【サポート優先】さまよえるアイツとオブリビオン溜まり
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
●
(「俺がデカかったら、俺がデカかったら、俺がデカかったら」)
大柄な男を前にして、虫けらのように儚く潰されるようにして、死んでしまった彼。
何もいいことがなかった、そう思っていた人生の走馬灯が駆け巡る中、彼は。
(「……皆を、護れたのかもな……」)
そんなことを思って、事切れた。
●
「そんなことある??????」
聞くな。何の話だ。
「……失礼。私の銀誓館学園の後輩にして、グリモア猟兵としての同僚が、北海道のとある町にオブリビオン化した劉・叔成が現れると予知したことがあったのですが」
その事件自体は既に無事に解決している、と虹目・カイ(未来は虹色・f36455)は言うのだが。
「どうも今年初めの第二次聖杯戦争を始めとした、大きな戦いのあった地に発生するオブリビオン溜まりが、その町の外れ……コテージやペンション、ゲストハウスなどが立ち並ぶ一帯にも発生したようなのです」
となると、逃げ遅れた宿泊客や従業員などがいる可能性があるわけか。
解決と救助を急がなければならない案件だ。
「そして今回も、近隣にひっそりと暮らす穏健派……と言うより友好的なゴーストが協力してくださるようなのですが、その……」
なんか微妙な顔をしておる。
「ジャイアントカルシウムのテツヤさんという方です」
……。
…………。
………………。
何だろう、この。
いや、シルバーレインの世界……と言うより、銀誓館学園の歩みに詳しくない猟兵にとっては、なんのこっちゃな話だろうが。
だが、何だろう。銀の雨降る時代の銀誓館学園出身の能力者、及びその時代の話に明るい者には感じられる、この何とも言えないモヤっと感は……!!
「テツヤさんは嘗て、その一帯に存在していた児童養護施設で暮らしていた少年でした。今は施設はなくなり、廃屋となってしまっていますが……その原因が、居直り強盗による殺人だったのです」
テツヤは小柄だが、人間不信で斜に構えた、一匹狼の少年だった。
それと言うのも、両親は父の浮気で離婚、母に引き取られるもその母も男と蒸発。テツヤは親戚をたらい回しにされたが、どこの家でも虐待とまでは行かないものの冷遇され、やがて施設に押しつけるように預けられた身だった。他者を信用出来なくなるのも、無理もないことだった。
施設の人間すら遠ざけて暮らし続けた中、ある日、施設の全員で夏休みの旅行に出かける計画があった。けれど、車を運転する院長が熱を出してしまう。子供達はいい子達ばかりだったので、院長を置いていくことは出来ず、旅行は中止とした。元々行くつもりのなかったテツヤには、どうでもいいことだったが。
だが、旅行中を狙って空き巣に入ろうとした強盗が、保育士に見つかってしまう。元々小規模な施設だ、保育士一人殺してしまえば後は年老いた院長と力のない子供達だけ。
開き直り、空き巣は居直り強盗となり、強盗殺人犯と化した。そして子供達と院長が立て籠もっていた部屋の扉を、遂に強盗が突破したその時。
子供達の中で最年長だったテツヤが、真っ先に飛び出して殺されたのだ。自分のような人間にも辛抱強く、親身になって接してくれた施設の人間に、テツヤも我知らず情が湧いていたのだろう。
だが、テツヤの想いも虚しく、彼を含めて施設の人間は全員殺されてしまった。犯人はその後逮捕されたが、現場は凄惨な有様だった。
その残留思念が、巨大なカルシウムジャイアントを形成し、普段は地中でひっそりと暮らしつつ、近隣で不穏な動きがあれば人知れず原因を排除していると言う。
普通に怪奇現象だが、そんな感じなので一部の宿泊施設従業員には守り神扱いされているとかいないとか。
そしてそのテツヤも当然ゴーストタウン化現象に巻き込まれ、施設とその裏手に建てた石の墓、そして逃げ遅れた人々を守る為にオブリビオンに立ち向かおうとしていると言う。
「実際大きくなってゴーストとしてはそれなりの力を手に入れたテツヤさんですが、相手はオブリビオン、それに無尽蔵に湧き続ける集団ですから。独りでは太刀打ち出来ないでしょう。彼に助力し、オブリビオン溜まりを消滅させてきてください」
あ、危険地帯なので人命救助最優先で、とカイは付け加えつつも。
絵琥れあ
お世話になっております、絵琥れあと申します。
ひっそりとサポート優先シナリオを運営させていただきます。
勿論、通常参加も望外の喜びですので歓迎いたします。
(但し通常参加はタイミングによっては流れる可能性があります。同章受付中の再送は歓迎です)
流れと詳細は以下の通りになります。
第1章:冒険『植物の砦』
第2章:集団戦『ガンジャ』
第1章では、ゴーストタウン化の影響で植物に呑み込まれた各宿泊施設に取り残された人々を救助していただきます。
