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もふもふは世界を救うのか?

#アルダワ魔法学園 #もふもふ

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#アルダワ魔法学園
#もふもふ


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●もっふり迷宮
「モフィンクス! モーフィーンークースー!!」
 少女がもふもふな壁に向かって叫ぶ。
 道を塞ぐ壁の正体はモフィンクスと呼ばれる生き物だ。どうやらモフィンクスの群れが狭い通路を塞いでしまったようだ。
「ねーねーちょっと! 何で無視するの!」
 当たり前である。モフィンクス達は昼寝中だ。
「あーもー! 適当に召喚してみたのは良いものの、こんなに召喚されるなんて知らないわよ!」
 少女の片手には魔導書。その書物からモフィンクスを大量に呼び出してしまったらしい。お陰で少女は道を塞がれ迷宮から出られなくなってしまった。
 モフィンクスの尻をぽこぽこ叩く少女。しかしその腕はもっふりとした尻に包まれてしまい攻撃など通じない。
「このもふもふ加減……合格だわ……」
 ……って違う!
「これじゃあ地上に出られないじゃない! 私の世界征服計画はどうなるのよー!」
 彼女の名前はレニオール。世界征服を企む魔操術師改め、モフリストである。
「……もしもーし!! 誰か助けてー!! もふ圧死しちゃうー!!」

●怜の情報
「おぉ、集まってくれたか。モフリスト、モフラーの諸君よ」
 柳屋・怜(千年狐・f05785)が自慢の尻尾を振りながら猟兵達を迎える。
「最近、アルダワ魔法学園にて怪しい現象が起きていたのだが、やっとその犯人が分かったのだ。お主らにはその犯人を倒してきて欲しい」
 犯人とは迷宮に潜むオブリビオンの事であるが、まずは学園内で起きていた怪しい現象について説明をする。
「学園で飼育されている小動物が次々と数を減らしている、という現象が起きていたのだが、どうやらこれが転移魔法による盗みだと分かってな。その根源を辿った所、迷宮に繋がったそうだ」
 ウサギやフェネック、モルモット、ハムスター、チンチラ等……狙われた小動物はもふもふした動物ばかりだ。
「姿を消した小動物の安否を確認し、奪還する為にも、いざ迷宮へと向かって欲しいのだ」
 今回向かう迷宮はそれほど難しくはないという。しかし道なりへ進んでいくと、厄介なものが待ち受けているという。
 そう、それが。
「……もふもふとした壁である」
 モフィンクスなる生き物が積み重なって道を塞いでいるという。天井までびっしりみっちり詰まっている為、乗り越える事も不可能らしい。
「こやつ、こちらが手を出さなければ何もしてこない温厚な生き物らしい。故に邪魔なもふもふなのである。これをどうにかして突破しない限り、犯人の元へは辿り着かないだろうな」
 なんという酷い罠だ、と怜は怒りを露わにした。
「もふもふしているだけで何もしないやつを盾にするとはな。犯人め、余程性格の悪い者と見た。きっちりと成敗するのだぞ」
 その犯人も困っているとは露知らず。
「……そうそう、事件を解決した後は、そのまま学園へ戻って来て欲しいのである。皆で動物の世話をしようではないか」
 盗まれた動物達についての報告を済ませた後、学生達と共に動物の管理を手伝おうという提案である。
「世話と言っても、ブラッシングをしたり餌やおやつをあげるだけの簡単なものである。手伝いの報酬は……もふもふ動物を撫でられるという事だな」
 良い報酬だろう? と怜は耳を動かした。
「ま、どのもふもふも我の尻尾には及ばないだろう。しかし他人事として見過ごす訳にはいかぬ。皆の者、もふもふを突破し、もふもふを救ってくるのだ。こんこん」
 最後ににっこりと微笑み。怜はグリモアを輝かせ猟兵達を見送ったのだった。


ののん
 お世話になります、ののんです。

 ●状況
 アルダワ魔法学園が舞台となります。
 終始ほのぼのとした雰囲気になると思います。

 大きな戦闘が無事終えられた場合、もふもふ動物達のお世話をして頂きます。
 この時のみ、ご要望があれば柳屋・怜(千年狐・f05785)と過ごす事も出来ます。

 ●プレイングについて
 お気軽に、ご自由にお書き下さい。
 キャラ口調ですとリプレイに反映しやすいです。
 お友達とご一緒する方はIDを含めた名前の記載、または【(グループ名)】をお願い致します。
 同時に投稿して頂けると大変助かります。
 どの章からでも参加歓迎致します。

 申し訳ありませんがユーベルコードは基本的に【選択したもののみ】描写致します。

 ●リプレイについて
 アドリブ等を入れる事が多いので、苦手な方はその旨をお伝え下さい。

 以上、皆様のご参加お待ちしております。
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第1章 集団戦 『モフィンクス』

POW   :    モフ~ン
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【気の抜けた鳴き声 】から排出する。失敗すると被害は2倍。
SPD   :    モフ~zzz
【眠気を誘うアクビ 】を聞いて共感した対象全てを治療する。
WIZ   :    モフッ、モフッ(実は今欲しい物)
質問と共に【質問の解答が具現化する靄 】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。

イラスト:RAW

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リシェア・リン
可愛い!!この子たちがオブリビオン?
足小さい、どうやって歩いてるのかしら…!
まるっとしててもふっとしてて可愛すぎるのよ…!

…でもごめんね、あなたたちを放ってはおけないの
ああ、あなたたちがオブリビオンじゃなかったら
私が猟兵じゃなかったら…(尻尾がぷるぷる)

…せめて、痛くないように
饕餮(とうてつ)、いらっしゃい
はい、口を大きく開けてー…ごっくん、と

この子は四凶の中でも一番の食いしん坊
痛みを感じる間もなく丸呑みしてくれるわ
…口の中がどうなってるのか、私も分からないけど…。

さて、レニオールさんの安否も確かめに行かなくちゃ
…あ、でも…。
世界征服なんて、悪いことを考えるのもダメよね?



 モフィンクス達によって塞がれた道は遠くからでもはっきりと確認出来た。現場に到着するまでは10分にも満たなかっただろう。
「モフ……モフ……」
 確かにモフィンクス達はぎゅうぎゅう詰めになっていた。それにも関わらずすやすやと眠っている。
「可愛い!! この子たちがオブリビオン?」
 黄金のもふもふ壁を目の当たりにして目を輝かせたのはリシェア・リン(薫衣草・f00073)だけではない。他の猟兵達も思わず声をあげていた。
「なんて小さな足、どうやって歩いてるのかしら……! それに、まるっとしててもふっとしてて可愛すぎるのよ……!」
 リシェアは指先でモフィンクスの足をつんつんしてみた。ぷるぷるっ、と震える足。
「足もふわふわしてる、可愛い……!」
 心が締め付けられるその姿。あぁ、でも。残念ながら彼らはオブリビオンなのである。
 彼らが危険な存在ではなく、そして自分も猟兵じゃなかったら……なんて願ってしまうのは罪だろうか。
「モフ……モフ……」
 未だ眠り続けているモフィンクスを見ていると、葛藤が収まらず尻尾がぷるぷるする。
 だから、彼女はぎゅっと目を瞑った。
「……ごめんね、あなたたちを放ってはおけないの。せめて痛くないように、饕餮(とうてつ)、いらっしゃい」
 徐々に変形するリシェアの腕。それは巨大な悪神の顎。あらゆる物を貪り喰らう者。
「はい、口を大きく開けてー……」
「モフぁ~……」
「……?」
 明らかに悪神の声ではない声が聞こえた。リシェアがそっと目を開けてみると、そこにはあくびをするモフィンクスの顔。
「……ふふ、あなたも大きな口が開くのね。でも、この子も負けないのよ」
 悪神の顎は巨大化していく。それはモフィンクスの大きさを超え、そして。
「――はい、ごっくん、と」
 一匹のモフィンクスは静かに飲み込まれていった。何処へ行ってしまったのかは、悪神のみが知る。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルカ・スノードロップ
えーと、この子たち、どうするれば良いのでしょうか?

ちょっと、白毛玉さん呼んでみましょうか
ユーベルコードで呼び出すのは、異世界のマスコット的妖獸です
白毛玉でつぶらな瞳で、ぐるぐるほっぺたで『きゅ』とか『もきゅ』と鳴く

倒さないといけないなら、
もすっ、というか、もふっといった感じに体当たりや、パチパチ火花で攻撃して貰います

でも、倒さなきゃダメですよね
オブリビオンですし
ここは、心を鬼にして……
と言い聞かせながら【属性攻撃】(氷属性魔法)を放ちます

あぁ、白毛玉さん。モフィンクスと一緒にお昼寝したら、ダメですってば。
可愛いけど、ダメですよ-

※アドリブや絡み、大歓迎



 ベルカ・スノードロップ(享楽を求め続ける"ようかん"司祭・f10622)はモフィンクスを見上げ、暫く考えた。
「……ちょっと、白毛玉さん呼んでみましょうか」
 出ておいで、と異世界の空間を呼び出すと、そこから現れたのは一匹の白い毛玉。
「もきゅ!」
 空中に浮かぶ白毛玉はベルカの周りを元気に飛び回る。ベルカは白毛玉を一撫ですると、
「白毛玉さん、モフィンクスを攻撃して下さいな」
「もきゅもきゅ!」
 任せろと言わんばかりに白毛玉は眠るモフィンクスに近付くと、助走(?)をつけて思い切り体当たりを仕掛けて見せた。

