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エンドブレイカーの戦い⑫〜デモニスタ・カーニバル!

#エンドブレイカー! #エンドブレイカーの戦い #ムシュフシュ・ザ・カーニバル #ジェスター

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 ――エンドブレイカー世界・三塔戒律マギラントにて。

「いや~猟兵のミナサマが、マサカこんなにも早く『拒絶の壁』を破壊してワタシの元へ押し寄せてくるとは!」
 11の怪物の一柱『ムシュフシュ・ザ・カーニバル』は愉快そうに笑う。嘲笑う。オブリビオン「ジェスター」と融合したそれは、かねてからこの大戦を待ち侘びていたのだ。
 そのために密かに準備を進め、いよいよエンドブレイカー世界をエリクシルだけの世界にするべく決起したのだ。
 しかし、猟兵の動きはあまりにも激流が如き勢いで止まる気配もない。
「デスガ、こちらもエリクシル軍団を率いてラズワルド・ウォールの突破を試みている最中です! ソウ簡単にこのエリクシルの大軍勢を突破できるとは思えませんがネ!」
 そう『ムシュフシュ・ザ・カーニバル』は断言する。
「では、カーニバルの名において……寄ってらっしゃい見てらっしゃい。愉快なカーニバルがやってきたよ!」
 マギラント周辺は、おびただしい数のエリクシルが怪物の手にした杖で蘇生させて解き放たれている。
 まるでそれは分厚い『エリクシルの壁』であった。

 ――グリモアベース。
「4日目で11の怪物の一柱を攻略可能になったよっ! めっちゃいいペースだよっ!」
 喜ぶ蛇塚・レモン(白き蛇神憑きのシャーマンクイーン・f05152)は、今回の作戦内容を猟兵達へ伝え始めた。
「討伐対象は勿論、11の怪物の一柱『ムシュフシュ・ザ・カーニバル』! 奴は都市国家『三塔戒律マギラント』付近に陣取ってるよっ! 厄介なのは敵の戦力、物量作戦に長けたことだねっ! なにせ奴が『寄ってらっしゃい見てらっしゃい。愉快なカーニバルがやってきたよ!』の一声と共に大量のエリクシルを『願いの力』で大量に蘇られちゃうんだよっ!」
 そのため、猟兵はマギラントへ近付こうとしても、結集したエリクシルの大軍勢の壁に阻まれて『ムシュフシュ・ザ・カーニバル』に近付くことが出来ない。だというのに『ムシュフシュ・ザ・カーニバル』はその壁越しに絶対先制ユーベルコードで攻撃を届掛けてくるのだ。殺戮道化師『ジェスター』と融合したことで『ムシュフシュ』の能力も強化されているのだろうか。

「とにかく、奴にダメージを与えるためには【飛んでくる敵の先制攻撃を対処した後に、エリクシルの壁を突破する】しかないよっ!」
 そして、今回蘇るエリクシルは『デモン人間』だ、
 |悪魔《デモン》と呼ばれる「具現化された夜」に肉体と精神を乗っ取られ、怪物化したデモニスタだ。
 そのユーベルコードは以下のとおりである。

 POW:『クリムゾンハウンド』
 自身の【血液】を代償に、1〜12体の【血の猟犬】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
 SPD:『レギオスブレイド』
 レベル×1体の【魔剣】を召喚する。[魔剣]は【斬撃】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
 WIZ:『デモンフレイム』
 レベル×1個の【漆黒】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。

 つまり、こういう事だ。
『ムシュフシュ・ザ・カーニバル』の絶対先制ユーベルコードを凌ぎ切り、四方八方から飛んでくる『デモン人間』達のユーベルコードを対処しながら、分厚い『エリクシル大軍勢』の壁を突き破る。そして、ようやく『ムシュフシュ・ザ・カーニバル』へ反撃のユーベルコードないし一太刀を浴びせることが可能となる。
 ……正直、かなり難易度の高い任務だ。
「そうだとしても、奴は2019年のヒーローズアースでの戦争を引き起こした張本人! ここで決着をつけないと、また暗躍されちゃうかもっ? だから、みんなの力を貸してほしいなっ!」
 レモンはグリモアを輝かせて、猟兵達をマギラント周辺への転送を開始する。
 はたして、この厳しい状況で『ムシュフシュ・ザ・カーニバル』を仕留めることが出来るだろうか?
 ユーベルコードの高まりを感じる……!


七転 十五起
 エンドブレイカー世界での戦争シナリオ第4弾!
 暗躍する殺戮道化師を今こそ討ち果たしましょう!
 なぎてん はねおきです。

●プレイングボーナス……敵の先制攻撃に対処し、マスカレイドの壁を突破する。
 オープニングでも順序立てて解説してますので、その通りに行動の対処を願います。

●その他
 コンビやチームなど複数名様でのご参加を検討される場合は、必ずプレイング冒頭部分に【お相手の呼称とID】若しくは【チーム名】を明記していただきますよう、お願い致します。
(大人数での場合は、チームの総勢が何名様かをプレイング内に添えていただければ、全員のプレイングが出揃うまで待つことも可能ですが、その際は参加者全員のオーバーロード投稿を強く推奨します)
 なお、本シナリオは戦争の進行状況に応じて、全てのプレイングを採用できない可能性があります。
 予めご了承くださいませ。

 それでは、魂の熱量が籠ったプレイングをお待ちしてます!
211




第1章 ボス戦 『ムシュフシュ・ザ・カーニバル』

POW   :    デモニックアルター
自身が【悪事】で使用した道具全てをレベル秒間【ジェスターズ・マスターデモン化】し、[悪事]の腕前に比例した強さで戦わせる。
SPD   :    デモニックエクリプス
【漆黒のマスターデモン形態】に変身する。隠密力・速度・【超重力を放つハンマー】の攻撃力が上昇し、自身を目撃した全員に【恐怖】の感情を与える。
WIZ   :    ムシュフシュフォール
戦場にレベル×5本の【エリクシルの槍】が降り注ぎ、敵味方の区別無く、より【正義の心を持つ】対象を優先して攻撃する。

イラスト:シャル

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

空桐・清導
POW
アドリブや連携も大歓迎だ

「アースクライシスでの借りが返せるな。
あの頃は戦えなかったが、今のオレならやれる!
いくぞ、ジェスター!そしてムシュフシュ!」
[オーラ防御]を展開して襲い来るマスターデモンの攻撃を
[気合い]と[根性]で捌いてサンライザーを[一斉発射]して撃波
次々襲い来るデモン人間と血の猟犬を[ダッシュ]で引き離しながら
[誘導弾]を発射して撃破してUC発動の時間を稼ぐ

「さあいくぜ!決着変身!!」
UC発動
ジャスターめがけて砲撃
エリクシルの群れもなぎ払って道が出来る
敵全体の動きも鈍った隙にジェスターに接敵
巨大化したアインを振りかぶって一刀両断
「超必殺!ファイナル・ブレイヴ・エーンド!!」


リカルド・マスケラス
現地のNPCと協力して戦うっすよ〜

「ちょっと、戦うために力を貸して欲しいっすよ」
【コミュ力】で協力を取り付けたNPCに憑依して、リカルドの能力値と技能で戦う。【怪力】でのゴリ押しや【属性攻撃】【破魔】で相手の弱点を突いた戦いも可能。鎖鎌を使った【ロープワーク】【拘束】もできる
更には、忍者アビリティ【影魔人の術】で影魔人を呼び出し、腕を伸ばしたり分裂させたりして殴ったり捕縛したりできる
「よし、行くっすよ影魔人!」

リカルドの存在をマスカレイドかと訝しむ相手がいれば、
「マスカレイド? 違うっすよ。自分は人々に希望と笑顔を届ける正義の仮面、ヒーロマスクっすよ」
とでも言っておく



 空桐・清導(ブレイザイン・f28542)はヒーローズアース出身のヒーローである。
 彼は4年前の『アースクライシス2019』……ヒーローズアース全域を巻き込んだ一大決戦では戦うことが出来なかった。
 故に、かつての大戦を引き起こした張本人を前に憤怒と使命感で胸の内を満たしていた。
「ようやくアースクライシスでの借りが返せるな。あの頃は戦えなかったが、今のオレならやれる! いくぞ、ジェスター! そしてムシュフシュ!」
 大量のエリクシル軍の壁の向こうに控える『ムシュフシュ・ザ・カーニバル』へ叫ぶ空桐。
 これに彼の仇敵は余裕たっぷりに、慇懃無礼に一礼で返す。
「たった独りでこの大軍勢を相手に、ワタシの元へ辿り着けるでしょうカ? ズバリ! 無理ですナ!」
「その言葉、後悔させてやる! 俺は独りでも十分だ! これが、ブレイザインの力だ!」
 真っ赤な輝きが空桐を包み込むと、空桐は超鋼真紅ブレイザインとしての本領を発揮!
 そのまま空桐が単身でエリクシルの大軍勢へ飛び込もうとした、その時だった。

