早く大きくなりたい。
今よりずっとずっと背が高くなって、誰にも負けないくらいすっごく強くなって、足だって今より早 くなってかけっこだって誰にも負けなくって。
そうしたら喧嘩したのに泣いて負けちゃうことなんてないし……お兄ちゃんだってきっとぼくにごめんなさいって言うのに。
「ぼく、つよくておっきくなりたいなぁ……」
腕の取れた人形を抱きしめながら、赤くなった鼻をすする少年がポツリとこぼす。
それはなんてことない、悔しまぎれの言葉のはずだった。
それを歪めて叶えようとする者がいなければ。
「このままでは大変です!新しいギガンティアが生み出されてしまったのです!」
小さな体をめいいっぱい使いながら綿貫・小雨は身振り手振りでことの大きさを示そうとしばらくジタバタしてから、コホンと一つ咳をして何事もなかったかのように神妙な顔を作った。
自らのコミカルさで危険を見誤ることがあってはならない、そうなった場合危険を被るのは事態の解決に動いてくれた猟兵たちなのだから。
「エリクシルに夢を歪められてしまったのはごく普通の男の子なのです」
特別な願いではない、明日になればきっと解決してすっかり忘れてしまうような、そんなごく普通のありふれた願い事だ。
玩具の人形をお兄さんに踏まれて壊されてしまって、でも出しておいたお前が悪いと口喧嘩で勝てなくて。いっそ今すぐに兄より大きくなれれば謝らせることができるのになんて、そんな本人にとっては 切実でもどこか微笑ましい子供の願い事。
それでも歪めて叶えられてしまえば、世界の危機に発展する。
「強く大きくなりたいという男の子の夢をエリクシルは超巨大な知識の鎧(メイガス)の一部にすることで叶えようとしています。そしてその超巨大な知識の鎧(メイガス)こそが今回壊してほしいギガンティアなのです!」
ギガンティアの中は蘇生されたマスカレイドが蠢く迷宮、踏破するのも一筋縄ではいかないだろう。それはマスカレイドだけの問題でなく、中にある数多の仕掛けやトラップも一因ではあるはずだ、あるはずなのだが。
「でも、不安定だからかマスカレイドが適応できてないのか、中のトラップは敵味方関係なく発動するようなので、上手く使えばこちらが有利に立ち回れるかも知れません」
使えるものはなんでも使ってことを優位に運んでほしい。無事突破した後はエリクシルとの戦闘が待っているのだから。
「ともかくギガンティアも子供のお願いを歪んで叶えることも許されることではありません!エリクシルを倒して、揃って無事に帰ってきてくださいね!」
ぬぬかぬれ
はじめまして、ぬぬかぬれと申します。
エンドブレイカー!世界の二章からなる話です。
協力して不安定なギガンティアを破壊して少年を助けてください。
●1章 集団戦 量産型ゴルバック
不安定なギガンティアの中で罠を潜り抜けながら、あるいは利用しながらの戦闘になります。
勿論罠など知ったことかと進んでも敵を撃破しボスのもとまでたどり着けるのならばそれでも問題ありません。
2章はボス戦『ゴーレムメイカー』イシュトヴァーンとの戦闘になります。
アドリブ禁止の場合は簡潔で構わないので明記してください。ア禁などだとわかりやすいです。
共闘は明記されていない限り行いません。
初めてなので慣れない部分もあるかも知れませんが、精一杯やらせていただきます!
第1章 集団戦
『量産型ゴルバック』
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POW : ゴルバック・ボム
自身が戦闘不能となる事で、【自身にダメージを与えた】敵1体に大ダメージを与える。【自身の正体】を語ると更にダメージ増。
SPD : パイレーツバンカー
【左腕のパイルバンカー】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【装甲板】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
WIZ : ゴルバック・アーマー
自身と装備を【体内から伸びる金属装甲】で覆い、攻撃・防御をX倍、命中・回避・移動をX分の1にする。
イラスト:カス
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
天羽々斬・布都乃
アドリブ大歓迎
「大きくなりたいというのは誰しも思う願い。
それを歪めるエリクシルは許せません」
『布都乃の胸も大きくなればいいのにのう』
「余計なこと言わないでくださいっ」
式神のいなりに文句を言いつつ、未来視の瞳を発動させ、天羽々斬剣と布都御魂剣を構えます。
『布都乃、パイルバンカーが来るぞ、気をつけるのじゃ』
「大丈夫です。――視えています」
未来視で視た攻撃を紙一重で回避して、刀を振りかぶり――
「ふぇっ……!?」
突如消えた巫女服の帯!?
