エンドブレイカーの戦い⑰〜その終焉を終焉らせて
「流石の快進撃といった所で御座いましょうか」
ライリス・エルファンシア(天麟万華の欠片・f00325)は、そう言いながら一同を迎えた。しかし、その表情は言葉と裏腹に固い。
「11の怪物の生き残りである8体全ての『拒絶の壁』は取り払われ、真の黒幕も炙り出す事となりました」
11の怪物の一体、ラハム。無限竜と融合と融合したという事前の予知であったが、その実態は非常に厄介な代物だったようだ。
「私が視えた予知によりますと、もはや『11の怪物『ラハム』』としての意識は残っていないようです」
ラハムが融合したのは、|斧と魔法の世界《アックス&ウィザーズ》の帝竜の一柱。しかし、その竜は本来この|終焉を終焉させた世界《エンドブレイカー》を由来とする存在だったようだ。
「この、『ラハム』であったモノは、未だその力を十全に揮う事は出来ない状態で御座います。
往時に従えていたという災厄の化身である竜を喚び出し己を護らせ、力を蓄えんとしております」
|地震《地》、|火災《火》、|水害《水》、|風害《風》。そして、|疫病《月》と|旱魃《陽》。これら六体の災害竜が、怪物――正確には怪物と融合し乗っ取った存在を護る為に戦場でその力を揮っているのだ。どれか一体を相手取って、“『ラハム』であった何か”へと攻撃する道を作り、かつ、その攻撃を掻い潜らなければならない。
「この存在こそが、この戦いを計画した、謂わば黒幕。
未だ十全な力を揮う事が出来ない今のうちに、その芽を摘むに限ると思います」
そう、恐らく此処で逃がしてしまった場合、いつの日か十全な力を取り戻した|“『ラハム』であった何か”《この存在》と対峙する事になるだろう。その時に、猟兵達が優位に立てる保証は現時点では何処にもないのだ。
「私が知る中でも随一と言っても良い難のある敵で御座います。……どうか皆様、御武運を」
ライリスはそう言うと、手にしたグリモアに力を籠め、一同を戦場へと送り出した。
●
――還って来た。
ソレは、昏い悦びに打ち震えていた。この世界は元々ソレのモノになるはずだったのだ。
其の為に、己の力を駆使し、最強の仔等を生み出し育て。世界を其の手に収めんとした最中、矮小な存在達がそれを阻み、己を|終焉させた《ころした》。
その後、醜い竜の身へと変えられるとは思いもしなかったが、こうして還って来る事が出来た。欠損した力が十全となり、醜い姿と別れを告げる日も近いだろう。
其の力の名は|終焉を齎す力《エンドテイカー》。望む終焉を掴むまで繰り返すのだ、幾度でも。その為に、この地に還って来たのだから。
無知蒙昧にして力のみの怪物達を利用し、この世界を手中に収める為に。
この世界を手中に収めんとした魔女の一柱であり、帝竜跋扈する|斧と魔法の世界《アックス&ウィザーズ》の帝竜の一柱として再孵化せしモノ。竜の身をさながら蛹のように割り咲いて、その姿を顕さんとするモノ。
其の名は、大魔女スリーピング・ビューティ。
――さあ、終焉を始めましょう。
白神 みや
お世話になっております。|白神《しらかみ》です。
戦争シナリオ第三陣、恐らくラスト。
還って来た大魔女スリーピング・ビューティ。|齎さんとする《その》終焉を|終焉《おわ》らせて、世界に平穏を。
●プレイングボーナス
戦場を包む「6種の災害」からひとつ指定し、対抗策を考えること。
また、必ず猟兵たちより先んじて攻撃をしてきますので、そちらの対策も併せて考える必要があります。
●お願い
MSページはお手数ですが必ずご一読ください。
今回のプレイング受付開始は【9/15 8:31〜】です。この時間より前のプレイングはお返しする可能性がありますので、ご了承ください。
また、🔵が👑を上回った事を確認した時点で〆切予定です。
タグに状況を記載しますので、御手数ですが宜しくお願いします。
