳も警戒するがごとく立てたルナは素早く脱出すると、俊敏な四足歩行で庭園を駆け抜けた!

「バ、バカナ……!?」

 驚愕の事態に停止してしまうオブリビオン、必死に猫ルナの後を追撃するも……。

「絶対に、ステラ様には触れさせません!」

 ソナタが再び立ちはだかった、下半身を砕かれ機動性を失ったオブリビオンにはソナタを迂回する事は出来ない……。
 で、あるならば猟兵の魔力が尽きるまで攻撃し続けるだけだ!

「ジャマナ ヤツメ! オトナシクこれくしょんニナレ!!」

 燃え尽きる寸前の蝋燭は大きな炎を生み出す、その言葉のようにオブリビオンはソナタに対し全力で腕を振るった。
 それだけではない、数は少ないが小型のゴレームも射出、ソナタを包囲しようと画策する。
 更に自身の身体と転がっていた宝玉を完全に同化、腕が二倍に巨大化したではないか。
 圧倒的な質量・リーチ・速度・攻撃範囲……ソナタ一人には過剰すぎる攻撃である。

「アーティライエさん逃げるにゃ!!」

 悲痛な叫びをあげるルナ、だがその言葉にソナタは微笑みながらこう返すのだ

「大丈夫です、だから……ステラさん、攻撃お願いします」

 強い意志が込められた言葉、自分の身を犠牲にするのか……そう考えてもおかしくない状況だがソナタは違った。
 強大な力、それも全て返すのだ――強い意志が未来を呼び寄せる事になる。

「アマデウス、サポートをお願いします」

 その言葉と共にソナタの美しい髪が淡く光を纏う、同時に光の音符が庭園に舞い踊るように現れたのだ。
 幻想的な光景、それと共にお付きの銀竜が華麗な音色を奏でる。
 その音色は弦楽器……ヴァイオリンの音色だ。
 深く、清廉な音色と共にソナタは小さな口を開き、奏で始める。
 魔力で編まれた奏演、普段はピアノと演奏されるヴァイオリンソナタを銀竜と少女が奏で上げる。

「どのような攻撃も、防ぎきって見せます」
「わかったにゃ! おまかせしますにゃ!」

 音符が躍る庭園に、ヴァイオリンソナタ第40番 変ロ長調が響き渡る。
 美しい音色はオブリビオンの攻撃音を無音とし、繰り出される攻撃同士のぶつかりもダンスと思わせる。
 華麗な演劇は終わることなく続く、オブリビオンの腕と幻鏡の腕が交差、ぶつかり止まり、小型ゴーレムと幻鏡の小型ゴーレムが組み合い止まる。
 幻想的な光景は終わらない……。

「グヌ……ヌアアアアアアアア!!!」
「お星さんたちわたしに力を!」


 オブリビオンが何度も攻勢にでる、それを鏡は割れる事無く受け返す。
 弦楽器の音色が庭園に響き、ソナタの歌声が光となってオブリビオンの虚像を創り出す。
 その音色と歌に乗せてルナの可愛らしい声が呪文を唱えるのだ。
 詠唱に合わせ生まれ出る複雑な魔法陣、星の光のようにきらめくそれは、膨大な猫魔導士の魔力を受けて輝きを増していく。

「ヤメロ! ヤメロオオオオオオ!!」
「攻撃は届かせません!」

 オブリビオンの腕が稼働限界を超え、崩壊し始める。
 それでも攻撃は嵐の如く続き、それを受けるソナタの虚像も嵐の如く同じ攻撃で防ぎ続ける。
 アマデウスの演奏はまだ続く、ソナタは一人で戦っているのではない。
 大切なパートナーと、猫耳フードの仲間がいるのだから。

「悪しきものに降り注げ! シューティングスター!」

 オブリビオンの終わる事のない攻撃、それを受けていたソナタ。
 その戦いは最後を迎える、ヴァイオリンの演奏の終わりと共に紡がれたルナの呪文の完成によって。
 紡がれた呪文は《シューティングスター》、通常のウィザードミサイルとは格が違うある物を呼び出し相手にぶつける必殺の魔術である。
 その物とは……。

「バカナ!? リュウセイ……ダト!?」
「いくにゃーーーーーー!!」

 魔法陣が解放され、止めこまれた魔力が解き放たれる!
 膨大な魔力は現実を改竄、煌々と輝く流星をオブリビオンの頭上に呼び寄せるのだ。
 その数100!
 灼熱と衝撃を纏った流星は動けないオブリビオンの身体を貫き、焼き尽す。
 その衝撃は庭園を、迷宮を打ち揺るがし、悪しき災魔を消滅させたのだ。

「お、おわった……かにゃ?」
「みたい、ですね……」

 巨大なクレーターとなったオブリビオン、宝玉も砕け散り、停止された時間も動き始めたようだ。
 周囲では生徒達がへたり込み、黄金となった者たちも回復していく。
 災魔と宝玉の二つを破壊した証拠である! 猟兵達の勝利だ!

「やったにゃ!」
「はい!」

 ルナとソナタの二人は可愛らしくハイタッチすると、後始末に動き出す。
 生徒達や猟兵達の治療、襲ってくる敵は居ないかと警戒。
 そのすべてを終えれば無事に帰還することになるだろう。

(それにしても不思議な迷宮でした……)

 癒しの力で人々を癒すソナタは迷宮を思い出す、もうこんな迷宮は生まれないことを祈って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月13日


挿絵イラスト