Bye-Bye Candy
●はっぴーはろうぃん
「いやー、やっぱり来ましたね、『大祭祀ハロウィン』!」
集まった猟兵達に、白鳥沢・慧斗(暁の声・f41167)が良く通る声でそう告げる。十二剣神『大祭祀ハロウィン』の狙いは、ハロウィンのお祭りによって極大まで高められる『季節の魔力』……即ち『ハロウィンの魔力』である。
ケルベロスディバイド世界の人々にとっては予想された展開ではあるようだが、大祭祀ハロウィンは地球に『ハロウィンの楔』を打ち込み、この世界中を「ハロウィン化」させようとしているという。
「ハロウィン化とは、簡単に言うと世界が「万物が存在する状態」へ変じてしまうという現象です! これに飲み込まれれば、猟兵と言えどもただではすまないでしょう!」
このカオスに耐え抜く手段はただひとつ、こちらも仮装して挑み、「あらゆる世界の概念が同時に存在する状況」を作り出すこと。つまり今回の事件には、仮装が必須となる。まあ、異世界出身者はその世界のコーデにするだけで仮装みたいになったりするが。
「とにかく! 極力バラエティに富んだ衣装になるようにして「ハロウィン化」から身を守りつつ、世界中を一斉攻撃している大祭祀ハロウィンを張り倒してきてください!!」
こちらのチームに向かってもらうのは埼玉県にあるお菓子工場のある町だ。その周辺一帯は既に大祭祀配下のデウスエクスによって占領されハロウィン化してしまっている。この地に出向き、配備されているローカストを撃破すれば、大祭祀も反撃に現れるはず。
通常のデウスエクスも油断できる相手ではないが、十二剣神ともなればまともにやり合えば苦戦は免れないだろう。
「ですがご安心ください! こちらのお菓子工場、実は特務機関DIVIDEの研究施設なのです!!」
そこでは密かに「決戦兵器」と呼ばれる「対デウスエクス用秘密武装」が研究、開発されていたらしい。うまく偽装されていたその兵器は、今もまだ周辺に隠されているはずだと彼は言う。
「こちらを発見し、上手く利用できれば、大祭祀ハロウィンにも対抗し得るはずです! どうか敵の動きを抑えつつ、決戦兵器を確保してください!!」
●倍々
「それで、ですね。こちらで開発されている決戦兵器は棒付きキャンディのような形状をしています」
お菓子としてはよくある形だが、件のそれはキャンディ部分がトゲトゲボールのような形をしているためすぐにわかるだろう、と彼は言う。
「何か口の中がずたずたになりそうですが……実はこれ、なんと研究中のスーパーエネルギーを凝縮した結晶体なのです!」
効果は簡単、この飴玉を舐めている間だけ、スーパーエネルギーを得ることができるという代物だ。どれくらいすごいのかというと、常人では強化された動きに体が耐えられないほどで、猟兵が使えばユーベルコードの効果がおおむね四倍くらいで使えるようになるという。反動もそれなりに重いが、猟兵ならばなんとか耐えられるだろう。
「とてつもない便利アイテムですね! ただ一点注意してほしい点があります!!」
慧斗が言うにはこのキャンディはまだまだ研究中、試作段階の代物であり、エネルギーの安定性に欠けるらしい。何やら雲行きが怪しくなってきた、と直感した者も居るだろうか、このキャンディは一定以上の圧力や衝撃を加えると、エネルギーが暴走して大爆発を起こすのだ。
「間違って口の中で噛み砕いたらだいたい死ねます! 戦闘中もよくよく注意してください!!」
もしかすると、そのまま爆発武器として使うのもアリかもしれませんね。飽くまで明るくそう言ってのけて、慧斗は一同を送り出す。
「それでは、この地球を守り、楽しいハロウィンを勝ち取るため! がんばって参りましょう!!」
えい、えい、おー。やたらでかい声と共に、彼は拳を天へと突きあげた。
つじ
はっぴーはろうぃーんです。
こちらのシナリオは二章構成のハロウィンシナリオになります。30日までの完結を目指していきますのでよろしくお願いいたします。
●くまんばちマーシャルアーティスト
件のお菓子工場周辺に陣取っています。決戦兵器捜索の動きを察すると妨害してくるでしょう。
兵器回収は後回しにして、撃破に集中していただいても構いません。その場合は撃破後に改宗したものとして第二章を始めます。
●決戦兵器『バイバイキャンディ』
飴玉部分がトゲトゲボール状になっている棒付きキャンディです。
これをなめている間、猟兵は身体能力強化とユーベルコードの特定の数値(射程とか威力とか持続時間とか召喚数とか)が四倍になる効果を得られます。口の無い種族の方は各自何とかしてください。何とかなると思います。
また、一定以上の衝撃や圧力を加えると大爆発を起こします。ご注意いただくほか、良い感じに使えるUCの無い方はそのまま爆発武器にしてしまっても良いかもしれません。
数はあまり多くないので、見つけられるのは猟兵一人あたり1,2個程度になるかと思います。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています。
第1章 ボス戦
『くまんばちマーシャルアーティスト』
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POW : 虎軍奮闘
全身に【燃え盛る縞模様】を帯び、戦場内全ての敵の行動を【鋼の肉体による肉弾戦】で妨害可能になる。成功するとダメージと移動阻止。
SPD : 無影反動擊
【鋼の肉体による肉弾戦】で近接攻撃する。低威力だが、対象が近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃できる。
WIZ : マーシャルアーティスト
【鋼の肉体による肉弾戦】の継続時間に比例して、自身の移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘が上昇する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠アリス・セカンドカラー」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
メアリー・ベスレム
メアリの仮装は赤ずきん
前から見るだけならただかわいらしい?
後ろ姿は喰らい付きたくなるほど刺激的!
(デザインはステータス画面で活性化されてる飴屋イラマスの全身画像参照)
……|不思議の国《アリスラビリンス》的にはむしろ王道で
あまり仮装してる気はしないかも?
だけれど今回のお相手は、オオカミさんじゃなくてミツバチさん?
だったら、アリスのお肉じゃお気に召さないかしら?
【挑発】【誘惑】わざとらしく捜索の邪魔をして
敵の注意をこちらに向けさせる
【軽業】【逃げ足】で
敵の間合いから逃れるヒット&アウェイ
これじゃ復讐にはならないけれど
代わりに【屠殺ごっこ】で遊びましょ
硬い筈の鋼の肉体もすぐ引き裂いてあげるから!
