5
大祭祀ハロウィンはやって来る

#ケルベロスディバイド #お祭り2023 #ハロウィン #大祭祀ハロウィン #季節の魔法 #決戦都市リジョウ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ケルベロスディバイド
🔒
#お祭り2023
🔒
#ハロウィン
🔒
#大祭祀ハロウィン
🔒
#季節の魔法
#決戦都市リジョウ


0




●ハロウィンを告げる
 ケルベロスディバイドの世界各地に、邪悪な声が突如響き渡った。
『地球の生きとし生けるものたちよ、お初にお目にかかる! オレサマの名は『大祭祀ハロウィン』!』
 全世界同時放送で宣戦布告を行ったのは、地球を狙う『|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》』の一柱であった。
 これより行うのは大祭祀ハロウィン自らが多重分身して行う『全世界同時攻撃』、地球に『ハロウィンの楔』を打ち込む為に行うそれは、大祭祀ハロウィンの主星『真理の部屋ハロウィン』と地球を融合させてあらゆる生命、そしてグラビティ・チェインを全てハロウィンとする事であると一方的に宣言したのだ。
 そして特務機関|DIVIDE《ディバイド》、そして六番目の猟兵達を名指しして、
『オレサマは、世界各地で待っている! 勿論、大義はオマエラにある。正義の味方として、正々堂々止めに来い!』
 大祭祀の高笑いと共に、世界各地の決戦都市への侵攻が開始されたのだった。

 グリモアベース。
「|十二剣神《グラディウス・トゥエルヴ》の一柱が大きく動き出したみたいだよ!」
 白熊のウェアライダー、雨河・知香(白熊ウィッチドクター・f40900)はよく通る大きな声で、集まった猟兵達にそう切り出す。
「ケルベロスディバイドの人達が危惧していた通り、ハロウィンのお祭りによって極大まで高められる『季節の魔力』……つまり『ハロウィンの魔力』だね。それを狙った大祭祀ハロウィンが地球に『ハロウィンの楔』を打ち込み、地球を『ハロウィン化』させようとしてるんだ。ハロウィン化ってのは予知によると世界が『万物が存在する状態』に変化してしまう事で、そのカオスに呑み込まれたらいかに猟兵と言えども無事では済まないみたいだ」
 でもね、とふかふかした毛並みの熊はそのハロウィン化への対処法を続ける。
「そのカオスに耐え抜く手段が一つあって、それは仮装で『あらゆる世界の概念が同時に存在する状況』を創り出すことらしいよ。ガチでも出身世界に由来したものでも、普通のお揃いのでも地味なのでも何でもいいからとにかくバラエティ豊かな仮装を準備して、戦場のハロウィン化から身を護りつつ多重分身で世界各地の決戦都市に現れ配下と共に攻めてくる大祭祀ハロウィンを撃破して地球のハロウィン化を阻止するのが今回の任務になるよ」
 一応は仮装なしでも気合でどうにかできるかもしれないけど、そこは皆の判断に任せると知香は付け加えて戦場の説明に移る。
「今回向かって貰うのは広島の海沿いの決戦都市だよ。攻めてくるのは『冷落病』……冷気を武器としてくる病魔だ。数は多いけど決戦都市だから|決戦配備《ポジション》も使えるから上手く利用できれば有利に戦えるだろうね。上手くすべて蹴散らせても次は大祭祀ハロウィンが猟兵達の前に現れてくる。デウスエクスの首魁の一人だから真っ向勝負では苦戦は必至、だけど|決戦配備《ポジション》を駆使できれば勝機を手繰り寄せることも不可能じゃない」
 そう説明を終えた知香はケルベロスディバイドへの転送の為にグリモアを取り出す。
「ハロウィン化阻止の期限は10月31日の朝、それまでに一定数……20回大祭祀ハロウィンを撃破できてなければ、地球のハロウィン化は避けられず大変な事になる。……でもね、猟兵の皆ならきっと阻止できるとアタシは信じてるよ」
 それじゃあ頼んだよ! と慣れた調子で明るく話を締め括った知香は、猟兵達を瀬戸内海沿いの決戦都市へと転送したのだった。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 ハロウィンはテンション高いですね。

 第一章は広島の海沿いにある決戦都市一つを攻め落とそうとする『冷落病』の軍団との戦闘です。
 ハロウィン化しつつある都市内部での戦闘になりますが、|決戦配備《ポジション》が完備されている為上手く利用できれば戦いを優位に運べそうです。
 仮装についてはプレイングに指定があれば極力反映します。イラストの有無は問いませんが、【2023南瓜】などのように指定があればより確実だと思われます。
 |決戦配備《ポジション》の利用についてはケルベロスディバイドの世界説明を参考にしてください。
 第二章は『十二剣神『大祭祀ハロウィン』』との戦いになります。
 こちらは冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらをご確認下さい。
 なお、10/31の朝までにこのハロウィンシナリオが『20本成功』していなければ、地球はハロウィンと化すようです。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
95




第1章 集団戦 『冷落病』

POW   :    極寒に堕つ
【身】に宿る【動きや思考を鈍らせる冷気】を解き放ち、レベルm半径内の敵には[動きや思考を鈍らせる冷気]で足止めを、味方には【糧となる冷気】で癒しを与える。
SPD   :    雪氷を纏う
【身体より発生させた無数の雪華】を地形に突き刺し、戦場内の地形を滑る【溶けない氷床】で覆う。滑りやすさは発動時に調節できる。
WIZ   :    宿雪に沈む
戦場全体に【動きや思考を鈍らせる氷結空間】を発生させる。敵にはダメージを、味方には【視界を遮るほどの激しい雪嵐】による攻撃力と防御力の強化を与える。

イラスト:のはずく

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ロージー・ラットフォード
冷落病、ね
寒さなら任せて
あたしならきっと耐えられる

ハロウィンカラーの魔女っ娘の仮装をしよう
持つのは箒じゃなくて銃とナイフだけどね

敵の攻撃、というか氷床が厄介かな
UCでつくった足場を駆けて近づいて…斬る
病魔にコア的な…急所とかあるのかな
致命傷になりそうなところ狙って何度も何度も攻撃をトライ

決戦配備、スナイパー
狙撃部隊を要請
狙ってバンバン撃っちゃって
なんならあたしも距離とって呪殺弾撃つし

さっさと大祭祀ハロウィンを引きずり出してやろうじゃないか
今年のハロウィン、楽しいものにしたいしね


ハイ・シーコン
改変/アドリブ/連携可(『騎乗+運搬』で他人を乗せて飛べます。最大3人まで)
仮装:宇宙怪獣の着ぐるみ(というか帽子)
決戦配備:スナイパー(狙撃部隊)