「もきゅ!」
「モフッ」
 もふん。

 なんと白毛玉はモフィンクスのもふっとした体に吸収されてしまった! 哀れ、鼠のような細い尻尾だけが飛び出してぴろぴろと揺れている。
「し、白毛玉さん!?」
「……ゅ……」
 めり込んだそこから声がする。ベルカが困って引き抜こうとするが、
「……モフ……」
「……きゅ……」
 尻尾が垂れ下がって何だか幸せそうな声がする。そりゃそうだ、もふふもふが温かいもふもふに包まれたら至高だろう。
「し、白毛玉さん。モフィンクスと一緒にお昼寝したらダメですってば。可愛いけど、ダメですよー」
 駄目だ、完全にすやすや眠っている。
 はぁ、と溜め息を一つ吐いた後、ベルカは仕方なく聖十字に魔力を込める。ぴしり、と空気が凍り、氷の礫が次々と出来上がる。
「寝ている所、ごめんなさいね。ひやっとしますよー」
 氷の礫をモフィンクスの顔に向かって、そーっと近付けた。ピタッと貼り付く氷。
「モ゛ッ……」
 眉間にしわが寄ったモフィンクス。頬にめり込んでいた白毛玉を吐き出す(?)と、独りでにぎゅうぎゅう詰めの群れから脱出し、奥の方へと逃げていった。
「もきゅ……」
 白毛玉は名残惜しそうに銀の雨降る……かもしれない異世界へと戻っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

月藤・紫衣
もふもふしい壁ですね。
しかも、手を出さなければなにもしてこない…平和です。
こんなもふもふとしているだけのものが、壁に使われる…悲しいことです。

退治する前にもふもふを堪能するのもありでしょうか?
ああ、いえ、仕事はするのですが、こんな、もふっとした壁を堪能出来ないのは悔しいので。
たっぷりともふもふした後、UCで戦闘力を強化、【怪力】をお見せしましょう。
こう見えても、力はありますから。
2、3匹、引っこ抜ければなし崩しに崩れて来るのではないでしょうか?
崩れてくれば、【範囲攻撃】に使えそうな風や水の魔法で【2回攻撃】しましょう。

今、欲しい物ですか?
眠りネズミのぬいぐるみ…?



「なんと、もふもふしい壁ですね」
 月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)はモフィンクスの壁に感銘を受けた。
 モフモフ言いながら眠っている愛らしい姿、毛は長くないが柔らかそうな体。魅了されない訳がない。
 罪のないそのもふもふがこのように道を遮り、壁として使用されている事を改めて思い出すと、何処か悲しさを覚えてしまう。
 あぁ、可哀想に。そう思ってしまったからこそ。
「退治する前に、堪能してしまいましょうか」
 例え敵の罠だったとしても、少しなら。……いきなり襲ってくるなんて事にはならないだろう。そんな雰囲気は全く感じないから大丈夫だ、きっと。
 紫衣はゆっくりと手を伸ばし、静かに触れてみる。顎下辺りを撫でるように触ってみると、
「モフッ……」
 リラックスしたような声が漏れた。気持ちいいようだ。
 頬をむにむにしても、口元を突っついてみても、思い切って全身で抱き着いてみても、モフィンクスはただただ静かに眠り続ける。
「駄目ですね、モフィンクスではなく、私が駄目になってしまいそうです……」
 この温もりあるもふもふから手が離せない。このままでは半永久的にモフィンクスと共に幸せに包まれながら眠ってしまいそうだ。
「……なるほど、分かりました。これが犯人の真の狙いなのですね」
 例え道を切り開こうが、モフィンクスがいる限り触り続けてしまう。これは物理的な足止め以外にも狙いのある足止めだったのだ。そうに違いない。
 紫衣は意を決して温もりに別れを告げると、瞳を閉じ、静かに言葉を紡ぐ。
「鈴の音が如く揺らぎ奏でるは藤花の歌……この音に酔いしれるといい」
 迷宮にこだまする紫衣の歌声。それは猟兵達に癒しを与え、モフィンクス達には更に深い眠りへと誘う。
 歌い終わった後は、気を引き締めて再度モフィンクスの前へ。
「さて、では」
 両手でモフィンクスの体をもふっと掴む。勿論撫でる為ではない。そのまま足を後方へ、一歩、また一歩と進めていく。
 ずず、と動かされるモフィンクス。ぎゅうぎゅう詰めだったそこから一匹がすぽんと抜けると、積み重なっていたモフィンクス達は一斉に崩れ出した。
 その崩れていく様は、モフフフフフ、という効果音がぴったりだった。しかし誰一人(一匹)表情を変える事はなかったという。
 これによりモフィンクスの壁は打ち破られた。しかし、散らばったモフィンクス達が通路の邪魔である事に変わりはなかった。やはり排除しなければならないのか……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

十六夜・月
もふもふ、もふもふぅ・・・! 
以来のためなら仕方ない・・・奴らを倒して突破をはからn・・・もふぅ~

常時、もふもふ言いながら戦いもふ。
メインは[早業]での速攻。[範囲攻撃]、[なぎ払い]で数を減らせば味方も楽になるだろうもふ。

相手の攻撃は常時受けてしまおう・・・モフモフして気持ちよさそう。
それで死んでしまってもふもふできるなら我が人生一片の悔いもふ(



「なんてもふもふなの……!」
 十六夜・月(自由気ままなダンピール・f12574)は輝かしい笑顔を浮かべながらモフィンクスに近寄る。
 しかし相手はオブリビオン。その見た目に惑わされないよう武器を握り締め、攻撃しようと狙うが――。
「モフぁ~……」
「あっもうダメ……もふぅ~……」
 気の抜けた声混じりのあくびにやられてしまう。
 あくびによる突然の眠気に襲われ、モフィンクスを布団代わりにダイブする月。
 もふぅ……と温かい毛と柔らかい体に包まれる。それはもう最高のお布団であった。
「我が人生一片の悔いもふ……」
 もう動きたくない。残念ながら十六夜・月の冒険はここで終わってしまった!

 という訳にもいかない。
 すやすや寝ていたモフィンクス。背中が重いと感じたのか、寝返りを打ち始めたのだ。
「もふ……うっ」
 勿論そうなれば背中に埋まっていた月が地面に落ちるというもの。べちん、と固い地面に放り投げられた月は我に返る。
「はっ、もふもふに、魅了されていたもふ……!」
 まだその魅了は抜けきっていない様子。だがもふもふなモフィンクスから離れられたのは好都合だ。
「こうなったら、覚悟するもふ!」
 改めて武器を構えると、ぐるりと体を回転させて周囲のモフィンクス達を薙ぎ払ってみせた。
 モフ~ンと吹っ飛ぶモフィンクス達。吹っ飛ばされてもなおもふもふし、もふもふと転がっていく。
 睡眠を邪魔された事で多少は目が覚めたのか。手足をじたばたさせて体勢を整えたと思ったら。
「……モフ……モフ……」
 体の向きを変え、迷宮の奥へと進み、闇の中へと消えていった。
「そうそう、迷宮へお帰りもふ。ここは貴方達の住む場所じゃないもふ」
 まぁもう少し一緒にもふもふしていたかったけれど。と、寂しくも感じつつ。月はモフィンクス達の数を減らしていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

真幌・縫
モフィンクスさん…やっぱり可愛い!
お昼寝してるのかな?そーっと近づいてもふもふ。
幸せそうな顔だなぁ。
(存分にもふったあと)
寂しいけどさよならしなきゃだよね…モフィンクスさんたくさんいるからぬいもぬいぐるみさんをたくさん呼ぶよー。
UC【ぬいぐるみさん行進曲】

アドリブ歓迎です♪



 真幌・縫(ぬいぐるみシンドローム・f10334)は眠るモフィンクスの顔をじっと見つめる。
「モフィンクスさん……やっぱり可愛い!」
 ぱっと明るくなる笑顔。起きないようにそっと近付き、更にその寝顔を眺めてみる。
「うーん、幸せそうな顔だなぁ」
 見ているこっちまで幸せになりそう。そんなモフィンクスの寝顔に手を伸ばし、頬をもふもふ。
 もふもふ、というより、もちもち、に近い気がしなくもない。
「温かいな……もふもふ……」
 もふもふもふもふ。癖になるその感触。なかなかやめる決心がつかない。
 縫は存分にもふもふし、翼ねこさんぬいぐるみであるサジ太にももふらせてあげた。
「モフ……」
 モフィンクスは撫でられていると感じているのか、やはりすやすやと眠り続けていた。
「……これでも、さよならしなきゃなんだよね……」
 もふりながら少し残念そうに呟く縫。そう、モフィンクスと自分は敵同士の関係なのである。故にオブリビオンは排除しなければならない。例え、一見害のない生物だったとしても。
「……仕方ないんだよね」
 この先に目標である犯人が潜んでいる。そして盗まれた動物達を救わなければいけない。ずっとここにいる訳にもいかないのだ。
 それが分かっていても、もふもふとの別れとはやはり悲しい。
「……ぬい、もう行かなきゃ。……さぁ、ぬいぐるみさん達!」
 最後の一撫でを終えると、縫は力強く叫んだ。叫んだと同時に現れる、無数の戦闘用のぬいぐるみ達。
 縫の号令に従い、眠るモフィンクス達に向かってぬいぐるみ達は群がり、ぽこぽこと体を叩く、叩く。
 その攻撃が通じたのかは不明ではあるが、叩かれたモフィンクス達は次々と眉間にしわを寄せると。
「……モフぅ……」
 うるさい、と訴えるような鳴き声。嫌々体を動かすと、モフィンクス達は迷宮の奥の闇へと消えていった。
「……今度は邪魔しない場所で、お昼寝するんだよ」
 縫は逃げ行くモフィンクスの背を眺めながらそっと手を振った。

成功 🔵​🔵​🔴​

柚々・奈七音
アドリブ・絡み歓迎

モフモフ、モフモフと聞いてやって参りましたっ!
盗まれた動物さんたちを助ける為に頑張ります!
あぁ、でもモフモフを助ける為にはモフモフを倒さなくてはならないのですね…

モフィンクスさん、とてもモフモフですね。あぁ、包まれたい…っ!
でも、そこをどいていただかないといけませんね…。
UC【ライオンライド】でライオンさんを召喚します。

一旦がおーっと威嚇してもらって、モフィンクスをかき分けられないか試してみますね。
…それで駄目でしたら、仕方ないです、戦います。
あんまりかわいそうにならないていどに、薙ぎ払っちゃいますね。ごめんなさい…っ!



