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🎃大祭祀ハロウィン襲来～厄災の焔は踊る

作者：蒼汁の人

　地球の生きとし生けるものたちよ、お初にお目にかかる！
　オレサマの名は『大祭祀ハロウィン』！
　宇宙連合軍デウスエクスを統べる『｜十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ｜》』の一柱だ！

　オマエラの｜グラビティ・チェイン《生存エネルギー》を狙う悪の侵略者として、最低限の矜持を通させて貰う。
　つまり、これは宣戦布告だ！
　これより、このオレサマ自らが、多重分身による『全世界同時攻撃』を行う！
　オレサマの目的は、地球に『ハロウィンの楔』を打ち込む事！
　ハロウィン当日までに阻止できなければ、地球はオレサマの主星『真理の部屋ハロウィン』と融合し、あらゆる生命、そしてグラビティ・チェインは、その全てがハロウィンと化す……！

　止められるか、特務機関｜DIVIDE《ディバイド》！
　止められるか、六番目の猟兵達……！
　オレサマは、世界各地で待っている！
　勿論、大義はオマエラにある。正義の味方として、正々堂々止めに来い！
　ヒャ〜ッハッハッハァァァァ！！！！

●
「はい、というわけで『大祭祀ハロウィン』の襲来よ……すべてがハロウィンと化すとは？
　ええっと、どうやら「万物が存在する状態」へ変じてしまうこと、らしいわね。このカオスに飲み込まれればいかに猟兵と言えども無事ではすみそうないわ。

　でも、対抗策もあるわ。ええ、ええ、ハロウィンですもの｜仮装《コスプレ》をして「あらゆる世界の概念が同時に存在する状況」を作り出すことよ。カオスをもってカオスを制すのよ。そこ、いつも通りとは言わない。

　で、まずは『大祭祀ハロウィン』の強力な配下である……配下？　ハロウィンも出自がわからん誰これこわみたいな感じになってるけど、まぁ配下の｜厄災《カラミタース》への対処をお願いするわ。ただただ高温の炎を撒き散らしてその中心で踊り狂う厄介なやつよ。

　でね、この決戦都市には「対デウスエクス用秘密武装」が秘匿されているらしいの。これがあれば『大祭祀ハロウィン』を撃破するチャンスも巡ってきそうよ。だから、速やかに決戦都市を奪還いたしましょう。
　ああ、そうそう。決戦兵器の形状はバズーカっぽい感じね。撃ち出すのは冷却魔法みたいだけど。

