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エンドブレイカーの戦い⑤〜青きヴェルソーの快哉

#エンドブレイカー! #エンドブレイカーの戦い #水神祭都アクエリオ #ゴンドラ海賊を追え! #量産型ゴルバック #夕狩こあら

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 ――水神祭都アクエリオ。
 無限の水を湛える巨大な水瓶を中心に発達した都市国家は、緻密に巡らされた大小の運河にゴンドラが行き交う、優雅な景観が住民の誉れであったが、今や運河は剣戟と叫喚の響く乱闘の場と化していた。
『牙ガガ牙ガ! 欺ガガガ!』
「やめて! きれいな街の景色が壊れちゃう!」
 ゴンドラに乗って爆走するは、エリクシル配下の海賊『量産型ゴルバック』。
 両腕の機械掌を振り回し、一切合切を攫いゆく人型兵器の後ろには、現地の勇猛な冒険者達が続き、連中の暴挙を食い止めんと追いかけていた。
「畜生ッ、海賊共が好き勝手に暴れやがって……なんて速さだ!」
「乗れ! 俺がゴンドラを漕ぐから、お前は奴等をとっちめろ!」
 冒険者を援けるのは、街の水路に精通したゴンドラ乗り。
 住民達は互いに協力して、機械海賊と水上戦を繰り広げていたが、現況はゴルバックが有利か。
『呉ゴゴゴ呉ゴォオ!』
 ただでさえ大きな機械掌は、巨杭を撃ち出すや命中したものを転移させ、ゴンドラ乗りの櫂や女騎士のビキニアーマーなど、戦いに必要なものをじゃんじゃん略奪していく。
「あっコラやめろ! ズルいぞう!」
「えっ、ちょ、待っ……いやーん!」
 問題は距離か。
 優秀なゴンドラ乗りや冒険者達が接近する前に、左腕のパイレーツバンカーが遠距離から攻撃・略奪するので、彼等は不利な戦いを強いられているのだ。
「くそー! これじゃ近付く前に丸裸にされちまう!」
「えーん、もう裸同然よ……!」
 屈強な者達が悔しがる中、海賊らは『雅ハハハ!』と笑い声を置いて千切るのだった。


「アクエリオの運河を暴走する海賊をとっちめてくれないかしら?」
 随分と悪事を働いているのだと、柳眉を顰めるニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)。
 現在、エリクシル配下の機械海賊『量産型ゴルバック』が運河を好き勝手に走り回り、建物と建物の間に吊るされた洗濯物を引き裂いたり、鉢植えを割ったり、目に付いたモノというモノを破壊・略奪していると説明を足した彼女は、これが中々に厄介な相手だと注意を添える。
「現地の屈強な戦士たちも協力して追いかけているのだけれど、近付く前に身ぐるみ剥がされちゃうみたいで、ロクに戦闘にならないのよ」
 特徴的なのが、両腕の機械掌。
 強欲なる黒鐵の手はあらゆるモノを攫い、壊し、特に左腕のパイレーツバンカーは「命中した物品を転移する」特殊能力により、敵対者の諸装備を奪って無力化している。
「装備を奪われて困るのは、私たち猟兵も同じ……距離やタイミングをはかって戦うといいかも!」
 機械掌を躱すか、撃ち出された直後を狙って、やっつける。
 また無事に近付けたとしても、装甲が物凄く固い上に破壊時の衝撃も大きいので、十分に気を付けて欲しいと念を押したニコリネは、しかし、猟兵なら大丈夫とも思っているらしく、気合に満ちた花顏には咲みすら湛えている。
「皆ならきっと上手くやれるわ。丸裸になんてされない筈よ」
 寧ろ戸惑う姿が見たいくらい、なんて。
 そんな冗談すら添えた彼女は、ぱちんとウインクしてグリモアを召喚する。
「水神祭都アクエリオに転送します。優雅な水上ゴンドラレースを愉しんできてね!」
 悪しき未来を破壊する為。
 希望の光となる者達が送り出された。


夕狩こあら
 オープニングをご覧下さりありがとうございます。
 はじめまして、または、こんにちは。
 夕狩(ゆうかり)こあらと申します。

 このシナリオは、『エンドブレイカーの戦い』第五の戦場「水神祭都アクエリオ」にて、アクエリオの運河をゴンドラで爆走する海賊をとっちめる集団戦シナリオ(難易度:普通)です。

●戦場の情報
 巨大な水瓶を中心に発達した、運河とゴンドラの都市国家、水神祭都アクエリオ。
 今やエリクシル配下の「ゴンドラ海賊」が運河を暴走し、水上戦闘装備を略奪するなど、蹂躙の限りを尽くしています。

