【サポート優先】秋晴れ夜の月下祭
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
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「月見に行ってくるといい」
この流れ去年の秋にも二回くらいやったなあ!!
さも爽やかな好青年風の笑みを向けてくる園守・風月(地に足を・f37224)である。だが今回もまたオブリビオン絡みなのだろう。
「貴殿らは聡明だな。その通り、オブリビオン出現の予知だ」
解るわ。
「現場はサムライエンパイアのとある農村だ。と言っても村落としての規模はそこそこ大きく、この世界の農村として考えると比較的豊かな部類だ。丁度秋祭りの時期でもあるようでな、現代日本の祭りにあるような祭り料理の屋台は一通りあると言っていいだろう」
『現代』日本……?
「焼きそば、たこ焼き、お好み焼き、焼き鳥にイカ焼き、唐揚げ。甘味なら綿飴にりんご飴、かき氷やチョコバナナなど……ああ、この農村の特産品は芋らしくてな、スイートポテトもあるようだ。飲み物はラムネやジュースなどがあるな」
明らかに戦国江戸の世には存在してなさそうなものが混ざっておりますけれども。
……まあ、ここはあくまでサムライエンパイア。多少変なものが存在していても不思議ではない。
して、肝心のオブリビオンの情報は。
「どうやら、この村に壊滅した山賊の生き残りが紛れ込んだようでな」
成程そいつがオブリビオン……では、ないんだろうなあ。この人の性格からして。
「その山賊自体は一度村の妖術師に成敗されてな」
妖術師!?
「ああ、趣味と自衛を兼ねて妖術を嗜んでいる娘のようでな。村の人間からは悪ガキ扱いされてはいるが、言うほど嫌われているわけではなく寧ろ可愛がられているし、実際邪心はないようなのでそこは安心してくれ。ともあれ、山賊はそうして捕まり、それでも被害に遭った農家の人間が働き口になることを申し出て、迷惑をかけた筈の自分に手を差し伸べてくれる人間がいるとは、と改心したらしい」
あれ、でもそうなると本格的にオブリビオンどこ行った。
「改心したとは言え、過去に窃盗を働いていたのは事実。その為、過去に犯した罪を償えと山賊を狙う、復讐請負人のようなオブリビオンが村に迫っていると言う」
解消されない不平や不満、行き場のない怒りや悲しみ。それらを晴らすべく天誅を繰り返す剣客だと。尤も、寡黙な性質でもありその真意は不明だと言うが。
「オブリビオンの事情はともあれ、山賊に関しては……実際に罪を犯している以上、罰は受けるべきだと思う者もいるだろう。それでもあくまで奴の罪は窃盗、殺す必要はないと思う者もいるだろう。だが、いずれにせよ剣客がオブリビオンである以上、討たねばならないのは事実。よろしく頼むぞ」
そう言って、風月は|四種の薔薇《グリモア》を花開かせつつ――ふと。
「ああ、オブリビオンが姿を見せるまでの間、祭りは存分に楽しんでおくといい。月見でも飲食でも、ハレの霊力が高まれば、オブリビオンの力を弱めることが出来るからな」
絵琥れあ
お世話になっております、絵琥れあと申します。
ひっそりとサポート優先シナリオを運営させていただきます。
勿論、通常参加も望外の喜びですので歓迎いたします。
(但し通常参加はタイミングによっては流れる可能性があります。同章受付中の再送は歓迎です)
流れと詳細は以下の通りになります。
第1章:日常『お月見』
第2章:ボス戦『天誅の剣客』
第1章では、月夜の秋祭りを存分に楽しんできていただきます。
月を眺めるも、屋台グルメを楽しむも、両方いいとこ取りするも自由です。
第2章では、改心して村に定住した山賊を狙う『天誅の剣客』との対決になります。
こちらは小難しいことは一切抜きの純戦となる予定です。
サポート優先シナリオのため、調子や現行シナリオの進捗と相談しながら自分のペースで執筆していくことになるかと思います。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
第1章 日常
『お月見』
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POW : 月より団子。お月見団子を味わう。
SPD : 満月を眺める。
WIZ : ここで一句。俳句を詠んでみる。
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
荒事じゃなければ折角の機会だし楽しませてもらうわ。
ただ、人手が必要なら積極的に手伝うわよ。