「独りよりも二人っすよ。ヒーローなら猶更っす」

 ここで青髪の青年がバイクに跨って颯爽と登場っ!
「ちわ~っす、通りすがりの人々に希望と笑顔を届ける正義の仮面、ヒーロマスクのリカルド参上っすよ」
 リカルド・マスケラス(ロープ際の魔術師・f12160)、義によって空桐の助太刀に駆けつけた!
「同じヒーロー同士、此処は共闘っすよ」
「わかった、助かるぜ! リカルド! 俺はブレイザイン! それにバイクでの移動……その手があったか!」
 空桐はブレイザイン専用二輪車ソルブレイザーを召喚して飛び乗ると、エンジン全開、フルスロットルで急発進!
「待たせたな、ジェスター! 俺達二人で! アンタを倒してみせる!」
「無駄だと言っているのが分かりませんカ!? アナタなどワタシが手を下すまでもありません! 征きなさイ、デモニックアルター!」
 怪物は手にしていたハンマーを前方に投げつける。同時にエリクシルの欠片も放り投げた。
 するとそれらは急に人型へ姿形を変えてゆき、ジェスターズ・マスターデモンと化して空桐とリカルドへ襲ってきた!
「これが先制攻撃っすね。分身遣いっすか。まずはあれを凌がないと駄目っすよ、ブレイザイン」
「ああ、勿論だ! だから俺の全力を、最初から! 出し惜しみなしだ! アンリミテッドッウィルッ!」
 空桐の不屈の意思が肉体を超え、光焔となって実体化!
 バイクを駆ける姿は煌めく彗星の如し!
「こういうのは気合と根性が大事だ! フレア・リアクター、限界突破! サンライザー、オールレンジファイア!」
 突っ込んでくるジェスター・マスターデモンと押し寄せるデモン人間の壁へ向けて、空桐は真紅の機械鎧のエネルギー増幅効果炉を200%稼働! 目の前の標的群を全てロックオン! 機械鎧から真っ赤に輝く灼熱の火炎弾を連射し、次々と標的を爆散させてゆく!
 しかしジェスター・マスターデモンの一体が爆炎を突き抜けて空桐に襲い掛かる。
「とっくに想定済みだ! 喰らえ! ヴァイスリッター・アイン!」
 空桐の手元に出現した勇者の剣が素早く振り抜かれると、すれ違った悪魔の身体を真っ二つに斬り裂いてみせたのだ。
「なかなかやるっすね。こっちもサクッと済ませるっす」
 リカルドは片手で印を結ぶと、自身の足元の影を変化させてみせた。
「さあ、行くっすよ! 忍法・影魔人の術!」
 刹那、バイクに騎乗中のリカルドの足元から、にょきにょきと長い腕が影から飛び出したではないか!
 その腕はもう一体の悪魔の攻撃を弾き返すと、影募中の身体をずるりっと地上へ這い上がらせた。
 ユーベルコードで召喚されたのは、体高約5mの影の巨大魔人であった。
「影魔人、その悪魔を捻り潰すっすよ」
 リカルドは影魔人に悪魔を対処させると、自分自身はバイクに乗ったまま空桐の後を追い掛けてエリクシルの大軍勢の中へ突っ込んでいった。
「今度はデモン人間達の呼び出した血の猟犬達のお出迎えっすね。それじゃあ、まとめて吹っ飛ばさせてもらうっす!」
 リカルドの跨る宇宙バイク『アルタイル』には、ミサイルランチャー『リベルタス』とビーム砲【ミルキーウェイ】が搭載されており、前を塞ぐデモン人間とその召喚された血の猟犬の群れを次々と兵器の餌食にして消し飛ばしてみせる。
「自分を狙えばいいと思ったっすか? 残念、自分も武器を使えるっすよ!」
 そういうリカルドは卓越した忍者の技で鎖鎌と鎖分銅を巧みに操り、まさに一騎当千の活躍を披露し続けた。
「すげえなリカルド! 俺も負けてられないぜ!」
 触発された空桐も勢いを増してゆく。
 愛機のスピードで猟犬達を振り切り、包囲網を火炎弾乱射と斬撃で切り抜ける。凄まじい気合と根性が、無理攻めの細い針穴を強引に押し通してみせたのだ。
 これに怪物は信じられないと頭を抱えだす。
「ソンナ! あり得ません! この大軍勢をたった二人で突破してくるなど! こんなの想定外ですヨ!」
 狼狽する怪物に、もはや身を護る術はない。
 まずはリカルドが一手、王手を掛けて追い込む。
 鎖鎌でバイク移動のすれ違いざまに怪人を斬り付けると、彼は告げた。
「自分の召喚した影魔人は、他の影に潜れるっすよ。つまり、さっき|その足元《・・・・》に移動したっす!」
 リカルドの言葉に思わず怪物が下を覗き込む。
 途端、地面に落ちる怪物の影の中から影の腕が何本も伸びて、ガッチリとその身体を関節技で固定!
「今っすよ、ブレイザイン!」
 リカルドの言葉に空桐……ブレイザインが咆哮で答えた。
「さあいくぜ! 決着変身!! ファイナル・ブレイジングドライブ!! この力、使いこなしてみせるぜぇぇぇ!!」
 真っ白に輝くブレイザインの機械鎧! あまりの熱量で光焔が白く変色してしまっている!
「道を、開けろぉォォォォッ!」
 前を塞ぐデモン人間ごと、怪物へ向かって特大二連火焔砲と超極大威力の超特大光焔砲を同時発射!
 途端、マギラント郊外の景色が光熱の白と影の黒だけの二色に塗り潰されてゆく。
「ぐわああぁぁぁぁっ!?」
 だが超高熱砲撃が直撃した怪物が大炎上!
 ブレイザインのユーベルコード効果で、周囲のエリクシルの大軍勢を含めた敵はすべて身動きが停止してしまうのだ。リカルドの影の上の拘束も相まって、怪物に回避の二文字は存在しなかったのだ。
 しかし、それでも怪物は未だ健在!
 それでも、これ予見していたのか、ブレイザインは手元の勇者の剣……ヴァイスリッター・アインを鉄塊めいて巨大化させて振りかぶっていた。
「コレこそが!! ファイナル・ブレイザインだ! 超必殺! ファイナル・ブレイヴ・エーンドッ!!」
 真っ白に燃え盛る巨大な剣が、バイクの高速移動のエネルギーの相乗効果で怪物の腹へ叩き込まれ、その脇腹をざっくりと斬り裂くのであった!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミュー・ティフィア
スピリトーゾで空中戦です!
戦闘知識と第六感も総動員して相手の動きを先読みしてハンマーや超重力を立体的な高速飛行で回避、時に咄嗟に展開した結界で弾きながら早業ロープワークのアーティキュレーションで手早く捕縛してハンマーを振れなくします!

怖い……けれど大丈夫。恐怖を乗り越える覚悟はとっくにしています!

四方八方から来るデモン人間や魔剣は浄化と破魔の力を宿した結界術とオーラ防御を幾重にも展開して凌ぎます!

力を貸して!精霊転身・光と炎の歌姫!

戦場全体に届く炎ならデモン人間の壁ごとムシュフシュを焼き尽くせます!
それに浄化の炎は邪悪な彼らにはよく効くはず!

この先には進ませない。貴方達はここで倒します!


サツキ・ウカガミ
先制UCは【常魔眼の法・改】で受ける。
視界は良好!『エリクシル大軍勢』の壁がよく見えるね。そして、うん。上手く、効果反射も出来たかな?
恐怖が伝播した集団は、与しやすいね。崩れた所を[見切り]、[ダッシュ]で突っ込んで[不意打ち]して、敵を[なぎ払い]・攻撃は[武器受け]しつつ[軽業・悪路走破]で突き抜けていこう。
そして、そのまま混乱に乗じて、ジェスター……ムシュフシュ・ザ・カーニバルに突撃したいね。状況を[見切り]、[ダッシュ]で飛び出して[急所突き]、更に[急所突き]の[2回攻撃]で[暗殺]。隙があるなら、追加で[居合]。斬り飛ばしてあげる。
恐れおののけ、お待ちかねの猟兵がやってきたよ……!