●追いかけっこ
ハロウィン化されてやたらとハッピーでカオスな空間と化したお菓子工場に、赤ずきんの娘が姿を現す。ケルベロスディヴァイドの世界においても、童話の類として伝わるであろうそれは、メアリー・ベスレム(WONDERLAND L/REAPER・f24749)の住まう不思議の国ではむしろ王道。本人としては仮装している感覚は薄そうだ。
よくある格好にしては後ろを隠す気が一切なさそうに見えるが、まあそれも含めていつものことだろう。そちらに惹かれて寄ってくる者が居るのなら、それこそ彼女にとっては『望む所』なのだから。
『あれあれー、迷子かなぁ?』
早速引っ掛かった獲物が一匹。しかし声の方を振り返ったベスレムは、うーんと頭巾の下の眉根を寄せた。出てきたのはこの世界で言うデウスエクス、ローカスト。オオカミではなくミツバチである。
『勝手に縄張りに入ってきちゃダメじゃなーい。襲われちゃうよぉ?』
鋼の拳を素振りして、威嚇するように風切り音を鳴らす。やはりすぐには食い付いてきてくれないようで。
「お構いなく。アリスは探し物をしているだけだから」
一計を案じ、気の無い返事であしらえば、ローカストはさらに前のめりに踏み込んできた。
『そうもいかないんだよねぇ』
重低音の羽音を響かせ、瞬時に距離を詰めた敵が、降下の勢いに任せて蹴りを放つ。それを咄嗟に跳び避けて、メアリーはそのままお菓子工場の中を跳ねるように逃げ始める。
『逃げられると思ってんの?』
尻尾のついた後ろ姿を追いかけて、ローカストは肉弾戦を仕掛ける。一撃入ればそのまま連打に繋がるそれを、メアリーは得意の逃げ足でひらひらと躱していく。
誘われるままに拳を振るいながら、そうとは気付かず敵は気勢を上げた。
『大きなそれを引っ叩いてやるよ!』
メアリーとしては狙い通りに進んではいるが、彼女の表情はいまいち晴れない。
この間に他の猟兵が捜索に回れる部分もあるが、これではメアリがつまらないから。仕方ないけれど、と嘆息して、彼女は手提げの籠から厳つい肉切り包丁を取り出した。
「復讐にはならないけれど、代わりに屠殺ごっこで遊びましょ」
『は?』
瞬間、刃が鋭く風を切って、ローカストを襲う。硬質なその身体を掠めた刃は、そこに一筋の傷を刻んでいた。それはつまり、狙うべきところを狙えば簡単に両断できるということで。
「あなたのお尻も解体しがいがありそうね?」
『え? うわ、やめっ、あぁーーーーっ!!』
鋼の肉体であろうとも、すぐに引き裂いてあげるから!
攻守交替、やたらと手慣れた様子で振るわれるそれに、ローカストは悲鳴を上げて必死の抵抗を開始した。
大成功
🔵🔵🔵
アルクス・ストレンジ
菓子工場に偽装とは、DIVIDEも考えたな
使うことを考えたらまあ、思うところが無くもないが
何にせよ大祭祀の野郎の思い通りになるよりマシだ
出撃するぞ
・仮装
ラーメン屋
黒無地Tシャツ着て
頭にタオル巻いただけ
…急ぎで用意できそうな衣装は
これくらいのもんだったんだよ
アレだ。地味ハロウィンだ、地味ハロウィン
戦闘に支障は無いだろ?
・戦闘
武装捜索は後、敵の撃破に集中
近接攻撃特化の敵だな
まともにやり合うより嵌めた方が確実か
まずは【影縫】で敵の動きを止め、間合いを取る
次手を確実にする為
可能なら決戦配備ジャマー要請
バイオガス散布で敵の視界を遮ってくれ
で、併用UCは【螺旋呪毒印】だ
敵の足に撃ち込んで自由を奪ってやるよ
シデル・ユーイング
まあハロウィンですからね
厄介事が起きるのはいつもの事
噂話中の給湯室以上にこの世でカオスな場があるかは疑わしいものですが、
これも仕事
さあ始業です
先ずは仮装を
ウェディングドレスを纏い、
ゾンビの被り物をして、
最後にいつもの眼鏡をかける
これでよし
では兵器の探索と参りましょう
キャンディの様な見目ならば、
飴売り場のワゴンやディスプレイ等、いっそ目立つ所にある可能性もありますね
木を隠すなら森、飴を隠すならお菓子売り場です。
妨害してくる蜂には応戦を
近接攻撃がお好みだとか
私も嫌いではありませんよ
先の先は差し上げますが、後の先は逃しません
接近した所を避け、或いはガードし『栗鼠寅』
お疲れ様でした
もう帰ってよろしい
城野・いばら
仮装:普段着の紺のフードマント姿
決戦配備:ジャマー
万物が存在する状態…ええと
魔女さんの大鍋よりすごい事になってしまうのね?
ハロウィンや収穫祭は
私も楽しみなお祭りなの
世界いっぱいに広がるのは楽しいが良い
蜂さんかしら
素早いなら妨害支援を頂ければ心強い
私も紡錘で紡いだ風で属性攻撃
飛翔するコなら風で飛行妨害はお嫌でないかと
動きを邪魔し、してもらいつつ時間稼ぎして
周りの様子も確り観察
決戦兵器さんを探す
見つけたら効果は有難く頂くけれど
あのコが突撃した瞬間を狙って
一緒に吹き飛ばし、反動で爆発させる
体勢を崩せたら
不思議な薔薇の挿し木伸ばして捕縛
UCで想い籠めたトロイメライで貫き
石になった部分を怪力で破壊するわ
●Psychedelic
「それで、この町はハロウィン化……しているのね?」
でも、それってどういうものかしら。聞き慣れない事象に対し、城野・いばら(白夜の魔女・f20406)が紺色のフードの下で首を傾げる。それに対して説明を受け持ったのは、黒のTシャツにタオルで作ったねじり鉢巻き――手っ取り早くラーメン屋の仮装で出てきたアルクス・ストレンジ(Hybrid Rainbow・f40862)だった。
「ざっくり言うと世界が“万物が存在する状態”になる……要は全てがカオスになっちまうことだ」
「万物が存在する状態……」
わかるような、わからないような。そんなやりとりが為されている横で、ウェディングドレス姿のゾンビが独り言ちる。
「まあ、噂話中の給湯室以上にこの世でカオスな場があるかは疑わしいものですが」
ちなみにゾンビの被り物にはシデル・ユーイング(セクハラ撲滅・f40878)の赤縁メガネが装備されている。だからまあ、多分本人で間違いないだろう。
「そのキュウトウシツというのは、魔女さんの大鍋みたいなもの?」
「……大体そんな感じです」
言い得て妙、みたいな感覚で頷く彼女をはじめ、三人はデウスエクスによって占領された町へと降り立った。
華やかに、毒々しく、極彩色に滲んだ世界のその中心付近には、件のお菓子工場が存在している。恐らくは、決戦兵器の多くはここに隠されているはず。
「しかし菓子工場に偽装とは、DIVIDEも考えたな……」
成果物もそのまま偽装できてしまうのだから一石二鳥……と言えるかどうかは定かでないが、実際敵によって占拠されながら兵器を隠しおおせているわけで、これは褒めてやるしかないだろう。そんなアルクスの言葉に続いて、シデルが具体的な場所に言及する。
「木を隠すなら森、と言いますが――」
今回のケースは棒付のキャンディである。隠すというのならば、商品としてラッピングの済んだ形が望ましい。
ならば、森に当たるのは。
