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金の百合花と幻惑の花園

#シルバーレイン #戦後 #メガリス #金の百合花

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 その金の百合花は、不思議な幻惑を見せるという……。
 しかも、タチが悪いことに、幻惑を見ている者の望みを叶えるような夢を見せ続け、最終的には、幻惑を見ている者を取り込み、十分な人数を得たところで、また移動していくという。
 そして……再び、金の百合花が花開いた。
 普段ならば、人の行き来の少ない山奥にひっそりと咲いているのだが……今回は違った。
 ラベンダーで有名な富良野のとあるファームで、それは咲いてしまったのだ。
 観光シーズンを迎える、このときに……人々は危険に晒されようとしている……。

「皆様には、その『金の百合花』の回収をお願いしたいのです」
 そう告げるのは、響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)だ。
「幸いにも、今は冬。ラベンダーシーズンが始まる前に終わらせてしまいましょう。花はこのラベンダー畑のどこかにあります。それを摘んでいただきたいのです。ですが……先ほども言いました通り、相手の望みを叶えるような夢の幻惑を見せてきます。それをなんとか突破して、金の百合花を見つけ出し、回収をお願いしたいのです」
 リズの話によると、摘むとその効果はすぐに薄れて、消えてしまうらしい。
「ちなみにこのメガリスの効果は、良き夢を見させるという効果があるそうです。不眠症に悩む方々には便利な効果ですわね。ですが……今を逃すと、また回収するチャンスが失われてしまいます。お手数ですが、この機会をぜひ、物にしていただけると幸いですわ」
 それと……と、リズは告げる。
「回収が終わりましたら、富良野を観光していただくことも可能ですわ。確か、映画の舞台になったところとか、富良野グルメを楽しむということもできますわね。良ければ、観光がてら、危険なメガリスの回収をお願いいたしますわ」
 そういって、リズは現地へと向かう扉を開いたのであった。


柚葵チハヤ
 こんにちは! 柚葵チハヤです。
 今回の舞台は、冬の富良野のラベンダー畑でメガリス回収となります。

 まずは1章で幻惑を乗り越えてください。あなたの夢はなんですか? これを機に見つめ直すのも良いかもしれません。どちらかというと、心情系の内容となりますので、好きな方はぜひ、お越しください。

 2章では、富良野で観光となります。もう既にメガリス回収は終わった後になりますので、好きな方をお誘いして、遊びに来てください。富良野だけではなく、周辺の(旭川とか層雲峡あたり)であれば、観光可能です。それと、この章だけ、一人では寂しいという方限定で、当方のNPC(リズ・アス・ミーヤ・ヤマト)を誘っていただくことが可能です。もしよろしければ、ご利用ください。

 また、複数で参加する際は、お相手の名前やID、グループ名もお忘れなく。あ、お相手さんをどのように普段呼んでいるかを書いて下さると、とても助かります!
 それでは、皆さんの楽しいプレイング、お待ちしていますね!!
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第1章 冒険 『幻惑の花園』

POW   :    花ごと蹴散らし突き進む

SPD   :    花粉を吸わないよう防御して進む

WIZ   :    花粉の作用を解毒して進む

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 静かな雪原。
 そこにぽつんと、金の百合花は、花を咲かせていた。春になれば、そこはたくさんのラベンダーが咲き誇り、人々を魅了する素晴らしい、観光地となる、その場所で。

 ――さあ、あなたの望みは、なあに?

