日曜日の朝。
人によっては「休みの終わりの朝」だったり「ずっと寝ていたい朝」だったり、様々な答えが返ってくる。
神は世界を作って7日目におやすみになられた、なんて言葉があるぐらいの曜日。それが日曜日だ。
しかし少年達にとっての日曜日の朝は大切な時間。
どんなに眠くても、どんなにつらくても、朝8時には必ず起きてテレビの前に居座っている。
なんて言ったってヒーローが活躍する瞬間が見れる時間なのだから!
『世界を守るために、宇宙を守るために。それが彼ら、コスモレンジャーなのだから!』
いつものオープニングの前口上を聞きながら、飛鳥と澄春はテレビの前で座っていた。
長らくUDCアースの朝のヒーロー番組として放送されてきた『宇宙戦隊コスモレンジャー』。その最終回が今日、放映される日だ。
宇宙を守るために星々を渡り続けてきたコスモレンジャー。
様々な敵が星を滅ぼそうと躍起になっては、星の悲鳴を聞きつけた彼らが星を救う。
今回の舞台は地球。カタラ教団という組織が星に呪いをかけて、植物も動物も全て滅ぼそうとしているところから物語は始まった。
レッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンクの5人の戦士達。
様々な力を持つ彼らが地球との会話を続け、カタラ教団の悪事を食い止めてきた。
そこにブラック、シルバー、ゴールドといったメンバーも入り、新たな武装を手に入れていよいよカタラ教団との最終決戦が近づいていたのだが……。
「ボコボコになって終わってしもたからな……最終回、何が起こるかちゃんと見ないとアカン!」
「先週は大司教デモニオが幹部達復活させたところで終わったからなぁ」
長らく続いたコスモレンジャーの最終回は、絶望の淵に立たされている場面から始まる。
カタラ教団は複数の幹部がいたが、全てコスモレンジャーに敗北。その身体は地球から消え去ってしまい、二度と立ち上がることはない。
最後、コスモレンジャーと相対するのはカタラ教団を取りまとめる大司教デモニオ。
彼を倒せば物語はすべて終わる……そう思っていたが、なんと大司教デモニオは幹部達を復活させていた!
しかも当時の戦闘データを取り込み、コスモレンジャーへの反撃方法を編み出した状態。コスモレンジャー側は強化も相まって非常に危険な状態だ。
「前戦った時のデータもってるなんて卑怯や!」
「まーでも、実際そのほうが強いもんなぁ~。5人だけじゃどうしようもあらへんよ」
CMの合間にも飛鳥と澄春はいろんな考察を上げ、どこからどう勝利へ導くかの予測を立てていた。
新しい奥義を閃くとか、新しい武装が出来上がるだとか、様々な予測が2人の間に上がる。
なにせ最終回なのだ。しっかりと勝利してから終わって欲しい、というのが2人の気持ちでもあった。
また飛鳥と澄春の弟も一緒に、最終回がどうなるかの予測を立てていた。
高校2年生の飛鳥や中学1年生の澄春とは違い、小学4年生の弟が考える予測もまた面白いものがある。
どの予測が当たるか、なんてことは考えずに3人は議論を盛り上げていた。
「にーちゃ、みんな勝てるかな?」
「勝てる勝てる。コスモレンジャーは最強やからな!」
「せやなあ。負ける予測はあらへんわぁ」
前回倒れたとは言え、まだ立ち上がる意志のあるコスモレンジャー。レッドを筆頭に次々と立ち上がり、大司教デモニオに一太刀浴びせようと前へ出る。
けれど邪魔をするのは蘇った幹部達。戦い方を熟知した相手との戦いにまたもピンチが訪れたが……その瞬間、音楽が切り替わる。
「っ!? シルバーのテーマ曲来た!」
コスモレンジャーを何度も見直しては全てを暗記している飛鳥は、BGMさえも熟知している。
故に音楽が切り替わった瞬間、飛鳥は一瞬で誰が来るのかわかっていた。
コスモシルバー。
幹部ラーマと手を組んでレッド達とは一度戦いあった仲ながらも、今は心強い味方となって駆けつけてくれた信頼できる仲間。
「ここでシルバー来るのは熱い!!」
「幹部ラーマと手を組んでたシルバーが、ラーマとのバトルで駆けつける……ええ展開やな」
「やば、涙出てきた……って、待ってこの音楽!!」
次に駆けつけたのは、コスモレンジャー達の窮地を何度も救ってきたコスモゴールド。
その正体は、地球という意思が生み出した戦士であり、最終決戦の報を聞きつけて馳せ参じたそうだ。
「うわー! 今のセリフかっこええなー!」
「『輝く時を刻むために終わりを始めよう』。ええセリフやぁ……」
しみじみと熱い展開に浸っている中で、最後の幹部が倒されていく。
残された大司教デモニオも残る力を振り絞り、レッド達の一撃を受けるが……惜しくもデモニオは倒れることがなく、巨大化してレッド達に襲いかかる。
負けじと彼らも合体ロボに乗り込み対応していくが、流石は大司教と言ったところ。レッド達が押され始めていた。
「にーちゃ、みんな負けちゃうよ!」
弟が泣きそうになりながら応援していると、テーマ曲が変わり……飛鳥のテンションもぶち上がった。
コスモレンジャーの最後の要。地球の意思によって生まれた邪悪を排する黒の存在――コスモブラックの登場に!
「わあぁーー!? コスモブラックまで出てきた! 神展開!!」
「おにぃ、ちょいうるさい。妹起きてまう」
朝の7時とは言え、まだ寝ている者もいる。その代表が彼らの妹だ。
そのため澄春はどうどうと飛鳥をなだめ、そのテンションを鎮めてあげた。
やがて戦いが終わったコスモレンジャー。
地球を守ることが出来た彼らの物語はここで終わりだというナレーションとともに、番組が終わる。
「うっうっ……マジ最高やったァ……」
「うわ、マジ泣きやんおにぃ。まあおもろかったのはそうやけど」
「でも来週からコスレン無いと思うと寂しい……」
しょも……とする飛鳥。
来週どうしようと落ち込む中で、澄春がスマホを取り出して番組のSNSをチェックし、新たな情報を獲得していた。
「あ、来季はコスレン続編やて」
「うっそ、マジで!?」
来季に始まる、コスモレンジャー続編。
その物語が一体どういうものになるのか……それは、また別のお話。
成功
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