落ちかけた袴をとっさに抑えます!
『どうやらパイルバンカーが掠っておったようじゃのう』
「ゆ、油断しました……」
袴を抑えたまま、今度こそ油断せずに敵を斬り裂きます!
「大きくなりたいと思うのは誰しも思う願い。それを歪めるエリクシルは許せません」
『布都乃の胸も大きくなればいいのにのう』
「余計なことを言わないでくださいっ」
視線の先に敵の姿を見つけた布都乃はいなりの言葉に反論する少女の顔が嘘のように凛々しく天羽々斬剣と布都御魂剣を構え、瞳を金に輝かせた。
それほど機敏ではない代わりに、一撃が重いことがひと目見ただけでもよく分かる。そしてそれがどれほどの威力があるというのかも布都乃の瞳にはよく視えた。
『布都乃、パイルバンカーが来るぞ、気をつけるのじゃ』
「大丈夫です。――視えています」
当たるはずの位置でも視えていれば当たることなどない、それを知っているからこそ恐ろしい攻撃が迫っても恐れることなく刀を振りかぶる。
選びとった未来の通りにパイルバンカーは布都乃の体を貫くことはおろか掠めることすらなかった。
そう、体は掠めなかった。
「ふぇっ……!?」
視界の端によく知った赤が見える。それはひるがえった拍子にパイルバンカーに持っていかれた布都乃の帯に他ならなかった。
慌てて袴を押さえたためにストンと落ちてしまうことはなかったが、このままでは片手が塞がったままになってしまう。そうでなくても布都乃としてはこのままでいいとは絶対に言えない状況だ。
『どうやらパイルバンカーが掠っておったようじゃのう』
「ゆ、油断しました……」
敵を切り裂く刃は二刀、片手が塞がったとしても戦うには問題ない。乙女としては問題があるような気もしないではないが、それは倒してから考えればいいことだ。
そして何より早く帯を取り戻さなければと、踏み込みと共に刀を構える。今度こそ、しっかりと振り下ろされた刀はしっかりと敵を捉えて袈裟懸けに斬り裂いた。
成功
🔵🔵🔴
暗都・魎夜
【心情】
親玉がいなくなってもエリクシルの度し難さに変わりはなしか
そんな話で世界が滅ぶとかってのは冗談にもならねえからな
きっちりカタ付けて、お兄さんと仲直りさせてやらねえと
【戦闘】
この間、ランスブルグの戦いでも同じ奴を見かけたな
正直言って、面倒極まりねえ相手だ
だが、戦い方さえ分かれば、どうとでもしてやるぜ
「この辺じゃあ量産型ゴルバックは流行ってるのかい?」
事前に「索敵」「勝負勘」で罠の多くて狭い通路を探しておき、「地形の利用」で誘い込む
左腕のパイルバンカーが使いづらい状況にしたうえで、攻撃をUCと「見切り」で回避しつつ、「斬撃波」で攻撃
「ここじゃあ自慢のパイルバンカーも振れないだろ?」
量産型ゴルバックが破壊したのか、それとも罠の影響なのか、踏みしめた細かい砂利のような瓦礫が足の下で音を立てた。度し難いエリクシルの所業に対する憤りからか、その音すら酷く耳障りに感じられた。
巻き込まれた子供のことを思うと舌打ちでもしたくなるような気分になるが、そんなことよりも早く解決するのが先だ。周りに大きな瓦礫が無いことを確認して、少なくとも壁を大きく破壊できないだろうことを予測した。それだけ分かれば十分だと、魎夜は倒すべきものめがけて迷宮を走り抜ける。
その速さでも、戦いに慣れた彼の瞳は罠や迷宮内部の様子をしっかりと捉えていた。そして、通路の先でこちらにゆっくりと向き直る機械で出来た巨体のことも、忌々しいほどにしっかりと見えていた。
「この辺じゃあ量産型ゴルバックは流行ってるのかい?」
答えは返ってこない。返すつもりがないのか、そもそもそんな機能がないのか、しかし魎夜にとってそんなことはどうでもよかった。声に反応してこちらに向かってきさえすれば、それで十分だったのだ。
あえて速度を落とし、それでいて攻撃が届かない距離を保つ。そうして誘い込んだ通路は魎夜にとっては十分な広さがあったが、量産型ゴルバックの巨体が攻撃をするには狭かった。
迷宮を走り抜けながら目をつけたこの通路は思ったとおりに、いっそそれ以上に魎夜にとって有利に働いた。この状況で銀の嵐の記憶で予測する魎夜に量産型ゴルバックの攻撃が当たるはずもない。
「ここじゃあ自慢のパイルバンカーも振れないだろ?」
悪あがきのように振り降ろされた右手を軽くかわして、がら空きの胴体に斬撃波を叩き込む。一瞬の間をおいて巨体はゆっくりと倒れ、それはがらんどうの迷宮に大きな音を響かせた。
大成功
🔵🔵🔵
御形・菘
勝手に持ち上げておいて落とすとゆーのはのう…ヘイト稼ぎやすいと思うぞ?
