●発行日 ××年×月×日
今日も今日とて、骸の海はサイバーザナドゥの世界を汚していく。
汚れた世界は今日もメガコーポの暴走が近くで起こっていた。
「な、な、なんだよコレ!?」
1人のサイボーグがある紙を片手に震えている。
そこに堂々と書かれていた名称は『請求書』――サービスや物品の納品を対価に料金の請求するための書類。
書かれている金額は超高額で、個人が支払えるような額ではないのが一目瞭然だ。
請求者はメガコーポ『アイゼンローゼ・カンパニー』。小さな会社だが、メガコーポに参列する会社だ。
最近になって新しいサービスを始めたという噂がチラホラと出ていたのだが、その詳細は不明。
噂の中には見えないサービスをしていると言った話も出ているようだ。
そんな噂話を思い出しつつ、請求書に目を通していく男。
一体何に対する請求7日を確認していた。
「っつか、なんだよこの『生存補助サービス』って……頼んだ覚えないぞ」
男の家には様々な請求書が届くが、それらは全て自分で頼んで自分で支払っているもの。そのためいつ、どんな時に頼んだのかさえしっかり記憶にある。
対してアイゼンローゼ・カンパニーから届いたこの請求書は一切見覚えのないもの。男が何度記憶を掘り返そうが、生存補助サービスなんてものに加入した覚えはない。
じゃあ架空請求だし放っておいても大丈夫だろう、と男は請求書を放置することに決めた。
自分で頼んだ覚えがないので、放置してても何も来るわけがないと。
しかし、その数日後。サイボーグの男は悲惨な目にあった。
アイゼンローゼ・カンパニーによる取り立てが行われ、彼は追加で料金を支払う羽目にもなったのだから。
●|鉄の薔薇《アイゼンローゼ》の生存補助サービス
アイゼンローゼ・カンパニーが作り出したサービス『生存補助サービス』とは、なんなのか。
まだその罠にかかっていない人々はなんとか情報を探り出し、サービス内容を見つけることが出来た。
カンパニーが作るホームページ、その中でも大々的に宣伝されているもので……名前とは裏腹にはた迷惑なサービスとなっていた。
――鉄の薔薇による生存補助サービスがあなたの生活と命を補助しています。
それがこのサービスの謳い文句。
けれどその内容は『会社が勝手に守ったよと言うだけ言って、何もすることなく金だけ請求する』という、面の皮が厚すぎて逆に清々しいサービスとなっている。
なので請求書が届いた時点で契約成立してるので金払えなんて言い出す社員もいるし、社員と会話した時点でサービス開始したので金払えとか言い出す場合もある。
ただただはた迷惑でしかないサービスなのだが、一方で『何されるかわからんから払っとこ……』という人もいるためアイゼンローゼ・カンパニーとしてはやめる気はないそうだ。
●そして届いた猟兵宛
「ってことで……予知を通じて請求書が届きそうな雰囲気を察知、ということだ」
大きなため息をついて、木々水・サライ(|白黒猫使い人形《モノクローム・ドール》・f28416)は集まった猟兵達に生存補助サービスによる被害の話をし始めた。
どうやらサライは猟兵達にも請求書が届く未来を見てしまったようで、これから先何もしなくても届く可能性が高いという予知を受け取っていた。
「はた迷惑なサービスだよな、ホント。……ってことで、悪いんだけどちょっと交渉対応してきてもらっていいか?」
サライ曰く、アイゼンローゼ・カンパニーはまだ出来たばかりの会社で、メガコーポとして参入できたのも奇跡なほど小さい会社。そのために無理矢理金を請求しているというのが現在の状況なのだとか。
交渉することでサービスを止めることも出来るかもしれないし、場合によっては会社そのものがなくなるかもしれない。
しかし相手もメガコーポとしての意地があるようで、交渉と分かれば武力行使をしてくるそうだ。
そこは、いつも通りの武力で鎮圧をおすすめしている。
「請求書を送りつけられるなんて面倒事、これから先起こってほしくねーからな。……小さい企業と言えどメガコーポはメガコーポ。容赦なく潰しておこうぜ」
そう言ってサライは準備ができた者から順繰りに、サイバーザナドゥのある一角へと送り届けていく。
堂々と街の中へ送らないのは……社員がそこらを歩いていて、移動中が見つかると面倒だからなのだとか。
――駆逐せよ、無駄サービス!!
御影イズミ
閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
戦争が終わりましたので、通常のシナリオ。今回はサイバーザナドゥです。
『アイゼンローゼ・カンパニー』というメガコーポが作ったあまりにも最悪なサービスによって請求書が送られてきます。
初めての方はMSページをご確認の上、ご参加ください。
●第一章:冒険シナリオ
町中を歩いていると、突如アイゼンローゼ・カンパニーの社員から請求書が渡されます。
その名も『生存補助サービス』。生きてたら請求! というクソ最悪なサービス。
請求書には何故かきっちり名前が書かれているのが不思議ですが、そこはまあ置いといて。
なお普通に街の中でのやり取りになりますので、街の人も何してるんだろう? ぐらいの感覚でチラ見したりしています。
●第二章:集団戦シナリオ
集団敵『シンセティック・オフィサー』との戦いです。
突如アイゼンローゼ・カンパニーの重鎮から『猟兵を潰せ』という指示が下ったため、請求書云々は一旦そっちのけになって突然戦闘になります。
その他詳細は断章にて。
●第三章:日常シナリオ
呼び出された敵を倒した後は、逆に請求する側(???)になります。
交渉次第ではアイゼンローゼ・カンパニーは倒産します。
詳細は断章にて。
皆様の素敵なプレイング、お待ち致しております。
第1章 冒険
『多額の請求』
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POW : 暴力で解決する
SPD : 逃走する or 工作する
WIZ : 追い返す or 素直に払う
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シルヴィ・フォーアンサー
(街の中にキャバリアと一緒に佇んでるとやってくるカンパニーの社員)
……本当に持ってきたね、請求書。
『流石サイバーザナドゥ、金のためなら何でもありだな』
……そこは凄いと思うけどこんなのでお金払いたくない。
『ならきっかり断ることだ、隙を見せたら食らいつくされる』
(断っても小さい女子だからか押せ押せというか強引に取り立ててくる)
ひっ、怖いしもうやだ、帰ってよ……。
(ブレイン・ウォッシュで洗脳してお帰り願います、抵抗して帰らないならミズガルズが動き出して摘み出し)
……怖かった、やっぱり人は怖いね。
『恐怖料とかいって金を請求するか』
……そこまで金の亡者じゃないよ、この後別件で頂くことにはなるだろうけど。
●強引取り立て、お断り!
「ふう……」
街の中を観光していたシルヴィ・フォーアンサー(自由を求めた脱走者・f41427)は愛機ミドガルズと共に休憩を取るため、休憩所を見つけてゆったり休む。
この街ではアイゼンローゼ・カンパニーによる請求書の押し付けが行われており、本当にそんな事例が起こるのか、起こるとしたらどんな状況で起こるかなどなどの調査をしていたが……今のところ収集できたのは街の人からの話だけで、実際にはまだ彼女は被害には遭っていない。
これは一旦出直しだろうか? そう考えていたところで、彼女のもとに一通の封筒を持つサラリーマン風の男が近づいてきた。
「な、なんですか。これ」
押し付けられた請求書。そこにはきっちり、シルヴィの名前が署名されている。
カンパニー社員はこれはあなた宛だからと無理矢理シルヴィに渡そうとしているが、彼女は断固拒否。受け取ったところで無駄な金を使うだけだし、なによりこんなのでお金を払いたくない! が本音だ。
(流石サイバーザナドゥ。金の為なら何でもありだな。隙を見せたら食い尽くされるぞ)
ミドガルズが音声をシルヴィのみに絞って呟く。カンパニーの社員がシルヴィを逃すまいと動いており、流石のミドガルズもつまみ出しの体勢を取っていた。
それでもなお、カンパニーの社員は口八丁手八丁でシルヴィになんとしても請求書を掴ませようとしてきている。
「ひっ……怖いよ、帰ってよ……!」
何度も何度も、シルヴィは拒否し続けた。あの手この手で押し付けようとするカンパニー社員から逃れようともした。けれどもある種歴戦というべきか、手慣れた社員には通常の手法は通じない。
ならばとひらめいたシルヴィは拒否をし続けながらも、ユーベルコード『ブレイン・ウォッシュ』によってミドガルズから洗脳電波を放ち、カンパニー社員を洗脳。
請求書はいらないから帰れという命令を下して、無理矢理帰しておいた。
なおその数分後、また別のカンパニー社員がシルヴィに突撃したが、そっちはミドガルズがつまんでポイしておいた。
「……怖かった。やっぱり人は怖いね」
小さなため息とともに、恐怖を吐き出すシルヴィ。
そんな彼女に向けて、ミドガルズは何かをひらめいたようにつぶやく。
『向こうが変なサービスつけて請求するなら、こっちは恐怖料とか言って金を請求するか』
「……そこまで、金の亡者じゃないよ」
――どうせ後で別件で請求するから大丈夫だよ、と。
今は今で放っておいていいと判断を下すのだった。
大成功
🔵🔵🔵
クレア・ノーススター
「…困ったな、今払ってもいいけど、足りるかな?」
話には聞いていたとはいえ、本当に唐突
何が生存補助だ、こちとら一回死んで記憶からっぽでギリギリ生き返ってるのに。
それはそれ、と徴収人をヤーガの後ろへ
ハッチを開ければ車内の荷室にすぐ代金があるように振舞い、隙を見ては相手の首を掴みつつ勢いよくハッチを相手の顎へ叩きつける
君もトランクに入るかい?小銭くらいは転がってるかもよと言いながら道端に転がし、ヤーガに飛び乗る
最近スタータの調子が悪いのだが、幸い一発でエンジンが始動
居眠りしてそうな水牛の如くと鈍そうなエンジン音は相変わらずだが…
それでも自分はハイウェイスター、どんな車でも乗ってしまえば逃げ切れるのだ
●逃げれば勝ちなので
「……困ったな」
アイゼンローゼ・カンパニーの社員に捕まってしまったクレア・ノーススター(サイボーグの戦場傭兵・f36825)。彼女は情報収集のために愛車シビルスキー・ヤーガに乗っていたのだが、唐突に止められて唐突に請求書を渡される事態に発展していた。
差し出されているのはクレアの名前が書かれた請求書。その金額は数えたくもない桁数。何もしてないし何もされていないのにこんな金額が請求できる辺り、厚かましさだけは超一流の企業のようだ。
(何が生存補助だ。こちとら、一回死んで記憶空っぽでギリギリ生き返ってるのに……)
頭の中に駆け巡るのは、自分が|機能停止《事実上の死亡》した瞬間のこと。ところどころ真っ黒な空白が出来ていて実際に何が起こったのかは覚えていないが、ただ、巻き込まれたという事実だけが記憶には残っている。
フォーマットされたかのように記憶が新しくなってしまったため、現在新たな記憶を埋めているが……はっきりいって、目の前で起きていることは記憶として残したくはない。
「わかった、わかった。トランクの方に来てくれないか?」
まくしたてる社員の言葉を遮って、さもトランクに大量の金を積んでいるように見せかけたクレア。一旦運転席のドアを開放し、社員を連れてトランクへと近づく。
「受け取ったらちゃんと帰ってくれ」
そう呟いてハッチを開けようとする素振りをみせ、社員を安心させたその瞬間。クレアは社員に足払いをかけて体制を崩させ、社員の首を掴み顎をハッチに叩きつける。
ガラスと骨がぶつかる音が響くと、同時に社員も情けない声を上げる。この行動は予想もできていなかったのか、なにかボソボソとつぶやく様子を見せていた。
「うん? なんだい? 君もトランクに入るかい? 多分、小銭ぐらいは転がってるんじゃない?」
軽い冗談を言い放ったクレア。そのうち、もごもごと何かを叫ぼうとしていたのでその場に放り捨てると、社員が立ち上がる前にクレアはドアを開放しっぱなしだった運転席に飛び移り、エンジンを掛ける。
「おっ、今日は機嫌がいいね!」
普段ならスターターの調子が悪く、エンジンがかかることが少ないのだが……何故か今回は一発で成功。居眠りしていそうな水牛の如きエンジン音が周辺一帯に鳴ると、そのままシビルスキー・ヤーガはクレアの操縦に沿って爆速で車道を走っていく。
――例えどんな請求書が来ようと、受け取らなければ何ら問題はない。
――自分はハイウェイスター。どんな車でも、乗ってしまえば逃げ切れるのだから!
