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Honey Hallowe'en

#ケルベロスディバイド #お祭り2023 #ハロウィン #大祭祀ハロウィン #季節の魔法

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 ハロウィン、ハロウィン、ハロウィン――街の建物という建物がオレンジ色になっていた。あらゆる万物が具現化する混沌にたっぷりの蜜色シロップを振りかける犯人の名を、『プランツネット』……という。

「擬態、ですの」
 黒弗・シューニャ(零・f23640)は神妙な顔で言った。
「プランツネットという攻性植物は自家製の蜜をマスコットみたいな形に変えたり、攻撃に利用したりしますの。このまま放っておいたら街がとんでもないことになってしまいますわ!」
 それでなくとも、十二剣神『大祭祀ハロウィン』によって世界は刻一刻とハロウィン化し始めている。このままでは|何でもありの世界《・・・・・・・・》の到来だ。
「皆様にはハロウィン化に呑み込まれないよう、仮装を行っての参戦を要請いたしますわ。あらかじめ『あらゆる世界の概念が同時に存在する状況』を作り出すことで、ハロウィン化する世界においても普段通りに戦うことが可能になりますの」

 まるで毒には毒を、の世界である。
 バリエーション豊かな仮装をもってして、ハロウィン化に対抗する。
 そして配下の軍勢を決戦都市に差し向けた黒幕である『大祭祀ハロウィン』を倒す。

「戦場となるのはケルベロスディバイドの決戦都市ですから、要請があれば|決戦配備《ポジション》が発動可能ですわ。うまく使えばきっと戦いを有利に運べますから、よろしければご検討くださいませ。準備ができましたら、皆さまを現場までお送りしますわ……!」


ツヅキ
 OP公開時からプレイング受付中です。
 締切についてはタグをご確認ください。

 『季節の魔力』に属するハロウィンの魔力を狙って行動を始めた、十二剣神『大祭祀ハロウィン』。世界をハロウィン化させようとする企みを阻止するため、バラエティ豊かな仮装で対抗しましょう。
 いずれの章でも|決戦配備《ポジション》の指定があれば利用可能です。うまく使うことで、プレイングにボーナスが得られます。
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第1章 集団戦 『プランツネット』

POW   :    トキメキシロップ
【愛らしい形状に変えた蜜(固形) 】を飛ばし、命中した対象をめろめろにする。対象の傷を治してもよい。
SPD   :    スケープ・ハニー
【頑張って蓄えた蜜を置いていく事 】による素早い一撃を放つ。また、【蜜をいっぱい置いていく】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    テンプテーション・フレーバー
攻撃が命中した対象に【上品な蜜の香り 】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【蜜の香りに魅入られてしまう事】による追加攻撃を与え続ける。

イラスト:すずや

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

川崎・五十鈴
※仮装『ジャックオーランタンに惨殺ナイフを突き刺している死神』

来たか、十二剣神…!
デウスエクス首領格に牙を突き立てることができるこの日を私はまさに一日千秋の想いで待ってた…!

UCで重力を操る力を宿して敵集団に向かって突貫。
飛ばしてくる蜜に触れるだけで不味い相手に無策で突貫するという自身を敗北の危機に追い込む行動によって私の力は高まる。
高まった重力の力で飛んでくる蜜も敵も吹き飛ばして圧し潰す。

決戦配備はクラッシャー。私を巻き込むとか気にせずどんどん敵を攻撃してもらう。私に飛んできた攻撃は吹き飛ばせるし。私も決戦都市も攻撃全振り。

自然に優しくないクラッシャーまで使ったんだ…ハロウィン、絶対に倒す。



 川崎・五十鈴(エコテロリストエルフ・f41042)はこの時を強く待ち望んでいた。来る日も願い、疾く来たれと祈り続けた。
 原動力は怒り、だったのだろうか。
 あるいは憎しみ、哀しみ、復讐……そのいずれか、あるいは全てであったのかは五十鈴本人にしかわからない。
 ただ一つだけ確かなのは、今この日、この時、この瞬間に願いが成就するという事実だけ。
「来たか、十二剣神……!」
 大量のプランツネットを従えた大祭祀ハロウィンは全身を揺るがせて嗤った。
「オレサマを止めるつもりか、六番目の猟兵さんよォ!!」
「全力で是と答えよう……!」
 歪む次元が五十鈴を引きずり込もうと螺旋に捩じれ始める。そうはさせまいと五十鈴は衣装の裾を翻してユーベルコードを発動した。
 
 ――死神。
 街に襲いかかる大量のプランツネットに向かい、突貫する。
 ともすれば世界の法則さえも歪めるハロウィン化の現象を猟兵たちはその身に纏う各種の仮装によって抑え込んだ。
 ご愁傷様、ジャックオーランタン。
 死因は惨殺ナイフによる刺し傷。致命傷のカボチャ頭はこれからプランツネットに降りかかる災難の予告でもあった。