扉や窓などが封鎖されてしまい出られなくなっているようなので、切り落としたりなどして開くようにしましょう。
避難場所についてはカイが一帯の宿泊施設の中でも大きく、オブリビオン溜まりからも遠い施設の情報を皆様に伝えているので、改めて現場で探す必要はないでしょう。
第2章では、オブリビオン溜まりから湧き出続ける『ガンジャ』の集団を殲滅していただきます。
敵はテツヤがその巨体を活かして一所に追い込んでくれている他、ある程度敵の銃弾を防ぐ盾役にもなってくれるようです。
人間不信は死ぬ直前の一件である程度緩和されているので、ちゃんと共闘してくれます。遠慮なく力を借りましょう。
サポート優先シナリオのため、調子や現行シナリオの進捗と相談しながら自分のペースで執筆していくことになるかと思います。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
※本件が発生する原因となった決戦シナリオ(確認必須ではありません)
『https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=41943』
※過去のシルバーレインで起こっていた既視感のあるゴーストタウン事件(やっぱり確認必須ではありません)
『http://t-walker.jp/sr/gate/top.cgi?did=d02_01』
第1章 冒険
『植物の砦』
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POW : 植物を力ずくで刈り取る
SPD : 少しでも歩きやすい迂回路を探す
WIZ : 生い茂る植物に火を放つ
イラスト:シロタマゴ
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ウルスラ・ロザーノ(サポート)
いつもテンション高いとは言われるなー、確かに誰に対してもフレンドリーな対応しようと心掛けとる
といっても銀誓館の学生時代から能力者をしてきたんでな
救えるもんはできるだけ救う、でも倒すべき敵は必ず討伐すべしっちゅー方針や
戦法はヒット&アウェイ型、戦場全体を広く利用して戦うで
基本は中距離
レーザービット射撃やナイフの蹴り込みで牽制しつつ、
エアシューズで、地上は高速で駆け回り、空中も地形とか足掛かりに利用して軽業のように跳ね回るよ
敵からの攻撃は、すべて見切って受け流したりの回避で凌ぐよ
攻め込む機会を見つけたら奇襲を仕掛けるで
一気に接近して、蹴撃やその斬撃波を叩き込む!
サッカーボールのシュートは必殺技や!
●
「助けに来たでー。ちょっと待っててな!」
ウルスラ・ロザーノ(鈴振り燕・f35438)は中にいるであろう人々に声を掛けつつナイフを取り出し、コテージの扉や窓を塞いでいる植物群を切り落としていく。
黒塗りのナイフは本来蹴りで打ち込むのが主な使い道で、そうでなければ投擲により敵に突き刺す為のもの。こういった使い方をするのは我ながらレアだとウルスラは思いながら。
(「……しっかしジャイアントカルシウム……テツヤか……」)
現役銀誓館学園生時代に似たような名前のゴーストがいた気がするんだよなあ。と言うかいたんだよなあ。
開口一番グリモア猟兵が言い放った『そんなことある??????』の意味が、ウルスラにはよーく解ってしまった。何なら自分も多少なりとも思った。
(「奇妙なこともあるモンやなぁ……ま、世の中もっと奇妙なことは仰山あるさかいこれくらいで驚かへんけど」)
そんなことを考えている内に、脱出出来そうな場所は全て開放した。
「さっ、怪我せんように出ておいでー。安全な場所まで案内するさかい、ボクの傍から離れんようにな♪」
脱出してきた宿泊客と従業員を引き連れて、ウルスラは安全な場所を目指すのだった。
成功
🔵🔵🔴
アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。
●
「始めるか」
アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)が握りしめたものを軽く一振りすると、青白い光の刃が現れた。
手にしていたものは、アスが愛用しているフォースセイバーの柄だった。彼はそれをもう一度握り直すと、ペンションの扉にびっしりと這うように伸びている植物群を焼き切っていく。
(「……しかし、アレは何だったんだ?」)
グリモア猟兵の言葉の意味が、アスにはいまいちよく解らなかった。
まあ、その辺りの説明が殆どなかった辺り、余り気にしなくてもいい話なのだろう。アスはそう思うことにして、目の前の作業に集中する。
こうしている間にもテツヤとやらはオブリビオン溜まりで独り戦っているだろうし、何が起こるか解らないゴーストタウンでは、長引けば長引くほど一般人がどうなるか解らない。やはり可及的速やかに救助と避難を終えるべきだろう。