 もふもふと聞いていざ参戦を果たした柚々・奈七音(終焉を忌む者・f14778)。
「あぁ、モフモフを助ける為にはモフモフを倒さなくてはならないのですね……」
 いざ話に聞いていたモフィンクスを目の前にすると、もふもふ欲求がぐんと上がるというもの。
「モフィンクスさん、とてもモフモフですね。あぁ、包まれたい……っ!」
 彼女は人狼のもふもふマニアである。だから触れてみたくなるのは当たり前なのだ。
 口元か、耳か、小さな手か。それともお尻か? あぁ、何処に触れてももふもふしていそうで……!
「……いえ、しかし、お仕事を優先しなければ……そこをどいていただかないといけませんね……」
 欲求との葛藤。揺れ動く耳と尻尾と心。そんな事など知らず眠り続けるモフィンクス。
 うぅ、と悩み悩んだ末の結果は。
「……ライオンさん!」
 彼女は己の欲に打ち勝ちライオンを呼び出した。黄金に輝くライオンが飛び出すと、奈七音はすぐさま飛び乗った。
「ライオンさん、まずは一旦、がおーっと威嚇して下さい」
 その命令通り、ライオンは姿勢を低く構えると、眠るモフィンクス達に向かって勇ましく咆哮を浴びせた。
 迷宮に響く獅子の咆哮。しかしその直後、
「モフ~ン」
「モフ~ン」
「モフ~ン」
 それをかき消すような鳴き声。モフィンクス達が一斉に鳴き出したのだ。
「え、何です……!?」
 ざわざわもふもふし始めるモフィンクス達。目が覚めて動き出そうとしているのだろうか。奈七音とライオンは周囲を見渡し身構えた。
 さぁ、とうとうモフィンクス達の反撃が始まる!

「……zzz」
 なんて事は起きなかった!
「……?」
 なんとモフィンクス達は咆哮を聞いた事で攻撃されたと勘違いをし、一斉に寝言を言っただけであった。
「……あの威嚇を眠りながら無効化させたという事です……?」
 なんて恐ろしい、そう奈七音は感じるのであった。
「……ならば薙ぎ払うのみです。あぁ、やはり触らなければいけないのですね……」
 触れられる事を喜ぶべきか否か。ライオンにそっと薙ぎ払うよう命令すると、ライオンはじゃれるようにモフィンクスに猫パンチ……ライオンパンチをした(と同時に奈七音もモフィンクスにそっと触れた)。
 モフィンクスはもふもふふにふにしながら転がっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティエル・ティエリエル
「動物達を誘拐するなんて許さないよ!きちんと飼い主さんのところに戻してあげなきゃ!」
ビーストマスターたるティエルにとって動物達は友達。友達が困っていたら手を差し伸べないとね!

モフィンクスの壁についたらダメ元で【動物と話す】を使ってどいてくれないかお願いしてみるね!
お願いしてもどいてくれないならしょうがない……ライオンくんを呼び出して蹴散らしてもらうよ!

【ライオンライド】で体長40cm程度の子供のライオンくんを呼び出して【騎乗】するね♪
ライオンくんに齧ってもらってモフィンクスの目を覚まさせるよ!
しつこくアクビを繰り返すようなら、口を開けた瞬間に風を纏ったレイピアで【属性攻撃】しちゃうよ☆



 ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)にとって動物達は友達である。故に誘拐事件など放っておける訳がなかった。
 誘拐されてしまった可哀想な動物達の為に、小さなお姫様は迷うことなくこの迷宮に潜っていったのだった。

「これがモフィンクスだね! 何だか気持ちよさそうだよ」
「モフ……」
 モフィンクスの顔を覗いてみる。まだ何もしていないのに、眠りを誘う寝顔をしていた。
「これは厄介……どうにかならないかな。……ねぇ!」
 ティエルはモフィンクスの耳元へ顔を近付けると、そこへ向かって声を掛けてみた。会話が通じるか試しているのだ。
「ねぇ、起きて起きて! ここにいると、みんなの邪魔になっちゃうんだって!」
 元気に話し掛けてみるが、モフィンクスの耳がぷるぷるっと震えただけで、目が覚める事はなかった。
「んー、駄目なんだ。しょうがないね」
 耳以外動く様子を全く見せないモフィンクス。会話を諦めたティエルは次の手段へ移る。
「おいで、ライオンくん!」
 くるりと回って腕を広げると、キラキラ光る輝きの中からライオンが飛び出した。ティエルの体の二倍の大きさであるライオンだが、モフィンクスと比べればとても小さい。
 それに、そのライオンはまだ子供なのである。
「子供でも怖いぞー! ライオンくん、行っちゃえ!」
 ティエルの掛け声にライオンも勇ましい(しかし幼く可愛らしい)鳴き声で返事をすると、眠るモフィンクスに向かって走り出した。
 後ろ足を蹴り上げ、思い切り飛び上がるライオン。モフィンクスに襲い掛かり、そのもふもふなお尻をかぷり。
「モフ~ン」
 かじかじと齧るが、モフィンクスのお尻は柔らかかった。モフィンクスは痛みをやわらげようと気の抜けた鳴き声をあげるが、齧られ続けている事によって持続する痛みを無効化する事は出来なかった。
「どう、参った? 参ったなら、ボク達の邪魔をしない事だよ!」
「モフ~ン」
 モフィンクスは眠りの邪魔をされるのが何よりも嫌だった。お尻に噛み付いて離れないライオンをぶら下げながら、モフィンクスは仕方なく迷宮の奥へと逃げていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

月島・彩希
モフィンクスは以前も別依頼で遭遇しましたが相変わらずもふもふしてますね
出来れば道を開けてほしいけど、退かないなら倒す……!
……でも1度だけもふもふしても大丈夫かな?
もふもふ

『もふもふ達との戦い』
鍛えた【ダッシュ】力を用いて高速戦闘
氷の魔力を込めた短槍を【槍投げ】で敵にぶつけて凍結させてから、【怪力】を用いた旋風刃(UC)で【なぎ払い】周囲の敵ごと吹き飛ばす
敵の攻撃には持ち前の【野生の感】で感じ取り、【残像】を用いた【フェイント】を交ぜることで行動を読ませないようにしつつ回避
回避後はすぐさま【カウンター】として攻撃を繰り出す
戦闘中、【戦闘知識】として敵の動きを蓄積することで効率よく行動をしていく



 以前も遭遇し、モフィンクスは見慣れている月島・彩希(灰色狼・f12810)。
 倒す、という意思はあるものの、やはりもふもふの魅力には勝てない。
「……1度だけなら、もふもふしても大丈夫かな?」
 モフィンクスの寝息に耳をぴくぴくと動かしながら、彩希は両手でモフィンクスの頬を包む。
 もふもふ、むにむに、ぎゅっ。
 モフィンクスの顔が伸びたり縮んだり。どれだけ表情を変えられようともモフィンクスは眠り続けている。
「寝てばかりですね、この子達は……」
 こんなにもふもふされているのに全く動かないとなると、流石に少しは呆れてしまう。
 ここまで無害な生き物を攻撃するのは気が引けるが……。
「(もふもふしててもオブリビオン。倒すべき相手……!)」
 もふもふタイムはここで終わり。モフィンクスからそっと手を離す。
 低く身構えると、直後、彩希の姿は消え去った。
 眠るモフィンクスの足元に何処からともなく突き刺さったものは、氷の魔力を帯びた短槍。
「モッ……」
 突き刺さったと同時に周囲に居たモフィンクス達は一瞬にして凍り付く。瞬間冷凍保存だ。
 凍り付いたモフィンクス達の前にやっと姿を現した彩希。愛用の槍をくるりと回すと。
「吹き飛べ!」
 疾風を纏いし灰狼の槍を一振り。疾風による衝撃波と薙ぎ払いによって、モフィンクス達が次々に吹き飛んでいく。
 吹き飛んだモフィンクス達が壁や床に叩き付けられると、体を覆っていた氷もパリンと割れた。
「モフ~ン」
「モフ~ン」
 ここまですれば流石のモフィンクス達も目が覚めるというもの。寒い寒いと体を震わせて鳴き出す。
「さて、まだ冬眠したい子はいますか?」
 ひんやりとした冷気を放つ短槍を見せ付けてやれば、モフィンクス達は渋々と、しかし早足にその場を立ち去って行くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

マリアドール・シュシュ
【華と侍】※アドリブ沢山大歓迎

まぁ!もふもふ迷宮だなんてマリア初めて入るのだわ!
でもこんな可愛いもふもふの壁を退かさなきゃいけないなんて…マリア一人では無理なのよ(首振り
そこのあなたも一人?どうか力を貸して頂けないかしら

マリアは後衛支援しますわ(ドレス翻し竪琴構え
源次に【サウンド・オブ・パワー】使うのよ
陽気なケルト音楽調でパフォーマンスして歌うのだわ!
もふもふのハーモニーも聴けるかしら(くす
歌いつつマヒ攻撃を付与して演奏で攻撃するのよ
おびき寄せで注意を惹きつけ隙を作るのだわ

ごめんなさい、なるべく痛くはしないのよ(しょぼーん
質問されたらちゃんと答えるわ
何でも聞いて頂戴
源次ったら凄いのだわ!(拍手


叢雲・源次
【華と侍】
もふもふ迷宮……面妖だがこの手触りは存外悪くない...
しかし感触に浸っている場合では無い。なんとかしなければ…む、一人と言えば一人だが…いいだろう、その願い、承った。