 これから、あなたたちは、こうなるのさ。

 その魂に重力を宿した死神よ、存分に戦場を舞うがいい。まったく敵群が吐き出す蜜といったら見た目の可愛らしさとは裏腹に質が悪過ぎた。
「私をめろめろにするだと? ……冗談」
 浮かべる笑顔には一切の容赦がなかった。
 あの蜜に触れたら最後、魅了されて傅くはめになる。かわいらしいマスコットの形をとった蜜の塊が殺到する絶体絶命のピンチの瞬間、まるでオセロの駒が引っ繰り返るみたいに状況が引っ繰り返った。
「もらった……!」
 危機こそ好機。
 高まる重力の力に吹き飛ばされた蜜の塊が地面や壁に激突して潰れた。
 それだけではない、一緒に叩きつけられた本体までもがひしゃげて圧殺される。起き上がろうとする者には決戦都市に配備された長距離砲が連続で叩き込まれ、反撃を許さない。

 傍から見ると不思議な光景だ。
 ナイフの刺さったジャックオーランタンを携えた死神が砲撃の嵐の中をいともたやすく突撃し、敵群を薙ぎ払っているのだから。
「なぜ当たらん!?」
 思い通りにならないで苛立つ大祭祀ハロウィンにはちらりと流し目だけを差し向ける。味方は重力だ。敵も、流れ弾も、全ては重力によって操作してやればいい。
 心が痛まないわけがなかった。
 攻撃に全力を注ぐことは、都市への……そこに息づく草木や樹木、大地さえも戦いに巻き込むことに他ならないのだから。
「今少しだけ堪えてくれるか、自然たち。必ずや見返りは約束する。十二剣神こと大祭祀ハロウィンの首級を討ち取るがゆえにッ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アニマ・ドラウグ
生憎だが、私は甘い物より辛い物が好みなのだが?
大祭祀ハロウィンめ、配下を差し向けるならば
味にもバリエーションくらい持たせんか
まったく、何もかも気に食わん
喰らわずに成敗してくれるわ

・仮装
南瓜お化けの被り物を着用
(角を出す為の穴あり)

…ペット用なのは正直どうかと思うが、今は緊急事態だ
ハロウィン化を防げればまあ良しとしよう

・戦闘
決戦配備ディフェンダー要請

敵の蜜発射のタイミングに合わせて
障壁展開、防御を頼む

その隙に私は『空中浮遊』で高度を上げよう
蜜が届かず、かつ敵群を見渡せる位置にな
そこから【霊竜乱舞】で攻撃だ

鬼火を数多放ち、燃え広がらせ
混乱させた敵群を目掛け急降下
竜爪での追撃を加え、刈り取ってやる



「大祭祀ハロウィンめ、抜かりおったな」
 蜜、シロップ、甘い物……いずれもアニマ・ドラウグ(御霊竜・f41506)の趣味には当たらなかった。
 どうせなら辛い物の方がよき。
 オレンジ色の蜜でデコレートされた決戦都市はさながら童話に出てくるスイーツの家を模したモニュメントのようでもある。
「味のバリエーションなくして何がハロウィン化か。そこへなおれ、我が成敗してくれるわ」
 アニマは用意してきた被り物をすっぽりと着用した。南瓜お化け、参上。あらかじめ開けておいた穴から飛び出す角がなんともいえない味を出している。
 ……ここだけの話、実は取り急ぎ探したペット用なのだが。なにしろ緊急事態であるからして、ひとまずハロウィン化を防げれば万々歳。
「頼んだぞ、ケルベロス」
 プランツネットが蜜を発射するタイミングに合わせて決戦都市に仕組まれた防護システムが起動する。
 次々に立ち塞がる障壁にぶつかった蜜の塊がその場でひしゃげた。
 ただのひとつとして喰らうものか、とアニマは高度を上昇。大量に解き放たれたプランツネットの大群を一望できるだけの上空に陣取って曰く。
「よい眺めだな、さて……」

 ぽっ。
 鬼火だった。
 揺らめく尾の先に灯る、熱と焔。
 南瓜を被ったアニマがそうするといっそうお化けらしさが増す。あっという間に街は幻想的な景色に彩られた。
 あそこにも、そちらにも――逃げ場所を失ったプランツネットに次々と燃え移る数多の鬼火が戦場の支配者であった。
 そして急降下。
 混乱する敵群に飛び込み、手あたり次第に裂く、切る。
 目印は鬼火だ。
 鋭い爪が蜜を裂いて体液のように飛び散らせた。アニマによって志半ばで刈り取られたプランツネットは萎んでかさかさに枯れ果てる。
 これが彼奴等の本性。
 可愛らしい擬態になど、アニマは惑わされない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レラ・フロート
十二剣神……大祭祀さま。

元々ダモクレスだった私にはまさに雲の上の相手。

……臆するもんか!
ケルベロスからDIVIDEへ。
クラッシャーポジションを要請します!
気合いで押していくよっ。

ハロウィン化に抗う仮装のコンセプトは「天女さん」
模様のある和服と帯に、頭には花
戦うからちょっと動きやすい感じに和服をアレンジ

舞うように動きつつも
力強くUCのコンビネーションを決めて確実に数を減らすよ
可愛い敵の容姿には惑わされない
結構お気に入りの衣装なんだから!蜜まみれにはさせない

地球の人たちに教えてもらった誰かを慈しむ心、今こそ力に変える

ハロウィンはみんなのものだよ!
フロート・コンビネーションでまた1体と倒していくね!



