冬の訪れ、駆け回る猫
●
蒸気魔法世界、アルダワの一地方で雪が降った。
「にゃー!」「雪だにゃー!」
村にいた住民達は諸手を挙げて降り行く雪を歓迎し、あっという間に積もった雪で遊び始める。
「珍しいですね、こんな辺境に雪が降るなんて」「せっかくだから雪だるま作りましょうか~」
住民のお手伝いに来ていた人間達も、猫耳のふわふわしたフードのついた防寒コートを着こなして白銀の世界に出かける。
しかし、雪はどんどん強くなっていった。
最後には帰る家も分からなくなるほど真っ白な視界となり、吹雪に閉ざされた村はあっという間に住民達を凍えさせ、凍らせていく。
「……ああ……いっぱい凍ったねぇ……」
そこに一人の人影が現れる。
彼女は黒いもこもこのフード付きコートをしっかり着込んだ、災魔である。
「……猫ばっかりだけど……ああ……収穫もあった……いいなぁ……こういうのも……」
災魔はひどく籠ったにおいの唾液を垂らしながら、人間達に一人一人抱き着いた。
「もこもこ……もふもふ……」
●
「冬だよ。冬が来たよ。」
ポーラリア・ベル(冬告精・f06947)がグリモアベースに集まった猟兵達に告げる。
「それと一緒に、冬っぽいオブリビオンが色々と出てきたから、みんなに対峙してもらって、平和な冬を過ごしてもらいたいの。」
今回はね、とポーラリアが映像を展開する。
場所はアルダワ。
南方に位置するケットシーだらけの「猫の国」。
この地に大雪が降った。
予知で見たというこの村は地形の都合上、滅多に雪が降らないらしく、雪を見た|ケットシー《猫》達は大はしゃぎ。
しかし、どうも雪はこの世界のオブリビオン『災魔』の仕業であったらしく、雪は時間と共に激しさを極め、ケットシー達を凍らせていくのだそう。
「災魔さんを追い払って、永久冬眠の危機を救って欲しいの!でもね」
ケットシー達はこの機会にと雪で沢山遊びたい状態。
恐らくはまともに避難を促しても強くこの場を離れないだろう。
「だから、押すより引いてみる作戦で行って欲しいの。災魔さんが来るまでは時間があるから……ケットシー達にめいいっぱい雪遊びを!ね!」
沢山遊べば、満足してケットシー達は(主に遊び疲れて)家に入ってくれる、との事。
「ひんやりさむさむ、11月だけどすぐに12月。初めての雪を、みんなで一緒に遊んでくれないかしら!そして寒すぎな災魔さんも、バッチリ倒してくれると嬉しいわ!」
そう言ってポーラリアはグリモアのベルを鳴らし、猟兵達を転送していく。
場所はアルダワ、いち早く白銀の世界となった、猫たちの村へと。
古塔
古塔と申します。宜しくお願いします。
目的:災魔を倒す。
●状況
蒸気魔法世界アルダワの南方、『猫の国』の一集落の村が舞台です。
二足歩行する猫の妖精『ケットシー』が住民として生活しています。
(また、彼らとの異種族交流として、魔法学園から人間も数人います)
この村は現在、局地的な大雪が降っており、雪国の様になっています。
寒さに敏感な彼らは手早く冬支度を済ませており、各々がもこもこふっくらな防寒着に身を纏い、現在は雪遊びを満喫しています。
このまま夢中になっていると、やがて訪れる災魔に村ごと凍らされ、村は永遠の雪で埋もれ続け、最悪この世界の地図から消えてしまいます。
防いでください。
●1章
遊びたがりで珍しい雪に大はしゃぎのケットシーは、どうあがいても避難や保護を受け入れません。
折角なので、一緒に雪遊びをしましょう!
村といえど結構広いです。雪だるまを作るもよし、その辺の雪の丘で滑るもよし、雪合戦も勿論可能です。
十分遊んだら、住民達は指示に従います。
●2章
大雪を降らせた元凶の災魔と戦います。
防寒着を着こみながら凍り続けている彼女は、氷と臭いがとても大好き。
どうやら凍った人間の臭い(それも猫にまみれた人間の臭い)を嗅ぎたくて騒ぎを起こしたようです。
倒し、この地を雪に埋もれさせるのを防ぎましょう。
それでは、もし宜しければ。
第1章 日常
『雪で遊ぼう!』
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POW : 特大雪だるま、雪像、かまくら、大物も細工物もお手のもの!(遊び方は一例です)
SPD : スキー、スノーボード、早さを活かしたウインタースポーツ!(遊び方は一例です)
WIZ : 雪合戦や、雪面へのお絵かき、雪に埋めるアイスキャンディー、雪活用法あれこれ。(遊び方は一例です)
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
尾守・夜野
遊んでる最中はガキの姿してる
「おぅおぅここらで積もってるって話にゃ聞いたがすげぇあんな
ちと、俺も混ぜちゃくれんかね」
個人的にゃ暑いより寒いほうが過ごしやすいので結構遊ぶの楽しみにしてる
最後に遊んだのいつぶりかねぇ?
…うん。これは逃げ遅れた時に駆け込めるように作ってるだけだし
ってぇ訳で、かまくら建築
装飾が凝ってる?
上に滑り台がある?
…気のせいだろ
作成中に流れ雪玉被弾して雪合戦に発展後、かまくらで皆して餅を焼いたりして食うぞ
手が冷たくなくなってから、渡す時に防寒着やらもふもふに触れちゃってるのも気のせい気のせい…
めっちゃ冬満喫して敵完全に忘れてるぞ
ちょっと激しくなってきた雪見て思い出して指示するぞ
●
一面雪景色、真っ白な世界に、ふわふわと雪が今も絶えず降っている。
息を吐けば当然の様に白くなる冬の猫の村にて。
「おぅおぅここらで積もってるって話にゃ聞いたがすげぇあんな。」
獣耳を生やし、衣服の内側に包帯を巻いた10歳程度の男の子がやって来た。
彼の名は尾守・夜野(自称バブ悪霊な犬神と金蚕蠱モドキ混合物・f05352)。
「ちと、俺も混ぜちゃくれんかね」
「うにゃー!」「お客さんだにゃー?」
とふとふと雪に足跡を残しながらケットシーがやってくる。
「あ?俺は傭兵だよ。この後吹雪いてもっと凍えんだぜ。」
「もっと雪が降るのかにゃー!」
「今のうちにでかい雪だるま作るにゃー!」
きゃっきゃと嬉しそうにして夜野は手を引かれるが、ケットシーを撫でながらそれを止める。
もっふりふわっとした防寒フードの感覚が手に伝わる。冷たいが、暖かい。
「遊ぶ前にお前らの避難経路作っとかなきゃあならねえからな。ちょっと待ってな。」
そう言って夜野は、その辺の家からスコップを借り、巨大な雪の塊を作り出す。
十分に固めて、中を掘り、立派なかまくらを建築した。
「…うん。これは逃げ遅れた時に駆け込めるように作ってるだけだし」
一息ついて汗をかいた夜野は、どこか満足気。
だがこれだけでは終わらない。
「おらっさっき雪だるま作りてぇとか言ってた猫」
「うにゃー!もう頭の部分ここまで転がしたにゃ!」
「頭から作ってんのかよ。そいつも乗せるぜ。あと手伝いな。」
巨大な雪玉を見せつける猫達にも、このかまくらに更に雪を乗せる手伝いを促した。
そうして完成した巨大でゴージャスなかまくら。
上には雪の装飾に、雪で作られたマフラーを撒いた雪だるまの頭が乗せられている。
頭の隣にはかまくらの上から一気に滑り降りれる立派な雪の滑り台が、雪製の階段と手すり付きで供えられている。
凝っている。
「すごいですにゃー!雪職人さんですかにゃ?」
「猟兵ならこれくらい普通だろ。お前らいざという時に逃げ込ませるための奴だからな。」
「避難場所にしては滑り台があったり楽しそうな場所ですにゃ?」
「…気のせいだろ。ああちょっと待て、仕上げするから一旦ここから離れろ。」
そう言って夜野はかまくらの中に入り。
「『現と幻想をさまよえるものよ、死と再生の象徴よ。かの神に連なるモノよ。来たりて禍福となせ。焔の如く舞うがいい。』っと。」
ユーベルコード『炎々蝶堕』で炎の蝶を生み出すと、かまくらの天井付近を飛び交わせるようにした。
蝶達は、天井からゆっくりとかまくらの室内を暖めるヒーターみたいな役割をしているようだ。
「ふぅい。これで俺が入った時も完璧。っとぷぐ っ」
一息ついてかまくらから出た瞬間、顔に雪玉が被弾した。
「ふにゃー!あっちにあたったにゃー!」
ケットシー達の雪合戦の流れ弾の様だ。
「あ?やったな?ちょい混ぜな。100倍ぶつけてやっからよ」
夜野はぎゅっと手で掬った雪を握り締めながら雪合戦に突撃していった。
「あー、寒っ……。」
ケットシー達に大量の雪玉を浴びせるも、多勢に無勢故、夜野も大量の雪をぶつけられ、雪まみれになっていた。
「でもまぁ暑いより寒いほうが過ごしやすくて俺好きだし……最後に遊んだのいつぶりかねぇ?」
ふにゃー!と、沢山遊んで満足したケットシー達は、段々と寒くなってきて家の方へ戻ろうとする。
「おい待て。折角だからかまくら来いかまくら。冬だけの楽しみやんぞ。」
「にゃにゃ?」
「何ですかにゃ?」
「こういう時の為に餅持ってきたんだよ。」
まだまだ元気なケットシーが上の滑り台で滑って遊んでる下、かまくらの中。
用意した七輪を皆で囲んで、金網の上に餅を乗せ、焼く。
「ふにゃあぁ、ぷっくらしてるにゃあ」
「つついたら」「熱いし割れるぜ。できるまでやめとけ」
ぷっくら膨らんだおいしそうな餅を皿に乗せ、ケットシー達に分け与える。
(おっと)
雪で遊んで冷たくなった手がケットシーの防寒着に触れる。