このもふもふ、確かに感触はいいのだがいささか毛量が多すぎる。なれば、斬る。【電磁抜刀】を以てして余剰ともいえるその柔毛、程よく斬りとらせてもらう。
マリアの後方支援のおかげで滞りなくトリミングが出来るのというものだ。なるほど、これが阿吽というものか。

しかしこの刈り取った柔毛…何か利用出来ないものか

使用技能
【見切り】【早業】【先制攻撃】



「まぁ! もふもふ迷宮だなんてマリア初めて入るのだわ!」
 マリアドール・シュシュ(無邪気な華水晶・f03102)は道端に転がるもふもふを見るなり、ふわりと微笑んだ。
 敵であるとは言えやはり一度は触れてみたくなるもの。マリアドールは近くにいるモフィンクスに近付き、寝顔を見ながらつついてみる。
 ……つんつん、もふもふ。
「なんて可愛らしいのかしら。温かくて、ふわふわで、もふもふなの!」
 あぁ、こんなに大人しい子ならば一匹欲しい。しかしそれは叶わない願い。
「……どうにか退かさなきゃいけないのよね」
 睡眠の邪魔をしなければならない事を思うと、心が痛んでしまう。しかしモフィンクスは敵であり、更にその奥では攫われた動物達が助けを待っている。自分達の目的は、モフィンクスではないのだ。
「ごめんなさいね、なるべく痛くはしないのよ」
 と、声を掛けたものの。どっしりとした体を持つモフィンクスを、マリアドール一人で動かす自信はない。
 戦うにせよ困りましたわ、と首を傾けていたその時。
「……面妖だがこの手触りは存外悪くない……」
 もふもふ、もふもふ。片膝を着いてモフィンクスを撫でる男が一人。
「……もしもし。そこのあなたも一人?」
「はっ」
 マリアドールの声に反応し、我に返った男、叢雲・源次(黒風白雨・f14403)。
「感触に浸っている場合では無かったな、失敬。一人と言えば一人だが……」
「まぁ、丁度良かった! このもふもふ、マリア一人では難しいの。どうか力を貸して頂けないかしら」
「いいだろう、その願い、承った」
 ありがとう、とマリアドールがふわり一礼すると、源次は静かに頷いた。

 黄金律の竪琴(エルドラド・ハルモニア)を構えたマリアドール。その弦から奏でられるは陽気なケルト音楽。陽気であるとは言え楽器は竪琴と歌声のみ。少女の澄んだ声と静かな弦の音が幻想的な空間を作り出す。
「モフ……モフ……」
「あら、歌おうとしてるの?」
 それは寝言なのか、少しだけ目が覚めたものからなのか。モフィンクス達の声が聞こえてくる。
「では、今のうちに」
 源次は歌の邪魔をしないよう、静かに刀に手を添える。
「(このもふもふ、確かに感触はいいのだがいささか毛量が多すぎる)」
 そう、誰にも言えないが彼はモフィンクスの体を滞りなくもふもふしまくっていた。しまくったからこそ気付いてしまったのが毛の量だ。
 丁度良い感触にするにはどうすればいいのか? 自分が出来る事はただ一つ。斬るだけだ。
「……その間合い……いや、その毛……戴くぞ」
 静かに呟き、源次は抜刀する。高速の居合切りは獲物を確実に捉えた。
 カチン、と鞘に収まる刀。はらりと落ちるは黄金の毛。
「……モフッ!?」
 斬られてから数秒が経ち、モフィンクスはやっと気付いた。なんと自分の体がサマーカットされているではないか!
 マリアドールの演奏に気を取られているモフィンクス達の体毛をどんどんと斬っていく源次。
 繊細な居合切りテクニックにより綺麗な体にはなったものの、それに驚いたモフィンクス達は完全に目を覚まし、迷宮の奥へと逃げていくのだった。
 ちょっぴり残念そうにモフィンクス達を見送るマリアドール。その横で床に散らばった毛を拾い上げ、何かを考える源次。
「……確か、こういった柔毛を集めてぬいぐるみを作る、という技術があると聞いたような……」
「まぁ、ぬいぐるみですって? 毛で作ったモフィンクスなら持ち帰っても平気そうだわ!」
 源次ったら凄いのだわ! と少女は嬉しそうに拍手をした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『魔操術師レニオール』

POW   :    コール・ザ・バウンデン・ソウル
【ダンジョンで息絶えた冒険者】の霊を召喚する。これは【噛みつき】や【羽交い絞め】で攻撃する能力を持つ。
SPD   :    アンロック・ザ・ダンジョン・モンスター
【開いた魔導書のページ】を向けた対象に、【ページから飛び出るモンスターの体の一部】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    ブラッド・アンド・アシッド
戦闘用の、自身と同じ強さの【吸血コウモリ】と【強酸スライム】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。

イラスト:水城こさめ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はロザリア・ムーンドロップです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 かくしてもふもふな壁は消え去った。
 その奥へと進んでいくと、そこへ待っていたのは一人の少女。
 寂しそうに一人ぽつんと体育座りをしていたが、猟兵達の気配に気付くと慌てて立ち上がった。
「……あっ! もしかしてモフィンクスをどうにかしてくれたの!? そうよね!? ありがとー!」
 ぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶ少女。
「あー良かった! これで地上に出られるのね! 世界征服計画もバッチリね!」
 世界征服計画? と猟兵達が不穏な言葉に反応すると、しまった、と少女は両手で口を押えた。
「あっ! ううん、違うのよ! 決して世界中をもふもふで征服してやろうなんて思ってないんだから! その為にちょっと動物達を借りたなんて事もないんだからね!」
 聞かれてもいない事を喋ってしまう少女。これはもう駄目だ。やっぱり今回の犯人のようだ。
「な、何よ! 借りた動物達は魔法で巨大化と増殖をさせてみようと思っただけで……まだ何もしてないんだからね! あ、ちょっともふもふしたけど! それだけだから!」
 どうやら盗まれた動物達は無事なようだ。
「うーん、うーん。でも返す訳にもいかないのよ! 私の計画を邪魔される訳にはいかないの! 私のもふもふパラダイス計画、台無しになんかさせないんだから! だからそこを退いて!」
 魔導書をぱらりと開き、猟兵達を睨む少女。その瞳と表情からは、本気である事が窺える。

 さて、お気付きだろうが彼女、魔操術師レニオールはモフリストである。故にもふもふな話題には大変食い付くお年頃である。
 どうにか彼女の気に入る話題を持ち込めば、もふもふに気を取られ戦闘力を減らせる可能性がある。そうなればこっちのものだ。
 もふもふの壁を突破してきた猟兵達なら、彼女だって何とかやっつけられるはずだよね!
十六夜・月
世界の半分のモフモフをお前にやろう・・・どうだ?我々の仲間にならぬか?

なんてこと言ったら少しは油断してくれるだろうか・・・
心もとない[言いくるめ]で一応油断させてみる~

結局、本体との直接戦闘は避けたほうがいいのかねぇ。私にはそんな力なさそうだし・・・お味方さんの援護でいいかな。

基本は召喚された雑魚の処理。それができれば仲間は戦いやすくなるだろう。
ver.pul【1610L-BFS】での[援護射撃]をメインに[早業][先制攻撃][クイックドロウ]での速攻攻撃。[範囲攻撃]でできるだけ多くの取り巻きを排除することに専念する。


ティエル・ティエリエル
「むむむ、キミが動物くん達を誘拐した犯人だね!悪いことした子にはお仕置きだよ!」

【ライオンライド】で呼び出していた子供ライオンくんに【騎乗】したまま、レイピアを突きつけて啖呵をきるよ!
モフリスト?がライオンくんのもふもふっぷりに気をとられているところを風を纏ったレイピアで【属性攻撃】しちゃうよ☆

正気に戻ったレニオールが魔法で攻撃してきたら、ライオンくんを縦横無尽に駆け回りながら【見切り】で回避!
隙を見て【カウンター】で再び【属性攻撃】をお見舞いしちゃうぞ!

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



 さぁボスの登場だ! 十六夜・月(自由気ままなダンピール・f12574)は腕を組み仁王立ちすると、レニオールに対してこう言い放ってやった。
「世界の半分のモフモフをお前にやろう……どうだ? 我々の仲間にならぬか?」
「な、何ですって?」
 いきなりの魔王登場! 思わずレニオールは後退る。たらり、汗が流れる。
「……いえ、騙されないわ。貴方にそんな力があるとは思えない!」
「それがあるのよ~。あなた、学園中の動物を拉致ったらしいわね。どう? 仲間になるのなら、学園のもふもふを半分……いや、三分の二くらい譲ってあげてもいいけど?」
「学園の……もふもふを……!?」
 レニオールは学園のもふもふがどれだけいるのか知っているのだろうか。多分思ってるほどいないと思う。
 月の話術に頭を悩ませるレニオール。するとそこへ……。
「おりゃー!」
 小さい何かがこちらに向かってくる!
「キミが動物くん達を誘拐した犯人だね! 悪いことした子にはお仕置きだよ!」
 声の主は子供ライオンに乗ったティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)だ。子供ライオンも強そうに鳴いて威嚇する。
 月の背後から飛び出したティエルに驚き反応が遅れてしまったレニオール。防御する姿勢も取れず、正面から思い切り子供ライオンの飛び付きを喰らってしまう。