 その名前はレラ・フロート(守護者見習い・f40937)にとって、とてつもなく大きな意味を持っている。
「十二剣神……大祭祀さま」
 ぎゅっと、胸の前で握り締める右手。かつてダモクレスだった時代を思い出しながら。なんて恐れ多い御相手だろうか。
 ……怖い?
 自らに問いかけるが、答えは決まっていた。
「――いいえ、憶するもんか!」
 雲の上だった存在に挑むための勇気は既にレラの胸の中にあった。
 気丈に微笑み、特務機関DIVIDEに告ぐ。
「ケルベロスより連絡、クラッシャーポジションを要請します!」
「了解しました。クラッシャーポジションを展開」
 決戦都市の各所に設置された砲台が一斉にプランツネットに向けて動いた。激しい砲弾の中を天女の仮装をしたレラが往く。
「そこッ」
 剣閃と共に、可愛らしく凝固した蜜を袈裟に斬り捨てる。見た目なんかに誤魔化されるもんか。
 蜜がこぼれ、丸見えになった植物の核部分に回し蹴りを放った。レラの動きに合わせて丈や帯の長さを戦闘用にアレンジした天女の衣装がひらひらと舞う。
 どうだ、と微笑んだ。
 やっぱりお気に入りの衣装だと気分の乗りが違う。
「蜜まみれはご勘弁、ってね!」
 花飾りと引き立て合う柄物の和服が風にたなびいた。まるでレラの気合いに応えるかのように凛とした姿から放たれたビームが敵を焼き尽くす。

 だって、わたしは教えてもらったんだ。
 誰かを慈しむ心を。
 |地球の人たち《彼ら》はどんな苦境にあってもそれを忘れなかった。
 その他者を想う心を今、力に変えて。

「独り占めは駄目だよ。ハロウィンはね……みんなのものなんだから!」
 すれ違いざま、斬り付けられたプランツネットが体勢を崩す。一瞬の隙を逃さずに拳からビームに繋ぐコンビネーションでレラはまた一体、プランツネットを倒したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

楊・暁
【朱雨】

決戦配備:ジャマー
消臭ガス散布で香り打ち消す
よろしく頼む!

藍夜と同じ仮装

事前説明は真剣に聞いたけど
ハロウィン化?あらゆる(中略)存在する状況??
俺も馬鹿じゃねぇはずだけど理解追いつかねぇ…
…まぁ、とりあえず仮装して敵ぶっ倒せばいいんだな?
俺と藍夜にオーラ防御しつつ

…やめたのは偉いけど――ひぁっ!(急に抱き寄せられ吃驚
…いきがってんのか?アレ…

っと…とにかくお前!
食いもん粗末にしちゃ駄目だろ勿体ねぇ!UC
植物なら燃やし尽くしてやる
唯の炎じゃねぇ
藍夜の雨と共存できる狐火だ…!

極力早業で先制攻撃
敵の攻撃は見切りか受け流し

…藍夜
これ終わったら蜂蜜の菓子食いてぇ
ハロウィンっぽい奴…!
やった!(喜


御簾森・藍夜
【朱雨】
心音とキョンシー

…(渋い顔
…(とても渋い顔

ゴーストもオブリビオンもハロウィンを暴れられる奇祭と勘違いしてないか?
まぁいい
蜜か…

正直、何でもありの世界なら心音が世界一可愛いと世界に認めさせるのも吝かではないと思った
が、俺の嫁が見知らぬ誰かに勝手に推されるのも癪だ
だから俺はちゃんとやめた
だが勿論分かってるとも、心音が世界一だと!

で、そこの蜜玉
(降るシロップに傘を差して心音を抱きしめ
イースターはとっくに終わったし、あと心音のがフローラルで可愛い匂いがするから少し可愛い風のツラだからって粋がるなよ UC

ん?蜜菓子か
蜂蜜チーズのタルトなんてどうだ
折角ならプチフールで好きなデコレーションにしような



「フハハハハ!! 香しい蜜の香りに魅了されてしまうがよいわ!! ハーッハハハハ……ハ? なんだ、これは……蜜の匂いが薄れていく……だと……!?」

 どうやら要請は通ったようだ。
 特務機関が散布する消臭ガスによってプランツネットの香気はだいぶ薄まった。
 楊・暁(うたかたの花・f36185)と御簾森・藍夜(雨の濫觴・f35359)は|お揃いの仮装《キョンシー》姿でハロウィン化の危機に陥った決戦都市に乗り込んだのだが……。