そういう悪は美しくない! 妾がきっちりシメてやるとしよう!
妾は妾なりに、華麗に罠を活用しながらバトるとしよう
はっはっは、とはいえカッコ良く避けながらだとか、そんなありきたりなバトルを繰り広げるつもりはない!
あえて堂々と発動させてだ、妾は見事に耐える! 相手は巻き込む!
はーっはっはっは! 鉄球に針天井にマグマ! 片っ端からどんとこい!
まあ痛いには違いないが、この程度は撮れ高の必要経費!
さあ、ついでに自爆もしてみるがよい、大して効くはずがないがな!
それに当然、お主らが妾の左腕が届く距離に来たら、ボコってブッ飛ばすしのう?
高笑いと共に現れた猟兵めがけて量産型ゴルバックは歩みを進めた。それを余裕を持って眺めてから、菘は横のあからさまに怪しげな壁を思い切り殴りつけた。
「はーっはっはっは!横から針とは!」
無惨にへし折れる針をものともせず菘は量産型ゴルバックを先導するように先に進む。怪しげな床は踏み意味ありげなレバーを下げ、不審な穴に手を突っ込んでありとあらゆる罠を作動させた。
落ちてくる巨大な鉄球も、剣山が仕込まれた落とし穴も、吹き出す火ももろともしない菘とは対照的に、量産型ゴルバックはバチバチと火花を散らして膝をついた。
「妾は見事に耐えたが、巻き込まれたお主は悲惨よの。ここは一つ自爆でもしてみるか?」
言葉が届いたのか、もしかすると度重なる罠の影響で既に限界が来ていたのだろうか。どちらにせよ量産型ゴルバックは内側から光を放ち、破裂するかのように自爆した。当たりを爆炎が覆う。
「大して効くはずがないであろう!」
なんでもないような顔をして黒煙の中から顔を出した菘は、顔についた煤を拭いながら自爆して立ち尽くしたままの量産型ゴルバックの残骸を乱雑に手で振り払う。その倒れる轟音で気がついたのか、それとも先程の爆発音で気づいたのか、もう一体の量産型ゴルバックが近づいてきているのを目に止めて菘は目を細める。
既に罠は全て発動させていて、近づくのを阻むものはなにもない。しかし近づいたのが運の尽き。左腕が届くのはどちらも同じなのだから。
「お主にも見せてやろう、左手はこう使うのだ!」
菘は長い舌で唇を舐め笑みを浮かべる。敵の自爆という最大限の撮れ高により高まった身体能力から放たれたシンプルな左ストレートは、量産型ゴルバックのパイルバンカーをまるで壊れるために作られた小道具かのように粉々に粉砕した。
成功
🔵🔵🔴
バルタン・ノーヴェ(サポート)
「バトルの時間デース!」
雇われメイド、バルタン! 参上デース!
アドリブ連携歓迎デース!
普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
戦闘スタイルは物理系!
遠距離ならば、銃火器類の一斉発射が有効デース!