アルノ・ウィーヴァイス
ピュアリィ「スノーリリィ」のエセサムライ少女
普段の口調は「拙者、お主、~殿、ござる、ござろう、~でござろう?」です。

性格:
クールなサムライのようでいてノリがいい。豪快とあほの子は紙一重。

戦闘:
主武器は野太刀
ほか、自身から生える三種の蔦"刃""手""盾"を巧みに操る
"手"でその他の武器を持ったりもします
蔦で敵を絡めとるなどのトリッキーな戦い方もできます

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 ミュー・ティフィア(絆の歌姫・f07712)の背中に輝く光翼・スピリトーゾが大きく開かれると、彼女の感情の高ぶりに呼応して戦場の上空へ一気に翔け上がる。
「さあ、空中戦です! サツキ、いかがですか?」
 上空からエリクシルの大軍勢の布陣、そして怪物『ムシュフシュ・ザ・カーニバル』を見据えるミュー。
 その彼女は今、必死にサツキ・ウカガミ(|忍夜皐曲者《しのびよるめいはくせもの》・f38892)の右手を、自身の左手で繋いだまま飛んでいた。
「ありがとう、ミュー! 無理言ってごめんね! でもこれでボクのユーベルコードの発動条件を満たせるよ!」
 サツキのユーベルコードは彼女自身に行動制限が掛かると自動的に発動する。
 つまり、空中という移動制限が課せられたサツキは常時ユーベルコードが発動されているのだ。
 そして地上にはピュアリィ「スノーリリィ」のアルノ・ウィーヴァイス(雪百合式多刀流・f39054)が防御を固めるべく、自身から生える38本の蔦を盾代わりにして身構えていた。
「拙者も義によって助太刀致す! まずは怪物の先制攻撃に備えるでござる!」
 アルノの警告に、上空でぶら下がっているサツキが手を振って応える。
「大丈夫! だって視界は良好! 『エリクシル大軍勢』の壁がよく見えるね。あっ! ムシュフシュが漆黒のマスターデモン形態になってハンマーを地面に叩き付けたよ!」
「超重力を警戒です! な……っ! そんな! 自軍ごと巻き込んだ超広域範囲攻撃!? あれでは回避は困難です! ふたりとも、防御を!」
 ミューの警告とほぼ同時に、空気が、自身の身体が、地面に押し潰されそうになるほどの強い衝撃と激突した。
「きゃあああぁっ!」
「うわぁぁぁっ!」
 ミューとサツキが悲鳴を上げる。まるで全身を巨大な万力で圧搾されているかのようである。
 空を飛んでいたミューは大気が鉛のように鈍重に感じ、危うく墜落しかけてしまう。
 それでも何とか空中で飛び続けられたのは、浮遊させていた彼女の大盾『慈愛・アドリビトゥム』で天から押さえつけられた超重力を無理やり支え、駄目元で結界障壁を展開させて数秒間耐えたからだ。
「天槌・スフォルツァンド! 邪悪なる者から我と其の友を護りたまえ!」
 その数秒間にミューは立ての裏側を、聖なる巨大槌ぶっ叩いた!
 すると、高密度の魔力障壁が盾と合着して、一時的に堅牢な巨大な『壁』となって超重力を遮ってくれたのだ。
 更にお返しとばかりにミューはハンマーに力を蓄えてゆく。
「よくもやってくれたわね、許せない……! ルミエル、力を貸して!」
『わかってるわ。焼き尽くしてあげなさい!』
 精霊の力を借りたミューは、白き魔女に姿を変えて、戦場全体をそのまま高密度の魔力障壁でなんと超重力ごとぶん殴って弾き返した! なんたる力業か!
「邪悪なる存在はすべて“浄火”します! |精霊転身・光と炎の歌姫《リンクエレメント・ソルディーヴァ》!」
 刹那、広大な『面』を叩き付けられた戦場が一瞬で爆熱で塗り潰されていく。
 そして分厚いエリクシルの大軍勢が、たちまち聖なる劫火に呑み込まれていった。
 一方、地上のアルノは蔦の数を増やして超重力を受け止め、野太刀を支えに必死に歯を食いしばっていた。
「う、ぐぬぅぅッ!?」
 全身の筋肉が地面に向かって引き裂かれる感覚。骨もすべて鉄になったかのような重量感を受け止める。頭を上げたらアルノの華奢な頸椎がポッキリと折れてしまわないかと思えるほどの重圧。皮膚が裂け、筋繊維がちぎれかけ、このままでは血が全身から滲みだしかねない。
「ま、負けぬ……サムライは忍耐が大事……らしいでござるのでな!」
 アルノは、とある人物の見様見真似で剣技を覚えた自由農夫だ。故にサムライの心得もなんとなく、らしい。
 それでも、ブシドーに相応しく、骨肉が砕けそうな鈍重感に彼女は笑みを浮かべていた。

 だが、この超重力もすぐに収まる。
 何故ならば、サツキは最初からユーベルコード『常魔眼の法・改』を発動させていた。
 その効果は、サツキの視界内の敵全てを対象エンドブレイカー世界の忍術『鏡魔眼の術』が発動し、その効果を反射するというもの。
 つまり、先程放たれた超重力を一度はその身に受けたものの、絶えず視界内に怪物を捉えていたサツキは怪物のユーベルコード効果を反射させたのだ。
 故に、猟兵側へ降り掛かった超重力は消失し、今は怪物自身が超重力に苦しめられてしまう。
「ナ、ナンデスト!? 身体が……『重い』です!」
 自身の放った超重力で身動きが取れない怪物。
 しかし、その様子を視認したミューは、怪物のユーベルコードのもうひとつの効果……視認した者へ『恐怖』の感情を与える効果に心を囚われかけていた。
「怖い……けれど大丈夫。恐怖を乗り越える覚悟はとっくにしています!」
「ミュー! 大丈夫! ボクがいる! アルノも耐えてくれてた! 動けなくなったムシュフシュが隠密効果で姿を消す前に、あの大軍勢を突破するよ! だからボクを地上へ降ろして!」
 怪物のユーベルコードの効果を完全に跳ね除けたサツキには、あれを見ても恐怖の心を抱かない。
 だからこそ、自身が先駆者になって道を切り拓くのだ。
 恐怖に抗うミューの為に、自身の後ろから地を駆けるアルノの為に。
「今なら、ボクの姿を見たエリクシルの大軍勢は恐怖に慄くはずだよ! デモン人間達の魔剣の勢いも削がれるはず!」
「分かりました! ですが情報では魔剣はより正義の心を持つ者に向かって追尾効果があるそうです。ですから、それは私が引き受けます!」
 ミューの聖なる気高き精神は、確かに魔剣をより多く惹きつけるだろう。
 そしてアルノも告げた。
「拙者もサムライならば義の心あり。サツキ殿へ向かう魔剣は拙者に引き寄せるでござる!」
「二人とも……! うん、頼んだよ!」
 こうして三人の役割分担が決まり、いざ突撃開始!
「やっぱりね、恐怖が伝播した軍隊ほど御しやすく、崩しやすいものはないよ」
 地上に降り立ったサツキは素早い身のこなしで、持てる苦無でデモン人間の喉笛を瞬く間に斬り裂き回ってゆく。勢いあまって首が時々刎ね飛んでゆくほどだ。
 当然、空中から魔剣の雨が降り注ぐのだが……。
「させませんよ!」
 ミューが大盾を構えてサツキを庇うようにインターセプト!
 更にサツキの死角から飛び込んできた魔剣の束を、アルノが野太刀で叩き落した!
 金属の激突音と火花が飛び散る!
「ふむ、浮足立ってはいますが、如何せん数が多いでござるな。しゃらくさいでござる。いっそまとめて凍てつくがよいでござる!」
 アルノは自身の頭に割く百合の花から大量の花粉を洗浄に散布し始めた。
 すると、その花粉を浴びたデモン人間達は、みるみるうちに真っ白な霜が生え、すべて凍結してしまった。
「これが拙者のユーベルコード『凍死の花粉』でござる。このまま突っ切るでござるよ!」
「ありがとう、アルノ!」
「サツキ! あそこにムシュフシュがいます! エリクシルの大軍勢に紛れて見失うところでした!」
 ミューが上空で索敵をしなければ、もしかしたら怪物を大軍勢の中で見失っていたかもしれない。
 3人の技能やユーベルコードが、奇跡的に上手く嚙み合った結果だ。
「この先には進ませない。貴方達はここで倒します!」
 ミューは因果・アーティキュレーションから伸ばした鎖で怪物を縛り上げて逃亡を阻止すると、その脳天に聖なる槌の高密度魔力障壁を叩き付ける。
 戦場の空気が震えるほどの凄まじい衝撃に、思わずたたらを踏む怪物。
 そこへ、すり足でいつの間にか怪物へ肉薄したアルノが鞘奔る。音もなく敵の懐へ突っ込んできた。速い!
「おぬしも凍てつくがよいでござる」
 怪物に花粉を浴びせて凍らせると、豪快に野太刀で横一線に薙ぎ払った。
 ごりっと相手の骨肉を断つ感触がアルノの手元に届く。
 そして真打は、この戦場の優劣を見事にひっくり返したサツキだ。
「さあ、ボクの姿に恐れおののけ、お待ちかねの猟兵がやってきたよ……!」
「ヒ、ヒィッ!」
 跳ね返された怪物自身のユーベルコードの効果で、サツキを視界に入れた途端、その身体が畏怖で固まってしまった。
 そこへサツキが抜き払った『月牙』と『濫觴』の二刀流が閃く。
 斬った剣筋すら見せぬ神速の二刀居合い斬りを浴びた怪物は、その身体からどす黒い鮮血を高々と噴き上げたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
知的生命体の捕食なんてさせません
ここでムシュさんを倒しましょう