「ハロウィン、か。季節行事に仕事抜きで参加するなど今まで考えたこともなかった」
(『空中機動』で空を飛びながら)
「この状態だと地上で戦うのは無理だな。ま、今の私には関係ない話だが」
クリーピングコイン達を対価にUC発動。
『念動力+範囲攻撃』で敵の動きを封じてニンジャマフラーで切り裂く。取りこぼした分は残りのクリーピングコインを『誘導弾』にして攻撃。狙撃部隊にも協力してもらう。



●魔女っ娘と宇宙怪獣は病魔を狩る
 瀬戸内海に面する決戦都市の一つはハロウィンの混沌に浸食されつつあった。
 侵略の先触れのように氷の魚――冷落病という病魔は、羽衣のような鰭をたなびかせて都市内の空中を泳ぎ回り冷気を撒き散らしている。
「冷落病、ね」
 大祭祀ハロウィンの尖兵であるかの病魔達を撃破すべくロージー・ラットフォード(snuffed it・f40203)というハツカネズミの少女はこの地に転移してきた。
 普段纏っている戦闘用の服から南瓜の色と黒のくっきりと目立つハロウィンカラーの魔女っ娘衣装へと装いを変えている。
 手にしているのは空を飛ぶための箒ではなく銃とナイフで少々物騒ではあるのだけれども。
 そしてもう一人猟兵が転移、巨大な怪鳥の影が決戦都市に落ちた。
「ハロウィン、か」
 ハイ・シーコン(商売上手の怪鳥・f41612)というバイオモンスターの装いは宇宙怪獣の着ぐるみ――巨体の彼のサイズ的に只の帽子になっているのだけれども、仮装ということは十分に判別できる。
 季節行事に仕事抜きで参加するなど今まで考えたこともなかったメガ・コーポの社長であった彼、あまり着慣れてはいないけれども、それは獣人戦線の出稼ぎ傭兵であるロージーも似たようなものだろう。
 仮装で参上した両者は、広がっていくハロウィンの|混沌《カオス》の中でもその悪影響を受けてはいない。
 侵食してくる混沌の中、三本足の怪鳥は翼を羽ばたかせて空へと飛び立って、氷床に覆われつつある地上を見下ろす。
 病魔の魚が宙を一泳ぎすれば鱗のような無数の氷華が魚の体から溢れ剥がれ落ちて地形に突き刺さり、ぴきぴきと周囲を凍らせて溶けない滑る氷が地形を覆っていく。抵抗する住民やケルベロス達の移動を妨害しながら凍てつかせていくそれは、何の策もなしにまともに戦うのは困難だろう。
「ま、今の私には関係ない話だが」
 社長であったのも過去の話、人体実験で特殊なナノマシンの投与により巨大な怪鳥の姿に変えられたハイは、地形の影響を受けない空を飛翔している。
 そしてロージーの方も軍用ナイフを構えて、
「寒さなら任せて。あたしならきっと耐えられる」
 ユーベルコード【|死へ誘う小さな殺戮妖精《ウィリー・ウィリー・ウィンキー》】を起動し疾走を開始する。
「もう|永眠《ねんね》の時間だよ」
 音速の五倍もの速度で駆ける彼女は雪華が地に刺さる前に氷床に覆われていない足場を走り抜けて低空の冷落病の魚を切り裂いていく。
 斬撃の軌跡に残るのは三日月型の絶対零度の刃、彼女の足場を封じるように地形が凍っていくが、ロージーは宙へと跳ねて残り続けるその刃に飛び乗って、それを足場に次の標的へと駆けて斬りつけていく。
 凡そ鰓のある辺りに刃を突き立てれば効率的に仕留められているような気がする。この位置にコアがあるのかは知らないが、これで致命傷を与えられるならばどこでもいい。ハツカネズミの少女が絶対零度の足場を駆け抜けて何体もの冷落病の魚を斬り捨てて行く中、上空を優雅に泳ぐ冷落病の魚達が近づかれる前に雪華を直に当てるように降らせようとする。
 だが、空を飛ぶ巨大な怪鳥がユーベルコードを起動しつつクリーピングコイン達を空へと解き放つ。ハイから離れた意思ある金貨の大群に、宙泳ぐ魚たちの注意が一瞬逸れ、次の瞬間魚達の動きが空中で停止した。
(「少々対価がかかるか」)
 心中で独りごちる怪鳥、念動力で一定範囲の魚達を縛り付けてはいるが、空飛ぶ意思ある金貨の数が減っている。まだ猟兵としての力量が高くない故に、動きを封じる事を成功させる為の代償も相応の量になるということだ。
 だが金貨の残量はまだ十分、ハイは長いマフラーをたなびかせながら滑空、固定された冷落病へと加速していく。
 すれ違いざまに鋭く振るわれたマフラーは瞬時に硬化、冷落病の魚達を深々と切り裂いてハイの後方に続くクリーピングコインの群れが追撃を仕掛けた。念動力を振り切って逃れようとする病魔達を追尾し刻まれた傷口に弾丸のような速度で飛び込んでいく金貨の群れは魚を穿ち、仕留めていく。
 そこで近くのビルよりの支援射撃が飛んでくる。二人が要請していたスナイパー|決戦配備《ポジション》による狙撃は、クリーピングコインの群れが仕留めきれなかった冷落病の魚を的確に撃ち落としていく。
 とん、と空中の刃の足場から軽やかに跳ねたロージーが小柄な見た目にそぐわぬ長大なライフルを空中で構え、距離を取りつつ上空で抵抗している冷落病の急所を呪力を籠めた弾丸で撃ち抜いた。
 それが最後、音もなく着地を決めたロージーが見上げれば、三本足の怪鳥のシルエットしか動くものは見当たらない。
「この辺りはこれで全部のようだな」
 ばさばさと空から残敵を確認していたハイが羽ばたきながらゆっくり降下してきて、ロージーに告げる。
 しかしまだ冷落病の尖兵達はまだこの決戦都市の他の場所を襲い続けている、戦闘の音はまだ止んでいない。
「さっさと大祭祀ハロウィンを引きずり出してやろうじゃないか」
「そうだな。まずはあの魚共を掃討せねばな」
 他の戦場に加勢に向かおうとするロージーにハイが応じ、二人はすぐに向かわんとする。
(「今年のハロウィン、楽しいものにしたいしね」)
 獣人戦線出身のロージーも、季節の行事に目を向けてこなかったハイも、猟兵のハロウィンを体験するのは初めてだ。
 心置きなくハロウィンを楽しむ為に、そして邪悪なる侵略者を撃ち落とし斬り捨てる為に二人は次の戦いへと向かっていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

皇・絶華
UC常時発動

仮装
吸血鬼のゴスロリ美少女(絶華
付き従うメイド少女(黒猫耳バンドつけてる
「いやなんだこれ!?恥ずかしいんだが!?」
はっはっはっにあってるぞさっちゃん(チョコもぐもぐ

【戦闘知識】
敵の能力は周辺状況の把握

成程…病魔か…本来なら倒せば病気が治るのだが…違うようだな
「主様の世界の病気の治療法どうなってるんですか…!?」

決戦配備
クラッシャー
火炎兵装による猛攻で吹雪の妨害も兼ねる!