「…………」
 藍夜はさっきから顔をしかめ、渋い表情のまま。
 どれくらい渋いかと言うとせっかく仕入れた珈琲豆の産地が盛大に間違っていたとかそれくらいの納得できなさだった。
「ハロウィンは好き勝手に暴れられる奇祭ではないんだがな……」
 低く唸る。
 あいつらは何か勘違いしているのではないだろうか。そもそもハロウィンとは万聖節に由来する由緒正しい祭りで云云かんぬん――蘊蓄に詳しそうな藍夜の隣で暁も腑に落ちない顔になる。
「この状況、皆ちゃんと理解できてんのか??」
 首を傾げる暁の頭に大量のはてなが浮かぶ。
 事前説明はちゃんと聞いた。
 いつも通り、真剣に。
 なのに、全然頭に入って来ない。
 ――あらゆる(中略)が存在する状況=ハロウィン化らしい。いろいろとぶっ飛んでいる。とりあえず仮装だけは言われた通りにしてきたが、それにしても無茶な説明だ。
「……まぁ、いいや。とりあえずあいつらをぶっ倒せばいいんだよな」
「そういうことだな」
 藍夜は神妙な顔で頷いた。
 実は、何でもありの世界を求めるのなら藍夜の方がちょっとした先達者である。なにしろ暁こと心音しか見えていないこの男、その可愛らしさを世界に認めさせるのも吝かではないという感性の持ち主だった。
 とはいえ、それではどこの誰かも分からない馬の骨に心音が勝手に推されてしまう。それは癪だ。ゆえにやめた。それはそれとして、心音が世界一であることは変わりないが。
「なぁ、心音。やめた俺はあいつらと違って偉いだろう?」
「あぁ、まあ――ひぁっ!」
 突如、抱き寄せられて傘の裡に引っ張り込まれた暁の可愛い悲鳴。飛び散るシロップが傘に阻まれる。暁を守るためにある傘だ。こういう時に使わず、いつ使うというのか。
「というわけで、そこの蜜玉」
 きょとんと、あざとい仕草で小首を傾げるプランツネット。
「ひとつ、イースターはとっくに終わった。ふたつ、心音のがフローラルで可愛い匂いがする。みっつ、少し可愛い風のツラだからって粋がるなよ?」
 発動されたユーベルコードの弾丸が蜜の塊を貫いて破壊する。同時に暁のオーラが盾となって飛び散る蜜からふたりの身を守った。
「……いきがってんのか? アレ……」
 藍夜に抱かれたまま、暁は呆れた顔で見上げながら狐火を放つ。それは藍夜の|雨《弾丸》と共存する幻楼火の焔であった。
「食いもん粗末にするのは俺の仁義にもとる。さぁ、燃え尽くせ……!」
 次々と弾丸をくらって爆ぜる傍から狐火が舞い飛んで本体ごと灰に。できるだけ早く、先手を取りながら。どう攻撃しても受け流され続けるプランツネットは打つ手なしと言わんばかりに立往生するばかり。
「ほんと、見た目だけなら悪くねぇんだけどな……藍夜、ちょっと」
 手招きされた藍夜が耳を寄せると、暁が言った。
「これ終わったら蜂蜜の菓子食いてぇ。こう、ハロウィンっぽい奴……!」
「なるほど蜜菓子か」
 手作り料理を得意とする男は任せろと微笑む。
「なら蜂蜜チーズのタルトなんてどうだ? 折角ならプチフールで心音の好きなデコレーションにしような」
「やった!」
 となれば、だ。
「さっさと事件解決するか」
「あぁ、とっとと片付けよう」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カタリナ・エスペランサ
仮装はキョンシースタイル
決戦配備はスナイパーに安全な遠距離から攪乱してもらおうか

さて、前哨戦だね。蹴散らすとしようか!
【閃舞剣嵐】発動
《誘惑+歌唱+催眠術》と《ダンス+空中戦+誘惑+パフォーマンス》で
《存在感》を放ち《おびき寄せ》た敵から《早業+怪力+蹂躙》の剣舞で仕留める
敵の動きは《第六感》と《戦闘知識》を組み合わせた《見切り》で先読みして攻撃回避

蜜か……オブリビオン由来の素材の扱いは世界や地域によって色々だけど、さて
《情報収集+学習力》の解析や《世界知識》と照らし合わせ、有害なようなら処分を。
逆に良いものならハロウィンのお土産として皆に振る舞う用に頂いてもいいかもね



 特務機関による射程外からの弾幕が大量のプランツネットに向けて放たれた。四方八方、どこから狙われているのかも分からない程の物量作戦はカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手・f21100)の要請に応えたものだ。
「さて、前哨戦だね」
 攪乱される敵群に向かい、弾幕の中を軽やかに翔けるキョンシーとなってカタリナは剣を手に舞った。
「いくよ!」
 その剣閃たるや、流麗かつ優美。
「む!?」
 大祭祀ハロウィンすらも目を奪われるほどの剣技にプランツネットの視線も釘付けだ。
「かかったね☆」
 ふふっと微笑むカタリナ。
 カタリナの剣舞に魅入ったが最後、その流麗さからは想像もつかない早業と怪力で次々に仕留められてゆく。
「いくら身軽になろうと、これじゃ無意味」
 我に返って正気を取り戻せば身動きがもったりとして標的にしやすくなるだけのこと。カタリナは第六感と戦闘知識による勘と経験で攻撃を先読みし、敵を華麗に斬り伏せる。
「何をやっているのだ! それでも我が配下か!?」
 大祭祀ハロウィンの叱咤を受けたプランツネットは再び蜜を貯め込んだ。
 カタリナはよく観察する。
 オブリビオン由来の素材は世界や地域によってさまざまな扱いを受けているが、さて……壁に塗りたくられたそれを指先ですくい取り、これまで見知って来た世界知識と照らし合わせる。情報収集や学習なら得意だったので。
 ――結論、取り合えず持って帰ってみるのも悪くはなさそうだ。
「それじゃ、ハロウィンのお土産に頂いていくよ」
 踊りながら剣を振るい、プランツネットに止めを刺した。
 空に浮かぶ大祭祀ハロウィンが悔しそうに歯ぎしりする。あれだけいたプランツネットがいまやただの一体すらも動けるような状態ではなくなっていたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『十二剣神『大祭祀ハロウィン』』