とはいっても力仕事はあまり自信がないけど、
細かい作業なら役立てると思うわ。
あと、目新しいものがあれば積極的に味わったり体験したり、接したいわね。
行動指針としては以下の3通りが主。
1.誰かの手伝い・手助けを申し出る。
2.目新しいものを探す。(特にA&Wにない物品)
3.美味しいモノ(特にフルーツが好み)を探す
台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎
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「あら」
りんご飴を手にしつつも、ラムダ・ツァオ(影・f00001)はかき氷の屋台の前で足を止めた。
「へえ、本物のフルーツを使ってシロップにしてるのね。それにザクロってあんまり見ないかも」
苺に蜜柑、桃にマンゴー、ブルーベリー。
フルーツ好きとしてはどれも気にはなるが、ザクロシロップが一際目を引いた。
「今時期は特に旬のやつを使ってるからね。ちょっと大人の味だけど、お姉さんくらいの年代なら楽しめる筈さ」
「じゃあ、ひとついただきましょうか」
深い赤のシロップが氷に触れて、ルビーのように輝くかき氷。肌寒くなってきたから量は少なめで。
一口食べれば確かに甘くも仄かに渋みのある味わいで、濃厚ながらくどさのない、清涼感すら覚える味わいだった。
(「成程、大人の味……ね」)
ならばと少し屋台の喧騒から離れて、村の外れの静かな丘で清く煌めく月を仰ぐ。
秋風と、時折さくりと響くかき氷の咀嚼音だけが、ラムダの鼓膜を小さく震わせる。
緩やかに、時が流れていくようだった。
成功
🔵🔵🔴
リカルド・マスケラス(サポート)
『炊き出し系ヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
割と【料理】技能が必要なイベントなど得意。ジャンル的には大衆料理をとにかく量作る感じの得意。宇宙バイクで簡易キッチンセットなども引っ張っているので、そういうのを使って料理することもある。素材を余すことなく毒抜きなど行ったりすのも得意。
その世界での料理や行事などについても【世界知識】でカバーしたりできます。
また、食料に困窮した世界では【森羅穣霊陣】で作物を急成長させて食料を生産することも可能
自分の学んだ技術を現地民に伝えられる機会があればやりたい
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「フランクフルト如何っすか〜! ホットドッグにアメリカンドッグ、ケバブもあるっすよ〜!」
「お、おう……お前さん急に人が変わったな」
元山賊の身体を借りて、ちょっと変わり種メニューを提供しているリカルド・マスケラス(|希望の仮面《マスカレイド》・f12160)である。勿論本人に了承は取った。
「あ、今はちょっと狐が憑いてるっす。お祭りと聞いて是非参加したいとやってきたら、こうして親切な方が身体を貸してくれたんすよ!」
嘘は言ってない。狐面だし。
それにちゃんとこの後の流れを考えてのことだ。下手にこの元山賊に村を動き回られるより、こうして近くにいて貰った方が、いざオブリビオンが襲撃してきた際に護りやすい。
「ささっ、それより何か食べていかないっすか? 今ならサービスするっすよ!」
「へえ、色々あるなあ……じゃあそのふらんくふるとっての、一本貰えるかい?」
「お安い御用っす!」
実は料理上手なリカルドである。
加えて割と何でもありなこの村でもリカルドの挙げたメニューは珍しかったようで、オブリビオン襲撃までの間、かなりの賑わいを見せたとか。
成功
🔵🔵🔴
キノ・コバルトリュフ
キノキノ、火力が足りないんだって?
だったら、焼き舞茸はいかが?
キノ!バルくんどんどん焼いていくよ!!
トリュフ!バルくん、いい焼き加減だね。
キノも奉納の舞いを頑張っちゃうよ!
マツタケ!!おいしく焼けたかな?
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「キノキノ、秋の味覚と言ったらやっぱりキノコ! 焼き舞茸はいかがかな? バルくんと一緒にどんどん焼いちゃうよ!」
キノ・コバルトリュフ(|キノコつむり《🍄🍄🍄🍄🍄》の星霊術士・f39074)は屋台群からは少し離れた開けた場所で、奉納の舞を踊りつつ舞茸を始め茸類を焼いていた。
星霊バルカンのバルくんがぐるぐる回って火起こし。戦場ではないから気持ち控えめではあるものの、肌寒くなってきた秋の夜長を温める焚き火にもなりそう!