大成功
🔵🔵🔵
ラスカル・ノース
UC不使用でPOW指定
何っすか??それ?
オレっち、アライグマだけど、それ払わないといけないんか??
あ(そういや、猟兵は外見に違和感持たれないんだったぜ…)
テメェ、それを押し付けって言うんだぜ!!
しつけぇなっ!!
とりあえず、マシンウォーカーで押しつけがましい輩を蹴って吹き飛ばす。
それでも来るならリニアレールガンで動けなくする。
「へっ、オブリビオンじゃねぇみてぇだから、両足破壊で勘弁してやるぜっ!!…この場合、テメェがなんちゃらサービスの対象じゃねぇか!!ぎゃははは!!」
そして、遠くへ逃げる
●サービスも過剰なら押しつけになる
のんびりと街の中で過ごしていたラスカル・ノース(アライグマの機械技師・f37198)。噂のサービス請求とはどんなものなのかを見に来たのだが、まさかすぐにとっ捕まるとは誰が予想しただろうか。
「何っすか、それ?? オレっち、アライグマだけどー……」
アライグマだけど払わなくていいんじゃね? と口にしようとしたラスカルだが、猟兵にはそれが通じないことをたった今思い出す。
猟兵はありとあらゆる世界で外見に違和感を持たれることはない。たとえそれがキャバリアだろうと動物だろうと、人と同系列の存在として扱われるため、アイゼンローゼ・カンパニーの社員にもラスカルは人として見えている。
そのためカンパニーの社員は首を傾げた。アライグマ? どこにいらっしゃるのやら。と。
(忘れてたー……外見に違和感を持たれないんだったぜー……)
アライグマなんだから請求されても払わなくていいだろ! の作戦が通じないと気づいたラスカル。咄嗟の判断で押し付けがましいことを口にして、その場を離れていくが……カンパニーの社員はとにかくしつこかった。
「しつけぇなっ!! サービスって、オレっちが頼んだわけじゃねぇだろ!!」
何度も何度も怒号を上げては逃げてを繰り返すラスカルに対し、カンパニーの社員は「契約事項ですので」を繰り返し突撃してくる。
流石に頭にきてしまった彼は曲がり角を曲がった瞬間、踵を返してリニアレールガンでカンパニーの社員の足を撃ち抜いて、動きを止めた。
「へっ。オブリビオンじゃねぇみてぇだから、両足破壊で勘弁してやるぜっ!!」
義体の足を撃ち抜かれ、その場に倒れ込んだ社員。這いつくばってでもラスカルから請求しようとするその様子は、いっそ清々しいほどだ。
しかし、ふとラスカルは思う。
眼下で這いずり回る足のないカンパニー社員。生存補助サービスはその名前の通り、生きることを保証するサービスなわけで、今足がなくなった社員はまさに生きられなくなりつつあるので……。
「――テメェがそのなんちゃらサービスの対象になるんじゃねぇか?」
ぽつりと呟いたその一言に、カンパニー社員の顔が青ざめる。気づいてしまった様子の社員はどうにかしようとラスカルに手を伸ばすが、彼はそれを払い除ける。
「ま、オレっちには関係ねぇってな! ぎゃははは!」
そのまま彼は高笑いを上げたまま、社員の目から逃れるように遠くへと逃げた。
その後、ラスカルが遠くへ逃げて数分後。
アイゼンローゼ・カンパニーの別社員が足を失った社員を見つけて――……。
大成功
🔵🔵🔵
アルドラ・カリオストロ
生存補助サービスね
身に覚えはないのだけれども、確かに、請求書の名義は私のものになっているわね
けれども、人違いだと思うわよ
だって、私の生命の値段としては安過ぎますもの
詐欺でも押し売りでも構わないけれども、もう少し、相手の価値を正確に見定める眼を養うことね
それでは、御機嫌よう
思った以上に煩い方ね
仕方がないから、支払って差し上げるわ
『金属性』の『雨』
大粒の宝石の雨を降らせてさしあげるわ
好きなだけ拾って、持ち帰っていいわよ
でも、あまり欲に目を眩ませると、大変なことになっても知らないわよ
そちらは車が往来する道路だもの
くれぐれも、交通事故には注意してね
あら、可哀そうに
折角、忠告してさしあげたのにね
●金は金でも……。
「生存補助サービス、ね。身に覚えはないのだけども……」
渡された請求書に目を落とすアルドラ・カリオストロ(死棘の薔薇・f41057)。宛先がしっかりとアルドラの名前になっているため、確かにこれは彼女への請求書となる。
しかし彼女は内容を読むこともせず、ただただ一瞥しただけで請求書をカンパニーの社員へ返す。人違いで、生命の値段としては安すぎると。
公国の支配者たる自分の命は簡単に価値をつけれるほど甘いものじゃない。……なんて眼差しを社員を向けたところで、それを理解するはずもなく。
「まあ、詐欺でも押し売りでも構わないのだけども。……もう少し、相手の価値を正確に見定める眼を養うことね」
そのまま、アルドラは社員に見向きもせずにその場を去ろうとしたが、社員は無理矢理にでも引き留めようとアルドラの行く手を遮ってサービスの支払いをしてもらおうと画策する。
何度アルドラが先へ進もうと、カンパニーの社員は彼女の前に立ちはだかってを繰り返し、引き下がることはしなかった。
いったい何度目の攻防になっただろうか。
思った以上に邪魔をされ、アルドラの堪忍袋の緒が切れた。
「……そこまで言うのなら、支払って差し上げるわ」
大きくため息をついたアルドラに対し、ホッとした様子のカンパニー社員。それでは、と受け取りの準備を進めていた社員だったが、アルドラは冷たい視線を空に向けてユーベルコード『|精霊の幻想曲《ファンタジア》』を発動。
視線の先に集まる鈍色の雲はやがてさらさらと|宝石《金属性》の雨を降り注がせ、辺り一面を染め上げる。
「さあ、召し上がれ。あなたが好きなだけ拾って好きなだけ持ち帰っていいわよ」
辺りに散らばる無数の宝石を拾い集めていくカンパニー社員。価値ある宝石だけが散らばる道路を無限に走っていくその様は、あまりにも滑稽だ。
けれど忘れてはならない。ここは街のど真ん中。存在するのはアルドラや社員だけじゃない。
「……ああ、でも。あまり欲に目を眩ませると、大変なことになっても――……あら」
一言忠告をしようとしたアルドラの視線の先には、もうカンパニー社員はいない。
欲望のままに宝石をかき集めた亡者は、目先の大金にしか向かなかったせいで迫りくる大型トラックに気づかなかったようで。
「可哀想に。せっかく、忠告して差し上げたのにね」
そのままアルドラは街の中を歩き、何事もなかったかのように次の場所へと向かう。
後ろでは、|宝石の海《欲望》に溺れ横たわるカンパニーの社員がいたとかいなかったとか。
大成功
🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
……これ無視したら物理的に生存を打ち切らせてくる奴なのでは……?
