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食べられるなら食べるまで?!

#エンドブレイカー! #戦後

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#戦後


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 こわい、こわい、たべられたくない。
 恐怖のままに逃げ惑うバルバは恐怖の中で必死に願った。それが新しい恐怖に繋がるなんてことを理解しないまま、ただただ必死に。
 その願いを歪めて叶えたエリクシルがいなくなっても彼らは叶えられた願いのままに、仲間たちへの恐怖として暴れまわり感じていた恐怖をそのまま与えている。
 食べられたくないのなら食べる側になればいい、歪めて叶えられた思いのままに。

「今回みなさんに助けていただきたいのは、都市国家の外で暮らしているバルバたちです」
 猟兵にもバルバはいるものの、都市国家の外にコミュニティを築き暮らしているバルバは少なくない。彼らもそんなバルバたちで、人に危害をくわえることもなく小さな集落を作って肩を寄せ合い暮らしていた。

「彼らは飲み水を確保できる場所に集落を作って暮らしていて、事件の前は穏やかに過ごしていました。泳ぐ事が得意らしく近くの比較的きれいな川で魚を取ったりして暮らしていたようなのです」
 一見するとチッタニアンに似ていて本人たちも自分たちはそういったものなのだろうと認識しているが、手をよくみれば水かきがあるらしい。
 しかし今は彼らの細かい分類を気にしていても仕方がないだろう。助けなければ何者かもわからないまま、小さな集落はなにも出来ずに全滅してしまう。

「エリクシルの力で大きなイモムシになってしまったバルバは仲間を襲っています。たどり着いた頃には何名か丸呑みにされているかもしれませんが、間に合わなかったとは思わないでください。日が落ちる前に倒せばイモムシになってしまったバルバも呑み込まれてしまったバルバも助けることが出来るはずですから!」
 つまり日が落ちるまでに倒せなければ、ということはあえて言う必要がない。助けるために向かうのに、助けられなかった時のことを考えたところで仕方がないのだから。

「とにかく小さなバルバの集落の命運はみなさんにかかっています!よろしくお願いしますね!」


ぬぬかぬれ
 ぬぬかぬれと申します、よろしくお願いします。
 エンドブレイカー!世界の二章からなる話です。
 食べられてしまいそうなバルバたちを助けて、彼らから心を尽くしたお礼をされましょう!

●1章 集団戦 ギガンウォーム
 簡素な家とも呼べない小屋のような住処がポツポツと建っている集落とその周囲の荒野での戦闘になります。荒野に済む彼らにとっては家が壊れるのが日常茶飯事なので壊されたと苦情を言うことはありません。

 2章は日常パートになります。
 助けてくれた猟兵にお礼をするためにバルバたちが宴会を開いてくれるそうです。

 アドリブ禁止の場合は簡潔で構わないので明記してください。ア禁などだとわかりやすいです。
 共闘は明記されていない限り行いません。

 慣れない部分もあるかも知れませんが、精一杯やらせていただきます!
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第1章 集団戦 『ギガンウォーム』

POW   :    踏み潰し
【踏み潰し】で近接攻撃する。低威力だが、対象が近接範囲から離脱するまで何度でも連続攻撃できる。
SPD   :    ウォームスウォーム
対象の周りにレベル×1体の【巨大イモムシ型モンスター】を召喚する。[巨大イモムシ型モンスター]は対象の思念に従い忠実に戦うが、一撃で消滅する。
WIZ   :    爆破鱗粉
着弾点からレベルm半径内を爆破する【鱗粉】を放つ。着弾後、範囲内に【大量の蟲】が現れ継続ダメージを与える。

イラスト:あなQ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
バルバを大きなイモムシに変えてしまうなんて、エリクシルって一体どんな危険物なの!?
とにかく、日が落ちるまでにイモムシを倒せばいいんだよね?
ボクとウィーリィくんならできる!