「……よし。これで扉が開くな」
扉を覆っていた植物群を全て除去して、アスはペンションの中へ踏み入る。それから宿泊客や従業員に声を掛け、恐怖で動けなくなっている者に手を貸しつつ、安全な場所へと向かった。
さあ、彼らがまた危険な目に遭わない内に、事件を解決しなければ。
成功
🔵🔵🔴
ギャレット・ディマージオ(サポート)
●設定等
ダークセイヴァー出身の冷静沈着な黒騎士です。
かつてオブリビオンに滅ぼされた都市で自分一人だけ生き残ってしまった過去を悔いており、人々を守り、被害を防止することを重視して行動します。
●行動方針
⛺冒険では、事態の解決に向けて自分の出来る範囲で全力を尽くして行動します。
自らが囮になることも辞さず、負傷する危険性のある行動でもリスクを顧みずに行います。
トラブルに対しては、主に変形させた黒剣や防具を利用して対処を試みます。
ダークセイヴァーで長く潜伏活動を続けていたため、野外活動には慣れています。
他は全てお任せします。
別の猟兵との交流や連携等も自由に行ってください。
どうぞよろしくお願いします。
●
「ジャイアントカルシウムか。話には聞いている。過去、この世界に訪れた|銀の雨が降る時代《シルバーレイン》。その最中、発見されたゴーストタウン『ホテルいちご貴族』。愛知県のほぼ中央に位置し、近隣の市区町村からのアクセスも良好、それでいて豊かな自然の残る町の、小高い丘に建てられた、欧州の城を思わせるような外観のホテルだった。近隣で働く若年労働者達にとって数少ない娯楽場所のひとつでもあったことから地元の交流の場としても重宝されてきたが、宿泊客のプライバシーを守るという名目の元、素性の怪しい客も区別無く宿泊させるという経営方針が、違法行為や犯罪の温床となっていき、やがて事件の多発と経営難によりホテルは閉鎖。その後は外国からの不法就労者向けの非合法な宿泊施設として利用されてきたが、それも長くは続かず。やがてゴーストタウンと化した。ジャイアントカルシウムが発生するに至った事件は、まだ曲がりなりにも正規の営業を行っていた時代の話だな。暴走族のメンバーだった少年が、とある喧嘩で負けたことを切欠に転落の一途を辿る。せめて下剋上によりチームのリーダーとしてのし上がろうと試みるも、恋人の裏切りを受け叶わず、失意の内に命を落とすこととなる。その残留思念がジャイアントカルシウムを生んだと言われているな。他にも、北関東セメント工業など各地のゴーストタウンや、戦争などで目撃情報がある」
解説ありがとうございます、ギャレット・ディマージオ(人間の黒騎士・f02429)さん。
そして解説の間にもしっかりコテージに閉じ込められていた人々の救出は完了していました。出来る男!
成功
🔵🔵🔴
鳥羽・白夜
おまかせでプレイング送ります、使えそうでしたら。UCは使っても使わなくてもどちらでも。
元銀誓館の能力者。一度は能力者を引退、超常の日々を忘れ平凡に暮らしていたが猟兵に覚醒。過去の戦いの記憶も取り戻す。
口調は男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)
日本名なら名字、外国人名なら名前呼び捨て。
面倒臭がりでアンニュイながら実のところお人好し。ただし敵は敵として割り切るタイプ。
トマトかトマトジュースが絡む時はテンションが上がる。
自身が吸血鬼であることには複雑な思いを抱えており血は好まない。
戦闘時は|起動《イグニッション》!しブラッディサイズを手に戦う。
UCは指定した物をどれでも使用、18禁NG。
●
(「そんなことある??????」)
鳥羽・白夜(夜に生きる紅い三日月・f37728)もまた、全く同じ感想を抱いていた。
勿論、ちゃんとコテージに網のように張り巡らされた植物群をブラッディサイズでざくざくと切り落としながら。因みにちゃんと|起動《イグニッション》はしました(武装はカードの中なので)。
(「と言っても、俺もそんなに学生時代ゴーストタウンに入り浸ってたワケじゃねーけど……」)
……なんだけど、ただ、まあ、何と言うか。
当時、ジャイアントカルシウムは色んな意味で有名だったから。
余りにも状況が似通いすぎていたので、つい気になって作戦に参加したわけである。尤も、その人となりやら人生の歩みやらは大分違うようだけれど。
「お、考えてる間に開きそうだな」
何とか扉の開閉を阻害している植物群を除去し終えて、白夜はコテージへと足を踏み入れた。
「おーい、誰かいるかー?」
「! ああよかった、人が来てくれた……!!」
数名の従業員と、宿泊客らしい夫婦が駆け寄ってくる。
「これで全員か? よし、避難するぞ。危ないから、俺から離れるなよ」
「はい!」
彼らを安全な場所まで送り届ければ、後はオブリビオン溜まりを何とかするだけだ。
避難が完了次第、急ぎ現場に向かおう!