【空中機動・乱れ打ち・弾幕・念動力】
飛びながら螺旋手裏剣の乱れ打ち弾幕展開
雪嵐は次元障壁で防ぎつつ
【二回攻撃・切断・第六感】
直感を働かせながら転移を繰り返し傍に現れては斬撃を叩き込み他の敵を迎撃に向かう


レオンハルト・シャルラッハロート
・アドリブ/絡み共に可

「大祭祀ハロウィンとやら!貴様の宣戦布告、受けて立とう!…だが貴様の思い通りにはさせない!」

仮装:カボチャ頭の騎士(マントも南瓜模様)で剣はキャンディー製(赤い綿飴でコーティング)
決戦配備:クラッシャー
「ー敵が氷ならこっちは炎で対抗だ!」主に火炎放射を援護要請

-今のボクは“熾炎”は(仮装のため)使えない。だが!
星霊フェニックスを召喚、その後UCを発動して突撃。
「-共に征くぞ星霊!疾風迅雷、ライトニングキャバリア!」
主にハルバード(武器に魔法を纏わせてからの薙ぎ払い)とグリフォン(羽ばたきによる吹き飛ばし)で対抗。
冷気にはオーラ防御とフェニックスによる氷結耐性で耐える。



●銀の吸血鬼と南瓜の紅獅子
 怪鳥とネズミの猟兵が病魔の怪魚を打倒している頃、少し離れた街中で冷落病に相対する三つの影があった。
 吸血鬼の美少女――の仮装をした皇・絶華(影月・f40792)はクールな印象で怜悧な刃物のよう。
 いわゆるゴスロリ服は銀髪の絶華にはよく似合っているようにも見えるが、見る者が見れば彼女ではなく"彼"という事に気付くかもしれない塩梅だ。
 一方で絶華に付き従うメイド服――黒猫耳バンドも装着している黒髪少女は顔を紅潮させていて。
『いやなんだこれ!? 恥ずかしいんだが!?』
 ――連環神機『サートゥルヌス』がユーベルコード【対人戦術機構『刻の神』】により人型を取っている少女は主にそう叫ぶ。似合っているとはいえ羞恥心が勝ってしまっているようだ。
『はっはっはっにあってるぞさっちゃん』
 そんな様子を見て言葉は鷹揚に、絶華はどこからか取り出したチョコを口に放り込んで不平不満を右から左へ受け流していた。
 そしてもう一人、黒いグリフォン『シュヴァルツェヴィント』を伴ったカボチャ頭の騎士の仮装をしたレオンハルト・シャルラッハロート(不死鳥の天誓騎士・f38951)は二人のやり取りを横目に空泳ぐ怪魚達を見据えて、
「大祭祀ハロウィンとやら! 貴様の宣戦布告、受けて立とう! ……だが貴様の思い通りにはさせない!」
 南瓜模様のマントをばさりと広げつつ、剣を掲げる彼は未だ姿を現さぬ事件の黒幕に届かせるような気迫でそう叫ぶ。
 ハロウィンの混沌は仮装している者には悪影響を与えず、猟兵達は万全の状態。
 活力に溢れる獅子の騎士の宣言を受けてか、周囲の気温が急激に低下、雪嵐が吹雪き始めて視界が白に包まれていく。
「成程……病魔か……本来なら倒せば病気が治るのだが……違うようだな」
『主様の世界の病気の治療法どうなってるんですか……!?』
 呟く絶華の言葉に驚きを隠さないサートゥルヌだが、そんなやり取りに構うことなく吹雪は強まっていく。敵対者の意志と動きを鈍らせていくこの冷気、じわじわと削り敵を仕留める冷落病の常套手段であった
 レオンハルトの方は仮装の為に紅い綿飴でコーティングされた愛剣たるフレイムソード『熾炎』は今は使えない。されどエンドブレイカーとして長く戦ってきた彼、戦う術がそれだけである筈もない。
 熾炎に宿る星霊フェニックスを召喚しつつユーベルコード【星霊グランスティード】を起動、同時に取り出した『槍斧・シュトルム』を握りしめ勇ましき軍馬の星霊の背に騎乗する。
「――共に征くぞ星霊! 疾風迅雷、ライトニングキャバリア!」
 蹄が地を蹴りもう加速、吹雪を突っ切るように雷光の力纏いし獅子の名を持つ騎士が斧槍を一閃、ふわふわと低空を泳いでいた冷落病を一息に薙ぎ払う。
 同時に絶華も動いている。サートゥルヌスの三つの円環で次元障壁を展開させて雪嵐を阻みながら彼は建物の間を跳躍、螺旋手裏剣を次々に放ち上空から冷落病の魚を撃ち落としていく。
 スコールのような手裏剣の弾幕に落とされた魚達をカボチャ頭の獅子の斧槍が薙ぎ払い、抵抗するように空泳ぐ病魔の魚は身に宿す冷気をありったけ放出して敵の体力を削り切ろうとする。
 だが、
「――敵が氷ならこっちは炎で対抗だ!」
 しかしそれは絶華もレオンハルトも承知、偶然同じ|決戦配備《ポジション》を要請していた二人の周囲を火炎が通り抜け、冷落病の魚ごと凍てついた街並みを赤く彩っていった。
 要請されたクラッシャーは火炎の兵装で悪しき病魔の冷気を阻み、逆に熱で焼き尽くすように猟兵達を援護してレオンハルトの黒い体色のグリフォンの力強い羽ばたきが炎を煽り吹雪を押し返していく。
 吹雪の冷気と拮抗するかのような火炎の熱量に紛れ、フェニックスの炎で冷気を緩和しながら戦場を駆ける獅子の騎士、吹雪く冷気でその身を治療しつつ彼を避けるように空に逃げようとする冷落病。だが、魚の側にサートゥルヌスの次元転移能力で絶華が直感に従って連続転移、『TC』というジャマダハル型の短剣で切り裂いて逃しはしない。
 戦場を星霊と共に駆け抜け斧槍で薙ぎ払う南瓜の騎士と、鮮やかに宙を舞って病魔を螺旋手裏剣で撃ち落とし切り裂き仕留めていく吸血鬼。そして彼らを援護するクラッシャーの人々。
 力を束ねた彼らを病魔が崩せるはずもなく、程なくして周囲にいた病魔は一掃された。
 だが、他の場所ではまだ侵攻する病魔との戦いは終わっておらず、大祭祀ハロウィンもまだ控えている。
 絶華とサートゥルヌス、そしてグランスティードに騎乗したレオンハルトとシュヴァルツェヴィントはまだ交戦中の味方に加勢すべく、急ぎその場を離れ次なる戦場へと向かっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
ハロウィン化を絶対に阻止しましょう