宇宙バイクを【操縦】してイモムシの攻撃をかわしながら、ウィーリィくんとは別方向からイモムシのUCの射程距離からブラスターで【クイックドロウ】【乱れ撃ち】を連射してダメージを与えていく

日が沈むまでのタイムリミットは常に意識し、残り時間が少なくなったらウィーリィくんに伝えて攻撃のペースを上げる

ウィーリィくんが大技を放つようなら、そのタイミングに合わせてボクも【M.E.G】で大ダメージを与える


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
……辛いもんな。空腹って。
だから、助けに来た。
俺は料理人だからな。

タイムリミットは陽が落ちるまで。
あいつのUCの威力は低いが連続攻撃が出来る。
だからシャーリーと連携して彼女と別々の方向から【飢龍炎牙】でアウトレンジから攻撃を放ち、ダメージを与えると同時にあいつの狙いが定まらない様にする。
そしてあいつが弱った頃合いを【見切り】、シャーリーのUCと同時に【限界突破】させた【飢龍炎牙】を叩き込む。

出来るだけ短時間で倒す為、シャーリーとはアイコンタクトでタイミングを合わせる。



 夕方というにはまだ少し早い昼を過ぎた日差しの中、小さなバルバたちが複数の巨大なギガンウォームに追い立てられ逃げ惑っているのが集落に近づいた時点で目に入った。
 隠れていた小屋を追い立てられたのだろうか、逃げ切れずに足をもつれさせて転んだバルバの上に覆いかぶさるようにして襲いかかるギガンウォームに、ウィーリィはいつでも戦える姿勢を取りシャーリーは宇宙バイクの速度を上げる。

「ウィーリィくん、先に行くよ!」
「わかった!」

 正面に残ったウィーリィを複数の目で見つけたギガンウォームが頭を上げた隙に、横からシャーリーの操縦する宇宙バイクが間を縫うように滑り込み、逃げ遅れた小さなバルバをしっかり手を差し伸べてすくい上げた。
 そのまま速度を落とさず少し離れた場所で不安そうにこちらを見ていた集落の仲間に投げ渡したシャーリーは小さく息を吐いた。やっと状況を理解したのか狙いを変えたギガンウォームを、今度は燃え盛る龍の姿をした炎が阻む。

「そっちじゃない、こっちだ!」

 炎の龍に襲われ怯んだギガンウォームの踏みつけは宇宙バイクの残像すら捉えられない。後を追いのたうつように動く巨大な体はシャーリーにとって的にしかならず、乱れ撃ちされた弾丸をその身に受けて悲鳴のかわりに奇妙な鳴き声をあげた。
 その間も絶えず襲いかかる炎の龍に苛まれて、数体のギガンウォームの動きが鈍くなる。一際大きい巨体がぐらつくのを見て、今が仕掛け時だと判断したウィーリィが視線を向けると、心得たと言うようにシャーリーが頷くのが見えた。

「これでトドメだ!喰らい尽くせ、炎の顎!」

 声に応えるように龍は燃え上がり、傾いた日が差す集落が夕日ではなく炎で赤く染まった。燃え盛る炎が文字通り牙を向き、動きの鈍ったギガンウォームに食らいつくように襲いかかり焼き尽くす。
 数体が倒れたのを見て逃げようとしたのか、それともただ炎から逃れようとしたのか巨体を引きずり移動しようとしたギガンウォームの眼前に種類の違う火花が飛び込んできた。

「逃げられると思った?ボクの一撃は、史上最大に凶暴だよ!」

 ジェット噴射の勢いそのままに、宇宙バイクに撥ねられたギガンウォームは地響きを立てながら地面に沈んだ。その巨体はもう起き上がること無く、乾いた土のようにサラサラと崩れていく。
 一息つく間もなく、まだ陽は落ちていないはずだとウィーリーは周囲を見回す。バイクから降りたシャーリーも同じように周囲に視線を向けた。

 まだ陽の光は地平線の上で赤く燃えている。それに照らされて焼けた後の残る地面の上で呆然とした様子でキョロキョロと周りを見るバルバの姿を見て、間に合ったのだとウィーリーとシャーリーの二人はやっと安心した笑顔を浮かべた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リカルド・マスケラス
「イモムシになったバルバも倒せば元通り。シンプルでいいじゃないっすか」
そんなことを言っているのは中に浮いた狐のお面
「仲間を助けたくないっすか? なら、倒すのに力を貸して欲しいっす」
【コミュ力】で向こうの願いを叶えるのではなく『交渉』を持ちかけ、協力してくれるバルバ達に【仮面憑き舞闘会】で同時に憑依して猟兵並の戦闘力に引き上げて戦ってもらう
武器に水あたりの【属性攻撃】を纏わせ【怪力】で殴ってもらったり、後ろに控えてもらうバルバに【結界術】で前衛を守らせて【集団戦術】で召喚モンスターごとイモムシを倒す
「その調子っすよ」
代償はキツイがなんとか頑張る