　さて、説明はこんなところかしら？　みんなならきっと成し遂げられると信じているわ、それでは行ってらっしゃい」

第1章 ボス戦 『『厄災』カラミタース』

POW   :    絶望の焔夜 【すべてを灰燼に帰す天を衝く六柱の焔 】が命中した対象を燃やす。放たれた【超高温の青い】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。 SPD   :    滅びの焔夜 【すべてを灰燼に帰す天を衝く六柱の焔 】を放ち、命中した敵を【超高温の青い焔】に包み継続ダメージを与える。自身が【奉納の舞】していると威力アップ。 WIZ   :    厄災の焔夜 高速で旋回する【すべてを灰燼に帰す天を衝く六柱の焔 】を召喚する。極めて強大な焼却攻撃だが、常に【奉納の舞】を捧げていないと制御不能に陥る。 イラスト：ゆりちかお 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「くっ……腕が疼く……」
　眼帯を付けた男が包帯を巻いた腕を押さえてうずくまる。別に怪我をしたわけではない。それは封印具、忌まわしき力を封じるためのモノ。同じような効果をもった留め具が動きにあわせてジャラリとなった。
「おっぱいを揉めと……なんてな」
　とニヒルに笑うと男……涼風・穹（人間の探索者・f02404）は禍々しい獲物を手に立ち上がる。その厨二病満載の痛々しい設定と格好はすべてハロウィン化へのカオスに対抗するための仮装であった。
「情熱的な踊りならいいけど物理的に熱い踊りとか正直遠慮したいんだけどな……あいつらなら苦戦はしないだろうが、都市の被害を考えると決戦兵器とやらの回収は急いだ方がよさそうだな」
　駆け出した穹の耳に厄災への対処を選んだ猟兵達の声が聞こえてくる。
「正義の味方として正々堂々止めに来い、だと？　ふふん、何もわかっていないな、三流！」
　偉大なる魔王、と本人は思っているがどこか可愛らしい仮装をしているのは津上・未有（自称真の魔王・f10638）であった。
「似合ってますよ、未有」
「む、ベルカか。お前も来ていたのだな」
　その未有に声をかけたのは白い狼の耳と尻尾を付けて狼男の仮装をしたベルカ・スノードロップ（少女へ愛を注ぎ快楽による幸福で染め救済せし夜の王・f10622）でった。
「ええ、来ていました。そうですね、この仮装は魔王の右腕の白狼、ということにしておきましょうか」
「そうか、そいつは頼もしいな。お前たちを飲み込むのは更に強大なる悪……そう、この我達だ！　この偉大なる魔王とその右腕に敵うはずがないことを教えてやる！　　我らが揃えばもはや無敵だ、はーはっはっは」
　２人は特に打ち合わせはしていなかったが、その場で即興ですり合わせをするのは猟兵の基本技能である。
「また変わったことになっておりますねぇ。私も何か魔王さんの部下としての設定をいれた方がよろしいのでしょうかぁ」
「そこは好きにしたらいいのではないか。それにしてもその格好は」
「アリスさんの衣装ですね」
「はいぃ、カオスな状況と親和性が高そうなのでアリスさんの衣装をお借りしてきましたぁ」
　そこに夢ヶ枝・るこる（豊饒の使徒・夢・f10980）が合流した。身に纏うピンクのエプロンドレスは今にも胸元が弾け飛びそうであった。明らかにサイズがあっていないが、スカートは丈が合わせてあるあたり貸し主はわざとやっていると思われる。
「さて、なんか予知で聞いてたのとは違うようだが……あ」
「燃えましたねぇ」
「なるほど、配下が疑問符だったのはこういうわけですか」
　ハロウィンの配下と思わしきデウスエクスが突如巻起こった六柱の焔に呑まれてきえた。
「出オチか？」
「出オチですね」
「出オチですねぇ」
　代わりに一人の少女が姿を現す。誰もその出自を知らず、誰もそのコードネームを知らず、ただ｜厄災《カラミタース》とだけ呼ばれる｜焰の化身《デウスエクス》である。
「……ほう、厄災の焔か……」
　敵の姿を認識し、気を取り直して未有が見得を切る。それに合わせてベルカとるこるが未有の左右に並び立った。このあたりはノリと勢いである。その場にいるだけで干からびてしまいそうな程の熱波を前にはこういうノリでモチベを上げるのは結構重要だったりするのだ。
「……あっつ」
「未有？」
「ごほん。だが命中したものを焼き尽くすというのならあちっ、当たらなければいいだけのこと！」
「未有？」
「う、うるさいうるさい！　あついものはあついのだからしかたなかろう！」
「しまりませんねぇ」
「ええい、ともかく！　この｜超高速の掌底《フェニックスウィング》で焔なぞ弾き返し！　更にその衝撃波でダメージをくれてやるわ！」
　ぐだぐだのように見えてしかし三人に油断はない。ハロウィン化のカオスに対抗するためにあえてカオスなやりとりをするという高度な作戦なのだ……本当だよ？　ともあれ、未有が暗黒闘気を纏った掌を突き出せば、衝撃波が放たれ焔の柱を弾き飛ばした。
「さすがは未有です。では次は私の番ですね」
　未有を褒めながらベルカは両手をハートのマークに構えた。その間にるこるは｜三対のオーラの翼《フローティングエアロフォイルシステム》を羽撃かせて空へと舞い上がっていた。
　ベルカの両手に聖なる光が集まっていくと同時に、中空に静止したるこるから乳白色の波動が広がっていった。
「『もえもえきゅ〜ん❤』」
「『大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて供物を捧げましょう』」
　ベルカの両手からハート型のビームが放たれ、その迎撃に動いた焔柱をるこるの波動が吸収していく。
「っておいぃぃぃ！　ベルカぁぁぁ！」
「アリスさんの予知ですし、この方がよりカオスで対抗しやすいかと思いまして」
「それは、そうかもしれんが」
「【絶望の焔夜】の威力は凄まじいですが、『炎』と言う『非実体』且つ『攻撃手段のUC』と、「吸収し易い条件」を全て揃えている以上は十分に吸収可能ですぅ」
「なんというかあっちはあっちで随分とマイペースだな」
「そうですかぁ？　アリスさんの関係者ならもっとはっちゃけていてもおかしくはないですしぃ、状況としては想定の範囲内ですしぃ」
「……そうだな」
　ともあれ、三人は協力して厄災を追い詰めていく。