POW   :    そして世界はハロウィンと化す
【ハロウィン化した世界】を見せた対象全員に「【オマエのハロウィンを見せてみろ!】」と命令する。見せている間、命令を破った対象は【ハロウィンによる肉体変化に抗う力】が半減する。
SPD   :    トリック・オア・ハロウィン
【食べた者をハロウィン化する毒菓子】を給仕している間、戦場にいる食べた者をハロウィン化する毒菓子を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ   :    真理を識る大祭祀ハロウィンの視線
視界内の対象1体の精神を【真実の部屋ハロウィン】に追放する。精神が帰還するまで、対象の肉体は動けないが無敵になる。

イラスト:key-chang

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「流石だな六番目の猟兵達、流石だな特務機関DIVIDE……! 十二剣神のオレサマにたてつくとは肝が据わってやがる。だが遊びはここまでだ。オレサマが出て来た以上、地球のハロウィン化は避けられねぇ……!」
 大祭祀ハロウィンの目的はただひとつ、地球に「ハロウィンの楔」を撃ち込み、彼の主星である『真理の部屋ハロウィン』との融合を果たすこと。
 それが成就した時、あらゆる生命、そしてグラビティ・チェインはその全てがハロウィンと化すだろう。
「ヒャ〜ッハッハッハァァァァ!!!!」
 勝利を確信した高笑いが決戦都市の上空に響き渡る。
「勿論、大義はオマエラにある。正義の味方として、正々堂々止めに来い! ただし、その手で止められるものならな……!」
アニマ・ドラウグ
そうかそうか、言いたいことはそれだけか?
ならば潔く討たれるがいい
正義云々はどうでもよいが
ハロウィンという存在は
地球の祭りだけで充分なのでな

…本当に見せても良いのか?
お望みならば構わんが、後悔するなよ
では、とくとご覧あれ
【化ケタ姿】をな

(変身後、被り物は霊体の何処かに引っかかっている状態)

悪霊たる我のハロウィンとなれば
“化けて出る”以外あるまい

恐怖で奴が怯んだ隙に攻撃に移ろうか

決戦配備キャスター要請、魔法陣展開
我の操る『呪詛』の強化を頼む
都市の機能を利用するだけなら
悪戯に味方を怯えさせることもなかろう?

ハロウィン化した箇所を霊障にて『地形破壊』
そのまま畳み掛けるように
大祭祀を巻き込んでくれるわ


レラ・フロート
大祭祀さま、私は元連合軍所属、ダモクレスのレラです
猟兵は侵略を許さないこと
彼らと合流したケルベロスは強いとお分かりですか
取るべき道は、殺し合うことではなく
手を取ることではないのですか

言葉だけで十二剣神を止められないことも私は知っています
力持つ者が重んじられるのがデウスエクスなら
示し、分かっていただきます!

DIVIDEにはクラッシャーのポジションを要請
わたしの全てで押すよっ

剣に込める想いは、いつか必ず戦いを止める、分かり合うとの願い
異なるものと分かり合う
それが、地球で心を学んだわたしの、ハロウィンです!

わたしの剣よ、未来を拓くための一歩を刻め
全力全開!最大まで力を高めた《閃光烈波》を叩き込むっ!



 宣戦布告のような演説を聞き終えたアニマ・ドラウグ(御霊竜・f41506)の口元に呆れのような苦笑が浮かんだ。
「言いたいことはそれだけか?」
 たっぷりの皮肉を込めて尋ねれば、大祭祀ハロウィンの顔が面白がるように歪む。
「怒ったのか、六番目の猟兵さんよ……!?」
 否、とアニマは首を振った。
「興味がないだけだ。楽しき地球の祭りに貴様は必要なかろうて。ハロウィンという存在は地球の祭りだけで充分なのでな」
 正義も悪もアニマの前には意味をなさない。
 どうでもよいのだ。
 ゆえに、これは純粋なる|仕事《・・》であった。
「見たくば見るがよい。貴様がそれを望むのならばな。よいか、後で後悔するなよ」

 ……変異は突然であった。
 アニマの身体が数倍は大きな霊体と化して空に浮かぶ大祭祀ハロウィンと真向かったのだ。
 さっきまで被っていた南瓜は右耳にぷらぷらと引っ掛かっている。

「ヒャヒャヒャ! 上等だ!」
 大祭祀ハロウィンは興奮した様子でさらに笑い声を高めた。
「せっかく地球まで来たんだ、そう来なくちゃ面白くない」
「――大祭祀さま」
 レラ・フロート(守護者見習い・f40937)は前に進み出る。もの凄い威圧感。だが、慄いてなどいられるものか。
「私は元連合軍所属、ダモクレスのレラです」
「ほう?」
「猟兵は侵略を許さないこと。そして彼らと合流したケルベロスは強いとお分かりですか」
「ヒャヒャヒャ! 当然よ!」
「では、もっと他に道があるはずです」
 凛としたレラの言葉が|混沌《ハロウィン》化する戦場に響いた。
「取るべき道は、殺し合うことではなく……そう、手を取ることではないのですか」
 これは、レラの矜持。
 ただ倒すのではなく、互いを理解した上で決着をつけたいという。