●敵の情報:『量産型ゴルバック』(集団戦)
 かつて都市国家『紫煙群塔ラッドシティ』のヘレノス監獄を支配した大囚人ゴルバックの正体は、伝説の大海賊をモデルとした、海賊の人型兵器でした。その量産型が、再び出現し世界を脅かしています。
 今回は一艘のゴンドラに3体ずつ乗っています。

●プレイングボーナス:『ゴンドラを操り、ゴンドラ海賊を追跡する』
 このシナリオフレームには、特別な「プレイングボーナス」があります。
 これに基づく行動をすると、戦闘が有利になります。

●リプレイ描写について
 フレンドと一緒に行動する場合、お相手のお名前(ID)や呼び方をお書き下さい。
 二名様以上は【グループ名】を冒頭に記載願います。この場合も呼称があると大変助かります。
 また、このシナリオに導入の文章はありません。
 成功度の高い方から数名程度の採用とし、サポートも採用しつつ早期の完結に努めます。

 以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
 皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
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第1章 集団戦 『量産型ゴルバック』

POW   :    ゴルバック・ボム
自身が戦闘不能となる事で、【自身にダメージを与えた】敵1体に大ダメージを与える。【自身の正体】を語ると更にダメージ増。
SPD   :    パイレーツバンカー
【左腕のパイルバンカー】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【装甲板】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
WIZ   :    ゴルバック・アーマー
自身と装備を【体内から伸びる金属装甲】で覆い、攻撃・防御をX倍、命中・回避・移動をX分の1にする。

イラスト:カス

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クローネ・マックローネ
絡みOK、アドリブ歓迎
【SPD判定】
真剣口調で話すよ。

ゴンドラで移動しながらゴンドラ海賊ちゃん達を追うよ。
軽率にゴンドラ乗りになって自信げに振舞うよ。
…ゴンドラが通常の【運転】技能でどうにかなる乗り物だといいんだけど。(ボソッ)

UCは「ワタシの空飛ぶドラゴニアンちゃん達」を使用。
上空からドラゴンブレスや射撃武器で攻撃すれば、反撃は容易にできないよね?
600km/hを超える速度で飛べるあの子達を、上手く狙えるかな?



 目には目を、齒には齒を――。
 |同害復讐律《レクス・タリオニス》に法るなら、ゴンドラ海賊はゴンドラに乗ってとっちめるべきだろう。
 而して運河の脇に搖れて佇むゴンドラの前に立ったクローネ・マックローネ(快楽至上主義な死霊術士・f05148)は、緋玉の麗瞳に舳先から艫までを|捺擦《なぞ》ると、特に問題は無いと眼眦を緩めた。
「ゴンドラが“乗り物”なら、どうにか運転できるかもね」
 でもちょっとだけ調べようかなと、纎指は改造スマートフォンの画面を滑るや「ゴンドラ」「操作法」と検索して。
 基本操作なら大丈夫! と輕率にゴンドラに乗り込んだクローネは、然し持ち前のバランス感覺と水流を読む感性によって、スイスイと船を動かし始めた。
「――よし、これでゴンドラ海賊ちゃん達を追うよ」
 相手は巨大な機械兵器が一艘につき三体。
 隱れる手合で無し、目に入ったタイミングで仕掛けようと小気味佳い微咲を浮かべたゴンドリエーレは、かの巨影を指差すや佳聲を彈ませた。
「カワイイドラゴニアンちゃん達、一緒に頑張ろうね」
 刹那、術者が示す先に品佳い鼻梁を揃えたのは【|ワタシの空飛ぶドラゴニアンちゃん達《ブラック・ドラゴニアン・トルーパー》】。
 クローネに似た艶々しい黑肌の人型ドラゴニアン達は、運河を先行するゴルバック達を標的と認めると、漆黑の翼を広げて空を翔る。
『ッ、牙ガガッ!!』
『欺欺ガガガッ!!』
 羽搏くや最高速度690km/hに達する彼女達は、まるで疾風。
 海賊も追跡に気付いたとて、パイレーツバンカーで狙いを定めて撃ち落とすのは困難だろう。
「フーッと一息、吹きかけて!」
 そして、花のような佳唇から擦り抜けるドラゴンブレスは、威力はあれども実体が無い。
 ゴルバックらが乗るゴンドラに追いついたドラゴニアン達は、両側に回り込んで挟撃のブレス――ッ!
 黑鐵の巨体を衝撃に搖すり、ゴンドラごとザブーンと運河の中へ――彼等が最も嫌う水中に突き落した。
「――苦しい?」
『河バババッ!! 河バッ!!』
「皆から奪ったもの、全部返して貰うよ」
 ドラゴニアン達に遅れること数秒、間もなくして転覆したゴンドラの橫につけたクローネは、鋭く研ぎ澄ました聲色を以て海賊達を組み敷くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳳・雛子
ゴンドラ……舟を漕ぐなんて二学年のカッター競技会以来だ、思い出したくもない思い出だが
キャバリアでは入り組みすぎた地形だな……ここは大人しくゴンドラで追跡を実施する。視えているなら光弾は撃てる、操舵に注力しよう