　一方その頃、穹は焦っていた。なぜならば、
「まずい、このままだと俺の見せ場がなくなる」
　というものだ。決戦兵器の回収を優先したのは穹ただ一人。そして、戦闘は苦戦しないどころか割りと優勢に進んでいるようだ。予想された被害も攻撃を吸収する手段を持つものがいたことでさほど出てはいない。
　このままだと決戦兵器を回収する前に戦闘が終わりかねない。それ自体はいいことだが、せっかくきたのにこのまま終わったのでは徒労感がハンパない。穹は思考を高速で回転させた。
「ハロウィン化しているなら決戦兵器もどこにでもあるとかいうオチじゃないだろうな……？」
　しかし、焦った頭ではろくな解決策は浮かばない。
「トリックオア決戦兵器？」
　結果、穹の口から戯言が飛び出した。その穹の前にぼふんと煙が現れ、がこんとバズーカっぽいものが足元に落下した。おそらくはこれが決戦兵器だろう、穹は遠い目になった。

　るこるは吸収したエネルギーを球体から変形した二十台の砲台を始めとした各種祭器の強化にまわした。そして、祭器から砲撃と爆撃の嵐を解き放つ。
「やったか！？」
「未有それフラグです」
　爆煙に包まれた厄災を前に軽口を叩きながらも油断なく三人は身構える。爆煙が晴れた時、予想通りに健在の厄災の姿があった。
「ですよねぇ」
「と、ぎりぎり間に合ったようだな」
　そこに穹が合流した。
「あらぁ？　そのバズーカはもしかしてぇ？」
「ああ、決戦兵器だ」
　穹は｜決戦兵器《バズーカ》を構えると厄災に照準をあわせて引き金を引いた。放校に魔法陣が浮かび冷却弾が発射される。冷却弾はたちまちのうちに厄災を凍りつかせた。
「よし、とどめだ！」
「はい」
「おうよ」
「了解ですぅ」
　そして、四人の一斉攻撃が厄災に叩き込まれたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　厄災の焰夜は終わりを告げた。だが、厄災にはまだ息があった。その厄災をミイラ女が抱きとめる。胸と局部を露出し素顔を晒したそのミイラ女はドゥルール・ブラッドティアーズ（狂愛の吸血姫・f10671）その人であった。
　ドゥルールはオブリビオン救済を掲げて活動をしているが、その実態は醜い人間に理不尽に虐げられる者の救済である。デウスエクスはオブリビオンではないが｜グラビティチェイン《生存エネルギー》を求めてるだけのその在り方がオブリビオンと重なったのであろう。故にドゥルールは｜厄災《カラミタース》の救済に動くことにしたのだった。
　守護霊をその身に憑依させたドゥルールは厄災に口付けた。密着したことで愛欲が滾ったドゥルールは黒炎を身に纏う。その黒炎が厄災に吸収され今にも止まりそうだった鼓動を再び活性化させる。
　厄災から焰夜が放たれるも今度はドゥルールがそれを吸収する。今更派手なことをして他の猟兵の気取られても面倒なのでドゥルールは完全に焰夜を抑え込んだ。
「『共に恋焦がれ、身も心も蕩け合い、永遠となりましょう？』」
　その焰の吸収を受けてより黒炎が強まる。｜救済の黒朱雀《アンリミテッド・コーディペンデンス》、殺傷力の無い 極めて強力な媚毒効果の黒炎は炎であるが故に｜焰の化身《カラミタース》に吸収され、黒炎を吸収したことで厄災はドゥルールが与える快楽へと堕ちていく。
　濃厚なキスを交わしながら胸を擦り合わせ、お互いの局部やおしりを愛撫しあう。やがて、蕩けきった厄災をドゥルールは後ろから抱きかかえた。そのドゥルールには化術でとても立派なモノが生やされていた。
「二人きりで踊りましょう。もっと熱く、もっと激しく、どこまでも甘く」
　厄災の両手を上げさせその脇汗を舐めながら、より深く、より熱く、ドゥルールは厄災と一つになり｜救済《カラミアイ》をするのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