近距離ならば、武器を展開して白兵戦を挑みマース!
敵の数が多いor護衛対象がいるならば、バルタンズの使用もお勧めしマース!
状況に応じて行動して、他の猟兵のサポートに回っても大丈夫デス!
迎撃、防衛、襲撃、撤退戦。どのような戦場でも参戦OKデース!
指定ユーベルコードが使いづらいなら、公開している他のものを使用しても問題はありマセーン!
勝利のために頑張りマース!
スカートを翻らせながらギガンティアを闊歩するその姿は、彼女だけを見ればまるでどこかのお屋敷の廊下のようにも見えただろう。
残念ながら対面する量産型ゴルバックにはそのような情緒はないらしく、その姿を見ても戦闘体制を取るだけだ。しかしバルタンは少しも気にすることなく、にっこりと微笑んだ。
「バトルの時間デース!」
明るい声と共に放たれたマシンガンは、あたりの壁を削りながら量産型ゴルバックに弾丸の雨を降らせる。薬莢は乾いた音を立てて地面に転がり、砕けたギガンティアは砂埃となってあたりを覆う。
バルタンが一息つくころに銃撃が止み、重い足音が近づいてくる。壊れた壁の残骸を踏み越えながら量産型ゴルバックはバチバチと火花をちらしながらも確実に敵対者へと歩を進める。
「とっても丈夫デース!」
それに怯むことなく、バルタンはじゃらりと鉄球の付いた鎖を撫でた。一際丈夫であるようだが、そのせいか動きはあまり機敏ではない。それならば、白兵戦で攻撃を叩き込むまで。
右腕の武装は叩き込まえた鉄球によって無惨に歪み砕け散る。一気に距離を詰めたバルタンは、マシンガンの銃撃でひしゃげた腹部装甲にパイルバンカーを密着させた。
「六式武装展開、煙の番!目には目をデース!」
懐に潜り込んだバルカンのパイルバンカーはしっかりと量産型ゴルバックを捉えた。強烈な一撃は強固な装甲を紙のように貫通し、巨体を完全に串刺しにする。
パイルバンカーが引き抜かれる。支えを失った巨体は崩れるようにして床に崩れ落ち、壁の瓦礫の上に派手に火花を散らしながら転がった。
「目には目をと言いマシタけど…使う暇、ありませんデシタネ!」
手を降って去るバルタンの言葉に応えるものはなにもない。その代わりに、歩を進める彼女の背後から吹いてきた爆発による風が彼女のスカートを強くなびかせた。
成功
🔵🔵🔴
サツキ・ウカガミ
作られたてのギガンティアか。
早く攻略して、助けてあげないとね。
迷宮の作りを[情報収集]して罠を[見切り]、
[軽業]で罠を避けて進もう。
ゴルバックは硬そうだし、【折り紙手裏剣】の立体映像を囮に
基本的には敵を罠に誘導して、削っていこうかな。
立体映像と敵の距離感を気をつけていけば、
パイルバンカーの使用も誘えそうだね。
パイルバンカーのタイミングと距離感を[見切り]
爆弾と化した【折り紙手裏剣】を触れさせて、わざと転移させる。
うまく爆弾を転移させられたら、中で爆破してあげよう。
硬い相手は内から[不意打ち]で削る、やっぱりこれに限るね!
すぐ助けるからね、もう少し待っててね!