(……ふわふわじゃねえか……)
「にゃ?どうしたにゃ?食べるにゃ?……はふふ、もちもちだにゃー!」
受け取っておいしそうに食べるケットシーを横目に、他のケットシーにも餅を振舞う。
(おっと)
雪で遊んで冷たくなった手がケットシーのもふもふの毛皮ほっぺに触れる。
(……もふもふじゃねえか……)
ケットシーも冬なので冬毛である。心地良い。
「にゃにゃ?」
「ああ、なんでもねえ。気のせい気のせい。さっさと食べな。」
夜野はすっかり災魔の事も忘れ、雪の一日を満喫していた。
吹雪く時には、きっとここに来た目的を思い出すだろう。
大成功
🔵🔵🔵
御園・桜花
「アルダワにぱらいそ…いえ、お猫さまの国があるのです?万難排して行かねばです!」
自作のお猫様グッズ握り締めケータリングカーでケットシーの国へ
「ぱらいそ…圧倒的ぱらいそ!」
「…猫じゃらしが風雪に負けて使えませんよ?!」
両手に猫じゃらし持って駆け出すも数歩で挫折
「お猫さまをハグしたいハスハスしたい肉球プニプニしたい…1つも出来ないじゃありませんか!」
空に向かって吠えてから戦術的撤退
雪橇持込み再チャレンジ
「お猫さまー、遊びましょ!」
雪橇なら2人乗りしてハグ出来ると考えた
滑降時にバレないように一寸だけハスハスも
「疲れたらオヤツですよ」
UCで大量にオヤツ作成
疲れて満腹で家に戻ってお昼寝したい気分にさせる
●
グリモアベース、グリモア転送光を展開中のポーラリアに突如車両が突っ込んできた。
「ふぇ、ふぇあぁー!?」
トラックにも似る大型の|移動販売車《ケータリングカー》(別名キッチンカー。屋台に変形できるキッチン付きの車)だ。
搭乗者が舞台へ転送された後にその手の車両を召喚するパターンに慣れていたポーラリアは面食らう。
「アルダワにぱらいそ…いえ、お猫さまの国があるのです?万難排して行かねばです!」
ウェーブヘアーをたなびかせて豪快に走らせる搭乗者の御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は、ハンドルと共に自作のお猫様グッズを握り締めてケットシーの村に突撃した。
●
「?」「ふ……ふにゃーーーっ!!?」
ドドドドと厚く積もった雪を跳ね飛ばして無事、ケータリングカーが雪の村に|転送《到着》。
降りて一旦、深呼吸。
北風のにおい。
頬に付く雪の結晶。
猫のにおい。
じっと見据える身長40センチ前後の可愛らしい二足歩行のねこさん。複数。
「ぱらいそ…圧倒的ぱらいそ!!」
「さあーお猫様私と一緒に遊ぶのです沢山猫のおもちゃを持ってきたのですまずはこちらを」
両袖から勢いよく暗器の様に取り出した猫じゃらしを持って駆けだす桜花。
びゅう、と雪の風が吹く。
「あっ!」
持っていた猫じゃらしがすごい勢いで凍り付き、雪にまみれ、何なら先端が硬くなってぽきりと落ちた。
「…猫じゃらしが風雪に負けて使えませんよ?!」
絶えず雪が降り注ぐ雪の世界なのだ。
「ま、待ってください他にも色々持ってきてあっ」
雪の地面に足を滑らせ、ぼふんと倒れる桜花。
その衝撃で服の中に仕込んでいた各種お猫様グッズが飛び出し、散らばり、あっという間に降りしきる雪がお猫様グッズを雪の中に埋もれさせてしまった……。
「あ……ああ、あ。」
「だ、大丈夫ですかにゃー?」
「…………」
雪の中に顔をうずめて何やら早口で呟く。
「にゃーもさっき滑って危なかったにゃ。濡れると風邪ひきますにゃー?」
声をかけたケットシーは間合いを保っている。
「………………ハグしたいハスハスしたいハグしたいハスハスしたいお猫さまをハグしたいハスハスしたい」
「にゃ、にゃにゃ!?」
「お猫さまをハグしたいハスハスしたい肉球プニプニしたい…のに…これじゃあ1つも出来ないじゃありませんかーっ!」
我を忘れて雪空に大きく吠え、桜花はケータリングカーに撤退した。
「あぅぅ…そういえば今寄ってきたお猫様は友好的でした…手を取ってもらえればプニプニできました…?!ではなく…おもちゃが雪で潰えた今どの様にしてお猫様と接触すれば…」
ケータリングカー内の桜餅型クッションに顔をうずめながら作戦を考える桜花。
「はっ…そういえば今滑って危なかったと声が…滑る…その手です!」
●
数分後、ケータリングカーの中から桜花が勢いよく出てきた。
その手には二人乗り用(―元々は人間の親子が乘る用―)の、|雪橇《ゆきそり》を持っていた。
「お猫さまー、遊びましょ!」
「にゃにゃー!」
「それは…ソリですかにゃー!」
「一緒にあっちの雪の丘で、ソリ滑りで遊ぶです!」
猫の村、雪の丘。
いい塩梅の真っ白な斜面の上方で、興味津々と駆け寄ってきたケットシー達に雪橇を分けた桜花は、一緒に滑っても良いですかにゃー?と寄ってきたケットシーを今、自身の雪橇に乗せている。
下側にケットシー、上側に桜花。
ねこみみフードのもこもこふかふかした防寒着を着ているケットシーと桜花はまるで親子の様。
ハの字に広げた桜花の脚の間にきゅっとケットシーがはまる。
そう、全ては策略…桜花の策略なのである。
雪橇でケットシーとの2人乗りを果たせば、合法的にハグができると考えたのだ。
「ふにゃー!」
「滑るにゃー!」
「いっくにゃー!」
雪の傾斜を勢いよく飛び出して雪橇で滑り出すケットシー達。
「お姉ちゃん、僕らも行くにゃー!」
「んー…♪はい!しっかり手綱持って、いくです!」
何かを吸っていた様な動作をしていた桜花グループの雪橇も、地面の雪を蹴って勢いよく滑り出した。
風切る雪、真白の飛沫が上がりながら、転倒しないようにとあっちへこっちへ引き紐を寄せながら。
滑走の勢いでぐっとケットシーの身体が桜花のお腹に押し付けられる。
そのチャンスを逃すまいと、こっそり引き紐を寄せるふりをしてぎゅっとケットシーのお腹に触る。
合法的なハグである。
「お、お姉ちゃん、前、前にゃ!」
「おおっと!急転換です!」
笑顔で大きく角度を逸らして、迫り来る岩を横に躱していった。
「もうゴールです、止まりますよー!」
「にゅ!」
目を><にしながらずしゃああと雪を巻き上げながら、ゴールとした丘下の雪だまりで止まる一人と一匹。
その衝撃でケットシーの頭が桜花の顔に押し寄せられる。
桜花はそのチャンスを逃すまいと、バレない様に一寸だけハスハスと。
「うにゃ!楽しかったにゃ!」
くるりと顔を向けたケットシーにはそっと何事もなかったかのような笑顔を返し。
「もう一度やるです?」
「やるにゃー!」
何度も何度も桜花は雪橇遊びを楽しんだ。
「お猫さまー!疲れたらオヤツですよ」
幾度かの雪橇遊びを楽しみ、一緒にいたケットシーが別の雪遊びにはせ参じた後。
桜花はケータリングカーに戻って、ケータリングカーを屋台に変形。
猫のおやつを無料配布するフードショップへと姿を変えたのだった。
「ふにゃー!」「サクサクで美味しいやつですかにゃ!」
「はい!」
屋台に簡易で設置された椅子に座ったケットシー達が、桜花がユーベルコードで作った猫のおやつを美味しそうに食べている。
「(ああ、ぱらいそ…圧倒的ぱらいそ…!)」
そんな彼らの様子を見て、脳内だけでほっこりと眼福を堪能していく。
触媒にする手持ちの食材はこんな事もあろうかとケータリングカーに沢山用意している。丸一日は余裕で持つ。
「さっきの雪合戦すごかったにゃー!」「オイラあっちで雪像作ってたにゃー!」
談笑の声とお疲れの安堵の声、もうすぐこのケットシー達は、本当の目論見通りにお家に帰ってくれることだろう。
「にゃん」
「あっ、ちょっと、困るです!」
突如、お店の感覚を知らないケットシーの子がお膝に体を寄せて来た。
「ここでお昼寝するのは…だめかにゃー…?」
「…そんな事されましたら、最終的にお持ち帰りしてしま…何でもありませんです。そうですね。」
桜花はそっと後ろ頭を撫で、こっそりとおてての肉球をぷにぷにした後、ケータリングカーの隅っこのスペースにクッションと毛布を起き、そこにケットシーを寝かしつけたのであった。
「災魔さんの退治が済むまでの間です。ね?」
大成功
🔵🔵🔵
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
ね・こ・さ~ん!にゃ~ん♪
ゆっきあっそび~!何して遊びましょう?
折角なのでヘリオトロープさんも召喚してこの雪景色を見せてあげましょう!
そんでもって一緒に雪遊びなのですっ♪
遊びきれない程これだけ一面の雪なのです…めいっぱい遊びましょ~!
ルナ・キャロット
んへへ……小さな猫ちゃんがいっぱい……。最高の国ですね!
いっぱい遊びましょう!
私は猫ちゃん達の雪像や氷像を作ります!
固めた素材に双剣で斬りつけ削ってケットシー像作り。可愛いの作りますよ!
雪や氷を集めてくれば作ってあげる、って言えば体力も使ってくれるはずです。大変そうだったら手伝っちゃいますが。
ちゃんとした像を作るためにケットシー達の体を触って体型確認させてもらいます。
像を作るためですからね。必要なことです。こだわりです。
ふへへ……もふもふ……暖かくて可愛いですね……いい匂いもしてぐへへ……。
本物の獣人の感触をいっぱい堪能させてもらいますっ。
夢中になって抱きしめちゃう前にちゃんと像は作ります!