それにしても
わざわざ教えてくれて
止めに来いだなんて
ハロウィンさんにとっては
悪戯やゲームなんでしょうか

仮装は防寒も兼ねて?
アイヌ風で参りましょう

猫のおてては毛皮でぬくぬくですから
寒い中でも弦を爪弾くのも平気ですよ

更に決戦配備でDfの
あったかヒーターや温熱結界を依頼すれば
万全です

起動したリートで荘厳な曲を奏で
光の五線譜として放ちます

冷気を吹き飛ばせば
足止めなんかされません

冷落病さんそのものを吹き飛ばして
玉突きのように
他の冷落病さんへぶつけて
ごっつんこしてもらいましょう

こんな感じで演奏を続けていけば
身を覆っていた冷気が吹き飛ばされ続けますから
冷落病さん方は弱体化していくでしょう

弱ってきたところを
空の彼方まで吹き飛ばして
そのスピードで粉々になってもらいます
ダイヤモンドダストみたいで綺麗です♪

さあ
次はいよいよハロウィンさんですね



●その光の五線は結界のように
 広島の決戦都市に吹き荒れるのは冷落病の齎す冷気と吹雪。
 |決戦配備《ポジション》の助けを存分に活かした猟兵達の活躍によりこの都市を襲撃する病魔の魚の群れは随分数を減らし、それを補うために一か所へと集い巨大な群を形成し空を泳ぎ冷気を振りまいていた。
「それにしても……わざわざ教えてくれて止めに来いだなんて、ハロウィンさんにとっては悪戯やゲームなんでしょうか」
 その光景を目にしながら首を捻るのは、北の特徴的な民族衣装風味の装いに身を包んだ箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)。
 元より北国に住まう者の衣装、防寒にも優れているようで冷落病の魚の身から解き放たれる冷気も少しマシに感じられる。
 加えて要請した|決戦配備《ポジション》はディフェンダー、防御力を高める援護――決戦都市の冷気を防ぐ結界やヒーターにより彼の周囲の戦場はガンガンに温められていて、思考や動きの鈍りも緩和されているように感じられる。
「ハロウィン化を絶対に阻止しましょう」
 竪琴を奏でる為の猫の指も、自前の黒い毛皮でぬくぬくしていて演奏には問題ない。
 まるで一体の巨大な魚のように群れ成して襲い掛かってくる冷落病の魚達に相対した仄々は|カッツェンリート《ねこのうた》を展開し荘厳なメロディを奏でながらユーベルコード【喝采のファンファーレ】を起動する。
「さあ、行きましょう!」
 旋律に織り成された魔力が光の五線譜として魚達に放たれる。冷気の放出元である魚が不用意にその五線に触れれば、猛スピードで後方へと弾き飛ばされ他の空泳ぐ魚群に衝突、大きな魚の形が歪み少し崩れてしまう。
 仄々の演奏は止まらない。光の五線譜は次々と放たれて冷気を放出する魚を吹き飛ばし魚群へとぶつけ、魚の形は何かの形をとっているのかも分らぬ程に崩され、散らばっていく。
 病魔たちの放出する冷気の効果範囲は一定だ。しかし仄々の五線譜が吹き飛ばす距離はその範囲以上で、病魔が散らされる事で一つの群体として周囲に放出する冷気は徐々に弱まっていき、そして散らされた個体が合流しようとしても仄々を中心に放たれる光の五線譜に再び吹き飛ばされてしまい糧となる冷気を受けても弱り行くのみ。
 五線譜の結界に阻まれる冷落病の魚達は群体を構成する数を減らし、そして十分減った頃合いで仄々の荘厳なメロディもクライマックスに差し掛かる。五線譜が空泳ぐ病魔達が形作る群体の中心へと放たれ、中心から大きく弾けた。吹き飛ばされビルや地形に衝突、或いは空中で力尽きた病魔が速度や衝撃で粉々に砕け散り、戦場に細かな氷の粒子としてゆっくりと降ってくる。
 さながらダイヤモンドダストのような綺麗な景色に目を奪われる仄々。この群が最後だったからか、決戦都市の凍てつくような気温は急速に元通りの秋の気温に戻っていく。
「さあ、次はいよいよハロウィンさんですね」
 きらきらと陽の光を乱反射する氷の粒子を見遣りながら、その向こうからやってくる十二剣神へと仄々は視線を向けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『十二剣神『大祭祀ハロウィン』』

POW   :    そして世界はハロウィンと化す
【ハロウィン化した世界】を見せた対象全員に「【オマエのハロウィンを見せてみろ!】」と命令する。見せている間、命令を破った対象は【ハロウィンによる肉体変化に抗う力】が半減する。
SPD   :    トリック・オア・ハロウィン
【食べた者をハロウィン化する毒菓子】を給仕している間、戦場にいる食べた者をハロウィン化する毒菓子を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ   :    真理を識る大祭祀ハロウィンの視線
視界内の対象1体の精神を【真実の部屋ハロウィン】に追放する。精神が帰還するまで、対象の肉体は動けないが無敵になる。