「お願いします、クラッシャーの決戦配備での援護を!」
 要請を受けた特務機関はただちに砲撃による支援を開始する。
「魔法陣を展開せよ!」
 同時に、キャスターによる魔力強化の力場がアニマの周囲に敷設された。

 レラはわかっている。
 言葉だけでは止められないことも、力を持つ者を重んじるのがデウスエクスのやり方だということも。
「ならば示しましょう。わたしの想いよ、届いてっ!」
 ――いつか必ず、戦いを止めてみせる。
 異なるものとも分かり合える日が、いつか訪れるようにと願い続ける。
「それが、それこそが……この地球で心というものを学んだわたしの、レラ・フロートのハロウィンです!」
 閃光烈波、紛うことなき決意によって威力を増した剣閃を大祭祀ハロウィンは避けることができなかった。驚きと共にアニマを見上げる。
「まさか、このオレサマが恐怖を感じているとでもいうのか!!」
 
 人は其れを、|悪霊《アニマ・ドラウグ》と呼ぶ。
 青い瞳が爛々と輝いて。
「とくとご覧あれ」
「ぬ……!」
 魔法陣の補助が呪詛の強化を齎し、いかに十二剣神といえども平常心でいることは難しい。
 見方を怯えさせる心配もなくなれば、あとは勝負をかけるだけのことだ。
 アニマの霊障が起因する地形の破壊が至るところで発生する。ハロウィン化による混沌が均され、開けた道をレラが往く。
「やあぁッ――!!」
 未来を拓くための一歩を、ここに刻もう。
 レラの想いが最高潮に達すると閃光のオーラはまるで灼熱の太陽の如くに燃え盛った。全力全開で叩き込まれる一撃は、まさに必殺。
「うおお……!!」
 一文字に斬り捨てられた傷跡がくっきりとその巨体に刻まれた。
 ハロウィン化の崩壊に呑まれる形で体勢を崩してゆくのをアニマは傲然と見下ろしている。
「策に溺れたな、大祭祀とやら」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

楊・暁
【朱雨】

俺は、俺の望みの為なら狡い事もする
だから大義もねぇし正義の味方でもねぇ
今は藍夜と一緒に平和に過ごしてぇ
それだけだ

というか良いのか?“俺達の”ハロウィン見せて…
お前、絶対後悔するぞ…?

藍夜の惚気察しつつ便乗
俺は作戦としてだけど…藍夜は素だな、いつもの事だけど

相槌打ち
二人でどんなパイにするか考えたんだよな
…でも、俺は藍夜のことならいくら見てても飽きねぇぞ?
俺も、ハロウィンで格好良い藍夜見られて嬉しい
まぁ、いつだって俺の藍夜は格好良いけどな

抱きつき仲睦まじいとこ見せつけてやる
正直恥ずかしいけど…これも作戦、作戦…

隙あれば不意打ち狙い
軽業で肉薄&早業でUC

“俺達の”ハロウィン見られて満足だろ?


御簾森・藍夜
【朱雨】
俺は心音の味方で、それが結果的に正義なだけ
つまり心音が可愛くて天使できちゅねで世界平和な訳だ

理解しろ芽の出た玉葱
こういう玉葱は廃棄処分以外無い

うちの店はハロウィンに食事系スイーツ系と二種のカボチャパイを売る
そう、心音考案の黒猫パイは大いに売れた
それとハロウィンで合法で可愛いコスプレをした心音の姿が見られる喜び!!
…まぁこっちは分かられても困るがUC
寒いどころか心音のお陰で体温まりそう
心音が褒めてくれるのが嬉しい

心音から抱きしめてくれるなんて!
…作戦?そうか…まぁ、そうだよな

心配するな、真面目に戦うとも
悪戯か菓子かどころか菓子か妻かが俺のハロウィンだ!
おっと。すまんな|幸せ《新婚》で!!



「正義だって?」
 やれやれと、御簾森・藍夜(雨の濫觴・f35359)の嘆息。
「そんなものはただの結果だ。俺は――」
 楊・暁(うたかたの花・f36185)の手を握り、愛しそうに微笑みかける。全く可愛い天使が地上にいたものだ。
「|心音《・・》の味方なだけだ! いうなれば心音のヒーロー。その可愛らしさを守っていたら結果的に世界平和に繋がったという訳で」
 反論の余地などあるまいと言わんばかりに、藍夜の目はどこまでも本気そのもの。こうなったら誰にも止められない。
「第六の猟兵ともあろう奴が、正義よりも愛の方が大事だと?」
「違う。こ・こ・ねが大事なんだ。ちゃんと言った通りに理解しろ、芽の出た玉葱」
「め……」
 これには、さすがの十二剣神も言葉を失った。
「オ、オレサマを野菜呼ばわりか……!?」
「そうだ」
 身も蓋もない。
「こういう玉葱は廃棄処分以外無くてな、全く手間がかかる」
 やれやれ、と藍夜。
 暁も同じ気持ちだった。
 大義なんてない。
 ただ、今は藍夜と一緒に平和な日々を過ごせたらそれで幸せなのだ。
「それに俺は、俺の望みを叶えるためなら狡い事だってする。正義の味方だなんて間違っても名乗れねぇ」
 というか、と上目遣いに大祭祀ハロウィンを見つめる。
「良いのか?“俺達の”ハロウィン見せて……」
「どういう意味だ……!?」
「後悔するなよ、って言ってるのさ」
 にっ、と笑って。