第1章 ボス戦
『ラハム・ジ・エンドテイカー』
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POW : 遺失魔術パワーワードキル
【過去をやり直すエンドテイカー能力】を使い、予め設置しておいた【内部の敵の命を奪う『死の魔法円』】を起爆する。同時に何個でも、どんな遠距離からでも起爆可能。
SPD : 遺失魔術メテオスウォーム
自身が【勝利への意志を失わずに】いる間、レベルm半径内の対象全てに【降り注ぐ隕石】によるダメージか【過去をやり直すエンドテイカー能力】による治癒を与え続ける。
WIZ : 私こそが、世界の全て。
【エンドテイカー能力により繰り返される戦闘】の継続時間に比例して、自身の移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘が上昇する。
イラスト:須田デジタル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
雨倉・桜木
・満足するまでやり直し、かい?それはとても厄介だ。現実は夢ではあるまいし。ああ、それともだからこそ100年も夢見続けられた眠り姫と名乗るのかな?まあ、ぼくは過去のことなど知らないし、由来に興味ないけれどね。
・炎の災厄を選択。先制には第六感と自らに呪詛を。敵の攻撃が当たらないようなお呪いをかけよう。気休めだけれど攻撃を受けるよりはマシだろうよ。よく燃える樹木の精が炎を選ぶなど愉快だろう?だけどぼくには可愛い可愛い悪魔たちがいるから平気なのさ。代償は触覚の消失だけど1日だけだしね。
さぁさ、おいで!炎を打ち消す津波を起せ!すべてを飲み込み魔女の業火を押し流せ!!…嫉妬の業火もこれで消せるといいねぇ。
●
ただ眠っているだけであればまだしも、微睡ながら己が満足する|ユメ《未来》を手にするまでやり直す魔女とは厄介だ。
(現実は夢ではあるまいし)
雨倉・桜木(花残華・f35324)はそんな思いを言葉には出さず、彼方に鎮座する竜を見つめる。桜木はこの世界に足を踏み入れた事自体が初めてであり、この竜がこの世界とどのような因縁を持っているのかは知る事無く降り立った。
(過去の事は知らないし、|由来《そんなもの》に興味ないけれどね)
興味は無くとも、竜から咲かんとする|存在《女》が、この世界は己の物だ、その為に策を弄したのだと謳う怨嗟の声は厭でも聞こえてくる。
「――ああ、それともだからこそ100年も夢見続けられた眠り姫と名乗るのかな?」
「お前達の如き矮小な者達が賢しい口をきく」
合点がいったとつい零した声が耳に届いたのか、女の意識が桜木へと向いた。己を畏れるでも無く、淡々と断じる様が余程気に障ったのだろうか。
「私こそが、この世界の全て。それは既に決められた事なのだ、|終焉を齎す力《エンドテイカー》によって……!」
そう謳う竜の身が揺れると、その周囲を守護するように浮遊していた災害竜達がその首を桜木へと向ける。
「おや、怒らせちゃった? じゃあ……|遊ぼう《たたかおう》か、炎の災厄」
そう言いながら桜木は己に向いた竜――|火災《火》の災害竜を指さして、笑った。竜はそれに応じるように首をもたげ、唾液の代わりのように焔を滴らせる口から、火球を吐き出す。女の下僕である竜の動きを阻止できない事は承知の上。だから事前に己にかけた|呪詛《おまじない》とその身と経験による第六感の恩恵を駆使する。
「よく燃える樹木の精が炎を選ぶなど愉快だろう? だけどぼくには可愛い可愛い悪魔たちがいるから平気なのさ」
まるで歌を歌うよう踊るようにそう言い放ちながら、踊るようにくるりと回って、火球を、熱風をいなせば、その手にあるのは愛用の三味線。