原則、敵をロストしない程度に距離を保ちつつUCによる攻撃
複数いるならまとめて光弾を放って駆逐する
敵の杭には[第六感][勝負勘][窮地での閃き][瞬間思考力][戦闘演算]を駆使して回避を試みる、住宅などがあれば[軽業]で壁を蹴ったりで回避パターンを読まれないように心掛ける。操舵のコツは[学習力]で本番で覚えていくさ

敵が硬いなら無闇に拿捕を試みない方がよさそうだ、光弾による砲撃で近寄らせない



 運河に繋留された一艘の画舫を前に、幾許か逡巡する。
「……ゴンドラ、か。舟を漕ぐなんて二學年のカッター競技会以來だ」
 白魚の纎指を櫛にして、くしゃり、前髪を搔き上げる。
 伏し目がちに櫂を見るのは、あまり良い記憶が無いからか――交睫ひとつして思い出と訣れた鳳・雛子(Angel Wing・f40342)は、ヒラリと舳先に飛び乗った。
「仕方ない、大人しくゴンドラで追跡しよう」
 複雜に入り組んだ運河でキャバリアを運用するには難がある。
 愛騎『Heaven Shaker』を橋の上に留め置いた雛子は、嘗ての記憶は隅に、躯に馴染んだ操船術だけを引き出して、破壊と略奪を繰り返す海賊達を追った。
「何も追いついて追い越す必要は無い。視界に入れば十分だ」
 五感を集中すれば、複数の海賊が暴走しているのが判然る。
 刹那、前方から凄まじい勢いで來るゴンドラを視認した雛子は、咄嗟の判斷力で櫂を捌くと、運河スレスレを行き交いざま、眼路に飛び込む巨杭の旋回を身を低くして避けた。
『牙ガガ牙ガッ!!』
「パイルバンカーは回避。次いで左腕の薙ぎ払いも――躱す」
 轟ッと風を切って擦れ違ったのも一瞬。
 水飛沫の|走《たばし》る中、搖れるゴンドラを宥めるようにしてバランスを保った雛子は、建物の壁を蹴って方向転換すると、猛スピードで逃げ去る海賊を追った。
「敵をロストしない程度に距離を保てれば、それでいい」
 漕ぐ程に操舵を學びゆく雛子は、視線を眞直ぐ前に向けた儘。
 船影を見失わぬようゴンドラを走らせた彼女は、自身と標的、そして橋の上に配置したキャバリアが最適な位置に据わるのを見計らって手を挙げた。
「モニカ、ニコラ、――光を呉れ」
 云うや刹那、運河を滑る黑鐵の群れに光彈が撃ち込まれる。
 一帯を眩く白ませたのは、【Luminous Shot】――愛騎に搭載された演算装置Luminous“Monica”及び“Nicola”が、ゴルバックに座標を結ぶや破壞する。
『呉……ッッ呉ゴ……!!』
「ルミナスの光彈の射程は12,769m。お前達の杭打機の比じゃあない」
 ズル……とゴンドラより零れ落ちる邪影を確かめた雛子は、ぽつり冷然を零し、
「無闇に拿捕を試みない方がよさそうだ。――次に行こう」
 と、新たな獲物を目指して漕ぎ出すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファニファール・ビリュンケット
イラストID 185591

ゴンドラ海賊とは……。
彼らが齎す蹂躙の終焉、終焉させてみせる!

アクエリオのゴンドラ持ちとしての鍛錬は欠かしていないぞ!
水の流れをゴンドラやオールの感覚からの情報収集で瞬間的に思考。
そこから地形をも利用して、人気のない方誘導しつつ。
先回りや流れを掴んで一気に接近。

敵の攻撃はエンドブレイカーの力で未来を読み、回避し続けつつ。
そのままカウンターで敵をなぎ払い装甲という名の鎧を砕いて。
2回攻撃の追撃で今度は砕けた鎧からの防御無視攻撃の串刺しを見舞って一体を倒して。
爆発で他2体を撃破していきます!

随分と楽しんだみたいだが、私のは奪わせないぞ?
貴様たちは我が誓いの刃が打ち砕く!