 相変わらず息をするように惚気る藍夜に便乗した暁は、ふたりで仲良く肩を寄せ合ってハロウィンの話を語り始める。
 あれはそう、藍夜の店でハロウィン用のメニューを売り出すことにした時だ。

『か……っわいい――ッ!! この黒猫パイ3個ください!!』
『私にもください! もうひとつのかぼちゃパイも凄くおいしそう……ッ!!』

 何を隠そう、藍夜得な企画であった。
 特に心音考案の黒猫パイはおおいに売れたのみならず、合法的に仮装する暁を眺め放題だったのだから。
「こ、こいつら一体……!? いちゃいちゃを見せつけてオレサマのハロウィン化に対抗しようとでもいうのか……??????」
 絶対零度に輝く弾丸に貫かれながら、最祭祀ハロウィンは愕然とする。

「二人でどんなパイにするか考えたんだよな」
「ああ、実に幸せな時間だった。独り占めしたいくらいに仮装姿の心音は可愛かった」
「俺だって、藍夜のことならいくら見てても飽きねぇし? 格好良かったよな、ハロウィンの藍夜」
 暁は藍夜に抱き着き、凍える体を温める。
 身も心も満たされて。

(「……こんな感じで作戦成功だろか?」)
(「えッ」)
(「正直恥ずかしいけど、これも作戦だろ? 精一杯頑張ったつもりなんだけど……」)
(「あ、ああ! そうか、作戦か……まぁ、そうだよな。……完璧だったぞ、心音!」)

「くらえ、悪戯か菓子かどころか菓子か妻かが俺のハロウィンだ!」
 藍夜の弾丸に紛れ、速攻で肉薄した暁の絶命拳が大祭祀ハロウィンを穿つ。体内より見えないところで爆ぜる“気”に浸食された巨体が苦しげに揺らめいた。
「よもや、オレサマのハロウィンを超えた混沌ぶりを見れるとはな……!」
「満足したか?」
「すまんな|幸せ《新婚》で!!」

 ――甘い惚気話でお腹いっぱいの大祭祀ハロウィンであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

川崎・五十鈴
大儀?正義?
いちいちそんなことを言う必要はない。そんな段階はとっくに過ぎてる。
正義は私たちだとか、そんな分かったような言い訳はいいからさっさと殺しに来い。こっちも殺して殺して殺してやる。いつの日かあなたたちが飢えて滅びるまで殺し続けてやる…それが私の人生だ!

見せてみろって?
なら見せてやるよ!宇宙と地球が交差して生まれた|ハロウィン《何でもあり》―――|混血妖精《ハーフエルフ》を!

地球人がデウスエクスと接触して20数年。地球ではもうそんなに珍しくないのかもしれない。でも、あなたたちからすれば、どう?

自分たちを餌と見做す種族を愛することを選んだ地球人の男。
餌でしかない地球人と愛を育むために不死性を捨てるという滅びを選んだエルフの女。
その愛の結晶たる私…あまりにグロテスクな|ハロウィン《何でもあり》の怪物だろう?

ふふっ、あはははははっ!地球はいいとこ!皆でおいで!
さあ!あなたも地球の重力に惹かれて堕ちるがいい…!

(殺界で動きを鈍らせてその隙にグラビティ・チェインで捕らえて重力で圧し潰し続ける)


カタリナ・エスペランサ
神を|騙って《冠して》為す事が侵略とは度し難い
まぁ折角のお祭りだ。愉しくやろうじゃないか
決戦配備はキャスター、とはいえ特別な事は必要無い
オーディエンスの声援があれば十分。それだけでアタシは無敵さ☆

装備[驕傲]による《念動力+情報収集》の力場をセンサーとして展開
把握している能力には《戦闘知識》を、未知の手札には《第六感》をそれぞれ働かせ《見切り》
敵の動きを先読みして攻撃回避
攻防に《ダンス+空中戦》の機動力を活かし立ち回るよ

UCは《ハッキング+略奪+捕食》の【喰魂神域】
街を更地にする訳にはいかないから識別はON
分解し無害化した毒菓子に敵自身に皆の声援、纏めて平らげ力に変える

今回のハロウィンの定義は万物が存在する混沌だっけ?
いいじゃないか、未来はあらゆる可能性を許容するものだ
尤も、その中から望む道を選んで進むのが生きるって事なんだけどさ!

〆は《怪力+早業+蹂躙+破魔+属性攻撃+連続コンボ+パフォーマンス》、
聖なる光を纏わせたダガーの二刀流と蹴技の連撃で華やかにキメようか!