違和感のある壁をノックするように叩いてみると、普通の壁とは明らかに音が違う。思った通りだとサツキは息を吐いてあたりを見回した。
この通路を通らなくとも奥に進むことは出来るだろう。しかしとサツキは一歩踏み出した。
「早く攻略して、助けてあげないとね」
壁から発射された矢をするりと交わし、口を開いた落とし穴をなんの脅威でもないと言わんばかりに軽く飛び越える。落ちてくる天井よりも早く駆け抜ければ、背後に立ち上る土煙でさえサツキに追いつくことは出来なかった。
「……あれは」
迷宮を徘徊するマスカレイドの姿を捉えたサツキは呪符で手裏剣を折り上げる。それは瞬く間にサツキと全く同じ姿に変わり、量産型ゴルバックの気を引いた。
立体映像に誘われるままに攻撃しようと近づいた量産型ゴルバックを落ちる棘付きの天井が襲う。まともに食らい頭部をひしゃげさせながらも突き進む。
突き当りに追い詰めらたのに微笑むサツキに疑問を感じることもなく、量産型ゴルバックはパイルバンカーを構え己の敵を貫いた。
「残念、ボクだと思った?」
貫かれたサツキの姿が歪み、空気に溶けるように消えていく。動きを止めた敵の背後、本物のサツキは傷ひとつない姿でそこに立っている。
パイルバンカーが本当に命中した時限爆弾は、今にも爆発すると言わんばかりに発光したまま量産型ゴルバックの装甲内に転送された。
間を置かずこもった爆発音が轟き、口から煙を吐きながら黒鉄の巨体が大きくぐらつき音を立てて地面に倒れる。
その残骸を振り返ることなく、サツキは迷宮の奥へと急いだ。目的はこの敵の撃破ではない、助けなければ行けない相手はこの先で今も待っている。
「すぐ助けるからね、もう少し待っててね!」
呟いた声さえ置き去りにして、サツキは迷宮を駆け抜けていく。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『『ゴーレムメイカー』イシュトヴァーン』
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POW : ゴーレム軍団突撃「そのお力をお見せください」
レベル×1体の【古の邪悪な星霊建築で創造されたゴーレム】を召喚する。[古の邪悪な星霊建築で創造されたゴーレム]は【強力な物理】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : 無明斬「非力な老人と思うたか」
【仕込み杖】を使って「どのように攻撃するか」を予想できなかった対象1体に、【居合い斬り】の一撃が必ず命中する。
WIZ : グラヴィティゾーン「我が魔術の前にひれ伏せ」
【仕込み杖】から【重力のエネルギー球】を放ち攻撃する。その後、着弾点からレベルm半径内が、レベル秒間【重力10倍の高重力場】状態になる。
イラスト:せとたまき
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ルシア・ナドソコル」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
マスカレイドがひしめく迷宮を抜け、猟兵たちはついにギガンティアの最深部にたどり着く。そこは生み出されたばかりだからか、それとも最初からそうだったのか、意味があるのかすらわからない奇妙な柱が乱立する広大で異様な空間だった。
「素晴らしい、素晴らしい!これこそが正しき星霊建築!」
その中心、恍惚とした声を高らかに上げている仮面の老人が一人。エリクシルがこのギガンティアを生み出すために蘇らせた狂気の星霊術士、イシュトヴァーンである。
力を与えたエリクシルは既にここにいない、このイシュトヴァーンを倒しさえすればギガンティアは崩壊し願いを歪められた少年を助けることが出来るだろう。
しかし一筋縄ではいきそうにもない。イシュトヴァーンは猟兵を見つけると、ただの星霊術士としては違和感のある構えで杖を手にし敵対者へ狙いを定める。
それでも怯む必要はどこにもない。ここまでたどり着いた猟兵ならば、見事打ち倒し目的を果たすことが出来るはずだ。
サツキ・ウカガミ
立ち振る舞いから[情報収集]して、仕込み杖を[見切り]。
ふぅん、星霊術士だと思って距離を詰めてきたら斬るって感じかな。
誘われてるね? ……ここは乗ってあげようかな?
魔術を警戒して、狙いを定めさせないよう
ジグザグに[ダッシュ]で移動しつつ、距離を詰める。
魔術師が一人だったら、接近戦一択だよね! みたいな[演技]でね。
仕込み杖の間合いに入ったら
相手の抜刀を[気配関知]で[見切り]
ボクも愛刀の月牙を【一閃】。
ボクの[居合]は0秒攻撃。刹那よりも早いよ!
反撃してくるようなら、相手の居合は[見切り、武器受け]。
反撃がないなら、そのまま[2回攻撃]で[急所突き]。
ボクは忍者にして武芸者、相手が悪かったね!
杖を持つにしては違和感のある構え、生粋の星霊術士だとするには明らかに武の心得を感じさせる足運びにサツキは目を細めた。
よく見てみれば杖に微かな切込みがある。イシュトヴァーンの動きと合わせて考えて、仕込み杖であると当たりをつけたサツキはそうとわからないようにそっと月牙の鞘を撫でた。
(誘われてるね? ……ここは乗ってあげようかな?)