 バイザーの奧、翠緑の瞳を眇めて運河を|睼《みむか》う。
 敏い耳には騷擾の音も聽こえようか、目下、黑鐵の機兵達が大爆走し、其を追う勇士達から次々と装備を奪う樣子が捉えられた。
「ゴンドラ海賊とは……」
 運河の波音に水神の嘆きが聽こえるようだと柳眉を顰めたファニファール・ビリュンケット(緋炎蒼水・f39689)は、脇に繋留した自前のゴンドラに乗り込むと、力強く漕ぎ出す。
「彼らが齎す蹂躙の終焉、終焉させてみせる!」
 水都アクエリオの|画舫漕ぎ《ゴンドリエーレ》の矜持は、聢と鍛錬したこの身に刻まれている。
 手に握る櫂や船体から、常に變化する水流や水勢を感じながら運河を進んだ佳人は、敵に我が船影を視認させつつ、牽制するように距離を詰めていった。
(「この先は卸市場……|競売《せり》は終わっている筈」)
 身勝手に侵襲した海賊には無い地の利を活かし、人の寡い区域へ誘導する。
 ただ追われているだけと思った海賊らは、返り討ちに――ファニファールからありったけの装備を奪わんとパイレーツバンカーを射出するが、巨杭の軌道から旋回速度、着彈点などを|視た《・・》佳人は、その帰着を許さなかった。
「全て回避する。ゴンドラの舳先にも觸れさせやしない」
 烱瞳に宿る決意、其は【|終焉に終焉をもたらす者《エンドブレイカー》】の譽れ。
 我が瞳に視た“滅びのエンディング”に抗うよう、巧みな操船で巨杭を躱したファニファールは、衝撃にたばしる飛沫を頬に掠めつつ、水面を疾る風に白金の髪を梳りながら前進――! 敵のゴンドラの側面につけた!
「その装甲という名の鎧を砕く」
『呉ゴ呉ゴゴッ!!』
 櫂に代わって眞一文字に閃く、白刃のハルバード『フラマ・アスール』。
 鋭く嚙みついた斬撃に敵勢が蹌踉めいた瞬間、柄を旋回して石突を喰らわせば、黑鐵に穴を開けた機兵が大爆発!
 然し爲手たるファニファールは鬪志溢れる麗顏をその儘、小気味よい|微咲《えみ》すら湛えつつ、爆発の衝撃を残る二体に押し付けた――!
「随分と樂しんだみたいだが、私のは奪わせないぞ?」
『牙ガガ――ッッ!!』
「貴様達は我が誓いの刃が打ち砕く!」
 僅かに遅れて更に二体が爆ぜ、ゴンドラが大きく搖れる。
 猛然と膨れ上がる爆轟を背にした騎士は、次の標的を目指して漕ぎ出すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鹿村・トーゴ
不粋な海賊退治、助太刀しよっか

周囲のゴンドラ操舵【情報収集】見様見真似で動かし【追跡】
縄付きクナイを敵船に【投擲】→
連結し縄を上を走り敵船侵入
船に縄を置き【ロープワーク、念動力】で敵の足捌き阻害する為低く張る
敵と敵に挟まれる位置でUCの蜂羽音大きく飛び回らせ【催眠術】で囁きも併用、挑発し敵の攻撃誘う
『海賊は仲間の宝も奪って稼ぐんだろ?
獲られる前に、…

【軽業と野生の勘】頼りに攻撃一瞬前に下方へ【スライディング】回避→
敵のUC同士討ち狙い【だまし討ち】
巧く行けば背後からクナイでトドメ【傷口をえぐり暗殺】
もしくは首に縄を括り且つ運河に沈める

策に失敗したら【激痛耐性】で耐えてトドメ強行だな…

アドリブ可



「……なんとまぁ不粋な」
 戰亂に乗じて略奪が起きるのは世界共通か。畜生。
 劍戟と叫喚の入り交る運河を高みより俯瞰した鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)は、水路や地形を調べる傍ら、|画舫漕ぎ《ゴンドリエーレ》の巧みな櫂捌きを見て|竊《ぬす》む。
「賊退治は慣れてるし、助太刀しよっか」
 屋根から飛び降りるや、脇に繋留してあった一艘にヒラリと乗り込む。
 見樣見真似の操舵ながらスムーズに漕ぎ出したトーゴは、運河の合流地点に爆速で侵入するゴンドラを発見しざま、縄付きクナイを投擲! 艫に絡げて己の船と連結させると、縄の上を輕やかに疾って敵船に乗り込んだ!
『!! 牙ガガガッ!!』
「よう、海賊。お縄になって貰うぜ」
 宙空でニッと嗤笑ったトーゴは、着地と同時に縄を操り、シュルシュルと床に這わせる。
 念動力によって蛇のように動き回った縄がゴルバックらの脚部に巻きつく中、連中の視線が足元に移った瞬間には、ブブブ……と唸るような羽音が頭部に纏わりついた。
「七針、|囁《つつや》け」
 古い針を取り出したトーゴがそう小さく告げたが、羽音に滿たされたゴルバックらには聽こえまい。
 今や連中の聽覺には、欲望を煽る|囁聲《ささやき》が觸れ、躯を支配しようとしていた。

 “――海賊は仲間の宝も奪って稼ぐんだろ?”
 “――獲られる前に……なぁ、然うだろう?”