 ゆらゆらとそんなことを問うかのように、金色に咲く無機質な百合花は、人が来るのを今か今かと待ち望んでいたのだった……。
 
雁帰・二三夫
「回収出来たら、貰っちゃってもよいのでしょうか」
おっさん、声が弾んだ
「憧れるでしょう、良き夢を見せる。熱血を語るだけでは心添いきれない方々を、癒せる取っ掛かりになるかもしれないんです」

「わぁ、流石夢です。欲しかったギアが一杯あります」
暫く楽しそうに老舗テントやテント用品触り眺め
「ソロキャンは持物の厳選から始まります。欲しいからだけじゃ買えません。使わない時の収納問題もあるし、値段もそこそこするんですよね…」
名残惜しそうに眺めてからゆっくり歩き出す

ラベンダー畑内を只管歩く
地図で区画区切り3m巾で往復
見つからなかったら次の区画移り同じ様に虱潰しに捜索
「新しい夢を見る手伝いをして下さい、金百合さん」



「回収出来たら、貰っちゃってもよいのでしょうか」
 思わず、そう尋ねるのは、雁帰・二三夫(引きこもりたい住所不定季節労働者・f37982)だ。
「……そうですね。他に欲しがる方がいない、銀誓館学園からの許可が得られれば……それと、入手のための手続きも必要になりますので、そちらは二三夫様にお任せいたしますわ」
 一応、正規の手続きを踏めば、得られるようだ。
「だって、憧れるでしょう? ――良き夢を見せる。熱血を語るだけでは心添いきれない方々を、癒せる取っ掛かりになるかもしれないんです」
 彼の口ぶりを見るに、悪用するというわけではなさそうだ。それならもしかすると、所有することも出来るかもしれない。

 気が付けば、二三夫はキャンプ用品が置かれたショップにいた。
「わぁ、流石夢です。欲しかったギアが一杯あります」
 しかし、それが夢なことは、すぐに気づいていた。
「ソロキャンは持物の厳選から始まります。欲しいからだけじゃ買えません。使わない時の収納問題もあるし、値段もそこそこするんですよね……」
 この光景は、マジでキャンプ好きには、目に毒だろう。何とかその誘惑を退け、二三夫は、金の百合花を探すため、その夢を振り切り、地図で区切った区域ごとに少しずつ、その百合花の元へと近づいていく。
「新しい夢を見る手伝いをして下さい、金百合さん」
 そう呟いた先に、きらりと輝く何かを見つけたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天風・光華
いつき兄様(f37164)と参加なの!

北海道でお花なの!
兄様とお出かけ嬉しいの!

「真っ白できれいなのー」
雪の景色もとってもきれいだけど
ラベンダーの咲く頃にもまたきてみたいの

兄様がころばないようにーって手を握ってくれるけど
兄様の願いを聞こうとしたら
なんだかふわふわうとうとするの

ちょっとだけなんだか視界が高くって
ちょっとだけいつもと違ったお洋服で
大きくなってかっこよくて
でも今と変わらない優しい金の瞳の兄様が
ころばないようにって手を取ってくれるの
ずっとずっと兄様と一緒