 もふっ。

 レニオールの顔面を覆ったのは子供ライオンの腹部。温かく柔らかいお腹に目の前が物理的に真っ暗になるが。
「もふ、もふ……? 鬣がまだない代わりに、体がもこもこしてる……! そ、そうだ! もふもふで相手の視界を塞ぐ攻撃もアリね!」
 しがみ付く為に頭に爪を刺されようとも、レニオールはもふもふを優先する。そして分析する。なんというモフリスト魂(?)なのだろう。
「なんて事なの、ライオンくんの体当たりが効かないなんて!」
 ならば気を取られている間に、とティエルがレイピアに魔力を込めたその時。
「おっと、この子供ライオン、使えそうだから貰っちゃうわね!」
 レニオールは子供ライオンに顔を覆われたまま、外側へ向けて魔導書を開いた(勿論見えていないので適当にページを開いた)。
 開いたページから突然飛び出してきたのは、巨大な何かのもふもふ尻尾。敵を振り払うようにぶんぶんと暴れ出した。
 レニオールはティエルの声がした方へ魔導書を向けた……つもりだったのだが、残念ながらティエルが今居る場所は子供ライオンの背中、つまり言葉通り目の前である。
 そう、全然当たっていないのである!
「わ、もふもふ攻撃かぁ。当たってみたいけど……流石に痛いかなぁ」
 流石にもふもふでも怪我をしそうな物理攻撃はノーサンキュー。月はマスケット銃であるver.pul【1610L-BFS】を素早く構えると、もふもふ尻尾に銃弾を数発撃ち込んだ。
 狙いを定める動作など彼女には必要ない。何故なら必ず『当てる』のだから。
 勿論、撃った銃弾は獲物に全弾命中した。もふもふ尻尾は大人しくしゅるしゅるとページの世界へ帰っていく。
「よーし、改めて今のうちに!」
 竜巻を纏ったレイピアを掲げたティエル。子供ライオンがレニオールの顔面を蹴飛ばし距離を取ると、背中に乗ったティエルがレイピアを突き付ける。
 先端から激しく噴き出す突風、そして荒れ狂う竜巻。レニオールは吹き飛ばされると同時に魔導書を手放してしまった。
「わぁん! 私の『大魔導もふもふ大全集』がぁー!!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

真幌・縫
動物さん達がまだ無事みたいで一安心♪
んーでも動物さん達を使って世界征服はしないでほしいかな?

あ!この子もふもふのことが好きなんだね!
ぬいももふもふ好きだよー。さっきのモフィンクスさんもすごくもふもふだったよ!
君はモフィンクスさんはもふもふした?
モフィンクスさん最高だよ!

じゃあねぇこんなのはどう?
UC【ぬいぐるみさん行進曲】
モフィンクスさん似のもふもふぬいぐるみさん達だよ!
攻撃開始ーじゃなくてもふもふ開始ー。
どう!とっても可愛くってもふもふでしょ!?
(でもダメージは与えてる)

アドリブ絡み歓迎です♪



 動物達が無事である事にひとまずは一安心。真幌・縫(ぬいぐるみシンドローム・f10334)はほっとした。
 自分と同じもふもふ好きではあるけれど、世界征服までは賛同出来ない。その為に動物達を使う事なんて尚更だ。
 だけど……会話はしてみたいかも。
「あのね、あのね。ぬいももふもふ好きだよー」
「えっほんと?」
「うん、君はモフィンクスさんはもふもふした? モフィンクスさん、すごくもふもふだったよ!」
「あら、あなたモフィンクスの良さが分かるのね!」
 私が召喚したのよ、とドヤ顔するレニオール。さっきまで困ってたくせに。
「毛がもっさりと長い生き物だけがもふもふしている、とは限らないのだわ。毛の長さ、毛並みや体の柔らかさ、温かさ……それらが合わさって初めてもふもふになるのよ!」
「んー……確かにモフィンクスさんは柔らかかったし、一緒にお昼寝したくなっちゃうもふもふだったなぁ」
「モフィンクスはもふもふの守護神よ。気持ちいいに決まってるじゃない!」
 モフィンクス自慢をし始めるレニオールは何処か嬉しそうだ。そんなにモフィンクスが気に入っているのなら、と縫はサジ太と目を合わせ頷いた。
「じゃあねぇ、こんなのはどう?」
 サジ太を掲げると、その背後に現れた亜空間から現れたのは、大量のぬいぐるみ達。しかもモフィンクスに似たもふもふ大群だ!
 もふもふもふもふ、という走る音を立てながらレニオールに群がると、そのもふもふな体で彼女をもふもふした。
「どう! とっても可愛くってもふもふでしょ!?」
「も……なに、これ……もふもふ……っ!」
 モフィンクスぐるみの群れにぎゅうぎゅうされて苦しそうだが、やっぱり嬉しそうだ。
「こうして……もふ窒息、させるのも……もふ……アリね……っ!」
「……つ、使わせないよ!」
 本当はそういう技じゃないもん! と縫はちょっとだけ後退りしてしまった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベルカ・スノードロップ
彼女にとってもふもふは【誘惑】ですよね
では、楽園へと誘いましょうか……
ユーベルコードで、もふもふな子たちを召喚して嗾けましょう
SPDは苦手ですけど、相手がもふもふが好きなら、避けませんよね。きっと。

そうしたら【ロープワーク】で捕縛させて貰いますね
【鎧砕き】で服の一部を破らせてもらいます
首筋が露出する程度でしょうか……
そうしたら、ダンピールらしく【吸血】させてもらいますね
ついでに【生命力吸収】もしちゃいます
ちょっと血と生命力を頂いてしまいましょうか
「この子たち、もっともふもふしますか?」
――お代は、血と生命力ですけど



 ベルカ・スノードロップ(享楽を求め続ける"ようかん"司祭・f10622)は彼女の弱点を知っている。そう、もふもふだ。
 弱点が分かれば後は簡単だ。思うがままに操れる。
 やはりこの手の女子は……チョロい。
「いいでしょう。私があなたを楽園へと誘ってあげましょう」
「楽園? そこへ行くのはあなたの方よ!」
 レニオールは魔導書のページを開き、ベルカに見せ付ける。白紙だったページから巨大なもふもふ腕が現れる。もふもふだが油断は出来ない、鋭い爪もセットなのだから。
「おぉ、そんな爪を隠していたとは。侮れない女性ですね」
 腕が当たらない場所へと一旦下がると、ベルカは自身の背後に巨大な扉を召喚した。
「では、私の用意した楽園を見せてあげましょうか」
 ゆっくりと開く楽園への扉。光差し込むそこから飛び出したのは――。

 もふっ。
 もふっ。
 もきゅ。

 もふもふな羊さん、冬毛の狐さん、白い毛玉鼠さんの三匹だった。……あれ、毛玉鼠さんさっきも出てなかったっけ?
 さぁさぁ行ってらっしゃい、とベルカが命令すれば、三匹は空中を飛び回りもふもふ腕を軽々と避けていく。避けていく先に見えるのは……勿論レニオールだ。
 羊さんはレニオールの顔面にもふっと貼り付き(さっきもこのパターンあった気が……)、狐さんは魔導書を持つ腕の中に自ら包まれていき、毛玉鼠さんは……迷った挙句頭に乗っかりもきゅもきゅ鳴いた。
「何、これ。視界も、腕も、もふもふ。耳は、もきゅもきゅ……」
 ぱら、と魔導書を落とし狐さんを優しく抱き締める。召喚されていたもふもふ腕はページの中へと帰っていった。
 視覚も聴覚も奪えばこっちのもの。ベルカはロープを手に取りレニオールをぐるぐる巻きにした。
「……たまには目隠しプレイも有りでしょう」
 羊さんのもふもふ力によって眠気に襲われているレニオール。彼女の顔に羊さんをくっつけさせたまま、ベルカはそっと彼女の首元を破く。白い首筋が露わになれば、そこへ顔を近付け、かぶり。
「うっ」
 流石のレニオールも噛み付かれた痛みには気付いた。しかし彼女は動けない。腕はもふもふ、視界ももふもふ。頭上ももふもふ。モフリストの彼女が動く事など許されるはずがなかったのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

柚々・奈七音
アドリブ・絡み歓迎

もふもふ世界征服…!す、素敵です!!素晴らしいです!
世界中がもふもふ、もふもふ……はっ!いけません、いけません。
騙されるところでした、危ないです。
動物たちを返してもらうためにも、少しお仕置きしなくては、ですね。

もふもふは素晴らしいです。お友達になれそうです。
でも、誘拐と迷惑はいけません。

UC【ライオンライド】でライオンさんを召喚して、レニオールさんの気を引いてみます。
ライオンさんのもふもふで注意を引き付けられたら、その隙にロッドで殴って攻撃です!
あ、引き付けられなかった場合もロッドで殴って交戦します。【怪力】



 もふもふ世界征服なんて言葉、内容はどうあれもふもふ好きには魅力であった。
「世界中がもふもふに……?」
 柚々・奈七音(終焉を忌む者・f14778)は自分の尻尾をふるふると震わせながら世界中がもふもふに包まれる想像を思い浮かべた。やはり良いものだ。
「そ、そこのあなた! 世界征服に興味が?」
 猟兵達からの様々な攻撃を受けて来てダメージを負っている(というより体力的に疲れてきている)レニオールは奈七音に声を掛ける。
「何処へ行ってももふもふがある生活なんて……す、素敵です!! 素晴らしいです!」
「分かってくれるのね!」
 目を輝かせる奈七音を見てレニオールの疲れは吹き飛んだ。二人はがっしりと握手を交わす。
「そう! もふもふは皆の幸せ! だからもふもふ達の協力は必要不可欠なのよ!」
 レニオールのその発言に、奈七音はハッと思い出す。そう、目の前の彼女は学園の動物達をさらった犯人なのだ。
「協力、ですか……」
「そうそう協力。もふもふの魅力を知らない人達に教えてあげるのよ、もふもふはこの世で最強だってね!」
 にこやかにそう告げるレニオールに対して、奈七音の笑顔は段々と悲し気なものに変わっていく。
 お友達になれそうだったのにな、と残念そうに握手する手を離すと。
「もふもふは素晴らしいです。でも、誘拐と迷惑はいけません。布教したい気持ちも分かりますが、無理に物事を押し付けるのは良くない事です。動物達にも、人にも」
「……うーん、そっか」
 後ろへ下がりレニオールから離れていく奈七音。レニオールも少し残念そうだ。
「……じゃあ私が勝ったら、あなた、世界征服計画手伝って頂戴!」
 レニオールは魔導書のページを開き見せ付けると、そこから現れたのは巨大なもふもふ尻尾だ。
「っ、ライオンさん!」
 すぐさま黄金に輝くライオンさんを召喚して飛び乗り、尻尾の叩き付け攻撃を避ける奈七音。
 輝く光を残しながら空間を駆け巡るライオンさんに、レニオールも必死に魔導書を動かし尻尾を操る。
「そのライオン、良い鬣ね!」
「ならば、もふもふしてみますか?」
 ライオンさんに指示を出せば、ライオンさんはレニオールに向かって吼えながら思い切り飛び付いた。咆哮に怯んだ隙を見て、奈七音はすれ違いざまにビスコッティ・ロッドでレニオールの頭部を殴ってみせた。
 ゴン、という鈍い音を立ててレニオールは地面に叩き付けられた。