『――欺ギギ欺ギッ!』
 奪え、掠めろと唆したのは【|虚蜂《ウロバチ》】の羽音。
 刹那、ブンと振り回される強欲の腕を、下方へ滑り込んで躱したトーゴは、この至近距離で巨杭を撃ち出した一体が、仲間の装甲を串刺しにする――ズンッと響く鈍い衝撃に柳眉を顰める。
「うっわ、痛そうだ」
 同士討ちを仕向けた本人は飄々たるもの。
 ぐうらと傾く巨躯の背後に回り込んだトーゴは、逆手に握れるクナイを損傷部に突き立てるや、運河へと身を屈めるゴルバックの入水を援けてやった。
「おっと、自爆は水中で頼むよ。船上で爆せられちゃ、俺だって持たねぇもん」
『呉……呉ゴ……ッッ』
 一体が水面を潜れば、縄で結ばれていた残る二体も、引っ張られるようにしてドボン、ザブン。
 而して爆発の衝撃を船底の突き上げのみに受け取ったトーゴは、転覆は御免とばかり自身のゴンドラに飛び乗ると、別の標的を探しに漕ぎ出すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
id=183875

洗濯物に鉢植えに……世界の危機なのは確かなのに、やってることは低俗なチンピラですね……

水着を着て聖槍を携え、いざ【追跡】
現地の方にゴンドラ漕ぎを手伝ってもらい、自身は舵を繰る


撃ち込まれる杭を舵用の櫂で殴って逸らす(カウンター)
櫂を奪われてしまうが、敵が次弾装填するまでに一気に距離を詰める
次弾を聖槍で弾き、水着も奪われ、抵抗力を失――ったと見せかけ、敵のゴンドラに跳び移り(ジャンプ)、【天崩脚】で頭部を叩き割る(踏みつけ)
――勿論、危ないところは手で隠して!

頭部を【部位破壊】するので正体どころか喋ること自体不可能な筈
装甲板を【怪力】の拳で粉砕(鎧砕き)して、槍と水着を回収



 世界に騷擾が滿ちると、その末端までも亂れる。
 目下の蛮行は其の|象徴《あらわれ》かと嗟嘆を零したオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は、つと、爆走する海賊達に唇を嚙む|画舫漕ぎ《ゴンドリエーレ》に聲を掛けた。
「もし、そこの方。ゴンドラ漕ぎを手伝って頂けませんか? あの凶行を止めたいのです」
「うおっ! なんちゅう水着! なんちゅう美女!」
「私は平和を願う一介の修道女。舵は自分で致します」
「なんちゅう修道女! だが分かった、俺に任せろ!」
 男の漕力は勿論、水路を知り尽した地元民パワーも頼もしい。
 早速タッグを組んで海賊を追跡したオリヴィアは、間もなく前方に船影を認めると、洗濯物や鉢植えなど、手當たり次第に散らかす海賊に烱瞳を絞った。
「……世界の危機なのは確かなのに、なんと低俗な。あのチンピラを召し捕ります!」
「そうだ、海賊は縛り首だ!」
 二人が意気投合した刹那、追跡に気付いたゴルバック達がパイレーツバンカーを射出ッ!
 然し轟ッと迫る巨杭を櫂で叩き落したオリヴィアは、命中するや敵方に転移される其を惜しむ間もなく船を進める。
「次彈を装填するまでに、一気に距離を詰める――!」
「おう、その意気だ!」
 二体目の機兵が畳みかけるが、今度は聖槍一閃して軌跡を往なす。盗られる。
 三体目の巨杭撃は、水着一枚を掠めさせて躱す。これも盗られる。
「あっあーっ、ありがとう!! じゃなくて危ない、際どい!」
「いいえ、まだ足があります!」
 水都だもの、トップレスもいいよねと男が感謝したのも一瞬。
 兩手で胸元を隱した聖女は、そのあられもない姿に敵が『外ヘヘヘ!!』と笑った隙にジャンプ! ゴンドラを側面に寄せた瞬間に跳び移ると、【|天崩脚《メテオ・ストライク》】三連撃ッ! 強烈な踵落としを炸裂した!
「正体を語る必要も無し! 口を割るより迅く、装甲を叩き割ります!」
『ン牙牙――ッッ!!』
 腦天を割り、胴体を拉げたゴルバックが自爆する――その前に聖槍と水着を取り返す!!
「爆発に巻き込まれる! 急いで離れよう!」
「はいっ」
 カッと爆ぜる光熱衝撃を背に、猛スピードで漕ぐ男。
 その舳先ではオリヴィアが、いそいそ、こそこそとホルターネックを結んでいたのは|内緒《ひみちゅ》の話だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロービス・ノイシュタット
myゴンドラ持ちエンドブレイカーの腕の見せ所だね
もう何年も乗ってないけど!