「シイタケ、これも試してみようかな? UDCアースで買ったアルミホイルに椎茸とバターを入れて……ホイル焼き! いい匂いー」
各種茸やバターの食欲をそそる香りと、場を温める火の気配に村の人々も集まってきて。
「マツタケ! どれも美味しく焼けたよー! 好きなキノコを持っていっていいからね!」
人々と美味しい茸を分かち合いながら、キノと星霊達もお祭りの空気と、それを楽しむ人々の賑わいを堪能したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『天誅の剣客』
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POW : 間合い知らずの妖刀
自身の【刀】を【一撃毎に任意の形状】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
SPD : 怨恨斬
攻撃が命中した対象に【時間経過で大きくなる恨みこもった呪い】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【呪いの大きさに比例して苦痛を伴うダメージ】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ : 抜刀術の真髄
【自身に敵意】を向けた対象に、【物理的距離を無視した斬撃】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:Aq
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ラモート・レーパー」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バルタン・ノーヴェ
全員リクエストによる、各シナリオへの救援プレイングです。
長らく滞っていたり人手が足りてない時など、ご自由にご利用ください。
アレンジ、アドリブ、連携歓迎。自作PBWも採用歓迎です。
ユーベルコードも指定外の、公開中から適当なものを使用してもらって構いません。
HAHAHA!
グリモア猟兵殿の要請に応じて参上デース!
お困りのようデスネー? ドントウォーリー! ワタシが手伝いマスヨー!
アタック、ディフェンス、他の方への支援! おまかせくだサーイ!
白兵戦、射撃戦、集団戦もボス戦もオーライ!
冒険の踏破や日常への奉仕活動も得意であります!
|臨機応変に対処可能《好きに動かしてOK》デース!
よろしくお願いしマース!
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「賊はどこにいる」
不意に。
祭りの賑わいを打ち破る、冷然たる声。
オブリビオンが現れたのだと、猟兵達は即座に理解しただろう。。
「引き渡して貰おうか」
「それは出来ない相談デース」
村の人々を護るように、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が立ちはだかった。
オブリビオンの表情は、笠に隠れて窺い知れない。それでもより鋭さを増した張り詰めた空気は、バルタンを射抜くように睨みつけているのだろうと、充分に察することが出来る。
そして、直後。オブリビオンが一振りの刀を抜き放つ。瞬間、太刀であった筈の刀が瞬く間に大太刀へと姿を変えていく。
「リーチは伸びマシタガ大太刀としては常識的な範囲内デスネー! となると強化されているのは差し詰め攻撃力デショウ!」
「………………」
オブリビオンは答えず、ただ真っ直ぐに向かってくる。
敵の味方は敵――そう言わんばかりに。
「真っ向勝負であればそうデスネー、今回はコチラ! 骸式兵装展開、岩の番!」
過去より抽出した大天使のデータ。
一度読み込み、機能解放を行えば、巨大にして頑強な岩の鎧がオブリビオンの行く手を阻む!