…まあ名前とか隠してないし請求書が来ることは不思議じゃ無いけど…
…取り合えず請求書の前に契約書や利用規約を見せて貰わないとね…
…隠しページや小さく書かれた文字とか(紙なら)裏面も確認して…
…法に違反していそうな場所に細々とケチを付けるとしようか…
正直普通に払える額ではあるんだけど素直に払うのも何となく癪だしね…
しかしあれだな…流石に喧嘩を売る相手は選んだ方が良いじゃ無いかな……
いや…メガコーポと関係が薄い猟兵を狙い撃ちしてるのはある意味選んでいるのか…
●サービス利用時は契約書をよく読もう
「……これ無視したら物理的に生存を打ち切らせてくる奴なのでは……??」
サービスの裏側を妄想し、少々悪い想像が引き起こされたメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)。生存補助をするサービスなら、打ち切った時点で死ぬとか本気で有り得そうな……そんな気がしてならない。
そんな彼女のもとにも、勿論やってきたアイゼンローゼ・カンパニーの社員。宛先がしっかりとメンカルになっている請求書を手渡すと、ニコニコとした表情のまま支払いを待ち続けていた。
「……まあ、名前とか隠してないし……請求書が来ることは不思議じゃないけど……」
じっと請求書の書面を読み進めるメンカル。納得の行かない請求書をどう片付けてやろうかと思案を重ねた結果、彼女は社員に向けてあるものを用意してもらった。
「……ふむ」
じっと書面を読み進めているメンカル。用意してもらったあるものとは、この生存補助サービスの契約書や利用規約が纏められた書類だ。
メンカルに叩きつけられた請求書の額面は、普通に支払う事ができる額面ではあるのだが……なんだかそのまま支払っても癪だからと、少し細かいところに手を付けることにした。
サービスの契約書と利用規約に記されている文章。普通の人だったら読み飛ばすようなものを細かく読み解き、方に違反している部分を指摘しては細かくケチを付けていく形で社員退散の儀式を行っていた。
「……ここの部分。契約に際しては書類免除ってあるけれど……」
1から100までの文章にいちいち指摘を入れては社員にツッコミを入れていくメンカル。普段ならこんなやり取りをしないのに、という表情が社員から見え隠れするのを彼女は見逃しはしない。
ちくちく、ちくちくと細かい部分を指しては契約の更新を続け、請求書の額面を更新させ続ける。こうすることで精神をすり減らし、社員を退散させる作戦だ。
(しかしあれだな……流石に喧嘩を売る相手は選んだほうが良いんじゃ無いかな……)
社員の精神をすり減らしながらもメンカルは思う。
相手を選ぶなら、猟兵ではなくてもよいのではないか? と。
(いや……むしろメガコーポと関係が薄いからこそ、猟兵を狙い撃ちしてるのか……ある意味選んでいる?)
悶々と考える中、答えは見つかることはない。
その代わりに契約書と利用規約の指摘の回数がどんどんと増えるだけで、狙い撃ちしてきた社員が悲惨な目にあっていた……。
大成功
🔵🔵🔵
シェリー・ロビンソン
架空請求ってヤツなのかな?
面倒そうだねぇ
街行く人達の健康データを集めようと思うよ
義肢とか色々参考になることあるだろうし
……って、ん?キミ誰?
請求書?
周囲に被害者として見せつつ受け流していこう
・ボクの同意の有無
・いつからの契約でいつ締結されたか
等々確認するね
ボクはこの地域の人間じゃないし先程着いたばかりだ
ホテルも確保してない
公的機関・交通機関にしか個人情報提出してないんだよ
ところで、
・それ渡航保険の類なんだよね? ボクからの前払金の入金証明と、この会社とボクの本来の住所間の郵便証明出してくれるかな?
一つでも誤魔化してれば詰めるかな
こう節操無く請求してるなら騙されてお金払った人達も周りに居る筈だよ
●解析、解決、また解析
「ああ、架空請求ってヤツなのかな? 面倒そうだねぇ……」
街の人々の健康データを集めつつ、情報収集を行っていたシェリー・ロビンソン(深窓仮面の狂化学者・f40211)。アイゼンローゼ・カンパニーの評判は街の人からもあまりよろしくないようで、やはりその原因は『生存補助サービス』によるものが多かった。
唐突に突きつけられる請求書。支払わなければ腕の1本2本持っていかれ、最終的には義体化手術さえ予定に組み込んでくるとかなんとか。そこまでやるといっそ清々しいものだが。
「ふむ、ありがとう。見せてくれて」
義肢を見せてくれた街の人にお礼を伝え、シェリーは一旦その場を後にして次の人に話を聞きに行く。
化学者たる所以か、サイバーザナドゥの義体も色々と参考にしたいという気持ちが先立っているようで。
数人ほど話を聞いて回ったところで、シェリーはある男から声をかけられる。
胸元にはアイゼンローゼ・カンパニーのバッジ。どうやら今度はシェリーがターゲットとなったようだ。
「請求書? ちょっと見せて」
社員から渡される請求書をしっかりと確認するシェリー。確かに宛先はシェリーの名となっており、その請求額は0を数えるのも面倒なほど。
既にサービスは開始されており、その請求書とカンパニーの社員は告げたが……様々な問題点を見出したシェリーは一旦周囲を確認する。
周囲では街の人々が遠巻きにシェリーと社員のやり取りを見ている者もおり、その中には先程シェリーが義肢を見せてくれた人もいる。証人というには十分な人数が2人を囲んでいた。
証人を確保したところで、シェリーは次々にカンパニーの社員へ質問をぶつける。
自分の同意の有無は? いつからの契約でいつ締結されたのか? そもそも地域の人間じゃなくても施行されるのか? というか自分は公的機関のみで個人情報提出したが、何処から自分の名を確認したのか?
など、ツッコミを入れようと思えば入れられるところ全てに口を出しては詰め、解決したら新しい疑問点をぶつけては詰めてカンパニー社員の逃げ場をなくしていく。
頭の中で浮かんだ疑問点は全て解決するまで、きっちりと解析して。
ついでに騙されてお金を払った人が周囲を取り囲む人がいると信じて、シェリーは全ての疑問点をカンパニーの社員にぶつけ続けていた。
大成功
🔵🔵🔵
ラスク・パークス
何という、悪逆非道。
『・Д・)つ ラスクちゃんは激おこ(ry』
まずは、誘い出す。カモンベイベー。
ごく普通の株式会社【黒白】のオフィスレディ。スーツを着て、歩こう。
『・▽・)ノ キラキラルーキーな新米サラリマン風さ!』
タピオカとか、持っておこう。
獲物が、来たら。困惑する、素振り。
バイザーの顔文字も、困った風に表示して、油断させて……。
「あ、えと、その、あの……」みたいな世慣れていない小娘プレイ。
よし。
『-ωー) そこ。素面じゃね? と突っ込んではいけない』
程よく、請求書を押し付けられたらこっちの物。
しれっとザナドゥの幻惑を這わして、社員から情報データを奪取する。
『★▽★)b 深淵を覗く以下略!』
●#・д・)おこなのです
ラスク・パークス(|最後の死神《『パクス・ザナドゥ』》・f36616)はおこである。
何におこなのかというと、アイゼンローゼ・カンパニーの生存補助サービスとその請求書におこなのである。
何もしてないのに請求され、あまつさえ払わない者には制裁を下すなんてもの。ブラック企業どころの話じゃあない。
「・д・)つ ラスクちゃんは激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム」
こんなブラック企業は早々に廃さなければならない。未来のサイバーザナドゥのためにも。
まずはカンパニー社員をおびき寄せるために衣装をオフィスレディへとチェンジ。片手にはタピオカドリンク、もう片方にはスーツケースといかにも新入社員が出張に来ましたと言わんばかりのスタイル。
さぞカモにしやすいだろうと考えていたが、まさにラスクの考えは的中。請求書片手にアイゼンローゼ・カンパニーの社員がラスクに近づいてきた。
生存補助サービスによる料金の発生、払えない場合はわかってますよね? といった威圧を放ってくるカンパニー社員。相手は新人だと舐めてかかっている大きな態度で詰め寄っている。
「あ、えっと、あの、その……」
普段は機械音声なラスクもこのときばかりは肉声を出し、世慣れていない小娘のような素振りで時間を稼いでいる。請求書を押し付けられるまではこの態度でいるつもりだ。
時間を稼いでしばらく後、ようやく請求書を出してきたカンパニー社員。ラスクの手に握らせようとしてきたところで、辺りが真っ黒の闇に包まれ……ラスクが姿を消す。
闇の正体はラスクが使ったユーベルコード『|ザナドゥの幻惑《ファントム・ザナドゥ》』による漆黒の闇。闇に包まれたラスクは視聴嗅覚による感知を不可能にし、カンパニー社員から逃げおおせる手段となっていた。
「>∀★)b ついでにもらっとくね!」
漆黒の闇に触れた者からは情報データを奪うことが出来る。という特性を利用し、そのままアイゼンローゼ・カンパニーの全データを奪っていったラスク。
顧客情報の仕入れ方や新サービス設立などの未公開の情報が詰まったデータ。
それをどう扱うかは、ラスク次第……。
大成功
🔵🔵🔵
シャルロッテ・ヴェイロン
いや、「生存補助サービス」って…。
暗黒メガコーポのやることは本っ当にえげつないですねぇ…。
(で、カフェのテラス席で寛いでるところに現れた件のサラリマンに請求書を突き付けられ)
あー、待ってください請求額を確認させてくれますか?あと、支払いはバーコード決済でいいですか?1分ほど待ってくれますか?(とか言って【時間稼ぎ】。その間銀行の預金システムを【ハッキング】して、どこぞのカネモチの口座から多額のマネーを吸い上げてる(ぇ))
――お待たせしました、これで支払いはOKですね?あと、あまりしつこいようだと次はニューロンに【データ攻撃】仕掛けて焼き切りますよ?(ぇ)
※アドリブ・連携歓迎
●持ってないなら取れば良い。そう、銀行からね。
「いや『生存補助サービス』って。暗黒メガコーポのやることは本っ当にえげつないですねぇ……」
情報収集の休憩中、カフェのテラス席でまったりと寛ぐシャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)。これまで色んな人に話を聞いてきたが、中身真っ黒なサービスに肩を竦めていた。
生存補助サービスの全容は既に語られた通り、もはや向こうから勝手に言いつけてくるだけの詐欺商品。請求書を勝手に作るだけ作って突きつけて、払えなかったらもぎ取るなんて真っ黒以外の何者でもない。
そんなえげつない手法を取ってくるアイゼンローゼ・カンパニーはやはり滅ぶべきではないのか? シャルロッテは訝しんだ。