成功 🔵​🔵​🔴​

叢雲・源次
【華と侍】
察するにこの女。もふもふに目が無い上にかなり『迂闊』な性質と見える…しかし、もふもふに歓心を抱いている点については、若干の共感を憶えなくもない。故に、マリアのそれに倣ってこれを進呈しよう。先ほどモフィンクスの柔毛をトリミングした際に不要となった毛を使って作ったケルベロスだ(柔下を集めてクソ不器用ながら精一杯形作ったケルベロス)
やめろマリア。その生暖かい笑みをやめろ。俺とて似合わない事をしているというのは承知の上だ。

これに興味と感嘆を得た所を、すまないがこの騒動を終わらせる為でもある。ケルベロス(に興味を引かれたところを狙った)ブレイド(電磁抜刀峰打ち。【先制攻撃】【早技】を添えて)


マリアドール・シュシュ
【華と侍】アドリブ◎

もふもふを愛する者同士で争いなんて…
それよりもこれを見て頂戴!(先程の戦闘で源次カット(と名付けた)により刈られた毛を上手く【祈り・料理】し即興で作ったもふ一角獣のぬいぐるみ
もっふもふなのよ!あなたもお一ついかが?
(源次作を見て)まぁまぁ…お可愛いこと(勝ち誇った笑み

ええ、幕引きは必要なのよ
素敵な計画だけれど、常にもふもふがあると人は駄目になってしまうわ
マリアだって本当は(マヒ攻撃を付加し演奏攻撃)したくないのよ
攻撃されたら音の誘導弾でカウンターし相殺なのだわ

さぁいらっしゃい(【華水晶の宴】発動
18体で四方八方からお願いよ
合体も可能だわ
各3体ずつマリアと源次を護衛させるのよ



 好きなものが同じ者同士が争う。それはなんと悲しい事か。
 道中を共にしたマリアドール・シュシュ(蜜華の晶・f03102)も叢雲・源次(炎獄機関・f14403)も、レニオールに対して複雑な思いを抱いた。
 ……だからこそ思い切って彼女に自慢したいのである!
「ねぇあなた、これを見て頂戴! もっふもふなのよ!」
 じゃーん! と二人がレニオールに見せたのは、もふもふころころした黄色いぬいぐるみであった。
「な、何それ!?」
「ふふ、ここに向かう間に作りましたの。モフィンクスの毛で!」
 先程、見事な源次カットによって床に散らばったモフィンクスの毛。それをせっせと集めてぬいぐるみを作ってしまったのである!
「そ、そんな事が……っ!!」
 レニオールは感銘とショックを受けた。魔法を頼る彼女にとって、手作業というものは頭になかったのである。
 マリアドールの持つぬいぐるみは可愛らしい一角獣の姿をしていたのだが、源次の持つぬいぐるみは……。
「これはケルベロスだ」
「まぁまぁ……お可愛いこと」
「やめろマリア。その生暖かい笑みをやめろ。俺とて似合わない事をしているというのは承知の上だ」
 不器用ながらも真面目にぬいぐるみを作っていた源次。それを知っていながらも勝ち誇った笑みが隠せないマリアドール。
「モフィンクスの毛からこんなに違う姿に……! あなた達、どんな魔法を使ったの!?」
 そんな二人を無視してぬいぐるみに興味を持つレニオール。どちらも素晴らしい! と目を輝かせている。
「え、いや、マリアのものは分かるが、俺のものもか?」
「当たり前じゃない! モフィンクスから別のものを生み出すなんて、只者じゃないわ!」
「それなら、マリアのぬいぐるみも、源次のぬいぐるみもあなたにあげるわ。その為に用意したのだもの!」
 二人はお手製ぬいぐるみをレニオールに渡すと、彼女は子供の様に喜び、大事そうに抱き締めた。
「凄いわ、凄いわ! ねぇねぇ、どうやって作ったのかも教えて頂戴?」
「……残念ながらそれは断る」
「えぇ、幕引きは必要なのよ」
 だって、あなたに教えたら悪い事に使ってしまいそうだもの。

 突然の抜刀。突如レニオールを襲う痛み。
「あれ……?」
「幸福と思えるものも、悪事に使えば恐ろしい武器となってしまうのだ」
 呟く源次。腹部を柄で突かれるレニオール。よろり、後方へと下がれば。
「もふもふな世界……素敵な計画だけれど、常にもふもふがあると人は駄目になってしまうわ」
 黄昏色に眩くハープを手に持ったマリアドールが悲し気に歌う。本当はこんな事したくないのよ、と。
「過度の堕落。それは世にとって相応しくない。すまないがここで終わらせて貰う」
「そ、そんなぁ……!」
 レニオールは腹部を抑えながら、片手で魔導書をぱらりと開いた。そこから現れたのは、巨大なもふもふの顔が三つ。三つ首の獣だ。
「可愛い可愛い一角獣さん、いらっしゃい──さぁ、マリアに見せて頂戴? 合わさりし時に目覚める真の力を」
 それに対してマリアドールがハープを奏でながら呼んだものは、宝石の体を持つ一角獣、クリスタルユニコーン。自分の作ったぬいぐるみとそっくりだ。
 クリスタルユニコーンはそれぞれマリアドールと源次を囲むように飛び跳ねた。
 三つ首のもふもふが噛み付こうと狙うが、クリスタルユニコーンの鋭い角によって跳ね返されてしまう。
「……次回、作る時の参考にさせて貰おう」
 源次は三つ首の頭上へ飛び上がると、刀を横へ一線。三つの顔を同時に斬り裂いた。
「きゃあ!」
 召喚したもふもふが消滅した衝撃波で吹き飛ばされるレニオール。立ち上がろうともするが、動く事は出来ない。
 あのハープの音色と少女の歌声が聴こえる限り、意識が朦朧として全身が痺れてしまうのだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

月藤・紫衣
ふわもふは素晴らしい、そこには大変同意をしましょう。

モフィンクスは確かにふわもふで大変愛らしい存在ですが、個人的には眠りネズミや黒ヤギさんも素晴らしい。
眠りネズミさんのもっふりとした毛並みは触り心地もさることながら、思わず顔を埋めて深呼吸したいくらいのボリュームがいいです。
黒ヤギさんは、毛足を短く揃えられているように見えますがその手触りは一級品。
通常のヤギにあるようなごわつきなどなく、アンダーコートまでふわふわ感が素晴らしい。

と、ふわもふ語りに気が散っている間に【散花風棘】で周囲を包囲、動きがあれば一気に縫い止めて足止めと牽制をし、他の猟兵のお手伝いをさせていただきます。

(アレンジetc歓迎)



「ふわもふは素晴らしい、そこは大変同意をしましょう」
 月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)は柔らかな拍手をレニオールに向けて送った。
「所で、配下にモフィンクスを選んだ理由はあるのでしょうか?」
「えっ。えっと……もふもふの守護神なら触り心地は間違いないと思ったからよ!」
 適当に選んで召喚したから、なんて今更言えない。
「モフィンクスは確かにふわもふで大変愛らしい存在ですが、個人的には眠りネズミや黒ヤギさんも素晴らしい」
「!!」
 魔導書に載っていた名前だ。レニオールはぴくりと反応した。その様子を見て紫衣は言葉を続ける。
「眠りネズミさんのもっふりとした毛並みは触り心地もさることながら、思わず顔を埋めて深呼吸したいくらいのボリュームがいいです。名前の通り、思わず一緒に夢の中へ行きたくなる魅力も持ち合わせていますよ」
「(うんうん、と頷いている)」
「黒ヤギさんは、毛足を短く揃えられているように見えますがその手触りは一級品。通常のヤギにあるようなごわつきなどなく、アンダーコートまでふわふわ感が素晴らしい。愛らしいその姿は皆のマスコット的存在にもなりましょう」
「(ぱあぁ、と笑顔が輝く)」
 紫衣先生のもふもふ講義を熱心に聞くレニオール。災魔にそこまでもふもふな種類がいるとは思ってもいなかったようだ。
「凄いわ、物知りね! どうしてそんなに知っているの?」
「えぇ、何。様々な場所を歩き回れば自然と巡り合うものですよ」
 そう。素敵なものも、そうでないものも。

「君も一度旅をしてみたら、変われたかもしれませんが」
 災魔、オブリビオンになってしまった以上、それはもう叶いませんね。

 紫衣の優しく静かな目に潜んでいた哀れみの色が見え始める。
 そっとレニオールの肩に手を添えれば、その周囲を囲ったのは鋭く長い棘である。
 疾風を纏い、その風には花びらとその香りがひらりと舞う。棘は首元を、手元を、足元を、封じるようにぐるりと縛り付けた。
「え、ちょっと……!」
 彼女を置いて紫衣は引き下がる。彼女を囲むその棘達は、やがて森色のアイアンメイデンを作り上げた。
「ふわもふでなく申し訳ありませんが。せめてその魔導書と共に良い夢が見られますように」
「や、やだやだ! ちくちくは嫌っ!!」
 君はもふもふを求めた魔女。さようなら。
 レニオールは棘の中へと消えていった。姿を消したと共に、アイアンメイデンの周囲にふわりと漂う藤色。
「――花を散らすは風の棘」
 目を閉じ、そっと呟く。棘の幹に咲く藤色はなんとも儚げに。