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『ガンジャ』
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POW : 復讐の炎弾
【復讐の弾丸】が命中した対象を燃やす。放たれた【復讐心の具現化した】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 復讐の嵐
【拳銃】から、戦場全体に「敵味方を識別する【無数の「復讐の弾丸」】」を放ち、ダメージと【狂乱】の状態異常を与える。
WIZ : ガンジャバレット
【銃口】を向けた対象に、【四丁の拳銃からの弾丸】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:青柳アキラ
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ハル・エーヴィヒカイト(サポート)
▼心情
手の届く範囲であれば助けになろう
悪逆には刃を振り下ろそう
▼戦闘
殺界を起点とした[結界術]により戦場に自身の領域を作り出し
内包された無数の刀剣を[念動力]で操り[乱れ撃ち]斬り刻む戦闘スタイル
敵からの攻撃は[気配感知]と[心眼]により[見切り]
[霊的防護]を備えた刀剣で[受け流し]、[カウンター]を叩き込む
●
(「オブリビオン溜まり……無尽蔵に湧き続ける敵か。ならば、私の力で助けになれそうだな」)
ハル・エーヴィヒカイト(閃花の剣聖・f40781)の戦闘スタイルは、領域の形成。殺界を起点とし、結界術で空間に内包した幾重もの刃によって敵を刻む、個であろうと多勢をものともしない戦術だ。
そして今。ガンジャの群れを挟んで向こう側には巨大な白骨体が、骨の武器を手にその退路を塞いでいる。彼――こそがテツヤだろう――と自分を領域の端と定めれば、敵全体を呑み込むことが出来そうだ。
「踏み留まれるか」
ハルは、テツヤにそれだけ問うた。
「当たり前だ」
テツヤは、ハルにそれだけ返した。
充分だった。
「斬り伏せろ、祓魔の徒花。耐え抜いて見せろ――」
詠唱。
反応したガンジャが、ハルに銃口を向けた。だがハルは、霊的防護の施された己の刀剣でその炎弾をも裂くと、遂に領域を形成する!
「|桜花百景《おうかひゃっけい》」
真紅の剣閃。幾重にも奔る。
軌跡が敵へと収束すれば、鮮やかな血染めの花咲く如く。
咲き乱れる領域からは誰も逃れられぬ。オブリビオン溜まりより這い出る過去は、遍く桜の下へと閉じ込められた。
成功
🔵🔵🔴
ルドルフ・ヴァルザック(サポート)
「フゥーハハハ!(こ、この場は笑ってごまかすしか……)」
◆口調
・一人称は我輩、二人称はキサマ
・傲岸不遜にして大言壮語
◆性質・特技
・楽天家で虚栄心が強く、旗色次第で敵前逃亡も辞さない臆病な性格
・報復が怖いので他人を貶める発言は決してしない
◆行動傾向
・己の威信を世に広めるべく、無根拠の自信を頼りに戦地を渡り歩く無責任騎士(混沌/悪)
・何をやらせてもダメなヘタレ冒険者だが、類まれな「幸運」に恵まれている。矢が自ら彼を避け、剣先が届く前に毀れ、災難は紆余曲折で免れる
・臆病な性質も見方次第では生存本能と言えなくも……ないよね?