さて、次はどこで情報を集めようかとカフェでもう少し寛ぐシャルロッテだったが、そこへ1人の男――カンパニーの社員がシャルロッテの元へと近づいてきた。
ぴっしりとしたスーツにいくつかの書類の入ったカバンなど、傍から見れば普通のサラリーマンにしか見えない。
「え? わたしに請求書?」
渡された書類に首を傾げたが、これが件のヤツか、と気づいたシャルロッテはまず請求額を確認したいと告げて書類を見せてもらう。
桁は0がたくさん。簡単にポンッと出せる額ではないし、準備にも時間がかかりそうだ。
「……ふむふむ。あ、これって支払いはバーコード決済でもいいです? それなら1分ほど待ってもらえればいいので」
支払い方法を指定してきたシャルロッテはカンパニー社員のOKをもらってすぐ、少しだけゲーミングノートPCを操作。カフェの近くから見えた銀行の預金システムに軽くハッキングをしかけ、どこぞの名も知らない金持ちの預金を自分の預金に変更。
あとはカンパニーの社員の指示通りに操作し、バーコード決済を経て支払い完了。請求書をくしゃくしゃと丸めると、他のゴミと一緒に纏めておいた。
しかし、それに味をしめたのかカンパニーの社員はまだまだ詰め寄ってくる。
あれの請求、これの請求と言ってくるものだから、シャルロッテの堪忍袋の緒が切れかけていた。
「あまりしつこいと、頭の中にデータを目一杯詰め込みますけどいいんですか?」
ニコニコと笑顔で返すシャルロッテ。
それに怖気づいたカンパニーの社員は、そそくさと逃げ出したそうだ。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『シンセティック・オフィサー』
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POW : スティック・アンド・ブラスト
【スタンロッドの刺突攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【義眼による高出力ビーム】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : フォトンバレット・ストーム
【レーザーSMGの一斉射撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : シールド・インパルス
自身が装備する【防弾シールド】から【閃光と衝撃波】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【目眩とスタン】の状態異常を与える。
イラスト:柿坂八鹿
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
あれやこれやと文句をつけては請求書を突きつけてくるアイゼンローゼ・カンパニーの社員達。
それがいつしかエスカレートしていったのだが、ある時を機にぱたりと止む。
ああ、ようやく懲りたか。なんて考えて調査を続けていたが……。
『排除目標発見』
『速やかな排除を遂行します』
『警告。対象の脅威度、測定不能』
わらわらと猟兵達の周りに集まるのは、同じ姿の女性タイプのサイボーグ『シンセティック・オフィサー』。
アイゼンローゼ・カンパニーでも作られ、改良を受けたクローン型サイボーグのようだ。
彼女達の目的は猟兵達の排除のようで、猟兵達を『脅威』としている。
どうやら取り立てが難しいと判断したアイゼンローゼ・カンパニーの重鎮が投入したようだ。
このまま無惨に殺される訳にはいかない。
さっさと排除し、カンパニーに一泡吹かせなければ。
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プレイング受付:10/5 8:31~
受付日前のプレイングはお返しとなります。
集団敵『シンセティック・オフィサー』との戦いとなります。
戦場は街の中となっており、街路樹やビル群がありますが基本的にじゃまになるものはありません。
そのため飛行・キャバリアの使用は問題なく可能です。
他特筆することはありません。
とにかく大量のシンセティック・オフィサーと戦い、アイゼンローゼ・カンパニー側の邪魔を排するのみです。
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シルヴィ・フォーアンサー
……難しいと思ったら諦めれば良いのに。
『クロムキャバリアとは別の意味で食うか食われるかで諦めるなどありえないのだろう』
まぁ、武力行使してくるなら容赦しないよ。
パラライズ・ミサイルで麻痺させてその間に乗り込んでシルエット・ミラージュ。
分身と包囲してから一応降伏勧告と回りへの待避をうながし。
ガトリング砲、ミサイル、、ハイペリオンランチャーのギガント・プレッシャーの15機×3回攻撃で木っ端微塵にするね。
……それじゃお掃除料金と弾薬経費貰いに行こう。
●彼女達は食われる方。
「……難しいと思ったら諦めれば良いのに」
大きくため息をついたシルヴィ。ぞろぞろわらわらと集まってくるシンセティック・オフィサー達が逃げ場を失うように彼女を、そしてミドガルズを囲い込む。
『クロムキャバリアとはまた別の意味で、食うか食われるかで諦めるなどありえないのだろう』
「ふぅん。でもまぁ、武力行使してくるって言うなら容赦はしないよ!」
先手必勝、攻撃させる前にとユーベルコード『パラライズ・ミサイル』を放ったシルヴィ。着弾地点に高圧電流を撒き散らすと、大半のシンセティック・オフィサーの足を止めていく。
寸前で逃れた個体はシルヴィに向けてレーザーSMGを一斉照射していくが、それを食い止めたのが別のユーベルコードで精巧に作られた複数残像分身したミドガルズだった。
高圧電流による麻痺状態。そして複数のミドガルズ達による包囲網。
どれをとってもシンセティック・オフィサーに勝ち目など見当たらない。勝てる法則を見つけたとしても、その可能性は限りなく0に近いだろう。
「こちらに手出ししなければ、我々は一切手を出さないのだけど……」
一応、シルヴィは降伏勧告を促してみるものの……シンセティック・オフィサー達は聞く耳を持たず。ただ、アイゼンローゼ・カンパニーの上層部に命じられた通りに、猟兵――シルヴィを倒すだけだ。
「そう。じゃあ、仕方ないね」
交渉は決裂。ここから先はシンセティック・オフィサーが何を言おうが、何をしようが、『正当防衛』として反撃に出た。
どれほどの時間、銃撃戦が繰り広げられただろう。
……と言っても聞こえてくるのは、ミドガルズに装着された装備による砲撃の音だけなのだが。
ガトリングキャノン。ミサイルポッド。ハイペリオンランチャー……等。ミドガルズに搭載された兵器全てが解放され、敵を撃ち落とす。
これがたった1機であればまだ、シンセティック・オフィサー達には抜け出す手段があったかもしれない。
けれど、今この状況を取り巻く複数のミドガルズはユーベルコードによって精巧に作られた残像となっており……。
「――残像だけど、本物……だから」
そのどれもが、同じ兵器を持ち歩いていた。
大成功
🔵🔵🔵
シェリー・ロビンソン
「そこまで骨格が酷似しているのはクローンだからかな?
その身体、調べさせてくれるなら……いいよ?」
無邪気な少女の[演技]で[封印を解く]アルファが[威圧]するのを片手で宥め、彼女達の一人に上目遣いでそう[おねだり]して接近し身体に触れたりして調査しよう
アルファと彼女達の緊張が高まり戦闘が始まる瞬間、Lesathで[範囲攻撃]の[マヒ攻撃]だ
予めシリンジピストルで[毒耐性]を得たボク達なら問題はない
「いい所を邪魔しないでほしいな。
折角だし彼女は貰っていくね」
調べた子を【First Vassal】でカード化して確保
そのまま召喚を繰り返して敵を[蹂躙]しよう
キミ達はこの数の暴力に何秒耐えられるかな?
●未知は時に狂気に奔らせる
「あー……そう来たか」
どうしたものかと悩む様子を見せるシェリー。集まってきたシンセティック・オフィサー達は彼女を逃さないというようにぐるりと円を作るように取り囲んでいく。
「……んん??」
その光景は見る人が見れば恐ろしいと感じるものだろう。だが、シェリーが抱いた感情は違っていた。
「同じ姿……いや、骨格まで同じ?」
「違うな、同じというよりは複製されている?」
「ああ、なるほど。複製することで同じ構造でありながら別の個体を……」
ぶつぶつと呟き、何やら頭の中で色々と考えるシェリー。
サイバーザナドゥならではの技術に色々な興味を持っていたが、それよりももっと別のことに目が向いていた。
「そこまで骨格が酷似しているのはクローンだからかな? その身体、調べさせてくれるなら……」
いいよ、と言おうとしたところで、近くで控えていた生物兵器・アルファが威圧する様子を見せたため片手で窘めた。
調査できる対象が今目の前にいるのなら調査しない理由はなく、許されるなら調査をしたいと。
けれど、シンセティック・オフィサーは|調査《それ》を許さない。
シェリーが手を伸ばしたその瞬間、防弾シールドを構え戦闘態勢を取った。
アルファもまたその戦闘態勢になる瞬間に感づいて、戦闘態勢になり飛びかかろうとしていた。
「んもう。良いところを邪魔しないでほしいな」
戦闘開始の僅か数秒の合間にシェリーはグレネードランチャー・Lesathを発射。辺り一面に神経麻痺を与える毒性化学物質をばら撒き、シンセティック・オフィサーの動きを止める。
なお事前にシリンジピストルで耐性を得ていたシェリーとアルファは問題なく活動ができている。故にアルファは倒れていくシンセティック・オフィサーの頭を蹴っては地面に叩き落としていた。
「せっかくだし、彼女はもらっていくね?」
シェリーは調査しようと手を伸ばした1体のシンセティック・オフィサーに向けてユーベルコード『First Vassal』を発動。
恒久的資料として目の前で倒れた麻痺状態の個体をカード化させると、万全忠実な僕として召喚できるようにしておいた。
「それじゃあ、調査だ。キミの暴力に、彼女達が何秒耐えられるか」
呼び出した個体に向けて、敵を倒せと命令を下したシェリー。
|知的好奇心《ぼうりょく》が止まるのは……いつになることやら。
大成功
🔵🔵🔵
ラスカル・ノース
あー、奴ら、感づいたかよ。
オレっち達が猟兵って事にね。
だったら、猶更やられるわけにゃいかねーな。
テメェらオブリビオンなら、オレっちがアライグマって分るよな?
こんないたいけな小動物だけどよぉ、甘く見るんじゃねぇよ。
てなわけで、一気に行くぜ!