喧騒ある所に敵はあり?
共鳴力重視でバランスの良い操舵を心掛け
腕の動きや体の向き等、予備動作を見抜けたなら、軽技活かして回避を
そうそう脱がされてやるものかー、と
そんなの許せる相手は一人だけなんで!

リングスラッシャーは、腕脚など攻撃や機動の要を狙い爆破
一体に偏らぬ様
また、旋回したり纏わりつかせたりしてから攻撃させる等…
ブンブン、凄ーく邪魔っけになる様に
そっちが転移の標的にされても問題ナシ
寧ろ、好都合
此方への注意が散漫になれば万々歳
…装甲板の中も爆破って出来るのかなーやってみようかなー(わくわく

俺だって戸惑わせる側が良いんだい



「随分と久々だけど、機嫌よく頼むよ」
 もう何年も乗っていなかった|画舫《ゴンドラ》を宥めつつ、櫂を入れて漕ぎ出す。
 水流が船底からダイレクトに伝わる感覺が懷しいと、硝子に隔てた深藍の玉瞳を細めたクロービス・ノイシュタット(魔法剣士・f39096)は、目下、風が運ぶ劍戟叫喚にスッと鼻梁を結んだ。
「喧騷ある所に敵はあり? ――|悪戯《わるさ》してるねえ」
 運河を爆走するゴルバックらの船影を補足するや追跡する。
 向こうも追手に気付いたか、艪に据わる一体が巨杭を撃ち出すが、彼は飄然たる儘。
「そうそう脱がされてやるものかー、ってね」
 あれほど巨きな杭打機は予備動作なく撃てる代物では無い。
 躰の向きや腕の角度から軌道を予測した麗人は、巧みな操舵でこれを回避すると、間際でザブンと繁吹く水の冷たさに微笑した。
「肌を見せるのは心を晒すのと同じ。そんなの許せる相手は一人だけなんで!」
 濡れた頬をグイと拭った手は、眞橫に伸ばされるなり白光を帯びる。
 凛と敵船を|睼《みむか》うクロービス、その弓張月の如き橫顏を輝かせるは【リングスラッシャー】――放たれるや最高速度670km/hの超速で疾った光輪は、巨杭を撃った直後の肩を彈いて躯を搖らした!
『呉ゴゴ呉ォッ!!』
「一体に偏らず平等にいこう」
 贔屓は良くないと、水面を疾った光輪は|遊戯《いたずら》に船上を旋回し、五月蠅いと払い退ける腕と腕をぶつからせる。
 邪魔っけたっぷりにブンブン、纏わりついてはサッと引く俊敏が敵を翻弄させよう。
『牙ガガ牙――ッ!!』
『欺ッギギッ、ッ!!』
 搖れる船の上、怪腕に薙ぎ払われた一体が落水――!
 その滑稽な絵に人々が快哉を叫ぶ中、クロービスは残る二体が杭打機を構えた瞬間にニッと含笑って云った。
「光輪を相殺する? 鹵獲する? ――どちらも無理筋だけど、注意が散漫になるのは万々歳だよ」
『呉――ッ』
 光輪が黑鐵の間で滞空した刻だった。
 海賊らが「今だ」とばかり撃鉄を引いた前方には、光輪と、仲間――兩者は互いを撃ち合い、同時に大きく爆ぜた!
 強烈な焦熱爆風に画舫を搖らされたクロービスは、何とか体勢を保ちつつ、
「俺だって戸惑わせる側が良いんだい……って、振り落とさないでよ?」
 ――なんて。
 久方に共鬪する相棒を、また宥めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

浅間・墨
ロベルタさん(f22361)
えと。ゴンドラで海賊の追跡をするのは私がしますね。
舟の類の操作はこれが初めてですが恐らく大丈夫…だと。
「…が…。頑…ります…!」

操作に不慣れなせいで初めは思ったように動いてくれません。
しかし慣れてくると徐々に使いこなせるようになってきます。
流石に海賊というだけあって凄く速いですね。あちらの舟は。