●
「ね・こ・さ~ん!にゃ~ん♪」
プレイングには書いていないが兎耳フードのもこもこ防寒着を着こなして雪の村に飛び込んできた特殊系ドMウサギキマイラの男の娘。
彼の名はテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)。
「ゆっきあっそび~!何して遊びましょう?……折角なのでヘリオトロープさんも召喚して、この雪景色を見せてあげましょう!そんでもって一緒に雪遊びなのですっ♪」
テフラは早速ユーベルコードを発動。
紫のマントを羽織った少年、『テイマー・ヘリオトロープ』という男の子を召喚した。
「ん……テフラ……?うわっ、寒っ!ここは!?」
「素敵な所でしょう!雪のケットシーさんの村なのですっ♪猫さんと一緒に遊びましょ~♪」
「え、猫!?うわっ、あれ確かケットシー……だっけ。うわ、わわ。」
宝石を見る様な目でヘリオトロープは見渡した。が、直後にくしゃみをした。
「そ、それにしたって寒……も、毛布……」
「わわ、大変です!ボクからできる事といえば蝋燭に変える事ぐらいですが」
「えっ?」
そんなヘリオトロープに駆け寄ってくる者がいた。
人間である。
「はーい。こちら寒そうな少年くん一人確保。」
ケットシー達の着ているような猫耳フードの防寒着に身を包んでいる。
「わわっ、何、何?」
「寒がってたら一緒に遊べませんからね」
「私達はアルダワ学園から手伝いで派遣されてきた人だけど、雪が降ってきたから急遽みんなの防寒着を作ってた人さ。」
「というわけであなたの採寸も測ってすぐに暖かい衣装を着させてあげますからこっち来てくださいね~」
「わ、わわ、助けてテフラ~!」
「あ、わわわ、ヘリオトロープさん~!?」
人間のお姉さんに連れられ、小柄だったゆえにお姫様だっこで抱えられて近くの家の中に運ばれていくヘリオトロープ。
それをテフラは困惑した表情のまま、とりあえずついていくのであった。
●
「んへへ……小さな猫ちゃんがいっぱい……。最高の国ですね!」
猫の村、別の一角。
真っ白な寒い世界で雪遊びを満喫しているケットシー達を、頬に両手を当てて眺めている少女がいた。
巷で噂のゴッドゲームオンライン出身、|聖剣士《グラファイトフェンサー》と|黒聖者《ダークメサイア》の剣士をしている。
兎獣人のルナ・キャロット(†ムーンライトソードマン†・f41791)だ。
「それじゃあ私は猫ちゃん達の雪像や氷像を作りましょう!」
ルナは双剣を掲げた。
「ふへへ……今私がかざしたこのSSRツインブレードにかかれば……。」
深そうな雪の地面を探った後、「C」しゃがみ「HSD」力を溜める構えをとり。
そこから地面を掬い上げる様な双剣の一撃を放つと、不思議な事に斬撃を巻き起こしながら硬い雪のブロックが地面から掘り出され、ずどんと適当な雪の地面に落ちた。
「可愛いの作りますよ!」
『CJ(溜めての大ジャンプ)』飛び上がり、空中でSSRの大剣を掲げると、『JD』降り下ろすような大剣の斬撃で大雑把に雪を切り裂き『DDDD』着地と同時に双剣で細かく切り裂き、『SD』とどめに溜め斬りで付着している余計な破片を吹き飛ばした。
流れる様なコンボの跡には、見事に綺麗なケットシーの雪像が。
「ふにゃー!」「すごいにゃー!」
鮮やかな雪像づくりにケットシー達が寄って来る。
「ふひっ!み、みんな寄ってきちゃった!」
「アタシのもつくってにゃー!」「にゃーもカッコいい像できるかにゃ?モデルやるにゃ?」
「あ、じゃあ、それではー。」
ルナは本来の目的も忘れていない。
ケットシー達に「さっきの掘り起こす奴はちょっと難しいから、彫像の素材になる雪や氷を集めてくれます?」と告げた。
数分後、でかいスコップでせっせと雪を集めて来たケットシー達が、我よ我よとルナを引っ張りだこにしたのだった。
「おほっ!おっと失礼。体力ありますね。それじゃ持ってきた雪氷の隣に並んで並んで。っと。」
「にゃにゃ?」
ケットシー達は言われた通りに並ぶと、ルナはしゃがんでぎゅっとケットシーを抱きしめた。
「にゃ、にゃにゃにゃ……?」
「これは像を作る為です。モデルにするなら、モデルがどんな体系か知っておきたいですからね。」
「さ、触る必要があるのかにゃ!?」
「ふひっ……おっと失礼。像を作るためですからね。必要なことです。こだわりです。なんせくまなく体を触るのが一番理解できるのですから。触診という奴ですね。ググると出てきます。」
「にゃ、にゃ~……」
ちょっと恥ずかしそう、くすぐったそうにしながら、防寒着を着たケットシーは1匹1匹、ルナに触られる。
全長だいたい36cmくらいの猫妖精ケットシー。その触り心地はやはり猫である。
「ふへへ……もふもふ……暖かくて可愛いですね……いい匂いもしてぐへへ……。」
兎のおねえさんがちっちゃい猫をもふもふしている。
頭から背中、腕、お腹、足、ふかふかの靴、ふわふわで肉球はちゃっかり露出してる仕様の手袋、もこもこのフード、マフラーの様な首のファー、おっと手が滑った。服の中のにゃんこな毛並みも堪能させてもらおう。
その遊び盛りな衣服と猫と雪の混じった香ばしくて初々しい匂いも。と、ケットシーが気づくとルナは首元を吸っていた。
「んにゃ……ぁ……」
何か変なものに目覚めそうな震えた声がケットシーの口から響く。
「うおっとまずい、もうすぐ吹雪だからいい所で切り上げないとね!それじゃあ」
ルナは仕事を再開し、猫を吸ってはずばばばと双剣でケットシー達の雪像や氷像を作り上げていった。
●
「わーい!」
「きゃー!」
雪の上をゴロンゴロンと転がるテフラとヘリオトロープ。
その身体は二人ともお揃いの兎耳フードの防寒着だった。
この村でケットシーとの交流兼お世話をしている在住人間がくまなくヘリオトロープ少年に触って合うサイズを速攻で仕立ててくれた特注品である。
「雪だるまつくりましょうー!」
「僕胴体作る…おっきい兎のを作ろう…!」
ゴロンゴロンと二人して雪玉を転がし、仕上げにはヘリオトロープがハーピーを召喚して頭を乗せた。
二つも作った。テフラとヘリオトロープお揃いの雪だるまだ。
「次は…おや?あっちで氷像が作られてます?」
ルナがケットシーをくまなく触っては雪像や氷像を作っている光景を二人は目にした。
「氷像…テフラも得意だったね…」
「作る側もなる側も得意ですが…アレに混ざってもいいのでしょうか…」
ルナは猫と戯れている。テフラとヘリオトロープのフードの兎耳がぴこぴこと揺れる。
「テフラもなろうと思えば兎獣人になれたね…?」
「もっふもふですよそれはもう!御用がありましたら!」
テフラもキマイラの兎獣人なので、丁度ルナと同じような姿になれるのだ。
「でも今は氷像になるコードやアイテム用意してないのですよね」
「それなら僕…召喚できるよ…!」
ヘリオトロープが魔導書を開くと、凍結能力を持った魚型のスライムを生み出した。
「ひゃわわ!」
魚スライムはとぷん、とテフラを飲み込むと、その身体になじんでいき、雪の中で急激に冷えていく。
「う、うわ…ちめた…寒…」
「ど、どうかな、テフラ…!」
「…………」
かくしてここに、並び立つケットシーの雪像や氷像の中に、防寒着を着た兎っ子の氷像(本人)が生み出される事となった。
降りしきる雪に覆われて、身体が真っ白に染まり上がっていく。
果たしてこの特殊系ドMウサギキマイラ、吹雪が来る前に彼が人間達に回収されて解凍される事を祈るばかりである。
大成功
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アンナ・フランツウェイ
オリガ(f12132)と一緒に
うんそうだよね、オリガってこういうアウトドア好きだもんねって、これ私も参加する流れ…?氷像の事に関してはまぁ確かにそうだし、気持ち良かったけど、人前で言われると恥ずかしいというか…。
こうなったらいつまでも氷像の事言われそうだから、大人しく参加する。さすがに卑怯と思うから、飛ぶのは封印。でも雪合戦も佳境というところで、オリガがケットシー達の背中に雪をって私も入れられた!?
「よくもやったなこのー!!」
封印していた飛行を解除。空中から雪玉を投げるけど、当たらないし逆に雪玉が当たる。ムキになった私は…を繰り返す私。こうして雪合戦が終わるまで、私の戦いは続くのだった。
オリガ・ホーリエル
アンナ(f03717)と一緒に
全力で雪で遊べば良いのね!UDCアースで知ってから雪合戦をやってみたかったから、ちょうど良いわ。ほら、アンナもやるのよ。寒さは氷像になった時に慣れたじゃない。
最初はアンナと一緒に行動して、ケットシー達のチームに立ち向かうわ。集中攻撃は、遮蔽物を盾にして凌ぐとテレビでやってた!
ケットシー達が盛り上がって来たら、あたしも本気を出すわ!奥義「背中に直接雪を入れる攻撃」!もちろんアンナの背中にも。
アンナ&ケットシー達が向かって来たら、ひたすら逃げ回りつつ雪玉攻撃!
こうして雪合戦はアンナ&ケットシー達VS互角に立ち回るオリガというよくわからない戦いへと姿を変えたのだった…。
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「全力で雪で遊べば良いのね!」
元気一番に現れたのはオリガ・ホーリエル(黒き天使と歩む快虐の魔王・f12132)。
青髪の魔王のお嬢様だ。
「UDCアースで知ってから雪合戦をやってみたかったから、ちょうど良いわ。」
「うんそうだよね、オリガってこういうアウトドア好きだもんねって、これ私も参加する流れ…?」
オリガの後ろからついてきて白いため息をつく緑髪の少女がいた。
彼女はアンナ・フランツウェイ(断罪の御手・f03717)。白と黒の翼の生えたオラトリオの呪詛天使だ。
「そうよほら、アンナもやるのよ。寒さは氷像になった時に慣れたじゃない。」
彼女らは色々としてきたが、とりわけ今夏には魔王と共にキマイラフューチャーで無様な氷像となっていた記憶がある。
「氷像の事に関してはまぁ確かにそうだし、気持ち良かったけど、人前で言われると恥ずかしいというか…。」
顔を赤らめるアンナ。その顔に突如ぼふっと雪がぶつかった。
「あ、やったな。このー!」
アンナはすぐさま雪玉を作って投擲を返し、その勢いでケットシー達に突撃した。
「なんだかんだでやる気じゃない。あの時もそうだったわね?あたしと|魔王《わたし》がやってる所を見てたら自分から」
「ああもうその話するなーっ!いつまでも氷像の件引きずらないでーっ!」
その後、なんやかんやあって。
雪に氷柱棒で線を引いた、四角い雪のバトルフィールド場。
アンナ&オリガチーム 対 ケットシーチームでの雪合戦勝負をする流れとなった。
「よーし、なんだか数が不利過ぎるけど、全員雪で張り倒すからね。特に最初に雪ぶつけた奴。」
「ふにゃー!」「がんばるにゃー!」「ね、根に持たれてるにゃ!?」
「(流石に卑怯と思うから、飛ぶのは封印しておこう……。)」
アンナはオラトリオ由来の背中の翼をそっと折りたたんだ。
と同時に雪合戦が開始したのか、猫達から一斉に雪玉が飛んでくる。
「集中攻撃は、遮蔽物を盾にして凌ぐとテレビでやってた!」
事前に作っていた厚い雪の壁に隠れながら、進行してくるケットシー達に、素早く雪玉を作っては、投げ、ぶつける。
「ふにゃー!」
身長39センチ程度の小柄故か、それともオリガ達が猟兵故の力か、ぶつけられたケットシーが衝撃で雪だるまの如く後方へ転がっていく。
「この調子でどんどん行くわよ!」
テンションが上がっていくオリガとアンナは一進一退の攻防で雪合戦を有利に進めていく。
もう何匹ものケットシーが雪玉をぶつけられてノックダウンしていったかといった数分後。
「負けてられないにゃ!」「戦法を立てるにゃ!」「囲むようにして攻撃するにゃ!」「壁を乗り越えるにゃー!」
残っているケットシー達もどんどんテンションが上がってきている。
「盛り上がってきたわね。あたしも本気を出すわ!」
オリガは突然雪壁から身を乗り出して突撃。
一斉に投擲される雪玉を素早い動きで躱しながら、ケットシー達の背後を取ると。
「奥義『背中に直接雪を入れる攻撃』!」
ケットシーのもこもこフードを強引に脱がし、服の中に溜めていた雪をケットシーの背中の服の隙間にどさどさと入れた。
「ふ、ふにゃああぁぁあぁ!!?」
驚き、倒れ、雪の上でのたうち回るケットシー。
この技の何が怖いって入れられた後固まった雪が背中に腕を回しても中々取れず素肌(毛皮)の中を行ったり来たりする所である。
「『背中に直接雪を入れる攻撃』!『背中に直接雪を入れる攻撃』!」
「ふにゃぁああぁ!!」「ふにゃあああぁぁあ!!」
次々とケットシーの背後に回っては、掬い上げた雪の塊を防寒着の中に流し込んでいく。
「オリガ、えげつないなぁ。今回は味方でよかっ」
雪壁の裏で安堵していたアンナの背後に、突如オリガが素早く回り込む。
「アンナにもぉ『背中に直接雪を入れる攻撃』!」
「うっひゃああわああああぁああ!!?」
隙だらけのアンナの背中にも大量の雪がどさどさと入れこまれ、おまけにぱぁんと軽く背中を叩かれ雪を押し付けられてしまった!