「――併設された直売所、とかですかね」
この異常な世界で過ごせば様々な悪影響が生じるが、猟兵達の施してきた様々な仮装は、それを最低限に抑え込むことに成功している。難なく目的の場所まできた彼等だったが、そこで。
『侵入者発見ー!』
この場を収める蜂型のローカストが一行を補足し、襲い掛かってきた。
空中に居た彼女は素早く急降下、そのまま一番目立つ相手へと襲い掛かる。目にも止まらぬ速度ではありながら、今から殴りかかる相手がウェディングゾンビだと察したのか、ローカストはその目を丸くした。
『え、なんかストーリー性を感じる!!!』
「はあ、そうですか」
それでも突撃の勢いは変わらない。鋼の拳による鋭い一撃は、そのままシデルへと突き刺さった。いかにも接近戦が得意、といった振る舞いの敵だが、それはこちらにとっても好都合、初撃を掲げた腕で防御した彼女は、続く追撃が来る前に後の先を取る。
鋭い手刀、だが一閃されるはずの腕を、組み付くように迫ったローカストが抑え込んだ。ぶぶ、と低い羽音を響かせ、最大限に四本腕を生かした連撃が、シデルへと襲い掛かる。
「蜂さん、ちょっと離れてもらえるかしら?」
その動きを遮ったのは、いばらが魔法の紡錘で紡いだ一陣の風だった。一瞬のつむじ風はローカストの身体を浮き上がらせ、それを皮切りに巻き起こった風――いばらの支援要請によって設備の空調が限界を超えた速度で回り始め、でたらめな気流を生み出す。
『おっとっとぉー?』
突如巻き起こったそれに対応が遅れ、ローカストが空中で姿勢を崩す、その間に。
「こっちは任せておけ」
アルクスがその相手を買って出た。いばらとシデルが販売所のお菓子売り場、さらに言うならキャンディのコーナーに向かう間の、時間稼ぎだ。
『替え玉は頼んでないんだけど?』
「なんで地球の文化に詳しいんだよコイツ……」
鋼の如き硬質な体、そしてその両拳を固めて、こちらを狙ってくる彼女の動きに、アルクスは姿勢を低くして対応する。四本の腕、初撃を放つのがどれかを読み切るのは容易ではなく、一度決まればそのまま連打に持ち込まれる危険性もあるが――。
『――おお?』
「あんたみたいなのとまともにやり合うわけないだろ」
後ろ手に隠したそれが素早く振るわれ、棒手裏剣が地面に突き立つ。螺旋の力を込めたその刃は、地面上に描かれたローカストの影を射抜いていた。
『影縫』、螺旋忍者の常套手段であるそれによって、一時的にその動きが縫い留められる。
「|決戦配備《ポジション》ジャマー要請」
目と鼻の先で止まった拳から、アルクスが飛び退くと同時に、床を割って現れた噴出孔からバイオガスが散布された。急激に噴き出す緑の気体が敵を覆って。
『このやろう、絶対逃がさな』「動くな」
続けざまに放たれた手裏剣が、ガスの幕を越えてローカストの両足を貫く。同時に刻み込まれた呪印は、その動きを封じ込めた。
アルクスの足止めがうまくいっている内に、いばらとシデルはキャンディがたくさん売られている場所へと至る。色とりどりに包装されたそれらは、ハロウィン化した世界の中ではよりいっそうカラフルに見える。
「この中にあるのかしら……?」
きょろきょろと辺りを見回すいばらに、「恐らく」とシデルが頷いて返す。しかし決戦兵器を咄嗟に隠した職員は、このことを知る『誰か』に見つけてほしいとも思っていたはずだ。となれば、とシデルはゾンビの頭部でゆっくりと辺りを観察し、レジ横の『新製品』の展示された場所で止める。
一番端っこに置かれているのは、間違いなく話にあったトゲトゲの。
「お先にどうぞ」
「あら、いいの?」
この調子なら、付近にまだいくつかあるだろう。シデルはさらに周囲を捜索しはじめ、包装を剥いたいばらが「まあ美味しい」とそれを口にしたところで、時間切れの瞬間が訪れた。
『残念、そこまでだーッ!』
アルクスの拘束を無理矢理解いてきたのだろう、動かぬ足をぶら下げたまま、翅の動きだけで突っ込んできたローカストが二人を襲う。
「そんな風に飛んで来たら、危ないわ」
が、決戦兵器の効果によるものか、彼女の伸ばした薔薇の挿し木は、その動きを完全に凌駕していた。突進していたはずの敵を空中で絡め取り、刺し貫く。同時に四肢の石化が始まり――その隙を逃さず、床を蹴ったシデルが迫る。
『ここ』ではまた別物らしいが、彼女にとってポジションとは自らの役割や立ち位置を指す。こういうのはクラッシャーか、スナイパーあたりの仕事だろうか?
魚の尾鰭のようにドレスの裾がはためいて、一時的とはいえ完全に動きを止められた相手に、渇いた宣告が下される。
「――では、お疲れさまでした」
もう帰ってよろしい。振るわれた手刀は冷たく無慈悲に、ローカストを斬り裂いた。
なおも足掻こうとするそれに、いばらが風を操ってその動きを抑えにかかる。そこに、先程まで持っていたアメが巻き込まれて。
『アアァーーーーーッ!?』
風の到達する向こうの方で、暴走したエネルギーによる大爆発が巻き起こった。
「……まあ」
口元を押さえるいばらの横で、想像の倍くらいの勢いで爆発する様子を遠目に見ながら、アルクスが呟く。
未完成、試作品、そう聞かされてはいたけれども。
「……あれを口に入れろって?」
「納期が早まると、こういうことになるんです」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
臥待・月紬
こちとら依頼の度に|仮装《変化》してる年中ハロウィン猟兵!
引き出しの数とクオリティには自信ありッス!
UCで狸兵士の式神9人を召喚して【心眼】レベル100を付与。
さらに自分の【化術】で全員をどろんと仮装させる。
君は黒騎士!君は侍!海賊!スチームパンク!悪魔!女学生!ビキニアーマー!体操服ブルマ!|階梯0《ただ》の狸!
そして自分は敢えてのケルベロスコート!
10人の仮装でハロウィン化に対抗するッス!
戦闘担当は自分と4人。心眼でお互いをカバーしつつ、隙を見抜いてヒット&アウェイ。
肉弾戦継続による強化の妨害を狙うッス。
残りの5人は決戦兵器のキャンディ捜索。
敵は抑えておくから、バッチリ見つけて来るッス!
ヴァンダ・エイプリル
アドリブ連携歓迎
驚かせ放題……ヴァンちゃんも大好きなイベントですよ
でもそれが映えるのは普段が平和だから
全力で止めさせてもらうよ!
ピエロの仮装で参戦
決戦配備はアタッカー
戦闘ロボと一緒に妨害を妨害
【ジャグリング】でいろんなものを投げながら
ちょこまか動いて味方が決戦兵器を探す時間稼ぎ
ほらほら、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!
クラウン・ヴァンちゃんショーは今日限り!
決戦兵器の回収に成功したらUC発動
咆哮とともに、角あり牙あり何でもありの大怪獣に!
約5mが4倍で約20m!
炎やビームも使って一気に叩く!
ふふん、びっくりしたでしょ?
残念ながらハロウィンはヴァンちゃんの独壇場!
驚かすことなら誰にも負けない!