……。いざとなったら私が『舟に届くような道』を作ります。
ロベルタさんが相手の舟まで到達できるような『道』を。
海賊の舟の位置を確認して【蒼閃『御神渡』】をくり出します。
水面を走る冷気が先へ行く舟の後方を捉えることができれば…。
そして上手い具合に凍結して舟を止めることができれば上々です。
更に冷気で兵器の機能?が鈍くなったらいいですが…どうでしょう。
後はロベルタさんにお任せしますね。私は舟の操作で精一杯ですから。

他の方々の追跡の邪魔になるような凍結の仕方は極力避けますね。
一艘でも逃がしてしまったら元も子もないと思うので。


ロベルタ・ヴェルディアナ
墨ねー(f19200)
舟の操縦かー。できたらカッコいいんだろうけどねぇ…。
う!僕には難しそうだじぇ。そして破壊しそうだよねぃ?
ということで凄く器用そうな墨ねーに頼むことにしたよ。
…でも流石に舟は難しそう。料理みたいにはいかないか~。

最終手段で【雷神の大槌】利用して水面を駆けて追跡しよ♪
だからパフォーマンスで身体機能上げて封印を解いて限界突破を。
…んで。次に多重詠唱しながら継戦能力で速度と威力を維持して…。
いつでもゴンドラ海賊達の舟のどれかへ行く準備を整えておくじぇ。

やっぱり似たようなことを考えてたみたいだねぃ。流石は墨ねー♪
墨ねーが作った『橋』を【雷神の大槌】で駆けて海賊の舟に到着!
舟に辿り着く前にパイルバンカーに捕まって僕は…何もおこらない?
じゃあ。胸板(装甲板)を貫いちゃえ♪うえぇ~い。



 水都アクエリオにて暴虐の限りを尽くすゴルバック達。
 連中が運河を爆走した後には、「海賊は縛り首だ!」とばかり勇んだ冒険者や|画舫漕ぎ《ゴンドリエーレ》が水路に乗り出していくが、現地民に続いて繋留地に至ったロベルタ・ヴェルディアナ(ちまっ娘アリス・f22361)は、ゴンドラの前で「うー」と首をひねった。
「舟の操縦かー。できたらカッコいいんだろうけどねぇ……」
 中に|制御装置《コンピュータ》でも備えていたらハッキングして操れたろうが、櫂ひとつではお手上げだと肩を竦める少女に次いで、浅間・墨(人見知りと引っ込み思案ダンピール・f19200)も戸惑いを見せる。
「乗った……は……あり……すが……、見る……のと……やる……のでは……」
 ゴンドラに乗った事はある。二人でゲッソー・シーに行った時、アトラクションとして愉しんだ。
 エンパイアの渡し船にも似ていようかと、切揃えの奧の瞳が|凝乎《ジッ》とゴンドラを見つめたなら、隣するロベルタが何か閃いたか、莞爾と咲みつつ櫂を差し出した。
「僕がやるとココらへんとか壞しそうだじぇ」
「舳先……そ、それは……」
「ということで墨ねー。凄く器用そうだし、お願い♪」
「……が……。頑……ります……!」
 ロベルタの言は決して|脅迫《おどし》では無く、そして墨は危機管理に優れている。もう長い付き合いだ。
 舟の類の操作は初めてだが、精一杯漕ごうと櫂を受け取った墨はゴンドラへ。続くロベルタもヒラリと飛び乗れば、二人を乗せたゴンドラは漸う運河へ――心地良い水音を船底に流しながら走り出した。

  †

「墨ねー、やっぱり器用だじぇ~♪ ゆっくりだけど、ばっちり進んでるねい♪」
「……前へ……方法、は……理解……ました……」
「破壞も転覆もしないなんて、やるぅ~♪」
 結果として、ロベルタの判斷は“正しかった”。
 最初こそ艪を回して苦勞したものの、舵取りを任された墨は風や水の流れをよく読み、幾度かトライ&エラーを繰り返した後、櫂を操るコツを摑んだ。元々、自然との親和性が高かった事もあろう。
 然し慣れ始めるほど速度を上げるのが難しいとは理解って、墨は遠きにある船影を見ながら額に汗した。
「……縮まり……せんね……距離……」
「うー。料理みたいにはいかないか~」
「流石に……海賊と……だけ、あり……す……」
「向こうのゴンドラに橫付けして……っていうのは無理そうだじょ」
 海賊らしくお縄に掛けてやりたい処だが、縄を投げるにも遠すぎる。
 足元にある繋留用の縄に次いで、目下にも蛮行を繰り返すゴルバックらを見た二人は、悔しげに花唇を結んだ。