ガジェットショータイム、今回は超電磁パルス発生装置で行くぜ!!
機械でできてるテメェらには、電子機器を破壊されるのは動けなくなるのと同様みたいだしなぁ。
まぁ、この町の一部も機能停止になるし、効果覿面だよなぁ。
オレっちは獣の感覚でテメェらを探して後は解体するだけだぜ。
はい、鉄屑工場に直行となぁ!
機械に頼りすぎるのもよろしくねぇぜ…オレっちが言うのもなんだがな。
●クリエイター殺しの一撃
「あー……奴ら、感づいたかよ」
がりがりと頭をかいて、そりゃそうか、と呟いたラスカル。
本来猟兵はどの世界に居ても違和感を持たれることはなく、普通の人として接する事ができる。
けれど猟兵という存在を知ってしまえば、それは一瞬にして瓦解してしまう。まさにアイゼンローゼ・カンパニーはどこかで猟兵の情報を手に入れ、ラスカルや他の猟兵の存在に気づいてしまったようだ。
「だったら、尚更やられるわけにゃいかねーよな」
ここで無惨にもやられては、猟兵という立場の名折れ。取り囲んできたシンセティック・オフィサー達に向けて睨みを利かせた。
(とは言えどうすっかな。色々出来そうだが)
周囲を軽く見渡したラスカルだが、既にシンセティック・オフィサーによりほぼ逃げ場を失っており、アライグマではあるがすり抜けるのも若干難しそうだ。
であれば、あとはもう一気に片付けるほうが早いと踏んだラスカル。ユーベルコード『ガジェットショータイム』を使い、変な形の超電磁パルス発生装置を呼び出した。
「一気に行くぜ! 機械で出来ているテメェらにはきっつ~い一撃だろう!!」
どこにどう電磁パルスを発生させれば敵に被害が出るかの予測はついている。一発目の電磁パルスを発生させたラスカルは広範囲のシンセティック・オフィサーに大きな一撃を与えていく。
――なお近くのマンションでは絵師のデータが消失するという大きな被害が起きているが、彼は知る由もなく……。
「機械の体ってのは便利だけど、こういう時が不便だよなあ!」
シンセティック・オフィサーの放つレーザーSMGの一斉射撃を掻い潜り、うまく超電磁パルス発生装置を操作していくラスカル。
彼が呼び出したガジェットは使い方を理解できれば強く、立ち回りも有利に働いてシンセティック・オフィサーを翻弄し続けていた。
――なお近くのゲームオフィスビル内では作成中データのバックアップが失敗するという大きな被害が出ているが、彼は知る由もなく……。
ある程度の数を倒したラスカルはガジェットから降りると、シンセティック・オフィサーを見下ろす。
この光景は何度も見た光景だ。いつものように解体する光景となんら変わりはない。
「ま、オレっちは獣の感覚でちょちょいっとね」
自慢の感覚を信じ、徐々に解体作業を始めたラスカル。
――機械に頼りすぎるのもよろしく無い。
そんなことを呟いたラスカルの背後では、大量のクリエイターたちの悲鳴が飛び交っていた。
大成功
🔵🔵🔵
シャルロッテ・ヴェイロン
まあね、こちらも少々やりすぎたってこともありますが。
とりあえずさっさと片付けて、サービス停止にかかりましょうか。
で、FPSの兵士キャラを召喚して、敵の攻撃が来る前に【蹂躙】してやりましょう(【先制攻撃・2回攻撃・一斉発射・乱れ撃ち・制圧射撃・弾幕・レーザー射撃】)。
あと、余裕があれば敵のニューロンなり電脳を【ハッキング】して、さらなる【情報収集】とかやっていきたいですね(【カウンター】がくるなら【ジャミング】や【データ攻撃】で対処したり)。
※アドリブ・連携歓迎
●やりすぎたぐらいが丁度いいのかもしれない
「いやー、まあ。まあね? こちらも少々やりすぎたかもしれませんけどね?」
シャルロッテの視線が集まってきたシンセティック・オフィサーから空に向く。
というのも、誰がどう見てもアイゼンローゼ・カンパニーの取り立てよりも極悪な方法で金を引っこ抜いてるシャルロッテ。今は誰も知り得ない情報なのでシャルロッテしか知らないが、引っこ抜いた先の持ち主が気づいたら大事になることは間違いなし。
なので彼女は強いことを言えない。言える立場ではない。
でもアイゼンローゼ・カンパニーの方から実力行使が来ちゃったので、これは『正当防衛』なのだ。
ユーベルコード『バトルキャラクターズ2.0』を使い、139体のゲームキャラクター――今回はFPSゲームから取り寄せた兵士キャラを召喚し、戦闘に参加させていく。
シンセティック・オフィサーは次々に会社指定のスタンロッドを取り出して応戦するが、相手は歴戦の兵士キャラ(という設定を持つ)。近づかれないようにする工夫はいくらでもあるわけで。
「これがいわゆる弾幕ってやつですね。そんな棒切れだと近づけないでしょう?」
兵士キャラ達によるレーザー射撃の一斉発射はシンセティック・オフィサーの進路を阻み、更にはその身体に大きな一撃を与えていく。
また兵士キャラ達の装備は豊富なもので、サブマシンガンによる制圧射撃と乱れ撃ちが交互に飛び交い、シンセティック・オフィサーの脳となる部分を撃ち抜き破壊していった。
「おや?」
シャルロッテも共に応戦する中、シンセティック・オフィサーのうちの1体が地面に横たわっていた。
脳の破壊が完全ではなく、しかし手足が十分に機能していないことから身動きが取れていない様子。
「…………」
何かを閃いたシャルロッテはその個体に近づくと、ごそごそと頭の部分に触れる。
まだ完全に壊れたわけではないのなら、アイゼンローゼ・カンパニーの情報が残っているかもしれないとハッキングを仕掛けていく。
とはいえ、彼女らには重要そうなアイゼンローゼ・カンパニーの情報は特には見つからない。まさに鉄砲玉として作られているようだ。
「上層部がとことんクズってことぐらいでしょうか。わかったのは」
ある程度のデータを抜き出し終えたシャルロッテは、兵士達に合図を送り戦闘を激化させておいた。
――徹底的にやらないと、潰しても蘇る予感がする。
そういった予感が迸った。
大成功
🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
…なんか判りやすく実力行使に出て来たな…もう請求は諦めたのかな?
……ともあれこれで正統(?)防衛だ…実力行使に出る大義名分は取れるね…
…さて…防弾シールドからの閃光と衝撃波が厄介と言えば厄介だけど…逆に利用も出来るね…
シールド・インパルスを【その符号、我が書中にあり】による封魔の書で吸収…解放することで周囲のオフィサーをスタンさせよう…
…あとはスタンや目眩で動けないオフィサーを術式による電撃やら光の槍やらで倒していくとしようか…
…さて…数が減ってきたらハッキングでこの指令を出したアイゼンローゼ・カンパニーの重鎮を調べて…ちょっと「挨拶」に行こうかな…
●「挨拶」はとても大事。
「……なんか判りやすく実力行使に出てきたな……もう請求は諦めたのかな?」
様々な疑問が浮かんではあれやこれやと理由を考えるメンカル。
普通に請求を続けていれば良いものの、猟兵の存在が危険であるというだけで実力行使に赴いてくれたため、この時点で立派な正当防衛(?)が成り立った。
アイゼンローゼ・カンパニーの用意したシンセティック・オフィサーはメンカルを取り囲み、防弾シールドを構える。相手がどのような武器を持ち、どのような手段を取ってくるかわからないからこその行動なのだろう。
一方のメンカルは相手がどう動くかで対処を考えた。防衛隊のようにシールドを展開させてくるのなら、次に起こすアクションは――。
「……ああ、そうか」
シンセティック・オフィサーの構えが視界を遮るような動きになっている事に気づいたメンカル。次に相手が動き出した瞬間、メンカルは封魔の書を開き自分の視界を遮るように前へと突き出した。
「――魔を掴む書よ、集め、封じよ、汝は封印、収奪。魔女が望むは写して記す封魔の書……」
ユーベルコード『|その符号、我が書中にあり《ユーベルコード・キャプチャード》』を使い、シンセティック・オフィサーの放った閃光を封魔の書へと吸収していく。
視界を遮るのなら、自分に被害が出ないように動く。ならば次に来るのは閃光と瞬時に判断したメンカルの方が上手だったようで、閃光は一瞬の内に封魔の書に封じられた。
流石にそれは予想外だったのか、閃光が食われた直後のシンセティック・オフィサーはあまりの衝撃にシールドの裏から顔を出した。次のメンカルの行動が致命的になると知らないで。
「……じゃ、これ返すね」
顔を出した瞬間、封魔の書を解放したメンカル。途端に浴びせられる閃光はシンセティック・オフィサーに多大な一撃を与え、スタン状態へと陥っていく。
一発では倒れなかった者に対しては術式で編んでおいた電撃や光の槍を浴びせ、完膚なきまでに倒す。また同じような閃光が放たれても次に対処が出来るかはわからないからだ。
そして、数が少なくなった頃。
倒れた個体をちょっとだけ弄って、情報を抜き出したメンカルは普段と変わらぬ表情のままに呟いた。
「……ちょっと、『挨拶』に行こうかな……」
彼女が手に入れた情報。
それはアイゼンローゼ・カンパニーの重鎮達の……。
大成功
🔵🔵🔵
クレア・ノーススター
「諦めたか、と思ってたんだけどなぁ…」
そんな事は無かった、という事だろう
アイゼンローゼってドイツ語っぽいなぁ、ドイツ語圏といえば北ドイツのハンブルクモトラドやカイザーワーゲンかな、等と油断しきってからの取り立……もとい、襲撃
調査なんて進むワケが無い
前回の取り立てを基に、ガレージに一度戻ってヤーガからアンチェロッティに乗り換えたが襲撃を受けてロマリア製の高級スポーツサルーンが見る見るうちにべこべこになっていく
とりあえず、と手近なオフィサーを跳ね飛ばして停車
車両を盾に銃撃を仕掛けて逃げ切れそうになるまで数を減らし、ある程度減れば飛び乗って逃走、運転しながら時折銃撃、なんてこともできない事は無いのだ
●車と銃は相性が良いもので
「諦めたか……」
小さなため息を付きながら、一旦ガレージへと戻ってきたクレア。
逃走用に使っていたシビルスキー・ヤーガを車庫へと駐車させると、次の車に乗り換えるために別の鍵を取り出した。
「……そういえばアイゼンローゼってドイツ語っぽいよなぁ……」
ふと、頭に浮かんだのはアイゼンローゼ・カンパニーの名前とその由来。ドイツ語なのかなと考えては色々な車種が頭の中を通り過ぎて、少しだけ意識が逸れていく。
そうして考え事をしながら別の車――アンチェロッティ・ヴィヴァーチェGTターボへ乗り換えたところで……アイゼンローゼ・カンパニーに派遣されたシンセティック・オフィサーの襲撃を受けた。
まだシンセティック・オフィサーはクレア本人の乗る車を判断できていなかったようで、ロマリア製の高級スポーツサルーンがみるみる内にスタンロッドによってボコボコにされていった。さながら、ストリートなファイトのボーナスステージのように。