転移と同時に大軍勢へ向かってダッシュ

飛来する槍を
猫の耳を髭で
空気を裂く音や振動から察知し
軽快なステップや身軽な動きで
にゃんぱらりと回避

そして壁と称される程
沢山おられるデモン人間さん達の
懐や股下を潜り抜けて
文字通り槍に対する壁になってもらいます

多分D人間さんよりは
正義の心を持っていると思いますので
私を貫こうとして
遮蔽になっているD人間さんを
貫いてくださるでしょう

こんな感じで先制を凌ぎましたら
スイッチオンでリート起動

じゃらんとして槍を魔力へと変換
漆黒の炎を
風で吹き飛ばして道を確保したり
水で消火したりしながら
魔力の奔流でD人間さんたちを薙ぎ払い
一気に駆け抜けます
そう、翔けながらでも弾けちゃうのですよ

ムシュさんへの間合に入りましたら
同上で槍を片っ端から魔力へと変えて
攻撃や防御に用います

同時に風で音の伝搬を操作
寄ってらっしゃい(以下略)との言霊が
力を現さないようにします

槍が降れば降るほど高まる魔力で
ムシュさんを倒します

演奏を続けて鎮魂に



 戦場へ転送された箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は11の怪物の一柱とそれを護るべく群がるエリクシルの大軍勢と対峙する。
「知的生命体の捕食なんてさせません。ここでムシュさんを倒しましょう」
 そう決意の言葉を口に出すと同時に、大軍勢へ向かってダッシュ。
 しかし、怪物は単身で駆け寄ってくる黒猫に容赦なく無数のエリクシルの槍を放ってみせた。
 これに箒星は自身の猫の耳を髭で、空気を裂く音や振動から察知。軽快なステップと身軽な動きで回避を試みた。
「おっとっと! そう簡単にいきませんか」
 回避は出来なくはないが、正義の心に引き寄せられるエリクシルの槍は、想定外の軌道で何度も何度も空中で方向転換してくる。
 風切り音と空気振動だけでは、1000を超えるのではないかという無数の槍の雨に対処するのは厳しい。
 故に、箒星はすかさずユーベルコードも加えて対処に当たった。
「さあ、楽しい演奏会にしましょう♪ トリニティ・シンフォニーです♪」
 掻き鳴らされた竪琴の音色が、周囲のエリクシルの槍を魔力へ変換してゆく。
 突き刺さるはずだったそれらは、たちまち炎・水・風の魔力となり、箒星に操られてエリクシルの大軍勢へ猛威を振るいだす。
「炎を風で呷って熱波を放ちます。そして空気チュノ水分を操作すれば、あっという間にスチームサウナ状態ですよ♪」
 箒星の周囲だけを涼風が吹き抜けているので実害はないが、マギラント郊外の戦場は気温200度の超高温超多湿地帯に変わっている。
 なのでデモン人間の大軍勢は、自ら放った黒炎の熱で肉体が焼かれて蒸し焼きになって次々と卒倒していってしまう。
 時には変換から漏れたエリクシルの槍の肉盾として箒星はデモン人間の股下を潜り抜けるなど、トリッキーな挙動で敵軍勢を紛らわしてゆく。
「そう、私は前へ翔けながらでも楽器を弾けちゃうのですよ」
 全力疾走しながら竪琴を奏でる箒星は、あっという間に大軍勢を突っ切り、怪物の目の前へ躍り出た。
「ヤハリ、やってきましたか! しかしワタシは何度でも大軍勢を蘇らせることが可能ですヨ!」
 ――寄ってらっしゃい見てらっしゃい。愉快なカーニバルがやってきたよ!
 怪物が復活の呪文を唱える。
 これで今まで焼き殺したデモン人間達が復活する、はずだった。
「無駄ですよ。そのお口はお水で塞がせていただきましたので」
「モガッ! モゴゴゴッ!?」
 だが怪物が呪文を唱える途中で、箒星は変換した水の魔力で怪物の頭をすっぽりと水の球体で覆い被せてしまったのだ。
「水は音の伝導率が空気よりも悪いのです。そして呼吸も出来ませんので、そもそも呪文を唱えられません」
 怪物は残るエリクシルの槍を箒星へ射出するが、当然すべて魔力へ変換されて傷ひとつ付けられない。
「もう何をしても無駄です。さあ、骸の海へとお還り下さい」
 演奏を続けて鎮魂曲を奏でれば、箒星が変換した三魔力が一斉に怪物へ襲い掛かって吹っ飛ばすのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シズホ・トヒソズマ
※連携・アドリブ歓迎

かれこれ4年振りですが相変わらずの悪人みたいで何よりです
何せ今度も遠慮無くぶちのめせそうなので!

さて隠密な上に姿を見たら恐怖するなら
いっそ目を瞑る!
ふふ、バカと思うのは早いですよ道化
バルのナノマシン散布によりもう既にデモン人間たちも
一際でかいアナタも位置情報は特定し脳に直接送られています
後はクロスリベルで強化した速度と反応でアナタのハンマーを
デザイアキメラで防御するだけ

あの世界を混乱させた奴にはその世界の力で応報を
UCでダークポイントの力を使用
無数のリボルバーを周囲に浮遊し高速移動
魔剣を回避し全方位連射弾を発射
本体が壁にしているデモン人間のみを物質透過し
本体を蜂の巣にします


黒城・魅夜
ではダンピールの名においてあなたの血を啜らせていただきましょう
あなたがカーニバルなら
私は|人肉嗜食《カニバル》というところですね、ふふ
……まあ、いかにもまずそうですが……

恐怖などという感情とは無縁の私ですが
何も無理に相手の土俵に乗ることもありませんね
あなたの能力は「目撃」が発動条件
…と言いますか「隠密力を上げている」のに「目撃される」のが条件など
矛盾しすぎていて頭悪すぎですね
まあ結界で我が視覚を封じ第六感で探りつつ攻撃を見切れば済むだけの話

同時に呪詛を纏わせたオーラを全方位に範囲攻撃
デモン人間たちに殺気を以て恐怖を与え束縛

UCでとどめです
腐り果てるか我が牙に掛かって滅びるか
お好きな方をどうぞ


栗花落・澪
どこかのタイミングでオーラ防御はしたいけど
先制攻撃には間に合わなそうなら
集中力、聞き耳で攻撃に伴う動きを聞き取り
気配感知で敵の方向を即座に判断
空中戦による回避を重視

エリクシル達が召喚する魔剣は
投擲でもされたらこちらが飛んでいてもツラいから
高速詠唱、範囲攻撃で風、雷魔法を宿した鎌を所持
少しでも武器の音が聞こえたらなぎ払いと竜巻の二重の盾で弾き返しつつ
雷の範囲攻撃で少しずつでも突破狙い