でもちゃんとみつか
手の兄様の温かさがあるから大丈夫なの

きっと兄様は何か隠すの
「光華の幸せ、ちゃんともうあるの」
二人だから絶対大丈夫なの


深山・樹
妹の光華(f37163)と

みつかが北海道!お花!って目をキラキラ
遠いとこすぐ行けるのいいな

「みつか、手は離したらメッだよ」
転んで雪塗れになったら見失うとかもありそうで
広くて真っ白の闇って思えて

兄様の願いって何?って聞かれて
すぐ返事出来なかった…だってもうみてたから

みつかが本当は生きてた両親と逢えて喜んでる
よかった
これで僕とはさようなら
遠ざかる背中を見送って

でも夢ってわかるよ
だって今のみつかと繋いだ手が温かいから
笑顔で返事するね
「みつかが幸せになる事だよ」

みつかが何を見たかは分からないけど
僕はうそは言ってない

雪の中の百合を一緒にそっと、摘み取って
雪みたいに溶けて消えるのを見届けて
今は二人で戻ろう



「北海道でお花なの! 兄様とお出かけ嬉しいの!」
 るんるんと、はしゃいでいるのは、まだ少し幼い天風・光華(木漏れ日の子・f37163)だ。
「遠いとこ、すぐ行けるのいいな」
 キラキラと目を輝かせる光華を眩しそうに見つめるのは、その兄の深山・樹(処刑人・f37164)。兄と言っても、血はつながっておらず、同時期に記憶喪失になったよしみで二人は共に行動している。
「真っ白できれいなのー」
 現地に到着して、光華はその寒さよりも、その白く美しい光景に目が奪われているようだ。
「みつか、手は離したらメッだよ」
「はーいなの」
 その小さく暖かい手に、思わず樹は瞳を細める。
 樹にとっては、この白い光景が、少し恐ろしく感じられていた。
(「転んで雪塗れになったら見失うとかも……そうではないと分かっていても、この広くて真っ白の闇……」)
 と、そこで光華の愛らしい声が樹の耳に届いた。
「雪の景色もとってもきれいだけど、ラベンダーの咲く頃にも、またきてみたいの」
「うん、そうだね」
 頷く樹の方を、見上げるように光華が顔を向ける。
「ねえ、兄様の願いって何?」
 ただの深い意味のない問いかけに、樹は答えに詰まっている、その次の瞬間。

 ――二人は意識を手放した。

「……わあ……」
 光華はいつの間にか、少しだけ大人になっていた。
 恐らく、高校生くらいだろうか?
 今よりも背が高く、視界も広く感じられる。
 いつもの洋服も、子供の着るそれではなく、お姉さんが着るような、少し大人なワンピースを着ていた。
 ふと、横切るショーウインドウに映る、自分を見た。
 今よりも大人で格好良くて、いっきにほわーっと興奮していくのが分かる。
「みつか」
「兄様」
 声を掛けられ、振り向くと……これまたより格好良くなった大人(!?)な樹が立っていて、手を差し伸べていた。
 格好良さに磨きがかかっているけれど、光華に注がれるその優しい視線は、金色の瞳は今と変わってなくて。
 差し出したその手を握り、ああと気づいた。

 ――これは、夢……だ。

 樹の目の前では、幸せな光景が広がっていた。
 光華の両親が見つかって、生きていて。
 嬉しそうに光華と再会を喜びあい、抱きしめ合っている。
(「よかった。これで僕とは、さようなら」)
 そこに、樹のいる場所はない。だからこそ、ゆっくりと遠ざかる彼らの背を見送って……。

 ――暖かい。

 ようやく、これが夢だと気づいた。
「兄様?」
「さっきの答え、言ってなかったね」
 そう前置きしてから、樹は言う。
「僕の願いは、みつかが幸せになる事だよ」
 その答えをもらって、光華は少し考えたのちに。
「光華の幸せ、ちゃんともうあるの」
 その手をぎゅっと握り直し、樹をもう一度、見上げる。
「二人だから、絶対、大丈夫なの!」
「あ……えっと……」
 その時、樹は見つけた。
「あ、あれは……みつか、花を見つけたよ」
「えっ!? どこどこ!?」
 樹が指さす先に、金に輝く花を見つけたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『観光地で遊ぼう』

POW   :    観光地で美味しいものをいっぱい食べる

SPD   :    観光地の特産品やお土産をショッピング

WIZ   :    観光地で有名な場所やパワースポットを訪れる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達は、無事に金の百合花を見つけることができた。
 また、回収も済ませ、銀誓館学園にメガリスを届けることもできた。
 許可が得られれば、この後、メガリスを手に入れることも可能になるだろう。

 だが、その前に……。
 折角来た富良野だ。思い出作りに観光に出かけるのはいかがだろう?
 雪遊びをしてもいいだろうし、近所で観光スポットを巡るのも良いだろう。
 それに、この周辺のグルメも捨てがたい魅力がある。
 さあ、楽しい観光の始まりだ!!
 