「さぁさ、おいで! 炎を打ち消す津波を起せ! すべてを飲み込み魔女の業火を押し流せ!!」
ちんちりりん。三味線の音と共に桜木が歌う。
ばしゃり。その声に応じるように、焔が満ちる場に水の音が響いた。五つ尾鰭の金魚が、|火災《火》の災害竜と対峙する。どこか億劫そうにその身を揺らしながら、|辰《竜》の力を持つ悪魔は火竜と女に向けその身を覆うほどの水流を放った。
大成功
🔵🔵🔵
リカルド・マスケラス
「この世界を好きにはさせないっすよ〜」
などと言ってバイクに乗って登場の狐のお面
「まずは前哨戦っすよ」
地水火風の竜を相手にバイクの【操縦】で回避しながら鎖鎌を射出して【捕縛】し、【怪力】で引きずって他の竜の盾にしたり、攻撃の方向を逸らさせて同士討ちさせたり、更には有効属性っぽい【属性攻撃】を乗せたビーム砲で戦闘不能に追い詰める
「さて、ここからちょーっと使わせてもらうっす」
倒してから1分ほど経ったら、戦闘不能にした災害竜を【再臨の仮面舞踏会】で自分の手駒として復活させ、そのうちの1体に自身も憑依して魔女へと攻撃を仕掛けるブレスとか爪とか
「最強の仔の力、とくと自身で味わうといいっすよ!」
●
「この世界を好きにはさせないっすよ〜」
ひとつの世界の終局になりうるかもしれない状況を打ち破るかのように、ゆるりとした声音でリカルド・マスケラス(希望の|仮面《マスカレイド》・f12160)はその地に現れた。元を辿れば|終焉を終焉させた世界《エンドブレイカー》の出身の|大魔女の仔《マスカレイド》であったリカルドだが、それはとうの昔の事。今のリカルドは、世界に掬い上げられた三十六世界を渡る猟兵であれば、この眼前で竜から咲こうとする薔薇の大魔女は、斃すべき存在だ。
「まずは前哨戦っすよ」
そう言うと、リカルドは共に転送されたバイクへと飛び乗る。とはいえ、飛び乗ったのはリカルド自身ではなく、己が|大魔女の仔《マスカレイド》であった頃に、最後に己の装着者だった存在の写しであり、リカルド本人はといえば彼の頭部に仮面として装着されているのだが。
そんな主を乗せて、バイクは災害竜が舞う大地を疾走する。主を護る為、災害竜達が次々に襲いかからんとするが、それをものともせずにリカルドはその愛騎で駆ける。先行した猟兵により土が水を吸って泥地になっている個所もあるようだが、それも慣れた調子で駆け抜けながら、時に鎖鎌で捕縛して盾にし、時に同士討ちを誘発するように立ち回る。
「ちょこまかと……! 我が仔として生まれながら、それを放棄した愚か者が」
災害竜達がたった一人に翻弄され、前後不覚に陥っていく様に、帝竜の背の裡から女が忌々し気に吐く。
「さて、『ここからちょーっと使わせてもらうっす』」
女の怒号を受け流して、リカルドは笑いながらユーベルコードを展開する。白狐の面が災害竜達に付与され、其々が帝竜へとその首を向ける。
「最強の仔の力、とくと自身で味わうといいっすよ!」
そのうちの一体――|水害《水》の災害竜の面に己を憑依させたリカルドの号令で、十全ではない災害竜の攻撃が帝竜と女を襲った。
大成功
🔵🔵🔵
キラティア・アルティガル
十重二十重に身を守り怯えておるが
覚悟が足りぬの
行いに信念あらば堂々としおろう
混ぜ物になったが為に矜持が失せたか?
そうに違いないと得心し敵を見据えよう
「矜持無き化け物ばらに我は負けはせぬぞ!」
全力で征くという宣言をの
転送前、辛うじて覚えたオーラ防御で防戦じゃ
割れ崩れようが30枚あればギリギリでも
持ち堪えられよう
「古里を貴様らごときにくれてなぞやらぬ!」
地震は無論デモンウィングで捌き切ってみせる
我がUCの魔翔に地魔は手出しできぬ!
肉薄し至近より破壊光線を見舞い竜は撃破じゃ
さて本陣じゃ!
全速で駆け必ずやラハムめに破壊光線も武器も余さず叩き込もう
「|我《エンドブレイカー》が手で果てよ!」
世界は渡さぬ!