恐怖心は祈りの力で破魔の力を使っての浄化と
お守り、ネックレス、左手薬指の指輪…
僕は一人じゃないんだという自己暗示で克服

カーニバルが射程範囲に入ったら指定UC発動
残ったエリクシルごと、破魔の輝きによる浄化攻撃



 シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)は2019年のヒーローズアースの大戦を振り返る。
 そもそも、あの世界が戦乱に巻き込まれたのは怪物と融合したオブリビオン『殺戮道化師ジェスター』の手引きのせいだった。
 故に、怒る。真紫の目出しマスクのシズホは現地の人間に協力を求めてこの戦地へ乗り込み、あの時のやりきれなさを口にする。
「かれこれ4年振りですが相変わらずの悪人みたいで何よりです。何せ今度も遠慮無くぶちのめせそうなので!」
 これに栗花落・澪(泡沫の花・f03165)も同調の意を示した。
「あの戦争は僕も参戦したいたから分かるよ。ギリギリで取り逃がすところだったけど、まさか合体して性懲りもなく悪巧みするなんてね」
 アースクライシス2019のヒーローズ・フォーティナイナーズ筆頭である澪は、当時の終盤の掃討作戦の慌ただしさがもう4年前なのかと思ってしまう。
「当然、今回も倒すよ。この世界の人達の平和と安寧は僕達が守るから」
 背中のオラトリオの翼を全開に広げ、澪は空中へ舞い上がる。空中戦だ。
「とはいうものの、何処までやれるか分からないけど……」
 戦力差は歴然だ。単独だったら苦戦必至だったはずだ。不安が口から零れる。
 しかし、仲間と合流して猟兵は強くなれる。
 それは黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)も認める事実であった。
 彼女は空に浮かぶ澪を見上げて妖艶な笑みを浮かべた。
「何やら浮かない表情ですね。ご安心ください。この私がダンピールの名において、あれの血を啜らせていただきましょう。あれがカーニバルなら私は|人肉嗜食《カニバル》というところですね、ふふ」
「あれの血を啜るのですか!?」
 シズホがぎょっと顔をしかめる。
 黒城もそれに苦笑いを浮かべる。
「……まあ、いかにもまずそうですが……それはさておき、来ますよ?」
 黒城が指差した先に、漆黒のマスターデモン形態となった怪物の巨体が大軍勢の壁越しに見えた。その強化されたハンマーを地面に叩き付けると、衝撃と超重力の波紋が戦場全域に広がっていった。
 猟兵三人の身体は見えない力に押し潰されかけ、空を飛んでいた澪は数百倍に跳ね上がった自重に耐え切れず、墜落して地面に叩き付けられかける。
「重力波ってそういう感じなのですか!? うぐっ! 身体が引き裂かれそうです……!」
 四肢が鋼鉄になったかのような鈍重感で微塵も動かせない。
 それはオーラ障壁で超重力に抗う澪と黒城も同様だ。
「回避とかそういう問題じゃなかったね……! 墜落したらペチャンコになっちゃう……!」
「あれは近接戦闘主体ではなかったのですか!? きゃあああぁっ!」
 黒城の身体がメキメキと悲鳴を上げる!
 この状況を救えるのは、シズホだけだ。
 指先を無理矢理に動かす。数センチ動かすだけで指の骨が圧し折れそうだ。
「急いで『シュヴェラ』! 重力変換光線、発射!」
 シズホは己の人形の中に重力を操作できる能力を持つ個体がある事を思いだし、猟兵達へすかさず光線を浴びせた。
 すると超重力でも三人は不自由なく身体を動かせるようになった!
「た、助かりました……!」
 黒城は肩や膝の稼働をチェック。問題ないことを確認すると、この無茶苦茶な戦術に早速毒を吐いた。
「エリクシルの大軍勢まで超重力で動きが鈍ってます。自軍を巻き込んでの超重力波紋攻撃って、いくらなんでも後先考えてなくないですか? ……と言いますか『隠密力を上げている』のに『目撃される』事が効果発動の条件など、矛盾しすぎていて頭悪すぎですね。それから……」
 さっき潰されかけてたせいか、怪物への怒りの言葉が出るわ出るわ。
「とにかく、今がチャンスじゃないかな? あとはデモン人間達の魔剣をどうにかすれば、ムシュフシュまで一気に突っ切れるはずだからね」
 澪は空中で姿勢を立て直すと、上空から敵軍勢を遠くまで見渡した。
 先制攻撃が失敗したと判断した怪物は、向上した隠密性を利用してエリクシルの大軍勢に自身が紛れて、猟兵への不意討ちを狙っているようだ。
 しかし空中を飛ぶ澪には、流石にそれは通用しない。
 とはいえ、視認する者へ恐怖の感情を与える怪物のユーベルコードは継続中だ。
(大丈夫、僕は独りじゃない……。今だって一緒に戦ってくれる人がいる。それにお守り、ネックレス、左手薬指の指輪……大切な人達が僕にはいるんだ)
 周囲で支えてくれてる人がいる事実と想いを祈りに変え、清浄な輝きが呪いめいた恐怖の感情を澪から追い出してくれた。
 そしてシズホは黒城の言葉に着想を得て、驚きの行動に出た。
「隠密な上に姿を見たら恐怖するなら、いっそ目を瞑る! 大丈夫です! この戦場の動きは完全に掌握できてますから!」
 自信満々なシズホ。その言葉にまったくの躊躇いはない。本当に今なら目を閉じても戦闘に支障をきたさないのだろう。
 黒城も闇の結界で自身の視界を遮って対策を立てた。
「恐怖などという感情とは無縁の私ですが、何も無理に相手の土俵に乗ることもありませんからね。視界が潰れたところで、私には第六感が働いてます。有象無象のナマクラが飛んできたところで回避など容易いものです」
「つまり、準備万端ってことだね。それじゃあ、ムシュフシュにお礼参りをしないとだね」
 澪の手には清鎌曼珠沙華――透き通った美しい薄紅色の鎌の柄が握られ、その刃は風と雷の魔法で荒れ狂う。高速詠唱で同時に二種の魔法を発動させる、澪の手腕を垣間見た瞬間だ。
「僕が先行するよ。エリクシル達が召喚する魔剣は、投擲でもされたらこちらが飛んでいてもツラいから。露払いをしてゆくね」
 澪がデモン人間達の頭上を飛翔してゆく。
 すると、あらゆる方向から風切り音が澪の耳に届いてくる。
 澪は半身を捻ると、その反動で力の限りに大鎌を真横に振り抜いた。
「させないっ!」
 大鎌の刃に纏っていた暴風は渦を巻いて魔剣を吸引し、迸る迅雷がデモン人間達を焼き焦がしてゆく。
「今だよ!」
 澪の合図に、地上の二人が“壁”の中へ突っ込んできた。
 二人とも視界を遮っているとは思えないほどの機敏内のこなしを披露し、飛んできた魔剣を軽くあしらってはデモン人間を討ち果たしてみせる。
「さあ『マジェス』! 魔剣を喰らってください!」
 突っ込んできた魔剣の束を逆に人形が取り込んでしまった。
「ふふ、この私を見て向かってこれますか?」
 一方、黒城は自身に宿る呪詛を解放すると、戦場のデモン人間の精神を蝕んで絶大な恐怖を植え付けた。
「退かないのならば首を落とします。逃げたらのなら足を引きちぎります。反抗するなら腕を断ち切ります。さあ、選んでくださいな? ふふ、ふふふ……!」
 黒城の操る108本の鎖が、デモン人間の欠損死体を山のように量産してみせる。
 いつしか分厚い“壁”も突き抜け、ようやく怪物の元まで三人は辿り着いた。
「またしても見つかりましたカ! しかも目を瞑ってですト? そんな馬鹿な!」
「ふふ、バカと思うのは早いですよ道化? 私の操る人形『バル』のナノマシン散布により、もう既にデモン人間たちも一際でかいアナタも、この戦場での位置情報は特定して私の脳に直接送られていますので」
 シズホの自身の根拠は、人形達の機能による位置情報検索のおかげだった。
 だが怪物は諦めない。
「そうだとしても! このハンマーを直接叩けば、超重力で今度こそ……うぐっ!?」
 怪物がハンマーを振りかぶった次の瞬間、その身体をグルグルと巻き付く鎖が縛り上げてしまった!
「そうさせるとお思いですか? 愚者?」
 サディスティックに笑みを浮かべた黒城が、目を瞑ったまま怪物を指差した。
「これは『始まりの猟兵』の武器。対象を悪夢によって封じ魂から食い破る『|劫夢呪鏖鏈《ごうむじゅおうれん》』といいましてね? この鎖を通して私の呪いを流し込めるのです。このように……」
 黒城のどす黒いオーラが鎖を伝わり、怪物の中へ流れ込む。途端、酷い腐敗臭が怪物から漂ってきた。
「腐り落ちよ罪咎と共に、溶けて崩れよ呪いの夢に。『|劫夢は歌う、鏖の詩を。鏈は奏でる、呪いの唄を。《チェイン・オブ・レイン・ザ・サイン・オブ・シン》」
「う、うわあぁアアァァ!?」
 流し込まれる肉体と魂を内側から腐らせる呪詛に防御など無効。
 怪物は一方的に肉体が腐乱してゆく。
「さあ、トドメです。このまま腐り果てるか、それとも我等が牙に掛かって滅びるか。お好きな方をどうぞ」
「ま、まだワタシは滅びません!」
 怪物の返答に、黒城は途端に興味が失せたようで溜息を吐く。
「そうですか。もっと惨めに命乞いをするのだと思ってましたが。臭いし鬱陶しいので消えてください」
 108本の鎖が怪物を締め上げ、骨肉を引き裂いてゆく。
 そこへ澪のユーベルコード『Fiat lux』が発動。
「全ての者に光あれ」
 全身から放出される、魔を浄化する光が悪しきデモン達を浄化してゆく。
 そしてフリーになったシズホは、持てる力を使って最大火力を怪物へ叩き込む。
「共闘のおかげで防御の心配が要らないのは助かりました! では、クロスリベルで班の速度を強化! そして|幻影装身《アームドオブリビオン・ミラージュ》! 呼び寄せるのは、アースクライシス2019で猛威を振るったダークポイントです!」
 からくり人形の中から、倒してきたオブリビオンの幻影を出現させ、自分の全身に纏う事でその力を宿し超強化するシズホ。
 無影の狙撃手と化したシズホは、空中に無数のリボルバーを周囲に出現させると、怪物の目の前で一斉発射!
「ギャアアアアァァァ!」
 悲鳴を上げる怪物!
 腐った血肉を自ら砕くと、なんと黒城の拘束から飛び出す!
 そして再びエリクシルの大軍勢に紛れて逃亡を図る。
 だがそれはシズホの想定通りだ。
「無駄です! ダークポイントのユーベルコードを忘れましたか!? この弾丸は……標的以外の物質を透過しますよ!」
 万雷めいた発砲音と共に射出された死の弾丸は、デモン人間の身体をすり抜けて怪物にだけ着弾!
 怪物はまたしても猟兵達の猛攻を喰らって、戦場で吹っ飛ばされてゆくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
てめー…!
ふざけんじゃぇぞごらぁ!
「そうだそうだー!」
カーニバルっつーからよぉ…
悪魔っ娘酒池肉林のスケベカーニバル待ったなしとわくわくだったのによぉ!
化物ばっかりじゃねぇかぁ!