あとは次章の為に魔法の得意そうな個体とか目星をつける



「イモムシになったバルバも倒せば元通り。シンプルでいいじゃないっすか」

 やることは非常に単純明快だ。ただあの大暴れしている巨大なイモムシを倒して、元に戻してやる。ただそれだけ。
 けれど、と考えて目を向ける。逃げるバルバたちの中に、立ち向かうことはできなくても仲間を守ろうと動くものがいるのを確認してリカルドはそちらに歩みよって目線を合わせた。

「仲間を助けたくないっすか? なら、倒すのに力を貸して欲しいっす」

 弱いものを助けるのは大前提。けれど彼らだって力があれば、大切な仲間を助けられる方法があるのならきっと戦いたいと願うこともあるはずだ。
  本当にできるのか、不安そうに見上げるバルバに影が差し表情が恐怖に染まる。しかし覆い被さるように襲いかからんとしていたギガンウォームは、リカルドの一撃でバランスを崩し音を立てて地面に倒れた。

「こんな風に、やってやるんすよ」

 その姿に覚悟を決めたバルバが壊れた小屋の端材を武器として手に取るのを見て、リカルドは己の仮面憑きの舞闘会で仮面を分裂させる。
 仮面を被ったバルバはリカルドの色に染まり、逃げ惑っていたのが嘘のようにギガンウォームに向かっていく。それに対抗しようと召喚されたイモムシモンスターの攻撃をものともせず攻撃を仕掛けるバルバにリカルドが声をかける。

「後ろのみんなは結界術を!湧き出てきたイモムシごとやっつけるっすよ!」

 ポタ、と赤い涙が地面に落ちて染み込んだ。代償はたしかに体を蝕んでいる、だが耐えられないとは思わなかった。リカルドは歯を食いしばり、悟られないように笑顔を浮かべ何事もないように振る舞う。

「その調子っすよ」

 最後の一撃を決めたバルバは少しだけ他よりも水の扱いに長けていたようだ。もしかしたら戦えるほどでなくとも魔法の心得があったために、与えられた力を他よりも上手く使えたのかもしれない。
 無事にバルバは元に戻った、どうやら怪我もないらしい。自分の手で仲間を取り戻せた彼らの勝どきのような歓声を聞きながら、リカルドは長く息を吐いて流れる血を拭った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミリア・ケイト
さぁって、初参戦と行こうか。
捕食者に食われる…あー、オレたち、猛禽に襲われたら溜まったもんじゃねぇし。
しかし、見るからにデケェ蟲…
嫌だ嫌だ。あんなのになるぐらいなら死んだほうがましだぜ。

こうなりゃ、グランドクロスでやっつけてやるぜ!
というか、撃ってきた…避けろ!!
電撃増幅、一気に落ちやがれぇっ!!(UC使用)

ていうか、あそこにいるの、プレーリードッグ(チッタニアンの事)かよ。
困る比較対象じゃねぇかよ。全然違うのに。



 空を見上げたバルバには、それがなんだか分からなかった。空に光の帯を描きながらギガンウォームに激突した同じように巨大な機械の存在を、彼らは今まで知らなかったのだ。

「しかし、見るからにデケェ蟲……」

 グランドクロスの機体を旋回させながら、倒れた体を持ち上げるギガンウォームを眺めてミリアは不快そうにひげを震わせながら顔をゆがめた。

「嫌だ嫌だ。あんなのになるぐらいなら死んだほうがましだぜ」

 自分があの姿になるのを想像してミリアは身震いをする。そしてこのままではあんな姿になった上、蟲として死んでしまうようなハメに陥っている眼前のギガンウォームにわずかばかりに同情をした。

「こうなりゃ、グランドクロスでやっつけてやるぜ!」

 持ち主に応えるように駆動音を鳴らすグランドクロスを操りながら、ミリアはギガンウォームに狙いを定める。しかし、視線の端にチラチラと光るものを認めて機体を空中で急停止させた。

「撃ってきた…避けろ!!」

 とっさに機体を反転して直撃こそ免れたものの、鱗粉の爆破の余波で機体が揺れる。その上撒き散らされた大量の蟲が襲い、ギガンウォームに襲いかかる機械の巨人を落とさんと群れをなして襲いかかってくる。