「護りと攻めの二段構えがこの鎧のウリ! この岩腕も見掛け倒しではありマセーン! PUNCH!!」
「ぐっ!!」
見た目と裏腹に軽々と繰り出される拳が、オブリビオンを的確に打ち据える。
重さと速さを兼ね備えた一撃は、容易くオブリビオンへと痛手を与え、その身体を大きく吹き飛ばしたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
冷泉院・卯月(サポート)
勿論お仕事は大事ですけどぉ、折角なら珍しい物や新しい物も見つけたいですよねぇ~。
あ、ご一緒される方がいらっしゃればぁ、一緒に頑張りましょうねぇ~。
あまり戦闘は得意ではないですけどぉ、ぶちくんとたれちゃんの力も借りてぇ、頑張っちゃいますよぉ~。
遠距離なら二人に短杖になってもらって魔法弾を撃ったりぃ、
接近戦なら二人で力を合わせて杵になってもらって頑張っちゃいますぅ~。
パラドクスは状況に応じて臨機応変に使いましょうかぁ~。
戦闘以外なら運転なんかも得意なのでぇ、何処へでもお届けしちゃいますよぉ~。
道中も楽しいことが見つかるといいですよねぇ~。
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「お月様は綺麗でぇ、屋台の食べ物は美味しいですねぇ〜」
冷泉院・卯月(壱七八あーる・f40880)は特産の芋を使ったスイートポテトを楽しんでいたし、兎コンビのぶちくんとたれちゃんも芋の葉を貰って、秋祭りを堪能していた。
そこに現れたオブリビオン。無粋の極みである。
「折角のお月見とお祭りを邪魔する方にはぁ、お星様になってご退場願いましょうかぁ〜!」
「……戯言を」
体勢を立て直したオブリビオンが、卯月へと向かってくる。
「ぶちくん、たれちゃん、頑張って早く終わらせましょうねぇ〜。また、美味しいものが食べられるかも知れませんよぉ〜」
美味しいもの、と聞いて。
ぴんと立つ二羽の耳。直後、二羽が力を合わせて一本の杵となり、卯月の手に収まった。
だが、オブリビオンは間合いの長そうな杵を見て、咄嗟に刀を大太刀へと変えた。そして、今度はその長く重量感のある刀身に見合わぬ振りの速さで流れるような連撃を繰り出してくる。
(「こちらを攻めに転じさせない、速度重視の戦い方ですねぇ〜。でもその分、一撃一撃は軽いですしぃ……」)
ここは、相手の思惑に乗る必要はない。
「ぶちくん、たれちゃん、頑張ってくださいねぇ〜」
二羽を信じて、敵の攻撃を柄で防ぐことに専念する。畳み掛けるような攻撃の前には防戦一方が精一杯で、付け入る隙がない。
……尤も、ないなら作ればいいだけの話だが!
「今ですぅ〜! えい〜!」
「ッ!!」
入りの甘い一撃を、タイミングよく弾き返す。
そしてがら空きになったオブリビオンの胴を目掛けて全力で杵を振り抜き、吹き飛ばす!
成功
🔵🔵🔴
リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能
接近戦で戦う場合は鎖鎌や鎖分銅の【ロープワーク】による攻撃がメインだが、プロレスっぽい格闘技や忍者っぽい技もいける
遠距離戦では宇宙バイク内臓の武装による射撃攻撃やキャバリアによる【結界術】
その他状況によって魔術による【属性攻撃】や【破魔】等使用。
猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。
基本的にチャラい上辺ですが、人々の笑顔のため、依頼自体には真面目に取り組みます
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「!」
その時だった。
オブリビオンが、弾かれたように顔を上げる。
「見つけた……!」
駆け出した先にいたのは、その狙いの元山賊!
「逃さん! 天誅!!」
一瞬で懐に飛び込み、突きつける短刀。
それは元山賊の心臓を的確に貫いた――筈だった。
「!?」
元山賊の鈍ら刀が、その刃を完全に防いでいた。
その頭上には、狐面。今の彼には、リカルド・マスケラス(希望の|仮面《マスカレイド》・f12160)が、憑いている!
「さ、無敵のヒーロータイムの始まりっすよ!」
「こ、これは……」
意識を取り戻した元山賊が、驚愕の声を上げる。
いつの間にか安物の野良着から、異国の|装束《ヒーロースーツ》を身に纏い、更には溢れんばかりの力が、身体を貸した筈の仮面から湧いてきたのだから!
「身体の主導権、お返しするっす。思いの丈をぶつけてやるっすよ」
「……!」
山賊であった自分を狙っている者がいる。それはリカルドから聞いていた。
罪を償わせる為だとも言われた。だが、今の自分は……!
「俺は……俺はっ、妖術師の雷に撃たれて、でも藤吉さんに、この村の皆に許されて受け入れられて……目が覚めたんだ、そして誓った……! 今まで盗みを働いた分、よくしてくれたこの村の皆と汗水垂らして働いて、今まで人に迷惑掛けた分、返していくんだって! だから死ぬわけにはいかねえ!!」
「それではお前がこの村の外で不幸にした人間が、報われない!!」
「それでも!!」
互いに譲れないものの為に、斬り結ぶ。
だがリカルドは、この分なら元山賊は大丈夫だろうと、密かに確信していた。
成功
🔵🔵🔴
キノ・コバルトリュフ
エリンギ!今日は楽しくハイキング!!