●
(辛うじて覚えたオーラ防御は何処迄持ち堪えられるかの)
キラティア・アルティガル(戦神の海より再び来る・f38926)は、付け焼刃のように身につけた技術に幾許かの不安を抱えながら、嘗ての決戦の地に舞い戻る事となった。災害竜が空を舞う様もまた、嘗て冒険者の酒場や己の酒場で聞き及んだ光景と相違無いそれだった。唯一つ違うのは、かの大魔女の居城に、|棘《ソーン》の薔薇の代わりのように取り巻く帝竜の姿。
「――覚悟が足りぬの」
思わず抱いた印象が、口を衝いて零れた。嘗てを知るからこそ、今の姿は十重二十重に身を守り怯えているようにキラティアの瞳には映ったのだ。
「脆弱な仔が何を吼えるか」
「行いに信念あらば堂々としおろう。――それとも、混ぜ物になったが為に矜持が失せたか?」
「貴様! この世界は私の物。其れが必然であれば!」
帝竜の裡の女と帝竜、そして災害竜が同時に吼えた。その様に、己の見立てに相違が無いであろうと、キラティアは得心する。
「矜持無き化け物ばらに我は負けはせぬぞ!」
「竜ども、アレを潰すがいい!」
己の全力で征くという意思を籠めた鬨の声を上げ、キラティアはその背にデモンの翼を拡げて空を舞う。狙いを定めた|地震《地》の災害竜の起こす地震は地より離れ空を駆ければ、自身に与える影響は僅かなものになる。
「古里を貴様らごときにくれてなぞやらぬ!」
そうして地の災害による被害を最小限に抑えたキアラティアは、その身に宿したデモンの力による光線で|地震《地》の災害竜を撃ち抜き、そのまま|帝竜と成り果てた大魔女《本陣》へと駆ける。
「|我《エンドブレイカー》が手で果てよ!」
デモンの光線を放ちながら、その手にした大鎌を振るい、怨敵を斬り裂いた。
大成功
🔵🔵🔵
マウザー・ハイネン
何度も甦って来て実に面の皮が厚いですね、この俗物大魔女は。
骸の海から起きてくるなら再び永遠の眠りへ落としましょう。
風の災害竜に対策。
身を低くしつつ周囲の地形を把握、頑丈な構造の障害物に隠れ直に暴風を受けて飛ばされぬよう移動。
その上で災害竜自身の突撃は見切り受け流しつつ佇む大魔女へ。
大魔女の死の魔法円には足を踏み入れぬよう警戒。
大魔女の殺意からどこに仕掛けそうか心眼で読んで見切り、野生の勘も合わせて回避します。
破魔の力を乗せた、或いはUC使用した氷槍を魔法円に突き刺し無効化できないか試し、いけるならばそれも対抗策に。
近づけたらUC起動しその加護も魔法も氷槍で砕いて見せます。
※アドリブ絡み等お任せ
●
(何度も甦って来て実に面の皮が厚いですね、この俗物大魔女は)
マウザー・ハイネン(霧氷荊の冠・f38913)は竜と化した大魔女を見上げ、呆れ気味に溜息をついた。この地も、帝竜の背を割って垣間見える姿も、|終焉を終焉させた世界《エンドブレイカー》出身の|終焉破壊者《エンドブレイカー》であれば、よく思い知らされたであろうもの。
(骸の海から起きてくるなら再び永遠の眠りへ落としましょう)
あの魔女が果たして骸の海で眠る|過去の残滓《オブリビオン》に類する何かなのかは判らないが、今のマウザーは|終焉破壊者《エンドブレイカー》であり三十六世界を護る猟兵なのだ。であれば、何をすべきかは必然と定まる。
「お相手願いましょうか、|風害《風》の災害竜」
長く愛用する銀槍をくるりと回し、|風害《風》の災害竜へと向ける。向けられた意思に、竜がその首をマウザーへと向け、その口から竜巻の如き暴風を吐き出す。それと同時にその身を屈めてマウザーは地を駆けながら、風除けになりそうな瓦礫を利用して暴風のブレスをいなす。
「忌々しい|終焉破壊者《エンドブレイカー》が……!」
魔女と共にその蛹である竜が咆哮する。叫びと共に向けられた殺意を察知したマウザーが踊るように進む方向を切り替えると、それまでの進行方向の先で薔薇の花にも似た魔法陣が赤く光った。
(あれが、『死の魔法円』。ならば……!)