翼のある背中は余計に冷たいのに敏感なので、猫達の比ではないくらいのけぞって跳ねるアンナ。
「雪像みたいにじっとしているからやって良いかと思ったわアンナー!」
「よ……よくもやったなこのー!!」
即座に禁止していた翼を解禁。服の隙間の翼穴から雪を弾き飛ばしながら白と黒の翼が展開され、上空に飛び立つアンナ。
「もう手加減しない。空中から一方的に雪玉をぶつけてやる!」
袖やお腹に隠して溜めていた雪玉をぶんぶんと投擲する。
しかしケットシーにもオリガにも当たらない。
「なっ」
飛びながら投げるせいで狙いがアバウトになったのだ。
次いで。
「ふにゃー!飛んで目立ってるにゃ!」
「あっちに投げるにゃー!」
ケットシー達からの雪玉が飛んできて、ぼすぼすと次々アンナにぶつかる。
迂闊に飛ぶと目立っていい的になってしまうのだ。
「あっ!?こ、このっ!よくもー!」
アンナは更にムキになって、空中で墜落した後再び雪玉を持って飛翔しようと。
「あらアンナ、隙だらけよ!」
「どわわぷ!?」
雪だるまに使うような巨大な雪玉をいつの間にか作っていたオリガが背後からどさりと雪玉をアンナに打ち下ろす!
笑って離脱するオリガ。
その後には雪の塊になった後、ぼふりと頭を出すアンナ。顔はよりムキになっていた。
「はくしゅっ!うず……も、もうオリガもケットシーもみんな敵だっ、やってやるー!」
こうして アンナ 対 ケットシー 対 オリガ の、三つ巴の雪合戦は、ケットシー達がクタクタになって疲れ果て、帰宅するまで続いたという。
終わる頃、オリガは大して当たらなかったが、アンナは沢山ぶつけられて雪まみれの天使となっていたという。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『スノゥ・ブリザード』
|
POW : 欲望解放
自身に【極低温の冷気と強烈な唾液の臭い】をまとい、高速移動と【放射&拡散する広範囲瞬間冷凍ビーム】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : 至凍の覚醒
【雪の女王】に覚醒して【猛吹雪を纏う超戦闘モード】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 凍神宿し
【氷の神(猛吹雪を纏う)】【香りの神(強烈な唾液の臭いを纏う)】【凍気の神(猛烈な低温と氷を操る力)】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
イラスト:遊夜
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠凍雪・つらら」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
村に在住するケットシー達や人間達は十分満足に遊び倒して帰宅した。
お家やケータリングカー、かまくらの中に入ってくったりと休む猫達。
それと入れ替わるように、天候が荒れ始め、ごうっと辺り一面に極寒の吹雪が吹き荒れる。
「……ああ……猫のにおいです……もふもふしたにおい……そこから垂れる唾液とか……最高……凍らせて氷柱にして……わたしはそれをゆっくり食べるんだ……凍り付いたにゃんこさんの目の前で……」
厚着をした獣耳獣尻尾の少女がゆっくりと雪の中から歩いてくる。
吹雪は彼女を中心に吹き荒れている様だった。
そして彼女もその寒さを体感するように、身体のいたる所が凍り付き、全身に厚く雪を積もらせていたが、平気どころかとても心地よさそうである。
「すぅはぁさせてください……実は私、猫より人間の女の子の方が好きです……特に、猫のにおいを沢山吸った人間さんはいますか……?あぁ……そこから発せられる口のにおいがほのかに私の鼻で感じ取れます……滴る唾液のにおいを嗅がせてください……寒さで凍った唾液ならもっと最高です……どなたか……」
己の欲を吐き出しながら、少女は……災魔は吹雪を纏って村を闊歩する。
出てこなければ吹雪を強め、家屋の中ごと猛烈に冷やし、凍らせて、ゆっくり家に入って凍った者達に抱きついて嗅ぎ回るつもりである。
どの道このままでは彼女によって、猫の村は完全に凍り付いてしまう。頑張れ!猟兵!
※特殊
(本章、やられプレイングをしても成功値にボーナスを入れるものとします。最終的には倒さねばなりませんが、十分寒さをご堪能下さい。)
尾守・夜野
(え?なにそれ怖い)
かまくらの中でケットシーの方々と身を寄せ合い固まってるぞ
だが人間の方を探す声が聞こえたので、彼らに迷惑かけ無い様に断腸の思いで姿を表そう
でも近寄りたくない…!絶対に…!
接近戦をする予定がないのでガキの姿のままUC発動
足元の雪を操るぞ
匂いが強烈すぎるので俺等の鼻は馬鹿になってる
もし、近寄られてしまったら薄着であるし凍らされるのかもしれん
だから近寄らせたくないので氷の茨の繭に立てこもる構え
刺すように冷たい茨を操作し刺してやんよ
(※雪→水→氷。もしくは圧縮
アドリブ連携歓迎
接近防ごうとはしてるけど接近されるもダイス次第では歓迎
●
(え?なにそれ怖い)
夜野はかまくらの中でケットシーの方々と身を寄せ合い固まっている。
多重人格者の彼ですらその変態性は忌避するものであった。
「近寄りたくねぇな…」
「う、うな…お鼻が痛いにゃ」
かまくらの中は夜野のユーベルコードの力で暖かいが、刺すような冷気が時折かまくらの入り口から、まるで獲物を探しているかのように漂ってくる。
ケットシー達のお鼻が赤い。
「ねこのにおい……人間の臭いもします……寒そうな人間さんが暖を取ってる臭いが……」
「げっ」
その台詞は夜野の事であろうか。
かまくらで避難させた為に、入り口は常にオープン。
真っ先に狙われるとしたらドア付きの屋内に逃げた他のケットシーよりも彼のいる所であるのは確かだ。
「お前ら、絶対にここ出るなよ。約束できるな?」
「行くんですかにゃ……」
「でもお外吹雪だにゃ……真っ白で何も見えないし、あっという間にカチンコチンになりそうですにゃ……?」
「なぁに言ってんだ。俺ぁ猟兵だぜ。終わったらまた滑り台で遊ぼうな」
ケットシーの頭をひと撫ですると、断腸の思いで夜野はかまくらを飛び出した。
「やい災魔、俺ぁこっちだ!おい!……ぐ、うっ……」
ごうおうと猛々しく吹雪く風に飛ばされそうになる身体。
今の夜野の身体は少年の姿だ。
「おい、聞こえてんのか!ぶっ倒すから覚悟」
「あぁ……ぁ……!!」
「うおっ!」
吹雪の中でぐるりと蠢く影が夜野の視界に入った。
来る。
(い、いやだ……近寄りたくない…!絶対に…!)
災魔は。
獣耳にふっくらとした尻尾を持つ、恐らくはこげ茶毛の狐少女が防寒服を着た少女であると思うのだが。
身体はおどろおどろしい様な形状の氷で凍り付いており、降り注ぐ雪がさらに体を凍り付かせ。
全身を霜と氷柱と氷で覆われて尚その寒冷をまるで至高の様に受け入れ、歓喜に震え続けている。
その全身の氷雪をぱきぱきと砕氷船の様に砕きながら、ゆっくりと微笑んでいる。
微笑んだ口からは可愛らしくない強烈な唾液と共に、凍てついて水蒸気の様に吹き上がる口からの冷気の息。
ふにゃりと歪んだ眼光は、今晩のご馳走にする獲物を見つけたかの様。
そんな災魔の少女だった。
そんな災魔の少女が近づいてくる。
吹雪の中を怯みもせずに真っ直ぐ夜野に向かってくる。
「ち、近づいてくるな……!俺ぁ今回接近戦はしねぇぞ!」
そう言うと夜野は雪の地面に手を埋める。
「う、おあっ、こんなに積もってやがる」
既に猛吹雪はひざ辺りまで雪を積もらせていた。
それを構う事も無く、ユーベルコードを発動した。
『|穫祭《ハーヴェスト》!』
雪でまみれたこの戦場は、ある意味好都合である。
夜野のコードによって雪を無数の植物に変え、それを操って固め、氷の茨の|繭《まゆ》を作った。
「刺すように冷たい茨を刺してやんよ」
冷たく固まった氷の茨が夜野の周囲を壁のようにして固めつつ、繭の外側の氷茨を鞭のようにしならせて災魔を切り刻みに行く。
「はぁ……!はぁぁ……!」
|涎《よだれ》を垂らして飛び掛かる茨に巻き付かれ切り刻まれていく災魔。
あまり夜野の視界からは見えないが、手ごたえは感じる。
ダメージと……息を荒げて興奮しているという感覚を感じる。
「(うげぇ)」
「ぁぁ……ぁぁ……息が伝わります……あの中の人間さんは雪と氷を使って必死で私から身を守ろうとして焦ってるんだ……その際に荒げた息からあなたの臭いが伝わってきます……かぐわしい……猫と沢山戯れました……ね……!」
そう言うと災魔もユーベルコードを発動する。
「う、おあ、っ、……寒……いや匂い……つーんって来る……痛い!?鼻痛い!何だこれ!」
片手で次々と雪を操るコードを行使しながらももう片方の手で鼻を押さえる夜野。
「俺等の鼻が馬鹿になってるみてぇだ」
災魔『スノゥ・ブリザード』は、その身に自身の信仰する凍てつく神を宿した。
その結果吹雪は更に強烈になり、唾液はその口からじゅわぁと垂れ、強烈極まりない臭いと共に、硫酸の如く煙を上げる氷片となって滴り落ちる超強化を起こした。
周囲の気温も猛烈に下がっていく。
「っぁ……」
寒さを覚え、震える夜野。
氷の茨は確実に災魔を切り裂くが、全然後退してくれない。
鋼鉄兵でも相手にしているかの様だ。
「ぁぁ……吸わせてください……嗅がせてください……抵抗しないでください……その場を動かないで……」
災魔のユーベルコードは流血等の代償がある。
攻撃を受けずとも血を滴らせダメージが入るのだから、彼女は被弾を恐れないのだ。
ましてやそれが雪や氷での攻撃なら猶更。むしろ傷口から身に染みる冷たさに災魔は足を速めだした。
ぼふぼふと積もった雪を蹴り出して駆け寄る音がする。
「く、来んな!」
血によって、もしくは災魔が力ずくで茨を砕き、溶けて水になったものも夜野は操り出す。
「雪は水に……水は氷だ!」
空中に機雷の如く展開される無数の氷茨の爆弾。
それをはじけさせ、災魔を吹き飛ばそうとする。
氷茨の爆弾を一斉に爆破した……その時!