イラスト:key-chang

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●大祭祀の襲来
『ヒャ〜ッハッハッハァァァァ!!!!』
 高笑いと共に突如襲来したそれは、おとぎ話の魔女のような、奇怪な姿であった。
『病魔の時期にはちょっと早すぎたかァ!? 流石だな特務機関|DIVIDE《ディバイド》、そして六番目の猟兵!!』
 地球を己の主星『真理の部屋ハロウィン』と融合させ、全てをハロウィンと化す為に打ち込む『ハロウィンの楔』、そのために向かわせた配下を全て撃破され、それでも十二剣神『大祭祀ハロウィン』は儀式を継続する為にこの決戦都市へとやってきた。
『オレサマを止められるか正義の味方達! やれるものなら全力で抗ってみろォッ!!』
 ハロウィンの魔力を出鱈目に放出するデウスエクスが叫ぶ。地球を狙うデウスエクス――それを率いる首魁の一人の力量は凄まじく、歴戦の猟兵であってもこのハロウィンのカオスが続く戦場で何の策もなしに力押しで倒し切ることは困難だろう。
 しかし猟兵達には|決戦配備《ポジション》の支援がある。それを存分に活用すれば、互角以上に戦うことは不可能ではない。
 この地球のハロウィン化を阻止するため、楔を喰い止めるために抗う者たちは各々の武器を構え、大祭祀と相対するのであった。
箒星・仄々
地球のハロウィン化なんて
させません
ハロウィンさんを倒しましょう

続けてアイヌ仮装です

決戦配備はキャスター
事前にお渡ししていた魔曲を
演奏し放送していただきます

この曲はハロウィン力を減弱させる効果を持つのです
私が作曲しました

そのため弱体化したハロウィンさんの力に抗うことは
決して難しくありません

ハロウィン部屋で耳をすませば
メロディが聴こえて来ます
その音に思いを寄せれば
あっという間に肉体に戻ってこれます

さあ反撃のお時間です
キャスター魔曲に合わせて竪琴を奏で
決戦都市の道路や建物を魔力へと変換

炎水風の魔力の渦で
ハロウィンさんを倒します

演奏を続けて勝利を祝します
ハッピーハロウィン♪


ハイ・シーコン
改変/アドリブ/連携可(『騎乗+運搬』で背中に他人を乗せて飛べます。最大3人まで。)
仮装:前回と同じ
決戦配置:キャスター(魔力供給)

「貴様は一つ勘違いをしている。私は『正義の味方』などではない。『悪の敵』だ」(UC発動)
リミッター解除で飛行速度上昇と攻撃力強化。
クリーピングコイン誘導弾と念動力とニンジャマフラーで攻撃。
敵の攻撃は空中機動で回避、間に合わないのはオーラ防御で防御。
リソースは魔力吸収で補う。
「悪が悪を討つカオス、これが私のハロウィンだ。あと貴様、来年も来るとか言い出すなよ?」



●混沌の中に響かせ舞う
 決戦都市を侵食するハロウィンの力は十二剣神の襲来により一層増していた。
 ビルが、街路樹が、道路が混沌に。変化していく街中を、仮装の着ぐるみを帽子のように被ったハイ・シーコン(商売上手の怪鳥・f41612)が翼で空を斬り裂きながら十二剣神の一柱へ真っ先に向かっていく。
 それとほぼ同タイミングでアイヌ風味な仮装の小柄な黒猫も合流、
「地球のハロウィン化なんてさせません。ハロウィンさんを倒しましょう」
 箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)も気合十分、竪琴を奏でながら駆け、本来の音量以上に増幅された――無事な決戦配備のスピーカーから響く音色。
 両者が要請していた|決戦配備《ポジション》はキャスター、決戦都市のあちこちに刻まれ記された魔法陣や響く魔曲が猟兵達の力を高めていく。
『妙に癇に障る……オマエが元凶か!!』
 予め仄々がDIVIDE職員に渡して流して貰っている魔曲はこの地を侵食しているハロウィンの力を弱めるために特別に作曲したシンフォニアの旋律――この決戦都市の力を借りて奏でるそれは、出鱈目に侵食し万物が存在する混沌に周囲を変えていくハロウィンを停止させるまではできずとも幾らかは効果があったようで、大祭祀の声色に苛立ちが混じっている。
 仮装も相まって二人の猟兵がハロウィンの混沌に呑まれてしまうような事態は防がれているものの、ならばと大祭祀本人が猟兵へと攻撃を仕掛けてくる。
 南瓜の視界に入った仄々がぴたりと動きを停止、彼の精神は真理の部屋へと追放されてしまったのだ。
 その間は無敵となるものの、時間が来ればハロウィンの楔が打ち込まれ大祭祀の目標は達成されてしまう――更にハイに向けてハロウィンは宣告する。
『オマエのハロウィンを見せてみろ!』
 命令の言葉、それに逆らえばこのハロウィンの混沌に抗う力を弱体化させられて混沌の中に取り込まれハロウィンになってしまう事だろう。
 だが、今のこの場に集っている猟兵達は仮装している。他の世界や普段と異なる意匠は別々の者を同時に存在させているようで、それは即ちハロウィン。
 逆らう必要もない、この姿で戦うと決めている猟兵は怯みもせず堂々と大祭祀に相対して、
「貴様は一つ勘違いをしている。私は『正義の味方』などではない。『悪の敵』だ」
 ユーベルコード【バイオミック・オーバーロード】を起動したハイの体が巨大化していく。怒りの感情を爆発させる事で力を得るこの力に、展開された決戦都市の魔法陣からの魔力供給の術式支援が重ねられることで怪鳥の力は限界を超えてぐんと増す。
 彼から放たれた空飛ぶ金貨の群れがハロウィンに襲いかかり、ハロウィンの力をダイレクトに受けたことで幾らかが飴玉に変えられてしまう。
 しかしそれは囮、本命はハイ自身の突撃である。
 巨大な怪鳥の奇襲に大祭祀は速やかに反撃するが、その巨体に見合わぬ速度でハイは大祭祀の放ったハロウィンの混沌をすり抜けるように躱し、すれ違いざまに超硬質化したマフラーを振り抜いて巨大な斬撃を叩きつけた。
「悪が悪を討つカオス、これが私のハロウィンだ」
 悪の共食い、それは彼の出身世界での来歴的には日常茶飯事であって、実に混沌としている。
 そして、一方の仄々の精神は真実の部屋ハロウィンの中に在った。
(「うーん、困りましたね」)
 万物が混ざりあったような奇妙な空間、しかし耳を澄ませればメロディが黒猫の大きな耳に届いてくる。
 |決戦配備《ポジション》で流して貰っている仄々の作曲したメロディ、微かに聞こえるそれに思いを寄せれば足は独りでに部屋の出口へと向いて、そしてあるべき場所に精神は還る。
 肉体に戻った仄々は即座に愛用の竪琴をかき鳴らす。キャスターの演奏に合わせたメロディは彼の周囲の無機物を三属性の魔力へと変えていく――ユーベルコード【トリニティ・シンフォニー】。
「さあ反撃のお時間です♪」
 変換された魔力が怪鳥の突撃と共に大祭祀に襲いかかる。炎と水、そして風の協奏曲は竪琴の音色に合わせるようにうずまき強大なデウスエクスの肉体にダメージを刻み込んで、硬質化したマフラーの一閃が深々と切り裂いた。
 傷を負った大祭祀、されど高笑いのテンションは下がるどころか上がっているようにすら思われる。
「あと貴様、来年も来るとか言い出すなよ?」
『来年の話をしてたら鬼が来るぜぇっ!!』
 冷徹に言い放ったハイに大祭祀はもう勝った時の話をしているのかと言う風に言い返してくる。
 相手の消耗具合からすればまだ終焉には遠いようだ。されど、仄々が竪琴を奏でる指は止まらない。
 ハロウィンへと抗う魔曲が響く中、ハロウィンと猟兵達の戦いは激化していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