●化かした者勝ち
大祭祀の力でハロウィン化したこの町は、全てを混沌の渦に呑み込んでいく危険な場所だ。そこを安全に乗り越えるためには、こちらも『混沌』の一部となるしかない。だが、そんな状況であるからこそ、真価を発揮する者も居る。
「こちとら依頼の度に|仮装《変化》してる年中ハロウィン猟兵! 引き出しの数とクオリティには自信ありッス!」
というわけで早速九人の狸兵士を召喚した臥待・月紬(超級新兵(自称)化け狸・f40122)は、自慢の化術で一斉に姿を変えた。黒騎士に侍、海賊、スチームパンク、悪魔と女学生とビキニアーマーと体操服ブルマ、そして最後は|階梯0《ただ》の狸――自らはケルベロスコートに身を包めば、一人で10世界分の仮装の完了である。ここまでやればバラエティに富むという目的は十分果たせているだろう、ハロウィン化の悪影響も最低限に抑えられるはず。
しかしながら、そんな侵入者に対抗するために、ここには大祭祀の配下が派遣されているのだ。低い羽音と共に現れたローカストは、早速月紬の姿を発見する。
『えっ、侵入者多すぎない?』
「来たッスね、デウスエクス!」
いきなり当惑しているようだが、とにかく飛び来る敵に対し、月紬は変化した狸兵達に号令を下した。
部隊を二分し、自らは四体の式神と共にその場にとどまり、残りは散開させて決戦兵器の捜索に回す。
「敵は抑えておくから、バッチリ見つけて来るッス!」
五人がかりで取り囲むようにして、月紬はトーカストを迎え撃った。接近戦を得意とする敵に対し、彼女は数を活かしたヒット&アウェイで臨む。適度に距離を置くことで肉弾戦による詰めを許さぬよう立ち回るが、素早い蜂の動きはそれに対応しはじめていた。
「やっぱり、こちらも対抗できるだけの火力が――」
「そういうことなら!」
任せてほしいと声を上げて、ピエロが戦場に雪崩れ込む。クラウンの仮装に身を包んだ彼女は、ヴァンダ・エイプリル(世界を化かす仕掛人・f39908)だ。丁度良いタイミングで、彼女はクラッシャーの|決戦配備《ポジション》を要請していた。
工場の壁を破って突っ込んできた戦闘ロボが、鋼の拳を持つローカストと衝突し、轟音を上げる。それが敵を押さえている間に、ヴァンダはバトンと一緒にその辺のものをジャグリングして敵の注意を引き始めた。
戦闘ロボ程度の相手であれば容易いものなのか、ローカストも余裕の表情でそれに応じる。
『ほー……上手いじゃないの』
「そっちもジャグリングが得意そうね!」
腕いっぱいあるし。軽口と合わせて、ヴァンダはそこでおもむろにジャグリングしていたものを相手に向かって放ってみせる。
『お、おい!?』
ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、受け止めた敵の手が順番に埋まって、五つ目に投げたバトンが脳天を直撃した。
『この……ぶん殴ってやる!!!』
挑発はうまくいったらしい、勢いよく追いかけてくる敵から、ヴァンダは笑って逃げ始める。
「ほらほら、寄ってらっしゃい見てらっしゃい! クラウン・ヴァンちゃんショーは今日限り!」
『うるっさい、大人しくしな!』
「はい、パス!」
「自分もッスか!?」
仲間と戦闘ロボも交えたちょっとした追いかけっこは、戦況に対して寄与しないようにも見えたが、実際のところは十分な時間稼ぎになっていた。
『ア? なんだあの毛玉』
追いかけっこの最中、空中に混ざったそれに気付いて、ローカストが首を傾げる。するといつの間にやらジャグリングされるバトンの中に紛れ込んでいた狸が、ヴァンダの手の中に収まった。
「……どこの子?」「あ! 自分の式神ッス!」
そう、最初に捜索に向かわせていた五人の中の一人である。なぜこんなところに、と問えば、目的を果たしたからというのがその答えになるだろう。ただのタヌキに化けたそれは、トゲトゲボール型の棒付キャンディを抱えていた。
『なんだ、ショーはお終い?』
「ふふふ、お楽しみはこれからだよ」
にんまりと笑って、ヴァンダがその飴を口へと運ぶ。怪し気な色に光り輝くキャンディは、不思議な味がしたけれど。
「せーのっ」
ずん、と一つ大地を揺らして、ヴァンダが足を一つ踏み出す。力強い一歩はその足のサイズさえも大きく見せて――否、実際に、彼女の身体はみるみる大きくなっていく。
翅を使って浮かぶローカストを越えて、お菓子工場の屋根だって見下ろせるほどに。
「がおーーーっ!!」
いつの間にか生えていた巨大な角と牙を誇示するように、頭を振って、怪獣化した彼女は咆哮を上げた。びりびりと空気が震えて、そちらを呆然と見上げていたローカストが呟く。
『……なにこれぇ』
「ふふん、びっくりしたでしょ?」
えらいことになったが中身は変わっていないらしい。ご満悦の様子で胸を張る様は、やはり元の彼女のまま。
それはともかく決戦兵器の効果でいつもの四倍サイズになった怪獣は、暴れたらまあまあ規模のでかい災害になり得るだろう。
「残念ながらハロウィンはヴァンちゃんの独壇場! 驚かすことなら誰にも負けないよ!」
「え!? それは聞き捨てならないッスけど!?」
呆然としたローカストとは別のところから反応が返ってきたが、そこはそれ。このままだと巻き込まれかねないので、月紬は式神達と共に踵を返した。
「とにかく今は退避、退避ッスーーーー!」
きしゃーっ、みたいな雄叫びを上げ、大怪獣ヴァンダは器用に摘まんだ飴を口から離す。そして次の瞬間、口からすんごい炎を吐き出した。
『ワーーーーーッ!!!』
お菓子工場には、ローカストの悲鳴が響き渡ったという。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
杜乃院・藤
【ケモ双子】
姉さんと
とんだカオスだよ!(くわっ)
猫の着ぐるみ。八重歯は自前
敵に見つからないように探索
情報収集を駆使
足音立てぬように移動
素早くチェック
あれは……?
あ、蜂に見つかった
サメ多いね!インパクトがすごい!
先制攻撃
クイックドロウで早撃ち、スナイパーで命中率を上げ
狙うべきは機動力、つまり羽根と脚
次は目と4本の腕
サメの動きに合わせ、敵が逃げそうなところを銃で狙う
常に姉を護れる位置に
さっき気になってたところに飴あった…
食べないと負けるらしいよ…おれ達四面楚歌
ドーピングって言うんだよね、おれ知ってる
いい?姉さん
この飴、絶対噛んじゃダメだよ!絶対だよ!前フリじゃないよ!
てかおれも怖いよ!
お尻尾けばぁ
杜乃院・楓
【ケモ双子】
双子の弟のトウと
羊さん着ぐるみの仮装
語尾はめぇだが忘れがち
トウ!お菓子工場である…めぇ(涎
棒付きキャンディ、がりんっめぇ
…え、ダメなのかーい?
じゃあ見つけてもボスまで我慢
こそこそ
足音忍ばせ物陰に隠れて探索めぇ
Σ見つかっちゃったのだ!めぇめぇ
鹵獲術…マッチョやなのだ
いけ!さめーず!
鮫を嗾け
ぷるぷる震えつつも確りサポート
低空泳がせ回転ノコギリで広範囲の敵を巻き込み脚を断つ
トウが羽と脚を潰し起動力を奪った奴へ集らせ首を飛ばす
トウや自分が囲まれそうになったら鮫を突撃させ押しのける
戦後に見つけた飴ちゃん
ぎゅっと棒を握りジト目
これホント食べちゃって大丈夫かーい?