 纏わりついてくる蟲に舌打ちをして、振り落とすためにグランドクロスの速度を上げた。ついていけずに空に落ちていく蟲を置き去りに、もう一度ギガンウォームに向き直る。輝く鱗粉を目にして、ミリアは凶暴に笑った。

「二度目があるかよ!電撃増幅、一気に落ちやがれぇっ!!」

 ミリアの能力に呼応するようにしてグランドクロスが両掌から電流が迸る。鱗粉は機体に届く前に爆散し、空を夕焼けよりも赤く染める。その炎を切り裂くように急降下した機体は、空を見上げたギガンウォームをその速度のままに大地に叩きつけた。

 地面に降り立つ見知らぬ巨体、それを恐る恐る見上げるバルバたちはその中から自分たちよりも小さな獣が出てくるのを見て目を見開いた。

「プレーリードッグかよ。困る比較対象じゃねぇかよ。全然違うのに」

 ミリアのため息混じりの言葉はバルバたちの驚く声にかき消され、彼女のキャバリア以外に届くことはなかった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

スミレ・エロイーズ
まぁ、都市国家の外では野生モンスターに襲われるまではこの世界の日常ですわね。

さておき、相変わらずエリクシルのやり方は酷いこと。見過ごすにはあまりにも。
それにバルバとピュアリィという違いはあれど、
川が生活圏と言われますと、スキュラのわらわが見過ごすわけには。
微力ながらお手伝いいたしますわ。

イモムシ……というには大きすぎませんこと?
となれば。
【スーパーライフベリー】を地面に植えて迎撃。
長大な時間を得て植物はどこまでも大きくなる。……この場合わらわの魔力ですが。
イモムシの動きが止まれば、その周囲に複数、スーパーライフベリーを植えましょう。
さてさて、わらわの攻性植物は元気が良いのでお気をつけあそばせ?



 都市国家の外はなにひとつ安全が約束されていない場所だ。本来であれば野生のモンスターに襲われた際に逃げることも出来ないドレス姿の女性などこんな場所にいるはずがない。
 しかしギガンウォームの巨体の前に立つそスミレは恐怖の一つも感じさせることなく、倒すべき敵として巨体を見上げていた。

「相変わらずエリクシルのやり方は酷いこと」

 横目で眺めた怯えるバルバたちはイモムシとは似ても似つかない姿をしている。それが歪められてああなるというのだから、おぞましいと思わず眉をひそめた。
 踏み潰そうとするのをひらりと避けて蠢く巨体から逃れるも、のたうつように再び踏みつけようとギガンウォームはスミレを襲う。

「イモムシ……というには大きすぎませんこと?」

 避けきれなかった土埃を手で払いながら、スミレはわずかに距離を取った。一筋縄で行くような大きさではない。であるならば、その考えのもと放たれた小さな木の実は地面に落ちると沈み込むように植え付けられた。

「長大な時間を得て植物はどこまでも大きくなる。……この場合わらわの魔力ですが」

 瞬く間に伸び上がった攻性植物は抵抗するギガンウォームをギチギチと締め上げて動きを封じた。身を捩り抜け出そうとする動きのせいでブチブチと蔦が切れるが、全てが千切られるまで次の一手を打つ理由もない。

「わらわの攻性植物は元気が良いのでお気をつけあそばせ?」

 周囲に植えられたスーパーライフベリーはスミレの魔力を受けて、逃れようと暴れるギガンウォームを群がるようにして締め上げる。ギチギチと音がなるほどの拘束は動きを封じるだけでは止まらず、締め上げたギガンウォームの胴体を引きちぎるように真っ二つにした。

 攻性植物が去った後、なにが起こったか全くわかっていない様子のバルバが地面に座り込んでいるのを見てスミレは満足そうに微笑んだ。

 バルバとピュアリィという違いはあれど、川が生活圏となればスキュラとして見過ごせない。無事に助けられたことを確認してから見上げた空は夕焼けで真っ赤に染まっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 日常 『夜空を見上げて』

POW   :    夜空を眺める

SPD   :    夜空を眺める

WIZ   :    夜空を眺める

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 壊れた小屋の粉々になった屋根は使えないと判断されたのだろう、豪快に火の中に放り込まれパチパチとはぜる炎は少しだけ高く燃え上がった。