・コミックリリーフ役にお困りならば、彼が引き受けます(但し公序良俗の範囲内で)
●
「フゥーハハハ! さあ白き巨人よ、敵を蹂躙するのだ!」
「………………」
何やら生き生きとしているルドルフ・ヴァルザック(自称・竜を屠る者・f35115)である。
彼は今、ジャイアントカルシウムもといテツヤの肩に乗り、ほぼ安地からテツヤを指揮している――つもりで本人はいる――のだ。
テツヤが何か言いたげにこっちを見ていた気がしたけれど、多分気のせいだろう。骨の表情変化解らんし。
「おうっ!?」
そんな中、巨大なテツヤに対して兎に角物量攻めで何とかしようと試みたのか、無数の弾丸を撃ち出していたガンジャのそれが、ルドルフの肩を掠めた。
幸いにして革製とは言え肩当てをしていたので、本人には一切のダメージがなかったが。
「ふう、危ないところだった……ゴホン! さあ、怯まず進め! 無差別に発砲している敵から落とすのだ!」
危ないからね。流れ弾。
すると、テツヤが再びルドルフを見遣る。
「……まあ、使えそうだからいいか」
「?」
実はルドルフ本人に自覚がないが、彼は現実さえも捻じ曲げる豪運の持ち主なのである。先程は少し掠めてしまったが、それこそ生命の危機に瀕するようなことがあれば、弾丸が不自然に曲がり明後日の方向に飛んでいくなどは、彼の周囲では当たり前のように起こり得ることなのだ。
そしてそれは時に、敵対する者の運気を奪ってその幸運の残量が補充されていく。結果、テツヤに向けられていた弾丸もかなり命中精度が下がっていた。ルドルフが彼の肩に乗ってからのことだ。
故に、テツヤはルドルフをそのままにしておくことにしたのである。
成功
🔵🔵🔴
ロザリア・ムーンドロップ(サポート)
オブリビオンの脅威から戦後世界を守ることを主軸としてグリモア猟兵の活動をしているため、自らも機会があれば依頼に出向きたいと考えています。
「この事件を解決すれば、また一歩世界の平和に近づきますね!」
「せっかく取り戻した平和を脅かすなんて許せません!」
UCは全て設定しています。
技能・装備はご自由に。
基本的に頑張り屋。戦闘スタイルは魔法をメインに使いますが「困った時は殴ればOK」とも思ってます。
なので接近戦も案外こなすオールラウンダー。
ぷるぷるしたもの(スライムとか)はとても興味を示します。
葛藤しながらも事件解決のために我慢して攻撃するでしょう。
ただしエロ・グロ系はNGで。
ギャレット・ディマージオ(サポート)
●設定等
ダークセイヴァー出身の冷静沈着な黒騎士です。
かつてオブリビオンに滅ぼされた都市で自分一人だけ生き残ってしまった過去を悔いており、人々を守り、被害を防止することを重視して行動します。
●戦闘において
「露払いは私が努めよう」
(敵に)「貴様らの技で、私が倒せるのか……試してみるがいい」
・牽制攻撃
・敵の攻撃から他の猟兵や一般人を守る
・敵の攻撃を回避してカウンター
・ついでに敵の強さを解説する
など、防御的・補助的な行動を得意とします。
メイン武器は「黒剣」です。
他は全てお任せします。
別の猟兵との交流や連携等も自由に行ってください。
どうぞよろしくお願いします。
●
ギャレット・ディマージオ(人間の黒騎士・f02429)がテツヤの巨体を見上げる。
「ふむ、あの巨大な人骨型のゴーストがジャイアントカルシウムか。|銀の雨が降る時代《シルバーレイン》の銀誓館学園生にはテツオと呼ばれ親しまれていた(?)という」
「俺はテツヤなんだが」
「失礼。こちらの話だ」
「?」
テツヤは訝しんだ。
「と、兎に角! 来ますよ!」
ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)が声を上げた。軌道修正。
「気をつけろ。ガンジャは特に延焼を齎す炎弾と、命中制度の高い四丁の拳銃による発砲が厄介だ」
ギャレットの博識ぶりはシルバーレインでも健在である。だが、彼の実力はそれだけに留まらない。
ロザリアの護衛をテツヤに任せ、ギャレットは露払いへ。
それに気づいたガンジャが彼に向け、炎弾を放つも。
「その技は既に調査済みだ。私には……通用せんぞ!」
黒剣が、纏う炎ごと弾丸を両断する!
そのまま、柄を両手で握り直せば剣は巨大にして重厚となり。悠々と、敵群を薙ぎ払う!