うう、噛んじゃダメ…(うずうず
●
猫と羊、ウェアライダーの双子がハロウィン化した町に至る。組み合わせはいつも通りだけれども、今日は杜乃院・藤(狼纏ノ羊・f40933)が猫で、杜乃院・楓(気紛レ猫ハ泡沫夢二遊ブ・f40934)が羊だ。
「トウ! お菓子工場である……めぇ」
「そうだね姉さん、お菓子工場だよ」
雑な語尾で羊アピールをしてくる楓に、藤が頷く。特務機関DIVIDEはこの工場の一角で、秘密兵器の研究を行っていたのだろう。偽装もかねて操業していた工場には、様々なお菓子がハロウィン化を喰らった時の状態のまま並んでいた。そこにはもちろん、例の秘密兵器に似た飴も多数存在している。
「棒付きキャンディ、がりんっめぇ」
「やめといた方がいいんじゃない……?」
「えー」
万が一にも本物を噛み砕くと悲惨なことになる、と制止した彼に、楓はどこか不満げな声を上げたが、一応納得はしてくれたらしい。
敵に発見されないように足音を忍ばせて、二人は工場内を移動する。こっそりと、しかし手早く捜索を続けていくと、藤があるものに気が付いた。
「あれは……?」
が、その気がかりを確認する前に、低い羽音と共に、ローカストが工場内に現れる。
『あーあ、ダメだよ、無断でこんなところに入り込んだらさぁ』
「見つかっちゃったのだ! めぇめぇ」
咎めるようなことを言いながら、どこか楽しそうに笑う敵は、二人をまっすぐに指さして――いぶかし気に目を細めた。
『迷子の……えー、羊? 猫? なに??』
まあいいや、殴っとこ。速やかに考えるのをやめて、彼女はすぐさま攻撃に移る。振り下ろされた鋼の拳は、危うく飛び退いた二人の合間に突き刺さり、衝撃音と共に地面を大きく穿った。
「マッチョやなのだ……」
『あァ?』
「いけ、さめーず!」
ぷるぷる震えた彼女は鹵獲ではなくそちらを選択、回転ノコギリの生えた空飛ぶサメの群れが、突如工場に満ち溢れる。
「サメ多いね! インパクトがすごい!」
『だーっ、邪魔!!』
この物量はこちらも巻き込まれるのでは? 楓を連れて安全圏に逃げる藤に対して、ローカストは迫るサメを鉄拳でぶっとばし始める。局所的な怪獣対決みたいな絵面になってきたが、素直に『いい勝負』をさせておく必要はないだろう。リボルバー銃を構えた藤は、空中で大立ち回りを繰り広げるローカストの翅を狙い、二発の弾丸でそれを射抜く。
バランスを崩し、落下を始めたそこに、楓が号令をかけた。
「とつげーき!」
『う、うわーーーーッ!!?』
一体一体にデウスエクスを討つほどの力はないかも知れないが、こういう場合は数がものを言う。ふらふらと落下したローカストは、殺到するチェーンソー付き鮫の群れに飲み込まれていった。
「さ、今の内に捜索を再開するのだ……めぇ」
「途中から語尾のこと忘れてなかった?」
とりあえず藤が先程に気になった箇所を捜索すると、何かトゲトゲした飴玉――例の決戦兵器を二人分、発見することができた。
光を反射し虹色に輝くそれは、スーパーエネルギーを凝縮させた結晶体。
綺麗で便利、きっとそんな謳い文句が並ぶのだろうが、楓は握りしめた棒の先を疑わし気に半眼で見つめる。
「これホント食べちゃって大丈夫かーい?」
「おれも怖いよ! でも食べないと負けるらしいしさ……」
これからやってくるであろう大祭祀ハロウィンは平たく言えば敵の大ボス、無茶苦茶強いというのだから仕方がないだろう。
「ドーピングって言うんだよね、おれ知ってる」
大丈夫、戦いに反則は無いから。しかしそれはそれとして、言っておかなければならないことがあると、藤は傍らの姉へと視線を移した。
「……いい? 姉さん」
「ん?」
「この飴、絶対噛んじゃダメだよ! 絶対だよ!」
前フリじゃないからね。それを聞いてもなお、彼女は衝動と戦っているようで、尻尾が葛藤を示すようにゆらゆらと揺れている。
「うう、噛んじゃダメ……」
一瞬爆発までの秒読みが見えた気がしたが、何とか乗り越えてくれるだろう。
たぶん。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『十二剣神『大祭祀ハロウィン』』
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POW : そして世界はハロウィンと化す
【ハロウィン化した世界】を見せた対象全員に「【オマエのハロウィンを見せてみろ!】」と命令する。見せている間、命令を破った対象は【ハロウィンによる肉体変化に抗う力】が半減する。
SPD : トリック・オア・ハロウィン
【食べた者をハロウィン化する毒菓子】を給仕している間、戦場にいる食べた者をハロウィン化する毒菓子を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ : 真理を識る大祭祀ハロウィンの視線
視界内の対象1体の精神を【真実の部屋ハロウィン】に追放する。精神が帰還するまで、対象の肉体は動けないが無敵になる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●決戦
この場を守っていたローカストを撃破し、お菓子工場を探索し始めた猟兵達は、それぞれ隠されていた秘密兵器、『バイバイキャンディ』を発見した。
トゲトゲしているのは結晶の特性とかそういうやつだろうか、あまり口に入れるのに向いた形とは言えないが、これを口に含むことで、能力を一気に増加できるのは確かだ。この力を活かして戦えば、きっと十二剣神と言えども――。
『ヒャーッハッハッハ! そんなに上手くいくかねえ!』
そこで、一帯に哄笑が響く。現れたのは『大祭祀ハロウィン』、この事態を生み出した首魁である。
地球そのものをハロウィンに変えるという彼の狙いを阻止するためには、ここで負けるわけにはいかない。
――世界は極彩色に染まり、より深く、|ハロウィン《カオス》の様相を呈し始める。
アルクス・ストレンジ
いや、こんなヤバいもの食えるか!
…まったく、納期の大事さがよく分かるな
仕方ない、爆発武器として使う作戦でいこう
つーことでキャンディ(?)を
大祭祀の顔面目掛けて全力で『投擲』
加えて、決戦配備クラッシャーを要請
大祭祀への空爆を頼む
誘爆による与ダメージの増加を期待
最悪でも爆煙で敵の視界は奪えるはずだ
敵の注意が爆発に向いてる間に
【螺旋迷彩】発動
姿を消しつつ敵本体との距離を詰め、接触
追撃をお見舞いして生命力を奪ってやるよ
Treat and Trick and Strike.