雁帰・二三夫
「富良野に遊びに行く前に、メガリスの入手申請させて下さい」
おっさん、金の百合花を入手して使いたい旨誓約書付きで申請した

「よーし、それじゃあ富良野を遊び倒しますよ。今の時期だと何が有名でしょう」
おっさん早速ネット検索した

「熱気球体験…うわ高っ。犬橇体験は…今季お休み、ですか。氷上の釣りも気になりますけれど、ここは富良野オムカレーですかね?」
暫く悩んだおっさん、富良野オムカレー巡りに出ることにした

「いえ、これトレスさんも一緒に行った場合、確実に氷が割れて大惨事になると思うんですよね」
「二三夫、とんでもなく失礼」
「…ガフっ」
巨神G-O-リアス|3号機《トレス》にデコピンされたおっさん、吹っ飛んだ



 無事に回収を終えた二三夫は……金の百合花が気に入ったのか、さっそく……。
「富良野に遊びに行く前に、メガリスの入手申請させて下さい」
 丁寧に、金の百合花を入手して使いたい旨を誓約書付きで申請した。許可が下りれば、恐らく手に入ることができるだろう。たぶん。

 やることを済ませて、上機嫌な二三夫。
「よーし、それじゃあ富良野を遊び倒しますよ。今の時期だと何が有名でしょう?」
 さっそく、手に持っている端末で検索してみた。
「熱気球体験……うわ高っ」
 その費用の高さに諦め。
「犬ゾリ体験は……今季お休み、ですか」
 楽しそうな犬ゾリは、今季はやってないらしく、こちらも残念と言ったところか。
「氷上の釣りも気になりますけれど……ん?」
 大きな影が二三夫自身に被る。そこにいたのは、相棒のスーパーロボットの巨神G-O-リアス|3号機《トレス》がやってきた。デカい。そんなロボットを見て一言。
「ああ、これ……トレスさんも一緒に行った場合、確実に氷が割れて大惨事になると思うんですよね」
 氷の張った泉にスーパーロボットを連れていけば、確実に割れてしまうだろう。二三夫の頭の中に氷が割れて、ぱきゃっと、泉に落っこちる映像が浮かんだ。あーれー!
「二三夫、とんでもなく失礼」
「……ガフっ」
 巨神G-O-リアス|3号機《トレス》にデコピンされた二三夫は、きらーんと見事に吹っ飛んでいったのだった。

「……こ、ここは富良野オムカレー、ですかね?」
 ちらちらと巨神G-O-リアス|3号機《トレス》の方を見ながら、二三夫は美味しいオムカレー屋さんを巡ったのだった。
「んっ!! これ、うまっ!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​


※メガリスを所有するには、アイテム申請をお願いします。
 その際は必ず、種別を「メガリス」で申請をお願いします。
天風・光華
いつき兄様(f37164)と参加なの!

お花回収完了なの!
後は兄様と北海道観光なのー!

ラベンダーのお花咲いてないのは残念なの
でもまた兄さまと来る楽しみあるの!
だから今日は
「兄様兄様、ラベンダー畑の中のびじゅつかんなの!」

どんな絵が飾ってるかしらなかったけど
今は夢がテーマみたいなの
ふわふわでキラキラで
でも時々悲しいくらいに暗くって
みんなとっても不思議な夢で楽しいの
「わあ、きれいなのー!」

金の百合花はふみんしょう?の人に使うってきいたの
「ねむれなくて夢をみれないの、きっと怖いことなの」
だからほんとにみつか、力になれるのが嬉しいの
お土産でラベンダーの香りの枕も買って
今日は兄様とラベンダー畑の夢を見るの