秋月・信子
●POW

何と言いますか…ここまで悪役ムーブを徹底していると逆に憎めなくなりますね
『でも、結局は倒すか倒されるかの生存競争よ。その証拠に地球をハロウィン化されたらゲームオーバーですもの。ここは大人しく帰って貰うに限るわ』

アサルトバニーの上に着装した魔女の仮装を形取る私の影とその様な事を喋りながらですが、攻撃をジャンプで緊急回避しながらゲヴェーアで応戦
着実にダメージを蓄積です

『さぁて、今度はお前のハロウィンを見せてみろとイキって来たわね。じゃ、見せましょうか…私達の|ハロウィン《UC》を』
決戦配備、ディフェンダー
ハロウィンの周辺に防壁ビルを展開…その影を利用した特大の『影の流砂』で魔界へご案内です



●混沌に跳ねる魔女
 決戦都市のハロウィン化、そして十二剣神との戦闘が激化していく中、赤いフードを被った秋月・信子(魔弾の射手フリーシューター・f00732)は大祭祀の隙を伺いながら戦場を駆けていく。
 普段から着用しているバニーを連想させる強化スーツの上に纏う信子の仮装はさながら魔女、その効果もあってかハロウィン化による影響は最小限に抑えられているが、長期戦に持ち込まれればどうなるかは分からない。
『ヒャ〜ッハッハッハァァァァ!! もっと派手にやろうぜェッ!?』
「何と言いますか……ここまで悪役ムーブを徹底していると逆に憎めなくなりますね」
 猟兵に応戦する大祭祀ハロウィンのテンションは異様に高い。その上で徹底して侵略者らしい――物語の悪役のような振る舞いには逆に毒気を抜かれてしまいそうになる。
(『でも、結局は倒すか倒されるかの生存競争よ。その証拠に地球をハロウィン化されたらゲームオーバーですもの』
 そこに響く信子とは少々異なるトーンの諭すような声、よくよく観察すれば彼女の仮装は尋常の素材ではなく、彼女から伸びる影が衣装の形を取っている事に気づくだろう。
 ここは大人しく帰って貰うに限るわ、と語る自身の|影《姉》に同意しながら、信子はハロウィン化した世界で莫大な魔力を振るうカボチャの魔力弾を跳躍して回避。同時に自動小銃『ゲヴェーア』よりばら撒く弾丸で応戦する。
 ハロウィンの魔力で弾幕を防ぎ回避しながらハロウィンの十二剣神は更に高揚したように哄笑して、
『まだまだ足りねェ!! オマエのハロウィンを見せてみろ!』
 大祭祀による宣告、命令。その言葉に抗えば戦場を浸食するハロウィン化に抗う力が弱り、一気に押し切られてしまうだろう。
 だが大祭祀がそうイキってくるのは信子も『姉』も想定済で、
『じゃ、見せましょうか……私達の|ハロウィン《UC》を』
 魔女の仮装からの声に信子は頷きつつ決戦都市の人々に向けて合図を出せば、|決戦配備《ポジション》ディフェンダーの特大の防壁ビルがハロウィンの周囲にせり上がる。
 物理的な逃走経路を封じる――驚くハロウィンに重ねて信子はユーベルコード【|影の流砂《ボトムレス・シャドウ》】を起動。
「影の触手よ……影の中へ引きずり込みなさい」
 魔女の仮装から伸びる影の触手の群れが防壁ビルの隙間を抜け、更に防壁そのものが作り出す影を渡り、或いは同化しながら足を止めたハロウィンに全方位から襲いかかる。
 一斉に襲いかかる影の混沌が大祭祀を捉え、縛り付けた。そのまま真下――防壁ビルが落とした影と同化し巨大な影の流砂へと変化した地面へと力技で引きずり込まれていく。
 一度吞まれれば脱出する術などないように思える|影の底なし沼《魔界》へとハロウィンの体は招待されていくようで。
『こりゃキツイなァ……だが、まだまだァッ!』
 しかしながら大祭祀は気合を入れるようにそう叫んで全力でハロウィンの魔力を放出、影の流砂に干渉してハロウィン化させ強引に脱出した。
 しかしそ個に生じた僅かな隙を信子は見逃さない。手早く照準を合わせて自動小銃の弾丸を撃ち込んで追撃を仕掛ける。
 禍々しいハロウィンの姿に風穴が穿たれていく、しかし完全に仕留め切るには少しばかり届かなかった。
 高笑いし魔力を放出するハロウィン。しかし、影の底なし沼と銃弾によるダメージの蓄積は間違いなく、悪役の如き声が僅かに弱ってきていることを信子は見抜いていた。
 この決戦都市を完全に守り切る為に、魔女の仮装のままに信子は混沌犇めく中を走り、ハロウィンに致命打を刻み込むべく行動を再開するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

館野・敬輔
【SPD】
アドリブ連携カオス大歓迎
決戦配備:ジャマー要請

大祭祀の前に行く前に指定UCでヴァンパイアに変身
この姿を仮装と言い張ってやろう
…いや、普段の僕と違うなら十分仮装だろ?
ほら、ハロウィンらしくコウモリもいるから、な?
(必死に大祭祀を「言いくるめ」中…だいぶ苦しいけど)

毒菓子を楽しんでない場合、行動速度だけが落ちるけど
落ちた分は数でカバーすれば問題ない…?
というわけで、決戦配備から視界や太陽光などを完全に閉ざす程の濃煙を発射してもらい
それに紛れるように一斉に吸血コウモリを放ち「生命力吸収、吸血」してやろう
ま、毒菓子食べても「毒耐性」で耐えられるけど