だがそこにクレアがいないことに気づいたシンセティック・オフィサー達。クレア本人を探すため、高級スポーツサルーンから少し離れたその瞬間に、ある個体が強い衝撃を受ける。
「危なかった……!」
使っていた車種を間違えていたらと思うとゾッとした様子のクレア。車の恨みは車で晴らすと言わんばかりに、複数体のシンセティック・オフィサーをとりあえず跳ね飛ばし、停車。
車体を盾にしながらシンセティック・オフィサーの義眼から発射されるビームを回避しつつ、ビーム射出後の硬直を狙いアサルトライフルで撃ち落としていった。
「数は多いけど、確実に落としていけば……」
ある程度数を減らしたところで素早くアンチェロッティに飛び乗り、エンジンをかけたクレア。調子の良さそうな音を聞いてアクセルを踏み、シンセティック・オフィサーとの距離を大きく開かせる。
「しぶといなー、やっぱり」
車で逃げ切れればと考えていたが、相手はメガコーポの作り出したサイボーグ。簡単には逃げ切れない。
「……でも、ボクが逃げるだけだと思ったのかな?」
そう呟いたクレアはハンドルを片手に、もう片手で銃を隣を走るシンセティック・オフィサーに向ける。
――パァン、と一発。
走る車の中から良い音が響いた。
大成功
🔵🔵🔵
ラスク・パークス
POW アドリブ連携歓迎
待ってた。
『・ω・) 排除目標発見。速やかな排除を遂行します』
シンセティック・オフィサーへUC発動。
ザナドゥの黒腕で、動きを止める。
『-ω-) 優れた武器も届かなければ当たらぬよ』
でも、こちらの武器は、届く。
ザ・ヴァルカン、展開。ガトリング、ヒャッハー。
『踊れ踊れー! あ、動けないか☆』
銃器による反撃は、チェーンシューズの機動力で、回避。
敵の防御の薄い、後ろや側面に、回り込んで。ヒャッハー。
生存補助サービス、何も補助されてない。ぜ?
『#^ω^) 顧客を守れず蹂躙されるとは、何たる愚か! 教育教育(ry』
暴力フェイズは、これくらい、かな?
●教育教育教育死刑死刑死刑教育教育教育(略
「・ω・) 排除目標発見。速やかな排除を遂行します」
シンセティック・オフィサーの言葉をそっくりそのまま同じように返したラスク。まさに『待ってた。』と言わんばかりに。
そんな中で近づいてくるシンセティック・オフィサーはスタンロッドを構えてラスクの周囲を包囲し、攻撃のタイミングを測っていた。
じりじりとすり足で近づくシンセティック・オフィサー。相手が動くのを見計らいつつ、ユーベルコード『|ザナドゥの黒腕《カイナ・ザナドゥ》』で全身を漆黒の闇で覆うラスク。
どちらもタイミングを見計らっていたが、痺れを切らしたシンセティック・オフィサーの1人がラスクへと飛びかかり、スタンロッドの刺突攻撃を繰り出そうとしていた。
「-ω-) 優れた武器でも届かなければ当たらぬよ」
ユーベルコードによって生まれた闇は130本の腕となり、それら全てがラスクの意志で動く。近づこうとした個体を黒の腕で取り押さえると、大地に叩きつけスタンロッドもろとも身体をへし折っていく。
どんな個体であろうと、どんな動きであろうと、戦場内に存在するならば黒い腕が全てを食い止める。しかも黒い腕に取り押さえられてしまえば、その身体は動くこともままならない。
「 ・´ー・`) そしてこちらの武器は届く」
地に倒れ伏したシンセティック・オフィサーに向けてドヤ顔を見せつけたラスクは20っmガトリング砲のザ・ヴァルカンを展開させ、有無を言わさず発射。近づいてきた個体、倒れ伏した個体全てを巻き込む勢いで辺りに攻撃を繰り広げていく。
回避しようものなら黒い腕で叩き落し、隠れようものなら無理矢理引きずり出し、相手からの攻撃は全てチェーンシューズを使って回避。まさに死神の名を冠した少女のショーが始まっていた。
ラスクによる蹂躙は続く。
生存補助サービスと銘打った身勝手なサービスが、シンセティック・オフィサーに働いてないことに気づいた彼女は更に相手を煽った。
「#^ω^) 顧客を守れず蹂躙されるとは、何たる愚か! 教育教育(ry」
――大変申し訳御座いません。厳しく改善指導致します。
なんて言葉が何処かから飛んできそうな。そんな気がしないでもないとかなんとか。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『交渉対応』
|
POW : ●『相手に厳しく対応する』
SPD : ●『相手を騙す』
WIZ : ●『相手の言い分を聞く』
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
シンセティック・オフィサー達との攻防を繰り広げた猟兵達。
当然ながら猟兵達の勝利となるのだが、ここで終わるわけにはいかない。
今度はこちら側が請求する側となるのだ。
「な、なんだ!? おい、お前達何処から……!?」
アイゼンローゼ・カンパニーの重鎮の1人、ナターシャ・アイゼンローゼ。
彼はこのカンパニーのCEOとの血縁者でもあり、今回猟兵達に向けて勝手に「生存補助サービス」をつけた張本人。
まさか猟兵達がこちらに来るとは思ってもいなかったようで、事態に気づいた彼は命乞いの言葉をぶつけてきた。
「ま、待て! 悪かった! 今回の件、私1人の責任にしよう!」
「このサービスは私が作り、私の独断で配布した代物! そういうことにしよう!!」
「な!? いいだろう!?」
……何を言ってるのかこの男、すべての責任を自分が被ると言い出した。
もちろんそんなことをしたって、|巨大企業群《メガコーポ》が大きく揺れることはない。
が……アイゼンローゼ・カンパニーという一つの会社が潰れるのを考えれば、この男を通じて会社に請求するのもありなのかもしれない。
さて、何をどう請求してやろうか。
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プレイング受付:10/17 8:31~
受付日前のプレイングはお返しとなります。
いくつかのプレイングの中で会社の情報を探ったりするといったものがあったので、今回襲撃を向かわせた重鎮『ナターシャ・アイゼンローゼ』と対面することが出来ました。
彼は会社を存続させるために命乞いをしてくる始末。小物ですね。
ここでの交渉次第ではアイゼンローゼ・カンパニーは一旦倒産します。(後に復帰するかもしれませんが)
また周りでは他の社員が視線を向けたりしているので、流血沙汰にするのはおすすめしません。
ちなみにカンパニーの金庫にはいっぱいお金があります。
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クレア・ノーススター
「どこって…正面からだよ。下で騒ぎになってるだろう?
勝手にオフィスのモニターを操作、防犯カメラに映るは正面玄関を突き破りショールームが如く堂々と停まっているべこべこのアンチェロッティ、それを不審そうに見る社員と包囲しようとする警備員
開かずに外れて落ちた運転席の扉から、車内が無人なのはわかるだろうに
「コーポの考える事なんて理解できる事じゃないし、修理代と多少の慰謝料位で我慢しようと思ったんだ
他にも払う相手はいるだろうし」
本来の修理代より多めに書かれた請求書を見せる
「でも気になるなぁ、それはつまり、本来そうじゃないって事だよね?」
誰かの指示なのだろう。深入りするなと本能が警告灯を灯した、気がした
●それを知ってはいけない。
「どこ、って……普通に正面からだよ」
ナターシャと対面したクレアは小さなため息を付きつつ、こんこん、と足で床を叩いて『下で騒ぎになっているだろう?』と示す。
実際にクレアが通り過ぎた後のオフィス内部はかなり慌ただしい。警報音と社員の怒声、警備用サイボーグなどなど様々な音が入り乱れる様子がナターシャにも聞こえてきていた。
防犯カメラに映った正面玄関を突き破っていくアンチェロッティ・ヴィヴァーチェGTターボ。それはオフィスのど真ん中に佇まい、まるで会社に飾られたかのような風貌を見せている。……ベコベコに凹んでいるが。
そんな佇まいの車を取り囲む警備用サイボーグ達。色々と警告を発しているが……当の本人はもういない事に気づいていないようで。
「ってことで、修理代を請求に来た」
クレアは室内の椅子に座り、ナターシャに向けて逆に修理費を請求する形を取った。
アンチェロッティの他にもボコボコにされた車――ロマリア製の高級スポーツサルーンもボコボコにされてしまったのだからと、請求書の額面を通常の修理費より少し多めにしてナターシャに手渡す。
「こ、ここ、こんな……」
「こんな? こちらとしてはコーポの考えることなんて理解できないし、修理代と多少の慰謝料位で我慢しようと思ったんだ。妥当だと思うけど」
「ぐ、む……」
クレアの反論に答えることの出来なかったナターシャ。これ以上に額面が上がることを恐れた彼はすぐさま小切手を切ると、それをクレアに手渡した。
彼女が手渡した請求書の額面通りの小切手はきっちり、クレアの懐にしまわれる。
「……でも、気になるなぁ」
小切手を渡されて、少し考え込んだクレア。
こうして猟兵が乗り込んだぐらいで『責任を自分が被る』なんてことがあるのだろうか、と。
「これ、本来は|そうじゃない《・・・・・・》って事だよね?」
ナターシャに問いかけても、彼は沈黙を貫く。それ以上の答えは彼にも答えられない。
それどころか、その問いを投げた瞬間にクレアの本能が警告灯を灯したような気がした。
――その先を知ってはいけないのだと、囁かれるように。
「……ま、いっか。今日はこのぐらいにしておいてあげるよ」
そういってクレアは受け取った小切手を片手でひらひらと弄びながら、アイゼンローゼ・カンパニーの本社を出ていく。
アンチェロッティに堂々と乗り込んだ後、彼女はそこから姿を消したのだった。
大成功
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シルヴィ・フォーアンサー
……突撃あなたの会社にダイナミックエントリー。
(ミドガルズで会社にご訪問、責任者を呼んでと出入り口前に居座り)
『壁をぶち抜きたい所だが……まぁ穏便にいこう』
取り敢えず色々請求する……ヨルが。
『結んだ覚えのない契約料請求による精神的苦痛、断ったら力に訴えてこちらを物理で排除しようとした事による迷惑料、撃退に使った弾薬とエネルギーの消耗費、契約を結んでいると言うなら自社の所員が害をなそうとしてきたのは契約不履行だな違約金をよこせ、それから……etc』
……グダグダ言うなら指定コードで洗脳して貰ってく、傍目にはわかんないし。
……頂いてくぜヒャッハーって言うべき?