【属性攻撃・浄化】
浄化の力を込めた水の障壁展開
漆黒の炎を防ぐ
【情報収集・視力・戦闘知識】
壁側の動きと道化師の位置と立ち回り把握
対先制と壁
日頃の行い(!?

くっ!正義の心の塊である僕が集中砲火を受けちまう!
「正義の心の神であるメルシーもピンチだよ!」

こうなったら防ぎきる!

ってなんでてめーらの方に落ちてるんだよ!?
此処は僕の方に落ちてくるんじゃねーのかよ!?

許せねぇ!(理不尽

メルシー…やれ!
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を己と竜眼号に付与
光学迷彩で隠れ竜眼号搭乗
地獄のUC発動
「「愉快なメルシーカーニバルがやってきたよ☆」」
10師団護衛
残り
【空中戦・念動力・弾幕】
念動光弾で壁をぶっ飛ばし襲い掛かる
【二回攻撃・切断・電撃・盗み攻撃・盗み】
道化師に襲い掛かり切り刻み電撃を流込

後酷い事する
「おらケツ出せよ☆」
「ムシュムシュ喘げよ☆」



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)はまたしても絶望していた。
「てめー……! ふざけんじゃぇぞごらぁ!」
 目を血走らせ、わなわなと全身を怒りで振るわせるカシム。
 これに相棒のメルシーも同調する。
「そうだそうだー!」
「いい加減僕の欲求の趣旨を覚えろよこのタコ助野郎が……カーニバルっつーからよぉ……悪魔っ娘だらけの酒池肉林が相場のスケベびんびんカーニバル待ったなしだと僕ァわくわくしてたのによぉ! んで蓋を開けたら化物ばっかりじゃねぇかぁ! 騙しやがったな外道ピエロォォォォッ! 20回といわずにブチコロシしてやるぞごらぁぁ!」
 異形のデモン人間達の超大軍の壁を前に、カシムはクソどうでもいい主張を戦場に轟かした。
 なんで戦場でスケベが出来ると思ったんですか?(n回目の提言)
 いやごく稀に僅かなグリモア猟兵が珍妙な戦争の予知をしてるけども。
「でもご主人サマだっていい加減に学習してもいい頃だぞ☆ メルシーはそんな煩悩塗れのご主人サマが好きだけど♪」
「慰めは要らねーよメルシー……今から僕は修羅になる……!」
 カシムは性欲を満たされないあまりに、殺戮の鬼になってしまう。
 こうなったカシムはいわゆる“無敵の人”だ。
「来いよ外道ピエロ! ユーベルコードなんざ捨てて掛かってこいよ!」
 カシムの挑発に、大軍勢越しに怪物がニタリと嘲笑う。
「それは死亡フラグというやつですヨ! ではお望みどおりに! ムシュフシュフォール!」
 突如、戦場の空を覆い尽くす無数のエリクシルの槍!
 これが怪物の絶対先制攻撃!
「もう抜かりはありません! 大軍勢も一斉攻撃ですヨ! デモンフレイムで焼き払いなさイ!」
 今までは大軍勢を突っ切ってくる猟兵を迎撃するために配下へ攻撃命令を下していた。
 それをカシムへ一斉に放つというのだ!
 なんたる非情か!
「では、サヨウナラ! 正義の心を持つアナタにエリクシルの槍はすべて突き刺さりますヨ!」
 怪物の合図で、空から次々と紅き宝石槍がカシムとメルシーへ降り注ぐ。
 同時に黒焔の弾幕も押し寄せる。
「くっ! なんてこった! 正義の心の塊である僕が集中砲火を受けちまう!」
「正義の心の神であるメルシーもピンチだよ!」
「こうなったら防ぎきる! メルシー! 魔力最大出力! 念動障壁に魔法で聖水を纏わせろ!」
 メルシーがカシムと自身の周囲に、飛んでくるミサイルでさえ空中で停止させてしまうほどの斥力を誇る念動障壁を展開。そして黒炎を防ぐために聖なる水の魔法で弾幕に備える。
 しかし圧倒的物量戦を前に、これではジリ貧は免れない!
 まさに絶体絶命!
 しかし、次の瞬間、とても不思議なことが起きた。
「あれれ~? 槍がメルシー達を避けてゆくよ?」
「はぁ!? なんでてめーらの方に落ちてるんだよ!? この場合は僕の方に落ちてくるんじゃねーのかよ!?」
「アポヘルの時のデジャブが蘇るぞ☆」
 黒焔の弾幕は何とか防いでいるが、肝心のエリクシルの槍がまるでカシムとメルシーを忌避するように軌道をUターン!
 そのまま怪物を突き刺したではないか!
「あだだだだだ!? こ、これは! マサカ! ワタシの方がアナタ達よりも正義の心を持っているという事なのですか!? そんなことがあるのですか!?」
 怪物は理解に苦しむと言いたげに、自分が発射した槍から逃げ回っていた。
「……って、あのピエロ言ってるよ?」
 メルシーの地獄耳が大軍勢越しの怪物のボヤキを聞き取り、カシムへ伝達。
 これにカシムが更に激怒した。
「はぁぁぁぁ!? この正義のカシムさんがてめーのようなド外道ピエロよりもゲス野郎で人間のクズでゴミカスで馬鹿丸出しのサイコ野郎だって言いてーのかバッキャローが!!」
「ご主人サマ、今それは全部ブーメラン発言だぞ☆」
「うっがぁぁぁぁぁぁっ! ポーシュボスの悲劇の再来かよォーッ!」
 かつてアポカリプスヘルでの戦争にて、フィールド・オブ・ナイン『ポーシュボス・フェノメノン』と対峙した時、このアホアホコンビは邪神にすら邪悪判定を喰らって、邪神から浸食を拒まれた過去があるのだ。
 つまり、あの頃からカシムとメルシーの邪悪レベルはなんも変わってねぇんだよなぁ!!
「よし、メルシー。僕が許す。……掘れ☆」
 カシムはそう命じると、頭上に飛空戦艦『竜眼号』を召喚すると、搭乗ゲートである光の柱に吸い込まれてゆく。
 メルシーはガッツポーズをすると、歓喜の感情を爆発させた。
「ご主人サマ! BGMはベートーヴェンの交響曲第9番『歓喜の歌』でヨロピコ☆」
 すると竜眼号から大音量で流れる、ドイツ語の歌唱と壮大なオーケストラ音源が戦場に轟く。
 途端、メルシーの身体が質量保存の法則を無視して分裂!
 幼女の姿となってマギラント郊外を一瞬で埋め尽くす!
「「ひゃっは~☆ 愉快なメルシーカーニバルがやってきたよ☆」」
 幼女メルシー総勢143師団、2860万人がエリクシルの大軍勢の壁を蹂躙してゆく!