 かくして、学園の動物達を盗んだ犯人はいなくなった。動物達も無事という情報もある。後は共に学園へと帰還するだけだ。
 好きなものを愛する気持ちは同じなのに、こんなにも歩む道は変わってしまうのだな。そう猟兵達はしみじみと感じるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『もふもふなお手伝い』

POW   :    動物をたくさん運ぶ等、力仕事でできるお世話

SPD   :    ブラッシング等、自分の器用さ・技量を活かしたお世話

WIZ   :    動物に関する知識等を活かしたお世話やアドバイス

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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 無事に盗まれた動物達が帰って来た事に喜ぶ学園の生徒達。飼育委員達のチェックも終わり、特に怪我もない事が分かった。
「皆さん、本当にありがとうございました! 悪い事に使われずに済んで良かったです!」
 巨大化する所は見てみたい気もしたけど……なんて冗談を言いながら笑う飼育委員。
「いえいえ、この子達は『この姿』だからこそ可愛いんですよ。ねー、みみたん?」
 と、膝の上に乗るウサギ(みみたん)に話し掛けながら撫でる。大分溺愛しているようだ。
「よろしければ、ここの動物達を見ていって下さいよ。どの子も自慢の子達ですから」
 そう飼育委員に言われ、猟兵達は飼育室に案内された。

 今回盗まれた動物達は小さな動物であったが、それ以外にも犬や猫等、他の動物も飼っているようだ。
 猟兵達は静かに飼育室を見回っていたが……飼育委員達は慌ただしく動き回っている。
 体を洗う為にシャワー室へ動物を運ぶ者、ブラッシングをする者、餌やおやつをあげる者……。
 流石にバタバタしている所を邪魔する訳にはいかない。ならばやる事は一つ。
 お手伝いを装って(ちゃんとやるけど!)動物達をもふもふすればいい!
 そうすれば飼育委員達も助かる、猟兵達も動物と触れ合えて嬉しい!うぃんうぃんである!
 さぁ、ならばさっそく行動開始だ!
月藤・紫衣
……さぁ、切り替えて行きましょう。
何やらとても忙しいようですしお手伝い、と称して動物達をもふもふすることにしましょう。

ブラッシングや洗うことも魅力的ですが、お手伝いですからね。
困っていそうなところから、ということで動物達を運ぶお手伝いをしようかと。
え?籠を使って運んでもいい?
………いいえ、そちらの籠はあなた方にお預けいたします。
ふふ、ちょっと力には自信がありますので。

ああ…もふもふ…もふもふですね…これはすばらしい…。
抱えられるだけ抱えてみましたが、これは、なかなか…。
たっぷりふわもふを堪能しつつ、せっせと運びましょう。

(アレンジetc歓迎)


真幌・縫
SPD
全体的に【優しさ】を込めて☆

動物さんたちがみんな無事でよかったね。
かなり小さい子もいるから数え間違えとかない?迷宮に置いてきたまんまだと大変だからね。

ここの子はみんなもふもふだね。
とっても可愛がってもらってるってのが伝わってくるよ〜。
ぬいもブラッシングさせてもらっていい?
モルモットさんとかうさぎさんとか可愛くてもううずうずしちゃう…!
あっ、ぬいは翼猫のキマイラだけど食べたりしないからね!
ふふ、もふもふで可愛いなぁ。

アドリブ絡み歓迎です♪


リシェア・リン
SPD≧WIZ

もふもふに始まり、もふもふに終わる…。
こんな幸せなお仕事ばかりだったらいいのにね
ああ、モフィンクスももっともふもふしたかったわ…!

…後悔は残るけど、気を取り直してお手伝い頑張らなきゃ
実家でも猫さんを飼っていたし、動物のお世話は得意なのよ
ブラッシングは優しく、丁寧に
私の尻尾よりずっと小さいから、傷付けないようにしないとね

猫さんや犬さんは、塩分を分解するのが人間より苦手なのよね
おやつの味付けはごく薄く、素材の味に近いものを
…どう?美味しい?

このまるっとつぶらな瞳、柔らかくてふわふわの手触り…。
ああ、もふもふって最高…!(もふもふなでなでもふもふなでなで)

※アドリブ、絡み大歓迎です


ティエル・ティエリエル
「あれ、さっきまで一緒にいたライオンくんがいないよ!?」

消えたライオンくんを探してたら、学園の動物達と一緒にブラッシングされてる場面に遭遇だよ!
もう、しょうがないなーとボクもブラッシングのお手伝い!
両手で抱えるようにブラシを持って、【動物と話す】技能を使って気持ちいいところを確認しながらブラッシングしていくね♪

ブラッシングが終わればみんなに包まってお昼寝しちゃうかも☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



 一仕事終えて疲れも残っている猟兵達。しかし動物達と触れ合えば、その疲れも癒されるはず。
「6……7……あ、動かないで!」
 真幌・縫(ぬいぐるみシンドローム・f10334)は飼育委員から借りたリストを片手にハムスターの数を数えていた。ケージの中を駆け巡るハムスターはどの子も元気そうだ。
「うーん、どの子も丸くて可愛いな。もふもふだね」
「えぇ本当。もふもふに始まり、もふもふに終わる……こんな幸せなお仕事ばかりだったらいいのにね」
 リシェア・リン(薫衣草・f00073)も隣で頷く。迷宮のオブリビオンではあるが、ほぼ無害であったモフィンクスはやはり捨てがたかった。もっともふっておけば良かった……!
 ここにいる動物達はモフィンクスほど大きくはないが、もふもふは大きければ良いというものではない。
「そちらは数え終わった?」
「うん終わったよー。これで全部だね」
「それじゃあ、ブラッシングを始めましょうか」
 リシェアの微笑みにつられて縫もにぱっと笑顔になる。待ちに待った触れ合いタイムの始まりだ。
「お二人もブラッシングですか? では、こちらを頼みましょうか」
 少女達の背後からやって来たのは月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)。両腕いっぱいに抱えた何かを見せようと片膝を着くと。
「はい、アルダワアンゴラウサギさんです」
 もふっ、と置いたのは巨大な白い毛玉。よく見てみると確かに顔らしきものが埋もれている。
「わ、大きなもふもふ!」
「なんて事なの、これがウサギさん……?」
 これでもかという程もふもふに包まれたウサギに驚く縫とリシェア。これはやりがい(ブラッシング的な意味でも、もふる的な意味でも)がありそうだ。
「宜しくお願い致しますね。……さて、私は」
 粗方の動物達は運びながらもふもふした紫衣。どうせならここの部屋にいる動物達は全員抱いてやりたい。なんて罪な男……!
 なんて事を思っていると、早速足元に子猫ちゃん達がすり寄って来た。
「おや、小さいのになんて立派なもふもふ……」
 ごろにゃんする子猫達を一匹ずつ拾い上げると、柔らかい体ともふもふを堪能しながらブラッシングをする台へと運んでいく。
「みぃ、みぃ」
「ああ、感触だけでなく耳まで……ふわもふ……すばらしい……」
 もふもふと幼い鳴き声に心打たれる紫衣。穏やかな口調の中に抑えきれない何かを感じる。
 そんな彼を現実へと引き戻したのは、ふわりと飛んできた一人のフェアリー。
「ライオンくんー、何処かなー?」
 声の主はティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)だ。先程まで一緒にいたはずのライオンくんが忽然と消えてしまったので、部屋中を探し回っているようだ。
「おかしいな、絶対何処かにいるはず……っ!?」
 見付けた! なんと子猫達に混ざって紫衣に運ばれているではないか! 子猫達とライオンくんは無事にブラッシング台へと到着してしまった。
「ら、ライオンくんー!? もしかしてブラッシングされたいの?」
「……おや、気付いたらライオンの子供まで運んでいました」
 横から飛んできたティエルが視界に入ってやっと気付いた紫衣。ライオンくんはブラシをちょいちょいとつついて催促している。
「折角ですから、この子達のブラッシングやってみますか?」
「もう、しょうがないなー」
 なんて言いつつも、やる気は満々なティエル。よいしょ、と自分の体と同じ大きさのブラシを抱える。
「じゃあ、みんな何処が気持ちいいのかな?」
 そうティエルが動物達に話し掛けると、動物達はごろりと仰向けになった。
「お腹だね! よーし!」
 張り切るティエル。紫衣に手伝って貰いながらも、優しくブラシで撫で始めた。

「ふふ、もふもふ……♪」
 ブラッシングを終えた縫は、さらに磨きのかかったウサギのもふもふをもふもふしていた。
 リシェアは持っていたお手製のおやつをウサギの目の前に置き、食べている様子をそっと見守っている。
「……どう? 美味しい?」
 そう問うも返事は返って来ない。しかし食べ続けるその姿は『美味しい』という事なのだろう。
「可愛い……もふもふ……ああ、最高……!」
 やっぱりもふ欲には勝てない。リシェアも、相手の食べる邪魔をしない程度にもふもふし始める。
「ねぇ、そのおやつ他の子にもあげてこない? 仲良くなってもふもふさせてくれるかも!」
「そうね、折角用意したのだもの。色々な子とお友達になりたいわ」
 縫の提案にリシェアも頷き、二人は紫衣の元へと移動する。
「あの、おやつ持ってきたのですが……?」
 声を掛けたリシェアに、紫衣は無言で人差し指を立てる。
 これ、と微笑みながら人差し指を向けた先には。
「……もふ……」
 子猫達とライオンくんに囲まれて眠るティエル。
 最高のもふもふベッドに包まれてお昼寝をするお姫様の姿に、三人は静かに笑い、飼育委員達も呼んで見守ったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