 襲われたところを助けられたバルバも、元に戻れたバルバも、もう少しでイモムシの栄養にされるところだったバルバも皆一様に喜んで、思い思いに猟兵に感謝を伝えようとしていた。

 あるものは干した魚を火であぶり、あるものは木の実で作ったパンケーキにこの集落で一番のご馳走であるはちみつをかけて差し出している。
 都市国家の外では珍しく穏やかな陽気で、風はおだかにふいている。雲一つないような満天の星空の下喜びの声はいつまでも聞こえているようだった。

 猟兵が好意を素直に受け取るだけで彼らはきっと喜ぶ。もし彼らになにかしてやるとしても、それも大喜びで受け入れられるだろう。
 なにか聞きたいことがあるならば、それもわかる範囲で素直に答えてくれるはずだ。

 なにせ猟兵は彼らにとっての大恩人。もてなさない理由がないのだから。
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
一緒に戦ってくれたみんな、お疲れさん!

ついでだから俺も調理を手伝う事にする。
エンドブレイカー!世界の料理にも興味あるしな。
隣のバルバをお手本にしながら【料理】に専念。

準備が整ったら、シャーリーと一緒に俺達が取り戻した平和と共にこの世界の料理を味わい噛みしめる。
「あ、それ俺が作った奴だ。美味いか? シャーリー」


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
ほーら、ボクとウィーリィくんが力を合わせればこんなものだよっ☆
もちろん、一緒に戦った他の猟兵のおかげでもあるんだけど
と、いう訳で
バルバのみんなと一緒に戦勝会だっ!おーっ☆
ボクも【パフォーマンス】でダンスや手品で場を盛り上げるよ
もちろんご飯も忘れちゃいけないね
戦いの後でお腹ペコペコなんだもん
(ぱくぱく)
…んっ、これウィーリィくんが作った料理でしょ?
長い付き合いだからすぐにわかるよ
これからもよろしくっ
パートナーさん☆



 赤々と燃える火ではなくその明かりを受けて軽やかに舞うシャーリーを囲んで、バルバたちは拙いながらも真似をしようと手や足を一生懸命動かしていた。

「いいよいいよ、その調子!」

 くるっと回ったシャーリーに習って同じように動こうとしたバルバが尻餅をついた。しかしそれすら楽しいようでキャッキャと声を上げて笑う姿に思わずシャーリーも笑って、尻餅をついたバルバの手を取ってぐるぐると回った。
 賑やかな声は絶え間なく聞こえてくるけれど、音楽と呼べるような音はない。踊りだって彼らが知っているのは感情のまま飛び跳ねるだけのシンプルなものだ。それでも十分に喜びは伝わってくる。

 上手く回れたバルバも踊ることが出来ないバルバも、みんな楽しそうな顔をしながらシャーリーのダンスに夢中になっている。
 そんなにぎやかな様子をしばらく眺めて、ウィーリィは火の側で料理をするバルバが持っている干し魚に目を移した。大きさはそれほど大きくないが、バルバが持つとなんだか大きく見える。

 内蔵を出されて縄を目に通された干し魚は保存のために燻されているようでとても硬い。バルバたちはそれを炙って柔らかくしてそれをそのまま齧っているようだ、ウィーリィはそれを受け取ると一口食べてみる。
 洗練されているとはいい難いが彼らなりの工夫があるのだろう、川魚の臭みはあまり感じられれず煙の匂いと独特の甘い香りがする。覚えのない風味にこれがこの辺り独特のハーブやスパイスだろうと当たりをつけて聞いてみると何度か頷いたあとに袖を引かれた。

「こっちにあるのか?ああ、これか!」

 細かく挽かれた木の実の粉と水を混ぜた生地で出来たパンケーキに、千切られた花が混ぜられている。一つ貰ってその香りが干し魚を口にした時に感じたものと同じだと分かったウィーリィは、パンケーキを焼くバルバの隣に腰を下ろした。
 火で温められた平たい石でパンケーキが焼かれるのを見てウィーリィは自分のフライパンを取り出して横に並べた。サラサラとして少しとろみのある生地は焼かれると独特の香ばしい匂いがして食欲を誘う。

 長い棒でひっくり返す隣でフライパンをあおりくるっとひっくり返すと、それを見ていたバルバが拍手をした。それに少しだけ照れくさそうに笑いながら、ウィーリィは調理を続けた。
 出来上がったパンケーキに控えめにはちみつがかけられる。熱いのを我慢しながら手でちぎって食べるともちもちした香ばしい生地と鼻に抜ける甘い香り、そしてかけられたはちみつの味がして素朴ではあるが中々おいしい。