シメジ、なんだか周りが騒がしいね。
でも、キノたちは気にしなーい。
キノ?スピちゃんどこに行ったのかな?
シイタケ、おいしいお菓子とか用意したのに。
帰ってきた、どこに行ってたの?
軽く運動でもしてきたのかな?
マイタケ、それじゃあ、いただきます。
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「ナメコ〜、いっぱい焼いたねえ。焚き火で一休みしようか」
焼き舞茸に、椎茸のホイル焼きを捌き切ったキノ・コバルトリュフ(|キノコつむり《🍄🍄🍄🍄🍄》の星霊術士・f39074)は星霊達と一緒に焚き火の前で休憩中。気分はちょっとした異世界デイキャンプ。
舞茸を刻んだ人参や蓮根と一緒に味噌煮にして具にしたお握りと、飲み物の屋台を出していた村の人から貰ったジュースで一息。……していたところ。
「あれっ、向こうが騒がしいね?」
戦場とはちょっと離れたところでのんびりしていたものだから、既に戦闘が始まっていることに気づかなかった模様。
「キノ、スピちゃん様子見てきてくれるの?」
星霊スピカのスピちゃんが偵察へ。
見れば、既にオブリビオンとの交戦は始まっており、猟兵側が優勢ではあるものの、多少負傷している面々もいたもので。
負傷者達の傷を舐めて回復してやると、この分なら休憩中のキノを引っ張ってこずとも討伐出来そうだと判断。元の場所に帰っていった。
「シメジ、スピちゃんお帰り! どうだった?」
キノの問い掛けに、スピちゃんは大丈夫だったよと言いたげに尾を一振りして。
そのまま休憩タイムへと戻ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アトシュ・スカーレット(サポート)
性格
悪ガキから少し成長したが、やっぱり戦うのは好き
大人に見られるように見た目的にも精神的にも背伸びしている
目の前で助けられる人がいるなら積極的に救おうとする
口調は「〜だな。」など男性的
戦闘
【呪詛(腐敗)】と「棘」を組み合わせ、万物を強引に腐敗させる方法をついに編み出した
前衛も後衛もやれる万能型だが、前衛の方が好き
複数の武器を同時に操ることも可能
高速戦闘も力任せの戦闘も状況に応じて使い分ける
(装備していれば)キャバリアにも対応可
光や聖属性は使えません
非戦闘
聞き耳などを駆使した情報収集を中心とする
化術で動物に化けて偵察することも
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アトシュ・スカーレット(神擬の人擬・f00811)は戦うことが好きだ。
そして同時に、助けられる人には出来る限り手を差し伸べ、救いたいとも思っている。
(「折角改心したんだ。こんなところで死なせるわけに行かないよな」)
だから今日は、この村の人々をオブリビオンから護るのだ。勿論、その一員となった元山賊だって。
「……!!」
邪魔をするなと言いたげに、オブリビオンは眼前に立ち塞がるように立つアトシュへ向かう。
振るうは恨みの凝縮した呪いの刃。その閃きはアトシュの身体を蝕み、苦痛で苛む――筈だった。
「!?」
だが、刃は押し留められた。アトシュを護る『棘』によって。
直後、棘に触れたその刀身がぼろぼろと腐り落ちる。間違いなくそれは鉄に違いなかった筈なのに、まるで枯れ落ちる花のように。
より強い『呪詛』の力で。
「悪いな。呪いならオレも得意なんだ」
更に言うなら、自分の方が一枚以上も上手だ。
それを今から、証明して見せようか!
「ッ!? 消え……」
棘が掴む刀身がなくなると同時、アトシュは地を、そして虚空を蹴ってオブリビオンの真上へと跳躍。
そして。
(「風が、導いてくれる」)
導きのままに、腐敗の魔剣を振り下ろす!
「……!!」
断ち切られたその身から伸びる、影の|曼珠沙華《はな》。
またそれも、枯れるように崩れていき。
やがて、その主も消え受ける。
何事もなかったかのように。
「や、やった……のか?」
俺は、生きてやり直せるのか?
近寄ってきた、元山賊の目がそう問うている。
アトシュは、それにしっかりと、頷いた。
成功
🔵🔵🔴