…何だか疲れたなあ
普段、こんなことしないしな



●纏うはある可能性
 影の底なし沼より脱出せし大祭祀ハロウィンは決戦都市のビルの屋上へと飛んでいく。
 が、既にそこに待ち構えていた黒騎士が一人。
「貴様らを骸の海に送るため、この身に眠りし吸血鬼の力、借り受けるぞ……!」
 起動したユーベルコード【過去を葬りし吸血鬼】により館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)は吸血蝙蝠の群れを従えるヴァンパイアの姿へと変じていた。
『……それ、仮装かァ?』
「……いや、普段の僕と違うなら十分仮装だろ?」
 すまし顔のままにしれっと敬輔が返す。
「ほら、ハロウィンらしくコウモリもいるから、な?」
『しかしだなァ……』
 周囲でばさばさ飛んでいる蝙蝠の群れを示すヴァンパイア(仮装)に南瓜の魔女な大祭祀は不満げな声を向けてくる。
 敬輔も内心だいぶ苦しいとは思っているが、要素としてみれば南瓜と同じ位にコウモリはハロウィンのメジャーなモチーフである。存在するだけでハロウィンの空気マシマシだ。
 その甲斐あってか、すごく苦い顔をしているのだろうハロウィンの意志とは関係なしに敬輔がハロウィンに侵食されている気配はない。
 もしかすると重ね合わせで異なる概念を同時に併せ持っていることが浸食を拒絶する条件であるのだから、あり得た未来の可能性を纏う事でも満たせているのかもしれないが――、
『考えても始まらねェッ!! トリック・オア・ハロウィン、この毒菓子をたっぷり喰らいなァッ!!』
 効かぬなら効かぬでねじ伏せてしまえと言わんばかりにハロウィンが叫び周囲に毒菓子を振る舞い始める。
 その菓子を口にしたならもれなくハロウィン化が進んでしまう――有する毒への耐性で耐えるという選択もあるが、ここで敬輔は毒菓子を拒絶。
 同時に大祭祀のユーベルコードの力により行動速度が大幅に減じ、相対的に大祭祀の速度が跳ね上がったように感じる。
 だが、ここで敬輔が支援要請していたジャマーの|決戦配備《ポジション》によるバイオガスが敬輔と大祭祀ハロウィンの周囲の空間を急速に満たしていく。
『目隠しかァ!? 無駄だぜェッ!?』
 視界を覆い隠すような濃密な濃煙の中、それでもハロウィンの目は敬輔の方に向いている。
 速度の鈍った敬輔に更なる毒菓子を給仕しようとするが、それより先に大祭祀に吸血蝙蝠の群れが一気に襲い掛かる。
 バイオガスに紛れ敬輔が放った蝙蝠たちの数は多く、速度が鈍った分を数でカバーできるほどで、噛みついた蝙蝠が大祭祀から血液を吸い上げていく、
 血液と敵愾心を奪い取る蝙蝠たち、この太陽の光を完全に遮断し暗闇となった戦場ではその威力は三倍に跳ね上がっており、大祭祀はたまらず魔力を噴出しバイオガスの外へと高速で脱出していく。
 致命傷に近いダメージを刻んだ手応え、変身した事で湧き上がる吸血衝動を蝙蝠が奪った血液で相殺しながら晴れていくバイオガスの向こうを見上げて、
「…何だか疲れたなあ」
 妙にテンションの高いハロウィンが離れていく中、敬輔はぼそりと呟く。
 普段しないような事をやると疲れるのは当然、しかし十分役割は果たせたはずだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

皇・絶華
うむ!知香は頑張っているな!我がチョコを食し!圧倒的なパワーを宿して頑張るんだ!(もふもふ熊さんにぜっちゃんチョコねじこみねじこみ)


機神搭乗

おお…おおお!!
これが十二剣神…デウスエクスの王の一角!
素晴らしい…ケルベロスブレイド世界と違い不死たる王!
お前からは圧倒的なパワーを感じるぞ!
世界をハロウィンにするパワー…

何より自らを悪として猟兵へ挑むその気概と苛烈な心意気

私は理解したぞ!
お前は我がチョコの材料になりに来たんだな!

良いだろう!既に何人かのお前を材料にしたところだ!お前も我がチョコとしてやろう!!
「ぴええ!?」(恐れ戦く機神)

決戦配備
ジャマー

ハロウィンの行動妨害

【戦闘知識】
敵の動きを分析
【空中機動・念動力・弾幕・切断】
UC発動
超高速で飛び回りながら空間切断と転移を繰り返し念動光弾を打ち込み毒菓子給仕妨害
【二回攻撃・乱れうち】
鎌剣による連続斬撃と共に次元切断も組み込んでの蹂躙開始

今こそお前のその身体…我がチョコの材料としよう!
安心しろ!糖質はちゃんと抜くから!
「安心要素がねー!?」


火土金水・明
仮装は魔女です。「まあ、動きやすい服装の方がいいですから。」「2023年のハロウィンもそろそろ終わりにしましょう。そうしないと、2024年のハロウィンが楽しめませんよ。」「決戦配備は、スナイパーを要請しましょう。長距離ミサイルで派手にいきますか。」
【SPD】で攻撃です。相手の攻撃は【ファイヤー&ブリザード】の氷の壁で反射します。ダメージの方は【オーラ防御】で軽減を試みます。「状態異常と行動制限を、そのままお返ししましょう。」
反射と同時に発動する炎の嵐を【継続ダメージ】を付けた【範囲攻撃】にして、『十二剣神『大祭祀ハロウィン』』と毒菓子を纏めて攻撃します。「反射した効果が効かなくても、攻撃の方が本命ですから。」「迷惑な毒菓子は処分させてもらいます。」
(自分の手番が終了時に)「私の役目は少しでもダメージを与えて、次の猟兵の方々に繋げることです。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