(お菓子に悪戯に攻撃)
これが、アンタに捧げるハロウィンだよ。大祭祀サマ
まあ、あの爆発物を菓子と言って良いのかは
オレにもわからないがな
シデル・ユーイング
決戦配備:ジャマー
引き続きゾンビ花嫁メガネの格好です
これが決戦兵器のキャンディ
口にしたら暫くはアルコールが滲みることになりそうですが
これも定時に退社するためですね、いざ
なるほど、あなたが先程の方の上長ですか
テンションの高いお方ですね
私のハロウィンは友人と呑みにいく理由にしてばかりでしたが鋭意勤めましょう
ということで、
お菓子かイタズラか、どちらかひとつをお選びください
……などとは申しませんよ
どちらも差し上げましょう
ダッシュで一気に距離を詰めて『忖濁』
闘気を流し込み動きを止めましょう
止めるのは一瞬で構いません。イタズラですから
その隙に全力でお菓子を
キャンディを叩きつけましょう
お受け取りください
●全部乗せ
「なるほど、あれが先程の方の上長ですか」
「上長……?」
ゾンビ花嫁もといシデル・ユーイング(セクハラ撲滅・f40878)の呟きに、アルクス・ストレンジ(Hybrid Rainbow・f40862)が首を傾げる。元螺旋忍軍としてはいまいち実感が湧かないが、あのローカストも十二剣神の配下なのだから合ってはいるか。
「テンションの高そうなお方ですが、それだけの実力はあるのでしょう?」
「ああ、そこは間違いないだろうな」
真正面からやりあえば苦戦は免れない――だが、それを覆すための決戦兵器である。二人は手にした飴玉へと視線を落とす。思い浮かぶのはやはり、先程の戦いで見た大爆発だろうか。
「いや、こんなヤバいもの食えるか!」
冷静な判断力を発揮し、アルクスは即座に首を横に振った。
「まあ、口にしたら暫くはアルコールが滲みることになりそうですが」
確かに噛み砕かないで戦うのは至難の業かもしれない。そうこうしている内にも、攻撃準備の整った大祭祀は、二人に向けてハロウィンの世界を広げて見せる。世界は急速に色を変えて、カオスの波が一帯を覆う。
『さあ猟兵ども! オマエのハロウィンを見せてみろ!!』
高らかに謳われるは宣戦布告。大祭祀のそれに応じて、アルクスは右腕を振りかぶった。
「お望みなら、見せてやるよ!」
全力で放り投げたのは、勿論例の決戦兵器である。高く放物線を描いて飛んだそれは、大祭祀ハロウィンの頭の上に命中し――。
『うおおっ!? なんだよこれは!!』
凄まじい大爆発を起こした。
虹色に輝く爆煙、身体に悪そうなそれに包まれながら、敵が仰け反る。そこにアルクスが追加で要請したクラッシャーの空爆が撃ち込まれた。地を揺るがし大気を震わせる追撃が為され、吹き荒れる風が一帯をなぞる。
「決戦配備、ジャマー。こちらも目くらましを要請します」
さらに床から噴き出した煙幕が敵の周囲を覆って、大祭祀の視界を完全に覆った。
「ンだよ! どこ行きやがった!?」
敵がこちらを見失ったのを察して、シデルは鋭く地を蹴り、距離を詰める。
「私のハロウィンは友人と呑みにいく理由にしてばかりでしたが――」
見せてみろと言うのなら、今年は少々違った趣向を。トリックオアトリート、普通ならば決まり文句はそれだろうけど。
「お菓子かイタズラか、どちらかひとつをお選びください……などとは申しませんよ」
花嫁衣裳を靡かせて、敵の死角から打ち込むのは掌底の一撃。そこから流し込まれた闘気によって、敵の姿勢が崩れる。動きを止められるのは恐らく一瞬、だがそれでいい。これはただの『イタズラ』だ。
「これが、アンタに捧げるハロウィンだよ。大祭祀サマ」
続けて薄れた煙を掻き分け、螺旋の気流から姿を現したアルクスが、大祭祀へと触れる。逆巻く風は対象を捕え、その生命力を奪い取っていく。
「Treat and Trick and Strike.ってところか?」
ははあ、なるほど贅沢ですね。ではそれに倣って、とシデルはそれを振りかぶった。
『やめろ! それはもう要らねえ!!』
「遠慮なさらず、お受け取りください」
動きの止まった隙を突いて、再度の決戦兵器が叩きつけられる。大祭祀の口元目掛けて放たれたそれは、狙い通りのそこで二度目の大爆発を巻き起こした。
「……まあ、あの爆発物を菓子と言って良いのかは、オレにもわからないがな」
「どうでしょうね」
ことのほかハッピーな色合いの爆煙と甘い香り、戦場を吹き荒れるそれらを眺めつつ、二人はそう呟いた。
まあ少なくとも、定時退社は叶いそうだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
杜乃院・藤
【ケモ双子】
バイバイキャンディって名前からして怪しいよ!(くわっ)
敵の顔がどこか分からないな…
おお、力がみなぎってきたよ…
飴を舐めれば舐めるほど…やっぱりこれ危険なやつじゃない?
先制攻撃
スナイパーで命中率を上げ
大きな竜巻を作り、飛ばす
的の大きい胴体や顔を狙い
邪魔なら腕も
姉は吹き飛ばさないように傍で護衛
∑姉さん、なんてところで最強猫ムーブを…!
ご飯はおれが差し入れるよ
一日三食昼寝付きだよ
姉さん大丈夫?毒菓子しんどくない?
おれは食べないので動きは鈍るけど姉弟揃ってBS毒を食らう訳には
なんとか勝てそ…
あ、噛みそう
慌てて飴を吐き出して敵に投げつけ
衝撃で爆発して!
あと姉さん、猫姿でめぇって鳴かないの
杜乃院・楓
【ケモ双子】
理性がバイバイか頭が胴体かバイバイか難しい問題なのだ
トゲトゲを前にゴクリ
意を決してあむり
めぇええ
漲ってきためぇ!
今なら鮫を456匹喚べ…と思ったけど
変なお部屋に飛ばされぼっちは嫌なのだぁあ
弟の先制攻撃にあわせぼふんっと猫変身
羊きぐるみ着たまま母手作り猫ベッドを咥え
毒菓子を配る敵の元へつっこんでいく
猫ベッドにお座りUC発動
にゃにゃーん!
キャンディを舐め
強化された素早さでベッドから出ず毒菓子をゲット
更にもっとと要求で釘付け、トウを狙わせない
食べろと言われたら
キャンディをべしっと投げつけてやるのだ
あとお菓子は食べる
毒ぅ?
そんなもの
スーパー全知全能な吾輩に効く訳が無い!…ない、めぇ?(弱気
●羊猫と猫羊
ヒャハハハ、みたいな独特の高笑いが響いて、他の猟兵の闘う爆音が一帯を揺らす。決戦兵器の助けもあり、戦況は猟兵の側に傾いているようだ。だがしかし、まだ撃破には至らないだろう……つまり。
「姉さん、来るよ!」
「んむー……」
杜乃院・藤(狼纏ノ羊・f40933)の言葉に、杜乃院・楓(気紛レ猫ハ泡沫夢二遊ブ・f40934)が眉根を寄せる。彼女はまだ絶賛目の前の問題に思い悩んでいた。
「理性がバイバイか、頭が胴体とバイバイか難しい問題なのだ……」
「バイバイキャンディって名前からして怪しいのはわかるけどね……!」
しかし、ここはやるしかない。意を決した楓と藤は、共に決戦兵器を口にした。
「めぇええ! 漲ってきためぇ!!」
「おお、力がみなぎってきたよ……飴を舐めれば舐めるほど……!」
でもこれ完全に危ないヤツでは? 藤の理性が一抹の不安を訴えてくるが、もう襲いというか今更である。身の内に湧き上がる力を活かして、藤は強く風を編む。吹き荒れる竜巻は周囲の瓦礫やら何やらを巻き込みながら、迫り来る大祭祀ハロウィンへと襲い掛かった。
『おォ!? やってくれるじゃねえか!』
身体を引き裂かんばかりの暴風に苛まれながらも、大祭祀はそれに抗いながらこちらへと向かってくる。これが十二剣神の実力、などと冷静に分析している暇はなさそうだ。
『てめえらにもご馳走してやるよ! これでも喰らいなあ!!』
文字通り敵に喰らわせるためのそれは、ハロウィン化の毒をふんだんに含ませたお菓子の山だ。だがその前に、それを阻止するように楓が飛び出した。
「姉さん……!」
咄嗟に藤が身構える。先程のさめーず召喚が発動すれば、この場先程の四倍――実に456匹のチェーンソーシャークで溢れかえることになる。この強大な敵に対しても効果は見込めるが、その分こっちも危ないだろう。でも何で姉さんは猫変身してるの?