(「うー……いざとなったら、僕が頑張って……」)
 若しか海賊に千切られようなら、最終手段として|水面を駆ける《・・・・・・》か。
 魔力も身体能力も詠唱を重ねて全開に、己の限界を超えて振り絞ったなら、ここからのジャンプで敵船へ辿り着けるかもしれない、と――ロベルタは凛乎と祕呪を紡いでいく。

 今の事態を切り開こうとは、墨も同じ|量見《かんがえ》。
(「……。いざとなったら、私が『道』を作って……」)
 技量差に顕れる距離を詰めるのは難しい。
 ならば、|此処から仕掛ける《・・・・・・・・》べきか――。
 狙い定まったか、明鏡止水の境地で深呼吸した墨は、敵船を見据えるや我が身に祕める巫力を解放した。

「ロベルタさん……これから……私、が……『むこうの舟に届くような道』を……ります」
「! さっすが墨ねー! やっぱり似たようなことを考えてたみたいだねぃ♪」
 金蘭の|戰友《とも》ならではの以心伝心、これほど嬉しい事はあるまい。
 身を低く腰を落して構える墨の隣、ぱぁっと花顏を咲かせたロベルタは、彼女が淸冽とした靈気を帯びるに合わせて舳先に乗り出すと、サッと水面を駆け抜けた冷気が忽ち運河を凍らせていく奇跡を見た。
「響け……|蒼閃《ソウセン》『|御神渡《オミワタリ》』……」
 視界は広く、他の冒険者や猟兵らの追跡を妨害せぬよう敵味方を区別して解き放つ――神威的超常。
 愛刀の代わりに櫂を虚空で一突き、その瞬間に疾駆した凍気が龍の背鰭の如き氷堤を隆起させ、前方を往く海賊らのゴンドラを捕まえる。その景色は正しく御神渡、神が水を鎮めて渡った跡のよう。
『ッ!? 牙ガガガ牙ガッ!!』
『欺ギギ……欺ギギ、ッ』
 而して捕えられたのはゴンドラのみに非ず。
 水面から襲い掛かる凄まじい冷気に襲われた黑鐵の機兵は、魂にあたる核を急速凍結して動きを鈍らせ、巨杭を撃つにも装甲を延伸するにも大いに遅滞させた。
「後は……お任せ……ます……! 私は……舟、の……操作で……精一杯……すから」
「う! いってきまーす♪ 氷の上を走るなんて樂しそうだねぃ」
 二人が佳聲を交えて須臾、ロベルタが墨の前髪をサラと搖らして疾る。
 舟縁から飛び出すや風の如く雷の如く、超高速で氷面を駆けたロベルタは、【|雷神の大槌《ミョルニル・ハンマァー》】――ッ!
 瞬きの裡に敵懷に肉薄するや、槌撃の如き水面蹴りで装甲を砕いた!!
「Uccidi i nemici in orbita con l'aiuto del ruggito! 雷鳴が轟いた刹那、稲妻が閃くんだじょっ!」
『呉ゴゴ呉――ッ!!』
 超硬度の金属装甲を歪に拉げた一体が、ぐうらと巨躯を傾けて沈めば、残る二体が揃って杭撃機を構えるが、一度に二発の巨杭を掠めたロベルタが“転移”される事は無い。
「あれ、何もおこらない……?」
「……装甲、板……中に……入らない……ものは……奪えない、と……」
 遠くで戰況を見守る墨の呟きは聽こえまいが、ロベルタも勝手は理解ったよう。
 蹴撃で攻撃したのが幸運であったか、轟然と唸る巨杭の鋩を肌膚に掠めて躱した少女は、翼を生やしたように宙空で一回転して閃雷ッ! ズドンと重みのある回し蹴りを胸部に叩きつけた――!
「じゃあ。胸板を貫いちゃえ♪」
『ッ、呉ッッ――!!』
「うえぇ~い、|会心の一撃《クリティカルヒット》だじょ♪」
 雷槍の如き蹴撃は、背後にいたゴルバックごと串刺すように炸裂。
 凄まじい衝撃にゴンドラから押し出された二体は、墨が生成した氷面を滑って、滑って――自爆した。
「やったぁ♪ 墨ねー、僕達うまくいったみたい!」
「はい……♪ ロベルタさん、も……流石……です……」
 その派手な爆発音を聽いた住民らが運河沿いの建物から次々に顏を出すと、万雷の拍手を浴びた墨とロベルタはホッと安堵の息ひとつ、勇士を讃える喝采に手を振って応える。
 これらの痛快な海賊退治の顛末には、水神アクエリオも快哉を得たか。
 巨大な水瓶より溢れる水は靑く碧く、勇者達の勝利を謳うような輝きに滿ちていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年09月10日


挿絵イラスト