第2章 ボス戦 『十二剣神『大祭祀ハロウィン』』

POW   :    そして世界はハロウィンと化す 【ハロウィン化した世界】を見せた対象全員に「【オマエのハロウィンを見せてみろ！】」と命令する。見せている間、命令を破った対象は【ハロウィンによる肉体変化に抗う力】が半減する。 SPD   :    トリック・オア・ハロウィン 【食べた者をハロウィン化する毒菓子】を給仕している間、戦場にいる食べた者をハロウィン化する毒菓子を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。 WIZ   :    真理を識る大祭祀ハロウィンの視線 視界内の対象1体の精神を【真実の部屋ハロウィン】に追放する。精神が帰還するまで、対象の肉体は動けないが無敵になる。 イラスト：key-chang 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

『ヒャ〜ッハッハッハァァァァ！！！！　よくぞオレサマの配下を倒した』
「いや、お前の配下は焼かれて出オチしてただろ」
『ヒャ〜ッハッハッハァァァァ！！！！　よくぞオレサマの配下を倒した』
「いや、お前の配下は」
『ヒャ〜ッハッハッハァァァァ！！！！　よくぞオレサマの配下を倒した』
「いや、」
『ヒャ〜ッハッハッハァァァァ！！！！　よくぞオレサマの配下を倒した』
　厄災を倒した猟兵達の前に大祭祀ハロウィンが現れた。
「こいつ、意地でも｜厄災《カラミタース》が配下だったことにするつもりだぞ」
『オマエラの実力は認めよう。だからオレサマが直々にオマエラを倒してやるぜ。ヒャ〜ッハッハッハァァァァ！！！！』
　どこか締まらない感じだが、大祭祀ハロウィンの実力は確かだ。しかし、回収したを活用すれば活路は開けるはずだ。
「トリックオア決戦兵器！！」
　決戦が始まる。