♪Freude schöner Götterfunken,
 Tochter aus Elysium,
 Wir betreten feuertrunken,
 Himmlische dein Heiligtum!

 有名なクラシックの名曲が流れる中、幼女メルシー軍団は光学迷彩魔術で姿をくらませる。
 数師団がカシムが乗り込む竜眼号を守りつつ、他は全力で魔砲(物理)でデモン人間達を下から突き上げて貫き、容赦なく殺し回ってゆくのだ。

♪Deine Zauber binden wieder,
 Was die Mode streng geteilt;
 Alle Menschen werden Brüder,
 Wo dein sanfter Flügel weilt!

「「えヴぅあんぐえりぉん! えヴぅあんぐえりぉん! えヴぅあんぐえりぉん!」」
 謎のシュプレヒコールを幼女メルシー軍団が連呼!
 そして、その魔手は怪物ムシュフシュにまで及ぶ。
 そのペンペン草も残らぬ、あまりの無慈悲ぶりに怪物の方がチビリ倒していた。
「な、なんですカ、アタナ達は!? や、やめてくださイ! お願いです、何でもしますかラ!?」
「ん? 今?」
「何でもするって?」
「言ったよね☆」
「†悔い改めて†」
「アイスティーしかないけどいいよね☆(迫真)」
「じゃけん逝きましょうね~☆」
 こうして、怪物は惨たらしく2000万人の大軍に次々と全身を何度も魔砲で貫かれ、その体内に念動光弾を発射されて爆ぜるのであった。
「おらチカラ抜けよ☆」
「ヨツンヴァインになれよ☆」
「前も御留守してる暇ないぞ☆」
「また爆ぜたね~☆」
「ムシュムシュ悦べよ☆」
「その目の穴だって挿し込めるだろ☆」
「大丈夫☆ メルシー達は正義だから殺さないぞ☆」
「ムシュフシュが自ら死にたいって言うまで☆」
「メルシー達はムシュフシュを回復させては何度も弾幕をその身体の中に打ち込むぞ☆」
 ムシュフシュの身体中の穴という穴に、魔砲カドゥケウスの銃口をぶっ刺さして連射する幼女メルシー軍団2000万人。
 しかも消滅しないように幼女メルシー軍団は、死ぬ間際で怪物を完全回復させてはまた暴虐の限りを尽くす。
「――シテ……ころ、シテ……!」
 完全に地獄の幼女達の玩具にされる怪物ムシュフシュは、どの猟兵よりも凄まじいダメージを心身に浴びてしまうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーフィ・バウム
アルジェン(f38896)さんと

相手の先制には、
まずオーラ防御全開にして凌ぎつつ前へ出ます!
心に覚悟、灯すは勇気!屈することは許されません――

そして凌ぎつつ衝撃波となぎ払いを打ち込み
軍勢の壁の突破を試みましょう!
召喚数が多ければ相手もそれだけ弱るはず
ダメージを恐れず耐えながら打ち込み、突破します!

ヒーローズアースで戦ったジェスターは
この世界の皆と因縁深い相手
なら。《折れぬ大樹『ユーフィ』》!

私と同名のエンドブレイカー
大人になった私の如き方を召喚し、共に戦います!

アルジェンさんと「ユーフィさん」と
私と3人で別方向から攻撃を
相手は多数、何度も打ち込めないでしょう
だからこそ、渾身の鎧砕きの一撃ですっ


アルジェン・カーム
同行
ユーフィさん(f14574

…58人
ムシュフシュ…いいえジェスター
知っていますか?
貴方がクトラさんを攫い
その結果
僕らエンドブレイカーに刃を向けて…戻らなかった仲間エンドブレイカーの数です

その中には僕の戦友…従妹の友も居ました

それは大魔女にも為しえなかった成果

…貴方を彼らの下へと送りましょう

ユーフィさん…往きましょう

【戦闘知識】
之までの戦闘経験も活かし敵の動きを分析

対先制と壁
【オーラ防御・念動力・武器受け・弾幕】
オーラを広範囲に展開してムシュフシュの位置を把握
念動光弾を叩き込み魔剣を迎撃
ユーフィさんと

【空中戦】
UC起動
超絶速度で飛びまわり念動光弾を叩き込みユーフィさんと突破口を開く!

ユーフィさん!ユーフィ!
往きますよ!
【二回攻撃・切断・怪力・串刺し】
ユーフィさんとユーフィと合わせ
宝剣とディアボロスブレイドによる連続斬撃から刺突につなげての猛攻

特にユーフィと攻撃を合わせハンマーを弾いてから息を合わせて攻撃を叩き込みます

そしてユーフィさんの鎧砕きに合わせて渾身の一撃を!!



「……寄ってらっしゃい見てらっしゃい。愉快なカーニバルがやってきたよ……おえぇぇぇ……」
 死滅したデモン人間達を再び蘇らせる。
 怪物『ムシュフシュ・ザ・カーニバル』は生きていた。生きてしまった。
 2000人の幼女に好き勝手に弄ばれ、自尊心を粉々に打ち砕かれ、解放された今でも吐き気を催す邪悪コンビにイライラを募らせていた。
「ふざけるな! マサカ猟兵に情けをかけられて、おめおめ生き長らえるとは恥ずかしいにもほどがありますヨ!」
 頭を抱える怪物。
 しかし新手の猟兵のコンビがすぐに戦場に転移してくる。
 怪物は気持ちを切り替える。
「そうですネ……あの二人に、さっきワタシが味わった同等の苦痛を与えて差し上げましょうか! きっといい声で泣き叫んでくれますネ!」
 そう告げる怪物の怒りが、魂が、ボロボロの身体を突き動かして凌駕する。
 次こそ負ければ、この身は崩壊するだろう。
 それでも、怪物は止まらずに猟兵を迎え撃つ。
「サァ! 愉快なカーニバルを開催しましょうか!」
 怪物は漆黒のマスターデモン形態へ変身し、大地を叩いて超重力の波紋を戦場に押し広げる。
 同時に赤きエリクシルの槍を無数に上空で生成させると、躊躇せずに配下の大軍勢の先にいる猟兵へ全て解き放った。

「心に覚悟、灯すは勇気!屈することは許されません――!」
 ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)は、降り注ぐ無数の槍を己の武器とオーラ障壁で弾きながら、慎重に前へ進んでゆく。
 しかし、途端に自身の身体が地面へめり込みそうになるほど重くなって動けなくなる。
「これは……! アルジェンさんへの攻撃の余波が、私にまで及んでいるのですか!?」
「同じ戦場ですからね……ユーフィさんほどではありませんが、僕へも槍が飛んできていますので。正義の心とやらに引き寄せられているのでしょうか」
 アルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)は四肢がもげそうなほどの自重に耐えながら、それでも降り注ぐ槍を英霊剣群を操作してどうにか打ち払っていた。
「アルジェン! ここはボクが……!」
 相棒のプルートーが小鴉の姿から神機……神の名を冠するキャバリアへと変身する。
 そしてアルジェンとユーフィへの先制攻撃、無数の槍と超重力波をその巨体で受け止めてみせた。
「ぷっさん……! 何を!?」
 相棒の暴挙にアルジェンが驚愕する。
 今回の作戦にプルートーは関与することを彼は考えていなかったからだ。
 しかし、怪物の超重力は地面への殴打から波紋上に広がってきた以上、その対策をアルジェンは講じていなかった。
 故に、イレギュラーへの対応には“|イレギュラー《プルートー》”で対応せざるを得ない。
「ぐわああぁぁぁぁ! で、でも! ボクの権能、破壊の波動は万物を『破壊』出来るよ! なら、エリクシルの槍だって、超重力の概念だって! 全部ボクが『破壊』する! うわああぁぁぁ!」
 体高5mのプルートーの身体が黒く輝き始めると、急にユーフィもアルジェンも身体が軽くなっていく。
 それに比例して、プルートーの身体のあちこちに亀裂が走ってゆく!
「もういいです、ぷっさん! これ以上は、あなたが!」
「いいんだ、アルジェン! ボクの事なら大丈夫……! ボクの心配よりも……この世界を、守って……!」
 権能を無理矢理に発揮したプルートー、その装甲が怪物のユーベルコードに徐々に押し負け、装甲が粉々に砕かれてゆく……!
 背中はもはや剣山のように槍が数百本も突き刺さり、尋常ではないダメージを受けているのは間違いない。
 それでも、プルートーは……自身を見付けてくれた相棒を助けるために、自分の身を差し出した。
「ぼ、僕が持ち堪えてる間に……! 早く……! ぅぐわああぁぁぁぁ!」
 アルジェンは決断する。
 友の悲鳴を振り切り、憎き怪物がいるエリクシルの大軍勢を睨んだ。
「……ッ! ユーフィさん!」
「はい! プルートーさん、ありがとうございます!」
 二人はプルートーが攻撃の大部分を受け止めてくれている間に、エリクシルの大軍勢の『壁』の中へと突っ込んでいった。