武器を隠している時点で油断を誘おうとしているのは明白。ならばそれを利用することで、逆に相手の油断を誘えるのではないか。
考える時間は短かった。星霊術士としての力も本物ならば、この場所にとどまっているのも危険だ。ならば己の直感を信じて飛び込むまで。
引いた足がざらりと音を立てるのを合図にして弾かれたように走り出す。ジグザグと方向を変え速度で撹乱する動きは相手が単なる星霊術士であるならばそれだけで翻弄されてしまうような動きでぐっと距離を詰める。
しかしそれはイシュトヴァーンの狙い通りでもあった。サツキが彼を単なる星霊術士だと思い無策で近接戦を仕掛けるつもりであったなのなら、狙い通りになるはずだった。
仕込み杖を予想していない相手ならば、その居合斬りは必中だっただろう。しかしサツキは翻る刃を完全に見切り、姿勢を低くして空振りでがら空きになった胴体に月牙を振り抜き逆袈裟に斬り裂いた。
切りつけられたイシュトヴァーンすら気づくことが出来ない刹那の居合い。その手応えを確かに感じてもサツキは油断せずに距離を取る。
「キミの方が遅かったね、ボクの居合いは刹那よりも早いよ!」
不意打ちが失敗して傷を負い、イシュトヴァーンは地団駄を踏むように苛立ちをあらわにした。
しかし苛立ち紛れに放たれた魔術がサツキに当たるはずもなく、さらに苛立ちを強めるだけに終わる。最早隠すことすらなく抜かれた仕込み杖の白刃を向け吠えるように声を上げる。
「なぜ、なぜこの素晴らしさが分からない!!」
「そんなの知らないよ!」
振り下ろされた攻撃を月牙で受け流し、開いた胴体に蹴りを入れ強制的に距離を開ける。わずかに怯んだ隙を見逃さずサツキは踏み込んだ。
「ボクは忍者にして武芸者、相手が悪かったね!」
イシュトヴァーンが体制を整える前に叩き込まれた目にも留まらぬ早業の二連撃は、的確に急所を捉える。邪悪な星霊術士は杖を支えに膝をついた。
大成功
🔵🔵🔵
御形・菘
はっはっは、妾としてはこういう個性的なビジュアルの建築は好きだぞ?
それと存在を許すかはまた別だがな!
違法建築は撤去してやるとしよう!
エネルギー球は避けつつ接近、左腕で思い切りボコる!
…という戦法は難しそうだな?
まああえて攻撃を先手で撃たせているのだがな、相手の見せ場も作らずにブッ倒しては撮れ高も寂しかろう!
はーっはっはっは! ぶっちゃけ妾はいわゆる伏せた体勢の方が移動が速くてな!
1トン程度(過少自己申告)の負荷で妾を潰せるとか思われても困るぞ? さして速度など落ちん!
普通の蛇とは違い、両手までダッシュに活用できるしのう
さあこの技の流儀に則り、噛み付きで凶悪な毒をプレゼントだ!