「ふん、我と違って威厳がなさそうなやつだな」
『ヒャ〜ッハッハッハァァァァ！！！！　なんとでも言うがいい！！』
　津上・未有（自称真の魔王・f10638）の言葉に大祭祀ハロウィンは高笑いで応える。
「未有ノリノリですし、このまま魔王配下の設定でいきましょうか」
「でしたらぁ、私もその方向でやりましょうかぁ」
「そういうノリ？　OK、美少女の配下ならやる気もでるってもんだ」
　そんな未有のノリにベルカ・スノードロップ（少女へ愛を注ぎ快楽による幸福で染め救済せし夜の王・f10622）が仮装の設定に言及すれば、夢ヶ枝・るこる（豊饒の使徒・夢・f10980）と涼風・穹（人間の探索者・f02404）もそれに乗り気のようだ。
『ヒャ〜ッハッハッハァァァァ！！！！　いいぜ猟兵共、オマエラのハロウィンを見せてみろ！』
　未有を囲うように立った３人を見て大祭祀ハロウィンがそして世界はハロウィンと化すを放つ。
「ハロウィンを見せろといわれましてもねぇ」
「私のハロウィン、です？　大体毎年そうなりますし、私を含む『猟兵にとってのハロウィン』は『様々な衣装で敵方に対応する行事』では？」
「言われてみればそうだな」
　大祭祀ハロウィンの命令にベルカ、るこる、穹の３人はあまり乗り気ではないようだ。
「「そして世界はハロウィンと化す」……か？中々かっこいいことを言うじゃないか」
　そんな中で未有はノリノリだった。大仰なポーズで見得を切る。
「ならば我も特大の｜ハロウィン《トリック》をくれてやろう！」
　そして取り出すは禍々しい気配を放つ魔導具だ。
「これぞ、アリスから献上された最強最悪の魔具……」
「未有ストップです」
「まてまてまて、それはちょっとまて」
「そ、それは、いえ、魔王様は最期の止めをお願いしますねぇ」
「お、おう」
　だが、魔導具の出処を口にした瞬間に３人からストップがかかった。アレが絡んでるとなればきっとろくでもない効果だと予想ができたからだ。では誰からいくか、厳正なるクジの結果、穹、ベルカ、るこるの順となった。
「正直、あんなのからお菓子を渡されても食べられるものなのかも怪しいし悪戯したいとはもっと思えないからハロウィンとしては全然楽しめないと思ってたんだが、なんならまださっきの｜厄災《カラミタース》にお菓子あげるから悪戯させて的なお約束でも敢行した方が楽しそうとも思ってたんだが、｜魔王様《美少女》に勝利を献上ってことなら俄然ヤル気が出てくるってもんよ！」
　一番手を任された穹が決戦兵器を構える。
「ハッピーハロウィン！」
　掛け声と共に引き金を引き絞る。魔法陣が展開するのに合わせて闘気を込めていく。
「｜決戦兵器《バズーカ》オアトリート！」
　そして、穹の闘気が籠もった冷却魔法が放たれた。一発と言わず二発三発と派手に景気よく決戦兵器を穹は撃ちまくる。
『ぬあー、オレサマの衣装がぁぁ！！』
「衣装！？　いやどこだ？　凍りついたのは分かるがどの部分が衣装なんだ！？」
　それにより大祭祀ハロウィンが凍りついていく。
「悪戯をされないように、お菓子をあげるのがハロウィンですよね」
　それを見て２番手のベルカが前に出る。ベルカが構え撃った決戦兵器からは風船ガムのように氷が広がっていった。
「なんだそれ！？　いったいどうやってんの！？」
「ほら、以前の世界でもありましたから。お菓子が武器となっていることが」
「それでそんなことができるの！？」
　風船ガム型の氷の砲弾がふわふわと飛んでいく。
『ヒャ〜ッハッハッハァァァァ！！！！　この程度でオレサマが……あ、凍りついた衣装が邪魔で動けるぬあー！？』
　大祭祀ハロウィンに着弾した風船ガム風氷弾が弾け、強い粘着力で大祭祀ハロウィンをその場に縛りつけた。
「一応、豊穣の女神に愛されている立場でしてね？」
　『収穫』を祝うために悪霊を祓うのが、本来のハロウィンと続けながらベルカは片手を上げる。
「『ではシンプルにいいましょうか――今すぐ滅びろ腐れ邪神』」
　振り下ろすと同時に放たれる｜邪神殺し《イービルゴッド・キラー》の浄化の光。
「む、即死はさせられませんでしたか」
「即死させる気だったの！？　我の見せ場がなくなるじゃないか！！」
「私の見せ場もなくなるとこでしたねぇ」
　順番待ちの間に祭器で複製していた巨大南瓜型の『円盤』に乗ってるこるが決戦兵器を構える。この決戦兵器にもすでに｜『祭器』脇差〈虚音〉《漆黒の刀身の脇差》が融合させてあった。融合した物品を祭器として扱える、それが御神刀たる〈虚音〉効果であった。
「大祭祀さんは難敵、『総戦闘能力』は確実に相手が上ですから、決戦兵器を含む全『祭器』に『毎秒Lv｜哥《グロス》発の回数強化』に「ちょっとまて」はい？」
「今、グロスと称したか？」
「はい、言いましたねぇ」
「１２ダース？」
「ええ、そうですねぇ」
「その祭器全部からLvの１２ダース発が？」
「そうなりますねぇ」
「我の出番は？」
「……全攻撃用『祭器』による火力を集中、一気に叩きますねぇ」
「こらー！　無視をするなー！」
　砲台が、円盤が、戦輪が、無数の祭器が展開していく。これに決戦兵器が加わりその全てが大祭祀ハロウィンに殺到していく。
『……まだ、だ……オレサマは……まだ……』
　だが、大祭祀ハロウィンは生きていた。魂が肉体を凌駕したのだ。
「ほう、生き残ったか。ならば我直々に止めを指してやろう……この禁断の魔具でっ！　さぁ『受けるがいい！　そして地獄へ落ちろ！』」
　ここで満を持して未有が禁断の魔具を起動した。
『な、なんだこれは……ぎゃー！！』
　描写するのも憚れるようななんかエグくてヤバい恐ろしいナニカが大祭祀ハロウィン呑み込んでいく。
「……うわあ、相変わらずエグイなー、これ……。ま、まあいいや、後は巻き込まれないよう距離をとって決戦兵器で冷却魔法を打ち出して追撃すればなんとかなるだろ。……多分」
「はっ！　魔王様おまかせを！」
　いつの間にか決戦兵器をギターケース状に改造していた穹が、デスペラード撃ちで追撃を加えていく。やがて、禁断の魔具の効果が切れ、ナニカが帰還したそこには何も残ってはいなかった。
　こうして４人の猟兵達は大祭祀ハロウィンを討ち取ったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2023年10月25日