「……笑止千万」
 川崎・五十鈴(エコテロリストエルフ・f41042)は両目を閉じる。長々と御託を並べたところで、これからやるのは純粋なる殺し合いだ。
 大義? 正義?
「|そんな段階はとっくに過ぎてる《・・・・・・・・・・・・・・》」
「神を|冠して《騙って》おいて、言うことがそれとはな。侵略者が聞いて呆れる」
 軽く指を鳴らしたカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手・f21100)の合図で、キャスター配備の者たちが一斉に声援を上げた。
「猟兵、猟兵!」
 ビルの屋上から、上空を飛び交うヘリから、地上からも。
「任せろ☆」
 猟兵を讃える彼らの声援から無敵の力を得たかのように、カタリナはウインクで応えて戦場の空を軽やかに舞う。
 大祭祀ハロウィンが大口を開けて笑った。
「ならば、オマエらのハロウィンを見せてみろ!」
「言われなくとも、存分に見せてやるよ!」
 五十鈴の片目が開いて真紅の瞳が現れた時、その姿は黒鎖を纏う真の姿へと変わっていた。
「――父よ、母よ」
 私という|存在《ハーフエルフ》を生み出したルーツの源を想って、五十鈴はいま、戦いに身を投じます。
 それが、私の人生。
 いつの日かデウスエクス全てが飢えて滅びるまで殺し続ける手を止めてなどやるものか。五十鈴の全身から立ち上る真紅の殺気が結界のように周囲を巻き込んで、殺界を為す。
「どうだ! これが宇宙と地球が交差して生まれた|ハロウィン《何でもあり》即ち、混血妖精《ハーフエルフ》という存在そのもの!」
「ほほう……!」
 大祭祀ハロウィンは興味深そうに両目を細めた。
 地球人がデウスエクスと接触してから既に20年以上の歳月が流れた。地球における普遍性は広がりつつも、遠い本星からやってきた十二剣神にとっては違う価値観を持つことだろう。
 おかげで五十鈴の肉体変化を目論むハロウィンの影響力は|何でもあり《・・・・・》の反抗に遭ってそれ以上の干渉を許されない。
 大祭祀ハロウィンをさらに翻弄するのはカタリナの敷設した力場の存在だ。毒菓子の給仕に動く敵を察知するためのセンサーとなって回避を助ける。
「そこッ」
 隙あらば毒菓子を無理やりに喰わそうとする相手からするりと逃れる。空は自在に飛び回るカタリナに与えられた舞台そのものだった。
 己の持つ知識と第六感を総動員し、素早く狙われた空域から離脱を試みる。
「オノレ、ちょこまかと……!」
「そうイライラするな。折角のお祭りだ、愉しくやろうじゃないか」
 カタリナは優雅に微笑み、タイミングを待ってユーベルコードを起動した。どこまでも拡張する巨大な魔法陣が出現。
「さあ、おいで」
 敵を捕食せんと、口を開けて略奪する|サンクチュアリ《神域》。呑み込まれた毒菓子がその組成を無毒化されながら朽ちる。
 声援も、敵自身も、喰らう全てを己の糧にせよ。

 ……それは、とても風変りな恋物語だった。
 自分たちを餌と見做す種族を愛した人間の男。
 餌でしかない地球人と愛を育むために不死性を捨てたエルフの女。
 滅びと引き換えに産み落とされた愛の結晶たる五十鈴の存在は、あまりにグロテスクな|ハロウィン《何でもあり》の怪物だった。
「今回のハロウィンの定義は|万物存在する混沌《何でもあり》、か」
 カタリナはふわりと背面に跳んで敵の攻撃を躱す。
「それもまたよきかな」
 未来とはあらゆる可能性を許容するものに他ならない。ゆえに、その先に広がる無限の世界を誰もが夢見るのだ。
「尤も、望む道を選んで進む権利は誰もが持っているのだがな。残念だが大祭祀よ、アタシたちの生きる道にあなたは必要ないらしいぞ?」
「ふふっ、あはははははっ!」
 真の姿を解放した五十鈴は解き放たれたかのように笑った。
 大祭祀ハロウィンに纏わりつくのは何重にも迸るグラビティ・チェイン。重力のかかった身体が地上目がけて落下する。
 歌うみたいに、五十鈴が叫んだ。
「地球はいいとこ! 皆でおいで!」
「ぐぬ……!?」
 殺界にとらわれた大祭祀ハロウィンにとって、そう簡単には抜け出せない。
「さあ! あなたも地球の重力に惹かれて堕ちるがいい……!」
 大地震と共に、巨体が決戦都市の地に激突する。しかもそれで終わらなかった。圧殺するが如く重力を加え続ける。
 両手に構えたダガーを一瞬にして閃かせ、カタリナは怒涛の乱舞を披露した。渾身の力で蹂躙してやった仕上げに後ろ回し蹴りを叩き込んでやる。
「ウォオオオオオオオ……!!」
 大祭祀ハロウィンは自らが挑んだ何でもありのハロウィンという勝負において敗北したのだ。その身体を圧し潰す鎖の重力と聖なる光刃の輝きに最期は呑まれて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年10月30日


挿絵イラスト