十六夜・月
【アルカナ魔法商会】[ベルカ・奈七音と同行](SPD)ここまで来たら存分にもふもh・・・ブラッシングをしようじゃないか!おっとこんなところに大きな狼さんが・・・これはブラッシングという名のもふもふするしかないジャマイカ!そういいつつ奈七音さんをベルカさんと一緒にもふもふもふもふする。寄ってきた動物が来たら奈七音さんと一緒にモフモフ。しかしこの子たちにはちゃんとブラッシングもしてあげる 


ベルカ・スノードロップ
【アルカナ魔法商会】

ユエさんと一緒に、奈七音さんもふもふすることにします

耳やらしっぽやら、色々なところを、もふもふ(健全な範囲ですよ。健全な)
「ユエさん。奈七音さんも、なかなかに良いもふもふ具合ですよ」
ひとしきりもふもふしたら、奈七音さんの髪をブラッシングします
あ、動物用じゃないですよ。ちゃんと持ち込んだ櫛です
癖っ毛なんですね。奈七音さん。これは、梳き甲斐がありそうです。

ブラッシングしていると、私に登ってくる仔猫さんが現れました
その子には好きにさせつつ、奈七音さんの髪を丁寧に梳いていきます

うん。なかなか上手に梳けました


柚々・奈七音
【アルカナ魔法商会】(ベルカさん(f10622)・月さん(f12574)と同行)

やっと思う存分動物さんたちをもふもふできますっ!さぁ、気合いを入れてもふもふ…もとい、お世話しますっ。
膝に乗りそうな子を抱えてブラッシングしてあげます、もふもふ。もふもふ。…あれ……?なぜわたしはベルカさんと月さんにもふもふされているんでしょう…?
わたしがもふもふされるのは何というか不思議な…ひゃ、な、なんだかくすぐったいです…っ!



「やっと思う存分動物さんたちをもふもふできますっ!」
 ぽん、と手を叩き嬉しそうにする柚々・奈七音(終焉を忌む者・f14778)。好きな子を選んで触れ合えるだなんて、まさにもふもふ天国!
 気合十分な奈七音。早速どの子から相手をしてあげようかきょろきょろと見回す。
「そうですね……では順番にこの子からブラッシングしてあげましょう」
 ケージの中から一匹拾い上げたのは毛の長いモルモット。大人しそうな子だ。
 椅子に座り、自分の膝の上へそっと置き、なでなでもふもふしながら優しくブラッシングを始める。
「はぁ……見るだけでも癒されますね……」
 それはもう思わず溜め息が出てしまうほどに。

「おっと、ベルカさん。こんなところに大きな狼さんが……」
「本当ですね、ユエさん」
 ちょっとわざとらしい言い方で人狼発見を報告する十六夜・月(自由気ままなダンピール・f12574)とベルカ・スノードロップ(享楽を求め続ける"ようかん"司祭・f10622)。
「これはブラッシングという名のもふもふするしかないジャマイカ!」
「であれば有言実行ですね」
 しゃきーん、と用意したのは数々の櫛。今、二人の悪い大人が可憐な少女に狙いを定める!

「ふふ、もふもふ……ひゃっ!?」
 奈七音に突如襲い掛かった違和感。耳も尻尾もピーンと立った。
「おや、動かないで下さい。動かなければ悪い事はしませんよ」
「そうだそうだ、大人しくブラッシングされるがいい!」
「ええ……? ベルカさんと月さん……?」
 脅迫(?)されるがままに大人しくする奈七音。仕方がないのでそのままモルモットのブラッシングを続ける事にする。
「ただでさえもふもふしているこの尻尾、更にもふもふにしてみせよう!」
 月は秘密道具、グルーミングスプレーを取り出すと、奈七音の尻尾に適量を振り掛けてそっと櫛で梳く。静電気を防ぐ効果によって美しさともふもふ度が増していく!
「良いですねぇユエさん。なかなかに良いもふもふ具合ですよ」
「……な、なんだかくすぐったいです……っ!」
 気持ちいいようなくすぐったいような。ふるふると震えながら二人にもふもふされる奈七音。
「ではそろそろ。こちらも梳きましょうかね」
 ベルカは櫛を別の物へと変えると、今度は奈七音の長い髪の毛に櫛を通す。
「癖っ毛なんですね。奈七音さん。これは、梳き甲斐がありそうです」
 少しずつ、少しずつ。もふもふはするけど痛める事は決してしない。それが二人の優しさであり真のモフラーの行いでもある。勿論奈七音もそれは感じている事だろう。

 誰かをもふもふしていればもふもふは寄って来るもの。
 三人の足元を何やらもふもふとしたものが擦り寄って来た。
「こ、これは!」
 そう、なんと恐ろしい。これは子猫の大群だ!
「おお、そうかそうか。一緒にもふもふされたいんだな!」
 月は贅沢に子猫達を抱えられるだけ抱えると、頬をすりすりしながら台へと置く。
「ふっふっふ、お前達も最高のもふもふに変えてやろうぞ!」
「もふもふな猫さん……っ! でもまだこの子のブラッシングが……! うーん、腕が足りないのです……!」
「大丈夫です奈七音さん。時間ならまだありますよ」
 もふもふをもふもふにしていく三人。その周囲にどんどんと予約客が増えていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

叢雲・源次
(アドリブ大歓迎)

【華と侍】
あの魔操術師も手段を間違えただけだろう…仮に次があるのならば、この愛らしき動物達のありのままの姿を以って世界を魅了する方法を取る事を切に願う…。

俺達の仕事は終わったが飼育委員達がどうも難儀している…手伝うべきか
マリアドール・シュシュ、まだ幾らか余力はあるか?俺達がやるべき事はまだあるらしい

(犬や猫をブラッシング。先ほどトリミングを行ったならば次はブラッシングだという謎理論による)
穏やかだ…しかしこう囲まれると身動きが取れないが、一興…歌とは存外悪くないものだ
…マリアドール・シュシュ、世話になった
俺一人では此処まで辿り着け無かっただろう。俺は、お前の『歌』に救われた


マリアドール・シュシュ
【華と侍】アドリブ無限大

色んな意味で罪悪感が残る依頼もそうないのだわ(首緩く振り
ユニオール…マリア達のぬいぐるみをあんなに嬉しそうに貰ってくれたのに(残ったのは…

ええ、勿論
マリアはまだまだ元気なのだわ!
飼育委員さん達のお手伝いを(してもふもふ)するのよ!

兎やリスにおやつを分け与えつつブラッシングするわ
何だかマリア楽しくなってきたのよ!
歌唱・おびき寄せして鳥含め動物達に囲まれながらお世話するのだわ(髪や肩に動物乗せるのよ

(突如紡がれる鈴音の声色
架空言語の癒しの唄
蜜華の晶は茉莉花の耳飾りを揺らし目を閉じてメロディを口遊む)

【シンフォニック・キュア】で動物や聴く人を暖かい気持ちに(リラックス)させる



 元気そうな動物達を眺める中、この二人が思い出すのは迷宮にいた魔操術師の事だ。
 根本的な思考は同じはずだったのに。何処で道を間違えてしまったのだろう。
「……マリア達のぬいぐるみをあんなに嬉しそうに貰ってくれたのに」
 マリアドール・シュシュ(蜜華の晶・f03102)は何も残らなかった両掌を見つめる。モフィンクスの毛で作ったぬいぐるみはここにはない。それは主である彼女の消失と共に消えてしまった。今思うと……それで良かったのかもしれない。
「あの魔操術師も手段を間違えただけだろう……仮に次があるのならば、この愛らしき動物達のありのままの姿を以って世界を魅了する方法を取る事を切に願う……」
 叢雲・源次(炎獄機関・f14403)も目を閉じ、彼女の姿を思い浮かべる。決して偽りではなかったあの輝く瞳が、また何処かで見られる事を祈って。
「……さて、マリアドール・シュシュ。俺達の仕事は終わったが……まだ幾らか余力はあるか? 俺達がやるべき事はまだあるらしい」
「……ええ、勿論。マリアはまだまだ元気なのだわ!」
 平穏の戻ったこの場所でいつまでも暗い顔をしている訳にはいかない。くんくん、と心配そうに顔を覗いてくる犬が視界に入れば、自然と笑みが戻るというもの。
 動物とは不思議なものだ。相手の気持ちを読み取る魔法でも持っているのかもしれない。
 よしよし、と源次が犬を撫でると、そばに置いてあったブラシを手に取り、そっとブラッシングを始める。
 しかし座り込んだが最後、他の犬達も喜んで集まって来た! 撫でろ撫でろと源次に襲い掛かって来る!
「あらあら、まぁ。源次ったら人気者ね」
「……助けてくれないか。……あ、いや」
 和やかに微笑むマリアドールに源次はすぐさまヘルプを求める。が、言い掛けた直後にふととある事を思い付く。
「そうだ、マリア。歌はどうだ。動物達にも聴かせてみてはどうだろうか」
「歌? えぇ勿論!」
 喜んで! とマリアドールは椅子に座ると、ハープを用意し静かに前奏を奏で始めた。
 突如始まった演奏会に、動物達も飼育委員達も耳を傾ける。

 繊細な音と共に響く、幼くも優しい語り部の声。
 茉莉花の耳飾りを揺らし、まだ見ぬ地の言葉が並べるは、何処か懐かしき癒しの唄。

 美しき調べに動物も人も集まり、安らぎと落ち着きを取り戻した。歌う彼女の膝や肩には、いつの間にかウサギやリスが合席している。
 その姿に、今回彼女と行動を共にしてきた男は口元を微笑ませる。
 あぁ、彼女の『歌』はこれからも誰かを救うのだろう。俺も救われた一人として、誇りに想おう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月22日


挿絵イラスト