「テツヤさん、私達も行きましょう! オーバーレイ・ムーンスタイル!」
月の杖・クレセントブレイカーが光を放つ。
輝きと共にロザリアの姿が徐々に変わりゆく。
煌めく衣装に、ふわり舞い上がるツインテール。
ムーンスタイルを纏った魔法少女・ムーンロザリアとなった彼女は、テツヤと共に進撃!
ガンジャはロザリアにも銃口を向けるが、テツヤがその頑強な巨体を盾にして防ぐ。
「ありがとうございます!」
「礼とかいいから。行けよ!」
ぶっきらぼうながらも託してくれた、テツヤの想いは確かに受け取った。
「これ以上、この場所を……この世界を好きにはさせません! えいっ!」
時に、三日月模した魔法石から月の魔弾を放ち。
時に、その杖を全力で振るって直接殴打しながら。
ロザリアはテツヤと共に、ガンジャの群れへと果敢に立ち向かっていくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
鳥羽・白夜
避難を完了させ現場へ。
…でかっ!!
いや薄っすらと、どっかで見た記憶はあったけど改めて見るとほんとにでかい…
(…あっちのテツオは弱さに定評あったみてーだけど(←)こっちのテツオはそこそこ戦えそうか)
助太刀するぜ、テツオ!
なんとなく今回はこれ使わないといけない気がする…
ブロッケンジャイアント発動、テツオほどでかくはないけど召喚した霧の巨人による大鎌の【なぎ払い】で【範囲攻撃】、【斬撃波】で敵を纏めて【切断】。
復讐の弾丸は霧の巨人やテツオの巨体の陰に隠れることで防ぎつつ、被弾した場合は【火炎耐性】で耐える。
その、施設守ってくれてるのはありがてえけど…骨粗鬆症には注意しろよ。
…何言ってんだ俺。
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「……でかっ!!」
鳥羽・白夜(夜に生きる紅い三日月・f37728)は叫んだ。
無事に巻き込まれた人々の避難も完了し、急ぎオブリビオン溜まり発生の現場に駆けつけたところ。
何せ小さい個体でも7mあるらしいですからね。規格外。
(「いや薄っすらと、どっかで見た記憶はあったけど改めて見るとほんとにでかい……」)
見上げると首が痛いが、見下ろすテツヤとしても首が痛いことだろう。神経あるのか解らんけど。
(「……あっちのテツオは弱さに定評あったみてーだけど、こっちのテツヤはそこそこ戦えそうか」)
……哀しいかな、必ずしも大きさって強さに直結しないのよね。
恐らくテツヤは本当に体格差と経験差で負けただけで、喧嘩は強かったのだと推察される。
「ともあれ助太刀するぜ、テツヤ!」
宣言すると同時、白夜の周囲に霧が湧き上がる。
それらが収束して現れたのは、テツヤほどではないものの3mを悠に超える|霧の巨人《ブロッケンジャイアント》!
(「なんとなく今回はこれ使わないといけない気がする」)
目には目を、歯には歯を、巨人には巨人を!
いえ、ぶつけるわけでなくちゃんと共闘するのですが。
白夜の動きに合わせて戦闘行動を行う霧の巨人は、ブラッディサイズを模すことで大鎌での攻撃を行う。敵群を薙ぎ払い、生じた衝撃波により逃れた敵を両断して掃討。
「っと、身体借りるぜ!」
銃口がこちらを向いていることを察知した白夜はテツヤの足元に隠れ防御。炎弾がテツヤを燃やしたが、白夜の武装には火炎耐性が施されている。コート何度も被せて炎を消してやり。
「これで終わりだ!」
最後の一薙ぎで、残るガンジャを一掃すると、遂に辺りに静寂が訪れた。オブリビオン溜まりも収束していく。
「……助かった」
こちらに背を向けた、テツヤが呟くように零す。
「そっちこそ。……あーその、施設守ってくれてるのはありがてえけど……骨粗鬆症には注意しろよ」
何か気の利いたことでも言えたらよかったのだが、白夜の口から咄嗟に出てきたのはそんな言葉だった。我ながら何言ってんだ俺、と白夜が肩を落としていると。
「……お、おう」
一度だけ、テツヤが振り向いた。
何だか締まらなかったが、達者であれとの思いは伝わっただろうか。
そのままテツヤは霧状の骨片となり、地中へと潜り込むように消えていく。
さようならテツヤ、また逢う日まで!
そんな日が来るのか知らんけど!
大成功
🔵🔵🔵