災魔は勢いをつけてダイブをかました!
飛び交う爆風の中を、災魔を中心に放つ吹雪で強引に吹き飛ばしながら、遂に夜野の氷繭をがっしと掴む災魔。
「う、うわあぁぁ!!(あ!?あああぁあ!?臭い!匂いきっつ!きっっっつ!!)」
ふひゃあ……と口から洩れる氷水状の唾液から、曲がりそうな臭いが充満して、至近距離の夜野が酷い顔をする。
次いで、震える。
少年の形をした彼の身体は冷気によってすごい勢いで霜に覆われ、耐性を以ても氷点下の冷たさを全身で味わう。
この災魔は絶対零度の冷気を扱う。
直に触れでもしたら、恐らく夜野は大変な事になるだろう。
「く……来んなぁ!!」
決死の想いで体を捻り、氷の繭を高速回転。
「ああっ!」
ばちんと弾かれた災魔、その隙に氷茨の爆弾を発破。
氷繭を解いた夜野は爆風にあえて巻き込まれて後方に吹っ飛び戦線を離脱する。
「ああっ……どこ……今の人間はどこに……抱きしめたら……抱えたら……きっといい黒子猫の様な……可愛らしさ……それを雪と氷まみれの猫雪だるまの形に固めて……あの素朴な口をした頭に顔をうずめたら……ふあぁぁあぁ……!!」
雪とダメージにまみれた災魔は、吹き飛んだ先の雪だまりの中でゴロゴロと激しく転がり悶えていた。
「はあっはあっはあっ……」
大雪の日に外に出て凍えきった猫の様に、雪と霜にまみれてかまくらに避難した夜野。
体に付いた氷雪は次第に溶ける事だろう。
「こ、怖かった……!」
成功
🔵🔵🔴
御園・桜花
「…わあ」
オブリビオン凝視
「お猫さまに好意があるのに随分と変た…変わった方のようです。初めて会うタイプかもしれません」
「申し訳ないですけれど、貴女の願いとは共存出来る気がしません。どうぞ其の儘、骸の海へお還りを」
UC「召喚・不滅の精霊」
敵の攻撃は第六感や見切りで躱し続け第六感で先読みして当たると思った所へ何度も連射していく
寒さは環境耐性と氷結耐性で耐える
「お猫さまもお猫さまフリークの方々も、貴女に氷漬けにされるわけには参りません」
「きちんと防寒着を着て参りましたのにっ…クシュン」
寒さで鼻ずびずび
「色々な意味で、恐ろしい方でした…可能なら、次は共存出来る願いをお持ちになりますよう」
鎮魂歌歌う
●
「…わあ」
桜花は吹雪の中、オブリビオンを凝視する。
「お猫さまに好意があるのに随分と変た…変わった方のようです。初めて会うタイプかもしれません」
世界は広い。猟奇から怪奇まで、様々に幅広い身の毛のよだつような変態が世の中には数多く存在するが、どうやら桜花はこのタイプは初めての様だった。
颯爽とユーベルコードを発動する。
『申し訳ないですけれど、貴女の願いとは共存出来る気がしません。どうぞ其の儘、骸の海へお還りを。【召喚・不滅の精霊】!』
初の精霊であり不滅の精霊であり名なき畏怖である不滅の精霊。
桜花に召喚されたその精霊は桜花の意志に応じるように雪の天を飛び立ち、直後、戦場全体を飲み込むような巨大な虚無の|颶風《ぐふう》を展開する。
「あなたは……」
災魔が素敵な人を見つけたかの様に微笑む。
その口からは猛烈な臭いを漂わせる氷の涎が絶えず滴り落ちている。
「猫と……桜と……ふわふわのクッションの臭いに……美味しいおやつも持ってきたんですね……沢山ねこさんの事を可愛がったのですか………………いい………………直に嗅いだらどれ程いい臭いがするのでしょう……冷たい氷と一緒に……桜の香りをおかずにさせて……ください……!」
災魔の身体に吹雪が集中し、強烈な冷気が凝縮される。
凄まじい冷たさの雪結晶のティアラや、ガチガチに固まった大量の氷柱も垂れ下る雪のドレスを防寒着の上から身に纏った災魔は、雪の女王の如き威厳を見せつける。
纏っている吹雪が更に強力に。
否、それを操作し、辺り一面を極寒の雪で閉ざす、巨大な吹雪の嵐を展開した。
桜花の放つ巨大な虚無の暴風と、災魔の放つ巨大な吹雪の暴風がぶつかり合う。
全てを飲み込み虚無に変えるのだからそれはもう桜花の颶風の方が有利である筈なのだが。
いかんせん超強化された災魔の吹雪はそれを押し返す程に暴力的な質量を持っていた。
どんどん雪を虚無に変えていくのに、次から次へと無量大数に沸き続ける、雪。
嵐のぶつかり合いだけでこの災魔を虚無に返すのは無理そうだった。
「…は…クシュ!?」
うっ!?と桜花が自身の鼻をすする。
猛烈な吹雪と寒さに、予め備えた筈の環境耐性と氷結耐性が耐え切れなくなりつつあった。
「きちんと防寒着を着て参りましたのにっ…クシュン」
ずびずびとした鼻水をどうにかかみながら、長期戦に持ち込むと自身が不利になる事を悟る。
桜花は意を決して災魔に近づいていき、精霊を操作。
生み出した更なる虚無の颶風を武器として振るい、災魔に対して2度3度とミサイルの様に放つ。
「ああ、いい……その風は雪を飲み込む、かぐわしい桜の臭い。春の風ですね……桜や春を厚い雪で何度も何度も埋めて氷に変えるととても綺麗なんですよ……氷の中から漂う臭いも……!手に取りやすい様に切り刻んでおきますね……!」
そう言って災魔は美しい氷の剣を手に作り出し、振るうと、強烈な冷気と唾液の臭いを圧縮した氷の斬撃を放ち、虚無の風を飲み込んだところからその風が凍り付いていき、気流の形をした滑らかな葉の様な氷に変えて、雪の地面に落としていく。
「風って凍らせられるのです!?」
驚いていては隙を突かれ凍らされ、ハグされて嗅ぎ回される事だろう。
気合で怯みを打ち消した桜花は更に虚無の颶風を打ち込んでいく。
斬って凍てつく風の中、斬撃が飛び、風が舞う。
吹雪を飲み込み続ける虚無の風は段々と勢いを弱め、戦場全体に吹きすさぶ吹雪がじわじわと強くなってくる。
不滅の精霊がバテてきているのだろうか。
「ああ……もう少し、ですね……!」
そう災魔が言って油断して踏んだステップ。
集中を続けていた桜花はその隙を逃さなかった。
「そこです!」
第六感で先読みし、集中して放っていた虚無の颶風の連打が、災魔が踏んだステップの先で炸裂する。
災魔は氷で防御するが、防ぎきれずに幾つか直撃。削り取られていくかのようにダメージが入っていく。
「ああ……ああ……!間接的な桜とほのかなねこさんの臭いが……」
「っ」
桜花は改めて引いた。
「これで更にガチガチに凍っていたらどんなに良かった事か……!」
「お猫さまもお猫さまフリークの方々も、貴女に氷漬けにされるわけには参りません」
桜花は不滅の精霊の颶風で、冬の化身が如き災魔を吹き飛ばしていった。
成功
🔵🔵🔴
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
やばいやつ…やばいやつだぁぁ!(人の事言えない兎
ととと…とりあえず【もふもふ☆ケモショタチェンジ!】で変身なのですっ!
あ…あれ?何だか相手の目がすごーく怖く見えるのですが…?
ひゃわぁぁぁ!向かってきましたぁぁぁ!?
まさかとは思いますが…この時のわたしって…臭う?え?え…?
そんなことを言っている間に抱き着かれてしまって、段々凍っていってしまっています…
このまま出オチなんて許しません!ここでアイテム【蝋シャンパン】を開けて抱き着いている災魔を自分自身ごとドロドロ蝋固めなのです!!
浴びた蝋は冷気も相まってすぐ固まるので簡単には逃げられないと思うのですよ~!(ほぼヤケ
ルナ・キャロット
なんでも歓迎
な、なんだかすごいこと言ってますが……(聞き耳)
人間より絶対猫ちゃんのほうが可愛いです!猫ちゃんのもふもふの匂いのほうがいい匂いですー!わかりあえません!(過激派ケモナー兎)
ザクッと倒して猫ちゃんに褒められますよ!
吹雪は兎アバターのもふもふパワーで平気です!
嗅覚も強化されるので臭いを追って攻撃しますよ。すごいにおいです…
不意打ちジャンプ攻撃からの必殺コンボで倒しちゃいますよ!
(近づいた時の強烈な臭いを強化嗅覚でもろに食らう兎)
●
「な、なんだかすごいこと言ってますが……」
吹雪の中、ルナは震えた。
寒さだけでなく、その自慢の兎耳から聞こえて来た声が衝撃的だったからだ。
そして、気づいた時には災魔に向けて駆けだしていた。
「わかりあえませーん!人間より絶対猫ちゃんのほうが可愛いです!猫ちゃんのもふもふの匂いのほうがいい匂いですー!」
ルナは過激派ケモナーだった。
その手にSSRグラファイトブレイドとかいうでかくてつよい剣を握りしめ、災魔に突撃し斬りかかりに行った。
「ザクッと倒して猫ちゃんに褒められますよ!」
その飛び掛かり攻撃に対し、災魔の目が光ると、ごうっと一瞬、極低温の凍てつく冷気の風が走る。
「うわ、!?」
ルナは空中で静止した。
時間が凍り付いたかのようにグラファイトを振りかぶった姿で止まる。
「そうですね……!猫さんも素敵です……!」
ゆうっくりと災魔がルナに向き直る。
その口からは強烈な唾液の臭いが|迸《ほとばし》る。
「はぁ……嗅ぎたい……!嗅ぎたいぃぃ……!!あぁ……あなたからは兎さんの臭いがしますね……ぁ……ぁはぁっ……うさぎさんも私、好きです……!その開いた脇とか……開いたその小さなお口もいい……」
そして災魔の身体から青白い、尋常ではない冷たさの冷気の光が集まっていく。
「(えっ、何あれ、何だっけあれ。何かヤバイのが来そうなんですけど!?)」
ルナはスタンの様な凍てつく状態異常に|頑張って《レバガチャ感覚で》抗い、何とか身が動けそうな瞬間を作りだし、身体を捻って空中で横に飛んだ。
その瞬間、災魔からフラッシュとも取れる無数の拡散冷凍ビームが放射!