深山・樹
妹の光華(f37163)と

みつか嬉しそう
雪を見る目がキラキラしてる
きっと季節の畑を想像してるんだね
「絶対お花の時期に来ようね」
喜んでくれたの嬉しいな

美術館…僕はあんまりわかんないけど
みつかが行きたいなら勿論一緒だよ

ちょっとさっきの幻影思い出すけどみつかはどうかな…
でもみつかの感想はみつかのものだから
僕からは何も言わないよ
「きれいなもの見られてよかったね」

みつかは夢見られる方が嬉しいんだね
僕はうなされるから逆にみつかと同室で
なくてよかったって心の中でホッ

お土産にラベンダーの枕見てたら
別々の部屋でも同じ香り…いいな
「同じ夢見られそうだね」
ぱあってみつかの笑顔がはじけた
僕もきっともう悪い夢は見ないね



「お花回収完了なの! 後は兄様と北海道観光なのー!」
 無事にやるべきことを終えて、光華は嬉しそうに兄の樹の手を取り、観光へと向かっていく。
 キラキラと瞳を輝かせる光華の様子に、樹は、まだここにはない、花が咲き誇るラベンダー畑を見ているのだろうと感じていた。
「ラベンダーのお花、咲いてないのは残念なの。でも! また、兄さまと来る楽しみあるの!」
 めげずにそういう光華に、樹は微笑みながら頷いた。
「次は絶対、お花の時期に来ようね」
「はいなのー!」
 と、光華の足が止まり、じっと樹の方を見上げる。
 くすっといたずらな笑みを浮かべ、光華は高らかに宣言した。だから、今日は……。
「兄様兄様、ラベンダー畑の中のびじゅつかんなの!」
「美術館……僕はあんまりわかんないけど、みつかが行きたいなら、勿論一緒だよ」
「わーい、兄様だいすきー!!」
 ぎゅっと抱きしめられて、樹はちょっと困りながらも、光華の見つけた美術館へと向かったのであった。

 冬の時期に休館することの多い、この地区の美術館であったが、幸いにも光華の見つけた美術館はやっていた。
 人数分の入館料を支払い、さっそく中へと入っていく。
「どんな絵が飾ってるかしらなかったけど、今は夢がテーマみたいなの!」
 その光華の言葉に樹はどきっとしてしまう。先ほど見た幻影を思い出したのだ。
「ふわふわでキラキラで! でも時々悲しいくらいに暗くって……みんな、とっても不思議な夢で楽しいの!!」
 樹はその光華の言葉に一瞬だけひやっとしたが、最終的には楽しいにたどり着いたので、ホッとしているようだ。
「きれいなもの見られて、よかったね」
「うんっ!」
 たくさんの作品を眺めながら、光華は思い出したかのように口を開く。
「金の百合花はふみんしょう? の人に使うってきいたの。ねむれなくて楽しい夢をみれないの、きっと怖いことなの」
「みつかは、夢が見られる方が嬉しいんだね」
「だからほんとにみつか、力になれるのが嬉しいの♪」
 そう笑顔を見せる光華が明るく、優しい気持ちでそう告げているのが、樹の心には嬉しくて。

 ――僕はうなされるから、逆にみつかと同室でなくてよかった。

 樹はそう、心の中でホッとしながらも、少し残念な気持ちでいた。それを感じたのか、光華は樹の手を引いて、お土産ショップへと入っていく。
「みつか?」
「この枕、お土産に一緒に買うのー! 兄様とおそろいっ!! それで、今日は兄様とラベンダー畑の夢を見るの」
 別の部屋でも一緒の香りに包まれて、同じ夢を見られるように……そんな、光華の想いを感じていた。
「そうだね。これなら、同じ夢を見られそうだね」」
 ぱあっと、光華が更に嬉しそうな笑みを見せて。
「兄様と一緒、兄様と一緒ー♪」
「ほらほら、そんなにはしゃいでいると転んでしまうよ」
「はーいなの!」
 素敵なおそろいの、ラベンダーの香りのする枕を手にして、二人は幸せそうな笑顔を見せる。


 ――僕もきっと、もう……悪い夢は見ないね。

 大切な枕を抱きしめながら、樹は心の中で光華に感謝するのであった。



※当シナリオでは、アイテム発行はいたしません。お手数ですが、必要に応じて、各自でアイテム発行をお願いします。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年02月20日


挿絵イラスト