すかさず冷気を纏わせた銀槍に、|反魔法《アンチマジック》のルーンを付与し斬り裂く。万物が氷結する絶対零度の冷気に斬り裂かれた薔薇の魔法陣は、凍り付き砕け散った。
「その加護も魔法も氷槍で砕いて見せます」
魔女が魔法陣を起動せんと向ける意思を持ちうる全てで読み取り、マウザーは己に向けて発動される魔法陣を砕いていった。
大成功
🔵🔵🔵
キアラ・ドルチェ
【護】
あまり難しい事はよくわかりません
でもエンドテイカーの能力が恐ろしいものなのはわかる
だから…ここで終わらせますよ?
終焉はここにある
ギャラルホルンはかき鳴らされた
さあ、ワルキューレのように舞えわたし(両手にスティレット構え
光の翼を纏って、ただラハムへ向けて真っ直ぐに飛ぶ!
地震はこれで避けられるはず
そして一撃で倒す事で「私こそが、世界の全て。」の強化能力も無効化できるはず
ただ一筋の光となりて…我が短剣を以て、汝の逝くべき道を悟らせよう
【暗殺】の一撃を大魔女の眼窩へと!
竜の鱗なら弾かれるかもですけど、ここなら急所! 私のスティレットでも貫けるっ!
「御機嫌よう、然様なら、良い終焉を」
葛城・時人
【護】
頼もしい仲間たちと来た
皆となら大丈夫と言い切れる
「日付までに強敵を一体でも多く撃破しよう!」
先制攻撃と属性の盾は別
なら先ず全力で先制攻撃に対処する
最高レベルまで上げた防具と磨いた技能の出番だ
「どれだけ苛烈でも全ての防御と根性系で躱しきる!」
可能なら仲間も護ろう
次は竜!
地震を相手取ると決めUC白燐武空翔詠唱
「その護りは役に立たない!」
現れた蟲に騎乗して立っていられない程の揺れと
地割れを辛うじて躱す
高速・多重詠唱で二匹目も呼び、背後につけ突撃敢行!
一匹目で竜を粉砕!落ちかける俺を二匹目が乗せてくれる
「ありがと!さぁもう少し!」
仲間も助けつつただラハムへ全速で翔ぼう
「必ず墜とす!消え失せろ!」
凶月・陸井
【護】
とんでもない強敵だ
だけど全てをやり直す力なんて
放置するわけにはいかない
信頼する仲間達と共に、行こう
「あぁ。この戦場も、きっちり突破しよう」
まずは全力で先制攻撃への対処だ
覚悟、護衛、見切り、フェイント等
ありとあらゆる感覚と技能を使って隕石を回避し
即座に災害の相手に移ろう
「悪いが、どっちにも手間取ってるわけにはいかないからな」
俺は水害を選択、洪水でも濁流でも構わない
能力者で在り、水練忍者として
どんな状況で在ろうと水は俺のテリトリーだ
水の中を進みながら【戦文字「死龍葬弾」】を使用
書き上げた弾丸を装填し
災害竜と魔女の居る方向へ銃口を向ける
「これで倒せれば良し…倒せなくとも、皆の通る道になる!」
●
「とんでもない強敵が最後に控えていたものだな」
凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)は竜の威容見上げながら言う。しかも、全てを望むままにやり直す|終焉を齎す力《エンドテイカー》などという力を持つ代物だ。|銀の雨降る世界《シルバーレイン》でも、猟兵となって二年近く見てきた幾多の世界でも、そのような存在は見なかったように思う。そして、そのような存在を放置する訳にはいかない事も、明らかだった。
「あまり難しい事はよくわかりませんけど」
そんな陸井の傍らに立つ二人のうち、キアラ・ドルチェ(ネミの白魔女・f11090)が杖を手に言う。運命の糸の悪戯で乙女の姿ではあるが、未だ幼いキアラは時に深淵の如き機微を読み解く事は難しく感じる。だが、猟兵として積み重ねた経験と知識は、歴戦のそれだ。それ故に、蛹のような竜が扱う|終焉を齎す力《エンドテイカー》の恐ろしさは理解できてしまった。
「皆となら大丈夫」