奇妙な柱を見回して菘は愉快そうに口角を上げて笑った。存在を認めてやるかは別として、個性的なビジュアルの建築は好ましい。
映える舞台であることに免じて、華々しく撤去してやろうではないかと決めて体をうねらせた。見た目だけ派手な技を避けながら近づけば、待っていたとばかりに居合いが飛んでくる。
「先手で撃たせてやっているのに、これでは撮れ高には少し足りぬか?」
左手で受け止められた刀はわずかに手のひらを撫でただけで傷をつけられずに、握りしめられてきしんだ音を立てた。イシュトヴァーンは不意打ちが意味をなさなかったことに舌打ちし、威嚇するかのように魔法を放って距離を取る。
せっかく見せ場を与えてやったのにと拍子抜けした気分になった菘は新しい魔力の気配にわずかに目を見開き笑みを深める。一方的では絵面が面白くない、こうでなくてはと。
抜かれた仕込み杖から放たれる不穏なエネルギー球が床に着弾すると、一瞬空間を歪ませた後で床が悲鳴を上げるかのように音を立てた。
そこに迷わずつっこんでいく菘の体を強力な重力が襲う。常人ならば立っているのも困難になりそうな負荷を、全くものともせずに突き進む。いっそ早くなっているのではないかと思うほどの速度にイシュトヴァーンが後退りする。
「はーっはっはっは! ぶっちゃけ妾はいわゆる伏せた体勢の方が移動が速くてな!」
腕まで使った高速移動に重力エネルギー球による行動の阻害を狙っていたイシュトヴァーンは対応しきれず、魔法を使うことなく仕込み杖で迎え撃った。
焦りは菘の左腕に仕込み杖では歯が立たないことを失念させる。防ぐために空いた手をかざすが、それは自ら毒を持つ蛇の牙にその腕を差し出したことと変わりなかった。
「さあこの技の流儀に則り、噛み付きで凶悪な毒をプレゼントだ!」
毒蛇の牙はしっかりと邪悪な星霊術士に突き刺さる。毒はその皮膚を赤く染め、イシュトヴァーンは歪な悲鳴を上げた。
菘は赤く長い舌で唇を舐めると動きの止まったイシュトヴァーンを無造作に吹き飛ばし、満足そうに笑みを深める。
「良い声だな!そうでなくては!」
呵々大笑といった様子の菘は勢いそのままに、側にあった柱を数本なぎ倒した。立ち上る砂煙の中、悠々と立つその姿は歪なギガンティアとは対照的に堂々と輝いていた。
大成功
🔵🔵🔵
果無駅・駅長代理
――僕は「はかなし駅」の駅長代理
助けが必要な時は呼んでほしい。いつでも力になるよ
呼子笛をひと鳴らし。喚び出すのは、果無駅を覆う霧――まるで白い闇のよう
これなら、敵の目を眩ませる事が出来る筈だ
具合はどうだい?疲れは出てないかな
行き路を示す、カンテラの燈を掲げよう。――コレは、君の命を照らす燈
痛みも迷いも苦しみも、全部とかしてしまう灯りだよ
良かったら、無花果の実も食べるかい?勇気と力を与えてくれるから
荒事は得意じゃないけれど
いざとなったら幽霊列車の残骸を纏い、僕が君達の盾になろう
自分を信じてまっすぐに進めば――きっと、正しい終点に辿り着ける
君の旅路が、素晴らしいものになる事を祈ってるよ
――アローン
高い呼子笛の音を合図に柔らかく白い霧があたりを覆う、視界を奪うそれはまるで白い闇のようにイシュトヴァーンと眠ったまま目を覚まさない少年を分断する。
少年は涙ぐんで眠った姿のまま、体をまるめて不自然な形に組まれた箱の中に収められていた。争いが起こっても目覚めない様子からは、猟兵が声をかけても気づくことはないように見える。
はかなし駅の駅長代理である彼は、カンテラで霧を照らすようにして眠ったままの少年に近づいた。悪夢の最中にいるのだろう、閉じた瞳から流れた涙が頬をつたって線を描いた。
「具合はどうだい?疲れは出てないかな」
柔らかく揺蕩う霧のような声でそっと囁く。それが届いていないのか、少年は目覚めることがない。しかし駅長代理の彼はそれがわかっていたかのようにカンテラを掲げた。
「行き路を示す、カンテラの燈を掲げよう」
――アローン。声に従うようにあたりを照らすカンテラの光は、悪夢に閉じ込められた少年にも確かに届いた。わずかに安らかになる表情にカンテラが揺れる。
「コレは、君の命を照らす燈。痛みも迷いも苦しみも、全部とかしてしまう灯りだよ」
少年が泣き止み、寝息が安らかになる。それを見て安心したのか駅長代理はそっとカンテラをおろした。
その刹那、彼からそれほど離れていない位置に霧の白を斬り裂いたエネルギー球が着弾する。視界がないせいで狙いが甘かったのだろう、ガタガタと瓦礫を揺らす脅威に駅長代理の彼の彼は眉を寄せたような顔をした。