『世界が違う、それと汚い言葉を覚えない』
●ここは穏便にダイナミックエントリー
入り口がすっかりガラスまみれのアイゼンローゼ・カンパニー。社員達がせっせと後片付けをする中で、またしてもダイナミックなエントリーをしてくる猟兵が1人。
その正体はクロムキャバリア《ミドガルズ》に乗って到着したシルヴィであり、コックピットから降りた彼女は片付け最中の社員達の静止を振り切り、玄関に居座った。
「……このサービスの責任者を呼んで。今すぐ」
どんなに社員が文句を言おうとも、どんなに社員に引きずられようと、玄関に戻ってきては責任者を呼べの一点張りになったシルヴィ。梃子でも動かないというのはまさにこのことだろう。
『壁をぶち抜きたいところだが……まあ、穏便にいこう』
ミドガルズからのちょっとしたため息が漏れたような気がしたが、気にすること無くシルヴィは居座った。
それからしばらくして、呼び出されたナターシャがシルヴィと対面。
土下座の姿勢を見せたりなんだりして誠意を見せていたが、シルヴィは虚空に視線を向けて何かを考えて……そのすべてのやり取りはミドガルズ専用成人男性型サポートAIユニット『ヨルムンガンド』――ヨルに任せることにした。
ヨルのサポートは完璧だ。この世界に来てからのありとあらゆる出来事を記録していたミドガルズのメモリーから逆算して請求出来る範囲を絞り込み、ちくちくとナターシャを責め立てていく。
『まずは結んだ覚えのない契約料請求による精神的苦痛に対する慰謝料は確実。そしてそこから断ったらこちらを物理で排除しようとしたことによる迷惑料も入る』
「ひっ……そ、それは……」
『ああそれと、撃退のために使った弾薬とエネルギーの消耗費用がある。そちらと契約と結んでいるというのならば、自社の所員が害をなそうとしてきたのは契約不履行に当たるから違約金だな』
「ちょ、ま、待ってくれ……!」
『それから……』
まるで液体が満タンなコップに注がれる水のように、どんどん捲し立てていくヨル。どんなに溢れようが止める様子のない請求にナターシャの表情も氷が溶けるように冷や汗まみれとなっていった。
やがてアイゼンローゼ・カンパニーからの慰謝料その他諸々を頂いたシルヴィ。
「……頂いてくぜヒャッハーって言うべき?」
『世界が違う。それと、汚い言葉を覚えない』
こういう状況ってこんな言葉を言うんじゃないの? の表情を浮かべたままに、シルヴィはミドガルズと共にその場を去っていくのだった。
大成功
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シェリー・ロビンソン
アイゼンローゼから責任を押し付ける先を奪おう
解体してもどこかがパイを奪うだけだけど、裏切らせた先なら次狙う目星も付くしね
入室前から[Cera HS7]でこっそり音声をネット配信、後から映像も流すよ
【Refined truth】を活かし、テキストで被害者達を[言いくるめ]、[鼓舞]して「一人の責任にされると請求し損ねる。動くなら今しか無い」と扇動
十分過熱したら配信を切り画面を見せ、[演技]で混乱させ丸め込む
「遅かれ早かれ他のメガコーポが人道的介入に来るね。
でも今なら、腹を切らされそうになった被害者として駆け込めるかもしれない。
そういう繋がり、あるでしょ?」
そこでもまともな扱いはされないだろうけど
●会社を訴えるなら団体で
「ふむ……」
何かを思案しているシェリー。アイゼンローゼ・カンパニーに入る前にノートPC・Cera HS7で軽く何かを操作した後、そのまま責任者であるナターシャの元へと向かう。
彼女の目的は責任を押し付ける先を奪うこと。それが上手くいくかどうかは、計り知れないが……。
「ま、またか! いったい、何人相手取ったんだよ!」
玄関口の惨上を見れば、既に他の猟兵が来たことは一目瞭然。シェリーはまあ落ち着けよ、とナターシャをなだめてからソファに座り視線を送る。
「遅かれ早かれ、他のメガコーポが人道的介入に来る……ってのは薄々感じてるんでしょ?」
「むぐっ……」
アイゼンローゼ・カンパニーが解体したところで|巨大企業群《メガコーポ》自体に大きなダメージが入ることは殆どない。ただ他の会社からすれば競合会社が無くなった程度の認識となり、いずれこの会社の土地も奪われるだろう。
そうなれば今回の事件の責任は有耶無耶になるのではないか? それを恐れる声を聞いたシェリーは再びCera HS7を開き、画面を――配信者側の画面を見せつける。
シェリーが準備していたのはネット配信。今回の事件をナターシャ一人の責任にされると請求し損ねが起きてしまい、逃げられる可能性も高い。
そこでシェリーは生存補助サービスの被害を受けた人々に向けてユーベルコード『Refined Truth』を発動。テキストによる言いくるめの技術を思いっきり高めた上で、彼らを奮い立たせていた。
「な、な、な……」
ナターシャ自身もここまで大きくなっているなんて想像がついていないのだろう。表情があまりよろしくない。
しかしシェリーはナターシャに向けて、ある提案を上げた。と言ってもそれが良いのか悪いのかは、本人次第だが。
「今なら、腹切られそうになったってことで被害者として他のメガコーポに駆け込めるんじゃない? そういう繋がり、あるでしょ?」
「そ、それはー……」
ナターシャの目が泳ぐ。それ以上の情報を与える訳にはいかないのか、あるいは喋ればなにかあるのか。彼はそこから先、口を噤んでしまった。
そんな合間にも、シェリーの扇動によって焚き付けられた被害者達が会社前にどんどん集まっていく。
被害者の会が結成された今となっては、鎮火させるにも時間がかかりそうだ。
成功
🔵🔵🔴
シャルロッテ・ヴェイロン
まあね、この重役、次は「金はいくらでも出すから命だけは助けてくれ」とか言い出すんでしょうかねぇ?自分から死亡フラグ立ててどうするんですか、と。
とりあえずカンパニーのネットワークに【ハッキング】を仕掛けて、例のサービスの被害者リストを引っ張り出してみましょう(【情報収集・情報検索】)。
そのうえで、重役その他関係者の口座からマネー情報を奪って、それを被害者の口座に返金してみますか(邪魔が入るようなら【データ攻撃】や【ジャミング】で対処)。
――まあ、今回の一件、張本人のクビでお茶を濁すんでしょうね。暗黒メガコーポあるあるってことで(ぇ)。
※アドリブ・連携歓迎
●こっそり返金タイム
「うーん、すごい。あの重役、次は『金はいくらでも出すから命だけは助けてくれ』とか言い出しそう」
シャルロッテは他の猟兵達にナターシャを任せている間、アイゼンローゼ・カンパニーのシステムネットワークにハッキングを仕掛けていた。
生存補助サービスによって被害を受けた人々の情報ならば、サーバーに保存しているだろうと踏んでの行動。多少アイゼンローゼ・カンパニー側からの邪魔も入ったが、すんなりとサーバーから情報を引き抜くことに成功。
ずらりと並んだ被害者のリスト。プロフィールや銀行口座は当然のこと、資産額等もすべて抑えているようだ。
「うわ、結構いっぱいいるー……。えーと、被害額が大きい人はっと……」
被害者のアイゼンローゼ・カンパニーへの振込額をチェックしていくシャルロッテ。ソート機能を使って振込額を降順に並べ、1人ずつ確認していく。
被害が大きい者で実に億単位も振り込まれているという実情に頭を抱えたが、それならそれをきっちり返してやるかと今度は別のところへハッキングを仕掛けていく。
「えーと、あの重役……ナターシャだっけ? アイツの銀行口座と、あとは話しかけてきたあの社員の銀行口座からも引っこ抜いておこうかな」
次にシャルロッテが狙いを定めたのは、アイゼンローゼ・カンパニー社員の銀行口座。こちらはぬるりとハッキングに成功したため、ナターシャと幾人かの社員から金を引っこ抜き、被害者の銀行口座に被害額分を返金しておいた。
ちなみに記帳時には『アイゼンローゼ 返金分』と記されるようにしたので、シャルロッテの手が入っている痕跡を1つも残すこと無く被害者達の救済となった。
「しかし、今回の1件はどうなるかなぁ」
1人ずつチェックしつつ返金作業をしていくシャルロッテは時折独り言を呟き、考える。
今回の事件は相応の範囲に広がりを見せ、いつ終わりを見せるかがわからない。
そんな状態でナターシャが責任を取ったところで、本当に終わるのだろうか? と。
「……ま、張本人のクビでお茶を濁すんだろうなぁ……」
|巨大企業群《メガコーポ》なんて、そんなものさ。
なんて軽く笑ってから、シャルロッテは作業を続けていく。
たった1人のクビが飛ぶだけで、はいおしまい。
そんな世界なのだ。この世界は。
大成功
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ラスク・パークス
アドリブ連携歓迎
ドーモ、ナターシャ=サン。ラスク・パークスです。
『・ω・) アイゼンローゼ・カンパニーをいただきに参った』
退職金一つ残す気はない。
こちらにあるのは勧誘時に得た情報データ。
生存補助サービスのノウハウ、企画段階のサービス内容、各種金銭移動履歴などなど。未公開情報がたっぷり。
今回の件? 不足。よもや、幹部一人のクビで、済ませられると?