 横から伸びてきた手がひょいとパンケーキを拾う。ウィーリィが振り返って見上げると、ちょうどシャーリーがパクリと口に入れたところだった。

「あ、それ俺が作った奴だ。美味いか? シャーリー」

 指についたはちみつをぺろりと舐めながらシャーリーが笑う。たとえ同じ材料で同じように作ったものだとしても、ウィーリィが作ったものならばひとくち食べてわからないはずがない。

「長い付き合いだからすぐにわかるよ」

 すとんと横に腰を下ろして顔を覗き込んだシャーリーは、ウィーリィの頬についた煤を手で拭う。気づかなかったと手の甲でゴシゴシ拭うのをしばらく見てから、パンケーキの乗った粗削りの木の皿を手にして立ち上がった。

「みんなもご飯を忘れちゃダメだよ!」

 バルバは歓声をあげて体全体で喜びを表すようにぴょんぴょんとはねた。その声の方に向かっていたシャーリーがくるっと振り返ってウィーリィと視線を交わす。

「これからもよろしくっ!パートナーさん☆」

 そのまま踊るように皿を運ぶ姿を見送って、これじゃあ足りないかもしれないとウィーリィは新しいパンケーキの元をフライパンに流し入れた。
 きっと焼けたこれを運んで一緒に食べるときも、きっとシャーリーは自分の焼いたものがすぐに分かるんだろうなと考えながら。

 たくさん食べてお腹が膨れたバルバたちはシャーリーが見せてくれる手品に見入ったり、先ほど覚えた踊りを真似したりと思い思いに楽しそうな顔で過ごしている。
 それを見ながらウィーリィは少し冷めたパンケーキを口に放り込んで噛みしめた。まだまだ夜は長くなりそうだ、と笑いながら。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ミリア・ケイト
なんか色々と戴けちゃうって、ありがとうね。
パンケーキとか本当においしいわ。
なんていうか、たくましいのね。
出来れば手伝っていくけど、色々やっておくわね。



 バルバたちに勧められるまま丸太を倒しただけの椅子に腰掛けて、ミリアは半分以上が壊れてしまっている集落を眺めた。
 これだけ被害が出れば悲壮な空気になりそうなものだが、彼らは仲間も自分も無事であることを心底喜び感謝していて家が壊れたことなど気にしていないようだった。

「なんていうか、たくましいのね」

 ミリアが自分たちよりも小さいからか、バルバたちはしきりにパンケーキを勧めていた。口にしてみれば拙く素朴ながらももちもちとして香ばしく、かけられたはちみつもあってそれなりに美味しい。
 もちろんプロのものどころかきちんとした材料を揃えて家で作られるものよりも質としては低いかもしれない。それでも焼き立ての温かさと、彼らの心づくしのもてなしで十分と思えるほどの味に感じられた。

「パンケーキ、本当においしいわ」
「もっと、もっとある!」
「これ以上はいいから……ちょっと、おい、いいって言ってんだろ!」

 その言葉に喜んだのか、ミリアの皿には山盛りのパンケーキが乗せられた。もういいと言っても更に乗せようとするので、流石に少し声を荒げる。
 残念そうな顔で引っ込めたのを見て、ミリアは呆れた顔をしながら食べられない分を子供のバルバに分けてやる。子どもたちは自分たちより小さな恩人に分けてもらうことに少しだけ躊躇したが、ごちそうの誘惑にすぐに負けてきれいにパンケーキがなくなった。

「さてと、ごちそうもしてもらったことだし。少しくらい手伝わないと」

 気にしていないとはいえ集落は瓦礫まみれ。このままでは片付けるだけでも一苦労だろう。しかしミリアのグランドクロスならばバルバが十人かかっても一日かかるような作業でもあっという間に終わらせられてしまうだろう。

「ほんの少しだけど、色々やっておくわね」

 現れた巨人に驚くバルバを横目にミリアはグランドクロスに乗り込む。戦うためのキャバリアもたまには弱いものの手伝いをすることがあってもいいだろう。
 ぺしゃんこに潰れた拙い小屋の屋根を持ち上げていたミリアは、甘いはちみつの香りがした気がして控えめに鼻を動かした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リカルド・マスケラス
ここまで歓迎されると嬉しくなっちゃうっすね
「さて、帰る前に色々と教えたいところっすかね」