「うひゃあっ!?」
ちょっとかすったルナの頬と腕の一部が一瞬でガチン!と凍り付く。
その勢いで地面の雪に埋もれたルナは、勢いを殺さず雪の中を掘り進んで(兎特有の動き)戦線を一時離脱する。
「はぁ……はぁ……!どこですか……!」
欲望を解放した災魔の手から、腕から、口から、全身から、瞬間冷凍ビームが怪獣のブレスの如く放たれ続ける。
レーザーの如く放射され続けた拡散する冷光の束が戦場のあちこちに迸ると、通った軌跡が一瞬で極低温の氷で彩られた。
家に当たる。家屋の表面が一瞬でガチンと氷漬けになった。
あちこちの家に冷凍ビームが滅茶苦茶に放たれ、バキン!ガチン!と次々に村の家々が凍っていく。
ものの数秒で猫達の村の全てが厚く冷たく青白い氷で覆われる。
絶対零度の氷の村と化してしまった。
「(あ、あんな無茶苦茶な事するの災魔って!?)」
ルナは先の章で作っていたケットシーの氷像の裏に隠れていた。
というか大分依頼失敗感無いですか、村が一面丸ごと凍り付いてしまいましたけど。
中の猫達無事なのでしょうか……!?と思っていたら、近くの凍っている家の中から怯える猫とそれをなだめる女の子の声が聞こえて来た。
何とか凍っているのは表面だけにとどめられているようだ。
だが何度も冷凍ビームが……というかこの吹雪で室内も寒くなっていったら……。
「へぷち!……はぇ?」
ルナはくしゃみもした。
自身の兎アバターのもふもふ感であれば寒さはしのげると思っていた。
が、特にスキルで耐性も無く、むしろ相手は極寒の冷気で耐性がある相手すら上から殴るように凍らせる氷雪の使い手である為に。
ルナの身体は冷凍ビームが当たっていない所でさえも、所々に氷柱が垂れ下がり、凍りかかっていた。
「や、やば……っ!?防げないのこれで!?もふもふがカチカチになっちゃうのはやだー!」
「(でも近づいたらあの冷凍ビームで一瞬でこおりうさぎにされてしまいそう……どうしよう……)」
考えている時間は少ないのに、考えなければやられてしまう。
「やばい……本当やばい……あんな猫ちゃんのもふもふの良さも分からない様な奴にこのままわたし……ゲームオーバー……!?」
「ううう……」
「むむぅ……」
「「どうしましょう……」」
「ってうわあ!?」
そう悩んでるルナの隣にうさ耳防寒着の誰かがいた。
別の猟兵、キマイラ兎獣人の男の娘、テフラ・カルデラだ。
●
「やばいやつ……やばいやつですよねあれ!」
「ええと(姫騎士RPってどんなだったっけ……)あ、あなたは?」
「あっ、テフラといいます。本当にやばいですよね。猫ちゃんより猫吸いした人間の方が良いとかなんとか」
「あっわかりま……こほん、分かるか?(こうだったかなぁ)奴自身も中途半端な獣性をしている故にあの様に歪んだのか。もふもふしたあのお猫様の匂いの方が格段に良いというのにな。失礼。ルナ・キャロットだ。」
「わ、ルナさんは中々……そういえば兎さんです!わたしとお仲間ですね!」
「ん……(どう対応しましょう。目の前に居るのはただ兎耳を生やした女の子?っぽい人みたいですからあの災魔とあんまり変わらない様な……)」
そう思案している内にテフラが言葉を続ける。
「あっ、よく見たらルナさんちょっと凍ってます?……いいなぁ……じゃなかった。あまり動けない様でしたら私が囮になりますので、その隙に攻撃を」
「(ん?)あ、いや。テフラ君(じゃなかった)…様のジョブって何…いや…この際手を借りるようで申し訳ないが。」
ルナは高機動紙耐久。目の前の兎耳っ子がタンクでなくても隙をついてくれればあの災魔につけ入る事が出来る。
そう考えてテフラの手を借りる事にした。
「決まりですね!とりあえず…今ちょっと寒いのでもっともふもふになりましょう。『変身!もふもふ☆ウサケモ~♪』」
その言葉と同時にテフラの身体が発光。
二足歩行している完全なもふもふうさぎのケモと化した。
「え」
「ユーベルコード【もふもふ☆ケモショタチェンジ!】です!」
見た目が限りなくルナのケモ性に近づいたうえで更に魔法少女の衣服と杖が装備される。
「え、え。」
「それじゃあ行ってきます!隙が出来たら後はお願いしますねー!」
「えっちょっとちょっと待って何そのケモ度魔法少女いやケモショタチェンジって言った男でウィザードで魔法少女で兎でえっあっえっあええええ!!!?」
ルナの頭はバグった。
●
「そうです……ケモ仲間とこうして出会えたのですから、目の前のやばい奴にはその……勇気を出していかなくちゃですね!」
内心ちょっと恐怖を感じているのはテフラも同様だった。
だがテフラは人の事を言えない。称号が(特殊系ドMウサギキマイラ)である辺りから察して欲しい。
吹雪の中をぽふぽふと兎の足で歩く……のではなく、魔法と兎の力による跳躍に近い飛翔で飛んでいくテフラ。
災魔が中距離の射程に入った時である。
「あ」
ぎんっと、災魔の目が光り。
「……あああぁあぁ……すごい……いい臭い……!!」
テフラに向く。その興奮度はかつてないものになっていた。
「え、何ですかその顔、その息の荒げ方。」
「とっても臭う……うさぎさんの凄い兎の臭いが……」
「まさかとは思いますが…この時のわたしって…臭う?え?え…?」
テフラは囮になるといったが臭いに関しては無頓着だった。
「あああぁあぁああぁぁ今すぐ嗅がせてくださああぁああぁあぁぁあぁああい!!!!」
「ひゃわぁぁぁ向かってきまし た ぁぁぁぁぁぁ!?」
言葉が途切れた瞬間に一瞬でテフラの眼前に高速移動した災魔はテフラを瞬時に抱きしめた。
「ああぁあぁぁあはすはす……もふもふで……ケモショタの……魔法の……いい臭い……!汗と一緒にグッドスメルな兎の唾液の臭いが垂れて垂れて垂れてあああぁぁぁ」
「ひやあああああぁぁぁぁぁああああ!!!」
猛吹雪、強烈な唾液の臭い、極低温の氷の力。
災魔の持つ冷たき力の全てがハグされたテフラに直に伝わっていく。
「こ、このまま出オチなんて許しません!ここでアイテム【蝋シャンパン】を開けて抱き着いている災魔を自分自身ごとドロドロ蝋固めなのです!!」
テフラは早口ながらの説明口調で咄嗟に開けた蝋シャンパン(※開けると無尽蔵に溶けた蝋が噴き出すシャンパン)を勢いよく災魔に吹きかける。
勢いが強すぎて災魔と同時に自身にも蝋がだぱぁと降りかかる。
「ほわああぁあああぁぁ!蝋の臭いまでどろじゅると……いい……!いいいぃぃぃいい!」
「あっあああぁあぁぁ!蝋のドロドロ感が……!あああぁぁ!災魔さんの冷気であっという間に固まっ……て………………」
災魔とテフラは抱き合いながら真っ白な雪の如き蝋まみれになった上で、あっという間に吹きすさぶ冷気によって固まった。
雪の村に佇む抱き合う二人の蝋人形オブジェが完成したのであった。
「ちょ、囮どころかトドメ刺してない!?……あっ駄目だ」
物陰から見ていたルナは吹雪がまだ止まず、蝋オブジェの災魔の内側からはまだ無尽蔵に冷気が溢れ、蝋で固まったまま周囲に氷の衝撃波を放ち、凍らせ続けていた。
「でもまああの冷凍ビームが無い分マシ!巻きこまない様に必殺コンボいっちゃいますよ!」
ルナは飛び上がり、災魔の後ろからグラファイトブレイドで斬りかかる。
「JD!」
「DDDDDDDDDD……!」
更にツインブレードに装備を変えて必殺の乱舞攻撃を行う。
蝋が削れ、災魔が斬りつけられ、苦しみ出す。
「あっ、やああああぁあ……!?」
「どうですか!わたしの双剣スキルとアクセルコンボは合計で1100あるぞ っ!」
「剣の擦れるいい臭いが、するぅぅ……!」
「そっちの臭いも感知するんですか!?!?」
驚くがコンボを中断してはいられない。
ルナは身をかがめ、必殺の。
「これで!終わり!(SD)」
打ち上げ溜めグラファイト斬りを放ち、吹き飛ばしたのだった!
「はああああん!!」
「う!?」
衝撃の際、一瞬恍惚とした災魔が、そのもこもこの防寒服の中で熟成した強烈な臭いの籠った唾液を辺りに降るった。
「うっひゃああああ!!やばいにおいー!」
嗅覚を強化していたルナはモロにそのにおいを吸ってしまい、その場でごろんごろん転がり、悶える。
かくしてテフラは蝋となって凍り付き、ルナは悶えるという痛み分けの様な結果となったが、災魔には確実に大きなダメージを与えていったのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
オリガ・ホーリエル
アンナと一緒に(f03717)
わぁ凄い欲望ねって、アンナの言い分に若干の棘を感じる…。あたしは彼女と違ってアンナを愛でてる。その違いを証明する為にも、貴女は倒させて貰うわ。
取り合えずあたしは遠距離から、ユーべルコードで攻撃して立ち回るけど、冷凍ビームの直撃を受け、凍らされてしまう。
でもそれも作戦の内。氷結耐性で耐え、氷像になったアンナを弄び始めた瞬間を狙い、魔王化しつつ氷結を解除し、【全力魔法】をのせたユーべルコードで攻撃。でも結局は倒しきれず、せめてもとあたしもアンナ以上に痴態を晒す氷像すると宣告され。
重傷を負わせた罰として雪と冷たい水を腹部が膨らむ程口から大量に流し込まされ、窒息させられながら、アンナ以上に唾液を溢れさせらてしまう。せめてもの抵抗に妖艶なポーズを取ったところで、冷凍ビームが飛んできて。
「んぁ…ん…あぁっ…♪」
こうして痴態をさらす魔王の氷像になったあたしは、アンナの氷像と共にスノゥ・ブリザードの気が済むまで弄ばれ、身体を弄られ、快楽交じりの呻き声を上げ続けるのだった
アンナ・フランツウェイ
オリガ(f12132)と一緒
なんか、こう、オリガと同レベルの変態だ。負けたらオリガにされる以上の事をされそうだし、頑張ろう。うん。
オリガと連携して攻撃回数を重視して立ち回るけど、オリガが凍らされたのを見て動揺したところを捕えられ、スノゥ・ブリザードが望むポーズを取らせられながら、頭以外を凍らされてしまう私。
それだけじゃ飽き足らず、頬の下辺り…唾液腺を刺激され、ゴポッと唾液を溢れ出させる。最終的に大量の涎を垂れ流した状態で顔も凍らされちゃった…。
「うぁ……ぁぁっ………」
氷像になっても意識が残った私を弄ぶスノゥ・ブリザード。オリガも氷像になった後は、二人そろって涎を大量に垂れ流して佇むのだった…。
●
極寒の吹雪の村の中、オリガとアンナは災魔と対峙した。
「なんか、こう、オリガと同レベルの変態だ。」
アンナが言う。
「わぁ凄い欲望ね、って、アンナの言い分に若干の棘を感じる…。」
「負けたらオリガにされる以上の事をされそうだし、頑張ろう。うん。」
「いややっぱり棘を感じる…。でも、あたしは彼女と違ってアンナを愛でてる。その違いを証明する為にも、貴女は倒させて貰うわ。」
二人はそう会話を交わすと雪の中、アンナが前衛に飛び出、オリガが後衛で魔法を唱える。
災魔はそんな二人に対して涎を垂らす。
「二人で来るのですね……ああ……口の中から迸る唾液の臭いが香ばしいです……特にそっちの翼の生えてる人……ああ……でもそっちの人も翼を隠してそうです……凍らせたら……お似合いですね……!」
「うるさいっ!」
アンナは自身の血で製作した巨大な処刑用の鋸を手に、災魔へと切りかかる。
災魔は手をかざし、魔法の如く雪の地面から盛り上げた氷の壁でいなし、巨大な氷の腕を創り上げてアンナを鷲掴みにしようとする。
だがそんな攻撃すらも素早くいなし、凄まじい連撃で災魔を斬りつけていく。
氷壁、吹雪、防寒着、衣服に付く氷。
四重の防壁によってアンナの鋸は金属にも似た音を立て続けるも、着実に氷片を散らして災魔の防御を削っていく。
「このっ!」
アンナが翼を大きく広げて、地面からアンナの全身を凍り付かせようとする氷壁創生の冷気から逃げ。
その勢いで縦に回転しながら鋸を災魔へと降り下ろしにかかる。
「寒さで動きが鈍ってませんか……?」
災魔は両手を広げ、アンナの斬撃に手を突っ込む。
その瞬間に手を凍てつかせ生み出した両腕の氷剣で、降り下ろすアンナの鉈を両側から挟み込み、止める!