 勇んで『壁』の中へ飛び込んだ二人を待ち構えていたのは、デモン人間達が放つ黒炎の弾幕と飛来する魔剣の束であった。
「ユーフィさん、此処は出し惜しみはなしです……! 全門……強制解放……! 詠唱破棄……! 絶・四門開門!」
 アルジェンの身体の中のリミッターを無理矢理こじ開け、体内の蒼きオーラを一気に燃焼させるが如く天へ噴き上げさせる!
「……っぐ!?」
 しかし、もとより反動の大きいこのユーベルコード、強制発動すれば更に身体への負担がかかる。
 心臓が破裂するかと思うほどの胸の激痛に、アルジェンは一瞬意識を持ってかれそうになる。
 だが奥歯を食いしばり耐え忍ぶ。
 敵への憎悪で彼は持ち直すと、閃光めいた超音速機動で戦場を一気に突き抜ける!
 その速度、マッハ14!
「はぁぁぁぁぁっ!」
 蒼き彗星と化したアルジェンは、英霊剣群でデモン人間達を瞬く間に細切れにしてゆき、黒い炎と飛来する魔剣を念動力を籠めた体術で撃ち落とし、叩き割る!
「アルジェンさん……すごいです……! まるで鬼神の如き戦いぶり……! 私も負けてられません!」
 ユーフィも部族に伝わる巨大剣を鍛えなおした業物ことディアボロスを振るい、斬撃と共に衝撃波を敵軍勢へ叩き込んでゆく。
 その猛威は自然災害の化身が如く、彼女の前に立ち塞がったデモン人間達はことごとく真っ二つに斬り裂かれ、叩き潰され、粉々に吹き飛ばされてしまうのだ。
 今のアルジェンが鬼神ならば、今のユーフィは戦神に等しい実力を発揮している。
「もとよりダメージは覚悟の上! 死にたい方から掛かってきなさい!」
 奇しくも悪魔の名を冠する巨大剣でデモン人間を容赦なく駆逐してゆくユーフィ。
 その勢いは徐々に増し、遂にユーフィは『壁』の向こう側へ風穴を開ける事に成功した!
「見付けましたよ! ムシュフシュ・ザ・カーニバル! いえ、アルジェンさんの手前、こう呼ばせていただきます……『やっと会えましたね』! ジェスター!」
「オヤ! その名前で呼ばれるとは思いませんでしたヨ! となると、そちらの銀髪の男性は……エンドブレイカーですかナ?」
 ジェスターは漆黒の強化形態のまま、猟兵二人の前に躍り出る。
 青白く全身を輝かせるアルジェンは、珍しく目を血走らせてジェスターへ語り掛けた。
「……58人」
 おもむろに告げた人数に、アルジェンの声が震える。
「ムシュフシュ・ザ・カーニバル……いいえジェスター。この数字が何か知っていますか? ああ……答えずとも結構です。あなたは覚えてもいないでしょうし、当時は数えもしなかったでしょうから……。この数字は……貴方がひとりのエンドブレイカーを攫い、その結果の果てに発生したあの大戦……2013年3月17日の『三塔戒律マギラントの戦い』で……僕らエンドブレイカーに刃を向けて……戻らなかった仲間達……貴方によって斃されたエンドブレイカーの数です」
 当時のマギラントの後継者争いがマスカレイド側に付け込まれる形で大混乱していった大戦乱。
 後にも先にも、当時これだけの死者を出した戦争はなかっただろう。
「その中には、僕の戦友……従妹の友も居ました。58人。それは、あの大魔女スリーピング・ビューティやギルタブリルにも為しえなかった成果です」
 アルジェンにとって、この戦いは弔い合戦であった。
 自分と縁あった戦友と、他57人の無念を晴らすための復讐劇の復讐劇だった。
 これにジェスターは愉悦に口元を広げてみせる。
「ホホウ? 当時のワタシは意外と“勤勉”だったのですネ! まぁ、あの時は自分の分身に色々肩代わりさせて『無敵』でしたけども!」
「口を慎みなさい、外道が」
 アルジェンの蒼き輝きの明度が落ちてゆく。徐々に黒くくすんだ蒼き焔のような光へ変わってゆく。
「……要するに、10年越しに僕の、いえエンドブレイカー達の無念を晴らす絶好の機会です。貴方を、彼らの下へと送りましょう。そして地獄で這いつくばって、彼等へ詫びの言葉をかけなさい!」
「お断りシマス!」
 ジェスターはハンマーを振り上げ、アルジェンへ飛び掛かる。
 しかし、アルジェンは超音速でこれを軽々と避けると、地面へ叩き付けさせないようにハルバードでその腕を弾き上げた。
「オットット!?」
 弾き上げられた腕の勢いに、ジェスターが思わず後ろへ仰け反った。
「無駄です。ユーフィさん!」
「はい! いきます!」
 隙が出来た刹那、ユーフィはユーベルコードをねじ込む!
「戦士の斧剣よ! その絆の糸を以て導となれ! わたしは此処にいます!! だからお願いします! 《折れぬ大樹『ユーフィ』》!」
 彼女が絆の刃『戦士の斧剣』を掲げた次の瞬間、斧剣から褐色肌の銀髪の女性が姿を現した。
 それは、アルジェンの妻、ユーフィ……彼女と同じ名前を持つ、勇者を救いし伝説のエンドブレイカーを召喚したのだ。彼女にとってもジェスターは仇討ちすべき敵であった。
「ユーフィさん! ユーフィ! 往きますよ!」
 アルジェンの合図で、三人はジェスターを取り囲み、三角形を描くように高速移動攻撃を開始!
 その卓越した連携攻撃は、まるで10年間も一緒に戦ってきたかのような阿吽の呼吸だ。
 アルジェンの妻が斧剣でジェスターの肩を削ぎ、ハンマーへの膂力を殺す。
 そしてユーフィの巨大剣が横一文字にジェスターの胴をバッサリを掻っ捌いた。
「がハッ!? マサカ、このワタシが、負けるのですカ……!?」
「もう無敵ではないのですよ、ジェスター!」
 ユーフィは大剣を軸にして身体を大回転、遠心力を乗せたローリングソバットがジェスターの延髄へ炸裂だ!
 ゴリッとジェスターの頸椎が砕ける音が響く。
「アルジェンさん!」
「ええ……! 分かってます!」
 皇家に眠っていた宝剣と縁の聖刃『ディアボロスブレイド・AG』の二刀を構え、連続して超音速斬撃をアルジェンは仇敵に叩き込む!
「これは僕の戦友の分! これは戦場ですれ違った方の分、そしてこれも、これも、これもこれもこれも! 58人の無念を今ここで、晴らすのです! ですから!」
 二振りの刃をジェスターの胴に挟み込むように添えるアルジェン、一思いに左右の腕を全力で振り抜いた。
「ここで……あなたを、仕留めます!」
「ギャアアアアァァァ!」
 仇敵の断末魔がマギラントの郊外に轟く。
 そして上下真っ二つになったジェスターは、風に攫われて砂塵となって消滅していった……。

 こうして、ジェスターこと11の怪物『ムシュフシュ・ザ・カーニバル』は討伐された。
 だが、まだ7体の怪物がエンドブレイカー世界を我が物にしようと蠢いている。
 猟兵達に安息の日が訪れるのはまだまだ先だ。
 故に、すぐに猟兵達は再び別の戦地へ向かってゆくのであった……。

<了>

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年09月08日


挿絵イラスト