最後の疑問の答えは至極単純なもの。サメ召喚という攻撃に対して、敵は有用な反撃手段を備えているためだ。真実の部屋送りで術者である彼女自身の動きを止められた場合、溢れかえったサメに呑まれてしまうだろう。
あと強制的にぼっちにされるのは嫌なので。
ということで猫の姿に変身し、なおも羊の着ぐるみを着たままではあるが、楓は猫ベッドを咥えて飛び出していた。空中で一回転した彼女は敵の眼前で猫ベッドに着地、ユーベルコードを発動する。
「にゃにゃーん!」
バイバイキャンディの力を得た彼女は神々しく光り輝き、後光と共に食事を要求した。
「姉さん、ご飯はおれが差し入れるよ、一日三食昼寝付きだよ!」
藤が訴えるが楓はそれを尻尾の一振りで遮る。それでは何の意味もない。彼女狙いは、そう、敵の『給仕』を完全にこちらへと引き付けることだ。
『何ィ……この輝きは……!?』
大祭祀が慄くのも無理はない、いつもの四倍の効果を誇るユーベルコードによって、彼女は1日12回の食事を要求しているのだ。
朝昼晩と夜食を除けばあとは全部おやつだろう。敵にそれに従う義理はないような気もするが、何故か身体が勝手に動くようで、大祭祀の毒菓子は片っ端から楓の前へと給仕された。
『おのれ……だがこの量を食えば、てめえもハロウィン化は免れねえだろ!』
「そんな、毒菓子をこんなに食べるなんて……!」
そんな声に、ふふふと不敵な笑みで楓は応じる。毒のクッキーをぽりぽりと食べても、その様子には些かの変化もなかった。
「そんなもの、スーパー全知全能な吾輩に効く訳が無い!」
無い。ないよねたぶん。内心の不安が若干滲んでいるものの、実際のところちゃんと仮装をした彼女にハロウィン化の毒の効果は薄い――猫ベッドに君臨する全知全能の御猫様と化した今ならばなおさらである。
「なんか、勝てそう……?」
「さあ、もっとおやつ持ってくるのだー」
『調子に乗りやがってこのやろう――!』
次なる給仕に移ろうと、大量のお菓子を抱えた大祭祀へ、楓はぽいっとキャンディを放る。それに合わせて、藤も口の中に入れていたそれを投げつけると、二つの決戦兵器は敵の只中で大爆発を起こした。
「ふむ、もうちょっと食べてからでもよかったか、めぇ」
「姉さん、猫姿でめぇって鳴かないの」
とにかく、敵の攻撃をいなしつつ、大ダメージを与えることには成功したようだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヴァンダ・エイプリル
アドリブ連携歓迎
賑やかでいいね!
でもあなたのハロウィンは……楽しくないかな!
仮装はピエロで継続
クラッシャーでUC発動
決戦兵器を使いつつ素早い動きでアクロバット!
ロボも足場にして格闘戦で翻弄!
見せますよ、ヴァンちゃん流のハロウィンを!
ここぞってときは【コントの小道具】としてジャックオランタンを取り出す
わざと割らせるように投げて
飛び出した大量のお菓子で【おどろかす】!
隙を突いて回り込み
【ドッキリ看板】で一気に叩く!
できたら攻撃のタイミングで
散らばったお菓子の中に決戦兵器を紛れさせる
相手に踏ませて罠みたいに使えないかな?
お菓子もイタズラもあなたにあげる
そのかわり、この世界の平和は絶対にあーげない!
城野・いばら
引き続き紺のフードマント姿
決戦配備:クラッシャー
アナタのハロウィンはごちゃ混ぜなのね
でもそれじゃあ
折角の皆の個性が上手にお披露目できてないの
私のハロウィン?
リクエストにはUCでお応え
創造するのは去年のハロウィンで出会った
犬型戦車さん
可愛くてカチコチで何か飛出てきそうな不思議感にどや!
勿論それだけじゃないわ
風魔法(砲撃)でアナタに不思議をお届け
配備要請した砲弾さんでしょ
お化け南瓜さん型の水と雷属性の風船、
生命力吸収籠めた不思議な薔薇の挿し木達
いけない!大事なのを忘れてたわ
トリックにはトリートね
決戦兵器さんがあったら、それもアナタにどーん!
今年のハロウィンも
混ぜ混ぜよりハッピーが沢山咲きますように
●塗り替え
色鮮やかなるカオスの様相、それこそが大祭祀のもたらすハロウィン化した世界だ。周囲を混沌で染め上げた大祭祀は言う、『オマエのハロウィンを見せてみろ』と。
「そう、アナタのハロウィンはごちゃ混ぜなのね」
「賑やかでいいね! でもあなたのハロウィンは……楽しくないかな!」
そんなヴァンダ・エイプリル(世界を化かす仕掛人・f39908)の言葉に、城野・いばら(白夜の魔女・f20406)は「そうよね」と頷いて返す。
「これじゃあ、折角の皆の個性が上手にお披露目できないじゃない?」
『オイオイ、いきなり泣き言かあ?』
大祭祀がひとつ高笑いをしてみせるが、二人はそれに怯むことなく受けて立つ構えだ。
「ご希望とあらば見せますよ、ヴァンちゃん流のハロウィンを!」
決戦兵器を口にして、ピエロ姿のヴァンダが地を蹴る。いつもの4倍、ユーベルコードの1.5倍と合わせて6倍の強化を得た彼女は、決戦配備のロボをも足場に軽やかに跳ね回る。自在に宙を舞うように、軽業の粋で敵を翻弄、目にも止まらぬ速さで格闘戦を仕掛けた。
『ハッ! その程度でオレサマのハロウィンを超えられるとでも?』
強烈な打撃を受けながらも、大祭祀もまた怯まず反撃、そうした応酬が繰り広げられている内に、後方ではいばらが糸を編んでひとつの作品を作り上げていた。
「さあ、これが私のハロウィンよ!」
完成したのはばかでかい犬の頭にキャタピラと砲塔をつけた犬型戦車、平たく言うとアポカリプスヘルで見かけるアレである。去年見たゾンビカラーリングのそれを見せつけて、いばらはどや顔で胸を張った。
『ハァ? そんなもんで何が――』
「勿論、物足りないあなたには不思議をお届けしてあげるわ」
ずどんと良い音が響いて、犬戦車の砲塔から風の砲弾が発射される。大祭祀ハロウィンの体表で爆ぜる暴風、だがそれだけではなく決戦配備要請によって、いばらと犬戦車のもとには本物の砲弾まで届けられている。
「どんどんいくわよー」
次々と射出される砲弾に、南瓜型水風船、薔薇の挿し木と色鮮やかなそれらが戦場を彩っていった。
「それじゃついでにこれもよろしく!」
「はーい」
続けてヴァンダの渡したジャックオランタンが発射されて、敵へと向けた放物線を描く。
『ええい、そう何度も喰らうかよお!』
見切った、とばかりにそれを叩き割った大祭祀だが、予想に反して砕けたカボチャは、中に詰まっていた輝く飴玉を盛大に撒き散らした。
「どう、びっくりした?」
『てめえ……!』
おちょくってんのか、と怒りの滲む声が響く中、飴玉の流星群に拍手をしていたいばらは、何かを思い出したようで。
「そうね、大事なのを忘れてたわ」
やっぱりトリックにはトリートよね。そう呟いたいばらは、戦車の射出口に、決戦兵器を放り込んだ。
『あっ』
「えっ」
「発射ー!」
どーん。盛大に射出されたそれは、空中で大きく膨れ上がり――。
『グワァーーーーーッ!!!』
凄まじい爆発が大祭祀を襲った。その身を揺らがせ、敵がふらつく。その隙を逃すはずもなく、大祭祀ハロウィンが我に返ると、その傍らにはヴァンダがいつの間にやら接近を遂げていた。
「せーのっ」
ドッキリ大成功、と書かれた看板がフルスイングされて、敵の横っ面を引っ叩く。そして。
「あっ、足元にも気を付けて!!」
そう笑いながら、ヴァンダが敵の傍から跳んで離れる。聞こえてはいても気にする暇はないだろう、足元をふらつかせた大祭祀は、足元に散らばっていたお菓子をいくつも踏み潰し――いつの間にやらヴァンダが紛れ込ませたマキビシ、もといトゲトゲのキャンディを踏み砕いた。
『痛ッ――!!?』
悲鳴は途中で掻き消される。圧力によって暴走したスーパーエネルギー、要はバイバイキャンディの巻き起こす大爆発が、大祭祀の巨体をひっくり返した。
「お菓子もイタズラもあなたにあげる。そのかわり、この世界の平和は絶対にあーげない!」
「混ぜ混ぜより、こっちの方がハッピーで良いわよね?」
花火みたいに打ち上げられた砲弾の跡が、大祭祀の作った世界を塗り替えていく。決着まで、おそらくそう時間はかからないだろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
臥待・月紬
ハロウィンのお菓子は無理やり押し付けるものじゃないッス!