●混沌よりなお混沌に
 群がる吸血コウモリとバイオガスの煙幕、視界を封鎖された空間から強引に空へと突破した大祭祀へと突っ込んでいくのは魔女が一人と機神が一機。
(「まあ、動きやすい服装の方がいいですから」)
 魔女の仮装に身を包むのは火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)、元よりウィザードである彼女は魔女らしさを残したままに動きやすさ重視のアレンジを加えていて、仮装によりハロウィン化を防ぎながら混沌を齎す大祭祀との距離を詰めていく。
 混沌の戦場を自在に飛び回りビルを遮蔽物にしながら近づく明、一方で皇・絶華(影月・f40792)はユーベルコードの解除により元の機神の姿となった『連環神機『サートゥルヌス』』に搭乗し、大祭祀へと猛烈な速度で近づいていた。
「おお……おおお!!」
 搭乗している彼は仮装のまま、ハロウィンから溢れ出す圧倒的な気配に武者震いする彼、
「これが十二剣神……デウスエクスの王の一角!」
 素晴らしい、と口から発されたのは感嘆の言葉。
 |あの世界《・・・・》とは違う、不死たる王。その力は数多の戦いを潜り抜けてきた絶華にとっても凄まじいものであり。
「世界をハロウィンにするパワー……お前からは圧倒的なパワーを感じるぞ!」
 絶華の高揚した叫び、呼応するかのように搭乗する機神は速度を上げていく。
「さっちゃん! お前の力を見せる時が来たぞ!」
『承知致しました主様! ……お前らに見せてやる…時空を統べる俺こそが最強って事をよぉ!』
 変身を解除して本来の機神としての姿へと戻ったさっちゃん――連環神機『サートゥルヌス』は周囲に三つの円環を展開しながらユーベルコード【亜空間戦術級制圧機構『巨神の王』】による高速で飛翔していく。
 満身創痍の大祭祀は新たなる敵の襲来に舌打ちしながら空中で迎撃態勢を整えて魔力を練り上げていく。
 それはさながら覚悟を決めた悪党のよう、この状況で生を掴みとる為にありったけの力を振り絞ってくるのだろうと晶は冷静に分析する。
「何より自らを悪として猟兵へ挑むその気概と苛烈な心意気……私は理解したぞ!」
『そうさァッ!! それが理解ったならーー』
 絶華の叫びに対する追い込まれた悪役のようなハイテンションなハロウィン、だがその哄笑は続く言葉にえ、と止まる。
「お前は我がチョコの材料になりに来たんだな!」
 今なにか聞き捨てならないと言うか理解不能な言葉が機械の巨人から響いたような。
『なんだっテ……?』
「良いだろう! 既に何人かのお前を材料にしたところだ! お前も我がチョコとしてやろう!!」
『ぴええ!?』
 話聞いちゃいねえ。というかこのエラくやる気満々な男とはまた違う声が機神から聞こえるのだが、それが恐れ慄く少々怯えたような声色なのは気のせいだろうか。
 チョコ化などという少しばかり特殊な次元への理解は流石に|混沌《ハロウィン》を齎すかの十二剣神も至ってはいないようで、
「今こそお前のその身体……我がチョコの材料としよう!」
 デウスエクスを素材にしたチョコレートとはどう考えても非常識的な物体が誕生してしまいそうなものだがこの絶華、栄養価のみに重きをおいた狂気の産物を作り出し多くの毘盧遮那を混沌と絶望の淵に叩き落としてきた|過去《前科》があるのだから何も問題はなかったりする。
 因みにこの大祭祀との邂逅より前、この戦場にやってくる前に導いたもふもふの白熊の口に頑張っているなとそんな特製チョコをねじ込もとい差し入れして、彼女の顔を真っ青にしたりしているのだがそれはさておいて。
 調子を崩されたハロウィンに明は静かに告げる。
「2023年のハロウィンもそろそろ終わりにしましょう。そうしないと、2024年のハロウィンが楽しめませんよ」
 銀の剣を向ける明に大祭祀はありったけの魔力で毒菓子を生成、周囲に給仕し減速かハロウィン化を押し付けにかかる。
 されど猟兵二人は速やかに対処する。機神の円環より放たれる念動力を圧縮したかのような光弾の弾幕、更には絶華の要請による|決戦配備《ジャマー》は牽制射撃で大祭祀ハロウィンの毒菓子の給仕を妨害にかかる。
 毒菓子を楽しんでおらずともそもそも給仕が行われていないのならば速度の低下は発生しない――しかしハロウィンの方も何としてでも毒菓子を押し付ける為に魔力を噴射し高速で空中を飛び回りながら毒菓子をばら撒いてくる。
 毒菓子と弾幕がぶつかり削り飛ばし合い、その合間を超高速で飛び回る絶華と黒衣の魔女。
 ほんの一瞬の間隙を突いてハロウィンが明へと毒菓子を給仕する事に成功する――が、
「そっくりそのまま、お返ししましょう」
 明のこのユーベルコード【ファイヤー&ブリザード】は自動的。毒菓子による混沌化の状態異常に呼応して出現した氷の壁がそれ以上の菓子の襲来を跳ね返し、炎の嵐をと共に毒菓子給仕中のハロウィンへと襲いかかる。
「迷惑な毒菓子は処分させてもらいます」
 ダメージそのものはオーラで防いでいるから涼しい顔で明は告げ、広範囲に広がる炎の嵐が混沌の毒菓子を焼き払っていく。
『アァ!? こんなのがオレサマに効くわけねェだロ!!』
「反射した効果が効かなくても、攻撃の方が本命ですから」
 突如発生した炎嵐を厭い思わず距離を取った大祭祀、しかし正確に狙い澄まし放たれた長距離ミサイルが命中する。
『邪魔くせェナァッ!!』
 明が要請していた|決戦配備《スナイパー》のミサイルだ。ハロウィンの体表で炸裂し大祭祀の魔女めいた衣装を派手にふっ飛ばせば、うっとおしげにハロウィンの魔力で更に周囲を混沌化させてくる。
 しかしそれすらも明の想定内、彼女の狙いは”次”に繋げる事であり、次の手は彼女の視界に突如現れた。
 次元転移による特殊機動、完全に明へと注意が向いていた大祭祀には瞬間移動したかのように思われたそれにより至近距離に迫った機神の大鎌が大祭祀の命脈を絶たんと振りかぶられ、
「安心しろ! 糖質はちゃんと抜くから!」
『『安心要素がねー!?』』
 機神の声と大祭祀の声がハモリ、直後亜空切断の斬撃の蹂躙がこの地球をハロウィン化せんとする十二剣神の全身を余すことなく切り刻む。
 きっと糖質の代わりには漢方ドカ盛りになるんだろうなどとさっちゃんが思ったかどうかはさておいて。
「これでおしまいです」
 そしてトドメに黒衣の魔女が振るう銀の剣の一閃が最後の悪あがきを行おうとした大祭祀ハロウィンの胴を袈裟懸けに斬り裂いた。
 力を失った大祭祀はそのまま落下。同時に大祭祀の魔力は霧散してハロウィン化の浸食は止まり平穏を取り戻していく。

 十二剣神の一柱を討った決戦都市のあちこちに設置されたスピーカーから響くメロディに勝利の旋律が重ねられる。
 悪しき十二剣神の一柱による侵略は猟兵達に阻まれて、後に続くのは本来の奇妙で愉快なハロウィンの時。
 賑やかな、今度こそ戦いとは関係ない仮装に身を包んだ人々の勝利を祝す楽しい時間はこれからなのだから。

 ――ハッピーハロウィン♪

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年03月15日


挿絵イラスト