空中で静止するポーズとなったアンナ。
「籠った戦いの熱がいい臭いを引き立ててます……その姿で凍って、雪の中に埋もれたら、とっても素て……っ!」
その時、死角から蒼炎の旋風が横殴りに災魔を捉え、焼く。
後ろにいたオリガからのユーベルコードだ!
『さぁ燃え尽きなさい。この|蒼き炎喪《ファイア・オブ・レクイエム》で。』
「あ、うう、っ!」
じゅわぁと溶けるように全身が燃え盛る災魔。
アンナの鋸を凍らせて止めていた氷剣がまず溶け、アンナは体勢を崩して地面に落ちる。
次いで……災魔の体に纏う氷が溶けていく。
直後の事であった。
災魔のもこもこに着こんだ防寒着の中にこもった臭いが、何十年も開けていなかった発酵食品の缶詰を開けてしまったかの如く、解放。
むわっと、凄まじい臭いが災魔を中心に立ち込める。
「う、あっ……!!?何、これ。」
追撃に出向こうとしたアンナは、あまりに鼻の曲がりそうなその臭いに狼狽え、攻撃を中止し、飛び退いた。
「あぁ……わたしの臭い、溶けちゃって、こぉんなに……!」
この状態に元気を出して来た災魔は、ごうっと、蒼炎と臭いを吹き飛ばすかのように自身を中心に吹雪を放つ。
舞い起こる吹雪に一気に視界がホワイトアウトした中、災魔がアンナの横を飛び抜いて、オリガに迫る。
「あぁら、近接に持ち込めばあたしが倒れるとでも」
「炎を出す程のその臭い、たぁくさん嗅ぎたいです……凍ってくださいっ!」
飛びながら災魔は手をかざし、凄まじい冷凍ビームを放った。
「っ!?」
蒼炎で迎撃しようとするオリガだが、その冷凍ビームは想像を超えていた。
災魔の欲望が全開放された冷気により、前方広範囲逃げ場なしに拡散しながら圧縮冷気を放射し続ける。
オリガの蒼炎も一瞬で凍り付くほどの冷凍の光に、逃げる事すら許されず直撃する。
「オ、オリガ!」
「……………………」
光線が消えた直後、オリガは物言わぬ氷像と化していた。
全身が凍てつき、狼狽えたようなポーズの腕や顎、口や股から、大量の氷柱と霜が作り上げられ、その上から猛吹雪による雪で積もっていき、青白さと白きコーティングで彩られた、厳寒の彫刻となっていたのだ。
「あぁ……その口から染み出るいい臭い……嗅がせてください……ください……すぅ……」
ぎゅっと抱き着く災魔が、オリガの口にゆっくりとその凍てついた鼻を近づけ、魔王の口に漂う冷気と生気の臭いを自身の身体に取り込んでいく。
「オリガ……オリガ!?そんな……いつもは何か無惨に固めて来るオリガが」
「あなたも、寒く、しないと」
そう言ったアンナにゆっくりと顔を振り向ける災魔。
「あっ」
逃げようか、この隙に立ち向かおうか。
そう迷ったアンナに対して災魔は飛び掛かり、アンナをぎゅっと抱きしめる。
「ひあ……っ!?」
災魔から通してアンナの表面に霜が降り、その身体を白く染め上げていく。
寒さによって体の自由が利かなくなってきたアンナは、
「もっともっと寒くなってください……!」と、災魔によって腕を組んで寒がっているポーズを取らされてしまう。
ガタガタ、ガチガチと震えるアンナに、無慈悲に災魔は手をかざして冷凍ビームを放った。
「ああ、あ、ああ、あ、あ。」
ぱきぱきと足元から感じた鋭く冷たい冷気が一瞬で首元まで這い上がり、アンナは頭以外を凍らされてしまう。
鋸を握る手もそれを動かす手も、羽ばたいて逃げようとする翼も凍り付いて、無慈悲に氷柱がびっしりと垂れ下がっていた。
まるで真冬の雪の日に1日中全身が寒気に晒されていたように、真っ白な雪と氷でガチガチに固められていた。
「あぁ……さっきまであんなに熱くなってたから、口からにじみ出る臭いも美味しい……」
「……っ」
かちかちと唇を震わせて災魔を見据える事しかできないアンナ。
「わたし、そんなあなたの唾液が、もっともっと唾液が、欲しいです。」
はひ、はひ、命をかけて欲望を実行する災魔の息は荒い。
そんな災魔がアンナの口に指を突っ込
「そこまでよ。災魔」
後ろから蒼炎の旋風が迸り、災魔の背中に再び直撃する。
「あ……うっ……!?あ、熱い、熱いです!?」
この炎はさっき凍らせた女の子のものだ。
しかもさっきより勢いが桁違い。
一体何……が……と、焼かれながらも災魔は振り向くと、そこには別人のような存在が居た。
先程の白い衣服から一転した黒いドレスに身を纏い、悪魔の翼を広げる。
ドS人格、覚醒した姿、魔王オリガが氷を内から砕いて降臨していたのだ。
『アンナをいじめるのは私の特権よ。さぁ改めて燃え尽きなさい。|蒼き炎喪《ファイア・オブ・レクイエム》!』
「う、うあ、ひあああーーっ!?」
魔王の力による業蒼炎の嵐が災魔を中心に吹き荒れ、焼き尽くしたのだった。
その筈であった。
「な……は、うっ!?」
業蒼炎の嵐の中から冷凍ビームが輝刃の如く放たれ、炎を展開している最中であったオリガに直撃。
炎を放つ根元の手からバキバキと凍らせていった。
「はぁ……はぁ……はぁぁ……!」
ドロドロの涎を垂らしながら、ボロボロになった防寒着の代わりに、自身の冷気の力で作り出した氷で出来た防寒着を着込んで炎を防いだ。
更に迸る冷気の嵐で、魔王の蒼炎の嵐を打ち消していったのだ。
「そんな……私の力でさえも!」
「芯の、芯まで、凍ってて、くださいっ!」
氷の女王の様なティアラを頭に作り出した災魔はそのまま冷凍ビームの出力を強める。
凄まじい冷気の衝撃波がビームと共に放たれ、災魔の前方が青白い世界に飲み込まれていく。
その照射時間は先程とは比べ物にならない程、念入りに、念入りに、絶対零度の瞬間冷凍光線がオリガに向かって放たれ続けた。
「そ、そんな……オリ、ガ……」
身体を凍らされ見届ける事しかできないアンナから涙がこぼれる。
光りが止んだ先の光景は、何もかもすべてが凍り付いた氷河期の世界。
樹氷の如く凍り付いた魔王オリガの氷像が改めてその場に立ち尽くしていた。
「えへへ……みんな凍っちゃったら、改めてご褒美タイムです……」
災魔がアンナに向かってくる。
氷が溶けない。力を込めても砕けない。
力量を見誤ったのか、オリガもアンナも、ここからは災魔に好き放題される運命しか迎えられなかった。
災魔はずり、ずり、折角だからとアンナをオリガの氷像の隣に引きずって、設置する。
そこから改めてアンナの口に指を突っ込むと。
「も、むぐ……っ!?」頬の下辺り…にある、唾液腺を、ゆっくり、つぅぅ、と、なぞるように指を滑らせ、刺激していく。
「……ご……ぽっ……」
じわじわにじみ出て来た唾液はあっという間にアンナの口の中を満たし、ダラダラと口元から唾液を溢れさせる。
「あぁ……ぁぁぁ……ぁぁ……素敵です……ぅ……」
災魔はそんなアンナから溢れ出る唾液に口を近づけ、公園の蛇口から出る水の如く吸って、飲み込んで、摂取する。
「……がぽ……ごっ……」
寒い。恥ずかしい。酷い。
災魔の所業と身体の冷たさが、アンナの意識を駆け巡る。
「ぁぁ……留めたい……こんな表情の天使さん……一生このまま留めておきますね……!」
じっくり弄ばれたアンナは、そのまま反撃を一切許される事も無く。
アンナの口を散々弄んでいた災魔の指先から、アンナの体内を、残った頭を、全身を凍らせる瞬間冷凍ビームが放たれた。
バキン!と、凍てつく音が空に響くと、大量の涎を垂れ流した涙目の表情で完全に凍り付いたアンナの氷像が雪の村にて完成した。
口からポロポロとゆっくり零れ落ちる、唾液のシャーベットが無様に凍てついた天使の様子を彩っている。
「んはぁ……」
その垂れ下る唾液シャーベットに口をつけて、極寒の中丹寧に舌を這わせ、災魔は頂く。
「次はあなたですね……あなたは重傷を負わせた罰として、雪と冷たい水にまみれた、天使さん以上に痴態を晒す氷像になってくださいっ!」
凍り付いたアンナの隣で見事に凍り付いていたオリガは、災魔が魔力を込めながら叩くと、その身の氷と雪と霜と氷柱がどさどさと落ちていく。
だがその冷たさと寒さによって、最早オリガの体力は限界。されるがままの状態であった。
「………………」
白い息が漏れるが、あまりの寒さに最早言葉も発する事が出来ないオリガ。
アンナ同様腕を抱くようにして組まされ、寒がっているポーズを取らされるが、せめてもの抵抗にと、凍った髪を吹雪の風になびかせた、妖艶なポーズを取る。
災魔から接吻が迫り、その口に、どこからそこまで分泌していたのか分からない程に大量の唾液を口移しで飲ませられていく。
「ぁ……んぐ………………っ…………」
この寒さで籠りに籠りきったその唾液の激臭に|苛《さいな》まれながら、唾液混じりに入って来る雪と冷たい水。
腹部がぼてっと膨らむ程流し込まれ、アンナ同様口からごぽごぽと溢れる。
窒息状態となって、美しく寒がる姿が台無しになりそうな危うげな眼となっていく。
「それじゃあ……仕上げ……ですっ」
口を離した災魔が無様な半氷像に、可愛く手をかざし、全力の冷凍ビームを放った。
「(んぁ…ん…あぁっ…♪)」
「(うぁ……ぁぁっ………)」
こうして、雪に閉ざされた村に2体の氷像が完成した。
天使と悪魔で対になるような、オラトリオと魔王の氷像が、降りしきる豪雪吹雪に晒されて大量の雪を積もらせている。
どちらも寒そうに、一方は優雅に腕を胸に寄せて震えているかのような姿で凍っており、口からはシャーベットの様に凍てついた涎が溢れてボロボロと零れ落ちている。
「あぁ……素敵……素敵です……」
そんな2体の氷像を、災魔は1体1体、丁寧に口と鼻を寄せて、その身体に触れ、弄り続けていた。
凍り付いた2体は、凍って尚意識がある為に、全身が氷よりも冷たくなった状態で佇み続ける。
災魔が変な所を撫でる。
落ちる雪と共に、快楽交じりの呻き声の代わりと口から更なる雪がボロボロと溢れ出し、雪の彼方に落ちていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
凍雪・つらら
猛吹雪と極寒の中、いつもよりモコモコ着込んで来たのに……寒い……
「あなたが元凶ですか、何だか冬のいい匂いがしますね……?」
寒さに凍えつつ、妙なシンパシーを感じます、是非吸いたいっ!