前の戦闘で魔力の扱いに長けたバルバをメインに自分の本体であるお面を被ってもらう
「また何かあった時に自衛の手段は多いに越したことないっすからね」
魔力の扱い方の感覚を、バルバの体を使うことで直接感じてもらい【結界術】や【属性攻撃】の技術を教える
「戦う以外にもこういうこともできるっすよ」
地面に魔法陣を描き中心に木の実や種などを植え、【森羅穣霊陣】で植物の成長を促進。バルバが使うとUCほどの効果は望めないだろうが、食料や家の建材の調達に少し助けになるっすかね
「逞しく生きるんすよ」
魔法陣の写しも石に刻んどくっすかね



 壊れた家の片付けもほどほどに助けてくれた猟兵を歓迎するため動き回っているバルバたちを眺めながらリカルドはすこしだけ考える。
 さっきのバルバでなくとも魔法を使える者は多少なりといるらしい。しかし小さな火花を出して火をつけたのは少し歳を取っているように見えるし、火を大きくするためにかすかに風を出しているのは子どもだろう複数の小さなバルバだ。

 戦う手段を身につけるのならやはり水の魔法が使えるバルバの方がいいだろう。彼に教えておけば今はまだ戦うには少し早い子どもたちにも後々戦い方を教えてくれるようになるかもしれない。
 それならばと壊れた家の一部を火にくべようと持ってきた目当てのバルバの前に膝をついて不思議そうな顔を覗き込みながらリカルドは一つ提案をした。

「また何かあった時に自衛の手段は多いに越したことないっすからね」

都市国家の外で暮らす彼らにはこれからも様々な危険がつきまとう。今回のような巨大な敵には敵わないかもしれないが、小さな襲撃者から集落を守る手助けにはなるかもしれない。

「これを被って、大丈夫怖いことなんてないっすからね」

 言われるがままリカルドの本体を被ったバルバは導かれるように魔法を使う。飛び出した水球はそれほど威力はなかったが、襲ってきた獣を威嚇するならば十分な威力だろう。
 しかしそれよりも水を使った結界術が彼らにとっては代えがたいものだった。何がなくても少しの天候不良で壊れてしまうような粗末な小屋が、小型の猛獣の攻撃や強い風くらいなら耐えられる程度には丈夫になったのだ。

 自衛とは言ったものの攻撃よりも結界術の方に大喜びして興奮した様子で周りと話すバルバだが、結界術でも日々使えば魔法に慣れていざという時に攻撃だって出来るようになるだろう。
 非常時にだけ使えばいいと教えた魔法を使わないままになってしまうことも危惧していたリカルドは少しだけ胸をなでおろした。日常的に使ってもらう方法も考えていたものの、使う機会は多いほうがいい。

「戦う以外にもこういうこともできるっすよ」

 パンケーキの粉にならなかった木の実を数個地面に植えて、バルバたちとは比較にならないほど繊細な複雑な結界でその周囲を覆う。森羅穣霊陣の効果でみるみるうちに育った木々はたちまち枝を茂らせ実をつけた。
 突然集落の真ん中に現れた何本もの大樹に唖然としていたバルバも、それがたっぷりと実りを与えるものだと気づくと次々に喜びの声を上げる。

「俺ほどじゃなくても、ちょっと育てるくらいならできるっすよ」

 興味津々といった様子の子供のバルバがきゃあきゃあと興奮して声を上げた。小さな手の拙い結界でも植物の成長を少しだけ早くするくらいは出来るだろう。
 小さい畑もあったはずだ。練習するなら木の実でなく植物の種の方がやりやすいかもしれない。練習を見ながら魔法陣の写しを石に刻んでおくのもいいだろう。自分たちがいなくなってからが彼らの生活の本番だ。

「逞しく生きるんすよ」

 今でも十分逞しい気はするがこの荒野でこれからも生きていく彼らには逞しさなどいくらあっても足りないくらいだろう。
 都市国家の外という過酷な土地では珍しい晴れ渡った空は、厳しさなど感じさせないような満天の星空で頭上を輝かせている。リカルドはそれを眺め少しだけ眩しそうに目を細めてから彼を呼ぶバルバの方に足を向けた。

 夜はまだ終わりそうになかった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年10月20日


挿絵イラスト