『・∀・)b 自己犠牲、あるいは保身の忠誠心、ヨシッ! だが関係ないね!』
と、脅迫からの金銭交渉で気を引きつつ。
室内の端末にUC直結。ハックします。
『・ω・) これは社員情報だねぇ。CEOの住所までバッチリだ』
より深刻な情報をネタに、とことん絞り採ろう。
●搾れるまで搾り取る。
「・ω・)ノ ドーモ、ナターシャ=サン。ラスク・パークスです」
「えっ、何急に。大丈夫か??」
「-ω-) アイサツは大事。古事記にもそう書いてある」
「あ、そう……」
ツッコミに対しても冷静に反応するラスクに、ナターシャも拍子抜けしていた。
しかし彼女の目的を知ったナターシャは冷や汗をかくこととなり、土下座の態勢にまで移る。退職金まで残すつもりはないというのに。
ラスクは勧誘時、情報データを得ている。生存補助サービスのノウハウから企画段階のサービス内容、加えて各種金銭の移動履歴等裏側の情報がたっぷりと。
そんな情報を握られているなんてナターシャは想像もできていなかったのだろう。何でもする、とまで言い始める始末だ。
「・∀・)b 自己犠牲、あるいは保身の忠誠心、ヨシッ!」
しかし、すぐさま関係ないネ! と言い切ったラスク。というのも幹部1人のクビで今回の件を済ませられるか、というのが彼女の理論。アイゼンローゼ・カンパニーという会社自体がなくなるまでは徹底的にやるつもりだ。
脅迫からの金銭交渉までこぎつけた彼女は室内の端末に向けてユーベルコード『サイバーリンクシステム』を発動。有線接続型電脳と接続させた後、次々にアイゼンローゼ・カンパニーの社員情報を手に入れていく。
「・ω・) ほうほう、これは社員情報だねえ」
「げっ!? ちょ、ちょっと待て!!」
「^ω^) おやおや、CEOの情報まで」
「やめろおおおお!?」
大げさに入手した情報を語っていくラスク。その中でも一番重要なCEOの情報を握られて、ナターシャは大慌てだ。
本来なら注意深く取り扱わなければならない|巨大企業群《メガコーポ》CEOの情報。それを猟兵に握られたとなっては、重鎮であるナターシャと言えど良い待遇にはならないだろう。
「^ー^)b CEOの住所までバッチリだね☆」
「ぎゃああぁぁっ!!??」
ナターシャの反応があまりにもおもしろくて、細かく情報を出してはナターシャの反応を待ってみる。
少しでも大きく叫んだ時には、ニコニコの笑顔を向けていた。
その日、アイゼンローゼ・カンパニーの社員達は戦々恐々としていた。
CEOの情報を握られた。その情報が流れたのだから……。
大成功
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ラスカル・ノース
へっへっへ…
慰謝料か。まぁ、ちょっとばかし機械使用料取らせていただくかなっと。
それもあるけど、個人的に迷惑料1000万受け取らんとな。
いろいろしつこかったんで、両足破壊したりな。
エージェントもいっぱい来たからぶっ壊したしよ。
ん…あぁ、そういや、街で電気が落ちて大変になった面々がいっぱい来るから、あとはよろしく。
オレっちは知らん。
●責任の所在は何処?
「へっへっへっ……慰謝料か。それなら機械使用料をとらせていただくかなっと」
もはやどちらが悪なのか、悪い笑顔を浮かべたラスカルは請求書をナターシャに叩きつける。
本来なら機械の使用料だけを請求書に書いておけばよいのだが、それではラスカルの腹が収まらない。個人的な迷惑料として1000万も追加した金額を請求させてもらっていた。
「ここ、こんなに……」
「だって……両足破壊したのに、這いつくばってでも引っ付いてくるぐらいしつこかったし」
その後に関してはラスカルは知らない。生存補助サービスを受ける側となってしまった社員の末路など、その場から逃げ去った彼に知る由はない。
たとえあの社員が借金地獄になったとしても、たとえあの社員の両足が復旧しなくても、ラスカルには全く知らされないのだから。
請求書を受け取ったナターシャはすぐさま小切手を準備し、ラスカルの言った通りの請求金額の額面を用意。これ以上関わらないでくれ、と言ったような表情が大きく浮かんでいた。
「へっへっへっ、確かにもらったぜ。いやぁ、悪いねぇ?」
悪い笑みを浮かべたラスカル。ちっとも悪いと思ってないだろう、なんて言いたげな表情のナターシャだったが、それに反論するのはまずいと思ったのだろう、何も言わずに黙りこくってしまった。
「それじゃ、そろそろ……」
そう言ってラスカルはナターシャと別れようと、扉に手をかける。
しかし彼はふとあることを思い出し、そのことだけは言っておこう、とナターシャに振り向いてこう言った。
「そういや街で電気が落ちて大変になった面々がいっぱい来るから、あとよろしく」
「なっ、なな、なんだってェーーー!!??」
衝撃の事実を叩きつけられたナターシャの顔面が崩壊する。まさか、街の人々にまで迷惑がかかってるなんて誰が想像しただろうか。本当はラスカルのせいなのだが。
その後、大量のクリエイター、そして停電被害でバックアップが飛んでしまったオフィスビルの人々が次々にアイゼンローゼ・カンパニーへと押し寄せる。
そんな大騒動になってることなんて気にせず、ラスカルはそのまま会社の裏口からさっさと出ていくのであった。
大成功
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メンカル・プルモーサ
……さて……どうしたものか……
なにせ挨拶しに行こうとは考えては居たけど何を要求するかとか何も考えてなかったからね
…本当に挨拶だけで済ませても良いかなぐらいだし…
…潰したところで雨後の竹の子みたいに他の企業が生えて来るだけだしなぁ…生存補助サービスはやめて貰うけど…
…取り合えず何を言われても(なんも考えてないけど)意味深に微笑んでナターシャがどこまで墓穴掘るか見守って…
適当なところで「じゃあそれで」と言う事にしようか…他の猟兵達に散々絞られているだろうしね…
●絞り粕に何したところで……
「……さて……どうしたものか……」
土下座態勢のナターシャと、それをソファに座って見つめるメンカル。
メンカルに至っては本当に挨拶に来ただけで、何を要求するのかとか全く考えていなかった。ちょっとしたお仕置きは既に先の戦いで終わらせているので、これ以上何をすれば良いのか皆目見当がついていないのだ。
(本当に挨拶だけで済ませていいかなって考えてるけど……)
既に他の猟兵達にこってりと搾り取られ、残り滓のような状態となってしまっているアイゼンローゼ・カンパニー。ここで潰したところで他の企業が雨後の筍のように生えてくるだけだから、何をしたとしても堂々巡りな気がしないでもなかった。
しかし生存補助サービスに関しては別だ。これはアイゼンローゼ・カンパニー随一のサービスのため、会社を潰しても別の会社が引き受ける可能性がある。
「……ひとまず、生存補助サービスは止めてもらおうかな……」
「もちろん!! ええ、完全に止めさせていただきますッ!!」
床にガンガンと頭を叩きつけながら、生存補助サービスの停止を約束するナターシャ。その様子に少々ドン引きしたメンカルだったが、表情には出さないようにしていた。
メンカルが条件を出さないまま、数十分が経過。
痺れを切らしたナターシャは自分から条件を差し出し、それを飲んでもらおうといくつもの条件を重ねてきた。
迷惑料の支払い、サービスを運営した担当者と施行に応じた者の解雇、契約担当者の解雇、サービスによって得た個人情報の破棄等、ありとあらゆる条件を叩きつけていくナターシャ。
しかしそれらを並べ立ててもメンカルは意味深な笑みを浮かべるばかりでYESの答えを出さない。本人は少々面白がっている様子でナターシャが何処まで積み重ねて、墓穴を掘っていくかを見守っていた。
(そろそろいいかな……)
いくつかの条件を積み重ねたナターシャに対し、適当なところで「じゃあそれでいいよ」と告げたメンカル。
並べ立てられた条件はかなりの数となり、ナターシャだけでは絶対に判断を下してはならないという条件まで出ているが……メンカルはそんなの気にせず、さっさとその場を離れていった。
(……他の猟兵にもさんざん絞られてるだろうし、絞り粕には効果あるんじゃないかな……)
色々と考えたが、まあやることはやれたのでいいか、とアイゼンローゼ・カンパニーを離脱していく。
●倒産……?
後日、アイゼンローゼ・カンパニーの重鎮による不適切なサービス運用ということで大々的なニュースが取り上げられた。
このことによりアイゼンローゼ・カンパニーの名は墜落し、資金繰りが難しくなったということで倒産の話が上がっていた。
……だが、しかし。|巨大企業群《メガコーポ》に並んでいるアイゼンローゼ・カンパニーはただでは終わらない。
CEOの所在などが確保された今だからこそ、力を蓄えるつもりでいるようだ。
――|鉄の薔薇《アイゼンローゼ》が|失墜して《枯れて》いくか、再び|立ち上がる《咲き誇る》か。それは時の流れだけが知る。
大成功
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