この寒さと大雪、冬の匂いに包まれて、さ、寒い……でも、このまま受け続けて相手の好みの姿になれば、誘い出せるかも……
冷気と匂いを頼りに接近しつつ、ギリギリまで冷凍ビームを食らい、宿敵に雪まみれのもふもふ姿をアピールします
そして近づいてきた所を抱きつき、氷獄の抱擁を発動しますっ!
「あなたのもふもふと、わたしのもふもふ……冷気勝負です!あっ、思ったより寒い……ひいいっ!凍る!あ、あなたも……凍って下さいっ!ふううーっ!」
●
「いつもよりモコモコ着込んで来たのに……寒い……」
災魔が降らせる極寒吹雪の中、やってきた猟兵が居た。
災魔と同様に防寒着を着込むも体のあちこちに氷柱が垂れ下がるほど凍り付いた冷気を纏う、凍雪・つらら(凍える雪狐・f14066)という女の子だ。
パッと見では分からないが氷色の毛並みをした妖狐である。
「あなたが元凶ですか、何だか冬のいい匂いがしますね……?」
つららの周囲からも、極寒の冷気が漂い始める。
まるで真冬の寒気団がこの場に2つ存在し、2つの寒気団がぶつかり合おうとしているような感じだ。
『ぁぁ……寒い……なんだか急にいつもより寒くなってきました……』
以降、口調がほぼ同じの為、災魔の台詞を二重鉤括弧とする。
つららは足元からお腹に頭まで、大自然の白い息吹の如き吹雪を災魔と共に受け続ける。
その寒さに凍えながらも、目の前に居る災魔に妙なシンパシーを感じた。
「もしかすると『スノゥ・ブリザード』という方なのかもしれません……とっても寒い所でとっても凍えて私も一緒にガチガチに凍り付いたりした……あぁ……あの臭い……す、吸いたい、是非吸いたいっ!」
興奮したつららは、うっかりと辺り一面に極寒の冷気を解放してしまう。
「は、ぅぅ……さぶさぶさむさむ……!」
『寒い……寒いです!同類の方が居る気がします……きっと沢山もこもこ厚着をしていて、中に臭いが籠ってるに違いない……吸いたい!吸いたいですっ!』
興奮した災魔は、うっかりと辺り一面に極寒の冷気を解放してしまう。
二人の寒気によって辺りが真っ白、より一層視界の行き届かないホワイトアウトを起こし始めた。
「ああっ……!この寒さと大雪、冬の匂いに包まれて……」
つららは暖かそうな厚着をしているが、あえてたいした寒冷耐性を備えていなかった。こうした極寒の寒さを一身に受ける為である。尋常ではない。
ユーベルコードとも思える様な強力な猛吹雪が吹きすさび、つららをたちまち凍えさせ、全身に真っ白な雪を積もらせていく。
たちまち等身大の雪の塊がその場に出来上がった。
「さ、寒い……でも、このまま受け続けて相手の好みの姿になれば、誘い出せるかも……」
ぶる、ぶる、雪で出来たミノムシの様に震えながら、雪の塊が動く。
視界もおぼつかない中だが、災魔の口からわずかに漏れる唾液の臭いは既につららも感じ取った。
寒気の発生源である災魔の冷気と、あの遠くからでもそこはかとなく気づく強烈な臭いが今のつららのたよりだった。
『ぁぁ……そこですね……強い冷気を感じます……沢山積もった、雪と冬の臭いがもう……心地いい……』
災魔もまた、既に全身が雪で固められ、ガッチガチの氷雪オブジェの様に凍り付きながらもかろうじて動いて、腰まで積もった大雪の中、つららを探しに歩き回りながら、感じ取るその臭いに恍惚を浸していた。
『もっともっと凍って欲しい……ガチガチに凍ったその臭いを嗅がせて欲しい……わたしなら、それが、できます、っ!』
災魔はバキバキと袖に無数の氷柱が出来上がりながらも氷を砕いて手をかざし上げる。
冷気と臭いを感知した方向に、災魔は渾身の冷気を圧縮し、拡散放射冷凍ビームが放たれた!
「ひああ!っ……!」
冷凍ビームを受け、ケットシーの猫の村は一面氷漬けとなった。
その中で氷の鎧かという程にさらにバキバキと厚い氷を積もらせて凍り続けるつらら。
その身体は沢山の雪と氷でまみれた、寒さを感じなければまるでもふもふのマシュマロの塊のような可愛らしい雪塊の姿をしていた。
『沢山沢山凍りました……?ぁぁ……その動けない寒そうな姿を……嗅がせて、ください、ください……っ!』
遂につららの傍まで近づいた災魔。
ゆっくりと身体の雪と氷を最低限までどさどさと落としながら、つららに極寒のハグをしようとする。
つららもそれに反応して、動いた。
ゆっくりと身体の雪と氷を最低限までどさどさと落としながら、つららも災魔に極寒のハグをした。
「んん……っ」
『ふぎゅ……っっ』
『さ……寒い……ですっ……でもこの寒さが病みつきです……雪と氷の隙間から漂う臭いが……ぁぁ……好き……好き……』
「うう……さ、さぶいです……でも負けません……あなたのもふもふと、わたしのもふもふ……冷気勝負です!」
抱き合う2体の樹氷の様な人型は、各々の中心から極寒の冷気を解放する。
2体を中心により酷い吹雪が巻き起こり、猫の村は最早屋根すらも雪で積もり上がる程となった。
「あっ、ああっ、思ったより寒い……ひいいっ!凍る!」
つららの身体が、身体の芯が、完全に凍り付いてしまいそうな程ガチガチの氷で覆われていく。
「あ、あなたも……凍って下さいっ!ふううーっ!」
氷獄の包容にてがっしり抱きしめた災魔に、更に追い打ちで自身の体温を氷点下……否、絶対零度まで落とし始めるつらら。
やけ気味に口から、絶対零度の冷凍吐息が、口移しになるようにして災魔に、吹きつけられた。
『は……はぅ、ぅ……さ、さぶ……凍る……凍るぅぅぅ……』
極低温の冷気と強烈な唾液の臭いが絶対零度の吐息に押し込まれて災魔の口の中へと入っていく。
災魔の身体が、身体の芯が、全身が完全に凍り付いていく。
『……すてき……臭い……あなたも……一緒に……凍り……ま……』
完全に凍り付く最後の最後で、災魔・スノゥ・ブリザードは、名の通り吹雪を巻き起こしながら、抱きしめた零距離での全力の瞬間冷凍ビームを起こす。
青白い光と絶対零度を超える超極寒の冷気が、二人を中心に放たれた。
●
丸一日経ち、アルダワの猫の村。
村は、それはもう異常かという程の積雪に埋もれてしまった。
活躍した猟兵達は、吹雪が収まった事から災魔を、オブリビオンを倒したと確信したが、家屋丸ごと凍り付いた上で雪に埋もれているこの状況は洒落にならない。
炎を使える者は炎を使って、とても大変な除雪作業が始まったのだった。
かまくらに対比していた猫達はなんとか、かまくらの入り口で雪がシャッターの様に積もって塞いだの(と、退避した尾守・夜野が中で温めてくれていたの)で、何とか凍らずに生き延びる事が出来た。
家の中に対比した猫や人間達も無事だ。
「ああっ、私のケータリングカーが……この雪で潰れなかっただけ良しとするしかないです。」
保護した|猫《ケットシー》と共にケータリングカーに退避して何とか無事だった桜花が雪の中から出る。
グリモア転送で帰れはするものの、これが依頼でなければ春まではこのままだったかと言わんばかりにケータリングカーも雪に埋もれていたのだ。
「色々な意味で、恐ろしい方でした…可能なら、次は共存出来る願いをお持ちになりますよう」
雪の積もったケータリングカーの上で、桜花は鎮魂歌を歌った。
除雪がある程度進んだ辺りで、猫の村は一転、雪の立体迷宮のようになった。
積もった雪が多すぎてユーベルコードでも一掃が難しかったため、最低限の通路と家の入口の雪が解けくりぬかれ、雪の通路の様になっていたからだ。
凍り付いた家々は幸いにも表面だけが氷で覆われていたので、入り口の氷を叩き壊してみんな外に出れるようにした。
ルナに家まで避難させられたテフラは今、人間達によって家の風呂の中で氷と蝋を熱湯で溶かされている。
オリガとアンナの氷のオブジェは、まるで溶ける様子が無かったので、除雪された村の広場らしきスペースの中央に置かれて、日々やってくる陽光で溶けるのを今か今かと待っている状況だ。
その広場のはずれ、未だ雪で埋もれた世界の中で、つららと災魔は抱き合ったまま、完全に雪の積もった氷山の如く凍り付いていた。
日差しが彼女らを溶かす事は、しばらくないだろう。
ともあれ、こうして猫の村は、冬に晒されながらも災魔から生き延びる事が出来た。
まだ冬はやってくる。彼らがここからの厳寒を乗り切れる事を祈るばかりである。
成功
🔵🔵🔴
最終結果:成功
完成日:2023年11月26日
宿敵
『スノゥ・ブリザード』
を撃破!
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