「……荒事は得意じゃないけれど」
金属のぶつかるけたたましい轟音が響き、霧の壁よりもしっかりとした物理的な防壁が出来上がる。重力によりひしゃげて潰れながらも盾としてそびえ立つそれは、見るものが見れば列車の残骸だとわかっただろう。
「自分を信じてまっすぐに進めば――きっと、正しい終点に辿り着ける」
なにせ人の人生は長いのだ。小さい頃に悔しくて泣いた、たったそれだけで願いを捻じ曲げられて歪められて悪夢に閉じ込められて泣き続ける必要なんてどこにもない。
「君の旅路が、素晴らしいものになる事を祈ってるよ」
出来ることなら、次に目が覚めた時には悪夢なんて全て忘れてしまっているように。穏やかに眠る少年の頬を、白い霧が撫でていた。
大成功
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暗都・魎夜
【心情】
ケンカに負けて悔しい、とかそんな小さな願いを歪めてくるわけだからな
改めて度し難いやつだ、エリクシルってのは
【戦闘】
ゴーレムをけしかけてきて、それを超えたら魔法で迎撃
肉薄しても仕込み杖の斬撃が待ってるわけか
中々に曲者だな、この爺さん
「天候操作」で周囲に霧をめぐらしながら、ゆっくりと距離を測る
「抜きな、どっちが速いか勝負ってやつさ」
互いの間合いに入ったところで、UCを使用して剣を「見切り」
「リミッター解除」からの「カウンター」「斬撃波」を放つ
歩幅読み間違えてたら、やばかったな……
けど、このギガンティアももう終わりだ、早いところ例の子を見つけて戻らねえとな
喧嘩に負けて悔しいなんて、小さな頃なら誰だってあるものだ。相手は友達だったり兄妹だったり、親ってこともあるかもしれない。なんにしてもそれはよくあることで、こんな風に歪められて巨大な迷宮にされるほどのことではないはずだ。
魎夜は苛立ちを隠さずに顔を歪めた。こんな悪趣味なギガンティアは早く壊してしまうに限る。そのためにも自分たちはここに来たのだから。
「改めて度し難いやつだ、エリクシルってのは」
だがそれもここまで。こいつを倒してしまえば、この巨大なギガンティアも歪められた願い事も跡形もなく崩壊する。魎夜は倒すべき対象をしっかりと見据えた。
ゴーレムを複数出されればこちらが多勢に無勢。倒せないというわけではないが隙を見せるのは得策ではない。ならば一気に距離を詰めて、斬撃勝負で一気にかたをつけるのがリスクはあれど確実だ。
辺りに霧を発生させて、狙いが定まらないように足音を潜めてゆっくりと移動する。飛んでくる攻撃を音も立てずに避けて、静かに確実に距離を詰めていく。
やがて一定の距離まで近づくと、今度は一気に踏み込んで距離を詰めた。懐に入り込み、斬りつけるためにしっかりと構える。
「抜きな、どっちが速いか勝負ってやつさ」
挑発するように魎夜はニヤリと笑った。それに誘われるようにしてイシュトヴァーンは仕込み杖を抜く。白刃は魎夜の髪を何本かさらったが、それだけだった。
しっかりと太刀筋を見切った魎夜が返す刀で斬撃波を放つ。それは先程の攻撃とは対照的にイシュトヴァーンのがら空きの胴体に両断するかのように命中した。
ぐらり、イシュトヴァーンの体が傾いてどうと倒れる。手から落ちた仕込み刀が高い音を立てて床に転がった。それを見届けて、魎夜は止めていた息をゆっくりと吐き出した。
「歩幅読み間違えてたら、やばかったな……」
誰に聞かせるつもりもない一言をポツリと漏らす。切っ先がかすった頬にわずかに血が滲んで、流れることなく赤い線として残った。
「けど、このギガンティアももう終わりだ、早いところ例の子を見つけて戻らねえとな」
滲んだ頬の血を手の甲で拭いながら周囲を見回せば、天井から落ちてくる細かい石が床に当たりパラパラと音を立てている。このギガンティアは長くはなさそうだ。
幸いにもエリクシルに囚われていた少年はすぐに見つかった。眠ったままの抱き上げると、安心したような顔をして微かに微笑む。
無事に助けられたという安堵を後回しにして、魎夜は崩壊するギガンティアを後にするためにしっかりと少年を抱えなおした。
大きくなるのは心も一緒に成長してからでもいいだろう。もうこんなことに巻き込まれずに元気に過ごしていれさえすれば、きっとすぐにそうなるだろうから。
成功
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