おまけに毒を盛るなど言語道断!
お灸を据えてやるッス!
仕方ないからお菓子は食べる!
……普通に美味い!ご馳走様!
まずはUCで【化術】を強化!|決戦兵器《キャンディ》を食べてさらに増幅!
【限界突破】した化術で悪戯するッス!
幻影で大司祭ハロウィンを攪乱。
見せるのは戦場を埋め尽くす東方妖怪の百鬼夜行!
超強化された化術で、鬼火の熱さも鎌風の鋭さも本物のように感じさせるッス!
同時に、混沌を加速させて毒菓子の効果を抑制。
仕上げに自分もがしゃどくろに変化!
これも幻影だと思ったッスか? こっちはちゃんと実体有り! 本物の特大骸骨パンチをお見舞いするッス!
メアリー・ベスレム
まあ、なんて大きいのかしら!
南瓜というにはずいぶん凶暴そうだけれど、食べ応えはありそうね?
ねえ? と籠の中に声を掛ければ
|合成肉生物《チプト》が顔を覗かせる
【ごはんの時間】にしましょうか
待ってましたとばかりにチプトが喰い付き【捕食】して
メアリがキャンディを口に含めば……
それすら物欲しそうに見るチプトをダメよ? と窘めて
あなたじゃすぐ噛み砕いちゃうでしょ?
えっと、いつもの2倍が4倍で……8倍?(指折り数えながら)
次はさらにその8倍で…………たくさんね!
(※メアリは学がないので難しい計算はできません)
ハロウィン化の影響なのか
カオスめいて様々な姿に|進化《仮装》していくチプト達
いつも以上の大増殖!
●奇々怪々
現れた十二剣神、大祭祀ハロウィン。その威容を前にして、メアリー・ベスレム(WONDERLAND L/REAPER・f24749)が感嘆の声を上げる。
「まあ、なんて大きいのかしら! 南瓜というにはずいぶん凶暴そうだけれど――」
食べ応えはありそうよね? と問いかけたのは、手元に提げた籠の中。何にせよ敵を食材とみている物騒な台詞だが、大祭祀がそんなことで怯むはずもなく。
『腹が減ってんなら丁度良い! こいつを喰らいなあ!!』
彼が差し出したのは、この混沌の世界に相応しい色とりどりのお菓子である。当然それはただのお菓子ではなく、大祭祀の展開するハロウィン化を推し進める毒がふんだんに取り入れられている。しかしそれを拒否すれば、動きが鈍くなるという二段構え。
「ハロウィンのお菓子は無理やり押し付けるものじゃないッス!」
悪辣なそのやり口に、臥待・月紬(超級新兵(自称)化け狸・f40122)はそう声を上げた。
お灸を据えてやるッス、と気合を入れてはみるが、やはり給仕される菓子に逆らうことはできない。仕方ないとばかりにそれを口に運んだ彼女は。
「……うん! 普通に美味い! ご馳走様!」
『なんだと……!?』
平然とそれを食べ切ってみせた。続けてトゲトゲのキャンディ――件の決戦兵器を咥えて、跳ね上がった化術の力をそこに示す。
どろんと生じた煙の中から、現れたのはお化けに妖怪、鬼やら何やらのパレードである。
「これぞ東方妖怪の百鬼夜行! とくと味わうが良いッス!!」
自らもまたがしゃどくろへと姿を変えて、大祭祀ハロウィンに匹敵するサイズになった月紬が言う。
たとえ先程のお菓子にハロウィン化の毒が入っていようとも、月紬にとってその影響は無視できる程度のものだ。彼女の卓越した化術は、決して大祭祀のもたらす混沌に劣るものではないのだから。
そして、決戦兵器の力で幻影の質も大きく高まっている。鬼火の熱さも鎌風の切れ味も、その中心に居る大祭祀には本物のように感じられただろう。そしてそれは、妖怪の牙も同様で。
『うおっ、なんだこれ』
「えっ、何スかそれ」
大祭祀ハロウィンが腕を振ると、そこに齧りついていた化け物の牙が外れて宙を舞う。東方妖怪……か? なんか鬼の被り物をしていたようだが、巨大な口の怪物にしか見えないような。
「あらチプト、そこに居たの?」
吹っ飛んだ一匹の元に、メアリーが歩み寄っていく。そう、先程の怪物は彼女の持ち物、謎のはらぺこ生物である。
彼女の抱き上げたそれは、メアリーの咥えたキャンディを「こちらにも寄越せ」と言わんばかりにのたうっているが。
「ダメよ、あなたじゃすぐ噛み砕いちゃうでしょ?」
「……」
決戦兵器の効果を受けながら『ごはんの時間』を迎えたそれは、何やら謎の仮装をしながら増殖している真っ最中。
「それっていま何匹くらい居るんスか?」
「さあ……?」
増殖速度はいつもの2倍が、バイバイキャンディで倍の倍で8倍? その先はどうなるのかしら。早々に計算を諦めたメアリーが首を傾げるのを見て、大祭祀とがしゃどくろが引き攣った表情で足元を見下ろした。この百鬼夜行の幻影の中には、果たしてアレがどれだけ潜んでいるのか。
『ヤベー! 食い付いてきやがった!!!』
「ワーッ、こっちこないで欲しいッスーーー!!!!」
咄嗟に振るったがしゃどくろの巨腕が大祭祀ハロウィンに命中し、その巨体を百鬼夜行の只中へとぶっ倒した。
おそらくそこから食事が始まっているのだろうが、その辺はきっと見ない方がいいだろう。
●Welcome Halloween
猟兵達の活躍によって、大祭祀ハロウィンは退けられた。ハロウィン化の影響は解かれ、辺りはすっかり元のお菓子工場に戻っている。
やたらと危ない決戦兵器を回収したら、いつもと同じ、平和なハロウィンを楽しもう。
Happy Halloween!
大成功
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