僅かな不安に揺れる|預かり子《キアラ》の背を押すように、葛城・時人(光望護花・f35294)が真っ直ぐに言う。一日でも早く、より多く、敵を倒す。それは猟兵となって駆け抜けてきた戦いと変わらない。例えどれだけ強大な敵であっても、頼もしく、頼もしい仲間たちが共に立つ戦場だ。不安などある訳がない。
「あぁ。この戦場も、きっちり突破しよう」
陸井がそう場を引き締めると、三人は頷きあった。
「この世界の者でもない部外者が! 我が世界で勝手は許さぬぞ!」
帝竜の裡より女の怒号が響いた。|終焉を齎す力《エンドテイカー》の力で己の力を引き上げた魔女が展開する遺失魔術が天より隕石を降らせる。
「どれだけ苛烈でも躱しきる!」
此処迄にやってきた猟兵達との戦いで災害竜も傷を負ってきている。それでもその権能は健在であり、衰えを見せている訳ではない。
故に、彼等は其々に持ちうる力を駆使して隕石を回避していく。
「『輝けるその白き翼もて征けククルカン!』」
降りやまぬ隕石を回避しながら時人は己の身の裡から|白羽の白燐蟲《ククルカン》を喚び出し、その背に乗る。続けてもう一匹喚び出して、駆ける。
「終焉はここにある。ギャラルホルンはかき鳴らされた」
キアラは父祖伝来の十字剣を両手に構え、厳かに言う。其れは、詠唱であり、対峙する|竜《大魔女》への宣告。
「さあ、ワルキューレのように舞えわたし!」
その声と共に、キアラの背に光の翼が拡がった。その翼をはためかせて、キアラは時人の|白羽の白燐蟲《ククルカン》と共に空を舞う。
「キアラ、災害竜は任せて!」
時人はそう言うと、|白羽の白燐蟲《ククルカン》達と共に|地震《地》の災害竜へと向かい、キアラはその言葉を受けて真っ直ぐ|竜《大魔女》へと駆けていいった。
時人は|白羽の白燐蟲《ククルカン》達と空を駆けて|地震《地》の災害竜の干渉を最小限に抑えたまま、|白羽の白燐蟲《ククルカン》を突撃させる。突撃した|白羽の白燐蟲《ククルカン》はその身を休める為に時人の裡へと還り消えていくか、共に居たもう一体が落ちゆく時人を受け止める。
「ありがと! さぁもう少し!」
「きゅい!」
|地震《地》の災害竜の干渉を抑えたままキアラは駆ける。
「ただ一筋の光となりて……我が短剣を以て、汝の逝くべき道を悟らせよう!」
神を護る為に創られ振るわれたという十字剣が魔女に向けて振り下ろされ、魔女を護るようにその身を覆う棘薔薇を斬り裂いた。
「……おのれ、おのれ……!」
竜の身を捩じらせて魔女が叫ぶ。この世界は己のモノであり、そうなるように|終焉を齎す力《エンドテイカー》を用いてきた筈だった。今再びその機会を得た筈だった。しかしこの状況はどうだ。在りし日の目覚めの時――同じように災害竜を引き連れていたあの時よりも、劣勢に追い込まれているのではないか。
「――忘れてもらっては困るな」
そこに立つのは二人と別れて|地震《地》の災害竜ではなく|水害《水》の災害竜へと向かっていた陸井。水練忍者である陸井には、水の戦場は主戦場と言っても過言ではない。だからこそ荒れ狂う水に翻弄される事なく戦場を駆けて、戦文字を綴り短刀銃へ装填。その銃口を災害竜と魔女へと向ける。
「これで倒せれば良し……倒せなくとも、皆の通る道になる!」
「必ず墜とす! 消え失せろ!」
「御機嫌よう。然様なら……良い終焉を」
三人の攻撃が魔女の護りをも穿ち抜いた。
●
帝竜を蛹とし、この世界に再孵化せんと試みた大魔女。妄執にかられた彼女の望む|終焉《みらい》への野望の一端は、猟兵達により|終焉《おわり》を見る事になる。彼女が利用した11の怪物もその大半が既に制圧され、残るモノもその力を削がれていっている。
|終焉を終焉させた世界《エンドブレイカー》の戦いの趨勢は、猟兵達の勝利へと傾きつつあった。
大成功
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